JP2004007570A - 写真自販機および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被写体の撮影画像に加え、それとは異なる画像も印刷することができる写真自販機を提供する。
【解決手段】被写体2を撮影するカメラ6と、上記カメラ6で撮影した被写体2の撮影画像Aを表示するディスプレイ8と、上記撮影画像Aとは異なる入力画像Bを入力するタッチペン12と、上記印刷媒体15に上記入力画像Bを印刷する第1プリンタ9と、上記撮影画像Aを印刷する第2プリンタ10とを備え、第1画層メモリ21の入力画像Bと第2画層メモリ22の撮影画像Aを重ねて合成した合成画像をディスプレイ8に表示して使用者2に確認させ、第1画層メモリ21の入力画像Bを第1プリンタ9により印刷したのち、第2画層メモリ22の撮影画像Aを第2プリンタ10で印刷することにより、ディスプレイ8で確認された合成画像を印刷媒体15上に印刷出力する。
【選択図】図1
【解決手段】被写体2を撮影するカメラ6と、上記カメラ6で撮影した被写体2の撮影画像Aを表示するディスプレイ8と、上記撮影画像Aとは異なる入力画像Bを入力するタッチペン12と、上記印刷媒体15に上記入力画像Bを印刷する第1プリンタ9と、上記撮影画像Aを印刷する第2プリンタ10とを備え、第1画層メモリ21の入力画像Bと第2画層メモリ22の撮影画像Aを重ねて合成した合成画像をディスプレイ8に表示して使用者2に確認させ、第1画層メモリ21の入力画像Bを第1プリンタ9により印刷したのち、第2画層メモリ22の撮影画像Aを第2プリンタ10で印刷することにより、ディスプレイ8で確認された合成画像を印刷媒体15上に印刷出力する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲームセンター等に設置され、硬貨等が投入されて被写体を撮影し、シール,カード,紙類,フィルム等にプリントアウトする写真自販機および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ゲームセンター等において、写真を撮影してシールプリント等にする写真自販機が数多く設置されている。このような写真自販機としては、一般に、図7に示すようなものが用いられている。このものは、本体52の内部に、略45°の角度をもってハーフミラー53が設けられている。このハーフミラー53の奥に、被写体を撮影するカメラ55が設けられ、ハーフミラー53の下方には、上記カメラ55で撮影された画像を表示するモニタ56が設けられている。図において51はコントローラ、57は写真プリント58を印刷するプリンタである。
【0003】
上記写真自販機では、ハーフミラー53を透してカメラ55で撮影された画像がモニタ56に表示され、このモニタ56に表示された画像がハーフミラー53に反射して被写体54によって確認できるようになっている。そして、被写体54は、モニタ56に映った自分の姿を確認しながら所望のポーズをとり、好みのところでコントローラ51を操作して静止画を撮影することが行われる。そして、この静止画は、適当なフレームや前景の画像と合成されて写真プリント58として印刷される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近は、写真自販機利用人口の増加とともに、そのニーズも多様化している。そこで、これらのニーズに応えるため、被写体の画像に合成されるフレームや前景として各種の趣向を凝らしたものも数多く提供されているが、単にフレームと顔写真とを合成するだけの画一的なものではもう満足されなくなってきている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、被写体の撮影画像に加え、それとは異なる画像が印刷された写真を提供できる写真自販機および方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の写真自販機は、被写体を撮影してその写真を販売する写真自販機であって、被写体を撮影するカメラと、上記カメラで撮影した被写体の撮影画像Aを表示する画像表示手段と、上記撮影画像Aとは異なる入力画像Bを入力する画像入力手段と、印刷媒体に上記入力画像Bを印刷する第1印刷手段と、上記撮影画像Aを印刷する第2印刷手段とを備え、
第1画層メモリの入力画像Bと第2画層メモリの撮影画像Aを重ねて合成した合成画像を画像表示手段に表示して使用者に確認させ、第1画層メモリの入力画像Bを第1印刷手段により印刷したのち、第2画層メモリの撮影画像Aを第2印刷手段で印刷することにより、画像表示手段で確認された合成画像を印刷媒体上に印刷出力することを要旨とする。
【0007】
また、本発明の写真自販方法は、被写体をカメラで撮影するステップと、上記カメラで撮影した被写体の撮影画像Aを表示する画像表示ステップと、上記撮影画像Aとは異なる入力画像Bを入力する画像入力ステップと、印刷媒体に上記入力画像Bを印刷する第1印刷ステップと、上記撮影画像Aを印刷する第2印刷ステップとを備え、
第1画層メモリの入力画像Bと第2画層メモリの撮影画像Aを重ねて合成した合成画像を画像表示手段に表示して使用者に確認させ、第1画層メモリの入力画像Bを第1印刷ステップにより印刷したのち、第2画層メモリの撮影画像Aを第2印刷ステップで印刷することにより、画像表示ステップで確認された合成画像を印刷媒体上に印刷出力することを要旨とする。
【0008】
本発明は、第1画層メモリの入力画像Bと第2画層メモリの撮影画像Aを重ねて合成した合成画像を画像表示手段に表示して使用者に確認させ、第1画層メモリの入力画像Bを第1印刷手段により印刷したのち、第2画層メモリの撮影画像Aを第2印刷手段で印刷することにより、画像表示手段で確認された合成画像を印刷媒体上に印刷出力する。このため、利用者は、カメラで撮影された被写体の撮影画像Aだけでなく、これとは異なる画像Bが印刷された多様な写真を楽しむことができる。例えば、撮影画像Aとは異なる画像Bをその場で選んだり入力することも可能になる。また、被写体が自分の気に入った好みの入力画像Bを入力できるようになり、さらに楽しみが大きくなる。さらに、被写体が、画像表示手段に表示される自分の撮影画像Aを見て仕上がり状態を確認しながら、ポーズをとったり好みの画像Bを入力したりできるようになる。また、確認した合成画像を印刷出力できる。
【0009】
