JP2004006233A - 管球用口金、管球および照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】口金のトップ部の接続の際、はんだの量を削減できる管球用口金を提供する。
【解決手段】口金シェル1と口金シェル1の先端に固着したアイレット金具支持絶縁体2と口金シェル1と絶縁関係を形成しながらアイレット金具支持絶縁体2に固着したアイレット金具3とからなる管球用口金において、アイレット金具3の端板部3a導入線挿入穴から少なくとも一方方向の延出させて形成した。
【選択図】図1
【解決手段】口金シェル1と口金シェル1の先端に固着したアイレット金具支持絶縁体2と口金シェル1と絶縁関係を形成しながらアイレット金具支持絶縁体2に固着したアイレット金具3とからなる管球用口金において、アイレット金具3の端板部3a導入線挿入穴から少なくとも一方方向の延出させて形成した。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管球のトップ導入線をアイレット金具にはんだ溶接にて固定するのに好適な管球用口金、この口金を備えた管球及び照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、管球のトップ導入線をアイレット金具にはんだ付けする方法としては、特開平5−129007号公報に記載されたものが出願されている。この公報には、ランプ口金トップ部に引き出された導入線を導入線の軸先方向に対して斜めに延びる面に沿って切断し、この切断された面を含む導入線の先端部をアイレットの頂部に沿って曲げ、導入線を覆う様にしてアイレット頂部の全体をはんだで覆うように固定したランプの口金構造および口金製造方法(従来例1)が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−129007号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近時、管球用口金のアイレット金具にトップワイヤーを接合するに際して、環境有害物である鉛を含むはんだが問題となっている。
【0005】
このため、鉛を含まないはんだの開発も進んでいるが、はんだの量を減少させることが環境に対しても、コスト面でも優位であるため各種の検討が行なわれている。従来のように円形のアイレット金具の中心から導入線を引き出してアイレットに沿って曲げ導入線を覆うようにアイレット全体をはんだで覆うようにした場合であると、アイレットの中心からはんだがアイレット全体に広がってしまいはんだの量が多くなってしまっていた。
【0006】
本発明は、はんだの量を減少させることのできる管球用口金、これを用いた管球および照明装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の管球用口金は、口金シェルと;口金シェルの先端に固着したアイレット金具支持絶縁体と;導入線挿入穴部を形成し、口金シェルと絶縁関係を形成しながらアイレット金具支持絶縁体に固着され、導入線挿入穴から少なくとも一方方向に延出して形成されたアイレット金具と;を具備していることを特徴としている。
【0008】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0009】
口金シェルは、たとえばアルミニウム、黄銅や銅などの導電性金属を筒状に成形してなり、管球本体に口金を装着する際に、管球本体に口金セメントや機械的加締めなどにより支持される部分を構成する。
【0010】
また、口金シェルは、管球用ソケットに装着される部分を構成している。管球用ソケットに装着するには、ねじ込み式および差し込み式のいずれであってもよい。ねじ込み式の場合には、口金シェルの周面にねじ込み溝が形成される。さらに、口金シェルは、管球本体から導出された導入線に圧接、溶接または蝋接などにより接続して、導電接触片の一方を構成する。
【0011】
アイレット金具支持絶縁体は、後述するアイレット金具を口金シェルに絶縁関係を保持しながら機械的に一体化させるために機能する部分である。
【0012】
また、アイレット金具支持絶縁体は、ガラスやセラミックスなどにより形成することができる。アイレット金具支持絶縁体がガラスからなる場合には、ガラスを加熱溶融下で成形しながら口金シェルおよびアイレット金具に溶着させることができる。セラミックスからなる場合には、予め焼結によりアイレット金具支持絶縁体を成形してから、アイレット金具をかしめて固着しさらに先端に口金シェルを加締めることによって口金を組み立てることができる。
【0013】
