JPH0673045A - イオン選択性配位分子およびイオンセンサ - Google Patents
イオン選択性配位分子およびイオンセンサInfo
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- JPH0673045A JPH0673045A JP4232396A JP23239692A JPH0673045A JP H0673045 A JPH0673045 A JP H0673045A JP 4232396 A JP4232396 A JP 4232396A JP 23239692 A JP23239692 A JP 23239692A JP H0673045 A JPH0673045 A JP H0673045A
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Abstract
分子。 【構成】 下記一般式(i)で示されるイオン選択性配
位分子。 【化1】 但し、式(i)中、R1〜R6はそれぞれ独立して、Hま
たは炭化水素基であって、R1〜R6の内の少なくとも1
つは炭化水素基である。 【効果】 本発明の分子を使用して作製される高選択性
のイオンセンサ(イオン電極)は極めて有用であり、工
業プロセス、食品、医療基礎研究等の分野において広く
使用できる
Description
オン電極)用感応物質、特に、リチウムイオン、マグネ
シウムイオンおよびカルシウムイオンに対する選択性の
高いイオンセンサ用感応物質に好適なイオン選択性配位
分子およびそのイオン選択性配位分子を使用したイオン
センサに関するものである。
マイシンなどの環状ペプチド類、ベンゾ〔15〕クラウ
ン−5などの環状ポリエーテル類、ノナクチン、モナク
チン、ジナクチン、トリナクチン、テトラナクチンなど
のナクチン類等の化合物を用いる技術が知られている
(特開昭59−163557号公報参照)。この技術
は、このような化合物を感応物質とすることにより、従
来検出不可能とされていたアンモニウムイオン、ナトリ
ウムイオン、カリウムイオンなどの陽イオンを高精度で
検出可能としたものである。このような化合物は総称し
てイオン選択性配位分子(あるいは中性イオノホア、イ
オン感応物質など)と呼ばれる。イオン選択性配位分子
のうち、リチウムイオンについては、例えば、木村恵一
らによって、Analytical Chemistry誌 1987年,5
9巻,2331〜2334頁(文献)に14クラウン
4誘導体を使用したリチウムイオンセンサが発表され
た。また、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオン
については、例えば、ウイルヘルム・シモン(Wilhelm
Simon)により、それぞれAnalytical Chemistry誌,1
989年,61巻,574〜576頁(文献)および
同誌1986年,58巻,2282〜2285頁(文献
)に報告された。
センサの性能はどのような用途にせよできるだけ選択性
のよいものが望まれており、さらなる高い選択性を有す
るイオン選択性配位分子が切望されている。本発明は上
記課題を鑑みてなされたもので、極めて高い選択性を有
するイオン選択性配位分子およびそのイオン選択性配位
分子を感応物質として使用したイオンセンサを提供する
ものである。
は、下記一般式(i)で示されるイオン選択性配位分子
である。
たは炭化水素基であって、R1〜R6の内の少なくとも1
つは炭化水素基である。
i)で示されるイオン選択性配位分子である。
たは炭化水素基であって、R7〜R9の内の少なくとも1
つは炭化水素基である。
i)で示されるイオン選択性配位分子である。
Hまたは炭化水素基であって、R10〜R13の内の少なく
とも1つは炭化水素基である。
v)で示されるイオン選択性配位分子である。
または炭化水素基であって、R14〜R17の内の少なくと
も1つは炭化水素基である。
いずれかに記載のイオン選択性配位分子を感応物質とし
て使用することを特徴とするものである。
い感応物質として、新規物質である下記化学式(i)と
化学式(ii)で示される化合物を合成した。
たは炭化水素基であって、R1〜R6の内の少なくとも1
つは炭化水素基である。
たは炭化水素基であって、R7〜R9の内の少なくとも1
つは炭化水素基である。
(i)(ii)は、下記モデル分子式(a)に示されるよ
うなモデル分子の概念によるものである。
大きさに適合する空孔径を持つことが知られている14
クラウン4を基本骨格としたもので、モデル分子式
(a)のXとYの位置に、かさ高い側鎖あるいはサブユ
ニットを導入したものである。この構造を採ることによ
り、リチウムイオン径よりも大きなイオンは、XとYの
位置にある側鎖(サブユニット)に妨害され、安定した
イオン配位化合物が形成されなくなる。XまたはYの位
置には、例えば、2,2,3,3−テトラメチルやピナン
やデカリノ基のようなかさ高いサブユニットが適してい
る。但し、XとYの位置に、かさ高い基を2つ導入する
ことは必ずしもリチウム選択性を向上させるものではな
い。なぜならば、リチウムイオン自身も2つのかさ高い
基に妨害されてイオン配位しにくくなるからである。従
って、XまたはYの一方がかさ高く、他方はあまりかさ
高くない方がよい。従って、式(i)で示される化合物
においては、R1〜R6はそれぞれ独立して、Hまたは炭
化水素基であって、R1〜R6の内の少なくとも1つが炭
化水素基であるものが好ましい。また、式(ii)で示さ
れる化合物においては、R7〜R9はそれぞれ独立して、
Hまたは炭化水素基であって、R7〜R9の内の少なくと
