JPH08153572A - 遠赤外線ヒータ - Google Patents
遠赤外線ヒータInfo
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- JPH08153572A JPH08153572A JP6330831A JP33083194A JPH08153572A JP H08153572 A JPH08153572 A JP H08153572A JP 6330831 A JP6330831 A JP 6330831A JP 33083194 A JP33083194 A JP 33083194A JP H08153572 A JPH08153572 A JP H08153572A
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- mullite
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 遠赤外波長を効果的に放射するセラミック質
の抵抗発熱体において、表面に絶縁材料を被覆した遠赤
外線ヒータを提供する。 【構成】 アルミノケイ酸塩を主要成分とし、Siまた
はFeSiを導電材料とするセラミック成形体におい
て、該ヒータの表面層にアルミノケイ酸塩を主体とし、
ムライト相が20〜70%含まれる絶縁材料で被覆す
る。
の抵抗発熱体において、表面に絶縁材料を被覆した遠赤
外線ヒータを提供する。 【構成】 アルミノケイ酸塩を主要成分とし、Siまた
はFeSiを導電材料とするセラミック成形体におい
て、該ヒータの表面層にアルミノケイ酸塩を主体とし、
ムライト相が20〜70%含まれる絶縁材料で被覆す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠赤外線ヒータに関す
る。更に詳細には、本発明は、絶縁性の耐熱成分と導電
材成分とが混合、分散したセラミック質抵抗発熱体にお
いて、前記発熱体自身が直接遠赤外線領域の波長を有効
に放射する遠赤外線ヒータに関する。
る。更に詳細には、本発明は、絶縁性の耐熱成分と導電
材成分とが混合、分散したセラミック質抵抗発熱体にお
いて、前記発熱体自身が直接遠赤外線領域の波長を有効
に放射する遠赤外線ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】遠赤外線ヒータは、遠赤外線領域におい
て黒体に近似する0.8程度の分光放射率(ε)で輻射
熱エネルギーを放射し、効率の良い加熱を与えるため工
業用から民生用に至る広い分野で汎用されている。遠赤
外線ヒータとしては、従来からシリカ、アルミナ、ジル
コニア、チタニア等のセラミックスを遠赤外線放射材料
とした構造のものが知られており、例えばこれらセラミ
ックス材料で形成した管内にニクロム線などの電熱線を
封入した構造やシーズヒータの表面に前記のセラミック
ス材料を被覆した構造が開発されている。しかしなが
ら、セラミックス管に電熱線を封入した構造は、温度制
御における応答時間の遅延、封入した電熱線の断線など
の欠点を有する。このような問題点を解消した遠赤外線
ヒータとして、絶縁性耐熱性構造材料中に導電材として
SiまたはFeSiを5〜60重量%含有させた抵抗発
熱体からなる構成のものが、本出願人より開発されてい
る(特開昭63−307682号公報)。該遠赤外線ヒ
ータは、任意の形状に成形した遠赤外線放射体そのもの
を直接に抵抗発熱させることができるため、ヒータ設計
が容易であり、しかも小さい熱容量で優れた速熱性と十
分な熱効率を発揮する。
て黒体に近似する0.8程度の分光放射率(ε)で輻射
熱エネルギーを放射し、効率の良い加熱を与えるため工
業用から民生用に至る広い分野で汎用されている。遠赤
外線ヒータとしては、従来からシリカ、アルミナ、ジル
コニア、チタニア等のセラミックスを遠赤外線放射材料
とした構造のものが知られており、例えばこれらセラミ
ックス材料で形成した管内にニクロム線などの電熱線を
封入した構造やシーズヒータの表面に前記のセラミック
ス材料を被覆した構造が開発されている。しかしなが
ら、セラミックス管に電熱線を封入した構造は、温度制
御における応答時間の遅延、封入した電熱線の断線など
