JP2004006305A - 燃料電池、燃料電池用電極およびそれらの製造方法 - Google Patents

燃料電池、燃料電池用電極およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電極表面と固体高分子電解質膜との間の界面における密着性を高め、電池特性の向上および電池の信頼性の向上を図る。
【解決手段】固体高分子電解質膜114と、この電解質膜に配された燃料極102および酸化剤極(不図示)とを備えた燃料電池において、燃料極102に、触媒を担持した炭素粒子140と、第一の固体高分子電解質150と、第一の固体高分子電解質150よりも固体高分子電解質膜114に対する密着性の高い第二の固体高分子電解質160とを含む触媒層を備える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池、燃料電池用電極およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池はパーフルオロスルフォン酸膜等の固体高分子電解質膜を電解質とし、この膜の両面に燃料極および酸化剤極を接合して構成され、燃料極に水素、酸化剤極に酸素を供給して電気化学反応により発電する装置である。
【0003】
各電極では次のような電気化学反応が生じている。
燃料極:H→2H+2e
酸化剤極:1/2O+2H+2e→H
この反応によって、固体高分子型燃料電池は常温・常圧で1A/cm以上の高出力を得ることができる。
【0004】
燃料極および酸化剤極には、触媒物質が担持された炭素粒子と固体高分子電解質との混合体が備えられている。一般的に、この混合体は、燃料のガスの拡散層となるカーボンペーパーなどの電極基体上に塗布されて構成される。これら2つの電極により固体高分子電解質膜を挟み、熱圧着することにより燃料電池が構成される。
【0005】
この構成の燃料電池において、燃料極に供給された水素ガスは、電極中の細孔を通過して触媒に達し、電子を放出して水素イオンとなる。放出された電子は燃料極内の炭素粒子および固体電解質を通って外部回路へ導き出され、外部回路より酸化剤極に流れ込む。
【0006】
一方、燃料極において発生した水素イオンは、燃料極中の固体高分子電解質および両電極間に配置された固体高分子電解質膜を通って酸化剤極に達し、酸化剤極に供給された酸素と外部回路より流れ込む電子と反応して上記反応式に示すように水を生じる。この結果、外部回路では燃料極から酸化剤極へ向かって電子が流れ、電力が取り出される。
【0007】
上記のような構成の燃料電池の特性を向上させるためには、電極と固体高分子電解質膜との間の界面の密着性が良好であることが重要となる。すなわち、両者の界面において、電極反応によって生じた水素イオンの伝導性が高いことが要求される。界面の密着性が不良であると、水素イオンの伝導性が低下して電気抵抗が上昇し、電池効率の低下をもたらす原因となる。
【0008】
以上、水素を燃料とした燃料電池について説明したが、近年はメタノールなどの有機液体燃料を用いた燃料電池の研究開発も盛んに行われている。
【0009】
有機液体燃料を使用する燃料電池には、有機液体燃料を水素ガスへ改質して燃料として使用するものや、ダイレクトメタノール型燃料電池に代表されるような、有機液体燃料を改質せずに燃料極に直接供給するものなどが知られている。
【0010】
中でも、有機液体燃料を改質せずに燃料極に直接供給する燃料電池は、有機液体燃料を直接燃料極に供給する構造であるため、改質器のような装置を必要としない。そのため、電池の構成を簡単なものとすることができ、装置全体を小型化することが可能であるというメリットを有している。また、水素ガスや炭化水素ガス等の気体燃料と比較して、有機液体燃料は容易かつ安全に運搬可能であるという特徴も有している。
【0011】
一般的に、有機液体燃料を使用する燃料電池においては、電解質として固体高分子イオン交換樹脂からなる固体高分子電解質膜が用いられる。ここで、燃料電池が機能するためには、水素イオンがこの膜中を燃料極から酸化剤極へ移動することが必要であるが、この水素イオンの移動には水の移動が伴うことが知られており、当該膜には一定の水分が含まれていることが必要である。
【0012】
しかし、水に対して親和性の高いメタノールなどの有機液体燃料を用いる場合、当該有機液体燃料は水分を含んだ固体高分子電解質膜に拡散し、さらには、酸化剤極まで到達する(クロスオーバー)という克服すべき課題を有していた。このクロスオーバーは、本来燃料極において電子を提供すべき有機液体燃料が酸化剤極側で酸化されてしまい、燃料として有効に使用されないことから、電圧や出力の低下、燃料効率の低下を引き起こす。
【0013】
こうしたクロスオーバーの問題を解消する観点からは、固体高分子電解質膜の材料として含水率の低い高分子を選択し、メタノールなどの有機液体燃料が水とともに拡散することを抑制することが望まれる。しかしながら、その電解質膜に接する電極表面の触媒層については、電極層から燃料となる有機液体燃料を効率良く移動させ、多くの水素イオンを供給することが重要である。すなわち、電極表面の触媒層は有機液体燃料をよく透過し、電解質膜は有機液体燃料を透過させないようにすることが望ましい。このようにするためには、電極表面の触媒層を構成する高分子としては含水率が高く有機液体燃料の透過性の高い性質を有するものを用い、固体高分子電解質膜を構成する高分子としては含水率が低く有機液体燃料の透過性の低い性質を有するものを用いることが好適と考えられる。
【0014】
特許文献1には、イオン導電性を維持しながらメタノールのクロスオーバーを抑制することを可能にするイオン導電性膜に関する技術が開示されている。ここでは、ナフィオン(登録商標)等のフッ素樹脂を基本構造とするイオン導電性膜の表面層を電子線照射等により改質して導電性が内部の導電性に比較して低くなるようにしている。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−167775号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように電極表面触媒層の材料と固体高分子電解質膜の材料とを異なる材料とした場合、一般に、充分な密着性が得られず、電極表面と固体高分子電解質膜との間の界面で剥離が発生する場合がある。このような剥離が発生すると、界面における電気抵抗が上昇し、電池性能の信頼性の低下をもたらす原因となる。また、上記特許文献1に記載されたように、イオン導電性膜の表面層を改質した場合も、イオン導電性膜の膨潤時の表面強度が上がり、電極表面触媒層との密着性が悪化するという課題を有していた。
【0017】
上記事情に鑑み、本発明は、触媒電極表面と固体高分子電解質膜との間の界面における密着性を高め、電池特性の向上および電池の信頼性の向上を図ることを目的とする。
【0018】
また本発明は、触媒電極における水素イオン伝導性や有機液体燃料の透過性等を良好に維持しつつ有機液体燃料のクロスオーバーを抑制することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
燃料電池の固体高分子電解質には、一般に、ナフィオン(登録商標)等に代表される高い水素イオン伝導性を有する固体高分子電解質が使用されている。こうした固体高分子電解質における高い水素イオン伝導性は、高分子電解質が多量の水分を含むことによって発現するのであるが、一方では、この多量の水分の含有により、メタノールのような有機液体燃料が水に容易に溶解してクロスオーバーを発生することを促すこととなる。
