JP3904712B2 - 高圧供給ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コモンレール(蓄圧配管)内に蓄圧された高圧燃料を電磁燃料噴射弁によりディーゼルエンジンの各気筒へ噴射するコモンレール式燃料噴射装置において、コモンレール内に高圧流体を圧送するための高圧供給ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンに燃料を噴射するシステムの1つとして、コモンレール噴射システムが知られている。コモンレール噴射システムでは、各気筒に連通する共通の蓄圧配管(コモンレール)が設けられ、ここに高圧供給ポンプによって必要な流量の高圧燃料を圧送供給することにより、蓄圧配管の燃料圧力を一定に保持している。蓄圧配管内の高圧燃料は所定のタイミングで電磁燃料噴射弁により各気筒に噴射される(例えば、特開昭64−73166号公報等)。
【0003】
コモンレール噴射システムに用いられる高圧供給ポンプは、特開平6−249133号公報、特開平6−249134号公報等に示されており、その一例を図10、11に示す。図10において、高圧供給ポンプのハウジング101内にはドライブシャフト102が挿通保持され、このドライブシャフト102は、2つの滑り軸受け(フリクションベアリング)103、104の間に偏心部105を有している。偏心部105の外周には、滑り軸受け(フリクションベアリング)106が設けられ、その外周に偏心カム107が配設されている。
【0004】
図11は図10のB−B線断面図で、偏心カム107は、外周面の3か所に3つの平坦部107a、107b、107cを有している。偏心カム107の外方には、これら平坦部107a、107b、107cに対し垂直にシリンダ108a、108b、108cが設けられ、各シリンダ108a、108b、108c内にそれぞれプランジャ109a、109b、109cが往復動自在に配設されている。シリンダ108a、108b、108cの内壁面とプランジャ109a、109b、109cの上端面とで、圧力室110a、110b、110cが形成され、低圧流路111a、111b、111cより低圧燃料が供給されるようになしてある。
【0005】
プランジャ109a、109b、109cと偏心カム107の平坦部107a、107b、107cの間には、パッド112a、112b、112cがそれぞれ介設してある。また、プランジャ109a、109b、109cの下端部外周にはこれと一体に保持部113a、113b、113cが設けられている。そして、これら保持部113a、113b、113cと、シリンダ108a、108b、108cを形成するボディ114a、114b、114cの外周部との間には、スプリング115a、115b、115cが設けられて、プランジャ109a、109b、109cを偏心カム107方向に付勢している。
【0006】
しかして、ドライブシャフト102とともに偏心部105が回転すると、偏心カム107の中心が、ドライブシャフト102の中心軸を中心として回転する。この時、偏心カム107の平坦部107a、107b、107cがパッド112a、112b、111cを介してプランジャ109a、109b、109cを往復動させ、圧力室110a、110b、110c内の低圧燃料を加圧する。
【0007】
図10において、燃料タンクT内の燃料は、プランジャ109aが下降する吸入工程時に低圧流路111aを経て圧力室110aに吸入される。吸入された燃料は、プランジャ109aの上昇に伴って高圧に加圧され、高圧流路116を経てコモンレールに供給される。余剰の高圧燃料は電磁弁117によってリリーフされる。図11の圧力室110b、110cにおいても同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記構成の高圧供給ポンプでは、圧力室110a、110b、110cに吸入される低圧燃料は、偏心カム107のリフト量に相当する一定量であり、吸入された低圧燃料は全て高圧に加圧される。コモンレールへの高圧燃料の供給量の調節は、電磁弁117によって余剰な高圧燃料をリリーフすることで行われる。このため、上記構成の高圧供給ポンプを適用するエンジンの燃費が悪化する、また、燃料温度が上昇しすぎる等の不具合があり、これらを解決することが大きな課題となっている。
