JP2000227172A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2000227172A
JP2000227172A JP11329611A JP32961199A JP2000227172A JP 2000227172 A JP2000227172 A JP 2000227172A JP 11329611 A JP11329611 A JP 11329611A JP 32961199 A JP32961199 A JP 32961199A JP 2000227172 A JP2000227172 A JP 2000227172A
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valve
valve body
coil
fuel
spring
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JP11329611A
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English (en)
Inventor
Shigeiku Enomoto
榎本  滋郁
Takayuki Inohara
孝之 猪原
Toshihiko Ito
猪頭  敏彦
Yutaka Miyamoto
宮本  裕
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コイルの通電時間に見合った開閉動作を行わ
せ、流体流量を精度良く調量する。 【解決手段】電磁弁6は、ディーゼルエンジンに高圧燃
料を供給するための高圧燃料ポンプに設けられる。電磁
弁6は、コイル61の通電に伴いバルブケース6c内を
摺動する弁体63と、弁体63を閉弁の方向に付勢する
スプリング69と、弁体63に一体化されたアーマチャ
70と、コイル通電時に弁体63をスプリング69の付
勢力に抗して移動させるためのステータ68とを有し、
弁体63が開弁位置に移動することで燃料(流体)の流
れを許容する。また、スプリング69による付勢方向で
はバルブケース6cの凹部74により片側の弁体移動範
囲が規制される一方、アーマチャ70がステータ68に
吸引される力とスプリング69の付勢力とが釣り合う点
で他側の弁体移動範囲が規制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の通過を許可
又は阻止することのできる電磁弁に係り、例えばディー
ゼルエンジン用の高圧燃料ポンプに使用され、同ポンプ
の燃料量を調量するための電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電磁弁はディーゼルエンジン用
の高圧燃料ポンプ等に使用され、その一例として図14
に示す構成のON/OFF式電磁弁がある。高圧燃料ポ
ンプでは、この電磁弁のON/OFFに伴い燃料吐出量
が調節される。図14の電磁弁200において、バルブ
ケース201のシリンダ202内には棒状の弁体203
が摺動可能に収容されている。バルブケース201には
燃料流路204,205が設けられ、弁体203には縮
径部206及び拡径部207が設けられる。また、バル
ブケース201の右端にはシム210が配設される。
【0003】弁体203は、図示しないスプリングによ
り常に図の左方向に付勢され、コイル208の非通電時
には拡径部207がバルブケース201の凹部209に
当接する位置で保持される。つまり、コイル非通電時に
は燃料流路204が閉鎖され、電磁弁200が閉弁状態
となる(図示の状態)。そして、コイル208が通電さ
れると、図示しないスプリングの付勢力に抗して弁体2
03が図の右方へ移動し、拡径部207がシム210に
当接する位置で保持され、弁体203の縮径部206を
介して燃料流路204,205が連通される。それによ
り、電磁弁200が閉弁状態から開弁状態に移行し、図
のY1側からY2側への燃料(流体)の流れが許容され
る。このとき、コイル208の通電時間に応じて高圧燃
料ポンプの燃料吐出量が制御される。なお図14の構成
では、バルブケース201の凹部209及びシム210
により弁体203の閉弁側及び開弁側の移動範囲が規制
され、その規制される範囲で弁体203の最大リフト量
が決まる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の電磁弁200の場合、コイル208の通電時間を変
えた時に、すなわち電磁弁200の開弁時間を変えた時
に、その時の燃料吐出量が不用意に変動し、同吐出量が
精度良く調量できないという問題があることが本願発明
者により確認されている。
【0005】図15は、高圧燃料ポンプの低速回転側
(例えば500rpm)で開弁時間の制御を行った時の
流量特性を示す。なお、図中の実線は理想となる単調増
加の特性を示し、破線は前記図14の電磁弁200を用
いた時の特性を示す。
【0006】図15において、燃料吐出量はコイル20
8の通電時間により制御されるが、上記電磁弁200で
は通電時間tに対して燃料吐出量が単調増加とならず、
破線に示すように一旦減少する領域が存在することが判
明した。同破線の領域が存在することで、高圧燃料ポン
プからの燃料吐出量の制御性が悪化する。その原因とし
ては、コイルの通電時間がその都度変更して設定される
にも拘わらず、その通電時間に見合うだけの開弁時間が
確保できないためであると考えられる。
【0007】その詳細を図16のタイムチャートを使い
説明する。図16は、コイル駆動信号の通電時間tを
A,B,Cの如く順に長くした時の弁体リフトの挙動を
表すタイムチャートである。図16中、コイルへの通電
開始後(駆動信号ON後)、所定時間が経過した時に弁
体がリフトを開始する。なお、弁体203の最大リフト
量は2.5mmであるとする。
【0008】Aの時、弁体リフトは最大リフト量(2.
5mm)に達することはなく、駆動信号のON/OFF
に対応して開弁及び閉弁動作が行われる。また、Bの
時、弁体リフトが最大リフト量(2.5mm)となるタ
イミングに重なるようにして駆動信号がOFFとなって
いる。この場合、Aの時よりも通電時間tが長いにも拘
わらず、弁体203の開弁時間Tb’は短くなっており
(Tb’<Ta’となる)、これが図15に示す破線の
ような特性になる理由である。実際には、弁体203が
最大リフトする際、拡径部207がシム210に衝突し
てバウンドする。その時、駆動信号がOFFとなってい
ると、そのバウンドした勢いで弁体203が閉弁側に移
動するため、Bの時は開弁時間が短くなる。
【0009】因みに、Cの時には、弁体203は最大リ
フト位置でバウンドしてリフト量が一旦小さくなるが、
通電ONの状態が継続されているため、再び最大リフト
位置に戻り、通電OFF後、閉弁する(開弁時間=T
c’)。
【0010】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、コイルの通電時
間に見合った開閉動作を行わせ、流体流量を精度良く調
量することができる電磁弁を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明における電磁弁
は、流体通路を開閉するための弁体と、前記弁体を開弁
又は閉弁の方向に付勢するスプリングと、コイルの通電
に伴い弁体を移動させるためのアーマチャと、コイル通
