JP2004007280A - 位相補正回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送効率を低下させない位相補正回路を提供する事を目的とする。
【解決手段】アナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換部1と、変換されたディジタル信号をフーリエ変換してOFDM復調するFFT部2と、OFDM復調により得られたフレーム信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部3と、抽出したプリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアの位相の平均値を算出して復調したシンボルに対する位相補正値を出力する位相補正値推定部4と、プリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアのS/N値を算出するS/N算出部5と、データ部のシンボルを用いて位相誤差を抽出し、位相補正値推定部4が出力する位相補正値の精度を向上させる位相誤差補正部7と、位相誤差補正部7が出力する位相補正値により復調シンボルの位相補正を行う差動検波部6とにより構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】アナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換部1と、変換されたディジタル信号をフーリエ変換してOFDM復調するFFT部2と、OFDM復調により得られたフレーム信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部3と、抽出したプリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアの位相の平均値を算出して復調したシンボルに対する位相補正値を出力する位相補正値推定部4と、プリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアのS/N値を算出するS/N算出部5と、データ部のシンボルを用いて位相誤差を抽出し、位相補正値推定部4が出力する位相補正値の精度を向上させる位相誤差補正部7と、位相誤差補正部7が出力する位相補正値により復調シンボルの位相補正を行う差動検波部6とにより構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は位相補正回路に関し、特に直交周波数分割多重(以降、OFDMと称す)変復調装置の受信側において、マルチキャリア復調の後、位相変調等を用いて一次変調されたディジタルデータを復調した際に生ずる復調シンボルの位相ずれを補正する位相補正回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル伝送の手段として複数のキャリアを直交配置して周波数分割多重するOFDM変復調方式が実用化され広く採用されている。OFDM変復調方式は、高速なディジタルデータを、低速で狭帯域な信号に変調して周波数軸上に直交配置したサブキャリアを多数並列に配列するマルチキャリア変復調方式であり、高い信頼性を備えた通信方式である。
OFDM変復調装置は、通信を開始するにあたり互いに既知のシンボルからなるトレーニング信号を送信し、受信側にてサブキャリア毎に、受信した既知のシンボル列であるプリアンブル部のシンボルを用いて、位相回転量の平均値から位相特性の推定を行うことにより位相誤差を求め、復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定し、この位相補正値を用いて受信データシンボル位相の正規化を行っている。
【0003】
図10に、従来のOFDM変復調装置の位相補正回路の機能構成例を示す。同図は、一次変復調方式として位相変復調(以降、PSKと称す)を採用した場合について説明に必要な構成要素のみを示し、アナログ受信部(図示していない)が出力するアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換部1と、変換されたディジタル信号をフーリエ変換してOFDM復調するFFT部2と、OFDM復調により得られたフレーム信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部3と、抽出したプリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアの位相の平均値を算出して復調したシンボル点の位相補正値を推定する位相補正値推定部4と、プリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアのS/Nを算出するS/N算出部5と、位相補正値推定部4が推定した位相補正値により、復調シンボルの位相の補正を行う差動検波部6とにより構成する。
【0004】
図10の動作を説明すると、伝送路から受信したマルチキャリアからなるOFDM信号は、アナログ受信部(図示していない)において受信した後、夫々A/D変換部1に入力してディジタル信号に変換する。変換したディジタル信号は、FFT部2においてフーリエ変換することによりOFDM復調し、所望の複素数信号を得る。
次に、通信を開始するにあたり、OFDM変調装置の送信側と受信側とにおいて、既知のシンボルで構成されるプリアンブル部のシンボルを用いてトレーニングを行う。
【0005】
図11(a)に、OFDM変復調装置のフレームフォーマットの構成例を示す。同図に示すように、フレームフォーマットは、同期部とプリアンブル部及びデータ部とにより構成し、プリアンブル部は、伝送路の品質状況の推定やトレーニングを行う際に用いられる既知のシンボルにより構成する。
そこで、トレーニングとして、プリアンブルシンボル抽出部3により、OFDM復調した信号からプリアンブル部のシンボルを抽出し、更に、位相補正値推定部4において、受信したプリアンブル部のシンボルの位相平均値を求めて復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定し、差動検波部6において復調シンボルの位相回転の正規化を行い出力する。
一方、S/N算出部5は、受信したプリアンブル部のシンボルの平均レベル値及び分散値を求め、S/N値を算出して出力し、1次変復調部の制御等に使用する。
【0006】
次に、受信シンボルの位相誤差の原因となる大きなものはクロック周波数の制御を行うAFC部(図示していない)の精度であるが、このAFC部は、完全な周波数制御は不可能であり、常に誤差が残留している。そこで、AFCの精度が十分確保されていないとクロック信号のずれが生ずることから、データ部のシンボルを復調した際に位相誤差を補正しても補正残がしだいに大きくなり、従って、データ部のシンボル列の後半のシンボルになるにつれ位相誤差は拡大し、プリアンブル部のシンボルを用いて推定した位相補正値では補正しきれなくなるという現象が生じていた。
そのため、データ部のシンボルを復調した際に誤りとならない限界の位相誤差が生ずる前に、プリアンブル部のシンボルを用いて次の位相補正値の推定を行いデータ部のシンボルの位相を補正することが必要となり、そのため送信信号のフレーム長を短くするか、或いは1フレーム内にプリアンブル部を複数挿入すること等の手段がとられていた。
図11(b)は、OFDM変復調装置のフレームフォーマットについて、プリアンブル部を複数挿入した構成例を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の位相補正回路は、前述したように送信信号のフレーム長を短くするか、或いは1フレーム内にプリアンブル部を複数挿入していたため、1フレーム内にデータ部のシンボルが占める割合が減少し、伝送効率が低下するという問題が生じていた。
本発明は上述したような問題を解決するためになされたものであって、伝送効率を低下させない位相補正回路を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる位相補正回路は、以下の構成をとる。
