JP2004002118A - マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物およびそれを用いたマイクロ波加熱炉 - Google Patents

マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物およびそれを用いたマイクロ波加熱炉 Download PDF

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梶田 吉晴
Katsuhisa Mizuno
水野 克久
Terue Murase
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Abstract

【課題】低温域でもマイクロ波の吸収能が高く、被焼成物と略同一温度を保って昇温し、被焼成物に亀裂や爆裂を生起させることもなく、かつ短時間で良好にセラミックス製品を焼成可能とするマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物およびそれを備えたマイクロ波加熱炉を提供する。
【解決手段】本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1は、マイクロ波加熱炉における焼成に際して被焼成物を囲むために使用されるマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1であって、誘電損率(ε・tanδ)が500℃で0.1以上である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波加熱炉における焼結または焼成に際して使用されるマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物およびそれを備えたマイクロ波加熱炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マイクロ波を利用してセラミックス成形体を焼結または焼成し、セラミックス製品を製造するマイクロ波加熱炉が種々提案されている。
【0003】
このマイクロ波加熱炉でセラミックスを焼成させる場合、断熱ボードで構成される焼成室内の壁に被焼成物(セラミックス成形体)と等価なマイクロ波吸収特性を持った壁を設置し被焼成物を囲み加熱すると、被焼成物と壁とが略同一温度を保って昇温し、被焼成物に対してその表面における熱の出入りがない疑似断熱空間が形成されて、短時間(在来の外部加熱法の数分の一)で良好に焼成できることが報告されている。
【0004】
また、セラミックスのマイクロ波吸収特性を数値的に表す誘電損率は、室温においては一般に小さいが、温度と共に増加する傾向があり、例えばアルミナセラミックスの誘電損率は、1800℃では室温の100倍以上といわれており、このセラミックスの特性によりマイクロ波加熱炉による焼成が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的なセラミックスであるアルミナセラミックスの場合、焼成前のアルミナ粉末成形体は、成形助成剤としてバインダーを含んでおり、このバインダーを含んだ状態で焼成することが求められる。
【0006】
しかし、このアルミナ粉末成形体を、単に同一原料からなるアルミナセラミックスで囲い加熱すると、アルミナ粉末成形体中のバインダーが低温域(室温から600℃付近)でマイクロ波の吸収率が高いため、周囲に配したアルミナセラミックスに発熱作用が殆ど生じず、アルミナ粉末成形体と周囲雰囲気の温度差が大きくなって、短時間焼成ができないばかりか、アルミナ粉末成形体に亀裂が発生する、あるいは爆裂するなどの問題が生じる。
【0007】
一方、アルミナ粉末成形体の周囲をマイクロ波を吸収しやすい材料、例えば炭化珪素セラミックスで囲んだ場合、低温域(室温から600℃付近)でのアルミナ粉末成形体と周囲雰囲気との温度差をなくすことができる。
【0008】
しかし、炭化珪素セラミックスは、中高温域(600〜1600℃付近)でもマイクロ波吸収能に優れているため、バインダーが消失してマイクロ波を吸収し難くなったアルミナ粉末成形体よりも周囲雰囲気温度が高くなり、結果として従来の抵抗加熱と同じ外部加熱方式となる。このため、マイクロ波加熱炉の最大の利点である短時間焼成を行おうとすると、アルミナ粉末成形体と周囲雰囲気温度との間に大きな温度差が生じて、アルミナ粉末成形体に亀裂が発生し、短時間焼成ができない。また、炭化珪素セラミックスは、酸化雰囲気における高温(1700℃付近)下では、酸化消耗が著しく使用不能となる欠点を有している。
【0009】
そこで、本願発明者は、低温域でもマイクロ波の吸収能が高く被焼成物の焼成開始までの加熱が可能で、かつマイクロ波加熱炉にて短時間で良好に焼成可能とするマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物を鋭意研究した結果、本発明を見い出すに至った。
【0010】
すなわち、本発明の課題は、低温域でもマイクロ波の吸収能が高く、被焼成物と略同一温度を保って昇温し、被焼成物に亀裂や爆裂を生起させることもなく、かつ短時間で良好にセラミックス製品を焼成可能とするマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物およびそれを備えたマイクロ波加熱炉を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するものは、マイクロ波加熱炉における焼成に際して被焼成物を囲むために使用されるマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物であって、誘電損率(ε・tanδ)が500℃で0.1以上であることを特徴とするマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物である。
【0012】
