JPH1096697A - 蛍光顕微鏡装置 - Google Patents

蛍光顕微鏡装置

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JPH1096697A
JPH1096697A JP28664597A JP28664597A JPH1096697A JP H1096697 A JPH1096697 A JP H1096697A JP 28664597 A JP28664597 A JP 28664597A JP 28664597 A JP28664597 A JP 28664597A JP H1096697 A JPH1096697 A JP H1096697A
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fluorescence
filter
image
light
interference
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JP28664597A
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Akira Tamagawa
彰 玉川
Kazuo Ozaki
一穂 尾崎
Toru Makino
徹 牧野
Atsuo Miyagawa
厚夫 宮川
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、蛍光顕微鏡や画像処理装置
等を組合わせて用いて高速で画像処理を行い、細胞内の
カルシウムイオン濃度や水素イオン濃度等のイオン濃度
や巨大分子濃度を、平面的な濃度分布として把握し得る
蛍光顕微鏡装置を提供するものである。 【解決手段】 透過波長の異なる複数の干渉フィルタ5
からなるフィルタユニット6のうちの所望のフィルタ5
を光軸上に選択配置する移動台27と、選択配置された
干渉フィルタ5を通した励起光をサンプル10へ投射
し、得られる透過光又は反射光を光軸上に配置されたエ
ミッションフィルタ19に通し、撮像された異なる二つ
の波長の励起光による蛍光像の強度から画素毎の強度の
比を求め、サンプル10の各位置の蛍光強度の比の分布
を示す像を形成して出力する画像処理装置を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞のカルシウム
イオン濃度や水素イオン濃度等を平面的に測定する蛍光
顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、神経科学や細胞生物学分野におけ
る新しい研究手法として、細胞内遊離カルシウムイオン
濃度を定量する方法が、急速に広がっている。しかる
に、例えば細胞の代謝機能を研究する場合、細胞内に蛍
光物質を導入して蛍光顕微鏡により観察し、同時に蛍光
強度を測定することにより定量することは重要な方法で
ある。こうした方法により生きた細胞内のカルシウムイ
オン濃度に限らず、生きた細胞内の水素イオン濃度等の
ようなイオン濃度や、巨大分子(蛋白質,核酸)が測定
されている。この場合、測定のための蛍光性プローブと
装置の開発が重要となる。
【0003】ところで、生きた細胞内イオン濃度の測定
の場合、夫々のイオンと特異的に結合し、結合により励
起スペクトルや蛍光スペクトルの変化する様なプローブ
が用いられる。一方、蛋白質や核酸のような巨大分子の
場合は、蛍光物質をこれら巨大分子に共有的に結合し、
定量される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、細胞内の例えば
カルシウムイオン濃度を測定するときは、サンプルであ
る細胞に例えば蛍光試薬fura−2を投与した後、この蛍
光試薬とカルシウムイオンとが特異的に結合して励起ス
ペクトルが変化するのを分光蛍光光度計により測定又は
顕微鏡により観察することによりおこなっていた。な
お、顕微鏡による観察は、蛍光像上の円形の微少領域内
の蛍光量変化を測光することにより行っていた。
【0005】しかしながら、従来のこうした測定方法で
は、細胞中のカルシウムイオン濃度を部分的には測定す
ることができるが、平面的な濃度分布を得ることはでき
ない。また、仮に平面的な濃度分布を得ようとして測定
