JP2004007943A - 回転子コア用の電磁鋼板形成体、これを用いた永久磁石内蔵型回転電機用回転子、永久磁石内蔵型回転電機、および回転子コア用の電磁鋼板形成体の製造方法 - Google Patents

回転子コア用の電磁鋼板形成体、これを用いた永久磁石内蔵型回転電機用回転子、永久磁石内蔵型回転電機、および回転子コア用の電磁鋼板形成体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄損を低く抑えて高回転数化を達成することのできる回転子に用いられる電磁鋼板形成体を提供する。
【解決手段】永久磁石内蔵型回転電機の回転子に用いられる電磁鋼板形成体1において、永久磁石を挿入するための開口部2、3の外周側に、外周部110に至らない部分に、硬さが他の部分よりも高い外周側硬化部を形成し、開口部2、3の間の中央に未硬化部を残しつつ、開口端部分に他の部分よりも硬い開口部間硬化部12を形成することで、回転子を回転させたときに磁石にかかる遠心力に耐えうるようにした。
【選択図】      図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石内蔵型回転電機の回転子コアの形成に用いられる電磁鋼板形成体、これを用いた永久磁石内蔵型回転電機用回転子、永久磁石内蔵型回転電機、および永久磁石内蔵型回転電機の回転子に用いられる電磁鋼板形成体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石式の回転電機は、たとえば電気自動車やハイブリッド自動車などの駆動用モータとして用いられている。なかでも永久磁石を回転子に内蔵した同期モータは高回転数化と小型、軽量化を実現することが可能であるために多く用いられている。
【0003】
図27および28は、このような永久磁石内蔵型同期モータの回転子コアの例を示す図面である。
【0004】
この回転子コア100は、いずれも8極で、1極に対して1個の磁石挿入用の開口部101が設けられている。このような回転子コア100は、電磁鋼板から図示するようなコア形状に成形された薄板を複数枚積層して形成されている。本明細書においては、この回転子コアを形成する1枚の薄板を、電磁鋼板から形成したものであることから電磁鋼板形成体と称する。
【0005】
モータは、一般的に高速回転させた方が小型にできる。このためモータの高回転数化が図られてきている。ところが、このような永久磁石内蔵型モータの回転子は、回転子が回転することにより磁石に対して遠心力が働き、それは高回転数化するほど大きな力となる。このためモータの最高回転数は回転子に使われている電磁鋼板自体の強度に制限される。
【0006】
一方、電磁鋼板は、その強度が高くなるほど鉄損が大きくなり、回転子が発熱する原因となっている。このため強度を上げたくても上げることができない。これは回転子が発熱した場合、用いる永久磁石によってはその熱により磁力を失ってしまうため、回転子の温度上昇を避ける必要があるからである。
【0007】
電磁鋼板形成体の鉄損を上げることなく、回転子の高回転数化を可能にするための方策としては、たとえば特開2001−16809号公報に、遠心力により磁石によって回転子コアにかかる応力集中を拡散させる磁石挿入口の形に関する技術が開示されている。
【0008】
この技術によれば、図29または図30に示すように、遠心力によって応力が集中する磁石挿入用開口部(スロット)101の角部を含むように、角部の曲率より大きな曲率で、外周側に向けて膨らむ円弧空間102(図29)や、105(図30)を設けて、この円弧空間102、105により、応力集中を回転子の外周部110とスロット101との最短部からずらすことで、応力の集中を拡散、緩和している。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−16809号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなスロット外周部に空間を設ける場合、その形状や大きさによっては、応力の集中をうまく分散、緩和することができないため、その形状の決定が難しいという問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、鉄損を低く抑えて高回転数化を達成することのできる回転子コアの形成に用いられる電磁鋼板形成体を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は、鉄損を低く抑えて高回転数化を達成することのできる回転子を提供し、さらにこの回転子を用いた回転電機を提供することである。
【0013】
さらに、本発明の他の目的は、鉄損を低く抑えて高回転数化を達成することのできる回転子に用いられる電磁鋼板形成体の製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記の構成により達成される。
【0015】
(1)永久磁石内蔵型回転電機の回転子コアを形成するために用いられる電磁鋼板形成体において、永久磁石を挿入するための開口部と、前記開口部の回転子外周側に形成された他の部分より硬い外周側硬化部と、を有することを特徴とする電磁鋼板形成体。
【0016】
(2)上記の電磁鋼板形成体を複数枚積層したことを特徴とする永久磁石内蔵型回転電機用回転子。
【0017】
(3)上記の永久磁石内蔵型回転電機用回転子を用いたことを特徴とする永久磁石内蔵型回転電機。
【0018】
(4)永久磁石を挿入するための開口部の外周側に、少なくとも該外周側から回転子の外周部に至らない範囲で他の部分よりも硬い硬化部を有する永久磁石内蔵型回転電機の回転子に用いられる電磁鋼板形成体の製造方法であって、前記回転子の形状成形前の電磁鋼板に対して、前記開口部の外周端となる部分を含む領域を加工硬化する段階と、型打ち抜きにより前記回転子形状および前記開口部を成形する段階と、を有することを特徴とする電磁鋼板形成体の製造方法。
【0019】
(5)永久磁石を挿入するための開口部の外周側に、少なくとも該外周側から回転子の外周部に至らない範囲で他の部分よりも硬い硬化部を有する永久磁石内蔵型回転電機の回転子に用いられる電磁鋼板形成体の製造方法であって、型打ち抜きにより前記回転子形状および永久磁石挿入用の開口部を成形する段階と、前記開口部の外周端を含む領域を加工硬化する段階と、を有することを特徴とする電磁鋼板形成体の製造方法。
【0020】
(6)永久磁石を挿入するための開口部の外周側に、他の部分よりも硬い硬化部を有する永久磁石内蔵型回転電機の回転子コアを形成するために用いられる電磁鋼板形成体の製造方法であって、前記電磁鋼板形成体を前記回転子の形状からあらかじめ変形量を見込んだ形状を型打ち抜きにより形成する段階と、前記型打ち抜き後の前記電磁鋼板形成体を前記変形量分塑性変形させて前記回転子の形状に成形する段階と、を有することを特徴とする電磁鋼板形成体の製造方法。
【0021】
(7)永久磁石を挿入するための開口部の外周側に、他の部分よりも硬い硬化部を有する永久磁石内蔵型回転電機の回転子コアを形成するために用いられる電磁鋼板形成体の製造方法であって、前記電磁鋼板形成体を前記回転子の形状からあらかじめ変形量を見込んだ形状を型打ち抜きにより形成する段階と、前記型打ち抜き後の前記電磁鋼板形成体を複数枚積層する段階と、前記複数枚積層した前記電磁鋼板形成体を前記変形量分塑性変形させて前記回転子の形状に成形する段階と、を有することを特徴とする電磁鋼板形成体の製造方法。
【0022】
【発明の効果】
本発明の電磁鋼板形成体によれば、回転子コアとなる電磁鋼板形成体の永久磁石挿入用開口部の外周側に他の部分よりも硬い外周側硬化部を設けたことで、電磁鋼板全体を低鉄損のまま、回転中に応力のもっとも集中する部分を強化することができるので、高回転数化を可能にすることができる。
【0023】
また、本発明の電磁鋼板形成体によれば、外周側硬化部を開口部の外周側の全部ではなく、外周部に至らない範囲、特に、外周側開口端から回転子外周部までの間の幅に対して、開口部の外周側開口端から1/6〜1/2の範囲としたことで、外周側硬化部を形成したことによる鉄損の増加がほとんどなく、しかもこれだけの範囲を外周側硬化部とするだけで、高回転数化を達成することができる。