も1つは炭化水素基であるものが好ましい。特に、これ
らの化合物をイオンセンサに使用する場合に、耐久性を
付与するため、基本環の側鎖、即ち、R1〜R9の炭化水
素基には、1つ以上の、アルキル基(特に、長鎖アルキ
ル基)や、ベンジル基(特に、ベンジルオキシメチル
基)、フェニル基、シクロヘキシル基などを導入してお
くことが望ましい。
1,R2にベンジルオキシメチル基を、R3,R4,R5,
R6にメチル基を導入した分子を下記化学式(b)に示
す。尚、この分子はIUPAC命名法によれば、trans
−2,3−Dibenzyloxymethyl−9,9,10,10−tetra
methyl−1,4,8,11−tetraoxacyclotetradecane で
ある。
て、R7にHを、R8に長鎖アルキル基を、R9にメチル
基を導入した例を下記化学式(c)に示す。尚、この分
子は、IUPAC命名法によれば、Tricyclo〔12,4,
12,4,01,6〕−1,3,3−trimethyl−12−tetradec
yl−7,11,14,18−tetraoxacyclononadecane で
ある。
として用いたイオンセンサを作製したところ、リチウム
イオン以外の全てのアルカリ金属イオンおよびアルカリ
土類金属イオンに対して1000倍以上の選択性を有す
るリチウムイオンセンサ(リチウムイオン選択性電極)
を作製できた。
ず、ピナコール(下記化合物(1))(5.00g、4
2.3mmol)の無水テトラヒドロフラン(THF)溶液
に、室温攪拌下で、水素化ナトリウム(2.54g、1
06mmol、2.5eq)を徐々に加えた後、アリルブロ
ミド(12.8g、106mmol、2.5eq)の無水TH
F溶液の25mlを50分かけて滴下し、さらに80℃
で15時間攪拌した。メタノールを加えて反応を終了さ
せた後、濃縮し、これを酢酸エチル−水系で分液抽出
し、酢酸エチル層を水で3回洗浄した。さらに、最初の
水層を酢酸エチルで1回逆抽出した後、すべての酢酸層
を芒硝乾燥後、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム
クロマイトグラフィー(溶離液;ヘキサン/酢酸エチ
ル:4/1)で分離精製し、下記化合物(2)(3.9
2g、収率46.7%)を得た。
19.8mmol)の無水THF溶液(60ml)に、細か
く砕いた水素化ホウ素ナトリウム(0.673g、17.
8mmol、0.9eq)を加えた後、室温攪拌下で、三フ
ッ化ホウ素・エーテラート(3.36g、23.7mmol.
1.2eq)無水THF溶液(20ml)を1時間かけ
て滴下し、さらに13時間攪拌した。さらに、水を加え
て過剰な水素化ホウ素ナトリウムをつぶした後、3N水
酸化ナトリウム(0.569g、14.2mmol、0.72
eq)水溶液を加え、30%過酸化水素水(9.6m
l)をゆっくり加えた。3時間攪拌後、反応を終了させ
て濃縮した。これを酢酸エチル−水系で分液抽出し、酢
酸エチル層を水で3回洗浄した。最初と二番目の水層を
まとめて酢酸エチルで1回逆抽出し、すべての酢酸エチ
ル層を酢酸エチルで1回逆抽出した後、すべての酢酸層
を芒硝乾燥後、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラム
クロマイトグラフィー(溶離液;ヘキサン/酢酸エチ
ル:1/5)で分離精製し、ジオール(下記化合物
(3))(2.06g、収率44.5%)を得た。
8.79mmol)に、無水ピリジンを加えた後、氷冷下
で、30分間攪拌した。さらに、塩化p−トルエンスル
ホニル(4.19g、22.0mmol、2.5eq)を加
え、5時間氷冷下で攪拌した。反応終了後、トルエンを
加えてピリジンをとばして濃縮し、これをクロロホルム
−水系で分液し、クロロホルム層を水で3回洗浄した。
クロロホルム層を芒硝乾燥後、濃縮した。濃縮残渣をシ
リカゲルカラムクロマイトグラフィー(溶離液;ヘキサ
ン/酢酸エチル:3/1)で分離精製し、ジトシレート
(下記化合物(4))(1.22g、収率25.6%)を
得た。
nzyl−D−threitol、下記化合物(5))(167.1m
g、0.55mmol)の無水THF溶液(30ml)に、
室温攪拌下で、水素化ナトリウム(31.8mg、1.3
3mmol、2.4eq)をゆっくり加えた後、1時間攪拌
した。これに、上記得られたジトシレート(化合物
(4))(300mg、0.55mmol、1eq)の無水
THF溶液(30ml)を加えた後、70℃で96時
間、90℃で87時間攪拌した。メタノールを加えて反
応を終了させた後、濃縮し、クロロホルム−水系で分液
抽出し、クロロホルム層を水で4回洗浄した。クロロホ
ルム層を芒硝乾燥後、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲル
カラムクロマイトグラフィー(溶離液;ヘキサン/酢酸
エチル:4/1)で分離し、さらに高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)(溶離液;メタノール)で分離精
製し、下記化合物(6)(37.4mg、収率13.5
%)を得た。
あった。これを元素分析したところ化合物(b)の計算
値が、C:72.0%、H:8.9%、0:19.1%で
あるのに対し、化合物(6)の実測値は、C:71.8
%、H:9.0%、0:19.2%であった。この元素分
析の結果からも、得られた反応生成物(6)は、目的と
する化合物(b)であることが確認された。
ず、1,2−ヘキサデカンジオール(2g、7.7mmol、
下記化合物(10))をジメチルホルムアミド15ml
に溶解し、臭化アリルを2.4倍等量(2.3g、18.
