JP2003534402A - 溶液スラリーからポリマー樹脂を単離する方法 - Google Patents

溶液スラリーからポリマー樹脂を単離する方法

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Abstract

(57)【要約】 可溶性形態と固体粒子相の両方のポリマー樹脂を含有している溶液スラリーから、沈殿助剤を用いて可溶性ポリマー樹脂を分離する。この沈殿助剤は固体のポリマー樹脂粒子の表面上に吸着し、ポリマー樹脂の配合物に適したブレンド成分である。ポリマー樹脂を沈殿させる前に溶液スラリーを濃縮し、加熱してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沈殿助剤を利用して溶液スラリーからポリマー樹脂を単離する方法
に係る。
【0002】
【従来の技術】
有機溶媒から可溶性の熱可塑性樹脂を分離するためにいくつかの方法がすでに
開示されている。これらの方法の大部分が有機溶媒の除去を必要とするエネルギ
ー集約的な方法である。それよりエネルギー効率のよい手段では、溶液からポリ
マー樹脂を沈殿又は共沈させる。これらの沈殿法は、溶液内に微細粒子の固相が
存在するために妨害される可能性がある。これらの微細粒子は可溶性ポリマー樹
脂の沈殿の前に容易には回収されず、沈殿の回収を邪魔する可能性がある。この
固体粒子相の存在は、微細粒子を取り扱うのに適合していない装置を使用しよう
とする場合特に厄介である。
【0003】 この問題が生ずる一例は、酸化カップリングによる2,6−キシレノールと2
,3,6−トリメチルフェノールの共重合である。これらのモノマーから形成さ
れるコポリマーはほとんどが反応混合物中で極めて細かい粒子として自発的に沈
殿することが報告されている。この反応混合物は、コポリマー粒子の固相、コポ
リマー溶液相及び水性相からなる三相スラリーになる。2,6−キシレノールを
用いたポリフェニレンエーテルホモポリマーの製造の際には、ポリマー反応生成
物がトルエン反応溶液中に可溶化した状態で残る。溶液の精製後通常ホモポリマ
ーをメタノール中に沈殿させる。2,6−キシレノールのポリフェニレンエーテ
ルホモポリマーは液固ろ過に適した大きいサイズのクラスターとして沈殿する。
対照的に、2,6−キシレノールと2,3,6−トリメチルフェノールのポリフ
ェニレンエーテルコポリマーの製造で得られる三相反応混合物は、2,6−キシ
レノールのポリフェニレンエーテルホモポリマーに用いるポリマー精製・単離技
術に適さない。したがって、別の装置が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
固相のポリマー樹脂を微細粒子として含有している溶液スラリー内のポリマー
樹脂を単離する技術で、これらの粒子を除去するのに特別な装置を必要としない
技術を提供することが望ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、可溶性のポリマー樹脂の固相を粒子として含有している溶液スラリ
ーから前記ポリマー樹脂を分離する方法を提供する。この方法は、可溶性のポリ
マー樹脂を含有しており、前記ポリマー樹脂の固相を粒子として含有している溶
液スラリーに沈殿助剤を加えることを含む。この沈殿助剤は、ポリマー樹脂粒子
の表面上に吸収される(吸着する)直鎖又は枝分れ鎖のポリマーである。また、
このポリマー性の沈殿助剤は単離すべきポリマー樹脂の配合物に適したブレンド
成分である。
【0006】 沈殿助剤を加えた後、溶液スラリーを、可溶性ポリマー樹脂に対する非溶剤に
加えて溶液スラリー中の可溶性ポリマー樹脂を沈殿させる。
【0007】 可溶性ポリマー樹脂の沈殿後、通常のろ過技術のような常用の技術によってポ
リマー樹脂を回収することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の方法によって溶液スラリーから単離することができるポリマー樹脂は
、示差走査熱量計で決定される重量平均分子量が約500より大きい。適切なポ
リマー樹脂にはほとんどの熱可塑性樹脂、すなわち圧力と熱の作用の下で可塑性
になり流動性になるポリマーが含まれる。本発明の方法によって単離することが
できる適切な熱可塑性樹脂の具体的な例は、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ハイインパクトポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、
ポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフ
タレートを含む)である。本発明で使用するのに適したポリマー樹脂にはこれら
の熱可塑性樹脂のホモポリマーとコポリマーの両者が含まれる。本発明の方法で
使用する好ましい熱可塑性樹脂はポリフェニレンエーテル樹脂のような温度感受
性のポリマー樹脂である。
【0009】 本発明の方法で使用するのに適したポリフェニレンエーテル樹脂は通常、銅、
マンガン又はコバルトの触媒の存在下で少なくとも1種のモノヒドロキシ芳香族
化合物の酸化カップリングによって溶液中で製造される。これらのポリフェニレ
ンエーテルポリマーは複数のアリールオキシ繰返し単位を含み、好ましくは次式
Iの繰返し単位を少なくとも50含む。
