JP2004003851A - 蓄熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】出熱運転時には常に所定温度の蒸気を得ることができる蓄熱装置を提供する。
【解決手段】蓄熱装置11は蓄熱槽と熱交換器13とを備えている。蓄熱槽内には該蓄熱槽内の蓄熱材を加熱するヒータと、内部を通過する一次側熱媒体を加熱して過熱蒸気とする一次側伝熱管とを備えた。また、蓄熱装置11には一次側伝熱管へ一次側熱媒体を供給する一次側循環ポンプ26と、熱交換器13内の圧力を検出する圧力センサ72と、圧力センサ72によって検出された熱交換器13内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれるように一次側循環ポンプ26を制御する制御装置15とを備えた。そして、一次側伝熱管及び熱交換器13へそれぞれ一次側熱媒体を供給するために吐出側で分岐し該分岐先がそれぞれ一次側伝熱管及び熱交換器13へ接続された接続管25a上に一次側循環ポンプ26を設けた。
【選択図】 図5
【解決手段】蓄熱装置11は蓄熱槽と熱交換器13とを備えている。蓄熱槽内には該蓄熱槽内の蓄熱材を加熱するヒータと、内部を通過する一次側熱媒体を加熱して過熱蒸気とする一次側伝熱管とを備えた。また、蓄熱装置11には一次側伝熱管へ一次側熱媒体を供給する一次側循環ポンプ26と、熱交換器13内の圧力を検出する圧力センサ72と、圧力センサ72によって検出された熱交換器13内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれるように一次側循環ポンプ26を制御する制御装置15とを備えた。そして、一次側伝熱管及び熱交換器13へそれぞれ一次側熱媒体を供給するために吐出側で分岐し該分岐先がそれぞれ一次側伝熱管及び熱交換器13へ接続された接続管25a上に一次側循環ポンプ26を設けた。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱槽内を循環させて加熱した一次側熱媒体と二次側熱媒体との間で熱交換を行う蓄熱装置及びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の蓄熱装置としては、次のようなものが知られている。即ち、図8に示すように、蓄熱装置51の出熱運転時、一次側循環ポンプ53の駆動により熱交換器52内の一次側循環水が蓄熱槽54内へ供給される。蓄熱槽54内で発生した蒸気は熱交換器52内に導かれ、二次側循環水との間で熱交換が行われることにより復水する。加熱された二次側循環水(温水)は浴槽等へ供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の蓄熱装置においては、一次側循環水の循環経路は閉ループとなっている。このため、出熱運転時、一次側循環ポンプ53の駆動により熱交換器52内の圧力が負圧(例えばゲージ圧で−0.5kgf/cm^2程度)になる。尚、記号^はべき乗を示す。熱交換器内の蒸気温度は同熱交換器内の圧力により決定されることから、出熱運転時、熱交換器52内の蒸気温度は80℃程度となる。そして、二次側循環水は熱損失を考慮すると60℃程度まで昇温させるのが精一杯であった。従って、負荷側で例えば80℃以上の温水が必要になった場合、これを負荷側へ供給することができないという問題があった。
【0004】
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、出熱運転時には常に所定温度の蒸気を得ることができる蓄熱装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、蓄熱槽と熱交換器とを備え、該蓄熱槽内で加熱されて得られた過熱蒸気によって熱交換器内の熱媒体を加熱して飽和蒸気を発生する蓄熱装置であって、前記蓄熱槽内には、当該蓄熱槽内に充填された蓄熱材を加熱するヒータと、内部に熱媒体が流通される伝熱管とを備え、前記伝熱管へ熱媒体を供給する循環ポンプと、前記熱交換器内の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサによって検出された前記熱交換器内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれるように前記循環ポンプを制御する制御装置とを備えたことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蓄熱装置において、前記循環ポンプは、前記伝熱管及び前記熱交換器へ熱媒体を供給するために吐出側で分岐し、該分岐先がそれぞれ前記伝熱管及び前記熱交換器へ接続された接続管上に設けられていることを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の蓄熱装置において、前記熱交換器内でのオーバーフロー分の熱媒体を排出する排出経路を備えたことを要旨とする。
【0008】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、前記圧力センサによって検出された前記熱交換器内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれるように前記循環ポンプは制御される。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の蓄熱装置の作用に加えて、前記循環ポンプの駆動により、接続管内を流れる熱媒体は循環ポンプの吐出側で分岐し、前記伝熱管及び前記熱交換器へそれぞれ供給される。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の蓄熱装置の作用に加えて、前記熱交換器内でのオーバーフロー分の熱媒体は排出経路を介して排出される。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を蓄熱装置に具体化した第1実施形態を図1に従って説明する。
【0012】
図1に示すように、蓄熱装置11は蓄熱槽12、熱交換器13、貯留容器14及び制御装置15を備えている。貯留容器14は上部が開口されていると共に所定量の一次側循環水が貯留されている。
【0013】
(蓄熱槽)
前記蓄熱槽12のケース21内にはマグネシア及び硝酸塩を主成分とする蓄熱材22が充填されている。蓄熱材22内には内部に一次側循環水が流通される一次側伝熱管23及び蓄熱材22を加熱するヒータ24が配設されている。一次側伝熱管23及びヒータ24の両端はそれぞれケース21の上壁を貫通して外部に導出されている。
【0014】
一次側伝熱管23の両端はそれぞれ接続管25a, 25bを介して後述の熱交換器13を構成する熱交換容器31の一次側入口、及び貯留容器14の一次側出口に接続されている。通常、熱交換容器31の一次側入口は同熱交換容器31の上部に、また、貯留容器14の一次側出口は同貯留容器14の下部に設けられる。接続管25a上には一次側循環ポンプ26が配設されている。接続管25aの一次側循環ポンプ26吐出側と接続管25bの途中との間にはバイパス管27が接続されている。このバイパス管27上には流量調整弁28が配設されている。
【0015】
(熱交換器)
前記熱交換器13は密閉された熱交換容器31、及び同熱交換容器31内に配設された二次側伝熱管32を備えている。二次側伝熱管32の両端は熱交換容器31の上壁を貫通して外部に導出されており、それぞれ接続管33a, 33bを介して二次側熱媒体としての水道水等の水源からの水管路及び浴槽又は貯湯槽に、あるいは共に暖房用エバポレータ等の循環水管路に接続されている。接続管33b上には二次側熱媒体の出口側温度を検出する温度センサ34が設けられている。熱交換容器31下部の一次側出口には導出管35の一端が接続されており、同導出管35の他端は貯留容器14の上部開口部から内部に導入されている。
【0016】
(制御装置)
CPU等からなる制御装置15の入力側には温度センサ34が接続されている。制御装置15の出力側には一次側循環ポンプ26が接続されている。制御装置15は温度センサ34にて検出された二次側熱媒体の出口側温度に基づいて一次側循環ポンプ26を駆動及び停止制御する。
【0017】
尚、一次側循環水は一次側熱媒体を構成する。
(実施形態の作用)
次に、前述のように構成した蓄熱装置の作用について説明する。尚、蓄熱槽には予め充分な熱量が蓄熱されている。
【0018】
