JP2003323896A - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents

固体電解質型燃料電池

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JP2003323896A
JP2003323896A JP2002127663A JP2002127663A JP2003323896A JP 2003323896 A JP2003323896 A JP 2003323896A JP 2002127663 A JP2002127663 A JP 2002127663A JP 2002127663 A JP2002127663 A JP 2002127663A JP 2003323896 A JP2003323896 A JP 2003323896A
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cycloparaffins
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JP2002127663A
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Sadanori Kuroshima
貞則 黒島
Tsutomu Yoshitake
務 吉武
Arata Nakamura
新 中村
Yuichi Shimakawa
祐一 島川
Takashi Masako
隆志 眞子
Hidekazu Kimura
英和 木村
Hideto Imai
英人 今井
Yoshimi Kubo
佳実 久保
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料のクロスオーバーを抑制するとともに電
極反応によるガスの発生を防止し、電池電圧が高くエネ
ルギー密度の高い固体電解質型燃料電池を提供する。 【解決手段】 固体電解質膜114と、固体電解質膜1
14の両面にそれぞれ配置された燃料極102および酸
化剤極108を備えた燃料電池において、燃料極102
にシクロパラフィン類を含む有機液体燃料124が供給
される構成とする。燃料極102は、シクロパラフィン
類の酸化反応を促す触媒、たとえば、ニッケル−白金合
金触媒等を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型燃料
電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池は、パーフルオロ
スルフォン酸膜等の固体電解質膜を電解質とし、この膜
の両面に燃料極および酸化剤極を接合して構成され、負
極に水素やメタノール、正極に酸素を供給して電気化学
反応により発電する装置である。各電極で生じる電気化
学反応は、負極では、メタノールを用いた場合、 CHOH+HO→6H+CO+6e− [1] であり、また、正極では、 3/2O+6H+6e−→3HO [2] である。この反応を起こすために両電極は触媒物質が担
持された炭素微粒子と固体高分子電解質との混合体より
構成されている。
【0003】この構成において燃料としてメタノールを
用いた場合、負極に供給されたメタノールは、電極中の
細孔を通過して触媒に達し、触媒によりメタノールが分
解されて、上記反応式[1]の反応で電子と水素イオン
が生成される。水素イオンは電極中の電解質及び両電極
間の固体電解質膜を通って正極に達し、正極に供給され
た酸素と外部回路より流れ込む電子と反応して上記反応
式[2]のように水を生じる。一方、メタノールより放
出された電子は電極中の触媒担体を通って外部回路へ導
き出され、外部回路より正極に流れ込む。この結果、外
部回路では負極から正極へ向かって電子が流れ電力が取
り出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】負極で発生した水素イ
オンは電解質膜中を水分子とともに正極に向かって進ん
でいく。この時、燃料であるメタノールも負極から正極
へと進む。この現象はメタノールクロスオーバーとよば
れ、メタノールを燃料とした場合に起きる出力電圧低下
の原因となる。メタノールクロスオーバーはメタノール
濃度が高くなるほど顕著になるので、ダイレクトメタノ
ール型燃料電池において高濃度のメタノール燃料を使う
ことは困難であった。このため、本来、ダイレクトメタ
ノール型燃料電池で期待されている高いエネルギー密度
を実現することは、従来技術では難しかった。くわえ
