JP2010020151A - 観察装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明な生物細胞などの被観察物を容易に観察する。
【解決手段】 観察対象となる被観察物からの光を結像する結像光学系と、結像光学系により結像される像を撮像する撮像手段と、被観察物の主走査方向に延びる明部と主走査方向と直交する方向である副走査方向にて明部を挟み込む暗部とからなり、明部が結像光学系の光軸に対して副走査方向にずれて配置された照明手段と、から構成される画像取得部と、画像取得部又は被観察物を副走査方向に移動させて、画像取得部及び被観察物の相対位置を変化させる移動機構と、を備えたことを特徴とする。照明手段の明部は、結像光学系の光軸に対して、結像光学系の入射側の有効口径、結像光学系から被観察物までの距離及び照明手段から被観察物までの距離から求められる間隔を副走査方向にずらして配置されることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 観察対象となる被観察物からの光を結像する結像光学系と、結像光学系により結像される像を撮像する撮像手段と、被観察物の主走査方向に延びる明部と主走査方向と直交する方向である副走査方向にて明部を挟み込む暗部とからなり、明部が結像光学系の光軸に対して副走査方向にずれて配置された照明手段と、から構成される画像取得部と、画像取得部又は被観察物を副走査方向に移動させて、画像取得部及び被観察物の相対位置を変化させる移動機構と、を備えたことを特徴とする。照明手段の明部は、結像光学系の光軸に対して、結像光学系の入射側の有効口径、結像光学系から被観察物までの距離及び照明手段から被観察物までの距離から求められる間隔を副走査方向にずらして配置されることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、透明な被観察物を観察する観察装置に関する。
生物細胞などの透明試料を被観察物とする観察方法として、例えば屈折率分布を可視化することのできる位相差観察が挙げられる。この位相差観察を用いて培養容器の全域を一度に観察する場合には、一般に位相差観察に用いられる光学系の視野範囲よりも広い視野範囲となる光学系や、被観察物を広範囲に亘って照明できる照明装置などを用いる必要があることから、観察装置が大型化してしまう。そこで、明部と暗部とを交互に配置したストライプ状の面光源によって照明される被観察物を撮像し、撮像により得られる画像から被観察物の全域を観察する手法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−178426号公報
しかしながら、このようなストライプ状の面光源を採用した場合、観察による被観察物の検出性能は、面光源の大きさや、撮像素子などの検出器の画素数により制約されてしまうことから、撮像素子により取り込まれる画像を高解像度の画像とするためには、観察装置を大型化しなければならない。
本発明は、装置自体を大型化しなくとも、透明な生物細胞などの被観察物を容易に観察できるようにした観察装置を提供することを目的とする。
第1の発明の観察装置は、観察対象となる被観察物からの光を結像する結像光学系と、前記結像光学系により結像される像を撮像する撮像手段と、前記被観察物の主走査方向に延びる明部と前記主走査方向と直交する方向である副走査方向にて前記明部を挟み込む暗部とからなり、前記明部が前記結像光学系の光軸に対して前記副走査方向にずれて配置された照明手段と、から構成される画像取得部と、前記画像取得部又は前記被観察物を前記副走査方向に移動させて、前記画像取得部及び前記被観察物の相対位置を変化させる移動機構と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記照明手段の前記明部は、前記結像光学系の光軸に対して、前記結像光学系の入射側の有効口径、前記結像光学系から前記被観察物までの距離及び前記照明手段から前記被観察物までの距離から求められる間隔を前記副走査方向にずらして配置されることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記照明手段における前記明部の幅を変更することで、前記被観察物に照射される光が前記被観察物を透過したときに散乱する光の強弱を調整する調整手段を、さらに備えていることを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記明部からの光の強度を変更することで、前記被観察物に照射される光が前記被観察物を透過したときに散乱する光の強弱を調整する調整手段を、さらに備えていることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記明部から出射される光の角度を変更することで、前記被観察物に照射される光が前記被観察物を透過したときに散乱する光の強弱を調整する調整手段を、さらに備えていることを特徴とする。