JP2004002420A - クラブラン酸の製法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酵素反応による新規化合物の製法、特に適当な前駆体に対する酵素の作用によるβ−ラクタム類、特にクラブラン酸などのクラバム類の製法における該酵素反応に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラブラン酸はZ−(2R,5R)−3−(β−ヒドロキシエチリデン)−7−オキソ−4−オキサ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン−2−カルボン酸である。
クラブラン酸は、β−ラクタマーゼ反応性β−ラクタム抗生物質を劣化から防御するので、β−ラクタマーゼ酵素の有効な阻害剤であり、臨床的価値の高い化合物である。
イギリス特許明細書第1 508 977号は、クラブラン酸として知られるクラバム誘導体を記載し、これは、ストレプトミセス・クラブリゲルス
(Streptomyces clavuligerus)ATCC 27064またはその高産生突然変異体により産生される化合物である。
抗生物質AUGMENTIN(登録商標)の基本成分である重要な生成物クラブラン酸の生合成経路は多くの研究の対象であった。EP A 0 213 914において、クラブラン酸は前駆体のプロクラバミン酸(F):
【化3】
に対する一連の酵素の作用により形成されることが報告されている。
【0003】
【特許文献1】
英国特許第1508977号明細書
【特許文献2】
欧州特許出願公開第0213914号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
生合成経路における初期の工程は説明するのがより困難であり、正確な工程は未だ解明されていない。クラブラン酸の前駆体としてのアルギニンおよびオルニチンの活用を評価する試験法が、Appl. Environ. Microbiol., 1986, 52(4), 892−7に記載されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、今回、新規中間体およびそのクラブラン酸への変換過程を同定した。従って、本発明は、ストレプトミセス属、好ましくは、エス・クラブリゲルス(S.clavuligerus)由来の酵素系を用い、S−アルギニン、式(I):
【化4】
[式中、R1は
【化5】
(式中、R2=HまたはC1−6アルキルを意味する)
で示される基を意味する]
で示される化合物、あるいは式(II):
【化6】
[式中、R1は
【化7】
(式中、R2=HまたはC1−6アルキルを意味する)
で示される基を意味する]
で示される化合物、あるいは式(III):
【化8】
[式中、RはHまたはOH、
およびR1は
【化9】
(式中、R2=HまたはC1−6アルキルを意味する)
で示される基を意味する]
で示される化合物のうちいずれか一の化合物からクラブラン酸および他のクラバム誘導体を製法する方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
「他のクラバム類」なる語により、7−オキソ−4−オキサ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン核を含有する化合物を意味する[ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ(J.C.S.,Chem.Commun.(1979),282]。
したがって、本発明は、クラバム類、特にクラブラン酸の製造において有用な新規化合物を提供する。本発明によれば、式(I):
【化10】
[式中、R1は
【化11】
(式中、R2=HまたはC1−6アルキルを意味する)
で示される基を意味する]
で示される化合物が得られる。
【0007】
本発明者らは、今回、化合物(F)の前駆体が、式(C):
【化12】
の化合物であることを見いだした。
【0008】
従って、好ましい態様において、化合物(C):トレオ−3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸、好ましくは(2S−3R)またはその誘導体が得られる。
化合物[C]は、ジェイ・イー・ミラーおよびジェイ・ジェイ・ビショフ
(J E MillerおよびJ J Bischoff),シンセシス(Synthesis),1986,777の方法または当該分野にて公知の関連した方法にしたがって、
【化13】
を
【化14】
と反応させることにより製造できる。
【0009】
本発明によると、グアニジノ基を有する化合物から尿素を除去できる、アミジノヒドロラーゼ活性を有し、特に適当な条件下で(C)を(F)に変換できる酵素も提供される。
適当には、酵素系は、微生物、特にストレプトミセス属由来のものである。好ましくは、酵素は、以下に記載する実施例1に従って、ストレプトミセスから調製される。あるいは、酵素は、組み換え体源から調製してもよい。
酵素は、さらに他の基質、例えば、(2S)−5−グアニジノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸(以下に定義する化合物B)と反応させた場合に、グアニジノ基をアミノ基に変換するのに有用である。
【0010】
アミジノヒドロラーゼ活性を有する酵素(以下、アミジノヒドロラーゼという)は、ストレプトミセス属、特にストレプトミセス・クラブリゲルスから得られる。アミジノヒドロラーゼ酵素は、好ましくは精製された形態、有利には実質的に純粋な形態である。
本発明の別の態様において、エス・クラブリゲルス菌糸体を遠心分離および超音波処理に付し、続いてイオン交換クロマトグラフィによる分別により処理することによりアミジノヒドロラーゼを調製する方法が提供される。
本発明のさらに別の態様において、実質的に以下の配列番号1のアミノ酸配列を有するアミジノヒドロラーゼ活性を有する蛋白質が提供される。
【0011】
配列番号1の配列は、アミジノヒドロラーゼをコードするDNAの遺伝子配列から得られた。遺伝子は、エス・クラブリゲルスから得られるアミジノヒドロラーゼ酵素のN末端を配列決定し、pBROC44として公知のベクター上にクローンされた、エス・クラブリゲルス染色体DNAの一部において見られるオープンリーディングフレームから予想される配列とその配列を適合させることにより同定する。pBROC44の調製は、EP−A−0349121の実施例6に記載されている。
【0012】
さらなる態様において、本発明は、本質的にアミジノヒドロラーゼをコードする遺伝子からなるDNAを提供する。本発明はまたこのようなDNA、好ましくは適当な宿主生物においてアミジノヒドロラーゼの発現のための発現ベクターからなるベクター(pBROC44以外)を提供する。
DNAは「自然」の状態(自然界で起こるような)ではなく、単離または実質的に精製された形態であると考えられる。好ましくは、本発明のDNAはエス・クラブリゲルス由来のものであるが、本発明は、他の適当な微生物、特に、好ましくは非常に厳密な条件下で、配列番号2またはアミジノヒドロラーゼ活性を有する酵素をコードするそのサブフラグメントのDNAとハイブリダイゼーションするエス・クラブリゲルス以外のクラブラン酸産生微生物に由来するDNA配列も包含する。
【0013】
本発明のDNAおよびこれを含有するベクターは種々の工業的用途がある。これは前記ベクターで形質転換された宿主微生物およびこれが発現する酵素にも適用される。例えば、前記DNAを含有する組換えベクターは、適当な宿主中に形質転換された場合に、多量のクラブラン酸を合成する遺伝子工学的に修飾された微生物の産生において重要である。
好ましくは、DNAは、実質的に、以下の配列番号2に示す配列を有するかまたは変性してこの配列になるが、配列番号1のアミノ酸配列をコードする配列を有する。本発明はまた、アミジノヒドロラーゼ活性を有する酵素をコードする突然変異体または関連する配列にも及ぶ。
【0014】
本発明に従って、式[C]の化合物またはその塩または保護された形態またはその類似体をアミジノヒドロラーゼ活性を有する酵素と接触させることにより、プロクラバミン酸を調製する方法が提供される。
【0015】
本発明は、また、式(II):
【化15】
[式中、R1は
【化16】
(式中、R2=HまたはC1−6アルキルを意味する)
で示される基を意味する]
で示される化合物を提供する。
【0016】
好ましい態様において、(2S)−5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(B)である式(B):
【化17】
の化合物またはその誘導体が提供される。
【0017】
式[B]の化合物は、ジェイ・イー・ミラーおよびジェイ・ジェイ・ビショフ(J E MillerおよびJJ Bischoff),シンセシス(Synthesis)1986,777の方法または当該分野において知られている関連法にしたがって、
【化18】
を
【化19】
と反応させることにより調製できる。
【0018】
本発明にしたがって、式[B]の化合物またはその塩またはその保護された形態またはその類似体を、ヒドロキシル化活性を有する酵素、特にクラバミン酸シンターゼ活性を有する酵素と接触させることによりCを製造する方法も提供される。好ましくは、酵素系は、微生物、特にストレプトミセス属由来のものである。別法として、酵素は組換え体源から産生できる。好ましくは、酵素はEP−A−213914に記載されるクラバミン酸シンターゼ(CAS)である。本発明は、通常のクラブラン酸産生株のストレプトミセス・クラブリゲルスから調製されるCAS、ならびにEP349121の方法に従って得ることができる、例えば、CAS遺伝子を発現ベクター、特にベクターpBROC413[pT7.7(テイバー・エスおよびリチャードソン・シー・シー(Tabor,S.&Richardson,C.C.)、(1985)プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA,82,1074−1078)の非伝達性誘導体]内にクローンしたイー・コリから得られる「組換え」CASの両方のクラバミン酸シンターゼに関する。