電時に弁体をスプリングの付勢力に抗して移動させるた
めのステータとを有することをその前提とする。
【0012】そして、請求項1に記載の発明はその特徴
として、前記スプリングによる付勢方向で前記弁体が当
接する位置規制部を設けて同位置規制部により片側の弁
体移動範囲を規制する一方、前記アーマチャがステータ
に吸引される力とスプリングの付勢力とが釣り合う点で
他側の弁体移動範囲を規制する。
【0013】要するに、コイルの非通電時には、スプリ
ングの付勢力により弁体が位置規制部に当接する位置で
保持され、その位置で片側の弁体移動範囲が規制され
る。また、コイルが通電されると、アーマチャがステー
タに吸引され、当該アーマチャに一体化された弁体がス
プリングの付勢力に抗して開弁側又は閉弁側に移動す
る。このとき、アーマチャがステータに吸引される力と
スプリングの付勢力とが釣り合う点で他側の弁体移動範
囲が規制される。
【0014】従って、コイルの通電に伴い弁体がスプリ
ングの付勢力に抗して移動する際、その移動方向に有る
部材に衝突して移動量が規制されることはなく、当該弁
体がバウンドして燃料流量が不用意に変動するといった
不都合が回避される。つまり、例えば常閉弁の場合、コ
イル非通電(オン→オフ)のタイミングに重なるように
して弁体がバウンドすると、弁体の閉弁動作が通常より
も速くなり、コイル非通電に伴う所望の閉弁時期よりも
早期に閉弁して流体流量が減じられるといった問題が生
じるが、本発明の構成によればこうした不具合が解消さ
れる。その結果、コイルの通電時間に見合った開閉動作
を行わせ、流体流量を精度良く調量することができる。
【0015】また実際には、請求項2に記載したよう
に、前記弁体の移動範囲内において、前記位置規制部の
反対側には位置規制のための部材を設けない構成であれ
ばよい。或いは、請求項3に記載したように、弁体の移
動方向の延長線上にあり、その弁体の移動を阻止できる
部材は、コイル通電に伴う弁体の移動可能域よりも離れ
て存在するといった構成であればよい。請求項2,3の
構成によれば、上記請求項1の特徴的な作用及び効果が
確実に得られる。
【0016】請求項4に記載の発明では、弁体側から延
びアーマチャを一体化した軸部材を、アーマチャを間に
挟んだ状態で支持部材により往復動可能に支持したの
で、仮に弁体側よりアーマチャ側の重量比率が大きくな
っても、その重量に起因して不均一な力が弁体に作用す
ることはない。つまり、アーマチャ一体の軸部材を支持
部材で支持することにより、ケース部材内における弁体
の摺動不良が抑制できる。
【0017】また、より確実にアーマチャ側の重量が弁
体に作用しないようにするには、請求項5に記載したよ
うに、弁体と軸部材とを別体とし、各々の中心軸がほぼ
一致し且つ、互いの端面が当接する状態で配設するとよ
い。
【0018】さらに請求項6に記載の発明では、弁体の
移動に伴い開放又は閉鎖される流体流路をケース部材に
設け、当該流体流路が全開又は全閉となるのに必要な弁
体の移動量をL1、コイル通電時における弁体の最大移
動量をL2、とする場合、 L1<L2 として構成する。
【0019】例えば、弁体の移動量がL1を超える時、
流体流路は全開状態(最大開口面積)で保持され、流体
流量は一定のまま保持される。つまり、L1<L2であ
るから、最大移動量L2だけ弁体が移動した時、流体流
路は全開状態となり、最大の流体流量が確保できる。ま
た逆に、弁体の移動により流体流路が閉鎖される場合に
は、L2分の弁体の移動により、流体流路は全閉状態で
確実に保持される。
【0020】請求項7に記載の発明では、前記コイルへ
の通電量に応じて前記弁体の移動量を調整し、該移動量
に応じて流体流量を比例制御する流量制御弁として電磁
弁が構成される。つまり、電磁弁を用いて流体流量をリ
ニアに調量したいという要望があり、この要望に応える
には、コイルへの通電量(電流値)に応じて弁体リフト
量が調節可能なリニアソレノイド(比例電磁)弁を用
い、弁体リフト量を変えることで流路面積を変更する。
こうして電磁弁の流路面積制御を行うことで、高圧燃料
ポンプによる燃料圧送量が精密に制御できる。
【0021】請求項8に記載の発明では、前記弁体の一
端側の圧力を他端側に導く手段を備えるので、弁体の両
端に作用する圧力が均等化される。それ故、弁体の両端
に作用する圧力の差により弁体の移動位置が変化すると
いった不都合が防止され、弁体の安定した動作が可能と
なる。
【0022】また、請求項9に記載の発明では、弁体に
設けた連通流路の一端が流体の吸入部又は排出部に開口
し、他端が前記スプリングを収容するスプリング室に開
口する。この場合、弁体にはその移動方向に流体圧力が
作用することがなく、弁体の安定した作動が可能とな
る。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明
する。
【0024】先ずは図1を用いて、本実施の形態におけ
るコモンレール式燃料噴射装置の概要を説明する。図1
において、多気筒ディーゼルエンジン(以下、エンジン
Eという)には各気筒の燃焼室に対応する複数の電磁燃
料噴射弁Iが配設され、これら電磁燃料噴射弁Iは各気
筒共通のコモンレールRに接続されている。コモンレー
ルRには、高圧流路である供給配管R1及び吐出弁Bを
介して高圧燃料ポンプPが接続され、高圧燃料ポンプP
の駆動に伴い燃料噴射圧に相当する高い所定圧の燃料が
連続的に蓄圧される。高圧燃料ポンプPには、フィード
ポンプP1を経由して燃料タンクTから低圧燃料が吸入
され、同高圧燃料ポンプPは低圧燃料を高圧化してコモ
ンレールRに対して圧送する。コモンレールR内の燃料
圧力は、エンジンEの運転状態によって異なるが、約2
00〜1600気圧(約20〜160MPa)となって
いる。
【0025】高圧燃料ポンプPの詳細な構成については
後述するが、同ポンプPは3つの圧力室を有する3系統
圧送ポンプとなっている。また、高圧燃料ポンプPには
その燃料吸入部において、燃料吐出量を制御するための
吐出制御装置P2が設けられている。吐出制御装置P2
はリニアソレノイドにて燃料量を任意に調量可能な電磁
弁を有し、前記3系統圧送の燃料吐出量を1つの電磁弁
にて制御できるように構成されている。
【0026】コモンレールRには、その内部の燃料圧力
(コモンレール圧)を検出するための圧力センサS1が
配設されている。電子制御ユニット(以下、ECU40
という)は、圧力センサS1により検出される実際のコ
モンレール圧が負荷や回転数に基づいて設定される最適
値となるように高圧燃料ポンプPの吐出量を決定し、そ
れに応じた信号を吐出制御装置P2に出力する。
【0027】ECU40には、回転角センサS2や負荷
センサ(例えばアクセル開度センサ)S3より回転角や
負荷等のエンジン運転情報が入力される。またその他に
も、ECU40には、エンジン冷却水温を検出する冷却
水温センサS4、吸気温を検出する吸気温センサS5及
び吸気圧を検出する吸気圧センサS6が接続されてお
り、各センサの検出信号がECU40に随時入力され
る。ECU40は、これら各センサの検出信号によるエ
ンジン運転状態に基づいて最適な噴射時期及び噴射量
(噴射期間)を決定し、それに応じた制御信号を電磁燃
料噴射弁Iに出力する。これにより、電磁燃料噴射弁I
からエンジンEの各燃焼室への燃料噴射が制御される。
【0028】次に、高圧燃料ポンプPの詳細な構成につ
