JP2004006063A - 線材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配向したテープ状基板を用いることにより、実用レベルの高い臨界電流密度を高い生産性で得ることができる、線材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】蒸着源を用いて形成された蒸着膜を含む線材を製造する方法であって、少なくとも表層部1bにおいて配向しているテープ状基板1を形成する工程と、その後、蒸着膜2,3を蒸着するに際し、蒸着源の面とテープ状基板1の延びる方向とのなす角度θが所定の角度範囲に入るように配置して、配向した表層部の上に蒸着膜2,3を形成する工程とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】蒸着源を用いて形成された蒸着膜を含む線材を製造する方法であって、少なくとも表層部1bにおいて配向しているテープ状基板1を形成する工程と、その後、蒸着膜2,3を蒸着するに際し、蒸着源の面とテープ状基板1の延びる方向とのなす角度θが所定の角度範囲に入るように配置して、配向した表層部の上に蒸着膜2,3を形成する工程とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、線材およびその製造方法に関し、特に、配向したテープ状基板上に形成された酸化物超電導膜を含む線材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板上に中間層を介在させて酸化物超電導膜を形成する場合において、その中間層の成膜方法がたとえば特開平7−291626号公報に記載されている。
【0003】
この公報に記載された技術では、ターゲット材にレーザ光を照射することにより、ターゲット材から飛散した物質を基材上に蒸着させるレーザアブレーション法に従って中間層を形成する。ターゲット材に対して基板を所定の角度だけ傾けた状態で中間層を蒸着させることにより、特定の結晶軸が基板の法線方向とほぼ平行になるような膜を形成している。
【0004】
これにより、基板上に形成される中間層が特定方位に配向するため、その上に超電導膜を形成した場合に、その超電導膜も配向し、良好な超電導特性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の公報に記載された方法では、十分高い配向性が得られず、このため十分な臨界電流密度を得ることができなかった。
【0006】
一方、上記の問題を解決するために、配向したテープ状基板を用いることが可能である。すなわち、配向したテープ状基板の上にCeO2等の中間層を配向させて、Re(希土類)系123構造(REBa2Cu3Oy)などの酸化物超電導膜を配向させて形成することができる。しかし、配向したテープ状基板に配向した中間層を形成することは容易ではなく、たとえば、図14に示すように、(100)配向に加えて、(111)配向が発生する。(111)配向は、臨界電流密度を向上させる上で、(100)配向の効果を減ずる方向に作用するので、十分高い臨界電流密度を得ることができなかった。
【0007】
本発明は、配向したテープ状基板を用いることにより、実用レベルの高い臨界電流密度を高い生産性で得ることができる、線材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の線材の製造方法は、蒸着膜を含む線材を製造する方法である。この製造方法では、少なくとも表層部において配向しているテープ状基板を形成する工程と、その後、蒸着膜を蒸着するに際し、蒸着源の面とテープ状基板の延びる方向とのなす角度が所定の角度範囲に入るように配置して、配向した表層部の上に蒸着膜を形成する工程とを備える(請求項1)。
【0009】
この構成により、蒸着種がテープ状基板に斜めに当る。このような斜め照射により、面内配向を有する配向層の上に、望ましい(100)に配向した中間層を得ることができる。この結果、臨界電流密度の向上に有効な(100)配向の酸化物超電導膜を得ることが可能となる。上記のテープ状基板は、蒸着源の上を走行させてもよいし、また走行させなくてもよい。
【0010】
上記の配向したテープ状基板には、たとえば、Ni合金やステンレス鋼のテープに、面内配向を有するNi層やAg層を形成したものを用いることができる。Ni層やAg層の面内配向性は、15°〜20°程度の範囲の広がりFWHM(Full Width at Half Maximum)を持ってもよい。
【0011】
上記の線材の製造方法では、テープ状基板の延びる方向と、蒸着源の面とのなす角度を、20°〜80°の範囲内にすることができる(請求項2)。
【0012】
上記角度20°以上とすることにより、望ましくない配向、たとえば(111)配向を抑制して、主に(100)配向をより高い確度で得ることができるようになる。一方、上記角度が80°を超えると蒸着膜の成膜速度が小さくなるので、80°以下とする。上記の角度は、望ましくは30°〜70°の範囲である。なお、上記角度は、たとえば蒸着源が溶融プールである場合には、プール面とテープ状基板の延びる方向とのなす角度である。
【0013】
本発明の線材の別の製造方法は、蒸着膜を含む線材を製造する方法である。この方法は、少なくとも表層部において配向しているテープ状基板を形成する工程と、その後、テープ状基板の表層部を蒸着源に対面させて走行させ、蒸着膜を蒸着するに際し、その蒸着源から放射される蒸着種が到達し、蒸着膜が蒸着され始めるテープ状基板の部分において、その蒸着され始める部分のテープ状基板に沿う方向と、蒸着源からその部分に至る直線とのなす角度が20°〜80°の範囲にあるように、蒸着の操業条件および配置を設ける(請求項3)。
【0014】
上記の構成によっても、テープ状基板を傾けた配置と同様な作用を得ることができる。すなわち、上記の蒸着が始まる部分では、蒸着種がテープ状基板に斜めに照射される。このため、優れた(100)配向の蒸着膜を得ることができる。蒸着種は、蒸着源から広角に放射されるか、または斜め放射される。なお、この場合、テープ状基板は傾けてもよいし、傾けなくてもよい。上記角度が20°〜80°の範囲内にあればよい。上記のように、テープ状基板を傾ける蒸着法および蒸着種の広角放射または斜め放射の蒸着法をまとめて、ISD(Inclined Substrate Deposition)法と称することとする。
【0015】
