JP2004001877A - 紙製飲料容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ストローを容易に貫通させることができ、しかもストローで内容物を容易に吸飲可能とすること
【解決手段】ストロー挿入口2における貫通用切り線4の長さを当該紙製飲料容器1に特定使用されるストロー10の半径よりも長く設定することによって、前記ストロー挿入口2にストロー10を挿入した際に、挿入されたストロー10の外周と,容器内部に押し込められた各挿入口基材分割部2a〜2cとによって、貫通用切り線4の末端部42に、当該貫通用切り線4の数に相当する個数の空気導入孔5が形成されるよう構成されている。
【選択図】 図4
【解決手段】ストロー挿入口2における貫通用切り線4の長さを当該紙製飲料容器1に特定使用されるストロー10の半径よりも長く設定することによって、前記ストロー挿入口2にストロー10を挿入した際に、挿入されたストロー10の外周と,容器内部に押し込められた各挿入口基材分割部2a〜2cとによって、貫通用切り線4の末端部42に、当該貫通用切り線4の数に相当する個数の空気導入孔5が形成されるよう構成されている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば牛乳等の液体状の内容物を収容する紙製の飲料容器に係り、特に、ストローを容易に貫通させることができ、横転した場合でもストロー貫通後に形成される空気導入孔から容易に内容物が漏れ出すことも無く、しかもストローで内容物を容易に吸飲することが可能な紙製飲料容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、環境問題を考慮した資源のリサイクルの見地から、ガラス製の瓶,金属缶あるいはペットボトル等の硬質容器の代替容器として、紙を基材として作製されている飲料容器(以下、紙製容器という)の需要が高まっている。この紙製容器は、詳しくは、紙を基材とし、その両面にポリエチレンを積層させたもの、或いは前記ポリエチレン積層紙の片面(容器の内面となる面)に更にアルミニウム箔とポリエチレンとを順次積層させた材料によって作製されており、通称「ブリックタイプ」「レンガ型容器」等と呼ばれる、図6のようなストロー挿入口を上面に有したものが主流となっている。
【0003】
また前記紙製容器のストロー挿入口は、基材である紙に設けられた円形の小穴を、ポリエチレン,あるいはアルミニウム箔とポリエチレンとから成るフィルム層により塞いだ状態で構成されている。このような紙製容器内の内容物を吸飲するには、消費者は、まず上記の先端の尖ったストローをストロー挿入口に突き刺してこのフィルム層を破り、しかる後にストロー挿入口からストローを挿入して内容物を吸飲している。尚、通常、このストローは当該紙製容器に特定使用されるものであり、紙製容器の側面に具備されているか、あるいは消費者の購入時に、内容物を収納する紙製容器とは別個に入手できるものである。
【0004】
ここで、ストロー挿入口にて円形小穴を塞いでいる前記フィルム層は弾性に富み、しかもストローを突き刺す際の押圧力によってこのフィルム層は延伸するため、ストローをフィルム層に貫通させた時には、ストロー貫通前に弾性変形し且つ延伸していたフィルム層が破れると共にストローの外周に強力に密着し、ストローを差し込んだ紙製容器の内部が完全な気密状態となり、その結果、消費者がストローから内容物を吸飲しようとしても当該内容物がストローを通って容易に外部に出てこないという不都合が生じていた。
【0005】
またこのような場合、消費者が更に強くストローで吸い込むと、紙製容器の胴部の壁面が内側にへこみ、しかる後に漸く内容物がストローを通って消費者の口に入ってくることとなるが、このような現象は紙製容器内の内容物が少なくなるにつれて益々顕著になるため、内容物を吸飲して紙製容器内に残っている内容物の量が少なくなればなるほど、消費者は内容物をストローで吸飲するのが困難になるといった不都合が生じていた。このような不都合は、特に子供にとっては深刻であり、子供が内容物を完全に吸飲するには多大な労力を要していた。
【0006】
さらに、ストローを貫通した後、消費者は紙製容器の胴部を手で把持しているため、消費者の手から紙製容器の胴部に加わっている押圧力,並びに気密状態の容器内部の気圧と外気圧との気圧差によって、内容物が容易にストローから外部に溢れ出してしまうといった不都合もあった。
【0007】
そこで、このような不都合を改善するため、ストロー挿入時および飲料分配時において容器内部の良好な通気状態を確保可能な容器として、次の先行技術文献に係る発明がある。
【0008】
【特許文献1】
特許第3050960号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術文献に記載の容器に備えられたストロー挿入口の構造では、万一消費者が誤ってストローを挿入した状態で紙製容器を横転させてしまった場合には、ストロー挿入時に形成される通気孔から内容物が外部に漏れ出してしまう虞がある。よって、特に子供が使用する場合や病床の患者や高齢者等が横になった状態で使用する場合には、容器を横転させる虞が十分にあるという点を考慮すると、上記先行技術文献に記載の容器に備えられたストロー挿入口の構造は必ずしも最適とは言えないものである。
【0010】
また、上述の如くストロー挿入口にて円形小穴を塞いでいるフィルム層が弾性に富み、しかもストローを突き刺す際の押圧力によってこのフィルム層が延伸するという容器の材質に着目すると、従来技術では、消費者が容易にストローをフィルム層に貫通させることができないという不都合が生じることが多々あり、この点についても他の課題と同様、紙製容器において改善されるべき課題である。
【0011】
そこで本発明の目的は、ストローを容易に貫通させることができると共に、貫通後のストローから容易に内容物が溢れ出すことが無く、しかもストローで内容物を容易に吸飲することが可能であり、さらには容器を横転させてしまった場合に、形成された空気導入孔からも内容物が漏れ出すことのない紙製飲料容器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、内容物を吸飲するためのストローを挿入するストロー挿入口が上面に設けられた紙製飲料容器であって、前記ストロー挿入口は、少なくとも3本の貫通用切り線によって前記ストロー挿入口における基材が前記貫通用切り線の数だけ分割し、当該貫通用切り線の数の挿入口基材分割部が形成されていると共に、容器を形成する基材を各貫通用切り線が完全に貫通した状態で前記ストロー挿入口の内面側がフィルム層によって塞がれることにより構成され、前記貫通用切り線は、各貫通用切り線の一端が交叉点で一致すると共に、隣接する貫通用切り線同士が成す角が何れも等しく且つ各貫通用切り線の長さが等しくなるように容器上面に施され、さらに各貫通用切り線の長さは、当該紙製飲料容器に特定使用されるストローの半径よりも長く設定されることにより、前記ストロー挿入口にストローを挿入した際に、挿入されたストローの外周と容器内部に押し込められた各挿入口基材分割部とによって、貫通用切り線の末端部に、当該貫通用切り線の数に相当する個数の空気導入孔が形成されるよう構成されている。
【0013】
また上記紙製飲料容器は、各貫通用切り線の長さを当該紙製飲料容器に特定使用されるストローの半径よりも0.75mm乃至1.0mm大きく設定することによって上記目的を達成できる。
【0014】
また本発明の紙製飲料容器では、前記ストロー挿入口は、8本あるいは10本の貫通用切り線によって前記ストロー挿入口における基材が前記貫通用切り線の数だけ分割し、当該貫通用切り線の数の挿入口基材分割部が形成されていると共に、容器を形成する基材を各貫通用切り線が完全に貫通した状態で前記ストロー挿入口の内面側がフィルム層によって塞がれることにより構成され、前記貫通用切り線は、各貫通用切り線の一端が交叉点で一致すると共に、隣接する貫通用切り線同士が成す角が何れも等しく且つ各貫通用切り線の長さが等しくなるように容器上面に施され、この各貫通用切り線の長さは、この容器に特定使用するストローの最大サイズである直径7mmを基準として4.25mm乃至4.5mmに設定されることにより、特定使用するストローの最大サイズである直径7mm以下の直径サイズのストローを使用する場合に、何れの直径サイズのストローを前記ストロー挿入口に挿入した際にも、挿入されたストローの外周と容器内部に押し込められた各挿入口基材分割部とによって、前記ストローの周囲に、当該貫通用切り線の数に相当する個数の空気導入孔が形成されるよう構成されている。
【0015】
さらに、上記の各紙製飲料容器の形状を、上面及び下面の形状が正方形の正四角直方体形状とすることによっても、上記目的を達成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の紙製飲料容器の一実施形態を、図1から図4を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態の紙製飲料容器の概略構成図であり、図2は図1の紙製飲料容器におけるストロー挿入口の構成を示す図である。また図3は、本実施形態の紙製飲料容器における貫通用切り線の形状の具体例をそれぞれ示す図であり、図4は、本実施形態の紙製飲料容器において、ストローを挿入した状態でのストロー挿入口の構成を示す図である。