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれかにおいて、前記撮像手段は、前記画像取得部及び前記被観察物の相対位置の変化に基づいて複数の画像を取得するとともに、前記撮像手段により取得された複数の画像から、前記被観察物全域の画像を生成する画像生成手段を、さらに備えていることを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、前記撮像手段は、前記被観察物において散乱する光に基づく像と、前記照明手段における前記明部及び前記暗部に基づく像とが重畳された画像を取得し、前記画像生成手段は、前記被観察物において散乱する光に基づく像が前記暗部に基づく像に重畳された範囲を前記複数の画像のそれぞれから切り出し、切り出された画像を合成することで、前記被観察物全域の画像を生成する。
第8の発明は、第7の発明において、前記画像生成手段によって生成された被観察物全域の画像における画質を調整する画質調整手段を、さらに備えていることを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明において、前記画質調整手段により画質が調整された前記被観察物全域の画像から、前記被観察物の位置又は大きさを示す情報を取得する情報取得手段をさらに備えていることを特徴とする。
本発明によれば、結像光学系や照明手段を大型にしなくとも、透明な被観察物を広視野で観察するのに適した観察装置を実現することができる。
図1は、本発明を用いた観察装置について説明する。本発明の観察装置10は、被観察物15をX方向に移動させながら観察する。以下、X方向を副走査方向、Y方向を主走査方向として説明する。観察装置10は、照明部21、ステージ22、移動機構23、結像光学系24、撮像素子25、コントローラ26及びコンピュータ(以下、PCと称する)27などから構成される。なお、照明部21、結像光学系24及び撮像素子25は、画像取得部として機能する。
照明部21は、ステージ22に載置される被観察物15を下方から照明するために設けられる。この照明部21としては、例えばバックライト付きの透過型液晶パネル30が挙げられる。透過型液晶パネル30は、その表示領域30aに種々のパターンを形成することが可能であり、上述したバックライトの点灯時には、表示領域30aに形成されたパターンに基づいた照明光が被観察物15に照射される。表示領域30aに形成されるパターンとしては、主走査方向に延びる明部35と、副走査方向において明部35を挟み込むように配置される暗部36,37とからなるパターンが挙げられる。なお、図1及び図2においては、暗部36,37の副走査方向における幅を、明部35の幅よりも広くしているが、明部の幅と同一幅としても良いし、明部の幅よりも狭くすることも可能である。符号40はドライバであり、透過型液晶パネル30における表示や、バックライトの点灯/消灯など、照明部21を駆動する。
ステージ22は、被観察物15が載置される。被観察物15としては、例えば無染色の細胞が培養された透明な培養容器が挙げられる。なお、照明部21からの照射光を被観察物15の下方から照射させることから、ステージ22としては、ガラスなどの透明部材から形成される。なお、ステージ22を透明部材から形成する他に、載置される被観察物15の部分が開口されたステージ22であってもよい。
移動機構23は、例えば不図示のモータや複数のギヤなどから構成される。この移動機構23は、被観察物15の観察時に、被観察物15が載置されたステージ22をX方向に移動させる。なお、モータとしてステッピングモータが挙げられる。