アイレット金具は、たとえば黄銅や銅などの導電性金属板を浅皿状や板状の細長い端板部を成形してなり、その面に導入線挿入用の穴部を形成し、アイレット金具絶縁支持体の頂部を覆うように接続される。そして管球本体から導出された導入線のトップワイヤーを導入線挿入用穴に相通させてアイレット金具と共にはんだ付けにて固定して電気接触片の他方を構成する。ここで、導入線挿入穴から少なくとも一方方向に延出して形成されたとは、導入線挿入穴を包囲してなる略長方形状、楕円形状、ひし形などの形状などを許容する。また、導入線挿入穴部の周囲を大きく形成して延出している部分を細長く形成したような古墳形、鍵穴形状、涙形などを許容する。また、円形であっても導入線挿入穴をアイレットの中心に設けるのではなく、偏心させた位置に設け導入線をアイレット側に折り曲げる構成も許容する。すなわち、従来のアイレット金具の面は円形を成していたが、その円形の面よりも小さな面積を有しながら、導入線を導入線挿入穴に貫通させたうえで導入線を折り曲げてアイレット金具と導入線をはんだによって固定しうるように、少なくとも導入線挿入穴から少なくとも一方方向に延出して形成するようにして、導入線が折り曲がる方向に伸びて形成されていればよいものである。
【0014】
導入線挿入穴は、アイレット金具に形成され、要すれば、はんだの不要な流れ込みを抑止するために導入線挿入穴周辺部に穴または突起を形成することも許容する。穴を設けることによって、口金を形成した際には、この穴からアイレット支持絶縁体が突出され、はんだの流れを抑制する効果を奏している。
【0015】
本発明によれば、アイレット金具を導入線穴から少なくとも一方方向に延出し形状に形成しているため、アイレット金具の表面積を削減し、アイレット金具と導入線をはんだによって固定する際に、はんだが広く流れるのを抑制できるためはんだの量を削減することができる。また、アイレット金具を細長く形成しているため、導入線を折り曲げた後にアイレット金具と導入線をはんだによって固定する場合には、導入線をアイレット金具の長手方向に折り曲げることによって、導入線とアイレット金具の接触面積を削減することなく固定できるため良好な電気伝導性を保持することができる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の管球用口金であって、アイレット金具は、アイレット金具に導入線挿入穴を通る溝部を有していることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、請求項1の作用に加えて、導入線を折り曲げアイレット金具の溝部に沿設させることによってはんだの量をさらに削減させることができる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の管球用口金であって、アイレット金具は、導入線挿入穴の周囲に複数の穴部を有していることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば請求項1または2の作用に加えて、導入線挿入穴の周囲に複数の穴部を設ける事によって、アイレットに凹凸が生じ、その凹凸によってはんだがそれらの複数の穴部よりも流れるのを抑制できる。さらに好ましくは、この複数の穴部を導入線が折り曲げられる側と反対側に設けることによって、導入線が折り曲げられる側とは反対側のはんだが不用に流れるのを抑制でき、また、導入線が折り曲げられる側にははんだが適切に流れ込む効果がある。
【0020】
請求項4の発明の管球は、端部に一対の導入線を有している管球本体と;請求項1ないし3のいずれか一記載の管球用口金と;管球本体の導入線をアイレット金具の導入線挿入穴部に挿通させた状態で固定するはんだと;を具備している。
【0021】
管球とは、機能部分に一対の導入線を有する発光管を備えているとともに、受電手段として口金を備えている物品を意味し、たとえば光源ランプ、点灯管、センサー管、整流管および受信管などを包括する概念である。なお、「機能部分に発光管を備えている」とは、機能部分の少なくとも一部が発光管によって構成されていることを意味する。また、発光管は1重管構造または外管内に発光管を収納した多重管構造であることを許容する。また、光源ランプにおいては、白熱電球、電球形蛍光ランプ、HIDランプなどを含む。
【0022】
はんだは、金属製の接合材であればよく、鉛−錫の合金のほか、錫−亜鉛、銅―錫、錫−銀−ビスマスなどの合金および金属単体のものを許容する。
【0023】
また、「管球本体」とは、管球から口金を除いた残余の部分をいう。したがって、管球本体は受電手段以外の全ての機能部分を備えている。
【0024】
本発明によれば、請求項1ないし3の効果を奏する管球を提供することができる。
【0025】
請求項5の発明の照明装置は、器具本体と;器具本体に収納される請求項4の管球と;を具備したことを特徴とする。