【0024】
また、本発明の電磁鋼板形成体によれば、一極に対して複数の永久磁石が用いられる場合には、それに対応して1極当たり複数設けられている開口部においても、開口部同士の間に開口部間硬化部を設けたので、このような一極に対して複数の永久磁石が用いられる場合においても高回転数化を可能にすることができる。
【0025】
また、本発明の電磁鋼板形成体によれば、開口部間硬化部を開口部同士の間全部ではなく、開口端部分に形成されて、開口部間硬化部同士が互いに接続せずに間に未硬化部分が存在するようにしたこと、特に、開口部間硬化部を開口端から1/6〜1/3の範囲としたことで、開口部間硬化部を形成したことによる鉄損の増加がほとんどなく、しかもこれだけの範囲を硬化部とするだけで、高回転数化を達成することができる。
【0026】
また、本発明の電磁鋼板形成体によれば、外周側硬化部および開口部間硬化部の硬さを他の部分よりもビッカース硬さで、1.3〜2.5倍としたので、高速回転の際の遠心力による応力集中に十分に耐えることができる。
【0027】
また、本発明の電磁鋼板形成体によれば、硬化部分の総和が電磁鋼板全体の表面積の1〜20%としたので、回転子を形成した際の全体としての鉄損の増加を少なくして、なおかつ、高回転数化を十分に達成することができる。
【0028】
本発明の回転子によれば、請求項1〜8に記載の電磁鋼板形成体を複数枚積層したものであるので、高速回転に十分耐えることが可能となり、小型化することができる。
【0029】
本発明の回転電機によれば、請求項9記載の回転子を用いたので、高速回転に十分耐えることが可能となり、小型化することができる。
【0030】
本発明の電磁鋼板形成体の製造方法によれば、回転子コア用の電磁鋼板形成体を形成する元の電磁鋼板に対して、永久磁石挿入用の開口部の外周端となる部分を含む領域をまず加工硬化し、その後型打ち抜きにより回転子形状および開口部を成形することとしたので、開口部の外周端を部分的に硬化させた回転子コア用の電磁鋼板形成体を容易に形成することができる。
【0031】
また、本発明の電磁鋼板形成体の製造方法によれば、複数の開口部同士の間の開口端となる部分を含む領域を、型打ち抜きの前に加工硬化することとしたので、複数の開口端の部分硬化を確実に行うことができる。
【0032】
本発明の電磁鋼板形成体の製造方法によれば、回転子コア用の電磁鋼板形成体を形成する元の電磁鋼板に対して、先に回転子形状や永久磁石挿入用の開口部形状を型打ち抜きにより形成した後、開口部の外周端を含む領域を加工硬化することとしたので、開口部の外周端を部分的に硬化させた回転子コア用の電磁鋼板形成体を容易に形成することができる。
【0033】
また、本発明の電磁鋼板の製造方法によれば、複数の開口部同士の間の開口端となる部分を含む領域を、永久磁石挿入用の開口部形状を型打ち抜きにより形成した後に加工硬化することとしたので、複数の開口端の部分硬化を確実に行うことができる。
【0034】
また、本発明の電磁鋼板の製造方法によれば、硬化部の形成にピーニング処理、または、塑性加工を用いたので、容易に硬化部を形成することができる。
【0035】
さらに、本発明の電磁鋼板の製造方法によれば、基材強度の低い低鉄損の電磁鋼板を用いて、高回転化を可能にすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0037】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態の電磁鋼板形成体を示す図面であり、図2は、磁石挿入用開口部の拡大図である。
【0038】
この電磁鋼板形成体1は、回転子を形成した際に、1極当たり2個の磁石を挿入するために2つの開口部2、3が設けられている。
【0039】
そして、この2つの開口部2および3には、それぞれの外周側部分と、1極の中の開口部同士の間の部分に、他の部分より硬い硬化部11、および12を有する。
【0040】
ここで、磁石挿入用開口部2および3の外周側部分をアウターブリッジ部15と称し、1極の中の開口部同士の間をセンターブリッジ部16と称する。
【0041】
外周側部分の硬化部11(外周側硬化部)は、開口部2、3の最も外周側(外周側開口端)から回転子としての外周部110に至らない範囲に形成されている。すなわち、この外周側硬化部11のさらに外周側には、硬化されていない部分が存在する。
【0042】
開口端が相対している部分の硬化部12(開口部間硬化部)は、それぞれの開口端から両開口端の中心Cに至らない範囲に形成されている。すなわち、硬化部同士の間には硬化されていない部分が存在する。
【0043】
図3は、この電磁鋼板形成体1の製造方法を説明するための図面である。
【0044】
このような回転子コア用の電磁鋼板形成体は、通常、電磁鋼板の元パネルからプレスによる型打ち抜きにより磁石挿入用開口部や回転子としての外形が成形される。
【0045】
そこで、本第1の実施の形態では、外周側硬化部11および開口部間硬化部12を形成するために打ち抜き前の電磁鋼板10に対し、プレス打ち抜きの形状(図中二点鎖線)に合わせて、外周側硬化部11および開口部間硬化部12となる部分を含む領域17をレーザーピーニングにより加工硬化する。その後、型打ち抜きにより回転子形状と永久磁石挿入用の開口部2および3を成形する。これにより、外周側硬化部11および開口部間硬化部12の硬化加工が可能となる。
【0046】
次に、本第1の実施の形態による電磁鋼板形成体を実際に作製し、試験を行った結果について説明する。
【0047】
(実施例1)
まず、電磁鋼板として新日鉄製の35H300を用意し、これにグリーンのレーザーパルス光でパルスエネルギー200mJ、スポット径0.8mmのものを用い、パルス量3600パルス/cm2になるような条件で、水中にて外周側硬化部11および開口部間硬化部12となる領域をレーザーピーニングした。ピーニング後においても、電磁鋼板の板厚変化はなかった。なお、レーザーピーニングについては、小畑稔ほか「パルス状レーザ照射による応力改善技術の開発−SUS304鋼に対する応力改善効果の検討」(「材料」、第49巻、第2号、193−199ページ、平成12年、2月発行)を参考に行った。
【0048】
レーザーピーニングの後、通常のプレス型打ち抜きにより図1に示したように回転子コア用の電磁鋼板形成体を成形した。形成後のブリッジ幅(図2におけるA1−A2部分およびB1−B2部分の幅)は1.5mmであった。また、電磁鋼板形成体の全面積に対する硬化部の面積の割合は7.8%であった。
【0049】
このように元の電磁鋼板をレーザーピーニング後、型打ち抜きを行ったものを実施例1とする。
【0050】
(実施例2)
また、試験体として、はじめに型打ち抜きにより回転子形状および開口部を成形した後、図2に示したものと同じ硬化部を有するように、レーザーピーニングを行ったものを製作した。なお、レーザーピーニングの条件は、スポット径のみ0.4mmに変更し、他は実施例1と同じとした。なお、ブリッジ幅は1.5mmであった。ピーニング後の鋼板の板厚変化はほとんどなかった。また、板のそり等も発生しなかった。この試験体を実施例2とする。
【0051】
(比較例1)
さらに、試験体として、型打ち抜きにより回転子形状を形成し、レーザーピーニングなどの硬化処理を行っていないものを製作した。ブリッジ幅は、実施例と同様に1.5mmとしている。これを比較例1とする。
【0052】
(1)硬さ測定結果
図2のA1−A2線、およびB1−B2線にそれぞれ沿う方向に、JIS Z2244によるビッカース硬さ試験により硬さを測定した。
【0053】
図4は、実施例1の試験体を計測した結果の硬さ分布を示す図面であり、図4AはA1−A2線に沿う方向の硬さ分布、図4BはB1−B2線に沿う方向の硬さ分布である。なお、各図において縦軸はビッカース硬さを計測したときに、元の電磁鋼板の硬さを1とした倍率を示す。
【0054】
実施例1の試験体は、最大硬さが外周側硬化部11、および開口部間硬化部12の部分において元の基材の硬さに対して1.35倍以上に達していた。なお、図4AにおいてA2側の方も硬さが上昇しているが、これは、型打ち抜きの際の加工硬化に起因するものである。