6mmol)加え、氷冷下で水素化ナトリウムを3倍等量
(0.56g、23.2mmol)をゆっくり添加する。徐々
に温度を80℃に上げ、3日間攪拌する。これにより収
率約40%で下記化合物(11)が得られた。
10mmol)の無水THF溶液(30ml)に、細かく砕
いた水素化ホウ素ナトリウム(0.34g、9mmol、0.
9eq)を加えた後、室温攪拌下で、三フッ化ホウ素・
エーテラート(1.7g、12mmol、1.2eq)の無水
THF溶液(10ml)を1時間かけて滴下し、さらに
13時間攪拌した。水を加えて過剰な水素化ホウ素ナト
リウムをつぶした後、3N水酸化ナトリウム(0.29
g、7mmol、0.72eq)水溶液を加え、30%過酸
化水素水(5ml)をゆっくり加えた。3時間攪拌後、
反応を終了させ濃縮した。これを酢酸エチル−水系で分
液抽出し、酢酸エチル層を水で3回洗浄した。最初と二
番目の水層をまとめて酢酸エチルで1回逆抽出し、すべ
ての酢酸エチル層を芒硝乾燥後、濃縮した。濃縮残渣を
シリカゲルカラムクロマイトグラフィー(溶離液;ヘキ
サン/酢酸エチル:1/5)で分離精製し、ジオール体
(下記化合物(12))(2.0g、収率55%)を得
た。
5.4mmol)に無水ピリジンを加えた後、氷冷下で、3
0分間攪拌した。さらに、塩化p−トルエンスルホニル
(2.6g、13.5mmol、2.5eq)を加え、5時間
氷冷下で攪拌した。反応終了後、トルエンを加えてピリ
ジンをとばして濃縮し、これをクロロホルム−水系で分
液し、クロロホルム層を水で3回洗浄した。クロロホル
ム層を芒硝乾燥後、濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカ
ラムクロマイトグラフィー(溶離液;ヘキサン/酢酸エ
チル:1/5)で分離精製し、ジトシレート(下記化合
物(13))(1.84g、収率50%)を得た。
(14))(0.46g、2.7mmol)の無水ジメチルホ
ルムアミド(DMF)溶液(20ml)に、室温攪拌下
で水素化ナトリウム(0.23mg、11mmol、4e
q)を加え、1時間攪拌した。この溶液に、上記得られ
たジトシレート(化合物(13))(1.84g、2.7
mmol、1eq)の無水DMF溶液(20ml)を加え、
90℃で160時間攪拌した後、メタノールを加えて反
応を終了させた。濃縮後、クロロホルム−水系で分液抽
出し、クロロホルム層を芒硝乾燥後、濃縮した。濃縮残
渣をシリカゲルカラムクロマイトグラフィー(溶離液;
ヘキサン/酢酸エチル:15/1)で分離し、さらに高
速液体クロマトグラフィー(溶離液:メタノール)で分
離精製し、下記化合物(15)(69mg、収率5%)
を得た。こうして化合物(c)が合成された。
ルシウムイオンに対して極めて選択性の高い感応物質と
して、新規物質である下記化学式(iii)および化学式
(iv)で示される化合物を合成した。
Hまたは炭化水素基であって、R10〜R13の内の少なく
とも1つは炭化水素基である。
または炭化水素基であって、R14〜R17の内の少なくと
も1つは炭化水素基である。
分子およびカルシウムイオン選択性配位分子は、下記モ
デル分子式(d)に示されるようなモデル分子の概念に
よるものである。
ザクラウンを使用したものであり、陽イオンが酸素原子
や窒素原子などの電子密度の高い環の空孔へ配位しやす
くなっている。しかしこれだけでは、マグネシウムやカ
ルシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオンへの配位
力は弱いので、Zの位置にアミド結合をもつ側鎖を導入
して、これらのイオンに対する配位力を強めてある。Z
部の側鎖を検討したところ、マグネシウムイオンに対し
ては、マロンアミド形(下記化学式(e))が特に適し
ていることがわかった。
リコリックアミド形(下記化学式(f))が特に適して
いることがわかった。
ドは、ウィルヘルム・シモンらが以前に発表した上記文
献中のマグネシウムイオンおよびカルシウムイオン
選択性配位分子中にも存在するユニットであるが、該イ
オン選択性配位分子では不十分であったイオン選択性能
が、アザクラウン環を必須構成骨格とする本発明のイオ
ン選択性配位分子では、イオン選択性能を格段に高める
ことが可能となる。基本環であるアザクラウンは、マグ
ネシウムイオンについては、18員環が、カルシウムイ
オンに対しては、21員環が適している。また、化学式
