JP2003317557A - 線材の製造方法および線材の製造装置 - Google Patents

線材の製造方法および線材の製造装置

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JP2003317557A
JP2003317557A JP2002123924A JP2002123924A JP2003317557A JP 2003317557 A JP2003317557 A JP 2003317557A JP 2002123924 A JP2002123924 A JP 2002123924A JP 2002123924 A JP2002123924 A JP 2002123924A JP 2003317557 A JP2003317557 A JP 2003317557A
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tape
substrate
shaped substrate
wire rod
manufacturing
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Kozo Fujino
剛三 藤野
Kazuya Daimatsu
一也 大松
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
International Superconductivity Technology Center
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸着蒸着物によって蒸着の妨害をされず、テ
ープ状基板を用いて酸化物超電導線材を製造する方法お
よびその製造装置を提供する。 【解決手段】 テープ状基板1の上に蒸着を有する線材
の製造方法であって、テープ状基板の上にターゲット5
からの蒸着種を蒸着する際、テープ状基板の幅端部位置
に、ターゲット5から見てそのテープ状基板に陰をつく
らないようにダミー基板3a,3bを配置してその蒸着
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、線材の製造方法お
よび線材の製造装置に関し、より具体的には酸化物超電
導線材の製造方法および酸化物超電導線材の製造装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、レーザアブレーション法を用い
て酸化物超電導線材を製造する従来の方法を示す図であ
る。走行方向119に向けて走行するテープ状基板1
は、ヒータ108によって加熱される。このヒータには
ランプヒータが用いられるため、必ずしもヒータとテー
プ状基板とは接触している必要はない。この場合、テー
プ状基板101の表面は、ターゲット105の溶融面と
平行に配置される。ターゲット105にレーザ光112
を照射することにより、レーザ光の入射角度にかかわら
ず、ターゲット面にほぼ垂直な方向にプラズマ(プルー
ム107と呼ばれる)が発生する。このため、プラズマ
中の粒子はテープ状基板にほぼ垂直に照射され、蒸着膜
が蒸着される。
【0003】この配置において、一般に、(a1)テー
プ状基板の温度、(a2)用いられる雰囲気ガスの種
類,(a3)ガス圧、(a4)成膜速度、等によりテープ
状基板に対して垂直な方向に配向する結晶軸は変化す
る。しかし、ある特定の条件を選択すると、この条件に
対応した所定の結晶軸がテープ状基板にに対して垂直に
配向するようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のターゲットとテ
ープ状基板との配置では、テープ状基板面と平行な方向
に対して、すべての条件が等方的である。このため、テ
ープ状基板面内の方向に関して蒸着される結晶方位はラ
ンダムであり、したがって、テープ状基板面内方向につ
いて配向した線材を得ることはできない。実用レベルの
高い臨界電流密度Jcを得るためには、テープ状基板面
内方向についても所定の配向が形成されることが必要で
ある。
【0005】このため、図8に示すように、ヒータ10
8で加熱されるテープ状基板101の面をターゲット1
05の面に傾けた状態を保ちながらレーザアブレーショ
ン法による蒸着膜の形成を行う方法が提案された。テー
プ状基板はz軸方向に走行し、したがってテープ状基板
の幅方向がx軸方向に対して角度θだけ傾いている。こ
のように、ターゲット面に対してテープ状基板面を傾け
る方法は、ISD(Inclined Substrate Deposition)法
と呼ばれる。このISD法において、たとえば、傾斜角