本発明において、上記印刷媒体には、少なくとも表面に撮影画像Aを印刷するインクaが親和する受容層が形成され、上記入力画像Bを印刷するインクbが、上記印刷媒体表面の受容層を覆うことにより、あらかじめ印刷された入力画像Bのうえには撮影画像Aが印刷されないようになっている場合には、あらかじめ印刷された画像Bのうえには撮影画像Aが印刷されないようになっている場合、あるいは、撮影画像Aとは異なる画像Bを印刷するインクbとして顔料インクが用いられている場合には、画像Bが撮影画像Aのなかで浮かび上がり、装飾性の高い写真を提供することができる。
【0010】
本発明において、上記写真がシールプリントである場合には、撮影した写真をシールとして身の回り品その他所望の箇所に貼り付けられ、さらに楽しみが大きくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明の写真自販機の一実施の形態を示す図である。この写真自販機は、筐体1の内部および表面に各種の装置が設けられている。ここで、説明の便宜上、筐体1において、使用者(被写体)2と対面する側(図1の左側)を筐体1の前側とし、反対側(図1の右側)を筐体1の後側とする。
【0013】
上記筐体1の内部空間には、被写体2を撮影するカメラ6と、上記カメラ6から画像信号を受信して画像の合成等を行うコンピュータ装置7と、このコンピュータ装置7から送信された合成画像等の画像信号を受信して画像を表示するディスプレイ8とが設けられている。
【0014】
上記筐体1のカメラ6の前側に対応する部分には、ガラス・プラスチック等の透明板14が嵌めこまれている。また、上記ディスプレイ8は、被写体2に向かって斜め上向きに配設され、ディスプレイ8に表示された画像が使用者2によって目視されるようになっている。
【0015】
さらに、上記筐体1の前面には、操作部16が設けられている。この操作部16は、使用者2が各種の操作を行なうボタン・レバー等を有し、コンピュータ装置7に操作信号を送信する。
【0016】
また、上記操作部16には、タッチペン12が備えられている。このタッチペン12は、その先端をディスプレイ(例えば、LCDタブレット,タッチパネル等が用いられる)8の表面に接触させ、文字や図形等を描くことにより画像を手書き入力等できるようになっている。そして、上記手書き入力された文字・図形等の画像データがディスプレイ8に表示され、印刷媒体15に印刷される。
【0017】
この例において、使用者2がディスプレイ8から見る合成画像は、コンピュータ装置7に予め記憶された記憶画像(所望のフレームや前景等、以下「フレーム画像C」という)に、カメラ6による被写体2の撮影画像Aが合成されたものである。そして、被写体2による操作部16の操作によって合成画像が停止され、合成画像の停止後、タッチペン12による手書き入力等がされると、この入力画像Bが上記合成画像にさらに合成された画像が表示されるようになっている。
【0018】
また、上記筐体1の内部空間には、コンピュータ装置7から送信された合成画像の信号を受信し、この合成画像を印刷媒体15に印刷して写真を生成する第2プリンタ10が設けられている。この第2プリンタ10としては、写真画質の印刷に適するものであれば、各種のものが用いられる。例えば、昇華型プリンタ,インクジェット式プリンタ,カラーレーザプリンタ等があげられるが、これらの中でも、画質が優れるうえ印刷時間も比較的短い昇華型プリンタが最も好適に用いられる。
【0019】
この例では、上記第2プリンタ10として、昇華型プリンタ(例えば、三菱電機社製CP−7000DSシリーズ,神鋼電機社製CHC−S1045シリーズ等)が用いられ、後述するメタリック色以外の普通色の印刷が行われる。この昇華型プリンタでは、染料インクを熱溶融させ、この染料インクと親和する印刷媒体15の表面に色素を浸透させて印刷が行われる。
【0020】
上記染料インクと親和する印刷媒体15としては、例えば塩化ビニルシートが用いられる。また、紙やPETシートのように、そのままでは、上記染料インクと親和しないものの場合には、あらかじめ表面に染料インクと親和する受容層をコーティングして用いることができる。
【0021】
また、上記第2プリンタ10での印刷に先だって、印刷媒体15に、画像を印刷する第1プリンタ9が設けられている。この第1プリンタ9としては、上記印刷媒体15に画像を印刷しうるものであれば、各種のものを用いることができるが、顔料インクを熱転写しうる熱転写型プリンタや溶融型プリンタが好適に用いられる。
【0022】
上記第1プリンタ9で画像を印刷する際に用いるインクとしては、例えば、不透明の顔料インクが好適に用いられる。第2プリンタ10での印刷に先だって、第1プリンタ9により上記印刷媒体15に顔料インクを用いて印刷することにより、上記顔料インクが、第2プリンタ10で使用される染料インクと親和する印刷媒体15の表面を覆い、第1プリンタ9で印刷された画像のうえには第2プリンタ10による印刷がされないようになる。これにより、画用紙にクレパスで絵を描いた後に水彩絵の具で着色を施したときのように、顔料インクで印刷された画像が鮮明に浮かび上がるようになる。
【0023】
上記顔料インクに用いられる顔料としては、特に限定するものではなく、各種のものが使用される。例えば、アゾ顔料,フタロシアニン,縮合多環顔料等の各種有機顔料や、酸化チタンや亜鉛華等の各種酸化物,アルミナホワイト等の各種水酸化物,カドミウムエロー等の各種硫化物をはじめ、クロム酸,硫酸塩,炭酸塩,珪酸塩,燐酸塩,砒酸塩,フェロシアン化物,炭素,金属粉等の各種無機顔料等があげられる。
【0024】
これらのなかでも、特に、ブロンズ粉やアルミニウム粉等を用いた金色,銀色等のメタリック顔料インクが、上書き画像がキラキラ光る装飾的な効果が高く、好適に用いられる。また、各種蛍光顔料,パール顔料,蓄光顔料,示温顔料等も装飾的に優れているため、好適に用いられる。
【0025】
この例では、上記第1プリンタ9として、熱転写型プリンタや溶融型プリンタ(例えば、アルプス電気社製MD−5000シリーズ等)が用いられ、金色および銀色のメタリック顔料のインクによる印刷が行われる。
【0026】
そして、上記第1プリンタ9および第2プリンタ10で印刷された印刷媒体15は、筐体1前面に形成された送出口19から送出されるようになっている。図において13は、第1プリンタ9から写真を送出する送出口であり、11は、第1プリンタ9の送出口13から送出された写真を第2プリンタ10に送るシュータである。
【0027】
