JP2004166714A - クラブラン酸の製法 - Google Patents
クラブラン酸の製法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004166714A JP2004166714A JP2004062209A JP2004062209A JP2004166714A JP 2004166714 A JP2004166714 A JP 2004166714A JP 2004062209 A JP2004062209 A JP 2004062209A JP 2004062209 A JP2004062209 A JP 2004062209A JP 2004166714 A JP2004166714 A JP 2004166714A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- enzyme
- compound
- clavulanic acid
- compounds
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 0 *CCC(*)C(C(O)=O)NCCC(O)=O Chemical compound *CCC(*)C(C(O)=O)NCCC(O)=O 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C279/00—Derivatives of guanidine, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
- C07C279/04—Derivatives of guanidine, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups having nitrogen atoms of guanidine groups bound to acyclic carbon atoms of a carbon skeleton
- C07C279/14—Derivatives of guanidine, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups having nitrogen atoms of guanidine groups bound to acyclic carbon atoms of a carbon skeleton being further substituted by carboxyl groups
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D205/00—Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
- C07D205/02—Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
- C07D205/06—Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member
- C07D205/08—Heterocyclic compounds containing four-membered rings with one nitrogen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having one double bond between ring members or between a ring member and a non-ring member with one oxygen atom directly attached in position 2, e.g. beta-lactams
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/14—Hydrolases (3)
- C12N9/78—Hydrolases (3) acting on carbon to nitrogen bonds other than peptide bonds (3.5)
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P17/00—Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
- C12P17/10—Nitrogen as only ring hetero atom
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P17/00—Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
- C12P17/18—Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms containing at least two hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring system, e.g. rifamycin
- C12P17/188—Heterocyclic compound containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen atoms and oxygen atoms as the only ring heteroatoms
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】 中間体からそのクラブラン酸への変換過程における反応に用いることのできる、ストレプトミセス・クラブリゲルスATCC27064菌糸体を、遠心分離および超音波処理に付し、続いてイオン交換クロマトグラフィーにより分別する処理に付すことにより得られる、アミジノヒドロラーゼ活性を有する酵素、そのアミノ酸配列および遺伝子配列を提供する。
【選択図】なし
Description
クラブラン酸は、β−ラクタマーゼ反応性β−ラクタム抗生物質を劣化から防御するので、β−ラクタマーゼ酵素の有効な阻害剤であり、臨床的価値の高い化合物である。
イギリス特許明細書第1 508 977号は、クラブラン酸として知られるクラバム誘導体を記載し、これは、ストレプトミセス・クラブリゲルス
(Streptomyces clavuligerus)ATCC 27064またはその高産生突然変異体により産生される化合物である。
抗生物質AUGMENTIN(登録商標)の基本成分である重要な生成物クラブラン酸の生合成経路は多くの研究の対象であった。EP A 0 213 914において、クラブラン酸は前駆体のプロクラバミン酸(F):
で示される基を意味する]
で示される化合物、あるいは式(II):
で示される基を意味する]
で示される化合物、あるいは式(III):
