JP2003533236A - 中央起立部材を有する吸収性物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 優れた身体フィット性、センターフィル性、及び良好な漏れ制御を有する吸収性物品に関し、この物品では、物品の中央からその縦軸方向側部までの流れが、ウィッキング障壁により妨げられる。物品は、下側吸収性部材、該下側吸収性部材上の水平ウィッキング障壁、及び水平ウィッキング障壁上に中央隆起を形成する中央吸収区域を含む。随意的な中央起立部材は、中央部分が垂直方向上向きに反るように付勢することにより、圧縮時に物品の幾何学的形状を更に高めることができる。１つの実施形態において、水平ウィッキング障壁の縦軸方向上向き突起は、身体フィット性を良好にするように物品の変形を制御するのに役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （背景技術） 女性用ケアパッド又はナプキン及び使い捨ておむつのような吸収性物品から身
体排泄物が漏れることを防ぐためには、排泄物が、物品の吸収性材料の縁部に達
しないことが望ましい。漏れを制御するためには、「センターフィル」法が望ま
しく、この方法では、流体が物品の中央領域に保持されることが好ましい。不都
合なことに、従来の吸収性物品には、一般に、目標領域（流体の取り込みが起こ
る場所）から物品の縁部までの大量の流れ又は毛細管ウィッキングに対する障壁
がないため、物品の縁部からの漏れは、なかなか解決しない問題である。従って
、従来の物品では、物品の中央に入る流体が、吸収性材料を通って直接側部に移
動して漏れる可能性が依然としてある。物品が圧縮されていると、物品の中央の
濡れた部分が物品の側部の吸収性材料に接触できるので、中央から側部までの流
れは特に急速になる。

【０００２】 吸収性物品が、センターフィルを助長して漏れを減少させる性能は、使用中に
物品が達成する身体への適合度に依存する。生理用ナプキン及び他の吸収性物品
では、物品が着用されると、着用者の脚部により横方向に圧縮されて著しく変形
することが多い。従来の物品の多くは、この変形が、不規則で制御されていない
ので、結果的に、物品の良好な取り込み及び流体分配には不適切な様々な製品構
造になる場合が多い。

【０００３】 身体フィット性を改善し、物品の中央での液体の取り込みを助長するための従
来の試みとしては、中央隆起部又は隆起した中央部材が、平坦な吸収性コアの平
面上にある３次元構造が含まれる。隆起した中央部材は、例えば、円筒形又は逆
Ｕ形の管であってもよい。しかし、隆起した中央部材を有する物品は、依然とし
て、部材の側部から出た液体で漏れ及び染みを起こすことがある。更に、物品全
体の変形は、ほとんど制御できず、結果として、中央隆起領域を有する場合でも
身体フィット性が不十分になることが多い。

【０００４】 側部への漏れを防止する内部障壁を有し、着用時に、吸収性材料が、身体排泄
物の排泄源に近接して配置されるように、吸収性材料の変形を良好に制御する吸
収性物品が必要とされている。更に、少量の吸収性材料を効率的に用いることに
より、快適性を維持しつつ、漏れを減少させ、優れた身体フィット性を提供する
ことができる、良好なセンターフィル性能を有する薄い吸収性物品が必要とされ
ている。

【０００５】 （発明の開示） ２つの重なった層の間に水平ウィッキング障壁を有する層状の吸収性コアは、
吸収性コアの中央部分が着用者の身体に向かって上向きに反るように助長する特
定の設計方針に従えば、漏れ防止を改善し、身体フィット性を良好にし、コアの
吸収性材料を更に効率的に利用する機会を提供することが発見されている。この
設計方針では、吸収性コアが、２つの部分、即ち下部吸収性部材及び中央吸収区
域に分割され、水平ウィッキング障壁が、２つの部分を分離し、流体が、吸収性
材料を通って、物品の中央目標領域から物品の縦軸方向側部に向かって流れる傾
向を減少させることを必要とする。

【０００６】 従って、１つの態様において、本発明は、着用者の身体上で使用するための吸
収性物品であって、前記吸収性物品は、縦軸方向中心線、横軸方向中心線、２つ
の縦軸方向側部、目標域、及び身体側を有し、 ａ）液体不透過性裏面シートと、 ｂ）前記裏面シートに取り付けられる液体透過性上面シートと、 ｃ）前記裏面シートの上に配置され、前記目標域において、前記物品の前記縦軸
方向中心線の反対側に所定の距離をあけて配置される、実質的に縦軸方向の一対
の折れしわ線を備える下部吸収性部材と、 ｄ）前記下部吸収性部材上に配置される水平ウィッキング障壁と、 ｅ）前記目標域の前記折れしわ線間の前記距離より狭い幅をもち、前記水平ウィ
ッキング障壁上に配置される中央吸収性部材と、 ｆ）縦軸方向側部を有し、前記目標域における幅が、前記中央吸収性部材の前記
幅よりも広く且つ前記水平ウィッキング障壁の幅よりも狭く、前記中央吸収性部
材上に配置され且つ前記上面シートの下に配置される上部吸収性部材と、 を備えることを特徴とする吸収性物品である。

