JP4630111B2 - 耐火物、その製造方法、および、加熱炉 - Google Patents

耐火物、その製造方法、および、加熱炉 Download PDF

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Description

本発明は、トリジマイト相を主要鉱物相とした耐火物およびその製造方法ならびにトリジマイト相を主要鉱物相とした耐火物を用いた加熱炉に関する。
従来、例えば陶磁器材料やファインセラミックス材料などの被焼成体を焼成する焼成炉として、マイクロ波を利用する構成が知られている。このようなマイクロ波を利用する焼成炉として、マイクロ波透過性を有する断熱壁にて焼成室を区画し、この焼成室内に配設した被焼成体に断熱壁を介してマイクロ波を照射して加熱する構成が採られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のものは、ステンレス鋼にて形成されマイクロ波発振器で発生したマイクロ波を導入する導波管が接続された炉壁内に、断熱壁にて両端が開口するトンネル窯状の焼成室を区画する炉室を配設している。断熱壁は、アルミナファイバーや発泡アルミナなどを材料として形成されている。
特開2002−130955号公報(第3頁左欄−第4頁左欄)
しかしながら、上記特許文献1に記載のような従来の焼成炉では、アルミナ系の断熱壁にて区画される焼成室を区画する炉室にマイクロ波を照射して被焼成体を加熱処理するので、アルミナ系の断熱壁によりマイクロ波がある程度吸収されてしまい、十分な加熱効率が得られ難い。一方、シリカ(SiO2)がマイクロ波を良好に透過することが知られている。しかしながら、シリカを含有する例えば石英ガラスでは1200℃で結晶化が始まってマイクロ波を吸収してしまい加熱雰囲気では利用しにくい。また、珪石れんがなどでは加熱により相転移による異常体積膨張を生じて亀裂が発生するなどの損傷を生じるおそれがある。これらのことから、より効率よくマイクロ波を被焼成体に照射して効率的に加熱処理できる構成が臨まれている。
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、マイクロ波を効率よく透過する熱安定性および強度が高い耐火物、その製造方法および加熱炉を提供する。
(1)本発明の耐火物は、トリジマイト相が65質量%以上で、非晶質相が30質量%未満を主要鉱物相とし、見掛け気孔率が50%以上90%以下であり、圧縮強さが4.0MPa以上であることを特徴とする。
(2)本発明では、残部の鉱物相が、クオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方である構成とすることが好ましい。
(3)本発明では、前記クオーツ相は、10質量%未満であり、かつ、前記クリストバライト相は、10質量%未満である構成とすることが好ましい。
(4)本発明の耐火物の製造方法は、トリジマイト相が70質量%以上で非晶質相が30質量%未満を主要鉱物相とした珪石耐火物屑を主要原料とし、ポルトランドセメントを2質量%以上5質量%以下、フュームドシリカを8質量%以上22質量%以下で配合して配合原料を調製し、この調製した配合原料に気孔付与剤を、配合原料100質量%に対して0.1質量%以上0.5質量%以下で添加するとともに水を添加し混練して混練物を調製し、この調製した混練物を成形して成形物を形成し、この形成した成形物をマイクロ波を用いて乾燥することを特徴とする。
(5)本発明では、前記珪石耐火物屑は、使用後珪石耐火物および焼成後の珪石耐火物規格外品のうちの少なくともいずれか一方である構成とすることが好ましい。
)本発明では、前記珪石耐火物屑は、残部の鉱物相がクオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方である構成とすることが好ましい。
)本発明では、前記珪石耐火物屑は、前記クオーツ相が10質量%未満であり、かつ、前記クリストバライト相が10質量%未満である構成とすることが好ましい。
)本発明では、前記気孔付与剤は、可燃性物質、昇華性物質および発泡性界面活性剤のうちの少なくともいずれか1つである構成とすることが好ましい。
)本発明では、前記混練物は、前記配合原料100質量%に対して5質量%以上15質量%以下の水を添加して混練し調製する構成とすることが好ましい。
10)本発明では、前記成形物は、前記混練物を、流し込み成形、振動成形、加圧成形、および加圧振動成形のうちのいずれか1つの成形方法により成形する構成とすることが好ましい。
11)本発明では、前記成形物のマイクロ波を用いた乾燥は、前記成形物1t当たり6kW以上20kW以下の出力でマイクロ波を照射する構成とすることが好ましい。
12)本発明では、前記成形物のマイクロ波を用いた乾燥は、熱風送風環境下または減圧環境下で前記成形物に前記マイクロ波を照射する構成とすることが好ましい。
13)本発明では、前記成形物をマイクロ波を用いて乾燥した乾燥物を、1200℃以上で加熱処理する構成とすることが好ましい。
14)本発明の加熱炉は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の耐火物、または、請求項4ないし請求項13のいずれかに記載の耐火物の製造方法により製造された耐火物により、内部に被加熱物を加熱する加熱室を区画形成する炉本体と、この炉本体にマイクロ波を照射して前記被加熱物を加熱させるマイクロ波発生手段と、を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、圧縮強さおよび断熱性がアルミナ系断熱材と同等以上で、マイクロ波の透過性を向上でき、例えばマイクロ波にて被加熱物を加熱処理する窯炉に利用した際、効率的な加熱処理が長期間安定して得ることができる。