【0020】
そこで本発明者は、クロスオーバーの抑制を図るため、燃料極や酸化剤極、固体高分子電解質膜を構成する固体高分子電解質として、ナフィオン等よりも有機液体燃料透過性の低い高分子材料を用いてダイレクトメタノール型燃料電池を作製し、評価を行った。ところが、この燃料電池はナフィオンを用いた従来の電池と比較して電池特性が低下した。これは、燃料極において、メタノールの透過性、水素イオン伝導性が低下したことによるものと考えられる。上記燃料電池の燃料極は、触媒を担持する炭素粒子と、バインダとしての固体高分子電解質が混在した形態の触媒層を備えた構成となっており、触媒間に固体高分子電解質が介在した構造となっている。このため、電極表面でメタノール、水素、電子が円滑に移動するためには、これらの伝達経路となる固体高分子電解質が、高いメタノール等液体燃料透過性、優れた水素イオン伝導性を有していることが必要となる。上記構造の電池では、固体高分子電解質がこれらの性能が充分に満足していなかったため、良好な電池特性が得られなかったものと考えられる。
【0021】
次に本発明者らは、燃料極における触媒反応を効率化するために、電極表面の固体高分子電解質としてナフィオンを用い、固体高分子電解質膜として、ナフィオン等よりも有機液体燃料透過性の低い高分子材料を用いてダイレクトメタノール型燃料電池の作製を試みたところ、燃料極と固体高分子電解質膜との接合が不充分であり、評価に耐える電池を得ることができなかった。
【0022】
以上の予備実験の結果を踏まえ、さらに検討を行った結果、本発明者らは、電極表面を複数種類の固体高分子電解質により構成することで、電極表面と固体高分子電解質膜との間の界面における密着性を高めることができることを見いだし、本発明の完成に至った。
【0023】
本発明によれば、固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に配された触媒電極とを備え、前記触媒電極は、触媒物質と、第一の固体高分子電解質と、前記第一の固体高分子電解質よりも前記固体高分子電解質膜に対する密着性の高い第二の固体高分子電解質とを含む触媒層を備えることを特徴とする燃料電池が提供される。
【0024】
また本発明によれば、固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に配された触媒電極とを備え、前記触媒電極は、触媒物質と、第一の固体高分子電解質と、前記第一の固体高分子電解質とは異なる高分子からなり、前記固体高分子電解質膜を構成する高分子またはその誘導体からなる第二の固体高分子電解質とを含む触媒層を備えることを特徴とする燃料電池が提供される。
【0025】
上記燃料電池において、触媒層と固体高分子電解質膜とは接していても離間していてもよい。これらが接する構成を採用すれば、触媒電極と固体高分子電解質膜との間の界面の密着性を確実に向上させることができる。
【0026】
本発明における「触媒電極」は、触媒を含む電極であり、燃料極および酸化剤極を含む総称として用いている。触媒電極の触媒層を構成する固体高分子電解質は、電極表面において、触媒を担持した炭素粒子と固体高分子電解質膜を電気的に接続するとともに触媒表面に有機液体燃料を到達させる役割を有しており、水素イオン伝導性や水移動性が要求される。さらに、燃料極においてはメタノール等の有機液体燃料透過性が求められ、酸化剤極においては酸素透過性が求められる。
【0027】
本発明における触媒層を構成する固体高分子電解質は、第一の固体高分子電解質および第二の固体高分子電解質を含んでいるが、このうち、特に第一の固体高分子電解質が上記役割を果たす。第一の固体高分子電解質を構成する材料としては、水素イオン伝導性や、メタノール等の有機液体燃料透過性に優れる材料が好ましく用いられる。
【0028】
一方、固体高分子電解質膜は、燃料極と酸化剤極を隔てるとともに、両者の間で水素イオンを移動させる役割を有し、さらに、液体燃料が燃料極から酸化剤極へ移動すること、すなわち有機液体燃料のクロスオーバーを抑える性質を備えていることが望まれる。
【0029】
以上のように燃料極および酸化剤極と固体高分子電解質膜とは、互いに要求される性質が異なることから、それぞれ異なる材料により構成することが望ましい。しかしながら、このようにした場合、両者の間の密着性を充分に確保することは一般に困難である。そこで本発明は、電極表面の固体高分子電解質を機能の異なる複数種類により構成し、電極および固体高分子電解質膜に適した材料を選択しつつ両者の間の密着性を良好にしている。
【0030】
すなわち、本発明に係る触媒電極は、第一および第二の固体高分子電解質を含む構成とし、第一の固体高分子電解質によって電極表面における水素イオンや液体燃料の円滑な移動を担保するとともに、第二の固体高分子電解質により、触媒電極と固体高分子電解質膜との間の界面を強固に密着せしめている。本発明によれば、こうした構成を採用することにより、触媒電極と固体高分子電解質膜との間の界面における電気抵抗の上昇を抑制しつつ、良好な電池効率を長期間にわたって安定的に実現することができる。
【0031】
第二の固体高分子電解質により、触媒電極と固体高分子電解質膜との間の界面が強固に密着する理由は以下のように推察される。まず、この粒子は、固体高分子電解質膜との密着性が優れる材料、たとえば固体高分子電解質膜を構成する高分子またはその誘導体により構成することができる。また、第二の固体高分子電解質の粒子を、固体高分子電解質膜を構成する材料と極性、濡れ性、SP値等の物性値が類似する材料により構成することができる。これにより、第二の固体高分子電解質を第一の固体高分子電解質よりも固体高分子電解質膜に対する密着性を高くすることができる。このため、第二の固体高分子電解質と固体高分子電解質膜との間には良好な密着性が発現する。一方、第一の固体高分子電解質と第二の固体高分子電解質とは両者が混在して層をなす形態となっているため、両者の間の密着性は充分に良好である。以上のことから、第二の固体高分子電解質は、固体高分子電解質膜および第一の固体高分子電解質の両方に対して良好な密着性を示し、この結果、触媒電極と固体高分子電解質膜とが強固に接合される。
【0032】
本発明の燃料電池において、前記触媒電極に有機液体燃料が供給される構成とすることができる。すなわち、いわゆるダイレクト型の燃料電池とすることができる。ここで有機液体燃料は、たとえばメタノールとすることができる。直接型の燃料電池は電池効率が高い、改質器が不要であるため省スペース化を図ることができる、等の利点が得られる反面、メタノールなどの有機液体燃料のクロスオーバーが問題となる。本発明によれば、こうしたクロスオーバーの問題を解消しつつ触媒電極と固体高分子電解質膜との間の界面における電気抵抗の上昇を抑制し、良好な電池効率を長期間にわたって安定的に実現することができる。
【0033】
本発明において、触媒電極は、多孔質基材を含むことができ、触媒層は多孔質基材に接して設けることができる。触媒層中の触媒物質の含有率は、多孔質基材から固体高分子電解質膜に向かう方向に沿って分布を有していてもよい。たとえば、触媒層が、多孔質基材と接する側において触媒物質を含み、固体高分子電解質膜と接する側において触媒物質を含まない構成とすることができる。
【0034】
また、触媒層中の第一の固体高分子電解質の含有率は、多孔質基材から固体高分子電解質膜に向かう方向に沿って分布を有していてもよい。たとえば、接着層が、多孔質基材と接する側において第一の固体高分子電解質を含み、固体高分子電解質膜と接する側において第一の固体高分子電解質を含まない構成とすることができる。このとき同時に、接着層が、多孔質基材と接する側において第二の固体高分子電解質を含まず、固体高分子電解質膜と接する側において第二の固体高分子電解質を含む構成とすることができる。このようにすれば、触媒層と固体高分子電解質膜の密着性を向上することができる。