【0017】
[第一実施形態]
本実施形態の紙製飲料容器1は、図1のように、容器上面における四箇所の隅角部の内の何れか一箇所にストロー挿入口2としての貫通用切り線4が設けられている。
【0018】
またこの紙製飲料容器1は、従来の紙製容器と同様に、紙1bの一方の面(容器の外面となる面)にポリエチレン1cが積層されたものを基材1aとし、この基材1aのこの一方の面に印刷を施し、他方の面(容器の内面となる面)にはポリエチレン3a,アルミニウム箔3b,ポリエチレン3cを順次積層させた材料によって図2(a)の如く5層構造で作製されている。ここで、本発明の紙製飲料容器1の作製方法について以下具体的に説明すると、まず容器の内面となる基材1aの一方の面に印刷が行われ、続いて上面における四箇所の隅角部の内の何れか一箇所に上記の貫通用切り線4が施される。この時、貫通用切り線4は基材1aを完全に貫通した状態となっている。こうして貫通用切り線4が施された後、基材1aの他方の面にポリエチレン3a,アルミニウム箔3b,ポリエチレン3cを順次積層させる工程,基材に折り筋を施す工程,容器形成・内容物充填工程,及び接着・密封工程が続けて行われる。以上のようにして内容物を収容した紙製飲料容器1が作製される。つまり、従来の紙製容器の製造工程の内、基材の所定箇所にストローを挿入するための孔を貫通させる工程が、本発明の紙製飲料容器1の製造工程では、基材1aの所定位置に貫通用切り線4を施す工程となっている。
【0019】
このように作製された紙製飲料容器1のストロー挿入口2は、図2のように基材1aに設けられた貫通用切り線4の内面側が、ポリエチレン3a,アルミニウム箔3bおよびポリエチレン3cから成るフィルム層3によって塞がれている状態で構成されている。また前記貫通用切り線4は少なくとも3本は設けられており、この貫通用切り線4は、図1及び図2に示すように、全ての貫通用切り線4の一端が交叉点41で一致すると共に、隣接する貫通用切り線4同士が成す角が何れも等しくなり且つ前記交叉点41から各貫通用切り線4の末端部42までの長さ(以下、貫通用切り線4の長さという)が等しくなるように基材1aに施されている。尚、本実施形態では図1及び図2(b)のように3本のストロー挿入用の貫通用切り線4が設けられているが、この貫通用切り線4の本数は、内容物の粘度や濃度に応じて最適な本数を適宜設定することができ、例えば図3のように、4本あるいは6本の貫通用切り線を設けてもよい。
【0020】
また、この各貫通用切り線4の長さは当該紙製飲料容器1に特定使用されるストロー10の半径よりも大きくなるように設定されている。ここで、この当該紙製飲料容器1に特定使用されるストロー10とは、従来と同様、紙製飲料容器1の側面に具備されているか、あるいは消費者の購入時に、内容物を収納する紙製飲料容器1とは別個に入手可能な先端の尖ったストローを指しており、以下、単にストロー10という。尚、このストロー10の半径と貫通用切り線4の長さとの差は内容物の粘度や濃度によって適宜設定可能であるが、貫通用切り線4の長さがストロー10の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定されることが望ましい。これは、貫通用切り線4の長さとストロー10の半径との差が0.75mm以下の場合には、後述のようにストロー10の周りに形成される空気導入孔5が、消費者が内容物をストロー10で吸飲する際に必要な量の空気を容器内部に吸入可能なだけの十分な大きさにならないことがあり、また貫通用切り線4の長さがストロー10の半径よりも1.0mm以上大きい場合には、後述のようにストロー10を挿入した状態で容器を横転させてしまった際に、空気導入孔5から内容物が漏れ出てしまうことがあるからである。
【0021】
次に、上記のような構成の紙製飲料容器1において、ストロー挿入口2からストロー10を挿入した時の紙製飲料容器1について図4を参照して説明する。
【0022】
まず、消費者がストロー10をストロー挿入口2のフィルム層3に突き刺す際、尖ったストロー10の先端部で貫通用切り線4の交叉点41付近を押圧することにより、各貫通用切り線4により形成される挿入口基材分割部2a〜2cに対して、円筒形状のストローの側面が横方向(即ち、容器上面に対して略平行な方向)への均等な押圧力を働かせながら挿入されるので、下方向への均等な押圧力が働くと共に、挿入口基材分割部2a〜2cからの押圧力とストロー10からの押圧力とが前記交叉点41の直下位置43に集中し、ストロー挿入口2の下方(即ち、貫通用切り線4の内面側)のフィルム層3は前記直下位置43から容易に切断される。よって、従来のようにフィルム層3の延伸,弾性変形により容易にストロー10をフィルム層3に貫通させることができないということはなく、消費者は容易にストロー10をストロー挿入口2に貫通させることができる。
【0023】
続いて、消費者がストロー10をさらに容器内部に挿入すると、基材1aは各貫通用切り線4の交叉点41から末端部42に向かって、各貫通用切り線4に沿って切り裂かれていく。この時、徐々に大きく形成されていく挿入口基材分割部2a〜2cには、円形断面のストロー10の外周面から均等な押圧力が働くため、各貫通用切り線4直下のフィルム層3にも均等な押圧力が働き、その結果、ストロー挿入口2の下方のフィルム層3は、前記直下位置43から各貫通用切り線4の末端部42まで、各貫通用切り線4にほぼ沿うようにして完全に切断される。この時、切断された各貫通用切り線4により形成された挿入口基材分割部2a〜2cは、ストロー10によって折り曲げられた状態で図4(b)のように容器内部に押し込められる。この時、上記の如く押し込められた挿入口基材分割部2a〜2cは、図4(b)のように貫通後のストロー10の外周に密着するため、この押し込められた挿入口基材分割部2a〜2cによって、ストロー10が容易に抜けにくくなる。
【0024】
またこの時、挿入されたストロー10の外周と,押し込められた挿入口基材分割部2a〜2cとによって、ストロー挿入後における貫通用切り線4の末端部42には、図4(a)のように貫通用切り線4の数に相当する個数の空気導入孔5が形成される。ここで形成された全ての空気導入孔5は、略同一の大きさである。
【0025】
以上のように、本発明の紙製飲料容器1にストロー10を挿入すると、ストロー10の周りには等間隔に空気導入孔5が形成されるが、このような状態になることで、ストロー挿入後の紙製飲料容器1の内部が気密状態ではなくなり、消費者が内容物をストロー10で吸飲する際に必要な量の空気を容器内部に吸入可能となる。よって、紙製飲料容器1の外部と内部との気圧差が減少し、その結果、消費者は内容物をストロー10で容易に吸飲することが可能となる。また、この空気導入孔5の形成によって、子供でもストロー10で容易に吸飲することが可能となるため、子供も内容物を完全に吸飲することが容易となる。
【0026】
また、紙製容器を把持する消費者の手から該紙製容器の胴部に加わっている押圧力および容器内部の気密状態と外気との気圧差によって、内容物がストロー10から外部に容易に溢れ出してしまうといった不都合についても、空気導入孔5から空気の出入が可能となり、さらに上述の如く容器の外部と内部との気圧差が減少するため、このような不都合も解消される。
【0027】
尚、消費者が誤って、ストロー10を挿入した状態で上記構成の紙製飲料容器1を横転させてしまった場合でも、形成された各空気導入孔5が例えば0.75mm乃至1.0mmの大きさ程度で孔としては小さく、またストロー10の周りに等間隔で分散して存在するという構成に加えて、液体の凝集力による液体特有の性質が働くことから、液体状の内容物が各空気導入孔5から外部に漏れ出すことはない。
【0028】
以上のように、本発明の紙製飲料容器1によれば、ストロー10を挿入し易いばかりでなく、ストロー挿入後にストロー10の周りに等間隔で複数の空気導入孔5が分散形成されるため、把持する手からの押圧力等の影響によりストロー10から内容物が溢れ出すことが無く、さらに内容物を容易に吸飲することも可能となる。また、液体状の内容物が各空気導入孔5から漏れ出すことはないことから、特に飲料容器を横転させる虞のある子供にとって、本発明は最適な飲料容器であると言える。
【0029】
また上記構成において、貫通用切り線4の長さはストロー10の半径に応じて設定可能であるので、本発明の紙製飲料容器1を多岐にわたり使用することが可能となる。具体的には、例えば病床で生活する者が重湯やスープ等といった高粘性の流動食をストロー10を用いて食す場合、使用するストロー10の半径,流動食の種類や粘度によって貫通用切り線4の長さならびに該貫通用切り線4の形状を設定して紙製飲料容器1を構成することにより、病床生活者が容易にストロー10で流動食を食することが可能な紙製飲料容器1を作製することができる。このような紙製飲料容器1は、上記と同様の効果を得ることができるため、本発明の紙製飲料容器1は病床生活者にとっても最適な飲料容器として活用することができる。
