JP2004001742A - 液体ばね車両用サスペンション装置及びこれに関連した制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のサスペンション装置は、液体ばね手段(12)が、液体の体積及び圧力に応じたばね特性と、減衰特性とを有し、車両の作動中に作動パラメータを示す信号の少なくとも1つの感知された変化に応答してばね力、減衰力の少なくとも1つを変えるための制御手段(16)を有し、ばね力が、ばね率調節手段(96)を用いた液体ばね手段(12)における圧縮性液体の有効体積の制御された変更によって達成されるばね率調節手段を介して変えられることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【背景技術】
本発明は、車両用サスペンション装置、特に、車両の動作中に、液体ばね及び車両の動作パラメータの感知された変化に応じて、各液体ばねのばね特性及び減衰特性がコンピュータで調節される、液体ばね車両用サスペンション装置に関する。
【0002】
従来、車両用サスペンション装置の従来型油圧緩衝器及び外部コイルばねのアセンブリに代えて、液体ばねとして知られているもっと小型の装置を用いた様々な提案が行われている。液体ばね(装置)は、基本的に、圧縮性液体を入れた内部室を備える円筒形ハウジングと、室内に往復動可能に配置されたピストンと、室の内外へ軸方向に移動可能で、ピストンに固定されており、長手方向外側部分がハウジング端部の一方から突出しているロッド構造体とを有する。液体ばねは、車両フレームと、これと対応するホイール支持構造体との間に連結され、ホイールとフレームとの間の相対的な垂直方向変位によって生じる、液体ばねのロッド構造体とハウジングとの間の相対的な軸方向移動に応じて、液体ばね内の圧縮性液体がサスペンション装置にばね力と減衰力の両方を発生させる。車両用サスペンション装置に組み込まれた液体ばねの全体構造及び作用のさらに詳細な説明は、「車両サスぺンション装置用の流体サスペンションばね及びダンパ」と題する米国特許出願番号第941,289号に記載されており、これは参考として本説明に含まれる。
【0003】
液体ばねのばね力と減衰力の両方またはいずれか一方を、車両の停止時に調整し、直すまでは、車両の動作中、ほぼ一定である設定値に選択的に調節する様々な機構が提案されている。このため、これらの実質的に固定したばね力及び減衰力特性は、車両の動作中に出合うしばしば広範囲の道路状態及び車両動作入力(例えばステアリング入力、制動力、車両速度等)を処理することができる所定の簡易設定値を表すにすぎない。
【0004】
道路状態及び車両動作入力の両方、またはそれらの組み合わせの変化を補償するため、車両の動作中に液体ばねのばね力及び減衰力特性を自動的に調節する液体ばね車両用サスペンション装置を提供することが望まれていることがわかるであろう。従って、本発明の目的は、そのような装置を提供することである。
【0005】
好適な実施態様に従って本発明の原理によれば、車両の動作中に液体ばね及び車両の動作パラメータのいずれか一方または両方の感知された変化に応じて、各液体ばねのばね力及び減衰力特性が継続的にコンピュータ調節される改良型液体ばね車両用サスペンション装置が提供される。
【0006】
各液体ばねは、円筒形の室を備えたハウジングを有しており、この室内にピストンが往復動可能に配置されて、その室を軸方向にバウンスサブ室とリバウンドサブ室とに分割している。ピストンに同軸的に固定されて、ハウジングに密封状で摺動可能に支持されてそのハウジングに対して相対的に室の内外へ軸方向移動するように、細長い中空ロッド構造体が設けられている。その長手方向外側部分はハウジングの外へ突出している。バウンス室及びリバウンド室内及びロッド構造体内に適当な圧縮性液体が入っている。ハウジング内においてバウンス室とリバウンド室を相互連結する減衰バイパス通路が、内部ロッド室と、ピストンのリバウンド室側のすぐ近くの位置でロッド構造体に半径方向に貫設された第1の対の流体移送ポートと、ピストンのバウンス室のすぐ近くの位置でロッド構造体に貫設された第2の対の半径方向の流体移送ポートとによって形成されている。第1及び第2回転弁手段が、ロッド室内に配置されており、選択的かつ独立的に動作して、それぞれ第1及び第2ロッドポート対を流れる圧縮性流体の量を調節することができる。
【0007】
