JP2004003917A - 結晶観察方法及び装置 - Google Patents

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Kimihide Murakami
村上 公英
Toshiaki Suzuki
鈴木 利昭
Yuji Kimura
木村 祐二
Shigeru Tachikawa
立川 茂
Nobuo Kamiya
神谷 信夫
Takaaki Hikima
引間 孝明
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Ishikawajima Inspection and Instrumentation Co Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

【課題】結晶化探索プレートに多数形成したウェルの各混合ドロップを高能率に観察でき、更に結晶生成の有無や結晶の大きさ等を正確且つ確実に検出できるようにする。
【解決手段】ウェル2aが縦横に複数形成された結晶化探索プレート2を略水平且つ上下複数段に収容するプレート支持枠6を有するプレート収容本体1と、ウェル2aに照明を当てる照明装置と、照明によるウェル2aからの光の変化を検出するための撮影装置とを有する光検出装置7と、光検出装置7をプレート収容本体1に対して前後・左右・上下に移動して全てのウェル2aを検出する移動駆動装置8Y,8X,8Zと、撮影装置からの信号を画像処理して各ウェル2aにおける結晶の生成が検出できる画像信号を出力する画像処理装置と、移動駆動装置8Y,8X,8Zによる光検出装置7の移動を制御する制御装置とを備える。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造ゲノム科学等で結晶の生成を観察するのに用いられる結晶観察方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、構造生物学、特にタンパク質の立体構造を明らかにして物理化学的に生体の全機能を解明しようとする構造ゲノム科学が盛んに進められている。
【0003】
タンパク質の立体構造を明らかにするには、まずタンパク質を結晶化させる試験を実施し、その後、得られたタンパク質結晶をX線構造解析することによってその立体構造を測定する。
【0004】
従って、タンパク質の立体構造を明らかにするには、まずそのタンパク質の結晶を造る必要があり、タンパク質を結晶化させる方法としては、良質な結晶が得られ易い蒸気拡散法が知られている。この蒸気拡散法には、図30に示すハンギングドロップ蒸気拡散方式、図31に示すシッティングドロップ蒸気拡散方式、図32に示すサンドイッチドロップ蒸気拡散方式等が知られている。
【0005】
ハンギングドロップ蒸気拡散方式は、図30に示すように、結晶化探索のための容器100(以下ウェルと言う)に所定量の結晶化剤溶液101を収容し、ウェル100の上部にはグリース102を介してウェル100を密閉するアッパーガラス103を備える。アッパーガラス103の下面には、タンパク質溶液のサンプルと結晶化剤溶液とを混合した混合ドロップ104をぶら下げる。これにより、気相で隔てられた混合ドロップ104と結晶化剤溶液101との間の結晶化剤濃度の平衡化が進められ、緩やかに混合ドロップ104内でタンパク質の過飽和状態がつくり出されて結晶化が実現される。
【0006】
シッティングドロップ蒸気拡散方式は、図31に示すように、ウェル100に結晶化剤溶液101を収容し、ウェル100の上部にはグリース102を介してウェル100を密閉するアッパーガラス103を備える。タンパク質溶液のサンプルと結晶化剤溶液101を混合した混合ドロップ104は、ウェル100内に備えたガラス製等の透光性のドロップ台105上に形成する方式である。
【0007】
又、サンドイッチドロップ蒸気拡散方式は、図32に示すように、ウェル100に結晶化剤溶液101を収容し、ウェル100の上部にはグリース102を介してウェル100を密閉するアッパーガラス103を備える。タンパク質溶液のサンプルと結晶化剤溶液101を混合した混合ドロップ104は、ウェル100の内部に備えたインナーガラス106と前記アッパーガラス103との間に挾持されるように形成する方式である。
【0008】
上記した蒸気拡散法では、タンパク質溶液のサンプルと結晶化剤溶液101(pHを合わせ、適当な濃度の沈殿剤や添加剤等を含んだ溶液)を混合することにより混合ドロップ104を形成し、この混合ドロップ104を結晶化剤溶液101が収容されて密閉したウェル100内に設置することにより、混合ドロップ104を結晶化剤溶液101に対して蒸気平衡させる。最初は、混合ドロップ104中の沈殿剤濃度のほうが低いので混合ドロップ104から結晶化剤溶液101へ水が少しずつ蒸発して移動する。その結果、混合ドロップ104中のタンパク質と沈殿剤の濃度が徐々に上昇してタンパク質の過飽和溶液ができる。この時、pHや沈殿剤の種類・濃度等が適切であれば、混合ドロップ104に結晶が析出する。
【0009】
蒸気拡散法によってタンパク質が結晶化する条件を探索するためには、pHや沈殿剤の種類・濃度等の条件を細かく変え、更にその条件を組合わせた非常に多くの試験を実施する必要がある。従って、この結晶化条件の探索作業を単独の容器を用いて行っていたのでは膨大な時間と手間を要してしまう。
【0010】
このため、結晶化条件の探索作業の能率を高める方法として、図33に示すようにプレート本体107に対して図30、図31、図32に示したようなハンギングドロップ、或いはシッティングドロップ、或いはサンドイッチドロップを形成するためのウェル100を縦横に多数形成した透光性を有する合成樹脂製の結晶化探索プレート108(結晶化条件探索用キット)が用いられている。この結晶化探索プレート108によれば、多数備えられている各ウェル100におけるpHや沈殿剤の種類・濃度等の条件を少しずつ変えることにより、多数の結晶化条件の探索試験を一つの結晶化探索プレート108で効率的に行える。
【0011】
