JP2018040569A - 撮像配置決定方法、撮像方法、および撮像装置 - Google Patents

撮像配置決定方法、撮像方法、および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料収納部を複数の領域に分けて撮影する撮像装置において、各撮像位置における有効視野を広くとることと、複数の撮影画像間における色や明るさの差を抑制することと、を両立できる技術を提供する。
【解決手段】この撮像装置は、拡散板103を含む単一の照明光学系100を有する。まず、照明光学系100から試料収納部へ光を照射しつつ、撮像部13の有効視野領域を決定する。次に、試料収納部の側壁に沿って、有効視野領域が互いに重なるように、複数の第1撮像位置を配置する。その後、複数の第1撮像位置における有効視野領域以外の領域に、複数の第2撮像位置を配置する。その後、複数の撮像位置の各々において撮影を行い、合成画像を生成する。単一の照明光学系100を用いることで、複数の撮影画像間の色や明るさの差を抑制できる。また、拡散板103を用いることで、有効視野領域を拡大できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料容器に設けられた試料収納部を、複数の領域に分けて撮影するために、撮像部による複数の撮像位置を決定する撮像配置決定方法、当該撮像配置決定方法を用いた撮像方法、および撮像装置に関する。
従来、医療・創薬などの分野において、「ウェルプレート」,「マイクロプレート」などと呼ばれる試料容器で培養された細胞等を試料として観察することが行われている。そのような試料容器にはウェルと呼ばれるくぼみ状の複数の試料収納部が形成されており、一般に試料は液体状の培地とともにウェルに注入されている。近年、そのような試料をCCDカメラ等を搭載した撮像装置によって撮像し、撮像によって得られた画像データを用いて試料を観察することが行われている。例えば、がんの創薬研究において、培地としての液体(培養液)とともにウェルに注入されたがん細胞を撮像装置で撮像することによって、がん細胞の観察や分析がなされている。
このような撮像装置において、ウェルの上方からウェルに向けて照明光を出射させたときに、ウェル内の液体(培地としての液体)の表面に形成されるメニスカスによって照明光が屈折することによってウェルの周縁部で画像の明るさが不足することがある。そこで、特許文献1に開示された撮像装置では、撮像光学系を物体側ハイパーセントリックな特性を有する構成とすることによって、屈折により進行方向が光軸から離れる方向に曲げられた光を効率よく集光できるようにしている。
特開2015−118036号公報
この種の撮像装置では、1つのウェルを複数の領域に分けて撮像する。その際、撮像回数を減らして処理を高速化するために、各撮像位置における有効視野を広くとりたいという要求がある。そのためには、例えば、ウェルの周縁領域と中央領域とに、異なる照明光学系を切り替えて使用することが考えられる。例えば、ウェルの周縁領域を撮像するときには、テレセントリック照明光学系を使用し、ウェルの中央領域を撮像するときには、ハイパーセントリック照明光学系を使用することが考えられる。しかしながら、複数の照明光学系を用いると、複数の撮影画像間に色や明るさの差が生じやすい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、試料収納部を複数の領域に分けて撮影する撮像装置において、各撮像位置における有効視野を広くとることと、複数の撮影画像間における色や明るさの差を抑制することと、を両立できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、試料容器に設けられた試料収納部を、複数の領域に分けて撮影するために、撮像部による複数の撮像位置を決定する撮像配置決定方法であって、a)拡散板を含む単一の照明光学系から前記試料収納部へ光を照射しつつ、前記撮像部の有効視野領域を決定する工程と、b)前記試料収納部の側壁に沿って、前記有効視野領域が互いに重なるように、複数の第1撮像位置を配置する工程と、c)前記試料収納部内の任意の位置が少なくとも1つの撮像位置における前記撮像部の有効視野領域に含まれるように、前記工程b)で決定された複数の第1撮像位置における有効視野領域以外の領域に、複数の第2撮像位置を配置する工程と、を含む。
本願の第2発明は、第1発明の撮像配置決定方法であって、前記工程a)では、前記試料収納部の側壁に沿う周縁領域と、前記周縁領域の内側に位置する中央領域とで、前記撮像部の有効視野領域を個別に決定する。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の撮像配置決定方法であって、前記工程b)は、b1)前記試料収納部の前記側壁から前記第1撮像位置までの距離を決定する工程と、b2)前記側壁からの前記距離を保ちつつ、前記側壁に沿って、複数の前記第1撮像位置を配置する工程と、を含む。
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の撮像配置決定方法であって、前記照明光学系は、ハイパーセントリック照明光学系である。
本願の第5発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の撮像配置決定方法であって、前記照明光学系は、テレセントリック照明光学系である。
本願の第6発明は、第1発明から第5発明までのいずれか1発明の撮像配置決定方法であって、前記試料収納部は、円形の凹部であり、前記工程b)では、前記試料収納部の側壁に沿って、複数の第1撮像位置を円環状に配置する。
本願の第7発明は、第1発明から第6発明までのいずれか1発明の撮像配置決定方法であって、前記試料収納部内に液体が保持される。
本願の第8発明は、第1発明から第7発明までのいずれか1発明の撮像配置決定方法であって、前記試料容器は、複数の前記試料収納部を有するウェルプレートである。