また、筐体1の前面には、コイン投入口(図示せず)が設けられ、筐体1内部のコイン投入口に隣接した位置に、投入したコインを検出してコンピュータ装置7に検出信号を送信するコイン検出部17(図2参照)が設けられる。また、筐体1前面の適所には、コンピュータ装置7から音声信号を受信して音声出力するスピーカ18(図2参照)、被写体2を照射するライト(図示せず)が設けられている。
【0028】
そして、上記被写体2の背後には、外部からの光を遮断するカーテン3が配設されている。このカーテン3は、筐体1の前面の上部および下部から突出された支持フレーム4,5によって支持される。上記カーテン3の内面には、画像の合成手法に応じた色彩が施される。例えば、クロマキー合成であれば、カーテン3の内面全体に緑,青等のクロマキー合成に適当な色の着色が施される。
【0029】
つぎに、上記コンピュータ装置7のシステム構成について詳しく説明する。
【0030】
図2に示すように、上記コンピュータ装置7は、画像の合成を行う画像合成手段30と、カメラ6による撮影や画像の合成等の制御を行う撮影・合成制御部31とを備えている。上記撮影・合成制御部31は、コイン検出部17からの検出信号を受信することにより、撮影や画像合成等の制御を開始するようになっている。
【0031】
また、上記コンピュータ装置7には、所定のフレーム画像を格納するフレーム画像メモリ33が設けられている。一方、上記ディスプレイ8には、タッチペン12によって手書き画像等がペン入力されるペン入力部35と、合成画像を表示する表示部36とが設けられている。
【0032】
そして、上記画像合成手段30は、カメラ6による撮影画像とフレーム画像メモリ33に格納されたフレーム画像とを合成してディスプレイ8の表示部36に合成するようになっている。また、上記画像合成手段30は、上記被写体2による操作部16の操作により上記合成画像を固定し、この固定された静止画像に、タッチペン12によってディスプレイ8のペン入力部35に入力された文字や図形等の手書き画像等を合成するようになっている。
【0033】
上記画像合成手段30で合成された合成画像(撮影画像とフレーム画像との合成画像ならびに静止画像とペン入力画像との合成画像)は、ディスプレイ8の表示部36に表示されるようになっている。
【0034】
さらに、上記コンピュータ装置7には、スピーカ18から音声を出力させる音声出力回路32が設けられている。また、上記コンピュータ装置7は、上記第1および第2プリンタ9,10による印刷を制御する印刷制御部34を備えている。
【0035】
ここで、カメラ6で撮影された被写体2の撮影画像Aと、タッチペン12で入力されたペン入力画像B、ならびにフレーム画像Cとの、3つの画像のデータがディスプレイ8,画像合成手段30,第1および第2プリンタ9,10に転送される状態について詳しく説明する。
【0036】
すなわち、図3に示すように、ディスプレイ8の表示部36には、第1および第2画層23,24の2つの画層が重なった状態で合成画像が表示される。そして、画像合成手段30には、上記第1および第2画層23,24にそれぞれ対応する第1および第2画層メモリ21,22が設けられている。
【0037】
上記第1画層メモリ21には、画像生成装置39で生成されたペン入力画像のうち、金・銀等のメタリック色の画像B2が格納される。一方、上記第2画層メモリ22には、カメラ6で撮影された被写体2の撮影画像A,フレーム画像メモリ33に格納されていたフレーム画像Cが合成されて格納される。また、タッチペン12で入力されたペン入力画像のうち、メタリック色以外の普通色の画像B1も、第2画層メモリ22に格納される。
【0038】
そして、第1画層メモリ21に格納されたタッチペン12でのペン入力画像のうちメタリック色の画像B2は、第1画層23に表示される。また、第2画層メモリ22に格納された被写体2の撮影画像Aとフレーム画像Cおよびタッチペン12でのペン入力画像のうち普通色の画像B1は、合成されて第2画層24に表示される。そして、被写体2は、重なった第1画層23と第2画層24を図示の矢印の方向から見ることにより、すべての画像A,B1,B2,Cが合成された画像を見ることができる。
【0039】
一方、上記第1画層メモリ21に格納された画像(メタリック色の画像である)の画像データB2が第1プリンタ9に送られてメタリック色の画像B2が印刷媒体15に印刷される。ついで、上記メタリック色の画像B2が印刷された印刷媒体15が第2プリンタ10に送られると、第2画層メモリ22に格納されていた合成画像(いずれも普通色の画像である)の画像データA+B1+Cが、第2プリンタ10に送られ、この第2プリンタ10で印刷されて写真が生成されるようになっている。
【0040】
つぎに、上記写真自販機の動作について、図4に示すフローチャートをもとに説明する。なお、図において「S」は、ステップを意味する。
【0041】
まず、使用者2がコインを投入すると、フレーム画像メモリ33に格納されたフレーム画像をディスプレイ8の表示部36に表示して、ディスプレイ8上の画像およびスピーカ18からの音声により使用者2に所望のフレーム画像の選択を支持する。なお、ここで選択されるフレーム画像は、ひとつでもよいし、ふたつ以上でも差し支えない。
【0042】
使用者2が所望のフレーム画像を選択すると(S1)、カメラ6による被写体2の撮影が開始される(S2)。ついで、画像合成手段30により、カメラ6による撮影画像Aとフレーム画像Cとが合成され、ディスプレイ8の表示部36に合成画像が表示される(S3)。
【0043】
そして、使用者2がディスプレイ8の表示画像を見ながら被写体2の位置調整を完了した後に、操作部16の調整完了ボタンを押すと、使用者2にポーズをとるよう指示され、それから所定時間後に画像合成手段30により合成画像が固定される(S4)。このとき、ディスプレイ8には、そのときの合成画像が静止画像として表示される。
【0044】
つぎに、使用者2に上記静止画像のプレビューの確認を促し、使用者2が撮りなおしを希望する場合は、ステップ2に戻り、新たに撮影が開始される。一方、使用者2が撮りなおしを希望しない場合は、使用者2にタッチペン12によるペン入力を促すよう指示する。
【0045】
