JP2004003214A - 走行用ガイドレール - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で高精度にして、かつ耐久性と防振効果が合わせ得られる機能性を備えた走行用ガイドレールを提供する。
【解決手段】構造物に取付けられる所要長さのレールベース2と、このレールベース2の一部で長手方向に平行して形成される取付溝6に嵌り込んで装着される断面円形のレール部材5と、そのレール部材5の周面の一部を露出させて前記取付溝6に嵌め合わせて固定するレール固定金具7とを備え、前記レール部材5はその断面の少なくとも半円以上を前記取付溝6の開口端部6aと前記レール固定金具7とによって囲われて固定され、残る露出周面がガイドローラ15の案内面(案内部5a)となる構成である。
【選択図】 図1
【解決手段】構造物に取付けられる所要長さのレールベース2と、このレールベース2の一部で長手方向に平行して形成される取付溝6に嵌り込んで装着される断面円形のレール部材5と、そのレール部材5の周面の一部を露出させて前記取付溝6に嵌め合わせて固定するレール固定金具7とを備え、前記レール部材5はその断面の少なくとも半円以上を前記取付溝6の開口端部6aと前記レール固定金具7とによって囲われて固定され、残る露出周面がガイドローラ15の案内面(案内部5a)となる構成である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリアなどに付設されるガイドローラと接して案内走行させるローラ案内部を、レールの取付主体部と合理的組合わせて機能性を高めた走行用ガイドレールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばドアのように広い面積を有する構造物を吊下げて移動させる吊下げ走行体を案内するレール部材(ハンガーレール)と戸車のようなガイドローラとの関係は、ドアが設置される開口部の上側にレールベースを取付けて、このレールベースにハンガーレールが組み込まれるように設けられている。そのレールベースは、断面形状が複雑な長尺物であるため、比較的軟質で加工性のよい材料、例えばアルミニウム材による押し出し成形されたものが用いられている。
【0003】
ハンガーレールは、通常、▲1▼レールベースと一体的に設けられるか、▲2▼レールベースの一部に別途部材を付着させて設けるか、あるいは、▲3▼レールベースに受け材を介在させて取付けられるなど、種々の方策が講じられている。また、ハンガーレールに対して戸車としては、例えば樹脂製のものを使用して、材質的にレール部材より軟質のものにして使用による減摩を考慮するとともに、開閉動作時の騒音の発生を低減するようにされている。
【0004】
前記▲1▼の構成としては、例えば図3に示すように、ドア設置開口部の上側壁面に取付けられるレールベース20において、適宜寸法突き出してドア吊下げ部21が形成され、このドア吊下げ部21の上面側にドアの開閉方向に沿って走行レール22が形成されており、この走行レール22の上面は上向き凸状の曲面にされている。このような走行レール22に対して、ドア本体25の上部に取付けられた複数の吊り部材26に戸車27が回転自在に付設されており、その戸車27には周面に前記走行レール22の上面に沿って回転できるように凹状の曲面を形成されるものが使用されている。
【0005】
また、前記▲2▼の構成のものとしては、例えば特開平10−220099号公報によって開示されるようなものがある。この構成のものは、図4(a)(b)に示されるように、レールベース30と一体にして取付面側と反対の側から所要量横に突き出した突出部分31の上面に溝部32が形成されていて、その溝部32にレール部材33の下半の凸部33aを嵌め合わせて一側方から挟圧し、かしめることでベース材よりも硬質の材料にてなるレ−ル部材33を固着されていて、長期使用に耐えるとともに、変形せず、騒音を発することがない効果を奏する旨記載されている。また、レール部材を付着させるものとして、特開2000−230364号公報によれば、図5に示されるように、走行レール22の上面部にウレタン樹脂,ポリアミド樹脂など耐摩耗性を有する弾性体でなる被覆材35を装着することで、走行レールおよび戸車の耐久性を高めるようにしたものが開示されている。
