JP3618369B2 - セラミックス製発熱体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、石英−長石−粘土系の、いわゆる長石質磁器を主相とするセラミックスからなる発熱体に関する。本発明のセラミックス製発熱体は、電子部品、加熱器、電極等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来のセラミックス製発熱体としては、
(1) セラミックス素材中に金属製の抵抗発熱線を埋設し同時焼成したもの、
(2) セラミックス基板(ベース)上に導体(抵抗)ペーストを印刷等で転写した後、焼成したもの、
(3) セラミックス素材中にカーボン粉末、金属繊維等の導電性材料を混合し焼成したもの、などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の各発熱体において、上記(1) の発熱体では、抵抗線の耐久性の問題、つまり、経年劣化による抵抗値の変化、更には断線の問題があり、その他セラミックスと抵抗線との熱膨張係数の差による抵抗線の変形、断線或いはセラミックスの亀裂発生等多くの問題を生ずる。
また、上記(2) では、通電容量を大きくできないため発熱量にはおのずと限界があり、比較的用途が狭くなる他、使用環境によってはペーストが劣化し、抵抗値が大きく変化することがある。また、過度のヒートサイクルにより断線する場合もある。
更に、上記(3) のものでは、酸化される導電性材料を使用するため、還元雰囲気中で焼成する必要があり、そのため焼成装置、操作上の制限を大きく受ける他、一般的に成形性が良くないため複雑な形状のものはできない等製品形状においても制限を受ける等の問題がある。
【0004】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、高圧碍子用原料等として一般的に使用されている石英−長石−粘土系の磁器、いわゆる長石質磁器の原料中に炭化ケイ素ウィスカー及び/又は窒化チタンウィスカー(以下、これら2種類のウィスカーをまとめて単にウィスカーということもある。)を混合し、所定形状に成形した後焼成して得られる長石質磁器を主相とするセラミックスからなる発熱体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ウィスカーを配合した導電性セラミックスからなる発熱体の開発において、ウィスカーの添加量の増加とともに、セラミックスの電気抵抗が漸次低下していくものと考え研究を進めていたが、以外にもある添加量を上限として急激に抵抗が高くなり、導電性が失われることを見出し、本発明を完成したものである。
【0006】
第1発明のセラミックス製発熱体は、長石質磁器原料と、炭化ケイ素ウィスカー及び/又は窒化チタンウィスカーとの混合物からなる成形体を、大気雰囲気中、1240〜1420℃の温度で焼成して得られるセラミックス製発熱体であって、上記長石質磁器原料と、上記炭化ケイ素ウィスカー及び/又は上記窒化チタンウィスカーとの合計量を100重量%とした場合に、上記長石質磁器原料は80〜93重量%、上記炭素ケイ素ウィスカー及び/又は上記窒化チタンウィスカーは20〜7重量%であることを特徴とする。
【0007】
また、第2発明は、上記炭化ケイ素ウィスカー及び/又は上記窒化チタンウィスカーの直径範囲が0.6〜5.0μm、長さ範囲が5〜30μmであることを特徴とする。第3発明は、上記成形体に施釉した後焼成することを特徴とし、第4発明は、上記施釉に使用する釉薬の熱膨張係数が、上記長石質磁器の熱膨張係数に比して僅かに小さいことを特徴とする。更に、第5発明は、上記成形体をカーボンブラック粉末中に埋没させた状態で焼成することを特徴とする。
【0008】
上記「長石質磁器原料」としては、普通磁器の原料である石英−長石−粘土系材料をそのまま使用でき、天然鉱物、人口鉱物等の種類、各成分の配合割合などは特に制限されない。例えば、天然鉱物の成分組成は、天草淘石30重量%、藤岡砂婆30重量%、セルベン16重量%及び蛙目粘土24重量%であり、また、化学組成は重量%で、SiO(ケイ砂)73.8%、Al(アルミナ)20.7%、Fe(酸化第2鉄)、TiO(酸化チタン)0.65%、CaO(酸化カルシウム)0.22%、NaO(酸化ナトリウム)1.2%並びにKO(カオリンナイト)1.98%であるものが一般的である。