一方、上記したようなタンパク質の結晶化条件を探索する試験においては、各混合ドロップ104においていつ結晶が析出するかは分からないために、各ウェル100の混合ドロップ104に対して長い時間に亘って結晶生成の有無を観察する必要があり、又、X線解析に必要なある程度大きな結晶を得るために結晶の成長も観察する必要がある。又、種々の条件によって一旦生成した結晶が消失してしまうことがあるため、こうした動向も観察する必要がある。
【0012】
混合ドロップ104に結晶が生成したか否かを観察したり或いは生成した結晶の成長等を観察する手法としては、結晶化探索プレート108の各ウェル100に対して上下方向から照明を当てることにより、透過光が結晶の存在によって偏光することを利用して、結晶の生成の有無や結晶の大きさ等を観察する方法がある。
【0013】
一般には図30、図31、図32に矢印で示すように、ウェル100の下方から透過照明109を混合ドロップ104に当て、ウェル100の上部において混合ドロップ104に当てた照明の透過光を検出することにより、結晶の生成を検出するようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来においては、結晶化探索プレート108の各ウェル100に対し、透過照明109を当てて混合ドロップ104における結晶生成の有無や結晶の大きさ等を検出する作業を作業者が手作業で行っており、しかもこの作業は規定の時間間隔ごとに繰り返して行う必要があり、このために、従来の検出作業は非常に繁雑で時間が掛り、作業能率が非常に低いという問題を有していた。
【0015】
更に、検出作業を作業者が手作業で行っているために、検出忘れや検出精度にバラツキが生じ易く、よって結晶生成や結晶の大きさ等を正確に検出することができない問題を有していた。
【0016】
本発明は、かかる従来方式のもつ問題点を解決すべくなしたもので、結晶化探索プレートに多数形成したウェルの各混合ドロップを高能率に観察でき、更に結晶生成の有無や結晶の大きさ等を正確且つ確実に検出できるようにした結晶観察方法及び装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、結晶化剤溶液と混合ドロップとを内部に収容して蒸気拡散を行うウェルが縦横に複数形成された結晶化探索プレートを略水平且つ上下に複数段に配置し、前記ウェルの混合ドロップに照明を当てて光の変化を検出できるようにした光検出装置を設け、該光検出装置を左右・前後に移動することにより結晶化探索プレートの各ウェルに対する検出を行い、続いて光検出装置を上下方向に移動した後再び前後・左右に移動することにより別の結晶化探索プレートの各ウェルに対する検出を行い、前記光検出装置の検出結果から各ウェルにおける結晶の生成を観察することを特徴とする結晶観察方法、に係るものである。
【0018】
請求項2記載の発明は、前記光検出装置の照明が透過明視野照明であることを特徴とする請求項1記載の結晶観察方法、に係るものである。
【0019】
請求項3記載の発明は、前記光検出装置の照明が透過直交ニコル照明であることを特徴とする請求項1記載の結晶観察方法、に係るものである。
【0020】
請求項4記載の発明は、前記ウェルの混合ドロップがハンギングドロップであるとき、アッパーガラスから照明を当てることを特徴とする請求項1記載の結晶観察方法、に係るものである。
【0021】
請求項5記載の発明は、前記ウェルの混合ドロップがシッティングドロップであるとき、ロワーガラスから照明を当てることを特徴とする請求項1記載の結晶観察方法、に係るものである。
【0022】
請求項6記載の発明は、結晶化剤溶液と混合ドロップとを内部に収容するウェルが縦横に複数形成された結晶化探索プレートを略水平且つ上下複数段に収容するプレート支持枠を有するプレート収容本体と、
ウェルの混合ドロップに照明を当てる照明装置と、照明による混合ドロップからの光の変化を検出するための撮影装置とを有する光検出装置と、
該光検出装置を前記プレート収容本体に対して前後・左右・上下に移動可能に支持し全てのウェルの混合ドロップを観察するようにした移動駆動装置と、
移動駆動装置による光検出装置の移動を制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする結晶観察装置、に係るものである。
【0023】
請求項7記載の発明は、照明装置の照明投射側と撮影装置の受光側に、偏光を揃えた方向を互いに直交させ得る偏向フィルタを備えたことを特徴とする請求項6記載の結晶観察装置、に係るものである。
【0024】
請求項8記載の発明は、前記偏光を揃えた方向が互いに直交した偏向フィルタを、直交を保持したまま同時に回転させる回転駆動装置を備えていることを特徴とする請求項7記載の結晶観察装置、に係るものである。
【0025】
請求項9記載の発明は、撮影装置からの信号を画像処理して各ウェルにおける結晶の生成を検出する画像信号を出力するようにした画像処理装置を備えていることを特徴とする請求項6記載の結晶観察装置、に係るものである。
【0026】
請求項10記載の発明は、前記画像処理装置の画像信号から結晶が生成したことを表示する表示装置を備えたことを特徴とする請求項9記載の結晶観察装置、に係るものである。
【0027】
請求項11記載の発明は、前記光検出装置の検出結果を記録する画像記録装置を備えたことを特徴とする請求項6又は9記載の結晶観察装置、に係るものである。
【0028】
請求項12記載の発明は、前記略コの字状の光検出装置の上部突部と下部突部の一方に撮影装置を備え、上部突部と下部突部の他方に前記撮影装置に対応する位置に移動して切換えが可能な面式照明装置と挿入式照明装置とを備えたことを特徴とする請求項6記載の結晶観察装置、に係るものである。
【0029】
請求項13記載の発明は、前記面式照明装置が光拡散板を備えたことを特徴とする請求項12記載の結晶観察装置、に係るものである。
【0030】
上記手段によれば、以下のように作用する。
【0031】
光検出装置は上下・左右・前後に移動可能にしているので、光検出装置をプレート収容本体に収容した複数の結晶化探索プレートの全てのウェルに対応させて各ウェルの混合ドロップの結晶生成を検出することができ、よって多数の結晶化探索プレートのウェルを自動で高能率に観測することができる。