【0026】
器具本体とは、請求項4の管球の発光を利用するあらゆる装置を意味しており、たとえばダウンライト、投光器、道路・トンネルなど照明器具、街路灯などを含む。
【0027】
本発明によれば、請求項4の効果を奏する照明装置を提供することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態を図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態の管球の口金部分を示す斜視図、図2は口金のアイレット金具およびトップワイヤーはんだにて固定した状態を示す要部拡大断面図、図3は同じくその正面図である。
【0029】
口金シェル1は、表面にニッケル鍍金を施した黄銅からなり、筒状で、かつ周囲にねじ溝1aを備え、下端が開放し、上端が絞られて中央にアイレット金具支持絶縁体装着用開口が形成されている。
【0030】
アイレット金具支持絶縁体2は、ガラスまたはセラミックスからなり、下端部が口金シェル1の上端部内面に溶着して、中間部が口金シェル1の上端のアイレット金具支持絶縁体用開口から外部へ球面状に突出し、上端部が後述するアイレット金具3の内部に溶着していることによって、アイレット金具3を口金シェル1に絶縁関係を形成しながら固着している。
【0031】
アイレット金具3は、表面にニッケル鍍金を施した黄銅からなり、端板部3a、導入線挿入穴3bおよびフランジ部3cを備えている。端板部3aは、略長方形状をなしてフランジ部3cを介してアイレット金具支持絶縁体2の先端に固着される。導入線挿入穴3bは、端板部3aの中央に端板部3aの表面から凹み貫通して形成している。
管球本体の導入線4は、導入線挿入穴3bに挿入され、アイレット金具3の端板部3aの長手方向に沿って折り曲げている。その後、導入線4とアイレット金具3をはんだ5にて接続固定する。このときはんだ5は、アイレット金具3の端板部3aにのみ流れるので、はんだ5の量を従来の2/3にまで減少させることができる。
【0032】
図4は、口金のアイレット金具3の他の実施例を示す。(a)は、アイレット金具31の端板部31aの両長辺を円弧状に形成した例である。また、(b)は、アイレット金具32の端板部32aを楕円形状に形成した例である。また、(c)は、アイレット金具33の導入線挿入穴33bをアイレット金具33の中心よりもどちらか一方のフランジ33c側に配置させた例である。このように形成すると、アイレット金具33の長手方向に沿って折り曲げた導入線が長く形成できるため、導入線とアイレット金具33との接触面積を大きくでき電気的接続を強固にできる。(d)は、アイレット金具34の導入線挿入穴34bをアイレット金具34の中心になるように設けているが、アイレット金具34は、導入線挿入穴34bを包囲しアイレット金具34の長辺を中心から円周方向に向かってある一方方向に延出させて長方形状に配置させた例である。このように形成すると、アイレット金具の端板部の面積をより小さく形成できるためはんだの流れ込みを抑制しはんだの量をさらに削減できる。
【0033】
また、(e)は、アイレット金具35の端板部35aを導入線挿入穴35bの周囲を大きくし、ある一定方向に延出させている古墳形をなしている。(f)は、導入線挿入穴36bの周囲を大きくして、導入線挿入穴36bから2方向になるように延出させてアイレット金具36の端板部36aを形成している。このように、導入線挿入穴の周囲を大きく形成することによって、はんだは、導入線導入穴に多く堆積される。このことによって、導入線挿入穴での導入線とアイレットの電気接続を確実にし、信頼性の向上につなげることができる。また(g)は、導入線挿入穴37bから4方向になるように延出させてアイレット金具37の端板部37aを形成している。(h)は、導入線挿入穴38bから3方向になるように延出させてアイレット金具38の端板部38aを形成している。これらのように形成することによって、特別に導入線挿入穴の周囲を大きく円形状にしなくとも、導入線挿入穴にははんだがアイレット金具の角部分の表面張力によって集中される。よって、導入線挿入穴でのはんだでの接続を確実にすることができるものである。
【0034】
次に、図5を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。図5は、本実施形態のアイレット金具の斜視図である。
【0035】
本実施形態は、図1ないし3に示した第1の実施形態の口金のアイレット金具に、導入線挿入穴30bと連通して溝部30dが設けられている。この溝部30dは、本実施形態では導入線挿入穴30bから一方向のみに設けられているが、複数方向に設けてもよいが、細長く形成したアイレット30の長手方向に沿って形成するのが好ましい。
