JP2004003775A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】可燃性冷媒が漏洩した環境下で除霜が行われた場合の安全性を確保した冷蔵庫を提供する。
【解決手段】可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの蒸発器10に付着・堆積した霜を、可燃性冷媒の発火温度未満の温度で融解させて除去する複数の除霜ヒーター51と、除霜時に蒸発器10から落下してくる水がかからないように複数の除霜ヒーター51全てを覆う1つの傘116とを備えた冷蔵庫において、複数の除霜ヒーター51は、それぞれ個別に通電できるようにする。
これによって、除霜ヒーター51の発熱温度は可燃性冷媒の発火温度未満であるので、万一可燃性冷媒が冷蔵庫庫内に漏洩していても発火することが無く安全な上に、負荷に応じて通電する除霜ヒーター51を増減できるので電力消費の効率化が図れる。
【選択図】 図4
【解決手段】可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの蒸発器10に付着・堆積した霜を、可燃性冷媒の発火温度未満の温度で融解させて除去する複数の除霜ヒーター51と、除霜時に蒸発器10から落下してくる水がかからないように複数の除霜ヒーター51全てを覆う1つの傘116とを備えた冷蔵庫において、複数の除霜ヒーター51は、それぞれ個別に通電できるようにする。
これによって、除霜ヒーター51の発熱温度は可燃性冷媒の発火温度未満であるので、万一可燃性冷媒が冷蔵庫庫内に漏洩していても発火することが無く安全な上に、負荷に応じて通電する除霜ヒーター51を増減できるので電力消費の効率化が図れる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルの蒸発器(冷却器)に付着・堆積した霜を加熱により除去する除霜ヒーター、及びこの除霜ヒーターを備えた冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷蔵庫等で使用される除霜ヒーターとしては、ガラス管内に配置した金属抵抗体へ通電することでガラス管を発熱させ、そのガラス管から放射される輻射熱で周辺に付着・堆積した霜を融解させるものが広く採用されており、特開平6−313664号公報、特開平11−257831号公報にその構成が開示されている。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来の除霜ヒーターについて説明する。
【0004】
図8は、従来(特開平6−313664号公報に開示)の除霜ヒーターを示す要部断面図であり、1は除霜ヒーター、2はガラス管、3はガラス管2内部に配置される鉄クロム合金製からなるヒーター線であり、両端部以外は螺旋状に加工されている。
【0005】
4はヒーター線3の端部に接続されるリード線、5はリード線4を支え且つリード線4とヒーター線3の端部を機械的・電気的に接続するターミナルであり、6はガラス管2の開口部を塞ぎ、ターミナル5を支持するディスクである。
【0006】
7はリード線4を貫通させガラス管2の端部をシールするシリコンゴム製のキャップである。
【0007】
以上のように構成された除霜ヒーターについて、その動作を説明する。
【0008】
蒸発器(図示せず)で熱交換された空気は、冷気となってファン(図示せず)により庫内へ循環され収納物を冷却するが、空気に含まれていた水分のいくらかは蒸発器を通過する際に微細な結露水となって蒸発器に捕獲され、その水分が霜となり蒸発器表面に付着・堆積する。
【0009】
それゆえ、一定時間毎にヒーター線3へ通電し、ガラス管2を発熱させて輻射熱を放射させ、蒸発器に付着・堆積した霜を、その輻射熱で融解する必要がある。一般に除霜時間を短くする目的で、ガラス管表面温度は450℃以上となるように設定されており、そのとき、ヒーター線の温度は550℃〜600℃となるように設定されている。
【0010】
一方、特開平11−257831号公報に開示されている除霜ヒーターは、ガラス管の表面温度が基準値以上にならないように、ガラス管表面を測定しながらヒーターへの通電を制御するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
近年、地球温暖化防止という観点から、冷凍サイクル内に封入する冷媒を地球温暖化係数の低い炭化水素冷媒(可燃性冷媒)にすることが検討されている。そこで、可燃性冷媒が何らかの要因で冷蔵庫庫内に漏洩した場合でも安全が確保されるように、漏洩した可燃性冷媒(発火温度400℃〜500℃)に対して除霜ヒーターが発火源とならないようにする必要がある。
【0012】
また、特開平11−257831号公報に開示されている除霜ヒーターは、表面温度を基準値以下に維持できるので上記課題は解消できるが、ガラス管の表面温度を検知する手段が必要となり、非常に高価となる。
【0013】
また、前述の課題を解決した除霜ヒーターをコスト、作業性の面から合理的に且つコンパクトに配設した冷蔵庫はまだ実現されていない。
【0014】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、可燃性冷媒が万一漏洩した場合でも発火源とならない安全性の高い、低コストの除霜ヒーターを備えた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、蒸発器に付着・堆積した霜を可燃性冷媒の発火温度未満の温度で融解させて除去する複数の除霜ヒーターと、除霜時に前記蒸発器から落下してくる水がかからないように前記複数の除霜ヒーター全てを覆う1つの傘とを備えた冷蔵庫において、前記複数の除霜ヒーターは、それぞれ個別に通電できるようにしたものであり、除霜ヒーターの発熱温度は可燃性冷媒の発火温度未満であるので、万一可燃性冷媒が冷蔵庫庫内に漏洩していても発火することが無く安全な上に、負荷に応じて通電する除霜ヒーターを増減できるので電力消費の効率化が図れる。