以下、本発明の耐火物における実施の形態について説明する。本実施の形態では、アルミナ断熱れんがの対応品としてトリジマイト相を主要鉱物とする耐火物(以下、トリジマイト断熱耐火物と称する。)を説明するが、アルミナ断熱れんがの用途となるマイクロ波加熱炉など、用途が限られるものではなく、いずれの窯炉や建造物などの構造物に利用することができる。また、本実施の形態では、マイクロ波により陶磁器やセラミックスなどの被加熱物を乾燥、あるいは焼成する加熱炉としてのマイクロ波加熱炉に用いるトリジマイト断熱耐火物として説明するが、乾燥および焼成の双方が実施できる加熱炉、さらには陶磁器やセラミックスなどに限らず、例えば食料品を乾燥・焼成する加熱炉など、いずれの被加熱物を対象とした加熱炉にも適用できる。
〔トリジマイト断熱耐火物の構成〕
(トリジマイト断熱耐火物の組成)
トリジマイト断熱耐火物は、主要鉱物相がトリジマイト相65質量%以上、非晶質相30質量%未満で、見掛け気孔率が50%以上90%以下で、圧縮強さが4.0MPa以上である。このトリジマイト断熱耐火物は、焼成した焼成品および未焼成すなわち乾燥品の双方の形態で提供され、例えばマイクロ波により陶磁器やセラミックスなどの被加熱物を乾燥、あるいは焼成する加熱炉としての窯炉であるマイクロ波加熱炉に利用される。
そして、トリジマイト断熱耐火物は、主要鉱物相として、トリジマイト相が65質量%以上、特にトリジマイト相が多いほどよい。このように、トリジマイト相を主要鉱物相としていることから、圧縮強さおよび断熱性がアルミナ系断熱材と同等以上で、マイクロ波の透過性が高い特性が得られ、マイクロ波加熱炉に利用した際に効率よくマイクロ波による加熱処理が得られるとともに、製造時や搬送時、施工時などで亀裂や角欠けなどが生じにくく、製造効率の向上が得られる。また、焼成時やマイクロ波加熱炉に利用した際に熱が加わった場合でも、相転移に伴う異常体積膨張を生じず、異常体積膨張による亀裂などの損傷の発生が防止され、また成形後の寸法と焼成後の寸法とに大差が生じず、歩留まりが向上し、製造効率や窯炉の操業効率が向上する。なお、トリジマイト相が65質量%未満となると、不純物の割合が増大して、例えばクリープ特性が低下するなどの問題が生じ、良好な耐火物特性が得られなくなる。さらに、トリジマイト相の割合が低減し、マイクロ波の透過性が低減し、マイクロ波による効率的な加熱処理が得られなくなる。また、例えば珪石れんがのような高温雰囲気での機械的強度が大きく、熱膨張数が極めて小さく、構造的スポーリングが生じにくく、荷重軟化点が高いなどの良好な特性が得られなくなり、操業効率の向上、例えば安定した操業の延長が望めなくなる。したがって、主要鉱物相としてトリジマイト相を65質量%以上に設定する。
また、トリジマイト断熱耐火物は、主要鉱物相として、非晶質相が30質量%未満であることから、良好なクリープ特性などの特性が得られ、マイクロ波加熱炉に利用した際にクリープ変形が生じにくく長期間安定した特性が得られ、窯炉操業の延長化が容易に得られ、操業効率が向上する。なお、非晶質相が30質量%以上となると、例えばクリープ特性が低下するなどの問題が生じるなど、良好な耐火物特性が得られなくなる。このため、主要鉱物相として非晶質相を30質量%以下に設定する。
さらに、トリジマイト断熱耐火物は、残部の鉱物相がクオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方である。特に、クオーツ相が10質量%未満で、かつ、クリストバライト相が10質量%未満、好ましくはクオーツ相およびクリストバライト相が合計で10質量%未満である。このため、異常体積膨張の発生を抑えつつ、クオーツ相およびクリストバライト相による良好なマイクロ波の透過性が得られ、効率的なマイクロ波による加熱処理が得られるとともに、マイクロ波加熱炉に利用した際の熱負荷でも長期間安定した特性が得られる。なお、クオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方が10質量%以上となると、焼成時やマイクロ波加熱炉に利用した際の熱負荷で異常体積膨張が生じやすくなり、異常体積膨張による亀裂などの損傷が生じやすくなり、製造効率の向上や長期間の安定した特性が得られにくくなる。このため、残部の鉱物相を構成するクオーツ相およびクリストバライト相をそれぞれ10質量%未満に設定する。
そして、トリジマイト断熱耐火物は、見掛け気孔率が50%以上90%以下であることから、アルミナ断熱れんがなどと同等の断熱性で高いマイクロ波の透過性が得られる。なお、見掛け気孔率が50%未満では、断熱特性が低下し、マイクロ波加熱炉に用いた際に放熱割合が増大して加熱効率が低下し、効率よく加熱処理できなくなる。一方、見掛け気孔率が90%を越えると、圧縮強さが低下し、製造時や搬送時あるいは施工時などで亀裂や角欠けなどの損傷が生じやすくなり、製造性や搬送性、施工性などの向上が図れず、製造効率の向上が得られなくなる。このため、見掛け気孔率を50%以上90%以下に設定する。
また、トリジマイト断熱耐火物は、圧縮強さが4.0MPa以上であることから、アルミナ断熱れんがなどと同等の圧縮強さで、搬送時や施工時などに亀裂などが生じにくく、製造効率の向上が得られる。なお、圧縮強さが4.0MPa未満となると、圧縮強さやクリープ特性などが低下し、長期間安定した特性や製造効率の向上が得られなくなる。このため、圧縮強さを4.0MPa以上に設定する。
(トリジマイト断熱耐火物の製造方法)
次に、上記トリジマイト断熱耐火物の製造方法について説明する。
原料として、珪石耐火物屑を主要原料とする。ここで、珪石耐火物屑は、使用後珪石耐火物および焼成後の珪石耐火物規格外品のうちの少なくともいずれか一方が用いられる。特に、主要鉱物相がトリジマイト相70質量%以上で非晶質相30質量%未満のものである。この珪石耐火物屑は、適宜粉砕され、例えば粒径がタイラメッシュ(Tyler mesh)で325メッシュ(JIS篩い目開きが45μm)以上5mm以下で、粒度分布が連続的となる状態に粒度を調製したものである。