【0055】
実施例2についても硬さ測定を行った結果、図示しないが、実施例1と同様に、外周側硬化部11、および開口部間硬化部12の部分において元の基材の硬さに対して1.35倍の硬さであった。
【0056】
図5は、比較例1の試験体を計測した結果の硬さ分布を示す図面であり、図5Aは図2のA1−A2線に沿う方向と同様方向の硬さ分布、図5Bは図2のB1−B2線に沿う方向と同様方向の硬さ分布であり、各図において縦軸はビッカース硬さを計測したときに、元の電磁鋼板の硬さを1とした倍率を示す。
【0057】
比較例1においては、外周部や磁石挿入穴の型打ち抜き付近に、わずかに硬さが高くなっている部分が認められる。これは、プレス打ち抜きの際の加工硬化に起因するものである。
【0058】
(2)回転試験
図6に示す回転試験装置を用いて回転試験を行った。
【0059】
回転試験装置は、エアタービンで回転させられるスピンドル201と、このスピンドル101の芯振れを計測するための距離センサ(非接触、電磁式)202と、ダミー磁石を入れた1枚の回転子コア用の電磁鋼板形成体(試験体)1を上下から挟持して保持するスライドプレート203と、スピンドル201下部に設けられ、スライドプレート203を押さえる押さえ部204とからなる。また、この装置自体は図外のチャンバー内にあり、チャンバー内は排気され真空状態になっている。これは大気との摩擦熱の影響を排除するためである。回転試験は室温にて実施した。試験体の磁石挿入用開口部に入れたダミー磁石は、密度7.5g/cmで試験体と同じ厚さのものを用いている。
【0060】
このような回転子の回転試験においては、塑性変形、すなわち試験体にゆがみが発生すると、回転試験装置の回転軸(スピンドル)に芯振れが起こるので、回転軸(スピンドル)の芯振れをモニターすることにより塑性変形の発生を知ることができる。
【0061】
回転試験は、図7に示すように、回転数を徐々に上げて行き、距離センサ202からの出力値(図7中の縦軸、任意単位)が50%以上変化した時点を芯振れ発生とした。これは、後述するように、ダミー回転子に変形が生じ、外形に0.1mmの寸法変化が生じたときの芯振れ量とほぼ一致するため、この50%の芯振れ量の変化を指標としている。
【0062】
試験の結果、実施例1および2については、16000rpmで芯振れが発生した。
【0063】
一方、硬化部を持たない型打ち抜きのままの比較例1では、回転数が13000rpmに達した時点で芯振れが発生した。
【0064】
この試験結果から、本発明を適用して、磁石挿入用開口部の外周部の一部と、磁石挿入用開口部同士の間の開口端部に硬化部を持たせることで、高回転数化が可能であることがわかる。
【0065】
次に、応力解析の結果について説明する。
【0066】
応力解析は、電磁鋼板形成体のFEM弾性解析を行って回転状態における、特に磁石に働く遠心力に基づく応力分布を求めた。
【0067】
解析の結果、アウターブリッジ部の磁石側、および、センターブリッジ部の付け根部に応力集中部があること、そして応力集中部の応力値はアウターブリッジ部の磁石側の方が大きいことがわかった。
【0068】
また、ダミー回転子を試作し、上述した回転試験を行い、どのように回転子において塑性変形が開始し進行するのかを検討した。ダミー回転子は、電磁鋼板形成体1枚からなる回転子のことである。磁石の挿入口には電磁鋼板形成体1枚分に相当するダミー磁石を入れた。また、ワイヤカットにて回転子形状を得た。
【0069】
このようなダミー回転子による回転試験においては、あらかじめどの回転数で塑性変形が始まり進行するかを、上記応力解析により予測し、試験を止める回転数を決め、何水準かの回転数における回転子サンプルを得た。
【0070】
そして、各回転子サンプルを用いて塑性変形の度合いを見た。塑性変形の度合いはエッチピット法により、エッチピットの発生している領域の面積の大きさにより見積もった。
【0071】
その結果、塑性変形は、フォンミーゼスストレスの分布におけるアウターブリッジ部の応力集中部から開始することがわかった。しかも、塑性変形が開始するのは、最大応力(フォンミーゼスストレス)が、その材料(電磁鋼板)の引張試験より求めた降伏応力の値に達するとき(回転数)であることがわかった。もちろん、センターブリッジ部の付け根部における応力集中部においても、回転数の上昇に伴って、塑性変形が開始し、進行することがわかった。
【0072】
ダミー回転子の回転試験においては、塑性変形が進行するにつれて回転試験装置の回転軸(スピンドル)の芯振れが起こる。これは回転バランスがアンバランスになることに起因する。したがって、回転軸の芯振れをモニターすることにより、塑性変形度合いを知ることができる。
【0073】
ダミー回転子に変形が生じ、外形に0.1mmの(永久)寸法変化が生じるときの回転試験装置の芯振れを塑性変形の指標として用いることができる。ここでは、実験の結果、50%程度芯振れ量が変化したものに、0.1mmの寸法変化が生じていたので、回転試験においては芯振れが50%変化した時点でダミー回転子に塑性変形が発生したものとして、この時点の回転数を最高到達回転数とした。
【0074】
なお、外形の寸法変化が明らかに認められる状態は、塑性変形が進行し、ブリッジ部を貫通してからであることが、エッチピット発生領域の観察などより確認することができた。
【0075】
以上の実施例1、2、および比較例1の結果、ならびに応力解析の結果から、応力集中部における応力分布はブリッジ端部が最大であるから、図4に示したように、ブリッジ部において最も応力が集中する部分のみが強化されていればよいことがわかる。また、その硬さは、目的とする最高回転数におけるフォンミーゼス応力値を超えて強化されていればよい(降伏応力がまさっていればよい)。したがって硬化部の分布は傾斜をもっていてよいことはいうまでもない。また、ブリッジの長手方向における領域についても同じように考えればよい。したがって、フォンミーゼス応力値を超えるようにカバーすれば十分である。
【0076】
次に、電磁鋼板における材料の硬さと強度の関係について検討した。
【0077】
材料の硬さの増加割合と降伏応力の増加割合は比例関係にあることが確認できた。これはたとえば、材料の硬さがその材料の(基材の)硬さに対して、3割上がっているときには、降伏点強度も基材の強度に対して3割増加しているとみなせるということである。
【0078】
このことから、硬化部の硬さは基材に対して1.3倍以上とすることが好ましく、より好適には1.35倍以上がより好ましい。なお、上限については、あまり硬くした場合、材料としては逆にもろくなり、マイクロクラックなどの発生が起きやすくなるので、硬化部の硬さの上限は基材に対して2.5倍程度とすることが好ましい。
【0079】
また、硬化部分の面積は、硬化部の面積の総和が電磁鋼板形成体全体の表面積の1〜20%であることが好ましい。これは、硬化部分の総和が20%を越えて大きくなると、その分、回転子を形成した際の全体の鉄損も多くなり、発熱量が多くなるので、全体としての鉄損を少なくして、なおかつ、十分な強度を得るためである。なお、下限については、目的とする回転数や、開口部の形状、および磁石の質量などによって異なるものの1%程度は必要である。これより少ない場合、硬化部として応力の集中に耐えることができない可能性がある。
【0080】
このように、本実施の形態により、高速回転に耐えうる回転子コア用の電磁鋼板形成体を提供することが可能となる。
【0081】
そして、この電磁鋼板形成体を使用した回転子を用いることで、回転電機の高回転数化を達成することが可能となり、それにより回転電機を小型化できるメリットがある。これは、必要な強度は回転数の2乗に比例するが、硬さを上げると強度がそれだけ上がるからである。これはまた、仮に回転電機の回転子の径を変えないとすると、高回転数化できることで、モータトルクを十数%下げることができるため、モータを製作する場合の回転子の電磁鋼板形成体積層厚(積層数)を減らすことができることによる小型化も可能となる。
【0082】
以下さらに、本発明を適用した他の実施の形態について説明する。