【0016】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターのいずれかに通電するモードと、全ての除霜ヒーターに通電するモードを有するものであり、負荷に応じてモードを選択できる。
【0017】
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、除霜開始時点から所定時間が経過するまでは全ての除霜ヒーターへ通電するものであり、高い除霜能力を必要とする除霜初期段階に適応できる。
【0018】
次に、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターの中に発熱量の異なる除霜ヒーター含ませたものであり、場所によって除霜能力に差をつけることが可能となる。
【0019】
次に、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターはその長寸方向が蒸発器の長寸方向と平行で且つ前記蒸発器の短寸方向へ上下段違いに並ぶように配置したものであり、省スペースとなる。
【0020】
次に、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、外側に配置された除霜ヒーターを、内側に配置された除霜ヒーターより上方に位置するようにしたものであり、蒸発器から落下してくる水が最もかかりやすい外側の除霜ヒーターが傘に近くなることで、水がかかり難くなる。
【0021】
次に、請求項7に記載の発明は、複数の除霜ヒーターの栓が一体で成形されているものであり、部品点数の削減となる。
【0022】
次に、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、傘が除霜ヒーターの栓に固定されているものであり、特別な保持部材を備える必要がなくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による除霜ヒーターの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による除霜ヒーターを示す要部断面図であり、図2は同実施の形態による除霜ヒーターの要部断面斜視図である。
【0025】
図1、図2において、51は蒸発器に付着した霜を加温により融解し除去する除霜ヒーターであり、52はニッケルクロム合金製の抵抗線をコイル状に形成したヒーター線であり、ヒーター線52の両端近傍はコイル状ではなくヒーター線52を所定の長さで折り返して撚った状態の接続端53を有する。54はヒーター線52を覆うガラス管であり、外径10.5mm、内径8.5mmの円筒形状を成し、両端を開口している。
【0026】
55はヒーター線52に接続されるリード線であり、56はヒーター線52とリード線55を連結する導電性の連結管である。
【0027】
57は円板状の位置決め板であり、中央に連結管56が挿入される孔57aを有し、孔57aの回りには3つの通気孔57b(直径1.5mm)が、孔57aの中心に対して中心角120の間隔で設けられている。また、位置決め板57の外径は、ガラス管54の外径と同じか、わずかに小さく形成されている。
【0028】
ヒーター線52とリード線55の接続手順は、先に事前作業として、ガラス管54内へヒーター線52を挿入しておき、さらに連結管56を位置決め板57の孔57aに入れ、位置決め板57が連結管56の中央に位置するまで挿入しておく。そして、ヒーター線52の端部を連結管56の一方の開口端から挿入し、リード線55の端部を連結管56の他方の開口端から挿入し、位置決め板57を変形させないように連結管56の両端を治具でかしめる。これによって、ヒーター線52の端部とリード線55の端部が連結管56によって連結され、さらに位置決め板57は連結管56の両端が変形することで抜け落ちることがなくなる。
【0029】
58はガラス管54の開口端を覆う、シリコンゴム製の栓である。栓58にはリード線55が挿入されるリード線挿入孔58aが設けられており、リード線55の栓58への挿入は、リード線55の端部が連結管56でかしめられる以前に行われている方が作業性はよい。58bは位置決め板55と栓58とで形成される隙間である。
【0030】
また、栓58は円筒状突起59を有し、その内周59aの直径はガラス管54の外径より約1mm小さく形成されている。このため、栓58をガラス管54の開口端にはめ込む際には、ガラス管54が圧入気味に内周59aに入り込む。
【0031】
位置決め板57はガラス管54の端面と円筒状突起59の奥壁59cにはさまれ、位置決め板57の外周縁は円筒状突起59の内周59aと密着する。位置決め板57の外径は、ガラス管54の外径と同じか、わずかに小さく形成されているだけなので、位置決め板57がガラス管54の内部に入り込むことはない。
【0032】
栓58のリード線挿入孔58aは円筒状突起59の奥壁59cを貫通しており、リード線55とリード線挿入孔58aとの隙間から円筒状突起59の奥壁59cまで気体の進入と退出が可能である。
【0033】
円筒状突起59の奥壁59cまで進入してきた気体は、位置決め板57の通気孔57bを通過してガラス管54内に進入し、ヒーター線52に触れることとなる。
【0034】
また、除霜ヒーター51は、ガラス管54両端開口部をおおう栓に形成されたリード線挿入穴58aと、その挿入穴58aを通るリード線55の外径との差により形成されるすきま部分の任意位置での断面積を7.1ミリ平方メートル以下としている。
【0035】
図3は本発明の実施の形態による除霜ヒーターを用いた冷蔵庫の冷凍システムの略図であり、図3において、60は圧縮機、61は凝縮器、62は減圧機構であり、圧縮機60と凝縮器61と減圧機構62と蒸発器10を機能的に接続された冷凍サイクルの内部には可燃性冷媒(発火温度400℃〜500℃)が封入されている。
【0036】