【0030】
[第二実施形態]
また、上記の第一実施形態に係る発明の構成は、内容物の粘度や濃度によって前記ストロー10の最適な半径が決定すると、そのストロー10の半径を基準として貫通用切り線4の長さは設定される、というものであり、特に前記貫通用切り線4の長さがストロー10の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定されることが望ましいとしているが、現在内容物の種類によって仕分けされている数種類のストロー(主に、収容時に伸縮可能な二段式ストロー)の直径が5mm乃至7mmであることを踏まえた上で、第二実施形態として次のような構成のストロー挿入口であっても良い。以下にそのストロー挿入口の構成を説明する。
【0031】
まず、この紙製飲料容器に特定使用されるストローは、第一実施形態と同様、この紙製飲料容器の側面に具備されているか、あるいは消費者の購入時に、内容物を収納する紙製飲料容器とは別個に入手可能な先端の尖ったものであり、この第二実施形態にて用いられるストローの直径は、一例として、現在の市場において主流の5mmと7mmの二種類とする。この時、第二実施形態のストロー挿入口を構成する貫通用切り線の長さを、主流のストローの内の最大の直径サイズである7mmを基準としてその半径3.5mmよりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定する。つまり、貫通用切り線の長さを4.25mm乃至4.5mm程度に設定する。
【0032】
さらに、前記貫通用切り線の本数についても8本あるいは10本に設定する。ここで、前記貫通用切り線の本数を10本より多くすると、ストロー挿入後に形成される各空気導入孔の間隔が短くなり過ぎてしまい、隣接する空気導入孔同士が繋がってしまう虞がある。また前記貫通用切り線の本数を8本未満とすると、後述のようにストローの使用最大サイズ(直径7mm)を基準としてサイズ設定されたストロー挿入口に使用最大サイズ以下のサイズ(直径5mm)のストローを貫通させて内容物を吸飲する場合に、後述のように発生する押圧力と抵抗力とのバランスが最適でないため、十分な効果が得られる程度の大きさの空気導入孔を形成することができない。以上のような理由により、第二実施形態においては貫通用切り線の本数を8本あるいは10本に設定している。
【0033】
次に、上記のように貫通用切り線の本数及びサイズの設定がされたストロー挿入口を具備する紙製飲料容器に直径5mmのストローおよび直径7mmのストローをそれぞれ挿入した時の紙製飲料容器について、図5を参照して説明する。尚、図5では一例として貫通用切り線の本数を8本としている。また、図5の中の各構成要素で図1から図4中のものと実質的に同一の構成要素については同一符号を用いることとする。
【0034】
まず、市場で主流の直径サイズの内で最大の7mmサイズのストロー11を挿入する場合について説明すると、7mmサイズのストロー11をストロー挿入口2のフィルム層に突き刺す場合には、第一実施形態と同様にストロー11を容易にこのストロー挿入口2に貫通させることができ、また、最終的にはストロー挿入口2の下方のフィルム層が各貫通用切り線の末端部まで、各貫通用切り線にほぼ沿うようにして完全に切断される。こうして、切断された各貫通用切り線により形成された挿入口基材分割部21〜28が、このストロー11によって折り曲げられた状態で図5(a)のように容器1の内部に押し込められ、ストロー挿入後における貫通用切り線の末端部に、貫通用切り線の数に相当する8個の空気導入孔5が形成されることとなる。
【0035】
そして以上のような構成により、第二実施形態において7mmサイズのストロー11を挿入する場合には、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。また、第二実施形態では前記貫通用切り線の本数が8本あるいは10本(図5では8本)に設定されているため、消費者は従来ほど大きな押圧力を加えることなく、ストロー11を挿入することが可能となる。
【0036】
一方、市場で主流の直径サイズの内で最大の7mmサイズより小さい5mmサイズのストロー12を挿入する場合について説明すると、5mmサイズのストロー12も第一実施形態と同様に、容易にストロー挿入口2に貫通させることができる。しかし、ストロー12の挿入を継続した時には7mmサイズのストロー11の場合と異なり、ストロー挿入口2の下方のフィルム層は各貫通用切り線の末端部42まで切断されず、図5(b)のように各貫通用切り線4の末端部42に至る手前の途中位置で、各貫通用切り線4にほぼ沿ったフィルム層の切断が停止する。そしてこの停止位置に、図5(b)のように貫通用切り線の数に相当する8個の空気導入孔5が形成されることとなる。
【0037】
ここで、このような7mmサイズのストロー11と5mmサイズのストロー12での切断態様の違いは、次のような現象によるものと考えられる。以下、各サイズのストローでの切断態様を考察する。
【0038】
まず、上記構成のストロー挿入口にストローを挿入する場合には、第一実施形態と同様に、この挿入により徐々に大きく形成されていく挿入口基材分割部に円形断面のストローの外周面から均等な押圧力が働くため、各貫通用切り線の直下のフィルム層にも均等な押圧力が働き、その結果、フィルム層を剪断する剪断力が発生し、ストロー挿入口の下方のフィルム層が各貫通用切り線にほぼ沿うようにして切断される。
【0039】
この時、この切断の際にフィルム層に加わる力としては、ストローの挿入により発生する上記剪断力の他に、フィルム層の材質に基づく切断への抵抗力が発生している。この抵抗力について具体的に説明すると、フィルム層は図2(a)に示すようにポリエチレン3a,アルミニウム箔3bおよびポリエチレン3cの三層構造であるが、これらの内、二層のポリエチレン層3a,3cがフィルム層の切断時に弾性変形するため、ポリエチレン層3a,3cが元の状態に戻ろうとする性質により、フィルム層の切断の進展を妨げる力が働く。この力がフィルム層の切断に対する抵抗力ということになる。以上のように、上記剪断力と抵抗力という二種類の力がフィルム層切断時に主に生じている。
【0040】
さて、第二実施形態において7mmサイズのストロー11を挿入する場合、前記貫通用切り線の本数が8本あるいは10本に設定されているため、消費者は従来ほど大きな押圧力を加えることなくストロー11を挿入することが可能となる。よって、切断時に発生する剪断力は従来よりも小さいものとなる。しかしながら、前記貫通用切り線の長さはストロー11の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度しか大きくないため、0.75mm乃至1.0mm程度の前記貫通用切り線直下のフィルム層のポリエチレン層による抵抗力も大きく働くことはない。その結果、発生する剪断力の方が抵抗力より大きくなり、フィルム層の切断が進行して、最終的には図5(a)のように、ストロー挿入口2の下方のフィルム層が各貫通用切り線の末端部まで、各貫通用切り線にほぼ沿うようにして完全に切断されることとなる。
【0041】
一方、5mmサイズのストロー12を挿入する場合、7mmサイズのストロー11を挿入する場合と同様に、切断時に発生する剪断力は従来よりも若干小さいものとなる。しかしながら、前記貫通用切り線の長さは4.25mm乃至4.5mm程度に設定されており、ストローの半径よりも1.75mm乃至2.0mm程度も大きいため、この1.75mm乃至2.0mm程度の前記貫通用切り線直下のフィルム層のポリエチレン層による抵抗力は、7mmサイズのストロー11の場合に比べて大きく働くこととなる。その結果、図5(b)のようにストロー12の先端が完全に内部まで挿入された後は、剪断力より抵抗力の方が大きくなるため、最終的には図5(b)のようにフィルム層は各貫通用切り線4の末端部42まで切断されず、各末端部42に至る手前の途中位置で切断は停止し、この停止位置に、貫通用切り線4の数に相当する個数の空気導入孔5が形成されることとなる。
【0042】
また、第二実施形態において5mmサイズのストロー12を挿入すると、各貫通用切り線4の末端部42まで1.0mm程度残した状態で自然と切断が停止し、この地点が前記停止位置となるが、このとき形成される空気導入孔5の大きさは、各貫通用切り線4の大きさを5mmサイズのストロー12の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定した場合に形成される空気導入孔の大きさと略同一となる。
【0043】