【0035】
また本発明によれば、触媒物質と、第一の固体高分子電解質と、該第一の固体高分子電解質とは異なる高分子からなる第二の固体高分子電解質とを含む触媒層を備えることを特徴とする燃料電池用電極が提供される。
【0036】
本発明においては、電極表面の固体高分子電解質を機能の異なる複数種類により構成している。このため、単一種類の固体高分子電解質では実現困難な性能を、安定的に実現することが可能となる。
【0037】
たとえば、本発明に係る燃料電池の説明と同様、第一の固体高分子電解質によって電極表面における水素イオンや液体燃料の円滑な移動を担保するとともに、第二の固体高分子電解質により、触媒電極と固体高分子電解質膜との間の界面が強固に密着せしめ、触媒電極と固体高分子電解質膜との間の界面における電気抵抗の上昇を抑制しつつ、良好な電池効率を長期間にわたって安定的に実現することができる。
【0038】
また、第一および第二の固体高分子電解質のうち、第一の固体高分子電解質として、水素イオン伝導性や液体燃料の透過性に優れた材料を選択し、第二の固体高分子電解質として、第一の固体高分子電解質に比べて水素イオン伝導性あるいは液体燃料の透過性の点で劣るもののコストの安い材料、あるいは成膜性等、製造安定性の改善に寄与する材料を選択することができる。こうすることにより、安価なコスト、あるいは、良好な製造安定性を実現しつつ、優れた電極性能を安定的に実現することができる。
【0039】
さらに本発明によれば、基体上に触媒層が設けられた燃料電池用電極の製造方法であって、触媒物質を担持した導電粒子と、第一の固体高分子電解質と、前記第一の固体高分子電解質とは異なる高分子からなる第二の固体高分子電解質とを含有する塗布液を基体上に塗布して前記触媒層を形成する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法が提供される。
【0040】
この製造方法によれば、第一および第二の固体高分子電解質を含む塗布液を基体上に塗布して触媒層を形成するので、触媒層中で第一および第二の固体高分子電解質が良好に混在した状態となる。このため、両者のそれぞれの特性が効果的に発現し、触媒電極の性能および触媒電極と固体高分子電解質膜との密着性がいずれも良好となる。
【0041】
上記塗布液は、第一の固体高分子電解質を含む粒子および第二の固体高分子電解質を含む粒子が塗布液中で分散した構成とすることができる。こうすることにより、塗布時の作業性および製造安定性を良好にすることができる。
【0042】
上記製造方法により得られた触媒電極は、電極表面の固体高分子電解質を機能の異なる複数種類により構成している。このため、単一種類の固体高分子電解質では実現困難な性能を、安定的に実現することが可能となる。
【0043】
また、本発明によれば、上記の燃料電池用電極の製造方法によって触媒電極を得た後、前記触媒層と固体高分子電解質膜とを当接させた状態で前記触媒電極と固体高分子電解質膜とを熱圧着する工程を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法が提供される。この製造方法によれば、接着層を簡便な工程で安定的に形成することができ、触媒電極と固体高分子電解質膜との密着性が良好な燃料電池を安定的に得ることができる。
【0044】
本発明において、前記第二の固体高分子電解質は、前記第一の固体高分子電解質よりも前記有機液体燃料の透過性が低いことが好ましい。このようにすることにより、触媒電極における有機液体燃料透過性および水素イオン伝導性を確保しつつ、固体高分子電解質膜との密着性を得ることが可能となる。これを実現させるためには、たとえば以下のような構成にするとよい。
(i)前記第二の固体高分子電解質は、前記第一の固体高分子電解質よりも含水率が低いこと。
(ii)前記第一の固体高分子電解質および前記第二の固体高分子電解質が、いずれも、プロトン酸基を含む構成とし、前記第二の固体高分子電解質は、前記第一の固体高分子電解質よりも前記プロトン酸基の含有密度が低いこと。ここで、プロトン酸基とは、たとえば、スルフォン基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン酸基からなる群から選択される一または二以上の極性基である。
【0045】
また、本発明において、前記第一の固体高分子電解質を、フッ素を含有する高分子からなる構成とすることができる。
【0046】
また、本発明において、前記第二の固体高分子電解質は、フッ素を含まない高分子からなる構成とすることができる。
【0047】
さらに、本発明において、前記第二の固体高分子電解質は、芳香族を含有する高分子からなる構成とすることができる。
なお、本発明における樹脂含有率や触媒含有率の測定は、たとえば、測定対象となる層構造に対して表面からスパッタリングを行いながら二次イオン質量分析(SIMS)を行う等の方法により行うことができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明における触媒電極は、触媒物質と第一および第二の固体高分子電解質を含むものである。具体的には、たとえば、カーボンペーパーなどの基体上に、触媒を担持した導電粒子と、第一および第二の固体高分子電解質とを含む触媒層が形成された構成とすることができる。ここで導電粒子としては炭素粒子等が用いられる。第一および第二の固体高分子電解質は、導電粒子を基体上に固定化するとともに導電粒子と固体高分子電解質膜との間を電気的に接続する役割を果たす。
【0049】
触媒層中において、第一および第二の固体高分子電解質は、均一に分布していても不均一に分布していてもよい。ここで、触媒層のうち基体と反対側の面(以下、第一の面という)、すなわち、固体高分子電解質膜と接する側の面における第二の固体高分子電解質の含有率を、触媒層のうち基体側の面(以下、第二の面という)における第二の固体高分子電解質の含有率よりも高くすれば、固体高分子電解質膜と触媒電極の密着性がより良好になる。たとえば第一の面が第二の固体高分子電解質から主としてなり、第二の面が第一の固体高分子電解質から主としてなる構成とすれば、電極表面における水素イオンや有機液体燃料の伝達性を良好に維持しつつ触媒電極と固体高分子電解質膜との間の密着性を向上させることができる。
【0050】
以下、本発明の一実施形態につき詳細に説明する。
【0051】
図1は本実施形態の燃料電池の構造を模式的に表した断面図である。電極−電解質接合体101は、燃料極102、酸化剤極108および固体高分子電解質膜114から構成される。燃料極102は基体104および触媒層106から構成される。酸化剤極108は基体110および触媒層112から構成される。
【0052】
上記複数の電極−電解質接合体101が、燃料極側セパレータ120および酸化剤極側セパレータ122を介して電気的に接続され、燃料電池100が製造される。
【0053】
以上のように構成された燃料電池100において、各電極−電解質接合体101の燃料極102には、燃料極側セパレータ120を介して燃料124が供給される。また、各電極−電解質接合体101の酸化剤極108には、酸化剤極側セパレータ122を介して空気あるいは酸素などの酸化剤126が供給される。
【0054】