を行えばかなり多くの点でサンプルを採取して顕微鏡に
よる観察を行わなければならず、多大な観察時間を必要
とする。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、蛍光顕微鏡や画像処理装置等を組合わせて用いて高
速で画像処理を行い、細胞内のカルシウムイオン濃度や
水素イオン濃度等のイオン濃度や巨大分子濃度を、平面
的な濃度分布として把握し得る蛍光顕微鏡装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光源と、この光源からの光軸に配置され透過波長の
異なる複数の干渉フィルタからなる励起光用フィルタユ
ニットと、この励起光用フィルタユニットのうちの所望
の干渉フィルタを光軸上に選択配置するための励起フィ
ルタ切換装置と、前記選択配置された励起光用の干渉フ
ィルタを通過した励起光をサンプルへ投射して得られる
サンプルからの透過光または反射光の光軸上に配置され
た蛍光用干渉フィルタと、この蛍光用干渉フィルタを通
過した蛍光像を撮像し、撮像された異なる二つの波長の
励起光による蛍光像の強度から画素毎の強度の比を求
め、サンプルの各位置の蛍光強度の比の分布を示す像を
形成して出力する画像処理装置とを具備することを特徴
とする。
【0008】また、請求項1の前記蛍光用干渉フィルタ
は、透過波長の異なる複数の干渉フィルタからなり、該
複数の干渉フィルタからなる蛍光用フィルタユニット
と、この蛍光用フィルタユニットのうちの所望の干渉フ
ィルタを光軸上に選択配置するための蛍光フィルタ切換
装置とを備えているのが好ましい。
【0009】請求項3に記載の発明は、光源と、この光
源からの光軸上に配置された励起光用干渉フィルタと、
前記励起光用の干渉フィルタを通過した励起光をサンプ
ルへ投射して得られるサンプルからの透過光または反射
光の光軸上に配置され、透過波長の異なる複数の干渉フ
ィルタからなる蛍光用フィルタユニットと、この蛍光用
フィルタユニットのうちの所望の干渉フィルタを光軸上
に選択配置する蛍光フィルタ切換装置と、前記選択配置
された蛍光用の干渉フィルタを通過した蛍光像を撮像し
て画像処理する画像処理装置とを具備することを特徴と
する。
【0010】また、請求項1、2又は3の前記画像処理
装置は、予め入力された濃度と蛍光強度比との関係を基
に、求めた比を対応した濃度に変換し、サンプルの各位
置の濃度分布を示す像を形成して出力するのが好まし
い。
【0011】さらに、請求項1、2、3又は4の前記画
像処理装置は、撮像する蛍光像の蛍光の明るさによって
積算回数を決めるのが好ましい。また、請求項1、2、
3又は4の前記画像処理装置は、蛍光強度の比又は濃度
の値に応じた疑似カラーが与えられ、画像データを疑似
カラーで出力するのが好ましい。
【0012】また、請求項1、2、3又は4の蛍光顕微
鏡装置は、顕微鏡観察用の透過照明装置を備えるのが好
ましい。また、請求項1、2、3又は4記載の蛍光顕微
鏡装置は、前記励起フィルタ切換装置に防振手段を備え
るのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、細胞を顕微鏡で
観察するときは細胞に予め蛍光試薬を投与するが、かか
る蛍光試薬としては次のものが挙げられる。
【0014】1)カルシウムイオン濃度の測定の場合;
商品名fura−2,商品名Quin−2,商品名Indo−1(下
記式(I))、いずれもモレキュラープローブス社
(製) ここで、上記Indo−1を利用したカルシウムイオン濃度
測定の場合、その分光特性により後に詳述するfura−2
と比べ次のような違いがある。即ち、fura−2の場合カ
ルシウムイオン濃度に応じて励起スペクトルの変化がみ
られるが、Indo−1の場合蛍光スペクトルが図12に示
す如く変化する。つまり、340nmで励起すると図12の
ような蛍光スペクトルが得られ、カルシウムイオン濃度
に応じて400nm付近で最も大きく変化し、460nmでは変化
しない。また、460nmから550nmの範囲では逆向きの変化
をする。そこで、励起光の波長を固定しておき蛍光側で
二つの波長を選択することにより、二波長測定が可能と
なる。波長の組合せは、410nmと460nm,または410nmと4
