JP2000035149A - 流量制御用の電磁弁 - Google Patents

流量制御用の電磁弁

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JP2000035149A
JP2000035149A JP10205447A JP20544798A JP2000035149A JP 2000035149 A JP2000035149 A JP 2000035149A JP 10205447 A JP10205447 A JP 10205447A JP 20544798 A JP20544798 A JP 20544798A JP 2000035149 A JP2000035149 A JP 2000035149A
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valve body
pressure
fuel
solenoid valve
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Shigeiku Enomoto
榎本  滋郁
Masaaki Makino
牧野  正晃
Yutaka Miyamoto
宮本  裕
Toshihiko Ito
猪頭  敏彦
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Denso Corp
Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流体流量を精度良く調量することができる流量
制御用の電磁弁を提供する。 【解決手段】可変吐出量高圧ポンプPにおいて、フィー
ドポンプP1から供給される低圧燃料は、電磁弁6、低
圧流路17,18,19等を経由して圧力室4aに吸入
される。圧力室4aに吸入された燃料はプランジャ3a
の往復動に伴い圧縮されてコモンレールに送出される。
電磁弁6は、弁体63に連通流路71を設けてその一端
(図の左端)を流体吸入部とすると共に、連通流路71
と弁体外周とを結ぶ流路66,67を設けてその流路6
6,67を流体排出部とする。この場合、弁体63の径
方向に燃料圧力が作用して弁体63とバルブケース6c
との間の摺動抵抗が大きくなるといった不具合が回避さ
れ、弁体63に作用する力のバランスが良好に保たれ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弁体リフト量に応
じて流体流量を比例制御するための流量制御用の電磁弁
に係り、例えば高圧燃料ポンプの燃料量を調量するため
の電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば図8に示す構成のON
/OFF式電磁弁が具体化されている。図8の電磁弁に
おいて、バルブケース81のシリンダ82内には棒状の
弁体83が摺動可能に収容されている。バルブケース8
1には流体通路84,85が設けられ、弁体83には縮
径部86が設けられる。
【0003】弁体83は、図示しないスプリングにより
常に図の左方向に付勢され、コイル88の非通電時には
鍔部87がバルブケース81に当接する位置で保持され
る。つまり、コイル非通電時には流体通路84が閉鎖さ
れ、電磁弁が閉弁状態となる。そして、コイル88が通
電されると、図示しないスプリングの付勢力に抗して弁
体83が図の右方へ移動し、弁体83の縮経部86を介
して流体通路84,85が連通される。これにより、電
磁弁が開弁状態となり、図のX側からY側への流体の流
れが許容される。
【0004】また一方で、前記電磁弁を用いて流体流量
をリニアに調量したいという要望がある。この場合、電
流値に応じて弁体リフト量が調節可能なリニアソレノイ
ド(比例電磁)弁を用い、弁体リフト量を変えることで
流路面積を変更する。高圧燃料ポンプによる燃料圧送量
を精密に制御する場合には、こうした電磁弁の流路面積
制御が不可欠であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記図8の構成では、
電磁弁が全開状態にある時、流体通路84を通過する流
体はそのまま弁体83の縮経部86を通って流体通路8
5側に流れる。これに対して、電磁弁が中間開度或いは
全閉状態にある時(図示の状態にある時)、流体通路8
