JP2004004045A - 水処理用薬品の濃度管理方法及び濃度管理装置 - Google Patents

水処理用薬品の濃度管理方法及び濃度管理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水処理用薬品を容易且つ迅速に、より精度良く測定することができる水処理用薬品の濃度管理方法及び濃度管理装置を提供する。
【解決手段】水処理用薬品と共にトレーサー物質としてのリチウムの水溶性塩を被処理水中に添加し、リチウムイオン濃度をリチウムイオン感応物質を用いて電気化学的又は光学的に測定することにより、被処理水中に添加した上記水処理用薬品の濃度管理を行う。リチウムイオン感応物質を用いた電気化学的又は光学的なリチウムイオン濃度測定には、イオン選択電極、イオン選択電解効果トランジスター、イオンオプトードを利用することができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却水系等の循環水系の水中の水処理用薬品(水処理薬剤、水系添加薬剤)の濃度管理方法及び濃度管理装置に関するものであり、詳しくは、水処理用薬品と共にトレーサー物質としてのリチウムの水溶性塩、即ち、リチウムイオンを被処理水に添加し、リチウムイオン濃度をリチウムイオン感応物質を用いて電気化学的又は光学的に検出、定量する方法によって、安定的かつ効率的な水処理用薬品の濃度管理を行う方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、あらゆる産業において工業用水等の用水は重要な役割を果しており、循環水系で用いられることも多く、多用される循環水系にはボイラー水系や開放系や閉鎖系の冷却水系などがある。これらの循環水系の水処理には、腐食、スケール、スライム等の水に起因する障害を防ぐために種々の水処理用薬品(薬剤)が使用されている。一般に、冷却水系等の循環水系で使用される水処理薬剤には、防食剤、分散剤、スケール防止剤、殺菌剤、スライム防除剤(バイオファウリング抑制剤)などがある。
【0003】
これらの各種の薬剤の効果による適切な水処理を行い、これらの薬剤の有する効果を持続させるためには、任意の位置、時間等におけるこれらの薬剤濃度を正確に把握し、適切な濃度管理を行うことが必要である。
【0004】
ところが、薬剤の種類によっては、被処理水中の濃度の測定が不可能なものがある。また、比色法や比濁法やその他の定量法で測定ができたとしても、その操作が煩雑であったり、操作に長時間を要するため、プラントの運転管理上実用的で無い場合がある。そのため、水処理用薬品としてそれ自身の濃度の測定が不可能あるいは困難な薬剤を用いた場合の濃度管理方法として、簡単に濃度測定できる物質をトレーサーとして用いることが行われている。このトレーサー物質を用いる方法によれば、それ自身の濃度の測定が不可能な薬剤、あるいは困難な薬剤であっても、その被処理水中における濃度を迅速に測定することが可能となる。これまで、水処理用薬品の濃度をトレーサー物質により測定する従来方法は、トレーサー物質の種類により分類することができ、代表的な例として蛍光トレーサー法、色素トレーサー法、臭素トレーサー法、沃素トレーサー法、カリウムトレーサー法、リチウムトレーサー法などがある。
【0005】
トレーサーとして用いられるこれらの物質は、一般に、次に挙げるような多くの条件を満足することが望まれる。(1)工業用水等の用水中に存在しないか、あるいはその存在量が無視できるほど微量であること、(2)化学的に安定であること、(3)微生物の作用で容易に分解しないこと、(4)公害防止上の観点から実質的に無害であること、(5)対象の工業用水等の用水中の溶存塩類と反応して、不溶性物質やスケールを生じないこと、(6)水系の配管材料等の金属材料に対する腐食性がないこと、(7)溶存塩類による妨害を受けること無く定量分析が可能なこと、(8)分析が正確にかつ迅速に行なえることなどである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
水処理用薬品の濃度を測定する従来方法のうち、蛍光トレーサー法としては例えば特開平2−115697号公報に開示される方法、色素トレーサー法としては例えば特開2001−334255号公報に開示される方法がある。しかし、トレーサーとして用いる有機物質がボイラー水や冷却水等の循環水(特に開放系の冷却水)中において、光、熱、酸化剤、pHなどの影響により変質するものが多く、経時的な測定において、トレーサー濃度が水処理用薬品濃度に関係無く減少してしまい、水処理用薬品濃度に換算できなくなるという欠点がある。また、トレーサー以外の水処理用薬品を含むボイラー水や冷却水等の循環水自体が、スラッジ等の汚れによる影響により、程度の差こそあれ吸光物質あるいは蛍光物質を含有する場合があり、その妨害を考慮に入れた測定を行わなければならないという問題がある。
【0007】
水処理用薬品の濃度を測定する別の従来方法として、臭素イオン又は沃素イオンをトレーサーとして用いる方法が特開平4−296651号公報に開示されている。この公報の明細書では、迅速且つ簡単な臭素又は沃素の測定方法としては滴定法やイオン電極法を使うことが、高感度または他の陰イオンの同時測定が必要な場合はイオンクロマトグラフ法を使うことが示されている。しかしながら、滴定法は操作が煩雑で分析の自動化が難しくリアルタイムな濃度管理は不可能という欠点がある。また、臭素イオン電極法及び沃素イオン電極法は他の陰イオンとの選択性に難があり、冷却水中に含まれる不純物の影響を受け易いという欠点がある。イオンクロマトグラフ法は測定に大掛かりな装置が必要であり、また、試料水をサンプリングしてから測定結果を得るまでに長時間を要するためにリアルタイムな濃度管理は不可能という欠点がある。
【0008】
カリウムトレーサー法は特開平4−296652公報に開示され、迅速且つ簡便な測定方法としてイオン電極法の適用が示唆されている。しかしながら、冷却水中にはもともと原水からの一定量のカリウムイオンが含まれており、冷却水への補給水として供給される原水中に含まれるカリウム濃度の変動の影響を受け易いという難点がある。
【0009】
リチウムトレーサー法は特開昭51−111388号公報に開示されている。この方法では原子吸光法による検出を必要としていた為、測定に大掛かりな装置が必要となり、また、試料水をサンプリングしてから測定結果を得るまでに長時間を要するためにリアルタイムな濃度管理は不可能という欠点があった。
【0010】
