JP2004006400A - 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 非水溶媒に電解質が溶解されている非水電解液において、該非水電解液中にtert−ブチルベンゼン誘導体(tert−ブチルベンゼンは除く)が含有されていることを特徴とする非水電解液、および該非水電解液を有するリチウム二次電池。
【選択図】 なし
Description
正極として、例えばLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2などを用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電時に局部的に一部酸化分解することにより、該分解物が電池の望ましい電気化学的反応を阻害するために電池性能の低下を生じる。これは正極材料と非水電解液との界面における溶媒の電気化学的酸化に起因するものと思われる。
また、負極として例えば天然黒鉛や人造黒鉛などの高結晶化した炭素材料を用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電時に負極表面で還元分解し、非水電解液溶媒として一般に広く使用されているECにおいても充放電を繰り返す間に一部還元分解が起こり、電池性能の低下が起こる。
このため、電池のサイクル特性および電気容量などの電池特性は必ずしも満足なものではないのが現状である。
また、正極、負極および非水溶媒に電解質が溶解されている非水電解液からなるリチウム二次電池において、該非水電解液中に下記式(I)
高誘電率溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類が好適に挙げられる。これらの高誘電率溶媒は、1種類で使用してもよく、また2種類以上組み合わせて使用してもよい。
高誘電率溶媒と低粘度溶媒とはそれぞれ任意に選択され組み合わせて使用される。なお、前記の高誘電率溶媒および低粘度溶媒は、容量比(高誘電率溶媒:低粘度溶媒)で通常1:9〜4:1、好ましくは1:4〜7:3の割合で使用される。
実施例1
〔非水電解液の調製〕
EC:PC:DEC(容量比)=30:5:65の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した後、さらに4−tert−ブチルトルエンを非水電解液に対して2.0重量%となるように加えた。
LiCoO2(正極活物質)を80重量%、アセチレンブラック(導電剤)を10重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製した。人造黒鉛(負極活物質)を90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の非水電解液を注入させてコイン電池(直径20mm、厚さ3.2mm)を作製した。
このコイン電池を用いて、室温(20℃)下、0.8mAの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に0.8mAの定電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、この充放電を繰り返した。初期充放電容量は、4−tert−ブチルトルエン無添加の1M LiPF6−EC/PC/DEC(容量比30/5/65)を非水電解液として用いた場合(比較例1)と比較して相対値で1.03であり、50サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は92.2%であった。また、低温特性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
添加剤として、4−tert−ブチルトルエンを非水電解液に対して5.0重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は91.7%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
添加剤として、4−tert−ブチルトルエンを非水電解液に対して0.5重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は90.1%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
EC:PC:DEC(容量比)=30:5:65の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解した。このときtert−ブチルベンゼン誘導体は全く添加しなかった。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量に対し、50サイクル後の放電容量維持率は82.6%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
EC:PC:DEC(容量比)=30:5:65の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調整した後、さらにtert−ブチルベンゼンを非水電解液に対して2.0重量%となるように加えた。この非水電解液を使用して実施例1と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定したところ、初期放電容量は4−tert−ブチルベンゼン誘導体無添加の1M LiPF6−EC/PC/DEC(容量比30/5/65)を非水電解液として用いた場合(比較例1)と比較して相対値で1.02であり、50サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は91.8%であった。また、低温特性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
添加剤として、4−tert−ブチル−m−キシレンを非水電解液に対して2.0重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は91.6%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
非水溶媒として、EC/PC/DEC/DMC(容量比30/5/30/35)を使用し、負極活物質として、人造黒鉛に代えて天然黒鉛を使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は92.6%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
非水電解液として、1M LiPF6−EC/PC/MEC/DMC(容量比30/5/50/15)を使用し、正極活物質として、LiCoO2に代えてLiNi0.8Co0.2O2を使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は90.8%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
非水電解液として、1M LiBF4−EC/PC/DEC/DMC(容量比30/5/30/35)を使用し、正極活物質として、LiCoO2に代えてLiMn2O4を使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は92.3%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
4−tert−ブチルトルエンに代えて、各実施例において、4,4−ジ−tert−ブチルビフェニル、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンを使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定した。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
4−tert−ブチルトルエンに代えて、3,5−ジ−tert−ブチルトルエンを使用し、負極活物質として、人造黒鉛に代えて天然黒鉛を使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定した。コイン電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
Claims (6)
- 非水溶媒が、少なくとも環状カーボネートを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
- 非水溶媒が、少なくとも二種類の環状カーボネートを含むことを特徴とする請求項2に記載の非水電解液。
- 環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、及びビニレンカーボネートからなる群より選ばれる化合物である請求項2もしくは3に記載の非水電解液。
- 非水溶媒がさらに鎖状カーボネートを含む請求項2乃至4のうちのいずれかの項に記載の非水電解液。
- 正極、負極および請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の非水電解液を含むリチウム二次電池。
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