【0006】
さらに、前記▲3▼の構成のものとしては、例えば特開平9−125807号公報に開示されるように、無目の取付部材にアングル型の取付金具を介してドアを支持するレール体を沿設し、このレール体は上面を凸状曲面にして下面を平坦な面とされ、そのようなレール体にドアの吊り金具に付設される周面に凹局面を有する戸車をあてがって支持させるものが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記▲1▼の構成のものでは、走行レール22とレールベース21とがアルミニウムの押出し成形にて一体に形成されているので、戸車27の転動で摩滅しやすく、定期的な交換が必要になる。しかし、この走行レール22の交換ではレールベース21もろともに取り替えることになるのでメンテナンスの費用が増大するという問題がある。また、摩耗とともに構造的にも変形しやすいため長期間使用すると振動が発生しやすく、ドアの開閉時にレール22部分と戸車27との間での振動がドア本体25に伝播して騒音を発生する原因ともなるなどの問題がある。
【0008】
さらに、前記▲2▼の構成(特開平10−220099号公報)のものでは、走行レールとなる部分に、別途硬質の材料にてなるレール部材33を、その下半部33aにてレールベース30と一体の溝部32に嵌め合わせて挟圧し、かしめて固着した構成とされるので、耐久性は向上するが、工作性が困難であり、特に断面が小さくて細長い部材を僅かな部分で挟圧固定させることは、戸車の転動を繰り返す間に固定部が緩んで浮き上がり使用に耐えなくなるという問題がある。あるいは特開2000−230364号公報によるものでは、これまた薄肉の樹脂成形部材にてなる被覆材35を走行レール22部の上面に沿って付着させるものであるから、如何にその断面形状に工夫を加えても戸車の転動による繰り返し荷重が頻繁に作用すると浮き上がりが生じて前記同様に耐久性に乏しいという問題がある。また、このものにあっては、レールベース20側に設けられた細い溝22’に対して樹脂製の被覆材35の脚部35aを嵌め込む構成であるから、一見要領よく取付けられる形状とされていても、成形時にねじれが生じやすいので、無理して嵌め合わせておくと、経時変化によって固着能力が低下し、浮き上がりが発生するという問題点がある。
【0009】
また、前記▲3▼の構成(特開平9−125807号公報)では、前記▲1▼▲2▼のものと異なる別途レール部材を組付けるもので、耐久性を備える点では効果的であるが、構造が複雑になって高価に付くことが避けられないという問題点がある。
【0010】
本発明は、前述のような問題点を解決するためになされたもので、簡単な構成で高精度にして、かつ耐久性と防振効果が合わせ得られる機能性を備えた走行用ガイドレールを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するために、本発明による走行用ガイドレールは、
構造物に取付けられる所要長さのレールベースと、このレールベースの一部で長手方向に平行して形成される取付溝に嵌り込んで装着される断面円形のレール部材と、そのレール部材の周面の一部を露出させて前記取付溝に嵌め合わせて固定する固定部材とを備え、前記レール部材はその断面の少なくとも半円以上を前記取付溝の開口端部と前記固定部材とによって囲われて固定され、残る露出周面がガイドローラの案内面となる構成であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、レールベースとして、例えばアルミニウムなど成形容易な材料で所要長さのものとされ、その一部をガイドローラの受け方向に向けて、当該ガイドローラの受け部に所要半径の円弧溝(取付溝)が長手方向に取付面と平行して形成され、一方レール部材としてはレールベースと異なる材料にてなる円形断面のものを使用され、このレール部材を前記取付溝に嵌め込んで保持させる。この際、レールベースにおける取付溝の開口端部の一方を前記レール部材の半円よりもやや高い寸法にして、その取付溝の内部に嵌り合う寸法の前記レール部材を嵌め込んで、前記開口端部と反対側に取付溝に嵌め込んだレール部材の周面の一部を押さえるように固定部材をあてがって、小ネジなどの固定具によりレール部材を固定する。こうするとそのレール部材の半円周よりも多くの周面が取付溝内に嵌め込まれて上部周面が露出し、その上部周面によって溝付きガイドローラ(戸車)の案内部が形成される。