【0009】
上記「炭化ケイ素ウィスカー及び/又は窒化チタンウィスカー」の配合量及び形状等は、得られるセラミックスの導電性を大きく左右するため、本願発明では、長石質磁器原料とウィスカーとの合計量を100重量%とした場合に、7〜20重量%のウィスカーを使用する。また、ウィスカーの直径範囲は0.6〜5.0μm、長さ範囲は5〜30μmのものが適当であり、特に直径範囲が0.8〜3.0μmのものが好ましく、1.0〜1.4μmのものがより好ましい。更に、これらウィスカーは空気中における耐熱性が60℃以上、熱膨張係数が5.0×10−6/℃程度のものが好適である。尚、ウィスカーのアスペクト比は10〜40程度が好ましい。
【0010】
ウィスカーの配合量が7重量%未満又は20重量%を越える場合は、得られるセラミックスの体積固有抵抗が大きくなり、導電性が十分ではないため、実用的な発熱体が得られない。また、ウィスカーの直径範囲が0.6μm未満又は長さ範囲が5μm未満では、上記同様十分な導電性が発現せず、実用的な発熱体が得られない。更に、ウィスカーの直径範囲が5.0μmを越え、又は長さ範囲が30μmを越える場合は、得られるセラミックスの機械的強度等が低下し好ましくない。
一方、ウィスカーの直径範囲が0.8〜3.0μm、特に1.0〜1.4μmであって、耐熱性及び熱膨張係数が上記特定の範囲のものであれば、導電性及び強度ともに優れたセラミックスが得られより好ましい。
【0011】
上記「成形体」を製作する方法は、プレス成形が主なものであるが、本発明では成形性に優れる長石質磁器原料が主体であるため、プレス成形の他、鋳込成形、押出成形、丸鏝成形及びロクロ成形等の一般的な磁器成形方法によっても成形可能である。また、複雑な形状の製品を成形する場合、通常の酸化物、窒化物或いは炭化物セラミックス等の熱間ホットプレスの場合には、焼成後に切削加工等することにより対処しているが、本願発明では特にこれを必要とせず、しかも大気雰囲気中で焼成できるため、従来の碍子用の成形並びに焼成施設をそのまま利用することが可能である。
【0012】
上記「焼成温度」は、1240〜1420℃の範囲であり、特に1320〜1350℃が好ましい。焼成温度が1240℃未満では、焼結が不完全となって緻密度が低くなり、そのため機械的強度並びに耐水性が低下する他、体積固有抵抗も十分に低くならず実用的な発熱体が得られない。また、焼成温度が1420℃を越える場合は、セラミックス表面全面に気泡が生成するとともに変形も生ずるため実用に適さない。尚、図1に焼成温度が1320℃の場合の焼成パターンの一例を示したが、本発明では、所定の焼成温度(1320℃)に到達した後、1時間程度その温度を保持することが磁器の緻密性を高める上で重要である。焼成炉としては電気炉、ガス炉等いずれの炉も使用可能である。また、図1から明らかなように、本発明では成形体の全焼成工程は、段階的に昇温しながら例えば10時間というようにかなり長い時間を要するが、「焼成温度」は加熱の最終段階の最も高い温度を意味するものとする。
【0013】
上記「施釉」は、「セラミックス製発熱体」の耐水性、耐薬品性及び抗折強度などの改善並びに製品外観の向上等を目的として、上記「成形体」に施釉するものである。「釉薬」としては、長石質磁器の熱膨張係数(20〜1000℃において4〜6.5×10−6/℃)に比して僅かに小さい4.5〜5×10−6/℃程度の熱膨張係数の圧縮釉が好ましい。この熱膨張係数の差が大きすぎる場合は、発熱体表面に形成される釉薬からなる表面層に割れを生ずることがあり、上記施釉の目的が達せられないため好ましくない。
【0014】
上記釉薬としては、例えば1250℃の磁器釉で透明釉の使用が適している。この透明釉はガラスの一種で、その原料は長石を主体とし、その他ケイ石、石灰に適量の水を加えて混合し、泥漿状とした後、これに沈澱を防止するためCMCやフノリ等を加えたものであり、この中に乾燥した或いは特に乾燥しない状態の成形体を浸漬して施釉する。