本願の第9発明は、試料容器に設けられた試料収納部の画像を取得する撮像方法であって、A)請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法により、複数の撮像位置を決定する工程と、B)前記複数の撮像位置において、前記撮像部による撮影を行い、前記複数の撮像位置の各々における有効視野領域の画像を取得する工程と、C)前記工程B)において得られた複数の前記画像を組み合わせて、合成画像を生成する工程と、を有する。
本願の第10発明は、試料容器に設けられた試料収納部の画像を取得する撮像装置であって、前記試料容器を保持する容器保持部と、拡散板を含む単一の照明光学系から前記試料収納部へ光を照射する照明部と、前記照明部により照らされた前記試料収納部を撮影する撮像部と、前記照明部および前記撮像部を、前記試料容器に対して相対的に移動させる駆動機構と、前記照明部、前記撮像部、および前記駆動機構を動作制御する制御部と、を備え、前記制御部は、a)前記照明部から前記試料収納部へ光を照射しつつ、前記撮像部の有効視野領域を決定する工程と、b)前記試料収納部の側壁に沿って、前記有効視野領域が互いに重なるように、複数の第1撮像位置を配置する工程と、c)前記試料収納部内の任意の位置が少なくとも1つの撮像位置における前記撮像部の有効視野領域に含まれるように、前記工程b)で決定された複数の第1撮像位置における有効視野領域以外の領域に、複数の第2撮像位置を配置する工程と、d)前記工程b)および前記工程c)により決定された複数の撮像位置において、前記撮像部による撮影を行い、前記複数の撮像位置の各々における有効視野領域の画像を取得する工程と、e)前記工程d)において得られた複数の前記画像を組み合わせて、合成画像を生成する工程と、を実行する。
本願の第1発明〜第10発明によれば、単一の照明光学系を用いることで、複数の撮影画像間の色や明るさの差を抑制できる。また、拡散板を用いることで、有効視野領域を拡大できる。したがって、1つの試料収納部に対する撮影回数を減らすことができる。
特に、本願の第2発明によれば、周縁領域と中央領域とのそれぞれにおいて、有効視野領域を適切に決定することができる。
特に、本願の第4発明によれば、試料収納部の中央領域において明るい画像を得ることができ、かつ、拡散板を用いることで、試料収納部の周縁領域に対する照射光量も上げることができる。
特に、本願の第5発明によれば、試料収納部の周縁領域において明るい画像を得ることができ、かつ、拡散板を用いることで、試料収納部の中央領域に対する照射光量も上げることができる。
撮像装置の概略構成を示す図である。 照明光学系の光線図である。 照明光学系から出射される照明光を示す図である。 照明光学系を使用した撮像の様子を示す図である。 撮像配置の一例を示す図である。 撮像のための走査について説明するための図である。 撮像装置で撮像が行われる際の全体の処理の流れを示すフローチャートである。 撮像配置を決定する手順を示すフローチャートである。 有効視野領域の決定の仕方について説明するための図である。 ウェル周縁領域の撮像画像の例を示す図である。 ウェル周縁領域における有効視野領域の例を示す図である。 ウェル中央領域の撮影画像の例を示す図である。 ウェル中央領域における有効視野領域の例を示す図である。 培養条件の違いによる有効視野領域の違いについて説明するための図である。 ウェル周縁領域における複数の第1撮像位置のうちの基準位置の決定について説明するための図である。 ウェル周縁領域における複数の第1撮像位置のうちの基準位置の決定について説明するための図である。 基準位置とウェルのエッジ部との間の距離について説明するための図である。 基準位置に隣接する第1撮像位置の決定について説明するための図である。 ウェル周縁領域における複数の第1撮像位置の配置例を示す図である。 ウェル周縁領域における複数の第1撮像位置の配置例を示す図である。 ウェル中央領域における第2撮像位置の決定について説明するための図である。 ウェル中央領域における第2撮像位置の決定について説明するための図である。 テレセントリック照明光学系から出射される照明光を示す図である。 ウェル周縁領域での撮像位置の決定に関する変形例について説明するための図である。 ウェル周縁領域での撮像位置の決定に関する変形例について説明するための図である。 アライメント処理について説明するための図である。 アライメント処理について説明するための図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
<1.撮像装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置1の概略構成を示す図である。この撮像装置1は、ウェルプレートWPの上面に形成されたウェルWに注入された液体中で培養されている細胞、細胞コロニー、細菌等(以下、これらをまとめて「細胞等」という)の試料を撮影するための装置である。
ウェルプレートWPは、平板状の形状を有している。ウェルプレートWPには、上面側に開口を有し下面側に透明の底面を有する試料収納部としての複数個(例えば、6個、24個、96個、384個など)のウェルWが配列されている。なお、ここでは試料容器としてウェルプレートWPが用いられている例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、ディッシュと呼ばれる容器(試料収納部を1つだけ有する容器)を試料容器として用いることもできる。
ウェルWは、典型的には、断面が円形状であって、底面が平坦状の凹部である。但し、ウェルWの断面および底面の形状はこれには限定されない。ウェルWの直径および深さは、一般的には数mm〜数10mm程度である。各ウェルWには、細胞等に生育環境を提供する培地Mとしての液体(培養液)が所定量保持される。各ウェルWに保持される液体の量は、一般的には50〜200マイクロリットル程度である。本実施形態においては、その液体中で所定の培養条件で培養された細胞等が撮像対象物となる。
図1に示すように、この撮像装置1は、撮像用の光を出射する照明部10と、ウェルプレートWPを保持するホルダ12と、ウェルW内の試料(細胞等)の撮像を行う撮像部13と、照明部10および撮像部13の動作を制御する制御部14と、撮像の際に照明部10および撮像部13を移動させる駆動機構15とを備えている。照明部10は、この撮像装置1の上部に配置されている。ホルダ12は照明部10の下方に配置され、撮像部13はホルダ12の下方に配置されている。