【0013】
本発明によれば、レールベースとしては従来品と同様に成形容易なアルミニウム材などを使用して形成を容易にされ、レール部材に加工精度の高いものを使用するとともに、表面処理を施して機械的強度を高めたものを用いれば、両者の組合わせによって、従来なし得なかった高品質の走行用ガイドレールが得られるという効果を奏する。しかも、レール部材は、レールベースに設けられる円弧状の取付溝に嵌め込んで、一側上方から固定部材によって挟み込まれて固定されるので、使用中にレール部材が浮き上がるようなことがない。そして、摩滅すれば、固定部材を取外すことにより簡単に新しいレール部材と交換ができるという利便性をも有するのである。さらに、レール部材は円形断面であるからひずみの発生が極めて少なく高精度に仕上げることができるという利点がある。
【0014】
前記発明において、前記レール部材は機械的強度の高い合成樹脂製の丸棒を使用されるのがよい。このようにすれば、耐摩耗性の材料を選択することで、摩耗の少ないものとなり、騒音・粉塵の発生がほとんどないので環境的に優れたガイドレールを形成できる。また、丸棒を前記の構成でレールベースに取付けられるので接続が容易になる。しかもレールベースを曲面に形成すれば、それに合わせてレール部材も曲線化できるので、直線、曲線の組合わせで走行路をレイアウトすることができる。
【0015】
さらに前記発明において、レール部材は金属製の芯材表面をプラスチックで被覆されたものであるのがよい。こうすると、レール部材の強度を高めて、かつ耐摩耗性と耐振性を付加できて、ドアなど吊下げ移動させる部材のガイドレールとして振動の発生を予防できるという効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による走行用ガイドレールの具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1には、本発明による走行用ガイドレールと案内される構造部材との関係を表わす縦断面図が、図2には走行用ガイドレールの他の実施形態の要部を表わす断面図が、それぞれ示されている。
【0018】
この実施形態の走行用ガイドレール1(以下、単にガイドレール1という)は、ドア用のものについて説明する。
【0019】
まず、このガイドレール1は、建物などの出入り口(開口部)の上框10に沿わせて取付けられるレールベース2と、このレールベース2の下部で取付面3と反対の方向に突き出して一体に形成されるレール支持部4と、そのレール支持部4に設けられて取付面3に平行して形成される取付溝6に嵌め込まれるレール部材5およびそのレール部材5を固定するための帯状のレール固定金具7(本発明の固定部材に相当する)とで構成されている。
【0020】
前記レールベース2とレール支持部4とは、軟質の金属、例えばアルミニウム材を用いて図1に示されるような断面形状に押出し成形されている。すなわち一側部が所要高さ寸法の平坦な取付面3を有する取付主部2aで、上端から前記取付面3と反対方向に補強リブ2bが全長に亙り突出形成され、下部にレール支持部4が所要の幅で横向きに突出形成されている。
【0021】
前記レール支持部4における上面には、その先端部寄りに円弧状の取付溝6が前記取付主部2aに平行して形成されており、その取付溝6に沿う外側(取付面と反対側)に、取付溝6を形成する断面半円形の半円よりもやや高くなる開口端部6aが形成されている。このような取付溝6と前記取付主部2aの前面との間は平坦にして、この個所をレール固定金具7の取付面4aにされ、長手方向に所要のピッチで取付小孔8が複数設けてある。
【0022】