【0015】
更に本発明では、成形体を電気炉にそのまま静置し、大気雰囲気中で焼成する方法の他に、第5発明のように、成形体をカーボンブラック粉末中に埋没させた状態で焼成することもでき、このような場合は、表面のカーボンブラック粉末から逐次酸化されていくため、焼成終了まで成形体そのものは酸化されず、従ってそのまま静置した場合のように成形体の外表面が酸化されることがなく、表面層も含め成形体全体が導電性となった発熱体を製造することができる。
【0016】
次に、本発明のセラミックス製発熱体の製造方法を更に詳しく説明すれば、長石質磁器原料に炭化ケイ素ウィスカーを添加し、これに粘着剤となるエタノール等の低級アルコールを加えて混合し、乾燥した後、水(純水が好ましい。)を適量加え、ボールミル等で混合して造粒し、これを篩にかけて分級し、分級した原料を金型に充填して、例えば圧縮成形機等により加圧して所定形状に成形した後、乾燥し或いは乾燥しないでこの成形体を電気炉内に静置し、大気雰囲気中において所定温度で10時間程度かけて焼成し、その後、炉内に放置して自然冷却し、セラミックス製発熱体を製造する。このようにして得られた発熱体の所定部分にメッキ或いはメタリコン等を施して電極を形成し、この電極部分にリード線をハンダ付け等して実用に供される。
【0017】
【作用】
本発明では、大気雰囲気中で焼成するため、得られるセラミックスの表面には数μmの厚さの淡緑色の絶縁保護層が形成される。この絶縁保護層は、磁器原料中に混合されたウィスカーが高温にて酸化され、例えば炭化ケイ素ウィスカー(SiC)であればSiOになるとともに、酸化され高温でガラス状になっている他原料と融着して、成形体外表面へ集まることにより形成されるものと推定される。本発明の発熱体では、この絶縁保護層により酸素の成形体内部への拡散が妨げられるため、内部は実質的に酸化されず、黒色の導電性を有するセラミックスとなり発熱体として使用できるものと思われる。
【0018】
また、本発明では、分散されたウィスカーの全て又は一部がマトリックス相(ガラス相)の粒子と反応して、マトリックス相粒子の周囲に導電性の複合相が形成され、この複合相が連続的に連なることにより導電性が発現されるのではないかと推察され、また、ウィスカーがセラミックス中で均一に分散、接触して電気伝導のネットワークを形成することも導電性発現の一要因ではないかとも考えられる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例及び比較例によって本発明を詳しく説明する。
実施例1〜5及び比較例1〜2
(配合・粉砕)
クラッシャーにより長石質磁器原料を任意の大きさに粉砕し、ボールミルによる混合をし易くした後、室内で自然乾燥した。
(混合)
乾燥した上記磁器原料と炭化ケイ素ウィスカーとの合計量を100gとし、所要量の磁器原料をアルミナ製のボールとともにボールミルに入れ、これに直径範囲1.0〜1.4μm及び長さ範囲20〜30μmの炭化ケイ素ウィスカーを5g(比較例1)、7、10、15、18及び20g(実施例1〜5)並びに25g(比較例2)添加し、これに更に粘着剤としてエタノール300mlを加え、1時間以上混合した。
【0020】
(乾燥)
混合後、原料を80〜100℃の恒温槽に入れエタノールを蒸発させ、乾燥した。
(造粒・分級)
乾燥後、重量を測定し、4ccの純水を加えて乳鉢で造粒した。そして網目600μmの篩にかけた。
(成形)
篩を通過した原料を所定の金型に充填し、成形圧力400kg/cmでプレス成形し、20×80×9.5mmの平板状の成形体にした。
【0021】
(焼成)
上記平板状の成形体をアルミナ粉末を敷いたアルミナ製のセッター(サヤ)に入れ、これを電気炉内に静置し、大気雰囲気中、焼成温度1320℃で1時間保持した時間も含め、昇温開始から冷却開始まで10時間かけて焼成した後、電気炉の電源を切り、そのまま放置して自然冷却し、炉内温度が室温程度に下がったところで成形体を炉から取り出した。図1にその焼成パターンを示す。