【0032】
光検出装置により透過明視野照明で観察すると、混合ドロップの状況を概略的に掴むことができる。
【0033】
観察光路上に偏光を揃えた方向が互いに直交する偏向フィルタを、直交を保持したまま同時に回転させるように備えた透過直交ニコル照明で観察すると、結晶の個々をより鮮明に観察して確実な検出ができる。
【0034】
撮影装置からの信号を画像処理して各ウェルにおける結晶の生成を検出する画像信号を出力する画像処理装置を備え、更に、前記画像処理装置の画像信号から結晶が生成したことを表示する表示装置を備えているので、結晶の生成を直ちに知ることができる。
【0035】
光検出装置が略コの字状を有し、ウェルの混合ドロップに照明を当てる照明装置が結晶化探索プレートの上下一側に対応し、ウェルの混合ドロップに当てた照明の透過光を撮影する撮影装置が結晶化探索プレートの上下他側に対応するように備えられているので、コンパクトな構成の光検出装置によって結晶化探索プレートの各ウェルの検出が行える。
【0036】
光検出装置の照明装置が結晶化探索プレートの上側に対応し撮影装置が結晶化探索プレートの下側に対応するように備えられているので、通常ウェル内部の上部に形成される混合ドロップに照明装置を近付けることができ、よって混合ドロップへの有効光量を増大することができ、更に観察画像における混合ドロップ外周部の観察不可帯を大幅に減少させることができる。又、照明装置における結晶化探索プレートに対応する位置に照明拡散板を備えているので、混合ドロップへの有効光量を更に増大できる。
【0037】
光検出装置の検出結果、即ち生画像の信号或いは画像処理した画像信号を記録する画像記録装置を備えているので、後でその画像データを用いて結晶の生成条件等の管理が有効にできる。
【0038】
略コの字状を有する光検出装置の上部突部と下部突部の一方に撮影装置を備え、上部突部と下部突部の他方に、前記撮影装置に対応する位置に移動して切換えが可能な面式照明装置と挿入式照明装置とを備えているので、混合ドロップがハンギングドロップであるときは、面式照明装置によりアッパーガラスから照明を当て、又、混合ドロップがシッティングドロップであるときは、挿入式照明装置によりロワーガラスから照明を当てるように切換えることができ、よって鮮明な画像による検出が容易且つ能率的に可能になる。
【0039】
又、面式照明装置に光拡散板を備えることにより、ドロップに当てる有効光量を増大することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0041】
図1は、結晶化探索プレートに多数備えられるウェルに形成した混合ドロップを観察する結晶観察装置の一例を示す正面図、図2は図1のII−II方向矢視図、図3は図1のIII−III方向矢視図、図4は結晶観察装置の主要構成部の斜視図である。
【0042】
図1〜図4において、1は結晶化探索プレート2を略水平且つ上下に複数段に収容するようにしたプレート収容本体である。プレート収容本体1は、下部に備えた棚3の上部に底板4を設けており、該底板4上の前面の左右側と中間位置とに鉛直な支持部材5a,5b,5cを設けている。該支持部材5a,5b,5cの後面には、片持ち式で結晶化探索プレート2を支持するようにしたプレート支持枠6を上下に多段(図示例では5段)に固定している。このプレート支持枠6は、前記結晶化探索プレート2を左右2列で上下多段に支持するようになっている。
【0043】
前記底板4上におけるプレート支持枠6の後方位置には、光検出装置7を前後・左右・上下に移動するための移動駆動装置が設けられている。
【0044】
移動駆動装置は、前後移動装置8Yと上下移動装置8Zと左右移動装置8Xとにより構成されている。
【0045】
図1〜図4に示す例では、前後移動装置8Yは、底板4上の左右側に設けた前後案内台9a,9bと、図2に示すようにL字状に曲げられた下端が前後案内台9a,9bの夫々の上部を前後(Y方向)に移動できるようにした上下案内台10a,10bと、右側の前後案内台9bの前部内側に備えられて右側の上下案内台10bを前後に移動させるようにした前後駆動モータ11Yとを備えている。10は前記上下案内台10a,10bの下端同士を連結する連結プレートである。
【0046】
又、上下移動装置8Zは、前記左右の上下案内台10a,10b間に渡して設置されて上下案内台10a,10bに沿って上下(Z方向)に移動が可能な左右案内台12と、右側の上下案内台10b下部内側に備えられて左右案内台12の右端を上下に移動させるようにした上下駆動モータ11Zとを備えている。
【0047】
又、左右移動装置8Xは、前記左右案内台12に沿って左右(X方向)に移動が可能な前記光検出装置7と、前記左右案内台12の左側下部に備えられて前記光検出装置7を左右に移動させるようにした左右駆動モータ11Xとを備えている。
【0048】
前記した前後移動装置8Y、上下移動装置8Z及び左右移動装置8Xは、例えばその一例を示す図5、図6のような装置で構成されている。即ち、案内台9b,10b,12の長手方向に沿ってスクリュー軸13を設けると共に、案内台9b,10b,12に沿って移動可能な取付台14を設け、且つ前記スクリュー軸13に螺合したナット15を取付台14に固定し、前記スクリュー軸13の回転を駆動する駆動モータ11Y,11Z,11Xを設けている。従って、駆動モータ11Y,11Z,11Xを駆動してスクリュー軸13を回転すると、ナット15を介して取付台14が案内台9b,10b,12の長手方向に沿って移動するようになっている。
【0049】
従って、図1〜図4の前後移動装置8Yの駆動モータ11Yを駆動すると、前記取付台14に取り付けた右側の上下案内台10bが前後に移動する。この時、左側の上下案内台10aは連結プレート10にて右側の上下案内台10bに連結されているので、左側の上下案内台10aは右側の上下案内台10bと同期して前後する。
【0050】
又、上下移動装置8Zの上下駆動モータ11Zを駆動すると、前記取付台14に取り付けた左右案内台12の右端部が右側の上下案内台10bに沿って上下に移動し、これと同期して左右案内台12の左端部も左側の上下案内台10aに沿って上下動する。
