JP2004003666A - 流量制御用の電磁弁及び可変吐出量高圧ポンプ - Google Patents

流量制御用の電磁弁及び可変吐出量高圧ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】流体流量を精度良く調量することができる流量制御用の電磁弁を提供する。
【解決手段】可変吐出量高圧ポンプPにおいて、フィードポンプP1から供給される低圧燃料は、電磁弁6、低圧流路17,18,19等を経由して圧力室4aに吸入される。圧力室4aに吸入された燃料はプランジャ3aの往復動に伴い圧縮されてコモンレールに送出される。電磁弁6は、弁体63に連通流路71を設けてその一端(図の左端)を流体吸入部とすると共に、連通流路71と弁体外周とを結ぶ流路66,67を設けてその流路66,67を流体排出部とする。この場合、弁体63の径方向に燃料圧力が作用して弁体63とバルブケース6cとの間の摺動抵抗が大きくなるといった不具合が回避され、弁体63に作用する力のバランスが良好に保たれる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁体リフト量に応じて流体流量を比例制御するための流量制御用の電磁弁に係り、例えば高圧燃料ポンプの燃料量を調量するための電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば図8に示す構成のON/OFF式電磁弁が具体化されている。図8の電磁弁において、バルブケース81のシリンダ82内には棒状の弁体83が摺動可能に収容されている。バルブケース81には流体通路84,85が設けられ、弁体83には縮径部86が設けられる。
【0003】
弁体83は、図示しないスプリングにより常に図の左方向に付勢され、コイル88の非通電時には鍔部87がバルブケース81に当接する位置で保持される。つまり、コイル非通電時には流体通路84が閉鎖され、電磁弁が閉弁状態となる。そして、コイル88が通電されると、図示しないスプリングの付勢力に抗して弁体83が図の右方へ移動し、弁体83の縮経部86を介して流体通路84,85が連通される。これにより、電磁弁が開弁状態となり、図のX側からY側への流体の流れが許容される。
【0004】
また一方で、前記電磁弁を用いて流体流量をリニアに調量したいという要望がある。この場合、電流値に応じて弁体リフト量が調節可能なリニアソレノイド(比例電磁)弁を用い、弁体リフト量を変えることで流路面積を変更する。高圧燃料ポンプによる燃料圧送量を精密に制御する場合には、こうした電磁弁の流路面積制御が不可欠であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記図8の構成では、電磁弁が全開状態にある時、流体通路84を通過する流体はそのまま弁体83の縮経部86を通って流体通路85側に流れる。これに対して、電磁弁が中間開度或いは全閉状態にある時(図示の状態にある時)、流体通路84内の流体の圧力が弁体83の外周面に作用し、弁体83の径方向(図の下方)に同弁体83が押圧される。それにより、弁体83とシリンダ82との間の摺動抵抗が大きくなり、弁体83の作動不良が誘発される。この場合、電磁弁の弁体リフト量を可変に制御して流体流量をリニアに調量したいという要望に対して、弁体の作動不良が原因で調量精度が低下するという問題を生ずる。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、流体流量を精度良く調量することができる流量制御用の電磁弁を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
要するに、弁体の移動量に応じて流体流量を比例制御する流量制御用の電磁弁では、閉弁方向又は開弁方向に弁体に作用する力のバランスにより流体流量が決まり、そのバランスを良好に保つことで調量精度が確保できる。
【0008】