このとき、まず、メタリック色のペン入力が指示され、使用者2は、タッチペン12の先端をディスプレイ8表面のペン入力部35に接触させて所望の文字や図形等の画像を入力する(S6)。例えば、図5に示すように、金色のペンのアイコン25Aや銀色のペンのアイコン25Bをタップしてからディスプレイ8の表面に手書きで文字等を描くことにより行われる。また、また、星マークのアイコン26やハートマークのアイコン27をタップして星マークやハートマークを静止画像の任意の位置に配置することもできる。そして、入力されたメタリック色の文字等の画像データB2は、第1画層メモリ21に格納され、第1画層23に表示される(図3参照)。
【0046】
メタリック色でのペン入力が終了すると、使用者2に、普通色でのペン入力を促すよう指示するとともに、第1画層メモリ21の画像データが第1プリンタ9に送られ、第1プリンタ9によるメタリック色の画像の印刷が開始される(S7)。
【0047】
一方、普通色のペン入力は、例えば、普通色のペンのアイコン25Cをタップしてからディスプレイ8の表面に手書きで文字等を描くことにより行われる(S8)。そして、入力された普通色の文字等の画像データB1は、第2画層メモリ22に格納され、第2画層24に表示される(図3参照)。
【0048】
そして、普通色のペン入力が終了すると、第2画層メモリ22の画像データが第2プリンタ10に送られる。上記第1プリンタ9による印刷が終了したのち、印刷された写真が第2プリンタ10に受け渡され、第2プリンタ10による普通色の画像の印刷が開始される(S9)。このとき、第1プリンタ9で印刷された顔料インクが、印刷媒体15の表面を覆い、この覆われた部分には第2プリンタ10で印刷されないため、顔料インクで印刷されたメタリック色の画像B1が鮮明に浮かび上がる。そして、被写体2の撮影画像Aとフレーム画像Cおよび普通色のペン入力画像B1が合成された写真と、メタリック色のペン入力画像B2とが印刷された印刷媒体15が送出される。
【0049】
このように、上記写真自販機によれば、カメラで撮影された被写体の撮影画像Aだけでなく、これとは異なるメタリック色の画像B2が印刷され、利用者は、装飾性が高く、個性的で多様な写真が提供される。さらに、上記写真自販機は、画像を手書き入力するタッチペン12を備えているため、被写体2が自分の好みの画像を手書き等で入力でき、さらに楽しみが大きくなる。
【0050】
また、上記写真自販機は、ディスプレイ8に、カメラ6で撮影された被写体2の画像とペン入力画像との合成画像が表示されるようになっているため、被写体2が、ディスプレイ8に表示される自分の画像を見て仕上がり状態を確認しながら、ポーズをとったり好みの画像を入力したりできる。
【0051】
なお、上記実施の形態では、第1プリンタ9でメタリック色の印刷を行うようにしたが、これに限定するものではなく、白,黒,赤,黄等各種の色の印刷を行うようにしてもよい。
【0052】
図6は、本発明の第2の実施の形態の写真自販機を示す。このものは、カメラ6で撮影された撮影画像A以外のメタリック色の画像Bを印刷する第1プリンタ9が設けられておらず、カメラ6で撮影された撮影画像Aを普通色で印刷する第2プリンタ10だけが設けられている。そして、この写真自販機では、印刷媒体15として、あらかじめ印刷所等でメタリック色の顔料インク等により、撮影画像以外の画像Bが印刷されたものが用いられる。
【0053】
上記印刷媒体15は、第2プリンタ10で使用される染料インクと親和する画像Bの部分の表面が顔料インクで覆われ、この覆われた部分は、第2プリンタ10による印刷がされない。このため、上記印刷媒体15に第2プリンタ10によりカメラ6で撮影された撮影画像Aを印刷すると、メタリック色の画像Bが鮮明に浮かび上がった写真となる。
【0054】
このように、上記写真自販機によれば、利用者は、カメラで撮影された被写体の撮影画像Aだけでなく、これとは異なるメタリック色の画像Bが印刷された装飾性の高い個性的で多様な写真を楽しむことができる。
【0055】
なお、上記各実施の形態において、上記カメラ6としては、デジタルカメラを用いることもできるし、ビデオカメラを用いることもでき、特に限定するものではない。また、上記各実施の形態において、印刷媒体15としては、特に限定するものではなく、例えば、紙類,シール,プラスチックフィルム,カード類,布,不織布,ガラス板,樹脂板等各種のものを用いることができる。この場合、上述したように、あらかじめ表面に染料インクと親和する受容層を形成させて用いられる。
【0056】
さらに、上記各実施の形態では、1台のカメラ6を備えた例を示したが、これに限定するものではなく、複数台のカメラ6を備えるようにしても差し支えない。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、利用者は、カメラで撮影された被写体の撮影画像Aだけでなく、これとは異なる画像Bが印刷された多様な写真を楽しむことができる。例えば、撮影画像Aとは異なる画像Bをその場で選んだり入力することも可能になる。また、被写体が自分の気に入った好みの入力画像Bを入力できるようになり、さらに楽しみが大きくなる。さらに、被写体が、画像表示手段に表示される自分の撮影画像Aを見て仕上がり状態を確認しながら、ポーズをとったり好みの画像Bを入力したりできるようになる。また、確認した合成画像を印刷出力できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真自販機の一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】上記写真自販機のシステム構成図である。
【図3】ディスプレイと画像合成手段と第1および第2プリンタとのデータ転送状態を示す説明図である。
【図4】上記写真自販機の動作を説明するフローチャート図である。
【図5】タッチペンで入力する状態を説明する図である。
【図6】本発明の写真自販機の第2の実施の形態を示す縦断面図である。
【図7】従来の写真自販機を示す説明図である。
【符号の説明】
2 被写体
6 カメラ
9 第1プリンタ
10 第2プリンタ
15 印刷媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲームセンター等に設置され、硬貨等が投入されて被写体を撮影し、シール,カード,紙類,フィルム等にプリントアウトする写真自販機および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ゲームセンター等において、写真を撮影してシールプリント等にする写真自販機が数多く設置されている。このような写真自販機としては、一般に、図7に示すようなものが用いられている。このものは、本体52の内部に、略45°の角度をもってハーフミラー53が設けられている。このハーフミラー53の奥に、被写体を撮影するカメラ55が設けられ、ハーフミラー53の下方には、上記カメラ55で撮影された画像を表示するモニタ56が設けられている。図において51はコントローラ、57は写真プリント58を印刷するプリンタである。