本発明は、上記従来技術の諸課題を解決し、水処理用薬品を容易且つ迅速に、より精度良く測定することができる水処理用薬品の濃度管理方法及び濃度管理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のために成された本発明の水処理用薬品の濃度管理方法及び濃度管理装置は、トレーサー物質としてリチウム(水溶性塩として)、即ち、リチウムイオンを用いるものであり、リチウムイオン濃度をリチウムイオン感応物質を用いて電気化学的又は光学的に検出することを特徴とするものである。即ち、本発明は、水処理用薬品と共にトレーサー物質としてのリチウムの水溶性塩を被処理水中に添加し、リチウムイオン濃度をリチウムイオン感応物質を用いて電気化学的又は光学的に測定することにより、被処理水中に添加した前記水処理用薬品の濃度管理を行うことを特徴とする水処理用薬品の濃度管理方法、並びに、被処理水に接するリチウムイオン感応物質と、該感応物質の状態を電気信号又は光信号へ変換するトランスデューサーと、該信号を受信して水処理用薬品濃度を算出する演算部と、算出された水処理用薬品濃度を基に被処理水へ添加する水処理用薬品の添加量を決定する制御部とを有することを特徴とする水処理用薬品の濃度管理装置を提供するものである。
【0012】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明によれば、水処理用薬品の既知量と共にリチウムの水溶性塩の既知量を冷却水系等の循環水系中の水に加えておき、該循環水系中のリチウムイオンの濃度をリチウムイオン感応物質を用いて検出し、該水処理用薬品の既知量に比例するリチウムイオン濃度の検出濃度から上記水中に存在する水処理用薬品の濃度を定量することにより、該循環水系中の水中に存在する水処理用薬品濃度の検出を行うことができ、水処理用薬品の濃度管理を行うことができる。
【0013】
即ち、本発明の方法に使用するリチウムイオンは、工業用水等の用水中に通常存在せず、また、化学的に安定であり、微生物の影響も受けず、その使用濃度において実質的に無害であり、その有する化学的な性質からスケール障害の原因とはならない。本発明によれば、かかるリチウムイオンの濃度を、リチウムイオン感応物質を用いることによって、従来の原子吸光法などに比べて遥かに簡易に短時間に求めることができ、また、簡易な測定装置を用いて現場で測定することも可能である。
【0014】
本発明において使用するリチウムの水溶性塩としては、例えば、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硫酸リチウム、塩化リチウムなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
リチウムイオンをトレーサー物質として水処理用薬品の添加量に比例して添加する。添加方法としては、リチウムイオンと水処理用薬品を別々に一定の割合で被処理水に添加する方法と、リチウムイオンを予め一定割合で水処理用薬品に配合しておき、水処理用薬品とリチウムイオントレーサーを同時に被処理水に添加する方法がある。
【0016】
水処理用薬品濃度算出法としては、前もって水系に対しての水処理用薬品の添加量とリチウムイオントレーサーの添加量との比率を既知の係数(リチウムイオントレーサーによる薬品濃度換算係数)として把握しておけば、例えば、適当な採取位置、時間で、被処理水中のリチウムイオントレーサーの濃度を検出して、その値に係数を乗じることにより、水処理用薬品濃度を算出することができる。この算出値に応じて、必要になった水処理用薬品とリチウムイオントレーサーの被処理水への添加量を算出することができる。
【0017】
リチウムイオン感応物質は、代表的にはリチウムイオンに選択的に配位するイオン選択性配位分子であり、イオノフォアあるいはニュートラルキャリア等と称されることもある。かかるリチウムイオンに選択的に配位するイオン選択性配位分子の物質としては、例えば、6,6−ジベンジル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカン(CAS No.106868−21−7)、6−[2−(ジエトキシフォスフォリルオキシ)エチル]−6−ドデシル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカン、更には下記化学式(1)又は(2)で表される化合物類を挙げることができる。
【0018】
【化3】
Figure 2004004045
(但し、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ベンジル基、ベンジルオキシメチル基、フェニル基又はシクロヘキシル基であり、R〜Rは、それぞれ独立して炭化水素基である)。
【0019】
【化4】
Figure 2004004045
(但し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭化水素基であり、R〜Rの内の少なくとも一つは炭化水素基である)。
【0020】
とRのアルキル基とR〜R及びR〜Rの炭化水素基の炭素数は、それぞれ独立して1〜28であるのが好ましく、また、各化合物においてこれらの少なくとも一つが炭素数4以上の長い炭素鎖を有するのが好ましい。化学式(1)の化合物の具体例としては、トランス−2,3−ジベンジルオキシメチル−9,9,10,10−テトラメチル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカン(特開平6−73045号公報)や、2,2,3,3−テトラメチル−9−テトラデシル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカン(CAS No.151460−00−3)を挙げることができ、化学式(2)の化合物の具体例としては、(1R,14S,16R,18R)−1,17,17−トリメチル−7−テトラデシル−2,6,9,13−テトラオキサトリシクロ−[12.4.0.116.18]オクタデカンを挙げることができる。
【0021】
6,6−ジベンジル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカンは、下記の化学式(3)で表される。
【化5】
Figure 2004004045
【0022】
2,2,3,3−テトラメチル−9−テトラデシル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカンは、下記の化学式(4)で表される。
【化6】
Figure 2004004045
【0023】