液体ばねの各々は、その長手方向外側ロッド構造部分が車体フレームに固定され、そのシリンダが対応するホイール構造体に固定されて、ホイール構造体がフレームに対して垂直方向に移動することによって、ロッド構造体とハウジングとの間に相対軸方向変位が発生し、圧縮性液体が、垂直方向のホイール変位に対して抵抗するばね力及び減衰力を加える。第1、第2尽び第3制御手段が設けられており、それぞれ第1及び第2弁手段を選択的かつ独立的に動作させることによって、第1及び第2ロッドポート対を流れる圧縮性流体の量を調節し、圧縮性液体の有効体積を選択的に変化させ、圧縮性液体の圧力を選択的に変化させることができる。
【0008】
ハウジング室内のピストンの相対軸方向位置を表す第1信号、リバウンドサブ室内の圧縮性液体圧力を表す第2信号、バウンスサブ室内の圧縮性液体圧力を表す第3信号、及びロッド構造体室内の圧縮性液体圧力を表す第4信号を含む液体ばね動作パラメータ信号を発生する手段が設けられている。また、走行車両の前方の道路形状、車両へのステアリング入力の方向及び大きさ、車両の速度、及び車両に加えられている制動力を表す信号を代表例として含む車両動作パラメータ信号を発生する手段が設けられている。
【0009】
コンピュータ手段は、液体ばね動作パラメータ信号及び車両動作パラメータ信号を受け取って、それに応じた出力信号を発生し、それらの出力信号によって、車両の動作中に各液体ばねのばね特性及び減衰特性を自動的に調節できるように第1、第2及び第3制御手段を動作させることができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のサスペンション装置は、上述した目的を達成するため、フレームと、ホイール構造体と、車両作動パラメータを示す信号を作るための手段とを備えた車両に使用されるサスペンション装置であって、前記フレームと前記ホイール構造体との間に作動的に介在された液体ばね手段(12)を有しており、該液体ばね手段(12)は、第1体積の圧縮性液体が収容される室(36)を持つハウジング(18)と、前記室(36)と連通している第2体積の圧縮性液体と、前記液体ばね手段(12)における圧縮性液体の有効体積を選択的に増減させるように前記第2体積の圧縮性液体に作用するばね率調節手段(96)とを備え、前記液体ばね手段(12)が、前記フレームと前記ホイール構造体との間の相対的な垂直方向の変位を静的及び反動的の両方で制御するため、ばね力及び減衰力に影響を及ぼすように前記圧縮性液体を利用するよう作動し、前記液体ばね手段(12)は、液体の体積及び圧力に応じたばね特性と、減衰特性とを有し、車両の作動中に前記作動パラメータを示す前記信号の少なくとも1つの感知された変化に応答してばね力、減衰力の少なくとも1つを変えるための制御手段(16)を有し、ばね力が、ばね率調節手段(96)を用いた前記液体ばね手段(12)における圧縮性液体の有効体積の制御された変更によって達成されるばね率調節手段を介して変えられる、ことを特徴とする。
【0011】
本発明では、前記制御手段はコンピュータ手段(16)を有するのが好ましい。
また、前記コンピュータ手段(16)はデジタルであるのが好ましい。
更に、前記制御手段(16)はアナログであるのが好ましい。
更にまた、前記室(36)内に往復動自在に配置され、前記室(36)をバウンスサブ室(36a)と、リバウンドサブ室(36b)とに分けるピストン手段(40)と、前記室(36)の内外へ前記ハウジングに対して移動することができるように前記ハウジングによって支持され、前記ピストン手段(40)に固定されたロッド手段(46)とを有するのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
好適な実施形態の詳細な説明本発明の原理を具現化した改良型液体ばね車両用サスペンション装置10の一部が、第1図に概略的に示されており、これは代表例として車両の各ホイールの位置にほぼ垂直の双ロッド端部形液体ばね12を組み込んでいる。後述するようにして、液体ばね12はその上端部で車両フレーム14に、下端部で対応のホイールの支持構造体(図示せず)に連結されて、それの対応のホイール位置に必要なサスペンション装置のばね力及び減衰力を与えることができる。やはり後述するように、液体ばね12は、選択された車両及び液体ばね動作パラメータの感知された変化に応じてばねの主要動作特徴を継続的かつ自動的に調節するコンピュータ16を利用した独特の方法で制御される。