そして、使用後珪石耐火物および焼成後の珪石耐火物規格外品のうちの少なくともいずれか一方、特に主要鉱物相がトリジマイト相70質量%以上で非晶質相30質量%未満のものを用いるので、製造されるトリジマイト断熱耐火物の主要鉱物相がトリジマイト相65質量%以上で非晶質相30質量%未満となる。このことにより、上述したように、圧縮強さおよび断熱性がアルミナ系断熱材と同等以上でマイクロ波の透過性が高い特性が得られ、効率よくマイクロ波による加熱処理が得られるとともに、製造時や搬送時、施工時などで亀裂や角欠けなどが生じにくく、製造効率の向上が得られる。また、異常体積膨張が生じず、製造効率の向上や操業効率などの利用効率の向上が得られる。なお、使用後珪石耐火物および焼成後の珪石耐火物規格外品のうちの少なくともいずれか一方を用いない、特に主要鉱物相がトリジマイト相70質量%未満となると、製造されるトリジマイト断熱耐火物のトリジマイト相65質量%未満、非晶質相30質量%以上となり、上述したように、良好な特性が得られなくなり、製造効率の向上や操業効率の向上などが望めなくなる。このため、使用後珪石耐火物および焼成後の珪石耐火物規格外品のうちの少なくともいずれか一方、特に主要鉱物相がトリジマイト相70質量%以上で非晶質相30質量%未満のものを主要原料に用いる。
また、主要原料の珪石耐火物屑は、残部の鉱物相がクオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方である。特に、クオーツ相が10質量%未満で、クリストバライト相が10質量%未満、好ましくはクオーツ相およびクリストバライト相が合計で10質量%未満である。このため、製造されるトリジマイト断熱耐火物の残部の鉱物相が、クオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方、特に、クオーツ相が10質量%未満、クリストバライト相が10質量%未満、好ましくはクオーツ相およびクリストバライト相が合計で10質量%未満となり、異常体積膨張の発生を抑えることができる。
さらに、原料として、ポルトランドセメントおよびフュームドシリカを用いる。すなわち、トリジマイト断熱耐火物の製造に際して、ポルトランドセメントを2質量%以上5質量%以下、フュームドシリカを8質量%以上22質量%以下、残部が使用後珪石耐火物および焼成後の珪石耐火物規格外品のうちの少なくともいずれか一方、特に主要鉱物相がトリジマイト相70質量%以上で非晶質相30質量%未満の粒度調製された珪石耐火物屑となる条件で配合し、配合原料を調製する配合原料調製工程を実施する。
原料として、ポルトランドセメントを2質量%以上5質量%以下で配合するので、カルシウムシリケート(CaO−SiO2)成分系であることから、珪石耐火物屑の二酸化珪素(SiO2)すなわちシリカ成分と反応し、アルミニウム・カルシウムシリケート(CaO−Al23−SiO2)系の低融点物を生成するアルミナ成分が含まれていない。このため、例えばマイクロ波加熱炉、特に比較的に高い加熱温度となる加熱炉に利用した際でも長期間安定した特性が得られ、マイクロ波加熱炉の操業効率などの利用効率が向上するとともに、成形後の強度が得られ、製造性や搬送性、施工性などが向上し、製造時や搬送時、施工時などに損傷して歩留まりが低下するなどの不都合がなく、製造効率が向上する。また、フュームドシリカを8質量%以上22質量%以下で配合するので、粒径が1μm以下であることから、成形時に粒子間が充填されて緻密化して強度が増大するとともに、焼成やマイクロ波加熱炉に利用した際の初期の加熱により粒子間が結合され、長期間安定した特性が得られ、マイクロ波加熱炉の操業効率などの利用効率が向上する。さらに、ポルトランドセメントと反応して珪石耐火物屑との付着性が良好なカルシウムシリケート水和物を生成するポゾラン反応が生じて強度が向上し、製造性や搬送性、施工性が向上し、製造効率が向上する。
なお、ポルトランドセメントが2質量%未満では、成形後の十分な強度が得られず、製造時や搬送時、施工時などの取扱時に損傷し、製造性や搬送性、施工性などの向上が図れず、製造効率や搬送効率、施工効率などである利用効率の向上が得られなくなる。一方、ポルトランドセメントが5質量%を越えると、凝結・硬化時の収縮が大きくなり、亀裂が発生して歩留まりが低下し、製造効率の向上が得られなくなる。このため、ポルトランドセメントを2質量%以上5質量%以下で配合する。さらに、フュームドシリカが8質量%未満では、カルシウムシリケート水和物の生成量が少なくなり、十分な強度が得られなくなり、製造時や搬送時、施工時などの取扱時に損傷し、製造性や搬送性、施工性などの向上が図れず、製造効率や搬送効率、施工効率などである利用効率の向上が得られなくなる。一方、フュームドシリカが22質量%を越えると、フュームドシリカの保水性により混練時に添加する水の量が増加し、フュームドシリカが表面上に浮き上がるような原料の分離現象が生じ、乾燥後に表面に微細な亀裂が発生するなど歩留まりが低下するとともに、原料の分離現象を生じる混練物を成形した成形物を乾燥して得られた乾燥物やこの乾燥物を焼成した焼成品の組成が不均一となり、良好な特性が得られなくなり、良好な操業効率の向上が得られなくなる。このため、フュームドシリカを8質量%以上22質量%以下で配合する。
また、配合原料としては、主要原料である珪石耐火物屑の一部を、10質量%以下の配合割合で、珪石および溶融シリカのうちの少なくともいずれか一方に置換して配合し調製してもよい。このことにより、例えば使用後珪石耐火物屑に付着あるいは侵入する雰囲気ガスなどの不純物による特性の低下などが防止されるとともに、焼成時やマイクロ波加熱炉に利用した際の熱負荷による異常体積膨張などの体積変化による影響が生じない程度に添加される珪石や溶融シリカの石英質分により、マイクロ波の透過性が向上するとともに、粒子間結合や緻密化などによる強度の向上やさらなる長期間安定した特性などが得られる。なお、置換する珪石および溶融シリカのうちの少なくともいずれか一方が配合割合で10質量%を越えると、クオーツ相の増加により、焼成時やマイクロ波加熱炉に利用した際の熱負荷で異常体積膨張が生じやすくなり、異常体積膨張による亀裂などの損傷が生じやすくなり、製造効率の向上や長期間の安定した特性が得られにくくなる。このため、置換する場合には、珪石および溶融シリカのうちの少なくとも一方を配合割合で10質量%以下に設定する。