請求項1記載の位相補正回路は、受信したアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部が出力する信号をフーリエ変換し直交周波数分割多重復調するフーリエ変換部と、該フーリエ変換部が出力する復調信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部と、該抽出したプリアンブル部のシンボルからサブキャリアの位相の平均値を求めて前記シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定する位相補正値推定部と、前記抽出したプリアンブル部のシンボルから複数フレーム分のシンボルを用いてサブキャリアの平均レベル値及び分散値を求めS/N値を算出するS/N算出部と、前記フーリエ変換部が出力する復調信号を前記位相補正値推定部により推定した位相誤差に対する位相補正値により差動検波する差動検波部とにより構成した位相補正回路において、前記差動検波されたデータ部の復調シンボルを所定の値だけ位相回転させるシンボル点回転手段と、復調シンボルの位相回転結果から位相誤差を抽出し復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を算出する位相誤差抽出手段と、該位相補正値を用いて差動検波する事により前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段とを備えた位相誤差補正部を設けるよう構成する。
【0009】
請求項2記載の位相補正回路は、前記位相誤差補正部が、理想シンボル点と復調シンボル点との差分を検出するシンボル点差分検出手段と、検出した差分を基に位相誤差を抽出し復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を算出する位相誤差抽出手段と、該位相補正値を用いて差動検波する事により前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段とにより構成する。
【0010】
請求項3記載の位相補正回路は、サブキャリア毎に対応して設けられた複数の前記位相補正回路において、各位相誤差補正部に備えた位相誤差抽出手段が出力する夫々の位相補正値を入力し、該位相補正値の平均値を求めた後前記位相誤差抽出手段に該平均値を出力する位相誤差平均値算出部を設け、前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度の向上を前記位相誤差平均値算出部が出力する位相補正値の平均値を用いて行うよう構成する。
【0011】
請求項4記載の位相補正回路は、前記位相誤差平均値算出部を、サブキャリア毎に対応して設けられた複数の前記位相補正回路に備えたS/N算出部が出力するS/N値を入力し、前記位相補正値の平均を求める際に各サブキャリアのS/N値を監視して、該S/N値が所定値より劣化したサブキャリアの前記位相補正値を、位相補正値の平均を求める際に除外するよう構成したS/N選択位相誤差平均値算出部に置き換えるよう構成する。
【0012】
請求項5記載の位相補正回路は、前記位相誤差補正部に、位相誤差抽出手段が出力する位相補正値が予め定めた一定値に達するか否かを監視し、達した際には所定値を位相補正値として出力する位相補正値設定手段を追加するよう構成する。
【0013】
請求項6記載の位相補正回路は、受信したアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部が出力する信号をフーリエ変換し直交周波数分割多重復調するフーリエ変換部と、該フーリエ変換部が出力する復調信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部と、該抽出したプリアンブル部のシンボルからサブキャリアの位相の平均値を求めて前記シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定する位相補正値推定部と、前記抽出したプリアンブル部のシンボルから複数フレーム分のシンボルを用いてサブキャリアの平均レベル値及び分散値を求めS/N値を算出するS/N算出部と、前記フーリエ変換部が出力する復調信号を前記位相補正値推定部により推定した位相誤差に対する位相補正値により差動検波する差動検波部とにより構成した位相補正回路において、クロック周波数の制御を行うAFC部の設計精度を基に復調シンボルの位相誤差を算出するAFC誤差による位相補正値算出部と、該AFC誤差による位相補正値算出部が出力する情報を用いて復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値と位相補正周期を差動検波手段に出力する位相補正値設定手段と、該位相補正値設定手段が出力する位相補正値と位相補正周期を用いて差動検波する事により前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段とを備えた位相誤差補正部を設けるよう構成する。
【0014】
請求項7記載の位相補正回路は、前記AFC誤差による位相補正値算出部を、前記位相補正回路に備えたS/N算出部が出力するS/N値を入力し、S/Nの状況により位相補正周期を調整するよう機能するS/N選択したAFC誤差による位相補正値算出部に置き換えるよう構成する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
本実施例においては、通信の開始時に行うトレーニングにおいて、受信信号に含まれているプリアンブル部のシンボルを用いて粗い受信位相特性の推定を行った後、この推定結果を基にデータ部の復調シンボルの位相ずれの補正を行い、次に、位相補正されたデータ部の復調シンボルに、所定の処置を加える事により位相誤差の残量を抽出して更なる位相補正値を算出し、この位相補正値を用いてプリアンブル部のシンボルにより推定した位相補正値の精度を向上させ、この精度の高い位相補正値でデータ部のシンボルの位相補正を行うものである。そこで、プリアンブル部のシンボルを用いた受信位相特性の推定は粗い推定とするので、プリアンブル部を構成するシンボルは短いものでよく、又、位相補正値の精度の向上を図る際は、データ部のシンボルを用いて位相補正値の算出を行うので、伝送効率の劣化は生じない。尚、以降の説明は、1次変調方式としてQPSKを採用した場合について記述するが、本発明は、位相変調方式一般に適応可能である。
【0016】
図1は、本発明に係る位相補正回路の第一の実施例を示す機能ブロック図である。同図は、位相補正回路の必要な構成要素のみを示し、アナログ受信部(図示していない)が出力するアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換部1と、変換されたディジタル信号をフーリエ変換してOFDM復調するFFT部2と、OFDM復調により得られたフレーム信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部3と、抽出したプリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアの位相の平均値を算出して復調したシンボルに対する位相補正値を出力する位相補正値推定部4と、プリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアのS/N値を算出するS/N算出部5と、データ部の復調シンボルを用いて位相誤差を抽出し、位相補正値推定部4が出力する位相補正値の精度を向上させる位相誤差補正部7と、位相誤差補正部7が出力する位相補正値により復調シンボルの位相補正を行う差動検波部6とにより構成する。
又、位相誤差補正部7は、差動検波されたデータ部の復調シンボルを所定の値だけ位相回転させるシンボル点回転手段8と、シンボルの位相回転結果から位相誤差を抽出し復調シンボルの位相補正値を算出する位相誤差抽出手段9と、位相誤差抽出手段9が出力する位相補正値を用いて位相補正値推定部4が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段10とを備えている。