【0009】
一方、本発明者等は、特願平8−195653号等において、低圧流路から圧力室へ吸入される低圧燃料の流量を制御する電磁弁と、低圧流路と圧力室との間を開閉し加圧開始時より圧送終了時までこれらの間を遮断する弁部材とを設けた吸入量調量方式の高圧供給ポンプを提案した。この高圧供給ポンプは、低圧流路から圧力室へ吸入される低圧燃料の流量を制御することで、コモンレールへ供給する高圧燃料の流量を制御できるため、余分な高圧燃料をリリーフするための電磁弁を要さず、燃費の悪化を抑制することが可能である。
【0010】
そこで、この構成を図10、11に示される高圧供給ポンプに適用し、図10における電磁弁117に代えて、低圧燃料の流量を制御する電磁弁と、低圧流路と圧力室との間を開閉する弁部材とを設けることが考えられる。ところが、吸入量調量方式では、吐出量に応じて圧力室への吸入量が変動するため、これを図10、11の高圧供給ポンプに適用すると、吐出量が少ない時に次のような問題が生じる。すなわち、スプリング115a、115b、115cの付勢力によって、圧力室110a、110b、110cへの低圧燃料の供給が遮断された後も、プランジャ109a、109b、109cが下降し、圧力室110a、110b、110cの容積が大きくなってしまう。このため、圧力室110a、110b、110cの燃料内に気泡(キャビテーション)が発生して耐久性能が悪化するおそれがある。
【0011】
また、スプリング115a、115b、115cにより偏心カム107を所定位置に保持しているため、キャビテーションの発生を防止する目的で、スプリング115a、115b、115cを廃止すると、偏心カム107の位置関係に狂いが生じるという他の問題が発生する。
【0012】
しかして、本発明の目的は、高圧供給ポンプの吐出量が少ない時に、燃料の供給が停止した後にスプリングの付勢力により圧力室の容積が大きくなるのを防止し、キャビテーションの発生を防止して耐久性能の確保できる高圧供給ポンプを得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明請求項1の構成において、高圧供給ポンプは、駆動軸周りに配設されたシリンダと、該シリンダ内に往復運動可能に嵌挿されたプランジャと、上記駆動軸に対し偏心して相対回転し上記プランジャを上記シリンダ内で往復運動させる偏心カムと、上記シリンダの内壁面と上記プランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧燃料を上記プランジャの往復運動によって加圧する圧力室と、上記低圧流路を開閉して上記偏心カムの下降時に上記圧力室に流入する低圧燃料の量を制御する電磁弁と、上記電磁弁の下流の低圧流路に位置し、上記電磁弁の開弁時に上記圧力室に流入した低圧燃料の加圧開始時より加圧燃料の高圧流路への圧送終了時まで上記圧力室と上記低圧流路との間を遮断する弁部材とを備え、上記圧力室へ流入した低圧燃料の全量を加圧圧送する吸入量調量方式となっている。そして、上記偏心カムと上記プランジャの間に介在し上記偏心カムに対し往復摺動するパッドと、該パッドを上記偏心カム方向に付勢するスプリングを設けるとともに、上記プランジャを上記パッドと独立に設けて、上記スプリングの付勢力が上記プランジャに作用しない配置としている。これにより、上記プランジャは上記圧力室への低圧燃料の流入量に応じて上記偏心カム方向に移動し、低圧燃料の流入停止とともに移動を停止して、低圧燃料の加圧開始までその位置を保持するようにしたものである。
【0014】
上記構成によれば、上記プランジャを上記パッドと独立に設けて、上記スプリングの付勢力が上記プランジャに作用しないようにしたので、上記電磁弁への通電を停止し、上記圧力室への低圧燃料の供給が遮断された後は、上記パッドと上記プランジャは離れる。よって、燃料の供給が停止した後に上記圧力室の容積が大きくなることがなく、キャビテーションの発生を防止して耐久性能を向上することができる。
【0015】