【0003】
上記写真自販機では、ハーフミラー53を透してカメラ55で撮影された画像がモニタ56に表示され、このモニタ56に表示された画像がハーフミラー53に反射して被写体54によって確認できるようになっている。そして、被写体54は、モニタ56に映った自分の姿を確認しながら所望のポーズをとり、好みのところでコントローラ51を操作して静止画を撮影することが行われる。そして、この静止画は、適当なフレームや前景の画像と合成されて写真プリント58として印刷される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近は、写真自販機利用人口の増加とともに、そのニーズも多様化している。そこで、これらのニーズに応えるため、被写体の画像に合成されるフレームや前景として各種の趣向を凝らしたものも数多く提供されているが、単にフレームと顔写真とを合成するだけの画一的なものではもう満足されなくなってきている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、被写体の撮影画像に加え、それとは異なる画像が印刷された写真を提供できる写真自販機および方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の写真自販機は、被写体を撮影してその写真を販売する写真自販機であって、被写体を撮影するカメラと、上記カメラで撮影した被写体の撮影画像Aを表示する画像表示手段と、上記撮影画像Aとは異なる入力画像Bを入力する画像入力手段と、印刷媒体に上記入力画像Bを印刷する第1印刷手段と、上記撮影画像Aを印刷する第2印刷手段とを備え、
第1画層メモリの入力画像Bと第2画層メモリの撮影画像Aを重ねて合成した合成画像を画像表示手段に表示して使用者に確認させ、第1画層メモリの入力画像Bを第1印刷手段により印刷したのち、第2画層メモリの撮影画像Aを第2印刷手段で印刷することにより、画像表示手段で確認された合成画像を印刷媒体上に印刷出力することを要旨とする。
【0007】
また、本発明の写真自販方法は、被写体をカメラで撮影するステップと、上記カメラで撮影した被写体の撮影画像Aを表示する画像表示ステップと、上記撮影画像Aとは異なる入力画像Bを入力する画像入力ステップと、印刷媒体に上記入力画像Bを印刷する第1印刷ステップと、上記撮影画像Aを印刷する第2印刷ステップとを備え、
第1画層メモリの入力画像Bと第2画層メモリの撮影画像Aを重ねて合成した合成画像を画像表示手段に表示して使用者に確認させ、第1画層メモリの入力画像Bを第1印刷ステップにより印刷したのち、第2画層メモリの撮影画像Aを第2印刷ステップで印刷することにより、画像表示ステップで確認された合成画像を印刷媒体上に印刷出力することを要旨とする。
【0008】
本発明は、第1画層メモリの入力画像Bと第2画層メモリの撮影画像Aを重ねて合成した合成画像を画像表示手段に表示して使用者に確認させ、第1画層メモリの入力画像Bを第1印刷手段により印刷したのち、第2画層メモリの撮影画像Aを第2印刷手段で印刷することにより、画像表示手段で確認された合成画像を印刷媒体上に印刷出力する。このため、利用者は、カメラで撮影された被写体の撮影画像Aだけでなく、これとは異なる画像Bが印刷された多様な写真を楽しむことができる。例えば、撮影画像Aとは異なる画像Bをその場で選んだり入力することも可能になる。また、被写体が自分の気に入った好みの入力画像Bを入力できるようになり、さらに楽しみが大きくなる。さらに、被写体が、画像表示手段に表示される自分の撮影画像Aを見て仕上がり状態を確認しながら、ポーズをとったり好みの画像Bを入力したりできるようになる。また、確認した合成画像を印刷出力できる。
【0009】
本発明において、上記印刷媒体には、少なくとも表面に撮影画像Aを印刷するインクaが親和する受容層が形成され、上記入力画像Bを印刷するインクbが、上記印刷媒体表面の受容層を覆うことにより、あらかじめ印刷された入力画像Bのうえには撮影画像Aが印刷されないようになっている場合には、あらかじめ印刷された画像Bのうえには撮影画像Aが印刷されないようになっている場合、あるいは、撮影画像Aとは異なる画像Bを印刷するインクbとして顔料インクが用いられている場合には、画像Bが撮影画像Aのなかで浮かび上がり、装飾性の高い写真を提供することができる。
【0010】
本発明において、上記写真がシールプリントである場合には、撮影した写真をシールとして身の回り品その他所望の箇所に貼り付けられ、さらに楽しみが大きくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明の写真自販機の一実施の形態を示す図である。この写真自販機は、筐体1の内部および表面に各種の装置が設けられている。ここで、説明の便宜上、筐体1において、使用者(被写体)2と対面する側(図1の左側)を筐体1の前側とし、反対側(図1の右側)を筐体1の後側とする。
【0013】
上記筐体1の内部空間には、被写体2を撮影するカメラ6と、上記カメラ6から画像信号を受信して画像の合成等を行うコンピュータ装置7と、このコンピュータ装置7から送信された合成画像等の画像信号を受信して画像を表示するディスプレイ8とが設けられている。
【0014】
上記筐体1のカメラ6の前側に対応する部分には、ガラス・プラスチック等の透明板14が嵌めこまれている。また、上記ディスプレイ8は、被写体2に向かって斜め上向きに配設され、ディスプレイ8に表示された画像が使用者2によって目視されるようになっている。
【0015】
さらに、上記筐体1の前面には、操作部16が設けられている。この操作部16は、使用者2が各種の操作を行なうボタン・レバー等を有し、コンピュータ装置7に操作信号を送信する。
【0016】
また、上記操作部16には、タッチペン12が備えられている。このタッチペン12は、その先端をディスプレイ(例えば、LCDタブレット,タッチパネル等が用いられる)8の表面に接触させ、文字や図形等を描くことにより画像を手書き入力等できるようになっている。そして、上記手書き入力された文字・図形等の画像データがディスプレイ8に表示され、印刷媒体15に印刷される。