80nmが選ばれる。細胞への導入法はIndo−1/AMを用
い、fura−2の場合と同じである。また、NDフィルタ
を利用して二波長間の比を調整する点もfura−2の利用
の場合と同じである。更に、画像を得たあとの処理も全
く同じである。なお、ステッピングモータのコントロー
ルはfura−2の場合と同様にパーソナルコンピューター
により行われる。
【0015】
【数1】
【0016】2)pH測定の場合;商品名B C E C
F(2′,7′−Biscarboxyethyl carboxy fluorescei
n、モレキュラープローブス社(製)) 3)膜電位の測定の場合;S tyryl系色素、例えばRH 4
21,RH 460(A.Grinvald,et al,Biophys,J,198
2,pp301−308) 本発明の作用について、カルシウムイオン濃度測定の場
合について以下に述べる。
【0017】(1)蛍光指示薬の投与 まず、神経系の株化細胞(NG 1O8,N 115)、グリア
由来の株化細胞(C6Bu−1)に蛍光試薬fura−2
(細胞の外から投与し、細胞内に導入できるようにアセ
トキシメチルエステル化された誘導体fura−2/AMを
導入した。このfura−2の構造は、下記式(II)に示す
通りである。
【0018】
【数2】
【0019】上記式(II)に示すfura−2は、カルシウ
ムイオンと特異的に結合し、図8に示す様な励起スペク
トルの変化が見られる。なお、蛍光スペクトルは510nm
にシングルピークをもち、バンドパスは10nmである。図
8から明らかのように、カルシウムの変化に対し異なる
波長で異なった強度変化が起こる場合、二波長測定が有
効であり、異なる二つの波長で励起し、夫々の蛍光強度
の比を求めることにより定量する。ここで、二波長測定
は蛍光指示薬の濃度,照明強度のばらつき,蛍光指示薬
の滅衰を標準化できる。また、二波長のうち、一点は大
きく変化する波長(図8の場合、波長340nm励起)で、
他の一点は変化しない波長(360nm;カルシウム依存性
のない点)又は逆向きの変化をする波長(380nm)が選
ばれる。
【0020】ところで、励起光として340nmと360nmを選
択した場合、図8に従えば蛍光強度の比(I340
360)はカルシウム濃度により0.64〜1.89の間で変
化する。但し、図9は蛍光分光光度計での測定値であ
り、測定装置,方法により変化する。特に、本発明の場
合の様に顕微鏡を用いると、光源,レンズ,反射鏡の波
長特性により、I340/I360比が図8とは異なる値とな
る。そこで、励起光強度を濃淡フィルタ(Neutral Dens
ity Filter)を用いて調節し、蛍光強度の比がカルシウ
ム濃度の変化する範囲の中心で約1.0となるようにす
る。こうすることにより、使用するカメラのダイナミッ
クレンジを、図9に示す如く有効に利用できる。なお、
蛍光物質を用いて測定をする場合、励起による蛍光の減
衰が問題となる。つまり、図10の最少検出値以下にな
れば出力の変化が小さく、測定不能となる。従って、励
起光量を出来るだけ少なくし、また光の当たっている時
間を最少にする必要がある。
【0021】(2)細胞内のカルシウムイオン濃度及び
分布の時間的変化の測定;即ち、測定光340nmと、リフ
ァレンス光360nmを目的とする時間内に移動させ、二波
長測定をする。このとき前述したTVカメラ(SIT)
の積算時間内は各干渉フィルタ,NDフィルタを停止さ
せる機能が必要である。つまり、連続的に340nm又は360
nm等の波長の光を細胞に照射する様なことを最時間する
と、細胞内の蛍光色素fura−2の蛍光が減衰してしま
い、測定に不利になる。従って、TVカメラの積算時間
外では、細胞標本に励起光が照射されない様に前述した
シャッターなどを必要とする。また、各波長でのTVカ
メラの積算時間,測定間隔時間は、細胞内カルシウム濃
度の変化具合やfura−2濃度等の実験条件により、様様
に変化する。そのため、これらの時間はプログラム的及
びメカニカル的にも対応がとれる様にする事が重要であ
る。しかるに、本発明の場合、上記の内容をパソコンヘ
ユーザーが入力指示する事により自動的に実施させる様
に構成されている。
【0022】即ち本発明によれば、光源からの光のうち