(iii)と(iv)において、側鎖中の末端であるR10〜
R13及びR14〜R17についてはHまたは炭化水素基であ
って、少なくともR10〜R13の内の1つは、及びR14〜
R17の内の1つはアルキル基(特に、ノルマルアルキル
基)または、アダマンチル基(下記化学式(g))や、
シクロヘキシル基のようなかさ高いものが選択性が高く
なって好ましい。
ダマンチル基を導入し、かつR11とR13にHを導入した
マグネシウムイオン選択性配位分子を下記化合物(h)
に示す。尚、化合物(h)はIUPAC命名法によれ
ば、4,13−di−N−adamantanecarbamoylacetyl−1,
7,10,16−tetraoxa−4,13−diazacyclooctadec
ane である。
R11とR13にHを導入したマグネシウムイオン選択性配
位分子を下記化合物(k)に示す。尚、化合物(k)は
IUPAC命名法によれば、4,13−di−N−dodecyl
carbamoylacetyl−1,7,10,16−tetraoxa−4,1
3−diazacyclooctadecane である。
マンチル基を導入し、R15とR17にHを導入したカルシ
ウムイオン選択性配位分子を下記化合物(l)に示す。
尚、化合物(l)はIUPAC命名法によれば、4,1
3−di−N−1−adamantanecarbamoyl−3−oxabutyry
l−1,7,10,13,19−pentaoxa−4,16−diazac
yclohenicosane である。
R15とR17にHを導入したカルシウムイオン選択性配位
分子を下記化合物(m)に示す。尚、化合物(m)はI
UPAC命名法によれば、4,16−di−N−dodecyl
carbamoyl−3−oxabutyryl−1,7−10,13,19−
pentaoxa−4,16−diazacyclohenicosane である。
ンセンサ(イオン選択性電極)を作製したところ、今迄
に報告されたマグネシウムイオンおよびカルシウムイオ
ン選択性電極よりも格段に高い選択性を有するものが作
製できた。
を以下に示す。化合物(h)の側鎖部分を合成する。マ
ロン酸モノメチルエステルカリウム塩(下記化合物(1
6))(3g、19.2mmol)からマロン酸モノメチル
エステルクロライド(下記化合物(17))を合成(合
成方法は省略)し、次いでこの得られたマロン酸モノメ
チルエステルクロライドを1−アダマンタンアミン(下
記化合物(18):Adaはアダマンチル基)(500m
g、3.3mmol)を入れた無水塩化メチレン溶液20m
l中に加え、氷冷下、24時間攪拌した。反応終了後、
反応系をクロロホルムとpH2の塩酸で分液抽出し、ク
ロロホルム層を水で1回洗浄し、芒硝乾燥後、濃縮した
後、メタノールと水で再結晶し、黄白色の結晶である M
alonic acid methylester N-1-adamantylamido(下記化
合物(19))(640mg、収率77.0%)を得
た。尚、この化合物(19)のNMRを測定した。1 H−NMR:δ=1.62〜1.75(m,6H,H-6),1.95〜2.13
(m,9H,H-4,H-5),3.23(s,2H,H-2),3.74(s,3H,H-1),6.6
5〜6.80(br,1H,H-3)
g、2.55mmol)をメタノール10ml/水5mlの
混合溶液中に加え、水酸化リチウム(210mg、5.
1mmol)を加えて室温で15時間攪拌した。反応終了
後、反応系を濃縮し、水に溶かしてpH2程度になった
らクロロホルムで逆抽出を3回行った。クロロホルム層
を水で洗浄し、芒硝乾燥後、濃縮して、黄白色の結晶で
側鎖となる Malonic acid N-1-adamantylamido(下記化
合物(20))(383mg、収率63.6%)を得
た。この化合物(20)のNMRを測定した。1 H−NMR:δ=1.63〜1.80(m,6H,H-6),1.96〜2.17
(m,9H,H-4,H-5),3.22(s,2H,H-2),5.60〜5.70(b
r,1H,H−3)
を導入する。上記得られた化合物(20)(270m
g、1.14mmol)を無水塩化メチレン溶液9ml中に
加え、攪拌しながらトリエチルアミン(0.32ml、
2.29mmol)を加えた。15分後、BOP(291m
g、1.14mmol)を加え、さらに15分後、クリプト
フィックス(下記化合物(21))(150mg、0.