【0017】
図1の動作を説明すると、伝送路から受信したマルチキャリアからなるOFDM信号は、アナログ受信部(図示していない)において受信した後、夫々A/D変換部1に入力してディジタル信号に変換する。変換したディジタル信号は、FFT部2においてフーリエ変換することによりOFDM復調し、所望の複素数信号を得る。
次に、通信を開始するにあたり、OFDM変復調装置の送信側と受信側とにおいて、既知のシンボルで構成されるプリアンブル部のシンボルを用いてトレーニングを行う。そこで、トレーニングとして、プリアンブルシンボル抽出部3により、OFDM復調した信号からプリアンブル部のシンボルを抽出し、更に、位相補正値推定部4において、受信したプリアンブル部のシンボルの位相平均値を求めて位相補正値を推定し、位相誤差補正部7へ入力する。位相誤差補正部7においては、シンボル点回転手段8において、受信データの符号に対応してデータ部のシンボルを、実軸上の所定の値になるように位相を回転させる。
【0018】
図2は、本発明に係わる位相補正回路において、受信データの符号に対応してシンボル点回転手段が行う位相の回転方法を示す説明図であり、●印は理想シンボル点を、○印は復調シンボル点を示す。同図に示すように、理想シンボル点を実軸上の整数値となるよう、符号が「00」であると復調シンボル点を−45°回転させ、同様に「10」の場合は−135°、「11」の場合は+135°、「01」の場合は+45°を夫々回転させる。このように復調シンボル点を所定値だけ位相回転させる事により、クロック信号の周波数ずれ等により発生する、理想シンボル点に対する復調シンボル点の誤差である位相回転量を求める事が出来る。
【0019】
そこで、この位相回転量を基に位相誤差抽出手段9は、データ部のシンボルを位相補正すべき値を求め、差動検波手段10において位相補正値推定部4が出力する位相補正値と同期検波を行い、位相補正値の精度の向上を図る。次に、差動検波手段10が出力する精度の向上した位相補正値を用いて差動検波部6において差動検波を行い、データ部のシンボルの位相誤差を補正する。従って、データ部のシンボルを用いて位相補正値の精度向上を図った事により、クロック信号の周波数ずれ等による復調シンボルの位相誤差への影響を低減する事が可能となる。
【0020】
図3は、本発明に係わる位相補正回路において、位相誤差補正部の第二の実施例を示す機能ブロック図である。同図は、第一の実施例で説明した位相誤差補正部7に置き換わって機能するもので、位相補正回路の機能ブロックを示す他の要素は第一の実施例と同一である。そこで、位相誤差補正部11は、理想シンボル点と復調シンボル点との差分を検出するシンボル点差分検出手段12と、検出した差分を基に位相誤差を抽出し復調シンボルの位相補正値を算出する位相誤差抽出手段13と、該位相誤差抽出手段13が出力する位相補正値を用いて位相補正値推定部4が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段10とを備えている。
【0021】
図4は、本発明に係わる位相誤差補正部の第二の実施例において、差分を検出する際の説明図であり、●印は理想シンボル点を、○印は復調シンボル点を、Aは受信信号の振幅を示す。同図を説明すると、受信データの符号に対応して夫々理想シンボル点と復調シンボル点との差分を求めると、大きさBとなる。そこで、振幅Aと差分Bとの比B/Aを算出すると、クロック周波数ずれ等により生じた復調シンボル点の位相回転量B/A[Rad]を求める事が出来る。
そこで、シンボル点差分検出手段12においては、上述したように理想シンボル点と復調シンボル点との位相回転量を求めることにより、位相誤差抽出手段13において前記位相回転量からデータ部のシンボルを位相補正すべき値を求め、差動検波手段10において位相補正値推定部4が出力する位相補正値と同期検波を行い、位相補正値の精度の向上を図る。従って、データ部のシンボルを用いて位相補正値の精度向上を図った事により、クロック信号の周波数ずれ等による影響を低減する事が可能となる。
【0022】
図5は、本発明に係わる位相補正回路の第三の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本発明が適用されるマルチキャリア変復調においては、サブキャリア毎に位相補正値が算出されるので、サブキャリア毎に求めた復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値の平均値を算出し、その平均値を用いてサブキャリア毎に位相補正の精度の向上を図るものである。
【0023】
図5は、サブキャリア1に対応した位相補正回路14a、サブキャリア2に対応した位相補正回路14b、サブキャリアNに対応した位相補正回路14nと、サブキャリア毎に求めた復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値の平均値を算出する位相誤差平均値算出部17とにより構成し、各位相補正回路は、図1において示した位相補正回路と同一な構成要素からなる。又、位相補正回路14aには、位相誤差補正部15aを備えており、位相誤差抽出手段16aにおいて求めた位相補正値を位相誤差平均値算出部17へ出力すると共に、位相誤差平均値算出部17から各サブキャリアが求めた位相補正値の平均値を入力し、この平均値を使用して位相補正値推定部4が出力する位相補正値と同期検波を行い、位相補正値の精度の向上を図る。又、位相補正回路14bには、位相誤差補正部15bを備え、位相誤差抽出手段16bが同様に機能する。更に、位相補正回路14nには、位相誤差補正部15nを備え、位相誤差抽出手段16nが同様に機能する。
【0024】
図6は、本発明に係わる位相補正回路の第四の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本実施例は、第三の実施例に加え、サブキャリア毎に算出しているS/N値を監視し、S/N値が所定値以上確保されているサブキャリアが求めた位相補正値のみを使用して平均値を算出し、その平均値を用いてサブキャリア毎に位相補正値の精度の向上を図るものである。これは、S/N値が劣化したサブキャリアの位相補正値を含めて平均値を求めると、平均値の精度が低下してしまうためである。
【0025】
図6は、サブキャリア1に対応した位相補正回路14a、サブキャリア2に対応した位相補正回路14b、サブキャリアNに対応した位相補正回路14nと、所定のS/N値を確保しているサブキャリアが求めた位相補正値の平均値を算出するS/N選択位相誤差平均値算出部18とにより構成し、各位相補正回路は、図1において示した位相補正回路と同一な構成要素からなる。又、位相補正回路14aには、位相誤差補正部15aとS/N算出部5aとを備えており、位相誤差抽出手段16aにおいて求めた位相補正値と、S/N算出手段5aにおいて求めたS/N値をS/N選択位相誤差平均値算出部18へ出力すると共に、S/N選択位相誤差平均値算出部18からは、所定のS/N値を確保したサブキャリアにより求めた位相補正値の平均値を入力し、この位相補正値を使用して位相補正値推定部4が出力する位相補正値と同期検波を行い、位相補正値の精度の向上を図る。又、位相補正回路14bには、位相誤差補正部15bとS/N算出部5bとを備え、位相誤差抽出手段16bが同様に機能する。更に、位相補正回路14nには、位相誤差補正部15nとS/N算出部5nとを備え、位相誤差抽出手段16nが同様に機能する。
【0026】
図7は、本発明に係わる位相補正回路において、位相誤差補正部に関する第五の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本実施例は、前述した第一の実施例乃至第四の実施例の夫々に対応するもので、位相誤差抽出手段が求めた復調シンボルの位相誤差が、一定値に達した場合にのみ所定の位相補正値を用いて位相補正値の精度の向上を図るようにしたもので、イレギュラーな位相誤差が求められた際に、誤った位相補正を行う事を防止するものである。例えば、位相誤差が±1°に達するまでは位相補正を行うことを止め、±1°に達すると所定値±1°の補正を行い、更に±1°以上の位相誤差が生ずると所定値±1°の加算を行うというように、位相誤差が一定値に達した場合にのみ所定の位相補正値を用いて位相補正値の精度の向上を図る。