出熱運転時、制御装置15は一次側循環ポンプ26を駆動させる。すると、貯留容器14内の一次側循環水は、図1に矢印で示す経路1及び経路2を循環する。経路1において、貯留容器14内の一次側循環水は、接続管25a→一次側循環ポンプ26→一次側伝熱管23→接続管25b→熱交換容器31→導出管35→貯留容器14の順に流れる。経路2において、貯留容器14内の一次側循環水は、接続管25a→一次側循環ポンプ26→バイパス管27→流量調整弁28→接続管25b→熱交換容器31→導出管35→貯留容器14の順に流れる。尚、経路1及び経路2の循環水量は流量調整弁28により予め一定量に調整されている。
【0019】
一次側循環水は一次側伝熱管23内を通過する際、蓄熱材22の熱が一次側伝熱管23の管壁を介して伝達されることにより加熱され過熱蒸気となって接続管25b内に流入する。この過熱蒸気はバイパス管27からの一次側循環水(経路2を流れる一次側循環水)と混合されて飽和蒸気になった後、熱交換容器31内にて熱交換により凝縮して水となり、導出管35を介して貯留容器14内に流入する。そして、再び経路1及び経路2を循環する。
【0020】
一方、二次側熱媒体(冷水)は二次側伝熱管32内を通過する際、熱交換容器31内に供給された飽和蒸気の熱が二次側伝熱管32の管壁を介して伝達されることにより加熱される。そして、温度センサ34にて検出された二次側熱媒体の出口側温度が予め設定された上限温度(例えば60℃)に達すると、前記制御装置15は一次側循環ポンプ26を停止させる。一次側循環水は蓄熱槽12内に供給されないため加熱されず、熱交換容器31内に飽和蒸気となって噴出することはない。このため、二次側熱媒体の過加熱が防止される。前記所定温度に加熱された二次側熱媒体(温水)は浴槽、貯湯槽あるいは暖房用エバポレータ等へ供給される。
【0021】
このように、蓄熱装置11の出熱運転時、熱交換容器31内の一次側循環水は大気開放された貯留容器14内に一旦供給される。即ち、従来と異なり、一次側循環水の循環経路は密閉された閉ループではなく少なくとも循環経路の一箇所において大気開放された開ループとなっている。このため、出熱運転時、一次側循環ポンプ26の駆動により熱交換容器31内の圧力が負圧になることはない。そして、熱交換器13の運転圧力(出熱運転時における熱交換容器31の内部圧力)は大気圧(ゲージ圧で0kgf/cm^2)程度に保たれることから、出熱運転時、熱交換容器31内の飽和蒸気温度は100℃程度となる。尚、本明細書において、記号^はべき乗を示す。
【0022】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・出熱運転時、熱交換器13内の一次側循環水を一旦大気に開放してから蓄熱槽12内に供給するようにした。即ち、予め一次側循環水が貯留されると共に大気開放された貯留容器14へ熱交換器13内の一次側循環水を供給することにより熱交換器13の運転圧力を大気圧程度に保つようにした。このため、出熱運転時、熱交換器13内の飽和蒸気温度は100℃程度となる。従って、若干の熱損失を考慮すると、100℃の飽和蒸気との熱交換により20℃程度の二次側熱媒体を80℃程度に加熱することができる。
【0023】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図2に従って説明する。本実施形態は前記蓄熱装置11の二次側の構成について前記第1実施形態と異なる。従って、前記第1実施形態と同一の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0024】
図2に示すように、前記熱交換容器31内には所定量の一次側循環水が貯留されている。この熱交換容器31の側壁下部には同熱交換容器31内の一次側循環水の水位レベルを検出する水位レベルセンサ41が設けられており、同じく側壁中程には同熱交換容器31内の圧力を検出する圧力センサ42が設けられている。前記導出管35上には電磁弁43が配設されている。
【0025】
前記制御装置15の入力側にはレベルセンサ41及び圧力センサ42が接続されている。制御装置15の出力側には電磁弁43が接続されている。制御装置15はレベルセンサ41にて検出された熱交換器13内の一次側循環水の水位レベルに基づいて電磁弁43を開閉制御する。また、制御装置15は圧力センサ42にて検出した熱交換器13内の圧力と温度センサ34にて検出した二次側熱媒体の温度とに基づいて一次側循環ポンプ26を駆動又は停止する。
【0026】
(水位レベル制御)
水位レベルセンサ41は、熱交換容器31内の一次側循環水の水位レベルが予め設定された水位レベルを越えたとき、これを検出し、水位レベル超過信号を制御装置15に出力する。すると、制御装置15は前記電磁弁43に対して開弁信号を出力し、電磁弁43は開弁する。熱交換容器31内の一次側循環水は貯留容器14内に供給され、同熱交換容器31内の一次循環水の水位レベルが低下する。そして、熱交換容器31内の一次側循環水の水位レベルが予め設定された水位レベルに戻ると、制御装置15は電磁弁43を閉弁する。
【0027】
これが繰り返されることにより、熱交換容器31内の一次側循環水の水位レベルが一定に保たれる。即ち、制御装置15は予め設定された一定量の一次側循環水が熱交換器13内に貯留されるように電磁弁43を開閉制御する。従って、熱交換容器31内において、二次側伝熱管32の水面からの露出面積(伝熱面積)がほぼ一定となり、熱出力が安定する。
【0028】
蓄熱装置11の出熱運転停止時、前記制御装置15は熱交換容器31内の一次側循環水を一定の水位レベルに保持した状態で、二次側熱媒体を循環させる。これにより、熱交換容器31内の一次側循環水と二次側熱媒体(冷水)との間で熱交換が行われ、一次側循環水が冷却される。そして、出熱運転時には、出熱運転停止時に冷却された一次側循環水が貯留容器14内に供給される。この結果、貯留容器14内の一次側循環水の温度上昇が緩和され、蒸発が抑制される。
【0029】
(圧力制御)
100℃以上の温水を負荷側へ供給する場合、制御装置は電磁弁43を閉じた状態で一次側循環ポンプ26を駆動させる。すると、熱交換容器31内には飽和蒸気が供給され、同熱交換容器31内の圧力が上昇すると共に同熱交換容器31内の飽和蒸気の温度が上昇する。制御装置15は温度センサ34にて検出された二次側熱媒体の出口側温度及び圧力センサ42にて検出された熱交換容器31内の圧力に基づいて一次側循環ポンプ26を駆動及び停止制御する。
【0030】
即ち、制御装置15は熱交換器13内の圧力が少なくとも大気圧以上の一定値になるように、且つ熱交換器13内の飽和蒸気温度が水の沸点以上になるように前記一次側循環ポンプ26を駆動又は停止させる。このようにすることで、例えば熱交換容器31内の圧力をゲージ圧で2kgf/cm^2(一定)とし、飽和蒸気温度を130℃程度とすることができる。従って、若干の熱損失を考慮しても、二次側熱媒体を100℃程度あるいはそれ以上に加熱することができる。
【0031】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・予め設定された一定量の一次側循環水が熱交換容器31内に貯留されるように電磁弁43が開閉制御され、この一次側循環水と加熱前の二次側熱媒体との間で予め熱交換を行うことにより熱交換容器31内の一次側循環水の温度を低下させるようにした。このため、出熱運転時、冷却された熱交換容器31内の一次側循環水が貯留容器14内に供給されることにより同貯留容器14内の一次側循環水の温度も低下する。従って、貯留容器14内の一次側循環水の蒸発を抑制することができる。
【0032】
・圧力センサ42を設け、同圧力センサ42にて検出した熱交換容器31内の圧力と温度センサ34にて検出した二次側熱媒体の温度とに基づいて一次側循環ポンプ26及び電磁弁43をそれぞれON/OFF制御するようにした。即ち、電磁弁43を閉じた状態で一次側循環ポンプ26を駆動して蒸気を熱交換容器31内に供給すれば、同熱交換容器31内の圧力が上昇すると共に飽和蒸気温度が上昇する。このため、熱交換容器31内の圧力を大気圧以上、例えば2kgf/cm^2に一定に保つことで、飽和蒸気温度を例えば130℃程度とすることができる。従って、若干の熱損失を考慮しても、130℃の飽和蒸気との熱交換により二次側熱媒体を100℃程度に加熱することができる。
【0033】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図3に従って説明する。
図3に示すように、二次側伝熱管32は螺旋状に形成されている。二次側伝熱管32の両端は熱交換容器31の側壁下部及び側壁上部を貫通して外部に導出されており、それぞれ接続管33a, 33bを介して二次側熱媒体としての水道水等の水源からの水管路及び浴槽又は貯湯槽に、あるいは共に暖房用エバポレータ等の循環水管路に接続されている。即ち、二次側熱媒体は熱交換容器31における一次側循環水の貯留部に直接的に導入される。