請求項2の構成における、高圧供給ポンプは、駆動軸周りに配設されたシリンダと、該シリンダ内に往復運動可能に嵌挿されたプランジャと、上記駆動軸とともに回転して上記プランジャを上記シリンダ内で往復運動させるカムと、上記シリンダの内壁面と上記プランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧燃料を上記プランジャの往復運動によって加圧する圧力室と、上記低圧流路を開閉して上記カムの下降時に上記圧力室に流入する低圧燃料の量を制御する電磁弁と、上記電磁弁の下流の低圧流路に位置し、上記電磁弁の開弁時に上記圧力室に流入した低圧燃料の加圧開始時より加圧燃料の高圧流路への圧送終了時まで上記圧力室と上記低圧流路との間を遮断する弁部材とを備え、上記圧力室へ流入した低圧燃料の全量を加圧圧送する吸入量調量方式となっている。そして、上記カムと上記プランジャの間に介在し上記カムの回転に応じて往復運動する摺動子と、該摺動子を上記カム方向に付勢するスプリングを設けるとともに、上記プランジャを上記摺動子と独立に設けて、上記スプリングの付勢力が上記プランジャに作用しない配置としている。これにより、上記プランジャは上記圧力室への低圧燃料の流入量に応じて上記カム方向に移動し、低圧燃料の流入停止とともに移動を停止して、低圧燃料の加圧開始までその位置を保持するようにしたものである。
【0016】
上記構成によれば、上記プランジャを上記摺動子と独立に設けて、上記スプリングの付勢力が上記プランジャに作用しないようにしたので、上記電磁弁への通電を停止し、上記圧力室への低圧燃料の供給が遮断された後は、上記摺動子と上記プランジャは離れる。よって、上記構成によっても、燃料の供給が停止した後に上記圧力室の容積が大きくなるのを防止し、キャビテーションの発生を防止して耐久性能を向上する同様の効果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の高圧供給ポンプをディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムに適用した例について説明する。図2のシステム図において、エンジンEには各気筒の燃焼室に対応する複数の電磁燃料噴射弁Iが配設され、これら電磁燃料噴射弁Iは各気筒共通の高圧蓄圧配管いわゆるコモンレールRに接続されている。従って、コモンレールRには連続的に燃料噴射圧に相当する高い所定圧の燃料が蓄圧される必要があり、そのために高圧流路である供給配管R1、吐出弁Bを介して、本発明の高圧供給ポンプPが接続される。電磁燃料噴射弁IからエンジンEの各燃焼室への燃料の噴射は、電子制御ユニットECUによって制御される。
【0018】
高圧供給ポンプPは、燃料タンクTからフィードポンプP1を経て吸入される低圧燃料を高圧に加圧し、コモンレールR内の燃料を高圧に制御する。コモンレールRには、コモンレール圧力を検出する圧力センサS1が配設されており、電子制御ユニットECUは、この圧力センサS1からの信号が予め負荷や回転数に応じて設定した最適値となるように、高圧供給ポンプPの吐出量を決定して吐出制御装置P2に信号を出力する。さらに、電子制御ユニットECUには、例えばエンジン回転数センサS2、負荷センサS3より、回転数、負荷の情報が入力され、電子制御ユニットECUは、これらの信号により判別されるエンジン状態に応じた最適の噴射時期、噴射量(噴射期間)を決定して電磁燃料噴射弁Iに制御信号を出力する。
【0019】
次に、図1により上記高圧供給ポンプPの詳細について説明する。図において、高圧供給ポンプPはポンプハウジング1a、1bを有し、これらポンプハウジング1a、1bにそれぞれ設けた2つの滑り軸受け(フリクションベアリング)11、12に、駆動軸たるドライブシャフト10を回転自在に支持している。ドライブシャフト10は、エンジンE(図2参照)によってエンジンの1/2の回転と同期して回転駆動される。ドライブシャフト10は、2つの滑り軸受け11、12の間において、偏心部13を有しており、偏心部13は、ドライブシャフト10の中心軸sに対して距離uだけ偏心している。偏心部13の外周には、滑り軸受け(フリクションベアリング)14が設けられ、その外周に配設される偏心カム15に対し回転自在となしてある。
【0020】