【0051】
又、左右移動装置8Xの駆動モータ11Xを駆動すると、前記取付台14に取り付けた光検出装置7が左右案内台12に沿って左右に移動する。
【0052】
次に、前記光検出装置7を図7〜図9について説明する。
【0053】
光検出装置7は、前記プレート収容本体1に収容保持された結晶化探索プレート2を、上下から小さな間隔を有して挟むように略コの字状に形成した検出本体16を備えている。略コの字状を有する検出本体16の上部突部17と下部突部18は、図7に示すように前記結晶化探索プレート2の前後幅をカバーできる長さを有している。
【0054】
前記検出本体16の下部突部18には、結晶化探索プレート2の各ウェル2aの下方から混合ドロップに照明を当てる照明装置19が備えられており、又、上部突部17には混合ドロップに当てた照明の透過光が変化する状態を撮影して検出するための撮影装置20が設けられている。
【0055】
前記照明装置19は、下部突部18の後方に、発熱がない白色LEDを複数備えた光源21と、該光源21の各白色LEDからの照明光を光ファイバ22を介して集める集光部23と、該集光部23に集めた照明光を下部突部18の前端部において上方に向けるミラー24と、ミラー24からの光を平行光にするレンズ25と、該レンズ25からの平行光を絞って前記ウェル2aの混合ドロップに当てる投射レンズ26とを備えている。更に、前記レンズ25と投射レンズ26との間には、偏光の向きを揃えるようにした偏光フィルタ27を設けている。
【0056】
又、上記照明装置19は、光ファイバ22の中心部分に相当する光源21のみを点灯すると、図10に示すように中心光46aにより透過明視野照明を行うことができ、又、光ファイバ22の外周部分に相当する光源21のみを点灯すると、図11に示すように外周光46bにより透過暗視野照明を行えるようになっている。
【0057】
前記撮影装置20は、前記投射レンズ26による照明光の光軸上に設けて混合ドロップに当てた照明の透過光を後方に曲げるミラー28と、該ミラー28からの透過光を撮影するCCDカメラ等のカメラレンズ29を備えたカメラ30とを備えている。更に、ミラー28とカメラレンズ29との間には偏光の向きを揃えるようにした偏光フィルタ31を設けている。図中32は、前記カメラ30を前後(図9では左右)に移動するためのカメラ駆動モータである。
【0058】
又、前記偏光フィルタ27,31は、ステッピングモータ等の回転駆動装置33,34によりギヤ35等を介して別個に回転できるようになっており、更に、偏光フィルタ27,31の回転の原点位置を原点リミットスイッチ36により検出するようになっている。
【0059】
上記偏光フィルタ27,31は、偏光の向きを揃えた方向が一致するように回転位置を設定すると、照明装置19からの照明光を透過させて透過明視野照明を行うことができる。又、上記偏光フィルタ27,31を、偏光の向きを揃えた方向が互いに直交するように回転位置を設定すると、透過直交ニコル照明とすることができる。更に、前記回転駆動装置33,34を同時に駆動することにより、上記透過直交ニコル照明を保持したまま、偏光フィルタ27,31を同時に回転できるようにしている。
【0060】
図10は、前記図7〜図9に示した光検出装置7の作用と、結晶化探索プレート2に形成されるウェル2aの形状例を示している。
【0061】
このウェル2aは、上端がプレート本体37の上面から突出し下端がプレート本体37の下側に延長された環状の外壁38と、該外壁38の内側に所要の間隔を有して配置され下端が環状の底壁39により前記外壁38の下端に固定された環状の内壁40とを備えて環状溶液室41を形成している。内壁40の上端は前記外壁38の上端よりも低い高さに形成されており、又、内壁40の内部空間は観察用照明穴42となっている。
【0062】
更に、前記外壁38の上端は、グリースを介してアッパーガラス43により密閉できるようになっており、又、内壁40の上端はグリースを介してロワーガラス44により密閉できるようになっている。
【0063】
従って、上記図10に示したウェル2aにおいては、アッパーガラス43の下面に混合ドロップ45を形成することによりハンギングドロップ蒸気拡散方式とすることができ、又、ロワーガラス44の上面に混合ドロップ45を形成することによりシッティングドロップ蒸気拡散方式とすることができるので、両方式に共用できる。
【0064】
更に、混合ドロップ45の観察光路には、光学的な外乱が殆ど無いアッパーガラス43とロワーガラス44しか存在しないため、従来のように観察光路上にウェルの樹脂底壁と結晶化剤溶液が存在することによる光学的な外乱を生じるようなことがなく、よって混合ドロップ45に殆ど直接的に照明を当てることができて理想的な観察状態を得ることができる。
【0065】
又、前記したように光ファイバ22の中心部分に相当する光源21のみを点灯すると、図10のように中心光46aによる透過明視野照明によって混合ドロップ45を観察することができ、又、光ファイバ22の外周部分に相当する光源21のみを点灯すると、図11のように外周光46bによる透過暗視野照明によって混合ドロップ45を観察することができる。
【0066】
更に、図10、図11においては、前記撮影装置20のミラー28の受光側前面に、ウェル2aの混合ドロップ45に傾斜した照明を当てるリング照明装置47を設けており、これにより反射暗視野照明にて混合ドロップ45を観察できるようにしている。
【0067】
尚、図7、図10では、環状溶液室41を有する形状のウェル2aを備えた結晶化探索プレート2を観察する場合について示しているが、図30、図31、図32に示したようなウェル100に形成した混合ドロップ104の観察にも勿論適用することができる。
【0068】
図10に示す光検出装置7においては、照明装置19による中心光46aを投射レンズ26により混合ドロップ45に集光させ、その透過光を撮影装置20で撮影する状態を示しており、この時、前記偏光フィルタ27と偏光フィルタ31の偏光の向きを揃えた方向を一致させておくと、透過明視野照明とすることができ、又、偏光フィルタ27と偏光フィルタ31の偏光の向きを揃えた方向を互いに直交させておくと、透過直交ニコル照明とすることができる。