【0019】
本発明にしたがって、また、式III:
【化20】
[式中、RはHまたはOH、および
R1は
【化21】
(式中、R2=HまたはC1−6アルキルを意味する)
で示される基を意味する]
で示される化合物が得られる。
【0020】
好ましい態様において、N2−(2−カルボキシエチル)−(S)−アルギニンである化合物(A):
【化22】
またはその誘導体、例えば活性化エステルが提供される。
【0021】
化合物Aは新規であり、本発明の別の態様である。
化合物Aは以下の反応スキームにしたがって調製できる。
【化23】
【0022】
本発明のさらに別の態様において、Aまたはその活性化誘導体、好ましくはエステルまたはCoAチオエステルをストレプトミセス由来の酵素系、例えば全細胞または遊離酵素系と接触させることにより、Bを調製する方法が提供される。
【0023】
好ましい態様において、N2−(2−カルボキシエチル)−3−ヒドロキシ−(S)−アルギニンである化合物(G):
【化24】
またはその誘導体、たとえば活性化エステルが提供される。
【0024】
化合物Gは新規であり、本発明の別の態様である。
化合物Gは以下の反応スキームにしたがって調製できる。
【化25】
R3、R4は保護基であり、R5=保護基またはHである。
【化26】
R6、R7、R8は保護基であり、R9=保護基またはHである。
【0025】
X型の化合物の調製は、ケイ・エイチ・バガレイ、エス・ダブリュー・エルソン、エヌ・エイチ・ニコルソンおよびジェイ・ティー・サイム(K.H.Baggaley,S.W.Elson,N.H.NicholsonおよびJ.T.Sime),ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー(J.Chem.Soc.Perkin Trans I)1990,1521に記載されている。
【0026】
本発明のさらに別の態様において、DをCASと共に培養することからなるプロクラバミン酸(F)の製法が提供される。
【化27】
Dは(2S)−5−アミノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸である[ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー(J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I)1990,1521]。
【0027】
本発明のさらに別の態様において、DをCASと共に培養することからなる(E)の製法が提供される。
【化28】
Eは(2S)−(5−アミノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペント−2−エン酸であり、これは本発明の別の態様である。
【0028】
A、B、CおよびGまたはその保護された形態およびその塩の有用性は、以下に記載するようなクラブラン酸の調製法における中間体として作用する能力に存する。
好ましい態様において、本発明はまた、ストレプトミセス属、好ましくは、エス・クラブリゲルス由来の酵素系を用い、S−アルギニン、A、B、CまたはGのいずれかからのクラブラン酸および他のクラバム誘導体の製法を提供する。
【0029】
さらに別の態様において、本発明は、式(II)の化合物、好ましくは、前記した化合物Bならびにアルファアミノ酸またはそのN−アシル誘導体(ここに、アルファアミノ酸基質は側鎖に塩基性基を有する)のベータ−ヒドロキシル化法であって、ヒドロキシル化反応が、基質をCASと共に培養することにより行われることを特徴とする方法を提供する。適当には、反応を、必要な補助因子Fe2+および酸素および補助基質α−ケトグルタレートと共に実施する。適当な塩基性基は、アミノ、グアニジノおよびアミジノを包含する。
【0030】
個々の基質は、N2−アシルアルギニン誘導体、例えば、N2−アセチルアルギニンおよびN2−アシルオルニチン誘導体、例えば、N2−アセチルオルニチンを包含する。
本発明の化合物は、双性イオン形態または塩形態、例えばナトリウム塩などの金属塩、酸付加塩、アンモニウム塩または置換アンモニウム塩、例えば第三アミン塩の形態であってもよい。
【0031】
酸付加塩は、末端アミノ基で形成され、例えば塩酸、臭化水素酸、オルトリン酸または硫酸などの無機酸、あるいは例えばメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、サリチル酸またはアセチルサリチル酸などの有機酸との塩であってもよい。
金属塩は、カルボキシル基で形成され、例えば、アルミニウム塩およびアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩であってもよい。
【0032】
置換アンモニウム塩は、例えば、トリエチルアミンなどのC1−6アルキルアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミンまたはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミンなどのヒドロキシ(C1−6)アルキルアミン、ビシクロヘキシルアミンなどのシクロアルキルアミン、または、プロカインとの塩、ジベンジルピペリジン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’−ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N−メチルグルカミンまたは例えばピリジン、コリジンまたはキノリンなどのピリジンタイプの塩基との塩であってもよい。
【0033】
本発明の化合物は、1またはそれ以上の存在する官能基が保護された形態である化合物にも及ぶ。従って、適当な場合には、カルボキシ基を保護するか、グアニジノ、ヒドロキシまたはアミノ基を保護するか、またはカルボキシおよびグアニジノ、ヒドロキシまたはアミノ基の両方を保護してもよい。本明細書に記載する化合物のこのような保護された形態はすべて「保護された形態」という語に包含される。加えて、本明細書に記載の化合物に適用した場合、「保護された形態」なる語は、「マスクした」中間体も包含し、該中間体は、ある官能基を他のものに変換できることが公知の化学的プロセス(ここに、分子の残りの部分は、実質的に影響を受けないままである)により最終化合物に変換できる。例えば、好ましいマスクされた形態のアミンは、還元により所望のアミンに変換できる対応するアジドおよびシアノ類似体を包含する。(対応するシアノ化合物は、側鎖に1個少ない炭素原子を有し、シアノ基の炭素原子を除外したものである。)
【0034】
適当なエステル形成カルボキシル保護基は、所望により置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−6アルキルおよびトリC1−6アルキルシリル基を包含する。
【0035】
本明細書において用いる場合、「アリール」なる語は、フェニルおよびナフチルを含み、各々、所望により5個までのフッ素、塩素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ(C1−6)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル(C1−6)アルキル、ニトロ、アリールオキシカルボニルオキシ、アリールC1−6アルキルオキシカルボニルオキシ、C1−6アルキルオキシカルボニルオキシ、C1−6アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アリールC1−6アルキルカルボニルオキシまたはアリールC1−6アルキルオキシカルボニル基で置換されていてもよい。
【0036】
「ハロゲン」なる語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。ハロおよびハライドなる語も、それに応じて解釈されるべきである。
本明細書において記載する所望により置換されていてもよい保護基の任意の置換基の例は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、カルボン酸、C1−6アルキルエステル、カルバモイル、アミノ、モノ(C1−6)アルキルアミノおよびジ(C1−6)アルキルアミノから選択される3個までの基(同一または異なっていてもよい)を包含する。
【0037】
特に適当なエステル形成カルボキシル保護基は、通常の条件下で除去できるものである。このような基は、メチルおよびエチルなどのC1−6アルキル、ベンジル、p−メトキシベンジル、ベンゾイルメチル、p−ニトロベンジル、4−ピリジルメチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリブロモエチル、t−ブチル、t−アミル、アリル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、アダマンチル、2−ベンジルオキシフェニル、4−メチルチオフェニル、テトラヒドロフル−2−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、ペンタクロロフェニル、アセトニル、p−トルエンスルホニルエチル、メトキシメチル、またはシリル、スズまたはリン含有基を包含する。
【0038】
カルボキシル基は、特定のエステル基に適切な通常の方法により、前記エステルのいずれから再生してもよい。例えば、分子の残りの部分が実質的に影響を受けない条件下での酸および塩基触媒加水分解、または酵素触媒加水分解、または水添分解による。
本発明の化合物またはその塩またはアミノ保護誘導体における好ましいカルボキシル保護基はベンジルである。
【0039】
アミノ基に関して適当な保護基は、容易に開裂するものである。アミノ基を保護する方法および得られた保護誘導体の開裂法の考察は、例えば、「有機合成における保護基」(”Protective Groups in Organic Synthesis”)(ティー・ダブリュ・グリーンおよびピー・ジー・エム・ワッツ(T.W.Greene and PGM Wuts)(ウィリー−インターサイエンス(Wiley−Interscience),ニューヨーク,1991)に記載されている。