前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、誘電損率(ε・tanδ)が1000℃で0.2以上であることが好ましい。前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、粒度が6〜1mmの大きさのアルミナ粒子を5〜90重量%含有していることが好ましい。前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、アルミナ含有量が95重量%以上であることが好ましい。前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、Na0を0.1〜1.0重量%含有していることが好ましい。前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化鉄、ジルコニア、イットリアの中から選択使用されたものの合量が98重量%以上であることが好ましい。
【0013】
また、上記課題を解決するものは、前記請求項1ないし6のいずれかに記載のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物を、焼成室の構成材として使用したことを特徴とするマイクロ波加熱炉である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、マイクロ波加熱炉における焼成に際して被焼成物を囲むために使用されるマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物であって、誘電損率(ε・tanδ)が500℃で0.1以上であることを特徴とするマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物である。以下、詳述する。
【0015】
本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、マイクロ波加熱炉における焼成に際して使用されるものであり、具体的には、マイクロ波加熱炉の焼成室内において被焼成物を囲むために使用される。被焼成物を囲むとは、被焼成物の外面を包囲することをいい、好ましくは被焼成物の外面すべてを包囲することであり、包囲する形態は限定されずどのような態様でもよい。
【0016】
本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、誘電損率(ε・tanδ)が500℃で0.1以上となるように製造されている。これにより、低温域でもマイクロ波の吸収能が高くなってマイクロ波を吸収して発熱するため、被焼成物(例えばアルミナ粉末成形体)と周囲雰囲気の温度差が生じず、被焼成物に亀裂が発生したり、爆裂することもなく、被焼成物の焼成開始までの加熱が可能となる。
【0017】
また、本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、1000℃における誘電損率(ε・tanδ)が0.2以上であることが好ましい。これにより、被焼成物が焼成する中高温域においても、バインダーが消失した被焼成物とほぼ同等のマイクロ波吸収能を有することとなり、被焼成物と同様に発熱昇温し、焼成過程の熱損失を補うこともでき、マイクロ波加熱炉の最大の利点である短時間焼成が可能となる。
【0018】
上記の誘電損率(ε・tanδ)を備えるマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、粒度が6〜1mmの大きさのアルミナ粒子を5〜90重量%、より好ましく10〜70重量%含有したアルミナ原料を用いて製造することにより得ることができる。粒度が6〜1mmの大きさのアルミナ粒子がマイクロ波吸収能が高いからであり、粒度が6〜1mmの大きさのアルミナ粒子が5重量%未満になると、厚さによっては上記誘電損率を有するアルミナ質耐火物の製造が困難となるからであり、粒度が6〜1mmの大きさのアルミナ粒子が、70重量%を越えるとアルミナ質耐火物としての製造が困難となり、特に90重量%を越えると、アルミナ質耐火物としての製造が不能となるからである。
【0019】
アルミナ粒子としては、焼成アルミナに比してアルミナ結晶が大きい電融アルミナが、マイクロ波吸収能が高く好適である。
【0020】
また、マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、アルミナ含有量95重量%以上であることが好ましい。アルミナ含有量が95重量%未満である場合は、マイクロ波吸収能と耐熱性が著しく低下するからである。より好ましくは、アルミナ含有量が99重量%以上のアルミナ粒子をアルミナ原料として使用することが好適である。
【0021】
また、粒度が6〜1mmの大きさのアルミナ粒子を5〜90重量%含有し、アルミナ含有量が95重量%以上のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、1700℃でも割れたり変形することなく使用することができる。
【0022】
マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、Na0を0.1〜1.0重量%含有していることが好ましい。Na0の含有量が0.1重量%未満であると、低温域でのマイクロ波吸収能が著しく低下するためであり、1.0重量%を越えると、高温域で耐火物中に軟化する鉱物が多くなり、1700℃以上での使用が不能となるからである。
【0023】
さらに、マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化鉄、ジルコニア、イットリアの中から選択使用されたものの合量が98重量%以上であることが好ましい。これにより、マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物として要求されるマイクロ波吸収能と耐熱性とを合わせ持つアルミナ質耐火物となる。なお、本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、酸化物セラミックスを焼成する際に広く使用可能であり、被焼成物がアルミナ粉末成形体である場合のみならず、例えば、ジルコニア粉末成形体、フェライト粉末成形体、アルミナ・シリカ耐火物成形体、PZT成形体などの焼成に際しても好適に使用できる。
【0024】
(具体的実施例)
つぎに、本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物の具体的実施例についてその製造方法と共に説明する。
まず、表1の成分値を示すアルミナ原料(電融アルミナまたは焼結アルミナ)であって、粒度の異なるアルミナ粒子を表2(電融アルミナを使用した実施例1〜4および比較例1)または表3(焼結アルミナを使用した実施例5,6)のように調合した。