(組立・抵抗測定)
炉から取り出したセラミックスの両端の絶縁保護層を切削して内部を露出させ、この部分にニッケルメッキを施した後、電極を形成し、試験片を製作した。この試験片を使用して図2の測定回路によって、JEC−148「電気材料の絶縁抵抗試験方法の通則」に準拠し、電圧電流測定法によって体積固有抵抗を測定した。
【0022】
比較例3〜4
炭化ケイ素ウィスカーに代えてα型炭化ケイ素粉末(平均粒子径;0.45μm、成分炭化ケイ素;98.4重量%)を10重量%(比較例3)及び20重量%(比較例4)使用した他は、実施例1と同様にして試験片を製作し、実施例1と同様にしてその体積固有抵抗を測定した。
比較例5〜6
炭化ケイ素ウィスカーに代えてβ型炭化ケイ素粉末(平均粒子径及び成分炭化ケイ素含量は上記α型と同じ。)を10重量%(比較例5)及び20重量%(比較例6)使用した他は、実施例1と同様にして試験片を製作し、実施例1と同様にしてその体積固有抵抗を測定した。
【0023】
比較例7
炭化ケイ素ウィスカーに代えてカーボンブラック粉末を10重量%使用した他は、実施例1と同様にして試験片を製作し、実施例1と同様にしてその体積固有抵抗を測定した。
実施例6
アルミナ製のセッター(サヤ)中にカーボンブラック粉末を入れ、成形体をカーボンブラック粉末中に埋没させた状態で焼成した他は、実施例2と同様にして試験片を製作し、実施例1と同様にしてその体積固有抵抗を測定した。
【0024】
比較例8
直径範囲0.3〜0.6μm、長さ範囲5〜15μmの炭化ケイ素ウィスカーを使用した他は、実施例2と同様にして試験片を製作し、実施例1と同様にしてその体積固有抵抗を測定した。
実施例7〜9及び比較例9〜10
焼成温度を1250℃(実施例7)、1350℃(実施例8)及び1380℃(実施例9)並びに1200℃(比較例9)及び1450℃(比較例10)に代えた他は、実施例2と同様にして試験片を製作し、実施例1と同様にして体積固有抵抗を測定した。
以上、実施例1〜6及び比較例1〜8の体積固有抵抗の測定結果を表1に示す。また、実施例7〜9及び比較例9〜10の結果を表2示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003618369
【0026】
【表2】
Figure 0003618369
【0027】
本発明のセラミックス製発熱体として使用可能な体積固有抵抗は100Ω・cm以下であるが、表1の結果によれば、各実施例では体積固有抵抗は14〜98Ω・cmの範囲であり、いずれも発熱体として使用できることが分かる。また、実施例6を除いて、表面には淡緑色の絶縁保護層が形成されており、内部は黒色の導電体となっている。実施例6では、表面も酸化されないため絶縁保護層は生成せず、全体が黒色の導電体となっている。
【0028】
一方、炭化ケイ素ウィスカーの配合量が5重量%(比較例1)の場合は、目視による外観上はあたかも良品が得られたように見えるが、電子顕微鏡の観察によれば、セラミックス中に炭化ケイ素ウィスカーの存在が確認できず、体積固有抵抗が大きい。また、配合量が25重量%(比較例2)では、成形体の緻密性が低いため、焼成時に成形体内部も大気雰囲気に晒されて、中心部のみに黒色の導電性部分が形成され、その他の部分は酸化されて淡緑色を呈し、そのため体積固有抵抗は無限大となって、発熱体として使用できないことが分かる。
尚、図3は実施例1〜5及び比較例1〜2の体積固有抵抗の値をグラフに表したものであるが、この図によれば、炭化ケイ素ウィスカーの配合量が本発明の特定の範囲でなければならないことがより明らかである。
【0029】
また、炭化ケイ素ウィスカーに代えて炭化ケイ素粉末を使用した場合は、連続した導電性ネットワークが形成されず、カーボンブラック粉末を使用した場合は、焼成時にすべて燃焼気化してしまって、長石質磁器そのものとなってしまい、また、直径範囲が非常に小さい炭化ケイ素ウィスカーを使用した場合も十分な導電性ネットワークが形成されず、いずれの場合も体積固有抵抗は無限大となり、発熱体として使用できるものではなかった。
【0030】