なお、上記別の製造方法では、蒸着源から広角に蒸着種が放射される場合には、蒸着が始まるテープ状基板の部分は、蒸着源をテープ状基板が通過する前の領域側に位置することになる。配向層の上に最初に蒸着する蒸着種を斜め照射させることにより、(100)配向とすることができる。その結果、その後、蒸着する蒸着種は(100)配向層を増厚することにもっぱら寄与させることができる。
【0016】
上記いずれの製造方法においても、表層部が配向したテープ状基板を形成する工程では、テープ状基材の上に配向を有する配向層を形成することができる(請求項4)。
【0017】
表層部のみ配向層で構成することにより、容易にテープ状配向基板を得ることができる。
【0018】
上記いずれの製造方法でも、蒸着膜を形成する工程では、テープ状基板に配向した中間層を形成し、次いで中間層の上に酸化物超電導膜を形成することができる(請求項5)。
【0019】
この中間層を配置するることにより、配向性に優れた酸化物超電導膜を得ることができる。上記の場合、中間層および酸化物超電層の両方を、上述のISD法で形成することができる。
【0020】
上記の線材の製造方法では、中間層の膜厚を1μm以下とすることができる(請求項6)。
【0021】
中間層の膜厚を1μm以下とすることにより、良好な配向を確保し、かつ中間層の形成に時間を要さず生産効率を向上させることができる。
【0022】
上記のいずれの製造方法においても、蒸着膜が物理蒸着法によって形成されることができる(請求項7)。
【0023】
上記の物理蒸着法には、たとえば、イオンビームスパッタリング法(IBS)、スパッタリング法、熱共蒸着法、電子ビーム蒸着法およびレーザアブレーション法などを例示することができる。
【0024】
上記の線材の製造方法では、酸化物超電導膜を形成する以前に、テープ状基板と酸化物超電導膜との間のいずれかの位置に、テープ状基板の延びる方向と、蒸着源の面とのなす角度をほぼゼロにした配置で、テープ状基板に蒸着膜を形成する工程をさらに備えることができる(請求項8)。
【0025】
上記のように蒸着源に平行な配置としたテープ状基板に蒸着膜(補助中間層と呼ぶ)を形成することにより、蒸着膜を構成する材料とその配向とに応じてテープ状基板の配置を決めることができる。この結果、線材の形成の多様性を確保することができる。
【0026】
上記の線材の製造方法では、テープ状基板にRE(希土類)系123構造の酸化物超電導膜を形成することができる(請求項9)。
【0027】
RE(希土類)系123構造の酸化物超電導膜、たとえば、REBa2Cu3OyやそのCuサイトの一部を遷移金属元素で置換した組成を有する酸化物超電導膜を形成することができる。この酸化物超電導膜は、配向した中間層のために、やはり良好な配向性を有しており、このため臨界電流密度を向上させることができる。
【0028】
本発明の線材は、可撓性を有するテープ状基材と、テープ状基材の上に位置する配向を有する配向層と、配向層の上に位置する配向した酸化物からなる中間層と、中間層の上に位置する酸化物超電導膜とを備える(請求項10)。この中間層は、実質的に(100)配向を有するようにできる(請求項11)ので、酸化物超電導膜も(100)配向を有し、このため高い臨界電流密度を得ることができる。
【0029】
上記の線材は、中間層の厚みを1μm以下とすることができる(請求項12)。また、テープ状基板と酸化物超電導膜との間のいずれかの位置に配向した補助中間層をさらに備えることができる(請求項13)。酸化物超電導膜として、RE(希土類)系123構造の酸化物超電導膜とすることができる(請求項14)。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0031】
(実施の形態1)
1.製造方法の概要
図1は、本発明の実施の形態1における線材の製造方法を示す図である。本実施の形態では、組成を調整した固体原料(ターゲット)11にレーザ光13を照射してプラズマガスを含むレーザプルーム15を発生させ、テープ状基板1に当て、蒸着膜を形成する。テープ状基板1は、サプライコイル21から供給され、巻取コイル22によって巻き取られながら、プルーム15中を走行する。本実施の形態における1つの特徴は、蒸着源の面とテープ状基板が走行する方向とが、所定の角度θをなすことにある。θとしては、たとえば45°とする。この角度は、20°〜80°の範囲内とする。また、望ましくは、30°〜70°の範囲に入れる。
【0032】
テープ状基材は、好ましくは可撓性を有するテープである。また、好ましくは、テープ状基材は、銀、銀合金、ニッケル、ニッケル合金およびステンレス鋼からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
【0033】
上記テープ状基材に積層される配向層は、好ましくは、銀、銀合金、ニッケルおよびニッケル合金からなる群より選ばれた少なくとも1種の蒸着膜を含む。
【0034】
図2は、テープ状基板の上に中間層2を形成している状態を示す拡大図である。図2において、テープ状基板1は、テープ状基材1aと、その上に形成された面内配向性を有する配向層1bとから形成されている。テープ状基板1は、配向層1bをプルーム15の方に向けて、左下から右上方向に走行している。すなわち、蒸着源に対して角度θだけ傾いて配置されている。照射されたレーザ光13によって固体原料から発生したプルーム15は、マスク12によって所定の中心部分のみが配向層1bの上に蒸着される。蒸着された中間層2は、広がりを小さくするようにFWHMの小さい(100)集積を有する。この中間層には、希土類酸化物などの酸化物の蒸着膜、たとえばCeO2やYSZ(Yttria Stabilized Zirconia)を用いる。
【0035】
(100)配向を有する中間層2の上には、REBa2Cu3Oy123構造の酸化物超電導膜が、やはり(100)配向を有するように形成される(図3参照)。REBa2Cu3Oy123構造の酸化物超電導膜および他の種類の酸化物超電導膜を形成する場合、固体原料(ターゲット)は、好ましくは酸化物である。またより好ましくは、酸化ストロンチウムチタン(SrTiO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化プラセオジム(PrO2)、酸化ジルコニウムガドリニウム(Zr2Gd2O7)、酸化ジルコニウムサマリウム(Zr2Sm2O7)、酸化ジルコニウムランタン(Zr2La2O7)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化バリウムジルコニウム(BaZrO3)、酸化ネオジムガリウム(NdGaO3)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)および酸化ホルミウム(Ho2O3)からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