図3は図1のA−A線断面図であり、偏心カム15は、外周面の3か所に3つの平坦部15a、15b、15cを有する略多角形状に構成されている。3つの平坦部15a、15b、15cの外方にそれぞれ配したボディ21a、21b、21c内には、それぞれシリンダ2a、2b、2cが形成され、各シリンダ2a、2b、2cには、プランジャ3a、3b、3cが摺動自在に配設されている。3つの平坦部15a、15b、15cは任意の2つのなす角度αが60°となるように形成されており、3つのシリンダ2a、2b、2cは互いに中心軸が120°の角度間隔となるように配置されている。また、3つの平坦部15a、15b、15cは、それぞれシリンダ2a、2b、2cの中心軸に対し垂直となっている。
【0021】
しかして、ドライブシャフト10が回転すると、偏心カム15の中心tが、ドライブシャフト10の中心軸sを中心とする半径uの円形経路に沿って回転する。すると、偏心カム15の各平坦部15a、15b、15cが、ある円形経路に沿って平行に動作し、プランジャ3a、3b、3cがシリンダ2a、2b、2c内を往復摺動する(図3〜図5)。これに伴い、プランジャ3a、3b、3cに面して設けた圧力室4a、4b、4c内の低圧燃料が高圧に加圧される。
【0022】
圧力室4a、4b、4c内への低圧燃料の供給経路について図1により説明する。図中、ポンプハウジング1bの下端部には、電磁弁6が設置され、その周りに燃料溜まり16が設けられている。燃料タンクT内の燃料は、フィードポンプP1によって約10気圧に加圧され、低圧流路Lを通して燃料溜まり16に送出される。電磁弁6は、ハウジング6a外周に設けたフランジ6bに図示しないボルトを挿通することによって、ポンプハウジング1bに固定されている。この電磁弁6が上記図2における吐出制御装置P2に相当する。
【0023】
電磁弁6は、図6の如く、コイル61を内蔵するハウジング6aと、その左端部内に嵌装固定されるバルブボディ6cを有し、バルブボディ6cに設けたシリンダ62内に、弁体63を摺動可能に保持している。弁体63の左端部周りには環状の流路64が形成され、該流路64はそれぞれ流路65、66にて、図1に示す燃料溜まり16、低圧流路17に連通している。上記弁体63の右端にはアーマチャ67が圧入固定してあり、アーマチャ67は、ステータ68と一定の間隔で対向している。該ステータ68の外側には上記コイル61が配され、ステータ68内部に設けたスプリング室6d内にはスプリング69が配設されて、上記アーマチャ67を図の左方に付勢している。
【0024】
流路66の開口端には略円錐状のシート面6eが形成してあり、コイル61に通電しない図示の状態で、弁体63の先端部がこのシート面6eに着座して流路64、66間を閉鎖するようになしてある。コイル61へ通電するとアーマチャ67が吸引され、これと一体の弁体63先端部がシート面6eから離れて、流路64、66間を開放する。このように、電磁弁6を、非通電状態で閉弁する構成とすることで、コイルの破損時に燃料の圧送が行われないようにする効果がある。
【0025】
流路66は、図1のように、ポンプハウジング1b下部に設けた低圧流路17を通して、ポンプハウジング1aの右端外周に設けた環状の低圧流路18に連通している。環状の低圧流路18はポンプハウジング1b上部に設けた低圧流路19に連通し、さらに、流路24、25を通してプランジャ3a上部の圧力室4aに連通している。
【0026】
図7にプランジャ3aとその周辺部を拡大して示す。ボディ21aの上端部内には、プランジャ3aの上端面とシリンダ2aの内壁面とで形成される圧力室4aの上方に、弁部材としてのプレート5aが配置してある。ポンプハウジング1bの上部には、カバー体22が図示しないボルトによって固定されており、ボディ21aの上面は、カバー体22内に配設した流路形成部材23の下面と密着している。流路24、25はそれぞれカバー体22、流路形成部材23内に形成されている。
【0027】
プレート5aは逆止弁として機能するもので、板面を貫通する複数個の穴51aを有している。図1において電磁弁6の弁体63が開弁すると、燃料溜まり16内の燃料が、低圧流路17、18、19より、流路24、25、プレート5aに設けた穴51aを経て、圧力室4aに流入する。そして、プランジャ3aの圧送が始まると、圧力室4aの圧力が上昇し、プレート5aは、流路形成部材23の下面に密着する。かくして、流路25と圧力室4aとの連通は遮断される。その後、圧力室4aの容積の減少に伴いさらに圧力が上昇して所定の圧力となると、逆止弁として構成されているボール29が開弁し、圧力室4a内の高圧燃料は、高圧流路26、27、28を通って、コモンレールRに供給される。ここで、ボール29は図2における吐出弁Bに相当する。すなわち、本実施の形態においては、吐出弁Bが3個設置されていることになる。