(1R,14S,16R,18R)−1,17,17−トリメチル−7−テトラデシル−2,6,9,13−テトラオキサトリシクロ−[12.4.0.116.18]オクタデカンは、下記の化学式(5)で表される。
【化7】
Figure 2004004045
【0024】
6−[2−(ジエトキシフォスフォリルオキシ)エチル]−6−ドデシル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカンは、下記の化学式(6)で表される。
【化8】
Figure 2004004045
【0025】
リチウムイオン濃度を測定する手段としては、リチウムイオン感応物質を含む感応膜からなる膜電極が示す膜電位を検出することにより測定することができる。かかる感応膜を組み込んだリチウムイオン電極は、イオン選択電極として機能する一種のリチウムイオンセンサーで、本発明ではリチウムイオン選択電極である。一般に、イオン選択電極とは、測定対象イオンの水溶液中の該イオンを膜電極が示す膜電位で測定できるようにした電極であり、簡便、かつ、迅速に選択的にイオンを測定することが可能である。後に詳述する様に、このようなリチウムイオン電極の場合に、化学式(1)又は(2)の化合物をリチウムイオン感応物質として用いると、冷却水系等の循環水系の被処理水に対して特に優れた効果を発揮する。
【0026】
また、リチウムイオン濃度を測定する別の手段としては、リチウムイオン感応物質を組み込んだ電界効果型トランジスタを流れる電流値の変化を検出することにより測定することができる。この電界効果型トランジスタは、イオン選択電界効果型トランジスタとして機能するもので、この場合はリチウムイオン選択性である。イオン選択電界効果型トランジスタは、電界効果型トランジスタのゲート部分に金属の代りにイオン感応膜を付着させたものであり、測定対象イオンの水溶液中の該イオンをトランジスタ中を流れる電流値の変化として測定することが可能なものである(特開2001−4585号公報)。即ち、被処理水中のリチウムイオン濃度の大きさに応じてチャネル部の電位が変わって、チャネル部の電気抵抗が変化することになり、ドレイン電極・ソース電極間の電流が変化し、この電流を検出して、リチウムイオン濃度を知ることができる。
【0027】
また、リチウムイオン濃度を測定する更に別の手段としては、例えば、Anal. Chem., 65, 2704−2710(1993)に開示される方法のように、リチウムイオン感応物質及び蛍光物質又は吸光物質を組み込んだ膜が示す光学的特性を検出することにより測定することができる。かかる膜はリチウムイオン感応膜として機能し、これを利用した光検出型化学センサーは、イオンオプトードと称されるものである(特開2001−108621号公報)。例えば、電気的に中性のイオノフォアと変色性色素で感応膜を構成し、リチウムイオン水溶液の中のリチウムイオンがイオノフォアに結合すると、イオノフォアが例えばプロトンを放出して、このプロトンが変色性色素に付加して変色する。感応膜に可視光等を照射し、変色した色素の特定波長の吸光度を測定して、リチウムイオン濃度を知ることができる。蛍光物質の代表例としては、4’,5’−ジブロモフルオレセインオクタデシルエステル等のフルオレセイン誘導体を用いることができる。また、吸光物質としては、例えば、Anal. Chem., 65, 2704−2710(1993)に開示されるN−2,4−ジニトロ−6−(オクタデシルオキシ)フェニル−2’,4’−ジニトロ−6’−(トリフルオロメチル)フェニルアミン等の親油性を有する陰イオン色素を用いることができる。
【0028】
冷却水等の被処理水中のリチウムイオン濃度は、0.01〜20mg/L(リットル、以下同様)程度の極微量でトレーサーとして十分に機能するので、かかる濃度範囲が好ましい。しかも、このような濃度範囲において、通常はリチウムイオン濃度に対する検量線は充分な再現性を有する。0.01mg/L未満ではリチウムイオン感応膜が機能するには不十分となる場合がある濃度であり、また、20mg/Lを超えるとリチウムの水溶性塩の添加量が多くなり、一般的には不経済である。化学式(1)又は(2)の化合物を含む感応膜を組み込んだリチウムイオン電極の場合は、特に感度が優れているので、更なる経済性の観点から、冷却水等の被処理水中のリチウムイオン濃度は0.01〜2mg/Lであるのがより好ましい。
【0029】
さらに、本発明者等は、被処理水へ添加する水処理用薬品の添加量は、被処理水に接するリチウムイオン感応物質と、該感応物質の状態を電気信号又は光信号へ変換するトランスデューサーと、該信号を受信して水処理用薬品濃度を算出する演算部と、算出された水処理用薬品濃度を基に被処理水へ添加する水処理用薬品の添加量を決定する制御部とを有する本発明による水処理用薬品の濃度管理装置をもって制御することが可能であることを見出した。なお、演算部は、受信部を分離して考えることができるものでもよく、受信部を分離して考えることができないもの、即ち、受信部を包含するものでもよい。
【0030】
図1は、この水処理用薬品濃度管理装置の構成の概略説明図を示す。リチウムイオン感応物質は、上述の通りであり、被処理水と接触できる様になっている。トランスデューサーとは、リチウムイオン感応物質の状態を電気信号又は光信号へ変換する機能を有する部分であり、イオン選択電極(リチウムイオン電極)では比較電極との比較による膜電位が、イオン選択電解効果トランジスターでは該トランジスター中を流れる電流が、リチウムイオン感応物質及び蛍光物質又は吸光物質を組み込んだ膜が示す光学的特性の検出では蛍光強度又は吸光光度が、それぞれアナログ信号又はデジタル信号として出力される。演算部は、トランスデューサーより入力された信号を、予め記憶させた検量線を用いて被処理水中に含まれるリチウムイオン濃度に換算する機能を有する。制御部は、演算部で計算されたリチウムイオン濃度を用いて水処理用薬品の添加量を計算し、図示されていない制御ラインを通じて、図示されていない水処理用薬品添加ポンプ等の駆動を制御する機能を有する。演算部及び制御部は同一の単位装置であっても構わず、プログラマブルコントローラーやコンピューター等の利用が好ましい。感度等の点でリチウムイオン電極を用いるのが好ましい。
【0031】
図2は、リチウムイオンセンサーとしてのリチウムイオン電極の構造の一例を示す概略断面説明図である。このリチウムイオン電極は、電極線1をプラスチック外筒2で被覆し、電極線1の先端にリチウムイオンに選択的に配位するリチウムイオン選択性配位分子を液膜中に保持したリチウムイオン感応膜3を形成したものである。
【0032】
