JP6293186B2 - 撮像装置における撮像配置決定方法および撮像装置 - Google Patents
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Description
本発明は、複数の撮像位置からの撮像によって得られた複数の撮像画像を合成することによって全体画像を生成する撮像装置で撮像が行われる際の撮像配置(複数の撮像位置の配置)を決定する方法に関する。
従来より、医療・創薬などの分野において、「ウェルプレート」,「マイクロプレート」などと呼ばれる試料容器で培養された細胞等を試料として観察することが行われている。そのような試料容器にはウェルと呼ばれるくぼみ状の複数の試料収納部が形成されており、一般に試料は液体状の培地とともにウェルに注入されている。近年、そのような試料をCCDカメラ等を搭載した撮像装置によって撮像し、撮像によって得られた画像データを用いて試料を観察することが行われている。例えば、がんの創薬研究において、培地としての液体(培養液)とともにウェルに注入されたがん細胞を撮像装置で撮像することによって、がん細胞の観察や分析がなされている。
このような撮像装置において、ウェルの上方からウェルに向けて照明光を出射させたときに、ウェル内の液体(培地としての液体)の表面に形成されるメニスカスによって照明光が屈折することによってウェルの周縁部で画像の明るさが不足することがある。そこで、特開2015−118036号公報に開示された撮像装置では、撮像光学系を物体側ハイパーセントリックな特性を有する構成とすることによって、屈折により進行方向が光軸から離れる方向に曲げられた光を効率よく集光できるようにしている。
ところで、試料を高倍率で観察したい場合、1つのウェルを複数の撮像位置から撮像することになる。この場合、複数の撮像位置からの撮像によって得られた複数の撮像画像を合成することによって、ウェル全体の画像が生成される。また、この場合、撮像視野(1つの撮像位置から撮像が行われた際の撮像範囲)はウェルの面積よりも小さくなる。このように撮像視野がウェルの面積よりも小さくなると、撮像視野内にメニスカスの影響を受ける領域が含まれる場合と撮像視野内にメニスカスの影響を受ける領域が含まれない場合とが生じることになる。特開2015−118036号公報に開示された撮像装置によれば、メニスカスの影響を受ける領域では、上述したように光が効率的に集光されるので、撮像によって得られる画像は充分な明るさを有する。しかしながら、撮像視野内にメニスカスの影響を受ける領域が含まれていない場合、当該撮像視野の周縁部で明るさが不足する。
そこで、2つの照明光学系を用意して撮像位置に応じて当該2つの照明光学系を切り替えながら撮像を行うことが考えられる。この場合、撮像装置による撮像に先立って、一方の照明光学系を使用した撮像を行う位置(複数の撮像位置)と他方の照明光学系を使用した撮像を行う位置(複数の撮像位置)とを決める必要がある。すなわち、撮像配置(複数の撮像位置の配置)を決める必要がある。ところが、多数の位置が撮像位置に設定されると、撮像が非効率なものとなり無駄が生じる。逆に、撮像位置に設定される位置が少ない場合には、複数の撮像画像の合成によって得られる全体画像中に明るさが不充分な領域が生じ得る。このように、好適な撮像配置は容易には得られない。
そこで本発明は、2つの照明光学系を有する撮像装置での撮像に関し、好品質の画像を効率的に得ることのできる撮像配置を容易に決定する方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、第1の照明光学系および第2の照明光学系を有し、1以上の試料収納部を有する試料容器の種類と撮像位置とに応じて前記第1の照明光学系と前記第2の照明光学系との間で使用する照明光学系を切り替えつつ撮像を行う撮像装置における複数の撮像位置の配置を決定する撮像配置決定方法であって、
前記撮像装置による撮像が行われる際の有効視野領域を決定する有効視野領域決定ステップと、
前記試料収納部の壁面に沿って、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置を配置する第1の撮像配置決定ステップと、
前記試料収納部内の任意の位置が全ての撮像位置のうちの少なくとも1つでの撮像によって得られる有効視野領域に含まれるよう、前記第1の撮像配置決定ステップで決定された複数の撮像位置での撮像によって得られる有効視野領域以外の領域に、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置を配置する第2の撮像配置決定ステップと
を含むことを特徴とする。
前記撮像装置による撮像が行われる際の有効視野領域を決定する有効視野領域決定ステップと、
前記試料収納部の壁面に沿って、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置を配置する第1の撮像配置決定ステップと、
前記試料収納部内の任意の位置が全ての撮像位置のうちの少なくとも1つでの撮像によって得られる有効視野領域に含まれるよう、前記第1の撮像配置決定ステップで決定された複数の撮像位置での撮像によって得られる有効視野領域以外の領域に、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置を配置する第2の撮像配置決定ステップと
を含むことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記有効視野領域決定ステップでは、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われる際の有効視野領域と、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われる際の有効視野領域とが決定され、
前記第1の撮像配置決定ステップでは、前記試料収納部の壁面に沿って互いに隣接する2つの撮像位置での撮像によって得られるそれぞれの有効視野領域の一部が互いに重なるよう、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定され、
前記第2の撮像配置決定ステップでは、前記第1の撮像配置決定ステップで決定された複数の撮像位置での撮像によって得られる有効視野領域以外の領域において互いに隣接する2つの撮像位置での撮像によって得られるそれぞれの有効視野領域の一部が互いに重なるよう、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定されることを特徴とする。
前記有効視野領域決定ステップでは、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われる際の有効視野領域と、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われる際の有効視野領域とが決定され、
前記第1の撮像配置決定ステップでは、前記試料収納部の壁面に沿って互いに隣接する2つの撮像位置での撮像によって得られるそれぞれの有効視野領域の一部が互いに重なるよう、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定され、
前記第2の撮像配置決定ステップでは、前記第1の撮像配置決定ステップで決定された複数の撮像位置での撮像によって得られる有効視野領域以外の領域において互いに隣接する2つの撮像位置での撮像によって得られるそれぞれの有効視野領域の一部が互いに重なるよう、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定されることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記試料収納部の底面の形状は円形であって、
前記第1の撮像配置決定ステップは、
前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置のうちの任意の1つである基準位置を決定する基準位置決定ステップと、
前記試料収納部の中心と前記基準位置とを結ぶ線分を前記試料収納部の中心を回転中心として所定角度ずつ回転させ、回転の都度、回転後の線分の2つの端点のうち前記試料収納部の中心の位置にある端点とは異なる方の端点の位置を前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき撮像位置に定める撮像位置順次決定ステップと
を含むことを特徴とする。
前記試料収納部の底面の形状は円形であって、
前記第1の撮像配置決定ステップは、
前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置のうちの任意の1つである基準位置を決定する基準位置決定ステップと、
前記試料収納部の中心と前記基準位置とを結ぶ線分を前記試料収納部の中心を回転中心として所定角度ずつ回転させ、回転の都度、回転後の線分の2つの端点のうち前記試料収納部の中心の位置にある端点とは異なる方の端点の位置を前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき撮像位置に定める撮像位置順次決定ステップと
を含むことを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、
前記基準位置決定ステップでは、撮像位置を少しずつ動かしながら前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われ、前記試料収納部の壁面の位置での明るさが前記試料収納部の中心で前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われたときの前記試料収納部の中心での明るさとほぼ同じになる撮像位置が前記基準位置に定められることを特徴とする。
前記基準位置決定ステップでは、撮像位置を少しずつ動かしながら前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われ、前記試料収納部の壁面の位置での明るさが前記試料収納部の中心で前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われたときの前記試料収納部の中心での明るさとほぼ同じになる撮像位置が前記基準位置に定められることを特徴とする。