いて図2〜図6を用いて説明する。ここで、図2は高圧
燃料ポンプPの全体を示す断面図、図3は図2のA−A
線断面図、図4は燃料圧送部の構成を拡大して示す断面
図、図5は前記図1の吐出制御装置P2に相当する電磁
弁6の構成を示す断面図、図6は電磁弁6における流量
調量部の要部構成を示す断面図である。
【0029】図2において、高圧燃料ポンプPはポンプ
ハウジング1a,1bを有し、これらポンプハウジング
1a,1bにそれぞれ設けられた2つの滑り軸受け(フ
リクションベアリング)11,12によりドライブシャ
フト10が回転自在に支持されている。ドライブシャフ
ト10は、例えばエンジンEが4気筒の場合に同エンジ
ンEの4/3の回転と同期して回転駆動される。ドライ
ブシャフト10は2つの滑り軸受け11,12の間に偏
心部13を有しており、偏心部13はドライブシャフト
10の中心軸Q1に対して距離uだけ偏心している。偏
心部13の外周には滑り軸受け(フリクションベアリン
グ)14が設けられており、偏心部13はその外周に配
設される偏心カム15に対し回転自在となっている。
【0030】また、図3において、偏心カム15は、外
周面に3つの平坦部15a,15b,15cを有する略
多角形状に構成されている。3つの平坦部15a〜15
cの外方にそれぞれ配されるボディ21a,21b,2
1c内には、それぞれシリンダ2a,2b,2cが形成
され、各シリンダ2a〜2cにはプランジャ3a,3
b,3cが摺動自在に配設されている。圧力室4a,4
b,4cの各々は、シリンダ2a〜2cの内壁面とプラ
ンジャ3a〜3cの端面により区画形成されている。
【0031】3つの平坦部15a〜15cは、任意の2
つのなす角度αが60度となるように、且つそれぞれシ
リンダ2a〜2cの中心軸に対して垂直になるように形
成されている。また、3つのシリンダ2a〜2cは互い
の中心軸が120度の角度間隔となるように配置されて
いる。
【0032】従って、ドライブシャフト10の回転に伴
い偏心部13が回転すると、偏心カム15の中心Q2
が、ドライブシャフト10の中心軸Q1を中心とする半
径「u」の円形経路(図中に破線で示す経路)に沿って
回転する。すると、偏心カム15の各平坦部15a〜1
5cが中心Q2の移動に伴い平行に動作し、プランジャ
3a〜3cがシリンダ2a〜2c内を往復摺動する。こ
れに伴い、圧力室4a〜4c内の低圧燃料が順次圧縮さ
れ高圧燃料となる。
【0033】圧力室4a〜4c内への低圧燃料の供給経
路について図2を用いて説明する。図中、ポンプハウジ
ング1bの下端部には流量制御用の電磁弁6が設置さ
れ、電磁弁6の先端部周囲には燃料溜まり室16が設け
られている。燃料タンクT内の燃料は、フィードポンプ
P1によって約15気圧に加圧され、低圧流路Lを通し
て燃料溜まり室16に送出される。電磁弁6は、ハウジ
ング6a外周に設けたフランジ6bに図示しないボルト
を挿通することによってポンプハウジング1bに固定さ
れている。また、電磁弁6の先端部(図の左端部)には
流路20が設けられ、この流路20は低圧流路17に連
通している。
【0034】電磁弁6の詳細な説明は後述するが、同電
磁弁6はコイル61を内蔵するリニアソレノイド(比例
電磁)弁として構成され、コイル61に通電される電流
量に応じて弁体63のリフト量(移動量)が決定され
る。弁体63にはその軸方向に延びる連通流路71が形
成されている。この場合、電磁弁6の連通流路71を介
して燃料溜まり室16からポンプハウジング1b下部の
低圧流路17側へ流れる燃料量は、ECU40から同電
磁弁6に供給される電流値により決まる。
【0035】低圧流路17は、ポンプハウジング1aに
設けられた環状の低圧流路18を経由して、ポンプハウ
ジング1bに設けられた低圧流路19に連通し、さら
に、流路24,25を通してプランジャ3a上部の圧力
室4aに連通している。また、低圧流路17は、図示し
ない低圧流路を介して他の圧力室4b,4cにも連通し
ている。
【0036】ここで図4に示されるように、ポンプハウ
ジング1bの上部には、カバー部材22と流路形成部材
23との一体物が図示しないボルトによって固定されて
おり、ボディ21aの上面は流路形成部材23の下面に
密着している。流路24,25はそれぞれカバー部材2
2及び流路形成部材23に形成されている。
【0037】圧力室4aには、逆止弁として機能するプ
レート5aが配設されている。プレート5aには、流路
25に対向しない位置に複数個の貫通穴51aが形成さ
れている。また、カバー部材22及び流路形成部材23
には高圧流路27,28が形成され、高圧流路27には
逆止弁として機能するボール29が配設されている。こ
こで、ボール29は前記図1における吐出弁Bに相当す
る。すなわち、本実施の形態の高圧燃料ポンプPにおい
ては、吐出弁Bが3個設置されていることになる。
【0038】偏心カム15の平坦部15aとプランジャ
3aとの間には、パッド31aが介設されている。パッ
ド31aはポンプハウジング1bの内周面に沿って延び
る円筒状をなし、ポンプハウジング1b内に摺動自在に
支持されている。パッド31aとボディ21aとの間に
はスプリング32aが配設され、その付勢力によりパッ
ド31aを偏心カム15の平坦部15aに当接せしめて
いる。それ故、偏心カム15が偏心して動作する際、パ
ッド31aは平坦部15aと一体的に図の上下方向に往
復動する。
【0039】図2において、電磁弁6の弁体63が開弁
位置に移動すると、燃料溜まり室16と流路20とが連
通される。そして、ドライブシャフト10の回転により
偏心カム15の平坦部15aが下降(図の下方への移
動)を開始すると、スプリング32aの付勢力によりパ
ッド31aも下降する。このとき、燃料溜まり室16内
の約15気圧の低圧燃料は、連通流路71、流路20、
低圧流路17〜19、流路24,25及びプレート5a
の貫通穴51aを経由して圧力室4aに流入し、プラン
ジャ3aを下降させる。
【0040】圧力室4aへの燃料流入量は弁体リフト量
により決まり、所望の燃料量が圧力室4a内に流入する
と、その時点でプランジャ3aとパッド31aとが離れ
る。例えば弁体リフト量が小さい時は、圧力室4aに流
入する燃料量は少ないためにパッド31aの下降途中で
プランジャ3aの下降が停止される。そのため、圧力室
4a内でのキャビテーションの発生が抑制される。
【0041】ドライブシャフト10の回転により偏心カ
ム15の平坦部15aが上昇に転じると、スプリング3
2aの付勢力に抗してパッド31aも上昇する。パッド
31aとプランジャ3aとが当接した後は、圧力室4a
の圧力が高くなり、プレート5aは流路形成部材23の
下面に密着する。かくして、流路25と圧力室4aとの
連通が遮断される。その後、圧力室4aの容積の減少に
伴い更に圧力が上昇して所定の圧力となると、ボール2
9が開弁位置に移動し、圧力室4a内の高圧燃料は高圧
流路27,28を通ってコモンレールRに給送される。
【0042】以上、圧力室4aの周辺を中心とした説明
をしたが、他の圧力室4b,4cの周辺も同様の構成を
有する。すなわち、図3に示されるように、偏心カム1
5の平坦部15b,15cとプランジャ3b,3cの間
にもパッド31b,31cがそれぞれ介設され、パッド
31b,31cはスプリング32b,32cの付勢力に
より平坦部15b,15cに当接している。プランジャ
3a〜3cは、いずれもパッド31a〜31cとは独立
に設けられ、スプリング32a〜32cの付勢力は作用