て、従来のダイレクトメタノール型燃料電池において
は、上記反応式[1]で生成した二酸化炭素が負極電極
中の細孔に溜まり燃料の供給を阻害するため、発電効率
が低下したり、二酸炭素の排出の措置が必要となってい
た。
【0005】上記事情に鑑み、本発明は、燃料のクロス
オーバーを抑制するとともに電極反応によるガスの発生
を防止し、電池電圧が高くエネルギー密度の高い固体電
解質型燃料電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、固体電
解質膜と、該固体電解質膜に配設された燃料極および酸
化剤極を備え、前記燃料極にシクロパラフィン類を含む
有機液体燃料が供給され、前記燃料極は、前記シクロパ
ラフィン類の酸化反応を促す触媒を含むことを特徴とす
る燃料電池が提供される。
【0007】本発明に係る燃料電池はシクロパラフィン
類を燃料とするため、固体電解質膜中のクロスオーバー
を抑制することができ、この結果、酸化剤極への燃料の
漏洩も防ぐとともに酸化剤極での燃料の分解が抑制され
るため、電池電圧の低下を効果的に抑えることができ
る。
【0008】液体燃料のダイレクト供給型の燃料電池は
長時間駆動できる携帯機器への応用が考えられ燃料密度
も高くできることから非常に有望視されている。しか
し、メタノールを燃料とした場合ではクロスオーバーに
よる出力低下が問題となっていた。本発明によれば、こ
うしたクロスオーバーの問題が解決されるため、液体燃
料ダイレクト供給型のもつ高燃料密度の利点を生かし高
出力の燃料電池が提供される。
【0009】また本発明によれば、固体電解質膜と、該
固体電解質膜に配設された燃料極および酸化剤極を備え
る燃料電池の使用方法であって、前記燃料極にシクロパ
ラフィン類を含む有機液体燃料が供給することを特徴と
する燃料電池の使用方法が提供される。ここで上記燃料
極は、シクロパラフィン類の酸化反応を促す触媒を含む
ものとする。この燃料電池の使用方法によれば、固体電
解質膜中のクロスオーバーを抑制することができ、この
結果、酸化剤極への燃料の漏洩も防ぐとともに酸化剤極
での燃料の分解が抑制されるため、電池電圧の低下を効
果的に抑えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、固体電解質型燃料電池
において、シクロパラフィン類を燃料とする。シクロパ
ラフィン類は、シクロパラフィンおよびその置換体をい
い、芳香族化合物を以外のものが用いられる。
【0011】シクロパラフィン類は環状炭化水素で炭素
間は炭素の一重結合からなり、触媒の存在下で容易に水
素を放出し、芳香族炭化水素へと変化する。ここで生成
された芳香族炭化水素は非常に安定でその後の反応は進
行しない。芳香族炭化水素は水素添加処理により容易に
シクロパラフィン類への転化ができ燃料の再利用も可能
となる。
【0012】たとえばシクロヘキサノールを燃料とした
場合の反応は、燃料極では、 C11OH →COH+6H+6e− [3] であり、酸化剤極では、反応式[2]と同様に酸素との
反応で水が生成される。この反応式[3]のようにシク
ロパラフィン類の水素部分のみが反応し、水酸基は反応
に寄与しないため他のシクロパラフィン類を燃料とした
場合でも同様の反応が可能である。
【0013】シクロパラフィン類を燃料とした固体電解
質型燃料電池では、燃料極の触媒物質によって、燃料で
あるシクロパラフィン類から、水素イオン、電子、芳香
族炭化水素が生成される。電子は、燃料極の触媒担体を
伝って外部回路へと導き出される。芳香族炭化水素はそ
の後の反応に寄与せず燃料タンク内で貯蔵される。水素
イオンは、水分子とともに燃料極から固体電解質膜へと
導かれ、酸化剤極にて電極上の触媒によって酸素と反応
し、水分子へと変化する。
【0014】ここで、メタノールを燃料とした場合は、
この水素イオンと水分子の移動の際に燃料であるメタノ
ールも同時に固体電解質膜を透過するが、シクロパラフ
ィン類を燃料として用いた場合は、比較的透過が起こり
にくい。これは、シクロパラフィン類の方がメタノール
に比べて分子サイズが大きいことによる。さらに、シク
ロパラフィン類の種類によっては液体燃料中で凝集する
ため、固体電解質膜中の透過がより起こりにくくなる。
【0015】以上のように、シクロパラフィン類を燃料
として用いることにより、固体電解質膜中のクロスオー
バーを抑制することができ、この結果、酸化剤極への燃
料の漏洩も防ぐとともに酸化剤極での燃料の分解が抑制
されるため、電池電圧の低下を抑えることができる。
【0016】また、反応式[1]と反応式[3]を比べ
