JP4015278B2 - コモンレール式燃料噴射装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変吐出量高圧ポンプにて圧縮した高圧燃料をコモンレール(蓄圧配管)内に蓄圧し、その高圧燃料をディーゼルエンジンの各気筒へ噴射するコモンレール式燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンに燃料を噴射するシステムの1つとして、コモンレール式燃料噴射システムが知られている。コモンレール式燃料噴射システムでは、エンジンの各気筒に連通する共通のコモンレールが設けられ、このコモンレールに可変吐出量高圧ポンプによって必要量の高圧燃料を圧送供給することで、コモンレールの燃料圧力を一定に保持している。コモンレール内の高圧燃料は、所定のタイミングで電磁燃料噴射弁が駆動されることにより各気筒に噴射供給される(例えば、特開昭64−73166号公報等)。
【0003】
また、この種の燃料噴射装置では、可変吐出量高圧ポンプに設けられるカム等の駆動により周期的に燃料を圧送する。かかる場合、可変吐出量高圧ポンプからコモンレールへ周期的に圧送される燃料を所望の量に調量制御したいという要望がある。ここで、所望の調量燃料を得るべく燃料経路上にリニアソレノイド(比例電磁)弁を設け、このリニアソレノイド弁をデューティ制御することで、流路面積(弁体リフト量)を所定値とし、これにより所望の燃料調量を実施する制御が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リニアソレノイド弁のデューティ制御によって流路面積を可変にするだけでは、例えばエンジン運転状態に応じてカム等の駆動による1周期毎の燃料圧送量が大幅に変化するために、この圧送量から所望の調量燃料量を確保できるほどの分解能が得られないことがある。
【0005】
具体的には、可変吐出量高圧ポンプの回転数範囲は始動時エンジン回転数の200rpmから最高回転数の4000rpmまで広範囲にわたる(但し、その範囲はエンジン機種によっても異なる)。この場合、ポンプ回転数が高いほどポンプ1回転の所要時間が短くなるため、高回転域での燃料圧送量を確保するには電磁弁の流路面積をある程度大きく設定する必要がある。ところが、電磁弁の流路面積を大きくすると、低回転域での燃料圧送量を細かく調整することが困難になる。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、リニアソレノイドを用いて燃料圧送量を制御する燃料噴射装置において、エンジン運転状態に拘わらず精度良く燃料調量を行うことができるコモンレール式燃料噴射装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、リニアソレノイドにより駆動される弁体を有し、前記可変吐出量高圧ポンプにて圧縮した高圧燃料の吐出量を調量するための電磁弁と、前記エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記コモンレールの内部の燃料圧力を検出するコモンレール圧検出手段と、前記電磁弁への通電時間T1に合わせて出力される出力駆動信号とパルス間隔T2及びパルス幅T3にて規定されるデューティ駆動信号との論理積信号に応じて前記電磁弁に流れる電流を制御する電磁弁駆動回路と、前記電磁弁への通電を制御する所定のタイミングが到来する都度、前記コモンレールに圧送される燃料の要求量に基づいて同コモンレール内に圧された燃料の目標コモンレール圧力を算出すると共に、前記検出した燃料圧力から実コモンレール圧力を算出し、それら目標コモンレール圧力及び実コモンレール圧力のコモンレール圧偏差に基づいて前記デューティ駆動信号のパルス幅T3を設定することにより電磁弁の弁体のリフト量を変更し、且つ、前記検出したエンジン運転状態に基づいて前記出力駆動信号の通電時間T1を設定することにより電磁弁の開弁時間を変更する制御手段とを備える。
【0012】
要するに、リニアソレノイド弁からなる電磁弁により可変吐出量高圧ポンプの燃料吐出量を制御する場合、弁体のリフト量を制御(デューティ制御)するだけでは時々刻々に多様に変化するエンジン運転状態に対して高精度な吐出量制御が実現できず、自ずと制御精度の粗密ができてしまう。これに対して上記構成によれば、エンジンの低回転域など、燃料調量の分解能が特に必要とされるエンジン運転状態にあっても、その要望に応えることが可能となる。その結果、エンジン運転状態に拘わらず精度良く燃料調量を行うといった本発明の目的が達せられる。
【0013】
実際には、請求項に記載したように、前記制御手段は、エンジン回転数が低いほど、電磁弁の開弁時間を短くするとよい。この場合、高回転域での燃料吐出量を確保しつつ、低回転域での調量精度を高めることができる。
因みに本発明では、エンジンの回転に伴い可変吐出量高圧ポンプが駆動されるため、エンジン回転数とポンプ回転数とを同意に扱うことができ、ポンプ回転数を検出し、それをエンジン回転数として用いる構成も可能である。
【0014】
請求項に記載の発明では、前記制御手段は、前記検出した可変吐出量高圧ポンプの回転位置に基づき、当該ポンプの圧送に同期させて前記電磁弁の開閉を制御する。この場合、電磁弁の開弁及び閉弁が圧送に同期して行われ、燃料吐出量のサイクル変動を抑制することができる。
【0015】
請求項に記載の発明では、前記電磁弁が可変吐出量高圧ポンプの燃料吸入部に設けられてなる。この場合、電磁弁の開閉動作に際し、弁体に高圧燃料が作用することはなく、高圧燃料を受けて弁体が不用意に動作(閉弁又は開弁)するなどの問題が回避できる。従って、可変吐出量高圧ポンプによる燃料吐出量の制御を精度良く実施することが可能となる。
【0016】
請求項に記載の発明において、電磁弁駆動回路は、前記電磁コイルの接地側に設けられ、同電磁コイルに流れる電流を制御する第1のスイッチング素子と、前記電磁コイルとの並列回路を構成して同電磁コイルの接地側から電源側へのみ電流の流れを許容するダイオードと、前記電磁弁が通電されて開弁される時にオンされ前記電磁コイルの接地側と前記ダイオードとの間の電流経路を接続する第2のスイッチング素子とを備える。
【0017】
つまり、電磁弁をデューティ制御して同弁への通電を断続する際、例えばバイポーラトランジスタからなる第1のスイッチング素子がオン/オフされることで同素子が発熱する。しかしながら、電磁弁の通電時に第2のスイッチング素子がオンされることで、電磁コイル、ダイオード及び第2のスイッチング素子からなる閉回路を電流が周回し、第1のスイッチング素子による発熱量が大幅に低減できる。
【0018】
また、請求項に記載の発明では、第1のスイッチング素子には、前記電磁コイルの接地側電圧を一時的に昇圧するための昇圧素子が接続される。この場合、電磁弁への通電遮断時において、昇圧素子により電磁コイルの接地側電圧が一時的に昇圧され、電磁コイルに蓄えられた電磁エネルギが消費されてコイルに流れる電流が急速に低下する。それにより、電磁弁の閉弁応答性が向上する。