液体ばね12には、上端部20及び下端部22を備えた細長いほぼ垂直の管状ハウジング18が設けられている。適当な取り付けブラケット24がハウジング下端部22に固定されて、ホイール支持構造体(図示せず)に連結されている。
【0013】
上側環状グランド部材26がハウジング上端部20にねじ込まれ、環状の中間グランド部材28がハウジング内部の垂直方向中間部分に配置されており、また円筒形プラグ部材30が下側ハウジング端部22にねじ込まれ、それに小さい中央通気通路32が軸方向に貫設されている。ハウジング内部のグランド28とプラグ30との間に、細長い円筒形スペーサスリーブ34が軸方向に配置されている。
グランド部材26、28とプラグ30とによって、圧縮性液体が入った上部室36と、通気式の下側ロッド移動室38とがハウジング内部に形成されている。
【0014】
環状ピストン40が上部室36内を垂直方向に往復動可能に設けられて、上部室を上側の「リバウンド」室36aと、下側の「バウンス」室36bとに分割している。後述する目的のため、一対の小さい側壁ポート42及び44がハウジング18に形成されて、それぞれ上側及び下側のグランド部材26、28付近で室36a、36bに通じている。細長い中空の円筒形ロッド構造体46が、環状ピストン40に同軸的に固定されており、ピストン40の上端面から上向きに延びている上ロッド部分48と、ピストン40の下端面から下向きに延びている小径の下ロッド部分50とを備えている。ロッド構造体46の閉鎖上端部54及び閉鎖下端部56間に、圧縮性液体を充填した円筒形の内部室52が延びていて、ピストン40の中央開口を通っている。
【0015】
上ロッド部分48は、上側グランド部材26内の適当なシール構造体58内に摺動可能状態で密封状に支持されており、下側ロッド部分50は、中間グランド部材28内のシール構造体60内に同様に支持されている。ロッド部分48の上端部分は上方に延び出して、弾性バウンスパッド部材62と、剛性のバウンスリテーナ部材64と、車体フレーム14とを貫通している。そのような上ロッド端部分は、上ロッド端部にロックナット66をねじ付けてフレーム14に当接させることによって、フレーム14に保持固定される。
【0016】
静止状態の車両では、図示の液体ばね12に対応したホイール構造体で支持される車両重量の一部が、下向きの軸方向力を上ロッド部分48に加え、この下向きの軸方向力は、上ロッド部分48をさらに室36内へ押し込むと同時に、小径のロッド部分50を中間グランド部材28を通して通気室38内に押し下げると同時に下ロッド部分50を室36から引っ張る。このようにロッド構造体が降下することによって、上下ロッド部分48、50の外径の違いのために室36内の圧縮性液体の体積が漸減する。この体積減少が、次に圧縮性液体の圧力を増大させて、これによって、下側シール60の直径が上側シール58の直径よりも小さいことからピストン及びロッド構造体に加えられる正味の上向き力が漸増する。ピストン及びロッド構造体に加わるこの正味の上向きの流体圧力が、対応のホイール構造体で支持される車両重量の一部に等しいときに、ピストン40はハウジング室36内の垂直方向平衡点、すなわち、車両が静止しているときの、或いは、ほぼ平坦な地面を走行しているときの車両の「車高」を一般的定理として確立する点にある。
【0017】
さらなる上向きの「バウンス」力がホイール構造体に加えられると、ハウジング18はさらにロッド構造体46に沿って上方へ移動され、これにより、大径のロッド部分48を室36内にさらに挿入させると同時に、小径のロッド部分50を室36から更に引っ張り、圧縮性液体の圧力及びピストン40に加わえられる正味の上向き圧力を漸増させる。ホイール構造体の上向き力が減少した時、例えばホイール構造体がそれのホイール行程全体のうちの「リバウンド」部分に亘って下方へ移動する時、ハウジング18内の内部流体圧力は、ロッド構造体46に対してハウジングを下方に駆動するように作用する。この仕方では、ロッドの移動に対応した圧縮性流体の圧力変化は、液体ばね12に、その全サスペンション作用のうちの「ばね」部分を与える。
【0018】