前記レール部材5は、前記レール支持部4の取付溝6に嵌り合う断面寸法の樹脂製丸棒である。このレール部材5を形成する樹脂としては、機械的強度が高くて耐摩耗性および弾性体である材料が好ましく、例えばポリアミド樹脂,ポリアセタール,ウレタン樹脂,超高分子量ポリエチレンなどが採用できる。なお、好ましくはそれら樹脂で成形された丸棒の周面を精密加工されたものを使用するのがよい。
【0023】
このレール部材5は、レールベース2のレール支持部4に形成される取付溝6に上側から斜めに嵌め込んで、その内寄り取付面4aに一側面が傾斜面にされた帯状のレール固定金具7を置いて、レール支持部4に設けられた取付小孔8を通じて底面側から小ネジ9により所要ピッチでレール固定金具7を定着させている。こうすると、レール部材5は、その全長にわたり取付溝6の開口端部6a内側面(円弧状の取付溝周面の延長部)とレール固定金具7とによって上半部の両脇を挟み込まれて固定され、周面のほぼ1/3の上面が露出した状態に保たれ、その露出部分がガイド用ローラ15の案内部5aとなるようにされている。
【0024】
このように構成される本実施形態のガイドレール1は、開口部の上框10にレールベース2の取付主部背面の取付面3をあてがって複数の締結具11(ボルトなど)によってレール部材5の案内部5aが水平になるように固着させる。このガイドレール1の案内部5aに対して所要寸法のドア13上面に取付けられているハンガー14付設のガイド用ローラ15を乗せてそのドア13を吊り掛け、開閉自在に案内させることができる。
【0025】
このようなレール部材5を備えるガイドレール1は、その案内部(凸曲面部)5aによって溝付きのガイド用ローラ15を案内して円滑に走行でき、丸棒材を嵌め込んで案内部5を形成するので、その周面の精度を高めたものを使用することができ、その材料に樹脂を使用することから寸法精度とも相俟って走行の円滑性が高まり、走行中にきしむようなことがなく、かつ走行時の摩擦抵抗を減じ、騒音の発生も少なくなるという利点がある。それに加えて、構造簡単にして高精度の製品を得ることができるので、コストダウンを図ることができる。
【0026】
また、レール部材としては、図2に他の実施形態として示されるように、例えば鉄芯入りのレール部材5Aを採用することができる。すなわち、鉄芯5cの周りを機械的強度の高い樹脂材で被覆した構造のものであり、このような構造のレール部材5Aによれば、ひずみの発生を防止して直芯性の高いレール部材を得ることができる。なお、ガイドレールとしての機能性については、前記実施形態のものと同様である。また、前記鉄芯5cには鉄線に代えて他の金属線材を用いることも可能である。
【0027】
以上に説明のガイドレール1にあっては、長期使用によってレール部材が摩耗してくれば、レール固定金具7の締結用小ネジによる締結を解けば、そのレール固定金具7を取外すことで、固定されていたレール部材5(5A)を取り除くことができる。したがって、新しいレール部材との交換が容易に行え、長期にわたり好条件で使用することができる。
【0028】
また、この構成は直線部のみならず、図示省略するが、レールベース2を所要半径で彎曲させて、形成されるレールの取付溝6の曲率に合わせてレール部材5(5A)を彎曲させて嵌め合せるようにすれば、曲線ガイドレールとすることができる。こうすることにより、例えば曲面ドアを設置するのに簡単に利用でき、効果的であるといえる。
【0029】
また、上記説明はドア用の走行ガイドレールについて記載したが、ドアのみならず他のキャリアのガイドレールとして使用することができる。これらは本発明の技術的範囲に属するものである。また、レール部材としては必要に応じて金属丸棒を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による走行用ガイドレールと案内される構造部材との関係を表わす縦断面図である。
【図2】図2は、走行用ガイドレールの他の実施形態の要部を表わす断面図である。
【図3】図3は、従来のドア用走行ガイドレールの断面図である。
【図4】図4は、従来のドア用走行ガイドレールの断面図(a)とその要部拡大断面図(b)である。
【図5】図5は、従来のドア用走行ガイドレールの別例の断面図(a)とその要部拡大断面図(b)である。
【符号の説明】
1 ガイドレール
2 レールベース