【0034】
このため、二次側熱媒体を熱交換容器31の蒸気層部分から導入する場合に比べて、熱交換容器31内の一次側循環水は効率よく冷却される。二次側熱媒体は二次側伝熱管32の熱交換容器31内における蒸気層部分を流れる間も加熱されるからである。そして、出熱運転時、より冷却された熱交換容器31内の一次側循環水が貯留容器14に供給されることによって、同貯留容器14内の一次側循環水の温度上昇がいっそう抑制される。従って、貯留容器14内の一次側循環水の蒸発をいっそう抑制することができる。
【0035】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図4に従って説明する。本実施形態は二次側伝熱管が一次側循環回路を構成する点で前記第3実施形態と異なる。
【0036】
図4に示すように、熱交換容器31内には所定量の二次側熱熱媒体(例えば純水)が貯留されており、同二次側熱媒体には螺旋状の二次側伝熱管32の全体が浸されている。二次側伝熱管32の上端部には前記接続管25bが接続されている。同じく下端部には前記導出管35の一端が接続されており、同導出管35の他端は貯留容器14の上部開口部から内部に導入されている。本実施形態では、バイパス管27、流量調整弁28及び電磁弁43はそれぞれ省略されている。
【0037】
熱交換容器31の下部には給水管61の一端が接続されており、同給水管61の他端は純水等の水源に接続されている。この給水管61上には電磁弁62が設けられている。熱交換容器31上部の二次側熱媒体貯留部には給湯管63が接続されている。また、熱交換容器31の上部には、同熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルを検出する水位レベルセンサ64、及び同熱交換容器31内の二次側熱媒体の温度を検出する温度センサ65がそれぞれ設けられている。
【0038】
制御装置15の入力側には、水位レベルセンサ64及び温度センサ65がそれぞれ接続されている。同じく出力側には、電磁弁62及び一次側循環ポンプ26が接続されている。
【0039】
制御装置15は水位レベルセンサ64により検出された熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルに基づいて電磁弁62を開閉制御する。電磁弁62が開弁されると、水道圧により水道水(軟水)、即ち二次側熱媒体が熱交換容器31内に供給される。また、制御装置15は温度センサ65により検出された熱交換容器31内の二次側熱媒体の温度に基づいて一次側循環ポンプ26を駆動又は停止する。
【0040】
(実施形態の作用)
次に、前述のように構成した蓄熱装置の作用について説明する。
出熱運転時、制御装置15は一次側循環ポンプ26を駆動させる。すると、貯留容器14内の一次側熱媒体は、接続管25a→一次側循環ポンプ26→蓄熱槽12→接続管25b→二次側伝熱管32→導出管35→貯留容器14の経路で流れる。
【0041】
一次側熱媒体は蓄熱槽12内を通過する際に加熱されて過熱蒸気となり、接続管25bを介して二次側伝熱管32内に流入する。この二次側伝熱管32内の過熱蒸気は熱交換容器31内において熱交換が行われることにより凝縮して水となり、導出管35を介して貯留容器14内に流入する。そして、再び前記経路を循環する。
【0042】
一方、熱交換容器31内の二次側熱媒体は、二次側伝熱管32内を流れる一次側熱媒体の熱が同二次側伝熱管32の管壁を介して伝達されることにより加熱される。二次側熱媒体の温度が予め設定された設定温度(例えば60℃)に達すると、制御装置15は一次側循環ポンプ26を停止させる。所定温度に加熱された二次側熱媒体は給湯管63を介して熱負荷へ供給される。
【0043】
従って、本実施形態によれば、一次側熱媒体の循環経路の一箇所を大気に開放したことにより、出熱運転時の二次側伝熱管32内の圧力は少なくとも大気圧程度となる。
【0044】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を図5に従って説明する。本実施形態は、蒸気を取り出すようにすると共に、蓄熱槽及び熱交換容器へそれぞれ供給する熱媒体の供給源を同じとした点において前記第4実施形態と異なる。
【0045】
図5に示すように、熱交換容器31内の蒸気層の容積は、所定量の蒸気を外部に取出可能となる程度に設定されている。熱交換容器31の蒸気層部分には蒸気供給管71が接続されていると共に、同熱交換容器31内の圧力を検出する圧力センサ72が設けられている。
【0046】
貯留容器14には給水管73を介して一次側熱媒体(本実施形態では純水)が供給されるようになっている。また、前記接続管25a上において、一次側循環ポンプ26の吐出側には分岐管74の一端が接続されており、同分岐管74の他端は熱交換容器31の下部に接続されている。分岐管74上には電磁弁75が設けられている。
【0047】
制御装置15の入力側には水位レベルセンサ64及び圧力センサ72が接続されており、同じく出力側には一次側循環ポンプ26及び電磁弁75が接続されている。制御装置15は水位レベルセンサ64により検出された熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルに基づいて電磁弁75を開閉制御する。また、制御装置15は圧力センサ72により検出された熱交換容器31内の圧力に基づいて一次側循環ポンプ26を駆動又は停止する。
【0048】
(実施形態の作用)
次に前述のように構成した蓄熱装置の作用を説明する。尚、熱交換容器31内には予め設定された所定量の二次側熱媒体が貯留されていると共に、電磁弁75は閉弁されている。
【0049】
熱交換容器31内の二次側熱媒体は、二次側伝熱管32内を流れる一次側熱媒体の熱が同二次側伝熱管32の管壁を介して伝達されることにより加熱される。二次側熱媒体の蒸発に伴って、熱交換容器31内の圧力が上昇すると共に同熱交換容器31内の飽和蒸気の温度が上昇する。熱交換容器31内の圧力が予め設定された上限圧力(本実施形態ではゲージ圧で5kgf/cm^2)に達すると、制御装置15は一次側循環ポンプ26を停止する。このとき、熱交換容器31内の飽和蒸気温度は150℃程度になっており、この飽和蒸気が蒸気供給管71を介して負荷側へ供給される。
【0050】
熱交換容器31内の蒸気が外部に取り出されて同熱交換容器31内の圧力が予め設定された下限圧力(本実施形態では、ゲージ圧で4kgf/cm^2)まで下降すると、制御装置15は再び一次側循環ポンプ26を駆動させる。すると、熱交換容器31内の二次側熱媒体が加熱されることにより蒸気が発生し、同熱交換容器31内の圧力が上昇する。そして、熱交換容器31内の圧力が再び前記上限圧力に達すると、制御装置15は一次側循環ポンプ26を停止させる。
【0051】
このように、一次側循環ポンプ26の駆動及び停止が繰り返されることにより、熱交換容器31内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれ、出熱運転時には常に所定温度の蒸気が得られる。
【0052】
蓄熱装置11の出熱運転に伴い、熱交換容器31内の二次側熱媒体は徐々に減少する。前記水位レベルセンサ64により検出された二次側熱媒体の水位レベルが予め設定された下限水位レベルまで下降すると、制御装置15は一次側循環ポンプ26を駆動させた状態で電磁弁75を開弁する。すると、貯留容器14内の一次側熱媒体は接続管25a及び分岐管74を介して熱交換容器31内へ供給される。二次側熱媒体の水位レベルが再び前記所定水位レベルに達すると、制御装置15は電磁弁75を閉弁する。
【0053】
このように、電磁弁75の開弁及び閉弁が繰り返されることにより、出熱運転時における熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルが一定に保たれる。出熱運転時、熱交換容器31内の圧力はゲージ圧で5kgf/cm^2程度まで上昇するものの、貯留容器14内の一次側熱媒体は一次側循環ポンプ26により強制的に熱交換容器31内へ供給される。このため、円滑な給水が行われる。尚、貯留容器14内の一次側熱媒体を二次側熱媒体としても使用することにより、同貯留容器14内の一次側熱媒体は不純物を含まない純水とされている。
【0054】
従って、本実施形態によれば、熱交換容器31内に所定容積の蒸気層を設け、同蒸気層に蒸気供給管71を接続したことにより、同蒸気層に滞留した蒸気を熱負荷へ供給することができる。また、一次側循環ポンプ26の吐出側と熱交換容器との間を分岐管74により接続し、貯留容器14内の一次側熱媒体を二次側熱媒体としても使用するようにした。このため、一次側熱媒体の蓄熱槽12への供給と二次側熱媒体の熱交換容器31内への供給とを、それぞれ単一の一次側循環ポンプ26により行うことができる。