【0010】
【化1】
【0011】 ここで、これらの単位の各々においてそれぞれ独立して、各Q1はそれぞれ独立
してハロゲン、アルキル(好ましくは7個までの炭素原子を含有する第一級又は
第二級の低級アルキル)、アリール(好ましくはフェニル)、ハロゲン原子と式
Iのフェニル核との間に少なくとも2個の炭素を有するハロ炭化水素基(好まし
くはハロアルキル)、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又は少なくとも2個の
炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てており少なくとも2個の炭素原子が
ハロゲン原子と式Iのフェニル核とを隔てているハロ炭化水素オキシである。
【0012】 各Q2はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル(好ましくは炭素原子7
個までの第一級又は第二級の低級アルキル)、アリール(好ましくはフェニル)
、ハロゲン原子と式Iのフェニル核との間に少なくとも2個の炭素原子を有する
ハロ炭化水素(好ましくはハロアルキル)、炭化水素オキシ基、又は少なくとも
2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てており少なくとも2個の炭素
原子がハロゲン原子と式Iのフェニル核とを隔てているハロ炭化水素オキシであ
る。適切にはQ1とQ2は各々が約12個までの炭素原子を含有することができ、
最も普通には各Q1がアルキル又はフェニル、特にC1−C4アルキルであり、各
2が水素である。
【0013】 特許請求の範囲を含めて本明細書で使用する「ポリフェニレンエーテル樹脂」
という用語は、置換されていないポリフェニレンエーテルポリマー、芳香環が置
換されているポリフェニレンエーテルポリマー、ポリフェニレンエーテルコポリ
マー、ビニルモノマー、ポリスチレン及びエラストマーのようなグラフトした部
分を含有するポリフェニレンエーテルグラフトポリマー、カップリング剤(たと
えばポリカーボネート)が高分子量のポリマーを形成しているポリフェニレンエ
ーテルカップル化ポリマー、及び官能性の末端基で末端がキャッピングされたポ
リフェニレンエーテルポリマーを含む。
【0014】 以上のことから当業者には明らかなように、本発明の方法で使用することが考
えられるポリフェニレンエーテルポリマーには構造単位の変化にかかわらず現在
公知のものがすべて包含される。
【0015】 本発明の方法で使用することができる具体的なポリフェニレンエーテルポリマ
ーとしては、 ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、 ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジラウリル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジエトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−メトキシ−6−エトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−エチル−6−ステアリルオキシ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−エトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(2,6−ジブロモ−1,4−フェニレン)エーテル、 ポリ(3−ブロモ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、 これらの混合物、などがあるが、限定されることはない。
【0016】 本発明の方法は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位(2,
6−キシレノールに由来する)と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン
エーテル単位(2,3,6−トリメチルフェノールに由来する)のコポリマーで
あって通常は反応媒質中で微細粒子を形成するポリフェニレンエーテル樹脂で効
果的な結果を提供する。
【0017】 適切なポリフェニレンエーテル樹脂の具体例とこれらのポリフェニレンエーテ
ル樹脂の製造方法はHayの米国特許第3,306,874号、同第3,306,
875号、同第3,914,266号及び同第4,028,341号、Stamatof
fの米国特許第3,257,357号及び同第3,257,358号、S.B. Brow
nらの米国特許第4,935,472号及び同第4,806,297号、ならび
にWhiteらの米国特許第4,806,602号に記載されている。
【0018】 本発明の方法で使用するのに適したポリアミドの例は米国特許第5,981,
656号及び同第5,859,130号に開示されている。適切なポリエーテル
イミドは米国特許第3,803,085号及び同第3,905,942号に記載
されている。適切なポリエステルとしては、ポリブチレンテレフタレート及びポ
リエチレンテレフタレートならびに米国特許第5,237,005号に開示され