【0027】
図7は、前述した第一の実施例乃至第四の実施例において用いた位相誤差補正部に位相補正値設定手段を追加したもので、位相誤差補正部19において、位相誤差抽出手段20の出力側に位相補正値設定手段21を追加している。そこで、位相誤差抽出手段20は、前述したように位相誤差を求めて位相補正値を算出するが、位相補正値設定手段21において、位相補正値が所定の一定値に達するか否かを監視し、達した際には所定値を位相補正値として出力する。
【0028】
図8は、本発明に係わる位相補正回路の第六の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本実施例は、クロック周波数の制御を行うAFC部(図示していない)の精度が装置の設計段階で判明しており、それに伴う復調シンボルの位相誤差の大きさが推定される時、予め判明しているAFC部の精度を基に復調シンボルが誤りとなる位相誤差の限界値(時間と位相誤差の大きさ)求め、その限界値に達する前に差動検波手段に所定の時間間隔で所定の位相補正値を入力し、位相補正値推定部が推定した位相補正値の精度を向上させ、定期的に復調シンボルの位相誤差の補正を行うものである。本実施例によれば、復調シンボルの位相誤差の補正を常時行わず、間欠的に行うため消費電力の低減が行われる。
【0029】
図8は、位相補正回路の機能ブロック図を示すが、AFC誤差による位相補正値算出部22と位相誤差補正部23とを除いて図1と同一構成であるので、図1と相違するブロックのみ説明する。AFC誤差による位相補正値算出部22においては、予め判明しているAFC部の設計誤差を基に、復調シンボルの位相誤差を算出し、位相誤差補正部23に備えた位相補正値設定手段24に入力する。そこで、位相補正値設定手段24は、入力した情報を基に所定の位相補正値と所定の位相補正周期を設定し、該設定値を差動検波手段10に入力して位相補正値の精度の向上を図るものである。
【0030】
図9は、本発明に係わる位相補正回路において、S/N選択したAFC誤差による位相補正値算出部に関する第七の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本実施例は、第六の実施例において記述したAFC誤差による位相補正値算出部に、S/N算出部が出力するS/N値を入力したもので、予め判明しているAFC部の設計誤差を基に、復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値と位相補正周期を設定する際に、各サブキャリアのS/Nの状況により、位相補正の周期を調整するものである。これは、伝送路等のノイズの状況により復調シンボルの位相誤差が影響を受けた際に、これを補償するために行う操作であり、より精度の高い位相補正が可能となる。
【0031】
図9は、図8において説明したAFC誤差による位相補正値算出部の替わりにS/N選択したAFC誤差による位相補正値算出部25を設け、S/N算出部5が出力するS/N値を入力し、S/Nの状況を加味した位相誤差を算出して位相誤差補正部23に備えた位相補正値設定手段24に入力する。そこで、位相補正値設定手段24は、入力した情報を基に所定の位相補正値と所定の位相補正周期を設定し、該設定値を差動検波手段10に入力して位相補正値の精度の向上を図るものである。
【0032】
【発明の効果】
上述したように、請求項1乃至5の発明は、データ部の復調シンボルを用いて位相誤差の補正値を算出し、この補正値を使用することによりプリアンブル部のシンボルを用いて求めた粗い推定による位相誤差の補正値の精度を向上させたため、フレーム内に占めるプリアンブルのシンボル数を増やすことなく性能の向上が図られ、OFDM変復調装置を運用する上で大きな効果を発揮する。一方、請求項6及び7の発明は、AFC部の精度を設計値より求めることにより復調シンボルの位相誤差が推定出来るので、復調シンボルの位相誤差を常時監視することなく所定の周期で間欠的に位相補正を実行する事が可能となり、OFDM変復調装置の消費電力を低減する上で大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位相補正回路の第一の実施例を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明に係わる位相補正回路において、受信データの符号に対応してシンボル点回転手段が行う位相の回転方法を示す説明図である。
【図3】本発明に係わる位相補正回路において、位相誤差補正部の第二の実施例を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明に係わる位相誤差補正部の第二の実施例おいて、差分を検出する際の説明図である。
【図5】本発明に係わる位相補正回路の第三の実施例を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明に係わる位相補正回路の第四の実施例を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明に係わる位相補正回路において、位相誤差補正部に関する第五の実施例を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明に係わる位相補正回路の第六の実施例を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明に係わる位相補正回路において、S/N選択したAFC誤差による位相補値算出部に関する第七の実施例を示す機能ブロック図である。
【図10】従来のOFDM変復調装置の位相補正回路の機能構成例を示す。
【図11】従来のOFDM変復調装置のフレームフォーマット例を示す。
【符号の説明】
1・・AD変換部、 2・・FFT部、
3・・プリアンブルシンボル抽出部、
4・・位相補正値推定部、 5、5a、5b、5n・・S/N算出部、
6・・差動検波部、 7・・位相誤差補正部、
8・・シンボルテン回転部、 9・・位相誤差抽出手段、
10・・差動検波手段、 11・・位相誤差補正部、
12・・シンボル点差分検出手段、 13・・位相誤差抽出手段、
14a、14b、14n・・位相補正回路、
15a、15b、15n・・位相誤差補正部、
16a、16b、16n・・位相誤差抽出手段、
17・・位相誤差平均値算出部、
18・・S/N選択位相誤差平均値算出部、
19・・位相誤差補正部、 20・・位相誤差抽出手段、
21・・位相補正値設定手段、
22・・AFC誤差による位相補正値算出部、
23・・位相誤差補正部、 24・・位相補正値設定手段、
25・・S/N選択したAFC誤差による位相補正値算出部
【発明の属する技術分野】
本発明は位相補正回路に関し、特に直交周波数分割多重(以降、OFDMと称す)変復調装置の受信側において、マルチキャリア復調の後、位相変調等を用いて一次変調されたディジタルデータを復調した際に生ずる復調シンボルの位相ずれを補正する位相補正回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル伝送の手段として複数のキャリアを直交配置して周波数分割多重するOFDM変復調方式が実用化され広く採用されている。OFDM変復調方式は、高速なディジタルデータを、低速で狭帯域な信号に変調して周波数軸上に直交配置したサブキャリアを多数並列に配列するマルチキャリア変復調方式であり、高い信頼性を備えた通信方式である。
OFDM変復調装置は、通信を開始するにあたり互いに既知のシンボルからなるトレーニング信号を送信し、受信側にてサブキャリア毎に、受信した既知のシンボル列であるプリアンブル部のシンボルを用いて、位相回転量の平均値から位相特性の推定を行うことにより位相誤差を求め、復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定し、この位相補正値を用いて受信データシンボル位相の正規化を行っている。