【0036】
酸化物超電導膜の上には、湿分などから酸化物超電導膜3を保護するため、保護層5などが形成されることが望ましい。また、中間層と酸化物超電導層との間、または配向層を有するテープ状基板と中間層との間に、テープ状基板の走行方向と、蒸着源の面の方向とを一致させて成膜したキャップ層を配置してもよい。このようなキャップ層の配置により線材製造方法の多様性を向上させることができる。次に、上記の線材における重要な構成について詳細に説明する。
【0037】
2.テープ状基板
図4は、本実施の形態におけるテープ状基板の横断面を示す図である。図4において、テープ状基材1aは、たとえば幅10mm、厚さt1:100μmである。また、その上の薄体1bは、同じ幅で、厚さt2:30μm程度である。テープ状基材には、Ni合金、ステンレス鋼などを用いることができる。また、面内配向を有する配向層には、Ni膜、Ni合金膜、Ag膜などを用いることができる。テープ状基板自体に配向性がある場合には、さらに面内配向を形成するために、配向層1bを形成する必要はない。たとえば、Ni合金やステンレス鋼を冷間で強加工して、熱処理で再結晶させて所定の配向を有するテープ状基板を形成することができる。このような場合、冷間で強加工して、再結晶させる工程が、少なくとも表層部で配向しているテープ状基板を形成する工程に該当する。
【0038】
図5は、配向層1bにX線を照射して得た(111)極点図である。配向性FWHMは15°程度におさまっており、無配向のステンレス薄板に形成した蒸着膜としては優れた配向を有しているといえる。このような、配向性を有するテープ状基板を用い、さらに中間層を介在させることにより、優れた配向性を有する酸化物超電導膜を得ることができる。
3.中間層
図6は、テープ状基板の表層部を構成する配向層1aの上に中間層2をヘテロエピタキシャル成長させた場合の界面での原子配列の関係を示す図である。配向層1aをAgで構成し、中間層にYSZを用いた場合、図6の配置では10.7%のミスマッチが発生する。また、配向層1aをAgで構成し、中間層にCeO2を用いた場合には5.9%のミスマッチが発生する。ミスマッチを小さくする上では中間層2にCeO2を用いることが望ましい。このような小さいミスマッチのために、中間層は良好な配向性をもって配向層1bの上にヘテロエピタキシャル成長することができる。
【0039】
図7は、テープ状基板を傾けて配置し、レーザアブレージョン法により蒸着されたCeO2からなる中間層2における(111)極点図である。図7において、原点の(111)点にはほとんどX線回折がなされず、等価な4つの(100)点にのみ集積が認められる。すなわち、良好な(100)配向が得られている。(100)点付近における最小の広がり角度βは、FWHMで13.5°であった。一方、同じテープ状基板を用い、かつテープ状基板を傾けることなくプルーム内を走行させた場合、図14に示すように原点(111)点に強い集積が認められる。(111)集積が生じた分だけ、(100)点における集積度は弱くなっている。酸化物超電導材料の臨界電流密度にとって、望ましい配向は(100)配向であり、(111)配向は望ましくない。
【0040】
図7と図14とを比較することにより、中間層で(100)配向を実現するためには、上記のように(a)テープ状基板の表層部を面内配向性のあるAg膜などの配向層1bで構成し、(b)かつテープ状基板を傾けて配置して中間層2を蒸着すること、または斜め照射が必要である。中間層2は、酸化物超電導膜がヘテロエピタキシャル成長する下地になるので、重要である。
【0041】
図8は、中間層の配向広がり角度(FWHM)βに及ぼす中間層成膜速度の影響を示す図である。中間層の厚みを2μmとした場合、成膜速度が高いほど中間層の配向広がり角度は大きくなる傾向にある。また、図9は成膜速度を0.03μm/分とした場合の膜厚の影響を示す図である。膜厚が厚くなるほど中間層の配向ばらつき角度βは大きくなる傾向にある。
【0042】
したがって、図8および図9の結果を基にして中間層の膜厚をできるだけ薄くかつ実用可能レベルの成膜速度で成膜することにより、配向性に優れた中間層を形成することができる。この結果、中間層の上に配向性に優れた酸化物超電導膜を形成し、実用可能レベルの臨界電流密度を得ることができる。
【0043】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における線材の製造方法を示す図である。本実施の形態では、テープ状基板を傾けるのではなく、蒸着源から広角度で発生したプルームがテープ状基板に斜めに当るような配置をとる点に特徴がある。このような配置をとると、テープ状基板1で蒸着され始める部分では、テープ状基板を斜めに配置したのと同じ成膜条件となる。すなわち、この部分のテープ状基板には、蒸着種は斜め照射される。
【0044】
配向性のあるテープ状基板に中間層を形成する場合、上記のように、最初に(100)配向が優先する条件で成膜が行われると、この後成膜される蒸着種は(100)配向を満たすように蒸着される。このため、たとえ、走行するテープ状基板が蒸着源の真上に至って、その真上で蒸着が累積されても、それは(100)配向膜を増厚する蒸着となるので、(100)配向が減じられることはない。
【0045】
この結果、図11に示すように、(100)点における集積のFWHM(Full Width at Half Maximum)は、10°〜15°程度と小さく、良好な(100)配向を得ることができる。
【0046】
【実施例】
(実施例1)
配向性のある基板を用い、かつ、実施の形態1におけるテープ状基板を斜め配置して中間層2を形成した。テープ状基板には、次の2種類を用いた。成膜条件と合せて、以下に示す。
(本発明例) テープ状基板 : 配向基板 中間層 : CeO20.5μm厚 中間層の成膜条件 : (10m/時間)×2回 (比較例) テープ状基板 : ハステロイ基材(無配向基板) 中間層 : YSZ 2μm厚 中間層の成膜条件 : (1m/時間)×2回 着
