JP2008003331A - 顕微鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な作業でホワイトバランス補正を行うことができるとともに、容易に標本観察に復帰できること。
【解決手段】顕微鏡装置100は、ステージ2上に載置された標本1の観察像を結像する観察光学系15と、観察像を撮像して観察画像を得る撮像素子9と、観察画像のホワイトバランス補正を行う画像処理部10bと、ステージ2に対する標本1の載置位置を維持したまま観察光学系15の観察光軸15a上に挿脱自在に配置されるホワイトバランス基準板と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、標本の観察像を撮像し、観察画像として出力する顕微鏡装置に関し、特に、観察画像のホワイトバランス補正を行う画像処理手段を備えた顕微鏡装置に関する。
従来、顕微鏡は、医学や生物学の分野における細胞等の観察をはじめとして、工業分野においてもICウェハや磁気ヘッドの検査、金属組織等の品質管理、新素材の研究開発等、種々の用途に利用されている。近年では、観察像の画像記録用にCCDカメラ等の撮像装置を備えた顕微鏡装置が多く使用されている。
顕微鏡によって標本を観察する場合、標本ごとに適切な光量の照明光を照射する。このとき、照明光の明るさによって光源の色温度が変化する。したがって、顕微鏡の観察像を撮像して良好な観察画像(カラー画像)を得るには、照明光の色バランス変化の影響を補正するように、観察画像のホワイトバランス補正を行う必要がある。
一般に、ホワイトバランス補正の手法として、取得した画像全体の色バランスの平均値を算出し、算出した平均値が白色光における色バランスの平均値と等しくなるように常時補正を行うオートホワイトバランス補正が知られている。また、色フィルタの挿脱や光源の光量変化にともない照明光の色温度変化が生じる場合、標本を載置したステージを操作して標本を観察視野外に移動させ、画像全体を白色化した状態でホワイトバランス補正を実行するとともに、再度補正を行うまで、最後に行ったホワイトバランス補正値を保持しつつ、観察像の撮像を行うようにしたホワイトバランス補正が知られている。
ところが、顕微鏡で観察する標本は特定の単色光を多く含む場合が多いため、その観察画像に対してオートホワイトバランス補正を適用すると、例えば、緑色の標本に対して緑色を打ち消すようなホワイトバランス補正が行われ、全体がマゼンタ色に着色する場合があるという問題があった。
また、画像全体を白色化してホワイトバランス補正を行う手法では、色フィルタの挿脱や光源光量の調整によって照明光に色温度変化が生じるたびに、標本を観察視野外に移動させ、基準となる白色を呈した基準板(以下、ホワイトバランス基準板と称す。)を観察光路上に挿入してホワイトバランス補正を行わなければならず、また、補正完了後に標本観察に復帰する際、観察光路上に標本を設置しなおさなければならないため、一連の観察作業に多大な時間と手間を要するなど、作業性が著しく悪化するという問題があった。さらに、ホワイトバランス基準板は、工場の生産ライン等では必ずしも常備されているとは限らず、その調達に多大な手間を要するなどの問題があった。
これに対して、特許文献1に開示されているホワイトバランス補正方法では、観察画像内にある白色部位を基準としてホワイトバランス補正を行っている。これにより、観察画像内に単色を多く含む標本が存在しても不自然な着色を防止することができるとともに、ホワイトバランス補正を行うごとに標本を視野外に移動させるなどの手間が不要となる。
特開2001−75013号公報
しかしながら、特許文献1に記載のホワイトバランス補正では、白色部位が少ない標本を観察した場合、基準とすべき白色部位を観察画像内から選択して指定する作業が困難であるとともに、補正処理に多大な時間および負荷を要するという問題があった。また、指定した白色部位の位置等を記憶させる機能を備える必要があるなど、顕微鏡装置の構成が複雑になるという問題があった。そもそも、観察画像内に白色部位が存在しない場合には、ホワイトバランス補正を正確に行うことができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な作業でホワイトバランス補正を行うことができるとともに、容易に標本観察に復帰することができ、全体として観察作業に要する時間および負荷を削減することができる顕微鏡装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる顕微鏡装置は、ステージ上に載置された標本の観察像を結像する観察光学系と、前記観察像を撮像して観察画像を得る撮像手段と、前記観察画像のホワイトバランス補正を行う画像処理手段とを備えた顕微鏡装置において、前記ステージに対する前記標本の載置位置を維持したまま前記観察光学系の観察光路上に挿脱自在に配置されるホワイトバランス基準板を備えたことを特徴とする。
また、請求項2にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記ステージは、前記観察光路に対して前記標本を該観察光路に垂直な方向に移動自在であり、前記ホワイトバランス基準板は、前記ステージ上に設けられ、該ステージによって前記標本に替わり前記観察光路上に挿脱自在に配置されることを特徴とする。
また、請求項3にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記ホワイトバランス基準板は、前記ステージ上の領域であって該ステージが前記観察光路上に移動させることが可能な観察領域内の周縁部に設けられることを特徴とする。
また、請求項4にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記ホワイトバランス基準板は、一方の面に白色面が形成されるとともに他方の面に黒色面が形成され、前記ステージの上面に前記白色面または前記黒色面を切換自在に表示させる表示切換機構とともに該ステージ上に設けられることを特徴とする。