請求項7に記載の発明では、リニアソレノイドにより駆動される弁体を有し、可変吐出量高圧ポンプにて圧縮した高圧燃料の吐出量を調量するための電磁弁と、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、電磁弁の弁体のリフト量を変更する第1の制御と、同弁体のリフト量を変更すると共に電磁弁の開弁時間を変更する第2の制御とを、前記検出したエンジン運転状態に応じて択一的に実行する制御手段とを備える。そして、電磁弁駆動回路は、前記電磁コイルの接地側に設けられ、同電磁コイルに流れる電流を制御する第1のスイッチング素子と、前記電磁コイルとの並列回路を構成して同電磁コイルの接地側から電源側へのみ電流の流れを許容するダイオードと、前記電磁弁が通電されて開弁される時にオンされて前記電磁コイルの接地側と前記ダイオードとの間の電流経路を接続する第2のスイッチング素子とを備える。
つまり、電磁弁をデューティ制御して同弁への通電を断続する際、例えばバイポーラトランジスタからなる第1のスイッチング素子がオン/オフされることで同素子が発熱する。しかしながら、電磁弁の通電時に第2のスイッチング素子がオンされることで、電磁コイル、ダイオード及び第2のスイッチング素子からなる閉回路を電流が周回し、第1のスイッチング素子による発熱量が大幅に低減できる。
請求項8に記載の発明では、リニアソレノイドにより駆動される弁体を有し、前記可変吐出量高圧ポンプにて圧縮した高圧燃料の吐出量を調量するための電磁弁と、前記エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記コモンレールに圧送される燃料の要求量に基づいて電磁弁の弁体のリフト量を変更すると共に、前記検出したエンジン運転状態に基づいて電磁弁の開弁時間を変更する制御手段とを備える。そして、電磁弁駆動回路は、前記電磁コイルの接地側に設けられ、同電磁コイルに流れる電流を制御する第1のスイッチング素子と、前記電磁コイルとの並列回路を構成して同電磁コイルの接地側から電源側へのみ電流の流れを許容するダイオードと、前記電磁弁が通電されて開弁される時にオンされて前記電磁コイルの接地側と前記ダイオードとの間の電流経路を接続する第2のスイッチング素子とを備える。
つまり、電磁弁をデューティ制御して同弁への通電を断続する際、例えばバイポーラトランジスタからなる第1のスイッチング素子がオン/オフされることで同素子が発熱する。しかしながら、電磁弁の通電時に第2のスイッチング素子がオンされることで、電磁コイル、ダイオード及び第2のスイッチング素子からなる閉回路を電流が周回し、第1のスイッチング素子による発熱量が大幅に低減できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
参考例
以下、参考例を図面に従って説明する。
【0020】
先ずは図1を用いて、本参考例におけるコモンレール式燃料噴射装置の概要を説明する。図1において、多気筒ディーゼルエンジン(以下、エンジンEという)には各気筒の燃焼室に対応する複数の電磁燃料噴射弁Iが配設され、これら電磁燃料噴射弁Iは各気筒共通のコモンレールRに接続されている。コモンレールRには、高圧流路である供給配管R1及び吐出弁Bを介して可変吐出量高圧ポンプPが接続され、可変吐出量高圧ポンプPの駆動に伴い燃料噴射圧に相当する高い所定圧の燃料が連続的に蓄圧される。可変吐出量高圧ポンプPには、フィードポンプP1を経由して燃料タンクTから低圧燃料が吸入され、同ポンプPは低圧燃料を高圧化してコモンレールRに対して圧送する。コモンレールRの圧力は、エンジンEの運転状態によって異なるが、約200〜1600気圧(約20〜160MPa)となっている。
【0021】
可変吐出量高圧ポンプPの詳細な構成については後述するが、同ポンプPは3つの圧力室を有する3系統圧送ポンプとなっている。また、可変吐出量高圧ポンプPにはその燃料吸入部において、燃料吐出量を制御するための吐出制御装置P2が設けられている。吐出制御装置P2はリニアソレノイドにて燃料量を任意に調量可能な電磁弁を有し、前記3系統圧送の燃料吐出量を1つの電磁弁にて制御できるように構成されている。
【0022】
コモンレールRには、その内部の燃料圧力(コモンレール圧)を検出するための圧力センサS1が配設されている。電子制御ユニット(以下、ECU40という)は、圧力センサS1により検出される実際のコモンレール圧が負荷や回転数に基づいて設定した最適値となるように可変吐出量高圧ポンプPの吐出量を決定し、それに応じた信号を吐出制御装置P2に出力する。
【0023】
ECU40には、回転角センサS2や負荷センサ(例えばスロットル開度センサ)S3より、回転角や負荷等のエンジン運転情報が入力される。またその他にも、ECU40には、エンジン冷却水温を検出する冷却水温センサS4、吸気温を検出する吸気温センサS5及び吸気圧を検出する吸気圧センサS6が接続されており、各センサの検出信号がECU40に随時入力される。ECU40は、これら各センサの検出信号によるエンジン運転状態に基づいて最適な噴射時期及び噴射量(噴射期間)を決定し、それに応じた制御信号を電磁燃料噴射弁Iに出力する。これにより、電磁燃料噴射弁IからエンジンEの各燃焼室への燃料噴射が制御される。
【0024】
次に、可変吐出量高圧ポンプPの詳細な構成について図2〜図5を用いて説明する。ここで、図2は可変吐出量高圧ポンプPの全体を示す断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は前記図1の吐出制御装置P2に相当する電磁弁6の構成を示す断面図、図5は燃料圧送部の構成を拡大して示す断面図である。
【0025】
図2において、可変吐出量高圧ポンプPはポンプハウジング1a,1bを有し、これらポンプハウジング1a,1bにそれぞれ設けた2つの滑り軸受け(フリクションベアリング)11,12によりドライブシャフト10が回転自在に支持されている。ドライブシャフト10は、例えばエンジンEが4気筒の場合に同エンジンEの4/3の回転と同期して回転駆動される。ドライブシャフト10は2つの滑り軸受け11,12の間に偏心部13を有しており、偏心部13はドライブシャフト10の中心軸Q1に対して距離uだけ偏心している。偏心部13の外周には滑り軸受け(フリクションベアリング)14が設けられており、偏心部13はその外周に配設される偏心カム15に対し回転自在となっている。
【0026】
また、図3において、偏心カム15は、外周面に3つの平坦部15a,15b,15cを有する略多角形状に構成されている。3つの平坦部15a〜15cの外方にそれぞれ配されるボディ21a,21b,21c内には、それぞれシリンダ2a,2b,2cが形成され、各シリンダ2a〜2cにはプランジャ3a,3b,3cが摺動自在に配設されている。圧力室4a,4b,4cの各々は、シリンダ2a〜2cの内壁面とプランジャ3a〜3cの端面により区画形成されている。
【0027】
3つの平坦部15a〜15cは、任意の2つのなす角度αが60°となるように、且つそれぞれシリンダ2a〜2cの中心軸に対して垂直になるように形成されている。また、3つのシリンダ2a〜2cは互いの中心軸が120°の角度間隔となるように配置されている。
【0028】