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明において、
前記第2の撮像配置決定ステップでは、前記撮像装置による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定されることを特徴とする。
前記第2の撮像配置決定ステップでは、前記撮像装置による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定されることを特徴とする。
第6の発明は、第1から第4までのいずれかの発明において、
前記第2の撮像配置決定ステップでは、前記撮像装置による撮像回数が最小となるように、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定されることを特徴とする。
前記第2の撮像配置決定ステップでは、前記撮像装置による撮像回数が最小となるように、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定されることを特徴とする。
第7の発明は、第1から第6までのいずれかの発明において、
前記第1の撮像配置決定ステップでは、前記撮像装置による撮像が行われる際の主走査方向に対して垂直な方向についての撮像間隔が等間隔に近づくように、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の微調整が行われることを特徴とする。
前記第1の撮像配置決定ステップでは、前記撮像装置による撮像が行われる際の主走査方向に対して垂直な方向についての撮像間隔が等間隔に近づくように、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の微調整が行われることを特徴とする。
第8の発明は、第1から第7までのいずれかの発明において、
前記有効視野領域決定ステップでは、前記試料容器の種類および前記試料収納部に注入される撮像対象物の培養条件を考慮して有効視野領域が決定されることを特徴とする。
前記有効視野領域決定ステップでは、前記試料容器の種類および前記試料収納部に注入される撮像対象物の培養条件を考慮して有効視野領域が決定されることを特徴とする。
第9の発明は、第1から第8までのいずれかの発明において、
前記試料収納部の底面への主光線の入射状態が、前記第1の照明光学系と前記第2の照明光学系とで異なることを特徴とする。
前記試料収納部の底面への主光線の入射状態が、前記第1の照明光学系と前記第2の照明光学系とで異なることを特徴とする。
第10の発明は、第9の発明において、
前記第1の照明光学系は、主光線が平行な状態で前記試料収納部の底面に入射するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記第2の照明光学系は、前記試料収納部の底面に入射する主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記撮像装置は、主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有する光を受光するように構成された撮像光学系を含むことを特徴とする。
前記第1の照明光学系は、主光線が平行な状態で前記試料収納部の底面に入射するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記第2の照明光学系は、前記試料収納部の底面に入射する主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記撮像装置は、主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有する光を受光するように構成された撮像光学系を含むことを特徴とする。
第11の発明は、底面が光透過性を有する試料収納部に液体と共に保持された撮像対象物を撮像する撮像装置であって、
1以上の前記試料収納部を有する試料容器を保持する容器保持部と、
前記試料収納部に保持された撮像対象物に光を照射する照明部と、
前記試料収納部に保持された撮像対象物の撮像を行う撮像部と、
撮像位置に応じて前記撮像部と前記照明部とを一体的に移動させる駆動部と、
前記照明部、前記撮像部、および前記駆動部の動作を制御する制御部と
を備え、
前記照明部は、前記試料収納部の底面への主光線の入射状態が互いに異なる第1の照明光学系および第2の照明光学系からなり、
前記制御部は、
前記試料収納部の壁面に沿って配置された複数の撮像位置である第1の撮像位置群および当該第1の撮像位置群での撮像によって得られる有効視野領域以外の領域に配置された複数の撮像位置である第2の撮像位置群で撮像が行われるよう前記撮像部および前記駆動部を制御するとともに、
前記第1の撮像位置群に含まれる撮像位置で撮像が行われる際には前記第1の照明光学系から光が出射されるよう、かつ、前記第2の撮像位置群に含まれる撮像位置で撮像が行われる際には前記第2の照明光学系から光が出射されるよう、前記照明部を制御することを特徴とする。
1以上の前記試料収納部を有する試料容器を保持する容器保持部と、
前記試料収納部に保持された撮像対象物に光を照射する照明部と、
前記試料収納部に保持された撮像対象物の撮像を行う撮像部と、
撮像位置に応じて前記撮像部と前記照明部とを一体的に移動させる駆動部と、
前記照明部、前記撮像部、および前記駆動部の動作を制御する制御部と
を備え、
前記照明部は、前記試料収納部の底面への主光線の入射状態が互いに異なる第1の照明光学系および第2の照明光学系からなり、
前記制御部は、
前記試料収納部の壁面に沿って配置された複数の撮像位置である第1の撮像位置群および当該第1の撮像位置群での撮像によって得られる有効視野領域以外の領域に配置された複数の撮像位置である第2の撮像位置群で撮像が行われるよう前記撮像部および前記駆動部を制御するとともに、
前記第1の撮像位置群に含まれる撮像位置で撮像が行われる際には前記第1の照明光学系から光が出射されるよう、かつ、前記第2の撮像位置群に含まれる撮像位置で撮像が行われる際には前記第2の照明光学系から光が出射されるよう、前記照明部を制御することを特徴とする。
第12の発明は、第11の発明において、
前記制御部は、外部から指示された撮像位置を前記容器保持部上における前記試料容器の位置および向きに応じて補正して前記撮像部により実際に撮像が行われる際の撮像位置を求める撮像位置調整部を含むことを特徴とする。
前記制御部は、外部から指示された撮像位置を前記容器保持部上における前記試料容器の位置および向きに応じて補正して前記撮像部により実際に撮像が行われる際の撮像位置を求める撮像位置調整部を含むことを特徴とする。
第13の発明は、第11または第12の発明において、
前記第1の照明光学系は、主光線が平行な状態で前記試料収納部の底面に入射するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記第2の照明光学系は、前記試料収納部の底面に入射する主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記撮像部は、主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有する光を受光するように構成された撮像光学系を含むことを特徴とする。
前記第1の照明光学系は、主光線が平行な状態で前記試料収納部の底面に入射するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記第2の照明光学系は、前記試料収納部の底面に入射する主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記撮像部は、主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有する光を受光するように構成された撮像光学系を含むことを特徴とする。
上記第1の発明によれば、2つの照明光学系(第1の照明光学系および第2の照明光学系)が設けられた撮像装置による撮像が行われる際、有効視野領域が定められた後、試料収納部の壁面に沿って複数の撮像位置が配置されるよう、第1の照明光学系(例えば、メニスカスの影響を受ける領域の撮像に適した照明光学系)を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定される。試料収納部の壁面に沿った複数の撮像位置の配置を考えるとき、壁面近傍の1つの撮像位置が定まると、第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき全ての撮像位置について、試料収納部の壁面からの距離が定まる。また、互いに隣接する2つの撮像位置の間の距離は有効視野領域を考慮して決定すれば良い。以上より、第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置を比較的容易に決定することができる。また、第2の照明光学系(例えば、メニスカスの影響を受けない領域の撮像に適した照明光学系)を使用した撮像が行われるべき撮像位置の配置を考える時には、第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置に基づく有効視野領域が既に定まっている。このため、残りの領域の広さと第2の照明光学系を使用した場合の有効視野領域の広さとを考慮して、第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき撮像位置の配置を比較的容易に決定することができる。以上のように、2つの照明光学系を有する撮像装置で撮像が行われる際の撮像配置(複数の撮像位置の配置)を容易に決定することができる。
上記第2の発明によれば、互いに隣接する2つの撮像位置での撮像によって得られるそれぞれの有効視野領域の一部が互いに重なるように撮像配置が決定されるので、複数の撮像画像の合成によって得られる全体画像中に明るさが不充分な領域が生じることが確実に防止される。
上記第3の発明によれば、第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置に関し、基準位置が決まれば比較的容易に残りの撮像位置を決定することができる。
上記第4の発明によれば、試料収納部の壁面部の撮像画像の明るさと試料収納部の中心部の撮像画像の明るさとが同程度になるので、好品質の全体画像が得られる。