【0003】
図10に、従来のOFDM変復調装置の位相補正回路の機能構成例を示す。同図は、一次変復調方式として位相変復調(以降、PSKと称す)を採用した場合について説明に必要な構成要素のみを示し、アナログ受信部(図示していない)が出力するアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換部1と、変換されたディジタル信号をフーリエ変換してOFDM復調するFFT部2と、OFDM復調により得られたフレーム信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部3と、抽出したプリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアの位相の平均値を算出して復調したシンボル点の位相補正値を推定する位相補正値推定部4と、プリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアのS/Nを算出するS/N算出部5と、位相補正値推定部4が推定した位相補正値により、復調シンボルの位相の補正を行う差動検波部6とにより構成する。
【0004】
図10の動作を説明すると、伝送路から受信したマルチキャリアからなるOFDM信号は、アナログ受信部(図示していない)において受信した後、夫々A/D変換部1に入力してディジタル信号に変換する。変換したディジタル信号は、FFT部2においてフーリエ変換することによりOFDM復調し、所望の複素数信号を得る。
次に、通信を開始するにあたり、OFDM変調装置の送信側と受信側とにおいて、既知のシンボルで構成されるプリアンブル部のシンボルを用いてトレーニングを行う。
【0005】
図11(a)に、OFDM変復調装置のフレームフォーマットの構成例を示す。同図に示すように、フレームフォーマットは、同期部とプリアンブル部及びデータ部とにより構成し、プリアンブル部は、伝送路の品質状況の推定やトレーニングを行う際に用いられる既知のシンボルにより構成する。
そこで、トレーニングとして、プリアンブルシンボル抽出部3により、OFDM復調した信号からプリアンブル部のシンボルを抽出し、更に、位相補正値推定部4において、受信したプリアンブル部のシンボルの位相平均値を求めて復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定し、差動検波部6において復調シンボルの位相回転の正規化を行い出力する。
一方、S/N算出部5は、受信したプリアンブル部のシンボルの平均レベル値及び分散値を求め、S/N値を算出して出力し、1次変復調部の制御等に使用する。
【0006】
次に、受信シンボルの位相誤差の原因となる大きなものはクロック周波数の制御を行うAFC部(図示していない)の精度であるが、このAFC部は、完全な周波数制御は不可能であり、常に誤差が残留している。そこで、AFCの精度が十分確保されていないとクロック信号のずれが生ずることから、データ部のシンボルを復調した際に位相誤差を補正しても補正残がしだいに大きくなり、従って、データ部のシンボル列の後半のシンボルになるにつれ位相誤差は拡大し、プリアンブル部のシンボルを用いて推定した位相補正値では補正しきれなくなるという現象が生じていた。
そのため、データ部のシンボルを復調した際に誤りとならない限界の位相誤差が生ずる前に、プリアンブル部のシンボルを用いて次の位相補正値の推定を行いデータ部のシンボルの位相を補正することが必要となり、そのため送信信号のフレーム長を短くするか、或いは1フレーム内にプリアンブル部を複数挿入すること等の手段がとられていた。
図11(b)は、OFDM変復調装置のフレームフォーマットについて、プリアンブル部を複数挿入した構成例を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の位相補正回路は、前述したように送信信号のフレーム長を短くするか、或いは1フレーム内にプリアンブル部を複数挿入していたため、1フレーム内にデータ部のシンボルが占める割合が減少し、伝送効率が低下するという問題が生じていた。
本発明は上述したような問題を解決するためになされたものであって、伝送効率を低下させない位相補正回路を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる位相補正回路は、以下の構成をとる。
請求項1記載の位相補正回路は、受信したアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部が出力する信号をフーリエ変換し直交周波数分割多重復調するフーリエ変換部と、該フーリエ変換部が出力する復調信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部と、該抽出したプリアンブル部のシンボルからサブキャリアの位相の平均値を求めて前記シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定する位相補正値推定部と、前記抽出したプリアンブル部のシンボルから複数フレーム分のシンボルを用いてサブキャリアの平均レベル値及び分散値を求めS/N値を算出するS/N算出部と、前記フーリエ変換部が出力する復調信号を前記位相補正値推定部により推定した位相誤差に対する位相補正値により差動検波する差動検波部とにより構成した位相補正回路において、前記差動検波されたデータ部の復調シンボルを所定の値だけ位相回転させるシンボル点回転手段と、復調シンボルの位相回転結果から位相誤差を抽出し復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を算出する位相誤差抽出手段と、該位相補正値を用いて差動検波する事により前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段とを備えた位相誤差補正部を設けるよう構成する。
【0009】
請求項2記載の位相補正回路は、前記位相誤差補正部が、理想シンボル点と復調シンボル点との差分を検出するシンボル点差分検出手段と、検出した差分を基に位相誤差を抽出し復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を算出する位相誤差抽出手段と、該位相補正値を用いて差動検波する事により前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段とにより構成する。
【0010】
請求項3記載の位相補正回路は、サブキャリア毎に対応して設けられた複数の前記位相補正回路において、各位相誤差補正部に備えた位相誤差抽出手段が出力する夫々の位相補正値を入力し、該位相補正値の平均値を求めた後前記位相誤差抽出手段に該平均値を出力する位相誤差平均値算出部を設け、前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度の向上を前記位相誤差平均値算出部が出力する位相補正値の平均値を用いて行うよう構成する。
【0011】
請求項4記載の位相補正回路は、前記位相誤差平均値算出部を、サブキャリア毎に対応して設けられた複数の前記位相補正回路に備えたS/N算出部が出力するS/N値を入力し、前記位相補正値の平均を求める際に各サブキャリアのS/N値を監視して、該S/N値が所定値より劣化したサブキャリアの前記位相補正値を、位相補正値の平均を求める際に除外するよう構成したS/N選択位相誤差平均値算出部に置き換えるよう構成する。
【0012】
請求項5記載の位相補正回路は、前記位相誤差補正部に、位相誤差抽出手段が出力する位相補正値が予め定めた一定値に達するか否かを監視し、達した際には所定値を位相補正値として出力する位相補正値設定手段を追加するよう構成する。
【0013】