【0036】
本実施形態のように、アイレット金具30に溝部30dを設けることによって、導入線を導入線挿入穴に挿通させた後に導入線を折り曲げる際このアイレット金具に沿って折り曲げることができる。そうしてアイレット金具30の溝部30dに導入線を配設した後に導入線とアイレット金具30をはんだにて固定する際に、はんだは主にこの溝部に注入されるため、はんだの量を削減させることができるものである。
【0037】
次に、図6を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。図6は、本実施形態の口金のアイレット金具部分の正面図である。
【0038】
本実施形態は、図1ないし3に示した第1の実施形態の口金のアイレット金具39に、導入線挿入穴39bの周囲で導入線4が折り曲げられる側と反対側に3つの穴部39dが設けられている。
【0039】
本実施形態のように、アイレット金具39に複数の穴部39dを設けることによって、導入線4を導入線挿入穴39bに挿通させた後に導入線4を折り曲げ、はんだ付けをする際にアイレット金具39に設けた複数の穴部39dによってはんだが流れるのを抑制できる。このため、はんだの量を削減させることができるものである。また、このような場合であっても導入線4が折り曲がる方向に沿って溝部を設ける事も許容できる。
【0040】
次に、図7に本発明の管球の一実施形態として白熱電球Lを示す。白熱電球Lは、口金10に接続された電球本体6からなっている。電球本体6は、フィラメント61、口金と接続されるステム62、フィラメント61をステム62に支持するアンカ63をガラスバルブ64で覆って構成されている。また、ガラスバルブ64の内面には、シリカなどから構成される拡散防止膜などが形成されている。
【0041】
また、図8にこの白熱電球Lを用いた照明器具7を示す。照明器具7は、器具本体71に、白熱電球Lの口金に対応したソケット72、照明器具7を支持し白熱電球Lに給電する支持ワイヤー73および反射鏡74から形成されている。
【0042】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、アイレット金具を導入線挿入穴から少なくとも一方方向に延出させて形成することによって従来よりもアイレット金具の端板部の面積を削減することができ、導入線をはんだ付けした場合に、導入線とアイレット金具のはんだによる固定の際、はんだが大きく流れ出すことを抑制することが可能である。このため、はんだの量を大幅に削減することができるものである。
【0043】
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加えて、導入線挿入穴を通る溝部を設けているため、この溝部にて導入線とアイレット金具をはんだにて固着することが可能であるためさらにはんだの量を削減できる。
【0044】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の効果に加えて、導入線挿入穴の周囲に複数の穴部を設ける事によって、はんだがそれらの複数の穴部よりも流れるのを抑制することが可能であるためさらにはんだの量を削減できる。
【0045】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3いずれか1記載の効果を奏する管球を提供することができる。
【0046】
請求項5の発明によれば、請求項3の効果を奏する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管球用口金の第1実施形態を示す斜視図。
【図2】同じく要部拡大断面図。
【図3】同じく要部拡大正面図。
【図4】同じく他の実施例をしめす正面図
【図5】本発明の管球用口金の第2実施形態を示すアイレット金具の斜視図
【図6】本発明の管球用口金の第2実施形態を示すアイレット金具の拡大正面図
【図7】本発明の管球の一実施形態示す一部断面正面図
【図8】本発明の照明装置の一実施形態示す照明器具の正面図
【符号の説明】
1…口金シェル、 1a…ねじ溝、 2…アイレット金具支持絶縁体、 3…アイレット金具、 3a…端板部、 3b…導入線挿入穴、 4…導入線、 5…はんだ