: (10m/時間)×20回
本発明例によれば、10m/時間の成膜条件でも、図12に示すような良好な(100)配向のCeO2を中間層として得ることができる。これに比して、比較例の無配向のテープ状基板を用いた場合には、(100)配向以外に(111)配向も生じ、酸化物超電導の臨界電流密度にとって適切な下地膜を得ることができなかった。
【0047】
上記の10m/時間の成膜速度は実用化が可能なレベルであり、本発明の実施例により、実用化の目処をつけることができた。
【0048】
(実施例2)
配向基板と、無配向基板とを用い、基板の上に中間層を形成し、その上にREBa2Cu3Oy膜を形成し、(M1)臨界電流密度Hc、(M2)中間層の(100)配向性β、および(M3)酸化物超電導膜の(100)配向性αとを測定した。配向性は、いずれもFWHMの角度で表わしている。本発明例では、配向基板にCeO2膜を形成し、基板を傾けて配置してREBa2Cu3Oy膜を成膜した。比較例(C1)〜(C3)はいずれも無配向基板を用い、それぞれ中間層をYSZ(C1)、YSZ/CeO2(C2)、YSZ(C3)とした。
【0049】
図13に、中間層の(100)配向性βと、酸化物超電導膜の(100)配向性αとの関係において、各実施例の点をプロットしてある。また、図13には、上記の配向性αおよびβの領域に対応づけて臨界電流密度Hcを表示している。本発明例は、中間層の配向性βおよび酸化物超電導膜の配向性α、ともに最も低いグループを形成している。このようなばらつきの小さい配向性に起因して、臨界電流密度は、最も高く、実用化レベルといわれる0.5MA/cm2を達成し、1MA/cm2に近い位置に位置している。
【0050】
(実施例3)
図10の構成により、本発明の効果を10mの線材にて検証した。基板材料として、表1に示すものを準備し、同表に示すレーザー蒸着法やスパッタ法などの物理蒸着法を用いて、その基板の上に中間層を成膜した。ここで、中間層成膜時の基板テープの長さ方向の傾斜は行っていない。しかし、レーザー蒸着法やスパッタ法におけるプラズマプルームの側面とテープ長さ方向との間には、約75°の傾き(図10における角度に相当)が生じるようにプルーム状態を調整している。さらに、本発明の実施例Aと実施例Bとについては、通常のISD法で典型的に採用されている10mmの幅のテープ状基板の幅方向に45°の傾きをつけたものも追加している。これらの中間層上には、レーザー蒸着法によりHoBCO材料を蒸着原料としていわゆる123構造のHo1Ba2Cu3Oy超電動膜を10mm幅×10m長さにわたって5μmの厚さに成膜した。なお、超電導層の成膜時には、基板テープの傾斜は長さ方向にも、またテープ幅方向にも行っていない。また、Ho1Ba2Cu3Oyの酸素の組成比をyとしているが、表1における7−δと同じ意味を表わしている。
【0051】
【表1】
【0052】
本発明の実施例A、B、Cは、比較例に比べて、中間層の面内配向性が良好で、かつ77K、0Tで四端子法により測定したJcも実用上必要とされる0.4〜0.5MA/cm2に到達している。実施例におけるこのJc値は比較例に比べて確実に良好である。さらに、実施例AとBとで行ったテープ横方向への傾きは、面内配向度を向上させ、高Jc化にも有効であることが示され、配向テープ基板と蒸着面との角度をつけて成膜する手法の自由度が大きいことを示唆する結果が得られた。この結果によれば、配向テープ基板と蒸着面との角度(長さ方向と横方向)をさらに最適化することにより、より優れた特性を得ることができると高い確度をもって推察される。
【0053】
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0054】
【発明の効果】
本発明の線材およびその製造方法を用いることにより、高い生産性で配向性に優れた酸化物超電導線材を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における線材を製造する方法の概要図である。
【図2】図1において、薄膜を蒸着する部分の拡大図である。
【図3】実施の形態1において製造した酸化物超電導線材を示す断面図である。
【図4】配向層を有するテープ状基板の断面図である。
【図5】図4のテープ状基板の(111)極点図である。
【図6】テープ状基板の配向層の原子配列と、その上にヘテロエピタキシャル成長する中間層の原子配列との関係を示す図である。
【図7】図4の配向層を有するテープ状基板を傾けて蒸着した中間層の(111)極点図である。
【図8】中間層の成膜速度が中間層の配向性に及ぼす影響を示す図である。
【図9】中間層の膜厚が中間層の配向性に及ぼす影響を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2における線材を製造する方法の概要図である。
【図11】図10の方法で形成された中間層の配向性を示す(111)極点図である。
【図12】実施例1の本発明例における中間層の配向性を示す(111)極点図である。
【図13】実施例2の結果を示す図である。
【図14】従来の製造方法において、配向層を有するテープ状基板を傾けずに蒸着した中間層の(111)極点図である。
【符号の説明】
1 テープ状基板、1a テープ状基材、1b 配向層、2 中間層、5 保護層、11 固体原料(ターゲット)、12 マスク、13 レーザ光、15 レーザプルーム、21 サプライコイル、22 巻取コイル、θ 基板の傾き角度。
【発明の属する技術分野】
この発明は、線材およびその製造方法に関し、特に、配向したテープ状基板上に形成された酸化物超電導膜を含む線材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板上に中間層を介在させて酸化物超電導膜を形成する場合において、その中間層の成膜方法がたとえば特開平7−291626号公報に記載されている。
【0003】
この公報に記載された技術では、ターゲット材にレーザ光を照射することにより、ターゲット材から飛散した物質を基材上に蒸着させるレーザアブレーション法に従って中間層を形成する。ターゲット材に対して基板を所定の角度だけ傾けた状態で中間層を蒸着させることにより、特定の結晶軸が基板の法線方向とほぼ平行になるような膜を形成している。
【0004】