しないようになっている。
【0043】次に、電磁弁6の構成について図5及び図
6を用いて説明する。電磁弁6は、図5,6の如く、コ
イル61を内蔵するハウジング6aと、その左端に嵌装
固定されるケース部材としてのバルブケース6cとを有
し、バルブケース6cに設けられたシリンダ62内に、
スプールたる弁体63を摺動可能に保持している。バル
ブケース6cには、流路64とこれよりも流路断面積の
小さな流路65とが形成されており、この流路64,6
5によりシリンダ62と図2の燃料溜まり室16とが連
通される。
【0044】図6(b)に示されるように、流路64は
円筒状に設けられるのに対し、流路65は弁体63の移
動方向(図の左右方向)に長い等幅のスリットとして設
けられている。
【0045】弁体63にはその軸方向に延びる連通流路
71の他に、弁体63の内外を連通する流路66,67
が形成されている。外側の流路66は、バルブケース6
cの流路65と位置合わせされつつ環状に設けられ、内
側の流路67は複数箇所にそれぞれ設けられる。また、
弁体63には鍔状に拡径部72が形成されており、弁体
63は、拡径部72がバルブケース6cの凹部74に当
接する位置により閉弁側(図中左方向)への移動範囲が
規制される。
【0046】連通流路71は図の左右方向に貫通し、そ
の左端は図2の流路20に開口し、右端はスプリング6
9を収容するためのスプリング室6dに開口している。
つまり、弁体63はその摺動方向(左右方向)に燃料圧
力が作用しないように構成され、弁体63の両端に作用
する圧力の差によって弁体63の移動位置が変化するこ
とが防止されることから、弁体63の安定した作動が可
能となる。
【0047】弁体63の右端部にはアーマチャ70が圧
入固定されており、このアーマチャ70は、コイル61
と同軸に配設されたステータ68に一定の間隔で対向し
ている。アーマチャ70は、ステータ68に近づくほど
それに対向する部位の断面積(径方向の断面積)が小さ
くなるテーパ部70aを有する。アーマチャ70と一体
化された弁体63は、スプリング室6d内に配設された
スプリング69により図の左方に付勢されており、コイ
ル61を通電していない図示の状態では連通流路71と
燃料溜まり室16(図2参照)との連通が遮断される。
【0048】ステータ68は、アーマチャ70に近づく
ほどそれに対向する部位の断面積(径方向の断面積)が
小さくなるテーパ部68aを有し、弁体63の変位位置
はコイル61への通電量により決定される。よって、コ
イル61を通電すると、弁体63が図の右方に変位して
流路64〜67を介して連通流路71と燃料溜まり室1
6(図2参照)とが連通し、通電量を増加すると、通電
量に応じて連通部の開口面積(弁体63のリフト量)が
増加する。なお図5では、電磁弁6の開弁時にX1側か
らX2側へ燃料が流れる。弁体63のリフト量を調整す
ることによる、こうした流路面積制御は、ECU40に
よるデューティ制御にて実現される。因みに、電磁弁6
を常閉弁として構成することで、例えばコイル破損時に
燃料の圧送が行われないようにする効果がある。
【0049】上記構成の電磁弁6の場合、既述の通り弁
体63はスプリング69の付勢力により閉弁側に付勢さ
れ、コイル61の非通電時には、同弁体63の拡径部7
2がバルブケース6cの凹部74に当接する位置により
閉弁側(スプリング69の付勢方向)の弁体移動範囲が
規制される。また、コイル61の通電時には、アーマチ
ャ70がステータ68に吸引される力とスプリング69
の付勢力とが釣り合う点が存在し、その力の釣り合い点
で開弁側の弁体移動範囲が規制される。つまり、弁体移
動範囲内において、位置規制部としての前記凹部74の
反対側(開弁側)には位置規制のための部材を何ら設け
ない構成となっている。
【0050】さらに、電磁弁6の詳細部分の構成を説明
する。コイル61の非通電時の状態を示す図5におい
て、アーマチャ70の右端からステータ68のテーパ部
68aの右端までの距離K1を3.0mm、ステータ6
8の左端からアーマチャ70のテーパ部70aの左端ま
での距離K2を2.5mmとした時、アーマチャ70と
一体となった弁体63の最大リフト量は距離K1(=
3.0mm)で規定される(但し、実際にはこれよりも
少し小さい)。すなわち、コイル通電時における弁体6
3の最大リフト量L2は距離K1となる。
【0051】また、図6(a)において、バルブケース
6cに形成された流路65の右端から弁体63に形成さ
れた流路66までの距離L1を2.5mmとし、流路6
5の左端から流路66の左端までの距離L3を3.5m
mとする。距離L1は流路65が全開となるのに必要な
弁体63の最小移動量に相当する。これにより、弁体6
3のリフト量がL1〜L3(2.5〜3.5mm)で
は、流路65と流路66との連通部の開口面積は最大開
口面積のままとなる。すなわち、 L1<L2<L3 の関係が成立することで、弁体63の最大リフト量が得
られる動作領域では電磁弁6の開口面積(流路面積)が
常に一定となる。
【0052】次いで、本実施の形態における電磁弁6の
特徴的な作用について、前記図14に示す従来構成の電
磁弁200と対比しながら説明する。前記図14に示す
従来の電磁弁200においては、図15の破線で示すよ
うに、通電時間tに対して高圧燃料ポンプからの吐出量
が単調増加とならずに一旦減少する領域が存在し、それ
により燃料吐出量の制御精度が低下する。これは既述の
通り、最大リフト位置で弁体203の拡径部207がシ
ム210(開弁側の位置規制部材)に当接する際に、弁
体203がバウンドすることが原因であると考えられ
る。
【0053】これに対し、本実施の形態における電磁弁
6では、弁体63の移動範囲内においてバルブケース6
cの凹部74の反対側(開弁側)には位置規制のための
部材を設けない構成とし、最大リフト位置での弁体63
のバウンドを抑制して燃料吐出量の特性を改善するよう
にしている。その詳細を図7のタイムチャートを使い説
明する。
【0054】ここで、図7は、コイル駆動信号の通電時
間tをA,B,Cの如く順に長くした時の弁体リフトの
挙動を表すタイムチャートである。実際には、Aの場合
にはt=9.4msとし、Bの場合にはt=9.8ms
とし、Cの場合にはt=11.0msとしている。な
お、図7中のA〜Cは、前記図16中のA〜Cに対応さ
せており、図中の「2.5mm」の記載は従来の電磁弁
80の最大リフト量である。
【0055】先ず図7における動作の概略を説明する。
駆動信号のON後、コイル61及びステータ68等から
なる電磁駆動部の電磁エネルギがスプリング69の付勢
力に打ち勝つまで上昇すると、弁体63がリフトを開始
する。そして、駆動信号がOFFになると、その後弁体
リフト量が減少し、閉弁位置に戻る。
【0056】詳細には、Aの時、弁体63のリフト量は
2.5mmよりも僅かに小さくなるまで増え、その後、
通電OFFに伴いスプリング69の付勢力により閉弁す
る。また、B,Cの時、弁体63のリフト量は2.5m
mを僅かに超えるまで増え、その後、通電OFFに伴い
スプリング69の付勢力により閉弁する。この場合、
A,B,Cの各々の開弁時間Ta,Tb,Tcは、 Ta<Tb<Tc となり、これは図15に実線で示す通り、燃料吐出量の
単調増加の特性に見合ったものとなる。つまり、同図1
5の破線のように、吐出量が単調増加とならずに一旦減
少するといった不具合が解消される。