およびR1は
で示される基を意味する]
で示される化合物のうちいずれか一の化合物からクラブラン酸および他のクラバム誘導体を製法する方法を提供する。
したがって、本発明は、クラバム類、特にクラブラン酸の製造において有用な新規化合物を提供する。本発明によれば、式(I):
で示される基を意味する]
で示される化合物が得られる。
化合物[C]は、ジェイ・イー・ミラーおよびジェイ・ジェイ・ビショフ
(J E MillerおよびJ J Bischoff),シンセシス(Synthesis),1986,777の方法または当該分野にて公知の関連した方法にしたがって、
適当には、酵素系は、微生物、特にストレプトミセス属由来のものである。好ましくは、酵素は、以下に記載する実施例1に従って、ストレプトミセスから調製される。あるいは、酵素は、組み換え体源から調製してもよい。
酵素は、さらに他の基質、例えば、(2S)−5−グアニジノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸(以下に定義する化合物B)と反応させた場合に、グアニジノ基をアミノ基に変換するのに有用である。
本発明の別の態様において、エス・クラブリゲルス菌糸体を遠心分離および超音波処理に付し、続いてイオン交換クロマトグラフィによる分別により処理することによりアミジノヒドロラーゼを調製する方法が提供される。
本発明のさらに別の態様において、実質的に以下の配列番号1のアミノ酸配列を有するアミジノヒドロラーゼ活性を有する蛋白質が提供される。
DNAは「自然」の状態(自然界で起こるような)ではなく、単離または実質的に精製された形態であると考えられる。好ましくは、本発明のDNAはエス・クラブリゲルス由来のものであるが、本発明は、他の適当な微生物、特に、好ましくは非常に厳密な条件下で、配列番号2またはアミジノヒドロラーゼ活性を有する酵素をコードするそのサブフラグメントのDNAとハイブリダイゼーションするエス・クラブリゲルス以外のクラブラン酸産生微生物に由来するDNA配列も包含する。
好ましくは、DNAは、実質的に、以下の配列番号2に示す配列を有するかまたは変性してこの配列になるが、配列番号1のアミノ酸配列をコードする配列を有する。本発明はまた、アミジノヒドロラーゼ活性を有する酵素をコードする突然変異体または関連する配列にも及ぶ。
化合物Gは以下の反応スキームにしたがって調製できる。
好ましい態様において、本発明はまた、ストレプトミセス属、好ましくは、エス・クラブリゲルス由来の酵素系を用い、S−アルギニン、A、B、CまたはGのいずれかからのクラブラン酸および他のクラバム誘導体の製法を提供する。
本発明の化合物は、双性イオン形態または塩形態、例えばナトリウム塩などの金属塩、酸付加塩、アンモニウム塩または置換アンモニウム塩、例えば第三アミン塩の形態であってもよい。
金属塩は、カルボキシル基で形成され、例えば、アルミニウム塩およびアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩であってもよい。
本明細書において記載する所望により置換されていてもよい保護基の任意の置換基の例は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、カルボン酸、C1−6アルキルエステル、カルバモイル、アミノ、モノ(C1−6)アルキルアミノおよびジ(C1−6)アルキルアミノから選択される3個までの基(同一または異なっていてもよい)を包含する。
本発明の化合物またはその塩またはアミノ保護誘導体における好ましいカルボキシル保護基はベンジルである。
本発明の化合物またはその塩またはそのカルボキシ保護誘導体における特に好ましいアミノ保護基はベンジルオキシカルボニルである。
適当なグアニジノおよびアミジノ保護基は、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、トルエンスルホニル、および2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニルを包含する。
(A)N2−(2−カルボキシエチル)−S−アルギニン
(B)(2S)−5−グアニジノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸
(C)トレオ−3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸、好ましくは2S−3R
(E)(2S)−5−アミノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペント−2−エン酸
(G)N2−(2−カルボキシエチル)−3−ヒドロキシ−アルギニン
不整炭素原子を有する化合物は、立体異性体として存在する。本発明は、本発明の化合物のすべての立体異性体を包含し、他の異性体を含まないかまたは他の異性体と任意の割合で混合されたもののいずれであっても、その使用を包含し、従って、例えばエナンチオマーのラセミ混合物を包含する。本発明の化合物またはその塩の溶媒和物、特に水和物も本発明の範囲に含まれる。
無細胞系を採用した場合、無細胞抽出物は好ましくは、超音波処理または他の微生物の破壊により製造され、所望によりその後細胞片を除去し、溶液中に酵素系を残してもよい。
酵素は、本明細書に記載した実施例にしたがって調製するのが適当である。
好ましい酵素源は、ストレプトミセス属、例えば、エス・クラブリゲルス
(S.clavuligerus)、エス・ジュモンジネンシス(S.jumonjinensis)、エス・カツスラハマヌス(S.katusurahamanus)およびエス・リプマニイ(S.lipmanii)由来の株である。特に、以下の微生物の株が有用である:エス・クラブリゲルス ATCC27064、エス・ジュモンジネンシス ATCC29864、エス・カツラハマヌス T−272およびエス・リプマニイNRRL3584。
酵素は、通常の方法、特に適当な液体または半固体培地中、好気性条件下で微生物を培養することにより調製される。一般に、微生物が同化できる炭素および窒素源および微生物の成長に必須の無機塩栄養素が培養培地中に含まれる。
培地は、金属イオン、例えば鉄イオン源を含む。培養条件は、10℃〜80℃の温度、3〜10の範囲のpHである。好ましい条件は、20℃〜30℃、pH5〜9、適当には例えば、約pH7で0.5〜5日間である。
最適には、酵素は、例えば少なくとも部分的に精製され、前駆体の分解を触媒する他の酵素、酵素、またはクラバム核を除去したものである。酵素は、不溶性ポリマー支持体に付着していてもよい。
本発明の化合物は、酵素合成、例えば無細胞合成またはストレプトミセス属の適当な株、例えば、エス・クラブリゲルス、エス・ジュモンジネンシス、エス・カツラハマヌスまたはエス・リプマニイからの単離により調製してもよい。適当には、化合物の単離は、菌糸体の破壊、細胞内容物からの化合物の単離が含まれる。典型的には、化合物の精製された形態での単離は、クロマトグラフィー工程を含む。別法として、化合物は不純な形態または部分的に純粋な形態で用いてもよい。