【0055】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を図6に従って説明する。本実施形態は、蓄熱槽及び熱交換容器へそれぞれ供給する熱媒体の供給源を別々にした点で前記第5実施形態と異なる。
【0056】
図6に示すように、熱交換容器31の下部には給水管81の一端が接続されており、同給水管81の他端は水道等の水源に接続されている。この給水管81上には給水ポンプ82が設けられており、同給水ポンプ82の駆動により水道水、即ち二次側熱媒体が熱交換容器31内に供給される。出熱運転時、熱交換容器31内の圧力はゲージ圧で5kgf/cm^2程度まで上昇するものの、前記二次側熱媒体は給水ポンプ82により強制的熱交換容器31内へ供給される。このため、円滑な給水が行われる。
【0057】
従って、本実施形態によれば、一次側熱媒体及び二次側熱媒体の供給源を別々にした。即ち、一次側熱媒体は貯留容器14から供給し、二次側熱媒体は前記水源から供給するようにした。このため、例えば貯留容器14内の熱媒体を一次側熱媒体及び二次側熱媒体の両方として使用するようにした場合と異なり、何らかの原因で一次側伝熱管23が破損して同一次側伝熱管23内の熱媒体に蓄熱材(特に硝酸塩)が溶出しても、この硝酸塩が溶けた熱媒体が負荷側へ供給されることはない。また、熱媒体の供給源を別々にしたことで、各熱媒体の種類を用途等に応じて容易に使い分けることができる。例えば、消費量の多い二次側熱媒体には純水より生成原価の低い軟水を使用する等、適宜に選定可能となる。
【0058】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を図7に従って説明する。本実施形態は、蒸気及び温水の両方を取り出すようにした点で前記第6実施形態と異なる。
【0059】
図7に示すように、熱交換容器31の二次側熱媒体貯留部には給湯管91が接続されていると共に、温度センサ92が設けられている。この温度センサ92は熱交換容器31内の一次側熱媒体の温度を検出する。
【0060】
温水を使用する場合、熱交換容器31内の二次側熱媒体は、二次側伝熱管32内を流れる一次側熱媒体の熱が同二次側伝熱管32の管壁を介して伝達されることにより加熱される。予め設定された設定温度に達すると、この二次側熱媒体は給湯管91を介して熱負荷へ供給される。本実施形態では出湯時における熱交換容器31内の圧力は大気圧程度(ゲージ圧で0kgf/cm^2程度)に保たれる。
【0061】
蒸気を使用する場合、熱交換容器31内の圧力が予め設定された所定の圧力(ゲージ圧で5kgf/cm^2程度)まで昇圧される。熱交換容器31内の圧力上昇に伴って、同熱交換容器31内の飽和蒸気温度が上昇する。そして、所定温度(前記圧力時で150℃程度)に達した蒸気は蒸気供給管71を介して熱負荷へ供給される。このとき、熱交換容器31内の二次側熱媒体の温度は、前記飽和蒸気と同程度になっている。
【0062】
蒸気を使用した後、再び温水を使用する場合、まず、熱交換容器31内の圧力が大気圧程度まで降圧される。即ち、一次側循環ポンプ26を停止させた状態で、熱交換容器31の蒸気層に滞留している蒸気が図示しない蒸気排出経路を介して排出される。次に、給水ポンプ82が駆動され、加熱されていない二次側熱媒体(冷水)が熱交換容器31内へ供給される。尚、このときも熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルは予め設定された所定の水位レベルに保たれ、オーバーフロー分の二次側熱媒体は図示しない熱媒体排出経路を介して排出される。
【0063】
熱交換容器31内の二次側熱媒体の温度が所望の温度(例えば60℃)まで下降すると給水ポンプ82が停止され、この二次側熱媒体は給湯管91を介して熱負荷へ供給される。
【0064】
従って、本実施形態によれば、単一の熱交換容器31から温水及び蒸気の両方を取り出すことができる。
(別例)
尚、前記各実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
【0065】
・前記第2及び第3実施形態においては、加熱前の二次側熱媒体と熱交換容器31内の一次側循環水との間で熱交換させることにより、同熱交換容器31内の一次側循環水を冷却するようにした。そして、この冷却された熱交換容器31内の一次側循環水を貯留容器14に供給することにより同貯留容器14内の一次側循環水の温度上昇を抑制するようにしたが、貯留容器14内の一次側循環水を直接的に冷却するようにしてもよい。即ち、貯留容器14内に冷却用伝熱管(図示略)を別途配設すると共に同冷却用伝熱管内に冷却水を流し、この冷却水と貯留容器14内の一次側循環水との間で熱交換させるようにしてもよい。このようにすれば、いっそう効率的に貯留容器14内の一次側循環水を冷却することができる。
【0066】
・第4〜第7実施形態において、熱負荷側(二次側)で二次側熱媒体の循環回路を構成して二次側熱媒体を循環させるようにしてもよい。逆に、前記循環回路を構成することなく、使用された二次側熱媒体はそのまま排出するようにしてもよい。即ち、二次側熱媒体を循環させず、二次側熱媒体の消費量に応じて適宜新しい二次側熱媒体を補充する。
【0067】
・第4〜第7実施形態において、接続管25aの一次側循環ポンプ26吐出側と接続管25bの途中との間にバイパス管27を設け、同バイパス管27上に流量調整弁28を設けるようにしてもよい。このようにすれば、二次側伝熱管32内へ飽和蒸気を供給することができる。
【0068】
・第5及び第6実施形態においては熱交換器13から蒸気のみを取り出すようにしたが、次のようにしてもよい。即ち、熱交換器13とは別の熱交換器(図示略)を設ける。そして、この別の熱交換器内で蒸気供給管71から取り出した蒸気と、別の熱媒体(例えば水)との間で熱交換を行わせることにより、温水を得る。
【0069】
また、蒸気供給管71を途中で分岐させ、この分岐供給された蒸気と前記別の熱媒体とを前記別の熱交換器内で熱交換させることにより温水を得るようにしてもよい。蒸気は蒸気供給管71から取り出される。このようにすれば、蒸気と温水とを同時に取り出すことができる。
【0070】
・第1〜第7実施形態において、熱交換器13から取り出した温水又は蒸気を例えば食器洗浄装置及び医療器具洗浄装置に利用するようにしてもよい。即ち、前記温水又は蒸気をそれぞれ食器及び医療器具等を洗浄、滅菌、殺菌するために使用する。
【0071】
・第1〜第7実施形態においては、熱媒体として水道水(軟水)又は純水(イオン交換水)を使用したが、これら以外のものを熱媒体として使用してもよい。例えば、難燃性油、エチレングリコールを主成分としたもの、及びプロピレングリコールを主成分としたものが熱媒体として使用可能である。
【0072】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、熱交換容器内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれることにより、出熱運転時には常に所定温度の蒸気を得ることができる。
【0073】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、熱媒体の蓄熱槽への供給と熱交換器内への供給とをそれぞれ単一の循環ポンプにより行うことができる。
【0074】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、熱交換器内でのオーバーフロー分の熱媒体が排出経路を介して排出されることにより、熱交換器内の熱媒体は所定の水位レベルに保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における蓄熱装置の模式的な構成図。
【図2】第2実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図3】第3実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図4】第4実施形態における蓄熱装置の模式的な構成図。
【図5】第5実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図6】第6実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図7】第7実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図8】従来の蓄熱装置の模式的な構成図。
【符号の説明】