そこで、請求項1に記載の電磁弁では、弁体にはその移動方向に延びる中空通路を設けて弁体の先端部に位置する中空通路の一端を流体吸入部とすると共に、前記中空通路と弁体外周とを結ぶ流路を設けてその流路を流体排出部とし、前記弁体が移動すると該流体排出部としての流路がケース部材により開放又は閉鎖される。上記構成によれば、流体吸入部から弁体の移動方向に沿って流体が吸入されると共に、中空通路を経由して流体排出部から燃料が排出されるため、弁体の径方向(移動方向に直交する方向)に流体圧力が作用して弁体とケース部材との間の摺動抵抗が大きくなるといった不具合が回避され、ひいては弁体に作用する力のバランスが良好に保たれる。その結果、弁体の作動不良を解消し、流体流量を精度良く調量することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、前記弁体を開放又は閉鎖の方向に付勢するためのスプリングと、該スプリングを収容するスプリング室とを備え、前記中空通路は流体吸入部の反対側が前記スプリング室に連通されてなる。この場合、弁体にはその移動方向に力が作用することがなく、安定した作動が可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、前記ケース部材には前記流体排出部としての流路に対向する連通部が形成され、該連通部が弁体の移動方向に延びるスリットからなる。この場合、弁体の移動量に応じてスリットの開口面積がリニアに変わり、流体流量の細かな調量が容易に実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。
【0012】
先ずは図1を用いて、本実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射装置の概要を説明する。図1において、多気筒ディーゼルエンジン(以下、エンジンEという)には各気筒の燃焼室に対応する複数の電磁燃料噴射弁Iが配設され、これら電磁燃料噴射弁Iは各気筒共通のコモンレールRに接続されている。コモンレールRには、高圧流路である供給配管R1及び吐出弁Bを介して可変吐出量高圧ポンプPが接続され、可変吐出量高圧ポンプPの駆動に伴い燃料噴射圧に相当する高い所定圧の燃料が連続的に蓄圧される。可変吐出量高圧ポンプPには、フィードポンプP1を経由して燃料タンクTから低圧燃料が吸入され、同ポンプPは低圧燃料を高圧化してコモンレールRに対して圧送する。コモンレールRの圧力は、エンジンEの運転状態によって異なるが、約200〜1600気圧(約20〜160MPa)となっている。
【0013】
可変吐出量高圧ポンプPの詳細な構成については後述するが、同ポンプPは3つの圧力室を有する3系統圧送ポンプとなっている。また、可変吐出量高圧ポンプPにはその燃料吸入部において、燃料吐出量を制御するための吐出制御装置P2が設けられている。吐出制御装置P2はリニアソレノイドにて燃料量を任意に調量可能な電磁弁を有し、前記3系統圧送の燃料吐出量を1つの電磁弁にて制御できるように構成されている。
【0014】
コモンレールRには、その内部の燃料圧力(コモンレール圧)を検出するための圧力センサS1が配設されている。電子制御ユニット(以下、ECU40という)は、圧力センサS1により検出される実際のコモンレール圧が負荷や回転数に基づいて設定される最適値となるように可変吐出量高圧ポンプPの吐出量を決定し、それに応じた信号を吐出制御装置P2に出力する。
【0015】
ECU40には、回転角センサS2や負荷センサ(例えばスロットル開度センサ)S3より回転角や負荷等のエンジン運転情報が入力される。またその他にも、ECU40には、エンジン冷却水温を検出する冷却水温センサS4、吸気温を検出する吸気温センサS5及び吸気圧を検出する吸気圧センサS6が接続されており、各センサの検出信号がECU40に随時入力される。ECU40は、これら各センサの検出信号によるエンジン運転状態に基づいて最適な噴射時期及び噴射量(噴射期間)を決定し、それに応じた制御信号を電磁燃料噴射弁Iに出力する。これにより、電磁燃料噴射弁IからエンジンEの各燃焼室への燃料噴射が制御される。
【0016】
次に、可変吐出量高圧ポンプPの詳細な構成について図2〜図5を用いて説明する。ここで、図2は可変吐出量高圧ポンプPの全体を示す断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は前記図1の吐出制御装置P2に相当する電磁弁6の構成を示す断面図、図5は燃料圧送部の構成を拡大して示す断面図である。
【0017】
図2において、可変吐出量高圧ポンプPはポンプハウジング1a,1bを有し、これらポンプハウジング1a,1bにそれぞれ設けられた2つの滑り軸受け(フリクションベアリング)11,12によりドライブシャフト10が回転自在に支持されている。ドライブシャフト10は、例えばエンジンEが4気筒の場合に同エンジンEの4/3の回転と同期して回転駆動される。ドライブシャフト10は2つの滑り軸受け11,12の間に偏心部13を有しており、偏心部13はドライブシャフト10の中心軸Q1に対して距離uだけ偏心している。偏心部13の外周には滑り軸受け(フリクションベアリング)14が設けられており、偏心部13はその外周に配設される偏心カム15に対し回転自在となっている。