4内の流体の圧力が弁体83の外周面に作用し、弁体8
3の径方向(図の下方)に同弁体83が押圧される。そ
れにより、弁体83とシリンダ82との間の摺動抵抗が
大きくなり、弁体83の作動不良が誘発される。この場
合、電磁弁の弁体リフト量を可変に制御して流体流量を
リニアに調量したいという要望に対して、弁体の作動不
良が原因で調量精度が低下するという問題を生ずる。
【0006】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、流体流量を精度
良く調量することができる流量制御用の電磁弁を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】要するに、弁体の移動量
に応じて流体流量を比例制御する流量制御用の電磁弁で
は、閉弁方向又は開弁方向に弁体に作用する力のバラン
スにより流体流量が決まり、そのバランスを良好に保つ
ことで調量精度が確保できる。
【0008】そこで、請求項1に記載の電磁弁では、弁
体にはその移動方向に延びる中空通路を設けて弁体の先
端部に位置する中空通路の一端を流体吸入部とすると共
に、前記中空通路と弁体外周とを結ぶ流路を設けてその
流路を流体排出部とし、前記弁体が移動すると該流体排
出部としての流路がケース部材により開放又は閉鎖され
る。上記構成によれば、流体吸入部から弁体の移動方向
に沿って流体が吸入されると共に、中空通路を経由して
流体排出部から燃料が排出されるため、弁体の径方向
(移動方向に直交する方向)に流体圧力が作用して弁体
とケース部材との間の摺動抵抗が大きくなるといった不
具合が回避され、ひいては弁体に作用する力のバランス
が良好に保たれる。その結果、弁体の作動不良を解消
し、流体流量を精度良く調量することができる。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、前記弁
体を開放又は閉鎖の方向に付勢するためのスプリング
と、該スプリングを収容するスプリング室とを備え、前
記中空通路は流体吸入部の反対側が前記スプリング室に
連通されてなる。この場合、弁体にはその移動方向に力
が作用することがなく、安定した作動が可能となる。
【0010】請求項3に記載の発明では、前記ケース部
材には前記流体排出部としての流路に対向する連通部が
形成され、該連通部が弁体の移動方向に延びるスリット
からなる。この場合、弁体の移動量に応じてスリットの
開口面積がリニアに変わり、流体流量の細かな調量が容
易に実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明
する。
【0012】先ずは図1を用いて、本実施の形態におけ
るコモンレール式燃料噴射装置の概要を説明する。図1
において、多気筒ディーゼルエンジン(以下、エンジン
Eという)には各気筒の燃焼室に対応する複数の電磁燃
料噴射弁Iが配設され、これら電磁燃料噴射弁Iは各気
筒共通のコモンレールRに接続されている。コモンレー
ルRには、高圧流路である供給配管R1及び吐出弁Bを
介して可変吐出量高圧ポンプPが接続され、可変吐出量
高圧ポンプPの駆動に伴い燃料噴射圧に相当する高い所
定圧の燃料が連続的に蓄圧される。可変吐出量高圧ポン
プPには、フィードポンプP1を経由して燃料タンクT
から低圧燃料が吸入され、同ポンプPは低圧燃料を高圧
化してコモンレールRに対して圧送する。コモンレール
Rの圧力は、エンジンEの運転状態によって異なるが、
約200〜1600気圧(約20〜160MPa)とな
っている。
【0013】可変吐出量高圧ポンプPの詳細な構成につ
いては後述するが、同ポンプPは3つの圧力室を有する
3系統圧送ポンプとなっている。また、可変吐出量高圧
ポンプPにはその燃料吸入部において、燃料吐出量を制
御するための吐出制御装置P2が設けられている。吐出
制御装置P2はリニアソレノイドにて燃料量を任意に調
量可能な電磁弁を有し、前記3系統圧送の燃料吐出量を
1つの電磁弁にて制御できるように構成されている。
【0014】コモンレールRには、その内部の燃料圧力
(コモンレール圧)を検出するための圧力センサS1が
配設されている。電子制御ユニット(以下、ECU40
という)は、圧力センサS1により検出される実際のコ
モンレール圧が負荷や回転数に基づいて設定される最適