そして、トリジマイト断熱耐火物の製造では、配合原料調製工程の後、この配合原料調製工程で調製した配合原料に、気孔付与剤とともに水を添加し混練して混練物を調製する混練工程を実施する。この混練工程において、利用される混練装置としては、バッチ式、連続式など各種装置構成のものが利用可能である。そして、気孔付与剤としては、例えば、可燃性物質、昇華性物質および発泡性界面活性剤のうちの少なくともいずれか1つが用いられる。具体的には、可燃性物質として、ビニロン、おがくず、パルプ、紙、セルロース、ゴム、マイクロカプセルなどが例示できる。そして、昇華性物質としては、ナフタレンや樟脳などが例示できる。また、発泡性界面活性剤としては、例えばコンクリート用空気連行剤など、メラミン系、アミノスルホン酸、ナフタレン系、ポリカルボン酸系などが例示できる。なお、これらに限らず、常温では形状が維持されて後述する成形工程では残留し、後述する乾燥工程や焼成工程における加熱により消失するいずれの材質のものが利用できる。また、トリジマイト断熱耐火物を乾燥品として提供したり、マイクロ波加熱炉が乾燥炉などのあまり高い温度が作用しない場合には、おがくず、パルプ、紙、セルロース、ゴムなどの加熱により焼失する材質ではなく、昇華性物質やビニロン、発泡性界面活性剤など、乾燥程度の低い温度でも消失する材質のものを利用することが好ましい。そして、この気孔付与剤は、配合原料100質量%に対して、0.1質量%以上0.5質量%以下で添加される。なお、水と略同時に添加される場合のみならず、配合原料と配合して攪拌混合した後に水を添加したり、各原料を配合する際に合わせて配合して攪拌混合したり、水を添加した後に気孔付与剤を添加して混練するなどしてもよい。
また、水の添加は、配合原料100質量%に対して5質量%以上15質量%以下の水を添加して混練し調製することが好ましい。このことにより、配合原料が略均一な組成に混練されるとともに、乾燥エネルギの増大の防止や見掛け気孔率の増大の防止が得られ、良好な特性の耐火物を効率的に製造できる。ここで、水の添加量が5質量%未満では、混練中にだまが生じるなど、配合原料を略均一な組成に混練することが困難となり、混練時間が長くなるなどの不都合が生じるとともに成形性が低下する。さらに、ポルトランドセメントによるカルシウムシリケート水和物の生成が不十分となり、十分な強度が得られにくくなる。一方、水の添加量が15質量%を越えると、フュームドシリカが表面上に浮き上がるような原料の分離現象が生じ、乾燥後に表面に微細な亀裂が発生するなど歩留まりが低下するとともに、原料の分離現象を生じる混練物を成形した成形物の組成が不均一となり、良好な特性が得られにくくなる。このため、水の添加量を5質量%以上15質量%以下に設定する。
また、トリジマイト断熱耐火物の製造では、混練工程の後、この混練工程で調製した混練物を成形していわゆるグリーンボディである成形物としての固化体を形成する成形工程を実施する。この成形工程では、例えば、流し込み成形、振動成形、加圧成形、および加圧振動成形のうちのいずれか1つの成形方法により混練物を成形して成形物である固化体を形成することが好ましい。このような成形方法とすることにより、成形時に良好に緻密充填されて強度が向上するとともに、焼成や窯炉に利用した際の初期の加熱により粒子間結合が良好に得られ、4.0MPa以上の圧縮強さとなる所望の形状の耐火物が容易に得られる。ここで、流し込み成形、振動成形、加圧成形、および加圧振動成形以外の成形方法では、例えば、いわゆる冷間等方圧加圧成形法(Cold Isostatic Pressing:C.I.P.)では成形物が得られるものの、ニアネット成形すなわち製品寸法に近い形状に成形することが困難で、製品寸法に調整するための加工が必要となり、製造コストの増大や生産性の向上などの不都合を生じるおそれがある。このことにより、流し込み成形、振動成形、加圧成形、および加圧振動成形のうちのいずれか1つの方法で成形することが好ましい。なお、減圧下で成形することにより、より緻密化して強度の向上が得られ、より好ましい。
さらに、トリジマイト断熱耐火物の製造では、成形工程の後、この成形工程で形成した固化体をマイクロ波を用いて乾燥して乾燥物すなわち未焼成の乾燥品を製造する乾燥工程を実施する。この乾燥工程において、乾燥炉としては、バッチ式、連続式など、マイクロ波を発生して乾燥可能ないずれの装置構成が利用可能である。また、マイクロ波としては、例えば8MHz以上6GHz以下、特に広く利用され技術確立された2.45GHzの周波数領域で照射する。そして、乾燥工程では、固化体1t当たり6kW以上20kW以下の出力でマイクロ波を成形物に照射して乾燥する。このことにより、固化体の内部まで略均一に十分加熱され、緻密な固化体でも亀裂などを生じることなく内部まで略均一に乾燥できる。ここで、マイクロ波の出力が固化体1t当たり6kWより低くなると、成形体の温度が内部まで100℃以上に昇温されず、十分に乾燥するまでの乾燥時間が長くなり、効率的な製造が図れなくなる。一方、マイクロ波の出力が固化体1t当たり20kWを越えると、固化体が急激に加熱されることとなり、内部の水が急激に水蒸気化することによる亀裂の発生を生じるおそれがある。このため、マイクロ波の出力を固化体1t当たり6kW以上20kW以下に設定することが好ましい。なお、乾燥工程において、熱風送風環境下または減圧環境下でマイクロ波を照射してもよい。このように、熱風送風乾燥または減圧乾燥を組み合わせることにより、効率よく乾燥され、乾燥時間が短くなり、製造効率が向上する。