【0069】
又、図11に示すように、照明装置19により外周光46bによる照明を行うと透過暗視野照明を行うことができ、又、撮影装置20側に設けたリング照明装置47による照明を行うと、反射暗視野照明を行うことができる。この透過暗視野照明と反射暗視野照明は、前記透過明視野照明及び透過直交ニコル照明に比して撮影画像が暗くなる問題があるが、結晶における異なる方向への偏光が捕らえられる可能性があるので、前記透過明視野照明及び透過直交ニコル照明と組み合わせて用いることもできる。
【0070】
図12は、前記光検出装置7の他の形態を示したものであり、図12では照明装置19の照明光を、前記ウェル2aの観察用照明穴42内に挿入・抜き出しするようにした光ファイバ52から投射するようにした挿入式照明装置19aの場合を示している。こうした構成の場合、観察用照明穴42内に対する光ファイバ52の挿入・抜き出しの動作が必要であるために、この動作分の時間が必要となり、よって図7〜図9の形態に比して作業能率が低くなる。
【0071】
図7に示した撮影装置20のカメラ30にて撮影した信号は、画像処理装置48に送られて画像処理が行われるようになっており、又、画像処理装置48には、画像信号49を入力して結晶が生成したことを音声、或いは点灯、点滅、画像等により表示するようにした表示装置50が接続されている。更に、光検出装置7の検出結果、即ち前記画像処理装置48からの画像信号49、或いは前記カメラ30からの生画像の信号を入力して記録するようにした画像記録装置51が設けられている。
【0072】
更に、前記光検出装置7を駆動する光学系コントローラ53が図1に示すようにプレート収容本体1の棚3上に設けられており、又、移動駆動装置における前後移動装置8Y、上下移動装置8Z及び左右移動装置8Xを駆動するアクチュエータコントローラ54が前記棚3上に設けられている。
【0073】
図13は結晶観察装置の全体を制御する制御系のブロック図であり、パソコン等からなる制御装置55は、光学系コントローラ53を介して光検出装置7を制御するようになっている。光学系コントローラ53にはカメラコントローラ56、モータドライバ57、照明電源58等が設けられている。又、前記制御装置55は、前記画像処理装置48、表示装置50、画像記録装置51の機能を備えていてもよい。
【0074】
更に、制御装置55は、アクチュエータコントローラ54を介して移動駆動装置の前後移動装置8Y、上下移動装置8Z及び左右移動装置8Xを駆動するようになっている。59は非常停止ペンダントである。
【0075】
以下に、上記した結晶観察装置の作用を説明する。
【0076】
図10に示した結晶化探索プレート2は、図示とは別の場所において各ウェル2aの環状溶液室41に所要量の結晶化剤溶液を注入し、内壁40の上端をグリースを介しロワーガラス44により密閉する作業を行う。更に、アッパーガラス43上でタンパク質溶液のサンプルと結晶化剤溶液(pHを合わせ、適当な濃度の沈殿剤や添加剤を含む溶液)を混合して混合ドロップ45を形成し、混合ドロップ45を形成したアッパーガラス43を上下反転してグリースを介し外壁38の上端に設置することによりウェル2aを密閉する。これにより混合ドロップ45はウェル2a内においてアッパーガラス43に吊り下げられるようになる。又、混合ドロップ45をアッパーガラス43に吊り下げる方法に変えて、混合ドロップ45をロワーガラス44上に形成するようにしてもよい。
【0077】
上記したように、各ウェル2aに対する結晶化剤溶液の注入と混合ドロップ45の形成とを行った結晶化探索プレート2は、アッパーガラス43が上側に向くようにして、図1〜図4に示すようにプレート収容本体1の左右において上下に多段に設けられた各プレート支持枠6に載置して収容する。
【0078】
前記結晶化探索プレート2の各ウェル2aにおいては、アッパーガラス43に吊り下げた混合ドロップ45と気相で隔てられている環状溶液室41の結晶化剤溶液との間の結晶化剤濃度の平衡化が進められ、混合ドロップ45中のタンパク質と沈殿剤の濃度が徐々に上昇し、緩やかに混合ドロップ45内でタンパク質の過飽和状態がつくり出され、pHや沈殿剤の種類・濃度或いは温度条件等が適切であると、混合ドロップ45内に結晶が析出する。
【0079】
しかし、混合ドロップ45内にはいつ結晶が生成するか分からないので、各ウェル2aについて結晶の生成を所定時間ごとに観察する必要がある。
【0080】
このため、図13の制御装置55は、アクチュエータコントローラ54を指令することにより移動駆動装置における前後移動装置8Y、上下移動装置8Z及び左右移動装置8Xを駆動して、光検出装置7を例えば図1〜図3に実線で示すように左側上端部の後方に移動し、先ず左側最上部の結晶化探索プレート2における左側最後部(図3では最上部)のウェル2aの中心軸と撮影装置20の観察光路が、図7のように一致するよう位置を調整する。
【0081】
続いて、照明装置19により図10に示すように投射レンズ26を介してウェル2aの混合ドロップ45に照明光を当て、この時の透過光をミラー28を介して撮影装置20により撮影する。この時、回転駆動装置33,34を駆動して前記偏光フィルタ27と偏光フィルタ31の偏光の向きを揃えた方向を一致させておくと、透過明視野照明が行われれる。即ち、前記混合ドロップ45に結晶が存在すると、撮影装置20により図14に示すように明るい画面の中に結晶aが黒く撮影される。
【0082】
一方、回転駆動装置33,34を駆動して偏光フィルタ27,31の偏光の向きを揃えた方向が互いに直交した状態になるようにすると、透過直交ニコル照明が行われる。即ち、透過直交ニコル照明においては、前記混合ドロップ45に結晶が存在すると、撮影装置20により図15に示すように暗い画面の中に結晶aが白く撮影される。この透過直交ニコル照明では暗い画面の中に結晶aが高輝度で表示されるため、この画像の結晶aとその周辺とのコントラストが鮮明であり、よってエッジ検出画像を得る等のその後の画像処理に有効であり、結晶の大きさ(長さ、面積)等を容易に計測することができる。
【0083】