また、請求項5にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記観察光学系が有する対物レンズから前記標本までの高さ内で、前記観察光路に垂直なガイド部材を有するとともに、該ガイド部材を介して前記ホワイトバランス基準板を保持する保持手段を備え、前記ホワイトバランス基準板は、前記ガイド部材にガイドされ、前記観察光路上に挿脱自在に配置されることを特徴とする。
また、請求項6にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記観察光学系が有する対物レンズの瞳近傍で、前記観察光路を内包し、該観察光路に垂直なガイド孔を有するとともに、該ガイド孔を介して前記ホワイトバランス基準板を保持する保持筐体を備え、前記ホワイトバランス基準板は、前記ガイド孔にガイドされ、前記観察光路上に挿脱自在に配置されることを特徴とする。
また、請求項7にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記標本を照明する照明光学系と前記観察光学系とを合分岐する光束分割素子と、前記ホワイトバランス基準板とを保持するとともに、前記観察光路に対して前記光束分割素子および前記ホワイトバランス基準板を該観察光路に垂直な方向に移動自在な切換保持手段を備え、前記ホワイトバランス基準板は、前記切換保持手段によって前記光束分割素子に替わり前記観察光路上に挿脱自在に配置されるとともに、該観察光路上に配置された場合、前記照明光学系が発する照明光を前記撮像手段に向けて反射させることを特徴とする。
本発明にかかる顕微鏡装置によれば、簡易な作業でホワイトバランス補正を行うことができるとともに、容易に標本観察に復帰することができ、全体として観察作業に要する時間および負荷を削減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる顕微鏡装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置について説明する。図1は、本実施の形態1にかかる顕微鏡装置100の要部構成を示す図である。この図に示すように、顕微鏡装置100は、標本1が載置されるステージ2と、標本1の上部に配置される対物レンズ3と、レボルバ4を介して対物レンズ3を保持するとともに焦準機構5を介してステージ2を支持する顕微鏡本体6と、顕微鏡本体6の上部に搭載された鏡筒7と、鏡筒7の前面部および上部に各々取り付けられた接眼レンズ8および撮像素子9と、顕微鏡本体6に設けられたコントロール部10と、このコントロール部10に電気的に接続された電源部11、ハンドスイッチ12および調光部13と、を備える。
対物レンズ3は、倍率や対応する波長等が異なる他の対物レンズとともに、着脱自在にレボルバ4に取り付けられており、レボルバ4の回転操作に応じて標本1の上部に選択的に配置される。ステージ2は、X軸ハンドル2aおよびY軸ハンドル2bの回転操作に応じて対物レンズ3の光軸に直交した面内で自在に移動され、これによって対物レンズ3に対する標本1の観察位置を変化させる。焦準機構5は、焦準ハンドル5aの回転操作に応じてステージ2を昇降移動させ、標本1と対物レンズ3との相対距離を変化させることで、焦点合わせを行う。なお、対物レンズ3の光軸に対するステージ2の移動方向の垂直性は、厳密に垂直である場合に限らず、略垂直である場合も含むものである。
標本1は、照明光学系14を用いて照明され、観察光学系15と撮像素子9もしくは接眼レンズ8とを用いて観察される。照明光学系14は、光源16、照明レンズ17〜19、開口絞りAS、視野絞りFSおよびハーフミラー20を用いて顕微鏡本体6内に構成されている。観察光学系15は、対物レンズ3、ハーフミラー20および結像レンズ7aを用いて構成されている。照明光学系14と観察光学系15とは、ハーフミラー20を共用し、このハーフミラー20によって光学的に合分岐されている。
光源16は、例えばハロゲンランプ等のランプ光源が用いられ、電源部11からの供給電力に応じて照明光を発する。供給電力は、調光部13の操作に応じてコントロール部10によって適宜調節され、これにともなって光源16は調光される。光源16が発した照明光は、照明レンズ17によって開口絞りAS上に集光され、照明レンズ18によって視野絞りFSに照射される。視野絞りFSを通過した照明光は、照明レンズ19によって対物レンズ3の瞳面上に集光され、対物レンズ3によって標本1に照射される。
標本1に照射された照明光は、観察光として反射した後、対物レンズ3およびハーフミラー20を通過し、鏡筒7内に設けられた結像レンズ7aによって集光される。これによって、観察光学系15は、標本1の共役像である観察像を結像する。この観察像は、撮像素子9の撮像面9a上に結像され、撮像素子9によって撮像される。撮像素子9が撮像して得た画像信号は、コントロール部10に出力され、種々の信号処理を受けた後、コントロール部10に接続されたモニタ21に出力され、観察画像として表示される。また、標本1の観察像は、鏡筒7内に設けられた図示しない光束分割素子を介して所定の結像面上に結像され、接眼レンズ8を介して適宜目視観察される。
つづいて、撮像素子9が撮像して得た観察画像に対し、コントロール部10が行う画像処理について説明する。図2は、コントロール部10の構成を示すブロック図である。この図に示すように、コントロール部10は、画像処理制御部10aと、画像処理部10bとを備える。また、画像処理部10bは、前置処理部31、可変利得増幅器32、A/D変換部33、フレームメモリ34、メモリコントローラ35、ホワイトバランス検出部36、利得設定部37、表示処理部38およびD/A変換部39を備える。
画像処理部10bは、撮像素子9が出力した画像信号を取得し、ホワイトバランス補正を行った後、モニタ21に出力する。かかる画像処理部10bでは、まず前置処理部31が撮像素子9から画像信号を取得する。前置処理部31は、取得した画像信号を赤、緑、青の各色信号R,G,Bに分離して出力する。可変利得増幅器32は、前置処理部31が出力した各色信号R,G,Bを取得し、利得設定部37によって設定された利得に応じて増幅することで、ホワイトバランス補正を行う。