【0040】
アミノ保護基の適当な例は、前記したマスキング基;所望により置換されていてもよいC1−6アルキルカルボニル;アリールカルボニル、アリールC1−6アルキルカルボニル;(ヘテロサイクリル)カルボニル(ここに、ヘテロサイクリル基は、酸素、窒素および硫黄から選択される4個までのヘテロ原子を含む5または6員芳香族環である);またはフェニル環がC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲンまたはニトロから選択される1または2個の置換基で所望により置換されていていてもよいベンジルオキシカルボニルなどのカルバメートを与える基;C1−4アルキルオキシカルボニル、例えば、tert−ブトキシカルボニル;またはC1−4アルコキシ、ハロまたはニトロから選択される3個までの置換基でアルキル基が所望により置換されていていてもよいC1−4アルキルオキシカルボニル、例えば、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルまたは1−クロロエトキシカルボニルがある。
【0041】
本発明の化合物中に存在するアミノ基の好ましいN−保護基の例は、後記するようなペプチド化学のアミノ保護に関して通常公知のものを包含する。
本発明の化合物またはその塩またはそのカルボキシ保護誘導体における特に好ましいアミノ保護基はベンジルオキシカルボニルである。
適当なグアニジノおよびアミジノ保護基は、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、トルエンスルホニル、および2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニルを包含する。
【0042】
望ましくは、化合物は核酸物質を含まない単離された形態である。化合物は、適当には、例えば実質的に純粋であり、より適当には、少なくとも75%の純度、好ましくは少なくとも85%の純度、例えば90〜100%の純度であるのが好ましい。好ましい単離形態の一例としては、固体形態であり、より好ましくは結晶形態である。しかし、純粋でない形態の化合物を使用してはいけないわけではない。
【0043】
本発明の化合物を有機溶媒から結晶化または再結晶させる場合、結晶化溶媒が結晶生成物中に存在する場合がある。本発明は、このような溶媒和物も包含する。同様に、本発明の化合物は水を含有する溶媒から結晶化または再結晶してもよい。このような場合、水和水が形成される。本発明は、化学量論的水和物ならびに凍結乾燥などのプロセスにより生じる種々の量の水を含有する化合物も包含する。
【0044】
本発明に含まれる化合物またはその塩またはその保護形態は以下のものを包含する:
(A)N2−(2−カルボキシエチル)−S−アルギニン
(B)(2S)−5−グアニジノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸
(C)トレオ−3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸、好ましくは2S−3R
(E)(2S)−5−アミノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペント−2−エン酸
(G)N2−(2−カルボキシエチル)−3−ヒドロキシ−アルギニン
【0045】
本明細書において用いる「酵素系」なる語は、1個の酵素または1連の酵素を意味する。系は、適当ならば補助基質および補助因子を含むのが適当である。
不整炭素原子を有する化合物は、立体異性体として存在する。本発明は、本発明の化合物のすべての立体異性体を包含し、他の異性体を含まないかまたは他の異性体と任意の割合で混合されたもののいずれであっても、その使用を包含し、従って、例えばエナンチオマーのラセミ混合物を包含する。本発明の化合物またはその塩の溶媒和物、特に水和物も本発明の範囲に含まれる。
【0046】
本発明の方法は、適当には、例えば、無細胞系、即ち、生きた細胞の非存在下で行うのが適当である。好ましくは、採用される酵素系は、微生物、特にストレプトミセス属由来のものである。別法として、酵素は遺伝子工学により製造してもよい。
無細胞系を採用した場合、無細胞抽出物は好ましくは、超音波処理または他の微生物の破壊により製造され、所望によりその後細胞片を除去し、溶液中に酵素系を残してもよい。
【0047】
プロクラバミン酸(F)またはその塩を産生する酵素系は、例えばアミジノヒドロラーゼ酵素を含むのが適当である。
酵素は、本明細書に記載した実施例にしたがって調製するのが適当である。
【0048】
基質に加えて、酵素反応混合物は、1またはそれ以上の他の補助因子を含有してもよい。通常、これらの補助因子は、別のマンガンイオン(Mn2+)源を含む。
好ましい酵素源は、ストレプトミセス属、例えば、エス・クラブリゲルス
(S.clavuligerus)、エス・ジュモンジネンシス(S.jumonjinensis)、エス・カツスラハマヌス(S.katusurahamanus)およびエス・リプマニイ(S.lipmanii)由来の株である。特に、以下の微生物の株が有用である:エス・クラブリゲルス ATCC27064、エス・ジュモンジネンシス ATCC29864、エス・カツラハマヌス T−272およびエス・リプマニイNRRL3584。
【0049】
好ましい酵素は、エス・クラブリゲルスATCC27064由来のものである。
酵素は、通常の方法、特に適当な液体または半固体培地中、好気性条件下で微生物を培養することにより調製される。一般に、微生物が同化できる炭素および窒素源および微生物の成長に必須の無機塩栄養素が培養培地中に含まれる。
培地は、金属イオン、例えば鉄イオン源を含む。培養条件は、10℃〜80℃の温度、3〜10の範囲のpHである。好ましい条件は、20℃〜30℃、pH5〜9、適当には例えば、約pH7で0.5〜5日間である。
【0050】
酵素は、破壊細胞調製物からの濾液または粗細胞ホモジネートなどの不純な状態で得られた場合、精製された形態、部分的に精製された形態で単離され、用いられる。
最適には、酵素は、例えば少なくとも部分的に精製され、前駆体の分解を触媒する他の酵素、酵素、またはクラバム核を除去したものである。酵素は、不溶性ポリマー支持体に付着していてもよい。
【0051】
本発明のプロセスは、一般に水性培地中で行われ、反応混合物はpH4〜9の範囲に維持されるのが適当であり、より適当には、例えば6.5〜9.0、好ましくは約pH8.5に維持する。pHは例えば緩衝液、例えば、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液(pH7)を用いて調節するのが適当である。また、pHは適当な酸または塩基を添加することにより調節してもよい。反応温度は、用いた酵素に適したものであり、一般に15℃〜60℃、好ましくは約30℃である。反応時間は反応物の濃度などの因子および補助因子、温度およびpHに依存する。
【0052】
化合物またはその塩は、例えば、酵素と混合する前に緩衝液中に溶解するのが適当である。前駆体溶液の濃度は、前駆体の溶解度に依存し、一般に前駆体溶液の濃度は、5%w/v〜0.001%w/vの範囲である。反応終了後、酵素を反応混合物から分離し、化合物またはその塩を通常の方法により単離する。化合物またはその塩の初期精製はクロマトグラフィー工程を含むのが好都合である。存在するカルボキシルおよび/またはアミノ基が保護された形態で化合物を単離し、所望により、保護基を続いて除去して、純粋な形態の化合物を得る。
【0053】
無細胞系を採用する代わりに、本発明のプロセスは、完全な微生物を用いて行う。前駆体化合物またはその塩を次に微生物と接触させ、化合物またはその塩を得る。微生物は、増殖培養物、静止培養物、洗浄菌糸体、固定化細胞またはプロトプラストの形態であってもよい。
本発明の化合物は、酵素合成、例えば無細胞合成またはストレプトミセス属の適当な株、例えば、エス・クラブリゲルス、エス・ジュモンジネンシス、エス・カツラハマヌスまたはエス・リプマニイからの単離により調製してもよい。適当には、化合物の単離は、菌糸体の破壊、細胞内容物からの化合物の単離が含まれる。典型的には、化合物の精製された形態での単離は、クロマトグラフィー工程を含む。別法として、化合物は不純な形態または部分的に純粋な形態で用いてもよい。
【0054】
化合物の塩は、出発物質の塩を用いるか、または調製した遊離化合物を続いて塩に変換する前記方法により調製してもよい。また、所望により、調製した化合物の塩を遊離の塩形態にしていない化合物または化合物の他の塩の形態に変換もよい。
化合物の塩は、例えば、化合物を適当な酸または塩基で処理することにより製造される。前記プロセスにより製造された化合物およびその塩は、通常の方法により回収される。
【0055】
2個のキラル中心を有する化合物を、所望により、例えば適当な溶媒、例えばメタノールまたは酢酸エチルまたはその混合物からの分別結晶化によりエナンチオマーのジアステレオアイソマー対に分離する。1対のエナンチオマーまたは他のエナンチオマー対を通常の手段、例えば、光学活性な塩を分割剤として用いるかまたは、例えばサブチリシンなどの適当な酵素を用いた保護基の立体選択的除去により個々の立体異性体に分離してもよい。化合物のジアステレオアイソマーの混合物において、ジアステレオアイソマーの割合は、非求核塩基、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンでの処理により変わる。
【0056】
分割剤として用いられる適当な光学活性な化合物は「トピックス・イン・ステレオケミストリー」(’Topics in Stereochemistry’,Vol.6,ウィリー−インターサイエンス(Wiley Interscience),1971,アリンジャー・エヌ・エルおよびエリエール・ダブリュ・エル(Allinger,N.L.およびEliel,W.L.)編)に記載されている。