3 取付面
4 レール支持部
5,5A レール部材
5a レール部材の案内部
5c 鉄芯
6 取付溝
7 レール固定金具
9 小ネジ
10 上框
11 締結具
13 ドア
14 ハンガー
15 ガイド用ローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリアなどに付設されるガイドローラと接して案内走行させるローラ案内部を、レールの取付主体部と合理的組合わせて機能性を高めた走行用ガイドレールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばドアのように広い面積を有する構造物を吊下げて移動させる吊下げ走行体を案内するレール部材(ハンガーレール)と戸車のようなガイドローラとの関係は、ドアが設置される開口部の上側にレールベースを取付けて、このレールベースにハンガーレールが組み込まれるように設けられている。そのレールベースは、断面形状が複雑な長尺物であるため、比較的軟質で加工性のよい材料、例えばアルミニウム材による押し出し成形されたものが用いられている。
【0003】
ハンガーレールは、通常、▲1▼レールベースと一体的に設けられるか、▲2▼レールベースの一部に別途部材を付着させて設けるか、あるいは、▲3▼レールベースに受け材を介在させて取付けられるなど、種々の方策が講じられている。また、ハンガーレールに対して戸車としては、例えば樹脂製のものを使用して、材質的にレール部材より軟質のものにして使用による減摩を考慮するとともに、開閉動作時の騒音の発生を低減するようにされている。
【0004】
前記▲1▼の構成としては、例えば図3に示すように、ドア設置開口部の上側壁面に取付けられるレールベース20において、適宜寸法突き出してドア吊下げ部21が形成され、このドア吊下げ部21の上面側にドアの開閉方向に沿って走行レール22が形成されており、この走行レール22の上面は上向き凸状の曲面にされている。このような走行レール22に対して、ドア本体25の上部に取付けられた複数の吊り部材26に戸車27が回転自在に付設されており、その戸車27には周面に前記走行レール22の上面に沿って回転できるように凹状の曲面を形成されるものが使用されている。
【0005】
また、前記▲2▼の構成のものとしては、例えば特開平10−220099号公報によって開示されるようなものがある。この構成のものは、図4(a)(b)に示されるように、レールベース30と一体にして取付面側と反対の側から所要量横に突き出した突出部分31の上面に溝部32が形成されていて、その溝部32にレール部材33の下半の凸部33aを嵌め合わせて一側方から挟圧し、かしめることでベース材よりも硬質の材料にてなるレ−ル部材33を固着されていて、長期使用に耐えるとともに、変形せず、騒音を発することがない効果を奏する旨記載されている。また、レール部材を付着させるものとして、特開2000−230364号公報によれば、図5に示されるように、走行レール22の上面部にウレタン樹脂,ポリアミド樹脂など耐摩耗性を有する弾性体でなる被覆材35を装着することで、走行レールおよび戸車の耐久性を高めるようにしたものが開示されている。
【0006】
さらに、前記▲3▼の構成のものとしては、例えば特開平9−125807号公報に開示されるように、無目の取付部材にアングル型の取付金具を介してドアを支持するレール体を沿設し、このレール体は上面を凸状曲面にして下面を平坦な面とされ、そのようなレール体にドアの吊り金具に付設される周面に凹局面を有する戸車をあてがって支持させるものが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記▲1▼の構成のものでは、走行レール22とレールベース21とがアルミニウムの押出し成形にて一体に形成されているので、戸車27の転動で摩滅しやすく、定期的な交換が必要になる。しかし、この走行レール22の交換ではレールベース21もろともに取り替えることになるのでメンテナンスの費用が増大するという問題がある。また、摩耗とともに構造的にも変形しやすいため長期間使用すると振動が発生しやすく、ドアの開閉時にレール22部分と戸車27との間での振動がドア本体25に伝播して騒音を発生する原因ともなるなどの問題がある。