A/D変換部33は、可変利得増幅器32が出力したアナログ信号である画像信号をデジタル信号に変換して出力し、フレームメモリ34は、A/D変換部33が出力したデジタル画像信号を画像データとして記憶する。このとき、フレームメモリ34は、各画像データをフレーム単位で記憶する。メモリコントローラ35は、フレームメモリ34に対して画像データの書き込みおよび読み出しを指示する制御信号を出力する。フレームメモリ34は、この制御信号に応じて、フレーム単位で画像データの記録および出力を行う。
ここで、フレームメモリ34が記憶する画像データには、標本1の観測画像に対応する画像データの他、ホワイトバランス補正で基準となる白色画像データがある。この白色画像データは、後述するホワイトバランス基準板の観察像を撮像素子9が撮像して得た画像データであって、全面均一な白色の観察画像に相当する。ホワイトバランス検出部36は、この白色画像データをもとに、標本1の観察画像に対応する画像データのホワイトバランスレベルを検出する。
ホワイトバランス検出部36は、画像データのホワイトバランスが、基準とする白色画像データのホワイトバランスと同等である場合、利得設定部37に設定されている可変利得増幅器32の利得をそのまま保持させる。一方、画像データのホワイトバランスが白色画像データのホワイトバランスと異なる場合には、そのホワイトバランスの差分に応じて、利得設定部37に設定されている可変利得増幅器32の利得を変更させる。画像データと白色画像データとのホワイトバランスが同等である場合、可変利得増幅器32から出力される各色信号R,G,Bの比率は、1:1:1となる。
可変利得増幅器32がホワイトバランス補正を行った結果の画像信号は、A/D変換部33を介し、ホワイトバランス補正済みの画像データとしてフレームメモリ34に記憶される。その後、表示処理部38に適宜出力され、D/A変換部を介してモニタ21に出力されて画像表示される。ここで、表示処理部38は、フレームメモリ34から取得した画像データを、モニタ21の表示サイズや表示速度に適した画像信号に変換し、D/A変換部39に出力する。D/A変換部39は、取得したデジタル画像信号をアナログ画像信号に変換し、モニタ21に出力する。モニタ21は、取得した画像信号を観察画像として表示する。
なお、撮像素子9による観察像の撮像処理、画像処理部10bによる画像信号処理、モニタ21による観察画像の表示処理等は、画像処理制御部10aからの指示に基づいて行われる。また、画像処理制御部10aは、ハンドスイッチ12から入力される各種指示情報をもとに、撮像素子9、画像処理部10bおよびモニタ21等の処理および動作を制御する。
具体的には、複数のスイッチを有するハンドスイッチ12において、例えば白色画像データを取得する指示情報が入力された場合、画像処理制御部10aは、撮像素子9にホワイトバランス基準板の観察像を撮像させ、画像処理部10bにその白色画像データを記憶させる。また、例えば標本1の観察画像を取得する指示情報が入力された場合、画像処理制御部10aは、標本1の観察像を撮像させ、その画像データに対してホワイトバランス補正を行うとともに、ホワイトバランス補正後の観察画像をモニタ21に表示させる制御を行う。
つづいて、ホワイトバランス基準板と、このホワイトバランス基準板を備えたステージ2との構成について説明する。図3は、ステージ2の外観構成を示す斜視図である。この図に示すように、ステージ2は、台座41、中ステージ42および上ステージ43をこの順に積層して構成されている。中ステージ42は、その下面部にY軸方向をガイド方向とする凹状の中ステージガイド部42aを有し、この中ステージガイド部42aと、台座41の上面部に形成された凸部41aとを係合させ、Y軸方向に移動自在として台座41上に設けられている。同様に、上ステージ43は、その下面部にX軸方向をガイド方向とする凹状の上ステージガイド部43aを有し、この上ステージガイド部43aと、中ステージ42の上面部に形成された凸部42bとを係合させ、X軸方向に移動自在として中ステージ42上に設けられている。
上ステージ43および中ステージ42は、それぞれX軸ハンドル2aおよびY軸ハンドル2bの回転操作に応じて、X軸方向およびY軸方向に移動される。具体的には、上ステージ43は、X軸ハンドル2aが回転操作された場合、そのハンドル軸に固定された図示しないピニオンの回転に応動し、上ステージ43に設けられた図示しないラックが直動することで、X軸方向に移動される。同様に、中ステージ42は、Y軸ハンドル2bが回転操作された場合、そのハンドル軸に固定された図示しないピニオンの回転に応動し、中ステージ42に設けられた図示しないラックが直動することで、Y軸方向に移動される。
このように構成されたステージ2は、X軸ハンドル2aおよびY軸ハンドル2bの回転操作に応じて、上ステージ43を、観察光学系15の観察光路としての観察光軸15aに対し、その垂直方向に自在に移動させることができる。これによって、ステージ2は、上ステージ43上の所定の観察領域44内に載置される標本1を観察光軸15a上に挿脱自在に配置することができ、観察光学系15による標本1の観察位置を自在に変更することができる。なお、観察領域44は、観察光軸15aに対する上ステージ43の可動範囲によって決定される。
上ステージ43上には、ホワイトバランス基準板45が設けられている。ホワイトバランス基準板45は、少なくとも上ステージ43上に表示される面が基準白色面45aとして形成されており、この基準白色面45aが上ステージ43の上面と等しい高さに設けられるように、上ステージ43上に形成された凹部に嵌設されている。また、ホワイトバランス基準板45は、観察領域44内の周縁部であって観察光軸15aから最も遠くに配置可能な観察領域44の隅領域に配置されている。