【0028】
偏心カム15の平坦部15aとプランジャ3aの間には、パッド31aが介設してある。パッド31aは、外周縁より上方にハウジング1bの内周面に沿って延びる筒状部を有しており、これによりハウジング1b内に摺動自在に支持されている。パッド31aとボディ21a外周に設けた段部との間には、スプリング32aが配設され、その付勢力によりパッド31aを偏心カム15の平坦部15aに当接せしめている。しかして、偏心カム15が偏心して動作する際、パッド31aは平坦部15に対して往復摺動する。
【0029】
以上、圧力室4aの周辺を中心とした説明をしたが、圧力室4b、4cの周辺も同様の構成となっている。すなわち、図3に示すように、偏心カム15の平坦部15b、15cとプランジャ3b、3cの間にも、パッド31b、31cがそれぞれ介設され、スプリング32b、32cの付勢力により平坦部15b、15cに当接している。プランジャ3a、3b、3cは、いずれもパッド31a、31b、31cとは独立に設けられ、スプリング32a、32b、32cの付勢力は作用しない。なお、コモンレールRの圧力はエンジンEの運転状態によって異なるが、約200〜1600気圧(約20〜160MPa)となっている。
【0030】
次に、本実施の形態の高圧供給ポンプの作動について、主に図8(a)〜(d)を用いて説明する。図8(a)は、プランジャ3aのリフト量が最大となった状態を示し、圧力室4aの容積は最も少ない状態となっている。ここで、図1の電磁弁6のコイル61に通電すると、弁体63が開弁し、燃料溜まり16と低圧流路17とが連通する。次いで、ドライブシャフト10の回転により偏心カム15が下降を開始すると、パッド31aもスプリング32aの付勢力により下降する。その時、燃料溜まり16内の約10気圧の低圧燃料は、電磁弁6内の流路、低圧流路17、18、19、24、25、プレート5aに設けた穴51aを通って、圧力室4aに流入し、プランジャ3aを下降させる(図8(b))。
【0031】
電磁弁6のコイル61への通電を遮断すると、弁体63は閉弁して、圧力室4aへの低圧燃料の供給は停止する。その後も、偏心カム15は下降して、パッド31aもスプリング32aの付勢力により下降する。これにより、プランジャ3aとパッド31aは離れる。そのため、圧力室4aにキャビテーションが発生することを防止できる(図8(c))。
【0032】
ドライブシャフト10の回転により、偏心カム15が上昇に転じると、スプリング32aの付勢力に抗してパッド31aも上昇し、パッド31aがプランジャ3aに当接する。パッド31aとプランジャ3aが当接した後は、圧力室4aの圧力は高くなり、逆止弁としてのプレート5aが流路形成部材23の下面に密着して、低圧流路25と圧力室4aとの連通が遮断される。圧力室4aの圧力が所定の圧力となると、吐出弁であるボール29が開弁して、コモンレールRへ高圧燃料が供給される(図8(d))。
【0033】
図9に本発明の第2の実施の形態を示す。図9において、高圧供給ポンプ71のポンプハウジング72には、下端部にカム室73が形成してある。カム室73には、エンジンの1/2の回転と同期して回転駆動される駆動軸としてのドライブシャフト74が挿通されており、このドライブシャフト74にはカム75が形成されている。カム75はドライブシャフト74の1回転に3度の上昇行程をなす。
【0034】
ポンプハウジング72の上部には、内部にシリンダ76が形成されたシリンダ部材77が取り付けられており、シリンダ76内にプランジャ78が往復動自在かつ摺動自在に嵌装されている。プランジャ78は、従来の列型噴射ポンプのような外周面に切欠が形成された円筒形状のプランジャと異なり、リード類が全く設けられていない円柱形状をしている。また、プランジャ78の上端面とシリンダ76の内壁面とにより圧力室79が形成されており、シリンダ部材77には圧力室79に連通する吐出孔80が形成されている。