従って、ドライブシャフト10の回転に伴い偏心部13が回転すると、偏心カム15の中心Q2が、ドライブシャフト10の中心軸Q1を中心とする半径「u」の円形経路(図中に破線で示す経路)に沿って回転する。すると、偏心カム15の各平坦部15a〜15cが中心Q2の移動に伴い平行に動作し、プランジャ3a〜3cがシリンダ2a〜2c内を往復摺動する。これに伴い、圧力室4a〜4c内の低圧燃料が順次圧縮され高圧燃料となる。
【0029】
圧力室4a〜4c内への低圧燃料の供給経路について図2を用いて説明する。図中、ポンプハウジング1bの下端部には電磁弁6が設置され、電磁弁6先端部の周りには燃料溜まり室16が設けられている。燃料タンクT内の燃料は、フィードポンプP1によって約10気圧に加圧され、低圧流路Lを通して燃料溜まり室16に送出される。電磁弁6は、ハウジング6a外周に設けたフランジ6bに図示しないボルトを挿通することによってポンプハウジング1bに固定されている。
【0030】
電磁弁6は、図4の如く、コイル61を内蔵するハウジング6aと、その左端に嵌装固定されるバルブボディ6cとを有し、バルブボディ6cに設けられたシリンダ62内に、スプールたる弁体63を摺動可能に保持している。バルブボディ6cには、流路64とこれよりも流路断面積の小さな流路65とが形成されており、この流路64,65によりシリンダ62と燃料溜まり室16とが連通される。流路65は、弁体63の移動方向に長い等幅のスリットとして設けられている。
【0031】
弁体63にはその軸方向に延びる連通流路71が形成されると共に、弁体63の内外を連通する流路66,67が形成されている。流路66は、前記バルブボディ6cの流路65に合わせて環状に設けられる。また、弁体63には鍔状に拡径部72が形成されており、弁体63は、拡径部72がバルブボディ6cに当接する位置とシム73に当接する位置とによりその移動範囲が規定される。なお、連通流路71は図の左右方向に貫通し、弁体63にはその摺動方向(左右方向)に燃料圧力が作用しないように構成されている。これにより、弁体63の安定した作動が可能となる。
【0032】
弁体63の右端部にはアーマチャ70が圧入固定されており、このアーマチャ70は、コイル61と同軸に配設されたステータ68に一定の間隔で対向している。アーマチャ70と一体化された弁体63は、スプリング室6d内に配設されたスプリング69により図の左方に付勢されており、コイル61を通電していない図示の状態では燃料溜まり室16(図2参照)と連通流路71とが遮断される。
【0033】
ステータ68は、アーマチャ70に近づくほどそれに対向する部位の断面積が小さくなるテーパ部68aを有し、弁体63の変位位置はコイル61への通電量により決定される。すなわち、電磁弁6はリニアソレノイド弁(比例電磁弁)として構成される。よって、コイル61を通電すると、弁体63が図の右方に変位して燃料溜まり室16(図2参照)と連通流路71とが連通し、通電量を増加すると、通電量に応じて連通部の開口面積(弁体63のリフト量)が増加する。弁体63のリフト量を調整することによる、こうした流路面積制御は、ECU40によるデューティ制御にて実現される。因みに、電磁弁6を常閉弁として構成することで、例えばコイル破損時に燃料の圧送が行われないようにする効果がある。
【0034】
弁体63の連通流路71は、図2に示されるように、ポンプハウジング1bに設けられた低圧流路17を通して、ポンプハウジング1aに設けられた環状の低圧流路18に連通している。環状の低圧流路18はポンプハウジング1bに設けられた低圧流路19に連通し、さらに、流路24,25を通してプランジャ3a上部の圧力室4aに連通している。また、弁体63の連通流路71は、図示しない低圧流路を介して他の圧力室4b,4cにも連通している。
【0035】
ここで図5に示されるように、ポンプハウジング1bの上部には、カバー部材22と流路形成部材23との一体物が図示しないボルトによって固定されており、ボディ21aの上面は流路形成部材23の下面に密着している。流路24,25はそれぞれカバー部材22及び流路形成部材23に形成されている。
【0036】
圧力室4aには、逆止弁として機能するプレート5aが配設されている。プレート5aには、流路25に対向しない位置に複数個の貫通穴51aが形成されている。また、カバー部材22及び流路形成部材23には高圧流路27,28が形成され、高圧流路27には逆止弁として機能するボール29が配設されている。ここで、ボール29は前記図1における吐出弁Bに相当する。すなわち、本参考例の可変吐出量高圧ポンプPにおいては、吐出弁Bが3個設置されていることになる。
【0037】
従って図2において、コイル61の通電に伴い電磁弁6の弁体63が開弁位置に移動すると、燃料溜まり室16内の低圧燃料が、連通流路71、低圧流路17〜19、流路24,25及びプレート5aの貫通穴51aを経由して圧力室4aに流入する。そして、プランジャ3aによる燃料の圧送が始まると、圧力室4aの圧力が上昇し、プレート5aは流路形成部材23の下面に密着する。かくして、流路25と圧力室4aとの連通が遮断される。その後、圧力室4aの容積の減少に伴い更に圧力が上昇して所定の圧力となると、ボール29が開弁位置に移動し、圧力室4a内の高圧燃料は高圧流路27,28を通ってコモンレールRに給送される。
【0038】
偏心カム15の平坦部15aとプランジャ3aとの間には、パッド31aが介設されている。パッド31aはハウジング1bの内周面に沿って延びる円筒状をなし、ハウジング1b内に摺動自在に支持されている。パッド31aとボディ21aとの間にはスプリング32aが配設され、その付勢力によりパッド31aを偏心カム15の平坦部15aに当接せしめている。従って、偏心カム15が偏心して動作する際、パッド31aは平坦部15aと一体的に図の上下方向に往復動する。
【0039】
以上、圧力室4aの周辺を中心とした説明をしたが、他の圧力室4b,4cの周辺も同様の構成を有する。すなわち、図3に示されるように、偏心カム15の平坦部15b,15cとプランジャ3b,3cの間にもパッド31b,31cがそれぞれ介設され、パッド31b,31cはスプリング32b,32cの付勢力により平坦部15b,15cに当接している。プランジャ3a〜3cは、いずれもパッド31a〜31cとは独立に設けられ、スプリング32a〜32cの付勢力は作用しないようになっている。
【0040】
図6に示されるように、回転角センサS2には、ドライブシャフト10に対して同軸で回転するシグナルロータ35が対向配置される。シグナルロータ35の外周面には、外周面を3等分する3箇所の欠歯部37を除いて合計54個の突起36が形成されている。そして、回転角センサS2は、シグナルロータ35の外周面に形成された突起36が横切る度に検出信号を発生する。
【0041】
この場合、回転角センサS2の検出信号により、可変吐出量高圧ポンプPの回転数(エンジン回転数)と可変吐出量高圧ポンプPの回転角とが各々検出される。すなわち、回転角センサS2からは図7(イ)に示す検出信号が出力され、この検出信号を波形整形することで、図7(ロ)の如く、各々のプランジャ3a〜3cの圧送と同期した基準信号Aと回転角を表わす回転角信号Bとが得られることになる。なおこのとき、各々のプランジャ3a〜3cの圧送毎に「0」〜「17」の18個のNEパルス信号が検出される(0番のパルス信号が基準信号Aに相当する)。