値となるように可変吐出量高圧ポンプPの吐出量を決定
し、それに応じた信号を吐出制御装置P2に出力する。
【0015】ECU40には、回転角センサS2や負荷
センサ(例えばスロットル開度センサ)S3より回転角
や負荷等のエンジン運転情報が入力される。またその他
にも、ECU40には、エンジン冷却水温を検出する冷
却水温センサS4、吸気温を検出する吸気温センサS5
及び吸気圧を検出する吸気圧センサS6が接続されてお
り、各センサの検出信号がECU40に随時入力され
る。ECU40は、これら各センサの検出信号によるエ
ンジン運転状態に基づいて最適な噴射時期及び噴射量
(噴射期間)を決定し、それに応じた制御信号を電磁燃
料噴射弁Iに出力する。これにより、電磁燃料噴射弁I
からエンジンEの各燃焼室への燃料噴射が制御される。
【0016】次に、可変吐出量高圧ポンプPの詳細な構
成について図2〜図5を用いて説明する。ここで、図2
は可変吐出量高圧ポンプPの全体を示す断面図、図3は
図2のA−A線断面図、図4は前記図1の吐出制御装置
P2に相当する電磁弁6の構成を示す断面図、図5は燃
料圧送部の構成を拡大して示す断面図である。
【0017】図2において、可変吐出量高圧ポンプPは
ポンプハウジング1a,1bを有し、これらポンプハウ
ジング1a,1bにそれぞれ設けられた2つの滑り軸受
け(フリクションベアリング)11,12によりドライ
ブシャフト10が回転自在に支持されている。ドライブ
シャフト10は、例えばエンジンEが4気筒の場合に同
エンジンEの4/3の回転と同期して回転駆動される。
ドライブシャフト10は2つの滑り軸受け11,12の
間に偏心部13を有しており、偏心部13はドライブシ
ャフト10の中心軸Q1に対して距離uだけ偏心してい
る。偏心部13の外周には滑り軸受け(フリクションベ
アリング)14が設けられており、偏心部13はその外
周に配設される偏心カム15に対し回転自在となってい
る。
【0018】また、図3において、偏心カム15は、外
周面に3つの平坦部15a,15b,15cを有する略
多角形状に構成されている。3つの平坦部15a〜15
cの外方にそれぞれ配されるボディ21a,21b,2
1c内には、それぞれシリンダ2a,2b,2cが形成
され、各シリンダ2a〜2cにはプランジャ3a,3
b,3cが摺動自在に配設されている。圧力室4a,4
b,4cの各々は、シリンダ2a〜2cの内壁面とプラ
ンジャ3a〜3cの端面により区画形成されている。
【0019】3つの平坦部15a〜15cは、任意の2
つのなす角度αが60度となるように、且つそれぞれシ
リンダ2a〜2cの中心軸に対して垂直になるように形
成されている。また、3つのシリンダ2a〜2cは互い
の中心軸が120度の角度間隔となるように配置されて
いる。
【0020】従って、ドライブシャフト10の回転に伴
い偏心部13が回転すると、偏心カム15の中心Q2
が、ドライブシャフト10の中心軸Q1を中心とする半
径「u」の円形経路(図中に破線で示す経路)に沿って
回転する。すると、偏心カム15の各平坦部15a〜1
5cが中心Q2の移動に伴い平行に動作し、プランジャ
3a〜3cがシリンダ2a〜2c内を往復摺動する。こ
れに伴い、圧力室4a〜4c内の低圧燃料が順次圧縮さ
れ高圧燃料となる。
【0021】圧力室4a〜4c内への低圧燃料の供給経
路について図2を用いて説明する。図中、ポンプハウジ
ング1bの下端部には電磁弁6が設置され、電磁弁6先
端部には燃料溜まり室16が設けられている。燃料タン
クT内の燃料は、フィードポンプP1によって約15気
圧に加圧され、低圧流路Lを通して燃料溜まり室16に
送出される。電磁弁6は、ハウジング6a外周に設けた
フランジ6bに図示しないボルトを挿通することによっ
てポンプハウジング1bに固定されている。また、電磁
弁6の周囲には環状の低圧燃料室20が設けられ、この
低圧燃料室20は低圧流路17に連通している。
【0022】電磁弁6は、図4(a)の如く、コイル6
1を内蔵するハウジング6aと、その左端に嵌装固定さ
れるバルブケース6cとを有し、バルブケース6cに設
けられたシリンダ62内に、スプールたる弁体63を摺
動可能に保持している。バルブケース6cには、流路6
4とこれよりも流路断面積の小さな流路65とが形成さ
れており、この流路64,65によりシリンダ62と図