ばねの全サスペンション作用のうちの「減衰」作用は、本発明では、ハウジング18がピストン40に対して上方へ移動されたときに圧縮性液体をバウンス室36bからロッド室52を通してピストン40を越えてリバウンド室36aに制御自在に迂回流入させ、ハウジング18がピストン40に対して下方に移動されたときに、圧縮性液体をリバウンド室36aからロッド室52を通してピストンを越えてバウンス室36bに制御自在に迂回流入させることによって達成される。そのような減衰迂回又はバイパス流は、代表例として、ピストン40のすぐ上方で上ロッド部分48に形成された、直径方向に対向した、半径方向に延びた一対のポート70と、ピストン40のすぐ下方で下ロッド部分50に形成された直径方向に対向した、半径方向に延びた一対のポート72とによって提供される。
【0019】
ロッドポート70、72を通る内向き及び外向きの流れは、ロッド構造体46の内部に同軸に摺動可能に配置され、ロッドポート70、72の内側端部をそれぞれ覆う一対の円筒形回転弁部材74、76によって選択的に制御することができる。下側弁部材76には、円周方向に配置された、直径方向に対向した一対の流量調節通路78(第2図を参照)が軸方向に形成され、これらの通路は全体的に涙形断面を有する。ロッド構造体46に対して弁部材76を回転させることによって、弁部材通路78を移動させて、ロッドポート72と整合させ、不整合させ、これによって、バウンス室36bとロッド室52との間を流れる圧縮性液体の量を調節することができる。同様な仕方で、上側回転弁部材74には、軸方向に延びた円周方向流量調節通路80が設けられ、弁部材74を適当に回転させると、通路80がロッドポート70と整合させ、不整合されるように移動され、これによって、バウンス室36bとロッド室52との間を流れる圧縮性液体を選択的に流量調節することができる。
【0020】
下側弁部材76は、ロッド室52を上方に通って、上ロッド端部54から外方に突出する細長い動作シャフト82に固定されて、それによって回転される。シャフト82の上端部は小型制御ハウジング86内に配置された高速回転アクチュエータ84に固定され、制御ハウジング86は、上ロッド端部54に取り付けられた同様な制御ハウジング88の上端部に固定されている。中空の管状制御ロッド90が、シャフト又はロッド82を摺動可能に包囲し、下端部で弁部材74に固定され、弁部材74もまたロッド82を摺動自在に包囲している。外側ロッド90の上端部は、ハウジング88内に配置された高速回転アクチュエータ92に動作固定されている。回転アクチュエータ84、92を適当に動作させることによって、ロッド82、90が、従って弁部材76、74がを、それぞれ、ロッド構造体46内で選択的に、独立して回転させることができ、所望程度の圧縮性液体をいずれかの半径方向においてロッドポート70及び72に選択的に、独立して計量して供給することができる。必要に応じて、アクチュエータ84、92を上ロッド部分48の内部に配置することもできる。
【0021】
圧縮性液体充填ロッド室52及びロッドポート70、72と組み合わせて弁74、76を用いることによって、液体ばね12のバウンス減衰特性及びリバウンド減衰特性の両方を非常に広い調節範囲内で(弁制御ロッド82、90の一方または両方を回転させることによって)選択的に、独立して、非常に迅速に変えることができる。例えば、弁74、76の両方をロッドポート70、72に対して最大開放位置まで回転させた場合、ハウジング18がいずれかの垂直方向に移動されたときにピストン40に作用する減衰力は、大きさが最小になる、すなわち、ロッドポート70、72、弁通路78、80、及び、ロッド室52によって形成されたピストンバイパス通路が最小制限設定になる。減衰範囲の他方端では、弁74、76の両方が関連したロッドポート70、78を閉鎖するように回転されたときには、得られるバウンス減衰力及びリバウンド減衰力は最大になる。
【0022】
減衰範囲におけるこれらの端間にはほぼ無数の相対弁位置及び対応した使用可能なバウンス及びリバウンド減衰力設定値がある。上記ピストンバイパス通路を弁74、76によって可変制限することができるだけでなく、ロッド室52をリバウンド室36a及びバウンス室36bのいずれか一方または両方にと選択的に連通させ、また、遮断させ、これによって、ロッド室の圧縮性液体の容量をバウンス室及びリバウンド室のいずれか一方または両方に、又は、からほぼ瞬間的に加減し、液体ばね12の減衰特性をさらに変更することもできる。これによって、ロッド室の圧縮性液体を利用して、例えば、ハウジング18が垂直方向の一方の方向に変位されたときに圧縮エネルギを蓄積し、ハウジングが垂直方向の他方の方向に変位されたときに蓄積された圧縮エネルギを放出させことができる。
【0023】