また、トリジマイト断熱耐火物の製造では、乾燥工程の後、得られた乾燥物を焼成して焼成品を製造する焼成工程を実施してもよい。この焼成工程において、焼成炉としては、バッチ式や連続式など、各種焼成炉を利用することができる。そして、焼成工程では、乾燥物を1200℃以上、好ましくは1400℃以上1470℃以下で加熱処理する。このことにより、原料のフュームドシリカに起因する液相焼結が進行し、乾燥品より高強度が得られるとともにクリープ特性が向上し、長期間安定した特性が得られる。
〔トリジマイト断熱耐火物の作用〕
次に、上記実施の形態のトリジマイト断熱耐火物の作用として、各種組成のトリジマイト断熱耐火物を比較例として形成したものと、特性を比較する実験について説明する。実験としては、実験試料の製造時における製造状況の観察実験、圧縮強度の比較実験、および、マイクロ波の透過性実験を実施した。
(実験試料)
実験試料の製造時における製造状況の観察実験として、各種原料を用いて適宜配合し、混練時、成形時、乾燥時、焼成時で、各配合における製造性について観察した。本発明のトリジマイト断熱耐火物に対応する実施例に対して比較する比較例として、従来マイクロ波加熱炉に利用されている日の丸窯業株式会社製のアルミナ断熱れんがも対象とし従来例として比較した。
なお、原料として、珪石耐火物屑である珪石れんが屑としては、実際にコークス炉で1000℃〜1200℃の温度で約30年間使用されたものを用いた。また、珪石としては、中国産山西省五台山産のものを用いた。さらに、溶融シリカとしては、国産の破砕シリカを用いた。ポルトランドセメントとしては、国産の中庸熱タイプのものを用いた。フュームドシリカとしては、国産のものを用いた。そして、実験試料としては、以下の表1および表2に示す原料を適宜配合して製造した。なお、珪石れんが屑および実験試料の鉱物相の定量分析は、マックサイエンス社製のX線回折装置を用いて、内部標準法により測定した。
また、製造に際して、株式会社ダルトン製の万能混練機を用い、水の添加量を適宜変更して混練した。さらに、固化体の成形では、エクセン株式会社製の振動成形機を用い、振動数75Hz、振動加速度3G(SI単位:29.4m/sec2)、振動時間5分の条件で、1辺が200mmの直方体形状に成形した。そして、固化体の乾燥では、新日本無線株式会社製のマイクロ波発振装置を利用した乾燥機を用い、300℃の熱風を100Nm3/hrの風量で乾燥室内に送風しつつ、周波数が2.45GHzのマイクロ波を1t当たりに10kWで異なる出力条件で照射して乾燥した。また、焼成は、電気式焼成炉を用い、各焼成条件で焼成した。そして、実験試料としては、以下の表1ないし表2に示す製造条件で製造した。また、製造した各実験試料については、JIS−R−2205に基づいて、見掛け気孔率を測定した。この見掛け気孔率の実験結果も、表1および表2に合わせて示す。
(表1)
Figure 0004630111
(表2)
Figure 0004630111
この製造状況の観察実験の結果、混練中に水を徐々に添加し、次第に添加する水分量を多くした結果、配合原料100質量%に対して5質量%以上でだまが生じずに良好に混練できた。一方、水分量が15質量%を越えると、フュームドシリカが表面上に浮き上がるような原料の分離現象が生じ、均一な混練が得られないことが認められた。また、比較例8および比較例9は、ハンドリング時すなわち成形後の取扱時に亀裂が発生した。これは、比較例8は、添加水分量が少なく、ポルトランドセメントによるカルシウムシリケート水和物の生成が不十分となり、十分な強度が得られなかったものと考えられる。また、比較例9は、原料の分離現象を生じ、混練物を成形した成形物の組成が不均一となってカルシウムシリケート水和物の生成が不均一となり、部分的に十分な取扱強度が得られなかったものと考えられる。これらのことから、配合原料100質量%に対して5質量%以上15質量%以下とする必要があることがわかった。
また、比較例7も、ハンドリング時すなわち成形後の取扱時に亀裂が発生した。一方、気孔付与剤の添加量が配合原料100質量%に対して0.5質量%の実施例2では、良好に成形できた。これは、比較例7では、気孔付与剤の添加量が配合原料100質量%に対して1.0質量%であることから、ポルトランドセメントにより生成するカルシウムシリケート水和物分が少なく、粒子間結合が不十分で十分な取扱強度が得られなかったためと考えられる。このことから、気孔付与剤は、配合原料100質量%に対して0.5質量%以下で添加することがよいことが分かる。
さらに、比較例4および比較例6では、乾燥時に収縮し、亀裂が発生していた。一方、ポルトランドセメントの配合量が2質量%の実施例4、および、5質量%の実施例5では、亀裂が生じず、良好に形成できた。また、フュームドシリカの配合量が8質量%の実施例6、および、22質量%の実施例7でも、亀裂が生じず、良好に形成できた。これは、比較例4では、ポルトランドセメントを10質量%で配合したことから、ポゾラン反応による凝結・硬化時の収縮によるものと考えられる。また、比較例6では、超微粉のフュームドシリカの配合量が30質量%と多く、粒度バランスが崩れたり、ポゾラン反応に寄与しないフリーのフュームドシリカ分が多くなり、成形時のラミネーションなどが生じたものと考えられる。これらのように、ポルトランドセメントの配合量は2質量%以上5質量%以下、フュームドシリカの配合量は8質量%以上22質量%以下とする必要があることがわかった。
さらに、マイクロ波の出力が実験試料1t当たり3kWでは乾燥が完了するまでに15日間必要であったが、6kWでは5日間で乾燥が完了し、10kWでは3日、20kWでは1日で完了した。このことから、マイクロ波は実験試料1t当たり6kW以上の出力で照射する必要があることがわかる。なお、20kWを越えると、固化体が急激に加熱されることとなり、内部の水が急激に水蒸気化することによる亀裂の発生を生じるおそれがある。このため、マイクロ波の出力を固化体1t当たり6kW以上20kW以下に設定することが好ましい。