【発明の属する技術分野】本発明は、管球のトップ導入線をアイレット金具にはんだ溶接にて固定するのに好適な管球用口金、この口金を備えた管球及び照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、管球のトップ導入線をアイレット金具にはんだ付けする方法としては、特開平5−129007号公報に記載されたものが出願されている。この公報には、ランプ口金トップ部に引き出された導入線を導入線の軸先方向に対して斜めに延びる面に沿って切断し、この切断された面を含む導入線の先端部をアイレットの頂部に沿って曲げ、導入線を覆う様にしてアイレット頂部の全体をはんだで覆うように固定したランプの口金構造および口金製造方法(従来例1)が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−129007号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近時、管球用口金のアイレット金具にトップワイヤーを接合するに際して、環境有害物である鉛を含むはんだが問題となっている。
【0005】
このため、鉛を含まないはんだの開発も進んでいるが、はんだの量を減少させることが環境に対しても、コスト面でも優位であるため各種の検討が行なわれている。従来のように円形のアイレット金具の中心から導入線を引き出してアイレットに沿って曲げ導入線を覆うようにアイレット全体をはんだで覆うようにした場合であると、アイレットの中心からはんだがアイレット全体に広がってしまいはんだの量が多くなってしまっていた。
【0006】
本発明は、はんだの量を減少させることのできる管球用口金、これを用いた管球および照明装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の管球用口金は、口金シェルと;口金シェルの先端に固着したアイレット金具支持絶縁体と;導入線挿入穴部を形成し、口金シェルと絶縁関係を形成しながらアイレット金具支持絶縁体に固着され、導入線挿入穴から少なくとも一方方向に延出して形成されたアイレット金具と;を具備していることを特徴としている。
【0008】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0009】
口金シェルは、たとえばアルミニウム、黄銅や銅などの導電性金属を筒状に成形してなり、管球本体に口金を装着する際に、管球本体に口金セメントや機械的加締めなどにより支持される部分を構成する。
【0010】
また、口金シェルは、管球用ソケットに装着される部分を構成している。管球用ソケットに装着するには、ねじ込み式および差し込み式のいずれであってもよい。ねじ込み式の場合には、口金シェルの周面にねじ込み溝が形成される。さらに、口金シェルは、管球本体から導出された導入線に圧接、溶接または蝋接などにより接続して、導電接触片の一方を構成する。
【0011】
アイレット金具支持絶縁体は、後述するアイレット金具を口金シェルに絶縁関係を保持しながら機械的に一体化させるために機能する部分である。
【0012】
また、アイレット金具支持絶縁体は、ガラスやセラミックスなどにより形成することができる。アイレット金具支持絶縁体がガラスからなる場合には、ガラスを加熱溶融下で成形しながら口金シェルおよびアイレット金具に溶着させることができる。セラミックスからなる場合には、予め焼結によりアイレット金具支持絶縁体を成形してから、アイレット金具をかしめて固着しさらに先端に口金シェルを加締めることによって口金を組み立てることができる。
【0013】
アイレット金具は、たとえば黄銅や銅などの導電性金属板を浅皿状や板状の細長い端板部を成形してなり、その面に導入線挿入用の穴部を形成し、アイレット金具絶縁支持体の頂部を覆うように接続される。そして管球本体から導出された導入線のトップワイヤーを導入線挿入用穴に相通させてアイレット金具と共にはんだ付けにて固定して電気接触片の他方を構成する。ここで、導入線挿入穴から少なくとも一方方向に延出して形成されたとは、導入線挿入穴を包囲してなる略長方形状、楕円形状、ひし形などの形状などを許容する。また、導入線挿入穴部の周囲を大きく形成して延出している部分を細長く形成したような古墳形、鍵穴形状、涙形などを許容する。また、円形であっても導入線挿入穴をアイレットの中心に設けるのではなく、偏心させた位置に設け導入線をアイレット側に折り曲げる構成も許容する。すなわち、従来のアイレット金具の面は円形を成していたが、その円形の面よりも小さな面積を有しながら、導入線を導入線挿入穴に貫通させたうえで導入線を折り曲げてアイレット金具と導入線をはんだによって固定しうるように、少なくとも導入線挿入穴から少なくとも一方方向に延出して形成するようにして、導入線が折り曲がる方向に伸びて形成されていればよいものである。
【0014】
導入線挿入穴は、アイレット金具に形成され、要すれば、はんだの不要な流れ込みを抑止するために導入線挿入穴周辺部に穴または突起を形成することも許容する。穴を設けることによって、口金を形成した際には、この穴からアイレット支持絶縁体が突出され、はんだの流れを抑制する効果を奏している。