なお、以下において、ウェルW内の領域のうち撮像視野に含まれたときにメニスカスの影響を受ける領域のことを「ウェル辺縁部」という。ところで、ウェル辺縁部の撮像が行われる際、撮像位置がウェルWのエッジ部(側壁)よりも外側に位置する場合がある。そこで、エッジ部よりも外側の領域およびエッジ部よりも内側の領域の双方を含むエッジ部近傍の領域のことを「ウェル周縁領域」という。ウェル辺縁部は、ウェル周縁領域のうちエッジ部よりも内側の領域のことである。また、ウェルW内の領域のうち撮像視野に含まれたときにメニスカスの影響を受けない領域(より厳密には、メニスカスの影響が十分に小さい領域)のことを「ウェル中央領域」という。
<1.1.照明部>
照明部10は、白色LED(Light Emitting Diode)などの光源101と、コレクタレンズ102と、拡散板103と、反射ミラー104と、コンデンサレンズ105とを備えている。光源101から出射される光は、コレクタレンズ102を介して拡散板103に入射する。拡散板103から出射される光線は、その進行方向が反射ミラー104によって(−Z)方向すなわち鉛直下向き方向に変えられる。そして、進行方向が鉛直下向き方向になった光線は、コンデンサレンズ105を介して、この照明部10から下向きに出射される。照明部10から出射された光は、ホルダ12に支持されたウェルプレートWPの上方から少なくとも1つのウェルWに入射し、ウェルW内の撮像対象物を照明する。
以上のように、本実施形態における照明部10は、光源101、コレクタレンズ102、拡散板103、反射ミラー104、およびコンデンサレンズ105を含む単一の照明光学系100を有する。光源101は、制御部14内の光源制御部146から与えられる制御信号に応じて点灯する。これにより、照明部10の単一の照明光学系100から、ウェルWに向けて、光(以下、「照明光」という)が出射される。
図2は、照明光学系100の光線図である。なお、図2では、説明の便宜上、実際には反射ミラー104で折り曲げられる光軸を直線で示している。このため、光軸を折り曲げる機能を有する反射ミラー104の図示が省略されている。
照明光学系100では、光源101から出射された光は、コレクタレンズ102によって集光される。その集光された光は、コンデンサレンズ105を介して、撮像対象物である細胞等が存在する試料面に向けて出射される。通常、試料面はウェルWの底面である。コレクタレンズ102には、光源101の共役点Cの位置がコンデンサレンズ105よりも後側かつ試料面よりも前側となるような屈折特性が与えられる。光源101の光出射面には、コレクタレンズ102に入射する光の角度範囲を規定するために、必要に応じて開口絞り106が設けられる。開口絞り106の開口径は、コンデンサレンズ105から出射される照明光のNA(開回数)が対物レンズ131のNA以上となるように設定される。これにより、撮像光学系が有する分解能が照明に起因して制約されることが防止される。また、コレクタレンズ102とコンデンサレンズ105との間には、必要に応じて視野絞り107が設けられる。これにより、撮像に必要な範囲のみを照明して、撮像光学系でのフレア発生を防止することができる。
また、図2に示すように、本実施形態では、照明光学系100の光路上に拡散板103が介挿される。このため、拡散板103よりも試料面側においては、拡散板103が無い場合よりも光が拡散する。拡散板103には、例えば、光透過性を有し、かつ、表面に微細な凹凸を有する板状の部材が用いられる。
<1.2.ホルダ>
撮像装置1による撮像が行われる際、試料および培地Mを保持する複数のウェルWからなるウェルプレートWPは、容器保持部であるホルダ12内に保持される。ホルダ12は、ウェルプレートWPの下面周縁部に当接してウェルプレートWPを略水平姿勢に保持する。
<1.3.撮像部>
撮像部13は、対物レンズ131、低倍率用アフォーカル系132、高倍率用アフォーカル系133、反射ミラー134、結像レンズ135、および撮像素子136を備えている。対物レンズ131は、ウェルプレートWPの直下位置に配置されている。対物レンズ131の光軸は、鉛直方向に向けられており、照明光学系100の光軸と同軸となっている。照明部10から出射されウェルWの上方から液体(培地M)に入射した光が撮像対象物を照明し、ウェルWの底面から下方へ透過した光が対物レンズ131に入射する。
対物レンズ131の下方には、低倍率用アフォーカル系132および高倍率用アフォーカル系133が切り替え可能に設けられている。ここで、低倍率用アフォーカル系132と高倍率用アフォーカル系133との切り替えについて説明する。低倍率用アフォーカル系132および高倍率用アフォーカル系133は図示しない駆動機構により水平方向に一体的に移動可能となっており、撮像の際には両者の一方が対物レンズ131の直下位置に選択的に配置される。図1において実線で示すように高倍率用アフォーカル系133が対物レンズ131の直下位置に配置された状態では、対物レンズ131および高倍率用アフォーカル系133を含む高倍率の撮像光学系が構成される。このとき、撮像対象物の比較的狭い範囲が高倍率で撮像される。一方、図1において破線で示すように低倍率用アフォーカル系132が対物レンズ131の直下位置に配置された状態では、対物レンズ131および低倍率用アフォーカル系132を含む低倍率の撮像光学系が構成される。このとき、撮像対象物の比較的広い範囲が低倍率で撮像される。
アフォーカル系(低倍率用アフォーカル系132または高倍率用アフォーカル系133)から出射される光は、反射ミラー134によって折り返された後、結像レンズ135を介して撮像素子136に入射する。後述するように、対物レンズ131、低倍率用アフォーカル系132、および結像レンズ135等からなる撮像光学系は、物体側ハイパーセントリックな光学特性を有している。一方、対物レンズ131、高倍率用アフォーカル系133、および結像レンズ135等からなる撮像光学系は、物体側テレセントリックな光学特性を有している。