これによって、ステージ2は、上ステージ43上に載置される標本1の載置位置を上ステージ43に対して維持したまま、標本1に替えてホワイトバランス基準板45を観察光軸15a上に挿脱自在に配置することができる。また、ホワイトバランス基準板45を観察光軸15a上に一旦配置した後、再び標本1を観察光軸15a上に配置する際、観察光学系15に対する標本1の観察位置を容易に復帰させることができる。
以上のように構成された顕微鏡装置100では、標本1の観察画像のホワイトバランス補正を行うために、まず、ホワイトバランス基準板45を用いて、基準とする白色画像データを取得する。この白色画像データは、ホワイトバランス基準板45を観察光軸15a上に配置し、観察光学系15によるホワイトバランス基準板45の観察像を撮像素子9によって撮像することで取得される。取得された白色画像データは、フレームメモリ34に記憶される。
ここで、撮像素子9が撮像して得る画像データが白色画像データであるか否かは、ハンドスイッチ12から入力される指示情報をもとに画像処理制御部10aが判断する。白色画像データであると判断した場合、画像処理制御部10aは、利得設定部37に可変利得増幅器32における利得をリセットさせ、各色信号R,G,Bの利得比率を1:1:1とさせた状態で可変利得増幅器32に画像信号を処理させる。また、画像処理制御部10aは、このようにして得た画像データに白色画像データである旨の情報を対応付けて、フレームメモリ34に記憶させる。
つぎに、標本1が観察光軸15a上に配置された場合、画像処理制御部10aは、ハンドスイッチ12からの指示情報をもとに、撮像素子9によって標本1の観察像が撮像されるものと判断する。この場合、画像処理制御部10aは、撮像素子9から出力される画像信号に対し、白色画像データに基づいたホワイトバランス補正を行うように画像処理部10bを制御する。
この制御に基づいて、ホワイトバランス検出部36は、メモリコントローラ35を介してフレームメモリ34から白色画像データを読み出し、そのホワイトバランスを検出する。また、ホワイトバランス検出部36は、前置処理部31を介して撮像素子9から取得した画像信号のホワイトバランスを検出し、白色画像データのホワイトバランスと比較する。さらに、この比較結果に応じて、ホワイトバランス検出部36は、利得設定部37に可変利得増幅器32の利得を設定させる。
可変利得増幅器32は、このように設定された利得に応じて撮像素子9からの画像信号を増幅することで、標本1の観察画像に対するホワイトバランス補正を行う。そして、このホワイトバランス補正済みの画像データは、フレームメモリ34に記憶されるとともに、表示処理部38に適宜出力され、D/A変換部を介してモニタ21に出力されて画像表示される。
なお、ここでは、ホワイトバランス検出部36は、ホワイトバランス補正を行うごとに白色画像データのホワイトバランスを検出するものとして説明したが、これに限らず、例えば白色画像データが得られた時点で一度そのホワイトバランスを検出し、この検出結果を保持して、その後のホワイトバランスの比較に用いることもできる。これによって、ホワイトバランス補正に要する処理を高速化し、処理負荷を減らすことができる。かかるホワイトバランスの比較処理は、新たな白色画像データを取得するまで繰り返すことができるとともに、新たな白色画像データが取得された場合には、再度そのホワイトバランスを検出し、その検出結果をもとに比較処理を行うことで、同様に繰り返すことができる。
以上説明したように、本実施の形態1にかかる顕微鏡装置100は、上ステージ43に対する標本1の載置位置を維持したまま観察光学系15の観察光軸15a上に挿脱自在に配置されるホワイトバランス基準板45を上ステージ43上に備えている。これによって、顕微鏡装置100では、標本1をステージ上から取り除くことなく標本1を観察光軸15a上から観察視野外へ移動させることができるとともに、ホワイトバランス基準板45を観察光軸15a上に配置することができ、簡易な作業でホワイトバランス補正を行うことができる。その後、容易に標本1を観察光軸15a上に復帰させ、迅速に標本1の観察を再現させることができる。この結果、顕微鏡装置100では、ホワイトバランス補正にかかる作業を含めた観察作業全体で、その作業に要する時間および負荷を削減することができる。
また、顕微鏡装置100では、ホワイトバランス基準板45の基準白色面45aが上ステージ43上で、その上面と等しい高さに設けられているため、ホワイトバランス補正を行うごとに、対物レンズ3の焦点面近傍に基準白色面45aを容易に配置させることができる。このため、顕微鏡装置100では、容易な作業で常に厳密にホワイトバランス補正を行うことができる。
従来の顕微鏡装置では、ホワイトバランス補正を行う際に観察光路上から標本を移動させ、再び復帰させるために、多大な手間と時間とを要するという問題があった。このため、厳密なホワイトバランス補正が必要とされない場合には、簡易的に、標本と対物レンズとの隙間にホワイトバランス基準板としての白色紙等を差し込むことでホワイトバランス補正が行われていた。しかしながら、観察する標本によっては、厳密に、かつ頻繁にホワイトバランス補正を行う必要があり、その場合には、標本を一旦取り除き、対物レンズの焦点面近傍にホワイトバランス基準板としての白色紙等を配置しなければならず、作業性が著しく悪化するという問題があった。特に経時観察が必要な場合などには、観察そのものに支障をきたす恐れがあった。
これに対して、顕微鏡装置100では、容易かつ迅速に、ホワイトバランス基準板45の基準白色面45aを対物レンズ3の焦点面近傍に配置することができるとともに、標本1を観察光軸15a上に復帰させることができるので、頻繁にホワイトバランス補正が要望される場合にも、観察に支障をきたすことなく、毎回厳密にその補正を行うことができる。これによって、例えば、所望の倍率に応じて対物レンズを切り替えるごとに、簡易な作業で容易に、かつ厳密にホワイトバランス補正を行うことができる。