上記第5の発明によれば、走査回数が少なくなるので、全ての撮像位置での撮像が終了するまでに要する時間が短くなる。
上記第6の発明によれば、撮像枚数が少なくなるので、資源が有効に活用される。
上記第7の発明によれば、第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき領域において効率的に複数の撮像位置が配置される。
上記第8の発明によれば、有効視野領域が試料容器の種類や培養条件を考慮して定められるので、より効率的に複数の撮像位置を配置させることが可能になるとともに、複数の撮像画像の合成によって得られる全体画像中に明るさが不充分な領域が生じることが抑制される。
上記第9の発明によれば、上記第1から第8までのいずれかの発明と同様の効果が得られる。
上記第10の発明によれば、例えばメニスカスの影響を受ける領域とメニスカスの影響を受けない領域とで照明光学系を切り替える撮像装置で撮像が行われる際の撮像配置を容易に決定することが可能となる。
上記第11の発明によれば、撮像が行われる際、試料収納部の壁面近傍の領域とそれ以外の領域とで異なる照明光学系が使用される。このため、試料収納部に注入されている液体の表面にメニスカスが形成されていても、複数の撮像画像の合成によって得られる全体画像中に明るさが不充分な領域が生じることが抑制される。また、効率的に配置された複数の撮像位置で撮像が行われるので、撮像処理が効率的に行われる。
上記第12の発明によれば、試料容器の設計誤差や試料容器をセットする際の位置ずれに関わらず所望の撮像画像が得られる。また、位置ずれがあったときに試料容器のセットのやり直しが不要となることから、試料(細胞等)にダメージを及ぼすことなく所望の撮像画像を得ることが可能となる。
上記第13の発明によれば、例えばメニスカスの影響を受ける領域とメニスカスの影響を受けない領域とで照明光学系を切り替える撮像装置において、複数の撮像画像を合成することによって全体画像を生成する際に撮像処理が効率的に行われる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<1.撮像装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置1の概略構成を示す図である。この撮像装置1は、ウェルプレートWPの上面に形成されたウェルWに注入された液体中で培養されている細胞、細胞コロニー、細菌等(以下、これらをまとめて「細胞等」という。)の試料を撮像するための装置である。
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置1の概略構成を示す図である。この撮像装置1は、ウェルプレートWPの上面に形成されたウェルWに注入された液体中で培養されている細胞、細胞コロニー、細菌等(以下、これらをまとめて「細胞等」という。)の試料を撮像するための装置である。
ウェルプレートWPは、平板状の形状を有している。ウェルプレートWPには、上面側に開口を有し下面側に透明の底面を有する試料収納部としての複数個(例えば、6個、24個、96個、384個など)のウェルWが配列されている。なお、ここでは試料容器としてウェルプレートWPが用いられている例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、ディッシュと呼ばれる容器(試料収納部を1つだけ有する容器)を試料容器として用いることもできる。
ウェルWの形状については、典型的には、断面は円形状であって、底面は平坦状になっている。但し、ウェルWの断面および底面の形状はこれには限定されない。ウェルWの直径および深さは、一般的には数mm〜数10mm程度である。各ウェルWには、細胞等に生育環境を提供する培地Mとしての液体(培養液)が所定量注入される。各ウェルWに注入される液体の量は、一般的には50〜200マイクロリットル程度である。本実施形態においては、その液体中で所定の培養条件で培養された細胞等が撮像対象物となる。
図1に示すように、この撮像装置1は、撮像用の光を出射する照明部10と、ウェルプレートWPを保持するホルダ12と、ウェルW内の試料(細胞等)の撮像を行う撮像部13と、照明部10および撮像部13の動作を制御する制御部14と、撮像の際に照明部10および撮像部13を移動させる駆動機構15とを備えている。照明部10は、この撮像装置1の上部に配置されている。ホルダ12は照明部10の下方に配置され、撮像部13はホルダ12の下方に配置されている。
なお、以下において、ウェルW内の領域のうち撮像視野に含まれたときにメニスカスの影響を受ける領域のことを「ウェル辺縁部」という。ところで、ウェル辺縁部の撮像が行われる際、撮像位置がウェルWのエッジ部(壁面)よりも外側に位置する場合がある。そこで、エッジ部よりも外側の領域およびエッジ部よりも内側の領域の双方を含むエッジ部近傍の領域のことを「ウェル周縁領域」という。ウェル辺縁部は、ウェル周縁領域のうちエッジ部よりも内側の領域のことである。また、ウェルW内の領域のうち撮像視野に含まれたときにメニスカスの影響を受けない領域(より厳密には、メニスカスの影響が十分に小さい領域)のことを「ウェル中央領域」という。
<1.1 照明部>
照明部10は、白色LED(Light Emitting Diode)などの2つの光源(第1の光源101および第2の光源111)と、2つの反射ミラー102,105と、2つのコレクタレンズ103,112と、ビームスプリッター104と、コンデンサレンズ106とを備えている。第1の光源101から出射される光は、その光路が反射ミラー102によって折り返された後、コレクタレンズ103を介してビームスプリッター104に入射する。第2の光源111から出射される光は、コレクタレンズ112を介してビームスプリッター104に入射する。ビームスプリッター104から出射される光線は、その進行方向が反射ミラー105によって(−Z)方向すなわち鉛直下向き方向に変えられる。そして、進行方向が鉛直下向き方向になった光線は、コンデンサレンズ106を介して、この照明部10から下向きに出射される。照明部10から出射された光は、ホルダ12に支持されたウェルプレートWPの上方から少なくとも1つのウェルWに入射し、ウェルW内の撮像対象物を照明する。
照明部10は、白色LED(Light Emitting Diode)などの2つの光源(第1の光源101および第2の光源111)と、2つの反射ミラー102,105と、2つのコレクタレンズ103,112と、ビームスプリッター104と、コンデンサレンズ106とを備えている。第1の光源101から出射される光は、その光路が反射ミラー102によって折り返された後、コレクタレンズ103を介してビームスプリッター104に入射する。第2の光源111から出射される光は、コレクタレンズ112を介してビームスプリッター104に入射する。ビームスプリッター104から出射される光線は、その進行方向が反射ミラー105によって(−Z)方向すなわち鉛直下向き方向に変えられる。そして、進行方向が鉛直下向き方向になった光線は、コンデンサレンズ106を介して、この照明部10から下向きに出射される。照明部10から出射された光は、ホルダ12に支持されたウェルプレートWPの上方から少なくとも1つのウェルWに入射し、ウェルW内の撮像対象物を照明する。
以上のように、本実施形態における照明部10は、第1の光源101を光源とする照明光学系(以下、「第1の照明光学系」という。)100と第2の光源111を光源とする照明光学系(以下、「第2の照明光学系」という。)110とによって構成されている。第1の照明光学系100は、第1の光源101、反射ミラー102、コレクタレンズ103、ビームスプリッター104、反射ミラー105、およびコンデンサレンズ106からなる。第2の照明光学系110は、第2の光源111、コレクタレンズ112、ビームスプリッター104、反射ミラー105、およびコンデンサレンズ106からなる。なお、ビームスプリッター104、反射ミラー105、およびコンデンサレンズ106については、第1の照明光学系100および第2の照明光学系110によって共有されている。
第1の光源101および第2の光源111は、制御部14内の光源制御部146から与えられる制御信号に応じて選択的に点灯する。従って、照明部10は、第1の照明光学系100から出射される光(以下、「第1の照明光」という。)と第2の照明光学系110から出射される光(以下、「第2の照明光」という。)とを選択的にウェルWに入射させることができる。第1の照明光と第2の照明光とはビームスプリッター104によって合成され、これらは同軸に出射可能となっている。すなわち、コンデンサレンズ106から出射される第1の照明光および第2の照明光の中心軸は一致している。
図2は、第1の照明光学系100および第2の照明光学系110の光線図である。なお、図2では、光路を明瞭に示すため、第1の照明光学系100と第2の照明光学系110とを分離して記載している。また、説明の便宜上、実際には反射ミラー102,105およびビームスプリッター104で折り曲げられる光軸を直線で示している。このため、光軸を折り曲げる機能を有する反射ミラー102,105およびビームスプリッター104の図示が省略されている。
第1の照明光学系100では、第1の光源101から出射された光は、コレクタレンズ103によって集光される。その集光された光は、コンデンサレンズ106を介して、撮像対象物である細胞等が存在する試料面に向けて出射される。通常、試料面はウェルWの底面である。コレクタレンズ103は、当該コレクタレンズ103とコンデンサレンズ106との間に第1の光源101の像を結像させる。すなわち、コレクタレンズ103とコンデンサレンズ106との間に、第1の光源101の共役点C1が存在する。また、コレクタレンズ103およびコンデンサレンズ106は、コンデンサレンズ106から試料面へと向かう主光線が光軸と平行となるように構成されている。すなわち、第1の照明光学系100はテレセントリック照明をなしている。第1の光源101の光出射面には、コレクタレンズ103に入射する光の角度範囲を規定するために、必要に応じて開口絞り107が設けられる。開口絞り107により、照明のNA(開口数)を調整することができる。また、コレクタレンズ103よりも後側かつ共役点C1よりも前側の位置には、必要に応じて視野絞り108が設けられる。これにより、撮像に必要な範囲のみを照明して、撮像光学系でのフレア発生を防止することができる。