図16は混合ドロップ45に沈殿が生じた場合の透過明視野照明による撮影画像の一例を示している。又、図17は沈殿の中に結晶が生成している可能性を示す透過明視野照明による撮影画像の一例を示している。又、図18は混合ドロップ45に種類が異なるタンパク質の結晶を存在させた場合の透過明視野照明による撮影画像の一例を示している。
【0084】
従って、上記透過明視野照明によれば、混合ドロップ45の状況を概略的に掴むことができる。
【0085】
一方、図16に示すように混合ドロップ45に沈殿が検出された場合には、沈殿の中に結晶が生成している場合があるので更に詳細な検出が要求される場合があり、又図17のように沈殿の中に結晶が生成している可能性を高い撮影画像や、又、図18のようにタンパク質の結晶が存在している撮影画像の場合には、結晶を更に高い精度で検出する要求がある。
【0086】
このような場合には、前記したように透過直交ニコル照明により撮影する。すると、前記図16の撮影画像の場合には図19に示すように沈殿の中に一点の結晶が存在していることが検出され、又前記図17の撮影画像の場合には図20に示すように結晶が析出し始めていることが検出され、又、前記図18の撮影画像の場合には図21に示すように結晶の個々が鮮明に検出される。
【0087】
又、混合ドロップ45内に生成する結晶は、その種類及び結晶の向き等によって照明に対する偏光の方向が異なることがあり、このため、前記回転駆動装置33,34によって、偏光フィルタ27,31の偏光の向きを揃えた方向が互いに直交した状態のまま同時に180゜回転させる。すると、あらゆる方向に偏光する全ての結晶を検出することができる。
【0088】
上記したように、混合ドロップ45における結晶の観察には、少なくとも透過明視野照明と透過直交ニコル照明の両方を行うようにする。この時、光ファイバ22の外周部分に相当する光源21のみを点灯して図11のように外周光46bによる透過暗視野照明を行ったり、又、リング照明装置47を設けて反射暗視野照明を行うことによって結晶の観察が更に高い精度で行える場合には、前記透過暗視野照明、反射暗視野照明を組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0089】
前記した光検出装置7の検出結果から結晶の生成を観察することができる。即ち、撮影装置20により撮影した信号(画像)から結晶の生成を検出することができ、更に、撮影した信号を図7に示す画像処理装置48に送って画像処理することにより、この処理画像から結晶の生成を更に精度良く検出することができる。この時、画像処理装置48からの画像信号49を表示装置50に入力して、結晶が生成したことを音声、或いは点灯、点滅、画像等により表示させるようにすると、結晶の生成を直ちに知ることができる。
【0090】
更に、前記画像処理装置48からの画像信号49或いはカメラ30からの生画像の信号を、画像記録装置51に入力して記録しておくと、後でその画像データを有効に利用することができる。
【0091】
図3の左側最上部の結晶化探索プレート2における左側最後部のウェル2aに対する観察が終了すると、左右移動装置8Xを駆動して光検出装置7を前記観察が終了したウェル2aの右隣のウェル2aに移動させ、前記と同様にして観察を行う。このように光検出装置7を順次右側に移動して最上部左右の結晶化探索プレート2における最後部一列のウェル2aの観測を終了する。続いて、前後移動装置8Yを駆動して、光検出装置7を最後部より一列前の列のウェル2aに移動した後、再び左右方向に移動することによりこの列の観測を行う。このように光検出装置7を前後・左右に移動させることにより、最上部の結晶化探索プレート2における全てのウェル2aの観測を終了する。
【0092】
次に、上下移動装置8Zを駆動して光検出装置7を最上段の結晶化探索プレート2より一つ下段の結晶化探索プレート2に移動させ、前記と同様に光検出装置7を前後・左右に移動させることにより、この段の結晶化探索プレート2における全てのウェル2aの観測を終了する。更に、光検出装置7を別の段の結晶化探索プレート2に移動して上記操作を行うことにより、プレート収容本体1に収容した全ての結晶化探索プレート2のウェル2aを観測することができる。
【0093】
上記において、前後移動装置8Y、上下移動装置8Z及び左右移動装置8Xの駆動、及び光検出装置7の操作は全て制御装置55で行うので、結晶化探索プレート2の全てのウェル2aに対する観察を非常に高能率に行うことができる。
【0094】
更に、所定時間ごとに全ての結晶化探索プレート2のウェル2aを観測する作業も、制御装置55に設定したスケジュールによって自動的に繰り返して行えるので、観測作業を容易且つ高能率に行うことができる。
【0095】
次に、前記光検出装置7の他の形態例を図22、図23について説明する。
【0096】
図22、図23に示す光検出装置7は、前記プレート収容本体1に収容保持された結晶化探索プレート2を、上下から小さな間隔を有して挟むように略コの字状に形成した検出本体16を、左右移動装置8Xの左右案内台12(図1、図2参照)に対し回転駆動装置60により上部突部17と下部突部18が上下反転できるよう回転可能に取り付ける。下部突部18における図22の左右略中心位置には撮影装置20’を設け、又、上部突部17には、図7と同様の面式照明装置19’と、図12と同様の挿入式照明装置19a’を並べて設け、該面式照明装置19’と挿入式照明装置19a’は、スライド駆動装置61により一緒に左右に移動して前記撮影装置20’に対応する位置に切換えられるようにしている。
【0097】
又、前記挿入式照明装置19a’は、図示しない昇降装置により上下に移動してウェル2aの観察用照明穴42に対して光ファイバ52を挿入・引出しできるようにしている。
【0098】
更に前記面式照明装置19’の結晶化探索プレート2に対向する位置には、光拡散板62を備えている。このとき、面式照明装置19’及び挿入式照明装置19a’には図7に示した偏光フィルタ27,31を備えていてもよい。
【0099】