撮像素子136は、二次元の受光面を有するエリアイメージセンサである。撮像素子136としては、CCDセンサやCMOSセンサなどを用いることができる。結像レンズ135により撮像素子136の受光面に結像する撮像対象物の像が、撮像素子136によって撮像される。撮像素子136は、受光した光学像を電気信号に変換し、それを画像信号として出力する。このような撮像方法によれば、撮像対象物である細胞等に対して非接触、非破壊かつ非侵襲で撮像を行うことができ、撮像による細胞等へのダメージを抑えることができる。なお、撮像部13の各部の動作は、制御部14に設けられた撮像制御部143により制御される。
<1.4.制御部>
制御部14は、CPU141、インターフェース(IF)部142、撮像制御部143、ADコンバータ(A/D)144、メカ制御部145、光源制御部146、画像メモリ147、およびメモリ148を備えている。CPU141は、制御部14内の各構成要素の動作の制御や各種演算処理を行う。インターフェース部142は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能、ユーザヘの処理結果等の情報表示を行う機能、通信回線を介して他の装置との間でのデータ通信を行う機能などを有している。なお、インターフェース部142には、操作入力を受け付ける入力受付部(キーボードやマウスなど)、情報表示を行う表示部、通信回線などが接続されている。
撮像制御部143は、後述する走査移動レシピに従って撮像対象物の撮像が行われるよう、撮像部13の動作を制御する。ADコンバータ(A/D)144は、撮像素子136から出力された画像信号(アナログデータ)を受け取り、それをデジタル画像データに変換する。そのデジタル画像データに基づき、CPU141は適宜の画像処理を実行する。
メカ制御部145は、駆動機構15を作動させることにより、撮像部13を水平方向あるいは鉛直方向に移動させる。撮像部13を水平方向に移動させることにより、撮像部13がウェルWに対し水平方向に移動する。また、撮像部13を鉛直方向に移動させることにより、フォーカス調整が行われる。メカ制御部145は、また、駆動機構15を作動させることにより、照明部10を水平方向に移動させる。光源制御部146は、撮像位置に応じて、光源101を点灯させる。
画像メモリ147は、デジタル画像データを保持する。メモリ148は、CPU141が実行すべきプログラムやCPU141により生成されるデータを保持する。なお、画像メモリ147とメモリ148とは一体化したものであっても良い。また、大容量ストレージと半導体メモリとの適宜の組み合わせにより、画像メモリ147およびメモリ148が実現されていても良い。
<1.5.駆動機構>
駆動機構15は、照明部10を水平方向に移動させる。また、駆動機構15は、撮像部13を水平方向あるいは鉛直方向に移動させる。この撮像装置1では、照明部10からの出射光の中心が対物レンズ131の光軸と略一致するように照明部10と撮像部13との位置関係が定められている。従って、駆動機構15は、撮像部13を水平方向に移動させる際、照明部10を撮像部13と一体的に移動させる。これにより、いずれのウェルWのいずれの位置で撮像が行われる場合でも良好な照明状態を維持することができる。なお、図1において、Z方向は鉛直方向を表し、Y方向は主走査方向を表し、X方向は副走査方向を表している。
なお、本実施形態では、静止したウェルプレートWPに対して照明部10および撮像部13を移動させている。しかしながら、照明部10および撮像部13を静止させ、それに対して、ウェルプレートWPを移動させてもよい。駆動機構15は、照明部10および撮像部13を、ウェルプレートWPに対して相対的に移動させるものであればよい。ただし、ウェルW内での細胞の位置や、培地Mの表面形状が、撮影中に変化しないようにするためには、ウェルプレートWPを静止させておく方が好ましい。
<2.照明光学系>
図3は、照明光学系100から出射される照明光L1を示す図である。照明光学系100においてコンデンサレンズ105から出射される照明光L1は、図3に示すように、照明光学系100の光軸に近づくように進行し、ウェル底面Wbよりも上方の位置(照明光学系から見てウェル底面Wbよりも手前側の位置)で光軸と交差する。すなわち、照明光L1の光路において光源101の像(より厳密には開口絞り106の像)が結像する射出瞳位置Ppは、照明光学系100から見て、撮像対象物が分布する試料面であるウェル底面Wbよりも近い位置にある。より詳しくは、照明光学系100による照明下では、照明光L1を出射するコンデンサレンズ105の出力端と撮像光学系の対物レンズ131との間の位置で光源101の像が結像する。つまり、この位置に光源101に対する共役点がある。そして、この共役点と対物レンズ131との間にウェル底面Wbが位置するように、ホルダ12はウェルプレートWPを保持する。このため、ウェル底面Wbに入射する照明光L1の主光線は、照明光学系100および対物レンズ131の光軸から遠ざかる方向の方向成分を有している。
なお、撮像の際にはストロボ照明が用いられる。つまり、照明光L1は撮像部13による撮像が行われる時に短時間のみ出射される。
ところで、上述したように、各ウェルWには培地Mとしての液体が注入されている。従って、ウェルWの上方から入射する照明光L1は培地Mの液面を介してウェル底面Wb(試料面)に入射する。ここで、ウェルW内の液面は凹型のメニスカスを形成している。このため、照明光L1の進路は屈折によってウェルWの中心から外向きに曲げられる。屈折は、ウェルWの中心付近では小さく、ウェルWのエッジ部(側壁)に近づくほど大きくなる。本実施形態においては、このように外向きに曲げられた光が効率よく集光されて撮像素子136に導かれるよう、対物レンズ131を含む撮像光学系は物体側ハイパーセントリック光学系をなしている。すなわち、レンズの光軸から離れた位置において、斜め外向きに入射する光を撮像素子136に結像させることができる。
図4は、照明光学系100を使用した撮像の様子を示す図である。上述したように、照明光学系100においてコンデンサレンズ105から出射される照明光L1は、光軸に近づくように進行する。このため、メニスカスの影響がないとき、ウェル底面Wbに入射する照明光L1の主光線は互いに平行なものとはならない。本実施形態では照明光学系100の射出瞳位置Ppが(照明光学系から見て)ウェル底面Wbよりも手前側にあるため、ウェル底面Wbに入射する照明光L1については、主光線は対物レンズ131の光軸から外へ向かって広がるものとなる。ここで、対物レンズ131への入射光の主光線の傾きと対物レンズ131側の主光線の傾きとが一致するように撮像光学系が構成されていれば、図4に示すように、ウェル底面Wbを透過した光は対物レンズ131により集光されて、最終的に撮像素子136に導かれる。