はθが55°のとき、<001>軸がテーパ状基板面に
垂直に配向しようとする。また、この条件下では、粒子
の飛んでくる方向、すなわちターゲット面にほぼ垂直な
方向に<111>軸が配向しようとする。これらの配向
傾向を利用することにより、テープ状基板面と平行な面
内に<001>軸が秩序をもって強く配向するようにな
る。その結果、高い臨界電流密度を得ることができる。
【0006】しかしながら、テープ状基板にレーザアブ
レーション法またはその他の薄膜製造方法により蒸着膜
を形成すると、図9に示すように、テープ状基板101
の幅端部外側に蒸着物120をこびりつかせてしまう。
この蒸着物は、テープ状基板とターゲットとの間に突き
出し、テープ状基板表面に薄膜を形成する障害となる。
このようなテープ状基板の端部における蒸着物は、上記
のISD法だけでなく、通常のPLD法においても問題
となるが、ISD法では、テープ状基板を傾けているの
で、蒸着源から見て、蒸着物が陰になりやすい。このた
め、テープ状基板の周囲、とくに蒸着源に近い側の周囲
に形成される蒸着物が障害となる程度は大きい。
【0007】本発明は、テープ状基板を用いてISD法
により酸化物超電導線材を製造する方法およびその製造
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の線材の製造方法
は、テープ状基板の上に蒸着膜を有する線材の製造方法
である。この製造方法では、走行するテープ状基板の上
に蒸着源からの蒸着種を蒸着する際、テープ状基板の幅
端部位置に、蒸着源から見てそのテープ状基板に陰をつ
くらないようにダミー基板を配置してその蒸着を行う
(請求項1)。
【0009】この方法により、テープ状基板の幅端部外
側に蒸着種の蒸着物が形成されても、その蒸着物の成長
が所定レベルに達した段階で、ダミー基板を除去して新
たなダミー基板を装着することができる。このため、蒸
着物の影響を容易に除くことができる。上記の蒸着膜は
中間層に限られず、酸化物超電導膜やその他の蒸着膜を
含んでもよい。
【0010】また、上記の蒸着装置は、レーザアブレー
ション法に限定されず、真空中で蒸着膜を形成する方法
であれば何でもよく、たとえばスパッタ法、電子ビーム
蒸着法、イオンビームスパッタ法などを用いることがで
きる。
【0011】本発明の線材の製造方法では、テープ状基
板とダミー基板とは隙間なく接し、両者の表面高さが揃
うように配置することができる(請求項2)。
【0012】この方法により、テープ状基板からはみだ
して蒸着する蒸着物をダミー基板に蒸着させて除くこと
ができる。
【0013】本発明の線材の製造方法では、テープ状基
板およびダミー基板を平面的に見て、テープ状基板の幅
端部とダミー基板の幅端部とは重なっており、テープ状
基板が蒸着源に近い位置を占めることができる(請求項
3)。
【0014】この方法により、テープ状基板とダミー基
板との間に、平面的に見て隙間ができないので、たとえ
ば隙間などに蒸着物が形成されることがなくなる。ま
た、ダミー基板より蒸着源に近い位置にテープ状基板が
配置されるので、テープ状基板への蒸着種の飛来に対し
て、ダミー基板が障害になることがない。上記の「平面
的に見て」とは、蒸着源の側からテープ状ダミー基板を
垂直視することを意味する。
【0015】本発明の線材の製造方法では、ダミー基板
は、テープ状基板支持部に配置され、静止していてもよ
い。ダミー基板を簡単に取り換えることができる場合
や、線材形成の1バッチの間に上記蒸着物の成長がそれ
ほど問題にならない場合には、ダミー基板を静止状態で
配置して、1バッチごとまたは数バッチごとに取り換え
ることができる。この方法により、ダミー基板の配置構
造を簡単なものにすることができる。
【0016】本発明の線材の製造方法では、ダミー基板
はテープ状であり、そのテープ状のダミー基板を走行さ
せることができる(請求項4)。
【0017】たとえばテープ状の長いダミー基板を走行
させることにより、プルームから外れた位置で蒸着物を
除去しながらプルーム内に再装入させることができる。
このため、例えば上記蒸着物の成長速度が非常に大きい
場合にも、蒸着物の影響を簡単な機構により除くことが
可能である。
【0018】この場合、本体のテープ状基板の走行速度
と、ダミー基板の走行速度とが異なるようにすることが
望ましい。蒸着膜は本体のテープ状基板とダミー基板と
を区別せずに連続的に形成されるが、両方の基板が異な
る走行速度で走行することにより、蒸着初期の段階から
両方の基板上の蒸着膜は分離される。このため、蒸着膜
が厚くなって分離が難しくなることがなくなる。
【0019】本発明の線材の製造方法では、テープ状基
板面を、蒸着源の溶融面に対して傾けてもよい(請求項