【0015】
本発明によれば、アイレット金具を導入線穴から少なくとも一方方向に延出し形状に形成しているため、アイレット金具の表面積を削減し、アイレット金具と導入線をはんだによって固定する際に、はんだが広く流れるのを抑制できるためはんだの量を削減することができる。また、アイレット金具を細長く形成しているため、導入線を折り曲げた後にアイレット金具と導入線をはんだによって固定する場合には、導入線をアイレット金具の長手方向に折り曲げることによって、導入線とアイレット金具の接触面積を削減することなく固定できるため良好な電気伝導性を保持することができる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の管球用口金であって、アイレット金具は、アイレット金具に導入線挿入穴を通る溝部を有していることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、請求項1の作用に加えて、導入線を折り曲げアイレット金具の溝部に沿設させることによってはんだの量をさらに削減させることができる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の管球用口金であって、アイレット金具は、導入線挿入穴の周囲に複数の穴部を有していることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば請求項1または2の作用に加えて、導入線挿入穴の周囲に複数の穴部を設ける事によって、アイレットに凹凸が生じ、その凹凸によってはんだがそれらの複数の穴部よりも流れるのを抑制できる。さらに好ましくは、この複数の穴部を導入線が折り曲げられる側と反対側に設けることによって、導入線が折り曲げられる側とは反対側のはんだが不用に流れるのを抑制でき、また、導入線が折り曲げられる側にははんだが適切に流れ込む効果がある。
【0020】
請求項4の発明の管球は、端部に一対の導入線を有している管球本体と;請求項1ないし3のいずれか一記載の管球用口金と;管球本体の導入線をアイレット金具の導入線挿入穴部に挿通させた状態で固定するはんだと;を具備している。
【0021】
管球とは、機能部分に一対の導入線を有する発光管を備えているとともに、受電手段として口金を備えている物品を意味し、たとえば光源ランプ、点灯管、センサー管、整流管および受信管などを包括する概念である。なお、「機能部分に発光管を備えている」とは、機能部分の少なくとも一部が発光管によって構成されていることを意味する。また、発光管は1重管構造または外管内に発光管を収納した多重管構造であることを許容する。また、光源ランプにおいては、白熱電球、電球形蛍光ランプ、HIDランプなどを含む。
【0022】
はんだは、金属製の接合材であればよく、鉛−錫の合金のほか、錫−亜鉛、銅―錫、錫−銀−ビスマスなどの合金および金属単体のものを許容する。
【0023】
また、「管球本体」とは、管球から口金を除いた残余の部分をいう。したがって、管球本体は受電手段以外の全ての機能部分を備えている。
【0024】
本発明によれば、請求項1ないし3の効果を奏する管球を提供することができる。
【0025】
請求項5の発明の照明装置は、器具本体と;器具本体に収納される請求項4の管球と;を具備したことを特徴とする。
【0026】
器具本体とは、請求項4の管球の発光を利用するあらゆる装置を意味しており、たとえばダウンライト、投光器、道路・トンネルなど照明器具、街路灯などを含む。
【0027】
本発明によれば、請求項4の効果を奏する照明装置を提供することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態を図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態の管球の口金部分を示す斜視図、図2は口金のアイレット金具およびトップワイヤーはんだにて固定した状態を示す要部拡大断面図、図3は同じくその正面図である。
【0029】
口金シェル1は、表面にニッケル鍍金を施した黄銅からなり、筒状で、かつ周囲にねじ溝1aを備え、下端が開放し、上端が絞られて中央にアイレット金具支持絶縁体装着用開口が形成されている。
【0030】
アイレット金具支持絶縁体2は、ガラスまたはセラミックスからなり、下端部が口金シェル1の上端部内面に溶着して、中間部が口金シェル1の上端のアイレット金具支持絶縁体用開口から外部へ球面状に突出し、上端部が後述するアイレット金具3の内部に溶着していることによって、アイレット金具3を口金シェル1に絶縁関係を形成しながら固着している。
【0031】