固体高分子電解質膜114は、燃料極102と酸化剤極108とを隔てるとともに、両者の間で水素イオンや水分子を移動させる役割を有する。このため、固体高分子電解質膜114は、水素イオンの導電性が高いことが好ましい。また、化学的に安定であって機械的強度が高いことが好ましい。固体高分子電解質膜114を構成する材料としては、
スルフォン基、リン酸基、ホスホン基、ホスフィン基などの強酸基や、カルボキシル基などの弱酸基などの極性基を有する有機高分子が好ましく用いられる。こうした有機高分子として、
スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールなどの芳香族含有高分子;
ポリスチレンスルホン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸共重合体、架橋アルキルスルフォン酸誘導体、フッ素樹脂骨格およびスルフォン酸からなるフッ素含有高分子などの共重合体;
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸のようなアクリルアミド類とn−ブチルメタクリレートのようなアクリレート類とを共重合させて得られる共重合体;
スルフォン基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(旭化成社製));
カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオン(登録商標)S膜(旭硝子社製));
などが例示される。このうち、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールなどの芳香族含有高分子を選択した場合、有機液体燃料の透過を抑制でき、クロスオーバーによる電池効率の低下を抑えることができる。
【0055】
また、上記した高分子に対して、適宜、架橋性の置換基、例えば、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、シンナモイル基、メチロール基、アジド基、ナフトキノンジアジド基を導入し、これらの高分子を溶融した状態で放射線を照射すること等により架橋したものを用いることもできる。
【0056】
図2は燃料極102、酸化剤極108および固体高分子電解質膜114を模式的に表した断面図である。図のように、燃料極102および酸化剤極108は、たとえば、触媒を担持した炭素粒子と固体高分子電解質の微粒子とを含む膜である触媒層106および触媒層112を基体104および基体110上に形成した構成とすることができる。基体表面は撥水処理してもよい。
【0057】
基体104および基体110としては、燃料極102、酸化剤極108ともにカーボンペーパー、カーボンの成形体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属などの多孔性基体を用いることができる。また、基体の撥水処理にはポリテトラフルオロエチレンなどの撥水剤を用いることができる。
【0058】
また燃料極102の触媒としては、白金、白金とルテニウム、金、レニウムなどとの合金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、リチウム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムなどが例示される。一方、酸化剤極108の触媒としては、燃料極102の触媒と同様のものが用いることができ、上記例示物質を使用することができる。なお、燃料極102および酸化剤極108の触媒は同じものを用いても異なるものを用いてもよい。
【0059】
また、触媒を担持する炭素粒子としては、アセチレンブラック(デンカブラック(登録商標、電気化学工業社製)、XC72(Vulcan社製)など)、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどが例示される。炭素粒子の粒径は、たとえば、0.001〜1μm、好ましくは0.02〜0.06μmとする。
【0060】
ここで、触媒層106および触媒層112は、多孔質の基体104および基体110それぞれの内部に入り込んだ構成とすることもでき、基体104および基体110の表面に露出して形成された構成とすることもでき、また基体104および基体110の内部から表面にわたって形成された構成とすることもできる。
【0061】
本発明において、燃料極102または酸化剤極108を構成する固体高分子電解質の微粒子は、少なくとも第一の固体高分子電解質と第二の固体高分子電解質とを含む構成とする。ここで、燃料極102および酸化剤極108の両方について、第一および第二の固体高分子電解質を含む構成としてもよいし、燃料極102および酸化剤極108のいずれか一方について、第一および第二の固体高分子電解質を含む構成としてもよい。
【0062】
固体高分子電解質の微粒子は、電極表面において、触媒を担持した炭素粒子と固体高分子電解質膜114を電気的に接続するとともに触媒表面に有機液体燃料を到達させる役割を有しており、水素イオン伝導性や水移動性が要求され、さらに、燃料極102においてはメタノール等の有機液体燃料透過性が求められ、酸化剤極108においては酸素透過性が求められる。第一の固体高分子電解質はこうした要求を満たすためのものであり、水素イオン伝導性や、メタノール等の有機液体燃料透過性に優れる材料が好ましく用いられる。具体的には、スルフォン基、リン酸基などの強酸基や、カルボキシル基などの弱酸基などの極性基を有する有機高分子が好ましく用いられる。こうした有機高分子として、
スルフォン基含有パーフルオロカーボン(ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(旭化成社製)など);
カルボキシル基含有パーフルオロカーボン(フレミオン(登録商標)S膜(旭硝子社製)など);
ポリスチレンスルホン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸共重合体、架橋アルキルスルフォン酸誘導体、フッ素樹脂骨格およびスルフォン酸からなるフッ素含有高分子などの共重合体;
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸のようなアクリルアミド類とn−ブチルメタクリレートのようなアクリレート類とを共重合させて得られる共重合体;
などが例示される。
【0063】
また、極性基の結合する対象の高分子としては他に、
ポリベンズイミダゾール誘導体、ポリベンズオキサゾール誘導体、ポリエチレンイミン架橋体、ポリサイラミン誘導体、ポリジエチルアミノエチルポリスチレン等のアミン置換ポリスチレン、ジエチルアミノエチルポリメタクリレート等の窒素置換ポリアクリレート等の窒素または水酸基を有する樹脂;
シラノール含有ポリシロキサン、ヒドロキシエチルポリメチルアクリレートに代表される水酸基含有ポリアクリル樹脂;
パラヒドロキシポリスチレンに代表される水酸基含有ポリスチレン樹脂;
などを用いることもできる。
【0064】
また、上記した高分子に対して、適宜、架橋性の置換基、例えば、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、シンナモイル基、メチロール基、アジド基、ナフトキノンジアジド基を導入してもよい。
【0065】