以上より、第二実施形態において5mmサイズのストロー12を挿入する場合にも、結果的には各貫通用切り線4の大きさを5mmサイズのストロー12の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定した場合に形成される空気導入孔と略同一の大きさのものが形成されるので、4.25mm乃至4.5mm程度に設定された貫通用切り線4を有するストロー挿入口2に5mmサイズのストロー12を挿入した場合にも、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。また、第二実施形態では前記貫通用切り線4の本数が8本あるいは10本に設定されているため、消費者は従来ほど大きな押圧力を加えることなく、ストロー12を挿入することが可能となる。尚、本実施形態では、主流のストローの内の最大の直径サイズである7mmより小さいサイズとして、直径5mmサイズを一例として挙げているが、直径7mm以下のストローであれば、直径5mmのストローと同様の作用効果を奏することができる。
【0044】
このように、ストロー挿入口2における貫通用切り線の長さを4.25mm乃至4.5mm程度に設定し、且つ貫通用切り線の本数を8本あるいは10本に設定していれば、直径7mm以下の範囲内で何れのサイズのストローを挿入する場合であっても、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0045】
尚、上記第二実施形態は、現在主に紙製容器の側面に具備されている二段式のストローに着目したものであるが、この二段式ストローは、従来の突き破りにくい構成のストロー挿入口を貫通させるために、肉厚の構造となっている。そして、例えば消費者が吸飲時に口を付ける側の一段目ストローの外径が7mmである二段式ストローでは、先端の尖っている二段目ストローの外径が5mm,内径が4.2mmとなっている。また、一段目ストローの外径が6mmである二段式ストローでは、二段目ストローの外径が4.5mm,内径が3.3mmとなっており、一段目ストローの外径が5mmである二段式ストローでは、二段目ストローの外径が4mm,内径が3mmとなっている。
【0046】
しかしながら、このようなサイズの二段式ストローでは、内容物として、果肉が混ざっている飲料やダイエット食品等のゼリー状のもの、あるいは上述の如く病床で生活する者のために内容物を重湯やスープ等といった高粘性の流動食とした場合には、二段目ストローの内径が一段目ストローの内径に比して約2mmも小さくなっているため、二段目ストローに詰まる等して容易に吸飲できないという不都合が生じる虞がある。
【0047】
これに対して、現在市販されている蛇腹の付いたストローに代表されるストレートタイプのストローは、二段式ストローに比して薄肉の構造であり、例えばこのストレートタイプのストローの外径が7mmである場合に内径は5.5mmとなっている。よって、このようなストレートタイプのストローを利用できれば、上述のように果肉が混ざっている飲料やダイエット食品等のゼリー状のもの、あるいは上述の如く病床で生活する者のために内容物を重湯やスープ等といった高粘性の流動食などを内容物としても、消費者は容易にこれらの内容物を吸飲することが可能となる。尚、市場で主流のストレートタイプのストローにおいて、最大の直径サイズが7mmである。
【0048】
そこで、上記各実施形態におけるストロー挿入口の構造を鑑みると、ストローがストレートタイプのストローのように薄肉の構造であっても、このストレートタイプのストローの先端を尖らせておけば、このストローの先端部で貫通用切り線の交叉点付近を押圧することにより、ストロー挿入口の下方のフィルム層を容易に切断することができ、消費者は容易にストローをストロー挿入口に貫通させることができる。そして、消費者がストローをさらに容器内部に挿入すれば、基材を各貫通用切り線の交叉点から末端部に向かって、各貫通用切り線に沿って容易に切り裂くことができる。
【0049】
よって、ストロー先端が尖っていれば、上記各実施形態におけるストロー挿入口の構造により、肉厚構造の二段式ストローのみならず薄肉構造のストレートタイプストローであっても、消費者は容易に貫通させることができ、使用可能となる。そして、薄肉構造のストレートタイプストローを蛇腹を備えたタイプとすることにより、従来の二段式ストローよりも内径の大きなものを、容器側面に具備させることができる。また、このようにストレートタイプストローが使用可能となることによって、上述のように内容物の種類を多彩に選択することができ、利便性の向上,用途拡大が図れることとなる。
【0050】
尚、従来ではストロー10で内容物を吸飲する際、容器の側面がへこまなければ消費者は内容物を円滑に吸飲することができなかったが、本発明により、上述の如く内容物をストロー10で吸飲する際に十分な量の空気が容器内部に吸入可能となるため、特に容器の側面がへこむように容器自体を設計する必要がなくなる。そこで、上記各実施形態における紙製飲料容器1の形状については、第一に内容物の内圧抵抗が紙製飲料容器1の四側面に対して均一に働くこと、第二に消費者が容器を把持した時に生じる容器側面への押圧力に対する抵抗強度を大きくすること、第三に容器をテーブル等に載置した時の容器の自立安定性に優れていること、第四に消費者が把持しやすい形状であること、の以上四点を全て実現可能な形状であることを理由に、正四角直方体を選定することが最良である。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、消費者はストローを容易に貫通させることができると共に、貫通後のストローから容易に内容物が溢れ出すことが無く、しかもストローで内容物を容易に吸飲することできる。さらに、容器を横転させてしまった場合に、形成された空気導入孔からも内容物が漏れ出すことがないため、特に容器を横転させる虞のある子供等にも使い勝手の良い紙製飲料容器となる。また上記構成の紙製飲料容器は、特別な設備を要せずとも、従来の紙製容器の製造工程を大幅に変更せずに容易に作製可能であるという利点もある。
【0052】
また、特に7mm以下のサイズのストローを挿入する場合には、前記貫通用切り線の長さを4.25mm乃至4.5mm程度に設定し、且つ前記貫通用切り線の本数を8本あるいは10本に設定することで、上記効果と同様の効果を得ることが可能となる。またこのように貫通用切り線の本数およびサイズをストローの使用最大サイズである7mmを基準としてサイズ設定しても、使用最大サイズ以下のサイズのストローを用いて内容物の吸飲を容易に行うことができることから、製造者側としては、製造工程中に使用ストローのサイズ毎に貫通用切り線の本数およびサイズを設定変更することなく、上記の如き一律の本数およびサイズの貫通用切り線を形成させて容器の製造を行うことができるようになる。これより、ストローの使用最大サイズである7mmを基準としてサイズ設定すれば、製造工程において貫通用切り線の本数およびサイズの設定変更などの手間や時間を省くことができ、より効率的に作製可能であるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における紙製飲料容器の概略構成図である。
【図2】図1の紙製飲料容器におけるストロー挿入口の構成を示す図であり、図2(a)は断面図、図2(b)は上面図である。
【図3】本実施形態の紙製飲料容器における貫通用切り線の形状の具体例をそれぞれ示す図であり、図3(a)は貫通用切り線が4本の場合、図3(b)は貫通用切り線が6本の場合をそれぞれ示す図である。
【図4】本実施形態の紙製飲料容器において、ストローを挿入した状態でのストロー挿入口の構成を示す図であり、図4(a)はストローを挿入した状態でのストロー挿入口の斜視図、図4(b)は断面図である。
【図5】第二実施形態の紙製飲料容器において、ストローを挿入した状態でのストロー挿入口の構成を示す斜視図であり、図5(a)は直径7mmのストローを挿入した状態、図5(b)は直径5mmのストローを挿入した状態を示す図である。
【図6】従来の紙製容器の概略構成図である。
【符号の説明】
1…紙製飲料容器、1a…基材、1b…紙、1c…ポリエチレン、2…ストロー挿入口、2a〜2c…挿入口基材分割部、3…フィルム層、3a…ポリエチレン、3b…アルミニウム箔、3c…ポリエチレン、4…貫通用切り線、41…交叉点、42…末端部、43…直下位置、5…空気導入孔、10…ストロー、11…直径7mmのストロー、12…直径5mmのストロー、21〜28…挿入口基材分割部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば牛乳等の液体状の内容物を収容する紙製の飲料容器に係り、特に、ストローを容易に貫通させることができ、横転した場合でもストロー貫通後に形成される空気導入孔から容易に内容物が漏れ出すことも無く、しかもストローで内容物を容易に吸飲することが可能な紙製飲料容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、環境問題を考慮した資源のリサイクルの見地から、ガラス製の瓶,金属缶あるいはペットボトル等の硬質容器の代替容器として、紙を基材として作製されている飲料容器(以下、紙製容器という)の需要が高まっている。この紙製容器は、詳しくは、紙を基材とし、その両面にポリエチレンを積層させたもの、或いは前記ポリエチレン積層紙の片面(容器の内面となる面)に更にアルミニウム箔とポリエチレンとを順次積層させた材料によって作製されており、通称「ブリックタイプ」「レンガ型容器」等と呼ばれる、図6のようなストロー挿入口を上面に有したものが主流となっている。