第2の照明光学系110では、第2の光源111から出射された光は、コレクタレンズ112によって集光される。その集光された光は、コンデンサレンズ106を介して試料面に向けて出射される。コレクタレンズ112には、第2の光源111の共役点C2の位置がコンデンサレンズ106よりも後側かつ試料面よりも前側となるような屈折特性が与えられる。第2の光源111の光出射面には、コレクタレンズ112に入射する光の角度範囲を規定するために、必要に応じて開口絞り113が設けられる。開口絞り113の開口径は、コンデンサレンズ106から出射される照明光のNAが対物レンズ131のNA以上となるように設定される。これにより、撮像光学系が有する分解能が照明に起因して制約されることが防止される。また、コレクタレンズ112とコンデンサレンズ106との間には、必要に応じて視野絞り114が設けられる。これにより、撮像に必要に範囲のみを照明して、撮像光学系でのフレア発生を防止することができる。
第1の照明光学系100と第2の照明光学系110とは、コンデンサレンズ106を共用する。これを可能とするためのビームスプリッター104は、それぞれのコレクタレンズ103,112とコンデンサレンズ106との間に設けられる。より具体的には、第1の照明光学系100においてコレクタレンズ103(視野絞り108が設けられる場合には視野絞り108)よりも後側でコンデンサレンズ106よりも前側となる位置であって、かつ、第2の照明光学系110においてコレクタレンズ112(視野絞り114が設けられる場合には視野絞り114)よりも後側でコンデンサレンズ106よりも前側となる位置に、ビームスプリッター104が設けられる。
<1.2 ホルダ>
撮像装置1による撮像が行われる際、試料および培地Mを保持する複数のウェルWからなるウェルプレートWPはホルダ12内に保持される。ホルダ12は、ウェルプレートWPの下面周縁部に当接してウェルプレートWPを略水平姿勢に保持する。
撮像装置1による撮像が行われる際、試料および培地Mを保持する複数のウェルWからなるウェルプレートWPはホルダ12内に保持される。ホルダ12は、ウェルプレートWPの下面周縁部に当接してウェルプレートWPを略水平姿勢に保持する。
<1.3 撮像部>
撮像部13は、対物レンズ131、低倍率用アフォーカル系132、高倍率用アフォーカル系133、反射ミラー134、結像レンズ135、および撮像素子136を備えている。対物レンズ131は、ウェルプレートWPの直下位置に配置されている。対物レンズ131の光軸は、鉛直方向に向けられており、第1の照明光学系100および第2の照明光学系110の光軸と同軸となっている。照明部10から出射されウェルWの上方から液体(培地M)に入射した光が撮像対象物を照明し、ウェルWの底面から下方へ透過した光が対物レンズ131に入射する。
撮像部13は、対物レンズ131、低倍率用アフォーカル系132、高倍率用アフォーカル系133、反射ミラー134、結像レンズ135、および撮像素子136を備えている。対物レンズ131は、ウェルプレートWPの直下位置に配置されている。対物レンズ131の光軸は、鉛直方向に向けられており、第1の照明光学系100および第2の照明光学系110の光軸と同軸となっている。照明部10から出射されウェルWの上方から液体(培地M)に入射した光が撮像対象物を照明し、ウェルWの底面から下方へ透過した光が対物レンズ131に入射する。
対物レンズ131の下方には、低倍率用アフォーカル系132および高倍率用アフォーカル系133が切り替え可能に設けられている。ここで、低倍率用アフォーカル系132と高倍率用アフォーカル系133との切り替えについて説明する。低倍率用アフォーカル系132および高倍率用アフォーカル系133は図示しない駆動機構により水平方向に一体的に移動可能となっており、撮像の際には両者の一方が対物レンズ131の直下位置に選択的に配置される。図1において実線で示すように高倍率用アフォーカル系133が対物レンズ131の直下位置に配置された状態では、対物レンズ131および高倍率用アフォーカル系133を含む高倍率の撮像光学系が構成される。このとき、撮像対象物の比較的狭い範囲が高倍率で撮像される。一方、図1において点線で示すように低倍率用アフォーカル系132が対物レンズ131の直下位置に配置された状態では、対物レンズ131および低倍率用アフォーカル系132を含む低倍率の撮像光学系が構成される。このとき、撮像対象物の比較的広い範囲が低倍率で撮像される。
アフォーカル系(低倍率用アフォーカル系132または高倍率用アフォーカル系133)から出射される光は、反射ミラー134によって折り返された後、結像レンズ135を介して撮像素子136に入射する。後述するように、対物レンズ131、低倍率用アフォーカル系132、および結像レンズ135等からなる撮像光学系は、物体側ハイパーセントリックな光学特性を有している。一方、対物レンズ131、高倍率用アフォーカル系133、および結像レンズ135等からなる撮像光学系は、物体側テレセントリックな光学特性を有している。
撮像素子136は、二次元の受光面を有するエリアイメージセンサである。撮像素子136としては、CCDセンサやCMOSセンサなどを用いることができる。結像レンズ135により撮像素子136の受光面に結像する撮像対象物の像が、撮像素子136によって撮像される。撮像素子136は、受光した光学像を電気信号に変換し、それを画像信号として出力する。このような撮像方法によれば、撮像対象物である細胞等に対して非接触、非破壊かつ非侵襲で撮像を行うことができ、撮像による細胞等へのダメージを抑えることができる。なお、撮像部13の各部の動作は、制御部14に設けられた撮像制御部143により制御される。
<1.4 制御部>
制御部14は、CPU141、インターフェース(IF)部142、撮像制御部143、ADコンバータ(A/D)144、メカ制御部145、光源制御部146、画像メモリ147、およびメモリ148を備えている。CPU141は、制御部14内の各構成要素の動作の制御や各種演算処理を行う。インターフェース部142は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能、ユーザへの処理結果等の情報表示を行う機能、通信回線を介して他の装置との間でのデータ通信を行う機能などを有している。なお、インターフェース部142には、操作入力を受け付ける入力受付部(キーボードやマウスなど)、情報表示を行う表示部、通信回線などが接続されている。
制御部14は、CPU141、インターフェース(IF)部142、撮像制御部143、ADコンバータ(A/D)144、メカ制御部145、光源制御部146、画像メモリ147、およびメモリ148を備えている。CPU141は、制御部14内の各構成要素の動作の制御や各種演算処理を行う。インターフェース部142は、ユーザからの操作入力を受け付ける機能、ユーザへの処理結果等の情報表示を行う機能、通信回線を介して他の装置との間でのデータ通信を行う機能などを有している。なお、インターフェース部142には、操作入力を受け付ける入力受付部(キーボードやマウスなど)、情報表示を行う表示部、通信回線などが接続されている。
撮像制御部143は、後述する走査移動レシピに従って撮像対象物の撮像が行われるよう、撮像部13の動作を制御する。ADコンバータ(A/D)144は、撮像素子136から出力された画像信号(アナログデータ)を受け取り、それをデジタル画像データに変換する。そのデジタル画像データに基づき、CPU141は適宜の画像処理を実行する。
メカ制御部145は、駆動機構15を作動させることにより、撮像部13を水平方向あるいは鉛直方向に移動させる。撮像部13を水平方向に移動させることにより、撮像部13がウェルWに対し水平方向に移動する。また、撮像部13を鉛直方向に移動させることにより、フォーカス調整が行われる。メカ制御部145は、また、駆動機構15を作動させることにより、照明部10を水平方向に移動させる。光源制御部146は、撮像位置に応じて、第1の光源101と第2の光源111とを選択的に点灯させる。
画像メモリ147は、デジタル画像データを保持する。メモリ148は、CPU141が実行すべきプログラムやCPU141により生成されるデータを保持する。なお、画像メモリ147とメモリ148とは一体化したものであっても良い。また、大容量ストレージと半導体メモリとの適宜の組み合わせにより、画像メモリ147およびメモリ148が実現されていても良い。
<1.5 駆動機構>
駆動機構15は、照明部10を水平方向に移動させる。また、駆動機構15は、撮像部13を水平方向あるいは鉛直方向に移動させる。この撮像装置1では、照明部10からの出射光の中心が対物レンズ131の光軸と略一致するように照明部10と撮像部13との位置関係が定められている。従って、駆動機構15は、撮像部13を水平方向に移動させる際、照明部10を撮像部13と一体的に移動させる。これにより、いずれのウェルWのいずれの位置で撮像が行われる場合でも良好な照明状態を維持することができる。なお、図1において、Z方向は鉛直方向を表し、Y方向は主走査方向を表し、X方向は副走査方向を表している。
駆動機構15は、照明部10を水平方向に移動させる。また、駆動機構15は、撮像部13を水平方向あるいは鉛直方向に移動させる。この撮像装置1では、照明部10からの出射光の中心が対物レンズ131の光軸と略一致するように照明部10と撮像部13との位置関係が定められている。従って、駆動機構15は、撮像部13を水平方向に移動させる際、照明部10を撮像部13と一体的に移動させる。これにより、いずれのウェルWのいずれの位置で撮像が行われる場合でも良好な照明状態を維持することができる。なお、図1において、Z方向は鉛直方向を表し、Y方向は主走査方向を表し、X方向は副走査方向を表している。
<2.照明光学系>
図3は、第1の照明光学系100から出射される第1の照明光L1を示す図である。第1の照明光学系100においてコンデンサレンズ106から出射される第1の照明光L1は、図3に示すように、撮像対象物が分布する試料面であるウェル底面Wbに対して主光線が平行な状態で入射する。すなわち、第1の照明光学系100は、射出瞳位置が無限遠にあるテレセントリック照明をなしている。
図3は、第1の照明光学系100から出射される第1の照明光L1を示す図である。第1の照明光学系100においてコンデンサレンズ106から出射される第1の照明光L1は、図3に示すように、撮像対象物が分布する試料面であるウェル底面Wbに対して主光線が平行な状態で入射する。すなわち、第1の照明光学系100は、射出瞳位置が無限遠にあるテレセントリック照明をなしている。