【0008】
さらに、前記▲2▼の構成(特開平10−220099号公報)のものでは、走行レールとなる部分に、別途硬質の材料にてなるレール部材33を、その下半部33aにてレールベース30と一体の溝部32に嵌め合わせて挟圧し、かしめて固着した構成とされるので、耐久性は向上するが、工作性が困難であり、特に断面が小さくて細長い部材を僅かな部分で挟圧固定させることは、戸車の転動を繰り返す間に固定部が緩んで浮き上がり使用に耐えなくなるという問題がある。あるいは特開2000−230364号公報によるものでは、これまた薄肉の樹脂成形部材にてなる被覆材35を走行レール22部の上面に沿って付着させるものであるから、如何にその断面形状に工夫を加えても戸車の転動による繰り返し荷重が頻繁に作用すると浮き上がりが生じて前記同様に耐久性に乏しいという問題がある。また、このものにあっては、レールベース20側に設けられた細い溝22’に対して樹脂製の被覆材35の脚部35aを嵌め込む構成であるから、一見要領よく取付けられる形状とされていても、成形時にねじれが生じやすいので、無理して嵌め合わせておくと、経時変化によって固着能力が低下し、浮き上がりが発生するという問題点がある。
【0009】
また、前記▲3▼の構成(特開平9−125807号公報)では、前記▲1▼▲2▼のものと異なる別途レール部材を組付けるもので、耐久性を備える点では効果的であるが、構造が複雑になって高価に付くことが避けられないという問題点がある。
【0010】
本発明は、前述のような問題点を解決するためになされたもので、簡単な構成で高精度にして、かつ耐久性と防振効果が合わせ得られる機能性を備えた走行用ガイドレールを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するために、本発明による走行用ガイドレールは、
構造物に取付けられる所要長さのレールベースと、このレールベースの一部で長手方向に平行して形成される取付溝に嵌り込んで装着される断面円形のレール部材と、そのレール部材の周面の一部を露出させて前記取付溝に嵌め合わせて固定する固定部材とを備え、前記レール部材はその断面の少なくとも半円以上を前記取付溝の開口端部と前記固定部材とによって囲われて固定され、残る露出周面がガイドローラの案内面となる構成であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、レールベースとして、例えばアルミニウムなど成形容易な材料で所要長さのものとされ、その一部をガイドローラの受け方向に向けて、当該ガイドローラの受け部に所要半径の円弧溝(取付溝)が長手方向に取付面と平行して形成され、一方レール部材としてはレールベースと異なる材料にてなる円形断面のものを使用され、このレール部材を前記取付溝に嵌め込んで保持させる。この際、レールベースにおける取付溝の開口端部の一方を前記レール部材の半円よりもやや高い寸法にして、その取付溝の内部に嵌り合う寸法の前記レール部材を嵌め込んで、前記開口端部と反対側に取付溝に嵌め込んだレール部材の周面の一部を押さえるように固定部材をあてがって、小ネジなどの固定具によりレール部材を固定する。こうするとそのレール部材の半円周よりも多くの周面が取付溝内に嵌め込まれて上部周面が露出し、その上部周面によって溝付きガイドローラ(戸車)の案内部が形成される。
【0013】
本発明によれば、レールベースとしては従来品と同様に成形容易なアルミニウム材などを使用して形成を容易にされ、レール部材に加工精度の高いものを使用するとともに、表面処理を施して機械的強度を高めたものを用いれば、両者の組合わせによって、従来なし得なかった高品質の走行用ガイドレールが得られるという効果を奏する。しかも、レール部材は、レールベースに設けられる円弧状の取付溝に嵌め込んで、一側上方から固定部材によって挟み込まれて固定されるので、使用中にレール部材が浮き上がるようなことがない。そして、摩滅すれば、固定部材を取外すことにより簡単に新しいレール部材と交換ができるという利便性をも有するのである。さらに、レール部材は円形断面であるからひずみの発生が極めて少なく高精度に仕上げることができるという利点がある。