ると、メタノールを燃料とした場合には、メタノール1
分子に対して、水1分子が必要であり、用いることの出
来る最大の燃料の混合比は50mol−%であるが、シ
クロパラフィンを燃料とした場合には、反応に寄与する
水が不要であるため、100%のシクロパラフィンを用
いることができ、エネルギー密度を向上させることが可
能となる。
【0017】本発明におけるシクロパラフィン類は、親
水基を有する化合物とすることができる。このようにす
れば、適度な親水性が得られ、水に対する分散性または
溶解性が向上する。この結果、水を含む液体燃料として
好適に利用でき、燃料の利用効率が向上する。親水基と
しては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基
等が例示される。このうち水酸基を有するものは、適度
な親水性が得られ好ましい。本発明におけるシクロパラ
フィン類は、たとえば、シクロヘキサンまたはその1置
換体または2置換体とすることができる。こうすること
によって、クロスオーバーがより確実に抑制されるとと
もに電池のエネルギー密度を一層向上させることができ
る。こうしたシクロパラフィン類の具体例として、シク
ロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサンジオ
ール等を挙げることができる。これらの化合物を用いる
ことにより、クロスオーバーがより確実に抑制されると
ともに電池のエネルギー密度を一層向上させることがで
きる。
【0018】本発明の燃料電池は、燃料極、酸化剤極、
および前記燃料極と前記酸化剤極とで挟持された固体電
解質膜を含む構成とすることができる。図1は本実施形
態の燃料電池の構造を模式的に表した断面図である。電
極−電解質接合体101は、燃料極102、酸化剤極1
08および固体高分子電解質膜114から構成される。
燃料極102は基体104および触媒層106から構成
される。酸化剤極108は基体110および触媒層11
2から構成される。
【0019】上記複数の電極−電解質接合体101が、
燃料極102側セパレータ120および酸化剤極108
側セパレータ122を介して電気的に接続され、燃料電
池100が製造される。
【0020】以上のように構成された燃料電池100に
おいて、各電極−電解質接合体101の燃料極102に
は、燃料極102側セパレータ120を介してシクロパ
ラフィン類を含む液体の燃料124が供給される。ま
た、各電極−電解質接合体の酸化剤極108には、酸化
剤極108側セパレータ122を介して空気あるいは酸
素などの酸化剤126が供給される。
【0021】固体高分子電解質膜114は、燃料極10
2と酸化剤極108とを隔てるとともに、両者の間で水
素イオンを移動させる役割を有する。このため、固体高
分子電解質膜114は、水素イオンの導電性が高いこと
が好ましい。また、化学的に安定であって機械的強度が
高いことが好ましい。固体高分子電解質膜114を構成
する材料としては、スルホン基、リン酸基、ホスホン
基、ホスフィン基などの強酸基や、カルボキシル基など
の弱酸基などの極性基を有する有機高分子が好ましく用
いられる。こうした有機高分子として、スルフォン化ポ
リ(4-フェノキシベンゾイル-1,4-フェニレン)、アル
キルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールなどの芳香族
含有高分子;ポリスチレンスルホン酸共重合体、ポリビ
ニルスルホン酸共重合体、架橋アルキルスルホン酸誘導
体、フッ素樹脂骨格およびスルホン酸からなるフッ素含
有高分子などの共重合体;アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルフォン酸のようなアクリルアミド類とn−
ブチルメタクリレートのようなアクリレート類とを共重
合させて得られる共重合体;スルホン基含有パーフルオ
ロカーボン(ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、
アシプレックス(旭化成社製));カルボキシル基含有
パーフルオロカーボン(フレミオン(登録商標)S膜
(旭硝子社製));などが例示される。このうち、スル
フォン化ポリ(4-フェノキシベンゾイル-1,4-フェニレ
ン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾールな
どの芳香族含有高分子を選択した場合、有機液体燃料の
透過を抑制でき、クロスオーバーによる電池効率の低下
を抑えることができる。
【0022】図2は燃料極102、酸化剤極108およ