以上のように構成された除霜ヒーター及びこの除霜ヒーターを備えた冷蔵庫について、以下にその動作を説明する。圧縮機60の運転により冷凍サイクルの蒸発器10が冷却され、圧縮機60の運転と同時に作動するファン11により冷蔵庫の庫内空気が冷却された蒸発器10を通過し、蒸発器10と熱交換された冷気が庫内へ吐出される。そして、圧縮機60の任意の運転時間が経過後に圧縮機60も運転停止となる。このとき同時にリード線55を通じてヒーター線52に通電しヒーター52を発熱させる。
【0037】
ヒーター線52は発熱するが、その到達温度が400℃〜500℃で飽和するように、ヒーター線52の線径、コイル外径、コイル有効長さ、ガラス管54の管外径、管壁厚を、冷蔵庫側から供給される電圧に応じて設定している。
【0038】
なお、ヒーター線52の材質となる金属抵抗体の中には400℃〜550℃で脆化するもの(例えば、鉄クロム合金)があるが、本実施の形態ではニッケルクロム合金を採用しているので脆化することはない。
【0039】
ヒーター線52から放射される輻射熱線の一部は直接外部へ透過するが、その他はガラス管54へと伝わり、ガラス管54の表面温度は上昇する。但し、あらかじめヒーター線52の到達温度が400℃〜500℃の範囲内で飽和するように設定しているので、ガラス管54の表面温度は300℃〜360℃の範囲内で飽和する。したがってガラス管54の表面は可燃性冷媒の発火温度未満の温度を維持しながら、外部へ放熱し、周辺部品の除霜を行うので、万一、冷蔵庫庫内に可燃性冷媒が漏洩しても、ガラス管54の表面で発火することはない。
【0040】
なお、ヒーター線52の到達温度をさらに低くすることも考えられるが、低くすぎると、除霜するための最低必要時間が長くなり、冷蔵庫庫内の温度上昇をまねくので、ヒーター線を300℃より低くすることは好ましくない。
【0041】
ヒーター線52への通電時は、ガラス管54の内部空間は温度上昇により気体が膨張し、位置決め板57の通気孔57aを経て、リード線55と栓58のリード線挿入孔58aとの隙間から外部へ流出する。
【0042】
そして、この状態でヒーター線52への通電を停止し再び冷却を開始するとガラス管54内部が温度低下により減圧され、除霜ヒーター51周辺の外気が、リード線55と栓58のリード線挿入孔58aとの隙間を経て、位置決め板57の通気孔57aからガラス管54内部へ流入する。
【0043】
このような状況で、万一、可燃性冷媒が除霜ヒーター51の周辺に存在した場合、ガラス管54の内部空間に可燃性冷媒が流入し、除霜開始時のヒーター線52の発熱で可燃性冷媒が発火する可能性を考慮しなければならない。
【0044】
そこで、ガラス管54の内部に流入していた可燃性冷媒が発火しても、その火炎が位置決め板57の通気孔57aを通過して伝播しなければ不安全にならないことから、本実施の形態では、位置決め板57の通気孔57aの面積を火炎が伝播できない程度の大きさに設定した。具体的には可燃性冷媒濃度が3.0体積パーセントの雰囲気で、ガラス管54の両端を栓58で塞ぎ、正規のヒータの状態からガラス管54の両端の位置決め板57を取り除き、開口(開口面積は約57平方ミリメートル)した状態で、かつヒーター線52の両端へ110Vを印加し通電した場合、ヒーター線52の表面温度は590℃まで到達するが不安全が起こらないことを確認している。
【0045】
したがって、位置決め板57の通気孔57bを介して気体が移動する場合でも、直径1.5mmの通気孔57b三つの面積和は約5.3平方ミリメートルであり、爆発を起こすことはないのである。この仕様では、ヒーター線52の両端へ170V印加し通電し、ヒーター線52の表面温度を613℃まで到達させても不安全は起こらないことを確認している。
【0046】
さらに、通気孔57bを一つにしその直径を3mm(面積7.1平方ミリメートル)まで拡大しても不安全が起こらないことも確認している。
【0047】
以上のように、本実施の形態の除霜ヒーターは、ガラス管54と可燃性冷媒との接触に対しては、ヒーター線52の到達温度を400℃〜500℃の範囲内となるように設定することで、ガラス管54の表面温度が300℃〜360℃の範囲内で飽和するようにしたので、万一、可燃性冷媒が漏洩しても発火しないのである。
【0048】
また、ガラス管54内部に侵入した可燃性冷媒とヒーター線52との接触に対しては、可燃性冷媒の通路となる通気孔57aの面積を火炎が伝播できない程度の大きさに設定したので、万一、漏洩した可燃性冷媒がガラス管54内に侵入し発熱しているヒーター線52に触れて発火しても、その火炎が伝播できないので、爆発に至らないのである。
【0049】
また、除霜ヒーターは一つに限定されるものではなく、図4に示すように、蒸発器10の下方に複数の除霜ヒーター51を配置し、冷蔵庫側のコントローラー(図示せず)を介して通電制御すれば、きめ細かい除霜をすることができる。
【0050】
図4において、蒸発器10の下方には、除霜ヒーター51が複数配置されており、蒸発器10の長寸方向と除霜ヒーター51のガラス管54の長寸方向が平行で、且つ蒸発器10の短寸方向に上下段違いに並んだ配列である。
【0051】
各除霜ヒーター51は並列に接続し、それぞれ個別に通電できるようにすることで、冷蔵庫の運転状態に応じて、通電すべき除霜ヒーター51の数を増減させ、除霜に要する時間を制御することができる。
【0052】
例えば、冷蔵庫のドア開閉頻度の多い昼間は庫内温度上昇を抑えるため、通電する除霜ヒーターの数を増やして除霜時間を短縮し、逆に、深夜は冷蔵庫のドア開閉頻度が少ないので昼間に比べて庫内が安定しているので、除霜時間を昼間に比べて長くしても問題はなく、通電する除霜ヒーターの数を減らしてもよい。
【0053】
また、複数の除霜ヒーター51のいずれかに通電するモードと、全ての除霜ヒーターへ通電するモードを設け、負荷に応じてモードを選択できるようにしてもよい。
【0054】
例えば、除霜開始時点から所定時間が経過するまでは全ての除霜ヒーターへ通電するモードにすれば、高い除霜能力を必要とする除霜初期段階に適応でき、除霜時間を短縮でき、冷蔵庫庫内の温度上昇を抑制できるので、除霜ヒーターの消費電力を差し引いても省エネが図れる。
【0055】