57mmol)を加え、氷冷下、2日間攪拌を続けた。反応
終了後、反応系を濃縮し、クロロホルムとpH1の塩酸
で2回分液抽出を行い、クロロホルム層を水で洗浄して
芒硝乾燥後、濃縮した。続いて高速液体クロマトグラフ
ィ(HPLC)(溶離液:メタノール)を用いて分取を
15分間行い、黄白色針状結晶の下記化合物(22)
(320mg、収率80.0%)を得た。この生成物
(22)のNMRを測定した。1 H−NMR:δ=1.60〜1.80(m,12H,H-8),1.93〜2.13
(m,18H,H-6,H-7),3.20〜3.30(m,4H,H-4),3.54〜3.80
(m,24H,H1〜3),7.25〜7.30(br,2H,H-4) 赤外線分光を測定した。 IR(cm-1):νas(C-O)=1111.0,δs(CH)=1454.5,δ
s(NH)=1548.1,νs(C=0)=1634.8,νs(CH2)=2851.0,ν
as(CH2)=2907.5,νs(NH)=3313.4 さらに、元素分析を行なったところ、化合物(h)の計
算値が、C:65.1%、H:8.63%、O:18.3
%であるのに対し、生成物(22)の実測値は、C:6
5.3%、H:8.7%、O:18.1%であった。生成
物(22)が化合物(h)であることが確認された。
側鎖部分を合成する。マロン酸モノメチルエステルカリ
ウム塩(3.0g、19.2mmol)を無水塩化メチレン溶
液(20ml、6倍量)中に懸濁させ、0℃で塩化チオニル
を滴下し2時間攪拌することによって、マロン酸モノメ
チルエステルクロライド(下記化合物(23))を合成
した。続いて、反応残渣の塩化カリウムを吸引ろ過、濃
縮し、ラウリルアミン(下記化合物(24))(3.56
g、19.2mmol)の無水塩化メチレン溶液(20ml)中に加
え、0℃、3時間攪拌した。反応終了後、反応系を、ク
ロロホルムとpH2の塩酸で分液抽出し、水で1回洗浄
してクロロホルム層を芒硝乾燥後、濃縮し、メタノール
−水で再結晶することによって、淡黄色結晶の Malonic
acid methylester N-dodecylamide(下記化合物(2
5))(540mg、収率10%)を得た。化合物(25)の
NMRを測定した。1 H−NMR(ppm):δ=0.83(t,3H,H-15),1.22(m,18H,H-
6〜H-14),1.49(t,2H,H-5),3.21(q,2H,H-4),3.38(s,2H,H
-2),3.69(s,3H,H-1),7.35〜7.35〜7.48(br,1H,H-3)
9mmol)をメタノール15ml/水5ml混合液に加え、水酸化
リチウム(0.16g、3.78mmol)を加えて0℃で、15時
間攪拌した。反応系を濃縮し、水に溶かしてpH2程度
になったらクロロホルムで3回逆抽出して水で数回洗浄
し、クロロホルム層を芒硝乾燥後、濃縮して側鎖となる
Malonic acid N-dodecylamide(下記化合物(26))
(486mg、収率95%)を得た。化合物(26)のNMRを
測定した。1 H−NMR:δ=0.87(t,2H,H-14),1.27(m,18H,H-5〜1
3),1.53(t,2H,H-4),3.22(m,4H,H-1,H-3),6.88〜7.00(b
r,1H,H-2)
を導入する。上記得られた化合物(26)(206.9mg、
0.76mmol)を無水塩化メチレン溶液7ml中に加え、攪拌
しながらトリエチルアミン(0.32ml、2.2mmol)を加え
た。15分後、BOP(194mg、0.76mmol)を加え、さ
らに15分後、クリプトフィックス(化合物(21))
(100mg、0.38mmol)を加え、氷冷下、2日間攪拌を続け
た。反応終了後、反応系を濃縮し、クロロホルムとpH
1の塩酸で2回分液抽出を行い、クロロホルム層を水で
洗浄して芒硝乾燥後濃縮した。続いてHPLC(溶離
液;メタノール)を用いて分取を28分間行い、白色結
晶の下記化合物(27)(128mg、収率43.7%)を得た。な
お、今後イオノフォアとして用いる化合物はすべて、p
H1の塩酸で脱塩し、水で洗浄した。この生成物(2
7)のNMRを測定した。1 H−NMR:δ=0.88(t,6H,H-25,J=6.95Hz),1.15〜1.
40(m,36H,H-16〜24),1.40〜1.57(m,4H,H-15),3.24(q,4
H,H-14,J=7.27Hz),3.34(d,4H,H-13),3.50〜3.75(m,24H,
H1〜12),7.63〜7.77(br,2H,H-A) 赤外線分光を測定した。 IR(cm-1):νas(C-O)=1116.5,δs(NH)=1567.5,ν
s(C=0)=1639.5,νs(CH2)=2849,νs(CH2)=2917.2,νs(N
H)=3273.9 元素分析を行なったところ、化合物(k)の計算値が、
C:65.59%、H:10.48%、N:7.28%であるのに対し、
生成物(27)の実測値は、C:65.54%、H:10.22%、
N:7.19%であった。生成物(27)が化合物(k)で
あることが確認された。
となる部分を以下の方法により調製した。無水ジグリコ
ール酸(下記化合物(28))(1.16mg、10mmol)と1
−アダマンタンアミン(化合物(18))(1.51g、10m
mol)を無水ピリジン30ml中に加え、95℃で3日間加
熱還流した。反応終了後、反応系を濃縮してピリジンを
充分に除去し、ジエチルエーテルとpH2の塩酸で3回
分液抽出した。ジエチルエーテル層を洗浄後、芒硝乾燥
して濃縮し、メタノールと水で再結晶を試み、白色粉末
結晶の Diglycolic acid N-1-adamntylamide(下記化合
物(29))を得た。この化合物(29)のNMRを測定
した。1 H−NMR:δ=1.63〜1.77(m,6H,H-6),1.95〜2.15
(m,9H,H-4,H-5),4.04(s,2H,H-2),4.28(s,2H,H-1),6.48
〜6.52(br,1H,H−3)
を導入する。上記得られた化合物(29)(174.5
mg、0.65mmol)を6mlの無水塩化メチレン溶液中に加
え、さらに攪拌しながらトリエチルアミン(0.18ml、1.