液体ばね12と作動的に関連したさらなる制御部材が、光電位置センサ94と、ばね率調節機構96と、圧力レギュレータ機構98とを有し、これらはそれぞれ第1図に概略的に示されている。位置センサ94は、バウンスリテーナ部材64に固定され、ハウジング18の上端部に移動可能に担持された位置指示タブ102に光ビーム100を照射するよう作動する。ビーム100はタブ102からセンサ94に反射して戻され、これによって、センサ94は、センサ94からの端部102の垂直方向距離を瞬時に検出することができる。もちろん、このような距離は、ハウジング18の上端部とバウンスパッド62との間の距離、及び、圧縮性液体充填室36の両端部に対するピストン40の位置に直接的に相関している。センサ94及びこれに関連したタブ102は、必要に応じて液体ばねのロッド及びハウジング部分の様々な別の相対移動可能な部分に取り付けることもできる。
【0024】
ばね率調節機構96には圧縮性液体充填内部室(図示せず)が設けられ、この圧縮性液体充填内部室は、選択的に圧縮させ、膨張させることができ、導管104を介してロッド室52に連通され、ロッド部分48の上端部に半径方向に形成された側壁移送ポート106に接続されている。機構96内の内部室を膨張させることによって、液体ばね12の圧縮性液体の全有効体積が増大される一方、前記内部室を収縮させると圧縮性液体の有効体積が減じられる。
【0025】
圧力レギュレータ機構98は、選択的に圧縮させ、膨張させることができる圧縮性液体充填内部室を備えるばね率調節機構96の構造と同様な構造のものであり、導管107及びロッド側壁ポート108を介してロッド室52と連通する。機構98の内部室を選択的に圧縮し、膨張させることによって、液体ばねハウジング及びロッド室36、52内の圧縮性流体の圧力を選択的に変えることができる。
【0026】
車両の動作中に液体ばね12の動作を独自の方法で制御するため、それぞれが液体ばね自体の動作特徴と関連した制御入力信号110、112、114、116、118及び120が、液体ばね12からコンピュータ16に送られる。位置センサ94から適当に伝達された入力信号110は、前述したように、ハウジング18の上端部と弾性バウンスパッド62との間の距離を示し、従って、グランド部材26、28によって構成される室36の両端部に対するピストン40の軸線方向位置を示す。入力信号112、114は、関連したロッドポート70、72に対する上側弁部材74、下側弁部材76のそれぞれの回転位置を示す。入力信号116、118、120は、ロッドポート121、及び、前述したハウジングポート42、44に接続された適当な導管を介してコンピュータへ送られる圧力信号であり、それぞれ、ロッド室52、リバウンドサブ室36a、バウンスサブ室36bの圧縮性液体圧力を示す。
【0027】
液体ばね自体の選択された動作パラメータを示す入力信号110〜120に加えて、それぞれが車両の代表的な動作パラメータを示す入力信号122、124、126、128がコンピュータ16に適当に送られる。信号122は車両の前方の道路形状を示し、信号124は車両へのステアリング入力の程度及び方向を示し、信号126は車両速度を示し、信号128は車両に及ぼされている制動力を示す。
【0028】
出力信号130を用いてばね率調節機構96を動作させ、液体ばね構造体内の圧縮性液体の有効体積を選択的に増減させ、出力信号132、134を用いてそれぞれ減衰弁74、76を回転させるのに使用される高速回転アクチュエータ84、92を作動させ、出力信号136を用いて圧力レギュレータ機構98を作動させ、液体ばね内の圧縮性液体圧力を選択的に変化させる。
【0029】
この仕方では、液体ばね12(もちろん、車両のその他のホイールに作動的に関連された液体ばね)のばね力特性、並びに、バウンス減衰特性及びリバウンド減衰特性の両方が、継続的に監視され、車両の動作パラメータ及び液体ばね自体の位置及び圧力動作パラメータの両方の変化に対応して自動的に変えられる。例えば、前述したようにリバウンド室36a及びバウンスサブ室36b内の液体圧力及びピストン40のハウジング室36内における垂直方向位置を連続的に検出することによって、コンピュータ16は、いずれの瞬間にも、ピストンの相対的な移動の方向、その速度、ハウジングに対する加速度を計算して、それに応じて出力信号130〜136の1つ又は2つ以上を変化させ、ホイール構造体のバウンス行程中、リバウンド行程中のいずれにおいても、ピストンの有効速度及び又は加速度をほぼ瞬時に調節することができる。
【0030】