【0025】
粘結剤としてクリームデキストリンを0.2重量%、水を3重量%添加し、アイリッヒミキサーにより充分に微粉末が粒子の周囲に付着するように混合、混練を行った。
【0026】
得られた混練物を、油圧プレスにより成形圧力98MPaにて230×114×65mmの寸法に成形した。
【0027】
上記成形体を自然乾燥1日、110℃の強制乾燥を1日行った後、1750℃で3時間焼成して、本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物の実施例(1〜6)と、同様な方法にて作製した比較例(1)を得た。
【0028】
粒度が6〜1mmの大きさのアルミナ粒子を10〜70重量%含有した実施例1ないし6のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、表2または表3に示すように、誘電損率(ε・tanδ)が500℃で0.1以上を示し、かつ1000℃で0.2以上を示した。
【0029】
他方、粒度が6〜1mmの大きさのアルミナ粒子を含有しない比較例1のアルミナ質耐火物は、誘電損率(ε・tanδ)が500℃で0.1未満(0.03)、1000℃で0.2未満(0.11)であった。
【0030】
【表1】
Figure 2004002118
【0031】
【表2】
Figure 2004002118
【0032】
【表3】
Figure 2004002118
【0033】
(試験)
上記表2および3に示した各実施例(1〜6)のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物を、マイクロ波加熱炉内において、バインダーを含むアルミナ粉末成形体を囲むようにして設置し焼成したところ、低温域における脱バインダーもスムースに行うことができ、被焼成物に亀裂が発生することもなく、さらに従来の外部加熱方式に比べ、焼成時間を1/2〜1/3に短縮することができ、極めて良好な焼成が実現した。他方、比較例1を同様に設置して被焼成物を焼成したところ、被焼成物に亀裂が発生した。
【0034】
つぎに、本発明のマイクロ波加熱炉について、図1に示した一実施例を用いて説明する。図1は本発明のマイクロ波加熱炉の一実施例の縦断面図である。
【0035】
マイクロ波加熱炉10は、前述したマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1が焼成室16の構成材として使用されているものである。マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1の詳細について前述した通りであり説明を省略する。
【0036】
マイクロ波加熱炉10は、キャビティ11と、マイクロ波発生手段12と、キャビティ11とマイクロ波発生手段12とを連通する導波管13と、撹拌羽根14と、隔壁15と、隔壁15の内側に配置されマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1にて形成された長方体とを有している。以下、マイクロ波加熱炉10の各構成について順次詳述する。
【0037】
キャビティ11は、少なくとも内面がマイクロ波を反射可能な材料、例えばステンレス材にて形成されている。
【0038】
マイクロ波発生手段12は、マイクロ波を出力するためのものであり、マイクロ波発振器からなる。マイクロ波発振器から出力されるマイクロ波の周波数は、好ましくは0.9〜100GHzであり、より好ましくは、安価なマイクロ波発振器を使用できる2.45GHzである。
【0039】
マイクロ波発生手段12から出力されるマイクロ波は、マイクロ波発生手段12とキャビティ11とを連通する導波管13を介してキャビティ11内に照射される。
【0040】
キャビティ11内へ照射されたマイクロ波は、撹拌羽根14により分散され、キャビティ11の内面にて多重反射しながら、断熱材にて形成された隔壁15を透過して焼成室16内に入射するように構成されている。
【0041】
焼成室16は、所要形態に成形された被焼成物20を焼成または焼結するために、マイクロ波加熱炉10内に配置されるものであり、隔壁15によってキャビティ11内に区画構成されている。
【0042】
そして、隔壁15の内側には、図1に示すように、マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1にて被焼成物20を囲むことができるように、マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1にて形成された長方体(直方体)が配置されている。このように、マイクロ波加熱炉10は、予め隔壁15内に本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1にて形成された長方体が配置され、被焼成物20を囲むことができるように構成されているため、被焼成物20に亀裂や爆裂を生起させることなく、かつ短時間で良好に被焼成物を焼成させることができる。また、被焼成物20を焼成室16内に配置する度毎に、被焼成物20をマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1にて囲む手間を省くことができる。
【0043】
なお、この実施例では、隔壁15と本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1との間には、間隙空間17が設けられている。これは、マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1がマイクロ波を吸収して発熱し隔壁15と反応することを防止するためである。隔壁15を構成する断熱材が十分に高温に耐え得るものであれば間隙空間は不要であるが、隔壁15とマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1とは5〜10mm程度離間して間隙空間17が設けられていることがより好ましい。また、この実施例の焼成室16は、隔壁15を形成する断熱材(例えば断熱ボード等)と、本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1にて形成された長方体とから構成されているが、このような焼成室16の構造に限定されるものではなく、例えばマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1のみにて焼成室16が構成されたもの、或いは隔壁15の内張材としてマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1が隔壁15に接触して配置されたもの、長方体ではなく他の形態(例えば筒状体)に構成されたものなど、焼成室の構成材として、本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物が使用され、焼成に際して被焼成物をマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物にて囲むことができる構造のものは、広く本発明のマイクロ波加熱炉の範疇に包含される。