図4は、第2の照明光学系110から出射される第2の照明光L2を示す図である。第2の照明光学系110においてコンデンサレンズ106から出射される第2の照明光L2は、図4に示すように、第2の照明光学系110の光軸に近づくように進行し、ウェル底面Wbよりも上方の位置(照明光学系から見てウェル底面Wbよりも手前側の位置)で光軸と交差する。すなわち、第2の照明光L2の光路において第2の光源111の像(より厳密には開口絞り113の像)が結像する射出瞳位置Ppは、第2の照明光学系110から見て、撮像対象物が分布する試料面であるウェル底面Wbよりも近い位置にある。より詳しくは、第2の照明光学系110による照明下では、第2の照明光L2を出射するコンデンサレンズ106の出力端と撮像光学系の対物レンズ131との間の位置で第2の光源111の像が結像する。つまり、この位置に第2の光源111に対する共役点がある。そして、この共役点と対物レンズ131との間にウェル底面Wbが位置するように、ホルダ12はウェルプレートWPを保持する。このため、ウェル底面Wbに入射する第2の照明光L2の主光線は、第2の照明光学系110および対物レンズ131の光軸から遠ざかる方向の方向成分を有している。
以上のように、第1の照明光学系100と第2の照明光学系110とでは射出瞳位置が互いに異なっている。これら第1の照明光学系100と第2の照明光学系110とが、後述するように切り替えて使用される。なお、撮像の際にはストロボ照明が用いられる。つまり、照明光は撮像部13による撮像が行われる時に短時間のみ出射される。従って、光源制御部146は、2つの光源(第1の光源101および第2の光源111)のいずれを点灯させるかを選択することにより、照明光の切り替えを実現することができる。
ところで、上述したように、各ウェルWには培地Mとしての液体が注入されている。従って、ウェルWの上方から入射する照明光は培地Mの液面を介してウェル底面Wb(試料面)に入射する。ここで、ウェルW内の液面は凹型のメニスカスを形成している。このため、照明光の進路は屈折によってウェルWの中心から外向きに曲げられる。屈折は、ウェルWの中心付近では小さく、ウェルWのエッジ部(壁面)に近づくほど大きくなる。本実施形態においては、このように外向きに曲げられた光が効率よく集光されて撮像素子136に導かれるよう、対物レンズ131を含む撮像光学系は物体側ハイパーセントリック光学系をなしている。すなわち、レンズの光軸から離れた位置において、斜め外向きに入射する光を撮像素子136に結像させることができる。
<3.照明光学系の使い分け>
次に、第1の照明光学系100と第2の照明光学系110との使い分けについて説明する。ここでは、撮像すべき領域(ウェル全体の領域)が撮像視野よりも広い場合に着目する。撮像すべき領域が撮像視野よりも広いとき、当該領域を複数に分割して撮像が行われる。そして、撮像によって得られた複数の撮像画像を画像処理によって合成することで、撮像すべき領域の全体を表す画像が生成される。
次に、第1の照明光学系100と第2の照明光学系110との使い分けについて説明する。ここでは、撮像すべき領域(ウェル全体の領域)が撮像視野よりも広い場合に着目する。撮像すべき領域が撮像視野よりも広いとき、当該領域を複数に分割して撮像が行われる。そして、撮像によって得られた複数の撮像画像を画像処理によって合成することで、撮像すべき領域の全体を表す画像が生成される。
図5は、ウェル辺縁部WRが撮像視野に含まれないときに仮に第1の照明光学系100が使用された場合の撮像の様子を示す図である。撮像視野VがウェルWのエッジ部から離れたウェル中央領域のみを含む場合、メニスカスが光路に及ぼす影響は十分に小さい。ところで、上述したように、対物レンズ131を含む撮像光学系は物体側ハイパーセントリック光学系をなしている。すなわち、撮像光学系は、光軸から離れた位置についてはメニスカスによる屈折を前提として主光線が外向きに傾いた光(第1の照明光L1のうち図5で点線で示す光)が受光されるような構成となっている。しかしながら、ウェルWを通過した光はメニスカスによる屈折を受けずに直進するため、入射光における主光線の傾きと受光側での主光線の傾きとが一致しない。このように、テレセントリック照明が用いられていると、対物レンズ131の光軸付近に入射する光は集光されて撮像素子136に入射するが、光軸から離れた位置では入射光と光学系との主光線の傾きの違いに起因するミスマッチが生じる。その結果、特に撮像視野Vの周縁部で画質の劣化が生じる。
これに対して、ウェル辺縁部WRが撮像視野Vに含まれるときに第1の照明光学系100が使用された場合、図6に示すように、ウェル辺縁部WRではメニスカスにより屈折した光の主光線の傾きと受光側の主光線との傾きがほぼ一致して効率よく集光が行われる。このように、ウェル辺縁部WRが撮像視野Vに含まれるときには、第1の照明光学系100を用いた撮像が行われる。
図7は、ウェル辺縁部WRが撮像視野Vに含まれないときに第2の照明光学系110が使用された場合の撮像の様子を示す図である。上述したように、第2の照明光学系110においてコンデンサレンズ106から出射される第2の照明光L2は、光軸に近づくように進行する。このため、メニスカスの影響がないとき、ウェル底面Wbに入射する第2の照明光L2の主光線は互いに平行なものとはならない。本実施形態では第2の照明光学系110の射出瞳位置Ppが(照明光学系から見て)ウェル底面Wbよりも手前側にあるため、ウェル底面Wbに入射する第2の照明光L2については、主光線は対物レンズ131の光軸から外へ向かって広がるものとなる。ここで、対物レンズ131への入射光の主光線の傾きと対物レンズ131側の主光線の傾きとが一致するように撮像光学系が構成されていれば、図7に示すように、ウェル底面Wbを透過した光は対物レンズ131により集光されて、最終的に撮像素子136に導かれる。このように、ウェル辺縁部WRが撮像視野Vに含まれないときには、第2の照明光学系110を用いた撮像が行われる。
以上のように、本実施形態に係る撮像装置1には、ハイパーセントリック特性を有する撮像光学系と組み合わせる照明光学系として、メニスカスの影響を受ける領域の撮像に適した第1の照明光学系100と、メニスカスの影響を受けない領域の撮像に適した第2の照明光学系110とが設けられている。そして、ウェル辺縁部WRが撮像視野に含まれるとき(すなわち、メニスカスの影響を受ける領域が撮像視野に含まれるとき)とウェル辺縁部WRが撮像視野に含まれないとき(すなわち、メニスカスの影響を受ける領域が撮像視野に含まれないとき)とでそれら2つの照明光学系が使い分けられる。これにより、撮像すべき領域の全体が良好な品質である画像が得られる。
<4.全体の処理の流れ>
次に、撮像装置1で撮像が行われる際の全体の概略的な処理の流れを説明する。これに関連して、まず、撮像装置1の前提事項について説明する。撮像装置1では、予め、試料容器の種類毎に、第1の照明光学系100を使用した撮像を行う領域および第2の照明光学系110を使用した撮像を行う領域の設定が行われる。上述したように、第1の照明光学系100はメニスカスの影響を受ける領域の撮像に適しており、第2の照明光学系110はメニスカスの影響を受けない領域の撮像に適している。従って、例えば、或る種類の試料容器(ウェルプレートWP)の1つのウェルWに着目すると、図8で符号51で示す領域が第1の照明光学系100を使用した撮像を行う領域に設定され、図8で符号52で示す領域が第2の照明光学系110を使用した撮像を行う領域に設定されている。領域の設定に関するこのような情報は、撮像装置1において、例えば所定のフォーマットの設定ファイルに予め書き込まれている。図8で符号51で示す領域はウェル周縁領域に相当し、図8で符号52で示す領域はウェル中央領域に相当する。
次に、撮像装置1で撮像が行われる際の全体の概略的な処理の流れを説明する。これに関連して、まず、撮像装置1の前提事項について説明する。撮像装置1では、予め、試料容器の種類毎に、第1の照明光学系100を使用した撮像を行う領域および第2の照明光学系110を使用した撮像を行う領域の設定が行われる。上述したように、第1の照明光学系100はメニスカスの影響を受ける領域の撮像に適しており、第2の照明光学系110はメニスカスの影響を受けない領域の撮像に適している。従って、例えば、或る種類の試料容器(ウェルプレートWP)の1つのウェルWに着目すると、図8で符号51で示す領域が第1の照明光学系100を使用した撮像を行う領域に設定され、図8で符号52で示す領域が第2の照明光学系110を使用した撮像を行う領域に設定されている。領域の設定に関するこのような情報は、撮像装置1において、例えば所定のフォーマットの設定ファイルに予め書き込まれている。図8で符号51で示す領域はウェル周縁領域に相当し、図8で符号52で示す領域はウェル中央領域に相当する。
撮像装置1は、複数の撮像位置およびそれらの撮像順序を示す走査移動レシピに従って当該複数の撮像位置での撮像を行うように構成されている。なお、本明細書における「撮像位置」は、撮像が行われる際の撮像視野の中心に相当する位置(この位置は、対物レンズ131の光軸の位置と一致する。)を意味する。例えば、撮像配置(複数の撮像位置の配置)が図9に示すようなものであるときに(符号P1〜P23で示す位置が撮像位置を表している)、走査移動レシピに従って、例えば図10で符号53で示す矢印のように撮像のための走査が行われる。なお、ウェルプレートWPには複数のウェルWが含まれているが、図9および図10では、便宜上、1つのウェルWに着目している。また、撮像装置1は、走査移動レシピに従って撮像を行う際、領域の設定に関する上述の情報(図8参照)に基づき、2つの照明光学系(第1の照明光学系100および第2の照明光学系110)の一方を撮像位置に応じて使用する。
図11は、撮像装置1で撮像が行われる際の全体の処理の流れを示すフローチャートである。まず、撮像対象の試料容器の種類(例えば、メーカー名と型番など)の情報および培地Mとして用いる液体の量などの撮像条件に関する情報が入手される(ステップS10)。次に、試料容器の種類および撮像条件を考慮して、図9に示したような撮像配置の決定が行われる(ステップS20)。なお、撮像配置を決定する方法についての詳しい説明は後述する。撮像配置の決定後、撮像配置に基づいて走査移動レシピが作成される(ステップS30)。その後、走査移動レシピが撮像装置1に与えられるとともに、撮像装置1において撮像対象の試料容器の種類の指定(選択)がオペレータによって行われる(ステップS40)。これにより、撮像装置1は、走査移動レシピに基づいて撮像を行う(ステップS50)。