【0003】
また前記紙製容器のストロー挿入口は、基材である紙に設けられた円形の小穴を、ポリエチレン,あるいはアルミニウム箔とポリエチレンとから成るフィルム層により塞いだ状態で構成されている。このような紙製容器内の内容物を吸飲するには、消費者は、まず上記の先端の尖ったストローをストロー挿入口に突き刺してこのフィルム層を破り、しかる後にストロー挿入口からストローを挿入して内容物を吸飲している。尚、通常、このストローは当該紙製容器に特定使用されるものであり、紙製容器の側面に具備されているか、あるいは消費者の購入時に、内容物を収納する紙製容器とは別個に入手できるものである。
【0004】
ここで、ストロー挿入口にて円形小穴を塞いでいる前記フィルム層は弾性に富み、しかもストローを突き刺す際の押圧力によってこのフィルム層は延伸するため、ストローをフィルム層に貫通させた時には、ストロー貫通前に弾性変形し且つ延伸していたフィルム層が破れると共にストローの外周に強力に密着し、ストローを差し込んだ紙製容器の内部が完全な気密状態となり、その結果、消費者がストローから内容物を吸飲しようとしても当該内容物がストローを通って容易に外部に出てこないという不都合が生じていた。
【0005】
またこのような場合、消費者が更に強くストローで吸い込むと、紙製容器の胴部の壁面が内側にへこみ、しかる後に漸く内容物がストローを通って消費者の口に入ってくることとなるが、このような現象は紙製容器内の内容物が少なくなるにつれて益々顕著になるため、内容物を吸飲して紙製容器内に残っている内容物の量が少なくなればなるほど、消費者は内容物をストローで吸飲するのが困難になるといった不都合が生じていた。このような不都合は、特に子供にとっては深刻であり、子供が内容物を完全に吸飲するには多大な労力を要していた。
【0006】
さらに、ストローを貫通した後、消費者は紙製容器の胴部を手で把持しているため、消費者の手から紙製容器の胴部に加わっている押圧力,並びに気密状態の容器内部の気圧と外気圧との気圧差によって、内容物が容易にストローから外部に溢れ出してしまうといった不都合もあった。
【0007】
そこで、このような不都合を改善するため、ストロー挿入時および飲料分配時において容器内部の良好な通気状態を確保可能な容器として、次の先行技術文献に係る発明がある。
【0008】
【特許文献1】
特許第3050960号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術文献に記載の容器に備えられたストロー挿入口の構造では、万一消費者が誤ってストローを挿入した状態で紙製容器を横転させてしまった場合には、ストロー挿入時に形成される通気孔から内容物が外部に漏れ出してしまう虞がある。よって、特に子供が使用する場合や病床の患者や高齢者等が横になった状態で使用する場合には、容器を横転させる虞が十分にあるという点を考慮すると、上記先行技術文献に記載の容器に備えられたストロー挿入口の構造は必ずしも最適とは言えないものである。
【0010】
また、上述の如くストロー挿入口にて円形小穴を塞いでいるフィルム層が弾性に富み、しかもストローを突き刺す際の押圧力によってこのフィルム層が延伸するという容器の材質に着目すると、従来技術では、消費者が容易にストローをフィルム層に貫通させることができないという不都合が生じることが多々あり、この点についても他の課題と同様、紙製容器において改善されるべき課題である。
【0011】
そこで本発明の目的は、ストローを容易に貫通させることができると共に、貫通後のストローから容易に内容物が溢れ出すことが無く、しかもストローで内容物を容易に吸飲することが可能であり、さらには容器を横転させてしまった場合に、形成された空気導入孔からも内容物が漏れ出すことのない紙製飲料容器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、内容物を吸飲するためのストローを挿入するストロー挿入口が上面に設けられた紙製飲料容器であって、前記ストロー挿入口は、少なくとも3本の貫通用切り線によって前記ストロー挿入口における基材が前記貫通用切り線の数だけ分割し、当該貫通用切り線の数の挿入口基材分割部が形成されていると共に、容器を形成する基材を各貫通用切り線が完全に貫通した状態で前記ストロー挿入口の内面側がフィルム層によって塞がれることにより構成され、前記貫通用切り線は、各貫通用切り線の一端が交叉点で一致すると共に、隣接する貫通用切り線同士が成す角が何れも等しく且つ各貫通用切り線の長さが等しくなるように容器上面に施され、さらに各貫通用切り線の長さは、当該紙製飲料容器に特定使用されるストローの半径よりも長く設定されることにより、前記ストロー挿入口にストローを挿入した際に、挿入されたストローの外周と容器内部に押し込められた各挿入口基材分割部とによって、貫通用切り線の末端部に、当該貫通用切り線の数に相当する個数の空気導入孔が形成されるよう構成されている。
【0013】
また上記紙製飲料容器は、各貫通用切り線の長さを当該紙製飲料容器に特定使用されるストローの半径よりも0.75mm乃至1.0mm大きく設定することによって上記目的を達成できる。
【0014】
また本発明の紙製飲料容器では、前記ストロー挿入口は、8本あるいは10本の貫通用切り線によって前記ストロー挿入口における基材が前記貫通用切り線の数だけ分割し、当該貫通用切り線の数の挿入口基材分割部が形成されていると共に、容器を形成する基材を各貫通用切り線が完全に貫通した状態で前記ストロー挿入口の内面側がフィルム層によって塞がれることにより構成され、前記貫通用切り線は、各貫通用切り線の一端が交叉点で一致すると共に、隣接する貫通用切り線同士が成す角が何れも等しく且つ各貫通用切り線の長さが等しくなるように容器上面に施され、この各貫通用切り線の長さは、この容器に特定使用するストローの最大サイズである直径7mmを基準として4.25mm乃至4.5mmに設定されることにより、特定使用するストローの最大サイズである直径7mm以下の直径サイズのストローを使用する場合に、何れの直径サイズのストローを前記ストロー挿入口に挿入した際にも、挿入されたストローの外周と容器内部に押し込められた各挿入口基材分割部とによって、前記ストローの周囲に、当該貫通用切り線の数に相当する個数の空気導入孔が形成されるよう構成されている。
【0015】
さらに、上記の各紙製飲料容器の形状を、上面及び下面の形状が正方形の正四角直方体形状とすることによっても、上記目的を達成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の紙製飲料容器の一実施形態を、図1から図4を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態の紙製飲料容器の概略構成図であり、図2は図1の紙製飲料容器におけるストロー挿入口の構成を示す図である。また図3は、本実施形態の紙製飲料容器における貫通用切り線の形状の具体例をそれぞれ示す図であり、図4は、本実施形態の紙製飲料容器において、ストローを挿入した状態でのストロー挿入口の構成を示す図である。
【0017】
[第一実施形態]
本実施形態の紙製飲料容器1は、図1のように、容器上面における四箇所の隅角部の内の何れか一箇所にストロー挿入口2としての貫通用切り線4が設けられている。
【0018】
またこの紙製飲料容器1は、従来の紙製容器と同様に、紙1bの一方の面(容器の外面となる面)にポリエチレン1cが積層されたものを基材1aとし、この基材1aのこの一方の面に印刷を施し、他方の面(容器の内面となる面)にはポリエチレン3a,アルミニウム箔3b,ポリエチレン3cを順次積層させた材料によって図2(a)の如く5層構造で作製されている。ここで、本発明の紙製飲料容器1の作製方法について以下具体的に説明すると、まず容器の内面となる基材1aの一方の面に印刷が行われ、続いて上面における四箇所の隅角部の内の何れか一箇所に上記の貫通用切り線4が施される。この時、貫通用切り線4は基材1aを完全に貫通した状態となっている。こうして貫通用切り線4が施された後、基材1aの他方の面にポリエチレン3a,アルミニウム箔3b,ポリエチレン3cを順次積層させる工程,基材に折り筋を施す工程,容器形成・内容物充填工程,及び接着・密封工程が続けて行われる。以上のようにして内容物を収容した紙製飲料容器1が作製される。つまり、従来の紙製容器の製造工程の内、基材の所定箇所にストローを挿入するための孔を貫通させる工程が、本発明の紙製飲料容器1の製造工程では、基材1aの所定位置に貫通用切り線4を施す工程となっている。
【0019】