第二の固体高分子電解質は、電極表面と固体高分子電解質膜114との密着性を改良する役割を果たすものであり、固体高分子電解質膜114に対する密着性の良好な材料を用いることが好ましい。たとえば、固体高分子電解質膜114を有機高分子で構成した場合、第二の固体高分子電解質として、当該有機高分子と類似の構造を有する高分子や、極性、濡れ性、SP値等の物性値が類似する高分子を選択することにより、電極と固体高分子電解質膜114との間の密着性を向上させることができる。たとえば、固体高分子電解質膜114の材料としてフッ素を含まない高分子を用いた場合、第二の固体高分子電解質としてフッ素を含まない高分子を選択することが好ましい。また、固体高分子電解質膜114の材料として芳香族系高分子を用いた場合、第二の固体高分子電解質として芳香族系高分子を選択することが好ましい。
【0066】
ここで、クロスオーバー抑制の観点からは、固体高分子電解質膜114および第二の固体高分子電解質を、いずれも、有機液体燃料の透過性の低い材料を用いることが好ましい。たとえば、スルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールなどの芳香族縮合系高分子により構成することが好ましい。固体高分子電解質膜114および第二の固体高分子電解質は、同じ材料により構成することもできる。
【0067】
燃料極102および酸化剤極108における第一の固体高分子電解質は、同一のものであっても異なるものであってもよい。同様に、燃料極102および酸化剤極108における第二の固体高分子電解質は、同一のものであっても異なるものであってもよい。
【0068】
本発明に係る燃料電池の燃料としては、液体有機燃料や水素含有ガスを用いることができる。このうち、液体有機燃料を用いる構成とした場合、有機液体燃料のクロスオーバーを抑制しつつ電池効率の向上を図ることができ、本発明の効果がより顕著に発揮される。
【0069】
本発明における燃料極102および酸化剤極108の作製方法は特に制限がないが、たとえば以下のようにして作製することができる。
【0070】
まず燃料極102および酸化剤極108の触媒の炭素粒子への担持は、一般的に用いられている含浸法によって行うことができる。次に触媒を担持させた炭素粒子と上記第一および第二の固体高分子電解質粒子を溶媒に分散させ、ペースト状とした後、これを基体に塗布、乾燥させることによって触媒層106および触媒層112がそれぞれ形成された燃料極102および酸化剤極108を作製することができる。ここで、炭素粒子の粒径は、たとえば0.001〜1μmとする。触媒粒子の粒径は、たとえば0.1nm〜100nmとする。また、第一および第二の固体高分子電解質粒子の粒径は、たとえば0.05〜100μmとする。炭素粒子と固体高分子電解質粒子とは、たとえば、重量比で1:5〜40:1の範囲で用いられる。また、ペースト中の水と溶質との重量比は、たとえば、1:2〜10:1程度とする。ペースト中の第二の固体高分子電解質/第一の固体高分子電解質の重量比は、好ましくは10/1〜1/10、より好ましくは4/1〜1/4とすることができる。基体へのペーストの塗布方法については特に制限がないが、たとえば、刷毛塗り、スプレー塗布、およびスクリーン印刷等の方法を用いることができる。ペーストは、約1μm〜2mmの厚さで塗布される。ペーストを塗布した後、使用する第一および第二の固体高分子電解質粒子に応じた加熱温度および加熱時間で加熱し、燃料極102または酸化剤極108が作製される。加熱温度および加熱時間は、用いる材料によって適宜に選択されるが、たとえば、加熱温度100℃〜250℃、加熱時間30秒間〜30分とすることができる。
【0071】
本発明における固体高分子電解質膜114は、用いる材料に応じて適切な方法を採用して作製することができる。たとえば固体高分子電解質膜114を有機高分子材料で構成する場合、有機高分子材料を溶媒に溶解ないし分散した液体を、ポリテトラフルオロエチレン等の剥離性シート等の上にキャストして乾燥させることにより得ることができる。
【0072】
以上のようにして作製した固体高分子電解質膜114を、燃料極102および酸化剤極108で挟み、ホットプレスし、電極−電解質接合体を得る。このとき、両電極の触媒が設けられた面と固体高分子電解質膜114とが接するようにする。ホットプレスの条件は、材料に応じて選択されるが、固体高分子電解質膜114や電極表面の電解質膜を有機高分子で構成する場合、これらの高分子の軟化温度やガラス転位温度を超える温度とすることができる。具体的には、例えば、温度100〜250℃、圧力1〜100kgf/cm、時間10秒〜300秒とする。
【0073】
本発明において、燃料極102または酸化剤極108を構成する第二の固体高分子電解質は、固体高分子電解質膜114への密着性が良好なため、当該第二の固体高分子電解質を含む電極と固体高分子電解質膜114との界面が強固に密着する。この結果、界面の剥離により水素イオンの移動が阻害され電池性能が劣化することを抑制できるほか、電池の物理的強度が増し、耐久性が向上する。
【0074】
次に、本発明における第一および第二の固体高分子電解質の好ましい態様について説明する。
【0075】
本発明において、クロスオーバーを効果的に抑制する観点からは、第一および第二の固体高分子電解質、固体高分子電解質膜114の構成材料を、以下のように選択することが有効である。
(i)固体高分子電解質膜114および第二の固体高分子電解質として、第一の固体高分子電解質よりもメタノール透過性の低い材料を選択する。
(ii)固体高分子電解質膜114および第二の固体高分子電解質として、第一の固体高分子電解質よりも含水率の低い材料を選択する。
(iii)固体高分子電解質膜114および第二の固体高分子電解質として、第一の固体高分子電解質より極性基の含有密度の低い材料を選択する。
(iv)固体高分子電解質膜114および第二の固体高分子電解質として、第一の固体高分子電解質よりもフッ素含有率の低い材料を選択する。
【0076】
こうした手法を採用することにより、固体高分子電解質膜114中の有機液体燃料の透過を抑制でき、クロスオーバーによる電池性能の低下を抑えることができる。以下、上記(i)〜(iv)に示した物性の測定方法について説明する。
【0077】
メタノール透過性は、以下のように測定することができる。被測定電解質膜(膜厚50μm、面積1cm)で隔てられた液体容器に、片側に99.5%メタノールを50cc、反対側に純水50ccを注入し、それぞれの液体が蒸発しないように密閉する。純水中に被測定電解質膜を透過してくるメタノールの濃度の時間変化をガスクロマトグラフで測定してメタノール透過量を決める。上記(i)の構成を採用した場合、第二の固体高分子電解質は、厚さ50μmの膜としたときの単位面積、単位時間あたりのメタノール透過量が300μmol/cm/h以下とすることが好ましい。このような材料を選択することにより、メタノールが酸化剤へ到達することを抑制することができ、上記のクロスオーバーの課題を克服することできる。
【0078】
含水率は、100℃で2時間乾燥した被験材料の重量をA、純水に24時間浸漬した後の当該被験材料の重量をBとしたときの(B−A)/Aで表される値である。
【0079】
極性基の含有密度は、官能基の種類に応じ、所定の方法を用いて測定することができる。スルフォン基の場合、たとえば、酸素燃焼フラスコ法等によりスルフォン基を硫酸イオンに変換した後、イオンクロマトグラフィーまたは滴定で定量することができる。滴定はカルボキシアルセナゾを指示薬とし、0.01M過塩素酸バリウムで滴定し、青から紫の変色点を求める。
【0080】
フッ素含有率は、蛍光X線分析等により定量することができる。
【0081】