また、顕微鏡装置100では、ホワイトバランス基準板45を、上ステージ43上で観察領域44の周縁部であって観察光軸15aから最も遠くに配置可能な隅領域に配置しているため、標本1を観察する場合、ホワイトバランス基準板45の基準白色面45aを観察光軸15aから十分離隔した位置に配置することが可能である。これによって、顕微鏡装置100では、標本1の観察時に、基準白色面で反射される外乱光が観察光学系15を介して撮像素子9に受光されることがなく、鮮明な観察画像を得ることができる。
(変形例)
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の変形例について説明する。図4は、本変形例にかかる顕微鏡装置が備えるステージ2’の外観構成を示す斜視図である。本変形例にかかる顕微鏡装置は、顕微鏡装置100の構成をもとに、ステージ2にかえてステージ2’を用いて構成されるものである。また、図4に示すように、ステージ2’は、ステージ2の構成をもとに、中ステージ42、上ステージ43およびホワイトバランス基準板45に替えて、中ステージ42’、上ステージ43’およびホワイトバランス基準ユニット46を用いて構成されている。その他の構成は、顕微鏡装置100と同じであり、同一構成部分には同一符号を付して示している。
中ステージ42’および上ステージ43’は、中ステージ42および上ステージ43と同様に、台座41上に積層され、それぞれY軸方向およびX軸方向に移動自在に構成されている。また、上ステージ43’は、上ステージ43の構成をもとに、ホワイトバランス基準板45に替えて、ホワイトバランス基準ユニット46が設けられている。
ホワイトバランス基準ユニット46は、図5−1〜図5−3に示すように、表面に基準白色面46aが形成された白色板46bと、裏面として黒色面46cが形成された黒色板46dとを貼着して形成されたホワイトバランス基準板46eと、表示切換機構としてホワイトバランス基準板46eの側面部に突設されたレバー46fおよびレバー46fの先端部に設けられた回転ハンドル46gと、を用いて構成されている。
ホワイトバランス基準板46eは、上ステージ43’に形成された凹部に嵌設され、レバー46fは、上ステージ43’の側面部に設けられた貫通孔を介してホワイトバランス基準板46eの側面部に取り付けられている(図4参照)。レバー46fは、円柱状に成形されるとともに、その側面部である周面部にネジが切られており、挿通された貫通孔に対して螺合している。
このため、レバー46fは、外側先端部に固設されたハンドル46gの回転操作に応じてホワイトバランス基準板46eを回転させ、上ステージ43’の上面に表示させるホワイトバランス基準板46eの面を、基準白色面46aまたは黒色面46cに自在に切り換えることができる。具体的には、レバー46fは、ホワイトバランス補正を行う際、上ステージ43’の上面に基準白色面46aが表示されるように回転操作され、ホワイトバランス補正を行う以外の場合には、上ステージ43’の上面に黒色面46cが表示されるように回転操作される。
これによって、本変形例にかかる顕微鏡装置では、標本1の観察を行う場合、ホワイトバランス基準板46eを介して観察光学系15に入射する外乱光を確実に削減することができ、常に鮮明な観察画像を得ることができる。また、これによって、ホワイトバランス基準板46eの近傍にまで標本1を載置することができるため、標本1の観察に対して観察領域44をより有効に利用することができる。さらに、ホワイトバランス補正時以外には、基準白色面46aを上ステージ43’の表面に露出させないようにすることができるため、基準白色面46aに付着するゴミ等の量を削減することができるとともに、基準白色面46aに生じる汚れを防止することができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡装置について説明する。図6は、本実施の形態2にかかる顕微鏡装置200の要部構成を示す図である。この図に示すように、顕微鏡装置200は、顕微鏡装置100の構成をもとに、ホワイトバランス基準ユニット50をさらに備える。その他の構成は、実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付して示している。なお、顕微鏡装置200が備えるステージ2は、上ステージ43からホワイトバランス基準板45と、このホワイトバランス基準板45を嵌設させる凹部とを省いた構成としてもよい。
図7−1〜図7−5は、ホワイトバランス基準ユニット50の構成を示す図である。図7−1は平面図を示し、図7−2は正面図を示し、図7−3は底面図を示し、図7−4および図7−5は、それぞれ図7−2のA矢視図およびB矢視図を示している。これらの図に示すように、ホワイトバランス基準ユニット50は、ホワイトバランス基準板51と、保持手段としてのホルダ52と、ガイド部材としてのガイド53と、固定部54とを用いて構成されている。
ホワイトバランス基準板51は、基準白色面51aを上面とし、ホルダ52に固設されたガイド53上に載置されている。これによって、ホワイトバランス基準板51は、ホルダ52の内側面であるガイド面52aとガイド53とにガイドされ、スライド自在にホルダ52に保持されている。このホワイトバランス基準板51は、例えば端部に設けられた挿脱ツマミ51bが押し引き操作されることで、ホルダ52に対して挿脱移動される。
固定部54は、ホルダ52の上面部に2本突設されており、それぞれホルダ52の裏面から螺挿されるビス54aによってホルダ52に固設されている。各固定部54の上端部には、ビス54bが設けられており、このビス54bを顕微鏡本体6の側面部に螺着することで、ホワイトバランス基準ユニット50は、顕微鏡本体6に吊着される。
その際、ホワイトバランス基準ユニット50は、図6に示すように、標本1から対物レンズ3までの高さ内で、ガイド面52aおよびガイド53のガイド方向が観察光軸15aに対して垂直に設けられるとともに、ホワイトバランス基準板51が観察光軸15a上に挿脱配置されるように、顕微鏡本体6に吊着される。これによって、ホワイトバランス基準板51は、基準白色面51aを対物レンズ3に対向させ、観察光軸15a上に挿脱自在に配置される。観察光軸15a上に配置された場合、ホワイトバランス基準板51は、基準白色面51aによって照明光を反射し、その反射光を、観察光学系15を介して撮像面9aに照射させる。なお、観察光軸15aに対するガイド方向の垂直性は、厳密に垂直である場合に限らず、略垂直である場合も含むものである。