また、化合物のいずれのエナンチオマーも立体配置が既知の光学的に純粋な出発物質を用いた立体特異的合成により得られる。
【0057】
本発明は、またクラブラン酸の合成において用いる化合物またはその塩も含む。
本発明のさらに別の態様において、クラブラン酸またはその塩の調製法が提供され、該方法は、本発明の化合物またはその塩を酵素系で処理することからなる。本発明により、このような方法により調製されたクラブラン酸またはその塩も提供される。
好ましくは、採用した酵素系は、微生物、特にストレプトミセス属由来のものである。適当には、プロセスを無細胞系で行う。適当には、クラブラン酸の無細胞合成法は、化合物またはその塩をストレプトミセス属の抽出物で処理することからなる。
【0058】
ストレプトミセス属がクラブラン酸産生種であるのが適当である。
ストレプトミセス属からの抽出物は、酵素系を含む。無細胞抽出物は、好ましくは、ストレプトミセス細胞の超音波処理または他の破壊により得られ、所望によりその後、細胞片を除去し、溶液または懸濁液中に酵素系を残してもよい。酵素系は、いずれかの源由来のものである。例えば、酵素は、遺伝子工学により産生されるのが適当である。好ましい酵素系は、ストレプトミセスのクラブラン酸産生種、例えば、エス・クラブリゲヌス、エス.ジュモンジネンシスおよびエス・カツラハマヌスのクラブラン酸産生種またはこれに由来の株、例えば突然変異株由来のものである。特に、これらの微生物の以下の株が適当である:エス・クラブリゲルスATCC27064、エス.ジュモンジネンシスATCC29864およびエス・カツラハマヌスT−272。
【0059】
無細胞系を用いる代わりに、前記プロセスは、完全な微生物を用いて行ってもよい。前駆体化合物またはその塩を次に微生物と接触させ、クラブラン酸またはその塩を得る。微生物は、増殖培養物、静止培養物、洗浄菌糸体、固定化細胞またはプロトプラストの形態であってもよい。
酵素系は、微生物を通常の方法、特に適当な液体または半固体培地中で好気性条件下で培養することにより調製する。一般に、微生物が同化できる炭素および窒素源および微生物の成長を促進するために用いられる無機塩栄養素が培養培地中に含まれる。培養条件は、10℃〜80℃の温度、3〜10の範囲のpHである。好ましい条件は、20℃〜30℃、pH5〜9、適当には例えば、約pH7で0.5〜5日間である。酵素系を単離し、破壊細胞調製物からの濾液または粗細胞ホモジネートとして不純な状態で得られた場合、精製された形態、部分的に精製された形態で用いる。
【0060】
最適には、酵素系は、少なくとも部分的に精製され、前駆体、酵素または反応生成物の分解を触媒する他の酵素を除去したものである。酵素を不溶性支持体に付着させてもよい。
プロセスは、一般に水性培地中で行われ、反応混合物はpH4〜9の範囲に維持されるのが適当であり、より適当には、例えば6.5〜8.5に維持する。pHは、適当には、当該分野にて知られている通常の緩衝液を用いて調節される。一例として、例えば、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液(pH7)を用いる。反応温度は、用いた酵素に適したものであり、一般に15℃〜40℃、好ましくは約30℃である。反応時間は反応物の濃度、温度およびpHなどの因子および補助因子に依存する。
【0061】
化合物またはその塩は、例えば、酵素系と混合する前に緩衝液中に溶解するのが適当である。濃度は、化合物またはその塩の溶解度に依存する。適当には、化合物またはその塩の溶液の濃度は、5%w/v〜0.001%w/vの範囲である。反応終了後、酵素を反応混合物から分離し、クラブラン酸またはその塩を通常の方法により単離する。クラブラン酸またはその塩の初期精製はクロマトグラフィー工程を含むのが好都合である。
本発明の他の具体例において、化合物またはその塩を前記の酵素系で処理することによりクラブラン酸またはその塩に変換する方法が提供される。反応は、化合物またはその塩の中間体を単離せずに、無細胞合成により行うのが適当である。あるいは、化合物のクラブラン酸への変換は、直接完全な微生物を用いて行う。
以下の実施例は、本発明を例示するものである。すべてのパーセンテージは、重量基準であり、すべての割合は、容積基準である。
【0062】
【実施例】
実施例−新規化合物の調製
化合物A
N2−(2−カルボキシエチル)アルギニン二塩酸塩
調製例1
5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(46mg、0.18ミリモル)を1M HCl(5ml)に溶解し、室温で1時間撹拌する。反応混合物を蒸発乾固させ、水と共沸し、乾燥して、潮解性白色固体のN2−(2−カルボキシエチル)アルギニン二塩酸塩を得る。
(C9H18N4O4・2HCl・H2Oとして、測定値:C=31.69;H=6.57;N=17.08;計算値:C=32.05、H=6.58、N=16.62%);m/e(FAB、グリセロール)MH+ 247(C9H18N4O4として)計算値247;νmax(KBr)3410、2925、1725および1661cm−1;δH(250MHz、D2O)1.55〜1.83(2H,m)、1.85〜2.15(2H,m)(3−H,4−H)、2.85(2H,t,J=6.5Hz,2’−H)、3.23(2H,t,J=6.8Hz)、3.34(2H,t,J=6.5Hz)(5−H,1’−H)、3.93(1H,t,J=6.3Hz,2−H)
【0063】
調製例2
a)N2−(2−カルボメトキシエチル)−Nω−ニトロ−S−アルギニンベンジルエステルの調製
Nω−ニトロ−S−アルギニンベンジルエステルジトシレート(6.56g、0.01モル)(エイチ・オーツカ(H.Otsaka)ら、ビュレティン・オブ・ケミカル・ソサイエティ・ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jap.)39,882,1966と同様にして調製)、トリエチルアミン(13.9ml、0.1モル)およびアクリル酸メチル(9g、0.105モル)のエタノール(100ml)中混合物を室温で4日間撹拌する。溶媒を真空下に除去し、残渣をクロロホルム中に溶解し、水で洗浄する。クロロホルム溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させてガム状物質を得る(8.9g)。この物質を、5%MeOH/CHCl3を溶離剤として用いてシリカゲル上クロマトグラフィーに付し、再び5〜10%n−PrOH/CHCl3で溶出して、標記化合物を得る(2.24g、60%)。νmax(KBr)3310、1738、1630、1600および1265cm−1;δH(250MHz、CDCl3)1.3〜1.9(5H,m)、2.3(2H,m)、2.7〜2.85(1H,m)、2.85〜3.0(1H,m)、3.2〜3.4(3H,m)、3.69(3H,s)、5.17(2H,s)、7.36(5H,m)、7.6(2H,s)、8.75(1H,s);m/z(NH3 C.I.)(測定値MH+ 396 C17H25N5O6としての計算値396)
【0064】
b)N2−(2−カルボキシエチル)−S−アルギニン(化合物A)の調製
前記メチルベンジルエステル(前記(a)において調製)(2.2g、5.56ミリモル)、水酸化ナトリウム(0.45g、11ミリモル)のTHF/H2O(1:1(20ml))中溶液を室温で4時間撹拌する。溶液のpHを希HClで6にし、溶媒を蒸発させ、その残渣をH2O/MeOH/AcOH(25ml:25ml;5ml)中に溶解し、10%Pd/C(500mg)上で水素添加する。触媒を濾過により除去し、溶液を蒸発乾固し、残渣を水中に溶解し、凍結乾燥する。メタノールを残渣に添加して、白色固体の標記化合物Aを得る(626.4mg、45%)。融点260℃分解。
(C9H18N4O4・1/2H2Oとして、測定値:C=42.33、H=7.35、N=20.6;計算値:C=42.35、H=7.5、N=21.95%;νmax(KBr)2939、1624、1401cm−1;δH(250MHz、D2O)1.3〜1.75(2H,m)、1.8〜2.2(2H,m)、2.54(2H,t,J=6.5Hz)、3.13〜3.28(4H,m)、3.63(1H,t,J=6.1Hz);m/z(FAB、チオグリセロール)測定値:MH+247、C9H18N4O4としての計算値247。
【0065】
化合物B
5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−2−イル)ペンタン酸
5−アミノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(310mg、1.59ミリモル)を水(30ml)中に溶解し、炭酸カリウム(240mg、1.74ミリモル)およびアミノイミノ−メタンスルホン酸(269mg、2.17ミリモル)で処理し、室温で6時間撹拌する。反応混合物を蒸発乾固させ、水(4.5ml)中に溶解し、これにエタノール(30ml)を添加し、溶液を素早く15%水性エタノール中シリカ60のカラム上クロマトグラフィーに付し、5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(220mg、54%)を得る。
(C9H16N4O3・1.5H2Oとして、測定値:C=42.56、H=7.52、N=22.15;計算値:C=42.34、H=7.50、N=21.95%);νmax(KBr)3423、1720、1658、1637cm−1;δH(250MHz、D2O)1.45〜1.63(2H,m)、1.63〜1.94(2H,m)(3−Hおよび4−H)、2.80〜3.00(2H,m,3’−H)、3.17(2H,t,J=6.8Hz,5−H)、3.26〜3.46(2H,m,4’−H)、4.03(1H,dd,J=5.1および9.5Hz,2−H)および5−アミノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(90mg、29%)を得る。
【0066】
化合物C
3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸
プロクラバミン酸(84.5mg、0.42ミリモル)を、5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(化合物B)に関して前記したようにアミノイミノメタンスルホン酸で処理して、白色固体の3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸を得る(62mg、53%)(C9H16N4O4・2H2Oとして、測定値:C=38.76、H=6.83、N=19.54;計算値:C=38.57、H=7.19、N=19.99%);m/e(FAB、チオグリセロール)MH+245、C9H16N4O4としての計算値245;νmax(KBr)3363、1719、1673、1600cm−1;δH(400MHz、D2O)1.73〜1.93(2H,m,4−H)、3.07(2H,t,J=4.0Hz,3’−H)、3.41(2H,t,J=6.5Hz,5−H)、3.42〜3.60(1H,m)、3.60〜3.68(1H,m)(4’−H)、4.12(1H,d,J=5.4Hz,2−H)、4.22(1H,m,3−H)。
【0067】
(2SR,3RS)−1,2,3’−[13C3]−[N2−(2−カルボキシエチル)−3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−ペンタン酸の調製
(13Cで標識したG)
不純な(2SR,3RS)−1,2,3’−[13C3]−3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)−ペンタン酸(270mg)を1M HCl(5ml)中に溶解し、室温で2時間静置する。溶液を蒸発させ、水(1.5ml)中に溶解し、ダウエクス(Dowex)50Wx8イオン交換樹脂(H+型)のカラム(3x1.5cm)に付す。カラムを水(20ml)で洗浄し、水酸化アンモニウム(0.4M)で溶出し、5mlフラクションを集める。サカグチ反応に陽性を示すフラクションを冷却し、凍結乾燥して、吸湿性固体の標記化合物を得る(99.2mg)。13C3C6H18N4O5・1.5H2Oとして、測定値:C=36.86、H=6.04、N=19.88%;計算値:C=37.36、H=7.3、N=19.37%;δH(400MHz、D2O)1.5〜1.95(1H,m)、1.95〜2.15(1H,m)、2.65(2H,q,J=6.1Hz)、3.1〜3.28(m)、3.3〜3.4(m)および3.4〜3.5(4H)、3.72(1H,dd,J=7.5および4.5Hz)、4.0(1H,t,J=7.5Hz);δC(100MHz、D2O)68.29(d,J=52Hz,C−2)、72.52(d,J=52Hz,C−1)、179.64(s,C−2’)
【0068】
実施例1
アミジノヒドロラーゼ酵素
1.1 アミジノヒドロラーゼ酵素の調製および反応
酵素の粗調製物を、エス・クラブリゲルスATCC27064菌糸体(EP−A−0349121参照)からの48時間再単離物より、遠心分離および50mMトリス緩衝液(pH7.0)中超音波処理に付して調製する。
酵素調製物による(C)から(F)の加水分解は、1当量の尿素の産生と定量的である。
酵素調製物を50mMトリス、50μM MnCl2、250μg/ml化合物BまたはCおよび5mMアセトヒドロキサミン酸と一緒に培養する。アセトヒドロキサミン酸を加え、抽出物内のウレアーゼ活性を阻害する。混合物をpH8.5、28℃で15分以上培養する。
【0069】
反応を停止させ、産生された尿素を「シグマ(Sigma)」キット535Bを用いて測定する。2種の化合物CおよびBを個々に酵素調製物と共に培養し(28℃)、あるならばその喪失をhplcによりモニターする。
誘導体CおよびBを加水分解してそれぞれFおよびDにし、反応は酵素により媒介される。
Cの加水分解の速度は、hplcおよび、プロクラバミン酸(F)およびデヒドロキシプロクラバミン酸(D)の産生で測定するとBよりも著しく速い(>100)。
CからFへの加水分解は、1当量の尿素の産生と定量的である。Bの加水分解は完了しないが、尿素の産生は生成したDの量と当量である。
【0070】
条件を最適化する実験から以下のものが明らかになる:
a) 前記定義の式Cの化合物またはその塩を前記定義のプロクラバミン酸またはその塩に変換する能力;
b) 酵素活性は、Mn2+の存在下に向上し、最適のMn2+濃度は約50μMである;
c) 緩衝液のpHプロフィルは燐酸およびホウ酸に基づく緩衝液がTRIS、炭酸塩/炭酸水素塩またはグリシン緩衝液と比べた場合、酵素活性を阻害することを示す
d) 緩衝液の塩基性がpH9.0に向かって強くなるほど酵素活性は強くなると思われる。しかし、種々の緩衝液のpHでの化合物の安定性の研究により、化合物は、pH9.0以上で不安定になることがわかる。Cのプロクラバミン酸への酵素の最大変換率は、50mM TRIS中pH8.5で起きる。
e) 有機溶媒(例えば、メタノール、アセトニトリル)を添加して、酵素反応を停止することは、尿素またはhplc分析のいずれかと干渉する。したがって、サンプルをアセトン/ドライアイス(−70℃)浴中に入れることにより反応を停止し、ただちに検定の直前まで−20℃の冷凍庫に移す。
この酵素は、アルギニンを開裂しない(検出できる割合で)が、(2S)−5−グアニジノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸を開裂することが判明した。
アルギナーゼ活性は、精製(以下の1.2)の間に、アミジノヒドロラーゼ活性から区別される。
【0071】
1.2 アミジノヒドロラーゼ精製
実験
エス・クラブリゲルス細胞を標準的炭水化物培地中で成長させ、収穫し、以下の緩衝液中で超音波処理する:50mM Tris−酢酸(Tris−Ac)、50μMMnCl2、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、1mMジチオトレイトール(DTT)、pH8.0。前記緩衝液に対して透析した後、超音波処理物をイオン交換クロマトグラフィー(DEAE−セファロース・ファースト・フロー(Sepharose Fast Flow)、ファーマシア(Pharmacia))を用いて、0〜1M NaCl勾配溶出で分別する。酵素尿素産生をシグマ尿素キット535Bを用い、ウレアーゼ活性を阻害するのに5mMアセトヒドロキサミン酸を添加して評価する。各フラクションを各基質としてS−アルギニンおよび化合物Cで2回分析し、アルギナーゼおよびアミジノヒドロラーゼ活性を測定する。両活性は、約0.5M NaCl(カラム頂上部)で溶出し、特異性活性は、各々、1.9倍および2.4倍に増加する。
この方法から得た活性フラクションを金属キレートアフィニティーカラムに付す前に50mM Tris−Ac/0.5M NaCl/pH8.0に対して透析する。これをCuSO475%容量イミノ二酢酸−アガロース(シグマ)を用いて調製し、前記緩衝液中平衡化する。カラムを0〜200mMグリシン勾配で溶出し、鋭いアミジノヒドロラーゼ活性のピークを得る。このピークはアルギナーゼ活性も示すが、弱い。
【0072】
活性フラクションをプールし、リシン−アガロースアフィニティーカラムにかける前にファーマシア(Phaarmacia)PD10カラム上で脱塩する。リシンは、多くのアルギナーゼを阻害することが知られているので、有用なアフィニティーリガンドであることが予想される。しかし、アミジノヒドロラーゼ活性は、カラム処理により保持されない。(恐らく、カラムに強く結合するため、アガロース活性はこのカラム処理後に失われる)。洗浄フラクションのSDS−PAGE分析およびリス−アガロースカラムからの溶出液は洗浄フラクション中33kDで強いバンドを示す。これは、もっともよく知られているアルギナーゼである。しかし、アミジノヒドロラーゼおよびアルギナーゼが同じ酵素であるかどうかを決定するためには、さらに精製することが必要である。
【0073】
これは、HPLCゲル濾過(TSK G3000 SW XLカラム 50mM Tris−Ac/50μM MnCl2 pH7.2、流速0.2ml/分)を用いて達成される。リシン−アガロースカラムからの洗浄フラクションを凍結乾燥し、カラムに注入する前に少量の緩衝液中に再懸濁する。フラクションを集め、アミジノヒドロラーゼおよびアルギナーゼ活性に関して分析する。アミジノヒドロラーゼ活性はすべて、1つのフラクション中に存在するが、アルギナーゼ活性はどのフラクションにおいても検出されず、6時間の反応後、アミジノヒドロラーゼフラクションは依然として検出可能なアルギナーゼ活性を示さない。
【0074】
ゲル濾過カラムをタンパク標準を用いて使用前に校正し、測定値をもとのアミジノヒドロラーゼのMrにする。これを350+/−50kDで計算する。これはSDS−PAGEによるとサブユニットMrより約10倍大きい。このことは、非変性タンパク質が複数の状態で存在することを示す。
フラクションのSDS−PAGE分析から、アミジノヒドロラーゼを含有するフラクションは33kDで強いバンドを有することがわかる。
【0075】
活性サンプルからのウェスタンブロットを標準的タンパク配列技術により配列決定する。得られた配列は以下のとおりである:
タンパク質配列:IDSHVSPRYAQIPTFM
pBROC44(EP−A−0349121参照)の配列決定から判明したオープンリーディングフレーム(ORF)の予想されるアミノ配列を、前記で得られたN−末端配列と比較すると、以下のとおりである:
遺伝子配列(予想されるアミノ酸配列):MER/IDSHVSPRYAQIPTFM
配列を並べると、完全に一致する(16/16)。最初の3個のアミノ酸がもとのタンパク質の遺伝子配列に存在しないことは、翻訳後修飾が行われたことを示す。
【0076】
実施例2
クラバミン酸シンターゼ
2.1 クラバミン酸シンターゼ精製