【0018】
また、図3において、偏心カム15は、外周面に3つの平坦部15a,15b,15cを有する略多角形状に構成されている。3つの平坦部15a〜15cの外方にそれぞれ配されるボディ21a,21b,21c内には、それぞれシリンダ2a,2b,2cが形成され、各シリンダ2a〜2cにはプランジャ3a,3b,3cが摺動自在に配設されている。圧力室4a,4b,4cの各々は、シリンダ2a〜2cの内壁面とプランジャ3a〜3cの端面により区画形成されている。
【0019】
3つの平坦部15a〜15cは、任意の2つのなす角度αが60度となるように、且つそれぞれシリンダ2a〜2cの中心軸に対して垂直になるように形成されている。また、3つのシリンダ2a〜2cは互いの中心軸が120度の角度間隔となるように配置されている。
【0020】
従って、ドライブシャフト10の回転に伴い偏心部13が回転すると、偏心カム15の中心Q2が、ドライブシャフト10の中心軸Q1を中心とする半径「u」の円形経路(図中に破線で示す経路)に沿って回転する。すると、偏心カム15の各平坦部15a〜15cが中心Q2の移動に伴い平行に動作し、プランジャ3a〜3cがシリンダ2a〜2c内を往復摺動する。これに伴い、圧力室4a〜4c内の低圧燃料が順次圧縮され高圧燃料となる。
【0021】
圧力室4a〜4c内への低圧燃料の供給経路について図2を用いて説明する。図中、ポンプハウジング1bの下端部には電磁弁6が設置され、電磁弁6先端部には燃料溜まり室16が設けられている。燃料タンクT内の燃料は、フィードポンプP1によって約15気圧に加圧され、低圧流路Lを通して燃料溜まり室16に送出される。電磁弁6は、ハウジング6a外周に設けたフランジ6bに図示しないボルトを挿通することによってポンプハウジング1bに固定されている。また、電磁弁6の周囲には環状の低圧燃料室20が設けられ、この低圧燃料室20は低圧流路17に連通している。
【0022】
電磁弁6は、図4(a)の如く、コイル61を内蔵するハウジング6aと、その左端に嵌装固定されるバルブケース6cとを有し、バルブケース6cに設けられたシリンダ62内に、スプールたる弁体63を摺動可能に保持している。バルブケース6cには、流路64とこれよりも流路断面積の小さな流路65とが形成されており、この流路64,65によりシリンダ62と図2の低圧燃料室20とが連通される。図4(b)に示されるように、流路64は円筒状に設けられるのに対し、流路65は弁体63の移動方向(図の左右方向)に長い等幅のスリットとして設けられている。
【0023】
弁体63にはその軸方向に延びる連通流路71が形成されると共に、弁体63の内外を連通する流路66,67が形成されている。外側の流路66は、バルブケース6cの流路65と位置合わせされつつ環状に設けられる。また、弁体63には鍔状に拡径部72が形成されており、弁体63は、拡径部72がバルブケース6cに当接する位置とシム73に当接する位置とによりその移動範囲が規定される。
【0024】
連通流路71は図の左右方向に貫通し、その左端は図2の燃料溜まり室16に開口し、右端はスプリング69を収容するためのスプリング室6dに開口している。つまり、弁体63はその摺動方向(左右方向)に燃料圧力が作用しないように構成され、弁体63の安定した作動が可能となる。なお本実施の形態では、連通流路71の左端が「流体吸入部」に相当し、流路66,67が「流体排出部」に相当する。
【0025】
弁体63の右端部にはアーマチャ70が圧入固定されており、このアーマチャ70は、コイル61と同軸に配設されたステータ68に一定の間隔で対向している。アーマチャ70と一体化された弁体63は、スプリング室6d内のスプリング69により図の左方に付勢されており、コイル61を通電していない図示の状態では連通流路71と低圧燃料室20(図2参照)とが遮断される。
【0026】
ステータ68は、アーマチャ70に近づくほどそれに対向する部位の断面積が小さくなるテーパ部68aを有し、弁体63の変位位置はコイル61への通電量により決定される。すなわち、電磁弁6はリニアソレノイド弁(比例電磁弁)として構成される。よって、コイル61を通電すると、弁体63が図の右方に変位して流路64〜67を介して連通流路71と低圧燃料室20(図2参照)とが連通し、通電量を増加すると、通電量に応じて連通部の開口面積(弁体63のリフト量)が増加する。弁体63のリフト量を調整することによる、こうした流路面積制御は、ECU40によるデューティ制御にて実現される。因みに、電磁弁6を常閉弁として構成することで、例えばコイル破損時に燃料の圧送が行われないようにする効果がある。