結像光学系24は、被観察物15の全域から出射される光を撮像素子25の撮像面上に結像する。なお、この結像光学系24の光軸LはZ方向となる。撮像素子25は、例えばCCDやCMOSなどから構成される。この撮像素子25は、結像光学系24によって撮像面上に結像された光を取り込むことで、画像信号(画像データ)を取得する。符号41は、ドライバであり、撮像素子25を駆動する。なお、被観察物15の全域から出射される光は、撮像素子25の撮像面上に結像されるとしているが、後述する画像切出範囲60のみが必要であれば、被観察物15の全域から出射される光のうち、画像切出範囲60に対応する光を撮像素子25の撮像面上に結像させることも可能である。このような場合には、主走査方向を長手方向とするライン状の撮像素子を用いればよい。
コントローラ26は、照明部21、移動機構23、撮像素子25などを制御する。また、コントローラ26は、撮像素子25によって取得された画像データをPC27に出力する。なお、コントローラ26による照明部21、移動機構23、撮像素子25などの制御は、PC27側で設定された観察条件に基づいて実行される。
PC27は、PC側コントローラ51、画像生成部52、画質調整部53、モニタ54及び操作部55などから構成される。PC側コントローラ51は、PC27の各部を統括的に制御する。
画像生成部52は、撮像素子25により取得される複数の画像から、被観察物15の全域の画像CIを生成する。上述したように、観察装置10においては、ステージ22を移動させながら撮像素子25による被観察物15の撮像を行うことから、被観察物15の観察時には複数の画像PIが取得される。画像生成部52は、これら複数の画像PIのそれぞれから後述する予め設定した領域を切り出した後、切り出された画像を撮像順序に並べて合成することで、被観察物15の全域の画像CIを生成する。以下、複数の画像PIのそれぞれから切り出す範囲を画像切出範囲60として説明する。
上述したように、結像光学系24は、被観察物15の全域から出射される光を撮像素子25の撮像面上に結像することから、被観察物15を撮像素子25によって撮像することで得られる画像PIは、透過型液晶パネル30の表示領域30aに形成されるパターンに基づく像と、被観察物15を透過する際に生じる散乱光により生成される像とが重畳された画像からなる。なお、図3においては、図の煩雑さを防止するために、被観察物15を観察していないときに撮像された画像PIを示している。
詳細は後述するが、被観察物15は照明部21からの照射光により、被観察物15を透過する光Laと、被観察物15の内部で散乱する光(散乱光)Lb,Lcとに分けられる。照明部21によって被観察物15は遮光照明されることから、散乱光Lb,Lcによる像は、透過型液晶パネル30の表示領域30aに形成されるパターンの暗部36,37の像に重畳される。ところで、結像光学系24は、被観察物15の全域から出射される光を結像することから、結像光学系24のフォーカスナンバー(以下、F値と称す)は小さい。このため、取得される画像PIは、表示領域30aの明部35の像と暗部36の像との境界、明部35の像と暗部37の像との境界がそれぞれぼけ、暗い背景に明るい被観察物15が現れた画像となる。
画像生成部52は、取得される画像PIのうち、パターンの暗部36,37の像の一部を画像切出範囲60として切り出す。つまり、散乱光Lb,Lcに基づく像と、パターンに基づく像とが重畳される画像PIからコントラストが高くなりやすい範囲を画像切出範囲60として切り出す。本実施形態では、パターンの暗部36に基づく像の内部に画像切出範囲60を設けているが、これに限定する必要はなく、パターンの暗部37に基づく像の内部に画像切出範囲60を設けてもよい。なお、散乱光が届く範囲であれば、画像切出範囲60はパターンの暗部36に基づく像の内部のいずれの領域を用いてもよい。
画質調整部53は、画像生成部52にて生成された被観察物15の全域の画像CIの画質を調整する。画質としては、解像度やSN比などが挙げられるが、ここでは、解像度を挙げて説明する。撮像素子25における撮像においては、主走査方向(Y方向)を一括して撮像することからY方向の解像度は一定であることから、ここで述べる「画像の解像度を調整する」とは副走査方向(X方向)における解像度を調整することが該当する。
画像切出範囲60に写り込む被観察物15の範囲は、画像切出範囲60が固定であることから、1回の撮像から次の撮像までのステージ22の移動量に依存する。つまり、画像切出範囲60を時系列的に並べて合成される画像CIにおける被観察物15の像の縦横比を、実際の被観察物15の縦横比に一致させるのであれば、1回の撮像から次の撮像までのステージ22の移動量は、画像切出範囲60の幅と一致させる必要がある。しかしながら、観察物の観察時においては、1回の撮像から次の撮像までのステージ22の移動量を、画像切出範囲60の幅よりも短くして(又は長くして)観察する場合もある。