図3は、リチウムイオン電極の構造の他の一例を示す概略断面説明図である。外筒12中に、内部溶液13、リチウムイオンに選択的に配位するリチウムイオン選択性配位分子を液膜中に保持したリチウムイオン感応膜14、及び、内部参照電極11が収容されている構成である。内部溶液13としてはリチウムイオンを含む溶液を用いることができ、例えば、0.001〜1mol/Lの塩化リチウム水溶液等が好適に用いられる。内部参照電極11としては前記内部溶液13中で安定に動作するものを用いればよく、例えば、銀−塩化銀電極等が好適に用いられる。
【0033】
また、リチウムイオン電極は、冷却水中で劣化し易く耐久性に問題があることが分かった。本発明者等は、リチウムイオン電極の耐久性に影響を与える因子についても鋭意検討した結果、リチウムイオン電極の感応膜の表面に付着する生物膜が耐久性に重大な影響を与えていること、この生物膜の付着量は感応膜表面に達する光を遮断することにより大幅に減少させることができることを見出した。これらの知見より、本発明者等は、耐久性の問題は、少なくとも感応膜を覆う様に遮光性のカバーを取り付けることにより解決することができることも見出した。遮光性のカバーは感応膜のみを覆う構造であっても、また、リチウムイオン電極全体を覆う構造であっても良い。遮光性のカバーの形状は特に限定されないが、図4に示す様な感応膜のみを覆う箱状又は筒状、図5に示される様な感応膜のみを覆う傘状、図6に示される様なリチウムイオン電極全体を覆う箱状又は筒状などが好適である。図4〜6の概略断面説明図において、21は信号線、22はリチウムイオン電極、23は感応膜、24は感応膜のみを覆う箱状又は筒状又は傘状の遮光性カバー、25はリチウムイオン電極全体を覆う箱状又は筒状の遮光性のカバーを示す。遮光性のカバーの素材は、リチウムイオン電極及び冷却水系の双方に悪影響を与えず、冷却水中で耐久性を有するものであれば特に限定されず、例えば、黒色等に着色されたプラスチック類や金属類を好ましく使用することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の一形態としてリチウムイオン感応物質として化学式(1)又は(2)で表される化合物を含む感応膜を組み込んだリチウムイオン電極を用いる場合について詳しく説明するが、本発明はこの場合に限定されるものではない。
【0035】
ボイラー水系や開放系や閉鎖系の冷却水系では、一般に原水として純水、水道水、工業用水等を用い、濃縮倍率は1〜10倍の範囲で運転される。また、冷却水の濃縮倍率は蒸発水量、ブロー水量、補給水量により絶えず経時的に変化する。6,6−ジベンジル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカンは、容易に入手できるリチウムイオン感応物質であり、被処理水の水質、特に濃縮倍率が余り高くなく変動が少ない場合は、後述の実施例1に示す様に、この化合物をリチウムイオン感応物質として用いた感応膜を組み込んだリチウムイオン電極を用いる方法で、十分に精度良くリチウムイオントレーサーを検出できる。しかし、本発明者等の研究によれば、6,6−ジベンジル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカンをリチウムイオン感応物質として用いたリチウムイオン電極の応答電位が被処理水の水質、特に濃縮倍率に影響されることが分かった。即ち、この場合、循環水系等の被処理水の水質、特に濃縮倍率によって、リチウムイオン濃度測定値に大きな誤差を生じるという問題が明らかになった。従って、このような場合においては冷却水中のリチウムイオン濃度を正しく算出することは困難で、被処理水中に添加した前記水処理用薬品の濃度管理を正確に行うことに支障が生じる。そこで、本発明者等は更に研究を重ねた結果、化学式(1)又は(2)の化合物をリチウムイオン感応物質として用いた感応膜を組み込んだリチウムイオン電極を用いれば、その応答電位が被処理水の水質、特に濃縮倍率に影響される程度が著しく小さくなることが分かった。なお、濃縮倍率の算出方法としては、例えば、原水(補給水)と冷却水の電気伝導率の比、アルカリ金属イオン濃度の比、ハロゲンイオン濃度の比等を用いて算出する方法を用いることができる。
【0036】
ここで、リチウムイオン電極法の測定原理を説明する。リチウムイオン電極にはリチウムイオンに対し選択的に応答する感応膜があり、この感応膜部が試料溶液(試料水)中のリチウムイオンと接すると、その濃度に応じた膜電位を生じる。試料水中に浸漬させた比較電極をリチウムイオン電極の対極として高入力インピーダンスの直流電位差計に接続し、両電極間の電位差を測定することにより、膜電位が測定される。このとき直流電位差計により測定される相対電位を応答電位という。
【0037】
応答電位Eと試料水中のリチウムイオン濃度[Li]との間には下記の数式1の関係がある。この数式はネルンスト式と呼ばれる。
【数1】
Figure 2004004045
【0038】
ここで、Eは25℃での標準電極電位、Rは気体定数、Tは絶対温度、Fはファラデー定数、Logは常用対数である。数式1中の「2.303RT/F」をネルンスト定数と呼び、リチウムイオン濃度が10倍変化した場合のこの定数値を理論応答勾配又はネルンスト勾配という。例えば、25℃でのネルンスト勾配は約59mVとなる。
【0039】
リチウムイオン電極を用いた測定を行う場合は、予めリチウムイオン濃度と応答電位との関係を下記の数式2によって求めておく。
【数2】
Figure 2004004045
【0040】
試料水中のリチウムイオン濃度[Li]を応答電位Eから下記の数式3を用いて決定することになる。
【数3】
Figure 2004004045
【0041】
ここで、S(T)は、水温Tにおける応答電位Eの勾配である。一般にリチウムイオン電極は個体差を有する為、S(T)は必ずしも理論値に等しくなるとは限らない。従って、リチウムイオン濃度が既知の試料水を用い、リチウムイオン電極毎にS(T)を求めておくことが好ましい。
【0042】
応答電位の測定に用いる装置の構成の一例を図7に示す。恒温槽36の中に試料水34を満たしたビーカー37が入れられている。リチウムイオン電極32とその対極としての比較電極33が試料水に浸漬されており、これらに接続された直流電位差計31で両電極間の電位差を測定することにより、膜電位、即ち応答電位が測定される。試料水34は、攪拌機35によって攪拌される。
【0043】