【0027】
弁体63の連通流路71は、図2に示されるように、ポンプハウジング1bに設けられた低圧流路17を通して、ポンプハウジング1aに設けられた環状の低圧流路18に連通している。環状の低圧流路18はポンプハウジング1bに設けられた低圧流路19に連通し、さらに、流路24,25を通してプランジャ3a上部の圧力室4aに連通している。また、弁体63の連通流路71は、図示しない低圧流路を介して他の圧力室4b,4cにも連通している。
【0028】
ここで図5に示されるように、ポンプハウジング1bの上部には、カバー部材22と流路形成部材23との一体物が図示しないボルトによって固定されており、ボディ21aの上面は流路形成部材23の下面に密着している。流路24,25はそれぞれカバー部材22及び流路形成部材23に形成されている。
【0029】
圧力室4aには、逆止弁として機能するプレート5aが配設されている。プレート5aには、流路25に対向しない位置に複数個の貫通穴51aが形成されている。また、カバー部材22及び流路形成部材23には高圧流路27,28が形成され、高圧流路27には逆止弁として機能するボール29が配設されている。ここで、ボール29は前記図1における吐出弁Bに相当する。すなわち、本実施の形態の可変吐出量高圧ポンプPにおいては、吐出弁Bが3個設置されていることになる。
【0030】
偏心カム15の平坦部15aとプランジャ3aとの間には、パッド31aが介設されている。パッド31aはハウジング1bの内周面に沿って延びる円筒状をなし、ハウジング1b内に摺動自在に支持されている。パッド31aとボディ21aとの間にはスプリング32aが配設され、その付勢力によりパッド31aを偏心カム15の平坦部15aに当接せしめている。それ故、偏心カム15が偏心して動作する際、パッド31aは平坦部15aと一体的に図の上下方向に往復動する。
【0031】
ここで図2において、コイル61の通電に伴い電磁弁6の弁体63が開弁位置に移動すると、燃料溜まり室16と低圧燃料室20とが連通される。そして、ドライブシャフト10の回転により偏心カム15が下降を開始すると、スプリング32aの付勢力によりパッド31aも下降する。このとき、燃料溜まり室16内の約15気圧の低圧燃料は、連通流路71、低圧燃料室20、低圧流路17〜19、流路24,25及びプレート5aの貫通穴51aを経由して圧力室4aに流入し、プランジャ3aを下降させる。
【0032】
圧力室4aへの燃料流入量は弁体リフト量により決まり、所望の燃料量が圧力室4a内に流入すると、その時点でプランジャ3aとパッド31aとが離れる。そのため、圧力室4a内でのキャビテーションの発生が抑制される。
【0033】
そして、コイル61への通電遮断により弁体63が閉弁位置に戻ると、圧力室4aへの低圧燃料の供給が停止される。ドライブシャフト10の回転により偏心カム15が上昇に転じると、スプリング32aの付勢力に抗してパッド31aも上昇する。パッド31aとプランジャ3aとが当接した後は、圧力室4aの圧力が高くなり、プレート5aは流路形成部材23の下面に密着する。かくして、流路25と圧力室4aとの連通が遮断される。その後、圧力室4aの容積の減少に伴い更に圧力が上昇して所定の圧力となると、ボール29が開弁位置に移動し、圧力室4a内の高圧燃料は高圧流路27,28を通ってコモンレールRに給送される。
【0034】
因みに、燃料溜まり室16内の低圧燃料が弁体63側の連通流路71及び流路66,67を経てバルブケース6c側の流路65に流れる際、流路65,66間が絞りになるために流路65内の燃料圧は低くなり、弁体63の外周面に作用する燃料圧は小さい。そのため、弁体63とバルブケース6cとの摺動抵抗は小さく、弁体63の滑らかな動作が確保される。
【0035】
以上、圧力室4aの周辺を中心とした説明をしたが、他の圧力室4b,4cの周辺も同様の構成を有する。すなわち、図3に示されるように、偏心カム15の平坦部15b,15cとプランジャ3b,3cの間にもパッド31b,31cがそれぞれ介設され、パッド31b,31cはスプリング32b,32cの付勢力により平坦部15b,15cに当接している。プランジャ3a〜3cは、いずれもパッド31a〜31cとは独立に設けられ、スプリング32a〜32cの付勢力は作用しないようになっている。
【0036】