請求項6記載の位相補正回路は、受信したアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部が出力する信号をフーリエ変換し直交周波数分割多重復調するフーリエ変換部と、該フーリエ変換部が出力する復調信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部と、該抽出したプリアンブル部のシンボルからサブキャリアの位相の平均値を求めて前記シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定する位相補正値推定部と、前記抽出したプリアンブル部のシンボルから複数フレーム分のシンボルを用いてサブキャリアの平均レベル値及び分散値を求めS/N値を算出するS/N算出部と、前記フーリエ変換部が出力する復調信号を前記位相補正値推定部により推定した位相誤差に対する位相補正値により差動検波する差動検波部とにより構成した位相補正回路において、クロック周波数の制御を行うAFC部の設計精度を基に復調シンボルの位相誤差を算出するAFC誤差による位相補正値算出部と、該AFC誤差による位相補正値算出部が出力する情報を用いて復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値と位相補正周期を差動検波手段に出力する位相補正値設定手段と、該位相補正値設定手段が出力する位相補正値と位相補正周期を用いて差動検波する事により前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段とを備えた位相誤差補正部を設けるよう構成する。
【0014】
請求項7記載の位相補正回路は、前記AFC誤差による位相補正値算出部を、前記位相補正回路に備えたS/N算出部が出力するS/N値を入力し、S/Nの状況により位相補正周期を調整するよう機能するS/N選択したAFC誤差による位相補正値算出部に置き換えるよう構成する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
本実施例においては、通信の開始時に行うトレーニングにおいて、受信信号に含まれているプリアンブル部のシンボルを用いて粗い受信位相特性の推定を行った後、この推定結果を基にデータ部の復調シンボルの位相ずれの補正を行い、次に、位相補正されたデータ部の復調シンボルに、所定の処置を加える事により位相誤差の残量を抽出して更なる位相補正値を算出し、この位相補正値を用いてプリアンブル部のシンボルにより推定した位相補正値の精度を向上させ、この精度の高い位相補正値でデータ部のシンボルの位相補正を行うものである。そこで、プリアンブル部のシンボルを用いた受信位相特性の推定は粗い推定とするので、プリアンブル部を構成するシンボルは短いものでよく、又、位相補正値の精度の向上を図る際は、データ部のシンボルを用いて位相補正値の算出を行うので、伝送効率の劣化は生じない。尚、以降の説明は、1次変調方式としてQPSKを採用した場合について記述するが、本発明は、位相変調方式一般に適応可能である。
【0016】
図1は、本発明に係る位相補正回路の第一の実施例を示す機能ブロック図である。同図は、位相補正回路の必要な構成要素のみを示し、アナログ受信部(図示していない)が出力するアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換部1と、変換されたディジタル信号をフーリエ変換してOFDM復調するFFT部2と、OFDM復調により得られたフレーム信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部3と、抽出したプリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアの位相の平均値を算出して復調したシンボルに対する位相補正値を出力する位相補正値推定部4と、プリアンブル部のシンボルを用いてサブキャリアのS/N値を算出するS/N算出部5と、データ部の復調シンボルを用いて位相誤差を抽出し、位相補正値推定部4が出力する位相補正値の精度を向上させる位相誤差補正部7と、位相誤差補正部7が出力する位相補正値により復調シンボルの位相補正を行う差動検波部6とにより構成する。
又、位相誤差補正部7は、差動検波されたデータ部の復調シンボルを所定の値だけ位相回転させるシンボル点回転手段8と、シンボルの位相回転結果から位相誤差を抽出し復調シンボルの位相補正値を算出する位相誤差抽出手段9と、位相誤差抽出手段9が出力する位相補正値を用いて位相補正値推定部4が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段10とを備えている。
【0017】
図1の動作を説明すると、伝送路から受信したマルチキャリアからなるOFDM信号は、アナログ受信部(図示していない)において受信した後、夫々A/D変換部1に入力してディジタル信号に変換する。変換したディジタル信号は、FFT部2においてフーリエ変換することによりOFDM復調し、所望の複素数信号を得る。
次に、通信を開始するにあたり、OFDM変復調装置の送信側と受信側とにおいて、既知のシンボルで構成されるプリアンブル部のシンボルを用いてトレーニングを行う。そこで、トレーニングとして、プリアンブルシンボル抽出部3により、OFDM復調した信号からプリアンブル部のシンボルを抽出し、更に、位相補正値推定部4において、受信したプリアンブル部のシンボルの位相平均値を求めて位相補正値を推定し、位相誤差補正部7へ入力する。位相誤差補正部7においては、シンボル点回転手段8において、受信データの符号に対応してデータ部のシンボルを、実軸上の所定の値になるように位相を回転させる。
【0018】
図2は、本発明に係わる位相補正回路において、受信データの符号に対応してシンボル点回転手段が行う位相の回転方法を示す説明図であり、●印は理想シンボル点を、○印は復調シンボル点を示す。同図に示すように、理想シンボル点を実軸上の整数値となるよう、符号が「00」であると復調シンボル点を−45°回転させ、同様に「10」の場合は−135°、「11」の場合は+135°、「01」の場合は+45°を夫々回転させる。このように復調シンボル点を所定値だけ位相回転させる事により、クロック信号の周波数ずれ等により発生する、理想シンボル点に対する復調シンボル点の誤差である位相回転量を求める事が出来る。
【0019】
そこで、この位相回転量を基に位相誤差抽出手段9は、データ部のシンボルを位相補正すべき値を求め、差動検波手段10において位相補正値推定部4が出力する位相補正値と同期検波を行い、位相補正値の精度の向上を図る。次に、差動検波手段10が出力する精度の向上した位相補正値を用いて差動検波部6において差動検波を行い、データ部のシンボルの位相誤差を補正する。従って、データ部のシンボルを用いて位相補正値の精度向上を図った事により、クロック信号の周波数ずれ等による復調シンボルの位相誤差への影響を低減する事が可能となる。
【0020】
図3は、本発明に係わる位相補正回路において、位相誤差補正部の第二の実施例を示す機能ブロック図である。同図は、第一の実施例で説明した位相誤差補正部7に置き換わって機能するもので、位相補正回路の機能ブロックを示す他の要素は第一の実施例と同一である。そこで、位相誤差補正部11は、理想シンボル点と復調シンボル点との差分を検出するシンボル点差分検出手段12と、検出した差分を基に位相誤差を抽出し復調シンボルの位相補正値を算出する位相誤差抽出手段13と、該位相誤差抽出手段13が出力する位相補正値を用いて位相補正値推定部4が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段10とを備えている。
【0021】
図4は、本発明に係わる位相誤差補正部の第二の実施例において、差分を検出する際の説明図であり、●印は理想シンボル点を、○印は復調シンボル点を、Aは受信信号の振幅を示す。同図を説明すると、受信データの符号に対応して夫々理想シンボル点と復調シンボル点との差分を求めると、大きさBとなる。そこで、振幅Aと差分Bとの比B/Aを算出すると、クロック周波数ずれ等により生じた復調シンボル点の位相回転量B/A[Rad]を求める事が出来る。
そこで、シンボル点差分検出手段12においては、上述したように理想シンボル点と復調シンボル点との位相回転量を求めることにより、位相誤差抽出手段13において前記位相回転量からデータ部のシンボルを位相補正すべき値を求め、差動検波手段10において位相補正値推定部4が出力する位相補正値と同期検波を行い、位相補正値の精度の向上を図る。従って、データ部のシンボルを用いて位相補正値の精度向上を図った事により、クロック信号の周波数ずれ等による影響を低減する事が可能となる。