【0014】
前記発明において、前記レール部材は機械的強度の高い合成樹脂製の丸棒を使用されるのがよい。このようにすれば、耐摩耗性の材料を選択することで、摩耗の少ないものとなり、騒音・粉塵の発生がほとんどないので環境的に優れたガイドレールを形成できる。また、丸棒を前記の構成でレールベースに取付けられるので接続が容易になる。しかもレールベースを曲面に形成すれば、それに合わせてレール部材も曲線化できるので、直線、曲線の組合わせで走行路をレイアウトすることができる。
【0015】
さらに前記発明において、レール部材は金属製の芯材表面をプラスチックで被覆されたものであるのがよい。こうすると、レール部材の強度を高めて、かつ耐摩耗性と耐振性を付加できて、ドアなど吊下げ移動させる部材のガイドレールとして振動の発生を予防できるという効果が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による走行用ガイドレールの具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
図1には、本発明による走行用ガイドレールと案内される構造部材との関係を表わす縦断面図が、図2には走行用ガイドレールの他の実施形態の要部を表わす断面図が、それぞれ示されている。
【0018】
この実施形態の走行用ガイドレール1(以下、単にガイドレール1という)は、ドア用のものについて説明する。
【0019】
まず、このガイドレール1は、建物などの出入り口(開口部)の上框10に沿わせて取付けられるレールベース2と、このレールベース2の下部で取付面3と反対の方向に突き出して一体に形成されるレール支持部4と、そのレール支持部4に設けられて取付面3に平行して形成される取付溝6に嵌め込まれるレール部材5およびそのレール部材5を固定するための帯状のレール固定金具7(本発明の固定部材に相当する)とで構成されている。
【0020】
前記レールベース2とレール支持部4とは、軟質の金属、例えばアルミニウム材を用いて図1に示されるような断面形状に押出し成形されている。すなわち一側部が所要高さ寸法の平坦な取付面3を有する取付主部2aで、上端から前記取付面3と反対方向に補強リブ2bが全長に亙り突出形成され、下部にレール支持部4が所要の幅で横向きに突出形成されている。
【0021】
前記レール支持部4における上面には、その先端部寄りに円弧状の取付溝6が前記取付主部2aに平行して形成されており、その取付溝6に沿う外側(取付面と反対側)に、取付溝6を形成する断面半円形の半円よりもやや高くなる開口端部6aが形成されている。このような取付溝6と前記取付主部2aの前面との間は平坦にして、この個所をレール固定金具7の取付面4aにされ、長手方向に所要のピッチで取付小孔8が複数設けてある。
【0022】
前記レール部材5は、前記レール支持部4の取付溝6に嵌り合う断面寸法の樹脂製丸棒である。このレール部材5を形成する樹脂としては、機械的強度が高くて耐摩耗性および弾性体である材料が好ましく、例えばポリアミド樹脂,ポリアセタール,ウレタン樹脂,超高分子量ポリエチレンなどが採用できる。なお、好ましくはそれら樹脂で成形された丸棒の周面を精密加工されたものを使用するのがよい。
【0023】
このレール部材5は、レールベース2のレール支持部4に形成される取付溝6に上側から斜めに嵌め込んで、その内寄り取付面4aに一側面が傾斜面にされた帯状のレール固定金具7を置いて、レール支持部4に設けられた取付小孔8を通じて底面側から小ネジ9により所要ピッチでレール固定金具7を定着させている。こうすると、レール部材5は、その全長にわたり取付溝6の開口端部6a内側面(円弧状の取付溝周面の延長部)とレール固定金具7とによって上半部の両脇を挟み込まれて固定され、周面のほぼ1/3の上面が露出した状態に保たれ、その露出部分がガイド用ローラ15の案内部5aとなるようにされている。
【0024】