116は蒸発器10と除霜ヒーター51との間に配設され、除霜時に蒸発器10から落下してくる水が、ガラス管54にかからないように除霜ヒーター51を覆う傘である。本実施の形態では複数の除霜ヒーター51を1つの傘116で覆う構成なので、複数の除霜ヒーター51を各々覆うよりも合理的で作業性もよく、低コストとなる。
【0056】
さらに、本実施の形態では、複数の除霜ヒーター51の各ガラス管54の端部を塞いでいる栓を同一材料(シリコンゴム)で一体的に成形することもでき(図5、図6、図7)、各ガラス管54の端部を個別の栓で覆うよりも合理的で作業性もよく、低コストとなる。
【0057】
また、図5に示すように、複数の除霜ヒーター51のうち、水かかりし易い外側の除霜ヒーターに対しては、内側にある除霜ヒーターよりも上方に、すなわち傘116寄りに配置して水かかりを防止している。したがって、発熱したガラス管54に水が降りかかったときに発生する不快なジュウジュウ音(水かかり音)を解消できる。
【0058】
また、除霜ヒーター51の配列は図6に示すように、除霜ヒーター51をガラス管端面側(栓58側)から見たとき、千鳥配列となるように配置してもよく、これによって配列寸法、傘116の幅寸法を小さくでき、省スペース化、低コスト化が図れる。このとき、除霜ヒータ−51の数量は奇数個として、両脇の除霜ヒーターが内側よりも上方に、すなわち傘116寄りに配置すれば、水かかりの防止にもなる。
【0059】
また、蒸発器10に近い側の除霜ヒーターの発熱量を他の除霜ヒーターよりも少なくすることで、除霜能力を損なわずに除霜ヒーター全体の消費電力を低減できる。
【0060】
また、除霜ヒーター51の配列を図7に示すように、複数の除霜ヒーター51の内、蒸発器10の下方に少なくとも1つ以上の除霜ヒーター51を配置し、残りの除霜ヒーターを、蒸発器10の下方に配置された除霜ヒーターだけでは除霜できない箇所の近傍に配置することで除霜能力が向上し、短い時間で除霜することができる。
【0061】
なお、図7では蒸発器10の上方に配置しているが、この上方の除霜ヒーター51には水が降りかかることがないので傘116は不要である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の発明は、蒸発器に付着・堆積した霜を可燃性冷媒の発火温度未満の温度で融解させて除去する複数の除霜ヒーターと、除霜時に前記蒸発器から落下してくる水がかからないように前記複数の除霜ヒーター全てを覆う1つの傘とを備えた冷蔵庫において、前記複数の除霜ヒーターは、それぞれ個別に通電できるようにしたものであり、負荷に応じて通電する除霜ヒーターを増減できる。
【0063】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターのいずれかに通電するモードと、全ての除霜ヒーターに通電するモードを有するものであり、負荷に応じてモードを選択できる。
【0064】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、除霜開始時点から所定時間が経過するまでは全ての除霜ヒーターへ通電するものであり、高い除霜能力を必要とする除霜初期段階に適応でき、除霜時間を短縮でき、省エネを実現できる。
【0065】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターの中に発熱量の異なる除霜ヒーター含ませたものであり、場所によって除霜能力に差をつけることが可能となり、より少ない電力で除霜することができる。
【0066】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターはその長寸方向が蒸発器の長寸方向と平行で且つ前記蒸発器の短寸方向へ上下方向に段違いに並ぶように配置したものであり、省スペースとなる。
【0067】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、外側に配置された除霜ヒーターを、内側に配置された除霜ヒーターより上方に位置するようにしたものであり、蒸発器から落下してくる水が最もかかりやすい外側の除霜ヒーターが傘に近くなることで、水がかかり難くなり、水かかり音によって使用者へ不快感を与えることもない。
【0068】
また、請求項7に記載の発明は、複数の除霜ヒーターの栓が一体で成形されているものであり、除霜ヒーターの保持方法が簡素となるうえに、部品点数の削減となる。
【0069】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、傘が除霜ヒーターの栓に固定されているものであり、特別な保持部材を備える必要がなくなり、部品点数の削減、省スペースを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による除霜ヒーターの実施の形態1の要部断面図
【図2】同実施の形態の除霜ヒーターの要部断面斜視図
【図3】同実施の形態の除霜ヒーターを用いた冷蔵庫の冷凍システムの略図
【図4】同実施の形態の除霜ヒーターを複数備えた冷蔵庫の蒸発器の正面図
【図5】同実施の形態の除霜ヒーターを複数備えた冷蔵庫の蒸発器の側面図
【図6】同実施の形態の除霜ヒーターを複数備えた他の冷蔵庫の蒸発器の側面図
【図7】同実施の形態の除霜ヒーターを複数備えた他の冷蔵庫の蒸発器の側面図
【図8】従来の除霜ヒーターを示す要部断面図
【符号の説明】
10 蒸発器(冷却器)
51 除霜ヒーター
52 ヒーター線
54 ガラス管
55 リード線
56 連結管(接続部)
57 位置決め板
58 栓
116 傘
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍サイクルの蒸発器(冷却器)に付着・堆積した霜を加熱により除去する除霜ヒーター、及びこの除霜ヒーターを備えた冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷蔵庫等で使用される除霜ヒーターとしては、ガラス管内に配置した金属抵抗体へ通電することでガラス管を発熱させ、そのガラス管から放射される輻射熱で周辺に付着・堆積した霜を融解させるものが広く採用されており、特開平6−313664号公報、特開平11−257831号公報にその構成が開示されている。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来の除霜ヒーターについて説明する。