また、見掛け気孔率は、従来例が74.6%であるのに対し、各実施例は71%〜74%程度で、同等の物性が認められた。また、1200℃で焼成した実施例10では見掛け気孔率が71.2%で、1400℃で焼成した実施例11では見掛け気孔率が70.9%であった。すなわち、焼成することにより粒子間結合が進行し、緻密化していることが分かる。
(圧縮強度の比較実験)
各実験試料を用いて圧縮強度を測定する実験を実施した。この圧縮強度の測定は、JIS−R−2206に基づいて測定した。その結果を表1、表2、および、図1に示す。なお、図1は、見掛け気孔率と、圧縮強さと、熱伝導率との関係を示す。なお、熱伝導率は、熱線法に基づいて測定した。そして、熱伝導率の結果は、表1および表2に合わせて示す。
これら表1、表2、および、図に示す結果から、圧縮強さは、従来例が4.8MPaで、各実施例は4.7MPa〜6.8MPaで同等以上の強度が得られた。また、1200℃で焼成した実施例10では見掛け気孔率が71.2%で圧縮強さが5.5MPa、1400℃で焼成した実施例11では見掛け気孔率が70.9%で圧縮強さが6.8MPaであった。すなわち、焼成することにより粒子間結合が進行し、多少見掛け気孔率が小さくなるが、圧縮強さが大きく向上することが認められた。このことにより、強度が要求される部分には、焼成品が好ましいことが分かる。また、見掛け気孔率が30%、および見掛け気孔率が40%では、圧縮強さは急激に大きくなっているが、熱伝導率も高くなり、断熱材として利用した場合に、放熱割合が増大して加熱効率が低下し、効率よく加熱処理できなくなることがわかった。さらに、見掛け気孔率が95%では、圧縮強さが弱く、亀裂や角欠けなどが生じやすく、製造効率の向上が望めないことが分かった。このことからも、取扱性が損なわれることなくアルミナ断熱れんがと同等の圧縮強さとなる圧縮強さが4.0MPa以上となる見掛け気孔率を50%以上90%以下に設定する必要があることがわかる。
(マイクロ波の透過性実験)
マイクロ波の透過性の実験としては、実施例1と、従来例とを用い、図2に示す実験装置を用い、実施例1と従来例との温度上昇を測定した。なお、実験装置は、図2に示すように、マイクロ波遮蔽筐体100に、このマイクロ波遮蔽筐体100内に周波数が2.45GHzのマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置200を設けている。そして、実験に際しては、実施例1および従来例である試験体300をイソライト製のセラミック断熱材400でくるみ、室温(20℃)、600℃になるようにあらかじめ電気ヒータ式加熱炉で加熱し、これをマイクロ波遮蔽筐体100内に設置し、2.45GHzのマイクロ波を1.5kWの出力で5分照射し、熱電対500にて試験体300の表面温度を測定した。その結果を図3に示す。図3は、マイクロ波の照射前後における試験体毎の温度変化の関係を示すグラフである。
この図3に示す結果から、室温(20℃)、および、600℃の加熱時で、マイクロ波を照射した前後の温度変化が、従来例に比して実施例1の方が約1/4弱であった。すなわち、実施例1の方が、従来例に比して、マイクロ波の吸収による温度上昇が約1/4弱であり、実施例1はアルミナ断熱れんがよりマイクロ波を透過することがわかる。
〔トリジマイト断熱耐火物の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態のトリジマイト断熱耐火物では、主要鉱物相をトリジマイト相65質量%以上、非晶質相30質量%未満で、見掛け気孔率が50%以上90%以下で、圧縮強さが4.0MPa以上としている。このため、圧縮強さおよび断熱性が、マイクロ波加熱炉で利用されるアルミナ系断熱れんがと同等で、マイクロ波の透過性が高い特性が得られ、マイクロ波加熱炉に利用した際に効率よくマイクロ波による加熱処理ができる。また、焼成時やマイクロ波加熱炉に利用した際に熱が加わった場合でも、相転移による異常体積膨張が生じず、異常体積膨張による亀裂などの損傷の発生を防止でき、また、焼成などの加熱前後の寸法変化がほとんど生じず、歩留まりを向上でき、製造効率やマイクロ波加熱炉の操業効率を向上できる。また、珪石れんが屑を用いることによるコストの低減や、産業廃棄物となる珪石れんが屑が有効利用でき、環境保護も容易に得られる。
そして、本実施の形態におけるトリジマイト断熱耐火物の残部の鉱物相として、クオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方としている。このため、異常体積膨張の発生を抑えつつ、クオーツ相およびクリストバライト相による良好なマイクロ波の透過性が得られ、効率的なマイクロ波による加熱処理が得られるとともに、マイクロ波加熱炉に利用した際の熱負荷でも長期間安定した特性が得られる。特に、残部の鉱物相を構成するクオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方を10質量%未満としているため、焼成時やマイクロ波加熱炉に利用した際の熱負荷でも長期間安定した特性が得られる。
そして、本実施の形態におけるトリジマイト断熱耐火物の製造に際して、トリジマイト相が70質量%以上で非晶質相が30質量%未満を主要鉱物相とした珪石れんが屑を主要原料とし、ポルトランドセメントを2質量%以上5質量%以下、フュームドシリカを8質量%以上22質量%以下で配合して配合原料を調製する。この調製した配合原料に水を添加して混練し調製した混練物を成形し、マイクロ波を用いて乾燥する。このため、製造されるトリジマイト断熱耐火物の主要鉱物相がトリジマイト相65質量%以上、非晶質相30質量%未満となり、上述したように、マイクロ波加熱炉で利用されるアルミナ系断熱れんがと同等で、マイクロ波の透過性が高い特性が得られるとともに、相転移による異常体積膨張が生じず、製造効率やマイクロ波加熱炉の操業効率を向上できる。