び固体高分子電解質膜114を模式的に表した断面図で
ある。図のように、燃料極102および酸化剤極108
は、たとえば、触媒を担持した炭素粒子と固体高分子電
解質の微粒子とを含む膜である触媒層106および触媒
層112を基体104および基体110上に形成した構
成とすることができる。基体表面は撥水処理してもよ
い。図3は図2の燃料電池の燃料極102および固体高
分子電解質膜114を模式的に示した図である。図示し
たように、本実施例の燃料極102の触媒層は固体高分
子電解質粒子150と、触媒(不図示)を担持した炭素
粒子140からなっている。
【0023】基体104および基体110としては、燃
料極102、酸化剤極108ともにカーボンペーパー、
カーボンの成形体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡
金属などの多孔性基体を用いることができる。また、基
体の撥水処理にはポリテトラフルオロエチレンなどの撥
水剤を用いることができる。
【0024】燃料極102の触媒としては、液体燃料に
含まれるシクロパラフィン類の酸化反応を促すものであ
れば種々のものを用いることができる。たとえば、白
金、白金とルテニウム、金、レニウムなどとの合金、ロ
ジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニ
ウム、レニウム、金、銀、ニッケル、コバルト、リチウ
ム、ランタン、ストロンチウム、イットリウムなどが例
示される。このうち、 (i)鉄、ニッケル、コバルト、銅のうち少なくとも一種
を含む合金またはその酸化物 (ii)(a)鉄、ニッケル、コバルト、銅のうち少なくと
も一種と、(b)白金、金、ルテニウム、パラジウム、
ロジウム、イリジウム、オスミウム、レニウムのうち少
なくとも一種と、の合金またはその酸化物 が好ましく用いられる。このような触媒を用いることに
より、シクロパラフィン類を効率的に酸化することがで
きる。
【0025】一方、酸化剤極108の触媒としては、燃
料極の触媒と同様のものが用いることができ、上記例示
物質を使用することができる。なお、燃料極102およ
び酸化剤極108の触媒は同じものを用いても異なるも
のを用いてもよい。
【0026】ここで、上記触媒は、炭素粒子等導電粒子
に担持した形態とすることができる。触媒を担持する炭
素粒子としては、アセチレンブラック(デンカブラック
(登録商標、電気化学工業社製)、XC72(Vulcan社
製)など)、ケッチェンブラック、カーボンナノチュー
ブ、カーボンナノホーンなどが例示される。炭素粒子の
粒径は、たとえば、0.01〜0.1μm、好ましくは
0.02〜0.06μmとする。
【0027】図1において、燃料極102または酸化剤
極108を構成する固体電解質は、電極表面において、
触媒を担持した炭素粒子と固体電解質膜114を電気的
に接続するとともに触媒表面に有機液体燃料を到達させ
る役割を有しており、プロトン伝導性や水移動性が要求
され、さらに、燃料極102においてはメタノール等の
有機液体燃料透過性が求められ、酸化剤極108におい
ては酸素透過性が求められる。固体電解質はこうした要
求を満たすためのものであり、プロトン伝導性や、メタ
ノール等の有機液体燃料透過性に優れる材料が好ましく
用いられる。具体的には、スルホン基、リン酸基などの
強酸基や、カルボキシル基などの弱酸基などの極性基を
有する有機高分子が好ましく用いられる。こうした有機
高分子として、スルホン基含有パーフルオロカーボン
(ナフィオン(デュポン社製)、アシプレックス(旭化
成社製)など);カルボキシル基含有パーフルオロカー
ボン(フレミオンS膜(旭硝子社製)など);ポリスチ
レンスルホン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸共重合
体、架橋アルキルスルホン酸誘導体、フッ素樹脂骨格お
よびスルホン酸からなるフッ素含有高分子などの共重合
体;アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸
のようなアクリルアミド類とn−ブチルメタクリレート
のようなアクリレート類とを共重合させて得られる共重
合体;などが例示される。
【0028】また、極性基の結合する対象の高分子とし
ては他に、ポリベンズイミダゾール誘導体、ポリベンズ
オキサゾール誘導体、ポリエチレンイミン架橋体、ポリ
サイラミン誘導体、ポリジエチルアミノエチルポリスチ
レン等のアミン置換ポリスチレン、ジエチルアミノエチ
ルポリメタクリレート等の窒素置換ポリアクリレート等