【0083】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明を適用した第2の実施の形態の回転子を形成するために用いる電磁鋼板形成体の磁石挿入用開口部分の拡大図である。
【0084】
この電磁鋼板形成体20は、基本形としては前述した第1の実施の形態における電磁鋼板形成体と同様であり、1極当たり2個の磁石を挿入するための2つの開口部2、3が設けられている。
【0085】
この2つの開口部2および3には、それぞれの外周側部分と、開口部同士の間に他の部分より硬い外周側硬化部11および開口部間硬化部22を有する。
【0086】
ここで、外周側硬化部11は、前述した第1の実施の形態と同様であり、開口部2、3の外周端から回転子としての外周部110に至らない範囲に形成されている。すなわち、この外周側硬化部11の外周側には、硬化されていない部分が存在する。
【0087】
一方、開口部間硬化部22は、開口部2および3の間がすべて硬化されている。つまり、センターブリッジ部すべてを硬化したものである。
【0088】
次に、本第2の実施の形態による電磁鋼板形成体を実際に作製し試験を行った結果について説明する。
【0089】
(実施例3)
試験体の製作は前述した実施例2と同様に、元の電磁鋼板として新日鉄製の35H300を用意し、試験体として、はじめに型打ち抜きにより回転子形状と開口部を形成した後、図8に示したように外周側硬化部11および開口部間硬化部22を有するように、レーザーピーニングを行った。レーザーピーニングの条件などは、実施例2と同じである。
【0090】
硬化部の硬さは、基材に対して1.35倍となっていた。なお、ブリッジ幅は1.5mmであった。ピーニング後の鋼板の板厚変化はほとんどなく、また、板のそり等も発生しなかった。この試験体を実施例3とする。
【0091】
(1)回転試験
図6に示した回転試験装置により回転試験を行った。試験条件は前述した実施例1などと同じである。
【0092】
試験の結果は、15700rpmで芯振れが発生した。
【0093】
この回転試験の結果から、センターブリッジ部をすべて硬化してしまうと、前述した実施例1や実施例2よりも低い回転数で限界に達してしまうが、硬化部を持たない前述した比較例1と比較すると、高回転数化が可能となっていることがわかる。
【0094】
(第3の実施の形態)
図9は、本発明を適用した第3の実施の形態の回転子コア用の電磁鋼板形成体の磁石挿入用開口部分の拡大図である。
【0095】
この電磁鋼板形成体30は、基本形としては前述した第1の実施の形態における電磁鋼板形成体と同様であり、1極当たり2個の磁石を挿入するための2つの開口部2、3が設けられている。
【0096】
この2つの開口部2および3には、それぞれの外周側部分と、それぞれの開口部同士の間の開口部端部分に他の部分より硬い外周側硬化部31および開口部間硬化部12を有する。
【0097】
ここで、外周側硬化部31は、前述した第1の実施の形態と異なり、開口部2、3の最も外周側から回転子としての外周部110に至るまですべてに形成されている。すなわち、この硬化部31の外周側のアウターブリッジ部は、すべて硬化されている。
【0098】
一方、開口部2および3の間の開口部間硬化部12は、前述した第1の実施の形態同様に、開口部間硬化部12同士が接続されておらず、開口部間硬化部1212の間に未硬化部分が存在する。
【0099】
次に、本第3の実施の形態による電磁鋼板形成体を実際に作製し試験を行った結果について説明する。
【0100】
(実施例4)
試験体は、前述した実施例2と同様に、電磁鋼板として新日鉄製の35H300を用意し、はじめに型打ち抜きにより回転子形状を形成した後、図9に示したように外周側硬化部31および開口部間硬化部12を有するように、レーザーピーニングを行った。レーザーピーニングの条件などは、実施例2と同じである。
【0101】
硬化部の硬さは、基材に対して1.35倍となっていた。なお、ブリッジ幅は1.5mmであった。ピーニング後の鋼板の板厚変化はほとんどなく、また、板のそり等も発生しなかった。この試験体を実施例4とする。
【0102】
(1)回転試験
図6に示した回転試験装置により回転試験を行った。試験条件は前述した実施例1などと同じである。
【0103】
試験の結果は、15000rpmで芯振れが発生した。
【0104】
この回転試験の結果から、アウターブリッジ部をすべて硬化してしまうと、前述した実施例1や実施例2よりも低い回転数で限界に達してしまうが、硬化部を持たない前述した比較例1と比較すると、高回転数化が可能となっていることがわかる。
【0105】
ここで、上述した実施例1、2、3、4、および比較例1の回転試験の結果をまとめて表1に示す。
【0106】
【表1】
Figure 2004007943
【0107】
実施例1、2、3、4、および比較例1の回転試験の結果から、センターブリッジ部またはアウターブリッジ部をそれぞれ全体にわたって硬化した場合でも、回転数の向上が認められ(実施例3および4)、さらに、センターブリッジ部とアウターブリッジ部の両方を部分的に硬化した場合(実施例1および2)は、より高回転数化が可能となっている。
【0108】
このような現象は、センターブリッジ部またはアウターブリッジ部をそれぞれ全体にわたって硬化すると、それらの部分全体のもろさの影響が大きくなるためと考えられる。
【0109】
したがって、最も好ましい実施の形態としては、ブリッジ部に強化されていない領域が帯状に残っていることが好ましい。
【0110】
このような部分硬化領域は、アウターブリッジ部では応力集中側、すなわち開口部の外周側開口端でブリッジ幅の1/2以下であることがより好適である。また、センターブリッジ部では応力集中側、すなわち開口端同士が相対する側で、ブリッジ幅の1/3以下であることがより好適である。
【0111】
また、磁石挿入用開口部の周辺部のうち、機械的な強度が必要とされない部分、すなわちブリッジ部分以外の部分は強化すべきでない。これは、硬化部分が多くなると鉄損を増やすことになるからである。このため、硬化部分の面積は、回転子としての電磁鋼板形成体の面積率として1〜15%が好ましい。
【0112】
(第4の実施の形態)
本第4の実施の形態は、前述した第1の実施の形態を同じ硬化部を持つ回転子コア用の電磁鋼板形成体(図1および図2参照)で、製造方法のみが異なり、塑性加工により硬化部を形成したものである。
【0113】
以下この製造方法について説明する。
【0114】
図10〜13は、第4の実施の形態における製造方法を説明するための図面である。なお、図中の二点鎖線は開口部の切断形状を示す仮想線である。
【0115】
元の電磁鋼板10を、図10に示すように、開口部41を有する押さえ型45により電磁鋼板10を両側から挟んで保持する。なお図10中、図10Aは、平面図、図10Bは、図10A中a−a線に沿う断面図である。
【0116】
続いて、この状態にて、図11に示すように、パンチにより開口部41から磁石挿入用の開口部内で硬化部を形成する部分の近傍に穴42をあける。
【0117】
その後、図12に示すように、穴42の中に棒(パンチ)などを入れて、図中の矢印に方向に圧縮加工する。加工率は約50%とした。圧縮加工後、押さえ板45をはずして電磁鋼板10を開放する。
【0118】
この圧縮工程により電磁鋼板10には、圧縮加工された部分においては板厚が増す。
【0119】
図13は、図12におけるC−C’線に沿う断面図である。
【0120】
図13Aに示するように、圧縮加工された部分が盛り上がっている。そこで、この盛り上がり部43を研削して、図13Bに示すように、平坦化する。
【0121】
その後、回転子形状を形成するためにプレスによる型打ち抜きを行う。
【0122】
次に、本第4の実施の形態による電磁鋼板形成体を実際に作製し試験を行った結果について説明する。
【0123】
(実施例5)
試験体は、電磁鋼板として新日鉄製の35H300を用意し、上述した本第4の実施の形態における製造方法により、図2に示した硬化部となるように製作した。
【0124】
硬化部の硬さは、基材に対して1.3倍となっていた。なお、ブリッジ幅は1.5mmであった。また、板のそり等もなかった。この試験体を実施例5とする。