このように、本実施形態の照明光学系100は、撮像対象物が分布する試料面であるウェル底面Wbに対して、照明光L1が拡がりながら照射される、いわゆるハイパーセントリック照明光学系となっている。ハイパーセントリック照明光学系を用いれば、撮像素子136において、ウェル底面Wbの中央領域の像を、比較的明るい像として得ることができる。ただし、本実施形態では、照明光学系100の光路上に拡散板103が介挿されている。これにより、拡散板103を通過した照明光L1を、拡散させることができる。したがって、ウェル辺縁部に対する照射光量も上げることができる。
<3.全体の処理の流れ>
次に、撮像装置1で撮像が行われる際の全体の概略的な処理の流れを説明する。
この撮像装置1は、ウェルプレートに設けられた各ウェルWを、複数の領域に分けて撮影する。撮像装置1は、複数の撮像位置およびそれらの撮像順序を示す走査移動レシピに従って当該複数の撮像位置での撮像を行うように構成されている。なお、本明細書における「撮像位置」は、撮像が行われる際の撮像視野の中心に相当する位置(この位置は、対物レンズ131の光軸の位置と一致する。)を意味する。例えば、撮像配置(複数の撮像位置の配置)が図5に示すようなものであるときに(符号P1〜P23で示す位置が撮像位置を表している)、走査移動レシピに従って、例えば図6で符号53で示す矢印のように撮像のための走査が行われる。なお、ウェルプレートWPには複数のウェルWが含まれているが、図5および図6では、便宜上、1つのウェルWに着目している。
図7は、撮像装置1で撮像が行われる際の全体の処理の流れを示すフローチャートである。まず、撮像対象の試料容器の種類(例えば、メーカー名と型番など)の情報および培地Mとして用いる液体の量などの撮像条件に関する情報が入手される(ステップS10)。次に、試料容器の種類および撮像条件を考慮して、図5に示したような撮像配置の決定が行われる(ステップS20)。なお、撮像配置を決定する方法についての詳しい説明は後述する。撮像配置の決定後、撮像配置に基づいて走査移動レシピが作成される(ステップS30)。その後、走査移動レシピが撮像装置1に与えられるとともに、撮像装置1において撮像対象の試料容器の種類の指定(選択)がオペレータによって行われる(ステップS40)。これにより、撮像装置1は、走査移動レシピに基づいて撮像を行う(ステップS50)。すなわち、撮像装置1は、ステップS20において決定された複数の撮像位置において、撮像部13による撮影を行う。これにより、複数の撮像位置の各々における有効視野領域の画像を取得する。その後、撮像装置1は、ステップS50において得られた複数の画像を組み合わせて、合成画像を生成する(ステップS60)。その結果、ウェルWの画像が得られる。
<4.撮像配置の決定方法>
次に、上述したステップS20の撮像配置の決定方法について詳しく説明する。図8は、撮像配置を決定する手順を示すフローチャートである。
<4.1.有効視野領域の決定>
まず、撮像が行われた際に充分な量の光が照射されて充分な画質の画像が得られると認めることのできる領域である有効視野領域が決定される(ステップS210)。ステップS210では、照明光学系100からウェルWへ光を照射しつつ、撮像部13において得られる画像を解析することによって、有効視野領域が決定される。
撮像画像のうちステップS210で決定された有効視野領域内の画像のみが、最終的にユーザに提示される結果画像を構成することになる。すなわち、1つのウェルWに対して複数の撮像位置で撮像が行われた場合、複数の撮像画像のそれぞれの有効視野領域内の画像のみを合成することによって、当該1つのウェルWの全体を表す画像が作成される。本実施形態に係る撮像装置1では、ウェル周縁領域で撮像が行われる際にも、ウェル中央領域で撮像が行われる際にも、同じ照明光学系100が使用される。したがって、ステップS210では、ウェル周縁領域とウェル中央領域との各々について、照明光学系100の有効視野領域が決定される。
図9〜図13を参照しつつ、有効視野領域の具体例を説明する。図9で符号54で示すようにウェル周縁領域が撮像視野に含まれる場合、例えば図10に示すような撮像画像が得られる。図10より、撮像視野内に輝度が不充分な領域が存在することが把握される。そこで、例えば、“最小輝度を0%、最大輝度を100%としたときに輝度が50%以上となっている領域”が、有効視野領域として定められる。この例では、有効視野領域は、図11で符号57の太線で囲まれた領域となる。
一方、図9で符号55で示すようにウェル周縁領域が撮像視野に含まれない場合には、例えば図12に示すような撮像画像が得られる。図12より、撮像視野の周縁部では輝度が不充分であることが把握される。そこで、例えば、撮像視野全体の70%の矩形領域(当該矩形領域の中心を撮像視野の中心と一致させる)が、有効視野領域として定められる。この例では、有効視野領域は、図13で符号58の太線で囲まれた領域となる。
このように、ウェルWの側壁に沿うウェル周縁領域と、ウェル周縁領域の内側に位置するウェル中央領域とでは、輝度分布の傾向に差がある。しかしながら、本実施形態の撮像装置1は、ウェルWのウェル周縁領域とウェル中央領域とで、有効視野領域を、異なる手法で個別に決定する。このため、ウェル周縁領域とウェル中央領域とにおいて、それぞれ有効視野領域を適切に決定できる。
ところで、特にウェル周縁領域での撮像に関しては、充分な画質が得られる領域が培養条件によって変化する。例えば、充分な画質が得られる領域は、培地Mとして用いられる液体の量によって変化する。例えば、或る量の液体が培地Mとして用いられた場合に図14で符号61で示す領域で充分な画質が得られても、別の量の同じ液体が培地Mとして用いられた場合に図14で符号62で示す領域でしか充分な画質が得られないことがある。このように充分な画質が得られる領域が培養条件によって変化するので、有効視野領域の決定(ステップS210)は、培養条件を考慮して行われることが好ましい。