の窒素または水酸基を有する樹脂;シラノール含有ポリ
シロキサン、ヒドロキシエチルポリメチルアクリレート
に代表される水酸基含有ポリアクリル樹脂;パラヒドロ
キシポリスチレンに代表される水酸基含有ポリスチレン
樹脂;などを用いることもできる。
【0029】また、上記した高分子に対して、適宜、架
橋性の置換基、例えば、ビニル基、エポキシ基、アクリ
ル基、メタクリル基、シンナモイル基、メチロール基、
アジド基、ナフトキノンジアジド基を導入してもよい。
【0030】ここで、クロスオーバー抑制の観点から
は、固体電解質膜114、燃料極102、酸化剤極10
8中の固体電解質を、いずれも、有機液体燃料の透過性
の低い材料を用いることが好ましい。たとえば、スルフ
ォン化ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェ
ニレン)、アルキルスルフォン化ポリベンゾイミダゾー
ルなどの芳香族縮合系高分子により構成することが好ま
しい。
【0031】本発明に係る燃料電池の燃料としては、液
体有機燃料や水素含有ガスを用いることができる。この
うち、液体有機燃料を用いる構成とした場合、液体燃料
のクロスオーバーを抑制しつつ電池効率の向上を図るこ
とができ、本発明の効果がより顕著に発揮される。
【0032】燃料電池100の作製方法には特に制限が
ないが、たとえば以下のようにして作製することができ
る。
【0033】まず固体電解質膜114は、用いる材料に
応じて適宜な方法を採用して作製することができる。た
とえば固体電解質膜114を有機高分子材料で構成する
場合、有機高分子材料を溶媒に溶解ないし分散した液体
を、ポリテトラフルオロエチレン等の剥離性シート等の
上にキャストして乾燥させることにより得ることができ
る。
【0034】燃料極102および酸化剤極108の触媒
の炭素粒子への担持は、一般的に用いられている含浸法
によって行うことができる。次に触媒を担持させた炭素
粒子と固体電解質を溶媒に分散させ、ペースト状とした
後、これを基体に塗布、乾燥させることによって燃料極
102および酸化剤極108を得ることができる。ここ
で、炭素粒子の粒径は、たとえば0.01〜0.1μm
とする。触媒粒子の粒径は、たとえば1nm〜10nm
とする。また、固体電解質粒子の粒径は、たとえば0.
05〜1μmとする。炭素粒子と固体電解質粒子とは、
たとえば、重量比で2:1〜40:1の範囲で用いられ
る。また、ペースト中の水と溶質との重量比は、たとえ
ば、1:2〜10:1程度とする。基体へのペーストの
塗布方法については特に制限がないが、たとえば、刷毛
塗り、スプレー塗布、およびスクリーン印刷等の方法を
用いることができる。ペーストは、約1μm〜2mmの
厚さで塗布される。ペーストを塗布した後、使用するフ
ッ素樹脂に応じた加熱温度および加熱時間で加熱し、燃
料極102または酸化剤極108が作製される。加熱温
度および加熱時間は、用いる材料によって適宜に選択さ
れる。たとえば、加熱温度100℃〜250℃、加熱時
間30秒間〜30分とすることができる。
【0035】以上のようにして作製した固体電解質膜1
14を、上記燃料極102の触媒層106と上記酸化剤
極108の触媒層112とで挟み、ホットプレスし、触
媒電極−固体電解質膜接合体101を得る。ホットプレ
スの条件は、材料に応じて選択されるが、固体電解質膜
114や触媒電極表面の固体電解質を軟化点やガラス転
移のある有機高分子で構成する場合、これらの高分子の
軟化温度やガラス転移温度を超える温度とすることがで
きる。具体的には、例えば、温度100〜250℃、圧
力1〜100kg/cm、時間10秒〜300秒とす
る。
【0036】
【実施例】以下に本発明の固体電解質型燃料電池を実施
例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されない。
【0037】〔実施例1〕ニッケル-白金合金を担持し
た炭素微粉末(ケッチェンブラック)100mgに重量
比で2倍の5%ナフィオン溶液(アルドリッチ社製)を
加え、超音波混合器で50℃、3時間攪拌することによ
り、触媒ペーストを作製した。触媒の合金組成は30a
tmニッケル(触媒全体に対するニッケル含有率が原子
数基準で30%)で、合金と炭素微粉末との重量比は
1:1とした。
【0038】得られた触媒ペーストを、カーボンペーパ
ー(TPG−H−120;東レ社製)上に2mg/cm
塗布し、120℃で乾燥させて触媒電極とした。この
電極を高分子電解質膜(ナフィオン117;デュポン社