【0035】
シリンダ部材77には、上記第1の実施の形態で用いたのと同様の電磁弁6が図示しないボルトによって固定されている。電磁弁6の周囲に形成された燃料溜まり82には、燃料タンクTよりフィードポンプP1に送られ、約10気圧に加圧された低圧燃料が、低圧流路81を介して供給される。
【0036】
シリンダ部材77には吐出弁83が取付けられており、この吐出弁83は吐出孔80を介して圧力室79に連通している。圧力室79で加圧された燃料は、吐出弁83の弁体84を復帰用スプリング85の付勢力に抗して押し開き、これにより加圧された高圧燃料はコモンレール内に圧送される。
【0037】
プランジャ78の下側には、摺動子86がポンプハウジング72内に形成されたシリンダ88内に摺動自在に配置されている。摺動子86は、シリンダ部材77外周に設けた段部との間に配設したスプリング87によって下方に付勢され、摺動子86の筒状部内に保持されるカムローラ89がカム75に摺接している。かくして、ドライブシャフト74の回転によりカム75が回転すると、これに応じてカムローラ89および摺動子86が往復駆動される。プランジャ78は摺動子86と独立に設けられ、スプリング87の付勢力は作用しない。
【0038】
シリンダ部材77の上部には、燃料溜まり82に至る低圧流路90と圧力室79の間に、弁部材たる逆止弁91が配置され、スクリュ92によってシリンダ部材77内に固定されている。電磁弁6は、燃料溜まり82と低圧流路90との連通、遮断を制御しており、コイル61に通電すると弁体63が開弁し、燃料溜まり82より低圧流路90、逆止弁91を経て圧力室79に低圧燃料が流入する。
【0039】
逆止弁91は、ハウジング93を上下方向に貫通する流路94と、該流路94を開閉する弁体95を有する。流路94は、途中で圧力室79方向(図の下方)に拡径して円錐状のシート面96をなし、弁体95はスプリングストッパ97内に保持されるスプリング98によって上方に付勢され、シート面96に着座している。このように、逆止弁91は図示の通常状態で閉弁しており、電磁弁6が開弁して燃料溜まり82から低圧燃料が流入すると、燃料の圧力で開弁するようになしてある。この開弁時において、低圧燃料は流路90、ハウジング93内に設けた流路99、流路94を通って圧力室79に流入する。
【0040】
ここで、本実施の形態の高圧供給ポンプの作動について説明する。電磁弁6のコイル61への通電を行うと、弁体63が開弁し、燃料溜まり82と低圧流路90が連通する。図示の状態において、プランジャ78はリフト量が最大となっており、この状態からドライブシャフト7の回転によりカム75が回転すると、摺動子86は、スプリング87の付勢力で、カムローラ89がカム75のカム面に沿うように下降する。この時、圧力室79aに約10気圧に加圧された低圧燃料が流入し、プランジャ78を押し下げる。
【0041】
その後、電磁弁6のコイル61への通電を遮断すると、燃料溜まり82と低圧流路90との連通が遮断され、圧力室79への低圧燃料の供給が停止する。その後も、摺動子86は下降するが、プランジャ78は下降せず、摺動子86とプランジャ78は離れる。そのため、圧力室79aにキャビテーションが発生することはない。
【0042】
さらに、カム75の圧送行程に入ると、摺動子86はスプリング87の付勢力に抗して上昇し、プランジャ78の下端面が摺動子86に当接する。その後、圧力室79内の燃料の加圧が開始され、吐出弁83を経て、コモンレールRに約200〜1600気圧(約20〜160MPa)の高圧燃料が供給される。
【0043】
以上、本発明によれば、プランジャとカムとの間に、パッドや摺動子が介在する構成において、プランジャをパッドないし摺動子と独立に設け、プランジャにスプリングの付勢力が作用しないようにしたので、キャビテーションの発生を防止し耐久性能を向上させることができる。また、スプリングを配設しているので、偏心カムの位置関係が狂うといったおそれがなく、信頼性の高い高圧供給ポンプを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す高圧供給ポンプの全体断面図である。