31mmol)を加えた。15分後、BOP(166mg、0.65mmo
l)を加え、さらに15分後、クリプトフィックス(下
記化合物(30))(0.093ml、0.33mmol)を加え、氷冷
下、2日間攪拌を続けた。反応終了後、反応系を濃縮
し、クロロホルムとpH1の塩酸で3回分液抽出を行
い、クロロホルム層を水で洗浄して、芒硝乾燥後濃縮し
た。続いてHPLCを用いて分取を15分45秒間行な
い、粘性油状の下記化合物(31)(88.5mg、収率33.7
%)を得た。生成物(31)のNMRを測定した。1 H−NMR:δ=1.62〜1.85(m,12H,H-13),1.97〜2.13
(m,18H,H-11,H-12),3.45〜3.72(m,28H,H-1〜7),3.93
(s,4H,H-9),4.31(m,4H,H-8),6.95〜7.05(br,2H,H-10) 赤外線分光を測定した。 IR(cm-1) νas(C-O)=1105.5,δs(NH)=1531.7,νs(C=0)=1660.7,ν
s(CH2)=2854.2,νas(CH2)=2912.7 元素分析を行なったところ、化合物(l)の計算値が、
C:62.67%、H:8.51%、N:6.96%であ
るのに対し、生成物(32)の実測値は、C:62.7
%、H:8.6%、N:6.9%であった。生成物(3
2)が化合物(l)であることが確認された。
下に記す。側鎖となる部分を以下の方法のように調製し
た。無水ジグリコール酸(化合物28)(1.16mg、10mm
ol)とラウリアミン(化合物24)(1.48g、8mmol)を
無水ピリジン30ml中に加え、95℃で3日間加熱還流し
た。反応終了後、反応系を濃縮してピリジンを充分に除
去し、ジエチルエーテルとpH1.2の塩酸で3回分液
抽出した。ジエチルエーテル層を水で洗浄した後、芒硝
乾燥して濃縮し、エタノールと水で再結晶を試み、白色
結晶の Diglycolicacid N-dodecylamide(下記化合物
(32))を得た。化合物(32)のNMRを測定した。1 H−NMR(溶媒;CD3OD):δ=0.89〜(t,3H,H-14,J=
6.46),1.20〜1.60(m,20H,H-4〜H-13),3.26(t,2H,H-3,J=
8.15),4.05(s,2H,H-2),4.17(s,2H,H-3)
する。上記得られた化合物(32)(197mg、0.65mmo
l)を4.5mlの無水塩化メチレン溶液中に加え、攪拌し
ながらトリエチルアミン(0.18ml、1.31mmol)を加え
た。15分後、BOP(166mg、0.65mmol)を加え、さ
らに15分後、クリプトフィックス(化合物30)(0.093
ml、0.33mmol)を加え、氷冷下、2日間攪拌を続けた。
反応終了後、反応系を濃縮し、クロロホルムとpH1の
塩酸で3回分液抽出を行い、クロロホルム層を水で洗浄
して芒硝乾燥後、濃縮した。続いてHPLCを用いて分
取を行い、粘性油状の下記化合物(33)(30mg、収率10.