の欠点を有する。このような問題点を解消した遠赤外線
ヒータとして、絶縁性耐熱性構造材料中に導電材として
SiまたはFeSiを5〜60重量%含有させた抵抗発
熱体からなる構成のものが、本出願人より開発されてい
る(特開昭63−307682号公報)。該遠赤外線ヒ
ータは、任意の形状に成形した遠赤外線放射体そのもの
を直接に抵抗発熱させることができるため、ヒータ設計
が容易であり、しかも小さい熱容量で優れた速熱性と十
分な熱効率を発揮する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の先行技術(特開
昭63−307682号公報)による遠赤外線ヒータ
は、基材となる絶縁性耐熱構造材料として天然粘土を利
用したアルミノケイ酸塩を主体成分とし、これに導電材
となるSiまたはFeSiを分散させた混合物を可塑成
形あるいはドクターブレード法によるシート成形によっ
て所望の形状に成形したのち焼成処理することにより製
造される。本ヒーターは、大気中、1000〜1400
℃にて焼成することによって、表面のSiまたはFeS
iが酸化され、ヒーター表面に絶縁性のSiO2膜が形
成される。しかし、このような方法では、SiO2膜を
ヒータ表面に均質に形成させることは困難なため、完全
に表面が絶縁膜を有するヒーターを製造することは非常
に難しい。一方、本出願人は、アルミノケイ酸塩を主体
成分としSiまたはFeSiを導電材料としたヒータの
表面に、Al2O3、SiO2を主成分とし、Fe2O
3などの金属酸化物を含んだ高放射率絶縁層を有する遠
赤外線放射部材を開示している(特開平1−22676
5)。上記発明は、アルミノケイ酸塩を主体成分としS
iまたはFeSiを導電材料としたヒータの欠点である
表面の絶縁性の欠落を補うものであるが、ヒータ層と絶
縁層の微妙な熱膨張率の違いにより、焼成工程において
剥離、反りといった製造上の問題点が生じる。このよう
な理由から、上記の方法によって高放射率絶縁層を有す
る遠赤外線ヒータを工業的に得ることは極めて困難であ
った。最近、アルミノケイ酸塩を主体成分としSiまた
はFeSiを導電材料としたヒータの表面絶縁性につい
て、安全面などから絶縁性を高くすることが要望されて
いる。したがって、本ヒータに剥離や反りが生じず、し
かも遠赤外線放射特性を損なわないような絶縁膜を形成
させることができれば、前記要求に沿う高性能の遠赤外
線ヒータを供給することが可能となる。本発明は、かか
る課題を解消するために開発されたもので、その目的
は、遠赤外線波長を効果的に放射する表面の絶縁性に優
れた安全性の高い遠赤外線ヒータの製造方法を提供する
ことにある。
昭63−307682号公報)による遠赤外線ヒータ
は、基材となる絶縁性耐熱構造材料として天然粘土を利
用したアルミノケイ酸塩を主体成分とし、これに導電材
となるSiまたはFeSiを分散させた混合物を可塑成
形あるいはドクターブレード法によるシート成形によっ
て所望の形状に成形したのち焼成処理することにより製
造される。本ヒーターは、大気中、1000〜1400
℃にて焼成することによって、表面のSiまたはFeS
iが酸化され、ヒーター表面に絶縁性のSiO2膜が形
成される。しかし、このような方法では、SiO2膜を
ヒータ表面に均質に形成させることは困難なため、完全
に表面が絶縁膜を有するヒーターを製造することは非常
に難しい。一方、本出願人は、アルミノケイ酸塩を主体
成分としSiまたはFeSiを導電材料としたヒータの
表面に、Al2O3、SiO2を主成分とし、Fe2O
3などの金属酸化物を含んだ高放射率絶縁層を有する遠
赤外線放射部材を開示している(特開平1−22676
5)。上記発明は、アルミノケイ酸塩を主体成分としS
iまたはFeSiを導電材料としたヒータの欠点である
表面の絶縁性の欠落を補うものであるが、ヒータ層と絶
縁層の微妙な熱膨張率の違いにより、焼成工程において
剥離、反りといった製造上の問題点が生じる。このよう
な理由から、上記の方法によって高放射率絶縁層を有す
る遠赤外線ヒータを工業的に得ることは極めて困難であ
った。最近、アルミノケイ酸塩を主体成分としSiまた
はFeSiを導電材料としたヒータの表面絶縁性につい
て、安全面などから絶縁性を高くすることが要望されて