これにより、基板上に形成される中間層が特定方位に配向するため、その上に超電導膜を形成した場合に、その超電導膜も配向し、良好な超電導特性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の公報に記載された方法では、十分高い配向性が得られず、このため十分な臨界電流密度を得ることができなかった。
【0006】
一方、上記の問題を解決するために、配向したテープ状基板を用いることが可能である。すなわち、配向したテープ状基板の上にCeO2等の中間層を配向させて、Re(希土類)系123構造(REBa2Cu3Oy)などの酸化物超電導膜を配向させて形成することができる。しかし、配向したテープ状基板に配向した中間層を形成することは容易ではなく、たとえば、図14に示すように、(100)配向に加えて、(111)配向が発生する。(111)配向は、臨界電流密度を向上させる上で、(100)配向の効果を減ずる方向に作用するので、十分高い臨界電流密度を得ることができなかった。
【0007】
本発明は、配向したテープ状基板を用いることにより、実用レベルの高い臨界電流密度を高い生産性で得ることができる、線材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の線材の製造方法は、蒸着膜を含む線材を製造する方法である。この製造方法では、少なくとも表層部において配向しているテープ状基板を形成する工程と、その後、蒸着膜を蒸着するに際し、蒸着源の面とテープ状基板の延びる方向とのなす角度が所定の角度範囲に入るように配置して、配向した表層部の上に蒸着膜を形成する工程とを備える(請求項1)。
【0009】
この構成により、蒸着種がテープ状基板に斜めに当る。このような斜め照射により、面内配向を有する配向層の上に、望ましい(100)に配向した中間層を得ることができる。この結果、臨界電流密度の向上に有効な(100)配向の酸化物超電導膜を得ることが可能となる。上記のテープ状基板は、蒸着源の上を走行させてもよいし、また走行させなくてもよい。
【0010】
上記の配向したテープ状基板には、たとえば、Ni合金やステンレス鋼のテープに、面内配向を有するNi層やAg層を形成したものを用いることができる。Ni層やAg層の面内配向性は、15°〜20°程度の範囲の広がりFWHM(Full Width at Half Maximum)を持ってもよい。
【0011】
上記の線材の製造方法では、テープ状基板の延びる方向と、蒸着源の面とのなす角度を、20°〜80°の範囲内にすることができる(請求項2)。
【0012】
上記角度20°以上とすることにより、望ましくない配向、たとえば(111)配向を抑制して、主に(100)配向をより高い確度で得ることができるようになる。一方、上記角度が80°を超えると蒸着膜の成膜速度が小さくなるので、80°以下とする。上記の角度は、望ましくは30°〜70°の範囲である。なお、上記角度は、たとえば蒸着源が溶融プールである場合には、プール面とテープ状基板の延びる方向とのなす角度である。
【0013】
本発明の線材の別の製造方法は、蒸着膜を含む線材を製造する方法である。この方法は、少なくとも表層部において配向しているテープ状基板を形成する工程と、その後、テープ状基板の表層部を蒸着源に対面させて走行させ、蒸着膜を蒸着するに際し、その蒸着源から放射される蒸着種が到達し、蒸着膜が蒸着され始めるテープ状基板の部分において、その蒸着され始める部分のテープ状基板に沿う方向と、蒸着源からその部分に至る直線とのなす角度が20°〜80°の範囲にあるように、蒸着の操業条件および配置を設ける(請求項3)。
【0014】
上記の構成によっても、テープ状基板を傾けた配置と同様な作用を得ることができる。すなわち、上記の蒸着が始まる部分では、蒸着種がテープ状基板に斜めに照射される。このため、優れた(100)配向の蒸着膜を得ることができる。蒸着種は、蒸着源から広角に放射されるか、または斜め放射される。なお、この場合、テープ状基板は傾けてもよいし、傾けなくてもよい。上記角度が20°〜80°の範囲内にあればよい。上記のように、テープ状基板を傾ける蒸着法および蒸着種の広角放射または斜め放射の蒸着法をまとめて、ISD(Inclined Substrate Deposition)法と称することとする。
【0015】
なお、上記別の製造方法では、蒸着源から広角に蒸着種が放射される場合には、蒸着が始まるテープ状基板の部分は、蒸着源をテープ状基板が通過する前の領域側に位置することになる。配向層の上に最初に蒸着する蒸着種を斜め照射させることにより、(100)配向とすることができる。その結果、その後、蒸着する蒸着種は(100)配向層を増厚することにもっぱら寄与させることができる。
【0016】
上記いずれの製造方法においても、表層部が配向したテープ状基板を形成する工程では、テープ状基材の上に配向を有する配向層を形成することができる(請求項4)。
【0017】
表層部のみ配向層で構成することにより、容易にテープ状配向基板を得ることができる。
【0018】
上記いずれの製造方法でも、蒸着膜を形成する工程では、テープ状基板に配向した中間層を形成し、次いで中間層の上に酸化物超電導膜を形成することができる(請求項5)。
【0019】
この中間層を配置するることにより、配向性に優れた酸化物超電導膜を得ることができる。上記の場合、中間層および酸化物超電層の両方を、上述のISD法で形成することができる。
【0020】
上記の線材の製造方法では、中間層の膜厚を1μm以下とすることができる(請求項6)。
【0021】
中間層の膜厚を1μm以下とすることにより、良好な配向を確保し、かつ中間層の形成に時間を要さず生産効率を向上させることができる。
【0022】
上記のいずれの製造方法においても、蒸着膜が物理蒸着法によって形成されることができる(請求項7)。
【0023】
上記の物理蒸着法には、たとえば、イオンビームスパッタリング法(IBS)、スパッタリング法、熱共蒸着法、電子ビーム蒸着法およびレーザアブレーション法などを例示することができる。
【0024】
上記の線材の製造方法では、酸化物超電導膜を形成する以前に、テープ状基板と酸化物超電導膜との間のいずれかの位置に、テープ状基板の延びる方向と、蒸着源の面とのなす角度をほぼゼロにした配置で、テープ状基板に蒸着膜を形成する工程をさらに備えることができる(請求項8)。
【0025】
上記のように蒸着源に平行な配置としたテープ状基板に蒸着膜(補助中間層と呼ぶ)を形成することにより、蒸着膜を構成する材料とその配向とに応じてテープ状基板の配置を決めることができる。この結果、線材の形成の多様性を確保することができる。