5%)を得た。生成物(33)のNMRを測定した。1 H−NMR:δ=0.88(t,6H,H-1),1.15〜1.40(m,36H,H
-2〜10),1.43〜1.62(m,4H,H-11),3.28(q,4H,H-12),3.41
〜3.75(m,28H,H-16〜29),4.06(s,4H,H-13),4.34(m,4H,H
-14),7.50〜7.65(br,2H,H-A15) 赤外線分光を測定した。 IR(cm-1) νas(C-O)=1123.1,νs(C=O)=1653.0,νs(CH2)=2851.5,
νs(CH2)=2921.4 元素分析を行なったところ、化合物(m)の計算値が、
C:63.27%、H:10.16%、N:6.42%であるのに対し、
生成物(33)の実測値は、C:63.21%、H:9.97%、
N:6.42%であった。生成物(33)が化合物(m)で
あることが確認された。
感応物質として使用するイオンセンサの要部の一例であ
る。このイオンセンサは、塩化銀をメッキした電極線1
をポリ塩化ビニル等のプラスチックなどの管またはチュ
ーブ2で被覆し、電極線1の先端に感応膜3を形成した
ものである。感応膜3は、感応物質であるイオン選択性
配位分子(化合物(i)〜(iv)のいずれか1つ)と、
2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)また
はセバシン酸(ジ−2−エチルヘキシル)(DEHS)
と、グラファイト粉末とを混合したものである。それぞ
れの含有量は、イオン選択性配位分子が1〜5重量%、
NPOEまたはDEHSが40重量%、グラファイト粉
末が55〜59重量%とされる。また、この感応膜3に
はテトラクロロフェニルボレイトをイオン選択性配位分
子に対して40モル%添加し、陰イオンの感応膜3への
応答(浸透)を防止するようにすることが望ましい。
るイオンセンサの他の例を示すものである。この例のイ
オンセンサは、ガラスあるいはプラスチック製の管4の
先端をポリ塩化ビニルでゲル化した感応膜5で封じ、こ
こにナトリウムイオンや選択性ニュートラルキャリアを
有する内部液6を溜め、内部液6に電極線7を浸漬して
作成したものである。感応膜5は、感応物質であるイオ
ン選択性配位分子(化合物(i)〜(iv)のいずれか1
つ)と、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPO
E)またはセバシン酸(ジー2−エチルヘキシル)(D
EHS)などの膜溶媒とをポリ塩化ビニルなどの合成樹
脂マトリックス中に分散させたものである。イオン感応
物質の含有量は0.5〜10重量%とされる。感応膜5
には、テトラクロロフェニルボレイトをイオン感応物質
に対して10〜30モル%添加し、陰イオンの感応膜5
への応答(浸透)を防止するようにすることが望まし
い。尚、本発明はイオンセンサに使用する感応物質に特
徴があるもので、イオンセンサの形状や構造には限定さ
れるものではなく、図示したもの以外にも公知の各種イ
オンセンサを適用することができる。
選択性能を試験した。イオンセンサのイオンに対する選
択性は、ポテンシオメトリーにより求められる。即ち、
イオンセンサと飽和塩化カリウム/銀−塩化銀電極の参
照電極とを組み合わせ、これらを測定対象イオン溶液に
浸漬し、電極間に生じる起電力をミリボルトメータで測
定する。測定対象イオン溶液としては、0.1〜0.00
01モル/lの、LiCl、NaCl、KCl、RbC
l、CsCl、NH4Cl、MgCl2、CaCl2、S
rCl2、BaCl2溶液等の塩化物溶液を使用する。測
定された起電力の値を下記ニコルスキーの式に導入して
選択性の指標となる選択係数を求める。
数、Zi,Zjはiイオンおよびjイオンの荷電数、
ai,ajはiイオンおよびjイオンの活量,E°は活量
によらない電極電位、Kpot ijは選択係数である。選択
係数の値は、その測定が2種のイオン(目的イオンと妨
害イオン)を含む混合溶液で行われたか(混合溶液
法)、あるいは別々の溶液で行われたか(単独溶液法)
に依存し、またイオン濃度(活量)にも影響される。な
お、選択係数のより具体的な測定方法は、特開昭59−
163554号公報等に記載されている。
イオン選択性配位分子(c)を使い、図1に示したイオ
ンセンサにおいて、上記方法でリチウムイオンの各イオ
ンに対する選択係数を測定した。イオンセンサに使用し
た感応膜は、イオン選択性配位分子(b)または(c)
を3重量%と、カリウムテトラキスパラクロロフェニル
ポレイトを0.5重量%と、セバシン酸ジ(2−エチル
ヘキシル)を66.5重量%と、ポリ塩化ビニルを30
重量%含有したものである。結果を表1に示す。尚、表
1は、妨害イオン濃度0.1モル/lでの混合溶液法に
よる選択係数を示すものであり、logkpot ij(i=Li
+)はリチウムイオンの他イオンに対する選択係数を表
している。また、比較例として、上記文献に記載され
ているイオン選択性配位分子である6,6-Dibenzyl-14-
crown-4(ジベンゾ−14−クラウン−4:化合物(3
4))の選択係数も併記した。
トリウムイオンに対する選択係数は、混合溶液法で−
3.0と−3.3であり、化合物(b)を使用したイオン
センサではナトリウムイオンに比べてリチウムイオンを
1000倍の感度で検出することができ、化合物(c)
を使用したイオンセンサではナトリウムイオンに比べて
リチウムイオンを約2000倍の感度で検出することが
できできることを意味する。また、本実施例の化合物
(b)(c)は共に比較例の化合物(34)よりも優れ
ていることが明らかである。従って、本発明のイオン選
択性配位分子(b)とイオン選択性配位分子(c)が感
応物質としてリチウムイオンに対して極めて高い選択性
を有していることがわかる。
配位分子(h)とイオン選択性配位分子(k)を用いた
イオンセンサを使用して、マグネシウムイオンの各イオ
ンに対する選択係数を測定した。イオンセンサの感応物
質は、イオン選択性配位分子(h)または(k)を3重
量%と、カリウムテトラキスパラクロロフェニルポレイ
トを2重量%と、2−ニトロフェニルオクチルエーテル
を68重量%と、ポリ塩化ビニルを27重量%含有した
ものである。結果を表2に示す。尚、表2は、濃度0.