このように構成された顕微鏡装置200では、ホワイトバランス基準板51は、ホワイトバランス補正を行う際、標本1と対物レンズ3との間で観察光軸15a上に配置され、標本1の観察を行う際には、観察光軸15a上から取り除かれる。取り除かれた場合、ホワイトバランス基準板51は、取り除かれた状態でガイド53を介してホルダ52に保持される。ただし、ホワイトバランス基準板51は、ホルダ52に対して着脱することもできる。
これによって、顕微鏡装置200では、標本1をステージ上から取り除くことなくホワイトバランス基準板51を観察光軸15a上に挿脱配置することができ、簡易な作業で容易にホワイトバランス補正を行うことができる。この結果、顕微鏡装置200では、ホワイトバランス補正にかかる作業を含めた観察作業全体で、その作業に要する時間および負荷を削減することができる。
また、顕微鏡装置200は、ホワイトバランス基準板51の基準白色面51aが対物レンズ3の焦点面とは異なる高さに配置されるため、厳密なホワイトバランス補正を行うことはできないものの、標本1を移動させず、非常に簡便にホワイトバランス補正を行うことが可能であり、特に、標本1を移動させることができない場合にホワイトバランス補正を行うことができるという効果を奏する。さらに、顕微鏡装置200がステージ2に替えて非可動のステージを備える場合にも、ホワイトバランス補正を行うことができるという効果を奏する。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3にかかる顕微鏡装置について説明する。図8は、本実施の形態3にかかる顕微鏡装置300の要部構成を示す図である。この図に示すように、顕微鏡装置300は、顕微鏡装置100の構成をもとに、レボルバ4に替えて、スライダ挿脱孔60が形成されたレボルバ4’を備えるとともに、スライダ挿脱孔60内に挿設されるホワイトバランス基準スライダ61をさらに備える。その他の構成は、実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付して示している。なお、顕微鏡装置300が備えるステージ2は、上ステージ43からホワイトバランス基準板45と、このホワイトバランス基準板45を嵌設させる凹部とを省いた構成としてもよい。
図9−1および図9−2は、ホワイトバランス基準スライダ61の構成を示す図である。図9−1は平面図であり、図9−2は、斜視図である。これらの図に示すように、ホワイトバランス基準スライダ61は、ホワイトバランス基準板61a、分離筒61bおよびスライダ本体61cを用いて構成されている。ホワイトバランス基準板61aは、基準白色面を上面にして分離筒61b内に嵌設され、分離筒61bは、スライダ本体61cに形成された円状の凹部に挿設されている。ホワイトバランス基準板61aおよび分離筒61bの口径は、レボルバ4’に取り付けられる対物レンズ3の取り付け穴とほぼ等しくされている。
レボルバ4’は、レボルバ4の構成をもとに、観察光軸15aに垂直なガイド方向を有するガイド孔としてのスライダ挿脱孔60がさらに設けられている。レボルバ4’は、少なくとも対物レンズ3の瞳近傍で、観察光軸15aを内包するとともに、スライダ挿脱孔60を介してホワイトバランス基準スライダ61を保持している。これによって、ホワイトバランス基準板61aは、スライダ挿脱孔60にガイドされ、基準白色面を撮像素子9に対向させた状態で対物レンズ3の瞳近傍の観察光軸15a上に挿脱自在に配置される。観察光軸15a上に配置された場合、ホワイトバランス基準板61aは、その基準白色面によって照明光を反射し、反射した照明光を、ハーフミラー20および結像レンズ7aを介して撮像面9aに照射させる。なお、観察光軸15aに対するガイド方向の垂直性は、厳密に垂直である場合に限らず、略垂直である場合も含むものである。
このように構成された顕微鏡装置300では、ホワイトバランス基準板61aは、ホワイトバランス補正を行う際、対物レンズ3の瞳近傍で観察光軸15a上に配置され、標本1の観察を行う際には、観察光軸15a上から取り除かれる。取り除かれた場合、ホワイトバランス基準板61aは、ホワイトバランス基準スライダ61と一体にスライダ挿脱孔60によって保持される。ただし、ホワイトバランス基準スライダ61は、スライダ挿脱孔60に対して着脱することもできる。
これによって、顕微鏡装置300では、標本1をステージ上から取り除くことなくホワイトバランス基準板61aを観察光軸15a上に挿脱配置することができ、簡易な作業で容易にホワイトバランス補正を行うことができる。この結果、顕微鏡装置300では、ホワイトバランス補正にかかる作業を含めた観察作業全体で、その作業に要する時間および負荷を削減することができる。
また、顕微鏡装置300は、ホワイトバランス基準板61aの基準白色面が対物レンズ3の焦点面とは異なる高さに配置されるため、厳密なホワイトバランス補正を行うことはできないものの、標本1を移動させず、非常に簡便にホワイトバランス補正を行うことが可能であり、特に、標本1を移動させることができない場合にホワイトバランス補正を行うことができるという効果を奏する。さらに、顕微鏡装置300がステージ2に替えて非可動のステージを備える場合にも、ホワイトバランス補正を行うことができるという効果を奏する。