図22、図23では、図24に示すようにウェル2aのアッパーガラス43にハンギングドロップ45aによる混合ドロップ45が形成されているときに有効であり、アッパーガラス43側から直接混合ドロップ45へ光を当てることができるので、鮮明な撮影画像を得ることができる。更に、アッパーガラス43側から広い視野で照明できるので混合ドロップ45への有効光量を増大することができる。更にこのとのき、面式照明装置19’に光拡散板62を備えていることにより、混合ドロップ45全体に照明を均一に当てることができる。
【0100】
従って、図7に示した光検出装置7では、図24のハンギングドロップ45aによる混合ドロップ45の場合でも観察用照明穴42を通してロワーガラス44側から照明を当てているために、透過明視野照明で結晶を撮影した撮影画像では例えば図25に示すように混合ドロップ外周部に観察不可帯63(画像としては黒い帯になる)が大きく撮影されてしまうのに対し、図22の光検出装置7により透過明視野照明にて結晶を撮影した場合の撮影画像では、図26に示すように観察不可帯63が大幅に減少して僅かとなり、従って結晶aの見落しが減る。更に結晶aの画像が鮮明となる。従って、画像の処理が容易になる。
【0101】
又、図27に示すようにウェル2aのロワーガラス44にシッティングドロップ45bによる混合ドロップ45が形成されているときには、図22、図23に示した光検出装置7を回転駆動装置60を駆動することにより上下反転して図28、図29の状態とする。更にスライド駆動装置61を駆動して、挿入式照明装置19aが撮影装置20に対応する位置になるように位置決めした後、挿入式照明装置19aを図示しない昇降装置により上昇させて、光ファイバ52をウェル2aの観察用照明穴42に挿入することによりシッティングドロップ45bを撮影する。
【0102】
このようにロワーガラス44側から直接シッティングドロップ45bへ光を当てて撮影できるので、鮮明な撮影画像を得ることができる。
【0103】
上記したように、光検出装置7の上部突部17と下部突部18の一方に撮影装置20’を備え、上部突部17と下部突部18の他方に、前記撮影装置20’に対応する位置に移動して切換えが可能な面式照明装置19’と挿入式照明装置19a’とを備えているので、混合ドロップ45がハンギングドロップ45aであるときは、面式照明装置19’によりアッパーガラス43から照明を当て、又、混合ドロップ45がシッティングドロップ45bであるときは、挿入式照明装置19a’によりロワーガラス44から照明を当てるように切換えることができ、よってハンギングドロップ45aとシッティングドロップ45bを備え結晶化探索プレート2に対して、1台の観察装置で高能率に観察を行うことができる。
【0104】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、光検出装置が上下・左右・前後に移動可能にしてあるので、光検出装置をプレート収容本体に収容した複数の結晶化探索プレートの全てのウェルに対応させて各ウェルの混合ドロップの結晶生成を検出することができ、よって多数の結晶化探索プレートのウェルを自動で高能率に観測することができる。
【0106】
光検出装置により透過明視野照明で観察すると、混合ドロップの状況を概略的に掴むことができる。
【0107】
観察光路上に偏光を揃えた方向が互いに直交する偏向フィルタを、直交を保持したまま同時に回転させるように備えた透過直交ニコル照明で観察すると、結晶の個々をより鮮明に観察して確実な検出ができる。
【0108】
撮影装置からの信号を画像処理して各ウェルにおける結晶の生成を検出する画像信号を出力する画像処理装置を備え、更に、前記画像処理装置の画像信号から結晶が生成したことを表示する表示装置を備えているので、結晶の生成を直ちに知ることができる。
【0109】
光検出装置が略コの字状を有し、ウェルの混合ドロップに照明を当てる照明装置が結晶化探索プレートの上下一側に対応し、ウェルの混合ドロップに当てた照明の透過光を撮影する撮影装置が結晶化探索プレートの上下他側に対応するように備えられているので、コンパクトな構成の光検出装置によって結晶化探索プレートの各ウェルの検出が行える。
【0110】
光検出装置の照明装置が結晶化探索プレートの上側に対応し撮影装置が結晶化探索プレートの下側に対応するように備えられているので、通常ウェル内部の上部に形成される混合ドロップに照明装置を近付けることができ、よって混合ドロップへの有効光量を増大することができ、更に観察画像における混合ドロップ外周部の観察不可帯を大幅に減少させることができる。又、照明装置における結晶化探索プレートに対応する位置に照明拡散板を備えているので、混合ドロップへの有効光量を更に増大できる。
【0111】
光検出装置の検出結果、即ち生画像の信号或いは画像処理した画像信号を記録する画像記録装置を備えているので、後でその画像データを用いて結晶の生成条件等の管理が有効にできる。
【0112】
略コの字状を有する光検出装置の上部突部と下部突部の一方に撮影装置を備え、上部突部と下部突部の他方に、前記撮影装置に対応する位置に移動して切換えが可能な面式照明装置と挿入式照明装置とを備えているので、混合ドロップがハンギングドロップであるときは、面式照明装置によりアッパーガラスから照明を当て、又、混合ドロップがシッティングドロップであるときは、挿入式照明装置によりロワーガラスから照明を当てるように切換えることができ、よって鮮明な画像による検出が容易且つ能率的に可能になる効果がある。
【0113】
又、面式照明装置に光拡散板を備えることにより、ドロップに当てる有効光量を増大させられる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶観察装置の一例を示す正面図である。
【図2】図1をII−II方向から見た側面図である。
【図3】図1をIII−III方向から見た平面図である。
【図4】本発明の結晶観察装置の一部の斜視図である。
【図5】光検出装置を前後・左右・上下に移動させるための移動装置の一例を示す正面図である。
【図6】図5のVI−VI方向矢視図である。
【図7】光検出装置の形態の一例を示す側面図である。
【図8】図7をVIII−VIII方向から見た正面図である。
【図9】図7をIX−IX方向から見た平面図である。