製)の両面にそれぞれ配置した状態で120℃でホット
プレスし、得られた触媒電極−固体高分子電解質膜接合
体を燃料電池セルとした。
【0039】この燃料電池セルの電池特性を、10%シ
クロヘキサノール懸濁液と酸素ガスを燃料としてそれぞ
れ2cc/min、30cc/min供給し、測定した
ところ、開放電圧が0.83Vであった。ここで、シク
ロヘキサノール懸濁液は超音波分散により作製した。一
方、10%シクロヘキサノール懸濁液に替えて、10%
メタノール水溶液を燃料とした場合の開放電圧は0.6
4Vであった以上のことから、シクロヘキサノールを燃
料とすることにより電池の性能が向上することが明らか
になった。
【0040】また、燃料中のアルコール濃度を50%に
したところ、メタノール水溶液では、クロスオーバーに
より開放電圧が0.53Vへと低下したが、シクロヘキ
サノール懸濁液を用いた場合は開放電圧に変化が見られ
ず、シクロヘキサノール懸濁液を用いることによりクロ
スオーバーが抑制されることが確認された。
【0041】次に、電流密度100mA/cm時の電
池電圧を測定したところ、燃料に10%シクロヘキサノ
ール懸濁液を用いた場合の電池電圧は0.61Vであ
り、10%メタノール水溶液を燃料とした場合の電池電
圧0.3Vと比べて著しい電池特性の向上が認められ
た。シクロヘキサン懸濁液を用いた場合の電池特性は1
2時間経過後も変化が見られなかった。
【0042】シクロヘキサノールの水への溶解度は3.
6w/w%(25℃)であり、前記の濃度では超音波分
散させても懸濁状態であるが、アセトニトリル等の溶媒
をわずかに混合し、溶液状態として用いても良い。本実
施例において、10%シクロヘキサノール懸濁液90m
lに10mlのアセトニトリルを加えたところ溶液状態
になった。これを前記電池の燃料として用いたところ、
電池の出力に変化は見られなかった。
【0043】〔実施例2〕ニッケル酸化物を担持した炭
素微粉末(ケッチェンブラック)100mgに重量比で
2倍のアルドリッチ社製5%ナフィオン溶液を加え、超
音波混合器で50℃、3時間攪拌することにより、触媒
ペーストを作製した。上で、ニッケル酸化物と炭素微粉
末との重量比は1:1とした。上で得られた触媒ペース
トを、カーボンペーパー(TPG−H−120;東レ社
製)上に2mg/cm塗布し、120℃で乾燥させて
触媒電極とした。この電極を固体高分子電解質膜(ナフ
ィオン117;デュポン社製)の両面に120℃でホッ
トプレスし、得られた触媒電極−固体高分子電解質膜接
合体を燃料電池セルとした。
【0044】上の燃料電池セルに50%シクロヘキサン
2―カルボン酸水溶液と酸素をそれぞれ2cc/mi
n、30cc/min供給し、電池特性を測定したとこ
ろ、電流密度100mA/cm時の電池電圧が0.5
7Vであった。従って本発明の燃料電池の燃料としてシ
クロヘキサン2−カルボン酸を用いた場合にも、高い電
池特性を発揮することが確認された。
【0045】上記実施例による燃料電池は、固体電解質
膜をほとんど透過しないシクロヘキサノールを用いてい
るため、メタノール燃料の場合よりも高い電圧の電池を
得ることができる。また、メタノール燃料を使用した場
合の様に、二酸化炭素の発生がないため、脱ガスの機構
が不要となり、燃料を密閉容器に充填できる。
【0046】上記の実施例1、2において、ニッケル以
外にも鉄、コバルト、銅単体、またはそれらの酸化物を
触媒として用いることが可能であった。また、貴金属類
単体または合金または合金の酸化物に変えることも可能
であった。これらの中で、ニッケルと白金の合金を用い
た場合に最も良好な電池特性を示した。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のシクロパラ
フィンを燃料とするため、燃料のクロスオーバーを抑制
することができ、燃料電池の電池特性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池の構造の一例を模式的に
表した断面図である。
【図2】本発明に係る燃料電池の一例における燃料極、
酸化剤極および固体高分子電解質膜を模式的に表した断
面図である。
【図3】本発明に係る燃料電池における燃料極と固体高
分子電解質膜の構造を模式的に示した図である。
【符号の説明】
100 燃料電池 101 電極−電解質接合体 102 燃料極 104 基体 106 触媒層 108 酸化剤極 110 基体 112 触媒層 114 固体高分子電解質膜 120 燃料極側セパレータ 122 酸化剤極側セパレータ 124 燃料 126 酸化剤 140 触媒を担持した炭素粒子 150 固体高分子電解質粒子