【0042】
図8に示されるように、ECU40は、既述の各センサS1,S3〜S6から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換器41と、回転角センサS2から出力される信号を波形整形するための波形整形回路42と、A/D変換器41或いは波形整形回路42を介して入力されたセンサ検出信号に基づき可変吐出量高圧ポンプPの吐出量を制御するためのCPU43と、制御処理に必要な制御プログラムや各種データが予め記憶されたROM44と、制御処理に必要なデータが一時的に書き込まれて読み出されるRAM45と、電磁燃料噴射弁Iや電磁弁6を各々駆動するための駆動回路46,47とを備える。但し、便宜上図8には、駆動回路46及び電磁燃料噴射弁Iを1気筒分だけ示すが、実際にはエンジンEの気筒数分だけ設けられる。
【0043】
図9は、電磁弁6を駆動するための駆動回路47の構成を示す電気回路図である。電磁弁6のコイル61は、インダクタンス61aと抵抗61bとで表わされ、その一端はバッテリ電源端子VBに接続され、他端はnpnトランジスタからなる第1のトランジスタ80のコレクタに接続される。第1のトランジスタ80のエミッタは接地電位端子に接続されている。
【0044】
ANDゲート89とトランジスタ80のベースとの間には抵抗81が設けられている。ANDゲート89には、第1の駆動信号と第3の駆動信号とが入力される。抵抗81とトランジスタ80のベースとの間には抵抗82の一端が接続され、抵抗82の他端は接地電位端子に接続されている。
【0045】
また、抵抗81とトランジスタ80のベースとの間にはツェナーダイオード83のカソードが接続され、ツェナーダイオード83のアノードは接地電位端子に接続されている。ここで、ツェナーダイオード83のツェナー電圧Vzは「4.7V」であり、ANDゲート89の高電位出力の電圧5.0Vよりも少し低くなっている。さらに、抵抗81とトランジスタ80のベースとの間にはダイオード84のカソードが接続されている。ダイオード84のアノードにはツェナーダイオード85のアノードが接続され、ツェナーダイオード85のカソードにはトランジスタ80のコレクタが接続されている。
【0046】
ツェナーダイオード85のカソードにはpnpトランジスタからなる第2のトランジスタ86のエミッタとコイル61の一端とが接続されている。同トランジスタ86のコレクタにはダイオード87のアノードが接続され、ダイオード87のカソードはバッテリ電源端子VBに接続されている。トランジスタ86のベースには抵抗88の一端が接続され、当該トランジスタ86のベースには抵抗88を介して第2の駆動信号が入力される。
【0047】
なお本参考例では、第1のトランジスタ80が第1のスイッチング素子に、第2のトランジスタ86が第2のスイッチング素子に、ツェナーダイオード85が昇圧素子にそれぞれ相当する。
【0048】
上記駆動回路47の動作を図10のタイムチャートを参照しながら説明する。
第1の駆動信号は、電磁弁6の開弁時間を決定するための通電時間T1に合わせて出力される。また、第3の駆動信号は、パルス間隔T2及びパルス幅T3にて規定されるデューティ駆動信号であり、本参考例ではパルス間隔T2が1ms程度に設定される。この場合、第1,第3の駆動信号の論理積(AND)信号に応じて第1のトランジスタ80がオン/オフされる。
【0049】
第1の駆動信号が論理ハイレベルに立ち上げられると、第1のトランジスタ80がオンされ、電磁弁6のコイル61にバッテリ電源端子VBから電流が流れる。なおこのとき、コイル61のインダクタンス61aのため電流は緩やかに立ち上がる。第1の駆動信号が論理ハイレベルとなる期間において、コイル61には第3の駆動信号のパルス幅T3(デューティ比)に応じた平均電流Ioが流れ、コイル電流の増加に伴い電磁弁6が開弁される。電磁弁6は平均電流Ioに応じた開度で維持され、この時の弁体63のリフト量により燃料流量が決まる。そして、第1の駆動信号が立ち下げられると、コイル電流がゼロとなり電磁弁6が閉弁される。
【0050】
第2の駆動信号は、前記第1の駆動信号に対してハイ/ロー逆の信号であって、同第2の駆動信号が論理ローレベルの時に第2のトランジスタ86がオンされる。第2のトランジスタ86がオンされていれば、コイル61の高電位側(図9の点a)と低電位側(図9の点b)とがダイオード87を介して電気的に接続される。従って、第1のトランジスタ80がオフされた時、コイル61、第2のトランジスタ86及びダイオード87で構成された閉回路を電流が周回する。
【0051】
すなわち、第1の駆動信号が論理ハイレベルの期間内において第3の駆動信号がハイ/ローを繰り返すと、第1のトランジスタ80がオン/オフを繰り返すが、その際に上記の如く閉回路(素子61,86,87による閉回路)が構成されることで、同トランジスタ80が発熱することなくオン/オフ動作する。これにより、第1のトランジスタ80のオン期間内において当該トランジスタ80の発熱量が大幅に低減される。
【0052】
また、第1の駆動信号の立ち下がりに伴い第1のトランジスタ80がオフされる時、第2のトランジスタ86も併せてオフされる。これにより、前記点aと点bとの間が電気的に開放され、点bの電位はツェナーダイオード85のツェナー電圧Vz=30Vにまで上昇する。このとき、第1のトランジスタ80の抵抗が増大し、コイル61のインダクタンス61aに蓄えられた磁気エネルギが第1のトランジスタ80で消費される。その結果、コイル61に流れる電流が急速に低下し、電磁弁6が速やかに閉弁する。
【0053】
図11は、弁体63のリフト量(開口面積)と燃料の吐出量との関係を示す特性図である。図11によれば、弁体63のリフト量に対する吐出量の変化割合(特性線の傾きΔq/ΔL)はエンジン回転数に応じて変化し、低回転域ほど燃料の吸入時間が長くなるために弁体63のリフト量に対する吐出量の変化割合(Δq/ΔL)が大きくなる。図11では、
Δq/ΔL>Δq’/ΔL
の関係が成立する。
【0054】
この場合、高回転域での吐出量を確保しようとすると、弁体63の最大開口面積を大きくせざるをえず、結果として低回転域での吐出量の調量精度が悪化する。そこで本参考例では、低回転域において電磁弁6の弁体リフト量の制御に加え、同電磁弁6の開弁時間制御を実施する。すなわち、パルス幅T3(デューティ比)を制御することで弁体リフト量(流路面積)を制御し、通電時間T1を制御することで、電磁弁6の開弁時間を制御する。
【0055】
図12は、回転角センサS2からの検出信号に基づくNEパルス信号が入力される毎に、ECU40内のCPU43により繰り返し実行される割込み処理を示すフローチャートである。同処理によれば、コモンレールR内の蓄圧燃料の圧力(実コモンレール圧力)が目標コモンレール圧力となるように電磁弁6への通電が制御される。特に図12の処理では、
・電磁弁6を駆動するための通電パルスのパルス幅T3(デューティ比)を可変に制御する、「流路面積制御」と、