このように作製された紙製飲料容器1のストロー挿入口2は、図2のように基材1aに設けられた貫通用切り線4の内面側が、ポリエチレン3a,アルミニウム箔3bおよびポリエチレン3cから成るフィルム層3によって塞がれている状態で構成されている。また前記貫通用切り線4は少なくとも3本は設けられており、この貫通用切り線4は、図1及び図2に示すように、全ての貫通用切り線4の一端が交叉点41で一致すると共に、隣接する貫通用切り線4同士が成す角が何れも等しくなり且つ前記交叉点41から各貫通用切り線4の末端部42までの長さ(以下、貫通用切り線4の長さという)が等しくなるように基材1aに施されている。尚、本実施形態では図1及び図2(b)のように3本のストロー挿入用の貫通用切り線4が設けられているが、この貫通用切り線4の本数は、内容物の粘度や濃度に応じて最適な本数を適宜設定することができ、例えば図3のように、4本あるいは6本の貫通用切り線を設けてもよい。
【0020】
また、この各貫通用切り線4の長さは当該紙製飲料容器1に特定使用されるストロー10の半径よりも大きくなるように設定されている。ここで、この当該紙製飲料容器1に特定使用されるストロー10とは、従来と同様、紙製飲料容器1の側面に具備されているか、あるいは消費者の購入時に、内容物を収納する紙製飲料容器1とは別個に入手可能な先端の尖ったストローを指しており、以下、単にストロー10という。尚、このストロー10の半径と貫通用切り線4の長さとの差は内容物の粘度や濃度によって適宜設定可能であるが、貫通用切り線4の長さがストロー10の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定されることが望ましい。これは、貫通用切り線4の長さとストロー10の半径との差が0.75mm以下の場合には、後述のようにストロー10の周りに形成される空気導入孔5が、消費者が内容物をストロー10で吸飲する際に必要な量の空気を容器内部に吸入可能なだけの十分な大きさにならないことがあり、また貫通用切り線4の長さがストロー10の半径よりも1.0mm以上大きい場合には、後述のようにストロー10を挿入した状態で容器を横転させてしまった際に、空気導入孔5から内容物が漏れ出てしまうことがあるからである。
【0021】
次に、上記のような構成の紙製飲料容器1において、ストロー挿入口2からストロー10を挿入した時の紙製飲料容器1について図4を参照して説明する。
【0022】
まず、消費者がストロー10をストロー挿入口2のフィルム層3に突き刺す際、尖ったストロー10の先端部で貫通用切り線4の交叉点41付近を押圧することにより、各貫通用切り線4により形成される挿入口基材分割部2a〜2cに対して、円筒形状のストローの側面が横方向(即ち、容器上面に対して略平行な方向)への均等な押圧力を働かせながら挿入されるので、下方向への均等な押圧力が働くと共に、挿入口基材分割部2a〜2cからの押圧力とストロー10からの押圧力とが前記交叉点41の直下位置43に集中し、ストロー挿入口2の下方(即ち、貫通用切り線4の内面側)のフィルム層3は前記直下位置43から容易に切断される。よって、従来のようにフィルム層3の延伸,弾性変形により容易にストロー10をフィルム層3に貫通させることができないということはなく、消費者は容易にストロー10をストロー挿入口2に貫通させることができる。
【0023】
続いて、消費者がストロー10をさらに容器内部に挿入すると、基材1aは各貫通用切り線4の交叉点41から末端部42に向かって、各貫通用切り線4に沿って切り裂かれていく。この時、徐々に大きく形成されていく挿入口基材分割部2a〜2cには、円形断面のストロー10の外周面から均等な押圧力が働くため、各貫通用切り線4直下のフィルム層3にも均等な押圧力が働き、その結果、ストロー挿入口2の下方のフィルム層3は、前記直下位置43から各貫通用切り線4の末端部42まで、各貫通用切り線4にほぼ沿うようにして完全に切断される。この時、切断された各貫通用切り線4により形成された挿入口基材分割部2a〜2cは、ストロー10によって折り曲げられた状態で図4(b)のように容器内部に押し込められる。この時、上記の如く押し込められた挿入口基材分割部2a〜2cは、図4(b)のように貫通後のストロー10の外周に密着するため、この押し込められた挿入口基材分割部2a〜2cによって、ストロー10が容易に抜けにくくなる。
【0024】
またこの時、挿入されたストロー10の外周と,押し込められた挿入口基材分割部2a〜2cとによって、ストロー挿入後における貫通用切り線4の末端部42には、図4(a)のように貫通用切り線4の数に相当する個数の空気導入孔5が形成される。ここで形成された全ての空気導入孔5は、略同一の大きさである。
【0025】
以上のように、本発明の紙製飲料容器1にストロー10を挿入すると、ストロー10の周りには等間隔に空気導入孔5が形成されるが、このような状態になることで、ストロー挿入後の紙製飲料容器1の内部が気密状態ではなくなり、消費者が内容物をストロー10で吸飲する際に必要な量の空気を容器内部に吸入可能となる。よって、紙製飲料容器1の外部と内部との気圧差が減少し、その結果、消費者は内容物をストロー10で容易に吸飲することが可能となる。また、この空気導入孔5の形成によって、子供でもストロー10で容易に吸飲することが可能となるため、子供も内容物を完全に吸飲することが容易となる。
【0026】
また、紙製容器を把持する消費者の手から該紙製容器の胴部に加わっている押圧力および容器内部の気密状態と外気との気圧差によって、内容物がストロー10から外部に容易に溢れ出してしまうといった不都合についても、空気導入孔5から空気の出入が可能となり、さらに上述の如く容器の外部と内部との気圧差が減少するため、このような不都合も解消される。
【0027】
尚、消費者が誤って、ストロー10を挿入した状態で上記構成の紙製飲料容器1を横転させてしまった場合でも、形成された各空気導入孔5が例えば0.75mm乃至1.0mmの大きさ程度で孔としては小さく、またストロー10の周りに等間隔で分散して存在するという構成に加えて、液体の凝集力による液体特有の性質が働くことから、液体状の内容物が各空気導入孔5から外部に漏れ出すことはない。
【0028】
以上のように、本発明の紙製飲料容器1によれば、ストロー10を挿入し易いばかりでなく、ストロー挿入後にストロー10の周りに等間隔で複数の空気導入孔5が分散形成されるため、把持する手からの押圧力等の影響によりストロー10から内容物が溢れ出すことが無く、さらに内容物を容易に吸飲することも可能となる。また、液体状の内容物が各空気導入孔5から漏れ出すことはないことから、特に飲料容器を横転させる虞のある子供にとって、本発明は最適な飲料容器であると言える。
【0029】
また上記構成において、貫通用切り線4の長さはストロー10の半径に応じて設定可能であるので、本発明の紙製飲料容器1を多岐にわたり使用することが可能となる。具体的には、例えば病床で生活する者が重湯やスープ等といった高粘性の流動食をストロー10を用いて食す場合、使用するストロー10の半径,流動食の種類や粘度によって貫通用切り線4の長さならびに該貫通用切り線4の形状を設定して紙製飲料容器1を構成することにより、病床生活者が容易にストロー10で流動食を食することが可能な紙製飲料容器1を作製することができる。このような紙製飲料容器1は、上記と同様の効果を得ることができるため、本発明の紙製飲料容器1は病床生活者にとっても最適な飲料容器として活用することができる。
【0030】
[第二実施形態]
また、上記の第一実施形態に係る発明の構成は、内容物の粘度や濃度によって前記ストロー10の最適な半径が決定すると、そのストロー10の半径を基準として貫通用切り線4の長さは設定される、というものであり、特に前記貫通用切り線4の長さがストロー10の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定されることが望ましいとしているが、現在内容物の種類によって仕分けされている数種類のストロー(主に、収容時に伸縮可能な二段式ストロー)の直径が5mm乃至7mmであることを踏まえた上で、第二実施形態として次のような構成のストロー挿入口であっても良い。以下にそのストロー挿入口の構成を説明する。
【0031】
まず、この紙製飲料容器に特定使用されるストローは、第一実施形態と同様、この紙製飲料容器の側面に具備されているか、あるいは消費者の購入時に、内容物を収納する紙製飲料容器とは別個に入手可能な先端の尖ったものであり、この第二実施形態にて用いられるストローの直径は、一例として、現在の市場において主流の5mmと7mmの二種類とする。この時、第二実施形態のストロー挿入口を構成する貫通用切り線の長さを、主流のストローの内の最大の直径サイズである7mmを基準としてその半径3.5mmよりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定する。つまり、貫通用切り線の長さを4.25mm乃至4.5mm程度に設定する。
【0032】
さらに、前記貫通用切り線の本数についても8本あるいは10本に設定する。ここで、前記貫通用切り線の本数を10本より多くすると、ストロー挿入後に形成される各空気導入孔の間隔が短くなり過ぎてしまい、隣接する空気導入孔同士が繋がってしまう虞がある。また前記貫通用切り線の本数を8本未満とすると、後述のようにストローの使用最大サイズ(直径7mm)を基準としてサイズ設定されたストロー挿入口に使用最大サイズ以下のサイズ(直径5mm)のストローを貫通させて内容物を吸飲する場合に、後述のように発生する押圧力と抵抗力とのバランスが最適でないため、十分な効果が得られる程度の大きさの空気導入孔を形成することができない。以上のような理由により、第二実施形態においては貫通用切り線の本数を8本あるいは10本に設定している。