【0057】次に、高圧燃料ポンプPの動作を図8のタ
イムチャートを用いて説明する。図8は、電磁弁6のO
N/OFF(通電/非通電)、並びに高圧燃料ポンプP
の3つの平坦部15a〜15c及びプランジャ3a〜3
cの推移を示すタイムチャートである。図中、各々の平
坦部15a〜15cの軌跡を実線で示し、プランジャ3
a〜3cの軌跡を一点鎖線で示す。
【0058】なお本実施の形態では、電磁弁6への通電
デューティ比を調整して弁体リフト量(流路面積)が制
御されると共に、高圧燃料ポンプPによる1回の燃料圧
送毎に電磁弁6の開弁時間が制御される。つまり、図8
中、電磁弁6がONとなる通電時間により同電磁弁6の
開弁時間が制御され、この期間内では通電デューティ比
により決まる平均電流により流路面積が制御される。こ
れにより、電磁弁6に対して「流路面積&開弁時間制
御」が実施されるようになっている。
【0059】詳細には図8において、120度毎の燃料
圧送に合わせて電磁弁6がON/OFFされる。例えば
プランジャ3aが略上死点に達する時刻t11で、電磁
弁6がON(開弁)される。このとき、単位時間当たり
の燃料吸入量は電磁弁6の通電デューティ比により決定
され、その通電デューティ比に相当する開口面積分だけ
プランジャ3aが下動する。時刻t11〜t12では、
通電時間分だけ電磁弁6の流路面積&開弁時間制御が行
われ、その制御に伴い3つの圧力室4a〜4cにそれぞ
れ低圧燃料が吸入される。
【0060】時刻t12では電磁弁6がOFF(閉弁)
され、時刻t12〜t13では例えば圧力室4a内の圧
力が一定に保持される。それにより、プランジャ3aの
位置が保持される。
【0061】その後、プランジャ3bが略上死点に達す
る時刻t13や、プランジャ3cが略上死点に達する時
刻t14でも同様に、通電時間分だけ電磁弁6がONさ
れる。そして、電磁弁6の流路面積&開弁時間制御が各
々で行われ、圧力室4a〜4cにそれぞれ低圧燃料が吸
入される。
【0062】また、時刻t15では、平坦部15aの上
動に伴いプランジャ3aが当該平坦部15a(実際に
は、パッド31a)に当接し、プランジャ3aが下動か
ら上動に転じる。これにより、圧力室4a内の燃料が圧
縮され始め、その燃料圧力が前記図1の吐出弁B(図5
のボール29)の開弁圧に達すると、圧力室4a内の燃
料がコモンレールRに吐出される。
【0063】この流路面積&開弁時間制御において、流
路面積を最大とした場合、すなわち開弁時間制御のみを
行った場合、従来技術では図15の破線に示す特性とな
るが、本実施の形態では同図15の実線に示す特性とな
る。
【0064】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)電磁弁6の特徴的な構成として、スプリング69
による付勢方向ではバルブケース6cの凹部74により
片側の弁体移動範囲を規制する一方、アーマチャ70が
ステータ68に吸引される力とスプリング69の付勢力
とが釣り合う点で他側の弁体移動範囲を規制するように
した。実際には、弁体63の移動範囲内において、前記
凹部74の反対側には位置規制のための部材を設けない
構成とした。従って、コイル61の通電に伴い弁体63
がスプリング69の付勢力に抗して移動する際、その移
動方向に有る部材(例えば図14のシム210に相当す
る部材)に衝突することはなく、当該弁体63がバウン
ドして燃料流量が不用意に変動するといった不都合が回
避される。その結果、コイル61の通電時間に見合った
開閉動作を行わせ、燃料流量を精度良く調量することが
できる。
【0065】(b)バルブケース6cの流路65が全開
となるのに必要な弁体63の移動量L1を、コイル通電
時における弁体63の最大移動量L2よりも小さくした
ので(L1<L2とした)、弁体63の移動量がL1を
超える時、流体流路は全開状態(最大開口面積)で保持
され、流体流量は一定のまま保持される。つまり、最大
移動量L2だけ弁体63が移動した時、流体流路は全開
状態となり、最大の流体流量(燃料流量)が確保でき
る。
【0066】(c)コイル61への通電量に応じて弁体
63の移動量を調整し、該移動量に応じて流体流量を比
例制御する流量制御弁として電磁弁6が構成される。こ
の場合、弁体リフト量を変えることで流路面積が変更で
き、こうして電磁弁6の流路面積制御を行うことで、高
圧燃料ポンプPによる燃料圧送量が精密に制御できる。
【0067】より詳細には、電磁弁6の流路面積&開弁
時間制御によりコモンレールRへの燃料圧送量を制御す
ることとしたため、比較的低回転域で細かな調量精度が
要求される場合にも、燃料調量の分解能を上げ、要求精
度に応じた燃料量制御が実現できる。この場合、エンジ
ン低回転域での調量精度が低下するといった問題が生じ
ることはなく、如何なるエンジン運転状態にあっても高
精度な流量制御が実現できる。
【0068】(d)弁体63の連通流路71の一端は燃
料の排出部に開口し、他端はスプリング室6dに開口す
る。この場合、弁体63にはその移動方向に燃料圧力が
作用することがなく、同弁体63の安定動作が保証され
る。また、弁体63の安定動作を実現するための別の対
策として、体格の大型化やコイル通電電力の増大化が強
いられることもなく、簡易構成の電磁弁6を採用するこ
とができる。
【0069】(e)バルブケース6cには流路64,6
5を設け、このうち内側の流路65を弁体63の移動方
向に延びる等幅のスリットとした。従って、弁体リフト
量に応じて流路65(スリット)の開口面積がリニアに
変わり、燃料流量の細かな調量が容易に実現できる。
【0070】(f)高圧燃料ポンプPにおいては、燃料
圧送部ではなく燃料吸入部に電磁弁6が設けられる。こ
の場合、電磁弁6の開閉動作に際し、弁体63に高圧燃
料が作用することはなく、高圧燃料を受けて弁体63が
不用意に動作(閉弁又は開弁)するなどの問題が回避で
きる。従って、高圧燃料ポンプPによる燃料吐出量の制
御を精度良く実施することが可能となる。
【0071】(g)高圧燃料ポンプPにおいて、電磁弁
6と圧力室4a〜4cとの間に逆止弁(プレート5a)
を設け、圧力室への低圧燃料の吸入時には圧力室と電磁
弁6との間を連通すると共に、圧力室に吸入された低圧
燃料の加圧開始時から燃料の圧送終了時までの間には圧
力室と電磁弁6との間を遮断するようにした。これによ
り、低圧燃料の吸入量制御が簡易的な構成で実現でき
る。
【0072】(h)本実施の形態における高圧燃料ポン
プPは3つの圧力室4a〜4cを有し、燃料吐出量が少
ない時、電磁弁6により流量制御された低圧燃料は2つ
以上の圧力室に同時に供給されるが、上記の通り燃料流
量が精度良く調量されることで、コモンレールRに対す
る高圧燃料の吐出量も精度良く制御できる。
【0073】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態における電磁弁6を図9を用いて説明する。本実施
の形態の電磁弁6は前記図5の構造に置き換わるもので
あり、その構造は大きく異なるので、ここでは詳細に説
明する。
【0074】図9に示す電磁弁6において、ケース部材
としてのバルブケース81にはシリンダ82が形成さ
れ、そのシリンダ82内にスプールたる弁体83が摺動
可能に収容されている。バルブケース81には、シリン
ダ82側に開口する流路84が形成されると共に、この
流路84とバルブケース81の外周面とを結ぶ流路85