<4.2.ウェル周縁領域での第1撮像位置の決定>
上述のようにして有効視野領域が決定された後、ウェル周縁領域での複数の第1撮像位置のうちの1つが決定される(ステップS220)。以下、このステップS220で決定される第1撮像位置のことを「基準位置」という。ここでは、ウェルWを或る向きで平面視したときに図15に示すようにウェルWの上方に基準位置BPを配置する例を挙げて説明する。なお、図15で符号63の網掛けで示す領域は、基準位置BPにおける有効視野領域(基準位置BPが撮像視野の中心となるように撮像が行われたときの有効視野領域)を表している。
基準位置BPを決定する際には、ウェルWのエッジ部(側壁)WEでの明るさを観測しつつ、図16に示すように撮像視野Vを少しずつ動かす。より詳しくは、ウェルWの中心WCとウェルWの或るエッジ部WEとを通る直線65上に撮像視野Vの中心が位置するようにして、撮像視野Vに含まれるウェルW内の領域が徐々に大きくなるように、エッジ部WEでの明るさを観測しつつ撮像視野Vを少しずつ動かす。そして、ウェルWの中心WCを撮像したときに得られる明るさ(ウェルWの中心WCの明るさ)と、ウェル周縁領域を撮像したときに得られるエッジ部WEの明るさとがほぼ一致する位置が、基準位置BPに定められる。但し、撮像視野Vをごく少し動かしただけで、充分な明るさが得られる範囲(面積)が大きく変わることもある。従って、エッジ部WEの明るさがウェルWの中心WCの明るさとほぼ同程度になるのであれば、充分な明るさが得られる範囲(面積)ができるだけ大きくなるように基準位置BPを定めることが好ましい。
基準位置BPが定まることにより、図17から把握されるように、ウェルWのエッジ部WEから基準位置BPまでの距離LEが定まる。すなわち、上述したステップS50の撮像が行われる際の第1撮像位置とウェルWのエッジ部WEとの間の距離が定まる。
基準位置BPの決定後、ウェル周縁領域での残りの第1撮像位置(基準位置BP以外の第1撮像位置)が決定される(ステップS230)。ステップS230では、まず、図18に示すように、ウェルWの中心WCと基準位置BPとを結ぶ直線70をウェルWの中心WCを回転中心として回転させ、基準位置BPに隣接する第1撮像位置73における有効視野領域72と基準位置BPにおける有効視野領域71とが部分的に重なり合うように、基準位置BPに隣接する第1撮像位置73が決定される。その際、ウェルWのエッジ部WEから第1撮像位置73までの距離は、ウェルWのエッジ部WEから基準位置BPまでの距離LE(図17参照)と等しくされる。換言すれば、ウェルWの中心WCと基準位置BPとを結ぶ線分をウェルWの中心WCを回転中心として回転させ、回転後の線分の2つの端点のうちウェルWの中心WCの位置にある端点とは異なる方の端点の位置が基準位置BPに隣接する第1撮像位置73に定められる。このようにして基準位置BPに隣接する第1撮像位置73が決定された後、同様にして、当該第1撮像位置73に隣接する(基準位置BPとは反対側に隣接する)第1撮像位置が決定される。以上のような処理が繰り返される。その際、互いに隣接する2つの第1撮像位置における有効視野領域の重なり部分の大きさは一定(ウェルWの中心WCと互いに隣接する2つの撮像位置とをそれぞれ結ぶ2つの線分のなす角度は一定)にされる。このようにして、図19に示すように、ウェル周縁領域に円環状に配置されるべき全ての第1撮像位置が決定される。なお、図20に示すようにウェルWのエッジ部WEよりも外側に第1撮像位置が配置される場合もある。
以上のように、本実施形態においては、まず、試料収納部としてのウェルWの側壁に沿って複数の第1撮像位置が配置されるよう、ウェル周縁領域における複数の第1撮像位置の配置が決定される。
<4.3.ウェル中央領域での第2撮像位置の決定>
その後、ウェル中央領域(ウェル周縁領域以外の領域)での第2撮像位置(通常、複数の撮像位置)が決定される(ステップS240)。このステップS240では、ウェル周縁領域での第1撮像位置に基づく有効視野領域以外の領域がウェル中央領域での第2撮像位置に基づく有効視野領域として効率的に埋められるよう、第2撮像位置が決定される。すなわち、ウェルW内の任意の位置が少なくとも1つの撮像位置に基づく有効視野領域に含まれるように、第2撮像位置が決定される。本実施形態においては、具体的には、撮像装置1による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように撮像位置が決定される。これについて、図21および図22を参照しつつ説明する。
図21および図22には、一部の領域における撮像配置の例を示している。図21では、ウェル周辺領域の第1撮像位置を符号P31,P32で示し、ウェル中央領域の第2撮像位置を符号P41〜P44で示している。図22では、ウェル周辺領域の第1撮像位置を符号P51,P52で示し、ウェル中央領域の第2撮像位置を符号P61〜P64で示している。なお、図21および図22では、それぞれの撮像位置における有効視野領域の外縁を太線で表している。仮に一部の領域における撮像配置が図21に示すようなものであれば、当該領域の撮像画像を得るために、主走査方向に撮像部13を1往復させる必要がある。すなわち、ウェル周辺領域の撮像位置の走査とウェル中央領域の撮像位置の走査とが別の走査となる。これに対して、一部の領域における撮像配置が図22に示すようなものであれば、主走査方向に撮像部13を片道分だけ移動させれば(すなわち1回の走査で)当該領域の撮像画像を得ることができる。このように、複数の撮像位置の配置のしかたが撮像の効率性に影響を及ぼすことが把握される。そこで、上述したように、本実施形態においては、撮像装置1による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように、ウェル中央領域での撮像位置が決定される。
以上のようにして、ウェル周縁領域における複数の第1撮像位置と、ウェル中央領域における複数の第2撮像位置とが決定される。これにより、例えば図5に示したように、撮像配置が決定される。
<5.効果>