【0044】
(具体的実施例)
表2に示した実施例3のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物を、厚み12〜13mmの板状体に成形し、この板状体を組み合わせて長方体(正面部、背面部、右側面部、左側面部、上面部および下面部からなる六面体)を構成し、図1に示すように、隔壁15の内側に配置した。
【0045】
(試験)
このマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物1により形成された長方体の中に、80×80×80mmのアルミナ粉末成形体(被焼成物)20を配して焼成したところ、脱バインダーもスムースに行うことができ、被焼成物に亀裂が発生することもなく、さらに従来の外部加熱方式に比べ、焼成時間を1/2〜1/3に短縮することもでき、緻密で良好なアルミナ焼成体を得ることができた。
【0046】
【発明の効果】
請求項1および2に記載した発明によれば、マイクロ波加熱炉におけるセラミックス製品の焼成に際して、被焼成物に亀裂や爆裂を生起させることがなく、短時間で良好な焼成が可能となる。
請求項3に記載した発明によれば、上記請求項1および請求項2に記載した発明を容易に作製できる。
請求項4に記載した発明によれば、上記請求項1ないし請求項3の発明の効果に加え、よりマイクロ波吸収能と耐熱性に優れたマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物となる。
請求項5に記載した発明によれば、上記請求項1ないし請求項4の発明の効果に加え、低温域におけるマイクロ波吸収能の低下を抑制すると共に、高温域における耐火物中の鉱物の軟化を抑制することができる。
請求項6に記載した発明によれば、上記請求項1ないし請求項5の発明の効果に加え、マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物として要求されるマイクロ波吸収能と耐熱性とを合わせ持つマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物が作製できる。
請求項7に記載した発明によれば、上記請求項1ないし6の発明の効果に加え、被焼成物を焼成室内に配置する度毎に、被焼成物をマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物にて囲む手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物の一使用例を説明するための説明図であり、本発明のマイクロ波加熱炉の縦断面図である。
【符号の説明】
1 マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物
10 マイクロ波加熱炉
11 キャビティ
12 マイクロ波発生手段
13 導波管
14 撹拌羽根
15 隔壁
16 焼成室
17 間隙空間

Claims (7)

  1. マイクロ波加熱炉における焼成に際して被焼成物を囲むために使用されるマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物であって、誘電損率(ε・tanδ)が500℃で0.1以上であることを特徴とするマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物。
  2. 前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、誘電損率(ε・tanδ)が1000℃で0.2以上である請求項1に記載のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物。
  3. 前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、粒度が6〜1mmの大きさのアルミナ粒子を5〜90重量%含有している請求項1または2に記載のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物。
  4. 前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、アルミナ含有量が95重量%以上である請求項1ないし3のいずれかに記載のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物。
  5. 前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、Na0を0.1〜1.0重量%含有している請求項1ないし4のいずれかに記載のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物。
  6. 前記マイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物は、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化鉄、ジルコニア、イットリアの中から選択使用されたものの合量が98重量%以上である請求項1ないし5のいずれかに記載のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれかに記載のマイクロ波加熱炉用アルミナ質耐火物を、焼成室の構成材として使用したことを特徴とするマイクロ波加熱炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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