11…蓄熱装置、12…蓄熱槽、13…熱交換器、14…貯留容器、
15…制御装置、22…蓄熱材、23…一次側伝熱管(伝熱管)、24…ヒータ、25a…接続管、26…一次側循環ポンプ(循環ポンプ)、72…圧力センサ、74…分岐管。
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱槽内を循環させて加熱した一次側熱媒体と二次側熱媒体との間で熱交換を行う蓄熱装置及びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の蓄熱装置としては、次のようなものが知られている。即ち、図8に示すように、蓄熱装置51の出熱運転時、一次側循環ポンプ53の駆動により熱交換器52内の一次側循環水が蓄熱槽54内へ供給される。蓄熱槽54内で発生した蒸気は熱交換器52内に導かれ、二次側循環水との間で熱交換が行われることにより復水する。加熱された二次側循環水(温水)は浴槽等へ供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の蓄熱装置においては、一次側循環水の循環経路は閉ループとなっている。このため、出熱運転時、一次側循環ポンプ53の駆動により熱交換器52内の圧力が負圧(例えばゲージ圧で−0.5kgf/cm^2程度)になる。尚、記号^はべき乗を示す。熱交換器内の蒸気温度は同熱交換器内の圧力により決定されることから、出熱運転時、熱交換器52内の蒸気温度は80℃程度となる。そして、二次側循環水は熱損失を考慮すると60℃程度まで昇温させるのが精一杯であった。従って、負荷側で例えば80℃以上の温水が必要になった場合、これを負荷側へ供給することができないという問題があった。
【0004】
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、出熱運転時には常に所定温度の蒸気を得ることができる蓄熱装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、蓄熱槽と熱交換器とを備え、該蓄熱槽内で加熱されて得られた過熱蒸気によって熱交換器内の熱媒体を加熱して飽和蒸気を発生する蓄熱装置であって、前記蓄熱槽内には、当該蓄熱槽内に充填された蓄熱材を加熱するヒータと、内部に熱媒体が流通される伝熱管とを備え、前記伝熱管へ熱媒体を供給する循環ポンプと、前記熱交換器内の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサによって検出された前記熱交換器内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれるように前記循環ポンプを制御する制御装置とを備えたことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蓄熱装置において、前記循環ポンプは、前記伝熱管及び前記熱交換器へ熱媒体を供給するために吐出側で分岐し、該分岐先がそれぞれ前記伝熱管及び前記熱交換器へ接続された接続管上に設けられていることを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の蓄熱装置において、前記熱交換器内でのオーバーフロー分の熱媒体を排出する排出経路を備えたことを要旨とする。
【0008】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、前記圧力センサによって検出された前記熱交換器内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれるように前記循環ポンプは制御される。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の蓄熱装置の作用に加えて、前記循環ポンプの駆動により、接続管内を流れる熱媒体は循環ポンプの吐出側で分岐し、前記伝熱管及び前記熱交換器へそれぞれ供給される。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の蓄熱装置の作用に加えて、前記熱交換器内でのオーバーフロー分の熱媒体は排出経路を介して排出される。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を蓄熱装置に具体化した第1実施形態を図1に従って説明する。
【0012】
図1に示すように、蓄熱装置11は蓄熱槽12、熱交換器13、貯留容器14及び制御装置15を備えている。貯留容器14は上部が開口されていると共に所定量の一次側循環水が貯留されている。
【0013】
(蓄熱槽)
前記蓄熱槽12のケース21内にはマグネシア及び硝酸塩を主成分とする蓄熱材22が充填されている。蓄熱材22内には内部に一次側循環水が流通される一次側伝熱管23及び蓄熱材22を加熱するヒータ24が配設されている。一次側伝熱管23及びヒータ24の両端はそれぞれケース21の上壁を貫通して外部に導出されている。
【0014】
一次側伝熱管23の両端はそれぞれ接続管25a, 25bを介して後述の熱交換器13を構成する熱交換容器31の一次側入口、及び貯留容器14の一次側出口に接続されている。通常、熱交換容器31の一次側入口は同熱交換容器31の上部に、また、貯留容器14の一次側出口は同貯留容器14の下部に設けられる。接続管25a上には一次側循環ポンプ26が配設されている。接続管25aの一次側循環ポンプ26吐出側と接続管25bの途中との間にはバイパス管27が接続されている。このバイパス管27上には流量調整弁28が配設されている。
【0015】
(熱交換器)
前記熱交換器13は密閉された熱交換容器31、及び同熱交換容器31内に配設された二次側伝熱管32を備えている。二次側伝熱管32の両端は熱交換容器31の上壁を貫通して外部に導出されており、それぞれ接続管33a, 33bを介して二次側熱媒体としての水道水等の水源からの水管路及び浴槽又は貯湯槽に、あるいは共に暖房用エバポレータ等の循環水管路に接続されている。接続管33b上には二次側熱媒体の出口側温度を検出する温度センサ34が設けられている。熱交換容器31下部の一次側出口には導出管35の一端が接続されており、同導出管35の他端は貯留容器14の上部開口部から内部に導入されている。
【0016】
(制御装置)
CPU等からなる制御装置15の入力側には温度センサ34が接続されている。制御装置15の出力側には一次側循環ポンプ26が接続されている。制御装置15は温度センサ34にて検出された二次側熱媒体の出口側温度に基づいて一次側循環ポンプ26を駆動及び停止制御する。
【0017】
尚、一次側循環水は一次側熱媒体を構成する。
(実施形態の作用)
次に、前述のように構成した蓄熱装置の作用について説明する。尚、蓄熱槽には予め充分な熱量が蓄熱されている。
【0018】
出熱運転時、制御装置15は一次側循環ポンプ26を駆動させる。すると、貯留容器14内の一次側循環水は、図1に矢印で示す経路1及び経路2を循環する。経路1において、貯留容器14内の一次側循環水は、接続管25a→一次側循環ポンプ26→一次側伝熱管23→接続管25b→熱交換容器31→導出管35→貯留容器14の順に流れる。経路2において、貯留容器14内の一次側循環水は、接続管25a→一次側循環ポンプ26→バイパス管27→流量調整弁28→接続管25b→熱交換容器31→導出管35→貯留容器14の順に流れる。尚、経路1及び経路2の循環水量は流量調整弁28により予め一定量に調整されている。
【0019】
一次側循環水は一次側伝熱管23内を通過する際、蓄熱材22の熱が一次側伝熱管23の管壁を介して伝達されることにより加熱され過熱蒸気となって接続管25b内に流入する。この過熱蒸気はバイパス管27からの一次側循環水(経路2を流れる一次側循環水)と混合されて飽和蒸気になった後、熱交換容器31内にて熱交換により凝縮して水となり、導出管35を介して貯留容器14内に流入する。そして、再び経路1及び経路2を循環する。
【0020】
一方、二次側熱媒体(冷水)は二次側伝熱管32内を通過する際、熱交換容器31内に供給された飽和蒸気の熱が二次側伝熱管32の管壁を介して伝達されることにより加熱される。そして、温度センサ34にて検出された二次側熱媒体の出口側温度が予め設定された上限温度(例えば60℃)に達すると、前記制御装置15は一次側循環ポンプ26を停止させる。一次側循環水は蓄熱槽12内に供給されないため加熱されず、熱交換容器31内に飽和蒸気となって噴出することはない。このため、二次側熱媒体の過加熱が防止される。前記所定温度に加熱された二次側熱媒体(温水)は浴槽、貯湯槽あるいは暖房用エバポレータ等へ供給される。
【0021】