化合物の塩は、例えば、化合物を適当な酸または塩基で処理することにより製造される。前記プロセスにより製造された化合物およびその塩は、通常の方法により回収される。
また、化合物のいずれのエナンチオマーも立体配置が既知の光学的に純粋な出発物質を用いた立体特異的合成により得られる。
本発明のさらに別の態様において、クラブラン酸またはその塩の調製法が提供され、該方法は、本発明の化合物またはその塩を酵素系で処理することからなる。本発明により、このような方法により調製されたクラブラン酸またはその塩も提供される。
好ましくは、採用した酵素系は、微生物、特にストレプトミセス属由来のものである。適当には、プロセスを無細胞系で行う。適当には、クラブラン酸の無細胞合成法は、化合物またはその塩をストレプトミセス属の抽出物で処理することからなる。
ストレプトミセス属からの抽出物は、酵素系を含む。無細胞抽出物は、好ましくは、ストレプトミセス細胞の超音波処理または他の破壊により得られ、所望によりその後、細胞片を除去し、溶液または懸濁液中に酵素系を残してもよい。酵素系は、いずれかの源由来のものである。例えば、酵素は、遺伝子工学により産生されるのが適当である。好ましい酵素系は、ストレプトミセスのクラブラン酸産生種、例えば、エス・クラブリゲヌス、エス.ジュモンジネンシスおよびエス・カツラハマヌスのクラブラン酸産生種またはこれに由来の株、例えば突然変異株由来のものである。特に、これらの微生物の以下の株が適当である:エス・クラブリゲルスATCC27064、エス.ジュモンジネンシスATCC29864およびエス・カツラハマヌスT−272。
酵素系は、微生物を通常の方法、特に適当な液体または半固体培地中で好気性条件下で培養することにより調製する。一般に、微生物が同化できる炭素および窒素源および微生物の成長を促進するために用いられる無機塩栄養素が培養培地中に含まれる。培養条件は、10℃〜80℃の温度、3〜10の範囲のpHである。好ましい条件は、20℃〜30℃、pH5〜9、適当には例えば、約pH7で0.5〜5日間である。酵素系を単離し、破壊細胞調製物からの濾液または粗細胞ホモジネートとして不純な状態で得られた場合、精製された形態、部分的に精製された形態で用いる。
プロセスは、一般に水性培地中で行われ、反応混合物はpH4〜9の範囲に維持されるのが適当であり、より適当には、例えば6.5〜8.5に維持する。pHは、適当には、当該分野にて知られている通常の緩衝液を用いて調節される。一例として、例えば、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液(pH7)を用いる。反応温度は、用いた酵素に適したものであり、一般に15℃〜40℃、好ましくは約30℃である。反応時間は反応物の濃度、温度およびpHなどの因子および補助因子に依存する。
本発明の他の具体例において、化合物またはその塩を前記の酵素系で処理することによりクラブラン酸またはその塩に変換する方法が提供される。反応は、化合物またはその塩の中間体を単離せずに、無細胞合成により行うのが適当である。あるいは、化合物のクラブラン酸への変換は、直接完全な微生物を用いて行う。
以下の実施例は、本発明を例示するものである。すべてのパーセンテージは、重量基準であり、すべての割合は、容積基準である。
化合物A
N2−(2−カルボキシエチル)アルギニン二塩酸塩
調製例1
5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(46mg、0.18ミリモル)を1M HCl(5ml)に溶解し、室温で1時間撹拌する。反応混合物を蒸発乾固させ、水と共沸し、乾燥して、潮解性白色固体のN2−(2−カルボキシエチル)アルギニン二塩酸塩を得る。
(C9H18N4O4・2HCl・H2Oとして、測定値:C=31.69;H=6.57;N=17.08;計算値:C=32.05、H=6.58、N=16.62%);m/e(FAB、グリセロール)MH+ 247(C9H18N4O4として)計算値247;νmax(KBr)3410、2925、1725および1661cm−1;δH(250MHz、D2O)1.55〜1.83(2H,m)、1.85〜2.15(2H,m)(3−H,4−H)、2.85(2H,t,J=6.5Hz,2'−H)、3.23(2H,t,J=6.8Hz)、3.34(2H,t,J=6.5Hz)(5−H,1'−H)、3.93(1H,t,J=6.3Hz,2−H)
a)N2−(2−カルボメトキシエチル)−Nω−ニトロ−S−アルギニンベンジルエステルの調製
Nω−ニトロ−S−アルギニンベンジルエステルジトシレート(6.56g、0.01モル)(エイチ・オーツカ(H.Otsaka)ら、ビュレティン・オブ・ケミカル・ソサイエティ・ジャパン(Bull.Chem.Soc.Jap.)39,882,1966と同様にして調製)、トリエチルアミン(13.9ml、0.1モル)およびアクリル酸メチル(9g、0.105モル)のエタノール(100ml)中混合物を室温で4日間撹拌する。溶媒を真空下に除去し、残渣をクロロホルム中に溶解し、水で洗浄する。クロロホルム溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させてガム状物質を得る(8.9g)。この物質を、5%MeOH/CHCl3を溶離剤として用いてシリカゲル上クロマトグラフィーに付し、再び5〜10%n−PrOH/CHCl3で溶出して、標記化合物を得る(2.24g、60%)。νmax(KBr)3310、1738、1630、1600および1265cm−1;δH(250MHz、CDCl3)1.3〜1.9(5H,m)、2.3(2H,m)、2.7〜2.85(1H,m)、2.85〜3.0(1H,m)、3.2〜3.4(3H,m)、3.69(3H,s)、5.17(2H,s)、7.36(5H,m)、7.6(2H,s)、8.75(1H,s);m/z(NH3 C.I.)(測定値MH+ 396 C17H25N5O6としての計算値396)
前記メチルベンジルエステル(前記(a)において調製)(2.2g、5.56ミリモル)、水酸化ナトリウム(0.45g、11ミリモル)のTHF/H2O(1:1(20ml))中溶液を室温で4時間撹拌する。溶液のpHを希HClで6にし、溶媒を蒸発させ、その残渣をH2O/MeOH/AcOH(25ml:25ml;5ml)中に溶解し、10%Pd/C(500mg)上で水素添加する。触媒を濾過により除去し、溶液を蒸発乾固し、残渣を水中に溶解し、凍結乾燥する。メタノールを残渣に添加して、白色固体の標記化合物Aを得る(626.4mg、45%)。融点260℃分解。