ているものがある。適切なポリカーボネートは米国特許第4,217,438号
に記載されている。
【0019】 本発明で使用するのに適したポリスチレン樹脂としては、ホモポリスチレン、
ポリα−メチルスチレン、ポリクロロスチレン、ならびに、スチレン−アクリロ
ニトリルコポリマー(SAN)、アクリレート−スチレン−アクリロニトリルコ
ポリマー(ASA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(A
BS)、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、スチレン−エチルビニルベンゼ
ンコポリマー及びスチレン−ジビニルベンゼンコポリマーのようなスチレンコポ
リマーがある。
【0020】 適切なゴム改質ポリスチレン樹脂(本明細書中ではハイインパクトポリスチレ
ン又は「HIPS」という)は、ポリスチレンとポリブタジエンのようなエラス
トマー性ポリマーとのブレンド及びグラフトを含む。
【0021】 本発明の重大な特徴は、溶液スラリーの溶媒内に固相としてポリマー樹脂粒子
が存在し、かつ可溶化したポリマー樹脂も存在することである。固体のポリマー
樹脂粒子相は従来の技術では可溶化したポリマー樹脂を溶液スラリーから単離す
るのに障害となる可能性があるが、本発明ではこれらのポリマー樹脂粒子が溶液
スラリーからの可溶性ポリマー樹脂の回収に関与する。
【0022】 溶液スラリー内の固体のポリマー樹脂粒子はいかなるサイズであってもよいが
、通常のろ過技術で容易に除去することができるサイズの固体を利用するのは現
実的でない。本発明は、約1〜500ミクロンの範囲内に入る固体のポリマー樹
脂粒子を有する溶液スラリーの場合に有利である。本発明の方法は、10〜75
ミクロンの範囲の平均粒径の固体を含有する溶液スラリーの場合さらに有利であ
る。好ましい溶液スラリーは、固相(粒子)と可溶性(溶媒)相とにポリマー樹
脂生成物を含有している溶液重合プロセスの反応媒質である。そのような反応媒
質の一例は、トルエン中で製造されたポリフェニレン樹脂、より特定的にはトル
エン中で製造された2,6−キシレノール(2,6−ジメチルフェノール)と2
,3,6−トリメチルフェノールとのコポリマーの反応媒質である。これらのス
ラリーは通常粒径が10ミクロン未満である。
【0023】 固相のポリマー樹脂粒子のサイズは広範囲に変化することができるが、溶液ス
ラリーからのポリマー樹脂の最終的な分離を補助するためにサイズがある程度均
一であるのが好ましい。
【0024】 溶液スラリー内の固体のポリマー樹脂粒子の濃度も広範囲に変化することがで
き、好ましくは溶液スラリー全体の重量を基準にして70重量%未満である。本
発明の方法は、溶液スラリー全体の重量を基準にして1%未満のレベルのポリマ
ー樹脂粒子で実施することができる。しかし、このような低いレベルのポリマー
樹脂固体は無視することが可能であろう。このような低い固体レベルで本発明の
方法を使用するのは効率的ではない。スラリー全体の重量を基準にして10〜6
0重量%の濃度のポリマー樹脂粒子がより一般的である。ポリマー樹脂を含有し
ている溶液重合プロセスの反応媒質はこれらのレベルで固体を有していないこと
がある。したがって、反応媒質を、スラリー全体の重量を基準にして少なくとも
10〜30重量%の範囲内の固体レベルまで濃縮するのが望ましいことがある。
ポリマー樹脂粒子の濃度がさらに高くなると、これらの粒子が相互に、また可溶
性のポリマー樹脂と相互作用する確率が増大する。
【0025】 本発明で利用する溶液スラリーは、ポリマー樹脂の低分子量種を可溶化して可
溶性ポリマー樹脂相を生ずる少なくとも1種の有機溶媒を含有している。この溶
液スラリーに適した溶媒の例としては、1〜20個の炭素原子を有する塩素化又
は臭素化された炭化水素、たとえば塩化メチレン、1,1,2,2−テトラクロ
ロエタン、1,2−ジクロロエチレン、クロロベンゼン、クロロホルム、ジクロ
ロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタン、及び、芳香族又は脂肪族の炭化水
素溶媒、たとえばベンゼン、キシレン、トルエン、ピリジン、メシチレン、ヘキ
サン、ペンタン、ヘプタンなどがある。以上の溶媒の混合物も適している。スラ
リーを濃縮するのが望まれる場合、100℃より低い沸点を有する溶媒を使用す
るのが好ましい。塩化メチレンはポリカーボネート樹脂と共に使用するのに好ま
しい有機溶媒であり、トルエンはポリスチレンとポリフェニレンエーテルの両者
で好ましい溶媒である。
【0026】 可溶化された樹脂は、固体の粒子相と分子量で区別される。固相を形成するポ
リマー樹脂の固有粘度は可溶化されたポリマー樹脂の固有粘度より2倍又は4倍
高い値であることができる。溶液スラリー内の可溶性樹脂の濃度は広範囲に変化
することができ、溶液スラリー全体の60重量%までの量が適している。溶液ス
ラリーがポリマー樹脂を含有する溶液重合プロセスの反応媒質である場合、ポリ
マー樹脂の濃度はその反応媒質中で行われた重合の程度に依存する。ポリフェニ
レンエーテル酸化カップリング反応の反応媒質である溶液スラリーは、通常、組
成物全体の約5〜25重量%の濃度で可溶性ポリフェニレンエーテル樹脂を含ん
でいる。
【0027】 この溶液スラリーに、直鎖又は枝分れ鎖のポリマー性沈殿助剤を加える。この