なお、触媒層106および触媒層112中において、第一および第二の固体高分子電解質粒子は、均一に分布していても不均一に分布していてもよい。たとえば、触媒層106または触媒層112が基体104または基体110と接する側において第一の固体高分子電解質粒子を含み、触媒層106または触媒層112が固体高分子電解質膜114と接する側において第一の固体高分子電解質粒子を含まない構成とすることができる。このとき、触媒層106または触媒層112が基体104または基体110と接する側において第二の固体高分子電解質粒子を含まず、触媒層106または触媒層112が固体高分子電解質膜114と接する側において第二の固体高分子電解質粒子を含む構成とすることもできる。このように、基体104または基体110に近い領域において第一の固体高分子電解質粒子の含有率を高くし、固体高分子電解質膜114に近い領域において第二の固体高分子電解質粒子の含有率を高くすることにより、触媒層106および触媒層112における第一の固体高分子電解質粒子の含有率をある程度保ちつつ、固体高分子電解質膜114との密着性を高めることができる。第一の固体高分子電解質は、第二の固体高分子電解質よりも含水率が高く有機液体燃料および酸素透過性の高い性質を有するため、有機液体燃料を効率よく移動させ、多くの水素イオンを供給することが可能となる。
【0082】
この場合、触媒層106および触媒層112は、以下のようにして形成することができる。まず、基体104上に第一の固体高分子電解質粒子と触媒を担持させた炭素粒子とを溶媒に分散させ、ペースト状とした塗布液aを塗布する。つづいて、塗布した塗布液a上に第一および第二の固体高分子電解質、ならびに触媒を担持させた炭素粒子を溶媒に分散させ、ペースト状とした塗布液bを塗布する。同様にして、徐々に第二の固体高分子電解質粒子の含有率が高くなるようにして第一および第二の固体高分子電解質、ならびに触媒を担持させた炭素粒子を溶媒に分散させ、ペースト状とした塗布液を順次塗布して複数の層から構成される触媒層106または触媒層112を形成する。これにより、基体104または基体110から遠い領域において第二の固体高分子電解質粒子の含有率が高くなるように構成された触媒層106または112を形成することができる。このようにして形成した触媒層106および触媒層112をそれぞれ含む燃料極102および酸化剤極108で固体高分子電解質膜114を挟み、ホットプレスすることにより、電極−電解質接合体を得ることができる。以上の工程において、各層を塗布した後に乾燥する工程を含むこともできる。
【0083】
【実施例】
以下に本発明の固体高分子型燃料電池用電極及びそれを用いた燃料電池について実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0084】
(実施例1)
本実施例では、第一の固体高分子電解質としてナフィオンを使用し、第二の固体高分子電解質としてスルフォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)(以下、PPBPという)を使用した実施例について説明する。また、本実施例においては、燃料極、酸化剤極ともに貴金属触媒として白金を用いた。
【0085】
本実施例に係る燃料電池の作製方法について図2を参照して説明する。
まず燃料極102および酸化剤極108において触媒となる白金を3%含有するジニトロジアミン白金硝酸溶液500gにアセチレンブラック10g(デンカブラック(登録商標);電気化学工業社製)を混合させて撹拌後、還元剤として98%エタノール60mlを添加した。この溶液を約95℃で8時間攪拌混合し、触媒物質と白金微粒子をアセチレンブラック粒子に担持させた。そして、この溶液をろ過、乾燥して触媒担持炭素粒子を得た。白金の担持量はアセチレンブラックの重量に対し50%程度であった。
【0086】
次に、触媒担持炭素粒子200mgと5%ナフィオン溶液(アルコール溶液、アルドリッチ・ケミカル社製)3.5mlとを混合攪拌し、触媒および炭素粒子表面にナフィオンを吸着させた。こうして得られた分散液を50℃にて3時間超音波分散器で分散することによりペースト状とし、ペーストAを得た。
【0087】
次に、微粉末化したポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)10gを95%硫酸100mlに懸濁させ、200時間撹拌することによりスルフォン化処理を行った。こうして得られたPPBPを、十分な蒸留水で洗浄し、乾燥・粉砕し、これをジメチルホルムアミド溶液に溶解させた。キャスト法により大きさ10cm×10cm、厚さ30μmの固体高分子電解質膜114を得た。
【0088】
また、上記で得られたPPBPの微粒子化したジメチルホルムアミド溶液0.15mlをペーストAに混合して、ペーストBとした。このペーストBを、カーボンペーパー(東レ社製:TGP−H−120)である基体104および基体110にスクリーン印刷法で塗布した後、100℃にて加熱乾燥して燃料極102および酸化剤極108を得た。得られた電極表面の白金量は0.1〜0.4mg/cmとなった。
【0089】
これらの電極で固体高分子電解質膜114を挟み、温度150℃、圧力10kgf/cm10秒間の条件でホットプレスすることにより電極−電解質接合体を作製した。さらに、この電極−電解質接合体を燃料電池の単セル測定用装置にセットして単セルを作製した。
【0090】
この単セルに、10wt%メタノール水溶液および酸素(1.1気圧、25℃)を燃料としてセルの電流電圧特性を測定した。その結果、開放電圧0.54V、短絡電流0.21A/cmが持続的に観測された。
【0091】
燃料極102および酸化剤極108は、固体高分子電解質膜114に対する良好な接合性を示しており、メタノールを燃料とするダイレクトメタノール燃料電池として有効に機能することが確認された。
【0092】
図3は本実施例の燃料電池の燃料極102と固体高分子電解質膜114とを模式的に示した図である。燃料極102は、PPBPからなる第二の固体高分子電解質160、ナフィオンからなる第一の固体高分子電解質150および触媒を担持した炭素粒子140が混合されてなる触媒層をカーボンペーパーである基体104上に備えている。ここで、第二の固体高分子電解質160と固体高分子電解質膜114とは共にPPBPから構成されている。そのため、第二の固体高分子電解質160のうち固体高分子電解質膜114と接しているものが、固体高分子電解質膜114と燃料極102との間の界面においてバインダの役目を果たしている。そのため、固体高分子電解質膜114と燃料極102との接合性は良好であり、このことが本実施例における燃料電池の良好な動作に寄与しているものと考えられる。
【0093】
ここで、PPBPおよびナフィオンのメタノール透過率および含水率の値を表1に示す。
【0094】
【表1】
Figure 2004006305
【0095】
本実施例においては、固体高分子電解質膜114および第二の固体高分子電解質160として、第一の固体高分子電解質150よりもメタノール透過性および含水率の低い材料を選択していることから、固体高分子電解質膜114中のメタノール透過が抑制されている。このことからクロスオーバーによる電池性能の低下が抑制され、良好な電池特性を有する燃料電池が得られたと考えられる。
【0096】
(実施例2)
本実施例でも、第一の固体高分子電解質としてナフィオンを使用し、第二の固体高分子電解質としてPPBPを使用した。本実施例でも、触媒としては、燃料極、酸化剤極ともに白金を用いた。
【0097】
燃料極102、酸化剤極108、および固体高分子電解質膜114は実施例1と同様に作製した。実施例1と同様の方法で得られたPPBPの微粒子化したジメチルホルムアミド溶液0.1mlを実施例1と同様の方法で得られたナフィオンのペーストAに混合しペーストCを得た。また、このPPBPの微粒子化したジメチルホルムアミド溶液0.15mlをペーストAに混合しペーストDを得た。