次に、可変吐出量高圧ポンプPの動作を図6のタイムチャートを用いて説明する。図6は、電磁弁6のオン/オフ(通電/非通電)、並びに可変吐出量高圧ポンプPの3つの平坦部15a〜15c及びプランジャ3a〜3cの推移を示すタイムチャートである。図中、各々の平坦部15a〜15cの軌跡を実線で示し、プランジャ3a〜3cの軌跡を一点鎖線で示す。
【0037】
なお本実施の形態では、電磁弁6への通電デューティ比を調整して弁体リフト量(流路面積)が制御されると共に、可変吐出量高圧ポンプPによる1回の燃料圧送毎に電磁弁6の開弁時間が制御される。つまり、図6中、電磁弁6がオンとなる通電時間T1により同電磁弁6の開弁時間が制御され、この期間内では通電デューティ比により決まる平均電流により流路面積が制御される。これにより、電磁弁6に対して「流路面積&開弁時間制御」が実施されるようになっている。
【0038】
詳細には図6において、120度毎の燃料圧送に合わせて電磁弁6がオン/オフされる。例えばプランジャ3aが略上死点に達する時刻t11で、電磁弁6がオン(開弁)される。このとき、単位時間当たりの燃料吸入量は電磁弁6の通電デューティ比により決定され、その通電デューティ比に相当する開口面積分だけプランジャ3aが下動する。時刻t11〜t12では、通電時間T1だけ電磁弁6の流路面積&開弁時間制御が行われ、その制御に伴い3つの圧力室4a〜3cにそれぞれ低圧燃料が吸入される。
【0039】
時刻t12では電磁弁6がオフ(閉弁)され、時刻t12〜t13では例えば圧力室4a内の圧力が一定に保持される。それにより、プランジャ3aの位置が保持される。
【0040】
その後、プランジャ3bが略上死点に達する時刻t13や、プランジャ3cが略上死点に達する時刻t14でも同様に、通電時間T1だけ電磁弁6がオンされる。そして、電磁弁6の流路面積&開弁時間制御が各々で行われ、圧力室4a〜4cにそれぞれ低圧燃料が吸入される。
【0041】
また、時刻t15では、平坦部15aの上動に伴いプランジャ3aが当該平坦部15a(実際には、パッド31a)に当接し、プランジャ3aが下動から上動に転じる。これにより、圧力室4a内の燃料が圧縮され始め、その燃料圧力が前記図1の吐出弁B(図5のボール29)の開弁圧に達すると、圧力室4a内の燃料がコモンレールRに吐出される。
【0042】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
【0043】
(a)本実施の形態の電磁弁6では、弁体63に連通流路71を設けてその一端を流体吸入部とすると共に、連通流路71と弁体外周とを結ぶ流路66,67を設けてその流路66,67を流体排出部とした。この場合、弁体63の径方向に燃料圧力が作用して弁体63とバルブケース6cとの間の摺動抵抗が大きくなるといった不具合が回避され、ひいては弁体63に作用する力のバランスが良好に保たれる。その結果、弁体63の作動不良を解消し、燃料流量を精度良く調量することができる。
【0044】
(b)連通流路71は流体吸入部の反対側がスプリング室6dに連通される。従って、弁体63にはその移動方向に燃料圧力が作用することがなく、同弁体63の安定動作が保証される。また、弁体63の安定動作を実現するための対策として、体格の大型化やコイル通電電力の増大化が強いられることもなく、簡易構成の電磁弁6を採用することができる。
【0045】
(c)バルブケース6cには流路64,65を設け、このうち内側の流路65を弁体63の移動方向に延びる等幅のスリットとした。従って、弁体リフト量に応じて流路65(スリット)の開口面積がリニアに変わり、燃料流量の細かな調量が容易に実現できる。
【0046】
(d)可変吐出量高圧ポンプPにおいては、燃料圧送部ではなく燃料吸入部に電磁弁6が設けられる。この場合、電磁弁6の開閉動作に際し、弁体63に高圧燃料が作用することはなく、高圧燃料を受けて弁体63が不用意に動作(閉弁又は開弁)するなどの問題が回避できる。従って、可変吐出量高圧ポンプPによる燃料吐出量の制御を精度良く実施することが可能となる。
【0047】
(e)可変吐出量高圧ポンプPにおいて、電磁弁6と圧力室4a〜4cとの間に逆止弁(プレート5a)を設け、圧力室への低圧燃料の吸入時には圧力室と電磁弁6との間を連通すると共に、圧力室に吸入された低圧燃料の加圧開始時から燃料の圧送終了時までの間には圧力室と電磁弁6との間を遮断するようにした。これにより、低圧燃料の吸入量制御が簡易的な構成で実現できる。
【0048】