【0026】
上記の線材の製造方法では、テープ状基板にRE(希土類)系123構造の酸化物超電導膜を形成することができる(請求項9)。
【0027】
RE(希土類)系123構造の酸化物超電導膜、たとえば、REBa2Cu3OyやそのCuサイトの一部を遷移金属元素で置換した組成を有する酸化物超電導膜を形成することができる。この酸化物超電導膜は、配向した中間層のために、やはり良好な配向性を有しており、このため臨界電流密度を向上させることができる。
【0028】
本発明の線材は、可撓性を有するテープ状基材と、テープ状基材の上に位置する配向を有する配向層と、配向層の上に位置する配向した酸化物からなる中間層と、中間層の上に位置する酸化物超電導膜とを備える(請求項10)。この中間層は、実質的に(100)配向を有するようにできる(請求項11)ので、酸化物超電導膜も(100)配向を有し、このため高い臨界電流密度を得ることができる。
【0029】
上記の線材は、中間層の厚みを1μm以下とすることができる(請求項12)。また、テープ状基板と酸化物超電導膜との間のいずれかの位置に配向した補助中間層をさらに備えることができる(請求項13)。酸化物超電導膜として、RE(希土類)系123構造の酸化物超電導膜とすることができる(請求項14)。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0031】
(実施の形態1)
1.製造方法の概要
図1は、本発明の実施の形態1における線材の製造方法を示す図である。本実施の形態では、組成を調整した固体原料(ターゲット)11にレーザ光13を照射してプラズマガスを含むレーザプルーム15を発生させ、テープ状基板1に当て、蒸着膜を形成する。テープ状基板1は、サプライコイル21から供給され、巻取コイル22によって巻き取られながら、プルーム15中を走行する。本実施の形態における1つの特徴は、蒸着源の面とテープ状基板が走行する方向とが、所定の角度θをなすことにある。θとしては、たとえば45°とする。この角度は、20°〜80°の範囲内とする。また、望ましくは、30°〜70°の範囲に入れる。
【0032】
テープ状基材は、好ましくは可撓性を有するテープである。また、好ましくは、テープ状基材は、銀、銀合金、ニッケル、ニッケル合金およびステンレス鋼からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
【0033】
上記テープ状基材に積層される配向層は、好ましくは、銀、銀合金、ニッケルおよびニッケル合金からなる群より選ばれた少なくとも1種の蒸着膜を含む。
【0034】
図2は、テープ状基板の上に中間層2を形成している状態を示す拡大図である。図2において、テープ状基板1は、テープ状基材1aと、その上に形成された面内配向性を有する配向層1bとから形成されている。テープ状基板1は、配向層1bをプルーム15の方に向けて、左下から右上方向に走行している。すなわち、蒸着源に対して角度θだけ傾いて配置されている。照射されたレーザ光13によって固体原料から発生したプルーム15は、マスク12によって所定の中心部分のみが配向層1bの上に蒸着される。蒸着された中間層2は、広がりを小さくするようにFWHMの小さい(100)集積を有する。この中間層には、希土類酸化物などの酸化物の蒸着膜、たとえばCeO2やYSZ(Yttria Stabilized Zirconia)を用いる。
【0035】
(100)配向を有する中間層2の上には、REBa2Cu3Oy123構造の酸化物超電導膜が、やはり(100)配向を有するように形成される(図3参照)。REBa2Cu3Oy123構造の酸化物超電導膜および他の種類の酸化物超電導膜を形成する場合、固体原料(ターゲット)は、好ましくは酸化物である。またより好ましくは、酸化ストロンチウムチタン(SrTiO3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化プラセオジム(PrO2)、酸化ジルコニウムガドリニウム(Zr2Gd2O7)、酸化ジルコニウムサマリウム(Zr2Sm2O7)、酸化ジルコニウムランタン(Zr2La2O7)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化バリウムジルコニウム(BaZrO3)、酸化ネオジムガリウム(NdGaO3)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)および酸化ホルミウム(Ho2O3)からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
【0036】
酸化物超電導膜の上には、湿分などから酸化物超電導膜3を保護するため、保護層5などが形成されることが望ましい。また、中間層と酸化物超電導層との間、または配向層を有するテープ状基板と中間層との間に、テープ状基板の走行方向と、蒸着源の面の方向とを一致させて成膜したキャップ層を配置してもよい。このようなキャップ層の配置により線材製造方法の多様性を向上させることができる。次に、上記の線材における重要な構成について詳細に説明する。
【0037】
2.テープ状基板
図4は、本実施の形態におけるテープ状基板の横断面を示す図である。図4において、テープ状基材1aは、たとえば幅10mm、厚さt1:100μmである。また、その上の薄体1bは、同じ幅で、厚さt2:30μm程度である。テープ状基材には、Ni合金、ステンレス鋼などを用いることができる。また、面内配向を有する配向層には、Ni膜、Ni合金膜、Ag膜などを用いることができる。テープ状基板自体に配向性がある場合には、さらに面内配向を形成するために、配向層1bを形成する必要はない。たとえば、Ni合金やステンレス鋼を冷間で強加工して、熱処理で再結晶させて所定の配向を有するテープ状基板を形成することができる。このような場合、冷間で強加工して、再結晶させる工程が、少なくとも表層部で配向しているテープ状基板を形成する工程に該当する。
【0038】
図5は、配向層1bにX線を照射して得た(111)極点図である。配向性FWHMは15°程度におさまっており、無配向のステンレス薄板に形成した蒸着膜としては優れた配向を有しているといえる。このような、配向性を有するテープ状基板を用い、さらに中間層を介在させることにより、優れた配向性を有する酸化物超電導膜を得ることができる。
3.中間層