励起光用フィルタユニットにより選択された波長の光だ
けがサンプルに投射される。励起光用フィルタユニット
は透過波長の異なる複数の干渉フィルタを切換装置によ
り任意に切換えられるから波長の切換えが高速かつ容易
にでき、例えば前述のfura−2を用いたカルシウムイオ
ン濃度測定のような、複数の異なる波長を励起光として
用いる二波長測定が簡単に行える。また、サンプルから
得られる透過光または反射光は、蛍光用干渉フィルタを
介して画像処理装置により撮像、画像処理される。得ら
れる試料像は画像処理装置で処理されるため、画像の二
次元的な強度分布などの分析も迅速かつ容易に行える。
【0023】また、この蛍光顕微鏡装置において蛍光用
干渉フィルタを複数の干渉フィルタを切換可能な蛍光用
フィルタユニットとすることで、試料からの光を複数の
異なる波長で評価する二波長測定も簡単にできるように
なる。
【0024】さらに、励起光用フィルタユニットにおい
て干渉フィルタに応じたNDフィルタを干渉フィルタに
一体的に取付けておくことにより、干渉フィルタの切換
えに伴ってNDフィルタが同時に切換わるから、選択し
た透過波長のそれぞれの光量は常に適正に保たれる。
【0025】また、前述した発明とは逆に、所定の一つ
の波長の光を励起光として用い、試料からの蛍光の波長
を蛍光用フィルタユニットにより任意に選択することが
できるので、例えば前述のIndo−1を用いたカルシウム
イオン濃度測定のように、試料からの蛍光を複数の異な
る波長で評価する二波長測定が簡単に行える。得られる
試料像は、前述した発明と同様に画像処理装置で処理さ
れるため、画像の二次元的な強度分布などの分析も迅速
かつ容易に行える。 (第1実施形態)以下、本発明の第1実施形態について
図1〜図6及び図10を参照して説明する。ここで、図
1は本発明に係る蛍光顕微鏡装置のブロック図、図2は
同装置の概略図、図3は同装置の光学系を示す平面図、
図4は図3のA矢視図、図5は前記装置のフィルタユニ
ット周辺の斜視図、図6は上記装置の下部の説明図、図
10はカルシウムイオン濃度と蛍光強度比との関係を示
す特性図である。
【0026】図中の1は、内部に光源としてめHgラン
プ2を内蔵した落射蛍光照明装置である。ここで、光源
はHgランプ以外に必要な波長を放射するものであれば
良く、例えばXeランプなども使用できる。この照明装
置1には投光管3が連結され、該投光管3内でかつ前記
Hgランプ2の光軸上にはNDフィルタ4aと干渉フィ
ルタ5からなるフイルタユニット6が配置されている。
図1に示すフィルタユニット6は、NDフィルタ4aと
干渉フィルタ5を離間して光路中に配置した一例を示し
てある。ここで、前記NDフィルタ4aは、各波長での
透過率を調整するために使用する。また、前記投光管3
の先端には、図5に示すように後記対物レンズを変えた
ときの補正を目的に使用される(例えば透過率0%,25
%,40%,100%の)NDフィルタ4bが複数個設けら
れて、そのうちの一つが光路中に挿入可能にスライダ等
によって切換えられるようになっている。前記Hgラン
プ2の光軸上には、ダイクロイックミラー7が設けられ
ている。ここで、このダイクロイックミラー7は、前記
ランプ2からの光束を対物レンズ8を通してステージ9
上のサンプル10に照射するとともに、サンプル10か
らの蛍光を通過させる機能を有する。
【0027】前記ダイクロイックミラー7の下方には図
3、図4に示すようにエミッションフィルタ19及び前
記サンプル10からの蛍光を切換える光路切換部が設け
られ、この光路切換部にはビームスプリッター11が内
蔵されている。ここで、このビ−ムスプリッター11に
より、前記サンプル10からの蛍光のうち20%がミラー
60を介して図3に示す接眼レンズ12へ、残りの80%
が図4に示すTVカメラ(SIT)13へ送られ撮像さ
れる。
【0028】このTVカメラ13には、TVカメラコン
トロール機能とデータ処理機能をもつイメージプロセッ
サ14が連結されている。このイメージプロセッサ14
には、RAMディスクを内蔵したコンピュータ15,モ
ニタ16,プリンタ17が順次接続されている。ここ
で、前記コンピュータ15は、ステッピングモータ18
のON,OFFを行わせるとともに、データの記憶を行
う。なお、図1中の19は510nm付近の波長の蛍光のみ