【0017】
この例において、使用者2がディスプレイ8から見る合成画像は、コンピュータ装置7に予め記憶された記憶画像(所望のフレームや前景等、以下「フレーム画像C」という)に、カメラ6による被写体2の撮影画像Aが合成されたものである。そして、被写体2による操作部16の操作によって合成画像が停止され、合成画像の停止後、タッチペン12による手書き入力等がされると、この入力画像Bが上記合成画像にさらに合成された画像が表示されるようになっている。
【0018】
また、上記筐体1の内部空間には、コンピュータ装置7から送信された合成画像の信号を受信し、この合成画像を印刷媒体15に印刷して写真を生成する第2プリンタ10が設けられている。この第2プリンタ10としては、写真画質の印刷に適するものであれば、各種のものが用いられる。例えば、昇華型プリンタ,インクジェット式プリンタ,カラーレーザプリンタ等があげられるが、これらの中でも、画質が優れるうえ印刷時間も比較的短い昇華型プリンタが最も好適に用いられる。
【0019】
この例では、上記第2プリンタ10として、昇華型プリンタ(例えば、三菱電機社製CP−7000DSシリーズ,神鋼電機社製CHC−S1045シリーズ等)が用いられ、後述するメタリック色以外の普通色の印刷が行われる。この昇華型プリンタでは、染料インクを熱溶融させ、この染料インクと親和する印刷媒体15の表面に色素を浸透させて印刷が行われる。
【0020】
上記染料インクと親和する印刷媒体15としては、例えば塩化ビニルシートが用いられる。また、紙やPETシートのように、そのままでは、上記染料インクと親和しないものの場合には、あらかじめ表面に染料インクと親和する受容層をコーティングして用いることができる。
【0021】
また、上記第2プリンタ10での印刷に先だって、印刷媒体15に、画像を印刷する第1プリンタ9が設けられている。この第1プリンタ9としては、上記印刷媒体15に画像を印刷しうるものであれば、各種のものを用いることができるが、顔料インクを熱転写しうる熱転写型プリンタや溶融型プリンタが好適に用いられる。
【0022】
上記第1プリンタ9で画像を印刷する際に用いるインクとしては、例えば、不透明の顔料インクが好適に用いられる。第2プリンタ10での印刷に先だって、第1プリンタ9により上記印刷媒体15に顔料インクを用いて印刷することにより、上記顔料インクが、第2プリンタ10で使用される染料インクと親和する印刷媒体15の表面を覆い、第1プリンタ9で印刷された画像のうえには第2プリンタ10による印刷がされないようになる。これにより、画用紙にクレパスで絵を描いた後に水彩絵の具で着色を施したときのように、顔料インクで印刷された画像が鮮明に浮かび上がるようになる。
【0023】
上記顔料インクに用いられる顔料としては、特に限定するものではなく、各種のものが使用される。例えば、アゾ顔料,フタロシアニン,縮合多環顔料等の各種有機顔料や、酸化チタンや亜鉛華等の各種酸化物,アルミナホワイト等の各種水酸化物,カドミウムエロー等の各種硫化物をはじめ、クロム酸,硫酸塩,炭酸塩,珪酸塩,燐酸塩,砒酸塩,フェロシアン化物,炭素,金属粉等の各種無機顔料等があげられる。
【0024】
これらのなかでも、特に、ブロンズ粉やアルミニウム粉等を用いた金色,銀色等のメタリック顔料インクが、上書き画像がキラキラ光る装飾的な効果が高く、好適に用いられる。また、各種蛍光顔料,パール顔料,蓄光顔料,示温顔料等も装飾的に優れているため、好適に用いられる。
【0025】
この例では、上記第1プリンタ9として、熱転写型プリンタや溶融型プリンタ(例えば、アルプス電気社製MD−5000シリーズ等)が用いられ、金色および銀色のメタリック顔料のインクによる印刷が行われる。
【0026】
そして、上記第1プリンタ9および第2プリンタ10で印刷された印刷媒体15は、筐体1前面に形成された送出口19から送出されるようになっている。図において13は、第1プリンタ9から写真を送出する送出口であり、11は、第1プリンタ9の送出口13から送出された写真を第2プリンタ10に送るシュータである。
【0027】
また、筐体1の前面には、コイン投入口(図示せず)が設けられ、筐体1内部のコイン投入口に隣接した位置に、投入したコインを検出してコンピュータ装置7に検出信号を送信するコイン検出部17(図2参照)が設けられる。また、筐体1前面の適所には、コンピュータ装置7から音声信号を受信して音声出力するスピーカ18(図2参照)、被写体2を照射するライト(図示せず)が設けられている。
【0028】
そして、上記被写体2の背後には、外部からの光を遮断するカーテン3が配設されている。このカーテン3は、筐体1の前面の上部および下部から突出された支持フレーム4,5によって支持される。上記カーテン3の内面には、画像の合成手法に応じた色彩が施される。例えば、クロマキー合成であれば、カーテン3の内面全体に緑,青等のクロマキー合成に適当な色の着色が施される。
【0029】
つぎに、上記コンピュータ装置7のシステム構成について詳しく説明する。
【0030】
図2に示すように、上記コンピュータ装置7は、画像の合成を行う画像合成手段30と、カメラ6による撮影や画像の合成等の制御を行う撮影・合成制御部31とを備えている。上記撮影・合成制御部31は、コイン検出部17からの検出信号を受信することにより、撮影や画像合成等の制御を開始するようになっている。
【0031】
また、上記コンピュータ装置7には、所定のフレーム画像を格納するフレーム画像メモリ33が設けられている。一方、上記ディスプレイ8には、タッチペン12によって手書き画像等がペン入力されるペン入力部35と、合成画像を表示する表示部36とが設けられている。
【0032】
そして、上記画像合成手段30は、カメラ6による撮影画像とフレーム画像メモリ33に格納されたフレーム画像とを合成してディスプレイ8の表示部36に合成するようになっている。また、上記画像合成手段30は、上記被写体2による操作部16の操作により上記合成画像を固定し、この固定された静止画像に、タッチペン12によってディスプレイ8のペン入力部35に入力された文字や図形等の手書き画像等を合成するようになっている。
【0033】
上記画像合成手段30で合成された合成画像(撮影画像とフレーム画像との合成画像ならびに静止画像とペン入力画像との合成画像)は、ディスプレイ8の表示部36に表示されるようになっている。
【0034】