例えば、1回の撮像から次の撮像までのステージ22の移動量を画像切出範囲60の幅よりも短くした場合には、画像切出範囲60に写り込む被観察物15の範囲は、合成時に隣り合う画像切出範囲60に写り込む被観察物15の範囲と重畳される。画像生成部52は、画像切出範囲60として切り出された画像を時系列に並べるときには、隣り合う画像を重畳しない。つまり、被観察物15の全域の画像CIにおけるX方向の解像度は、実際の被観察物のX方向の解像度よりも高くなる。このような場合には、画質調整部53は、例えば被観察物15の全域の画像CIに対して、該画像CIのX方向を間引き処理して、X方向の解像度を調整する。この調整により、被観察物15の全域の画像CIの縦横比が、実際の被観察物15の縦横比となる。
一方、1回の撮像から次の撮像までのステージ22の移動量を、画像切出範囲60の幅よりも長くした場合には、画像切出範囲60に写り込む被観察物15の範囲は重複される部分が無く、また、非連続的となる。この場合、画像生成部52によって生成される被観察物15の全域の画像CIにおけるX方向の解像度は、実際の被観察物15のX方向の解像度よりも低くなる。このような場合には、画質調整部53は、例えば被観察物15の全域の画像CIに対して、該画像のX方向を補間処理して、X方向の解像度を調整する。この調整により、被観察物15の全域の画像CIの縦横比が、実際の被観察物15の縦横比となる。
なお、1回の撮像から次の撮像までのステージ22の移動量が異なる場合について説明しているが、例えば移動機構23としてステッピングモータを用いる場合には、ステージ22の移動量は、1ステップ当たりの移動量や、ステージ22の移動時のステップ数に依存することから、解像度の調整は、1ステップ当たりの移動量や、ステージ22の移動時のステップ数に基づいて調整すればよい。
モニタ54は、観察装置10における各種設定を行う際の設定画面を表示する他に、撮像素子25によって取得された画像PIや、画像生成部52によって生成された被観察物15の全域の画像CIを表示する。操作部55は、キーボードやマウスなどからなり、新たに観察する場合の観察条件を設定する場合や、既に決定された観察条件を変更する場合等に操作される。
次に、照明部21の一例である透過型液晶パネル30に表示されるパターンと、結像光学系24の光軸Lとの位置関係について説明する。上述したように、透過型液晶パネル30の表示領域30aに形成されるパターンは、主走査方向に延びる明部35と、副走査方向において明部35を挟み込むように配置される暗部36,37とからなるパターンからなる。
例えば明部35を結像光学系24の光軸L上に配置した場合には、撮像素子25によって取得される画像においては、表示領域30aの明部35に基づく像と、被観察物15によって散乱する光に基づく像とが重畳されやすく、被観察物15内の細胞などを観察(検出)しにくくなる。一方、明部35を結像光学系24の光軸Lから外れた位置に配置した場合には、撮像素子25によって取得される画像において、表示領域30aの暗部36、37に基づく像と、被観察物15によって散乱する光に基づく像とが重畳されやすくなる。このような理由から、明部35は、結像光学系24の光軸L上に配置せずに、光軸L上から外れた位置に、つまり光軸Lから間隔T離して配置する。なお、結像光学系24の光軸Lからパターンの明部35までの間隔Tは、以下のように求められる。
図4に示すように、結像光学系24を構成するレンズのうち、入射側のレンズ61から被観察物15までの距離をC1、被検査物15から透過型液晶パネル30までの距離をC2、結像光学系24の有効口径をD1とすると、F値は、F=C1/D1で求められる。また、結像光学系24の光軸Lと結像光学系24の入射側のレンズ45の有効口径とがなす角度をθとすると、
tanθ=D1/(2×C1)=1/(2×F)・・(1)
で表される。
tanθ=D1/(2×C1)=1/(2×F)・・(1)
で表される。
一方、有効口径D1に対応する透過型液晶パネル30上の領域の直径をD2とした場合、直径D2を角度θを用いて表すと、
tanθ=D2/(2×C2)・・(2)
つまり、(1)及び(2)式から、直径D2は、
D2=C2/F=C2/C1×D1