・この流量面積制御に加え、通電時間T1(開弁時間)を可変に制御する、「流路面積&開弁時間制御」と、
がエンジン回転数NEに応じて択一的に実行される。
【0056】
処理が開始されると、CPU43は、先ずステップ101を実行する。つまり、ステップ101では前回この割り込み処理が実行された後、今回実行されるまでの所要時間、すなわち回転角信号(NEパルス信号)のパルス間隔Tpを算出する。
【0057】
次に、CPU43は、ステップ102で前記算出したパルス間隔の今回値Tp(n)と前回値Tp(n−1)とにより、今回入力した回転角信号が基準信号であるか否かを判別する。具体的には、
Tp(n)>Tp(n−1)・K
が成立するか否かを判別する。この場合、基準信号の入力時には、パルス間隔Tpが通常より2.5倍程度の大きな値となるため、定数Kの値を例えば「2.28」とする。従って、パルス間隔の今回値Tp(n)が前回値Tp(n−1)に対してK倍以上であれば、今回の回転角信号が基準信号であると特定される。
【0058】
今回の回転角信号が基準信号である場合(ステップ102がYES)、CPU43はステップ103に進み、第1,第2の駆動信号の出力時期を検知するためのパルスカウンタCの値を「0」にクリアする。次に、CPU43は、ステップ104で回転角センサS2の検出信号に基づいてエンジン回転数NEを算出する。その後、CPU43は、ステップ105で前記負荷センサS3、冷却水温センサS4、吸気温センサS5及び吸気圧センサS6の各検出信号に基づいて、負荷(スロットル開度)、エンジン冷却水温、吸気温及び吸気圧といったエンジン運転状態を読み込む。
【0059】
そして、CPU43は、続くステップ106でエンジン回転数NEや各種エンジン運転状態に基づき目標コモンレール圧力、すなわちコモンレールRに蓄圧された燃料の目標圧力を算出する。また、CPU43は、次のステップ107で圧力センサS1の検出信号に基づいて実コモンレール圧力を算出する。
【0060】
その後、CPU43は、ステップ108で電磁弁6の「流路面積制御」が実行されるか、若しくは「流路面積&開弁時間制御」が実行されるかを表すフラグFが「1」であるか否かを判別する。ここで、F=1は、電磁弁6の流路面積&開弁時間制御が実行される旨を表し、F=0は、流路面積制御が実行される旨を表す。なおフラグFは、イグニッションキーのオン操作に伴う電源投入時に「1」に初期化されるようになっている。
【0061】
従って、例えばエンジン始動当初など、F=1である旨が判別されると、CPU43はステップ109に進み、エンジン回転数NEが所定の判定値NDよりも大きいか否かを判別する。判定値NDは、電磁弁6の開弁時間制御の要否を判断するためのエンジン回転数であって、本参考例ではND=2000rpmとする。また、F=0の場合、CPU43はステップ110に進み、エンジン回転数NEが所定の判定値「ND−50rpm」よりも小さいか否かを判別する。
【0062】
上記ステップ108〜110の判別結果を基に、F=1で且つNE≦NDの場合、或いはF=0で且つNE≧ND−50の場合、CPU43はそのまま本ルーチンの処理を終了する。すなわち、それまでの制御形態を継続して実施することとし、F=1であれば流路面積&開弁時間制御を、F=0であれば流路面積制御を、それぞれ継続する。
【0063】
一方、F=1で且つNE>NDの場合、CPU43はステップ111に進み、フラグFを「0」にクリアする。また、CPU43は、続くステップ112で第1の駆動信号出力をオン(ON)すなわち論理ハイレベルとすると共に、第2の駆動信号出力をオフ(OFF)すなわち論理ローレベルとし、その後本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0064】
F=0で且つNE<ND−50の場合には、CPU43はステップ113に進み、フラグFに「1」をセットする。また、CPU43は、続くステップ114で第1の駆動信号出力をオフ(OFF)すなわち論理ローレベルとすると共に、第2の駆動信号出力をオン(ON)すなわち論理ハイレベルとし、その後本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0065】
図13を用いて、制御形態の切り換えのタイミングを説明すれば、回転上昇に伴い図の時刻t1ではフラグFが「0」にクリアされる。それにより、それまでの流路面積&開弁時間制御が流路面積制御に切り換えられる。また、回転下降に伴い時刻t2ではフラグFに「1」がセットされる。それにより、それまでの流路面積制御が流路面積&開弁時間制御に切り換えられる。
【0066】
一方、今回の回転角信号が基準信号でない場合(ステップ102がNO)、CPU43はステップ115に進み、パルスカウンタCを「1」インクリメントする。また、CPU43は、続くステップ116でパルスカウンタCの値が「1」であるか否かを判別する。C=1の場合、CPU43は、電磁弁6への通電を制御するタイミングであるとみなして後続のステップ117に進み、他方、C≠1の場合、電磁弁6への通電を制御するタイミングでないとみなしてそのまま本ルーチンの処理を終了する。
【0067】
ステップ117では、CPU43はフラグFが「1」であるか否かを判別する。そして、F=1であれば、ステップ118〜120で流路面積&開弁時間制御を実施し、F=0であれば、ステップ120で流路面積制御を実施する。
【0068】
詳細には、CPU43は、ステップ118で第1の駆動信号出力をオンすると共に、第2の駆動信号出力をオフする。また、CPU43は、続くステップ119で前記算出した目標コモンレール圧力と実コモンレール圧力との偏差に基づいて、第1の駆動信号のON時間(電磁弁6の通電時間)T1を算出する。このON時間T1は、第2の駆動信号のOFF時間でもある。ON時間T1は、例えば目標コモンレール圧力に対して実コモンレール圧力が低いほど長い時間に設定される。ON時間T1の設定に伴い、電磁弁6の開弁開始からT1時間経過後に同電磁弁6が閉弁される。
【0069】
その後、CPU43は、ステップ120で目標コモンレール圧力と実コモンレール圧力との偏差に基づいて、第3の駆動信号のON時間、すなわち電磁弁6の通電パルス幅T3を算出する。パルス幅T3は、例えば目標コモンレール圧力に対して実コモンレール圧力が低いほど長い時間に設定される。パルス幅T3の設定に伴い、電磁弁6の弁体63のリフト量、すなわち電磁弁6の開口面積(流路面積)が制御される。
【0070】
上述の通り、流路面積&開弁時間制御と流路面積制御とを択一的に実施した後、CPU43は本ルーチンの処理を終了する。なお本参考例では、流路面積制御が請求項記載の「第1の制御」に相当し、流路面積&開弁時間制御が「第2の制御」に相当する。
【0071】
図14,図15は、第1の駆動信号の動きと、可変吐出量高圧ポンプPの3つの平坦部15a〜15c,プランジャ3a〜3cの推移とを示すタイムチャートであり、図14は流路面積&開弁時間制御が実施される際の様子を、図15は流路面積制御が実施される際の様子を示す。図中、各々の平坦部15a〜15cの軌跡は実線で示し、プランジャ3a〜3cの軌跡は一点鎖線で示す。
【0072】