2の低圧燃料室20とが連通される。図4(b)に示さ
れるように、流路64は円筒状に設けられるのに対し、
流路65は弁体63の移動方向(図の左右方向)に長い
等幅のスリットとして設けられている。
【0023】弁体63にはその軸方向に延びる連通流路
71が形成されると共に、弁体63の内外を連通する流
路66,67が形成されている。外側の流路66は、バ
ルブケース6cの流路65と位置合わせされつつ環状に
設けられる。また、弁体63には鍔状に拡径部72が形
成されており、弁体63は、拡径部72がバルブケース
6cに当接する位置とシム73に当接する位置とにより
その移動範囲が規定される。
【0024】連通流路71は図の左右方向に貫通し、そ
の左端は図2の燃料溜まり室16に開口し、右端はスプ
リング69を収容するためのスプリング室6dに開口し
ている。つまり、弁体63はその摺動方向(左右方向)
に燃料圧力が作用しないように構成され、弁体63の安
定した作動が可能となる。なお本実施の形態では、連通
流路71の左端が「流体吸入部」に相当し、流路66,
67が「流体排出部」に相当する。
【0025】弁体63の右端部にはアーマチャ70が圧
入固定されており、このアーマチャ70は、コイル61
と同軸に配設されたステータ68に一定の間隔で対向し
ている。アーマチャ70と一体化された弁体63は、ス
プリング室6d内のスプリング69により図の左方に付
勢されており、コイル61を通電していない図示の状態
では連通流路71と低圧燃料室20(図2参照)とが遮
断される。
【0026】ステータ68は、アーマチャ70に近づく
ほどそれに対向する部位の断面積が小さくなるテーパ部
68aを有し、弁体63の変位位置はコイル61への通
電量により決定される。すなわち、電磁弁6はリニアソ
レノイド弁(比例電磁弁)として構成される。よって、
コイル61を通電すると、弁体63が図の右方に変位し
て流路64〜67を介して連通流路71と低圧燃料室2
0(図2参照)とが連通し、通電量を増加すると、通電
量に応じて連通部の開口面積(弁体63のリフト量)が
増加する。弁体63のリフト量を調整することによる、
こうした流路面積制御は、ECU40によるデューティ
制御にて実現される。因みに、電磁弁6を常閉弁として
構成することで、例えばコイル破損時に燃料の圧送が行
われないようにする効果がある。
【0027】弁体63の連通流路71は、図2に示され
るように、ポンプハウジング1bに設けられた低圧流路
17を通して、ポンプハウジング1aに設けられた環状
の低圧流路18に連通している。環状の低圧流路18は
ポンプハウジング1bに設けられた低圧流路19に連通
し、さらに、流路24,25を通してプランジャ3a上
部の圧力室4aに連通している。また、弁体63の連通
流路71は、図示しない低圧流路を介して他の圧力室4
b,4cにも連通している。
【0028】ここで図5に示されるように、ポンプハウ
ジング1bの上部には、カバー部材22と流路形成部材
23との一体物が図示しないボルトによって固定されて
おり、ボディ21aの上面は流路形成部材23の下面に
密着している。流路24,25はそれぞれカバー部材2
2及び流路形成部材23に形成されている。
【0029】圧力室4aには、逆止弁として機能するプ
レート5aが配設されている。プレート5aには、流路
25に対向しない位置に複数個の貫通穴51aが形成さ
れている。また、カバー部材22及び流路形成部材23
には高圧流路27,28が形成され、高圧流路27には
逆止弁として機能するボール29が配設されている。こ
こで、ボール29は前記図1における吐出弁Bに相当す
る。すなわち、本実施の形態の可変吐出量高圧ポンプP
においては、吐出弁Bが3個設置されていることにな
る。
【0030】偏心カム15の平坦部15aとプランジャ
3aとの間には、パッド31aが介設されている。パッ
ド31aはハウジング1bの内周面に沿って延びる円筒
状をなし、ハウジング1b内に摺動自在に支持されてい
る。パッド31aとボディ21aとの間にはスプリング
32aが配設され、その付勢力によりパッド31aを偏
心カム15の平坦部15aに当接せしめている。それ
故、偏心カム15が偏心して動作する際、パッド31a
は平坦部15aと一体的に図の上下方向に往復動する。
【0031】ここで図2において、コイル61の通電に