【0125】
(1)回転試験
図6に示した回転試験装置により回転試験を行った。試験条件は前述した実施例1などと同じである。
【0126】
試験の結果は、15000rpmで芯振れが発生した。
【0127】
この試験結果から本第4の実施の形態のように塑性加工により硬化部を形成した場合でも、高回転数化が可能となることがわかる。
【0128】
なお、本第4の実施の形態では、回転子としての成形前に磁石挿入用の開口部に相当する部分に塑性加工のための穴を開けて塑性加工を行ったが、これに換えて、回転子形状を型打ち抜きにより成形する際に、用いられる磁石挿入用の開口部よりも小さな開口部を回転子形状とともに型打ち抜きにより形成後、この使用するよりも小さな開口部から塑性加工を行って硬化部を形成し、その後、塑性加工により板厚が厚くなった部分の成形と共に磁石挿入用の開口部の大きさを成形するようにしてもよい。
【0129】
(第5の実施の形態)
実施例2で製作した回転子コア用の電磁鋼板形成体を用いて、実際にモータを試作した。このモータを実施例6とする。
【0130】
なお、比較のために打ち抜きのままで硬化部を持たない電磁鋼板形成体を用いて回転子コアを製作し、モータを試作した。このモータを比較例2とする。
【0131】
製作したモータは、回転子コアの外径が140mmであり、8極、3相の永久磁石内蔵型で、出力60kW狙いのモータである。
【0132】
先に説明したように、比較例1の回転試験では、打ち抜きのままの電磁鋼板形成体の場合、最高到達回転数が13000rpmであるから、実使用としての余裕を見ると、比較例2のモータとしての使用可能最高回転数は12000rpmとすることができる。同様に、実施例2の回転試験結果から電磁鋼板形成体としての最高到達回転数が16000rpmであるから、実施例6のモータとしての使用可能最高回転数は15000rpmとすることができる。
【0133】
したがって、先の電磁鋼板形成体での回転試験結果からは、モータ出力の25%アップが予想できる。
【0134】
(モータ評価)
上記した内容のモータを試作し評価した。その結果、予想のように回転数をアップできることが確認できた。また、モータ出力は予測を上回って向上していた。
【0135】
さらに、リラクタンストルクが5%程向上していることがわかった。これは、d軸インダクタンスとq軸インダクタンスの差が部分硬化の結果、大きくなったことによるものと考えられる。
【0136】
また、12000rpm、60kW出力におけるモータ効率を比較したところ、モータ効率も実施例6のモータのほうが比較例2のモータよりも上回っていた。主な要因はトルクが増大したことによるものと考えられる。
【0137】
さらに、損失を分離評価した。銅損、鉄損ともに実施例6のモータの方が比較例2のモータよりも若干小さめであった。したがって、部分硬化したことによる回転子コア鉄損の増加は僅少であり、問題ないという結論が導けた。
【0138】
以上の実施形態および実施例から、回転子コア用の電磁鋼板形成体として、磁石挿入用の開口部外側(アウターブリッジ部)と開口部の間の部分(センターブリッジ部)に硬化部を形成することで、回転子コア用の電磁鋼板形成体としての十分な機能を達成することができる。なかでも、アウターブリッジ部の硬化部として、開口端から回転子としての外周部へ至らない範囲を部分硬化し、センターブリッジ部の硬化部として、相対する開口端に形成した硬化部同士が接続されないように両開口端の中心部に未硬化部分を持つようにすることで、いっそうの高速回転化を達成することができる。
【0139】
以下、さらに本発明を適用した様々な実施の形態について説明する。
【0140】
(第6の実施の形態)
図14は、第6の実施の形態における回転子コア用の電磁鋼板形成体の磁石挿入用開口部分の拡大図である。
【0141】
第6の実施の形態は窓部61を有する回転子に適用した例である。
【0142】
この第6の実施の形態においても、回転子コア用の電磁鋼板形成体60の磁石挿入用開口部2、3には、前述した実施の形態1と同様に、開口部2および3の外周側に部分的な外周側硬化部11を有し、開口部2、3の相対する開口端には、両者が接続しない開口部間硬化部12を有する。
【0143】
このように窓部61を有する場合でも部分的な硬化部を設けることで、十分な強度を得られ、高回転数化が可能となる。
【0144】
(第7の実施の形態)
図15は、第7の実施の形態における回転子コア用の電磁鋼板形成体の磁石挿入用開口部分の拡大図である。
【0145】
第7の実施の形態は、回転子コア用の電磁鋼板形成体70の磁石挿入用開口部101の角部に、外周側に向けて膨らむ円弧空間102を有する回転子に適用した例である。なお、この回転子は1極当たり1個の永久磁石式のものである。
【0146】
本第7の実施の形態においては、磁石挿入用開口部2、3の角部に設けられている円弧空間102のさらに外周側に部分的な硬化部71を有する。そして、この部分硬化した硬化部71は回転子としての外周部110に到達しない範囲とする。
【0147】
このように磁石挿入用開口部101の角部に円弧空間102を有する場合でもさらに部分的な硬化部71を設けることで、より強度を高くすることができ、従来の円弧空間を有するものよりもさらに高回転数化が可能となる。
【0148】
(第8の実施の形態)
図16は、第8の実施の形態における回転子コア用の電磁鋼板形成体の磁石挿入用の開口部分の拡大図である。
【0149】
第8の実施の形態は、回転子コア用の電磁鋼板形成体80の磁石挿入用開口部101の角部に、開口部の延長方向に向けて膨らむ円弧空間105を有する回転子に適用した例である。なお、この回転子は1極当たり1個の永久磁石式のものである。
【0150】
本第8の実施の形態においては、磁石挿入用開口部101の角部に設けられている円弧空間105の外周側に部分的な硬化部81を有する。そして、この部分硬化した硬化部81は回転子としての外周部110に到達しない範囲とする。
【0151】
このように磁石挿入用開口部101の角部に円弧空間105を有する場合でもさらに部分的な硬化部81を設けることで、より強度を高くすることができ、従来の円弧空間を有するものよりもさらに高回転数化が可能となる。
【0152】
(第9の実施の形態)
図17は、第9の実施の形態における回転子コア用の電磁鋼板形成体の磁石挿入用の開口部分の拡大図である。
【0153】
第9の実施の形態は、回転子コア用の電磁鋼板形成体90の磁石挿入用開口部101として、V字形状の開口部101を有する回転子に適用した例である(図28参照)。なお、この回転子は1極当たり1個の永久磁石式のものである。
【0154】
本第9の実施の形態においては、磁石挿入用開口部101の最も外周側よりの開口端部分に、回転子としての外周部110に到達しない範囲で硬化部91を形成したものである。
【0155】
このようにV字形状の開口部101を有する場合でも部分的な硬化部91を設けることで、強度を高くすることができ、従来のよりも高回転数化が可能となる。
【0156】
(第10の実施の形態)
以下、さらに本発明による電磁鋼板形成体の他の製造方法について説明する。
【0157】
まずここで、電磁鋼板形成体の強度試験について説明する。
【0158】
図18は、電磁鋼板形成体の磁石ブリッジ部分の強度測定方法を説明するための図面である。
【0159】
この強度測定方法は、まず、アウターブリッジ部およびセンターブリッジ部ともに硬化部を設けていない磁石1極分の回転子(60度分)の電磁鋼板形成体500を図18のように半径方向で拘束する(回転子1枚)。そして、磁石穴の開口部501および502に磁石形状の治具504および505を入れる。この治具504および505のセンター(重心位置)にはピン穴がありピン506および507が入れてある。また、治具504および505は回転自在である。治具504および505は磁石挿入穴の回転子径方向外側の辺の直線部のみで図示のように接触している。
【0160】
強度測定は、このピン506および507を図中F方向(すなわち回転子の外側方向)に引っ張ったときの外辺部Aの変位量とその力(荷重)を測定することにより行った。