【0022】
図5は、本発明に係わる位相補正回路の第三の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本発明が適用されるマルチキャリア変復調においては、サブキャリア毎に位相補正値が算出されるので、サブキャリア毎に求めた復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値の平均値を算出し、その平均値を用いてサブキャリア毎に位相補正の精度の向上を図るものである。
【0023】
図5は、サブキャリア1に対応した位相補正回路14a、サブキャリア2に対応した位相補正回路14b、サブキャリアNに対応した位相補正回路14nと、サブキャリア毎に求めた復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値の平均値を算出する位相誤差平均値算出部17とにより構成し、各位相補正回路は、図1において示した位相補正回路と同一な構成要素からなる。又、位相補正回路14aには、位相誤差補正部15aを備えており、位相誤差抽出手段16aにおいて求めた位相補正値を位相誤差平均値算出部17へ出力すると共に、位相誤差平均値算出部17から各サブキャリアが求めた位相補正値の平均値を入力し、この平均値を使用して位相補正値推定部4が出力する位相補正値と同期検波を行い、位相補正値の精度の向上を図る。又、位相補正回路14bには、位相誤差補正部15bを備え、位相誤差抽出手段16bが同様に機能する。更に、位相補正回路14nには、位相誤差補正部15nを備え、位相誤差抽出手段16nが同様に機能する。
【0024】
図6は、本発明に係わる位相補正回路の第四の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本実施例は、第三の実施例に加え、サブキャリア毎に算出しているS/N値を監視し、S/N値が所定値以上確保されているサブキャリアが求めた位相補正値のみを使用して平均値を算出し、その平均値を用いてサブキャリア毎に位相補正値の精度の向上を図るものである。これは、S/N値が劣化したサブキャリアの位相補正値を含めて平均値を求めると、平均値の精度が低下してしまうためである。
【0025】
図6は、サブキャリア1に対応した位相補正回路14a、サブキャリア2に対応した位相補正回路14b、サブキャリアNに対応した位相補正回路14nと、所定のS/N値を確保しているサブキャリアが求めた位相補正値の平均値を算出するS/N選択位相誤差平均値算出部18とにより構成し、各位相補正回路は、図1において示した位相補正回路と同一な構成要素からなる。又、位相補正回路14aには、位相誤差補正部15aとS/N算出部5aとを備えており、位相誤差抽出手段16aにおいて求めた位相補正値と、S/N算出手段5aにおいて求めたS/N値をS/N選択位相誤差平均値算出部18へ出力すると共に、S/N選択位相誤差平均値算出部18からは、所定のS/N値を確保したサブキャリアにより求めた位相補正値の平均値を入力し、この位相補正値を使用して位相補正値推定部4が出力する位相補正値と同期検波を行い、位相補正値の精度の向上を図る。又、位相補正回路14bには、位相誤差補正部15bとS/N算出部5bとを備え、位相誤差抽出手段16bが同様に機能する。更に、位相補正回路14nには、位相誤差補正部15nとS/N算出部5nとを備え、位相誤差抽出手段16nが同様に機能する。
【0026】
図7は、本発明に係わる位相補正回路において、位相誤差補正部に関する第五の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本実施例は、前述した第一の実施例乃至第四の実施例の夫々に対応するもので、位相誤差抽出手段が求めた復調シンボルの位相誤差が、一定値に達した場合にのみ所定の位相補正値を用いて位相補正値の精度の向上を図るようにしたもので、イレギュラーな位相誤差が求められた際に、誤った位相補正を行う事を防止するものである。例えば、位相誤差が±1°に達するまでは位相補正を行うことを止め、±1°に達すると所定値±1°の補正を行い、更に±1°以上の位相誤差が生ずると所定値±1°の加算を行うというように、位相誤差が一定値に達した場合にのみ所定の位相補正値を用いて位相補正値の精度の向上を図る。
【0027】
図7は、前述した第一の実施例乃至第四の実施例において用いた位相誤差補正部に位相補正値設定手段を追加したもので、位相誤差補正部19において、位相誤差抽出手段20の出力側に位相補正値設定手段21を追加している。そこで、位相誤差抽出手段20は、前述したように位相誤差を求めて位相補正値を算出するが、位相補正値設定手段21において、位相補正値が所定の一定値に達するか否かを監視し、達した際には所定値を位相補正値として出力する。
【0028】
図8は、本発明に係わる位相補正回路の第六の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本実施例は、クロック周波数の制御を行うAFC部(図示していない)の精度が装置の設計段階で判明しており、それに伴う復調シンボルの位相誤差の大きさが推定される時、予め判明しているAFC部の精度を基に復調シンボルが誤りとなる位相誤差の限界値(時間と位相誤差の大きさ)求め、その限界値に達する前に差動検波手段に所定の時間間隔で所定の位相補正値を入力し、位相補正値推定部が推定した位相補正値の精度を向上させ、定期的に復調シンボルの位相誤差の補正を行うものである。本実施例によれば、復調シンボルの位相誤差の補正を常時行わず、間欠的に行うため消費電力の低減が行われる。
【0029】
図8は、位相補正回路の機能ブロック図を示すが、AFC誤差による位相補正値算出部22と位相誤差補正部23とを除いて図1と同一構成であるので、図1と相違するブロックのみ説明する。AFC誤差による位相補正値算出部22においては、予め判明しているAFC部の設計誤差を基に、復調シンボルの位相誤差を算出し、位相誤差補正部23に備えた位相補正値設定手段24に入力する。そこで、位相補正値設定手段24は、入力した情報を基に所定の位相補正値と所定の位相補正周期を設定し、該設定値を差動検波手段10に入力して位相補正値の精度の向上を図るものである。
【0030】
図9は、本発明に係わる位相補正回路において、S/N選択したAFC誤差による位相補正値算出部に関する第七の実施例を示す機能ブロック図であり、説明に必要な構成要素のみを記載している。本実施例は、第六の実施例において記述したAFC誤差による位相補正値算出部に、S/N算出部が出力するS/N値を入力したもので、予め判明しているAFC部の設計誤差を基に、復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値と位相補正周期を設定する際に、各サブキャリアのS/Nの状況により、位相補正の周期を調整するものである。これは、伝送路等のノイズの状況により復調シンボルの位相誤差が影響を受けた際に、これを補償するために行う操作であり、より精度の高い位相補正が可能となる。
【0031】
図9は、図8において説明したAFC誤差による位相補正値算出部の替わりにS/N選択したAFC誤差による位相補正値算出部25を設け、S/N算出部5が出力するS/N値を入力し、S/Nの状況を加味した位相誤差を算出して位相誤差補正部23に備えた位相補正値設定手段24に入力する。そこで、位相補正値設定手段24は、入力した情報を基に所定の位相補正値と所定の位相補正周期を設定し、該設定値を差動検波手段10に入力して位相補正値の精度の向上を図るものである。
【0032】
【発明の効果】