【0004】
図8は、従来(特開平6−313664号公報に開示)の除霜ヒーターを示す要部断面図であり、1は除霜ヒーター、2はガラス管、3はガラス管2内部に配置される鉄クロム合金製からなるヒーター線であり、両端部以外は螺旋状に加工されている。
【0005】
4はヒーター線3の端部に接続されるリード線、5はリード線4を支え且つリード線4とヒーター線3の端部を機械的・電気的に接続するターミナルであり、6はガラス管2の開口部を塞ぎ、ターミナル5を支持するディスクである。
【0006】
7はリード線4を貫通させガラス管2の端部をシールするシリコンゴム製のキャップである。
【0007】
以上のように構成された除霜ヒーターについて、その動作を説明する。
【0008】
蒸発器(図示せず)で熱交換された空気は、冷気となってファン(図示せず)により庫内へ循環され収納物を冷却するが、空気に含まれていた水分のいくらかは蒸発器を通過する際に微細な結露水となって蒸発器に捕獲され、その水分が霜となり蒸発器表面に付着・堆積する。
【0009】
それゆえ、一定時間毎にヒーター線3へ通電し、ガラス管2を発熱させて輻射熱を放射させ、蒸発器に付着・堆積した霜を、その輻射熱で融解する必要がある。一般に除霜時間を短くする目的で、ガラス管表面温度は450℃以上となるように設定されており、そのとき、ヒーター線の温度は550℃〜600℃となるように設定されている。
【0010】
一方、特開平11−257831号公報に開示されている除霜ヒーターは、ガラス管の表面温度が基準値以上にならないように、ガラス管表面を測定しながらヒーターへの通電を制御するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
近年、地球温暖化防止という観点から、冷凍サイクル内に封入する冷媒を地球温暖化係数の低い炭化水素冷媒(可燃性冷媒)にすることが検討されている。そこで、可燃性冷媒が何らかの要因で冷蔵庫庫内に漏洩した場合でも安全が確保されるように、漏洩した可燃性冷媒(発火温度400℃〜500℃)に対して除霜ヒーターが発火源とならないようにする必要がある。
【0012】
また、特開平11−257831号公報に開示されている除霜ヒーターは、表面温度を基準値以下に維持できるので上記課題は解消できるが、ガラス管の表面温度を検知する手段が必要となり、非常に高価となる。
【0013】
また、前述の課題を解決した除霜ヒーターをコスト、作業性の面から合理的に且つコンパクトに配設した冷蔵庫はまだ実現されていない。
【0014】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、可燃性冷媒が万一漏洩した場合でも発火源とならない安全性の高い、低コストの除霜ヒーターを備えた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、蒸発器に付着・堆積した霜を可燃性冷媒の発火温度未満の温度で融解させて除去する複数の除霜ヒーターと、除霜時に前記蒸発器から落下してくる水がかからないように前記複数の除霜ヒーター全てを覆う1つの傘とを備えた冷蔵庫において、前記複数の除霜ヒーターは、それぞれ個別に通電できるようにしたものであり、除霜ヒーターの発熱温度は可燃性冷媒の発火温度未満であるので、万一可燃性冷媒が冷蔵庫庫内に漏洩していても発火することが無く安全な上に、負荷に応じて通電する除霜ヒーターを増減できるので電力消費の効率化が図れる。
【0016】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターのいずれかに通電するモードと、全ての除霜ヒーターに通電するモードを有するものであり、負荷に応じてモードを選択できる。
【0017】
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、除霜開始時点から所定時間が経過するまでは全ての除霜ヒーターへ通電するものであり、高い除霜能力を必要とする除霜初期段階に適応できる。
【0018】
次に、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターの中に発熱量の異なる除霜ヒーター含ませたものであり、場所によって除霜能力に差をつけることが可能となる。
【0019】
次に、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターはその長寸方向が蒸発器の長寸方向と平行で且つ前記蒸発器の短寸方向へ上下段違いに並ぶように配置したものであり、省スペースとなる。
【0020】
次に、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、外側に配置された除霜ヒーターを、内側に配置された除霜ヒーターより上方に位置するようにしたものであり、蒸発器から落下してくる水が最もかかりやすい外側の除霜ヒーターが傘に近くなることで、水がかかり難くなる。
【0021】
次に、請求項7に記載の発明は、複数の除霜ヒーターの栓が一体で成形されているものであり、部品点数の削減となる。
【0022】
次に、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、傘が除霜ヒーターの栓に固定されているものであり、特別な保持部材を備える必要がなくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による除霜ヒーターの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による除霜ヒーターを示す要部断面図であり、図2は同実施の形態による除霜ヒーターの要部断面斜視図である。
【0025】