1モル/lでの単独溶液法による選択係数を示すもので
あり、logkpot ij(i=Mg2+)はマグネシウムイオン
の他イオンに対する選択係数を表わしている。また、比
較例として、上記文献に記載されているイオン選択性
配位分子である N,N''-Octametylenebis(N'-heptyl-N'
-metyl-metylmalonamide)(ETH5214:化合物
(35))の選択係数も併記した。
のカルシウムイオンに対する選択係数は、単独溶液法で
−2.7と−1.5であり、イオン選択性配位分子(h)
を使用したイオンセンサであればカルシウムイオンに比
べてマグネシウムイオンを500倍の感度で検出するこ
とができ、イオン選択性配位分子(k)を使用したイオ
ンセンサであればカルシウムイオンに比べてマグネシウ
ムイオンを32倍の感度で検出できることを意味する。
また、比較例の化合物(35)よりも明らかに優れてい
ることがわかる。従って、本発明のイオン選択性配位分
子(h)と(k)が感応物としてマグネシウムイオンに
対して極めて高い選択性を有していることがわかる。
オン選択性配位分子(m)を使ったイオンセンサのカル
シウムイオンの各イオンに対する選択係数を表3に示
す。イオン選択性配位分子(l)を使用したイオンセン
サの感応物質は、イオン選択性配位分子(l)を3重量
%と、カリウムテトラキスパラクロロフェニルポレイト
を1.8重量%と、2−ニトロフェニルオクチルエーテ
ルを68重量%と、ポリ塩化ビニルを27.2重量%含
有したものである。また、イオン選択性配位分子(m)
を使用したイオンセンサの感応物質は、イオン選択性配
位分子(m)を3重量%と、カリウムテトラキスパラク
ロロフェニルポレイトを1.7重量%と、2−ニトロフ
ェニルオクチルエーテルを68重量%と、ポリ塩化ビニ
ルを27.3重量%含有したものである。表3において
は、妨害イオン濃度0.1モル/lでの単独溶液法によ
る選択係数を示すものであり、logkpot ij(i=C
a2+)はカルシウムイオンの他イオンに対する選択係数
を表わしている。また、比較例として、上記文献に記
載されているイオン選択性配位分子である N,N,N',N'-T
etracyclohexyl-3-oxapentanediamide(ETH129:
化合物(36))の選択係数も併記した。
の、水素イオンを除くLi+、Na+、K+、Mg2+に対
する選択係数は、単独溶液法で全て−4以下であり、こ
れはカルシウムイオンをこれらのイオンに比べて約10
00倍の感度で検出できることを意味する。また、比較
例の化合物(36)よりも明らかに優れていることがわ
かる。従って、本発明のイオン選択性配位分子(l)と
イオン選択性配位分子(m)が感応物としてカルシウム
イオンに対して極めて高い選択性を有していることがわ
かる。
質である14クラウン4誘導体であるイオン選択性配位
分子(i)と(ii)はイオンセンサ用感応物質として、
特にリチウムイオンに対して高い選択性を発揮する。ま
た、アームドアザクラウン誘導体であるイオン選択性配
位分子(iii)はマグネシウムイオンに対して、イオン
選択性配位分子(iv)はカルシウムイオンに対して高い
選択性を有するイオンセンサ用感応物質である。これら
の分子を使用して作製される高選択性のイオンセンサ
(イオン電極)は極めて有用であり、工業プロセス、食
品、医療基礎研究等の分野において広く使用できるもの
である。また、本発明のイオン選択性配位分子を使用し
たイオンセンサは感度が極めて高いことから、イオンセ
ンサのさらなる小型化が可能となり、小型化されたイオ
ンセンサを注射針やカテーテルにつけて局所情報を得た
り、また多くのセンサを組み合わせて多機能化したり、
ハイブリッドにして新しい機能をもたせることが可能と
なる。
質として使用するイオンセンサの例を示す概略断面図で
ある。
質として使用するイオンセンサの例を示す概略断面図で
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記一般式(i)で示されるイオン選択
性配位分子。 【化1】 但し、式(i)中、R1〜R6はそれぞれ独立して、Hま
たは炭化水素基であって、R1〜R6の内の少なくとも1
つは炭化水素基である。 - 【請求項2】 下記一般式(ii)で示されるイオン選択
性配位分子。 【化2】 但し、式(ii)中、R7〜R9はそれぞれ独立して、Hま
たは炭化水素基であって、R7〜R9の内の少なくとも1
つは炭化水素基である。 - 【請求項3】 下記一般式(iii)で示されるイオン選
択性配位分子。 【化3】 但し、式(iii)中、R10〜R13はそれぞれ独立して、
Hまたは炭化水素基であって、R10〜R13の内の少なく
とも1つは炭化水素基である。 - 【請求項4】 下記一般式(iv)で示されるイオン選択
性配位分子。 【化4】 但し、式(iv)中、R14〜R17はそれぞれ独立して、H
または炭化水素基であって、R14〜R17の内の少なくと
も1つは炭化水素基である。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のイオン
選択性配位分子を感応物質として使用することを特徴と
するイオンセンサ。
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JP23239692A JP3307687B2 (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | イオン選択性配位分子およびイオンセンサ |
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ID=16938588
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- 1992-08-31 JP JP23239692A patent/JP3307687B2/ja not_active Expired - Lifetime
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