いる。したがって、本ヒータに剥離や反りが生じず、し
かも遠赤外線放射特性を損なわないような絶縁膜を形成
させることができれば、前記要求に沿う高性能の遠赤外
線ヒータを供給することが可能となる。本発明は、かか
る課題を解消するために開発されたもので、その目的
は、遠赤外線波長を効果的に放射する表面の絶縁性に優
れた安全性の高い遠赤外線ヒータの製造方法を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の遠赤
外線ヒータは、アルミノケイ酸塩を主要成分とし、Si
またはFeSiを導電材料とするセラミックヒータにお
いて、該ヒータの表面層にアルミノケイ酸塩を主体とし
た絶縁材料で被膜した遠赤外線ヒータであり、表面に被
膜する絶縁材料について、ムライト相が20〜70%含
まれることを特徴とする。本発明においてアルミノケイ
酸塩とは、アルミナ(Al2O3)およびシリカ(Si
O2)を主体とし、これに金属酸化物を含む粘土質材
料、または該粘土質材料にガラス成分を配合したものを
指す。したがって、本ヒータの表面に被膜される絶縁性
材料は、金属酸化物を含む粘土質材料、または該粘土質
材料にガラス成分を配合した材料について、ムライト粉
末が20〜70重量%の範囲で配合される。本ヒータの
製造方法としては主に、ドクターブレード法などに代表
されるシート成形が利用される。あらかじめ、絶縁性粉
末である粘土質材料などと導電性粉末であるSiまたは
FeSiを混合したセラミックヒータ材質のシート成形
体と、粘土質材料とムライト粉末を混合した絶縁性被膜
材質のシート成形体を作製し、積層圧着させる。この積
層体を1000〜1400℃にて焼成することにより、
厚み50μm以上の絶縁性被膜を有する遠赤外線ヒータ
を得ることができる。また、シート積層法以外の方法と
して、押し出し成形品などに絶縁材質スラリーをスプレ
ーあるいは塗布などによりコーティングする方法もあ
る。絶縁性被膜については、ムライト粉末の配合量が2
0〜70重量%の範囲で配合される。ムライト粉末の配
合量が20重量%未満であるとヒータとの熱膨張率の差
が大きくなり、焼成後に絶縁被膜層とヒータ層の剥離が
生じるようになる。また、70重量%を超えると粘土質
材料の配合比率が小さいため、緻密化がそれほど進ま
ず、絶縁被膜層が多孔質となり、絶縁性が低下する。ヒ
ータ材質中の導電性粉末であるSiまたはFeSiと同
じ体積%となるように、絶縁性被膜のムライト粉末を配
合することが、熱膨張率、焼成収縮率を合わせるといっ
た面において好ましい。
外線ヒータは、アルミノケイ酸塩を主要成分とし、Si
またはFeSiを導電材料とするセラミックヒータにお
いて、該ヒータの表面層にアルミノケイ酸塩を主体とし
た絶縁材料で被膜した遠赤外線ヒータであり、表面に被
膜する絶縁材料について、ムライト相が20〜70%含
まれることを特徴とする。本発明においてアルミノケイ
酸塩とは、アルミナ(Al2O3)およびシリカ(Si
O2)を主体とし、これに金属酸化物を含む粘土質材
料、または該粘土質材料にガラス成分を配合したものを
指す。したがって、本ヒータの表面に被膜される絶縁性
材料は、金属酸化物を含む粘土質材料、または該粘土質
材料にガラス成分を配合した材料について、ムライト粉
末が20〜70重量%の範囲で配合される。本ヒータの
製造方法としては主に、ドクターブレード法などに代表
されるシート成形が利用される。あらかじめ、絶縁性粉
末である粘土質材料などと導電性粉末であるSiまたは
FeSiを混合したセラミックヒータ材質のシート成形
体と、粘土質材料とムライト粉末を混合した絶縁性被膜
材質のシート成形体を作製し、積層圧着させる。この積
層体を1000〜1400℃にて焼成することにより、
厚み50μm以上の絶縁性被膜を有する遠赤外線ヒータ
を得ることができる。また、シート積層法以外の方法と
して、押し出し成形品などに絶縁材質スラリーをスプレ
ーあるいは塗布などによりコーティングする方法もあ
る。絶縁性被膜については、ムライト粉末の配合量が2
0〜70重量%の範囲で配合される。ムライト粉末の配
合量が20重量%未満であるとヒータとの熱膨張率の差
が大きくなり、焼成後に絶縁被膜層とヒータ層の剥離が