を通過させるエミッションフィルタであり、図2中の2
0は透過照明装置である。
【0029】なお、第1実施形態でのフィルタユニット
6は、図1に示すようにNDフィルタ4aと干渉フィル
タ5を離間して配置し、それぞれをステッピングモータ
18,18で駆動するようにしたが、図7に示す如く、
フィルタ枠41内に押さえ42により干渉フィルタ4
4,NDフィルタ45を一体的に組合わせて取付けた構
造のものでもよい。
【0030】また、本装置の下部は図6に示すようにな
っている。同図において、21はベース22に固定され
た顕微鏡本体である。前記ベース22上には脚23が固
定され、この脚23には計4ケ(片側の脚23に2ケ)
の防振手段、例えばゴム(以下、防振ゴム)24を介し
て装置べース25が固定されている。この装置べース2
5上には、リニアベアリングでレールと移動ブロックを
組合わせたリニアガイドの1本のガイドレール26が固
定されている。このガイドレール26には2ケの移動ブ
ロックが組込まれていて移動台27を直線案内するよう
になっている。この移動台27にはラック28が取付け
られ、前記装置べース25上に防振ゴム29を介して設
けられたモータ30のピニオン31の回転により移動台
27を駆動するようになっている。こうした防振対策に
より、顕微鏡ステージ上にガラス毛細針をセットし、測
定対象の細胞内に前記ガラス毛細針を進入させた状態で
フィルタユニットを駆動させても、モータ及びメカの振
動の伝達(毛細針への)を防ぐことができ、細胞内のp
H,電位等を同時に測定することが可能になる。なお、
上記の様な防振対策なしでガラス毛細針を細胞内にさし
てフィルタユニットを動かすと、振動により細胞膜がや
ぶれることがある。
【0031】次に、上述した蛍光顕微鏡装置の画像デー
夕入力システムについて説明する。 (1)測定前処理 測定条件の入力,及び測定条件ファイルの作成・修正・
保存・削除を、コンピュータ15で行う。
【0032】(イ)測定条件ファイルの作成;メモリ上
の測定条件テーブルを作成し、必要ならばファィル名を
入力し、測定条件ファイルとしてフロッピーヘ保存す
る。この際、測定条件としては次の〜が挙げられ
る。
【0033】TVカメラの積算回数;1〜32000回で、
これにより測定時間が決まる。なお、積算回数は、細胞
の明るさによって決めるもので、明るければ回数を少な
く、暗けれければ回数を多くする。
【0034】測定時間;1/30秒×積算回数以上 測定回数;59以下 測定波長;340nm及び360nm又は360nm NDフィルタの選択 測定波長の選択 画素配列;縦,横ともに最大512 (ロ)測定条件ファイルの修正;フロッピーより測定条
件ファイルを選択し、メモリ上に測定条件テーブルを展
開し、その修正を行い、必要ならばフロッピーへの保存
を行う。なお、測定条件は前記〜である。
【0035】(ハ)測定条件ファイルの削除;フロッピ
ーより測定条件ファイルを指定し、削除する。 (ニ)測定条件のプリンタ出力;フロッピーより測定条
件ファイルを指定し、その内容をプリンタ出力する。
【0036】(2)測定処理;測定を行い、その画像デ
ータをTVカメラより入力し、コンピュータにとり込
む。 (3)画像デー夕保存;画像データをフロッピーヘセー
ブする。
【0037】(4)画像データ出力;画像デー夕をモニ
タ画面に出力し、またモニタ画面のカラーハードコピー
も行なえる。次に、上記システムのソフトウェアについ
て説明する。ここで、このソフトウェアは、下記の5ケ
のメニューに別れる。
【0038】(1)自由観察;画面からの指示によっ
て、顕微鏡のフィルタを操作し、ピントチェックを行
い、予めカルシウムイオン濃度測定用の蛍光試薬(fura
−2)が投与された細胞を観察する。
【0039】(2)測定条件登録;自動測定を行うため
の条件を、画面より登録する。 (3)自動測定;測定条件に従い、細胞のカルシウムイ
オン濃度を測定し、フレームメモリに書込まれた画像デ
ータを、コンピュータ15に内蔵したRAMディスクに
保存する。
【0040】(4)データF D保存;自動測定により作
成されたRAMディスク内の画像データを、フロッピー
ディスクに保存する。 (5)デー夕表示;RAMディスクあるいはフロッピー
ディスクにある画像データを、グラフィック画面に疑似