上述したように、請求項1乃至5の発明は、データ部の復調シンボルを用いて位相誤差の補正値を算出し、この補正値を使用することによりプリアンブル部のシンボルを用いて求めた粗い推定による位相誤差の補正値の精度を向上させたため、フレーム内に占めるプリアンブルのシンボル数を増やすことなく性能の向上が図られ、OFDM変復調装置を運用する上で大きな効果を発揮する。一方、請求項6及び7の発明は、AFC部の精度を設計値より求めることにより復調シンボルの位相誤差が推定出来るので、復調シンボルの位相誤差を常時監視することなく所定の周期で間欠的に位相補正を実行する事が可能となり、OFDM変復調装置の消費電力を低減する上で大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位相補正回路の第一の実施例を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明に係わる位相補正回路において、受信データの符号に対応してシンボル点回転手段が行う位相の回転方法を示す説明図である。
【図3】本発明に係わる位相補正回路において、位相誤差補正部の第二の実施例を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明に係わる位相誤差補正部の第二の実施例おいて、差分を検出する際の説明図である。
【図5】本発明に係わる位相補正回路の第三の実施例を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明に係わる位相補正回路の第四の実施例を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明に係わる位相補正回路において、位相誤差補正部に関する第五の実施例を示す機能ブロック図である。
【図8】本発明に係わる位相補正回路の第六の実施例を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明に係わる位相補正回路において、S/N選択したAFC誤差による位相補値算出部に関する第七の実施例を示す機能ブロック図である。
【図10】従来のOFDM変復調装置の位相補正回路の機能構成例を示す。
【図11】従来のOFDM変復調装置のフレームフォーマット例を示す。
【符号の説明】
1・・AD変換部、 2・・FFT部、
3・・プリアンブルシンボル抽出部、
4・・位相補正値推定部、 5、5a、5b、5n・・S/N算出部、
6・・差動検波部、 7・・位相誤差補正部、
8・・シンボルテン回転部、 9・・位相誤差抽出手段、
10・・差動検波手段、 11・・位相誤差補正部、
12・・シンボル点差分検出手段、 13・・位相誤差抽出手段、
14a、14b、14n・・位相補正回路、
15a、15b、15n・・位相誤差補正部、
16a、16b、16n・・位相誤差抽出手段、
17・・位相誤差平均値算出部、
18・・S/N選択位相誤差平均値算出部、
19・・位相誤差補正部、 20・・位相誤差抽出手段、
21・・位相補正値設定手段、
22・・AFC誤差による位相補正値算出部、
23・・位相誤差補正部、 24・・位相補正値設定手段、
25・・S/N選択したAFC誤差による位相補正値算出部
Claims (7)
- 受信したアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、
該A/D変換部が出力する信号をフーリエ変換し直交周波数分割多重復調するフーリエ変換部と、
該フーリエ変換部が出力する復調信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部と、
該抽出したプリアンブル部のシンボルからサブキャリアの位相の平均値を求めて前記シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定する位相補正値推定部と、
前記抽出したプリアンブル部のシンボルから複数フレーム分のシンボルを用いてサブキャリアの平均レベル値及び分散値を求めS/N値を算出するS/N算出部と、
前記フーリエ変換部が出力する復調信号を前記位相補正値推定部により推定した位相誤差に対する位相補正値により差動検波する差動検波部とにより構成した位相補正回路において、
前記差動検波されたデータ部の復調シンボルを所定の値だけ位相回転させるシンボル点回転手段と、復調シンボルの位相回転結果から位相誤差を抽出し復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を算出する位相誤差抽出手段と、該位相補正値を用いて差動検波する事により前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段とを備えた位相誤差補正部を設けたことを特徴とする位相補正回路。 - 前記位相誤差補正部が、理想シンボル点と復調シンボル点との差分を検出するシンボル点差分検出手段と、検出した差分を基に位相誤差を抽出し復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値を算出する位相誤差抽出手段と、該位相補正値を用いて差動検波する事により前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段とにより構成した事を特徴とする請求項1記載の位相補正回路。
- サブキャリア毎に対応して設けられた複数の前記位相補正回路において、
各位相誤差補正部に備えた位相誤差抽出手段が出力する夫々の位相補正値を入力し、該位相補正値の平均値を求めた後前記位相誤差抽出手段に該平均値を出力する位相誤差平均値算出部を設け、前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度の向上を前記位相誤差平均値算出部が出力する位相補正値の平均値を用いて行った事を特徴とする請求項1及び2記載の位相補正回路。 - 前記位相誤差平均値算出部を、サブキャリア毎に対応して設けられた複数の前記位相補正回路に備えたS/N算出部が出力するS/N値を入力し、前記位相補正値の平均を求める際に各サブキャリアのS/N値を監視して、該S/N値が所定値より劣化したサブキャリアの前記位相補正値を、位相補正値の平均を求める際に除外するよう構成したS/N選択位相誤差平均値算出部に置き換えたことを特徴とする請求項1乃至3記載の位相補正回路。
- 前記位相誤差補正部に、位相誤差抽出手段が出力する位相補正値が予め定めた一定値に達するか否かを監視し、達した際には所定値を位相補正値として出力する位相補正値設定手段を追加した事を特徴とする請求項1乃至4記載の位相補正回路。
- 受信したアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、
該A/D変換部が出力する信号をフーリエ変換し直交周波数分割多重復調するフーリエ変換部と、
該フーリエ変換部が出力する復調信号からプリアンブル部のシンボルを抽出するプリアンブルシンボル抽出部と、
該抽出したプリアンブル部のシンボルからサブキャリアの位相の平均値を求めて前記シンボルの位相誤差に対する位相補正値を推定する位相補正値推定部と、
前記抽出したプリアンブル部のシンボルから複数フレーム分のシンボルを用いてサブキャリアの平均レベル値及び分散値を求めS/N値を算出するS/N算出部と、
前記フーリエ変換部が出力する復調信号を前記位相補正値推定部により推定した位相誤差に対する位相補正値により差動検波する差動検波部とにより構成した位相補正回路において、
クロック周波数の制御を行うAFC部の設計精度を基に復調シンボルの位相誤差を算出するAFC誤差による位相補正値算出部と、
該AFC誤差による位相補正値算出部が出力する情報を用いて復調シンボルの位相誤差に対する位相補正値と位相補正周期を差動検波手段に出力する位相補正値設定手段と、該位相補正値設定手段が出力する位相補正値と位相補正周期を用いて差動検波する事により前記位相補正値推定部が出力する位相補正値の精度を向上させる差動検波手段とを備えた位相誤差補正部を設けたことを特徴とする位相補正回路。 - 前記AFC誤差による位相補正値算出部を、前記位相補正回路に備えたS/N算出部が出力するS/N値を入力し、S/Nの状況により位相補正周期を調整するよう機能するS/N選択したAFC誤差による位相補正値算出部に置き換えたことを特徴とする請求項6記載の位相補正回路。
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