5)。
【0020】この方法により、上記蒸着物が大きく影響
するISD法において、簡単に蒸着物を除去することが
可能となる。
【0021】上記のテープ状基板の上に蒸着される蒸着
膜は、配向性を有する中間層とすることができる(請求
項6)。
【0022】テープ状基板の配向性が弱くてもまたはほ
とんどなくても、ISD法により中間層を形成すること
により、配向性を持った中間層を形成することができ
る。このため、その中間層の上に形成される酸化物超電
導層が良好な配向性を確保することが可能になる。この
とき、テープ状線材の幅端部外側に蒸着物が形成され
ず、良好な端部性状の線材を形成することができる。
【0023】上記中間層の蒸着膜の形成では、レーザア
ブレーション法により、レーザ光を中間層用のターゲッ
トに照射してプラズマを形成し、テープ状基板の上に中
間層を形成することができる(請求項7)。
【0024】この方法により、配向性が高くかつ優れた
結晶性を有する中間層の蒸着膜を、高い製造能率で製造
することができる。
【0025】上記のテープ状基板の上に蒸着される蒸着
膜は、配向性を有する中間層、およびさらにその中間層
の上に配向性を有して形成される酸化物超電導膜とする
ことができる(請求項8)。
【0026】配向性を有する中間層および酸化物超電導
膜を、テープ状線材の幅端部外側に蒸着物を堆積させる
ことなく、良好な性状の幅端部を形成することができ
る。
【0027】なお、以後の説明において、酸化物超電導
膜を形成する場合、蒸着ままで超電導性を示す酸化物超
電導膜に限られず、後の酸素導入処理などを経て超電導
性を示す蒸着膜も、当然、含まれる。ある程度、酸化物
超電導材料の化学組成に近ければ、本説明では、酸化物
超電導膜を形成するということとする。
【0028】上記中間層の蒸着膜の形成では、レーザア
ブレーション法により、レーザ光を中間層用のターゲッ
トに照射してプラズマを形成し、テープ状基板の上に中
間層を形成し、さらに酸化物超電導膜用のターゲットに
レーザ光を照射してプラズマを形成し、中間層の上に酸
化物超電導膜を形成することができる(請求項9)。
【0029】この方法により、配向性が高くかつ優れた
結晶性を有する中間層および酸化物超電導薄膜を、高い
製造能率で製造することができる。
【0030】本発明の線材の製造装置は、テープ状基板
の上に酸化物超電導薄膜を形成する線材の製造装置であ
る。この線材の製造装置は、テープ状基板を走行させる
テープ状基板走行機構と、テープ状基板に蒸着膜を蒸着
するための蒸着装置と、テープ状基板の幅端部位置にテ
ープ状ダミー基板を配置するダミー基板配置機構とを備
える(請求項10)。また、この線材の製造装置では、
テープ状ダミー基板を走行させるダミー基板走行機構を
備えることができる(請求項11)。この線材の製造装
置は、テープ状基板の上に、配向性を有する酸化物超電
導膜を形成するのに適している(請求項12)。また、
上記のテープ状基板の上に、配向性を有する中間層およ
びその中間層の上に酸化物超電導層を形成してもよい
(請求項13)。
【0031】この装置構成により、テープ状基板の端部
外側にこびりついた蒸着物の酸化物超電導薄膜形成への
妨害を簡単に排除することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の実施の
形態について説明する。
【0033】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1における線材の製造方法を示す図である。図1に
おいて、テープ状基板1はヒータ8からわずかの距離を
おいて配置されている。ヒータにはランプヒータが用い
られる。テープ状基板には可撓性金属テープが用いら
れ、z方向に走行される。テープ状基板1の幅端部外側
には、ダミー基板3a,3bが蒸着源に面する面高さを
テープ状基板1と同じになるように揃えて配置されてい
る。ダミー基板3a,3bも、テープ状基板1と同様に
z方向に走行させてもよい。しかし、テープ状基板の走
行速度に比べて非常に小さい速度でz方向に走行させて
もよいし、走行させ必要がない場合には、静止させてお
いてもよい。
【0034】ターゲット5はレーザ光12に照射され、
プラズマを含むプルーム7を立ち上げ、テープ状基板1
の上に中間層(図示せず)を積層する。テープ状基板の
上に配向層として機能するだけでなく、通常、金属で形
成されるテープ状基板と酸化物超電導体との相互拡散を
防ぐ機能も有する。中間層を構成する材料には、イット
リア安定化ジルコニア(YSZ)などの金属酸化物を用
いることができる。プルーム7はテープ状基板1のみを
カバーするだけでなく、ダミー基板3a,3bにも中間