沈殿助剤は溶液スラリー内で固相の固体樹脂粒子の表面上に吸収される(吸着す
る)。理論に縛られることはないが、沈殿助剤のポリマー鎖が絡み合い、そうし
て沈殿助剤が凝集剤として機能すると考えられる。この沈殿助剤は、回収される
ポリマー樹脂から分離されないので、そのポリマー樹脂の最終配合物の適切なブ
レンド成分でなければならない。この沈殿助剤は最終配合物中でポリマー樹脂と
相溶性でなければならないので、適切な重合助剤は単離されるポリマー樹脂に依
存する。ポリカーボネートに対して適切な重合助剤としては耐衝撃性改良剤なら
びにポリエステル(ポリブチレン−テレフタレート)及びポリイミドがある。ポ
リフェニレンエーテル樹脂に対して適切な沈殿助剤としては、耐衝撃性改良剤、
上記したようなポリスチレン、及びポリアミドがある。耐衝撃性改良剤はまた、
ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミド及びポリエステルに対しても適
切な沈殿助剤である。すなわち、これらの樹脂は成形物品を形成する際に通常耐
衝撃性改良剤と共に配合される。
【0028】 沈殿助剤として機能することができる適切な耐衝撃性改良剤としては天然ゴム
、合成ゴム及び熱可塑性エラストマーがある。
【0029】 適切な熱可塑性エラストマーは、オレフィン(たとえば、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン)、スチレン、α−メチルスチレン
、共役ジエン(たとえば、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン)、ビニル
カルボン酸(たとえば、アクリル酸及びアルキルアクリル酸)及びビニルカルボ
ン酸の誘導体(たとえば、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル
、アクリロニトリル)より成る群の中から選択されるモノマーのホモポリマーと
コポリマーである。適切なコポリマーには、これらのモノマーのランダムコポリ
マー、ブロックコポリマー及びグラフトコポリマーがあるが、以下でより詳細に
述べる。
【0030】 沈殿助剤として使用することができる適切なオレフィンホモポリマーの具体例
としてはポリエチレン、ポリプロピレン及びポリイソブチレンがある。ポリエチ
レンホモポリマーとしては、LLDPE(線状低密度ポリエチレン)、HDPE
(高密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)及びアイソタクチッ
クポリプロピレンがある。この一般構造のポリオレフィン樹脂とその製造方法は
業界で周知であり、たとえば米国特許第2,933,480号、同第3,093
,621号、同第3,211,709号、同第3,646,168号、同第3,
790,519号、同第3,884,993号、同第3,894,999号、同
第4,059,654号、同第4,166,055号及び同第4,584,33
4号に記載されている。
【0031】 エチレンとαオレフィン(プロピレンや4−メチルペンテン−1)のコポリマ
ー、及びEPDMコポリマー(エチレン、C3−C10モノオレフィン及び非共役
ジエンのコポリマー)を始めとして、ポリオレフィンのコポリマーも沈殿助剤と
して使用できる。
【0032】 沈殿助剤として使用することができる共役ジエンのホモポリマーとランダムコ
ポリマーの具体例としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレンコポリマー
、ブタジエン−アクリレートコポリマー、イソプレン−イソブテンコポリマー、
クロロブタジエンポリマー、ブタジエンアクリロニトリルポリマー及びポリイソ
プレンがある。
【0033】 特に有用な沈殿助剤はスチレンポリマーであり、好ましくはスチレンと共役ジ
エンのブロックコポリマーである。これらにはAB(ジブロック)、(AB)m
−R(ジブロック)及びABA’(トリブロック)のブロックコポリマーがあり
、ここでブロックAとA’は典型的にはスチレン又は同様なアルケニル芳香族単
位であり、ブロックBは典型的には共役ジエン単位である。式(AB)m−Rの
ブロックコポリマーで整数mは少なくとも2であり、Rは構造ABのブロックに
対する多官能性のカップリング剤である。適切な共役ジエンブロックとしては上
記した共役ジエンのホモポリマーとコポリマーがあり、これらはその一部又は全
部が水素化されていてもよい。スチレン以外の適切なアルケニル芳香族としては
、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン
及びビニルナフタレンがある。このタイプのトリブロックコポリマーの例はポリ
スチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)、水素化ポリスチレン−ポ
リブタジエン−ポリスチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SE
BS)、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)、及びポリ(
α−メチルスチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)である。