このように、蓄熱装置11の出熱運転時、熱交換容器31内の一次側循環水は大気開放された貯留容器14内に一旦供給される。即ち、従来と異なり、一次側循環水の循環経路は密閉された閉ループではなく少なくとも循環経路の一箇所において大気開放された開ループとなっている。このため、出熱運転時、一次側循環ポンプ26の駆動により熱交換容器31内の圧力が負圧になることはない。そして、熱交換器13の運転圧力(出熱運転時における熱交換容器31の内部圧力)は大気圧(ゲージ圧で0kgf/cm^2)程度に保たれることから、出熱運転時、熱交換容器31内の飽和蒸気温度は100℃程度となる。尚、本明細書において、記号^はべき乗を示す。
【0022】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・出熱運転時、熱交換器13内の一次側循環水を一旦大気に開放してから蓄熱槽12内に供給するようにした。即ち、予め一次側循環水が貯留されると共に大気開放された貯留容器14へ熱交換器13内の一次側循環水を供給することにより熱交換器13の運転圧力を大気圧程度に保つようにした。このため、出熱運転時、熱交換器13内の飽和蒸気温度は100℃程度となる。従って、若干の熱損失を考慮すると、100℃の飽和蒸気との熱交換により20℃程度の二次側熱媒体を80℃程度に加熱することができる。
【0023】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図2に従って説明する。本実施形態は前記蓄熱装置11の二次側の構成について前記第1実施形態と異なる。従って、前記第1実施形態と同一の部材構成については同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0024】
図2に示すように、前記熱交換容器31内には所定量の一次側循環水が貯留されている。この熱交換容器31の側壁下部には同熱交換容器31内の一次側循環水の水位レベルを検出する水位レベルセンサ41が設けられており、同じく側壁中程には同熱交換容器31内の圧力を検出する圧力センサ42が設けられている。前記導出管35上には電磁弁43が配設されている。
【0025】
前記制御装置15の入力側にはレベルセンサ41及び圧力センサ42が接続されている。制御装置15の出力側には電磁弁43が接続されている。制御装置15はレベルセンサ41にて検出された熱交換器13内の一次側循環水の水位レベルに基づいて電磁弁43を開閉制御する。また、制御装置15は圧力センサ42にて検出した熱交換器13内の圧力と温度センサ34にて検出した二次側熱媒体の温度とに基づいて一次側循環ポンプ26を駆動又は停止する。
【0026】
(水位レベル制御)
水位レベルセンサ41は、熱交換容器31内の一次側循環水の水位レベルが予め設定された水位レベルを越えたとき、これを検出し、水位レベル超過信号を制御装置15に出力する。すると、制御装置15は前記電磁弁43に対して開弁信号を出力し、電磁弁43は開弁する。熱交換容器31内の一次側循環水は貯留容器14内に供給され、同熱交換容器31内の一次循環水の水位レベルが低下する。そして、熱交換容器31内の一次側循環水の水位レベルが予め設定された水位レベルに戻ると、制御装置15は電磁弁43を閉弁する。
【0027】
これが繰り返されることにより、熱交換容器31内の一次側循環水の水位レベルが一定に保たれる。即ち、制御装置15は予め設定された一定量の一次側循環水が熱交換器13内に貯留されるように電磁弁43を開閉制御する。従って、熱交換容器31内において、二次側伝熱管32の水面からの露出面積(伝熱面積)がほぼ一定となり、熱出力が安定する。
【0028】
蓄熱装置11の出熱運転停止時、前記制御装置15は熱交換容器31内の一次側循環水を一定の水位レベルに保持した状態で、二次側熱媒体を循環させる。これにより、熱交換容器31内の一次側循環水と二次側熱媒体(冷水)との間で熱交換が行われ、一次側循環水が冷却される。そして、出熱運転時には、出熱運転停止時に冷却された一次側循環水が貯留容器14内に供給される。この結果、貯留容器14内の一次側循環水の温度上昇が緩和され、蒸発が抑制される。
【0029】
(圧力制御)
100℃以上の温水を負荷側へ供給する場合、制御装置は電磁弁43を閉じた状態で一次側循環ポンプ26を駆動させる。すると、熱交換容器31内には飽和蒸気が供給され、同熱交換容器31内の圧力が上昇すると共に同熱交換容器31内の飽和蒸気の温度が上昇する。制御装置15は温度センサ34にて検出された二次側熱媒体の出口側温度及び圧力センサ42にて検出された熱交換容器31内の圧力に基づいて一次側循環ポンプ26を駆動及び停止制御する。
【0030】
即ち、制御装置15は熱交換器13内の圧力が少なくとも大気圧以上の一定値になるように、且つ熱交換器13内の飽和蒸気温度が水の沸点以上になるように前記一次側循環ポンプ26を駆動又は停止させる。このようにすることで、例えば熱交換容器31内の圧力をゲージ圧で2kgf/cm^2(一定)とし、飽和蒸気温度を130℃程度とすることができる。従って、若干の熱損失を考慮しても、二次側熱媒体を100℃程度あるいはそれ以上に加熱することができる。
【0031】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・予め設定された一定量の一次側循環水が熱交換容器31内に貯留されるように電磁弁43が開閉制御され、この一次側循環水と加熱前の二次側熱媒体との間で予め熱交換を行うことにより熱交換容器31内の一次側循環水の温度を低下させるようにした。このため、出熱運転時、冷却された熱交換容器31内の一次側循環水が貯留容器14内に供給されることにより同貯留容器14内の一次側循環水の温度も低下する。従って、貯留容器14内の一次側循環水の蒸発を抑制することができる。
【0032】
・圧力センサ42を設け、同圧力センサ42にて検出した熱交換容器31内の圧力と温度センサ34にて検出した二次側熱媒体の温度とに基づいて一次側循環ポンプ26及び電磁弁43をそれぞれON/OFF制御するようにした。即ち、電磁弁43を閉じた状態で一次側循環ポンプ26を駆動して蒸気を熱交換容器31内に供給すれば、同熱交換容器31内の圧力が上昇すると共に飽和蒸気温度が上昇する。このため、熱交換容器31内の圧力を大気圧以上、例えば2kgf/cm^2に一定に保つことで、飽和蒸気温度を例えば130℃程度とすることができる。従って、若干の熱損失を考慮しても、130℃の飽和蒸気との熱交換により二次側熱媒体を100℃程度に加熱することができる。
【0033】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図3に従って説明する。
図3に示すように、二次側伝熱管32は螺旋状に形成されている。二次側伝熱管32の両端は熱交換容器31の側壁下部及び側壁上部を貫通して外部に導出されており、それぞれ接続管33a, 33bを介して二次側熱媒体としての水道水等の水源からの水管路及び浴槽又は貯湯槽に、あるいは共に暖房用エバポレータ等の循環水管路に接続されている。即ち、二次側熱媒体は熱交換容器31における一次側循環水の貯留部に直接的に導入される。
【0034】
このため、二次側熱媒体を熱交換容器31の蒸気層部分から導入する場合に比べて、熱交換容器31内の一次側循環水は効率よく冷却される。二次側熱媒体は二次側伝熱管32の熱交換容器31内における蒸気層部分を流れる間も加熱されるからである。そして、出熱運転時、より冷却された熱交換容器31内の一次側循環水が貯留容器14に供給されることによって、同貯留容器14内の一次側循環水の温度上昇がいっそう抑制される。従って、貯留容器14内の一次側循環水の蒸発をいっそう抑制することができる。
【0035】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図4に従って説明する。本実施形態は二次側伝熱管が一次側循環回路を構成する点で前記第3実施形態と異なる。
【0036】
図4に示すように、熱交換容器31内には所定量の二次側熱熱媒体(例えば純水)が貯留されており、同二次側熱媒体には螺旋状の二次側伝熱管32の全体が浸されている。二次側伝熱管32の上端部には前記接続管25bが接続されている。同じく下端部には前記導出管35の一端が接続されており、同導出管35の他端は貯留容器14の上部開口部から内部に導入されている。本実施形態では、バイパス管27、流量調整弁28及び電磁弁43はそれぞれ省略されている。
【0037】
熱交換容器31の下部には給水管61の一端が接続されており、同給水管61の他端は純水等の水源に接続されている。この給水管61上には電磁弁62が設けられている。熱交換容器31上部の二次側熱媒体貯留部には給湯管63が接続されている。また、熱交換容器31の上部には、同熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルを検出する水位レベルセンサ64、及び同熱交換容器31内の二次側熱媒体の温度を検出する温度センサ65がそれぞれ設けられている。