が形成されている。流路84,85によりシリンダ82
と図2の燃料溜まり室16とが連通される。
【0075】弁体83には、スプリング86を収納する
凹状のスプリング室87が形成されると共に、スプリン
グ室87と弁体83の外周とを連通する流路88,89
が形成されている。外側の流路88は、バルブケース8
1の流路84と位置合わせされつつ環状に設けられ、内
側の流路89は複数箇所にそれぞれ設けられる。バルブ
ケース81の端部にはスプリングガイド90が圧入固定
され、スプリングガイド90には流路92が形成されて
いる。
【0076】従って、図示の状態(コイル非通電の状
態)では、図2において燃料溜まり室16と流路20と
の連通が遮断される。そして、弁体83がスプリング8
6の付勢力に抗してスプリングガイド90側へ変位する
と、バルブケース81の流路84と弁体83の流路88
が連通し、図2の燃料溜まり室16内の低圧燃料は、流
路85,84,88,89、スプリング室87及び流路
92を通って図2の流路20に流れ込む。
【0077】また、スプリング室87とは反対側の弁体
83の端面近傍とバルブケース81との間には環状の空
間部111が形成され、弁体83には、その空間部11
1とスプリング室87とを連通するようにして連通流路
112が形成されている。
【0078】アーマチャ95には軸部材としてのプッシ
ュロッド94が圧入固定されており、このプッシュロッ
ド94の端面が、これに対向する弁体83の端面に当接
している。すなわち、弁体83とプッシュロッド94と
は別体で構成され、各々の中心軸がほぼ一致し且つ、互
いの端面が当接する状態で配設されている。また、アー
マチャ95に当接するようにして、非磁性材からなるス
ペーサ96もプッシュロッド94に圧入状態で固定され
ている。プッシュロッド94は、支持部材としての滑り
軸受97,98により軸方向へ移動可能に保持されてい
る。
【0079】位置規制部を構成するブッシュ103は、
その拡径部が第1のステータ101とバルブケース81
とに挟まれ、その状態で滑り軸受97がブッシュ103
に圧入されている。滑り軸受98は、コイル99と同軸
に配設された第2のステータ102の孔部102bに圧
入固定されている。
【0080】滑り軸受97,98は何れも同形状を成
し、その断面形状を図10に示す。同図10において、
滑り軸受97,98には、軸方向に延びる複数の連通溝
97a,98aが形成されている。よって、滑り軸受9
7の左右両側に設けられる空間部113とアーマチャ室
114とは連通溝97aにより連通され、滑り軸受98
の左右両側に設けられるアーマチャ室114と空間部1
15とは連通溝98aにより連通される。
【0081】この場合、コイル非通電時に弁体83がリ
フトしていなければ(図示の状態)、弁体83がブッシ
ュ103に当接して空間部111と113との間が遮断
される。これに対し、弁体83がリフトすると、空間部
111と113とが連通される。従って、この弁体リフ
トの状態では、スプリング室87、空間部111,11
3、アーマチャ室114及び空間部115が連通され、
結果として弁体83の摺動方向に燃料圧力が作用せず、
弁体83の安定した作動が可能となる。
【0082】ここで、高圧燃料ポンプPはエンジンEに
取り付けられるが、他の部品との干渉等の兼ね合いか
ら、前記図2に示されるように、電磁弁6は横向きに
(弁体の長手方向が水平となるように)高圧燃料ポンプ
Pに装着される場合がある。その場合、例えば図5に示
すようにアーマチャ70が弁体63に直接連結される構
成では、重量比率の大きなアーマチャ70の重量によ
り、弁体63とシリンダ62との摺動部分に不均一な力
が作用するおそれがあるのに対し、図9の構成では、弁
体83とプッシュロッド94とが別体に構成されている
ため、アーマチャ95の重量に起因して弁体83に不均
一な力が作用することはない。従って、バルブケース8
1内における弁体83の摺動不良が抑制される。
【0083】第1のステータ101は、アーマチャ95
よりも僅かに径の大きい孔部101aを有する。また、
第1のステータ101に形成された凹部101bにはバ
ルブケース81が収容され、袋ナット105により固定
されている。第2のステータ102は、アーマチャ95
よりも僅かに径の大きい孔部102aを有し、その孔部
102a内にて一定の間隔で対向してアーマチャ95が
入り込む構成となっている。
【0084】すなわち、アーマチャ95は、第1,第2
のステータ101,102の孔部101a,102a内
に移動可能に設けられ、第1のステータ101、アーマ
チャ95、第2のステータ102及びハウジング104
によりコイル99通電時に磁路が形成され、磁束が周回
する。
【0085】第1のステータ101は、アーマチャ95
に近づくほど、外径が小さくなることでそれに対向する
部位の断面積が小さくなるテーパ部101cを有する一
方、アーマチャ95は、第1のステータ101に近づく
ほど外径が小さくなることで断面積が小さくなるテーパ
部95aを有しており、弁体83の変位位置はコイル9
9への通電量により決定される。よって、コイル99を
通電すると、弁体83がスプリングガイド90側に変位
して燃料溜まり室16と流路20とが連通し(図2参
照)、通電量を増加すると、その通電量に応じて連通部
の開口面積(弁体83のリフト量)が増加する。
【0086】上記図9の電磁弁6の場合、既述の通り弁
体83はスプリング86の付勢力により閉弁側に付勢さ
れ、コイル99の非通電時には、弁体83の右端面がブ
ッシュ103に当接する位置で閉弁側の弁体移動範囲が
規制される。また、コイル99の通電時には、アーマチ
ャ95が第1のステータ101に吸引される力とスプリ
ング86の付勢力とが釣り合う点が存在し、その力の釣
り合い点で開弁側の弁体移動範囲が規制されるようにな
っている。
【0087】図9は、コイル99の非通電時(或いは、
弁体83がリフトしない程度の僅かな通電時)の状態を
示し、同図9において、アーマチャ95の左端から第1
のステータ101のテーパ部101cの左端までの距離
K1を3.0mm、第1のステータ101の右端からア
ーマチャ95のテーパ部95aの右端までの距離K2を
2.5mmとした時、アーマチャ95と一体となったプ
ッシュロッド94、すなわち弁体83の最大リフト量は
距離K1(=3.0mm)で規定される。このとき、コ
イル99の通電時における弁体83の最大リフト量L2
はK1となる。
【0088】この場合、上述した第1の実施の形態(図
5の構成)と同じく、バルブケース81の流路84が全
開となるのに必要な弁体83の移動量をL1とした時、
弁体83の最大リフト量L2はこのL1より大きい(L
1<L2)。従って、弁体83がL2だけリフトする
時、バルブケース81側の流路84と弁体83側の流路
88との間の開口面積は最大となる。すなわち、弁体8
3の最大リフト量L2が得られる動作領域では電磁弁6
の流路面積が最大となり、最大の流体流量が確保でき
る。
【0089】他方、第1のステータ101と第2のステ
ータ102との間には、非磁性材料(例えば、オーステ
ナイト系のステンレス鋼SUS304)からなる挿入部
材106が配設されている。挿入部材106は筒状をな
し、第1,第2のステータ101,102の孔部101
a,102aと同径の孔部106aを有する。ここで、
第1のステータ101と挿入部材106との接合部、並
びに第2のステータ102と挿入部材106との接合部