<5.撮像配置の決定方法>
次に、撮像配置の決定方法について詳しく説明する。図12は、撮像配置を決定する手順を示すフローチャートである。
次に、撮像配置の決定方法について詳しく説明する。図12は、撮像配置を決定する手順を示すフローチャートである。
<5.1 有効視野領域の決定>
まず、撮像が行われた際に充分な量の光が照射されて充分な画質の画像が得られると認めることのできる領域である有効視野領域が決定される(ステップS210)。撮像画像のうちステップS210で決定された有効視野領域内の画像のみが、最終的にユーザに提示される画像を構成することになる。すなわち、1つのウェルWに対して複数の撮像位置で撮像が行われた場合、複数の撮像画像のそれぞれの有効視野領域内の画像のみを合成することによって、当該1つのウェルWの全体を表す画像が作成される。本実施形態に係る撮像装置1では、ウェル周縁領域で撮像が行われる際には第1の照明光学系100が使用され、ウェル中央領域で撮像が行われる際には第2の照明光学系110が使用される。従って、ステップS210では、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われた場合の有効視野領域と第2の照明光学系110を使用した撮像が行われた場合の有効視野領域とが決定される。
まず、撮像が行われた際に充分な量の光が照射されて充分な画質の画像が得られると認めることのできる領域である有効視野領域が決定される(ステップS210)。撮像画像のうちステップS210で決定された有効視野領域内の画像のみが、最終的にユーザに提示される画像を構成することになる。すなわち、1つのウェルWに対して複数の撮像位置で撮像が行われた場合、複数の撮像画像のそれぞれの有効視野領域内の画像のみを合成することによって、当該1つのウェルWの全体を表す画像が作成される。本実施形態に係る撮像装置1では、ウェル周縁領域で撮像が行われる際には第1の照明光学系100が使用され、ウェル中央領域で撮像が行われる際には第2の照明光学系110が使用される。従って、ステップS210では、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われた場合の有効視野領域と第2の照明光学系110を使用した撮像が行われた場合の有効視野領域とが決定される。
図13〜図17を参照しつつ、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われた場合の有効視野領域および第2の照明光学系110を使用した撮像が行われた場合の有効視野領域のそれぞれの具体例を説明する。図13で符号54で示すようにウェル周縁領域が撮像視野に含まれる場合、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われる。このとき、例えば図14に示すような撮像画像が得られる。図14より、撮像視野内に輝度が不充分な領域が存在することが把握される。そこで、例えば、“最小輝度を0%、最大輝度を100%としたときに輝度が50%以上となっている領域”が第1の照明光学系100を使用した撮像が行われた場合の有効視野領域に定められる。この例では、有効視野領域は、図15で符号57の太線で囲まれた領域となる。
図13で符号55で示すようにウェル周縁領域が撮像視野に含まれない場合、第2の照明光学系110を使用した撮像が行われる。このとき、例えば図16に示すような撮像画像が得られる。図16より、撮像視野の周縁部では輝度が不充分であることが把握される。そこで、例えば、撮像視野全体の70%の矩形領域(当該矩形領域の中心を撮像視野の中心と一致させる)が第2の照明光学系110を使用した撮像が行われた場合の有効視野領域に定められる。この例では、有効視野領域は、図17で符号58の太線で囲まれた領域となる。
ところで、特にウェル周縁領域での撮像に関しては、充分な画質が得られる領域が培養条件によって変化する。例えば、充分な画質が得られる領域は、培地Mとして用いられる液体の量によって変化する。例えば、或る量の液体が培地Mとして用いられた場合に図18で符号61の網掛けで示す領域で充分な画質が得られても、別の量の同じ液体が培地Mとして用いられた場合に図18で符号62の網掛けで示す領域でしか充分な画質が得られないことがある。このように充分な画質が得られる領域が培養条件によって変化するので、有効視野領域の決定(ステップS210)は、培養条件を考慮して行われることが好ましい。
<5.2.1 ウェル周縁領域での撮像位置の決定>
上述のようにして有効視野領域が決定された後、ウェル周縁領域での複数の撮像位置のうちの1つが決定される(ステップS220)。以下、このステップS220で決定される撮像位置のことを「基準位置」という。ここでは、ウェルWを或る向きで平面視したときに図19に示すようにウェルWの上方に基準位置BPを配置する例を挙げて説明する。なお、図19で符号63の網掛けで示す領域は、基準位置BPにおける有効視野領域(基準位置BPが撮像視野の中心となるように撮像が行われたときの有効視野領域)を表している。
上述のようにして有効視野領域が決定された後、ウェル周縁領域での複数の撮像位置のうちの1つが決定される(ステップS220)。以下、このステップS220で決定される撮像位置のことを「基準位置」という。ここでは、ウェルWを或る向きで平面視したときに図19に示すようにウェルWの上方に基準位置BPを配置する例を挙げて説明する。なお、図19で符号63の網掛けで示す領域は、基準位置BPにおける有効視野領域(基準位置BPが撮像視野の中心となるように撮像が行われたときの有効視野領域)を表している。
基準位置BPを決定する際には、ウェルWのエッジ部(壁面)WEでの明るさを観測しつつ、図20に示すように撮像視野Vを少しずつ動かす。より詳しくは、ウェルWの中心WCとウェルWの或るエッジ部WEとを通る直線65上に撮像視野Vの中心が位置するようにして、撮像視野Vに含まれるウェルW内の領域が徐々に大きくなるように、エッジ部WEでの明るさを観測しつつ撮像視野Vを少しずつ動かす。そして、第2の照明光学系110を使用してウェルWの中心WCを撮像したときに得られる明るさ(ウェルWの中心WCの明るさ)と第1の照明光学系100を使用してウェル周縁領域を撮像したときに得られるエッジ部WEの明るさとがほぼ一致する位置が基準位置BPに定められる。但し、撮像視野Vをごく少し動かしただけで、充分な明るさが得られる範囲(面積)が大きく変わることもある。従って、エッジ部WEの明るさがウェルWの中心WCの明るさとほぼ同程度になるのであれば、充分な明るさが得られる範囲(面積)ができるだけ大きくなるように基準位置BPを定めることが好ましい。
基準位置BPが定まることにより、図21から把握されるように、基準位置BPとウェルWのエッジ部WEとの間の距離LEが定まる。すなわち、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われる際の撮像位置とウェルWのエッジ部WEとの間の距離が定まる。
基準位置BPの決定後、ウェル周縁領域での残りの撮像位置(基準位置BP以外の撮像位置)が決定される(ステップS230)。ステップS230では、まず、図22に示すように、ウェルWの中心WCと基準位置BPとを結ぶ直線70をウェルWの中心WCを回転中心として回転させ、基準位置BPに隣接する撮像位置73における有効視野領域72と基準位置BPにおける有効視野領域71とが部分的に重なり合うように、基準位置BPに隣接する撮像位置73が決定される。その際、ウェルWのエッジ部WEから撮像位置73までの距離は、ウェルWのエッジ部WEから基準位置BPまでの距離LE(図21参照)と等しくされる。換言すれば、ウェルWの中心WCと基準位置BPとを結ぶ線分をウェルWの中心WCを回転中心として回転させ、回転後の線分の2つの端点のうちウェルWの中心WCの位置にある端点とは異なる方の端点の位置が基準位置BPに隣接する撮像位置73に定められる。このようにして基準位置BPに隣接する撮像位置73が決定された後、同様にして、当該撮像位置73に隣接する(基準位置BPとは反対側に隣接する)撮像位置が決定される。以上のような処理が繰り返される。その際、互いに隣接する2つの撮像位置における有効視野領域の重なり部分の大きさは一定(ウェルWの中心WCと互いに隣接する2つの撮像位置とをそれぞれ結ぶ2つの線分のなす角度は一定)にされる。このようにして、図23に示すように、ウェル周縁領域に配置されるべき全ての撮像位置が決定される。なお、図24に示すようにウェルWのエッジ部WEよりも外側に撮像位置が配置される場合もある。
以上のように、本実施形態においては、まず、試料収納部としてのウェルWの壁面に沿って複数の撮像位置が配置されるよう、ウェル周縁領域(第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき領域)における複数の撮像位置の配置が決定される。
<5.2.2 ウェル中央領域での撮像位置の決定>
その後、ウェル中央領域(ウェル周縁領域以外の領域)での撮像位置(通常、複数の撮像位置)が決定される(ステップS240)。このステップS240では、ウェル周縁領域での撮像位置に基づく有効視野領域以外の領域がウェル中央領域での撮像位置に基づく有効視野領域として効率的に埋められるよう、撮像位置が決定される。本実施形態においては、具体的には、撮像装置1による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように撮像位置が決定される。これについて、図25および図26を参照しつつ説明する。
その後、ウェル中央領域(ウェル周縁領域以外の領域)での撮像位置(通常、複数の撮像位置)が決定される(ステップS240)。このステップS240では、ウェル周縁領域での撮像位置に基づく有効視野領域以外の領域がウェル中央領域での撮像位置に基づく有効視野領域として効率的に埋められるよう、撮像位置が決定される。本実施形態においては、具体的には、撮像装置1による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように撮像位置が決定される。これについて、図25および図26を参照しつつ説明する。