さらに、上記コンピュータ装置7には、スピーカ18から音声を出力させる音声出力回路32が設けられている。また、上記コンピュータ装置7は、上記第1および第2プリンタ9,10による印刷を制御する印刷制御部34を備えている。
【0035】
ここで、カメラ6で撮影された被写体2の撮影画像Aと、タッチペン12で入力されたペン入力画像B、ならびにフレーム画像Cとの、3つの画像のデータがディスプレイ8,画像合成手段30,第1および第2プリンタ9,10に転送される状態について詳しく説明する。
【0036】
すなわち、図3に示すように、ディスプレイ8の表示部36には、第1および第2画層23,24の2つの画層が重なった状態で合成画像が表示される。そして、画像合成手段30には、上記第1および第2画層23,24にそれぞれ対応する第1および第2画層メモリ21,22が設けられている。
【0037】
上記第1画層メモリ21には、画像生成装置39で生成されたペン入力画像のうち、金・銀等のメタリック色の画像B2が格納される。一方、上記第2画層メモリ22には、カメラ6で撮影された被写体2の撮影画像A,フレーム画像メモリ33に格納されていたフレーム画像Cが合成されて格納される。また、タッチペン12で入力されたペン入力画像のうち、メタリック色以外の普通色の画像B1も、第2画層メモリ22に格納される。
【0038】
そして、第1画層メモリ21に格納されたタッチペン12でのペン入力画像のうちメタリック色の画像B2は、第1画層23に表示される。また、第2画層メモリ22に格納された被写体2の撮影画像Aとフレーム画像Cおよびタッチペン12でのペン入力画像のうち普通色の画像B1は、合成されて第2画層24に表示される。そして、被写体2は、重なった第1画層23と第2画層24を図示の矢印の方向から見ることにより、すべての画像A,B1,B2,Cが合成された画像を見ることができる。
【0039】
一方、上記第1画層メモリ21に格納された画像(メタリック色の画像である)の画像データB2が第1プリンタ9に送られてメタリック色の画像B2が印刷媒体15に印刷される。ついで、上記メタリック色の画像B2が印刷された印刷媒体15が第2プリンタ10に送られると、第2画層メモリ22に格納されていた合成画像(いずれも普通色の画像である)の画像データA+B1+Cが、第2プリンタ10に送られ、この第2プリンタ10で印刷されて写真が生成されるようになっている。
【0040】
つぎに、上記写真自販機の動作について、図4に示すフローチャートをもとに説明する。なお、図において「S」は、ステップを意味する。
【0041】
まず、使用者2がコインを投入すると、フレーム画像メモリ33に格納されたフレーム画像をディスプレイ8の表示部36に表示して、ディスプレイ8上の画像およびスピーカ18からの音声により使用者2に所望のフレーム画像の選択を支持する。なお、ここで選択されるフレーム画像は、ひとつでもよいし、ふたつ以上でも差し支えない。
【0042】
使用者2が所望のフレーム画像を選択すると(S1)、カメラ6による被写体2の撮影が開始される(S2)。ついで、画像合成手段30により、カメラ6による撮影画像Aとフレーム画像Cとが合成され、ディスプレイ8の表示部36に合成画像が表示される(S3)。
【0043】
そして、使用者2がディスプレイ8の表示画像を見ながら被写体2の位置調整を完了した後に、操作部16の調整完了ボタンを押すと、使用者2にポーズをとるよう指示され、それから所定時間後に画像合成手段30により合成画像が固定される(S4)。このとき、ディスプレイ8には、そのときの合成画像が静止画像として表示される。
【0044】
つぎに、使用者2に上記静止画像のプレビューの確認を促し、使用者2が撮りなおしを希望する場合は、ステップ2に戻り、新たに撮影が開始される。一方、使用者2が撮りなおしを希望しない場合は、使用者2にタッチペン12によるペン入力を促すよう指示する。
【0045】
このとき、まず、メタリック色のペン入力が指示され、使用者2は、タッチペン12の先端をディスプレイ8表面のペン入力部35に接触させて所望の文字や図形等の画像を入力する(S6)。例えば、図5に示すように、金色のペンのアイコン25Aや銀色のペンのアイコン25Bをタップしてからディスプレイ8の表面に手書きで文字等を描くことにより行われる。また、また、星マークのアイコン26やハートマークのアイコン27をタップして星マークやハートマークを静止画像の任意の位置に配置することもできる。そして、入力されたメタリック色の文字等の画像データB2は、第1画層メモリ21に格納され、第1画層23に表示される(図3参照)。
【0046】
メタリック色でのペン入力が終了すると、使用者2に、普通色でのペン入力を促すよう指示するとともに、第1画層メモリ21の画像データが第1プリンタ9に送られ、第1プリンタ9によるメタリック色の画像の印刷が開始される(S7)。
【0047】
一方、普通色のペン入力は、例えば、普通色のペンのアイコン25Cをタップしてからディスプレイ8の表面に手書きで文字等を描くことにより行われる(S8)。そして、入力された普通色の文字等の画像データB1は、第2画層メモリ22に格納され、第2画層24に表示される(図3参照)。
【0048】
そして、普通色のペン入力が終了すると、第2画層メモリ22の画像データが第2プリンタ10に送られる。上記第1プリンタ9による印刷が終了したのち、印刷された写真が第2プリンタ10に受け渡され、第2プリンタ10による普通色の画像の印刷が開始される(S9)。このとき、第1プリンタ9で印刷された顔料インクが、印刷媒体15の表面を覆い、この覆われた部分には第2プリンタ10で印刷されないため、顔料インクで印刷されたメタリック色の画像B1が鮮明に浮かび上がる。そして、被写体2の撮影画像Aとフレーム画像Cおよび普通色のペン入力画像B1が合成された写真と、メタリック色のペン入力画像B2とが印刷された印刷媒体15が送出される。
【0049】
このように、上記写真自販機によれば、カメラで撮影された被写体の撮影画像Aだけでなく、これとは異なるメタリック色の画像B2が印刷され、利用者は、装飾性が高く、個性的で多様な写真が提供される。さらに、上記写真自販機は、画像を手書き入力するタッチペン12を備えているため、被写体2が自分の好みの画像を手書き等で入力でき、さらに楽しみが大きくなる。
【0050】