【0098】
まず、ペーストCを刷毛塗り法で基体104および基体110に塗布し、塗布後、乾燥させた。次いで、ペーストDを刷毛塗り法でペーストC上に塗布し、塗布後、乾燥させた。これにより、基体104および基体110上にペーストCおよびペーストDにより構成された触媒層106および触媒層112を形成した。これを用いて、実施例1と同様にホットプレスすることにより、電極−電解質接合体を作製した。この電極−電解質接合体を燃料電池の単セル測定用装置にセットして単セルを作製した。
【0099】
この単セルに、10wt%メタノール水溶液および酸素(1.1気圧、25℃)を燃料としてセルの電流電圧特性を測定した。その結果、開放電圧0.54V、短絡電流0.19A/cmが持続的に観測された。
【0100】
(比較例1)
固体高分子電解質膜は上記実施例と同様の方法で作製した。また、燃料極および酸化剤極は、上記実施例1におけるペーストAをカーボンペーパー上にスクリーン印刷法で塗布した後、加熱乾燥して作製した。
【0101】
これらの電極で上記固体高分子電解質膜を挟み、温度150℃、圧力10kgf/cm10秒間の条件でホットプレスすることにより電極−電解質接合体を作製した。
【0102】
さらに、これらを燃料電池の単セル測定用装置にセットして単セルを作製した。
【0103】
上記実施例と同様の放電試験を行ったが、放電を確認することはできなかった。
【0104】
図4は本比較例の燃料電池における燃料極301および固体高分子電解質膜114を模式的に示した図である。実施例と同様に、基体104上には触媒を担持した炭素粒子140およびナフィオンからなる第一の固体高分子電解質150が存在するが、上記実施例と異なる点は、固体高分子電解質膜114と同じ材料からなる固体高分子電解質が燃料極301には存在しないことである。そのため、燃料極301と固体高分子電解質膜114と界面においてバインダの役目を果たす固体高分子電解質が存在しないため、両者の接合性が確保できない。そのため、燃料極から酸化剤極への水素イオンの移動が生じず、電池として機能しなかったものと推察される。
【0105】
(比較例2)
比較例1においては、電極中の固体高分子電解質としてナフィオンのみが使用された例を示した。本比較例においては、電極中の固体高分子電解質としてPPBPのみを使用し、その他の電池の構成は上記実施例および比較例1と同様とした。
【0106】
固体高分子電解質膜は上記実施例と同様の方法で作製した。
【0107】
上記実施例に記載した手法により調製したPPBPを微粉化したジメチルホルムアミド溶液(5wt%溶液)を5gに、上記実施例に記載した手法により調製した触媒担持炭素粒子0.5gおよび蒸留水0.3gを添加することにより、これらの炭素粒子の表面にコロイドを吸着させた。こうして得られた分散液を50℃にて3時間超音波分散器で分散することによりペースト状とし、ペーストEを得た。このペーストEをカーボンペーパー上にスクリーン印刷法で塗布した後、加熱乾燥して燃料極および酸化剤極を作製した。
【0108】
上記の燃料極、酸化剤極および固体高分子電解質膜を上記実施例と同様の方法により電極−電解質接合体、単セルを作製し、放電試験を行った。その結果、開放電圧0.58V、短絡電流0.16A/cmが観測された。
【0109】
本比較例においては、電極中の固体高分子電解質と固体高分子電解質膜とは、共にPPBPからなっていることから、電極と固体高分子電解質膜との接合は保たれていると考えられる。それにも関わらず良好な電池特性が得られなかったのは、燃料極におけるメタノール透過性および水素イオン透過性が不足していることから、燃料極における電極反応が十分に生じなかったことに起因すると推察される。
【0110】
以上の実施例において、酸化剤極108の貴金属触媒として白金−ルテニウム触媒を用いた場合、各実施例において、さらに安定的な電池特性を有することが示された。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、触媒電極に有機液体燃料透過性の低い固体高分子電解質を含有させることにより、有機液体燃料透過性の低い固体高分子電解質からなる固体高分子電解質膜と当該電極との良好な接合性が得られる。そのため、電池特性の向上および電池の信頼性の向上を実現することができる。また、触媒電極における水素イオン伝導性や有機液体燃料の透過性等を良好に維持しつつ有機液体燃料のクロスオーバーを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池の一例の構造を模式的に表した断面図である。
【図2】本発明の燃料電池の一例における燃料極、酸化剤極および固体高分子電解質膜を模式的に表した断面図である。
【図3】本発明の実施例の燃料電池における燃料極と固体高分子電解質膜とを模式的に示した図である。
【図4】比較例1の燃料電池における燃料極と固体高分子電解質膜とを模式的に示した図である。
【符号の説明】
100 燃料電池
101 電極−電解質接合体
102 燃料極
104 基体
106 触媒層
108 酸化剤極
110 基体
112 触媒層
114 固体高分子電解質膜
120 燃料極側セパレータ
122 酸化剤極側セパレータ
124 燃料
126 酸化剤
140 触媒を担持した炭素粒子
150 第一の固体高分子電解質
160 第二の固体高分子電解質
301 燃料極

Claims (33)

  1. 固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に配された触媒電極とを備え、
    前記触媒電極は、触媒物質と、第一の固体高分子電解質と、前記第一の固体高分子電解質よりも前記固体高分子電解質膜に対する密着性の高い第二の固体高分子電解質とを含む触媒層を備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜に配された触媒電極とを備え、前記触媒電極は、触媒物質と、第一の固体高分子電解質と、前記第一の固体高分子電解質とは異なる高分子化合物からなり、前記固体高分子電解質膜を構成する高分子化合物またはその誘導体からなる第二の固体高分子電解質とを含む触媒層を備えることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池において、
    前記触媒電極は、多孔質基材を含み、
    前記触媒層は、該多孔質基材に接して形成されたことを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項3に記載の燃料電池において、
    前記触媒層の前記多孔質基材に接する面における前記第二の固体高分子電解質の含有率が、当該多孔質基材と接する面とは反対の面における前記第二の固体高分子電解質の含有率よりも低いことを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項3または4に記載の燃料電池において、
    前記触媒層の前記多孔質基材に接する面における前記触媒物質の含有率が、当該多孔質基材と接する面とは反対の面における前記触媒物質の含有率よりも高いことを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載の燃料電池において、
    前記触媒層が前記固体高分子電解質膜に接して設けられたことを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項1乃至6いずれかに記載の燃料電池において、