また、主要原料として、使用後珪石れんがおよび焼成後で不良品とされる珪石れんが規格外品のうちの少なくともいずれか一方の珪石れんが屑を用いることもできる。すなわち、このような珪石れんが屑のうち特に、主要鉱物相がトリジマイト相70質量%以上で非晶質相30質量%未満のものは、製造されるトリジマイト断熱耐火物の主要鉱物相がトリジマイト相65質量%以上、非晶質相30質量%未満となり、上述したように、マイクロ波加熱炉で利用されるアルミナ系断熱れんがと同等で、マイクロ波の透過性が高い特性が得られるとともに、相転移による異常体積膨張が生じず、製造効率やマイクロ波加熱炉の操業効率を向上できる。さらに、珪石れんが屑を用いることによるコストの低減や、産業廃棄物となる珪石れんが屑が有効利用でき、環境保護も容易に得られる。
さらに、主要原料として、残部の鉱物相がクオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方の珪石れんが屑を用いる。このため、上述したように、良好な特性のトリジマイト断熱耐火物となる鉱物相が維持でき、異常体積膨張の発生を抑えることができる。残部の鉱物相を構成するクオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方を10質量%未満としているため、焼成時やマイクロ波加熱炉に利用した際の熱負荷でも長期間安定した特性が得られる。
また、配合原料中の珪石れんが屑の一部を10質量%以下の配合割合で、珪石および溶融シリカのうちの少なくともいずれか一方で置換して配合原料を調製することにより、例えば使用後珪石れんが屑に付着あるいは浸漬する雰囲気ガスなどの不純物による特性の低下などを防止できるとともに、焼成時や窯炉に利用した際の熱負荷による異常体積膨張などの体積変化による影響が生じない程度に添加される珪石や溶融シリカの石英質分による粒子間結合や緻密化などによる強度の向上やさらなる長期間安定した特性などが得られる。
そして、気孔付与剤として、可燃性物質、昇華性物質および発泡性界面活性剤のうちの少なくともいずれか1つを用いている。このため、乾燥や焼成あるいはマイクロ波加熱炉に利用した際の初期の加熱により、良好に多孔質が得られるとともに、成形時は良好に緻密充填されて強度の向上が容易に得られるとともに、緻密充填により特に焼成あるいはマイクロ波加熱炉に利用した際の初期の加熱により粒子間結合が良好に得られ、4.0MPa以上の圧縮強さが容易に得られる。
また、配合原料100質量%に対して、5質量%以上15質量%以下の水を添加して混練し混練物を調製している。このため、配合原料が略均一な組成に混練されるとともに、乾燥エネルギの増大の防止や見掛け気孔率の増大の防止などが得られ、良好な特性のトリジマイト断熱耐火物を効率的に製造できる。
さらに、流し込み成形、振動成形、加圧成形、および加圧振動成形のうちのいずれか1つの成形方法により混練物を成形して成形物である固化体を形成する。このため、成形時に良好に緻密充填されて強度が向上するとともに、焼成やマイクロ波加熱炉に利用した際の初期の加熱により粒子間結合が良好に得られ、4.0MPa以上の圧縮強さとなる所望の形状の耐火物が容易に得られる。
また、固化体1t当たり6kW以上20kW以下の出力でマイクロ波を固化体に照射して乾燥している。このため、固化体の内部まで略均一に十分加熱でき、緻密な固化体でも亀裂などを生じることなく内部まで略均一に効率よく乾燥できる。さらに、熱風送風環境下または減圧環境下で、マイクロ波を固化体に照射して乾燥する。このため、効率よく乾燥でき、乾燥時間が短くなり、製造効率を向上できる。
そして、乾燥工程で得られた乾燥物を、1200℃以上で加熱処理するので、フュームドシリカに起因する液相焼結が進行し、高強度が得られるとともに、クリープ特性が向上し、長期間安定した特性を容易に得ることができる。
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
すなわち、上述したように、アルミナ系断熱材の代替え品に限らず、またマイクロ波加熱炉に利用する構成に限られない。
そして、本発明の耐火物および主要原料として利用する珪石れんが屑の残部の鉱物相としては、クオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方に限らず、また、これらが10質量%に限られるものではない。また、主要原料としては、トリジマイト相が70質量%以上で非晶質相が30質量%未満を主要鉱物相とした珪石れんが屑に限らず、使用後珪石れんがおよび焼成後の不良品とされる珪石れんが規格外品のうちの少なくともいずれか一方の珪石れんが屑を主要原料としてもよい。
さらに、製造時において、混練工程での添加水分量として、配合原料100質量%に対して5質量%以上15質量%以下に限らない。また、成形工程での成形方法として、流し込み成形、振動成形、加圧成形、および加圧振動成形のうちのいずれか1つの方法に限られない。さらに、乾燥工程のマイクロ波の出力として、固化体1t当たり6kW以上20kW以下に限らない。そして、乾燥工程において、熱風送風や減圧乾燥を併用しなくてもよい。さらに、熱風送風についても、上記実験における乾燥条件に限られない。
また、焼成物に限らず、乾燥後の固化体を未焼成品として提供してもよい。そして、焼成温度も1200℃以上に限られない。例えば、フュームドシリカが液相焼結を開始する温度で焼成するなどしてもよい。
そして、気孔付与剤としては、可燃性物質、昇華性物質および発泡性界面活性剤のうちの少なくともいずれか1つでよく、これら可燃性物質、昇華性物質および発泡性界面活性剤を適宜組み合わせて併用してもよい。また、上述したように、可燃性物質、昇華性物質および発泡性界面活性剤に限られるものではなく、常温では形状が維持されて後述する成形工程では残留し、後述する乾燥工程や焼成工程における加熱により消失するいずれの材質のものが利用できる。