アイレット金具3は、表面にニッケル鍍金を施した黄銅からなり、端板部3a、導入線挿入穴3bおよびフランジ部3cを備えている。端板部3aは、略長方形状をなしてフランジ部3cを介してアイレット金具支持絶縁体2の先端に固着される。導入線挿入穴3bは、端板部3aの中央に端板部3aの表面から凹み貫通して形成している。
管球本体の導入線4は、導入線挿入穴3bに挿入され、アイレット金具3の端板部3aの長手方向に沿って折り曲げている。その後、導入線4とアイレット金具3をはんだ5にて接続固定する。このときはんだ5は、アイレット金具3の端板部3aにのみ流れるので、はんだ5の量を従来の2/3にまで減少させることができる。
【0032】
図4は、口金のアイレット金具3の他の実施例を示す。(a)は、アイレット金具31の端板部31aの両長辺を円弧状に形成した例である。また、(b)は、アイレット金具32の端板部32aを楕円形状に形成した例である。また、(c)は、アイレット金具33の導入線挿入穴33bをアイレット金具33の中心よりもどちらか一方のフランジ33c側に配置させた例である。このように形成すると、アイレット金具33の長手方向に沿って折り曲げた導入線が長く形成できるため、導入線とアイレット金具33との接触面積を大きくでき電気的接続を強固にできる。(d)は、アイレット金具34の導入線挿入穴34bをアイレット金具34の中心になるように設けているが、アイレット金具34は、導入線挿入穴34bを包囲しアイレット金具34の長辺を中心から円周方向に向かってある一方方向に延出させて長方形状に配置させた例である。このように形成すると、アイレット金具の端板部の面積をより小さく形成できるためはんだの流れ込みを抑制しはんだの量をさらに削減できる。
【0033】
また、(e)は、アイレット金具35の端板部35aを導入線挿入穴35bの周囲を大きくし、ある一定方向に延出させている古墳形をなしている。(f)は、導入線挿入穴36bの周囲を大きくして、導入線挿入穴36bから2方向になるように延出させてアイレット金具36の端板部36aを形成している。このように、導入線挿入穴の周囲を大きく形成することによって、はんだは、導入線導入穴に多く堆積される。このことによって、導入線挿入穴での導入線とアイレットの電気接続を確実にし、信頼性の向上につなげることができる。また(g)は、導入線挿入穴37bから4方向になるように延出させてアイレット金具37の端板部37aを形成している。(h)は、導入線挿入穴38bから3方向になるように延出させてアイレット金具38の端板部38aを形成している。これらのように形成することによって、特別に導入線挿入穴の周囲を大きく円形状にしなくとも、導入線挿入穴にははんだがアイレット金具の角部分の表面張力によって集中される。よって、導入線挿入穴でのはんだでの接続を確実にすることができるものである。
【0034】
次に、図5を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。図5は、本実施形態のアイレット金具の斜視図である。
【0035】
本実施形態は、図1ないし3に示した第1の実施形態の口金のアイレット金具に、導入線挿入穴30bと連通して溝部30dが設けられている。この溝部30dは、本実施形態では導入線挿入穴30bから一方向のみに設けられているが、複数方向に設けてもよいが、細長く形成したアイレット30の長手方向に沿って形成するのが好ましい。
【0036】
本実施形態のように、アイレット金具30に溝部30dを設けることによって、導入線を導入線挿入穴に挿通させた後に導入線を折り曲げる際このアイレット金具に沿って折り曲げることができる。そうしてアイレット金具30の溝部30dに導入線を配設した後に導入線とアイレット金具30をはんだにて固定する際に、はんだは主にこの溝部に注入されるため、はんだの量を削減させることができるものである。
【0037】
次に、図6を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。図6は、本実施形態の口金のアイレット金具部分の正面図である。
【0038】
本実施形態は、図1ないし3に示した第1の実施形態の口金のアイレット金具39に、導入線挿入穴39bの周囲で導入線4が折り曲げられる側と反対側に3つの穴部39dが設けられている。
【0039】
本実施形態のように、アイレット金具39に複数の穴部39dを設けることによって、導入線4を導入線挿入穴39bに挿通させた後に導入線4を折り曲げ、はんだ付けをする際にアイレット金具39に設けた複数の穴部39dによってはんだが流れるのを抑制できる。このため、はんだの量を削減させることができるものである。また、このような場合であっても導入線4が折り曲がる方向に沿って溝部を設ける事も許容できる。
【0040】