生じるようになる。また、70重量%を超えると粘土質
材料の配合比率が小さいため、緻密化がそれほど進ま
ず、絶縁被膜層が多孔質となり、絶縁性が低下する。ヒ
ータ材質中の導電性粉末であるSiまたはFeSiと同
じ体積%となるように、絶縁性被膜のムライト粉末を配
合することが、熱膨張率、焼成収縮率を合わせるといっ
た面において好ましい。
【0005】
【作用】ここで、アルミノケイ酸塩を主要成分とし、S
iまたはFeSiを導電材料とするセラミックヒータに
おいて、本ヒータの表面層に被膜する絶縁材料として
は、本ヒータの焼成収縮率や熱膨張率とほぼ同じである
アルミノケイ酸塩を主体とした材料であることが望まし
い。これは、もしヒータ本体と絶縁被膜材料の焼成収縮
率、熱膨張係数にある程度の差が生じた場合、この差に
よって、被膜層の剥離やヒータ自体の反りや割れといっ
た重大な問題を引き起こすからである。そこで、本発明
者は、鋭意研究した結果、アルミノケイ酸塩を主体とし
た被膜材料中に、ムライト層を20〜70%含ませるこ
とにより、被膜層の剥離やヒータ自体の反りや割れとい
った問題が解消できることが明らかになった。
iまたはFeSiを導電材料とするセラミックヒータに
おいて、本ヒータの表面層に被膜する絶縁材料として
は、本ヒータの焼成収縮率や熱膨張率とほぼ同じである
アルミノケイ酸塩を主体とした材料であることが望まし
い。これは、もしヒータ本体と絶縁被膜材料の焼成収縮
率、熱膨張係数にある程度の差が生じた場合、この差に
よって、被膜層の剥離やヒータ自体の反りや割れといっ
た重大な問題を引き起こすからである。そこで、本発明
者は、鋭意研究した結果、アルミノケイ酸塩を主体とし
た被膜材料中に、ムライト層を20〜70%含ませるこ
とにより、被膜層の剥離やヒータ自体の反りや割れとい
った問題が解消できることが明らかになった。
【0006】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
明する。
【0007】
【実施例1】ムライト原料(3Al2O3・2Si
O2)47.0重量%とボールクレー22.0重量%と
軟化点700℃以上のホウケイ酸ガラス31.0重量%
を配合して混合原料系とした。この混合原料系100重
量部にバインダー、可塑剤、エタノールを加えてボール
ミルに入れ、十分に混練して均一分散させた。一方、S
i粉末40.0重量%とボールクレー25.0重量%と
軟化点700℃以上のホウケイ酸ガラス35.0重量%
を配合して絶縁性被膜の混合原料系とした。この混合原
料系についても、バインダー、可塑剤、エタノールを加
えボールミルに入れ、十分に混練して均一分散させた。
得られた二種類のスラリーをそれぞれ真空攪拌により脱
泡したのち、ドクターブレード成形装置を用いて、ブレ
ードギャップ0.75mmにて成形し乾燥して、絶縁
層、ヒータ層それぞれのグリーンシートを得た。乾燥後
の厚みは、二つのシート共にほぼ0.4mmであった。
得られたグリーンシートを、幅30mm、長さ80mm
裁断した。ついで、図1に示すようにヒータ質グリーン
シート2を同じ成形面を対向させるように二枚積層さ
せ、その積層グリーンシートとの両側に絶縁質グリーン
シート1をプレス装置にて圧着し積層化した。得られた
グリーンシート積層体について、窒素雰囲気炉中で70
0℃の温度で脱脂処理したのち大気雰囲気に保持された
トンネル炉に移し、1250℃の温度で焼成処理を施し
た。得られた焼成体は、表面に0.25mmの絶縁性被
膜を有し、反りや剥離の無い厚み1.0mmの積層体で
あった。その物性を測定したところ、気孔率1.0%、
比抵抗0.05Ωcmであり、絶縁被膜は緻密質であ
り、ヒータ層導電性良好な抵抗発熱体であることが認め
られた。また、絶縁被膜の電気絶縁性について絶縁抵抗
計にて測定した結果、2000MΩ以上と良好な絶縁性
を示した。上記抵抗発熱体のヒータ層の両端部の酸化被
膜を除去し、ここにアルミニウムを溶射して電極部を形
成した。このようにして製造したヒータに通電し、表面
温度500℃に発熱させて各波長における分光放射率を
測定した結果、図5に示すように3〜30μmの遠赤外
線を効率良く放射していることが確認された。
O2)47.0重量%とボールクレー22.0重量%と