【0161】
図19は、この強度測定の結果を示すグラフである。用いた電磁鋼板は0.35mm厚の電磁鋼板(新日鉄製35H300)である。
【0162】
図示するように、荷重曲線は直線的に立ち上がるが、やがて直線から外れてくる。これは応力集中部において降伏が起こり始める(塑性変形が始まる)からである。さらに変位が増すと加工硬化しながら塑性変形する。このようなグラフの傾向は、応力−歪曲線と似た関係になっている。
【0163】
さて、図19おいて、10μm直線からずれたところでの力は210N(f点)となっている。以下においては10μm変位での力を降伏力(あるいは強度)と定義する。そうすると、この試験に使用した電磁鋼板形成体501のブリッジ部強度は210Nである。
【0164】
ところで、b点(F=300N)で引っ張るのを止めて、変位を逆転させるとどうなるか。図19中の直線b−cに沿って力が落ちてくる。なお、b−cはa−0と平行である。c点でまた変位を引っ張りに逆転させるとc−d−eなる変位−力曲線となる。変位−力曲線c−d−eにおける10μm変位での強度は、ほぼ300Nとなっている。すなわち、b点まで引っ張ると(永久)変形が0−c分残るがブリッジ部強度としては300Nとなるわけである。
【0165】
この評価結果から、前もって変形前の形に打ち抜いたものを変形させて最終形状とすれば、強度の高い回転子とすることができることになる。
【0166】
図20は、このような観点から電磁鋼板形成体に塑性変形により硬化部を形成する製造方法を説明するための図面である。
【0167】
まず、図20(a)に示すように、回転子となる電磁鋼板形成体として、あらかじめ塑性変形させる変形量を見込んで、外周部にわずかにくぼみ形状512を持ち、センターブリッジ部522が最終形状よりもわずかに太い電磁鋼板形成体511を型打ち抜きにより作製する。
【0168】
その後、図18において示した治具504および505を2組用意し、回転子の上下位置にある磁石穴(回転子中心に対して2極分の磁石穴)の開口部501および502に入れる。このとき冶具504および505は、図18と同様に、回転子の径方向外側の辺の直線部のみで図示のように接触している。そして、冶具504および505を回転子の径方向(図で上下方向)に引っ張る。すなわち、治具を2組使って(回転子中心に対して対面の2極分を使って)引っ張ることになる。したがって、このとき回転子に加えられる荷重は図18により説明したものと同じであるが変位が2倍になる(図18の場合は回転子自体を押さえているので、変位の原点は回転子の中心になっているのに対し、対面する2極分の磁石穴に冶具を入れて両方から引っ張る場合には変位の原点が一方の冶具となるので、同じ力を加えた場合、変位が2倍になる。)。そして、力が300N加わったところで変形を停止し除荷する。
【0169】
図21は、このときの変位−力曲線を示す図面である(図21の横軸の変位は図19の2倍になっている。)。
【0170】
図示するように、0−cの塑性変形が残る。
【0171】
その変形操作を後2回行う(計3回)。これにより図20(b)に示すように、その外周方向に変形してくぼみ形状部分がなくなり、全体として外周部が円形状となり、センターブリッジ部522は、最初の形状よりもわずかに細くなった電磁鋼板形成体513となる。
【0172】
このようにすることで塑性変形によって加工硬化した部分は、もっとも加工硬化させて強化したいところが強化されるので非常に都合がよい。また、塑性変形する部分は、機械強度的に弱いところであって、本形状の場合はアウターブリッジ部521とセンターブリッジ部522であって、それ以外のところは塑性変形しないという点でも非常に都合がよい。
【0173】
図22は、電磁鋼板形成体の塑性変形させる領域(図において斜線のハッチング部分)を示した図面である。
【0174】
なお、塑性加工領域全域にわたって一様に加工硬化しているのではなくて、磁石穴側の応力集中部を中心としてより加工硬化している。穴側ほど加工硬化による強度アップ度合いは高くなっている。
【0175】
このようにして作製した電磁鋼板形成体513の板厚変化はほとんどなかったが、塑性変形した部分(すなわちアウターブリッジ部521とセンターブリッジ部522)が若干薄くなっていた。また、変形の際、治具と接触していた、磁石穴の開口部501および502の径方向外側辺の直線部においても板厚変化はなかった。したがって積層したときの占積率は型打ち抜き回転子を積層したときと同じにできる。
【0176】
なお、既に説明してきているように、図22に示した塑性加工領域はモータ性能に影響しない部分である。
【0177】
実際の変形量は、たとえば、図18に示したA点において半径50mmの電磁鋼板形成体の場合、図18のA点は300Nで引っ張るのを止めたとすると150μm変位が残る(図19参照)。したがって、マクロな変形量は0.15/50×100=0.3(%)となる。
【0178】
一方、A点の変位は、25μmから750μm程度まで可能である。これは、25μm未満であると図19からも理解されるように、強度アップ代が小さく、わざわざ本技術を適用することの意味がなくなってしまう。また、750μmより大きくすると板のそりなど、電磁鋼板形成体の変形が大きくなり積層したときの占積率が稼げなくなるなどの問題がでてくるため好ましくないのである。
【0179】
また、マクロな変形量(歪)としての数値は小さいが、局所的にみると(ミクロ的な)変形(歪)はマクロな変形量の数値より1桁ほど大きい値にまでなっていると考えられる。そうすると、電位鋼板の絶縁皮膜は10%程度の変形にまでは耐えると考えられるがそれより大きいとその機能が劣化してしまうおそれがある。したがって絶縁皮膜の観点からも本第10の実施の形態による製造方法の適用上限は、750μmまでが妥当である。また、同じ理由から、マクロな変形量は0.05%から1.5%までとすることが好ましく、より好ましくは50μmから500μmの範囲で0.1%から1%の範囲とする。これは、変形量が50μmまたは0.1%より小さいと強度アップを図りにくいため好ましくなく、一方、500μmまたは1%を超えて大きく変形させると、許容範囲内ではあるが、板のそりなどの余計な変形が現れてくるため、500μmまたは1%程度としておくことが望ましいものである。
【0180】
(実験例)
次に、本第10の実施の形態による製造方法より作製した電磁鋼板形成体である回転子単板の回転試験を行った。この回転試験は、図6に示した回転試験装置を用いて行った。
【0181】
図23は、この回転試験の結果を示す図面であり、図において、図23(a)は図20(b)の最終形状に打ち抜いたのみの電磁鋼板形成体での結果であり、図23(b)は300Nで塑性変形して作製した電磁鋼板形成体、すなわち図20(a)の形状に打ち抜き、塑性変形にて図20(b)の最終形状とした電磁鋼板形成体での結果である。
【0182】
前述しているように、回転子単板回転試験にて回転子の遠心耐力を調べることができる。
【0183】
この回転試験では、作製した電磁鋼板形成体の磁石穴の開口部に、電磁鋼板形成体の板厚と同じ厚さ0.35mm分の重さのダミー磁石を入れて回転試験を行った。試験は、ある回転数で1分間回転させてから、停止させて、電磁鋼板形成体の外径を測定する。次に同様にして回転数を上げて試験を行う。この作業を繰り返すことにより、電磁鋼板形成体の変形を知ることができる。
【0184】
まず、図23(a)に示した打ち抜きのままの電磁鋼板形成体での結果を説明する。最初の開始回転数は19krpmである。回転数19krpmでは変形が生じていない。次の20krpmでは若干変形が起こっている。なお、この図では縦軸が図23(b)の2.5倍になっている。
【0185】
次に、本第10の実施の形態を適用した図23(b)について説明する。まず回転数23krpmにて調べたが径は変わっていなかった。次に24krpmでもほとんど変わっていない。そして、回転数を25krpmのときに約25μm径が増した。さらに回転数を増すと、径は指数関数的に増加している。径が20μm増加する回転数を使用限界回転数と定義することにすると、この場合24.9krpmになる。
【0186】