図8は、リチウムイオン電極を用いた場合における本発明の水処理用薬品濃度管理装置の一例を示し、且つ、この装置が冷却水系に用いられた場合の概略説明図である。この水処理用薬品濃度管理装置は、リチウムイオン電極44及び比較電極45と、該リチウムイオン電極44からの信号を受信信号線55を介して受信して応答電位を求める受信部52と、応答電位の値に基づいて水処理用薬品濃度を算出する演算部53と、算出された水処理用薬品濃度を基に被処理水へ添加する水処理用薬品の添加量を決定する制御部54を有する。制御部54にて、算出された水処理用薬品濃度を基に被処理水へ添加する水処理用薬品の添加量を決定し、その信号は制御信号線56を介して水処理用薬品注入ポンプ50に送られ該ポンプ50を該信号に従って適宜に駆動し、冷却水貯槽43に適量の水処理用薬品を注入する。
【0044】
この装置において、リチウムイオン電極の構成については前述の通りである。リチウムイオン電極と比較電極は別々に用いてもよく、また、リチウムイオン電極と比較電極を一体化した複合電極を用いても構わない。また、水温を測定する目的で、温度センサーをリチウムイオン電極の近傍に設置するのが好ましく、さらには、上記のような複合型電極の内部に温度センサーを組み込むことが、設置の便宜上、より好ましい。リチウムイオン電極は、冷却水系から一部試料水を採取し通水するフローセル等に設置しても良いが、採水ライン、フローセル等の付帯設備が必要となることから、冷却水ピット、冷却水貯槽、冷却水配管等の冷却水系に直接設置するのが好ましい。
【0045】
リチウムイオン電極からの信号を受信する受信部としては、公知の直流電位差計を用いることができるが、リチウムイオン電極の方にできるだけ電流を流さない様にして測定値を安定化させるためには特に1011Ω以上の高入力インピーダンスを有する直流電位差計が好ましい。
【0046】
演算部は、受信部により測定された応答電位信号を、予め記憶させた検量線を用いて被処理水中に含まれるリチウムイオン濃度に換算する機能を有する。さらに、前述の薬品濃度換算係数を用いて、被処理水中に含まれる水処理用薬品濃度を算出する機能を有する。
【0047】
制御部は、演算部で計算されたリチウムイオン濃度及び/又は水処理用薬品濃度を用いて、リチウムイオン及び/又は水処理用薬品の添加ポンプを制御する機能を有する。
【0048】
受信部、演算部、及び、制御部は独立した機能を有するが、同一の単位装置として構成しても構わない。演算部及び制御部はプログラマブルコントローラーやコンピューター等の利用が好ましい。
【0049】
【実施例】
以下、実施例で本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0050】
まず、実施例1で用いたリチウムイオン電極の製作例とその使用法を以下に説明する。
[リチウムイオン電極の製作例とその使用法]
実施例1では図2のリチウムイオン電極を用いた。このリチウムイオン電極は、電極線1、プラスチック外筒2(ポリ塩化ビニールのチューブ)、感応膜3から構成される。感応膜3は、リチウムイオンに選択的に配位するリチウムイオン選択性配位分子としての化学式(3)の6,6−ジベンジル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカンと、2−ニトロフェニルオクチルエーテルと、グラファイト粉末を混合してペースト状としたものである。それぞれの含有量は、6,6−ジベンジル−1,4,8,11−テトラオキサシクロテトラデカンが1〜5重量%、2−ニトロフェニルオクチルエーテルが40重量%、グラファイト粉末が55〜59重量%であった。上記リチウムイオン電極と、飽和塩化カリウム/銀−塩化銀電極の比較電極を組み合わせ、これらを測定対象としての被処理水の中に浸漬させ、両電極間に生じる起電力をミリボルトメーターで測定した。
【0051】
実施例1
リチウムイオン濃度をリチウムイオン感応物質を用いて測定する本発明の方法が使用可能であることを確認するために、開放循環冷却水系で実験を実施した。[開放循環冷却水系]
実験を行った開放循環冷却水系の運転条件は次の通りである。
原水:埼玉県戸田市工業用水
保有水量:2トン
循環水量:1トン/分
熱交換器の冷却水入口水温:25℃
熱交換器の冷却水出口水温:35℃
なお、蒸発水量および飛散水相当分を戸田市工業用水で補給した。濃縮倍率は、原水(補給水)と冷却水の電気伝導率の比を用いて算出し、2〜2.5の範囲内となるように制御した。
【0052】
[実験]
冷却水系にトレーサーとして各一定の量の臭化ナトリウム及び炭酸リチウムを配合した水処理用薬品を添加して、冷却水を循環させた。そして、臭化物イオン濃度、リチウムイオン濃度を経時的に測定し、添加直後に測定した両者の検出濃度をそれぞれ100%としたときの検出濃度百分率(%)を比較した。なお、臭化物イオン濃度はイオンクロマトグラフ法(JIS K 0101の工業用水試験方法34.2)により、リチウムイオン濃度は原子吸光法(JIS K 0101の工業用水試験方法47.2に記載のナトリウムイオンの測定方法に準じて行い、Naの原子吸光波長589.0nmの代りにLiの原子吸光波長670.8nmを用いた)及び上記リチウムイオン電極により測定した。水処理用薬品の配合表を表1に示す。表1において、ディクエスト2010は日本モンサント(株)販売のヒドロキシエチレンジホスホン酸、アキュマー2000はローム・アンド・ハース社製のスルホン化アクリレート共重合物、ケーソンWTはローム・アンド・ハース社製のイソチアゾロン系殺菌剤である。
【0053】
【表1】
Figure 2004004045
【0054】
その結果、表2に示す様に、リチウムイオン電極で測定したリチウムイオン濃度は、イオンクロマトグラフ法により測定した臭化物イオン濃度及び原子吸光法により測定したリチウムイオン濃度と挙動がよく一致することが明らかになった。この結果から、本発明の方法がトレーサー法として、従来のイオンクロマトグラフ法による臭素トレーサー法及び原子吸光法によるリチウムイオントレーサー法と同じく使用できることが確認された。イオンクロマトグラフ法及び原子吸光法では、試料水を採取後、イオンクロマトグラフ測定装置又は原子吸光分析装置にまで運び、さらに分析に少なくとも1〜2時間を必要としたが、リチウムイオン電極を用いた本発明の方法ではその場で随時測定値を確認できたことから、薬剤濃度の同時自動制御に充分な能力を発揮することが証明された。
【0055】
【表2】
Figure 2004004045
【0056】
次に、以下の参考例1〜4と実施例2で用いたリチウムイオン電極の製作例とその使用法を以下に説明する。
[リチウムイオン電極の製作例とその使用法]