図14において、第1の駆動信号は120°間隔でオン/オフされる。例えばプランジャ3aが略上死点に達する時刻t11で、第1の駆動信号がオンされる。時刻t11〜t12では、通電時間T1だけ電磁弁6の流路面積&開弁時間制御が行われ(前記図12のステップ118〜120)、その制御に伴い電磁弁6が開弁して3つの圧力室4a〜3cにそれぞれ低圧燃料が吸入される。このとき、単位時間当たりの燃料吸入量は電磁弁6の駆動デューティ比(パルス幅T3)により決定され、そのパルス幅T3に相当する開口面積分だけプランジャ3aが下動する。
【0073】
時刻t12では、第1の駆動信号がオフされて電磁弁6が閉弁される。時刻t12〜t13では、例えば圧力室4a内の圧力が一定に保持され、それにより、プランジャ3aの位置が保持される。
【0074】
その後、プランジャ3bが略上死点に達する時刻t13や、プランジャ3cが略上死点に達する時刻t14でも同様に、通電時間T1だけ第1の駆動信号がオンされて、電磁弁6が開弁される。そして、電磁弁6の流路面積&開弁時間制御が各々で行われ、圧力室4a〜4cにそれぞれ低圧燃料が吸入される。
【0075】
また、時刻t15では、平坦部15aの上動に伴いプランジャ3aが当該平坦部15a(実際には、パッド31a)に当接し、プランジャ3aが下動から上動に転じる。これにより、圧力室4a内の燃料が圧縮され始め、その燃料圧力が前記図1の吐出弁B(図5のボール29)の開弁圧に達すると、圧力室4a内の燃料がコモンレールRに吐出される。
【0076】
一方、図15では、第1の駆動信号がオンのまま保持される(通電時間T1は設定されない)。つまり、例えば時刻t21ではパルス幅T3だけが設定され、そのパルス幅T3による流路面積制御が実施される(前記図12のステップ120)。これにより、プランジャ3aが下動し、圧力室4a内への低圧燃料の吸入が開始される。また、時刻t22,t23では、それぞれプランジャ3b,3cが下動し、圧力室4b,4c内への低圧燃料の吸入が開始される。
【0077】
上記図14,15を比較した場合、図14では、通電時間T1の制御(開弁時間制御)とパルス幅T3の制御(流路面積制御)とが実施され、比較的低回転域で、細かな調量精度が要求される場合にも、その要求に応じた燃料量が調量できる。これは、燃料調量の分解能が向上することを意味する。従ってこの流路面積&開弁時間制御は、特にエンジンEの低回転域で有効であると言える。
【0078】
これに対し図15では、通電時間T1の制御(開弁時間制御)が無くても、パルス幅T3の制御(流路面積制御)だけで細かな分解能が得られる。これは、前記図11の関係において弁体リフトの同一の変化量で比較した場合、高回転域ほど、吐出量の変化幅が小さいことからも分かる。
【0079】
因みに、図16は、通電時間T1の制御(開弁時間制御)のみを実施した場合について、プランジャ3a〜3cの推移を示す。つまりこの場合、第1の駆動信号=OFFであれば電磁弁6が全閉され、第1の駆動信号=ONであれば電磁弁6が全開される。同図において、例えば時刻t31〜t32では平坦部15aのリフトに沿ってプランジャ3aの位置が推移し、時刻t32〜t33で一旦プランジャリフトが保持された後、時刻t33直後で、プランジャ3aが平坦部15a(実際には、パッド31a)に当接するまで一気に下動する。これにより、圧力室4a内に一気に燃料が吸入されてしまい、燃料吐出量の細かな制御が不可能になる。
【0080】
以上詳述した本参考例によれば、以下に示す効果が得られる。
(a)本参考例では、流路面積制御(第1の制御)と流路面積&開弁時間制御(第2の制御)とを、エンジン回転数NEに応じて択一的に実行するようにした。上記構成によれば、制御精度の粗密をなくし、如何なる運転領域でも分解能の高い燃料調量が実現できる。その結果、エンジン運転状態に拘わらず精度良く燃料調量を行うといった本発明の目的が達せられる。
【0081】
(b)エンジンEの低回転域では流路面積&開弁時間制御を実施し、それ以外の回転域では流路面積制御を実施するようにした。つまり、エンジンEの低回転域では弁体リフト量に対する燃料吐出量の変化割合が増大するため、この低回転域では弁体リフト量の制御に加え、開弁時間制御を実施し、燃料調量の分解能を高める。これにより、高回転域での燃料吐出量を確保しつつ、低回転域での調量精度を高めることができる。
【0082】
(c)シグナルロータ35の欠歯部37を可変吐出量高圧ポンプPの圧送時期に対応させて設け、同欠歯部37の検出に伴う当該ポンプPの圧送に同期させて電磁弁6の開弁又は閉弁を制御するようにした。この場合、燃料吐出量のサイクル変動を抑制することができる。
【0083】
(d)可変吐出量高圧ポンプPにおいては、電磁弁6が燃料吸入部に設けられる。この場合、電磁弁6の開閉動作に際し、弁体63に高圧燃料が作用することはなく、高圧燃料を受けて弁体63が不用意に動作(閉弁又は開弁)するなどの問題が回避できる。従って、可変吐出量高圧ポンプPによる燃料吐出量の制御を精度良く実施することが可能となる。
【0084】
特に前記図4の構成によれば、弁体63の動作方向(図の左右方向)に燃料圧力が作用することはなく、同弁体63の安定動作が保証される。また、弁体63の安定動作を実現するための対策として、体格の大型化やコイル通電電力の増大化が強いられることもなく、簡易構成の電磁弁6を採用することができる。
【0085】
(e)駆動回路47において、電磁弁6のコイル61が通電される時にオンされる第2のトランジスタ86を設けた。これにより、電磁弁6をデューティ制御して同弁6への通電を断続する際、コイル61、ダイオード87及び第2のトランジスタ86からなる閉回路を電流が周回し、第1のトランジスタ80による発熱量が大幅に低減できる。
【0086】
(f)電磁弁6への通電遮断時にコイル61の接地側電圧を一時的に昇圧するためのツェナーダイオード85を設けた。従って、コイル61に蓄えられた電磁エネルギが消費されてコイル61に流れる電流が急速に低下する。それにより、電磁弁6の閉弁応答性が向上する。
【0087】
(g)エンジン回転数NEの判定値に50rpm分のヒステリシスを設けた。それにより、エンジン回転数NEが判定値付近で変動する場合において制御切り換えのハンチングが防止できる。
【0088】
(第の実施の形態)
次に、本発明を具体化したの実施の形態を説明する。但し、下記の実施の形態の構成において、上述した参考例と同等であるものについては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化する。そして、以下には参考例との相違点を中心に説明する。
【0089】
上記参考例では、「流路面積制御(第1の制御)」と「流路面積&開弁時間制御(第2の制御)」とをエンジン回転数NEに応じて択一的に実施したが、本実施の形態では上記2つの制御の選択処理をなくし、制御内容の簡素化を図る。図17は、本実施の形態におけるNEパルス信号割込み処理を示すフローチャートであり、同処理は前記図12の処理に置き換えて実施される。
【0090】