(C9H18N4O4・1/2H2Oとして、測定値:C=42.33、H=7.35、N=20.6;計算値:C=42.35、H=7.5、N=21.95%;νmax(KBr)2939、1624、1401cm−1;δH(250MHz、D2O)1.3〜1.75(2H,m)、1.8〜2.2(2H,m)、2.54(2H,t,J=6.5Hz)、3.13〜3.28(4H,m)、3.63(1H,t,J=6.1Hz);m/z(FAB、チオグリセロール)測定値:MH+247、C9H18N4O4としての計算値247。
5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−2−イル)ペンタン酸
5−アミノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(310mg、1.59ミリモル)を水(30ml)中に溶解し、炭酸カリウム(240mg、1.74ミリモル)およびアミノイミノ−メタンスルホン酸(269mg、2.17ミリモル)で処理し、室温で6時間撹拌する。反応混合物を蒸発乾固させ、水(4.5ml)中に溶解し、これにエタノール(30ml)を添加し、溶液を素早く15%水性エタノール中シリカ60のカラム上クロマトグラフィーに付し、5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(220mg、54%)を得る。
(C9H16N4O3・1.5H2Oとして、測定値:C=42.56、H=7.52、N=22.15;計算値:C=42.34、H=7.50、N=21.95%);νmax(KBr)3423、1720、1658、1637cm−1;δH(250MHz、D2O)1.45〜1.63(2H,m)、1.63〜1.94(2H,m)(3−Hおよび4−H)、2.80〜3.00(2H,m,3'−H)、3.17(2H,t,J=6.8Hz,5−H)、3.26〜3.46(2H,m,4'−H)、4.03(1H,dd,J=5.1および9.5Hz,2−H)および5−アミノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(90mg、29%)を得る。
3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸
プロクラバミン酸(84.5mg、0.42ミリモル)を、5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸(化合物B)に関して前記したようにアミノイミノメタンスルホン酸で処理して、白色固体の3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸を得る(62mg、53%)(C9H16N4O4・2H2Oとして、測定値:C=38.76、H=6.83、N=19.54;計算値:C=38.57、H=7.19、N=19.99%);m/e(FAB、チオグリセロール)MH+245、C9H16N4O4としての計算値245;νmax(KBr)3363、1719、1673、1600cm−1;δH(400MHz、D2O)1.73〜1.93(2H,m,4−H)、3.07(2H,t,J=4.0Hz,3'−H)、3.41(2H,t,J=6.5Hz,5−H)、3.42〜3.60(1H,m)、3.60〜3.68(1H,m)(4'−H)、4.12(1H,d,J=5.4Hz,2−H)、4.22(1H,m,3−H)。
(13Cで標識したG)
不純な(2SR,3RS)−1,2,3'−[13C3]−3−ヒドロキシ−5−グアニジノ−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)−ペンタン酸(270mg)を1M HCl(5ml)中に溶解し、室温で2時間静置する。溶液を蒸発させ、水(1.5ml)中に溶解し、ダウエクス(Dowex)50Wx8イオン交換樹脂(H+型)のカラム(3x1.5cm)に付す。カラムを水(20ml)で洗浄し、水酸化アンモニウム(0.4M)で溶出し、5mlフラクションを集める。サカグチ反応に陽性を示すフラクションを冷却し、凍結乾燥して、吸湿性固体の標記化合物を得る(99.2mg)。13C3C6H18N4O5・1.5H2Oとして、測定値:C=36.86、H=6.04、N=19.88%;計算値:C=37.36、H=7.3、N=19.37%;δH(400MHz、D2O)1.5〜1.95(1H,m)、1.95〜2.15(1H,m)、2.65(2H,q,J=6.1Hz)、3.1〜3.28(m)、3.3〜3.4(m)および3.4〜3.5(4H)、3.72(1H,dd,J=7.5および4.5Hz)、4.0(1H,t,J=7.5Hz);δC(100MHz、D2O)68.29(d,J=52Hz,C−2)、72.52(d,J=52Hz,C−1)、179.64(s,C−2')
アミジノヒドロラーゼ酵素
1.1 アミジノヒドロラーゼ酵素の調製および反応
酵素の粗調製物を、エス・クラブリゲルスATCC27064菌糸体(EP−A−0349121参照)からの48時間再単離物より、遠心分離および50mMトリス緩衝液(pH7.0)中超音波処理に付して調製する。
酵素調製物による(C)から(F)の加水分解は、1当量の尿素の産生と定量的である。
酵素調製物を50mMトリス、50μM MnCl2、250μg/ml化合物BまたはCおよび5mMアセトヒドロキサミン酸と一緒に培養する。アセトヒドロキサミン酸を加え、抽出物内のウレアーゼ活性を阻害する。混合物をpH8.5、28℃で15分以上培養する。
誘導体CおよびBを加水分解してそれぞれFおよびDにし、反応は酵素により媒介される。
Cの加水分解の速度は、hplcおよび、プロクラバミン酸(F)およびデヒドロキシプロクラバミン酸(D)の産生で測定するとBよりも著しく速い(>100)。
CからFへの加水分解は、1当量の尿素の産生と定量的である。Bの加水分解は完了しないが、尿素の産生は生成したDの量と当量である。
a) 前記定義の式Cの化合物またはその塩を前記定義のプロクラバミン酸またはその塩に変換する能力;
b) 酵素活性は、Mn2+の存在下に向上し、最適のMn2+濃度は約50μMである;
c) 緩衝液のpHプロフィルは燐酸およびホウ酸に基づく緩衝液がTRIS、炭酸塩/炭酸水素塩またはグリシン緩衝液と比べた場合、酵素活性を阻害することを示す
d) 緩衝液の塩基性がpH9.0に向かって強くなるほど酵素活性は強くなると思われる。しかし、種々の緩衝液のpHでの化合物の安定性の研究により、化合物は、pH9.0以上で不安定になることがわかる。Cのプロクラバミン酸への酵素の最大変換率は、50mM TRIS中pH8.5で起きる。
e) 有機溶媒(例えば、メタノール、アセトニトリル)を添加して、酵素反応を停止することは、尿素またはhplc分析のいずれかと干渉する。したがって、サンプルをアセトン/ドライアイス(−70℃)浴中に入れることにより反応を停止し、ただちに検定の直前まで−20℃の冷凍庫に移す。
この酵素は、アルギニンを開裂しない(検出できる割合で)が、(2S)−5−グアニジノ−2−(2−オキソ−アゼチジン−1−イル)ペンタン酸を開裂することが判明した。
アルギナーゼ活性は、精製(以下の1.2)の間に、アミジノヒドロラーゼ活性から区別される。