軟化点700℃以上のホウケイ酸ガラス31.0重量%
を配合して混合原料系とした。この混合原料系100重
量部にバインダー、可塑剤、エタノールを加えてボール
ミルに入れ、十分に混練して均一分散させた。一方、S
i粉末40.0重量%とボールクレー25.0重量%と
軟化点700℃以上のホウケイ酸ガラス35.0重量%
を配合して絶縁性被膜の混合原料系とした。この混合原
料系についても、バインダー、可塑剤、エタノールを加
えボールミルに入れ、十分に混練して均一分散させた。
得られた二種類のスラリーをそれぞれ真空攪拌により脱
泡したのち、ドクターブレード成形装置を用いて、ブレ
ードギャップ0.75mmにて成形し乾燥して、絶縁
層、ヒータ層それぞれのグリーンシートを得た。乾燥後
の厚みは、二つのシート共にほぼ0.4mmであった。
得られたグリーンシートを、幅30mm、長さ80mm
裁断した。ついで、図1に示すようにヒータ質グリーン
シート2を同じ成形面を対向させるように二枚積層さ
せ、その積層グリーンシートとの両側に絶縁質グリーン
シート1をプレス装置にて圧着し積層化した。得られた
グリーンシート積層体について、窒素雰囲気炉中で70
0℃の温度で脱脂処理したのち大気雰囲気に保持された
トンネル炉に移し、1250℃の温度で焼成処理を施し
た。得られた焼成体は、表面に0.25mmの絶縁性被
膜を有し、反りや剥離の無い厚み1.0mmの積層体で
あった。その物性を測定したところ、気孔率1.0%、
比抵抗0.05Ωcmであり、絶縁被膜は緻密質であ
り、ヒータ層導電性良好な抵抗発熱体であることが認め
られた。また、絶縁被膜の電気絶縁性について絶縁抵抗
計にて測定した結果、2000MΩ以上と良好な絶縁性
を示した。上記抵抗発熱体のヒータ層の両端部の酸化被
膜を除去し、ここにアルミニウムを溶射して電極部を形
成した。このようにして製造したヒータに通電し、表面
温度500℃に発熱させて各波長における分光放射率を
測定した結果、図5に示すように3〜30μmの遠赤外
線を効率良く放射していることが確認された。
【0008】
【実施例2】実施例1において、ムライト原料20.0
重量%とボールクレー33.0重量%と軟化点700℃
以上のホウケイ酸ガラス47.0重量%を配合して混合
原料系とした以外は実施例1と同様にして積層型抵抗発
熱体を作製した。
重量%とボールクレー33.0重量%と軟化点700℃
以上のホウケイ酸ガラス47.0重量%を配合して混合
原料系とした以外は実施例1と同様にして積層型抵抗発
熱体を作製した。
【0009】
【実施例3】実施例1において、ムライト原料70.0
重量%とボールクレー12.5重量%と軟化点700℃
以上のホウケイ酸ガラス17.5重量%を配合して混合
原料系とした以外は実施例1と同様にして、積層型抵抗
発熱体を作製した。
重量%とボールクレー12.5重量%と軟化点700℃
以上のホウケイ酸ガラス17.5重量%を配合して混合
原料系とした以外は実施例1と同様にして、積層型抵抗
発熱体を作製した。
【0010】
【比較例1】実施例1において、アルミナ原料57.0
重量%とボールクレー18.0重量%と軟化点700℃
以上のホウケイ酸ガラス25.0重量%を配合して混合
原料系とした以外は実施例1と同様にして積層型抵抗発
熱体を作製した。その結果、大気中焼成後に絶縁層とヒ
ータ層との間で剥離が生じ、実用に供することができな
かった。
重量%とボールクレー18.0重量%と軟化点700℃
以上のホウケイ酸ガラス25.0重量%を配合して混合
原料系とした以外は実施例1と同様にして積層型抵抗発
熱体を作製した。その結果、大気中焼成後に絶縁層とヒ
ータ層との間で剥離が生じ、実用に供することができな
かった。
【0011】
【比較例2】実施例1において、石英粉末55.0重量
%とボールクレー20.0重量%と軟化点700℃以上
のホウケイ酸ガラス30.0重量%を配合して混合原料
系とした以外は実施例1と同様にして積層型抵抗発熱体
を作製した。その結果、大気中焼成後に絶縁層とヒータ
層との間で剥離が生じ、実用に供することができなかっ
た。以上の実施例および比較例の配合比率と試作結果
を、表1に示している。実施例1〜3の絶縁層における
ムライト配合品については、ムライトの配合比率(重量