伴い電磁弁6の弁体63が開弁位置に移動すると、燃料
溜まり室16と低圧燃料室20とが連通される。そし
て、ドライブシャフト10の回転により偏心カム15が
下降を開始すると、スプリング32aの付勢力によりパ
ッド31aも下降する。このとき、燃料溜まり室16内
の約15気圧の低圧燃料は、連通流路71、低圧燃料室
20、低圧流路17〜19、流路24,25及びプレー
ト5aの貫通穴51aを経由して圧力室4aに流入し、
プランジャ3aを下降させる。
【0032】圧力室4aへの燃料流入量は弁体リフト量
により決まり、所望の燃料量が圧力室4a内に流入する
と、その時点でプランジャ3aとパッド31aとが離れ
る。そのため、圧力室4a内でのキャビテーションの発
生が抑制される。
【0033】そして、コイル61への通電遮断により弁
体63が閉弁位置に戻ると、圧力室4aへの低圧燃料の
供給が停止される。ドライブシャフト10の回転により
偏心カム15が上昇に転じると、スプリング32aの付
勢力に抗してパッド31aも上昇する。パッド31aと
プランジャ3aとが当接した後は、圧力室4aの圧力が
高くなり、プレート5aは流路形成部材23の下面に密
着する。かくして、流路25と圧力室4aとの連通が遮
断される。その後、圧力室4aの容積の減少に伴い更に
圧力が上昇して所定の圧力となると、ボール29が開弁
位置に移動し、圧力室4a内の高圧燃料は高圧流路2
7,28を通ってコモンレールRに給送される。
【0034】因みに、燃料溜まり室16内の低圧燃料が
弁体63側の連通流路71及び流路66,67を経てバ
ルブケース6c側の流路65に流れる際、流路65,6
6間が絞りになるために流路65内の燃料圧は低くな
り、弁体63の外周面に作用する燃料圧は小さい。その
ため、弁体63とバルブケース6cとの摺動抵抗は小さ
く、弁体63の滑らかな動作が確保される。
【0035】以上、圧力室4aの周辺を中心とした説明
をしたが、他の圧力室4b,4cの周辺も同様の構成を
有する。すなわち、図3に示されるように、偏心カム1
5の平坦部15b,15cとプランジャ3b,3cの間
にもパッド31b,31cがそれぞれ介設され、パッド
31b,31cはスプリング32b,32cの付勢力に
より平坦部15b,15cに当接している。プランジャ
3a〜3cは、いずれもパッド31a〜31cとは独立
に設けられ、スプリング32a〜32cの付勢力は作用
しないようになっている。
【0036】次に、可変吐出量高圧ポンプPの動作を図
6のタイムチャートを用いて説明する。図6は、電磁弁
6のオン/オフ(通電/非通電)、並びに可変吐出量高
圧ポンプPの3つの平坦部15a〜15c及びプランジ
ャ3a〜3cの推移を示すタイムチャートである。図
中、各々の平坦部15a〜15cの軌跡を実線で示し、
プランジャ3a〜3cの軌跡を一点鎖線で示す。
【0037】なお本実施の形態では、電磁弁6への通電
デューティ比を調整して弁体リフト量(流路面積)が制
御されると共に、可変吐出量高圧ポンプPによる1回の
燃料圧送毎に電磁弁6の開弁時間が制御される。つま
り、図6中、電磁弁6がオンとなる通電時間T1により
同電磁弁6の開弁時間が制御され、この期間内では通電
デューティ比により決まる平均電流により流路面積が制
御される。これにより、電磁弁6に対して「流路面積&
開弁時間制御」が実施されるようになっている。
【0038】詳細には図6において、120度毎の燃料
圧送に合わせて電磁弁6がオン/オフされる。例えばプ
ランジャ3aが略上死点に達する時刻t11で、電磁弁
6がオン(開弁)される。このとき、単位時間当たりの
燃料吸入量は電磁弁6の通電デューティ比により決定さ
れ、その通電デューティ比に相当する開口面積分だけプ
ランジャ3aが下動する。時刻t11〜t12では、通
電時間T1だけ電磁弁6の流路面積&開弁時間制御が行
われ、その制御に伴い3つの圧力室4a〜3cにそれぞ
れ低圧燃料が吸入される。
【0039】時刻t12では電磁弁6がオフ(閉弁)さ
れ、時刻t12〜t13では例えば圧力室4a内の圧力
が一定に保持される。それにより、プランジャ3aの位
置が保持される。
【0040】その後、プランジャ3bが略上死点に達す
る時刻t13や、プランジャ3cが略上死点に達する時
刻t14でも同様に、通電時間T1だけ電磁弁6がオン
される。そして、電磁弁6の流路面積&開弁時間制御が