また、顕微鏡装置300が微分干渉観察(DIC:Differential Interference Contrast)を行うことが可能な顕微鏡装置であって、微分干渉観察を行う場合に使用するノマルスキープリズム等を保持したDICスライダの挿脱孔を有するものである場合、スライダ本体61cの外形をDICスライダと等しく形成することで、スライダ挿脱孔60として特段のガイド孔を設けることなく、DICスライダ用の挿脱孔にホワイトバランス基準スライダ61を挿着し、ホワイトバランス基準板61aを観察光軸15a上に挿脱自在に配置することができる。これによって、ホワイトバランス基準スライダ61を用いたホワイトバランス補正を汎用的に実施することができるという効果を奏する。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4にかかる顕微鏡装置について説明する。図10は、本実施の形態4にかかる顕微鏡装置400の要部構成を示す図である。この図に示すように、顕微鏡装置400は、顕微鏡装置100の構成をもとに、顕微鏡本体6内に、ハーフミラー20に替えてホワイトバランス基準キューブ70およびハーフミラーキューブ22,23と、このホワイトバランス基準キューブ70およびハーフミラーキューブ22,23を保持する切換保持機構71と、を備える。その他の構成は、実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付して示している。なお、顕微鏡装置400が備えるステージ2は、上ステージ43からホワイトバランス基準板45と、このホワイトバランス基準板45を嵌設させる凹部とを省いた構成としてもよい。
図11は、ホワイトバランス基準キューブ70の構成を示す図である。この図に示すように、ホワイトバランス基準キューブ70は、ホワイトバランス基準板70aおよび固定枠70bを用いて構成されている。ホワイトバランス基準板70aは、四角柱状のフレーム構造を有する固定枠70b内に固設されており、固定枠70b断面の四角形の各辺に対して斜面を形成するように設けられている。固定枠70bは、例えばその外形がハーフミラーキューブ22,23と等しく形成される。
切換保持機構71は、ハーフミラーキューブ22,23とホワイトバランス基準キューブ70とを観察光軸15aに対してその垂直方向に移動自在に保持するとともに、ハーフミラーキューブ22,23およびホワイトバランス基準キューブ70を観察光軸15a上に切換自在に挿脱配置する。これによって、ホワイトバランス基準板70aは、ハーフミラーキューブ22,23に替わり観察光軸15a上に挿脱自在に配置される。観察光軸15a上に配置された場合、ホワイトバランス基準板70aは、その基準白色面によって照明光を反射し、反射した照明光を、結像レンズ7aを介して撮像面9aに照射させる。なお、ハーフミラーキューブ22,23は、例えば一方が明視野観察用のハーフミラーキューブとし、他方が暗視野観察用のハーフミラーキューブとすることができる。また、観察光軸15aに対する切換保持機構71の駆動方向の垂直性は、厳密に垂直である場合に限らず、略垂直である場合も含むものである。
このように構成された顕微鏡装置400では、切換保持機構71によってホワイトバランス基準板70aは、ホワイトバランス補正を行う際、ハーフプリズム20または22に替えて観察光軸15a上に配置され、標本1の観察を行う際には、観察光軸15a上から取り除かれる。これによって、顕微鏡装置400では、標本1をステージ上から取り除くことなくホワイトバランス基準板70aを観察光軸15a上に挿脱配置することができ、簡易な作業で容易にホワイトバランス補正を行うことができる。この結果、顕微鏡装置400では、ホワイトバランス補正にかかる作業を含めた観察作業全体で、その作業に要する時間および負荷を削減することができる。
また、顕微鏡装置400は、ホワイトバランス基準板70aの基準白色面が対物レンズ3の焦点面とは異なる高さに配置されるため、厳密なホワイトバランス補正を行うことはできないものの、標本1を移動させず、非常に簡便にホワイトバランス補正を行うことが可能であり、特に、標本1を移動させることができない場合にホワイトバランス補正を行うことができるという効果を奏する。さらに、顕微鏡装置400がステージ2に替えて非可動のステージを備える場合にも、ホワイトバランス補正を行うことができるという効果を奏する。
また、顕微鏡装置400が明視野観察、暗視野観察等の各種観察手法を切換可能に構成されたものであって、ハーフミラーキューブ22,23等の光束分割素子を切換可能に構成されたものである場合、ホワイトバランス基準キューブ70の外形をそれら光束分割素子と等しく形成することで、切換保持機構71として特段の機構を設けることなく、光束分割素子の切換機構上にホワイトバランス基準キューブ70を装備し、観察光軸15a上に挿脱自在に配置することができる。これによって、ホワイトバランス基準キューブ70を用いたホワイトバランス補正を汎用的に実施することができるという効果を奏する。
ここまで、本発明を実施する最良の形態を実施の形態1〜4として説明したが、本発明は、上述した実施の形態1〜4に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施の形態1〜4では、本発明にかかる顕微鏡装置が正立顕微鏡であるものとして説明したが、倒立顕微鏡であってもよい。また、本発明にかかる顕微鏡装置は、実体顕微鏡やビデオマイクロスコープ、さらにこれらのような顕微鏡を利用した検査装置に適用することもできる。
本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の構成を示す図である。 図1に示したコントロール部の構成を示すブロック図である。 図1に示したステージの構成を示す図である。 実施の形態1の変形例としての顕微鏡装置が備えるステージの構成を示す図である。 図4に示したホワイトバランス基準ユニットの構成を示す平面図である。 図4に示したホワイトバランス基準ユニットの構成を示す側面図である。 図4に示したホワイトバランス基準ユニットの構成を示す底面図である。 本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡装置の構成を示す図である。 図6に示したホワイトバランス基準ユニットの構成を示す平面図である。 図6に示したホワイトバランス基準ユニットの構成を示す側面図である。 図6に示したホワイトバランス基準ユニットの構成を示す底面図である。 図7−2に示したホワイトバランス基準ユニットのA矢視図である。 図7−2に示したホワイトバランス基準ユニットのB矢視図である。 本発明の実施の形態3にかかる顕微鏡装置の構成を示す図である。 図8に示したホワイトバランス基準スライダの構成を示す平面図である。 図8に示したホワイトバランス基準スライダの構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4にかかる顕微鏡装置の構成を示す図である。 図10に示したホワイトバランス基準キューブの構成を示す図である。