市販のトリブロックコポリマーの例はShell Chemical CompanyのCARIFLEX(登録
商標)シリーズ、KRATON D(登録商標)シリーズ及びKRATON G(登録商標)シリ
ーズである。
【0034】 また、ビニル芳香族モノマーと共役ジエンモノマーのラジアルブロックコポリ
マーからなる耐衝撃性改良剤も沈殿助剤として適している。このタイプのコポリ
マーは通常、重合したスチレン又は類似のビニル芳香族モノマーを約60〜95
重量%と、重合した共役ジエンモノマーを約40〜5重量%含んでいる。このコ
ポリマーは、ラジアル構造を形成する少なくとも3つのポリマー鎖を有する。各
々の鎖は実質的に非弾性のセグメントで末端が停止しており、そのセグメントに
弾性のポリマーセグメントが結合している。これらのブロックコポリマーは米国
特許第4,097,550号に記載されているように「枝分れした」ポリマーと
いわれることがある。
【0035】 ある所与のポリマー樹脂に対して好ましい沈殿助剤は、その沈殿助剤が固体樹
脂粒子の表面に吸収される程度のみならず、そのポリマー樹脂の最終配合物中で
の沈殿助剤の役割によって決まる。耐衝撃性改良剤その他のポリマー樹脂はエン
ジニアリング熱可塑性樹脂配合物中にかなりの量で使用することが多い。これら
の物質を沈殿助剤として使用しても最終配合物に対して制限を生じることはあま
りない。耐衝撃性改良剤として、スチレンコポリマー、特にスチレン単位と共役
ジエン単位又は水素化ジエン単位(エチレン−ブチレン単位)とを含有するAB
Aブロックコポリマーは、2,3,6−トリメチルフェノールと2,6−キシレ
ノールのコポリマーを含むポリフェニレンエーテルに対して有効な沈殿助剤であ
る。反応媒質内の固体全体(ポリフェニレンエーテルと沈殿助剤)の重量を基準
にして0.5〜10重量%の範囲の量の沈殿助剤が有効であることが示されてい
る。好ましい実施形態において、スチレンコポリマーは、Shell Chemical Compa
nyから入手できるKRATON G(登録商標)シリーズのようなスチレン−エチレン−
ブチレン−スチレンブロックコポリマーである。
【0036】 沈殿助剤は溶液スラリーに分散した固体として加えてもよいし、溶液の形態で
加えてもよい。溶液スラリーに沈殿助剤を加えるには、通常の装置を利用して行
うことができる。
【0037】 沈殿助剤を溶液スラリーに加えたら、任意の手順として、樹脂の沈殿を開始す
る前に溶液スラリーを濃縮する。溶液スラリー内の樹脂に対して好ましい濃度は
個々の樹脂に応じて変化する。ポリフェニレンエーテル溶液の場合、10〜48
%の範囲の樹脂濃度が好ましい。溶液スラリーを濃縮する際には溶液スラリーを
加熱するのが好ましく、真空にしなくても真空にしてもよい。米国特許第4,6
92,482号に記載されているような方法を使用することができる。真空にす
ると配合物の濃縮が促進される。
【0038】 スラリーの加熱は、沈殿助剤の固体樹脂粒子上への吸収能を高めることが判明
している。50℃以上の範囲の温度で有効な結果が得られる。温度の上限はポリ
マー樹脂の熱感受性及び使用する方法の効率の低下に依存する。ポリフェニレン
エーテル樹脂の場合、60〜115℃の範囲の温度が、沈殿助剤のポリマー樹脂
粒子に対する吸収を高めるのに有効であることが判明している。
【0039】 沈殿助剤を加えた後、溶液スラリーを可溶性ポリマー樹脂に対する非溶剤に加
えて、その可溶性ポリマー樹脂を沈殿させる。本明細書で使用する「非溶剤」と
いう用語は、そのポリマー樹脂に対する溶解性が前記溶液スラリーの溶媒より低
い溶媒をいう。ポリフェニレンエーテルポリマー生成物とトルエン溶媒とを含有
している溶液重合プロセスの反応媒質の場合、メタノールが好ましい非溶剤であ
る。ポリフェニレンエーテルポリマーが2,6−キシレノールと2,3,6−ト
リメチルフェノールのコポリマーである場合も同様である。溶液スラリーを加熱
して沈殿助剤の固体ポリマー樹脂粒子に対する吸収性を高めてある場合、この加
熱された溶液スラリーを非溶剤で急冷して凝集プロセスを停止させるのが好まし
い。非溶剤の使用量は通常溶液スラリーの体積全体の1〜4倍である。非溶剤に
加えた後所望により溶液スラリーを攪拌してもよい。溶液スラリー内のポリマー
樹脂の沈殿はろ紙を用いないか又は用いるろ過のような通常の手段によって回収
できる。好ましくは、20ミクロンを超え、好ましくは50ミクロンを超え、最
も好ましくは100ミクロンを超えるサイズの気孔を有するフィルター及び/又
はろ紙を使用できるように100ミクロンより大きい平均粒径の粒子としてポリ
マー樹脂を回収する。気孔のサイズを大きくするとろ過の速度が速くなる。好ま
しくは、100ミクロンより大きい粒径の固体として沈殿させることによって9
0%を超え、さらに好ましくは95%を超えるポリマー樹脂が溶液スラリーから
回収される。
【0040】 回収された粒子の一部は沈殿助剤を含有しているが、樹脂は示差走査熱量計に
よって示されるガラス転移温度を保持していることが判明した。
【0041】 以上の説明に基づいて、当業者は、さらに苦心することなく、本発明をその最
良態様で利用することができると考えられる。したがって、以下の好ましい特定
の実施形態は単なる例示であって、いかなる意味でも本明細書の他の開示範囲を
限定するものと解すべきではない。