各々で行われ、圧力室4a〜4cにそれぞれ低圧燃料が
吸入される。
【0041】また、時刻t15では、平坦部15aの上
動に伴いプランジャ3aが当該平坦部15a(実際に
は、パッド31a)に当接し、プランジャ3aが下動か
ら上動に転じる。これにより、圧力室4a内の燃料が圧
縮され始め、その燃料圧力が前記図1の吐出弁B(図5
のボール29)の開弁圧に達すると、圧力室4a内の燃
料がコモンレールRに吐出される。
【0042】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態の電磁弁6では、弁体63に連通流
路71を設けてその一端を流体吸入部とすると共に、連
通流路71と弁体外周とを結ぶ流路66,67を設けて
その流路66,67を流体排出部とした。この場合、弁
体63の径方向に燃料圧力が作用して弁体63とバルブ
ケース6cとの間の摺動抵抗が大きくなるといった不具
合が回避され、ひいては弁体63に作用する力のバラン
スが良好に保たれる。その結果、弁体63の作動不良を
解消し、燃料流量を精度良く調量することができる。
【0043】(b)連通流路71は流体吸入部の反対側
がスプリング室6dに連通される。従って、弁体63に
はその移動方向に燃料圧力が作用することがなく、同弁
体63の安定動作が保証される。また、弁体63の安定
動作を実現するための対策として、体格の大型化やコイ
ル通電電力の増大化が強いられることもなく、簡易構成
の電磁弁6を採用することができる。
【0044】(c)バルブケース6cには流路64,6
5を設け、このうち内側の流路65を弁体63の移動方
向に延びる等幅のスリットとした。従って、弁体リフト
量に応じて流路65(スリット)の開口面積がリニアに
変わり、燃料流量の細かな調量が容易に実現できる。
【0045】(d)可変吐出量高圧ポンプPにおいて
は、燃料圧送部ではなく燃料吸入部に電磁弁6が設けら
れる。この場合、電磁弁6の開閉動作に際し、弁体63
に高圧燃料が作用することはなく、高圧燃料を受けて弁
体63が不用意に動作(閉弁又は開弁)するなどの問題
が回避できる。従って、可変吐出量高圧ポンプPによる
燃料吐出量の制御を精度良く実施することが可能とな
る。
【0046】(e)可変吐出量高圧ポンプPにおいて、
電磁弁6と圧力室4a〜4cとの間に逆止弁(プレート
5a)を設け、圧力室への低圧燃料の吸入時には圧力室
と電磁弁6との間を連通すると共に、圧力室に吸入され
た低圧燃料の加圧開始時から燃料の圧送終了時までの間
には圧力室と電磁弁6との間を遮断するようにした。こ
れにより、低圧燃料の吸入量制御が簡易的な構成で実現
できる。
【0047】(f)本実施の形態における可変吐出量高
圧ポンプPは3つの圧力室4a〜4cを有し、燃料吐出
量が少ない時、電磁弁6により流量制御された低圧燃料
は2つ以上の圧力室に同時に供給されるが、上記の通り
燃料流量が精度良く調量されることで、コモンレールR
に対する高圧燃料の吐出量も精度良く制御できる。
【0048】(g)電磁弁6の流路面積&開弁時間制御
によりコモンレールRへの燃料圧送量を制御することと
したため、比較的低回転域で細かな調量精度が要求され
る場合にも、燃料調量の分解能を上げ、要求精度に応じ
た燃料量制御が実現できる。この場合、エンジン低回転
域での調量精度が低下するといった問題が解消され、如
何なるエンジン運転状態にあっても高精度な流量制御が
実現できる。
【0049】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて具体化できる。本発明の電磁弁6を図7に
示す可変吐出量高圧ポンプPに適用する。前記図2との
相違点として、図7の構成ではプランジャ3aにプレー
ト41が組み付けられ、ボディ21aとプレート41と
の間にスプリング32aが配設されている。この場合、
スプリング32aの付勢力によりプランジャ3aは偏心
カム15に当接する方向に常に付勢される。上記構成で
は、プランジャ3aの動きが前記図2の構成と異なるも
のの、既述の通り燃料流量を精度良く調量する等の優れ
た効果が得られる。
【0050】上記実施の形態では、電磁弁6(吐出制御
装置P2)を可変吐出量高圧ポンプPの燃料吸入部に設
けたが、電磁弁6を同ポンプPの燃料吐出部(高圧流路