【0038】
制御装置15の入力側には、水位レベルセンサ64及び温度センサ65がそれぞれ接続されている。同じく出力側には、電磁弁62及び一次側循環ポンプ26が接続されている。
【0039】
制御装置15は水位レベルセンサ64により検出された熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルに基づいて電磁弁62を開閉制御する。電磁弁62が開弁されると、水道圧により水道水(軟水)、即ち二次側熱媒体が熱交換容器31内に供給される。また、制御装置15は温度センサ65により検出された熱交換容器31内の二次側熱媒体の温度に基づいて一次側循環ポンプ26を駆動又は停止する。
【0040】
(実施形態の作用)
次に、前述のように構成した蓄熱装置の作用について説明する。
出熱運転時、制御装置15は一次側循環ポンプ26を駆動させる。すると、貯留容器14内の一次側熱媒体は、接続管25a→一次側循環ポンプ26→蓄熱槽12→接続管25b→二次側伝熱管32→導出管35→貯留容器14の経路で流れる。
【0041】
一次側熱媒体は蓄熱槽12内を通過する際に加熱されて過熱蒸気となり、接続管25bを介して二次側伝熱管32内に流入する。この二次側伝熱管32内の過熱蒸気は熱交換容器31内において熱交換が行われることにより凝縮して水となり、導出管35を介して貯留容器14内に流入する。そして、再び前記経路を循環する。
【0042】
一方、熱交換容器31内の二次側熱媒体は、二次側伝熱管32内を流れる一次側熱媒体の熱が同二次側伝熱管32の管壁を介して伝達されることにより加熱される。二次側熱媒体の温度が予め設定された設定温度(例えば60℃)に達すると、制御装置15は一次側循環ポンプ26を停止させる。所定温度に加熱された二次側熱媒体は給湯管63を介して熱負荷へ供給される。
【0043】
従って、本実施形態によれば、一次側熱媒体の循環経路の一箇所を大気に開放したことにより、出熱運転時の二次側伝熱管32内の圧力は少なくとも大気圧程度となる。
【0044】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を図5に従って説明する。本実施形態は、蒸気を取り出すようにすると共に、蓄熱槽及び熱交換容器へそれぞれ供給する熱媒体の供給源を同じとした点において前記第4実施形態と異なる。
【0045】
図5に示すように、熱交換容器31内の蒸気層の容積は、所定量の蒸気を外部に取出可能となる程度に設定されている。熱交換容器31の蒸気層部分には蒸気供給管71が接続されていると共に、同熱交換容器31内の圧力を検出する圧力センサ72が設けられている。
【0046】
貯留容器14には給水管73を介して一次側熱媒体(本実施形態では純水)が供給されるようになっている。また、前記接続管25a上において、一次側循環ポンプ26の吐出側には分岐管74の一端が接続されており、同分岐管74の他端は熱交換容器31の下部に接続されている。分岐管74上には電磁弁75が設けられている。
【0047】
制御装置15の入力側には水位レベルセンサ64及び圧力センサ72が接続されており、同じく出力側には一次側循環ポンプ26及び電磁弁75が接続されている。制御装置15は水位レベルセンサ64により検出された熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルに基づいて電磁弁75を開閉制御する。また、制御装置15は圧力センサ72により検出された熱交換容器31内の圧力に基づいて一次側循環ポンプ26を駆動又は停止する。
【0048】
(実施形態の作用)
次に前述のように構成した蓄熱装置の作用を説明する。尚、熱交換容器31内には予め設定された所定量の二次側熱媒体が貯留されていると共に、電磁弁75は閉弁されている。
【0049】
熱交換容器31内の二次側熱媒体は、二次側伝熱管32内を流れる一次側熱媒体の熱が同二次側伝熱管32の管壁を介して伝達されることにより加熱される。二次側熱媒体の蒸発に伴って、熱交換容器31内の圧力が上昇すると共に同熱交換容器31内の飽和蒸気の温度が上昇する。熱交換容器31内の圧力が予め設定された上限圧力(本実施形態ではゲージ圧で5kgf/cm^2)に達すると、制御装置15は一次側循環ポンプ26を停止する。このとき、熱交換容器31内の飽和蒸気温度は150℃程度になっており、この飽和蒸気が蒸気供給管71を介して負荷側へ供給される。
【0050】
熱交換容器31内の蒸気が外部に取り出されて同熱交換容器31内の圧力が予め設定された下限圧力(本実施形態では、ゲージ圧で4kgf/cm^2)まで下降すると、制御装置15は再び一次側循環ポンプ26を駆動させる。すると、熱交換容器31内の二次側熱媒体が加熱されることにより蒸気が発生し、同熱交換容器31内の圧力が上昇する。そして、熱交換容器31内の圧力が再び前記上限圧力に達すると、制御装置15は一次側循環ポンプ26を停止させる。
【0051】
このように、一次側循環ポンプ26の駆動及び停止が繰り返されることにより、熱交換容器31内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれ、出熱運転時には常に所定温度の蒸気が得られる。
【0052】
蓄熱装置11の出熱運転に伴い、熱交換容器31内の二次側熱媒体は徐々に減少する。前記水位レベルセンサ64により検出された二次側熱媒体の水位レベルが予め設定された下限水位レベルまで下降すると、制御装置15は一次側循環ポンプ26を駆動させた状態で電磁弁75を開弁する。すると、貯留容器14内の一次側熱媒体は接続管25a及び分岐管74を介して熱交換容器31内へ供給される。二次側熱媒体の水位レベルが再び前記所定水位レベルに達すると、制御装置15は電磁弁75を閉弁する。
【0053】
このように、電磁弁75の開弁及び閉弁が繰り返されることにより、出熱運転時における熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルが一定に保たれる。出熱運転時、熱交換容器31内の圧力はゲージ圧で5kgf/cm^2程度まで上昇するものの、貯留容器14内の一次側熱媒体は一次側循環ポンプ26により強制的に熱交換容器31内へ供給される。このため、円滑な給水が行われる。尚、貯留容器14内の一次側熱媒体を二次側熱媒体としても使用することにより、同貯留容器14内の一次側熱媒体は不純物を含まない純水とされている。
【0054】
従って、本実施形態によれば、熱交換容器31内に所定容積の蒸気層を設け、同蒸気層に蒸気供給管71を接続したことにより、同蒸気層に滞留した蒸気を熱負荷へ供給することができる。また、一次側循環ポンプ26の吐出側と熱交換容器との間を分岐管74により接続し、貯留容器14内の一次側熱媒体を二次側熱媒体としても使用するようにした。このため、一次側熱媒体の蓄熱槽12への供給と二次側熱媒体の熱交換容器31内への供給とを、それぞれ単一の一次側循環ポンプ26により行うことができる。
【0055】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を図6に従って説明する。本実施形態は、蓄熱槽及び熱交換容器へそれぞれ供給する熱媒体の供給源を別々にした点で前記第5実施形態と異なる。
【0056】
図6に示すように、熱交換容器31の下部には給水管81の一端が接続されており、同給水管81の他端は水道等の水源に接続されている。この給水管81上には給水ポンプ82が設けられており、同給水ポンプ82の駆動により水道水、即ち二次側熱媒体が熱交換容器31内に供給される。出熱運転時、熱交換容器31内の圧力はゲージ圧で5kgf/cm^2程度まで上昇するものの、前記二次側熱媒体は給水ポンプ82により強制的熱交換容器31内へ供給される。このため、円滑な給水が行われる。
【0057】
従って、本実施形態によれば、一次側熱媒体及び二次側熱媒体の供給源を別々にした。即ち、一次側熱媒体は貯留容器14から供給し、二次側熱媒体は前記水源から供給するようにした。このため、例えば貯留容器14内の熱媒体を一次側熱媒体及び二次側熱媒体の両方として使用するようにした場合と異なり、何らかの原因で一次側伝熱管23が破損して同一次側伝熱管23内の熱媒体に蓄熱材(特に硝酸塩)が溶出しても、この硝酸塩が溶けた熱媒体が負荷側へ供給されることはない。また、熱媒体の供給源を別々にしたことで、各熱媒体の種類を用途等に応じて容易に使い分けることができる。例えば、消費量の多い二次側熱媒体には純水より生成原価の低い軟水を使用する等、適宜に選定可能となる。