クラバミン酸シンターゼ(CAS)をエス・クラブリゲルスからEP A0213914に記載された方法を用いて精製する。凍結乾燥した、部分的に精製した酵素(250mg)をDEAEセファロースCL−6B(Pharmacia,ウプサラ,スウェーデン)カラム(30x2.4cm)に付し、100mlの50mMトリス緩衝液(pH7.0)で洗浄し、50から500mMの勾配のトリス緩衝液(pH7.0)で溶出する。CAS陽性フラクションをプールし、固体硫酸アンモニウムで80%飽和にする。懸濁液を氷上に1時間保持し、24000xgで60分間遠心分離する。沈殿を1mlの50mMトリス緩衝液(pH7.0)+0.5mlの30%シュークロース溶液(同じ緩衝液で構成)中に再懸濁し、セファデクスG75スーパーファイン(Pharmacia)カラム(63.5x3.5cm)に付し、50mMトリス緩衝液で溶出する。CAS陽性フラクションをプールし、固体硫酸アンモニウムで80%飽和にし、得られた沈殿を遠心分離により除去し、−20℃で貯蔵する。この段階でCAS酵素は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動で調べた場合、分子量約48000ダルトンに相当する1つのバンドを生成する。等電点を等電点分画電気泳動法により測定するとpI=5.65であった。
精製した酵素を以下の分析法を用いてBからCへの変換に関して分析する。
【0077】
2.2 クラバミン酸シンターゼヒドロキシル化分析
すべての試薬は、特記しないかぎり、50mMトリス、10mM MgCl2および10mM KClからなり、5M HClを添加してpH7.5にする。100mlについて、トリス(0.606g)、MgCl2(0.203g)、KCl(0.074g)が必要である。可能ならば、酵素精製に用いたのと同じ緩衝液を用いる。以下の溶液が必要である:H2O中、補助因子FeSO410mM(2.78mg/ml);H2O中、B100mM(20mg/ml);ジチオトレイトール(DTT)10mM(1.5mg/ml)および補助基質α−ケトグルタレート50mM(二ナトリウム塩9.5mg/ml)。
【0078】
前記溶液の混合物を調製し、得られた溶液の40μlを1.5mlのエッペンドルフ管に移し、次に60μlのタンパク抽出物で処理して反応を開始する。反応物を周囲温度で5分間酸素の存在下で振盪せずに培養し、試験管の蓋を閉める。反応混合物を60w電子オーブン中で15秒間パワー4でのフラッシュ加熱により急冷する。1〜2mg/ml以上のタンパク質濃度で沈殿が形成し、溶液が白濁する。サンプルをミクロ遠心分離器中で13000rpmで10秒間回転させ、サンプルをドライアイス上で貯蔵する。25マイクロリットルアリコートを、ODSカラム(250x4.6mm、ミリQ H2中1ml/分で平衡化、0.2AUFS、ラムダ=218nm、1cm/分)上に注入する。生成物Cは約4.5分、基質Bは約8分で溶出する。
【0079】
2.3 化合物のCASおよび組換えCASとの培養
一般的方法
「CAS」は通常のクラブラン酸産生株ストレプトミセス・クラブリゲルスから調製されるクラバミン酸シンターゼを意味し、「組換えCAS」は例えばEP349121(ビーチャム・グループ・パブリック・リミテッド・カンパニー
(Beecham Group plc))にしたがって調製されたクラバミン酸シンターゼを意味する。
【0080】
反応生成物の単離が必要な場合、CAS(または組換えCAS)を10mM炭酸水素アンモニウム緩衝液+10mM MgCl2、10mM KClおよび1mMジチオトレイトール(DTT)(pH7.5)中PD−10またはNAP−5 G−25セファデクスゲル濾過カラムのいずれかを用いて交換する。PD−10カラムの場合、2ml酵素溶液を緩衝液で平衡化したカラムに付し、3.5mlの緩衝液で溶出する。NAP−5カラムの場合、0.5mlの酵素をカラムに付し、1mlの同じ緩衝液で溶出させる。
【0081】
酵素溶液(1.2ml)を10mlガラスバイアル中200μlの10mM硫酸鉄(II)、200μlの10mM DTTおよび200μlの50mM α−ケトグルタレート(10mM NH4HCO3、10mM MgCl2、10mM KCl、1mM DTT(pH7.5)で構成)と混合する。200μlの基質(特記しないかぎり、10mg/ml水溶液)を添加することにより、反応を開始する。混合物を27℃、250rpmでニュー・ブランズウィック・サイエンティフィック(New Brunswick Scientific)G24環境インキュベーター振盪器中で培養する。20分後、さらに50μlアリコートのDTTおよび硫酸鉄(II)ストック溶液を添加する。合計45分後、5mlのアセトンを添加することにより反応を停止し、4℃で25000xgで2分間(14000rpm)ベックマンJA−20遠心分離ローターに付すことにより蛋白質を除去する。上清を次に10ml洋ナシ型フラスコ中に移し、アセトンをロータリーエバポレーターで真空下に除去する。培養混合物を注意してドライアイス上に維持し、遠心分離後の操作間で起こりえる不安定な生成物の分解を避ける。残存する水性液体を4〜5滴の1%(v/v)水中水性ギ酸で約pH5.0に滴定し、少なくとも5時間凍結乾燥して水および残存する微量のアセトンを除去する。HPLCにより生成物を単離する前に、粗混合物を500MHzの1H NMRにより通常どおり分析する。以下の実験において、基質の変換の程度は、500MHzの1H NMRスペクトルの適当なピークの積分にもとづく。収率は特に記載しないかぎり、精製された生成物に関する。
【0082】
(2S ) −5−アミノ−2− ( 2−オキソアゼチジン−1−イル ) ペンタン酸
(D)の培養
化合物DをCAS(1.2mg、0.34 IUmg−1)と共に前記の標準的方法にしたがって培養する。約7%のE−(2S)−5−アミノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペント−3,4−エノエート(E)への変換率が観察される(500MHzの1H NMRスペクトルの積分により判定)。HPLC精製[ODSカラム(250x7cm)25mM NH4HCO3で1.5ml/分で平衡化]により保持容量9.15mlのE(96μg)が単離される:δH(500MHz,D2O)2.95〜3.0(2H,m,H−3’)、3.4〜3.5(2H,m,H−4’)、3.5〜3.6(2H,m,H−5)、5.8〜5.9(1H,m,H−4)、5.9〜6.0(1H,m,H−3)。A 2D COSY相関スペクトルは、提案されたEの構造と一致し、約4.6ppmで残存するHODピーク下でシグナルを示す。m/z(電子照射)=185(MH+、100%)。
【0083】
化合物Dを粗組換えCAS(6mg、0.034 IU/mg−1)と共に標準的方法にしたがって培養する。約30%のEへの変換および<5%のFへの変換が観察される(500MHzの1H NMRスペクトルの積分により判断)。HPLC精製[ODS(250x7cm)25mM NH4HCO3で1.5ml/分で平衡化]により保持容量9.15mlのE(200μg)、保持容量6.9mlのF(<<5μg)が単離される。Eに関する分光分析データは部分的に精製したCASと共に培養することにより得られたものと一致する。Fの1H NMRスペクトル(500MHz)を完全に記録することはできないが、共鳴は提案される構造と一致する。m/z(電子照射)=203(MH+、100%)。トレオ−5−アミノ−3−ヒドロキシ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸Fの場合、m/z(電子照射)=203(MH+、100%)。粗培養混合物のHPLC分析[ODSカラム(250x4.6cm)、25mM NH4HCO3、1ml/分]は2サンプルを混合した場合、Fが真のプロカルバミン酸F(3.1ml)と同一の保持容量を有することが示され、一方2サンプルを混合した場合、Fは合成エリスロ−5−アミノ−3−ヒドロキシ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(即ち、エリスロ−プロカルバミン酸)(保持容量3.4ml)と明確に区別される。
【0084】
(2S)−5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(B)の培養
化合物Bを部分的に精製したCAS(2mg、0.3 IUmg−1)と共に前記の標準的方法にしたがって培養する。85%より大きな5−グアニジノ−3−ヒドロキシ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸Cへの変換が観察される(1H NMRスペクトル(500MHz)の積分により判断)。HPLC精製[ODS(250x4.6mm)、H2O、1ml/分]により保持容量7.5mlの(C)(340μg)が単離される:δH(500MHz D2O)1.7〜1.8(1H,m,H−4)、1.8〜1.9(1H,m,H−4)、3.0(2H,t,J=4Hz,H−3’)、3.36(2H,t,J=7Hz,H−5)、3.5〜3.55(1H,m,H−4’)、3.59〜3.61(1H,m,H−4’)、4.1(1H,d,J=5.5Hz,H−2)、4.15〜4.2(1H,m,H−3)。2D COSY相関スペクトルは、提案されたCの構造と一致する。m/z(電子照射)=245(MH+、100%)。この反応から残存するBは回収されなかった。
【0085】
化合物Bを粗組換えCAS(5.5mg、0.0I4 IU/mg)と共に標準的方法にしたがって培養する。85%より大きなCへの変換が観察される(1HNMRスペクトル(500MHz)の積分により判断)。HPLC精製[ODS(250x4.6mm)、H2O、1ml/分]により保持容量7.5mlのC(369μg)が単離される。Cに関する分光分析データは部分的に精製したCASと共に培養することにより得られたCと一致する。
化合物Bを粗組み換えCAS(0.18mg、0.37 IU/mg)と共に標準的方法にしたがって培養する。85%より大きなCへの変換が観察される(1H NMRスペクトル(500MHz)の積分により判断)。HPLC精製[ODS(250x4.6mm)、H2O、1ml/分]により保持容量7.5mlのC(350μg)が単離される。Cに関する分光分析データは部分的に精製したCASと共に培養することにより得られたCと一致する。
【0086】
N 2 −アセチル−L−オルニチンの培養