(f)本実施の形態における可変吐出量高圧ポンプPは3つの圧力室4a〜4cを有し、燃料吐出量が少ない時、電磁弁6により流量制御された低圧燃料は2つ以上の圧力室に同時に供給されるが、上記の通り燃料流量が精度良く調量されることで、コモンレールRに対する高圧燃料の吐出量も精度良く制御できる。
【0049】
(g)電磁弁6の流路面積&開弁時間制御によりコモンレールRへの燃料圧送量を制御することとしたため、比較的低回転域で細かな調量精度が要求される場合にも、燃料調量の分解能を上げ、要求精度に応じた燃料量制御が実現できる。この場合、エンジン低回転域での調量精度が低下するといった問題が解消され、如何なるエンジン運転状態にあっても高精度な流量制御が実現できる。
【0050】
なお、本発明の実施の形態は、上記以外に次の形態にて具体化できる。本発明の電磁弁6を図7に示す可変吐出量高圧ポンプPに適用する。前記図2との相違点として、図7の構成ではプランジャ3aにプレート41が組み付けられ、ボディ21aとプレート41との間にスプリング32aが配設されている。この場合、スプリング32aの付勢力によりプランジャ3aは偏心カム15に当接する方向に常に付勢される。上記構成では、プランジャ3aの動きが前記図2の構成と異なるものの、既述の通り燃料流量を精度良く調量する等の優れた効果が得られる。
【0051】
上記実施の形態では、電磁弁6(吐出制御装置P2)を可変吐出量高圧ポンプPの燃料吸入部に設けたが、電磁弁6を同ポンプPの燃料吐出部(高圧流路27,28)に設けてもよい。この場合、電磁弁6には高圧燃料が作用し、そのために弁体63の動作が不安定になることも考えられるが、上記各実施の形態と同様に、流路面積&開弁時間制御を適宜実施することで、エンジン運転状態に関係なく燃料吐出量を高精度に制御できる。
【0052】
上記実施の形態では、図4(b)に示されるように、流路65を弁体63の軸方向(左右方向)に長い等幅のスリットとしたが、三角形状にする等、その形状を変更してもよい。要は、流路面積が制御できて流体流量の細かな調量が実現できるものであればよい。或いは、スリット自体を廃する等して流路64,65を段差のない一つの流路で構成してもよい。
【0053】
可変吐出量高圧ポンプPの構成(図2の構成)を変更する。例えば燃料を高圧化するための複数のプランジャをドライブシャフトに沿って直列に配置し、そのプランジャの往復動により燃料を圧送するポンプでもよい。また、燃料を加圧するための圧力室は任意の数だけ設ければよく、3つ以外の複数個設ける構成や、1つだけ設ける構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射装置の概要を示す全体構成図。
【図2】可変吐出量高圧ポンプの全体構成を示す断面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】電磁弁の構成を拡大して示す断面図。
【図5】燃料圧送部の構成を拡大して示す断面図。
【図6】可変吐出量高圧ポンプの流路面積&開弁時間制御の概要を示すタイムチャート。
【図7】他の実施の形態において、可変吐出量高圧ポンプの全体構成を示す断面図。
【図8】従来技術において、電磁弁の構成を示す断面図。
【符号の説明】
P…可変吐出量高圧ポンプ、
P2…吐出制御装置、
R…コモンレール、
6…電磁弁、
6c…ケース部材としてのバルブケース、
6d…スプリング室、
61…コイル、
63…弁体、
64〜67…流路、
69…スプリング、
71…中空通路としての連通流路。

Claims (3)

  1. コイルの通電に伴いケース部材内を摺動する弁体を有し、該弁体の移動量に応じて流体流量を比例制御する流量制御用の電磁弁において、
    前記弁体にはその移動方向に延びる中空通路を設けて弁体の先端部に位置する中空通路の一端を流体吸入部とすると共に、前記中空通路と弁体外周とを結ぶ流路を設けてその流路を流体排出部とし、前記弁体が移動すると該流体排出部としての流路がケース部材により開放又は閉鎖されることを特徴とする流量制御用の電磁弁。
  2. 前記弁体を開放又は閉鎖の方向に付勢するためのスプリングと、該スプリングを収容するスプリング室とを備え、前記中空通路は流体吸入部の反対側が前記スプリング室に連通されてなる請求項1に記載の流量制御用の電磁弁。
  3. 前記ケース部材には前記流体排出部としての流路に対向する連通部が形成され、該連通部が弁体の移動方向に延びるスリットからなる請求項1又は請求項2に記載の流量制御用の電磁弁。
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