図25および図26には、一部の領域における撮像配置の例を示している。図25では、ウェル周辺領域の撮像位置を符号P31,P32で示し、ウェル中央領域の撮像位置を符号P41〜P44で示している。図26では、ウェル周辺領域の撮像位置を符号P51,P52で示し、ウェル中央領域の撮像位置を符号P61〜P64で示している。なお、図25および図26では、それぞれの撮像位置における有効視野領域の外縁を太線で表している。仮に一部の領域における撮像配置が図25に示すようなものであれば、当該領域の撮像画像を得るために、主走査方向に撮像部13を1往復させる必要がある。すなわち、ウェル周辺領域の撮像位置の走査とウェル中央領域の撮像位置の走査とが別の走査となる。これに対して、一部の領域における撮像配置が図26に示すようなものであれば、主走査方向に撮像部13を片道分だけ移動させれば(すなわち1回の走査で)当該領域の撮像画像を得ることができる。このように、複数の撮像位置の配置のしかたが撮像の効率性に影響を及ぼすことが把握される。そこで、上述したように、本実施形態においては、撮像装置1による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように、ウェル中央領域での撮像位置が決定される。
以上のようにして、ウェル周縁領域およびウェル中央領域のそれぞれにおける撮像位置が決定される。これにより、例えば図9に示したように、撮像配置が決定される。なお、本実施形態においては、上記ステップS210によって有効視野領域決定ステップが実現され、上記ステップS220,S230によって第1の撮像配置決定ステップが実現され、上記ステップS240によって第2の撮像配置決定ステップが実現されている。また、上記ステップS220によって基準位置決定ステップが実現され、上記ステップS230によって撮像位置順次決定ステップが実現されている(図12参照)。
<6.効果>
本実施形態によれば、照明光学系としてメニスカスの影響を受ける領域の撮像に適した第1の照明光学系100とメニスカスの影響を受けない領域の撮像に適した第2の照明光学系110とが設けられた撮像装置1による撮像が行われる際、各照明光学系を使用した場合の有効視野領域が定められた後、ウェルWのエッジ部(壁面)WEに沿って複数の撮像位置が配置されるよう、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定される。エッジ部WEに沿った複数の撮像位置の配置を考えるとき、エッジ部近傍の1つの撮像位置(上記基準位置BP)が定まると、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき全ての撮像位置について、エッジ部WEからの距離が定まる。また、互いに隣接する2つの撮像位置の間の距離は有効視野領域を考慮して決定すれば良い。以上より、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置を比較的容易に決定することができる。また、第2の照明光学系110を使用した撮像が行われるべき撮像位置の配置を考える時には、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置に基づく有効視野領域が既に定まっている。このため、残りの領域の広さと第2の照明光学系110を使用した場合の有効視野領域の広さとを考慮して、第2の照明光学系110を使用した撮像が行われるべき撮像位置の配置を比較的容易に決定することができる。
本実施形態によれば、照明光学系としてメニスカスの影響を受ける領域の撮像に適した第1の照明光学系100とメニスカスの影響を受けない領域の撮像に適した第2の照明光学系110とが設けられた撮像装置1による撮像が行われる際、各照明光学系を使用した場合の有効視野領域が定められた後、ウェルWのエッジ部(壁面)WEに沿って複数の撮像位置が配置されるよう、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定される。エッジ部WEに沿った複数の撮像位置の配置を考えるとき、エッジ部近傍の1つの撮像位置(上記基準位置BP)が定まると、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき全ての撮像位置について、エッジ部WEからの距離が定まる。また、互いに隣接する2つの撮像位置の間の距離は有効視野領域を考慮して決定すれば良い。以上より、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置を比較的容易に決定することができる。また、第2の照明光学系110を使用した撮像が行われるべき撮像位置の配置を考える時には、第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置に基づく有効視野領域が既に定まっている。このため、残りの領域の広さと第2の照明光学系110を使用した場合の有効視野領域の広さとを考慮して、第2の照明光学系110を使用した撮像が行われるべき撮像位置の配置を比較的容易に決定することができる。
また、第2の照明光学系110を使用した撮像が行われるべき撮像位置は、撮像装置1による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように決定される。このため、効率的な撮像が行われる。さらに、各照明光学系を使用した場合の有効視野領域が試料容器の種類や培養条件を考慮して定められるので、より効率的に複数の撮像位置を配置させることが可能になるとともに、複数の撮像画像の合成によって得られる全体画像中に明るさが不充分な領域が生じることが抑制される。
以上のように、本実施形態によれば、2つの照明光学系を有する撮像装置での撮像に関し、好品質の画像を効率的に得ることのできる撮像配置を容易に決定することができる。
<7.変形例>
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
<7.1 ウェル中央領域での撮像位置の決定に関する変形例>
上記実施形態においては、撮像装置1による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように、ウェル中央領域での撮像位置が決定されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、撮像枚数が最小となるように(すなわち、撮像位置の数が最小となるように)ウェル中央領域での撮像位置が決定されても良い。これにより、資源が有効に活用される。
上記実施形態においては、撮像装置1による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように、ウェル中央領域での撮像位置が決定されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、撮像枚数が最小となるように(すなわち、撮像位置の数が最小となるように)ウェル中央領域での撮像位置が決定されても良い。これにより、資源が有効に活用される。
<7.2 ウェル周縁領域での撮像位置の決定に関する変形例>
上記実施形態においては、ウェル周縁領域での撮像位置に着目すると、互いに隣接する2つの撮像位置における有効視野領域の重なり部分の大きさは一定(ウェルWの中心WCと互いに隣接する2つの撮像位置とをそれぞれ結ぶ2つの線分のなす角度は一定)となっていた。この場合、撮像のための走査回数を少なくするためにウェル中央領域での撮像位置のX座標をウェル周辺領域での撮像位置のX座標に合わせると、図27に示すように、主走査方向に対して垂直な方向(副走査方向)について、ウェルWの中心WCからエッジ部WEに近づくにつれて撮像位置の間隔が狭くなる。このように撮像位置の間隔が密になる領域が生じると、かえって撮像配置が非効率となることもある。
上記実施形態においては、ウェル周縁領域での撮像位置に着目すると、互いに隣接する2つの撮像位置における有効視野領域の重なり部分の大きさは一定(ウェルWの中心WCと互いに隣接する2つの撮像位置とをそれぞれ結ぶ2つの線分のなす角度は一定)となっていた。この場合、撮像のための走査回数を少なくするためにウェル中央領域での撮像位置のX座標をウェル周辺領域での撮像位置のX座標に合わせると、図27に示すように、主走査方向に対して垂直な方向(副走査方向)について、ウェルWの中心WCからエッジ部WEに近づくにつれて撮像位置の間隔が狭くなる。このように撮像位置の間隔が密になる領域が生じると、かえって撮像配置が非効率となることもある。
そこで、仮にウェルWの中心WCのX座標を0としたとき、図28に示すように、撮像位置のX座標の絶対値が大きくなるほどウェルWの中心WCと互いに隣接する2つの撮像位置とをそれぞれ結ぶ2つの線分のなす角度を大きくするようにしても良い。図28において、K1〜K3は角度を表しており、「K1>K2>K3」が成立している。このように、撮像装置1による撮像が行われる際の主走査方向に対して垂直な方向についての撮像間隔が等間隔に近づくように第1の照明光学系100を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の微調整を行うことにより、ウェル中央領域において効率的に複数の撮像位置が配置される。
<7.3 有効視野領域の決定に関する変形例>
上記実施形態においては、有効視野領域を決定する際、試料容器の種類および培地Mとしての液体の量が考慮されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。有効視野領域を決定する際、例えば、試料容器の表面加工の状態、試料容器の材質(材質によって反射率が異なる)、培養液(培地)の物性(例えば、粘度、透過率)などを考慮するようにしても良い。
上記実施形態においては、有効視野領域を決定する際、試料容器の種類および培地Mとしての液体の量が考慮されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。有効視野領域を決定する際、例えば、試料容器の表面加工の状態、試料容器の材質(材質によって反射率が異なる)、培養液(培地)の物性(例えば、粘度、透過率)などを考慮するようにしても良い。
<7.4 撮像装置の構成に関する変形例>
撮像装置1による撮像が行われる際には、オペレータによってホルダ12上の所定の位置に試料容器(上記実施形態ではウェルプレートWP)がセットされる。ところが、試料容器の設計誤差や試料容器をセットする際の位置ずれなどに起因して、所望の撮像画像が得られないことがある。従って、そのような設計誤差や位置ずれがあっても所望の撮像画像が得られるよう、撮像に際してアライメント処理が行われるようにしても良い。そこで、本変形例では、撮像装置1の制御部14内にアライメント処理部(撮像位置調整部)が設けられる。