層または蒸着物を堆積する。z方向に走行するテープ状
基板1の上には一定膜厚が実現するように、レーザ光や
走行速度を調整する。ダミー基板3a,3bの上にも中
間層が堆積されるが、ダミー基板をやはりz方向に走行
させる。
【0035】テープ状基板1は、サプライコイルなどか
ら供給され、巻取コイルによって巻き取られながら、プ
ルーム中を走行する。
【0036】図2は、テープ状基板1の周囲の拡大断面
図である。テープ状基板1とダミー基板3a,3bと
は、ターゲット側の面が連続した平面をなすように高さ
を揃えることが望ましい。
【0037】上記の構成により、ダミー基板上の中間層
の蒸着物を、常に所定の厚さ以下に保つことができる。
このため、蒸着物がテープ状基板への中間層形成に対し
て障害物になることがなくなる。
【0038】(実施の形態2)図3は、本発明の実施の
形態2における線材の製造方法を示す図である。また、
図4は、テープ状基板1の周囲の拡大断面図である。ダ
ミー基板の走行や静止については、実施の形態1と同様
の説明が、ここでも成り立つ。
【0039】本実施の形態においては、蒸着源の面とテ
ープ状基板が走行する方向とが、所定の角度θをなすこ
とに特徴がある。θとしては、たとえば45°とする。
この角度は、20°〜80°の範囲内とする。また、望
ましくは、30°〜70°の範囲に入れる。
【0040】テープ状基材は、好ましくは可撓性を有す
るテープである。また、好ましくは、テープ状基材は、
銀、銀合金、ニッケル、ニッケル合金およびステンレス
鋼からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。この
上に、配向層を形成してもよい。テープ状基材に積層さ
れる配向層は、好ましくは、銀、銀合金、ニッケルおよ
びニッケル合金からなる群より選ばれた少なくとも1種
の蒸着膜を含む。テープ基板の上に配向層がある場合で
も、またない場合でも、テープ状基板の上に(100)
配向を有する中間層を形成することができる。
【0041】中間層の形成に際して、図3および図4に
示すように、蒸着源の面とテープ状基板が走行する方向
とが、所定の角度θをなすようにする。テープ状基板の
走行速度は0.1m/時間〜10m/時間とする。ま
た、ダミー基板3a,3bを走行させる。ダミー基板の
走行速度は、テープ状基板と同じでもよいが、両方の基
板にまたがって蒸着する蒸着物を分断するためには、異
なる速度で走行させるほうが望ましい。
【0042】ダミー基板には、700〜800℃に加熱
されて酸化されにくい材料を用いる。700〜800℃
に加熱されて酸化されにくい材料であれば何でもよい
が、たとえば各種のステンレス鋼は価格と性能とを満た
す好適な材料である。
【0043】たとえば、テープ状基板の寸法を、10m
m幅×0.08mm厚としたとき、ダミー基板の寸法
を、4〜5mm幅×0.01mm厚とすることができ
る。また、ダミー基板の寸法を、テープ状基板とほぼ同
じ10mm幅×0.1mm厚とすることができる。
【0044】レーザアブレーション法で中間層を蒸着す
る際、固体原料(ターゲット)は、酸化ストロンチウム
チタン(SrTiO3)、酸化マグネシウム(Mg
O)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ハフニウム
(HfO2)、酸化プラセオジム(PrO2)、酸化ジル
コニウムガドリニウム(Zr2Gd27)、酸化ジルコ
ニウムサマリウム(Zr2Sm27)、酸化ジルコニウ
ムランタン(Zr2La27)、酸化サマリウム(Sm2
3)、酸化バリウムジルコニウム(BaZrO3)、酸
化ネオジムガリウム(NdGaO3)、イットリア安定
化ジルコニア(YSZ)、酸化イットリウム(Y
23)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イッテルビウ
ム(Yb23)、酸化ホルミウム(Ho23)、バリウ
ムジルコニア、サマリウムジルコニア、ジルコニウムガ
ーネット、ランタンガーネットからなる群より選ばれた
少なくとも1種を用いる。
【0045】(100)配向を有する中間層の上に、R
EBa2Cu3y123構造の酸化物超電導膜が、やは
り(100)配向を有するように形成する。この酸化物
超電導膜の形成に際して、図3に示すように、蒸着源の
面とテープ状基板が走行する方向とが、所定の角度θを
なすようにしてもよい。すなわち、ISD法で形成して
もよい。中間層がISD法で形成され、すでに下地に配
向層ができているので、酸化物超電導膜は必ずしもIS
D法で形成しなくてもよい。レーザアブレーション法に
より、REBa2Cu3y123構造の酸化物超電導膜