これらの結果から、本第10の製造方法により製造した電磁鋼板形成体の方が打ち抜きのままの電磁鋼板形成体よりも使用限界回転数が高いことがわかる。
【0187】
さて、図19における変位荷重曲線の点bにおける接線の傾きと、点fにおける接線の傾きを比較してみる。
【0188】
点fにおける傾きは点bにおけるそれの1.82倍になっている。点f、点bにおいて荷重が同じ割合だけ余分にかかったときに生ずる(塑性)変形量は点fの方が1/1.82であるということになる。したがって、上記では使用限界回転数を径が20μm増加する回転数としたが、打ち抜きのままの場合には1/1.82とすべきということである。すなわち11μmということになる。このようにして使用限界回転数を見積もると20.8krpmとなる。
【0189】
一方、300Nでの使用限界回転数、210Nでの使用限界回転数を解析的に予測することもできる。なお、解析的な予測値は実験より求めた上記の値と一致した。
【0190】
すなわち、たとえば20krpmで回転させたときの応力分布を弾性FEM解析にて求める。次に、図18に示した引張状態での弾性FEM解析を行う(なお、回転状態での応力分布と引張状態での応力分布は相似している。)。それらにより、回転状態の応力集中部での応力を達成するための引張荷重をしることができる。たとえば210Nをその引張荷重の比の平方根より使用限界回転数を予測できる(遠心力は回転数の2乗に比例するので)。その値は20.8krpmであった。また、300Nに対するそれは24.9krpmであった。また、210N/300Nの平方根は20.8krpm/24.9rpmの値ともなっている。
【0191】
以上、説明してきたように、本第10の実施の形態によれば、同じ電磁鋼板で使用限界回転数を約20%上げることができるようになる。
【0192】
なお、本第10の実施の形態では、塑性変形を3回与えているが、たとえば、3方向同時に行うこともできる。また、電磁鋼板を打ち抜く工程に本製造方法を組み込むことも容易である。また、電磁鋼板回転子を数枚重ねて、塑性変形を与えることも容易であり効率的である(荷重もそれほど大きくならない)。
【0193】
さらに、さまざまな形状の電磁鋼板形成体を本第10の実施の形態と同様の製造方法により製造することができる。
【0194】
たとえば、図28に示すような磁石穴の開口部を有する電磁鋼板形成体について、図24に示すように、本第10の実施の形態と同様にして塑性変形によりアウターブリッジ部に硬化部191を形成することができる。この場合、上述した実験例から、0.3%の変形を与えたときに、使用限界回転数が約20%上昇することが予測される。
【0195】
また、図29に示すような磁石穴の開口部を有する電磁鋼板形成体について、図25に示すように、本第10の実施の形態と同様にして塑性変形によりアウターブリッジ部に硬化部171を形成することができる。この場合も、上述した実験例から同様に、0.3%の変形を与えたときに、使用限界回転数が約20%上昇することが予測される。
【0196】
さらに、図30に示すような磁石穴の開口部を有する電磁鋼板形成体について、図26に示すように、本第10の実施の形態と同様にして塑性変形によりアウターブリッジ部に硬化部171を形成することができる。この場合も、上述した実験例から同様に、0.3%の変形を与えたときに、使用限界回転数が約20%上昇することが予測される。
【0197】
以上のように、本第10の実施の形態による製造方法は、さまざまな形状の電磁鋼板形成体に適用することができ、基材強度の低い低鉄損の電磁鋼板を用いて、高回転化を可能にすることができる。
【0198】
(第11の実施の形態)
次に、本第10の実施の形態により作製した、図22に示した電磁鋼板形成体を複数枚積層し、回転子を試作した。試作した回転子を用いて、出力60kW狙いのモータを仕立て評価した。
【0199】
比較のため、打ち抜きのままの電磁鋼板形成体を用いた回転子も試作した。モータ評価では回転子のみ組替えた。
【0200】
18000rpm、60kWでの効率を比較したところ、第10の実施の形態により製造された図22に示した電磁鋼板形成体を複数枚積層した回転子を用いた方が、打ち抜きのままの電磁鋼板形成体を用いた回転子よりも効率が上回っていた。主な要因はトルクが増大していることによると考えられる。したがって、塑性変形させたことによる回転子コア鉄損の増加は僅少であり、問題ないことがわかった。
【0201】
また、この回転子を作製する段階で経験する温度(すなわち焼き嵌め温度、磁石接着剤のキュア温度等)およびモータの動作温度では回転子強度の低下は認められなかった。すなわち、それらの温度では加工効果は劣化しないということである。
【0202】
また、塑性変形量(上述したマクロ変形量)は、上述のとおり、0.05〜1.5%であれば、電磁鋼板材料の伸びにはまだ余裕があるので、信頼性や耐久性の面でも問題ない。
【0203】
なお、上述した第10の実施の形態では、電磁鋼板板厚0.35mmの場合を例に説明したが、本第10の実施の形態は、さまざまな板厚に適用できる。たとえば板厚0.20mmについても好適に用いることができる。
【0204】
以上本発明を適用した実施の形態および実施例を説明したが、本発明はこれらの実施の形態や実施例に限定されるものではない。
【0205】
たとえば、硬化部の形成には、1枚の電磁鋼板形成体にレーザーピーニングを適用しているが、積層した状態の回転子コアへレーザーピーニングにより部分的に硬化部を形成するようにしてもよい。また、第4の実施の形態においては、製造方法として1枚の電磁鋼板形成体での例示であるが、複数枚を積層した状態で適用することも可能である。また、加工硬化手段としては、レーザーピーニングの他に、たとえばショットピーニングを用いることも可能であり、また、ローラバニッシュなどの塑性加工処理を用いることも可能であり、さらには、レーザーリメルト、レーザーアロイイングといった組織強化方法を用いて硬化部を形成してもよい。
【0206】
また、回転子形状としては、例示した形状以外の形状においても適用できることはいうまでもなく、特に、永久磁石挿入用の開口部は、上述した実施形態のように1極に対して1つや2つの開口を持つ以外に、1極に対してさらに複数の磁石を挿入するための複数の開口部を有するものであっても適用することができる。
【0207】
さらには、モータのほかに、発電機などその他の回転電機に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態の電磁鋼板形成体を示す図面である。
【図2】上記電磁鋼板形成体の磁石挿入用開口部の拡大図である。
【図3】上記電磁鋼板形成体の製造方法を説明するための図面である。
【図4】第1の実施の形態により製作した実施例1および実施例2の試験体の硬さ分布を示す図面である。
【図5】比較例1の試験体の硬さ分布を示す図面である。
【図6】回転試験装置の概略図である。
【図7】回転試験における芯振れ説明するための図面である。
【図8】本発明を適用した第2の実施の形態の電磁鋼板形成体を説明するための磁石挿入用開口部の拡大図である。
【図9】本発明を適用した第3の実施の形態の電磁鋼板形成体を説明するための磁石挿入用開口部の拡大図である。
【図10】本発明を適用した第4の実施の形態における製造方法を説明するための図面である。
【図11】図10に続く製造方法を説明するための図面である。
【図12】図11に続く製造方法を説明するための図面である。
【図13】図12に続く製造方法を説明するための図面である。
【図14】本発明を適用した第6の実施の形態の電磁鋼板形成体を説明するための磁石挿入用開口部の拡大図である。
【図15】本発明を適用した第7の実施の形態の電磁鋼板形成体を説明するための磁石挿入用開口部の拡大図である。
【図16】本発明を適用した第8の実施の形態の電磁鋼板形成体を説明するための磁石挿入用開口部の拡大図である。
【図17】本発明を適用した第9の実施の形態の電磁鋼板形成体を説明するための磁石挿入用開口部の拡大図である。
【図18】電磁鋼板形成体の磁石ブリッジ部分の強度の測定方法を説明するための図面である。
【図19】強度測定結果を示す図面で、変位と荷重の関係を示すグラフである。