実験
エス・クラブリゲルス細胞を標準的炭水化物培地中で成長させ、収穫し、以下の緩衝液中で超音波処理する:50mM Tris−酢酸(Tris−Ac)、50μMMnCl2、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、1mMジチオトレイトール(DTT)、pH8.0。前記緩衝液に対して透析した後、超音波処理物をイオン交換クロマトグラフィー(DEAE−セファロース・ファースト・フロー(Sepharose Fast Flow)、ファーマシア(Pharmacia))を用いて、0〜1M NaCl勾配溶出で分別する。酵素尿素産生をシグマ尿素キット535Bを用い、ウレアーゼ活性を阻害するのに5mMアセトヒドロキサミン酸を添加して評価する。各フラクションを各基質としてS−アルギニンおよび化合物Cで2回分析し、アルギナーゼおよびアミジノヒドロラーゼ活性を測定する。両活性は、約0.5M NaCl(カラム頂上部)で溶出し、特異性活性は、各々、1.9倍および2.4倍に増加する。
この方法から得た活性フラクションを金属キレートアフィニティーカラムに付す前に50mM Tris−Ac/0.5M NaCl/pH8.0に対して透析する。これをCuSO475%容量イミノ二酢酸−アガロース(シグマ)を用いて調製し、前記緩衝液中平衡化する。カラムを0〜200mMグリシン勾配で溶出し、鋭いアミジノヒドロラーゼ活性のピークを得る。このピークはアルギナーゼ活性も示すが、弱い。
フラクションのSDS−PAGE分析から、アミジノヒドロラーゼを含有するフラクションは33kDで強いバンドを有することがわかる。
タンパク質配列:IDSHVSPRYAQIPTFM
pBROC44(EP−A−0349121参照)の配列決定から判明したオープンリーディングフレーム(ORF)の予想されるアミノ配列を、前記で得られたN−末端配列と比較すると、以下のとおりである:
遺伝子配列(予想されるアミノ酸配列):MER/IDSHVSPRYAQIPTFM
配列を並べると、完全に一致する(16/16)。最初の3個のアミノ酸がもとのタンパク質の遺伝子配列に存在しないことは、翻訳後修飾が行われたことを示す。
クラバミン酸シンターゼ
2.1 クラバミン酸シンターゼ精製
クラバミン酸シンターゼ(CAS)をエス・クラブリゲルスからEP A0213914に記載された方法を用いて精製する。凍結乾燥した、部分的に精製した酵素(250mg)をDEAEセファロースCL−6B(Pharmacia,ウプサラ,スウェーデン)カラム(30x2.4cm)に付し、100mlの50mMトリス緩衝液(pH7.0)で洗浄し、50から500mMの勾配のトリス緩衝液(pH7.0)で溶出する。CAS陽性フラクションをプールし、固体硫酸アンモニウムで80%飽和にする。懸濁液を氷上に1時間保持し、24000xgで60分間遠心分離する。沈殿を1mlの50mMトリス緩衝液(pH7.0)+0.5mlの30%シュークロース溶液(同じ緩衝液で構成)中に再懸濁し、セファデクスG75スーパーファイン(Pharmacia)カラム(63.5x3.5cm)に付し、50mMトリス緩衝液で溶出する。CAS陽性フラクションをプールし、固体硫酸アンモニウムで80%飽和にし、得られた沈殿を遠心分離により除去し、−20℃で貯蔵する。この段階でCAS酵素は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動で調べた場合、分子量約48000ダルトンに相当する1つのバンドを生成する。等電点を等電点分画電気泳動法により測定すると
pI=5.65であった。
精製した酵素を以下の分析法を用いてBからCへの変換に関して分析する。
すべての試薬は、特記しないかぎり、50mMトリス、10mM MgCl2および10mM KClからなり、5M HClを添加してpH7.5にする。100mlについて、トリス(0.606g)、MgCl2(0.203g)、KCl(0.074g)が必要である。可能ならば、酵素精製に用いたのと同じ緩衝液を用いる。以下の溶液が必要である:H2O中、補助因子FeSO410mM(2.78mg/ml);H2O中、B100mM(20mg/ml);ジチオトレイトール(DTT)10mM(1.5mg/ml)および補助基質α−ケトグルタレート50mM(二ナトリウム塩9.5mg/ml)。
一般的方法
「CAS」は通常のクラブラン酸産生株ストレプトミセス・クラブリゲルスから調製されるクラバミン酸シンターゼを意味し、「組換えCAS」は例えばEP349121(ビーチャム・グループ・パブリック・リミテッド・カンパニー
(Beecham Group plc))にしたがって調製されたクラバミン酸シンターゼを意味する。
(D)の培養
化合物DをCAS(1.2mg、0.34 IUmg−1)と共に前記の標準的方法にしたがって培養する。約7%のE−(2S)−5−アミノ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペント−3,4−エノエート(E)への変換率が観察される(500MHzの1H NMRスペクトルの積分により判定)。HPLC精製[ODSカラム(250x7cm)25mM NH4HCO3で1.5ml/分で平衡化]により保持容量9.15mlのE(96μg)が単離される:δH(500MHz,D2O)2.95〜3.0(2H,m,H−3')、3.4〜3.5(2H,m,H−4')、3.5〜3.6(2H,m,H−5)、5.8〜5.9(1H,m,H−4)、5.9〜6.0(1H,m,H−3)。A 2D COSY相関スペクトルは、提案されたEの構造と一致し、約4.6ppmで残存するHODピーク下でシグナルを示す。m/z(電子照射)=185(MH+、100%)。
化合物Bを部分的に精製したCAS(2mg、0.3 IUmg−1)と共に前記の標準的方法にしたがって培養する。85%より大きな5−グアニジノ−3−ヒドロキシ−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸Cへの変換が観察される(1H NMRスペクトル(500MHz)の積分により判断)。HPLC精製[ODS(250x4.6mm)、H2O、1ml/分]により保持容量7.5mlの(C)(340μg)が単離される:δH(500MHz D2O)1.7〜1.8(1H,m,H−4)、1.8〜1.9(1H,m,H−4)、3.0(2H,t,J=4Hz,H−3')、3.36(2H,t,J=7Hz,H−5)、3.5〜3.55(1H,m,H−4')、3.59〜3.61(1H,m,H−4')、4.1(1H,d,J=5.5Hz,H−2)、4.15〜4.2(1H,m,H−3)。2D COSY相関スペクトルは、提案されたCの構造と一致する。m/z(電子照射)=245(MH+、100%)。この反応から残存するBは回収されなかった。