撮像装置1による撮像が行われる際には、オペレータによってホルダ12上の所定の位置に試料容器(上記実施形態ではウェルプレートWP)がセットされる。ところが、試料容器の設計誤差や試料容器をセットする際の位置ずれなどに起因して、所望の撮像画像が得られないことがある。従って、そのような設計誤差や位置ずれがあっても所望の撮像画像が得られるよう、撮像に際してアライメント処理が行われるようにしても良い。そこで、本変形例では、撮像装置1の制御部14内にアライメント処理部(撮像位置調整部)が設けられる。
例えば、本来的には図29に示すようにウェルプレートWPがホルダ12にセットされるべきであるにも関わらず、図30に示すようにウェルプレートWPが平面視で傾いた状態でホルダ12にセットされたと仮定する。このような場合、ウェルプレートWP内のいくつかのウェルWの中心位置に基づいて、各ウェルWについて現在の位置と本来的な位置とのズレを求めることができる。このようにして求められたズレに基づいて、アライメント処理部は、走査移動レシピに基づく撮像位置を補正し、実際に撮像が行われる際の撮像位置を求める。このような処理が行われることにより、試料容器の設計誤差や試料容器をセットする際の位置ずれに関わらず所望の撮像画像が得られる。また、位置ずれがあったときにウェルプレートWPのセットのやり直しが行われると、細胞等にダメージを及ぼすおそれがある。この点、上述のようなアライメント処理が行われる構成が採用されると、ウェルプレートWPのセットのやり直しが不要となるので、細胞等にダメージを及ぼすことなく所望の撮像画像を得ることが可能となる。
1…撮像装置
10…照明部
12…ホルダ
13…撮像部
14…制御部
15…駆動機構
100…第1の照明光学系
110…第2の照明光学系
W…ウェル
Wb…ウェル底面
WE…ウェルのエッジ部
WP…ウェルプレート
WR…ウェル辺縁部
10…照明部
12…ホルダ
13…撮像部
14…制御部
15…駆動機構
100…第1の照明光学系
110…第2の照明光学系
W…ウェル
Wb…ウェル底面
WE…ウェルのエッジ部
WP…ウェルプレート
WR…ウェル辺縁部
Claims (13)
- 第1の照明光学系および第2の照明光学系を有し、1以上の試料収納部を有する試料容器の種類と撮像位置とに応じて前記第1の照明光学系と前記第2の照明光学系との間で使用する照明光学系を切り替えつつ撮像を行う撮像装置における複数の撮像位置の配置を決定する撮像配置決定方法であって、
前記撮像装置による撮像が行われる際の有効視野領域を決定する有効視野領域決定ステップと、
前記試料収納部の壁面に沿って、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置を配置する第1の撮像配置決定ステップと、
前記試料収納部内の任意の位置が全ての撮像位置のうちの少なくとも1つでの撮像によって得られる有効視野領域に含まれるよう、前記第1の撮像配置決定ステップで決定された複数の撮像位置での撮像によって得られる有効視野領域以外の領域に、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置を配置する第2の撮像配置決定ステップと
を含むことを特徴とする、撮像配置決定方法。 - 前記有効視野領域決定ステップでは、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われる際の有効視野領域と、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われる際の有効視野領域とが決定され、
前記第1の撮像配置決定ステップでは、前記試料収納部の壁面に沿って互いに隣接する2つの撮像位置での撮像によって得られるそれぞれの有効視野領域の一部が互いに重なるよう、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定され、
前記第2の撮像配置決定ステップでは、前記第1の撮像配置決定ステップで決定された複数の撮像位置での撮像によって得られる有効視野領域以外の領域において互いに隣接する2つの撮像位置での撮像によって得られるそれぞれの有効視野領域の一部が互いに重なるよう、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定されることを特徴とする、請求項1に記載の撮像配置決定方法。 - 前記試料収納部の底面の形状は円形であって、
前記第1の撮像配置決定ステップは、
前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置のうちの任意の1つである基準位置を決定する基準位置決定ステップと、
前記試料収納部の中心と前記基準位置とを結ぶ線分を前記試料収納部の中心を回転中心として所定角度ずつ回転させ、回転の都度、回転後の線分の2つの端点のうち前記試料収納部の中心の位置にある端点とは異なる方の端点の位置を前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき撮像位置に定める撮像位置順次決定ステップと
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の撮像配置決定方法。 - 前記基準位置決定ステップでは、撮像位置を少しずつ動かしながら前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われ、前記試料収納部の壁面の位置での明るさが前記試料収納部の中心で前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われたときの前記試料収納部の中心での明るさとほぼ同じになる撮像位置が前記基準位置に定められることを特徴とする、請求項3に記載の撮像配置決定方法。
- 前記第2の撮像配置決定ステップでは、前記撮像装置による全ての撮像位置での撮像に要する走査回数が最小となるように、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法。
- 前記第2の撮像配置決定ステップでは、前記撮像装置による撮像回数が最小となるように、前記第2の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の配置が決定されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法。
- 前記第1の撮像配置決定ステップでは、前記撮像装置による撮像が行われる際の主走査方向に対して垂直な方向についての撮像間隔が等間隔に近づくように、前記第1の照明光学系を使用した撮像が行われるべき複数の撮像位置の微調整が行われることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法。
- 前記有効視野領域決定ステップでは、前記試料容器の種類および前記試料収納部に注入される撮像対象物の培養条件を考慮して有効視野領域が決定されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法。
- 前記試料収納部の底面への主光線の入射状態が、前記第1の照明光学系と前記第2の照明光学系とで異なることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の撮像配置決定方法。
- 前記第1の照明光学系は、主光線が平行な状態で前記試料収納部の底面に入射するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記第2の照明光学系は、前記試料収納部の底面に入射する主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記撮像装置は、主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有する光を受光するように構成された撮像光学系を含むことを特徴とする、請求項9に記載の撮像配置決定方法。 - 底面が光透過性を有する試料収納部に液体と共に保持された撮像対象物を撮像する撮像装置であって、
1以上の前記試料収納部を有する試料容器を保持する容器保持部と、
前記試料収納部に保持された撮像対象物に光を照射する照明部と、
前記試料収納部に保持された撮像対象物の撮像を行う撮像部と、
撮像位置に応じて前記撮像部と前記照明部とを一体的に移動させる駆動部と、
前記照明部、前記撮像部、および前記駆動部の動作を制御する制御部と
を備え、
前記照明部は、前記試料収納部の底面への主光線の入射状態が互いに異なる第1の照明光学系および第2の照明光学系からなり、
前記制御部は、
前記試料収納部の壁面に沿って配置された複数の撮像位置である第1の撮像位置群および当該第1の撮像位置群での撮像によって得られる有効視野領域以外の領域に配置された複数の撮像位置である第2の撮像位置群で撮像が行われるよう前記撮像部および前記駆動部を制御するとともに、
前記第1の撮像位置群に含まれる撮像位置で撮像が行われる際には前記第1の照明光学系から光が出射されるよう、かつ、前記第2の撮像位置群に含まれる撮像位置で撮像が行われる際には前記第2の照明光学系から光が出射されるよう、前記照明部を制御することを特徴とする、撮像装置。 - 前記制御部は、外部から指示された撮像位置を前記容器保持部上における前記試料容器の位置および向きに応じて補正して前記撮像部により実際に撮像が行われる際の撮像位置を求める撮像位置調整部を含むことを特徴とする、請求項11に記載の撮像装置。
- 前記第1の照明光学系は、主光線が平行な状態で前記試料収納部の底面に入射するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記第2の照明光学系は、前記試料収納部の底面に入射する主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有するよう、前記試料収納部に向けて光を出射し、
前記撮像部は、主光線が光軸から遠ざかる方向の成分を有する光を受光するように構成された撮像光学系を含むことを特徴とする、請求項11または12に記載の撮像装置。
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