図17の処理では、エンジン回転数NEの判定やフラグFの操作が不要となり、前記図12のステップ108〜114,117,118の各処理が削除される。要するに、CPU43は、NEパルスの基準回転位置(カウンタC=0)でその時のエンジン運転状態から目標コモンレール圧力と実コモンレール圧力とを求め(ステップ103〜107)、次のNEパルス(カウンタC=1)で第1の駆動信号の通電時間T1及び第3の駆動信号のパルス幅T3を設定する(ステップ119,120)。
【0091】
詳細には、CPU43は、ステップ119で後述する図18の関係に基づいて第1の駆動信号の通電時間T1を決定し、それにより電磁弁6の開弁時間を制御する。また、CPU43は、続くステップ120で前述の通りコモンレール圧偏差(目標圧力−実圧力)に基づいて前記第3の駆動信号のパルス幅T3を決定し、それにより電磁弁6の流路面積(弁体リフト量)を制御する。
【0092】
図18では、エンジン回転数NEとコモンレール圧偏差とに応じて第1の駆動信号の通電時間T1が設定され、基本的にはエンジン回転数NEが高いほど通電時間T1が大きな値となる。また、所定回転数以上では通電時間T1が最大値Tmaxで保持される。このTmax値は、その時の回転状態で第1の駆動信号が常時オンとなるような時間である(NEパルスの1周期よりも長い時間)。そのため実際には、エンジンEの低回転域では流路面積&開弁時間制御が実施され、それ以外の回転域では開弁時間制御が実施されることとなる。
【0093】
以上第の実施の形態によれば、エンジンEの低回転域など、燃料調量の分解能が特に必要とされるエンジン運転状態にあっても、その要望に応えることが可能となる。その結果、上記参考例と同様に、エンジン運転状態に拘わらず精度良く燃料調量を行うといった本発明の目的が達せられる。
【0094】
また、エンジン回転数NEが低いほど、電磁弁6の開弁時間T1を短くすることで、高回転域での燃料吐出量を確保しつつ、低回転域での調量精度を高めることができる。
【0095】
なお、本発明の実施の形態は、上記以外に次の形態にて具体化できる
【0096】
記実施の形態では、電磁弁6(吐出制御装置P2)を可変吐出量高圧ポンプPの燃料吸入部に設けたが、同電磁弁6をポンプPの燃料吐出部(高圧流路27,28)に設けるように変更してもよい。この場合、電磁弁6には高圧燃料が作用し、そのために弁体63の動作が不安定になることも考えられるが、上記実施の形態と同様に、流路面積&開弁時間制御を適宜実施することで、エンジン運転状態に関係なく燃料吐出量を高精度に制御できる。
【0097】
上記駆動回路47の構成を図19又は図21のように変更する。但し、図19,図21の駆動回路において、前記図9の構成と同じものは同一の記号を付して示す。
【0098】
前記図9との主な相違点として、図19に示す駆動回路47では、ツェナーダイオード83,85,ダイオード84,第2のトランジスタ86,抵抗88が取り除かれる。この場合、コイル61の高電位側(点a)と低電位側(点b)とはダイオード87を介して常に電気的に接続される。第1の駆動信号が論理ハイレベルとなる期間において、コイル61には第3の駆動信号のパルス幅(デューティ比)に応じた平均電流が図の破線の如く流れる。第1の駆動信号が立ち下げられてトランジスタ80がオフされた時、コイル61及びダイオード87で構成された閉回路を電流が周回する。このとき、上記の閉回路(二点鎖線で示す閉回路)が構成されることで、トランジスタ80が発熱することなくオン/オフ動作する。これにより、トランジスタ80のオン期間内において、当該トランジスタ80の発熱量が大幅に低減される。図20には、第1の駆動信号とコイル電流との推移を示す。
【0099】
但し、前記図9の構成と比較した場合、既述の通りトランジスタ80の発熱量が少ないという利点を持つものの、第1の駆動信号をオフにしても直ぐにはコイル61に流れる電流は立ち下がらず、電磁弁6が閉弁するのに時間がかかるという欠点がある。
【0100】
一方、前記図9との主な相違点として、図21に示す駆動回路47では、第2のトランジスタ86,ダイオード87,抵抗88が取り除かれている。この場合、コイル61の高電位側と低電位側とは遮断される。第1の駆動信号の立ち下がりに伴いトランジスタ80がオフされる時、点bの電位はツェナーダイオード85のツェナー電圧Vz=30Vにまで上昇する。このとき、トランジスタ80の抵抗が増大し、コイル61のインダクタンス61aに蓄えられた磁気エネルギがトランジスタ80で消費される。その結果、コイル61に流れる電流が急速に低下し、電磁弁6が速やかに閉弁する。図22には、第1の駆動信号とコイル電流との推移を示す。
【0101】
但し、前記図9の構成と比較した場合、既述の通り駆動信号をオフした際の電磁弁6の閉弁応答性に優れるものの、トランジスタ80の発熱量が多いという欠点がある。
【0102】
電磁弁6の駆動回路47において、コイル61の接地側電圧を一時的に昇圧するための構成としては、既述のツェナーダイオード85を設ける他、別の構成を採用してもよい。例えばコイル電流を断続する機能と、コイル61の接地側電圧を一時的に昇圧する機能とを併せ持つトランジスタ素子を設ける構成としてもよい。
【0103】
記実施の形態では、可変吐出量高圧ポンプPとして図2の構成を採用したが、この構成以外のポンプでも適用できる。例えば燃料を高圧化するための複数のプランジャをドライブシャフトに沿って直列に配置し、そのプランジャの往復動により燃料を圧送するポンプでもよい。また、燃料を加圧するための圧力室は任意の数だけ設ければよく、3つ以外の複数個設ける構成や、1つだけ設ける構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ィーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射装置の概要を示す全体構成図。
【図2】可変吐出量高圧ポンプの全体を示す断面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】電磁弁の構成を示す断面図。
【図5】燃料圧送部の構成を拡大して示す断面図。
【図6】回転角センサとそれに対向するシグナルロータとを示す図。
【図7】回転角センサの波形信号を示す図。
【図8】ECUの電気的構成を示すブロック図。
【図9】駆動回路の電気的構成を示す回路図。
【図10】駆動回路の動作を説明するためのタイムチャート。
【図11】可変吐出量高圧ポンプの吐出量と電磁弁の弁体リフト量との関係を示す特性図。
【図12】NEパルス信号割込み処理を示すフローチャート。
【図13】エンジン回転数の推移に伴う制御形態の切り換え動作を示すタイムチャート。
【図14】流路面積&開弁時間制御の概要を示すタイムチャート。
【図15】流路面積制御の概要を示すタイムチャート。
【図16】開弁時間制御の概要を示すタイムチャート。
【図17】第の実施の形態において、NEパルス信号割込み処理を示すフローチャート。
【図18】第の実施の形態において、出力駆動信号(第1の駆動信号の通電時間を設定するための図。
【図19】他の実施の形態において、駆動回路の電気的構成を示す回路図。
【図20】図19の構成の駆動回路において、コイル電流の推移を示すタイムチャート。
【図21】他の実施の形態において、駆動回路の電気的構成を示す回路図。