化合物Bを粗組み換えCAS(0.18mg、0.37 IU/mg)と共に標準的方法にしたがって培養する。85%より大きなCへの変換が観察される(1H NMRスペクトル(500MHz)の積分により判断)。HPLC精製[ODS(250x4.6mm)、H2O、1ml/分]により保持容量7.5mlのC(350μg)が単離される。Cに関する分光分析データは部分的に精製したCASと共に培養することにより得られたCと一致する。
N2−アセチル−L−オルニチンを粗組換えCAS(6mg、0.035 IUmg−1)と共に標準的方法にしたがって培養する。約17%の(2S)−2−アセトアミド−5−アミノ−3−ヒドロキシペンタン酸(X)への変換および約5%のE−(2S)−5−アミノ−2−アセトアミドペント−3,4−エン酸(Y)への変換が観察される(1H NMRスペクトル(500MHz)の積分により判断)。HPLC精製[ボンダパクアミン(bondapakamine)(250x7mm)、ODSガードカラム、0.015M HCO2H、2ml/分]により保持容量9.4〜10.0mlのY(30μg)が単離される。さらに8〜9mlののフラクションをHPLC精製[ODS(250x4.6mm)、0.05%水性HCO2H、1ml/分]に付し、保持容量5.5〜9.0mlのX(99μg)を単離する。
N2−アセチル−L−アルギニンを粗組換えCAS(6mg、0.035 IUmg−1)と共に標準的方法にしたがって培養する。85%より大きな(2S)−2−アセトアミド−5−グアニジノ−3−ヒドロキシ−ペンタン酸(K)への変換が観察される(1H NMRスペクトル(500MHz)の積分により判断)。HPLC精製[ODS(250x4.6mm) H2O 1ml/分]により保持容量4.5mlのK(320μg)が単離される。δH(500MHz D2O)1.8〜2.0(2H,m,H−4)、2.1(3H,s,CH3−)、3.15(2H,m,H−5)、4.20〜4.22(1H,m,H−3)、4.25(1H,d,J=3.5Hz,H−2)。2D COSY相関スペクトルは(K)の結合と一致する。
m/z(電子照射)=233(MH+、100%)。
(2S,3S)−5−グアニジノ−2,3−[2H2]−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸および(2S,3R)−5−グアニジノ−3−[2H]−2−(2−オキソアゼチジン−1−イル)ペンタン酸をクラバミン酸シンターゼと共に培養すると、C−3で高度に立体特異的なヒドロキシル化が起こり、各々、プロ−Rプロトンまたは重陽子が除去される。
これらの結果は、CASにより触媒された場合、Bのヒドロキシル化がC−3の立体配置を保持しながら優勢に進行することを示す。
3.1 実験1 クラブラン酸の前駆体としてのアルギニンの測定
14C−アルギニンを、各々、オルニチントランスカルバモイラーゼおよびアルギニンスクシネートシンセターゼで遮断されていることがわかっている2つのエス・クラブリゲルスの突然変異体培養物に供給する(これらはオルニチンからアルギニンへの変換に関与する酵素である)。標識をクラブラン酸に導入する。
14C−オルニチン標識を同様に2つの突然変異体培養物に供給した場合、クラブラン酸に標識は取り込まれない。以下に記載の文字および数字を用いて図1および2に言及する。
実験1はアルギニンが生合成経路でクラブラン酸にされるアミノ酸であることを示す。該経路での次の公知の中間体はモノサイクリックβ−ラクタムプロクラバミン酸1である。したがって、β−ラクタムはアルギニン炭素骨格のN2位置に導入されなければならず、ヒドロキシル基を、C−3に導入し、N5グアニジノ官能基を加水分解する。
2つの新規アルギニン誘導体、N2−(2−カルボキシエチル)−アルギニン(A)およびN2−(2−カルボキシエチル)−3−ヒドロキシ−アルギニン(G)はクラブラン酸生合成において遮断されているストレプトミセス・クラブリゲルスdclH65の変異体により産生される。これらの化合物はクラブラン酸合成において有用である。
さらにこれらの化合物のクラブラン酸生合成経路の中間体としての役割に関するデータを実験3.3に示す。
プロクラバミン酸に先立つ可能な生合成配列を第1図に示す。
(A)から始めて、少なくとも3つの生化学工程、即ち、ヒドロキシル基の導入(工程a)、β−ラクタム環の形成(工程b)およびグアニジノ基のアミノ基への加水分解(工程c)が、プロクラバミン酸の生成に必要である。どの化合物(A)、(G)、(B)、(C)および(8)が実際経路に存在するかを調べるために、供給実験についてこれらを13Cで三重に標識して合成する。各場合において、5個の炭素鎖を1および2−位で標識し(99%13C)、さらに3個の炭素単位のカルボニル基を標識する(91%13C)。3個の標識炭素のすべてが結合が切れることなく取り込まれた場合、クラブラン酸の7、3および10の炭素間にスピン−スピンカップリングが13C−n.m.r.において観察されることがわかっているので5、この標識手順を採用する。
[1,2,2'−13C3]−(B)の酸処理により、[1,2,3'−13C3]−(A)を得る。この反応スキームの工程の平均収率は87%である。
Gおよび8の場合、これらの実験条件下では、濃縮は起こらない。しかし、当該分野で周知のβ−ラクタム環形成の方法を用いて(例えば、文献1)、Gおよび8(またはその保護誘導体)を、各々、Cおよびプロクラバミン酸に変換することにより、これらの化合物は、クラバム類、例えばクラバミン酸の産生に関して、例えば合成または半合成プロセスにおいて有用である。
実験1および3は、アルギニンの、A、BおよびCが、プロクラバミン酸、かくしてクラブラン酸への経路上にあることを示し、アルギニンはオルニチンに比べて、クラブラン酸のより直接の前駆体であることを示す。
1.ケイ・エイチ・バガレイ、エス・ダブリュー・エルソン、エヌ・エイチ・ニコルソンおよびジェイ・ティー・サイム(K.H.Baggaley,S.W.Elson,
N.H.NicholsonおよびJ.T.Sime)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー(J.Chem.Soc.Perkin I )1990 1521およびそこに記載されている引例
2.エイ・イー・ミラーおよびジェイ・ジェイ・ビショフ(A.E.Millerおよび
J.J.Bischoff)シンセシス(Synthesis),1986,777、ケイ・キム、ワイ−ティー・リンおよびエイチ・エス・モシャー(K.Kim,Y−T Linおよび
H.S.Mosher)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.),1988,29,3183
3.アール・エル・ハインリクソンおよびエス・シー・メレディス
(R.L.HeinriksonおよびS.C.Meredith)、アナリティカル・バイオケミストリー(Anal.Biochem.),1984,136,65、およびウォーター・アソシエート・コマーシャル・リタラチャー(Waters Associates commercial literature).