カラーで出力する。なお、表示中の画像データのカラー
ハードコピーが可能である。フロッピーディスクに保存
された各波長(340nmと360nm)の画像は、画像処理プロ
グラムに従って対応する画素間で比が求められ、予め入
力されている検量線(図10参照)によりカルシウムイ
オン濃度に変換される。そして、濃度に応じた疑似カラ
ーが与えられ、カルシウムイオン濃度分布図が得られ
る。
【0041】しかして、上記実施形態に係る蛍光顕微鏡
装置によれば、Hgランプ2を有した落射蛍光照明装置
1、干渉フィルタ5,NDフィルタ4aから構成される
フィルタユニット6、ダイクロイックミラー7、ビーム
スプリッタ11、及びTVカメラ13,イメージプロセ
ッサー14,コンピュー夕15,モニタ16,プリンタ
17などからなる画像処理装置から構成されているた
め、画像データをグラフィック画面に疑似カラーで出力
し、これにより高速で画像処理しながら細胞内のカルシ
ウムイオン濃度を平面的な濃度分布として観察すること
ができる。事実、本発明装置により撮影したカルシウム
イオン濃度分布の模式図は、例えば図11のように表示
される。なお、同図には3つの細胞,,が存在し
ており、例えば各点(A〜E)のカルシウム濃度(/n
M)はA;94.1、B;82.7、C;110/6、D;90.3、
E;30.9であり、色分けにより各点の濃度が同時に判
別できるようになっている(但し、図11は模式図の為
色分けは省略している)。(第2実施形態)上記実施形
態では、510nm付近の波長の蛍光のみを通過させるエミ
ッションフィルタを用いる場合について述べたが、これ
に限らず、例えば図13及び図14に示すように上記エ
ミッションフィルタの代わりにステッピングモータ51
に直結した円板状のフィルタホルダー52を遮光用ボッ
クス内53内にとりつけてもよい。このホルダー52に
は例えば3ケのフィルタ装着用穴54a,54b,54
cがあり、この穴のうち一箇所には例えば410nm(波長
幅10〜20nm)、他の一箇所には460nm(波長幅10〜20n
m)の干渉フィルタ44を夫々NDフィルタ45に重ね
て装着し、残りの装着用穴はfura−2測定のとき利用す
るようにフィルタを装着しない(100%透過)。このよ
うにすれば、410nmと460nmでの蛍光像の間で比を求め、
図15に示すカルシウムイオン濃度と蛍光強度比との関
係を示す特性図によりカルシウムイオン濃度を求めるこ
とができる。ところで、励起光はfura−2で用いて340n
mの干渉フィルタを利用することにより得られる。な
お、図14において図中の55はフィルタ位置決め用セ
ンサ、56は結像用レンズ、57はモータ支えである。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、蛍光
顕微鏡や画像処理装置等を組合わせて用いて高速で画像
処理を行い、細胞内のカルシウムイオン濃度や水素イオ
ン濃度等のイオン濃度や巨大分子濃度を、平面的な濃度
分布として把握し得る蛍光顕微鏡装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態に係る蛍光顕微鏡
装置のブロック図である。
【図2】図2は本発明の第1実施形態に係る蛍光顕微鏡
装置の概略図である。
【図3】図3は本発明の第1実施形態に係る蛍光顕微鏡
装置の光学系を示す平面図である。
【図4】図4は図3に示す蛍光顕微鏡装置のA矢視図で
ある。
【図5】図5は本発明の第1実施形態に係る蛍光顕微鏡
装置のフィルタユニット周辺の斜視図である。
【図6】図6は本発明の第1実施形態に係る蛍光顕微鏡
装置のフィルタユニット下部の説明図である。
【図7】図7は本発明に係るフィルタユニットの他の例
を示す断面図である。
【図8】図8は蛍光指示薬fura−2による励起スペクト
ル特性図である。
【図9】図9はTVカメラの入力−出力特性図である。
【図10】図10はカルシウムイオン濃度と蛍光強度比
との関係を示す特性図である。
【図11】図11は本発明に係る蛍光顕微鏡装置により
撮影したカルシウムイオン濃度分布の模式図である。
【図12】図12は蛍光強度と波長との関係を示す特性
図である。
【図13】図13は本発明の第2実施形態に係る蛍光顕
微鏡装置のフィルタ周辺部の説明図である。