【図22】図21の構成の駆動回路において、コイル電流の推移を示すタイムチャート。
【符号の説明】
E…エンジン、I…電磁燃料噴射弁、P…可変吐出量高圧ポンプ、P2…吐出制御装置、R…コモンレール、S2…運転状態検出手段,回転位置検出手段としての回転角センサ、6…電磁弁、40…制御手段としてのECU(電子制御ユニット)、47…駆動回路、61…リニアソレノイドとしてのコイル、63…弁体、68…リニアソレノイドとしてのステータ、80…第1のスイッチング素子としての第1のトランジスタ、85…昇圧素子としてのツェナーダイオード、86…第2のスイッチング素子としての第2のトランジスタ、87…ダイオード。

Claims (9)

  1. エンジンの回転に伴い駆動される可変吐出量高圧ポンプを備え、当該ポンプにて圧縮した高圧燃料をコモンレール内に圧し、該コモンレール内の高圧燃料をエンジンの各気筒へ噴射する燃料噴射装置であって、
    リニアソレノイドにより駆動される弁体を有し、前記可変吐出量高圧ポンプにて圧縮した高圧燃料の吐出量を調量するための電磁弁と、
    前記エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記コモンレールの内部の燃料圧力を検出するコモンレール圧検出手段と、
    前記電磁弁への通電時間T1に合わせて出力される出力駆動信号とパルス間隔T2及びパルス幅T3にて規定されるデューティ駆動信号との論理積信号に応じて前記電磁弁に流れる電流を制御する電磁弁駆動回路と、
    前記電磁弁への通電を制御する所定のタイミングが到来する都度、前記コモンレールに圧送される燃料の要求量に基づいて同コモンレール内に圧された燃料の目標コモンレール圧力を算出すると共に、前記検出した燃料圧力から実コモンレール圧力を算出し、それら目標コモンレール圧力及び実コモンレール圧力のコモンレール圧偏差に基づいて前記デューティ駆動信号のパルス幅T3を設定することにより電磁弁の弁体のリフト量を変更し、且つ、前記検出したエンジン運転状態に基づいて前記出力駆動信号の通電時間T1を設定することにより電磁弁の開弁時間を変更する制御手段と
    を備えることを特徴とするコモンレール式燃料噴射装置。
  2. 前記運転状態検出手段はエンジン回転数を検出し、
    前記制御手段は、エンジン回転数が低いほど、電磁弁の開弁時間を短くする請求項1に記載のコモンレール式燃料噴射装置。
  3. 前記可変吐出量高圧ポンプの回転位置を検出する回転位置検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記検出した可変吐出量高圧ポンプの回転位置に基づき、当該ポンプの圧送に同期させて前記電磁弁の開閉を制御する請求項1又は請求項2に記載のコモンレール式燃料噴射装置。
  4. 前記電磁弁が可変吐出量高圧ポンプの燃料吸入部に設けられてなる請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のコモンレール式燃料噴射装置。
  5. 前記電磁弁を構成する電磁コイルはその一端が電源端子に接続されると共に他端が同電磁コイルに流れる電流を制御する第1のスイッチング素子を有して構成される電磁弁駆動回路を介して接地電位端子に接続されるものであり、前記電磁弁駆動回路は、前記第1のスイッチング素子に加え、前記電磁コイルとの並列回路を構成して同電磁コイルの接地側から電源側へのみ電流の流れを許容するダイオードと、前記電磁弁が通電により開弁される時にオンされて前記電磁コイルの接地側と前記ダイオードとの間の電流経路を接続する第2のスイッチング素子とを備える請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のコモンレール式燃料噴射装置。
  6. 請求項5に記載のコモンレール式燃料噴射装置において、
    前記第1のスイッチング素子には、前記電磁コイルの接地側電圧を一時的に昇圧するための昇圧素子が接続されるコモンレール式燃料噴射装置。
  7. エンジンの回転に伴い駆動される可変吐出量高圧ポンプを備え、当該ポンプにて圧縮した高圧燃料をコモンレール内に蓄圧し、該コモンレール内の高圧燃料をエンジンの各気筒へ噴射する燃料噴射装置であって、
    リニアソレノイドにより駆動される弁体を有し、前記可変吐出量高圧ポンプにて圧縮した高圧燃料の吐出量を調量するための電磁弁と、
    前記エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記電磁弁の弁体のリフト量を変更する第1の制御と、同弁体のリフト量を変更すると共に電磁弁の開弁時間を変更する第2の制御とを、前記検出したエンジン運転状態に応じて択一的に実行する制御手段とを備え、
    前記電磁弁を構成する電磁コイルはその一端が電源端子に接続されると共に他端が同電 磁コイルに流れる電流を制御する第1のスイッチング素子を有して構成される電磁弁駆動回路を介して接地電位端子に接続されるものであり、前記電磁弁駆動回路は、前記第1のスイッチング素子に加え前記電磁コイルとの並列回路を構成して同電磁コイルの接地側から電源側へのみ電流の流れを許容するダイオードと、前記電磁弁が通電により開弁される時にオンされ前記電磁コイルの接地側と前記ダイオードとの間の電流経路を接続する第2のスイッチング素子とを備えることを特徴とするコモンレール式燃料噴射装置。
  8. エンジンの回転に伴い駆動される可変吐出量高圧ポンプを備え、当該ポンプにて圧縮した高圧燃料をコモンレール内に蓄圧し、該コモンレール内の高圧燃料をエンジンの各気筒へ噴射する燃料噴射装置であって、
    リニアソレノイドにより駆動される弁体を有し、前記可変吐出量高圧ポンプにて圧縮した高圧燃料の吐出量を調量するための電磁弁と、
    前記エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記コモンレールに圧送される燃料の要求量に基づいて電磁弁の弁体のリフト量を変更すると共に、前記検出したエンジン運転状態に基づいて電磁弁の開弁時間を変更する制御手段とを備え、
    前記電磁弁を構成する電磁コイルはその一端が電源端子に接続されると共に他端が同電磁コイルに流れる電流を制御する第1のスイッチング素子を有して構成される電磁弁駆動回路を介して接地電位端子に接続されるものであり、前記電磁弁駆動回路は、前記第1のスイッチング素子に加え、前記電磁コイルとの並列回路を構成して同電磁コイルの接地側から電源側へのみ電流の流れを許容するダイオードと、前記電磁弁が通電により開弁される時にオンされて前記電磁コイルの接地側と前記ダイオードとの間の電流経路を接続する第2のスイッチング素子とを備えることを特徴とするコモンレール式燃料噴射装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のコモンレール式燃料噴射装置において、
    前記第1のスイッチング素子には、前記電磁コイルの接地側電圧を一時的に昇圧するための昇圧素子が接続されるコモンレール式燃料噴射装置。
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