【0042】 上で引用した出願、特許及び刊行物はすべて引用したことによりその開示内容
全体が本明細書に含まれているものとする。
【0043】
【実施例】
溶液スラリーの調製 50ガロンの反応器を用いて、トルエン中で、酸化カップリングによる2,6
−キシレノールと2,3,6−トリメチルフェノールの共重合をパイロットプラ
ントスケールで実施した。モノマーの総装填量は52ポンドであった。この総モ
ノマー装填量のうち、50重量%が2,3,6−トリメチルフェノールであった
。溶媒320ポンドも加えたところ総モノマー装填量は反応媒質の約14重量%
になった。銅/アミン触媒、すなわち1:1.5のCu/ジブチルメチレンジア
ミン(DBEDA)を、Cu/フェノールの比が1:300となるようなレベル
で用いた。5時間反応させた後、触媒を中和して除去した。最終反応混合物は総
モノマー装填量を基準にして11%の可溶性ポリマーを含有していた。
【0044】 実施例1〜8 上記した溶液スラリーのサンプル(20g)をShell Chemical Co.からKRATON
(登録商標)GX 1702という商品名で市販されているスチレン−エチレン
ブチレンスチレン(SEBS)ブロックコポリマーと混合した。各実施例で使用
したSEBSブロックコポリマーの量は表1に挙げた。表1に記載したように、
選択した溶液スラリーは60℃の真空オーブン又は115℃の油浴で予め濃縮し
た。沈殿時の溶液スラリーの固体濃度はスラリー全体の重量を基準にした重量%
として表1に挙げた。次に、溶液スラリーを、表1に示してあるように室温又は
50℃で2.5倍の体積(約50ml)のメタノール中に攪拌しながら沈殿させ
た。沈殿した物質を、「Fritted Buchner Funnel」(中央孔径10〜15ミクロ
ン)を用いて真空ろ過した。
【0045】 ろ過の時間を望ましい粒子を調製する試験基準として用いるが、この値を表1
に示す。予め濃縮した物質のすべてをメタノール中に移行させられないので、各
実施例について「ろ過率」を表1に示す。ろ過率はろ過時間を得られた最終乾燥
物質の重量で割ったものである。データは、すべての条件下で、予め濃縮しない
ものでも、比較例Y及びZと比べて迅速なろ過時間とろ過率を示している。予め
濃縮するとろ過時間とろ過率が高まり、より高い温度(115℃)で予め濃縮す
るとこれらの値がさらに改善された。10重量%未満のSEBS共沈殿剤(5重
量%)を用いると、表1に示されているように性能に影響があり得る。
【0046】 比較例Y及びZ 比較のため、上で調製した溶液スラリーのサンプル20gを表1に示してある
ように予め濃縮し、実施例1〜8で記載したように攪拌しながらメタノール中に
沈殿させた。これら比較例の溶液スラリーは沈殿助剤SEBSゴムで沈殿しなか
った。これら比較例ではずっと長いろ過時間とより高いろ過率が必要であった。
比較例Yのろ過時間は、同様な条件で予め濃縮し沈殿させた実施例3のろ過時間
より8倍長い。ろ過率の差はさらに大きい。比較例Zのろ過時間は、同様な条件
で予め濃縮し沈殿させた実施例6のろ過時間より約9倍長い。
【0047】
【表1】
【0048】 実施例9〜10及び比較例X 上記と同様にして、トルエン中で、酸化カップリングにより、2,6−キシレ
ノールと2,3,6−トリメチルフェノールのコポリマーを含む別の溶液スラリ
ーをパイロットプラントスケールで調製した。沈殿の前に溶液スラリーから触媒
を除去した。
【0049】 触媒を除去したこの溶液スラリーのサンプル(約100g)をShell Chemical
Co.から入手できるKRATON(登録商標)GX−1702というスチレンエチレン
ブチレンスチレンブロックコポリマー約5.04重量%又は10重量%と混合し
た。実施例9では、いずれも約5.04重量%のSEBSブロックコポリマーを
有する2つの溶液スラリーAとBを試験した。実施例10では、3つの溶液スラ
リーA、B及びCを試験した。実施例9と10の溶液スラリー中に使用したSE
BSブロックコポリマーの量を表2に記載した。比較例XはSEBSブロックコ
ポリマーを使用しなかった溶液スラリーである。
【0050】 各溶液スラリーを115℃の油浴で予め濃縮し、室温で2.5倍の体積のメタ
ノール中に攪拌しながら沈殿させた。次に、沈殿した物質を、ブフナー漏斗と、
表2に示したさまざまな孔径(20ミクロン、50ミクロン、100ミクロン)
のろ紙を用いて真空ろ過した。
【0051】 結果は、SEBSブロックコポリマー沈殿助剤を使用すると比較例Xと比べて
沈殿の収率(ろ過収率)が増大することを占めている。また、表2に示されてい
るように、これらの結果は、沈殿助剤のレベルが沈殿の粒径に影響すること、高
レベルのSEBSブロックコポリマー沈殿助剤で、より大きい孔径(100ミク
ロン、50ミクロン)のろ紙を用いて90%より高い収率を維持することができ
るということを示している。
【0052】
【表2】
【0053】 以上の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認することがで
き、また本発明の思想と範囲から逸脱することなくさまざまな用途と条件に適合