図1、図2において、51は蒸発器に付着した霜を加温により融解し除去する除霜ヒーターであり、52はニッケルクロム合金製の抵抗線をコイル状に形成したヒーター線であり、ヒーター線52の両端近傍はコイル状ではなくヒーター線52を所定の長さで折り返して撚った状態の接続端53を有する。54はヒーター線52を覆うガラス管であり、外径10.5mm、内径8.5mmの円筒形状を成し、両端を開口している。
【0026】
55はヒーター線52に接続されるリード線であり、56はヒーター線52とリード線55を連結する導電性の連結管である。
【0027】
57は円板状の位置決め板であり、中央に連結管56が挿入される孔57aを有し、孔57aの回りには3つの通気孔57b(直径1.5mm)が、孔57aの中心に対して中心角120の間隔で設けられている。また、位置決め板57の外径は、ガラス管54の外径と同じか、わずかに小さく形成されている。
【0028】
ヒーター線52とリード線55の接続手順は、先に事前作業として、ガラス管54内へヒーター線52を挿入しておき、さらに連結管56を位置決め板57の孔57aに入れ、位置決め板57が連結管56の中央に位置するまで挿入しておく。そして、ヒーター線52の端部を連結管56の一方の開口端から挿入し、リード線55の端部を連結管56の他方の開口端から挿入し、位置決め板57を変形させないように連結管56の両端を治具でかしめる。これによって、ヒーター線52の端部とリード線55の端部が連結管56によって連結され、さらに位置決め板57は連結管56の両端が変形することで抜け落ちることがなくなる。
【0029】
58はガラス管54の開口端を覆う、シリコンゴム製の栓である。栓58にはリード線55が挿入されるリード線挿入孔58aが設けられており、リード線55の栓58への挿入は、リード線55の端部が連結管56でかしめられる以前に行われている方が作業性はよい。58bは位置決め板55と栓58とで形成される隙間である。
【0030】
また、栓58は円筒状突起59を有し、その内周59aの直径はガラス管54の外径より約1mm小さく形成されている。このため、栓58をガラス管54の開口端にはめ込む際には、ガラス管54が圧入気味に内周59aに入り込む。
【0031】
位置決め板57はガラス管54の端面と円筒状突起59の奥壁59cにはさまれ、位置決め板57の外周縁は円筒状突起59の内周59aと密着する。位置決め板57の外径は、ガラス管54の外径と同じか、わずかに小さく形成されているだけなので、位置決め板57がガラス管54の内部に入り込むことはない。
【0032】
栓58のリード線挿入孔58aは円筒状突起59の奥壁59cを貫通しており、リード線55とリード線挿入孔58aとの隙間から円筒状突起59の奥壁59cまで気体の進入と退出が可能である。
【0033】
円筒状突起59の奥壁59cまで進入してきた気体は、位置決め板57の通気孔57bを通過してガラス管54内に進入し、ヒーター線52に触れることとなる。
【0034】
また、除霜ヒーター51は、ガラス管54両端開口部をおおう栓に形成されたリード線挿入穴58aと、その挿入穴58aを通るリード線55の外径との差により形成されるすきま部分の任意位置での断面積を7.1ミリ平方メートル以下としている。
【0035】
図3は本発明の実施の形態による除霜ヒーターを用いた冷蔵庫の冷凍システムの略図であり、図3において、60は圧縮機、61は凝縮器、62は減圧機構であり、圧縮機60と凝縮器61と減圧機構62と蒸発器10を機能的に接続された冷凍サイクルの内部には可燃性冷媒(発火温度400℃〜500℃)が封入されている。
【0036】
以上のように構成された除霜ヒーター及びこの除霜ヒーターを備えた冷蔵庫について、以下にその動作を説明する。圧縮機60の運転により冷凍サイクルの蒸発器10が冷却され、圧縮機60の運転と同時に作動するファン11により冷蔵庫の庫内空気が冷却された蒸発器10を通過し、蒸発器10と熱交換された冷気が庫内へ吐出される。そして、圧縮機60の任意の運転時間が経過後に圧縮機60も運転停止となる。このとき同時にリード線55を通じてヒーター線52に通電しヒーター52を発熱させる。
【0037】
ヒーター線52は発熱するが、その到達温度が400℃〜500℃で飽和するように、ヒーター線52の線径、コイル外径、コイル有効長さ、ガラス管54の管外径、管壁厚を、冷蔵庫側から供給される電圧に応じて設定している。
【0038】
なお、ヒーター線52の材質となる金属抵抗体の中には400℃〜550℃で脆化するもの(例えば、鉄クロム合金)があるが、本実施の形態ではニッケルクロム合金を採用しているので脆化することはない。
【0039】
ヒーター線52から放射される輻射熱線の一部は直接外部へ透過するが、その他はガラス管54へと伝わり、ガラス管54の表面温度は上昇する。但し、あらかじめヒーター線52の到達温度が400℃〜500℃の範囲内で飽和するように設定しているので、ガラス管54の表面温度は300℃〜360℃の範囲内で飽和する。したがってガラス管54の表面は可燃性冷媒の発火温度未満の温度を維持しながら、外部へ放熱し、周辺部品の除霜を行うので、万一、冷蔵庫庫内に可燃性冷媒が漏洩しても、ガラス管54の表面で発火することはない。
【0040】
なお、ヒーター線52の到達温度をさらに低くすることも考えられるが、低くすぎると、除霜するための最低必要時間が長くなり、冷蔵庫庫内の温度上昇をまねくので、ヒーター線を300℃より低くすることは好ましくない。
【0041】
ヒーター線52への通電時は、ガラス管54の内部空間は温度上昇により気体が膨張し、位置決め板57の通気孔57aを経て、リード線55と栓58のリード線挿入孔58aとの隙間から外部へ流出する。
【0042】
そして、この状態でヒーター線52への通電を停止し再び冷却を開始するとガラス管54内部が温度低下により減圧され、除霜ヒーター51周辺の外気が、リード線55と栓58のリード線挿入孔58aとの隙間を経て、位置決め板57の通気孔57aからガラス管54内部へ流入する。
【0043】
このような状況で、万一、可燃性冷媒が除霜ヒーター51の周辺に存在した場合、ガラス管54の内部空間に可燃性冷媒が流入し、除霜開始時のヒーター線52の発熱で可燃性冷媒が発火する可能性を考慮しなければならない。