フロントページの続き (72)発明者 中村 新 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 島川 祐一 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 眞子 隆志 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 木村 英和 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 今井 英人 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 久保 佳実 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA07 AS02 BB03 BB08 BB12 BB17 DD06 DD08 EE02 EE03 EE08 EE10 EE12 EE17 EE18 5H026 AA08 BB10 CX05 EE02 EE08 EE12 5H027 AA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質膜と、該固体電解質膜に配設
    された燃料極および酸化剤極を備え、 前記燃料極にシクロパラフィン類を含む有機液体燃料が
    供給され、 前記燃料極は、前記シクロパラフィン類の酸化反応を促
    す触媒を含むことを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料電池において、前
    記シクロパラフィン類が、親水基を有することを特徴と
    する燃料電池。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の燃料電池において、前
    記親水基が水酸基またはカルボキシル基であることを特
    徴とする燃料電池。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれかに記載の燃料電
    池において、前記シクロパラフィン類が、シクロヘキサ
    ンまたはその1置換体または2置換体であることを特徴
    とする燃料電池。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の燃料電池において、前
    記シクロパラフィン類が、シクロヘキサン、シクロヘキ
    サノールまたはシクロヘキサンジオールであることを特
    徴とする燃料電池。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5いずれかに記載の燃料電
    池において、前記触媒が、鉄、ニッケル、コバルト、銅
    のうち少なくとも一種を含む合金またはその酸化物を含
    有することを特徴とする燃料電池。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5いずれかに記載の燃料電
    池において、前記触媒が、(a)鉄、ニッケル、コバル
    ト、銅のうち少なくとも一種と、(b)白金、金、ルテ
    ニウム、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウ
    ム、レニウムのうち少なくとも一種との合金またはその
    酸化物を含有することを特徴とする燃料電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005150002A (ja) * 2003-11-19 2005-06-09 Konica Minolta Holdings Inc 燃料電池
US7749625B2 (en) 2003-12-18 2010-07-06 Kurita Water Industries Ltd. Fuel for fuel cell, fuel cell and application thereof
US9203093B2 (en) 2011-03-21 2015-12-01 Hyundai Motor Company Fuel cell electrode
JP2018056033A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 ダイハツ工業株式会社 燃料電池システム

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