となる。つまり、結像光学系24の光軸Lから表示領域30aに形成される明部35までの間隔Tは、少なくとも間隔D2/2空ければよい。
tanθ=D2/(2×C2)・・(2)
つまり、(1)及び(2)式から、直径D2は、
D2=C2/F=C2/C1×D1
となる。つまり、結像光学系24の光軸Lから表示領域30aに形成される明部35までの間隔Tは、少なくとも間隔D2/2空ければよい。
なお、図2においては、透過型液晶パネル30の表示領域30aの中心が結像光学系24の光軸L上となるように配置した場合について説明するため、明部35を表示領域30aの中心から外れた位置に形成しているが、これに限定する必要はなく、表示領域30aの中心に明部35を形成することも可能である。この場合、表示領域30aの中心、つまり、明部35が結像光学系24の光軸L上から間隔Tを空けた位置となるように、透過型液晶パネル30及び結像光学系24のそれぞれを配置すればよい。
図5は、1回の撮像時における照明部21から撮像素子25までの光の電波状態を示す図である。照明部21による被観察物15の照明時には、透過型液晶表示パネル30の表示領域30aには明部35と、暗部36,37とからなるパターンが表示されることから、明部35からのみ光が出射される。つまり、部分領域15aが遮光照明される。
部分領域15aが遮光照明されると、部分領域15aをそのまま透過する透過光Laと、部分領域15a内の屈折率の違いから散乱する散乱光Lb、Lcとが生じる。これら光のうち、透過光Laは結像光学系24に入射せず、散乱光Lb,Lcのみが結像光学系24に入射する。
つまり、撮像素子25において得られる画像は、透過型液晶パネル30の表示領域30aに基づく像と、散乱光Lb,Lcに基づく像とが重畳された画像となる。上述したように、パターンの明部35と結像光学系24の光軸Lとを間隔T離して配置していることから、撮像素子25によって取得される画像は、散乱光Lb、Lcに基づく像は表示領域30aに形成されるに明部35に基づく像には重畳されず、暗部36,37に基づく像に重畳される。これが1回の撮像時における照明光の伝播状態である。
本実施形態の観察装置10は、以下に示す手順によって被観察物15の観察が実行される。
手順1:ステージ22を被観察物15の観察を開始する位置まで移動させる。なお、予めステージ22が被観察物15の観察を開始する位置にある場合には、この手順1の処理は省略される。
手順2:ステージ22を移動させながら、被観察物15の撮像を行う処理である。この手順2においては、ステージ22を主走査方向に所定量移動させた後一旦停止させ、つまりステージ22を間歇送りしながら、照明部21の点灯、及び撮像素子25による被観察物15の撮像を行う一連の動作を複数回繰り返し行う方法と、ステージ22をX方向に一定速度で移動させながら、照明部21の点灯、及び撮像素子25による被観察物15の撮像を一定間隔で行う方法との、いずれかの方法を用いて良いものとする。なお、被観察物の観察時に解像度が設定される場合には、設定された解像度と、画像切出範囲60の副走査方向の幅に基づいてステージ22の移動量や移動速度が決定される。この手順2で取得された画像の基になる画像データは、PC27に出力される。
手順3:手順2で得られた複数の画像PIから被観察物15の全域の画像CIを生成する。
この手順3は、手順2で得られた複数の画像PIから画像切出範囲60となる領域を切り出す処理と、切り出された領域を時系列に並べて合成する処理とから構成される。
図6に示すように、例えば3つの画像PI1、PI2、PI3が取得された場合には、手順3が実行されることで、画像切出範囲60に該当する領域が画像PI1、PI2、PI3から切り出される。なお、図6においては、それぞれの画像から切り出された画像をPI1’、PI2’、PI3’で示している。この画像の切り出しの後、手順4が実行されることで、切り出された画像PI1’、PI2’、PI3’が時系列的に並べて合成する。これにより、被観察物15の全域の画像CIが生成される。被観察物15の全域の画像CIは、暗い背景に細胞が現れた画像となる。なお、生成された被観察物15の全域の画像CIの基になる画像データは、図示しないメモリに記録される。