には各々全周にわたってレーザ溶接が施されており、こ
れにより第1,第2のステータ101,102及び挿入
部材106が一体化されている。なお、コイル99は樹
脂製のボビン107に収容されている。
【0090】磁性材料からなるハウジング104はコイ
ル99を取り囲むように設けられており、ハウジング1
04と第1のステータ101とは、図のA1の位置で全
周にわたりレーザ溶接が施されて一体化されている。ま
た、ハウジング104と第2のステータ102とは、図
のA2の位置で全周にわたりレーザ溶接が施されて一体
化されている。なお、ハウジング104が図示しないフ
ランジに接合される場合には、その接合部にてやはり全
周にわたりレーザ溶接が施されて一体化される。各接合
部は深さ2mmで溶接され、各部材は強固に一体化され
る。更に、弁体83が配設される側とは反対側の電磁弁
6の端部には、樹脂製のコネクタ108が射出成形によ
り形成されている。
【0091】ここで、第1,第2のステータ101,1
02及びハウジング104の材質は何れも軟質磁性材
料、例えば電磁ステンレス鋼(フェライト系のステンレ
ス鋼SUS13等)である。また、アーマチャ95の材
質も軟質磁性材料であり、例えばパーマロイが用いられ
る。
【0092】以上第2の実施の形態における電磁弁6で
は、上記第1の実施の形態と同様に、 ・弁体83の移動方向に位置するスプリングガイド90
が、コイル通電時の弁体83の移動可能域よりも離れて
存在するので、コイル通電時に弁体83がスプリング8
6の付勢力に抗して移動する際、第1のステータ101
による吸引力とスプリング86の付勢力との釣り合い点
で開弁側の弁体移動範囲が規制される。従って、弁体8
3がバウンドして燃料流量が不用意に変動するといった
不都合が回避され、結果として燃料流量を精度良く調量
することができる。 ・最大移動量L2だけ弁体83が移動した時、流体流路
は全開状態となり、最大の流体流量(燃料流量)が確保
できる。 ・電磁弁6の流路面積制御を行うことで、高圧燃料ポン
プPによる燃料圧送量が精密に制御できる。 ・弁体83がリフトする時、スプリング室87、空間部
111,113、アーマチャ室114及び空間部115
が連通されるので、弁体83の摺動方向に燃料圧力が作
用することがなく、同弁体83の安定動作が保証され
る。 等々の優れた効果が得られる。
【0093】またその他に、次の効果が得られる。 (イ)アーマチャ一体のプッシュロッド94を滑り軸受
97,98で支持し、更に弁体83とプッシュロッド9
4とを別体としたので、弁体83に不均一に力が作用す
ることはなく、弁体83の摺動不良を未然に防止するこ
とができる。
【0094】(ロ)第1,第2のステータ101,10
2間に非磁性材料からなる挿入部材106を挿入し、こ
れら各部材を一体化したので、各孔部101a,102
aの同軸度が確保できる。従って、制御精度の高度化に
伴う厳しい精度要求を満足し、ひいては流量制御の性能
を向上させることができる。
【0095】(ハ)第1のステータ101にテーパ部1
01cを設けたので、コイル99に流れる電流が増加す
る時のある電流値における弁体83のリフト量と、コイ
ル99に流れる電流が減少する時のある電流値における
弁体83のリフト量との差、すなわち、弁体83のリフ
ト量のヒステリシスが低減できる。
【0096】なお、本発明は、上記以外に次の形態にて
具体化できる。上記図5で説明した電磁弁6では、弁体
63の移動範囲内において、前記凹部74の反対側には
位置規制のための部材を設けない構成としたが、以下の
条件下にあっては位置規制部材を設けてもよい。例えば
図11の如く構成する。図11に示される電磁弁6にお
いて、ハウジング6aとバルブケース6cとの間には、
弁体63の位置規制のためのシム79が設けられる。こ
の場合、弁体63の開側移動時において、同弁体63の
拡径部72がシム79に当接すると弁体63の移動が規
制される。但し、前記拡径部72とシム79との間の距
離L4は、アーマチャ70の右端からステータ68のテ
ーパ部68aの右端までの距離L2(=3.0mm)、
すなわち弁体63の最大リフト量に対して、L4>L2
でなければならない。つまり、シム79は弁体63の移
動方向の延長線上にあり、その移動を阻止できる部材で
あるが、このシム79が弁体63の移動可能域よりも離
れて存在し、弁体63が距離L2だけ移動してもシム7
9に当たらないように配設されればよい。
【0097】上記図9で説明した電磁弁6を、下記の
(1),(2)のように変更する。 (1)図12には、図9の構成の一部を変更した電磁弁
6を示す。図12の構成では、図9との相違点として、
第1のステータ101に設けていたテーパ部101cを
なくし、アーマチャ95側のステータ端面を平坦部とし
ている。但し、アーマチャ95にのみテーパ部95aを
設けている。なおこの場合、第1のステータ101の右
端からアーマチャ95のテーパ部95aの右端までの距
離K2を3.0mmとした時、弁体83の最大リフト量
は距離K2(=3.0mm)で規定される。すなわち、
コイル99の通電時における弁体83の最大リフト量L
2はK2となる。
【0098】また、図12の電磁弁6では、弁体83の
軸方向の長さを短くすると共に、弁体83に設けていた
流路88,89をなくしており、これにより、電磁弁6
が「常開弁」として具体化されている。つまり、弁体8
3はスプリング86により開弁側に付勢され、コイルの
非通電時には、弁体83がブッシュ103に当接するこ
とで、「開弁側」の弁体移動範囲が規制される。また、
コイル通電時には、弁体83がスプリング86の付勢力
に抗して閉弁側に移動し、アーマチャ95が第1のステ
ータ101に吸引される力とスプリング86の付勢力と
が釣り合う点で「閉弁側」の弁体移動範囲が規制され
る。
【0099】(2)図13は、上記図12の構成の一部
を変更した電磁弁6を示しており、図12との相違点と
して、ブッシュ103の形状を変更し、弁体83の右端
面がブッシュ103に直接当たることのないように構成
される。また、スペーサ96が第2のステータ102に
当接することで、開弁側(スプリング86の付勢方向)
への弁体移動範囲が規制され、コイル99の通電時に
は、アーマチャ95が第1のステータ101に吸引され
る力とスプリング86の付勢力とが釣り合う点で閉弁側
の弁体移動範囲が規制される。
【0100】以上(1),(2)の形態の場合にも既述
の実施の形態と同様に、コイル通電時における弁体83
のバウンドがなくなり、結果としてコイルの通電時間に
見合った開閉動作を行わせ、燃料流量を精度良く調量す
ることができる。また、図12,図13の電磁弁6で
は、第1のステータ101にテーパ部を設けていないた
め、図9に示す電磁弁6に対して、コイル通電電流が増
加する時と同通電電流が減少する時とにおける弁体83
のリフト量のヒステリシスが若干悪化する反面、第1の
ステータ101と挿入部材106との接合部における溶
接作業が容易になるという利点がある。
【0101】電磁弁の構成としては、弁体が開弁位置と
閉弁位置との2位置で移動するON/OFF式の電磁弁
でもよい。かかる構成においても、既述の通りコイルの
通電時間に見合った開閉動作を行わせ、その時々の必要
量に応じて燃料流量を精度良く調量することができる。
【0102】上記図5に示す電磁弁6の場合、バルブケ
ース6cの流路64,65(図5のX1側)から燃料が