および他の種類の酸化物超電導膜を形成する場合、酸化
物超電導膜用の固体原料(ターゲット)からプラズマを
発生させて、中間層の上に配向蒸着膜を形成する。
【0046】本実施の形態によれば、ダミー基板を設け
ないで中間層を形成した場合、またさらにその上に酸化
物超電導膜を形成する場合、テープ状基板を傾けている
ことによって、テープ状基板の幅端部の外側にこびりつ
く蒸着物質によって受ける影響が大きくなる。しかし、
テープ状基板を傾けた場合でも、上記のダミー状基板を
配置することにより、こびりついた蒸着物によってテー
プ状基板が蒸着の陰になることを避けることができる。
【0047】(実施の形態3)図5および図6は、本発
明の実施の形態3における線材の製造方法を示す図であ
る。実施の形態1および2では、ダミー基板の表面がテ
ープ状基板の表面と連続した平面を形成するように高さ
を揃える構成について説明した。本実施の形態における
特徴は、平面的に見てダミー基板3a,3bとテープ状
基板1とが互いに重なる部分を有し、テープ状基板1が
ターゲットに近い位置を占める点に特徴がある。テープ
状基板およびダミー基板の走行については、実施の形態
1および2と同様なことがいえる。テープ状基板の寸法
を、10mm幅×0.08mm厚としたとき、ダミー基
板の寸法を、テープ状基板とほぼ同じ10mm幅×0.
1mm厚とする。
【0048】実施の形態1および2の場合、テープ状基
板とダミー基板との高さを表面が揃うように調整して
も、両者の間に隙間が生じ、その隙間に蒸着物が詰め込
まれ、やがては突起状に成長するおそれがある。このよ
うな突起は、テープ状基板への中間層の配向成長の障害
になる。図5および図6に示すように、端部で互いに重
なり合いながら、テープ状基板をターゲットに近い位置
に配置することにより、上記隙間からの蒸着物の成長を
排除することができる。
【0049】上記図5および図6に示す配置で中間層を
形成する場合、テープ状基板の温度を常に一定に保つた
め、(a)テープ状基板の横ゆれを防止し、(b)ヒー
タとの間隔を一定にし、(c)ダミー基板との隙間を無
くすこと、が重要である。
【0050】また、テープ状基板およびダミー基板を形
成する材料には、実施の形態2で説明した材料を用いる
ことができる。
【0051】上記において、本発明の実施の形態につい
て説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の
形態はあくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発
明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許
請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範
囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を
含む。
【0052】
【発明の効果】本発明の線材の製造方法を用いることに
より、テープ状基板に中間層を形成する際、また所定の
場合には酸化物超電導膜を形成する際に、目的とする蒸
着に対して障害となる蒸着物がテープ幅端部外側で成長
する以前に、簡単な機構でその部位の蒸着物を除去する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における線材の製造方
法を示す図である。
【図2】 図1のテープ状基板の周囲の断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態2における線材の製造方
法を示す図である。
【図4】 図3のテープ状基板の周囲の断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態3における線材の製造方
法を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態3における線材の製造方
法の変形例を示す図である。
【図7】 従来の線材の製造方法を示す図である。
【図8】 図7に示すテープ状基板の傾きを示す図であ
る。
【図9】 従来の線材の製造方法において発生する蒸着
物を示す図である。
【符号の説明】
1 テープ状基板、3a,3b ダミー基板、5 ター
ゲット、7 プルーム、8 ヒータ、9 隙間、12
レーザ光、θ 基板の傾き角度。
フロントページの続き (72)発明者 大松 一也 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 Fターム(参考) 4K029 AA25 BC04 CA01 DB20 HA03 4M113 BA01 BA09 BA11 CA31 5G321 AA01 BA01 CA21 DB38