%)が20〜70%に変化させても、ヒータ層との積層
化・一体焼成において、剥離・反りなど無く良好なヒー
タが得られている。一方、比較例1、2の絶縁層におけ
るアルミナ、シリカ配合品については、ヒータ層との積
層化・一体焼成において剥離が生じ、良好な形状のもの
は得られなかった。
%とボールクレー20.0重量%と軟化点700℃以上
のホウケイ酸ガラス30.0重量%を配合して混合原料
系とした以外は実施例1と同様にして積層型抵抗発熱体
を作製した。その結果、大気中焼成後に絶縁層とヒータ
層との間で剥離が生じ、実用に供することができなかっ
た。以上の実施例および比較例の配合比率と試作結果
を、表1に示している。実施例1〜3の絶縁層における
ムライト配合品については、ムライトの配合比率(重量
%)が20〜70%に変化させても、ヒータ層との積層
化・一体焼成において、剥離・反りなど無く良好なヒー
タが得られている。一方、比較例1、2の絶縁層におけ
るアルミナ、シリカ配合品については、ヒータ層との積
層化・一体焼成において剥離が生じ、良好な形状のもの
は得られなかった。
【0012】
【実施例4】実施例1と同一条件により得た絶縁質グリ
ーンシート1、U型絶縁質グリーンシート3、I型絶縁
質グリーンシート4、U型ヒータ質グリーンシート5
を、図2に示すように積層化し、ヒータ質シートがU型
の片端子状ヒータを作製した。(幅50mm、長さ10
0mm) 得られたグリーンシート積層体について、窒素雰囲気炉
中で700℃の温度で脱脂処理したのち大気雰囲気に保
持されたトンネル炉に移し、1250℃の温度で焼成処
理を施した。得られた焼成体の概略図を図3に示した。
ほぼ、完全に絶縁被膜に覆われた片端子型ヒータを得る
ことができた。上記片端子型抵抗発熱体のU型ヒータ質
焼成体7の酸化被膜を除去し、図4に示すようにアルミ
ニウムを溶射して電極部8を形成した。このようにして
製造したヒータに通電した結果、表面温度500℃まで
問題無く発熱させることができた。
ーンシート1、U型絶縁質グリーンシート3、I型絶縁
質グリーンシート4、U型ヒータ質グリーンシート5
を、図2に示すように積層化し、ヒータ質シートがU型
の片端子状ヒータを作製した。(幅50mm、長さ10
0mm) 得られたグリーンシート積層体について、窒素雰囲気炉
中で700℃の温度で脱脂処理したのち大気雰囲気に保
持されたトンネル炉に移し、1250℃の温度で焼成処
理を施した。得られた焼成体の概略図を図3に示した。
ほぼ、完全に絶縁被膜に覆われた片端子型ヒータを得る
ことができた。上記片端子型抵抗発熱体のU型ヒータ質
焼成体7の酸化被膜を除去し、図4に示すようにアルミ
ニウムを溶射して電極部8を形成した。このようにして
製造したヒータに通電した結果、表面温度500℃まで
問題無く発熱させることができた。
【0013】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えばアルミノ
ケイ酸塩を主要成分とし、SiまたはFeSiを導電材
料とするセラミックヒータにおいて、該ヒータの表面層
にアルミノケイ酸塩、特にムライト相を主体とした絶縁
材料で被膜することにより、表面絶縁性が優れ、安全性
の高い遠赤外線ヒータを提供することができる。
ケイ酸塩を主要成分とし、SiまたはFeSiを導電材
料とするセラミックヒータにおいて、該ヒータの表面層
にアルミノケイ酸塩、特にムライト相を主体とした絶縁
材料で被膜することにより、表面絶縁性が優れ、安全性
の高い遠赤外線ヒータを提供することができる。
【図1】ヒータ質グリーンシートと絶縁質グリーンシー
トとを圧着積層する前の構成図。
トとを圧着積層する前の構成図。
【図2】U型ヒータ質グリーンシートと絶縁質グリーン
シートとを圧着積層する前の構成図。
シートとを圧着積層する前の構成図。
【図3】図2のものをプレスで圧着積層した後、焼成処
理した焼成体の概略図。
理した焼成体の概略図。
【図4】図3のものに電極部を形成した概略図。
【図5】実施例1の抵抗発熱体の各波長における分光放
射率を示す図。
射率を示す図。
1 絶縁質グリーンシート 2 ヒータ質グリーンシート 3 U型絶縁質グリーンシート 4 I型絶縁質グリーンシート 5 U型ヒータ質グリーンシート 6 絶縁質焼成体 7 U型ヒータ質焼成体 8 電極部