吸入され、弁体63の連通流路71(図5のX2側)に
燃料が排出される構成としたが、これを変更する。上記
構成とは逆に、弁体63の連通流路71(図5のX2
側)から燃料が吸入され、バルブケース6cの流路6
4,65(図5のX1側)に燃料が排出される構成とし
てもよい。本構成の場合、弁体63の径方向に燃料圧力
が作用して弁体63とバルブケース6cとの間の摺動抵
抗が大きくなるといった不具合が回避され、ひいては弁
体63に作用する力のバランスが良好に保たれる。その
結果、弁体63の作動不良を解消し、燃料流量を精度良
く調量することができる。図9に示す電磁弁6について
同様に、燃料の流れの向きを逆にしても良い。
【0103】上記実施の形態では、電磁弁6(吐出制御
装置P2)を高圧燃料ポンプPの燃料吸入部に設けた
が、電磁弁6を同ポンプPの燃料吐出部(高圧流路2
7,28)に設けてもよい。この場合、電磁弁6には高
圧燃料が作用し、そのために弁体63の動作が不安定に
なることも考えられるが、上記各実施の形態と同様に、
流路面積&開弁時間制御を適宜実施することで、エンジ
ン運転状態に関係なく燃料吐出量を高精度に制御でき
る。
【0104】上記実施の形態では、図6(b)に示され
るように、流路65を弁体63の軸方向(左右方向)に
長い等幅のスリットとしたが、三角形状にする等、その
形状を変更してもよい。要は、流路面積が制御できて流
体流量の細かな調量が実現できるものであればよい。或
いは、スリット自体を廃する等して流路64,65を段
差のない一つの流路で構成してもよい。
【0105】高圧燃料ポンプPの構成(図2の構成)を
変更する。例えば燃料を高圧化するための複数のプラン
ジャをドライブシャフトに沿って直列に配置し、そのプ
ランジャの往復動により燃料を圧送するポンプでもよ
い。また、燃料を加圧するための圧力室は任意の数だけ
設ければよく、3つ以外の複数個設ける構成や、1つだ
け設ける構成でもよい。
【0106】上記実施の形態では、高圧燃料ポンプの燃
料流量を制御するための電磁弁にて本発明を具体化した
が、他の具体化も可能である。例えばABS(アンチロ
ックブレーキシステム)等を備えるブレーキ装置やその
他、作動油の油圧制御装置に適用し、本発明の電磁弁に
より同装置の作動油流量を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コモンレール式燃料噴射装置の概要を示す全体
構成図。
【図2】高圧燃料ポンプの全体構成を示す断面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】燃料圧送部の構成を拡大して示す断面図。
【図5】電磁弁の構成を拡大して示す断面図。
【図6】電磁弁における流量調量部の要部構成を示す断
面図。
【図7】コイル駆動信号に対応する弁体リフトの挙動を
示すタイムチャート。
【図8】高圧燃料ポンプの流路面積&開弁時間制御の概
要を示すタイムチャート。
【図9】第2の実施の形態において電磁弁の構成を示す
断面図。
【図10】滑り軸受の断面形状を示す図。
【図11】他の形態において電磁弁の構成を示す断面
図。
【図12】他の形態において電磁弁の構成を示す断面
図。
【図13】他の形態において電磁弁の構成を示す断面
図。
【図14】従来技術において電磁弁の構成を示す断面
図。
【図15】通電時間に応じた燃料吐出量の特性を示す
図。
【図16】コイル駆動信号に対応する弁体リフトの挙動
を示すタイムチャート。
【符号の説明】
P…高圧燃料ポンプ、P2…吐出制御装置、6…電磁
弁、6c…ケース部材としてのバルブケース、6d…ス
プリング室、61…コイル、63…弁体、64〜67…
流路、68…ステータ、69…スプリング、70…アー
マチャ、71…連通流路、74…位置規制部としての凹
部、81…ケース部材としてのバルブケース、83…弁
体、84,85,88,89…流路、86…スプリン
グ、94…軸部材としてのプッシュロッド、95…アー
マチャ、97,98…支持部材としての滑り軸受、99
…コイル、101…第1のステータ、103…位置規制
部を構成するブッシュ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 59/46 F02M 59/46 Y (72)発明者 猪原 孝之 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 猪頭 敏彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 宮本 裕 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体通路を開閉するための弁体と、前記弁
    体を開弁又は閉弁の方向に付勢するスプリングと、コイ
    ルの通電に伴い弁体を移動させるためのアーマチャと、
    コイル通電時に弁体をスプリングの付勢力に抗して移動
    させるためのステータとを有し、 前記スプリングによる付勢方向で前記弁体が当接する位
    置規制部を設けて同位置規制部により片側の弁体移動範
    囲を規制する一方、前記アーマチャがステータに吸引さ
    れる力とスプリングの付勢力とが釣り合う点で他側の弁
    体移動範囲を規制することを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】前記弁体の移動範囲内において、前記位置
    規制部の反対側には位置規制のための部材を設けない請
    求項1に記載の電磁弁。
  3. 【請求項3】弁体の移動方向の延長線上にあり、その弁
    体の移動を阻止できる部材は、コイル通電に伴う弁体の
    移動可能域よりも離れて存在する請求項1に記載の電磁
    弁。
  4. 【請求項4】コイル通電時のアーマチャの移動に伴いケ
    ース部材内を弁体が摺動する電磁弁において、 弁体側から延びアーマチャを一体化した軸部材を、アー
    マチャを間に挟んだ状態で支持部材により往復動可能に
    支持した請求項1〜3の何れかに記載の電磁弁。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の電磁弁において、 弁体と軸部材とを別体とし、各々の中心軸がほぼ一致し
    且つ、互いの端面が当接する状態で配設した電磁弁。
  6. 【請求項6】弁体の移動に伴い開放又は閉鎖される流体
    流路をケース部材に設け、当該流体流路が全開又は全閉
    となるのに必要な弁体の移動量をL1、コイル通電時に
    おける弁体の最大移動量をL2、とする場合、 L1<L2 とした請求項1〜5の何れかに記載の電磁弁。
  7. 【請求項7】前記コイルへの通電量に応じて前記弁体の
    移動量を調整し、該移動量に応じて流体流量を比例制御
    する流量制御弁である請求項1〜6の何れかに記載の電
    磁弁。
  8. 【請求項8】前記弁体の一端側の圧力を他端側に導く手
    段を備える請求項1〜7の何れかに記載の電磁弁。
  9. 【請求項9】前記弁体にはその移動方向に延びる連通流
    路を設け、該連通流路の一端は流体の吸入部又は排出部
    に開口し、他端は前記スプリングを収容するスプリング
    室に開口する請求項1〜7の何れかに記載の電磁弁。
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