4.エス・サカグチ(S.Sakaguchi),ネイチャー(Nature),1953,172,1100.
5.エス・ダブリュー・エルソン、ケイ・エイチ・バガレー、ジェイ・ジレット、エス・ホランド、エヌ.エイチ・ニコルソン、ジェイ・ティー・サイムおよびエス・アール.ウォロネイキ(S.W.Elson,K.H.Baggalen,J.Gillett,S.Holland,N.H.Nicholson,J.T.SimeおよびS.R.Woroneicki)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー、ケミカル・コミュニケーションズ(J.Chem.Soc.Chem.
Commun.),1987、1739.
6.ジー・ストーク、エイ・ワイ・ダブリュー・レオンおよびエイ・エム・トージン(G.Stork,A.Y.W.LeongおよびA.M.Touzin)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),1976,41,3491.
7.イー・ソル(E.Soru)、ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー
(J.Chromatog.),1965,20,325.
8.イー.ソルおよびオー・ザハリア(E.SoruおよびO.Zaharia)、レビュー・オブ・ルーマニアン・バイオケミストリー(Rev.Roum.Biochem.),1976,13,29.
9.ジェイ・ロメロ、ピー・ライラスおよびジェイ・エフ・マーティン
(J.Romero,P.LirasおよびJ.F.Martin)、アプライド・アンド・エンバイロメンタル・マイクロバイオロジイ(Applid and Environmental Microbiology),1986,52,892.
10.シー・エイ・タウンセンド、エイ・エム・ブラウンおよびエル・ティー.ニューエン(C.A.Townsend,A.M.BrownおよびL.T.Nguyen)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Amer.Chem.Soc.),1983,105,919.
11.ジェイ・オサリバン、エイ・エム・ギラム、シー・エイ・アクロニス、エム・エル・ソーサーおよびアール・ビー・サイケス(J.O'Sullivan,A.M.Gillum,C.A.Aklonis,M.L.SouserおよびR.B.Sykes)、アンチマイクロバイアル・エージェンツ・アンド・クロマトグラフィー(Antimicrobial Agents and Chemotherapy),1982,21,558.
12.エス・ダブリュー・エルソンおよびアール・エス・オリバー(S.W.Elson およびR.S.Oliver)、ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(J.Antibiot.),1978,31,586.S.W.Elson in 'Recent Advances in The Chemistory of β−Lactam Antibiotics' Ed.G.I.Gregory,Royal Society of Chemistry;London,1981,142−150頁.
13.アール・ディー・クチャおよびアール・エイチ・アベルズ(R.D.KuchtaおよびR.H.Abeles)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー
(J.Biol.Chem.),1985,260,13181.
14.アール・ピー・バグロスおよびジェイ・エム・アール(R.P.VaglosおよびJ.M.Earl)、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.),1959,234,2272.
15.ジェイ・トンプソンおよびエス・ピー・エフ・ミラー(J.ThompsonおよびS.P.F.Miller)、アドブ・エンザイモール・アレアス・モル・バイオール(Adv.Enzymol.Areas Mol.Biol.),1991,64,317.
16.ケイ・エル・ケスル、エム・ケイ・アンワー、ティー・ケイ・オージャおよびジー・ゴールドスタイン(K.L.Kaestle,M.K.Anwer,T.K.AudhyaおよびG.Goldstein)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),1991,32,327.