N2−アセチル−L−オルニチンを粗組換えCAS(6mg、0.035 IUmg−1)と共に標準的方法にしたがって培養する。約17%の(2S)−2−アセトアミド−5−アミノ−3−ヒドロキシペンタン酸(X)への変換および約5%のE−(2S)−5−アミノ−2−アセトアミドペント−3,4−エン酸(Y)への変換が観察される(1H NMRスペクトル(500MHz)の積分により判断)。HPLC精製[ボンダパクアミン(bondapakamine)(250x7mm)、ODSガードカラム、0.015M HCO2H、2ml/分]により保持容量9.4〜10.0mlのY(30μg)が単離される。さらに8〜9mlののフラクションをHPLC精製[ODS(250x4.6mm)、0.05%水性HCO2H、1ml/分]に付し、保持容量5.5〜9.0mlのX(99μg)を単離する。
【0087】
E−(2S)−5−アミノ−2−アセトアミドペント−3,4−エノエート(Y)の場合:δH(500MHz D2O)2.0(3H,s,CH3−)、2.33(2H,d,J=5Hz,H−5)、3.55(1H,m,H−2)、5.65〜5.75(1H,m,H−4)、5.9〜6.0(1H,m,H−3)。2D COSY相関スペクトルは、Xの結合と一致する。ホモニュークレアデカップリング実験によるとJ=3H、4H=15.2Hzで、これは二重結合がE立体化学を有することを示す。m/z(電子照射)=173(MH+、100%)。
【0088】
(2S)−2−アセトアミド−5−アミノ−3−ヒドロキシペンタン酸(X)の場合:δH(500MHz D2O)1.75〜1.85(2H,m,H−4)、2.1(3H,s,CH3−)、3.15(2H,t,J=5Hz,H−5)、4.2〜4.25(1H,m,H−3)、4.30(1H,d,J=3.5Hz,H−2)。2D COSY相関スペクトルは、Yの結合と一致する。m/z(電子照射)=191(MH+、100%)。
【0089】
N 2 −アセチル−L−アルギニンの培養
N2−アセチル−L−アルギニンを粗組換えCAS(6mg、0.035 IUmg−1)と共に標準的方法にしたがって培養する。85%より大きな(2S)−2−アセトアミド−5−グアニジノ−3−ヒドロキシ−ペンタン酸(K)への変換が観察される(1H NMRスペクトル(500MHz)の積分により判断)。HPLC精製[ODS(250x4.6mm) H2O 1ml/分]により保持容量4.5mlのK(320μg)が単離される。δH(500MHz D2O)1.8〜2.0(2H,m,H−4)、2.1(3H,s,CH3−)、3.15(2H,m,H−5)、4.20〜4.22(1H,m,H−3)、4.25(1H,d,J=3.5Hz,H−2)。2D COSY相関スペクトルは(K)の結合と一致する。
m/z(電子照射)=233(MH+、100%)。
【0090】
N−α−アセチル−D−アルギニンをCASと共に培養すると、あるとしてもわずかな(5%未満)ヒドロキシル化生成物が得られる。このことは、CASが(2S)立体化学特性を有する基質を変換することを示す。N−α−ベンゾイル−D−アルギニンをCASと共に培養してもN−α−ベンゾイル−D−アルギニンの変換は観察されない。これらの結果は、CASがオルニチンおよびアルギニンの単純な誘導体を非活性化位置で酸化できることを示す。
【0091】
クラバミン酸シンターゼ触媒反応の立体特異性の研究
(2S,3S)−5−グアニジノ−2,3−[2H2]−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸および(2S,3R)−5−グアニジノ−3−[2H]−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸をクラバミン酸シンターゼと共に培養すると、C−3で高度に立体特異的なヒドロキシル化が起こり、各々、プロ−Rプロトンまたは重陽子が除去される。
これらの結果は、CASにより触媒された場合、Bのヒドロキシル化がC−3の立体配置を保持しながら優勢に進行することを示す。
【0092】
実施例3−実験
3.1 実験1 クラブラン酸の前駆体としてのアルギニンの測定
14C−アルギニンを、各々、オルニチントランスカルバモイラーゼおよびアルギニンスクシネートシンセターゼで遮断されていることがわかっている2つのエス・クラブリゲルスの突然変異体培養物に供給する(これらはオルニチンからアルギニンへの変換に関与する酵素である)。標識をクラブラン酸に導入する。
14C−オルニチン標識を同様に2つの突然変異体培養物に供給した場合、クラブラン酸に標識は取り込まれない。以下に記載の文字および数字を用いて図1および2に言及する。
【0093】
3.2 実験2−2個の新規アルギニン誘導体(A)および(G)
実験1はアルギニンが生合成経路でクラブラン酸にされるアミノ酸であることを示す。該経路での次の公知の中間体はモノサイクリックβ−ラクタムプロクラバミン酸1である。したがって、β−ラクタムはアルギニン炭素骨格のN2位置に導入されなければならず、ヒドロキシル基を、C−3に導入し、N5グアニジノ官能基を加水分解する。
【0094】
モノサイクリックβ−ラクタム(B)および(C)を、各々、親アミンであるプロクラバミン酸(2)1およびデヒドロキシプロクラバミン酸1をアミノイミノメタンスルホン酸2と反応させることにより調製する。β−アミノ酸2S−(A)は以下に示す経路により得られ、β−アミノ酸(G)はβ−ラクタム(C)の酸加水分解により得られる。
【0095】
【化29】
試薬および条件:i.Et3N/アクリル酸メチル;ii.NaOH/THF:H2O(1:1);iii.H2、Pd−C(10%)
【0096】
これらの推定される代謝物のうちエス・クラブリゲルスからの培養上清中容易に検出可能なものはない。したがって、プロクラバミン酸およびクラブラン酸の産生において遮断されたエス・クラブリゲルスの突然変異体を試験する。これらの変異体のうちフェニルイソシアネート3での誘導体合成により示されるようなアミン基を含有する化合物を蓄積するものもある。このような変異体の選択した物を発酵させ、培養ブロスをサカグチ着色反応4によりグアニジノ基を有する化合物の存在に関してスクリーンする。変異株エス・クラブリゲルスdclH65は着色試験に良好な応答を示す。したがって、培養濾液をダウエクス−50、ファーマシアHR5/5モノSおよびパーティシル10SCXカチオン交換マトリックスを用いて分別し、グアニジノ含有物質の精製につづいてサカグチ試験方法の変法を行う(サカグチ反応において形成される色相の強度を515nmで測定する)。
【0097】
2つの化合物を約10:1の割合で単離し、その分光学的性質(両方の化合物に関して1H n.m.r.およびf.a.b./m.s.、主要成分に関して13C)を推論的中間体として調製された化合物の性質と比較して、その構造体を(A)および(G)とする。
【0098】
エス・クラブリゲルスdclH65培養ブロスのクロマトグラフィーによる精製法は酸性培地を含むため、新しい培養濾液の分析的h.p.l.c.は閉環物質の存在を示さないが、(A)および(G)は対応するβ−ラクタム誘導体(B)および(C)の開環体である可能性がある。したがって、培養ブロスの分別はほぼ中性条件を保って、β−ラクタム化合物の加水分解を避けながら行う。dclH65の新しい培養ブロスを遠心分離し、凍結乾燥し、エタノール/水(1:1)で処理し、高分子量化合物を除去し、可溶性フラクションを濃縮する。濃縮物を次に、溶出液のpHを4と7.5の間に維持しながらアンバーライトIRA68アニオン交換樹脂、セファデクスバイオゲルP2およびシリカゲル上クロマトグラフィーに付す。サカグチ−陽性物質を各段階で収集する。主要サカグチ陽性物質を単離し、1H−n.m.r.、i.r.、c.d.、重量スペクトルにより分析する。これらのデータから主要生成物の構造がS−(A)であることが確認される。副サカグチ−陽性化合物は単離するのに十分な量で存在しないが、合成(G)と共に溶出される物質はh.p.l.c.およびキャピラリーゾーン電気泳動で検出される。
【0099】
結論
2つの新規アルギニン誘導体、N2−(2−カルボキシエチル)−アルギニン(A)およびN2−(2−カルボキシエチル)−3−ヒドロキシ−アルギニン(G)はクラブラン酸生合成において遮断されているストレプトミセス・クラブリゲルスdclH65の変異体により産生される。これらの化合物はクラブラン酸合成において有用である。
さらにこれらの化合物のクラブラン酸生合成経路の中間体としての役割に関するデータを実験3.3に示す。
【0100】
3.3−実験3 クラブラン酸生合成の中間体としての(A)、(B)、(C)、(G)および(8)の役割に関する標識実験
プロクラバミン酸に先立つ可能な生合成配列を第1図に示す。
(A)から始めて、少なくとも3つの生化学工程、即ち、ヒドロキシル基の導入(工程a)、β−ラクタム環の形成(工程b)およびグアニジノ基のアミノ基への加水分解(工程c)が、プロクラバミン酸の生成に必要である。どの化合物(A)、(G)、(B)、(C)および(8)が実際経路に存在するかを調べるために、供給実験についてこれらを13Cで三重に標識して合成する。各場合において、5個の炭素鎖を1および2−位で標識し(99%13C)、さらに3個の炭素単位のカルボニル基を標識する(91%13C)。3個の標識炭素のすべてが結合が切れることなく取り込まれた場合、クラブラン酸の7、3および10の炭素間にスピン−スピンカップリングが13C−n.m.r.において観察されることがわかっているので5、この標識手順を採用する。
【0101】
DL−トレオ−[1,2,2’−13C3]−プロクラバミン酸5をアミノイミノメタンスルホン酸2で処理して[1,2,2’−13C3]−(C)を得、これを酸加水分解に付して[1,2,3’−13C3]−(G)を得る。[1,2,2’−13C3]−(F)の酸加水分解により、[1,2,3’−13C3]−(8)を得る。[1,2,3’−13C3]−(A)および[1,2,2’−13C3]−(B)の合成は第2図にしたがう。第2図において、試薬および条件は以下のとおりである:Z=PhCH2OCO−;i,EtOH、HCl、Δ;ii,PhCHO、MgSO4、Et3N;iii,LDA、HMPA、ICH2CH2NHZ;iv,1M HCl;v,NaOH、BrCH2CH2 13COCl;vi,粉末KOH、TBAB、H2O、超音波処理物;vii,Na2CO3、40%EtOH水溶液;16 viii,H2、Pd−C(10%);ix,K2CO3、アミノイミノメタンスルホン酸;x,1M HCl