図6は、テープ状基板の表層部を構成する配向層1aの上に中間層2をヘテロエピタキシャル成長させた場合の界面での原子配列の関係を示す図である。配向層1aをAgで構成し、中間層にYSZを用いた場合、図6の配置では10.7%のミスマッチが発生する。また、配向層1aをAgで構成し、中間層にCeO2を用いた場合には5.9%のミスマッチが発生する。ミスマッチを小さくする上では中間層2にCeO2を用いることが望ましい。このような小さいミスマッチのために、中間層は良好な配向性をもって配向層1bの上にヘテロエピタキシャル成長することができる。
【0039】
図7は、テープ状基板を傾けて配置し、レーザアブレージョン法により蒸着されたCeO2からなる中間層2における(111)極点図である。図7において、原点の(111)点にはほとんどX線回折がなされず、等価な4つの(100)点にのみ集積が認められる。すなわち、良好な(100)配向が得られている。(100)点付近における最小の広がり角度βは、FWHMで13.5°であった。一方、同じテープ状基板を用い、かつテープ状基板を傾けることなくプルーム内を走行させた場合、図14に示すように原点(111)点に強い集積が認められる。(111)集積が生じた分だけ、(100)点における集積度は弱くなっている。酸化物超電導材料の臨界電流密度にとって、望ましい配向は(100)配向であり、(111)配向は望ましくない。
【0040】
図7と図14とを比較することにより、中間層で(100)配向を実現するためには、上記のように(a)テープ状基板の表層部を面内配向性のあるAg膜などの配向層1bで構成し、(b)かつテープ状基板を傾けて配置して中間層2を蒸着すること、または斜め照射が必要である。中間層2は、酸化物超電導膜がヘテロエピタキシャル成長する下地になるので、重要である。
【0041】
図8は、中間層の配向広がり角度(FWHM)βに及ぼす中間層成膜速度の影響を示す図である。中間層の厚みを2μmとした場合、成膜速度が高いほど中間層の配向広がり角度は大きくなる傾向にある。また、図9は成膜速度を0.03μm/分とした場合の膜厚の影響を示す図である。膜厚が厚くなるほど中間層の配向ばらつき角度βは大きくなる傾向にある。
【0042】
したがって、図8および図9の結果を基にして中間層の膜厚をできるだけ薄くかつ実用可能レベルの成膜速度で成膜することにより、配向性に優れた中間層を形成することができる。この結果、中間層の上に配向性に優れた酸化物超電導膜を形成し、実用可能レベルの臨界電流密度を得ることができる。
【0043】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における線材の製造方法を示す図である。本実施の形態では、テープ状基板を傾けるのではなく、蒸着源から広角度で発生したプルームがテープ状基板に斜めに当るような配置をとる点に特徴がある。このような配置をとると、テープ状基板1で蒸着され始める部分では、テープ状基板を斜めに配置したのと同じ成膜条件となる。すなわち、この部分のテープ状基板には、蒸着種は斜め照射される。
【0044】
配向性のあるテープ状基板に中間層を形成する場合、上記のように、最初に(100)配向が優先する条件で成膜が行われると、この後成膜される蒸着種は(100)配向を満たすように蒸着される。このため、たとえ、走行するテープ状基板が蒸着源の真上に至って、その真上で蒸着が累積されても、それは(100)配向膜を増厚する蒸着となるので、(100)配向が減じられることはない。
【0045】
この結果、図11に示すように、(100)点における集積のFWHM(Full Width at Half Maximum)は、10°〜15°程度と小さく、良好な(100)配向を得ることができる。
【0046】
【実施例】
(実施例1)
配向性のある基板を用い、かつ、実施の形態1におけるテープ状基板を斜め配置して中間層2を形成した。テープ状基板には、次の2種類を用いた。成膜条件と合せて、以下に示す。
(本発明例) テープ状基板 : 配向基板 中間層 : CeO20.5μm厚 中間層の成膜条件 : (10m/時間)×2回 (比較例) テープ状基板 : ハステロイ基材(無配向基板) 中間層 : YSZ 2μm厚 中間層の成膜条件 : (1m/時間)×2回 着
: (10m/時間)×20回
本発明例によれば、10m/時間の成膜条件でも、図12に示すような良好な(100)配向のCeO2を中間層として得ることができる。これに比して、比較例の無配向のテープ状基板を用いた場合には、(100)配向以外に(111)配向も生じ、酸化物超電導の臨界電流密度にとって適切な下地膜を得ることができなかった。
【0047】
上記の10m/時間の成膜速度は実用化が可能なレベルであり、本発明の実施例により、実用化の目処をつけることができた。
【0048】
(実施例2)
配向基板と、無配向基板とを用い、基板の上に中間層を形成し、その上にREBa2Cu3Oy膜を形成し、(M1)臨界電流密度Hc、(M2)中間層の(100)配向性β、および(M3)酸化物超電導膜の(100)配向性αとを測定した。配向性は、いずれもFWHMの角度で表わしている。本発明例では、配向基板にCeO2膜を形成し、基板を傾けて配置してREBa2Cu3Oy膜を成膜した。比較例(C1)〜(C3)はいずれも無配向基板を用い、それぞれ中間層をYSZ(C1)、YSZ/CeO2(C2)、YSZ(C3)とした。
【0049】
図13に、中間層の(100)配向性βと、酸化物超電導膜の(100)配向性αとの関係において、各実施例の点をプロットしてある。また、図13には、上記の配向性αおよびβの領域に対応づけて臨界電流密度Hcを表示している。本発明例は、中間層の配向性βおよび酸化物超電導膜の配向性α、ともに最も低いグループを形成している。このようなばらつきの小さい配向性に起因して、臨界電流密度は、最も高く、実用化レベルといわれる0.5MA/cm2を達成し、1MA/cm2に近い位置に位置している。
【0050】
(実施例3)