27,28)に設けてもよい。この場合、電磁弁6には
高圧燃料が作用し、そのために弁体63の動作が不安定
になることも考えられるが、上記各実施の形態と同様
に、流路面積&開弁時間制御を適宜実施することで、エ
ンジン運転状態に関係なく燃料吐出量を高精度に制御で
きる。
【0051】上記実施の形態では、図4(b)に示され
るように、流路65を弁体63の軸方向(左右方向)に
長い等幅のスリットとしたが、三角形状にする等、その
形状を変更してもよい。要は、流路面積が制御できて流
体流量の細かな調量が実現できるものであればよい。或
いは、スリット自体を廃する等して流路64,65を段
差のない一つの流路で構成してもよい。
【0052】可変吐出量高圧ポンプPの構成(図2の構
成)を変更する。例えば燃料を高圧化するための複数の
プランジャをドライブシャフトに沿って直列に配置し、
そのプランジャの往復動により燃料を圧送するポンプで
もよい。また、燃料を加圧するための圧力室は任意の数
だけ設ければよく、3つ以外の複数個設ける構成や、1
つだけ設ける構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射装置の概要を示す全体
構成図。
【図2】可変吐出量高圧ポンプの全体構成を示す断面
図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】電磁弁の構成を拡大して示す断面図。
【図5】燃料圧送部の構成を拡大して示す断面図。
【図6】可変吐出量高圧ポンプの流路面積&開弁時間制
御の概要を示すタイムチャート。
【図7】他の実施の形態において、可変吐出量高圧ポン
プの全体構成を示す断面図。
【図8】従来技術において、電磁弁の構成を示す断面
図。
【符号の説明】
P…可変吐出量高圧ポンプ、P2…吐出制御装置、R…
コモンレール、6…電磁弁、6c…ケース部材としての
バルブケース、6d…スプリング室、61…コイル、6
3…弁体、64〜67…流路、69…スプリング、71
…中空通路としての連通流路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 正晃 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 宮本 裕 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 猪頭 敏彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC01 AC09 AD12 BA12 BA38 BA51 CA01S CA03 CA04U CA08 CA09 CD29 CE02 CE22 CE34 DB12 DC04 DC09 DC13 DC14 DC18 DC19 3H106 DA05 DA13 DA23 DB02 DB12 DB23 DB32 DC09 DC17 DD03 EE07 EE48 GC29 HH02 KK18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コイルの通電に伴いケース部材内を摺動す
    る弁体を有し、該弁体の移動量に応じて流体流量を比例
    制御する流量制御用の電磁弁において、 前記弁体にはその移動方向に延びる中空通路を設けて弁
    体の先端部に位置する中空通路の一端を流体吸入部とす
    ると共に、前記中空通路と弁体外周とを結ぶ流路を設け
    てその流路を流体排出部とし、前記弁体が移動すると該
    流体排出部としての流路がケース部材により開放又は閉
    鎖されることを特徴とする流量制御用の電磁弁。
  2. 【請求項2】前記弁体を開放又は閉鎖の方向に付勢する
    ためのスプリングと、該スプリングを収容するスプリン
    グ室とを備え、前記中空通路は流体吸入部の反対側が前
    記スプリング室に連通されてなる請求項1に記載の流量
    制御用の電磁弁。
  3. 【請求項3】前記ケース部材には前記流体排出部として
    の流路に対向する連通部が形成され、該連通部が弁体の
    移動方向に延びるスリットからなる請求項1又は請求項
    2に記載の流量制御用の電磁弁。
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