【0033】
次に、上記のように貫通用切り線の本数及びサイズの設定がされたストロー挿入口を具備する紙製飲料容器に直径5mmのストローおよび直径7mmのストローをそれぞれ挿入した時の紙製飲料容器について、図5を参照して説明する。尚、図5では一例として貫通用切り線の本数を8本としている。また、図5の中の各構成要素で図1から図4中のものと実質的に同一の構成要素については同一符号を用いることとする。
【0034】
まず、市場で主流の直径サイズの内で最大の7mmサイズのストロー11を挿入する場合について説明すると、7mmサイズのストロー11をストロー挿入口2のフィルム層に突き刺す場合には、第一実施形態と同様にストロー11を容易にこのストロー挿入口2に貫通させることができ、また、最終的にはストロー挿入口2の下方のフィルム層が各貫通用切り線の末端部まで、各貫通用切り線にほぼ沿うようにして完全に切断される。こうして、切断された各貫通用切り線により形成された挿入口基材分割部21〜28が、このストロー11によって折り曲げられた状態で図5(a)のように容器1の内部に押し込められ、ストロー挿入後における貫通用切り線の末端部に、貫通用切り線の数に相当する8個の空気導入孔5が形成されることとなる。
【0035】
そして以上のような構成により、第二実施形態において7mmサイズのストロー11を挿入する場合には、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。また、第二実施形態では前記貫通用切り線の本数が8本あるいは10本(図5では8本)に設定されているため、消費者は従来ほど大きな押圧力を加えることなく、ストロー11を挿入することが可能となる。
【0036】
一方、市場で主流の直径サイズの内で最大の7mmサイズより小さい5mmサイズのストロー12を挿入する場合について説明すると、5mmサイズのストロー12も第一実施形態と同様に、容易にストロー挿入口2に貫通させることができる。しかし、ストロー12の挿入を継続した時には7mmサイズのストロー11の場合と異なり、ストロー挿入口2の下方のフィルム層は各貫通用切り線の末端部42まで切断されず、図5(b)のように各貫通用切り線4の末端部42に至る手前の途中位置で、各貫通用切り線4にほぼ沿ったフィルム層の切断が停止する。そしてこの停止位置に、図5(b)のように貫通用切り線の数に相当する8個の空気導入孔5が形成されることとなる。
【0037】
ここで、このような7mmサイズのストロー11と5mmサイズのストロー12での切断態様の違いは、次のような現象によるものと考えられる。以下、各サイズのストローでの切断態様を考察する。
【0038】
まず、上記構成のストロー挿入口にストローを挿入する場合には、第一実施形態と同様に、この挿入により徐々に大きく形成されていく挿入口基材分割部に円形断面のストローの外周面から均等な押圧力が働くため、各貫通用切り線の直下のフィルム層にも均等な押圧力が働き、その結果、フィルム層を剪断する剪断力が発生し、ストロー挿入口の下方のフィルム層が各貫通用切り線にほぼ沿うようにして切断される。
【0039】
この時、この切断の際にフィルム層に加わる力としては、ストローの挿入により発生する上記剪断力の他に、フィルム層の材質に基づく切断への抵抗力が発生している。この抵抗力について具体的に説明すると、フィルム層は図2(a)に示すようにポリエチレン3a,アルミニウム箔3bおよびポリエチレン3cの三層構造であるが、これらの内、二層のポリエチレン層3a,3cがフィルム層の切断時に弾性変形するため、ポリエチレン層3a,3cが元の状態に戻ろうとする性質により、フィルム層の切断の進展を妨げる力が働く。この力がフィルム層の切断に対する抵抗力ということになる。以上のように、上記剪断力と抵抗力という二種類の力がフィルム層切断時に主に生じている。
【0040】
さて、第二実施形態において7mmサイズのストロー11を挿入する場合、前記貫通用切り線の本数が8本あるいは10本に設定されているため、消費者は従来ほど大きな押圧力を加えることなくストロー11を挿入することが可能となる。よって、切断時に発生する剪断力は従来よりも小さいものとなる。しかしながら、前記貫通用切り線の長さはストロー11の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度しか大きくないため、0.75mm乃至1.0mm程度の前記貫通用切り線直下のフィルム層のポリエチレン層による抵抗力も大きく働くことはない。その結果、発生する剪断力の方が抵抗力より大きくなり、フィルム層の切断が進行して、最終的には図5(a)のように、ストロー挿入口2の下方のフィルム層が各貫通用切り線の末端部まで、各貫通用切り線にほぼ沿うようにして完全に切断されることとなる。
【0041】
一方、5mmサイズのストロー12を挿入する場合、7mmサイズのストロー11を挿入する場合と同様に、切断時に発生する剪断力は従来よりも若干小さいものとなる。しかしながら、前記貫通用切り線の長さは4.25mm乃至4.5mm程度に設定されており、ストローの半径よりも1.75mm乃至2.0mm程度も大きいため、この1.75mm乃至2.0mm程度の前記貫通用切り線直下のフィルム層のポリエチレン層による抵抗力は、7mmサイズのストロー11の場合に比べて大きく働くこととなる。その結果、図5(b)のようにストロー12の先端が完全に内部まで挿入された後は、剪断力より抵抗力の方が大きくなるため、最終的には図5(b)のようにフィルム層は各貫通用切り線4の末端部42まで切断されず、各末端部42に至る手前の途中位置で切断は停止し、この停止位置に、貫通用切り線4の数に相当する個数の空気導入孔5が形成されることとなる。
【0042】
また、第二実施形態において5mmサイズのストロー12を挿入すると、各貫通用切り線4の末端部42まで1.0mm程度残した状態で自然と切断が停止し、この地点が前記停止位置となるが、このとき形成される空気導入孔5の大きさは、各貫通用切り線4の大きさを5mmサイズのストロー12の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定した場合に形成される空気導入孔の大きさと略同一となる。
【0043】
以上より、第二実施形態において5mmサイズのストロー12を挿入する場合にも、結果的には各貫通用切り線4の大きさを5mmサイズのストロー12の半径よりも0.75mm乃至1.0mm程度大きく設定した場合に形成される空気導入孔と略同一の大きさのものが形成されるので、4.25mm乃至4.5mm程度に設定された貫通用切り線4を有するストロー挿入口2に5mmサイズのストロー12を挿入した場合にも、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。また、第二実施形態では前記貫通用切り線4の本数が8本あるいは10本に設定されているため、消費者は従来ほど大きな押圧力を加えることなく、ストロー12を挿入することが可能となる。尚、本実施形態では、主流のストローの内の最大の直径サイズである7mmより小さいサイズとして、直径5mmサイズを一例として挙げているが、直径7mm以下のストローであれば、直径5mmのストローと同様の作用効果を奏することができる。
【0044】
このように、ストロー挿入口2における貫通用切り線の長さを4.25mm乃至4.5mm程度に設定し、且つ貫通用切り線の本数を8本あるいは10本に設定していれば、直径7mm以下の範囲内で何れのサイズのストローを挿入する場合であっても、第一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0045】
尚、上記第二実施形態は、現在主に紙製容器の側面に具備されている二段式のストローに着目したものであるが、この二段式ストローは、従来の突き破りにくい構成のストロー挿入口を貫通させるために、肉厚の構造となっている。そして、例えば消費者が吸飲時に口を付ける側の一段目ストローの外径が7mmである二段式ストローでは、先端の尖っている二段目ストローの外径が5mm,内径が4.2mmとなっている。また、一段目ストローの外径が6mmである二段式ストローでは、二段目ストローの外径が4.5mm,内径が3.3mmとなっており、一段目ストローの外径が5mmである二段式ストローでは、二段目ストローの外径が4mm,内径が3mmとなっている。
【0046】
しかしながら、このようなサイズの二段式ストローでは、内容物として、果肉が混ざっている飲料やダイエット食品等のゼリー状のもの、あるいは上述の如く病床で生活する者のために内容物を重湯やスープ等といった高粘性の流動食とした場合には、二段目ストローの内径が一段目ストローの内径に比して約2mmも小さくなっているため、二段目ストローに詰まる等して容易に吸飲できないという不都合が生じる虞がある。