【図10】光検出装置の作用の一例を示す正面図である。
【図11】図10の他の作用状態を示す正面図である。
【図12】光検出装置の他の形態を示す側面図である。
【図13】結晶観察装置の全体を制御する制御系の一例を示すブロック図である。
【図14】透過明視野照明による結晶の撮影画像例を示す図である。
【図15】透過直交ニコル照明による結晶の撮影画像例を示す図である。
【図16】透過明視野照明による沈殿の撮影画像例を示す図である。
【図17】透過明視野照明による沈殿の中に結晶が生成している可能性を示す撮影画像例を示す図である。
【図18】透過明視野照明による種類の異なるタンパク質の結晶が存在している場合の撮影画像例を示す図である。
【図19】図16の状態を透過直交ニコル照明により撮影した場合の撮影画像例を示す図である。
【図20】図17の状態を透過直交ニコル照明により撮影した場合の撮影画像例を示す図である。
【図21】図18の状態を透過直交ニコル照明により撮影した場合の撮影画像例を示す図である。
【図22】光検出装置の形態の他の例を示す正面図である。
【図23】図22の側面図である。
【図24】ハンギングドロップを撮影する状態を示す模式図である。
【図25】図7の光検出装置によりハンギングドロップを撮影した撮影画像の説明図である。
【図26】図22の光検出装置によりハンギングドロップを撮影した場合の撮影画像の説明図である。
【図27】シッティングドロップを撮影する状態を示す模式図である。
【図28】光検出装置を図22の状態から上下反転した状態を示す正面図である。
【図29】図28の側面図である。
【図30】従来のハンギングドロップ蒸気拡散方式を説明するためのウェルの切断側面図である。
【図31】従来のシッティングドロップ蒸気拡散方式を説明するためのウェルの切断側面図である。
【図32】従来のサンドイッチドロップ蒸気拡散方式を説明するためのウェルの切断側面図である。
【図33】図30、図31、図32に示すウェルを備えるようにした従来の結晶化探索プレートの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プレート収容本体
2 結晶化探索プレート
2a       ウェル
6 プレート支持枠
7 光検出装置
8X       左右移動装置(移動駆動装置)
8Y       前後移動装置(移動駆動装置)
8Z       上下移動装置(移動駆動装置)
17 上部突部
18 下部突部
19 照明装置
19’面式照明装置
19a’ 挿入式照明装置
20,20’ 撮影装置
27 偏光フィルタ
31 偏光フィルタ
33,34   回転駆動装置
43 アッパーガラス
44 ロワーガラス
45 混合ドロップ
48 画像処理装置
49 画像信号
50 表示装置
51 画像記録装置
55 制御装置
60 回転駆動装置
61 スライド駆動装置
62 光拡散板

Claims (13)

  1. 結晶化剤溶液と混合ドロップとを内部に収容して蒸気拡散を行うウェルが縦横に複数形成された結晶化探索プレートを略水平且つ上下に複数段に配置し、前記ウェルの混合ドロップに照明を当てて光の変化を検出できるようにした光検出装置を設け、該光検出装置を左右・前後に移動することにより結晶化探索プレートの各ウェルに対する検出を行い、続いて光検出装置を上下方向に移動した後再び前後・左右に移動することにより別の結晶化探索プレートの各ウェルに対する検出を行い、前記光検出装置の検出結果から各ウェルにおける結晶の生成を観察することを特徴とする結晶観察方法。
  2. 前記光検出装置の照明が透過明視野照明であることを特徴とする請求項1記載の結晶観察方法。
  3. 前記光検出装置の照明が透過直交ニコル照明であることを特徴とする請求項1記載の結晶観察方法。
  4. 前記ウェルの混合ドロップがハンギングドロップであるとき、アッパーガラスから照明を当てることを特徴とする請求項1記載の結晶観察方法。
  5. 前記ウェルの混合ドロップがシッティングドロップであるとき、ロワーガラスから照明を当てることを特徴とする請求項1記載の結晶観察方法。
  6. 結晶化剤溶液と混合ドロップとを内部に収容するウェルが縦横に複数形成された結晶化探索プレートを略水平且つ上下複数段に収容するプレート支持枠を有するプレート収容本体と、
    ウェルの混合ドロップに照明を当てる照明装置と、照明による混合ドロップからの光の変化を検出するための撮影装置とを有する光検出装置と、
    該光検出装置を前記プレート収容本体に対して前後・左右・上下に移動可能に支持し全てのウェルの混合ドロップを観察するようにした移動駆動装置と、
    移動駆動装置による光検出装置の移動を制御する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする結晶観察装置。
  7. 照明装置の照明投射側と撮影装置の受光側に、偏光を揃えた方向を互いに直交させ得る偏向フィルタを備えたことを特徴とする請求項6記載の結晶観察装置。
  8. 前記偏光を揃えた方向が互いに直交した偏向フィルタを、直交を保持したまま同時に回転させる回転駆動装置を備えていることを特徴とする請求項7記載の結晶観察装置。
  9. 撮影装置からの信号を画像処理して各ウェルにおける結晶の生成を検出する画像信号を出力するようにした画像処理装置を備えていることを特徴とする請求項6記載の結晶観察装置。
  10. 前記画像処理装置の画像信号から結晶が生成したことを表示する表示装置を備えたことを特徴とする請求項9記載の結晶観察装置。
  11. 前記光検出装置の検出結果を記録する画像記録装置を備えたことを特徴とする請求項6又は9記載の結晶観察装置。
  12. 前記略コの字状の光検出装置の上部突部と下部突部の一方に撮影装置を備え、上部突部と下部突部の他方に前記撮影装置に対応する位置に移動して切換えが可能な面式照明装置と挿入式照明装置とを備えたことを特徴とする請求項6記載の結晶観察装置。
  13. 前記面式照明装置が光拡散板を備えたことを特徴とする請求項12記載の結晶観察装置。
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