上述の通り、本実施形態の撮像装置1は、照明光学系100からウェルWへ光を照射しつつ、撮像部13の有効視野領域を決定する。そして、ウェルW内の全体が有効視野領域に含まれるように、複数の撮像位置を決定して、撮像を行う。これにより、有効視野領域の画像のみで構成される高画質の合成画像を得ることができる。特に、本実施形態では、単一の照明光学系100を用いている。このため、例えば、ウェル周縁部を撮影する場合とウェル中央部を撮影する場合とで異なる照明光学系に切り替える場合と比べて、複数の撮影画像間の色や明るさの差を抑制できる。したがって、色ムラの少ない合成画像を得ることができる。
また、本実施形態の照明光学系100には、拡散板103が組み込まれている。これにより、有効視野領域を拡大できる。したがって、1つのウェルWに対する撮影回数を減らして、撮像にかかる時間を低減できる。本実施形態のように、ハイパーセントリック照明光学系を用いる場合には、もし拡散板103が無ければ、ウェル中央領域においては明るい画像を得やすいものの、ウェル周縁領域においては、画像が暗くなりやすい。しかしながら、上述のように、照明光学系100の光路上に拡散板103を組み込めば、光の拡散によって、ウェル周縁領域においても明るい画像を得ることができる。したがって、ウェル中央領域とウェル周縁領域との双方において、有効視野領域を広くとることができる。
また、上述の通り、本実施形態では、ウェル周縁領域と、ウェル中央領域とで、撮像部13の有効視野領域を、個別に決定する。このため、ウェル周縁領域とウェル中央領域とにおいて、それぞれ有効視野領域を適切に決定できる。特に、培地Mの表面の周縁部に生じるメニスカスの影響を考慮して、ウェル周縁部における有効視野領域を決定できる。これにより、メニスカスの状態に応じて、ウェル周縁部の複数の第1撮像位置を、適切に配置できる。
<6.変形例>
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
<6.1.照明光学系に関する変形例>
上記実施形態においては、照明光学系100にハイパーセントリック照明光学系を用いていた。しかしながら、本発明の照明光学系は、テレセントリック照明光学系であってもよい。図23は、照明光学系100として、テレセントリック照明光学系を用いた場合の照明光L1を示す図である。この場合、コンデンサレンズ105から出射される照明光L1は、撮像対象物が分布するウェル底面Wbに対して主光線が平行な状態で入射する。この場合、もし拡散板103が無ければ、ウェル周縁領域においては明るい画像を得やすいものの、ウェル中央領域においては、画像が暗くなりやすい。しかしながら、上記実施形態と同様に、照明光学系100の光路上に拡散板103を組み込めば、光の拡散によって、ウェル中央領域においても明るい画像を得ることができる。したがって、ウェル周縁領域とウェル中央領域との双方において、有効視野領域を広くとることができる。
<6.2.ウェル中央領域での撮像位置の決定に関する変形例>
上記実施形態においては、撮像装置1による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように、ウェル中央領域での撮像位置が決定されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、撮像枚数が最小となるように(すなわち、撮像位置の数が最小となるように)ウェル中央領域での撮像位置が決定されても良い。これにより、資源が有効に活用される。
<6.3.ウェル周縁領域での撮像位置の決定に関する変形例>
上記実施形態においては、ウェル周縁領域での撮像位置に着目すると、互いに隣接する2つの撮像位置における有効視野領域の重なり部分の大きさは一定(ウェルWの中心WCと互いに隣接する2つの撮像位置とをそれぞれ結ぶ2つの線分のなす角度は一定)となっていた。この場合、撮像のための走査回数を少なくするためにウェル中央領域での撮像位置のX座標をウェル周辺領域での撮像位置のX座標に合わせると、図24に示すように、主走査方向に対して垂直な方向(副走査方向)について、ウェルWの中心WCからエッジ部WEに近づくにつれて撮像位置の間隔が狭くなる。このように撮像位置の間隔が密になる領域が生じると、かえって撮像配置が非効率となることもある。
そこで、仮にウェルWの中心WCのX座標を0としたとき、図25に示すように、撮像位置のX座標の絶対値が大きくなるほどウェルWの中心WCと互いに隣接する2つの撮像位置とをそれぞれ結ぶ2つの線分のなす角度を大きくするようにしても良い。図25において、K1〜K3は角度を表しており、「K1>K2>K3」が成立している。このように、撮像装置1による撮像が行われる際の主走査方向に対して垂直な方向についての撮像間隔が等間隔に近づくように照明光学系100を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の微調整を行うことにより、ウェル中央領域において効率的に複数の撮像位置が配置される。
<6.4.有効視野領域の決定に関する変形例>
上記実施形態においては、有効視野領域を決定する際、試料容器の種類および培地Mとしての液体の量が考慮されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。有効視野領域を決定する際、例えば、試料容器の表面加工の状態、試料容器の材質(材質によって反射率が異なる)、培養液(培地)の物性(例えば、粘度、透過率)などを考慮するようにしても良い。
<6.5.撮像装置の構成に関する変形例>
撮像装置1による撮像が行われる際には、オペレータによってホルダ12上の所定の位置に試料容器(上記実施形態ではウェルプレートWP)がセットされる。ところが、試料容器の設計誤差や試料容器をセットする際の位置ずれなどに起因して、所望の撮像画像が得られないことがある。従って、そのような設計誤差や位置ずれがあっても所望の撮像画像が得られるよう、撮像に際してアライメント処理が行われるようにしても良い。そこで、本変形例では、撮像装置1の制御部14内にアライメント処理部(撮像位置調整部)が設けられる。