また、トリジマイト断熱耐火物を耐火物として利用する窯炉として、マイクロ波加熱炉である場合、このマイクロ波加熱炉としては、マイクロ波を遮蔽する例えばステンレス鋼などにて内部空間を有する略箱形状に形成されたマイクロ波遮蔽筐体を備えた構成とする。このマイクロ波遮蔽筐体には、内部空間内にマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置が接続される。また、マイクロ波遮蔽筐体内には、トリジマイト断熱耐火物により内部に被加熱物を加熱処理する加熱室を区画する炉本体が配設される。そして、被加熱物の加熱処理に際しては、マイクロ波が炉本体の外面側から照射されることで、トリジマイト断熱耐火物を効率よく透過したマイクロ波が加熱室内に位置する被加熱物を加熱する。なお、このような構成のマイクロ波加熱炉は、バッチ式のシャトル型や連続式のトンネル型などとしてもよい。このように、トリジマイト断熱耐火物をマイクロ波加熱炉に用いることで、特にマイクロ波による効率的な加熱処理が得られ、好ましい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
本発明の実施の形態に係るトリジマイト断熱耐火物の特性を確認する実験における見掛け気孔率と、圧縮強さと、熱伝導率との関係を示すグラフである。 前記実施の形態におけるトリジマイト断熱耐火物のマイクロ波透過実験のための実験装置の概略構成を示す概念図である。 前記実施の形態におけるトリジマイト断熱耐火物と従来例とのマイクロ波による温度変化を示すグラフである。
符号の説明
200……マイクロ波発生手段

Claims (14)

  1. トリジマイト相が65質量%以上で、非晶質相が30質量%未満を主要鉱物相とし、
    見掛け気孔率が50%以上90%以下であり、
    圧縮強さが4.0MPa以上である
    ことを特徴とした耐火物。
  2. 請求項1に記載の耐火物であって、
    残部の鉱物相が、クオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方である
    ことを特徴とした耐火物。
  3. 請求項2に記載の耐火物であって、
    前記クオーツ相は、10質量%未満であり、かつ、
    前記クリストバライト相は、10質量%未満である
    ことを特徴とした耐火物。
  4. トリジマイト相が70質量%以上で非晶質相が30質量%未満を主要鉱物相とした珪石耐火物屑を主要原料とし、ポルトランドセメントを2質量%以上5質量%以下、フュームドシリカを8質量%以上22質量%以下で配合して配合原料を調製し、
    この調製した配合原料に気孔付与剤を、配合原料100質量%に対して0.1質量%以上0.5質量%以下で添加するとともに水を添加し混練して混練物を調製し、
    この調製した混練物を成形して成形物を形成し、
    この形成した成形物をマイクロ波を用いて乾燥する
    ことを特徴とする耐火物の製造方法。
  5. 請求項4に記載の耐火物の製造方法であって、
    前記珪石耐火物屑は、使用後珪石耐火物および焼成後の珪石耐火物規格外品のうちの少なくともいずれか一方である
    ことを特徴とする耐火物の製造方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の耐火物の製造方法であって、
    前記珪石耐火物屑は、残部の鉱物相がクオーツ相およびクリストバライト相のうちの少なくともいずれか一方である
    ことを特徴とする耐火物の製造方法。
  7. 請求項に記載の耐火物の製造方法であって、
    前記珪石耐火物屑は、前記クオーツ相が10質量%未満であり、かつ、前記クリストバライト相が10質量%未満である
    ことを特徴とする耐火物の製造方法。
  8. 請求項4ないし請求項のいずれかに記載の耐火物の製造方法であって、
    前記気孔付与剤は、可燃性物質、昇華性物質および発泡性界面活性剤のうちの少なくともいずれか1つである
    ことを特徴とした耐火物の製造方法。
  9. 請求項4ないし請求項のいずれかに記載の耐火物の製造方法であって、
    前記混練物は、前記配合原料100質量%に対して5質量%以上15質量%以下の水を添加して混練し調製する
    ことを特徴とする耐火物の製造方法。
  10. 請求項4ないし請求項のいずれかに記載の耐火物の製造方法であって、
    前記成形物は、前記混練物を、流し込み成形、振動成形、加圧成形、および加圧振動成形のうちのいずれか1つの成形方法により成形する
    ことを特徴とする耐火物の製造方法。
  11. 請求項4ないし請求項10のいずれかに記載の耐火物の製造方法であって、
    前記成形物のマイクロ波を用いた乾燥は、前記成形物1t当たり6kW以上20kW以下の出力でマイクロ波を照射する
    ことを特徴とする耐火物の製造方法。
  12. 請求項4ないし請求項11のいずれかに記載の耐火物の製造方法であって、
    前記成形物のマイクロ波を用いた乾燥は、熱風送風環境下または減圧環境下で前記成形物に前記マイクロ波を照射する
    ことを特徴とする耐火物の製造方法。
  13. 請求項4ないし請求項12のいずれかに記載の耐火物の製造方法であって、
    前記成形物をマイクロ波を用いて乾燥した乾燥物を、1200℃以上で加熱処理する
    ことを特徴とする耐火物の製造方法。
  14. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の耐火物、または、請求項4ないし請求項13のいずれかに記載の耐火物の製造方法により製造された耐火物により、内部に被加熱物を加熱する加熱室を区画形成する炉本体と、
    この炉本体にマイクロ波を照射して前記被加熱物を加熱させるマイクロ波発生手段と、
    を具備したことを特徴とした加熱炉。
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