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ状基板の上に蒸着膜を有する線材
    の製造方法であって、 走行する前記テープ状基板の上に蒸着源からの蒸着種を
    蒸着する際、前記テープ状基板の幅端部位置に、前記蒸
    着源から見てそのテープ状基板に陰をつくらないように
    ダミー基板を配置してその蒸着を行う、線材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記テープ状基板と前記ダミー基板とは
    隙間なく接し、両者の表面高さが揃うように配置する、
    請求項1に記載の線材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記テープ状基板および前記ダミー基板
    を平面的に見て、前記テープ状基板の端部と前記ダミー
    基板の端部とは重なっており、前記テープ状基板が前記
    蒸着源に近い位置を占める、請求項1に記載の線材の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記ダミー基板はテープ状であり、その
    テープ状のダミー基板を走行させる、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の線材の製造方法
  5. 【請求項5】 前記テープ状基板面は、前記蒸着源の溶
    融面に対して傾いている、請求項1〜4のいずれかに記
    載の線材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記テープ状基板の上に蒸着される蒸着
    膜は、配向性を有する中間層である、請求項1〜5のい
    ずれかに記載の線材の製造方法。
  7. 【請求項7】 レーザアブレーション法により、レーザ
    光を中間層用のターゲットに照射してプラズマを形成
    し、前記テープ状基板の上に前記中間層を形成する、請
    求項6に記載の線材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記テープ状基板の上に蒸着される蒸着
    膜は、配向性を有する中間層、およびさらにその中間層
    の上に配向性を有して形成される酸化物超電導膜であ
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の線材の製造方法。
  9. 【請求項9】 レーザアブレーション法により、レーザ
    光を中間層用のターゲットに照射してプラズマを形成
    し、前記テープ状基板の上に前記中間層を形成し、さら
    に酸化物超電導膜用のターゲットにレーザ光を照射して
    プラズマを形成し、前記中間層の上に酸化物超電導膜を
    形成する、請求項8に記載の線材の製造方法。
  10. 【請求項10】 テープ状基板の上に蒸着膜を形成する
    線材の製造装置であって、 前記テープ状基板を走行させるテープ状基板走行機構
    と、 前記テープ状基板に蒸着膜を蒸着するための蒸着装置
    と、 前記テープ状基板の幅端部位置にテープ状ダミー基板を
    配置するダミー基板配置機構とを備える、線材の製造装
    置。
  11. 【請求項11】 前記テープ状ダミー基板を走行させる
    ダミー基板走行機構を備える、請求項10に記載の線材
    の製造装置。
  12. 【請求項12】 前記テープ状基板の上に、配向性を有
    する中間層を形成する、請求項10または11に記載の
    線材の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記テープ状基板の上に、配向性を有
    する中間層およびその中間層の上に酸化物超電導層を形
    成する、請求項10または11に記載の線材の製造装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007191758A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 樹脂基材の表面改質方法
JP2013044006A (ja) * 2011-08-23 2013-03-04 Furukawa Electric Co Ltd:The Cvd装置及び超電導線材の製造方法

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