【0047】
これに対して、現在市販されている蛇腹の付いたストローに代表されるストレートタイプのストローは、二段式ストローに比して薄肉の構造であり、例えばこのストレートタイプのストローの外径が7mmである場合に内径は5.5mmとなっている。よって、このようなストレートタイプのストローを利用できれば、上述のように果肉が混ざっている飲料やダイエット食品等のゼリー状のもの、あるいは上述の如く病床で生活する者のために内容物を重湯やスープ等といった高粘性の流動食などを内容物としても、消費者は容易にこれらの内容物を吸飲することが可能となる。尚、市場で主流のストレートタイプのストローにおいて、最大の直径サイズが7mmである。
【0048】
そこで、上記各実施形態におけるストロー挿入口の構造を鑑みると、ストローがストレートタイプのストローのように薄肉の構造であっても、このストレートタイプのストローの先端を尖らせておけば、このストローの先端部で貫通用切り線の交叉点付近を押圧することにより、ストロー挿入口の下方のフィルム層を容易に切断することができ、消費者は容易にストローをストロー挿入口に貫通させることができる。そして、消費者がストローをさらに容器内部に挿入すれば、基材を各貫通用切り線の交叉点から末端部に向かって、各貫通用切り線に沿って容易に切り裂くことができる。
【0049】
よって、ストロー先端が尖っていれば、上記各実施形態におけるストロー挿入口の構造により、肉厚構造の二段式ストローのみならず薄肉構造のストレートタイプストローであっても、消費者は容易に貫通させることができ、使用可能となる。そして、薄肉構造のストレートタイプストローを蛇腹を備えたタイプとすることにより、従来の二段式ストローよりも内径の大きなものを、容器側面に具備させることができる。また、このようにストレートタイプストローが使用可能となることによって、上述のように内容物の種類を多彩に選択することができ、利便性の向上,用途拡大が図れることとなる。
【0050】
尚、従来ではストロー10で内容物を吸飲する際、容器の側面がへこまなければ消費者は内容物を円滑に吸飲することができなかったが、本発明により、上述の如く内容物をストロー10で吸飲する際に十分な量の空気が容器内部に吸入可能となるため、特に容器の側面がへこむように容器自体を設計する必要がなくなる。そこで、上記各実施形態における紙製飲料容器1の形状については、第一に内容物の内圧抵抗が紙製飲料容器1の四側面に対して均一に働くこと、第二に消費者が容器を把持した時に生じる容器側面への押圧力に対する抵抗強度を大きくすること、第三に容器をテーブル等に載置した時の容器の自立安定性に優れていること、第四に消費者が把持しやすい形状であること、の以上四点を全て実現可能な形状であることを理由に、正四角直方体を選定することが最良である。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、消費者はストローを容易に貫通させることができると共に、貫通後のストローから容易に内容物が溢れ出すことが無く、しかもストローで内容物を容易に吸飲することできる。さらに、容器を横転させてしまった場合に、形成された空気導入孔からも内容物が漏れ出すことがないため、特に容器を横転させる虞のある子供等にも使い勝手の良い紙製飲料容器となる。また上記構成の紙製飲料容器は、特別な設備を要せずとも、従来の紙製容器の製造工程を大幅に変更せずに容易に作製可能であるという利点もある。
【0052】
また、特に7mm以下のサイズのストローを挿入する場合には、前記貫通用切り線の長さを4.25mm乃至4.5mm程度に設定し、且つ前記貫通用切り線の本数を8本あるいは10本に設定することで、上記効果と同様の効果を得ることが可能となる。またこのように貫通用切り線の本数およびサイズをストローの使用最大サイズである7mmを基準としてサイズ設定しても、使用最大サイズ以下のサイズのストローを用いて内容物の吸飲を容易に行うことができることから、製造者側としては、製造工程中に使用ストローのサイズ毎に貫通用切り線の本数およびサイズを設定変更することなく、上記の如き一律の本数およびサイズの貫通用切り線を形成させて容器の製造を行うことができるようになる。これより、ストローの使用最大サイズである7mmを基準としてサイズ設定すれば、製造工程において貫通用切り線の本数およびサイズの設定変更などの手間や時間を省くことができ、より効率的に作製可能であるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における紙製飲料容器の概略構成図である。
【図2】図1の紙製飲料容器におけるストロー挿入口の構成を示す図であり、図2(a)は断面図、図2(b)は上面図である。
【図3】本実施形態の紙製飲料容器における貫通用切り線の形状の具体例をそれぞれ示す図であり、図3(a)は貫通用切り線が4本の場合、図3(b)は貫通用切り線が6本の場合をそれぞれ示す図である。
【図4】本実施形態の紙製飲料容器において、ストローを挿入した状態でのストロー挿入口の構成を示す図であり、図4(a)はストローを挿入した状態でのストロー挿入口の斜視図、図4(b)は断面図である。
【図5】第二実施形態の紙製飲料容器において、ストローを挿入した状態でのストロー挿入口の構成を示す斜視図であり、図5(a)は直径7mmのストローを挿入した状態、図5(b)は直径5mmのストローを挿入した状態を示す図である。
【図6】従来の紙製容器の概略構成図である。
【符号の説明】
1…紙製飲料容器、1a…基材、1b…紙、1c…ポリエチレン、2…ストロー挿入口、2a〜2c…挿入口基材分割部、3…フィルム層、3a…ポリエチレン、3b…アルミニウム箔、3c…ポリエチレン、4…貫通用切り線、41…交叉点、42…末端部、43…直下位置、5…空気導入孔、10…ストロー、11…直径7mmのストロー、12…直径5mmのストロー、21〜28…挿入口基材分割部。
Claims (4)
- 内容物を吸飲するためのストローを挿入するストロー挿入口が上面に設けられた紙製飲料容器であって、
前記ストロー挿入口は、少なくとも3本の貫通用切り線によって前記ストロー挿入口における基材が前記貫通用切り線の数だけ分割し、当該貫通用切り線の数の挿入口基材分割部が形成されていると共に、容器を形成する基材を各貫通用切り線が完全に貫通した状態で前記ストロー挿入口の内面側がフィルム層によって塞がれることにより構成され、
前記貫通用切り線は、各貫通用切り線の一端が交叉点で一致すると共に、隣接する貫通用切り線同士が成す角が何れも等しく且つ各貫通用切り線の長さが等しくなるように容器上面に施され、
さらに各貫通用切り線の長さは、当該紙製飲料容器に特定使用されるストローの半径よりも長く設定されることにより、前記ストロー挿入口にストローを挿入した際に、挿入されたストローの外周と容器内部に押し込められた各挿入口基材分割部とによって、貫通用切り線の末端部に、当該貫通用切り線の数に相当する個数の空気導入孔が形成されるよう構成されることを特徴とする紙製飲料容器。 - 各貫通用切り線の長さは、前記ストローの半径よりも0.75mm乃至1.0mm大きく設定されることを特徴とする請求項1に記載の紙製飲料容器。
- 内容物を吸飲するためのストローを挿入するストロー挿入口が上面に設けられた紙製飲料容器であって、
前記ストロー挿入口は、8本あるいは10本の貫通用切り線によって前記ストロー挿入口における基材が前記貫通用切り線の数だけ分割し、当該貫通用切り線の数の挿入口基材分割部が形成されていると共に、容器を形成する基材を各貫通用切り線が完全に貫通した状態で前記ストロー挿入口の内面側がフィルム層によって塞がれることにより構成され、
前記貫通用切り線は、各貫通用切り線の一端が交叉点で一致すると共に、隣接する貫通用切り線同士が成す角が何れも等しく且つ各貫通用切り線の長さが等しくなるように容器上面に施され、
この各貫通用切り線の長さは、この容器に特定使用するストローの最大サイズである直径7mmを基準として4.25mm乃至4.5mmに設定されることにより、
特定使用するストローの最大サイズである直径7mm以下の直径サイズのストローを使用する場合に、何れの直径サイズのストローを前記ストロー挿入口に挿入した際にも、挿入されたストローの外周と容器内部に押し込められた各挿入口基材分割部とによって、前記ストローの周囲に、当該貫通用切り線の数に相当する個数の空気導入孔が形成されるよう構成されていることを特徴とする紙製飲料容器。 - 前記紙製飲料容器は、上面及び下面の形状が正方形の正四角直方体形状であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の紙製飲料容器。
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-
2003
- 2003-03-12 JP JP2003067191A patent/JP2004001877A/ja not_active Withdrawn
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