例えば、本来的には図26に示すようにウェルプレートWPがホルダ12にセットされるべきであるにも関わらず、図27に示すようにウェルプレートWPが平面視で傾いた状態でホルダ12にセットされたと仮定する。このような場合、ウェルプレートWP内のいくつかのウェルWの中心位置に基づいて、各ウェルWについて現在の位置と本来的な位置とのズレを求めることができる。このようにして求められたズレに基づいて、アライメント処理部は、走査移動レシピに基づく撮像位置を補正し、実際に撮像が行われる際の撮像位置を求める。このような処理が行われることにより、試料容器の設計誤差や試料容器をセットする際の位置ずれに関わらず所望の撮像画像が得られる。また、位置ずれがあったときにウェルプレートWPのセットのやり直しが行われると、細胞等にダメージを及ぼすおそれがある。この点、上述のようなアライメント処理が行われる構成が採用されると、ウェルプレートWPのセットのやり直しが不要となるので、細胞等にダメージを及ぼすことなく所望の撮像画像を得ることが可能となる。
<6.6.その他>
上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 撮像装置
10 照明部
12 ホルダ
13 撮像部
14 制御部
15 駆動機構
71,72 有効視野領域
100 照明光学系
101 光源
102 コレクタレンズ
103 拡散板
104 反射ミラー
105 コンデンサレンズ
106 開口絞り
107 視野絞り
131 対物レンズ
132 低倍率用アフォーカル系
133 高倍率用アフォーカル系
134 反射ミラー
135 結像レンズ
136 撮像素子
141 CPU
142 インターフェース部
143 撮像制御部
145 メカ制御部
146 光源制御部
W ウェル
WP ウェルプレート

Claims (10)

  1. 試料容器に設けられた試料収納部を、複数の領域に分けて撮影するために、撮像部による複数の撮像位置を決定する撮像配置決定方法であって、
    a)拡散板を含む単一の照明光学系から前記試料収納部へ光を照射しつつ、前記撮像部の有効視野領域を決定する工程と、
    b)前記試料収納部の側壁に沿って、前記有効視野領域が互いに重なるように、複数の第1撮像位置を配置する工程と、
    c)前記試料収納部内の任意の位置が少なくとも1つの撮像位置における前記撮像部の有効視野領域に含まれるように、前記工程b)で決定された複数の第1撮像位置における有効視野領域以外の領域に、複数の第2撮像位置を配置する工程と、
    を含む撮像配置決定方法。
  2. 請求項1に記載の撮像配置決定方法であって、
    前記工程a)では、前記試料収納部の側壁に沿う周縁領域と、前記周縁領域の内側に位置する中央領域とで、前記撮像部の有効視野領域を個別に決定する撮像配置決定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の撮像配置決定方法であって、
    前記工程b)は、
    b1)前記試料収納部の前記側壁から前記第1撮像位置までの距離を決定する工程と、
    b2)前記側壁からの前記距離を保ちつつ、前記側壁に沿って、複数の前記第1撮像位置を配置する工程と、
    を含む撮像配置決定方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法であって、
    前記照明光学系は、ハイパーセントリック照明光学系である撮像配置決定方法。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法であって、
    前記照明光学系は、テレセントリック照明光学系である撮像配置決定方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法であって、
    前記試料収納部は、円形の凹部であり、
    前記工程b)では、前記試料収納部の側壁に沿って、複数の第1撮像位置を円環状に配置する撮像配置決定方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法であって、
    前記試料収納部内に液体が保持される撮像配置決定方法。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法であって、
    前記試料容器は、複数の前記試料収納部を有するウェルプレートである撮像配置決定方法。
  9. 試料容器に設けられた試料収納部の画像を取得する撮像方法であって、
    A)請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法により、複数の撮像位置を決定する工程と、
    B)前記複数の撮像位置において、前記撮像部による撮影を行い、前記複数の撮像位置の各々における有効視野領域の画像を取得する工程と、
    C)前記工程B)において得られた複数の前記画像を組み合わせて、合成画像を生成する工程と、
    を有する撮像方法。
  10. 試料容器に設けられた試料収納部の画像を取得する撮像装置であって、
    前記試料容器を保持する容器保持部と、
    拡散板を含む単一の照明光学系から前記試料収納部へ光を照射する照明部と、
    前記照明部により照らされた前記試料収納部を撮影する撮像部と、
    前記照明部および前記撮像部を、前記試料容器に対して相対的に移動させる駆動機構と、
    前記照明部、前記撮像部、および前記駆動機構を動作制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    a)前記照明部から前記試料収納部へ光を照射しつつ、前記撮像部の有効視野領域を決定する工程と、
    b)前記試料収納部の側壁に沿って、前記有効視野領域が互いに重なるように、複数の第1撮像位置を配置する工程と、
    c)前記試料収納部内の任意の位置が少なくとも1つの撮像位置における前記撮像部の有効視野領域に含まれるように、前記工程b)で決定された複数の第1撮像位置における有効視野領域以外の領域に、複数の第2撮像位置を配置する工程と、
    d)前記工程b)および前記工程c)により決定された複数の撮像位置において、前記撮像部による撮影を行い、前記複数の撮像位置の各々における有効視野領域の画像を取得する工程と、
    e)前記工程d)において得られた複数の前記画像を組み合わせて、合成画像を生成する工程と、
    を実行する撮像装置。
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