Claims (5)
- ストレプトミセス・クラブリゲルスATCC27064菌糸体を、遠心分離および超音波処理に付し、続いてイオン交換クロマトグラフィーにより分別する処理に付すことにより得られる、アミジノヒドロラーゼ活性を有する酵素。
- 実質的に配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる請求項1記載の酵素。
- 請求項1または2に記載した酵素の遺伝子をコードする単離されたDNA。
- 実質的に配列番号2で示される配列を有する単離されたDNA。
- 請求項3または4に記載のDNAと非常に厳密な条件下でハイブリッド形成するDNA。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
GB929225151A GB9225151D0 (en) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | Novel compounds |
GB929225152A GB9225152D0 (en) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | Novel compounds |
GB939304761A GB9304761D0 (en) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | Novel compounds |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP51292594A Division JP3558295B2 (ja) | 1992-12-02 | 1993-11-26 | クラブラン酸の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004166714A true JP2004166714A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=27266492
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP51292594A Expired - Fee Related JP3558295B2 (ja) | 1992-12-02 | 1993-11-26 | クラブラン酸の製法 |
JP2003140429A Expired - Fee Related JP3507067B2 (ja) | 1992-12-02 | 2003-05-19 | クラブラン酸の製法 |
JP2004062209A Pending JP2004166714A (ja) | 1992-12-02 | 2004-03-05 | クラブラン酸の製法 |
Family Applications Before (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP51292594A Expired - Fee Related JP3558295B2 (ja) | 1992-12-02 | 1993-11-26 | クラブラン酸の製法 |
JP2003140429A Expired - Fee Related JP3507067B2 (ja) | 1992-12-02 | 2003-05-19 | クラブラン酸の製法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5869299A (ja) |
EP (1) | EP0673432B1 (ja) |
JP (3) | JP3558295B2 (ja) |
AU (1) | AU5570194A (ja) |
DE (1) | DE69324163T2 (ja) |
ES (1) | ES2130392T3 (ja) |
WO (1) | WO1994012654A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9424950D0 (en) * | 1994-12-10 | 1995-02-08 | Smithkline Beecham Plc | Novel process |
GB9815666D0 (en) * | 1998-07-17 | 1998-09-16 | Smithkline Beecham Plc | Novel compounds |
EP1026236A1 (en) * | 1999-02-04 | 2000-08-09 | Dsm N.V. | Auxotrophic strains for secondary metabolite biosynthesis |
WO2001019959A1 (en) * | 1999-09-16 | 2001-03-22 | The Johns Hopkins University | Improvement of clavulanic acid production |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8521516D0 (en) * | 1985-08-29 | 1985-10-02 | Beecham Group Plc | Compounds |
GB8813055D0 (en) * | 1988-06-02 | 1988-07-06 | Beecham Group Plc | Novel substance |
US5118617A (en) * | 1989-05-19 | 1992-06-02 | Applied Research Systems Ars Holding N.V. | Saf polypeptide, gene coding therefor, saf promoter and expression methods for expressing foreign dna sequences in streptomyces |
-
1993
- 1993-11-26 JP JP51292594A patent/JP3558295B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1993-11-26 DE DE69324163T patent/DE69324163T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1993-11-26 ES ES94900928T patent/ES2130392T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1993-11-26 US US08/446,806 patent/US5869299A/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-11-26 AU AU55701/94A patent/AU5570194A/en not_active Abandoned
- 1993-11-26 EP EP94900928A patent/EP0673432B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-11-26 WO PCT/GB1993/002442 patent/WO1994012654A1/en active IP Right Grant
-
2003
- 2003-05-19 JP JP2003140429A patent/JP3507067B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2004
- 2004-03-05 JP JP2004062209A patent/JP2004166714A/ja active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69324163T2 (de) | 1999-09-23 |
JP2004002420A (ja) | 2004-01-08 |
JP3507067B2 (ja) | 2004-03-15 |
AU5570194A (en) | 1994-06-22 |
EP0673432A1 (en) | 1995-09-27 |
JP3558295B2 (ja) | 2004-08-25 |
WO1994012654A1 (en) | 1994-06-09 |
JPH08504579A (ja) | 1996-05-21 |
DE69324163D1 (de) | 1999-04-29 |
US5869299A (en) | 1999-02-09 |
EP0673432B1 (en) | 1999-03-24 |
ES2130392T3 (es) | 1999-07-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3027847B2 (ja) | 7−adcaの生化学的新規製造法 | |
Elson et al. | The identification of three new biosynthetic intermediates and one further biosynthetic enzyme in the clavulanic acid pathway | |
Shimizu et al. | Search for microorganisms producing cephalosporin acylase and enzymatic synthesis of cephalosporins | |
JP3558295B2 (ja) | クラブラン酸の製法 | |
JPS6348520B2 (ja) | ||
US3862004A (en) | Method for production of cephalosporins | |
JP2604571B2 (ja) | ジオキシゲナーゼ酵素 | |
EP0268343B1 (en) | Enzymatic process for 3-substituted cephalosporins | |
EP0014475B1 (en) | Optically active cephalosporin analogs, process for their preparation and their use in the preparation of pharmaceutical compositions | |
US4302540A (en) | Process of producing optically active cephalosporin analogs by enzyme selective deacylation | |
US4316958A (en) | Process for producing optically active cephalosporin analogs | |
Baldwin et al. | Chemo-enzymatic synthesis of bicyclic γ-lactams using clavaminic acid synthase | |
US20050070519A1 (en) | Cyclisation process for the preparation of c-2 beta-lactam compounds | |
Hall | Development of assays for improved cephalosporin biosynthesis | |
EP0027882A1 (en) | Optically active cephalosporin analogs, process for their preparation and their use | |
US5472853A (en) | Enzymatic process for cephalosporins | |
EP0209363B1 (en) | Heteropeptides, intermediates in the biosynthesis of penicillins | |
JPH04330297A (ja) | L−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体の製造法 | |
Lloyd | The Biosynthesis of cis-Carbapenems and the Development of Penem Antibiotics for the Treatment of Tuberculosis | |
Moshos | Design and synthesis of substrates and standards used to elucidate activities of enzymes in carbapenem gene clusters | |
JPH04346795A (ja) | L−3,4−ジヒドロキシフェニルセリン誘導体の製造法 | |
SOUTHGATE et al. | Naturally Occurring ẞ-Lactams | |
JPH0349909B2 (ja) | ||
WILSON | Merck, Sharp & Dohme Research Laboratories Rahway, New Jersey 07065, USA |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040518 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20040818 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20040823 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041117 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041214 |