図10の構成により、本発明の効果を10mの線材にて検証した。基板材料として、表1に示すものを準備し、同表に示すレーザー蒸着法やスパッタ法などの物理蒸着法を用いて、その基板の上に中間層を成膜した。ここで、中間層成膜時の基板テープの長さ方向の傾斜は行っていない。しかし、レーザー蒸着法やスパッタ法におけるプラズマプルームの側面とテープ長さ方向との間には、約75°の傾き(図10における角度に相当)が生じるようにプルーム状態を調整している。さらに、本発明の実施例Aと実施例Bとについては、通常のISD法で典型的に採用されている10mmの幅のテープ状基板の幅方向に45°の傾きをつけたものも追加している。これらの中間層上には、レーザー蒸着法によりHoBCO材料を蒸着原料としていわゆる123構造のHo1Ba2Cu3Oy超電動膜を10mm幅×10m長さにわたって5μmの厚さに成膜した。なお、超電導層の成膜時には、基板テープの傾斜は長さ方向にも、またテープ幅方向にも行っていない。また、Ho1Ba2Cu3Oyの酸素の組成比をyとしているが、表1における7−δと同じ意味を表わしている。
【0051】
【表1】
【0052】
本発明の実施例A、B、Cは、比較例に比べて、中間層の面内配向性が良好で、かつ77K、0Tで四端子法により測定したJcも実用上必要とされる0.4〜0.5MA/cm2に到達している。実施例におけるこのJc値は比較例に比べて確実に良好である。さらに、実施例AとBとで行ったテープ横方向への傾きは、面内配向度を向上させ、高Jc化にも有効であることが示され、配向テープ基板と蒸着面との角度をつけて成膜する手法の自由度が大きいことを示唆する結果が得られた。この結果によれば、配向テープ基板と蒸着面との角度(長さ方向と横方向)をさらに最適化することにより、より優れた特性を得ることができると高い確度をもって推察される。
【0053】
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0054】
【発明の効果】
本発明の線材およびその製造方法を用いることにより、高い生産性で配向性に優れた酸化物超電導線材を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における線材を製造する方法の概要図である。
【図2】図1において、薄膜を蒸着する部分の拡大図である。
【図3】実施の形態1において製造した酸化物超電導線材を示す断面図である。
【図4】配向層を有するテープ状基板の断面図である。
【図5】図4のテープ状基板の(111)極点図である。
【図6】テープ状基板の配向層の原子配列と、その上にヘテロエピタキシャル成長する中間層の原子配列との関係を示す図である。
【図7】図4の配向層を有するテープ状基板を傾けて蒸着した中間層の(111)極点図である。
【図8】中間層の成膜速度が中間層の配向性に及ぼす影響を示す図である。
【図9】中間層の膜厚が中間層の配向性に及ぼす影響を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2における線材を製造する方法の概要図である。
【図11】図10の方法で形成された中間層の配向性を示す(111)極点図である。
【図12】実施例1の本発明例における中間層の配向性を示す(111)極点図である。
【図13】実施例2の結果を示す図である。
【図14】従来の製造方法において、配向層を有するテープ状基板を傾けずに蒸着した中間層の(111)極点図である。
【符号の説明】
1 テープ状基板、1a テープ状基材、1b 配向層、2 中間層、5 保護層、11 固体原料(ターゲット)、12 マスク、13 レーザ光、15 レーザプルーム、21 サプライコイル、22 巻取コイル、θ 基板の傾き角度。
Claims (14)
- 蒸着膜を含む線材を製造する方法であって、
少なくとも表層部において配向しているテープ状基板を形成する工程と、
その後、蒸着膜を蒸着するに際し、蒸着源の面と前記テープ状基板の延びる方向とのなす角度が所定の角度範囲に入るように配置して、前記配向した表層部の上に蒸着膜を形成する工程とを備える、線材の製造方法。 - 前記テープ状基板の延びる方向と、前記蒸着源の面とのなす角度が、20°〜80°の範囲内にある、請求項1に記載の線材の製造方法。
- 蒸着膜を含む線材を製造する方法であって、
少なくとも表層部において配向しているテープ状基板を形成する工程と、
その後、前記テープ状基板の表層部を蒸着源に対面させて走行させ、前記蒸着膜を蒸着するに際し、その蒸着源から放射される蒸着種が到達し、蒸着膜が蒸着され始める前記テープ状基板の部分において、その蒸着され始める部分のテープ状基板に沿う方向と、前記蒸着源からその部分に至る直線とのなす角度が20°〜80°の範囲にあるように、前記蒸着の操業条件および配置を設ける、線材の製造方法。 - 前記表層部が配向したテープ状基板を形成する工程では、テープ状基材の上に配向を有する配向層を形成する、請求項1〜3のいずれかに記載の線材の製造方法。
- 前記蒸着膜を形成する工程では、前記テープ状基板の配向層の上に配向した中間層を形成し、次いで前記中間層の上に酸化物超電導膜を形成する、請求項1〜4のいずれかに記載の線材の製造方法。
- 前記中間層の膜厚が1μm以下である、請求項5に記載の線材の製造方法。
- 前記蒸着膜が物理蒸着法によって形成される、請求項1〜6のいずれかに記載の線材の製造方法。
- 前記酸化物超電導膜を形成する以前に、前記テープ状基板と前記酸化物超電導膜との間のいずれかの位置に、前記テープ状基板の延びる方向と、前記蒸着源の面とのなす角度をほぼゼロにした配置で、前記テープ状基板に蒸着膜を形成する工程をさらに備える、請求項5〜7のいずれかに記載の線材の製造方法。
- 前記テープ状基板にRE(希土類)系123構造の酸化物超電導膜を形成する、請求項5〜8のいずれかに記載の線材の製造方法。
- 可撓性を有するテープ状基材と、
配向を有し、前記テープ状基材の上に位置する配向層と、
前記配向層の上に位置する配向した酸化物からなる中間層と、
前記中間層の上に位置する酸化物超電導膜とを備える、線材。 - 前記中間層は、実質的に(100)配向を有する、請求項10に記載の線材。
- 前記中間層の厚みが1μm以下である、請求項10または11に記載の線材。
- 前記配向層と酸化物超電導膜との間のいずれかの位置に配向した補助中間層を、さらに備える、請求項10〜12のいずれかに記載の線材。
- 前記酸化物超電導膜が、RE(希土類)系123構造の酸化物超電導膜である、請求項10〜13のいずれかに記載の線材。
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- 2002-04-16 JP JP2002113295A patent/JP2004006063A/ja active Pending
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