させるために本発明の各種変更や修正を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グオ,ヒュア アメリカ合衆国、12158、ニューヨーク州、 セルカーク、ドーチェスター・アベニュ ー、93番 Fターム(参考) 4J031 BA29 CC06 CC07 CC08 4J100 AB02P AB02Q AB02R AB03P AB04Q AB08P AB16Q AK32Q AL03P AM02P AM02Q AM02R AS02Q GC01 GC02 GC07 GC13 GC17

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性ポリマー樹脂の固相を粒子として含有している溶液ス
    ラリーから前記ポリマー樹脂を分離する方法であって、 少なくとも1種の可溶性ポリマー樹脂を含有し、前記ポリマー樹脂の固相を粒
    子として含有している溶液スラリーに、前記ポリマー樹脂の配合物に適したブレ
    ンド成分であり、前記溶液スラリー中のポリマー樹脂粒子の表面上に吸収される
    直鎖又は枝分れ鎖のポリマー性沈殿助剤を加え、 前記沈殿助剤を含有する溶液スラリーを可溶性ポリマー樹脂に対する非溶剤に
    加えて前記溶液スラリー内の可溶性ポリマー樹脂を沈殿させる ことを含んでなる前記方法。
  2. 【請求項2】 前記溶液スラリーから沈殿を回収する追加工程を含む、請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 100ミクロンより大きい孔径を有するフィルターを通して
    ろ過することによって前記溶液スラリーから沈殿を回収する、請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 可溶性ポリマー樹脂及び固相ポリマー樹脂を含めて、前記溶
    液スラリー中のポリマー樹脂全体の90%を超えるポリマー樹脂を、100ミク
    ロンより大きいサイズの粒子として回収する、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記溶液スラリー中の可溶性ポリマー樹脂を、ポリカーボネ
    ート、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエ
    ーテルイミド、ポリアミド及びポリエステルより成る群の中から選択する、請求
    項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 溶液スラリー内の可溶性ポリマー樹脂がポリフェニレンエー
    テル樹脂である、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記溶液スラリー内の可溶性ポリマー樹脂が2,6−キシレ
    ノールと2,3,6−トリメチルフェノールのコポリマーであり、溶液スラリー
    が溶液重合プロセスで前記コポリマーを製造した反応媒質である、請求項1記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 前記沈殿助剤を加えた後前記溶液スラリーを濃縮して、前記
    溶液スラリー全体の重量を基準にして10%を超える濃度の可溶性ポリマー樹脂
    を得る追加工程を含む、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記溶液スラリーを50℃を超える温度に加熱し、場合によ
    り真空にすることによって濃縮する、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 沈殿助剤を、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド及
    び耐衝撃性改良剤より成る群の中から選択する、請求項6記載の方法。
  11. 【請求項11】 耐衝撃性改良剤を、天然ゴム、合成ゴム、ならびに、オレ
    フィンホモポリマー、オレフィンコポリマー、スチレンホモポリマー、スチレン
    コポリマー、共役ジエンのホモポリマー、共役ジエンのコポリマー、ビニルカル
    ボン酸のホモポリマー、ビニルカルボン酸のコポリマー、ビニルカルボン酸の誘
    導体のホモポリマー、ビニルカルボン酸の誘導体のコポリマーより成る群の中か
    ら選択される熱可塑性エラストマーより成る群の中から選択する、請求項10記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 オレフィンコポリマーがEPDMコポリマーからなり、共
    役ジエンホモポリマーがポリブタジエンからなり、スチレンコポリマーがABブ
    ロックコポリマー、(AB)−Rブロックコポリマー及びABAブロックコポリ
    マーを含む、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 スチレンブロックコポリマーが、スチレン−ブタジエン−
    スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロッ
    クコポリマー、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロックコポリマ
    ー、水素化ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー又
    はポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)
    ブロックコポリマーからなる、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 スチレンコポリマーがスチレンブロックコポリマーである
    、請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記溶液スラリーに加える沈殿助剤の量が前記溶液スラリ
    ー中の可溶性ポリマー樹脂全体の重量を基準にして1〜10重量%の範囲内であ
    る、請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 可溶性ポリフェニレンエーテル樹脂を溶液スラリーから分
    離する方法であって、 少なくとも1種の可溶性ポリフェニレンエーテル樹脂とポリフェニレンエーテ
    ル樹脂粒子の固相とを含有している溶液スラリーに、前記ポリフェニレンエーテ
    ル樹脂の最終配合物のブレンド成分であり、前記溶液スラリー内のポリフェニレ
    ンエーテル粒子の表面上に吸収される直鎖又は枝分れ鎖のポリマー性沈殿助剤を
    加え、 沈殿助剤を含有する溶液スラリーを可溶性ポリフェニレンエーテル樹脂に対す
    る非溶剤に加えて前記溶液スラリー中の前記可溶性ポリフェニレンエーテル樹脂
    を沈殿させる ことを含んでなる前記方法。
  17. 【請求項17】 前記溶液スラリーから沈殿を回収する追加工程を含む、請
    求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 100ミクロンより大きい孔径を有するフィルターを通し
    てろ過することによって前記溶液スラリーから沈殿を回収する、請求項16記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 可溶性ポリフェニレンエーテルポリマー樹脂及び固体のポ
    リフェニレン相ポリマー樹脂を含めて、前記溶液スラリー中のポリフェニレンエ
    ーテル樹脂全体の90%を超えるポリフェニレンエーテル樹脂を、100ミクロ
    ンより大きいサイズの粒子として回収する、請求項16記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記溶液スラリー内のポリフェニレンエーテル樹脂が2,
    6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールのコポリマーであ
    り、溶液スラリーが前記コポリマーを生成する溶液重合プロセスの反応媒質であ
    る、請求項16記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記沈殿助剤を加えた後前記溶液スラリーを濃縮して、前
    記溶液スラリー全体の重量を基準にして25%を超える濃度の可溶性ポリマー樹
    脂を得る追加工程を含む、請求項16記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記溶液スラリーを50℃を超える温度に加熱し、場合に
    より真空にすることによって濃縮する、請求項16記載の方法。
  23. 【請求項23】 沈殿助剤を、耐衝撃性改良剤より成る群の中から選択する
    、請求項16記載の方法。
  24. 【請求項24】 耐衝撃性改良剤を、オレフィンホモポリマー、オレフィン
    コポリマー、スチレンホモポリマー、スチレンコポリマー、共役ジエンのホモポ
    リマー及び共役ジエンのコポリマーより成る群の中から選択される熱可塑性エラ
    ストマーより成る群の中から選択する、請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 オレフィンコポリマーがEPDMコポリマーからなり、共
    役ジエンホモポリマーがポリブタジエンからなり、スチレンコポリマーがスチレ
    ンブロックコポリマーからなる、請求項16記載の方法。
  26. 【請求項26】 スチレンブロックコポリマーが、スチレン−ブタジエン−
    スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロッ
    クコポリマー、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロックコポリマ
    ー、水素化ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロックコポリマー又
    はポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)
    コポリマーからなる、請求項16記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記溶液スラリーに加える沈殿助剤の量が前記溶液スラリ
    ー中の可溶性ポリフェニレンエーテルポリマー樹脂全体の重量を基準にして1〜
    10重量%の範囲内である、請求項16記載の方法。
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