【図14】図14は本発明の第2実施形態に係る蛍光顕
微鏡装置のフィルタ周辺部の説明図である。
【図15】図15はカルシウムイオン濃度と蛍光強度比
との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 落射蛍光照明装置 2 Hgランプ 3 投光管 4a,4b,4c NDフイルタ 5,44 干渉フィルタ 6 フィルタユニット 7 ダイクロイックフィルタ 8 対物レンズ 10 サンプル 11 ビームスプリッター 12 接眼レンズ 13 TVカメラ 14 イメージプロセッサ 15 コンピュー夕 16 モニタ 17 プリンタ 18,51 ステッピングモータ 24,29 防振ゴム 28 ラック 30 モータ
フロントページの続き (72)発明者 宮川 厚夫 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 この光源からの光軸に配置され透過波長の異なる複数の
    干渉フィルタからなる励起光用フィルタユニットと、 この励起光用フィルタユニットのうちの所望の干渉フィ
    ルタを光軸上に選択配置するための励起フィルタ切換装
    置と、 前記選択配置された励起光用の干渉フィルタを通過した
    励起光をサンプルへ投射して得られるサンプルからの透
    過光または反射光の光軸上に配置された蛍光用干渉フィ
    ルタと、 この蛍光用干渉フィルタを通過した蛍光像を撮像し、撮
    像された異なる二つの波長の励起光による蛍光像の強度
    から画素毎の強度の比を求め、サンプルの各位置の蛍光
    強度の比の分布を示す像を形成して出力する画像処理装
    置とを具備することを特徴とする蛍光顕微鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記蛍光用干渉フィルタは、透過波長の
    異なる複数の干渉フィルタからなり、 該複数の干渉フィルタからなる蛍光用フィルタユニット
    と、 この蛍光用フィルタユニットのうちの所望の干渉フィル
    タを光軸上に選択配置するための蛍光フィルタ切換装置
    とを備えていることを特徴とする請求項1記載の蛍光顕
    微鏡装置。
  3. 【請求項3】 光源と、 この光源からの光軸上に配置された励起光用干渉フィル
    タと、 前記励起光用の干渉フィルタを通過した励起光をサンプ
    ルへ投射して得られるサンプルからの透過光または反射
    光の光軸上に配置され、透過波長の異なる複数の干渉フ
    ィルタからなる蛍光用フィルタユニットと、 この蛍光用フィルタユニットのうちの所望の干渉フィル
    タを光軸上に選択配置する蛍光フィルタ切換装置と、 前記選択配置された蛍光用の干渉フィルタを通過した蛍
    光像を撮像して画像処理する画像処理装置とを具備する
    ことを特徴とする蛍光顕微鏡装置。
  4. 【請求項4】 前記画像処理装置は、予め入力された濃
    度と蛍光強度比との関係を基に、求めた比を対応した濃
    度に変換し、サンプルの各位置の濃度分布を示す像を形
    成して出力することを特徴とする請求項1、2又は3記
    載の蛍光顕微鏡装置。
  5. 【請求項5】 前記画像処理装置は、撮像する蛍光像の
    蛍光の明るさによって積算回数を決めることを特徴とす
    る請求項1、2、3又は4記載の蛍光顕微鏡装置。
  6. 【請求項6】 前記画像処理装置は、蛍光強度の比又は
    濃度の値に応じた疑似カラーが与えられ、画像データを
    疑似カラーで出力することを特徴とする請求項1、2、
    3又は4記載の蛍光顕微鏡装置。
  7. 【請求項7】 顕微鏡観察用の透過照明装置を備えたこ
    とを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の蛍光顕微
    鏡装置。
  8. 【請求項8】 前記励起フィルタ切換装置に防振手段を
    備えたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の
    蛍光顕微鏡装置。
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