次に、図7に本発明の管球の一実施形態として白熱電球Lを示す。白熱電球Lは、口金10に接続された電球本体6からなっている。電球本体6は、フィラメント61、口金と接続されるステム62、フィラメント61をステム62に支持するアンカ63をガラスバルブ64で覆って構成されている。また、ガラスバルブ64の内面には、シリカなどから構成される拡散防止膜などが形成されている。
【0041】
また、図8にこの白熱電球Lを用いた照明器具7を示す。照明器具7は、器具本体71に、白熱電球Lの口金に対応したソケット72、照明器具7を支持し白熱電球Lに給電する支持ワイヤー73および反射鏡74から形成されている。
【0042】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、アイレット金具を導入線挿入穴から少なくとも一方方向に延出させて形成することによって従来よりもアイレット金具の端板部の面積を削減することができ、導入線をはんだ付けした場合に、導入線とアイレット金具のはんだによる固定の際、はんだが大きく流れ出すことを抑制することが可能である。このため、はんだの量を大幅に削減することができるものである。
【0043】
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加えて、導入線挿入穴を通る溝部を設けているため、この溝部にて導入線とアイレット金具をはんだにて固着することが可能であるためさらにはんだの量を削減できる。
【0044】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の効果に加えて、導入線挿入穴の周囲に複数の穴部を設ける事によって、はんだがそれらの複数の穴部よりも流れるのを抑制することが可能であるためさらにはんだの量を削減できる。
【0045】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3いずれか1記載の効果を奏する管球を提供することができる。
【0046】
請求項5の発明によれば、請求項3の効果を奏する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管球用口金の第1実施形態を示す斜視図。
【図2】同じく要部拡大断面図。
【図3】同じく要部拡大正面図。
【図4】同じく他の実施例をしめす正面図
【図5】本発明の管球用口金の第2実施形態を示すアイレット金具の斜視図
【図6】本発明の管球用口金の第2実施形態を示すアイレット金具の拡大正面図
【図7】本発明の管球の一実施形態示す一部断面正面図
【図8】本発明の照明装置の一実施形態示す照明器具の正面図
【符号の説明】
1…口金シェル、 1a…ねじ溝、 2…アイレット金具支持絶縁体、 3…アイレット金具、 3a…端板部、 3b…導入線挿入穴、 4…導入線、 5…はんだ
Claims (5)
- 口金シェルと;
口金シェルの先端に固着したアイレット金具支持絶縁体と;
導入線挿入穴部を形成し、口金シェルと絶縁関係を形成しながらアイレット金具支持絶縁体に固着され、導入線挿入穴から少なくとも一方方向に延出して形成されたアイレット金具と;
を具備していることを特徴とする管球用口金。 - アイレット金具は、導入線挿入穴を通る溝部を有していることを特徴とする請求項1記載の管球用口金。
- アイレット金具は、導入線挿入穴の周囲に複数の穴部を有していることを特徴とする請求項1または2記載の管球用口金。
- 端部に一対の導入線を有している管球本体と;
請求項1ないし3のいずれか一記載の管球用口金と;
管球本体の導入線をアイレット金具の導入線挿入穴部に挿通させた状態で固定するはんだと;
を具備していることを特徴とする管球。 - 器具本体と;
器具本体に収納される請求項4の管球と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
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JP (1) | JP2004006233A (ja) |
Cited By (1)
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KR101192369B1 (ko) | 2011-06-30 | 2012-10-18 | 주식회사 고려인 | Led램프용 베이스 및 그 제조방법 |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002377021A patent/JP2004006233A/ja active Pending
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