このように構成される本実施形態のガイドレール1は、開口部の上框10にレールベース2の取付主部背面の取付面3をあてがって複数の締結具11(ボルトなど)によってレール部材5の案内部5aが水平になるように固着させる。このガイドレール1の案内部5aに対して所要寸法のドア13上面に取付けられているハンガー14付設のガイド用ローラ15を乗せてそのドア13を吊り掛け、開閉自在に案内させることができる。
【0025】
このようなレール部材5を備えるガイドレール1は、その案内部(凸曲面部)5aによって溝付きのガイド用ローラ15を案内して円滑に走行でき、丸棒材を嵌め込んで案内部5を形成するので、その周面の精度を高めたものを使用することができ、その材料に樹脂を使用することから寸法精度とも相俟って走行の円滑性が高まり、走行中にきしむようなことがなく、かつ走行時の摩擦抵抗を減じ、騒音の発生も少なくなるという利点がある。それに加えて、構造簡単にして高精度の製品を得ることができるので、コストダウンを図ることができる。
【0026】
また、レール部材としては、図2に他の実施形態として示されるように、例えば鉄芯入りのレール部材5Aを採用することができる。すなわち、鉄芯5cの周りを機械的強度の高い樹脂材で被覆した構造のものであり、このような構造のレール部材5Aによれば、ひずみの発生を防止して直芯性の高いレール部材を得ることができる。なお、ガイドレールとしての機能性については、前記実施形態のものと同様である。また、前記鉄芯5cには鉄線に代えて他の金属線材を用いることも可能である。
【0027】
以上に説明のガイドレール1にあっては、長期使用によってレール部材が摩耗してくれば、レール固定金具7の締結用小ネジによる締結を解けば、そのレール固定金具7を取外すことで、固定されていたレール部材5(5A)を取り除くことができる。したがって、新しいレール部材との交換が容易に行え、長期にわたり好条件で使用することができる。
【0028】
また、この構成は直線部のみならず、図示省略するが、レールベース2を所要半径で彎曲させて、形成されるレールの取付溝6の曲率に合わせてレール部材5(5A)を彎曲させて嵌め合せるようにすれば、曲線ガイドレールとすることができる。こうすることにより、例えば曲面ドアを設置するのに簡単に利用でき、効果的であるといえる。
【0029】
また、上記説明はドア用の走行ガイドレールについて記載したが、ドアのみならず他のキャリアのガイドレールとして使用することができる。これらは本発明の技術的範囲に属するものである。また、レール部材としては必要に応じて金属丸棒を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による走行用ガイドレールと案内される構造部材との関係を表わす縦断面図である。
【図2】図2は、走行用ガイドレールの他の実施形態の要部を表わす断面図である。
【図3】図3は、従来のドア用走行ガイドレールの断面図である。
【図4】図4は、従来のドア用走行ガイドレールの断面図(a)とその要部拡大断面図(b)である。
【図5】図5は、従来のドア用走行ガイドレールの別例の断面図(a)とその要部拡大断面図(b)である。
【符号の説明】
1 ガイドレール
2 レールベース
3 取付面
4 レール支持部
5,5A レール部材
5a レール部材の案内部
5c 鉄芯
6 取付溝
7 レール固定金具
9 小ネジ
10 上框
11 締結具
13 ドア
14 ハンガー
15 ガイド用ローラ
Claims (3)
- 構造物に取付けられる所要長さのレールベースと、このレールベースの一部で長手方向に平行して形成される取付溝に嵌り込んで装着される断面円形のレール部材と、そのレール部材の周面の一部を露出させて前記取付溝に嵌め合わせて固定する固定部材とを備え、前記レール部材はその断面の少なくとも半円以上を前記取付溝の開口端部と前記固定部材とによって囲われて固定され、残る露出周面がガイドローラの案内面となる構成であることを特徴とする走行用ガイドレール。
- 前記レール部材は機械的強度の高い合成樹脂製の丸棒を使用される請求項1に記載の走行用ガイドレール。
- 前記レール部材は金属製の芯材表面をプラスチックで被覆されたものである請求項1に記載の走行用ガイドレール。
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