なお、本実施形態の観察装置10が理想的な装置であれば、複数の画像から切り出される画像をそのまま時系列的に並べて合成すればよいが、実際には、観察装置10の各部の組付け精度や、被観察物15の観察時のステージ22の移動時にずれが生じ、画像切出範囲60に写り込む被観察物15の範囲が主走査方向や副走査方向にずれる場合もある。このような場合には、予め画像切出範囲60よりも大きく設定しておき、切り出した画像の合成時に位置調整を行えばよい。この場合、隣り合う画像同士が重畳されることになるが、この場合には、隣り合う画像の一方の画像に対して、重畳される範囲を切り取るなどの処理を行えばよい。
手順4:手順3により生成された画像をモニタ54に表示する。生成された画像CIは、暗い背景に被観察物15の全域が現れた画像となる。例えば被観察物15が無染色の細胞が培養された培養容器であれば、暗い背景に培養容器内の細胞が明るく現れる。したがって、ユーザは、被観察物15の全域を観察することができる。
なお、上記手順においては、被観察物15の観察までの手順を述べているが、実際には、被観察物15が無染色の細胞が培養された培養容器であれば、得られた画像から、細胞の位置や大きさを求める処理が実行される。このような場合には、上述した手順の後に、以下の手順が実行される。
手順5:手順3により生成された画像の解像度を調整する。被観察物15の観察時におけるステージ22の移動量によっては、生成される被観察物15の全域の画像CIは、実際の被観察物15の縦横比と異なる場合がある。このような場合には、画質調整部53は、被観察物15の像の縦横比が実際の被観察物15の縦横比となるように、被観察物15の全域の画像CIの解像度を調整する。なお、被観察物15の全域の画像CIにおける被観察物15の縦横比が実際の被観察物15の縦横比と一致する場合には、この手順6の処理を行う必要はない。以下、縦横比が調整された画像をCI’と称する。
手順6:手順5により解像度が調整された画像から、被観察物15における細胞の位置や大きさを求める。PC側コントローラ51は、被観察物15の全域の画像CI、或いは縦横比が調整された画像CI’を用いて、細胞の位置や大きさを算出する。なお、細胞の位置や大きさはステップ数等を用いることで算出される。さらに、PC側コントローラ51は、被観察物15の全域の画像CI、或いは縦横比が調整された画像CI’から細胞に該当する領域(画素)の輝度値を算出する。例えば、細胞の厚みによって散乱光の輝度値が変化することから、細胞に該当する領域の輝度値を算出することによって細胞の厚みを算出することが可能となる。これにより、被観察物15内の細胞の位置や大きさなどの情報を取得することが可能となる。なお、これら情報は、不図示のメモリに記録される。
本実施形態の観察装置は、被観察物15にて散乱される光を利用して、被観察物15の全域の画像を取得しているが、散乱光の光量が低い又は高い場合など、被観察物15にて散乱される光の強弱を調整する必要がある。このような場合には、例えば照明部21における光の強度(明部からの光の強度)を調整する、明部35の副走査方向の幅を調整する、或いは、明部35から出射される光の傾きを調整すればよい。なお、これら調整は、コントローラ26にて実行されればよい。
本実施形態では、照明部21として、バックライト付きの透過型液晶パネルを用いているが、これに限定する必要はなく、例えば面光源と、面光源の前面に設けられ、主走査方向に延びるスリットが設けられたスリット板とから構成してもよい。
本実施形態では、ステージ22を移動させているが、これに限定される必要はなく、例えば照明部21、結像光学系24及び撮像素子25を副走査方向に移動させることも可能である。
本実施形態では、照明部21、結像光学系24及び撮像素子25を1つ設けた場合について説明しているが、これら構成を複数設けることも可能である。
本実施形態では、観察装置10についての構成や被観察物全域の観察する手順について説明しているが、例えば細胞を培養し、培養している過程の細胞を観察する細胞培養観察装置に、本発明の観察装置を用いることも可能である。図7に示すように、細胞培養観察装置70は、インキュベータ部71、容器格納部72,73とから構成される。インキュベータ部71は、その内部が、一定の環境条件となるように保持される。このインキュベータ部71の内部に、本発明の観察装置10を構成する照明部21、ステージ22、移動機構23、結像光学系24及び撮像素子25が組み込まれる。また、インキュベータ部71の内部には、これら構成の他に、蓋保持部74及び容器搬送部75等が設けられる。