更に、表2の結果によれば、焼成温度が1250〜1380℃では体積固有抵抗は22〜95Ω・cmとなっており、発熱体として使用可能であることが分かる。しかし、1200℃では体積固有抵抗は無限大、1450℃では127Ω・cmとなっており、焼成温度が上限を越える場合、及び焼成温度が下限を外れる場合は特に発熱体として使用できないことが分かる。
また、図4は上記結果をグラフに表したものであるが、本発明で特定する焼成温度を外れた場合、体積固有抵抗が急激に上昇することがよく分かる。
【0031】
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、施釉することにより、特に水分と接触する可能性の高い用途等に好適な発熱体とすることもできる。尚、施釉した場合は、成形体表面は釉薬からなる薄層によって覆われるため、成形体をカーボンブラック粉末中に埋没して焼成した場合と同様、表面も含めて酸化されず、従って全体が黒色の導電体となった発熱体が得られる。更に、炭化ケイ素ウィスカーの場合と同様の平均径、平均長さの窒化チタンウィスカーを同程度配合して使用し、同等の性能を有する発熱体を得ることもできる。
【0032】
【発明の効果】
第1発明のセラミックス製発熱体は、セラミックスそのものが発熱体であって、抵抗線等を埋設したものではないため耐久性に優れ、また、成形性に優れる長石質磁器原料が主体であるため、従来の長石質磁器原料と同じ成形法や焼成法が利用でき、複雑な形状の製品も簡単に製造することができる。更に、成形機や焼成炉も碍子等従来の磁器製品に使用していた既設設備をそのまま利用でき、実用性が高いとともに経済的でもある。また、焼成時に外表面に絶縁保護層を同時形成することができ、別途絶縁処理をする必要もない。
【0033】
また、第2発明の特定のウィスカーを使用すればより優れた性能の発熱体が得られ、第3発明のように、釉薬を施した発熱体は、耐水性、耐薬品性等が向上するばかりでなく、抗折強度が高くなる等機械的強度も向上するため用途範囲が一段と広くなる。第5発明では、絶縁保護層のない別の形態の発熱体が得られ、表面を研磨しなくても、表面も含めた焼結体全体が発熱機能を備えた製品が得られ、他発明とは異なった用途への適用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成温度が1320℃の場合の焼成パターンの一例を示すグラフである。
【図2】体積固有抵抗測定のための回路図である。
【図3】炭化ケイ素ウィスカーの添加量と体積固有抵抗値との関係を表すグラフである。
【図4】焼成温度と体積固有抵抗値との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1;試験片、2;電圧計、3;電流計、4;直流安定化電源。

Claims (5)

  1. 長石質磁器原料と、炭化ケイ素ウィスカー及び/又は窒化チタンウィスカーとの混合物からなる成形体を、大気雰囲気中、1240〜1420℃の温度で焼成して得られるセラミックス製発熱体であって、上記長石質磁器原料と、上記炭化ケイ素ウィスカー及び/又は上記窒化チタンウィスカーとの合計量を100重量%とした場合に、上記長石質磁器原料は80〜93重量%、上記炭化ケイ素ウィスカー及び/又は上記窒化チタンウィスカーは20〜7重量%であることを特徴とするセラミックス製発熱体。
  2. 上記炭化ケイ素ウィスカー及び/又は上記窒化チタンウィスカーの直径範囲が0.6〜5.0μm、長さ範囲が5〜30μmである請求項1記載のセラミックス製発熱体。
  3. 上記成形体に施釉した後焼成して得られる請求項1又は2記載のセラミックス製発熱体。
  4. 上記施釉に使用する釉薬の熱膨張係数が、上記長石質磁器の熱膨張係数に比して小さく、その差が2×10−6/℃以下(但し、0は含まない。)である請求項3記載のセラミックス製発熱体。
  5. 上記成形体をカーボンブラック粉末中に埋没させた状態で焼成して得られる請求項1、2、3又は4記載のセラミックス製発熱体。
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