以下の参考例1〜4と実施例2では図3のリチウムイオン電極を用いた。このリチウムイオン電極は、内部参照電極11、内部溶液13、感応膜14から構成される。内部参照電極11としては銀−塩化銀電極を用いた。内部溶液13としては0.01mol/LのLiCl水溶液を用いた。感応膜は、リチウムイオン選択性配位分子とアニオン排除剤を膜溶媒に溶解し、これにポリ塩化ビニールを溶解したテトラヒドロフラン溶液を加え、よく撹拌した後にガラスシャーレ上に展開して一昼夜風乾させ、製膜した。その後、直径6mmの膜を切り出し、外筒12に取り付けた。なお、内部参照電極11及び外筒12は市販の液体膜型イオン電極キット(東亜ディーケーケー社製)を用いた。
【0057】
感応膜は液体膜であり、その組成は表3の通りとした。アニオン排除剤としてはK−TCPB(同仁化学研究所社製)を、膜溶媒としてはNPOE(同仁化学研究所社製)を用いた。また、リチウムイオン選択性配位分子としては、化学式(3)、化学式(4)、化学式(5)、化学式(6)の化合物をそれぞれ使用した。化学式(3)、化学式(4)、化学式(6)の各化合物は同仁化学研究所社製のものを、また、化学式(5)に示される化合物は特開平6−73045号公報及びAnal. Chem., 65, 3404−3410(1993)に開示される方法に従い合成したものを使用した。
【0058】
【表3】
Figure 2004004045
【0059】
このように製作されたリチウムイオン電極と、ダブルジャンクション型比較電極(東亜ディーケーケー社製・品番4083)を直流電位差計(東亜ディーケーケー社製・品番IM−55G)に接続した。リチウムイオン電極と比較電極を各試験水又は被処理水中に浸漬し、両電極間の電位差を応答電位として上記直流電位差計で測定する。
【0060】
以下の参考例1〜4の実験は、次の様な条件下で行った。リチウムイオン源としては塩化リチウムを用いた。また、開放循環冷却水系の原水として埼玉県戸田市工業用水を使用した。水温は25℃で一定となるようにした。応答電位の測定は図7の装置を用いて行った。なお、原水(補給水)と冷却水(濃縮された水)の電気伝導率の比を用いて、濃縮倍率を算出した。
【0061】
参考例1[感応膜に化学式(3)の化合物を含むリチウムイオン電極の測定例]感応膜に化学式(3)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いた応答電位の測定例であり、リチウムイオン電極が示す応答電位対リチウムイオン濃度の関係の水の濃縮倍率依存性を調べた。測定対象の被処理水として、開放循環冷却水系より採取した濃縮倍率2倍、5倍、10倍の水にリチウムイオンが所定の濃度となる様に塩化リチウムを添加した試験水を準備し、各試験水が示す応答電位を測定した。その結果を図9に示す。図9に示される様に、応答電位の挙動は試験水の濃縮倍率に強く依存した。即ち、感応膜に化学式(3)の化合物を含むリチウムイオン電極では、応答電位が濃縮倍率により大きく影響される為、冷却水等の被処理水の濃縮倍率が変動する系や冷却水等の被処理水の濃縮倍率の異なる複数の系については数式1又は2を用いて被処理水中に含まれるリチウムイオン濃度を精度良く測定することは困難であることが分かった。
【0062】
参考例2[感応膜に化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極の測定例]感応膜に化学式(3)の化合物を含むリチウムイオン電極の代りに感応膜に化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いて、参考例1と同様の試験を行った。その結果を図10に示す。図10から分かる様に、リチウムイオン濃度1mg/L以上の領域で、試料水の濃縮倍率によらず応答電位の勾配がネルンスト勾配に近くなり、リチウムイオン濃度2mg/Lでは濃縮倍率の影響を受けなくなることを見出した。即ち、感応膜に化学式(1)で表される化合物類の一つである化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極を用い、且つ、被処理水中にトレーサー物質として添加したリチウムイオンの濃度が2mg/L以下である時、感応膜に化学式(3)の化合物を含むリチウムイオン電極の場合と比べて、冷却水等の被処理水中に含まれるリチウムイオン濃度を濃縮倍率の影響を受けることなく精度良く測定することができることが分かる。なお、この場合、リチウムイオンの濃度が2mg/Lを越えると不必要なリチウムイオンを添加することになり不経済である。
【0063】
参考例3[純水を用いた測定例]
前述の通り、冷却水系では原水として純水を用いる場合がある。そこで、純水にリチウムイオンが所定の濃度となるよう塩化リチウムを添加した試験水を準備し、前記参考例2で用いたのと同じリチウムイオン電極を用いて各試験水が示す応答電位を測定した。その結果を図11に示す。図11から分かる様に、リチウムイオン濃度0.01mg/L未満の領域ではネルンスト勾配を示さないことから、本発明の目的との関連で冷却水系に含まれるリチウムイオン濃度が0.01mg/L以下では、リチウムイオンがトレーサー物質としての役割を十分には果たせないことが明らかである。
【0064】
参考例4[濃縮倍率10倍の水を用いた測定例]
感応膜に化学式(3)、(4)、(5)又は(6)の化合物を含む各リチウムイオン電極を用い、開放循環冷却水系より採取した濃縮倍率10倍の水にリチウムイオンが所定の濃度となる様に塩化リチウムを添加した試験水を準備し、各試験水が示す応答電位を測定した。その結果を図12に示す。化学式(4)又は(5)の化合物を用いた各リチウムイオン電極ではリチウムイオン濃度2mg/L以下でもネルンスト勾配を示すのに対し、化学式(3)又は(6)の化合物を用いた各リチウムイオン電極ではネルンスト勾配を示さず、応答電位からリチウムイオン濃度を算出することは困難であることが分かる。この試験結果から、化学式(5)の化合物は化学式(2)の化合物類の一つなので、化学式(1)の化合物類と同様に、化学式(2)の化合物を感応膜中に含むリチウムイオン電極を用い、且つ、被処理水中にトレーサー物質として添加したリチウムイオンの濃度が2mg/L以下である場合も、冷却水等の被処理水中に含まれるリチウムイオン濃度を精度良く測定することができることが明らかである。
【0065】