【0044】
そこで、ガラス管54の内部に流入していた可燃性冷媒が発火しても、その火炎が位置決め板57の通気孔57aを通過して伝播しなければ不安全にならないことから、本実施の形態では、位置決め板57の通気孔57aの面積を火炎が伝播できない程度の大きさに設定した。具体的には可燃性冷媒濃度が3.0体積パーセントの雰囲気で、ガラス管54の両端を栓58で塞ぎ、正規のヒータの状態からガラス管54の両端の位置決め板57を取り除き、開口(開口面積は約57平方ミリメートル)した状態で、かつヒーター線52の両端へ110Vを印加し通電した場合、ヒーター線52の表面温度は590℃まで到達するが不安全が起こらないことを確認している。
【0045】
したがって、位置決め板57の通気孔57bを介して気体が移動する場合でも、直径1.5mmの通気孔57b三つの面積和は約5.3平方ミリメートルであり、爆発を起こすことはないのである。この仕様では、ヒーター線52の両端へ170V印加し通電し、ヒーター線52の表面温度を613℃まで到達させても不安全は起こらないことを確認している。
【0046】
さらに、通気孔57bを一つにしその直径を3mm(面積7.1平方ミリメートル)まで拡大しても不安全が起こらないことも確認している。
【0047】
以上のように、本実施の形態の除霜ヒーターは、ガラス管54と可燃性冷媒との接触に対しては、ヒーター線52の到達温度を400℃〜500℃の範囲内となるように設定することで、ガラス管54の表面温度が300℃〜360℃の範囲内で飽和するようにしたので、万一、可燃性冷媒が漏洩しても発火しないのである。
【0048】
また、ガラス管54内部に侵入した可燃性冷媒とヒーター線52との接触に対しては、可燃性冷媒の通路となる通気孔57aの面積を火炎が伝播できない程度の大きさに設定したので、万一、漏洩した可燃性冷媒がガラス管54内に侵入し発熱しているヒーター線52に触れて発火しても、その火炎が伝播できないので、爆発に至らないのである。
【0049】
また、除霜ヒーターは一つに限定されるものではなく、図4に示すように、蒸発器10の下方に複数の除霜ヒーター51を配置し、冷蔵庫側のコントローラー(図示せず)を介して通電制御すれば、きめ細かい除霜をすることができる。
【0050】
図4において、蒸発器10の下方には、除霜ヒーター51が複数配置されており、蒸発器10の長寸方向と除霜ヒーター51のガラス管54の長寸方向が平行で、且つ蒸発器10の短寸方向に上下段違いに並んだ配列である。
【0051】
各除霜ヒーター51は並列に接続し、それぞれ個別に通電できるようにすることで、冷蔵庫の運転状態に応じて、通電すべき除霜ヒーター51の数を増減させ、除霜に要する時間を制御することができる。
【0052】
例えば、冷蔵庫のドア開閉頻度の多い昼間は庫内温度上昇を抑えるため、通電する除霜ヒーターの数を増やして除霜時間を短縮し、逆に、深夜は冷蔵庫のドア開閉頻度が少ないので昼間に比べて庫内が安定しているので、除霜時間を昼間に比べて長くしても問題はなく、通電する除霜ヒーターの数を減らしてもよい。
【0053】
また、複数の除霜ヒーター51のいずれかに通電するモードと、全ての除霜ヒーターへ通電するモードを設け、負荷に応じてモードを選択できるようにしてもよい。
【0054】
例えば、除霜開始時点から所定時間が経過するまでは全ての除霜ヒーターへ通電するモードにすれば、高い除霜能力を必要とする除霜初期段階に適応でき、除霜時間を短縮でき、冷蔵庫庫内の温度上昇を抑制できるので、除霜ヒーターの消費電力を差し引いても省エネが図れる。
【0055】
116は蒸発器10と除霜ヒーター51との間に配設され、除霜時に蒸発器10から落下してくる水が、ガラス管54にかからないように除霜ヒーター51を覆う傘である。本実施の形態では複数の除霜ヒーター51を1つの傘116で覆う構成なので、複数の除霜ヒーター51を各々覆うよりも合理的で作業性もよく、低コストとなる。
【0056】
さらに、本実施の形態では、複数の除霜ヒーター51の各ガラス管54の端部を塞いでいる栓を同一材料(シリコンゴム)で一体的に成形することもでき(図5、図6、図7)、各ガラス管54の端部を個別の栓で覆うよりも合理的で作業性もよく、低コストとなる。
【0057】
また、図5に示すように、複数の除霜ヒーター51のうち、水かかりし易い外側の除霜ヒーターに対しては、内側にある除霜ヒーターよりも上方に、すなわち傘116寄りに配置して水かかりを防止している。したがって、発熱したガラス管54に水が降りかかったときに発生する不快なジュウジュウ音(水かかり音)を解消できる。
【0058】
また、除霜ヒーター51の配列は図6に示すように、除霜ヒーター51をガラス管端面側(栓58側)から見たとき、千鳥配列となるように配置してもよく、これによって配列寸法、傘116の幅寸法を小さくでき、省スペース化、低コスト化が図れる。このとき、除霜ヒータ−51の数量は奇数個として、両脇の除霜ヒーターが内側よりも上方に、すなわち傘116寄りに配置すれば、水かかりの防止にもなる。
【0059】
また、蒸発器10に近い側の除霜ヒーターの発熱量を他の除霜ヒーターよりも少なくすることで、除霜能力を損なわずに除霜ヒーター全体の消費電力を低減できる。
【0060】
また、除霜ヒーター51の配列を図7に示すように、複数の除霜ヒーター51の内、蒸発器10の下方に少なくとも1つ以上の除霜ヒーター51を配置し、残りの除霜ヒーターを、蒸発器10の下方に配置された除霜ヒーターだけでは除霜できない箇所の近傍に配置することで除霜能力が向上し、短い時間で除霜することができる。
【0061】
なお、図7では蒸発器10の上方に配置しているが、この上方の除霜ヒーター51には水が降りかかることがないので傘116は不要である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の発明は、蒸発器に付着・堆積した霜を可燃性冷媒の発火温度未満の温度で融解させて除去する複数の除霜ヒーターと、除霜時に前記蒸発器から落下してくる水がかからないように前記複数の除霜ヒーター全てを覆う1つの傘とを備えた冷蔵庫において、前記複数の除霜ヒーターは、それぞれ個別に通電できるようにしたものであり、負荷に応じて通電する除霜ヒーターを増減できる。