このため、第1図に概略的に示されている制御装置を好都合に利用して、液体ばね12のばね特性及び減衰特性を連続的、自動的に調節し、走行車両が或る瞬間において遭遇する道路状態及びドライバの制御入力の組み合わせに実質的にかかわらず、サスペンション性能をほぼ最適化することができることがわかるであろう。
【0031】
概略的に示されているサスペンション装置10は例示にすぎず、必要に応じて様々な仕方で変更を加えることができることに留意すべきである。例えば、液体ばね12は、双ロッド端部形として図示されているが、単ロッド端部形のものであっても良いし、別の様々な仕方、向きで車体フレームとホイール構造体との間に相互連結することができる。ハウジング及びピストン位置の検出は、ピストン40を越える可変減衰バイパス流と共に、別の様々な仕方で行うことができる。さらに、体積調節機構96及び圧力調節機構98は別のやり方で構成し、制御することができ、液体ばねの数及び形式や、車両動作パラメータ入力信号も特定のサスペンション用例に合わせて変えることができる。
【0032】
上記詳細は、例示のために一例として挙げただけであり、発明の精神及び範囲は、添付の請求項のみによって制限させることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を具現化するコンピュータ制御形の液体ばね車両用サスペンション装置の一部を概略的に示す部分断面図である。
【図2】第1図の2−2線における、液体ばね部分の拡大断面図である。
Claims (5)
- フレームと、ホイール構造体と、車両作動パラメータを示す信号を作るための手段とを備えた車両に使用されるサスペンション装置であって、
前記フレームと前記ホイール構造体との間に作動的に介在された液体ばね手段(12)を有しており、該液体ばね手段(12)は、
第1体積の圧縮性液体が収容される室(36)を持つハウジング(18)と、
前記室(36)と連通している第2体積の圧縮性液体と、
前記液体ばね手段(12)における圧縮性液体の有効体積を選択的に増減させるように前記第2体積の圧縮性液体に作用するばね率調節手段(96)とを備え、
前記液体ばね手段(12)が、前記フレームと前記ホイール構造体との間の相対的な垂直方向の変位を静的及び反動的の両方で制御するため、ばね力及び減衰力に影響を及ぼすように前記圧縮性液体を利用するよう作動し、前記液体ばね手段(12)は、液体の体積及び圧力に応じたばね特性と、減衰特性とを有し、
車両の作動中に前記作動パラメータを示す前記信号の少なくとも1つの感知された変化に応答してばね力、減衰力の少なくとも1つを変えるための制御手段(16)を有し、ばね力が、ばね率調節手段(96)を用いた前記液体ばね手段(12)における圧縮性液体の有効体積の制御された変更によって達成されるばね率調節手段を介して変えられる、
サスペンション装置。 - 前記制御手段はコンピュータ手段(16)を有する、請求項1記載のサスペンション装置。
- 前記コンピュータ手段(16)はデジタルである、請求項2記載のサスペンション装置。
- 前記制御手段(16)はアナログである、請求項2記載のサスペンション装置。
- 前記室(36)内に往復動自在に配置され、前記室(36)をバウンスサブ室(36a)と、リバウンドサブ室(36b)とに分けるピストン手段(40)と、
前記室(36)の内外へ前記ハウジングに対して移動することができるように前記ハウジングによって支持され、前記ピストン手段(40)に固定されたロッド手段(46)とを有する、請求項1記載のサスペンション装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008151294A (ja) * | 2006-12-19 | 2008-07-03 | Railway Technical Res Inst | 緩衝用のシリンダ装置 |
-
2003
- 2003-05-26 JP JP2003148136A patent/JP2004001742A/ja active Pending
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JP2008151294A (ja) * | 2006-12-19 | 2008-07-03 | Railway Technical Res Inst | 緩衝用のシリンダ装置 |
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