図8の装置を以下の実施例2の実験に使用した。図8の装置を説明する。冷却塔41で蒸発水の蒸発潜熱により冷却された水は冷却水ピット42を経由して冷却水貯槽43に一旦貯蔵される。この冷却水は、冷却水循環ポンプ46により送られ熱交換器47により熱交換するのに使用される。熱交換された水は冷却塔41に送られる。この様に冷却水は循環されている。補給水は必要に応じて補給水供給弁49を介して冷却水貯槽43に供給され、冷却水貯槽43中の冷却水の一部は必要に応じて冷却水ブロー弁48を介してブローされる。冷却水ピット42中の冷却水にリチウムイオン電極44と比較電極45が浸漬されており、両者間の電位差の信号は受信信号線55を通って受信部52に入り、その中で直流電位差を測定し、その値に基づいて演算部53で水処理用薬品濃度を算出し、算出された水処理用薬品濃度に基づいて制御部54で冷却水へ添加する水処理用薬品の添加量を決定する。水処理用薬品の添加量の決定値に基づく制御信号が制御信号線56を通って水処理用薬品注入ポンプ50に送られ、該ポンプ50を制御し、水処理用薬品貯槽51からの水処理用薬品を冷却水貯槽43に注入する。この装置においては、本発明の水処理用薬品の濃度管理装置は、リチウムイオン電極44、比較電極45、受信信号線55、受信部52、演算部53、制御部54、制御信号線56から主に構成されていると考えればよい。
【0066】
実施例2では、リチウムイオン電極44としては、感応膜に化学式(4)又は(3)の化合物を含むリチウムイオン選択電極を使用し、比較電極45としては内部液無補給型比較電極(東亜ディーケーケー社製・品番4401L型)を使用し、これらの電極を直流電位差計(東亜ディーケーケー社製・品番IM−55G)に接続した。応答電圧は直流電位差計より電圧値としてアナログ出力し、この信号を、内部にアナログデジタルコンバーター、マイクロコンピューター、ソリッドステートリレーを含む制御装置に入れ、最終的に水処理用薬品注入ポンプ50を制御した。この制御装置において、受信部52には直流電位差計及びアナログデジタルコンバーター、演算部53にはマイクロコンピューター、制御部54にはマイクロコンピューター及びソリッドステートリレーがそれぞれ相当する。また、実施例2の実験では循環水(冷却水)の水温が変化する為、リチウムイオン電極近傍に水温センサーを配置し、その出力信号を制御装置に入力するようにした。また、実験の記録用に、応答電位及び水温情報をデジタルアナログコンバーターを介して、制御装置外部にアナログ出力し、それを記録計に接続した。
【0067】
マイクロコンピューターでは、入力された水温情報より予め測定しておいたS(T)及びEの値を用い、入力された応答電位よりリチウムイオン濃度を算出する。また、計算されたリチウムイオン濃度及び薬品濃度換算係数より、被処理水中に含まれる水処理用薬品濃度を計算する。さらには、予め設定された目標水処理用薬品濃度と比較することにより、水処理用薬品注入ポンプのOn/Offを制御する信号を発する。制御装置内部ではOn/Off情報に基づきソリッドステートリレーを作動させ、水処理用薬品注入ポンプの電源のOn/Offを行う。
【0068】
実施例2
本発明の方法及び装置が使用可能であることを確認する為、開放循環冷却水系で実験を実施した。感応膜に化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いた。
[開放循環冷却水系]
実験を行った開放循環冷却水系の運転条件は次の通りである。
原水:埼玉県戸田市工業用水
保有水量:2トン
循環水量:1トン/分
熱交換器の冷却水入口水温:25℃
熱交換器の冷却水出口水温:35℃
なお、蒸発水量、及び、飛散水相当分は戸田市工業用水で補給した。
【0069】
[実験]
実験に用いた水処理用薬品の配合は表4の通りである。トレーサー物質であるリチウムイオン源としては塩化リチウムを使用した。
【0070】
【表4】
Figure 2004004045
【0071】
塩化リチウム12重量%をリチウムイオンに換算すると約2重量%なので、表2の水処理用薬品のリチウムイオン濃度に対する水処理用薬品濃度の換算係数は50倍となる。また、この水処理用薬品の目標管理濃度は50mg/Lであり、従って冷却水中でのリチウムイオン濃度は1.0mg/Lに保持すればよい。
【0072】
上記水処理用薬品を水処理用薬品貯槽51に投入し、制御装置により水処理用薬品濃度の制御を行わせた。また経時的に、冷却水をサンプリングし、水処理用薬品濃度(薬剤濃度)及び濃縮倍率を測定した。濃縮倍率は、原水(補給水)と冷却水の電気伝導率の比を用いて算出した。なお、水処理用薬品濃度は、水処理用薬品中にリンが含まれることから、これをJIS−K−0101−1991工業用水試験方法43.3.1に記載の全リンの測定方法に準じて測定し、水処理用薬品濃度を算出した。その結果を図13に示す。この結果から、本実施例では感応膜に化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いて制御を行ったことにより、被処理水の水質、特に濃縮倍率が変動しても、その影響を受けることなく水処理用薬品の濃度を一定に保つことが可能であることは明らかである。
【0073】
さらに、感応膜に化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極の代りに感応膜に化学式(3)の化合物を含むリチウムイオン電極を用い、水処理用薬品の目標管理濃度を175mg/Lとしたこと以外は上記の実験と同じ条件で開放循環冷却水系の実験を行った。この場合、冷却水中でのリチウムイオン濃度は3.5mg/Lに保持すればよい。その結果を図14に示す。このリチウムイオン電極によるリチウムイオン濃度の測定値はほぼ3.5mg/L付近で一定であるにも拘らず、実際の水処理用薬品濃度(薬剤濃度)は175mg/Lを大きく下回り、かつ、濃縮倍率の影響を受け変動している。これらのことから、濃縮倍率が変動する冷却水系では感応膜に化学式(3)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いる方法及び装置よりも感応膜に化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いる方法及び装置の方が水処理用薬品の濃度を一定に保つことが容易にできることが明らかである。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、トレーサー物質を使用する冷却水系等の循環水系における水処理用薬品濃度管理方法において、従来のトレーサー法では正確な濃度測定が困難であった光などの影響の及ぶ水系においても、水系に添加した水処理用薬品の濃度を容易かつ迅速にしかも精度良く測定することができ、また、簡易な測定装置を用いて現場で実質的に連続的に測定することも可能で、適正な水処理用薬品の濃度管理を行うことが可能となる。なお、循環水系として、代表的なものとして開放系の冷却水系(水冷却塔)を中心に説明してきたが、本発明の方法は、閉鎖系の冷却水系、ボイラー、エバポレーティブコンデンサーなどにも利用することができるのは勿論である。