【0063】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターのいずれかに通電するモードと、全ての除霜ヒーターに通電するモードを有するものであり、負荷に応じてモードを選択できる。
【0064】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、除霜開始時点から所定時間が経過するまでは全ての除霜ヒーターへ通電するものであり、高い除霜能力を必要とする除霜初期段階に適応でき、除霜時間を短縮でき、省エネを実現できる。
【0065】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターの中に発熱量の異なる除霜ヒーター含ませたものであり、場所によって除霜能力に差をつけることが可能となり、より少ない電力で除霜することができる。
【0066】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数の除霜ヒーターはその長寸方向が蒸発器の長寸方向と平行で且つ前記蒸発器の短寸方向へ上下方向に段違いに並ぶように配置したものであり、省スペースとなる。
【0067】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、外側に配置された除霜ヒーターを、内側に配置された除霜ヒーターより上方に位置するようにしたものであり、蒸発器から落下してくる水が最もかかりやすい外側の除霜ヒーターが傘に近くなることで、水がかかり難くなり、水かかり音によって使用者へ不快感を与えることもない。
【0068】
また、請求項7に記載の発明は、複数の除霜ヒーターの栓が一体で成形されているものであり、除霜ヒーターの保持方法が簡素となるうえに、部品点数の削減となる。
【0069】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、傘が除霜ヒーターの栓に固定されているものであり、特別な保持部材を備える必要がなくなり、部品点数の削減、省スペースを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による除霜ヒーターの実施の形態1の要部断面図
【図2】同実施の形態の除霜ヒーターの要部断面斜視図
【図3】同実施の形態の除霜ヒーターを用いた冷蔵庫の冷凍システムの略図
【図4】同実施の形態の除霜ヒーターを複数備えた冷蔵庫の蒸発器の正面図
【図5】同実施の形態の除霜ヒーターを複数備えた冷蔵庫の蒸発器の側面図
【図6】同実施の形態の除霜ヒーターを複数備えた他の冷蔵庫の蒸発器の側面図
【図7】同実施の形態の除霜ヒーターを複数備えた他の冷蔵庫の蒸発器の側面図
【図8】従来の除霜ヒーターを示す要部断面図
【符号の説明】
10 蒸発器(冷却器)
51 除霜ヒーター
52 ヒーター線
54 ガラス管
55 リード線
56 連結管(接続部)
57 位置決め板
58 栓
116 傘
Claims (8)
- 可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの蒸発器に付着・堆積した霜を、前記可燃性冷媒の発火温度未満の温度で融解させて除去する複数の除霜ヒーターと、除霜時に前記蒸発器から落下してくる水がかからないように前記複数の除霜ヒーター全てを覆う1つの傘とを備えた冷蔵庫において、前記複数の除霜ヒーターは、それぞれ個別に通電できるようにしたことを特徴とする冷蔵庫。
- 前記複数の除霜ヒーターのいずれかに通電するモードと、全ての除霜ヒーターに通電するモードを有することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
- 除霜開始時点から所定時間が経過するまでは前記全ての除霜ヒーターへ通電することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
- 前記複数の除霜ヒーターの中に発熱量の異なる除霜ヒーター含ませたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
- 前記複数の除霜ヒーターはその長寸方向が前記蒸発器の長寸方向と平行で且つ前記蒸発器の短寸方向へ上下方向に段違いに並ぶように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
- 前記複数の除霜ヒーターの内、外側に配置された除霜ヒーターは、内側に配置された除霜ヒーターより上方に位置することを特徴とする請求項5に記載の冷蔵庫。
- 可燃性冷媒を封入した冷凍サイクルの蒸発器に付着・堆積した霜を、前記可燃性冷媒の発火温度未満の温度で融解させて除去する複数の除霜ヒーターと、除霜時に前記蒸発器から落下してくる水がかからないように前記複数の除霜ヒーター全てを覆う1つの傘とを備えた冷蔵庫において、前記除霜ヒーターは、ガラス管と、前記ガラス管内部に配置し通電することで発熱する金属抵抗体からなるヒーター線と、前記ガラス管の両端開口部を覆う栓と、前記栓を貫通し前記ヒーター線の端部に接続されるリード線と、前記接続部に設けられ且つ前記栓に保持されて前記ヒーター線と前記リード線との接続部が移動するのを防止する位置決め板とで構成され、前記複数の除霜ヒーターの栓は一体で成形されていることを特徴とする冷蔵庫。
- 前記傘は前記除霜ヒーターの栓に固定されていることを特徴とする請求項7に記載の冷蔵庫。
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-
2002
- 2002-06-03 JP JP2002161222A patent/JP2004003775A/ja not_active Withdrawn
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