なお、このような細胞培養観察装置70においては、容器格納部72から細胞が培養された培養容器80をインキュベータ部71の内部に搬入したり、観察後の培養容器80をインキュベータ部71の内部から容器格納部73に搬出することから、インキュベータ部71には、これら動作を可能とする搬入扉71aや搬出扉71bなどが設けられる。なお、蓋保持部74は、培養容器の蓋80aを吸引して培養容器80から取り外す、或いは観察後の培養容器80に蓋80aを取り付けるために設けられる。また、容器搬送部75は、インキュベータ部71の内部にある培養容器80をインキュベータ部71の各部に搬送するために設けられる。なお、図7においては、細胞観察培養装置71の各部を制御する制御部については、図の煩雑さを防止するために省略している。
さらに、このような細胞観察培養容器70においては、複数の培養容器80を識別できるように、それぞれの容器にバーコードなどの識別子が取り付けられている。このような培養容器80を用いる場合には、例えばインキュベータ部71の内部に培養容器80に貼付されたバーコードを読み取り可能なバーコードリーダー81を設けるようにしても良い。
10…観察装置、15…被観察物、21…照明部、24…結像光学系、25…撮像素子、26…コントローラ、27…コンピュータ(PC)、30…透過型液晶パネル、35…明部、36,37…暗部、52…画像生成部、53…画質調整部
Claims (9)
- 観察対象となる被観察物からの光を結像する結像光学系と、前記結像光学系により結像される像を撮像する撮像手段と、前記被観察物の主走査方向に延びる明部と前記主走査方向と直交する方向である副走査方向にて前記明部を挟み込む暗部とからなり、前記明部が前記結像光学系の光軸に対して前記副走査方向にずれて配置された照明手段と、から構成される画像取得部と、
前記画像取得部又は前記被観察物を前記副走査方向に移動させて、前記画像取得部及び前記被観察物の相対位置を変化させる移動機構と、
を備えたことを特徴とする観察装置。 - 請求項1に記載の観察装置において、
前記照明手段の前記明部は、前記結像光学系の光軸に対して、前記結像光学系の入射側の有効口径、前記結像光学系から前記被観察物までの距離及び前記照明手段から前記被観察物までの距離から求められる間隔を前記副走査方向にずらして配置されることを特徴とする観察装置。 - 請求項1又は2に記載の観察装置において、
前記照明手段における前記明部の幅を変更することで、前記被観察物に照射される光が前記被観察物を透過したときに散乱する光の強弱を調整する調整手段を、さらに備えていることを特徴とする観察装置。 - 請求項1又は2に記載の観察装置において、
前記明部からの光の強度を変更することで、前記被観察物に照射される光が前記被観察物を透過したときに散乱する光の強弱を調整する調整手段を、さらに備えていることを特徴とする観察装置。 - 請求項1又は2に記載の観察装置において、
前記明部から出射される光の角度を変更することで、前記被観察物に照射される光が前記被観察物を透過したときに散乱する光の強弱を調整する調整手段を、さらに備えていることを特徴とする観察装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の観察装置において、
前記撮像手段は、前記画像取得部及び前記被観察物の相対位置の変化に基づいて複数の画像を取得するとともに、
前記撮像手段により取得された複数の画像から、前記被観察物全域の画像を生成する画像生成手段を、さらに備えていることを特徴とする観察装置。 - 請求項6に記載の観察装置において、
前記撮像手段は、前記被観察物において散乱する光に基づく像と、前記照明手段における前記明部及び前記暗部に基づく像とが重畳された画像を取得し、
前記画像生成手段は、前記被観察物において散乱する光に基づく像が前記暗部に基づく像に重畳された範囲を前記複数の画像のそれぞれから切り出し、切り出された画像を合成することで、前記被観察物全域の画像を生成することを特徴とする観察装置。 - 請求項7に記載の観察装置において、
前記画像生成手段によって生成された被観察物全域の画像における画質を調整する画質調整手段を、さらに備えていることを特徴とする観察装置。 - 請求項8に記載の観察装置において、
前記画質調整手段により画質調整された前記被観察物全域の画像から、前記被観察物の位置又は大きさを示す情報を取得する情報取得手段をさらに備えていることを特徴とする観察装置。
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