【0075】
また、化学式(1)又は(2)で示される化合物をリチウムイオン感応物質として含む感応膜を組み込んだリチウムイオン電極を用いれば、被処理水の水質の変動、特に濃縮倍率の影響が大きい水系においても、水系に添加した水処理用薬品の濃度を精度良く測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水処理用薬品の濃度管理装置の構成の概略説明図である。
【図2】図2は、リチウムイオン電極の構造の一例を示す概略断面説明図である。
【図3】図3は、リチウムイオン電極の構造の他の一例を示す概略断面説明図である。
【図4】図4は、リチウムイオン電極の感応膜部を箱状又は筒状の遮光性カバーで覆った状態を示す概略断面説明図である。
【図5】図5は、リチウムイオン電極の感応膜部を傘状の遮光性カバーで覆った状態を示す概略断面説明図である。
【図6】図6は、リチウムイオン電極の全体を箱状又は筒状の遮光性カバーで覆った状態を示す概略断面説明図である。
【図7】図7は、リチウムイオン電極を用いて応答電位を測定するのに用いる装置の構成の一例の概略説明図である。
【図8】図8は、リチウムイオン電極を用いた場合における本発明の水処理用薬品濃度管理装置の一例を示し、且つ、この装置が冷却水系に用いられた場合の概略説明図である。
【図9】図9は、感応膜に化学式(3)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いた応答電位の測定の結果を示し、リチウムイオン電極が示す応答電位対リチウムイオン濃度の関係の水の濃縮倍率依存性を示すグラフである。
【図10】図10は、感応膜に化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いた応答電位の測定の結果を示し、リチウムイオン電極が示す応答電位対リチウムイオン濃度の関係の水の濃縮倍率依存性を示すグラフである。
【図11】図11は、試料水として純水を用い且つ感応膜に化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いた応答電位の測定の結果を示し、リチウムイオン電極が示す応答電位対リチウムイオン濃度の関係を示すグラフである。
【図12】図12は、試料水として濃縮倍率10倍の水を用い且つ感応膜に化学式(4)〜(6)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いた応答電位の測定の結果を示し、各リチウムイオン電極が示す応答電位対リチウムイオン濃度の関係を示すグラフである。
【図13】図13は、感応膜に化学式(4)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いた場合の開放循環冷却水系の実験の結果を示すグラフである。
【図14】図14は、感応膜に化学式(3)の化合物を含むリチウムイオン電極を用いた場合の開放循環冷却水系の実験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電極線
2、12 外筒
3、14、23 感応膜
11 内部参照電極
24、25 遮光性カバー
31 直流電位差計
32、44 リチウムイオン電極
33、45 比較電極
52 受信部
53 演算部
54 制御部

Claims (9)

  1. 水処理用薬品と共にトレーサー物質としてのリチウムの水溶性塩を被処理水中に添加し、リチウムイオン濃度をリチウムイオン感応物質を用いて電気化学的又は光学的に測定することにより、被処理水中に添加した前記水処理用薬品の濃度管理を行うことを特徴とする水処理用薬品の濃度管理方法。
  2. リチウムイオン濃度を、前記リチウムイオン感応物質を含む感応膜を組み込んだリチウムイオン電極が示す膜電位を検出することにより測定することを特徴とする請求項1に記載の水処理用薬品の濃度管理方法。
  3. 前記リチウムイオン感応物質が、下記の化学式(1)又は(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項2に記載の水処理用薬品の濃度管理方法。
    Figure 2004004045
    (但し、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ベンジル基、ベンジルオキシメチル基、フェニル基又はシクロヘキシル基であり、R〜Rは、それぞれ独立して炭化水素基である)。
    Figure 2004004045
    (但し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭化水素基であり、R〜Rの内の少なくとも一つは炭化水素基である)。
  4. リチウムイオン濃度を、前記リチウムイオン感応物質を組み込んだ電界効果型トランジスタを流れる電流値の変化を検出することにより測定することを特徴とする請求項1に記載の水処理用薬品の濃度管理方法。
  5. リチウムイオン濃度を、前記リチウムイオン感応物質及び蛍光物質又は吸光物質を組み込んだ膜が示す光学的特性を検出することにより測定することを特徴とする請求項1に記載の水処理用薬品の濃度管理方法。
  6. リチウムの水溶性塩を、被処理水中のリチウムイオン濃度が0.01〜20mg/リットルとなるように添加することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の水処理用薬品の濃度管理方法。
  7. 被処理水に接するリチウムイオン感応物質と、該感応物質の状態を電気信号又は光信号へ変換するトランスデューサーと、該信号を受信して水処理用薬品濃度を算出する演算部と、算出された水処理用薬品濃度を基に被処理水へ添加する水処理用薬品の添加量を決定する制御部とを有することを特徴とする水処理用薬品の濃度管理装置。
  8. 前記リチウムイオン感応物質を含む感応膜を形成して、前記リチウムイオン感応物質及び前記トランスデューサーとして機能するリチウムイオン電極を構成したことを特徴とする請求項7に記載の水処理用薬品の濃度管理装置。
  9. 前記リチウムイオン電極が、少なくとも前記感応膜を遮光性のカバーで覆ったリチウムイオン電極であることを特徴とする請求項8に記載の水処理用薬品の濃度管理装置。
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