【0058】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を図7に従って説明する。本実施形態は、蒸気及び温水の両方を取り出すようにした点で前記第6実施形態と異なる。
【0059】
図7に示すように、熱交換容器31の二次側熱媒体貯留部には給湯管91が接続されていると共に、温度センサ92が設けられている。この温度センサ92は熱交換容器31内の一次側熱媒体の温度を検出する。
【0060】
温水を使用する場合、熱交換容器31内の二次側熱媒体は、二次側伝熱管32内を流れる一次側熱媒体の熱が同二次側伝熱管32の管壁を介して伝達されることにより加熱される。予め設定された設定温度に達すると、この二次側熱媒体は給湯管91を介して熱負荷へ供給される。本実施形態では出湯時における熱交換容器31内の圧力は大気圧程度(ゲージ圧で0kgf/cm^2程度)に保たれる。
【0061】
蒸気を使用する場合、熱交換容器31内の圧力が予め設定された所定の圧力(ゲージ圧で5kgf/cm^2程度)まで昇圧される。熱交換容器31内の圧力上昇に伴って、同熱交換容器31内の飽和蒸気温度が上昇する。そして、所定温度(前記圧力時で150℃程度)に達した蒸気は蒸気供給管71を介して熱負荷へ供給される。このとき、熱交換容器31内の二次側熱媒体の温度は、前記飽和蒸気と同程度になっている。
【0062】
蒸気を使用した後、再び温水を使用する場合、まず、熱交換容器31内の圧力が大気圧程度まで降圧される。即ち、一次側循環ポンプ26を停止させた状態で、熱交換容器31の蒸気層に滞留している蒸気が図示しない蒸気排出経路を介して排出される。次に、給水ポンプ82が駆動され、加熱されていない二次側熱媒体(冷水)が熱交換容器31内へ供給される。尚、このときも熱交換容器31内の二次側熱媒体の水位レベルは予め設定された所定の水位レベルに保たれ、オーバーフロー分の二次側熱媒体は図示しない熱媒体排出経路を介して排出される。
【0063】
熱交換容器31内の二次側熱媒体の温度が所望の温度(例えば60℃)まで下降すると給水ポンプ82が停止され、この二次側熱媒体は給湯管91を介して熱負荷へ供給される。
【0064】
従って、本実施形態によれば、単一の熱交換容器31から温水及び蒸気の両方を取り出すことができる。
(別例)
尚、前記各実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
【0065】
・前記第2及び第3実施形態においては、加熱前の二次側熱媒体と熱交換容器31内の一次側循環水との間で熱交換させることにより、同熱交換容器31内の一次側循環水を冷却するようにした。そして、この冷却された熱交換容器31内の一次側循環水を貯留容器14に供給することにより同貯留容器14内の一次側循環水の温度上昇を抑制するようにしたが、貯留容器14内の一次側循環水を直接的に冷却するようにしてもよい。即ち、貯留容器14内に冷却用伝熱管(図示略)を別途配設すると共に同冷却用伝熱管内に冷却水を流し、この冷却水と貯留容器14内の一次側循環水との間で熱交換させるようにしてもよい。このようにすれば、いっそう効率的に貯留容器14内の一次側循環水を冷却することができる。
【0066】
・第4〜第7実施形態において、熱負荷側(二次側)で二次側熱媒体の循環回路を構成して二次側熱媒体を循環させるようにしてもよい。逆に、前記循環回路を構成することなく、使用された二次側熱媒体はそのまま排出するようにしてもよい。即ち、二次側熱媒体を循環させず、二次側熱媒体の消費量に応じて適宜新しい二次側熱媒体を補充する。
【0067】
・第4〜第7実施形態において、接続管25aの一次側循環ポンプ26吐出側と接続管25bの途中との間にバイパス管27を設け、同バイパス管27上に流量調整弁28を設けるようにしてもよい。このようにすれば、二次側伝熱管32内へ飽和蒸気を供給することができる。
【0068】
・第5及び第6実施形態においては熱交換器13から蒸気のみを取り出すようにしたが、次のようにしてもよい。即ち、熱交換器13とは別の熱交換器(図示略)を設ける。そして、この別の熱交換器内で蒸気供給管71から取り出した蒸気と、別の熱媒体(例えば水)との間で熱交換を行わせることにより、温水を得る。
【0069】
また、蒸気供給管71を途中で分岐させ、この分岐供給された蒸気と前記別の熱媒体とを前記別の熱交換器内で熱交換させることにより温水を得るようにしてもよい。蒸気は蒸気供給管71から取り出される。このようにすれば、蒸気と温水とを同時に取り出すことができる。
【0070】
・第1〜第7実施形態において、熱交換器13から取り出した温水又は蒸気を例えば食器洗浄装置及び医療器具洗浄装置に利用するようにしてもよい。即ち、前記温水又は蒸気をそれぞれ食器及び医療器具等を洗浄、滅菌、殺菌するために使用する。
【0071】
・第1〜第7実施形態においては、熱媒体として水道水(軟水)又は純水(イオン交換水)を使用したが、これら以外のものを熱媒体として使用してもよい。例えば、難燃性油、エチレングリコールを主成分としたもの、及びプロピレングリコールを主成分としたものが熱媒体として使用可能である。
【0072】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、熱交換容器内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれることにより、出熱運転時には常に所定温度の蒸気を得ることができる。
【0073】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、熱媒体の蓄熱槽への供給と熱交換器内への供給とをそれぞれ単一の循環ポンプにより行うことができる。
【0074】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、熱交換器内でのオーバーフロー分の熱媒体が排出経路を介して排出されることにより、熱交換器内の熱媒体は所定の水位レベルに保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における蓄熱装置の模式的な構成図。
【図2】第2実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図3】第3実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図4】第4実施形態における蓄熱装置の模式的な構成図。
【図5】第5実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図6】第6実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図7】第7実施形態における蓄熱装置の要部構成図。
【図8】従来の蓄熱装置の模式的な構成図。
【符号の説明】
11…蓄熱装置、12…蓄熱槽、13…熱交換器、14…貯留容器、
15…制御装置、22…蓄熱材、23…一次側伝熱管(伝熱管)、24…ヒータ、25a…接続管、26…一次側循環ポンプ(循環ポンプ)、72…圧力センサ、74…分岐管。
Claims (3)
- 蓄熱槽と熱交換器とを備え、
該蓄熱槽内で加熱されて得られた過熱蒸気によって熱交換器内の熱媒体を加熱して飽和蒸気を発生する蓄熱装置であって、
前記蓄熱槽内には、当該蓄熱槽内に充填された蓄熱材を加熱するヒータと、内部に熱媒体が流通される伝熱管とを備え、
前記伝熱管へ熱媒体を供給する循環ポンプと、
前記熱交換器内の圧力を検出する圧力センサと、
前記圧力センサによって検出された前記熱交換器内の圧力が一定の圧力範囲内に保たれるように前記循環ポンプを制御する制御装置とを備えた蓄熱装置。 - 前記循環ポンプは、前記伝熱管及び前記熱交換器へ熱媒体を供給するために吐出側で分岐し、該分岐先がそれぞれ前記伝熱管及び前記熱交換器へ接続された接続管上に設けられている請求項1に記載の蓄熱装置。
- 前記熱交換器内でのオーバーフロー分の熱媒体を排出する排出経路を備えた請求項1又は請求項2に記載の蓄熱装置。
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JP2017502450A (ja) * | 2013-10-30 | 2017-01-19 | シーメンス アクティエンゲゼルシャフト | 高温バッテリーを備えた熱貯蔵システム |
-
2003
- 2003-07-03 JP JP2003191303A patent/JP2004003851A/ja active Pending
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