【図2】第1の実施の形態の高圧供給ポンプを含む燃料噴射システムの全体構成図である。
【図3】偏心カムおよびプランジャの作動を説明するための図である。
【図4】偏心カムおよびプランジャの作動を説明するための図である。
【図5】偏心カムおよびプランジャの作動を説明するための図である。
【図6】電磁弁の拡大断面図である。
【図7】図1の上部拡大断面図である。
【図8】(a)〜(d)は第1の実施の形態の作動を説明するための図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す高圧供給ポンプの全体断面図である。
【図10】従来の高圧供給ポンプの全体断面図である。
【図11】図10のB−B線断面図である。
【符号の説明】
P 高圧供給ポンプ
1a、1b ポンプハウジング
10 ドライブシャフト(駆動軸)
15 偏心カム
16 燃料溜まり
17、18、19、24、25 低圧流路
26、27、28 高圧流路
2a、2b、2c シリンダ
3a、3b、3c プランジャ
31a、31b、31c パッド
32a、32b、32c スプリング
4a、4b、4c 圧力室
5a、5b、5c 逆止弁(弁部材)
6 電磁弁
74 ドライブシャフト(駆動軸)
75 カム
76 シリンダ
78 プランジャ
79 圧力室
86 摺動子
87 スプリング
89 カムローラ
91 逆止弁(弁部材)

Claims (2)

  1. 駆動軸周りに配設されたシリンダと、該シリンダ内に往復運動可能に嵌挿されたプランジャと、上記駆動軸に対し偏心して相対回転し上記プランジャを上記シリンダ内で往復運動させる偏心カムと、上記シリンダの内壁面と上記プランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧燃料を上記プランジャの往復運動によって加圧する圧力室と、上記低圧流路を開閉して上記偏心カムの下降時に上記圧力室に流入する低圧燃料の量を制御する電磁弁と、上記電磁弁の下流の低圧流路に位置し、上記電磁弁の開弁時に上記圧力室に流入した低圧燃料の加圧開始時より加圧燃料の高圧流路への圧送終了時まで上記圧力室と上記低圧流路との間を遮断する弁部材とを備え、上記圧力室へ流入した低圧燃料の全量を加圧圧送する吸入量調量方式の高圧供給ポンプにおいて、上記偏心カムと上記プランジャの間に介在し上記偏心カムに対し往復摺動するパッドと、該パッドを上記偏心カム方向に付勢するスプリングを設けるとともに、上記プランジャを上記パッドと独立に設けて、上記スプリングの付勢力が上記プランジャに作用しない配置とし、上記プランジャが上記圧力室への低圧燃料の流入量に応じて上記偏心カム方向に移動し、低圧燃料の流入停止とともに移動を停止して、低圧燃料の加圧開始までその位置を保持するようにしたことを特徴とする高圧供給ポンプ。
  2. 駆動軸周りに配設されたシリンダと、該シリンダ内に往復運動可能に嵌挿されたプランジャと、上記駆動軸とともに回転して上記プランジャを上記シリンダ内で往復運動させるカムと、上記シリンダの内壁面と上記プランジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧燃料を上記プランジャの往復運動によって加圧する圧力室と、上記低圧流路を開閉して上記カムの下降時に上記圧力室に流入する低圧燃料の量を制御する電磁弁と、上記電磁弁の下流の低圧流路に位置し、上記電磁弁の開弁時に上記圧力室に流入した低圧燃料の加圧開始時より加圧燃料の高圧流路への圧送終了時まで上記圧力室と上記低圧流路との間を遮断する弁部材とを備え、上記圧力室へ流入した低圧燃料の全量を加圧圧送する吸入量調量方式の高圧供給ポンプにおいて、上記カムと上記プランジャの間に介在し上記カムの回転に応じて往復運動する摺動子と、該摺動子を上記カム方向に付勢するスプリングを設けるとともに、上記プランジャを上記摺動子と独立に設けて、上記スプリングの付勢力が上記プランジャに作用しない配置とし、上記プランジャが上記圧力室への低圧燃料の流入量に応じて上記カム方向に移動し、低圧燃料の流入停止とともに移動を停止して、低圧燃料の加圧開始までその位置を保持することを特徴とする高圧供給ポンプ。
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