【図20】電磁鋼板形成体に塑性変形により硬化部を形成する製造方法を説明するための図面である。
【図21】電磁鋼板形成体に塑性変形により硬化部を形成したときの変位と荷重の関係を示すグラフである。
【図22】電磁鋼板形成体の塑性変形させる領域を示した図面である。
【図23】電磁鋼板形成体を用いて、回転子単板の回転試験を行った結果を示す図面であり、(a)は最終形状に打ち抜いたのみの電磁鋼板形成体での結果であり、(b)は塑性変形して作製した電磁鋼板形成体での結果である。
【図24】他の形状の電磁鋼板形成体の塑性変形させる領域を示した図面である。
【図25】他の形状の電磁鋼板形成体の塑性変形させる領域を示した図面である。
【図26】他の形状の電磁鋼板形成体の塑性変形させる領域を示した図面である。
【図27】従来の永久磁石内蔵型同期モータの回転子の例を示す図面である。
【図28】従来の永久磁石内蔵型同期モータの回転子の例を示す図面である。
【図29】従来の応力集中緩和対策を行った回転子の磁石挿入用開口部分の拡大図である。
【図30】従来の応力集中緩和対策を行った回転子の磁石挿入用開口部分の拡大図である。
【符号の説明】
1、20、30、60、70、80、90、513…電磁鋼板形成体
2、3、501、502…開口部
10…電磁鋼板
11、31…外周側硬化部
12、22…開口部間硬化部
15、521…アウターブリッジ部
16、522…センターブリッジ部
41…開口部
42…穴
45…押さえ型
43…盛り上がり部
61…窓部
71、81、91…硬化部
110…外周部
504、505…冶具

Claims (22)

  1. 永久磁石内蔵型回転電機の回転子コアを形成するために用いられる電磁鋼板形成体において、
    永久磁石を挿入するための開口部と、
    前記開口部の回転子外周側に形成された他の部分より硬い外周側硬化部と、
    を有することを特徴とする電磁鋼板形成体。
  2. 前記外周側硬化部は、前記開口部の外周側開口端から回転子外周部に至らない範囲に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁鋼板形成体。
  3. 前記外周側硬化部の範囲は、前記開口部の外周側開口端から回転子外周部までの間の幅に対して、前記開口部の外周側開口端から1/6〜1/2の範囲であることを特徴とする請求項2記載の電磁鋼板形成体。
  4. 前記開口部は、1極に対して複数の永久磁石を挿入するために1極当たり複数の開口部があり、
    前記複数の開口部の間に形成された他の部分より硬い開口部間硬化部をさらに有することを特徴とする請求項1記載の電磁鋼板形成体。
  5. 前記開口部間硬化部は、前記開口部の開口端部分に形成され、他の開口部間硬化部と互いに接続されずに前記開口部間硬化部同士の間に未硬化部分が存在することを特徴とする請求項4記載の電磁鋼板形成体。
  6. 前記開口部間硬化部の範囲は、一つの開口部の開口端から他の開口部の開口端までの間の幅に対して、開口端から1/6〜1/3の範囲であることを特徴とする請求項5記載の電磁鋼板形成体。
  7. 前記硬化部は、最大硬さが、他の部分よりもビッカース硬さで、1.3〜2.5倍であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の電磁鋼板形成体。
  8. 前記硬化部の総和が、電磁鋼板形成体全体の表面積の1〜20%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の電磁鋼板形成体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の電磁鋼板形成体を複数枚積層したことを特徴とする永久磁石内蔵型回転電機用回転子。
  10. 請求項9に記載の永久磁石内蔵型回転電機用回転子を用いたことを特徴とする永久磁石内蔵型回転電機。
  11. 永久磁石を挿入するための開口部の外周側に、少なくとも該外周側から回転子の外周部に至らない範囲で他の部分よりも硬い硬化部を有する永久磁石内蔵型回転電機の回転子コアを形成するために用いられる電磁鋼板形成体の製造方法であって、
    前記回転子の形状成形前の電磁鋼板に対して、前記開口部の外周端となる部分を含む領域を加工硬化する段階と、
    型打ち抜きにより前記回転子形状および前記開口部を成形する段階と、
    を有することを特徴とする電磁鋼板形成体の製造方法。
  12. 前記開口部は、1極に対して複数の永久磁石を挿入するために1極当たり複数の開口部があり、
    前記複数の開口部同士の間の開口端となる部分を含む領域を加工硬化する段階を、前記型打ち抜きにより前記回転子形状および前記開口部を成形する段階の前に有することを特徴とする請求項11記載の電磁鋼板形成体の製造方法。
  13. 永久磁石を挿入するための開口部の外周側に、少なくとも該外周側から回転子の外周部に至らない範囲で他の部分よりも硬い硬化部を有する永久磁石内蔵型回転電機の回転子コアの形成に用いられる電磁鋼板形成体の製造方法であって、
    型打ち抜きにより前記回転子形状および永久磁石挿入用の開口部を成形する段階と、
    前記開口部の外周端を含む領域を加工硬化する段階と、
    を有することを特徴とする電磁鋼板形成体の製造方法。
  14. 前記開口部は、1極に対して複数の永久磁石を挿入するために1極当たり複数の開口部があり、
    前記複数の開口部同士の間の開口端を含む領域を加工硬化する段階を、前記型打ち抜きにより前記回転子形状および永久磁石挿入用の開口部を成形する段階の後に有することを特徴とする請求項13記載の電磁鋼板形成体の製造方法。
  15. 前記加工硬化する段階は、ピーニング処理、または、塑性加工であることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一つに記載の電磁鋼板形成体の製造方法。
  16. 永久磁石を挿入するための開口部の外周側に、他の部分よりも硬い硬化部を有する永久磁石内蔵型回転電機の回転子コアを形成するために用いられる電磁鋼板形成体の製造方法であって、
    前記電磁鋼板形成体を前記回転子の形状からあらかじめ変形量を見込んだ形状を型打ち抜きにより形成する段階と、
    前記型打ち抜き後の前記電磁鋼板形成体を前記変形量分塑性変形させて前記回転子の形状に成形する段階と、
    を有することを特徴とする電磁鋼板形成体の製造方法。
  17. 永久磁石を挿入するための開口部の外周側に、他の部分よりも硬い硬化部を有する永久磁石内蔵型回転電機の回転子コアを形成するために用いられる電磁鋼板形成体の製造方法であって、
    前記電磁鋼板形成体を前記回転子の形状からあらかじめ変形量を見込んだ形状を型打ち抜きにより形成する段階と、
    前記型打ち抜き後の前記電磁鋼板形成体を複数枚積層する段階と、
    前記複数枚積層した前記電磁鋼板形成体を前記変形量分塑性変形させて前記回転子の形状に成形する段階と、
    を有することを特徴とする電磁鋼板形成体の製造方法。
  18. 前記変形量分塑性変形させて前記回転子の形状に成形する段階は、前記開口部に冶具を挿入し当該冶具を回転子の径方向に引っ張り、前記電磁鋼板形成体を塑性変形させることを特徴とする請求項16または17記載の電磁鋼板形成体の製造方法。
  19. 前記塑性変形量は、0.05〜1.5%であることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一つに記載の電磁鋼板形成体の製造方法。
  20. 前記塑性変形量は、0.1〜1.0%であることを特徴とする請求項16〜18のいずれか一つに記載の電磁鋼板形成体の製造方法。
  21. 前記開口部は、回転電機の1極当たり複数の開口部があることを特徴とする請求項16〜20のいずれか一つに記載の電磁鋼板形成体の製造方法。
  22. 請求項16〜21のいずれか一つに記載の電磁鋼板形成体の製造方法により製造された電磁鋼板形成体を複数枚積層したことを特徴とする永久磁石内蔵型回転子。
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