    前記触媒電極に有機液体燃料が供給されることを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の燃料電池において、
    前記第二の固体高分子電解質は、前記第一の固体高分子電解質よりも前記有機液体燃料の透過性が低いことを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の燃料電池において、
    前記第二の固体高分子電解質は、前記第一の固体高分子電解質よりも含水率が低いことを特徴とする燃料電池。
  10. 請求項1乃至9いずれかに記載の燃料電池において、
    前記第一の固体高分子電解質および前記第二の固体高分子電解質が、いずれも、プロトン酸基を含むことを特徴とする燃料電池。
  11. 請求項1乃至10いずれかに記載の燃料電池において、
    前記第一の固体高分子電解質は、フッ素を含有する高分子からなることを特徴とする燃料電池。
  12. 請求項1乃至11いずれかに記載の燃料電池において、
    前記第二の固体高分子電解質は、フッ素を含まない高分子からなることを特徴とする燃料電池。
  13. 請求項1乃至12いずれかに記載の燃料電池において、
    前記第二の固体高分子電解質は、芳香族を含有する高分子からなることを特徴とする燃料電池。
  14. 触媒物質と、第一の固体高分子電解質と、該第一の固体高分子電解質とは異なる高分子からなる第二の固体高分子電解質とを含む触媒層を備えることを特徴とする燃料電池用電極。
  15. 請求項14に記載の燃料電池用電極において、
    多孔質基材をさらに含み、
    前記触媒層は、該多孔質基材に接して形成されたことを特徴とする燃料電池用電極。
  16. 請求項15に記載の燃料電池用電極において、
    前記触媒層の前記多孔質基材に接する面における前記第二の固体高分子電解質の含有率が、当該多孔質基材と接する面とは反対の面における前記第二の固体高分子電解質の含有率よりも低いことを特徴とする燃料電池用電極。
  17. 請求項15または16に記載の燃料電池用電極において、前記触媒層の前記多孔質基材に接する面における前記触媒物質の含有率が、当該多孔質基材と接する面とは反対の面における前記触媒物質の含有率よりも高いことを特徴とする燃料電池用電極。
  18. 請求項14乃至17いずれかに記載の燃料電池用電極において、前記第二の固体高分子電解質は、前記第一の固体高分子電解質よりもメタノール透過性が低いことを特徴とする燃料電池用電極。
  19. 請求項14または18いずれかに記載の燃料電池用電極において、前記第二の固体高分子電解質は、前記第一の固体高分子電解質よりも含水率が低いことを特徴とする燃料電池用電極。
  20. 請求項14乃至19いずれかに記載の燃料電池用電極において、前記第一の固体高分子電解質および前記第二の固体高分子電解質が、いずれも、プロトン酸基を含むことを特徴とする燃料電池用電極。
  21. 請求項14乃至20いずれかに記載の燃料電池用電極において、前記第一の固体高分子電解質は、フッ素を含有する高分子からなることを特徴とする燃料電池用電極。
  22. 請求項14乃至21いずれかに記載の燃料電池用電極において、前記第二の固体高分子電解質は、フッ素を含まない高分子からなることを特徴とする燃料電池用電極。
  23. 請求項14乃至22いずれかに記載の燃料電池用電極において、前記第二の固体高分子電解質は、芳香族を含有する高分子からなることを特徴とする燃料電池用電極。
  24. 基体上に触媒層が設けられた燃料電池用電極の製造方法であって、
    触媒金属を担持した導電粒子と、第一の固体高分子電解質を含む粒子と、前記第一の固体高分子電解質とは異なる高分子からなる第二の固体高分子電解質を含む粒子とを含有する塗布液を基体上に塗布して前記触媒層を形成する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  25. 請求項24に記載の燃料電池用電極の製造方法において、前記触媒層を形成する工程は、前記第二の固体高分子電解質を含む粒子の含有率の異なる複数の塗布液を塗布する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  26. 請求項24または25に記載の燃料電池用電極の製造方法において、
    前記触媒層を形成する工程は、前記触媒金属を担持した導電粒子の含有率の異なる複数の塗布液を塗布する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  27. 請求項24乃至26いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法において、
    前記第二の固体高分子電解質は、前記第一の固体高分子電解質よりもメタノール透過性が低いことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  28. 請求項24乃至27いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法において、
    前記第二の固体高分子電解質は、前記第一の固体高分子電解質よりも含水率が低いことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  29. 請求項24乃至28いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法において、
    前記第一の固体高分子電解質および前記第二の固体高分子電解質が、いずれも、プロトン酸基を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  30. 請求項24乃至29いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法において、
    前記第一の固体高分子電解質は、フッ素を含有する高分子からなることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  31. 請求項24乃至30いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法において、
    前記第二の固体高分子電解質は、フッ素を含まない高分子からなることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  32. 請求項24乃至31いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法において、
    前記第二の固体高分子電解質は、芳香族を含有する高分子からなることを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  33. 請求項24乃至32いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法によって触媒電極を得た後、前記触媒層と固体高分子電解質膜とを当接させた状態で前記触媒電極と固体高分子電解質膜とを熱圧着する工程を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
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