【表1】
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミノケイ酸塩を主要成分とし、Si
またはFeSiを導電材料とするセラミックヒータにお
いて、該ヒータの表面層にアルミノケイ酸塩を主体とし
た絶縁材料で被膜したことを特徴とする遠赤外線ヒー
タ。 - 【請求項2】 表面に被膜する絶縁材料について、ムラ
イト相が20〜70%含まれることを特徴とする遠赤外
線ヒータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6330831A JPH08153572A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 遠赤外線ヒータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6330831A JPH08153572A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 遠赤外線ヒータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08153572A true JPH08153572A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=18237032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6330831A Withdrawn JPH08153572A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 遠赤外線ヒータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08153572A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2757736A1 (fr) * | 1996-12-24 | 1998-06-26 | Electricite De France | Resistance electrique chauffante a longevite amelioree et procede de revetement d'une resistance electrique chauffante |
JPWO2006001373A1 (ja) * | 2004-06-25 | 2008-04-17 | 京セラ株式会社 | セラミックヒータとその製造方法及び加熱装置並びにヘアアイロン |
CN113712363A (zh) * | 2021-08-13 | 2021-11-30 | 珠海市佳一陶瓷有限公司 | 电吹风 |
-
1994
- 1994-11-29 JP JP6330831A patent/JPH08153572A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2757736A1 (fr) * | 1996-12-24 | 1998-06-26 | Electricite De France | Resistance electrique chauffante a longevite amelioree et procede de revetement d'une resistance electrique chauffante |
JPWO2006001373A1 (ja) * | 2004-06-25 | 2008-04-17 | 京セラ株式会社 | セラミックヒータとその製造方法及び加熱装置並びにヘアアイロン |
JP4818922B2 (ja) * | 2004-06-25 | 2011-11-16 | 京セラ株式会社 | セラミックヒータの製造方法 |
CN113712363A (zh) * | 2021-08-13 | 2021-11-30 | 珠海市佳一陶瓷有限公司 | 电吹风 |
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