【0102】
ストーク(Stork)らの方法6にしたがって、13C2−グリシン(99%1,2−13C)を保護した[1,2−13C2]−オルニチン誘導体(10)にベンジリデングリシンエステル(9)を経由して導入する。(10)の穏やかな酸加水分解によりアミノエステルを得、これを[1−13C]−3−ブロモプロピオニルクロリド(91%1−13C)5でアシル化して、(11)を得る。(11)の塩基処理により、β−ラクタム(12)を得る。カルボキシおよびアミノ保護基の開裂により[1,2,2’−13C3]−(D)1を得、これをアミノイミノメタンスルホン酸2で目的とするグアニジノ酸[1,2,2’−13C3]−(B)に変換する。
[1,2,2’−13C3]−(B)の酸処理により、[1,2,3’−13C3]−(A)を得る。この反応スキームの工程の平均収率は87%である。
【0103】
5個のラセミ13C3−標識化合物(A)、(G)、(B)、(C)および(8)を、各々、クラブラン酸産生期にある、エス・クラブリゲルスATCC27064発酵に供給し、産生されたクラブラン酸サンプルをベンジルエステルとして単離する。投与された化合物の取り込みのレベルを13C−n.m.r.により測定し、シリル化後、9−O−シリル化誘導体のg.c/m.s.を測定する。観察される13C−取り込みを以下の第1表にまとめる:
【0104】
【表1】
ND=どの炭素中心でも濃縮が検出されない。計算は用いた1エナンチオマーに基づく。
【0105】
3サンプルにおいて、13C−濃縮が観察され[化合物(A)、(B)&(C)]、濃縮はクラブラン酸塩の炭素3、7および10に特異的であり、すべての3個の標識された中心間で13C−13Cスピン−スピンカップリングが観察される(第3図 Bの供給からのクラブラン酸ベンジルの炭素7、10および3の13C−n.m.r.スペクトル、J7,10 3.8、J3,7 1.9およびJ3,10 67.2Hz)。このことは、取り込み中、結合の破壊が起こらなかったことを示す。
【0106】
これらの結果から、(A)、(B)および(C)がプロクラバミン酸の生合成における前駆体、したがって、クラブラン酸であり、経路中、この順番に論理的に起こることが結論できる。
Gおよび8の場合、これらの実験条件下では、濃縮は起こらない。しかし、当該分野で周知のβ−ラクタム環形成の方法を用いて(例えば、文献1)、Gおよび8(またはその保護誘導体)を、各々、Cおよびプロクラバミン酸に変換することにより、これらの化合物は、クラバム類、例えばクラバミン酸の産生に関して、例えば合成または半合成プロセスにおいて有用である。
【0107】
(C)のプロクラバミン酸への形質転換は、アルギナーゼ型酵素により媒介される。したがって、この酵素活性の証拠を調べる。エス・クラブリゲルスATCC27064の無細胞調製物はラセミ体の(C)の1個のエナンチオマーを定量的にプロクラバミン酸(5)および尿素に変換できる。活性は、Mn2+の存在下に向上し、この現象は、バチルス・アンスラシス(Bacillus anthracis)7およびスタフィロコッカス7 ’ 8源からのアルギナーゼに関して報告されている。対応する(2S)−アミノ誘導体1から調製される(2S)−(B)も、これらの条件下で加水分解するが、(C)より迅速でなく、(A)または(G)について、加水分解は検出されない。明らかに、この酵素はこれらの初期生合成前駆体のグアニジノ基の間を有効に区別できる。天然のプロクラバミン酸の絶対的立体化学は(2S,3R)であるので、アミジノヒドロラーゼの基質である(C)のエナンチオマーも恐らく(2S,3R)立体化学を有する。
【0108】
アミジノヒドロラーゼを前記1.2項にしたがって精製する。純粋な酵素は、アルギニンをオルニチンに加水分解せず、したがって、すでにエス・クラブリゲルス9において報告されているアルギナーゼとは異なる。アミジノヒドロラーゼのN−末端アミノ酸配列はクラブラン酸遺伝子クラスター中のアミジノヒドロラーゼ関連遺伝子のオープンリーディングフレームと関連がある。DNA配列から計算されるアミジノヒドロラーゼについてのMrは33,374である。前記データから、(2S,3R)−(C)はおそらくクラブラン酸への生合成パスにおいて(2S,3R)−プロクラバミン酸に直接変換されると結論できる。
【0109】
(B)および(C)に比べて13C−標識(A)化合物の取り込みのレベルが低いことは、化合物が細胞中に有効に輸送されていないか、真の中間体が(A)の誘導体、例えば閉環に都合よい補酵素Aチオエステルであることを示す。(A)に関する結果は、(B)のβ−ラクタムの生成が、生化学的に先例のないプロセス、即ち、アミド結合形成によることを示すが、文献では、他のモノサイクリックβ−ラクタムの前駆体、ノカルジシン10およびおそらくモノバクタム10 ’ 11が閉環の前に形成されたアミド結合を有することを示している。これらの化合物において、閉環はセリルヒドロキシル官能基のSN2置換による。
【0110】
先の標識研究は、クラブラン酸のβ−ラクタム炭素が解糖経路由来のものであり、ピルビン酸エステル12がβ−ラクタム環中に特異的に取り込まれることを示す。本発明者らは、乳酸エステルもβ−ラクタム環中に特異的に取り込まれることを見いだした。
【0111】
したがって、(A)、(B)および(C)のC3基は同じ経路由来のものである。ピルビン酸エステルおよび乳酸エステルは、生化学的に、アクリル酸エステル13およびマロン酸セミアルデヒド14に変換できることは公知である。酵素で触媒されたアルギニンのアクリル酸エステルへのミカエル添加、またはマロン酸セミアルデヒドに関するシッフ塩基添加と、それに続く還元により、いずれの場合においても前駆体(A)が得られる。アルギニンのマロン酸セミアルデヒドとの反応からの可能な(A)の誘導は、シッフ塩基形成およびそれに続く還元が起こるオピン代謝物の生合成と強い類似性を示すので、特に興味深い。
【0112】
得られた証拠から、プロクラバミン酸のβ−ラクタム環はアミド形成反応を含む新しい方法で構築されることがわかる。アルギニン誘導体(2S)−(B)および(2S,3R)−(C)はプロクラバミン酸の生合成前駆体であり、(2S)−(B)はヒドロキシル化されて(2S,3R)−(C)になり、酵素アミジノヒドロラーゼは(2S,3R)−(C)を加水分解してプロクラバミン酸にする新規酵素である(プロクラバミン酸アミジノヒドロラーゼと命名する)。
【0113】
結論
実験1および3は、アルギニンの、A、BおよびCが、プロクラバミン酸、かくしてクラブラン酸への経路上にあることを示し、アルギニンはオルニチンに比べて、クラブラン酸のより直接の前駆体であることを示す。
【0114】
文献
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【0115】
【配列表】
配列一覧表
(1)一般情報
(i)出願人
(A)名称:スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー
(B)通り名:ニュー・ホライズンズ・コート
(C)都市名:ブレンフォード
(D)州名:ミドルセックス
(E)国名:イギリス国
(F)郵便番号(ZIP):TW8 9EP
(G)電話番号:0737 364147
(H)テレファックス:0737 364006
(I)テレックス:911415
(ii)発明の名称:新規化合物
(iii)配列数:2
(iv)コンピューター・リーダブル・フォーム:
(A)媒体形態:フロッピーディスク
(B)コンピューター:互換性IBM PC
(C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウェアー:パテントイン・リリース(PatentIn Release)
#1.0,バージョン#1.25(EPO)
(2)配列番号1に関する情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:313アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(C)トポロジー:不明
(ii)分子の型:蛋白質
(iii)仮定性:イエス
(v)フラグメントの型:N−末端
(vi)起源:
(A)微生物:ストレプトミセス・クラブリゲルス
(B)菌株:エス・クラブリゲルスATCC27064の再単離体
(xi)配列の記載:配列番号1:
【化30】
(2)配列番号2に関する情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:942塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:二本鎖
(D)トポロジー:不明
(ii)分子型:DNA(ゲノム)
(iii)仮定性:ノー
(vi)起源:
(A)微生物:ストレプトミセス・クラブリゲルス
(B)菌株:エス・クラブリゲルスATCC27064の再単離体
(xi)配列記載:配列番号2:
【化31】
【図面の簡単な説明】
【図1】クラブラン酸の生成工程を示すスキームである。
【図2】化合物Aの生成工程を示すスキームである。
【図3】13C3−標識した化合物Bをエス・クラブリゲルスATCC27064発酵に供給したときの産生したクラブラン酸ベンジルの炭素7、10および3の13C−n.m.r.スペクトルである。
Claims (3)
- N−アシルアミノ酸がN−アセチルアルギニンまたはN−アセチルオルニチンである請求項1記載の方法。
- 5−アミノ−2S−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸をクラバミン酸シンターゼと共にインキュベートすることにより得られる5−アミノ−2S−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペント−2−エン酸。
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