符号の説明
1 標本
2 ステージ
2a X軸ハンドル
2b Y軸ハンドル
3 対物レンズ
4 レボルバ
5 焦準機構
5a 焦準ハンドル
6 顕微鏡本体
7 筐体
7a 結像レンズ
8 接眼レンズ
9 撮像素子
9a 撮像面
10 コントロール部
10a 画像処理制御部
10b 画像処理部
11 電源部
12 ハンドスイッチ
13 調光部
14 照明光学系
15 観察光学系
15a 観察光軸
16 光源
17〜19 照明レンズ
20 ハーフミラー
21 モニタ
22,23 ハーフミラーキューブ
31 前置処理部
32 可変利得増幅器
33 A/D変換部
34 フレームメモリ
35 メモリコントローラ
36 ホワイトバランス検出部
37 利得設定部
38 表示処理部
39 D/A変換部
41 台座
41a 凸部
42 中ステージ
42a 中ステージガイド部
42b 凸部
43 上ステージ
43a 上ステージガイド部
44 観察領域
45 ホワイトバランス基準板
45a 基準白色面
46 ホワイトバランス基準ユニット
46a 基準白色面
46b 白色板
46c 黒色面
46d 黒色板
46e ホワイトバランス基準板
46f レバー
46g 回転ハンドル
50 ホワイトバランス基準ユニット
51 ホワイトバランス基準板
51a 基準白色面
51b 挿脱ツマミ
52 ホルダ
52a ガイド面
53 ガイド
54 固定部
54a,54b ビス
60 スライダ挿脱孔
61 ホワイトバランス基準スライダ
61a ホワイトバランス基準板
61b 分離筒
61c スライダ本体
70 ホワイトバランス基準キューブ
70a ホワイトバランス基準板
70b 固定枠
71 切換保持機構
100,200,300,400 顕微鏡装置
AS 開口絞り
FS 視野絞り
R,G,B 色信号

Claims (7)

  1. ステージ上に載置された標本の観察像を結像する観察光学系と、前記観察像を撮像して観察画像を得る撮像手段と、前記観察画像のホワイトバランス補正を行う画像処理手段とを備えた顕微鏡装置において、
    前記ステージに対する前記標本の載置位置を維持したまま前記観察光学系の観察光路上に挿脱自在に配置されるホワイトバランス基準板を備えたことを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 前記ステージは、前記観察光路に対して前記標本を該観察光路に垂直な方向に移動自在であり、
    前記ホワイトバランス基準板は、前記ステージ上に設けられ、該ステージによって前記標本に替わり前記観察光路上に挿脱自在に配置されることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  3. 前記ホワイトバランス基準板は、前記ステージ上の領域であって該ステージが前記観察光路上に移動させることが可能な観察領域内の周縁部に設けられることを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡装置。
  4. 前記ホワイトバランス基準板は、一方の面に白色面が形成されるとともに他方の面に黒色面が形成され、前記ステージの上面に前記白色面または前記黒色面を切換自在に表示させる表示切換機構とともに該ステージ上に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の顕微鏡装置。
  5. 前記観察光学系が有する対物レンズから前記標本までの高さ内で、前記観察光路に垂直なガイド部材を有するとともに、該ガイド部材を介して前記ホワイトバランス基準板を保持する保持手段を備え、
    前記ホワイトバランス基準板は、前記ガイド部材にガイドされ、前記観察光路上に挿脱自在に配置されることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  6. 前記観察光学系が有する対物レンズの瞳近傍で、前記観察光路を内包し、該観察光路に垂直なガイド孔を有するとともに、該ガイド孔を介して前記ホワイトバランス基準板を保持する保持筐体を備え、
    前記ホワイトバランス基準板は、前記ガイド孔にガイドされ、前記観察光路上に挿脱自在に配置されることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  7. 前記標本を照明する照明光学系と前記観察光学系とを合分岐する光束分割素子と、前記ホワイトバランス基準板とを保持するとともに、前記観察光路に対して前記光束分割素子および前記ホワイトバランス基準板を該観察光路に垂直な方向に移動自在な切換保持手段を備え、
    前記ホワイトバランス基準板は、前記切換保持手段によって前記光束分割素子に替わり前記観察光路上に挿脱自在に配置されるとともに、該観察光路上に配置された場合、前記照明光学系が発する照明光を前記撮像手段に向けて反射させることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012238239A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Fuji Heavy Ind Ltd 環境認識装置および環境認識方法
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CN113116303A (zh) * 2021-04-16 2021-07-16 佛山科学技术学院 一种甲襞微循环血管三维扫描分析系统及方法

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