また、上記写真自販機は、ディスプレイ8に、カメラ6で撮影された被写体2の画像とペン入力画像との合成画像が表示されるようになっているため、被写体2が、ディスプレイ8に表示される自分の画像を見て仕上がり状態を確認しながら、ポーズをとったり好みの画像を入力したりできる。
【0051】
なお、上記実施の形態では、第1プリンタ9でメタリック色の印刷を行うようにしたが、これに限定するものではなく、白,黒,赤,黄等各種の色の印刷を行うようにしてもよい。
【0052】
図6は、本発明の第2の実施の形態の写真自販機を示す。このものは、カメラ6で撮影された撮影画像A以外のメタリック色の画像Bを印刷する第1プリンタ9が設けられておらず、カメラ6で撮影された撮影画像Aを普通色で印刷する第2プリンタ10だけが設けられている。そして、この写真自販機では、印刷媒体15として、あらかじめ印刷所等でメタリック色の顔料インク等により、撮影画像以外の画像Bが印刷されたものが用いられる。
【0053】
上記印刷媒体15は、第2プリンタ10で使用される染料インクと親和する画像Bの部分の表面が顔料インクで覆われ、この覆われた部分は、第2プリンタ10による印刷がされない。このため、上記印刷媒体15に第2プリンタ10によりカメラ6で撮影された撮影画像Aを印刷すると、メタリック色の画像Bが鮮明に浮かび上がった写真となる。
【0054】
このように、上記写真自販機によれば、利用者は、カメラで撮影された被写体の撮影画像Aだけでなく、これとは異なるメタリック色の画像Bが印刷された装飾性の高い個性的で多様な写真を楽しむことができる。
【0055】
なお、上記各実施の形態において、上記カメラ6としては、デジタルカメラを用いることもできるし、ビデオカメラを用いることもでき、特に限定するものではない。また、上記各実施の形態において、印刷媒体15としては、特に限定するものではなく、例えば、紙類,シール,プラスチックフィルム,カード類,布,不織布,ガラス板,樹脂板等各種のものを用いることができる。この場合、上述したように、あらかじめ表面に染料インクと親和する受容層を形成させて用いられる。
【0056】
さらに、上記各実施の形態では、1台のカメラ6を備えた例を示したが、これに限定するものではなく、複数台のカメラ6を備えるようにしても差し支えない。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、利用者は、カメラで撮影された被写体の撮影画像Aだけでなく、これとは異なる画像Bが印刷された多様な写真を楽しむことができる。例えば、撮影画像Aとは異なる画像Bをその場で選んだり入力することも可能になる。また、被写体が自分の気に入った好みの入力画像Bを入力できるようになり、さらに楽しみが大きくなる。さらに、被写体が、画像表示手段に表示される自分の撮影画像Aを見て仕上がり状態を確認しながら、ポーズをとったり好みの画像Bを入力したりできるようになる。また、確認した合成画像を印刷出力できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真自販機の一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】上記写真自販機のシステム構成図である。
【図3】ディスプレイと画像合成手段と第1および第2プリンタとのデータ転送状態を示す説明図である。
【図4】上記写真自販機の動作を説明するフローチャート図である。
【図5】タッチペンで入力する状態を説明する図である。
【図6】本発明の写真自販機の第2の実施の形態を示す縦断面図である。
【図7】従来の写真自販機を示す説明図である。
【符号の説明】
2 被写体
6 カメラ
9 第1プリンタ
10 第2プリンタ
15 印刷媒体
Claims (5)
- 被写体を撮影してその写真を販売する写真自販機であって、被写体を撮影するカメラと、上記カメラで撮影した被写体の撮影画像Aを表示する画像表示手段と、上記撮影画像Aとは異なる入力画像Bを入力する画像入力手段と、印刷媒体に上記入力画像Bを印刷する第1印刷手段と、上記撮影画像Aを印刷する第2印刷手段とを備え、
第1画層メモリの入力画像Bと第2画層メモリの撮影画像Aを重ねて合成した合成画像を画像表示手段に表示して使用者に確認させ、第1画層メモリの入力画像Bを第1印刷手段により印刷したのち、第2画層メモリの撮影画像Aを第2印刷手段で印刷することにより、画像表示手段で確認された合成画像を印刷媒体上に印刷出力することを特徴とする写真自販機。 - 上記印刷媒体には、少なくとも表面に撮影画像Aを印刷するインクaが親和する受容層が形成され、上記入力画像Bを印刷するインクbが、上記印刷媒体表面の受容層を覆うことにより、あらかじめ印刷された入力画像Bのうえには撮影画像Aが印刷されないようになっている請求項1記載の写真自販機。
- 画像入力手段に入力された入力画像B1,B2のうち一部の入力画像B1が、第2画層メモリに格納される請求項1または2記載の写真自販機。
- 第1画層メモリに格納される入力画像B2の入力が終了すると、第1印刷手段による印刷が開始される請求項3記載の写真自販機。
- 被写体をカメラで撮影するステップと、上記カメラで撮影した被写体の撮影画像Aを表示する画像表示ステップと、上記撮影画像Aとは異なる入力画像Bを入力する画像入力ステップと、印刷媒体に上記入力画像Bを印刷する第1印刷ステップと、上記撮影画像Aを印刷する第2印刷ステップとを備え、
第1画層メモリの入力画像Bと第2画層メモリの撮影画像Aを重ねて合成した合成画像を画像表示手段に表示して使用者に確認させ、第1画層メモリの入力画像Bを第1印刷ステップにより印刷したのち、第2画層メモリの撮影画像Aを第2印刷ステップで印刷することにより、画像表示ステップで確認された合成画像を印刷媒体上に印刷出力することを特徴とする写真自販方法。
Priority Applications (1)
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Related Parent Applications (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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2003
- 2003-04-11 JP JP2003107250A patent/JP2004007570A/ja active Pending
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