【０００７】 他の様態では、本発明は、目標域、縦軸方向、横軸方向、縦軸方向及び横軸方
向のいずれにも実質的に垂直である垂直方向、及び身体側を有する吸収性物品で
あって、 ａ）液体不透過性裏面シートと、 ｂ）前記裏面シートの上に配置される下部吸収性部材と、 ｃ）前記下部吸収性部材上に配置され、前記目標域において所定の幅を有する水
平ウィッキング障壁と、 ｄ）前記水平ウィッキング障壁上に配置され、前記目標域において最大幅を有す
る中央吸収性部材と、 ｅ）前記中央吸収性部材の上に配置され、前記目標域における幅が、前記中央吸
収性部材の前記目標域における前記最大幅より狭くなく、前記吸収性物品が横方
向内向きに圧縮されると、上向きに反りやすくなっている上部吸収性部材と、 ｆ）裏面シートに結合されている液体透過性上面シートと、 を備えることを特徴とする吸収性物品である。

【０００８】 他の様態では、本発明は、目標域を有する吸収性物品であって、 ａ）液体不透過性裏面シートと、 ｂ）前記裏面シート上に配置される下部吸収性部材と、 ｃ）前記下部吸収性部材を覆って配置され、前記目標域において所定の幅を有す
る水平ウィッキング障壁と、 ｄ）前記水平ウィッキング障壁上に配置され、中央隆起を形成し且つ前記水平ウ
ィッキング障壁と前記中央隆起との間に空隙空間を形成するように成形され、前
記目標域における幅が、前記水平ウィッキング障壁の前記目標域における前記幅
よりは広くない予備成形された上部吸収性部材と、 ｅ）前記予備成形された上部吸収性部材上に配置され、前記裏面シートに取り付
けられている液体透過性上面シートと、 を備える吸収性物品である。 物品の空隙空間は、任意的であるが、望ましくは、硬材ニットのような遊離し
た繊維材料、吸収性粒子、嵩高フラフパルプ、ティシュ層等を含む中央吸収性部
材で部分的に満たされていてもよい。一般に、予備成形された上部吸収性部材は
、横方向内向きに圧縮されるときに、幾何学的に上向きに反りやすくなっている
。

【０００９】 他の様態では、本発明は、縦軸方向中心線と、前記縦軸方向中心線に実質的に
垂直な横軸方向中心線とを有する吸収性物品を製造する方法であって、 ａ）裏面シートを作製する段階と、 ｂ）前記裏面シート上に、前記物品の前記横軸方向中心線に沿って所定の幅を有
し、縦軸方向の折れしわ線を備える、実質的に平らな下部吸収性部材を配置する
段階、 ｃ）前記下部吸収性部材を覆って水平ウィッキング障壁を配置する段階と、 ｄ）前記水平ウィッキング障壁を覆って、前記物品の前記縦軸方向中心線に関し
て実質的に中心合わせされ、前記物品の前記横軸方向中心線に沿う幅が、前記下
部吸収性部材の前記幅よりも実質的に狭い中央吸収性部材を配置する段階と、 ｅ）前記中央吸収性部材を覆って、前記物品の前記横軸方向中心線に沿う幅が、
前記中央吸収性部材の前記幅よりも広い上部吸収性部材を配置する段階と、 ｆ）前記上部吸収性部材上及び前記下部吸収性部材上に上面シートを配置する段
階と、 ｇ）前記上面シートを前記裏面シートに固定する段階と、 を含む方法である。

【００１０】 更に他の様態では、本発明は、目標域を有する吸収性物品を製造する方法であ
って、 ａ）液体不透過性裏面シートを作製する段階と、 ｂ）前記裏面シート上に下部吸収性部材を配置する段階と、 ｃ）前記下部吸収性部材を覆って、前記目標域において所定の幅を有する水平ウ
ィッキング障壁を配置する段階と、 ｄ）上部吸収性部材を予備成形して、中央隆起を有する予備成形された上部吸収
性部材を形成する段階であって、前記中央隆起を平らな表面から離して配置した
状態で前記予備成形された上部吸収性部材を前記平らな表面上に置くと、前記中
央隆起の下に空隙空間が形成されるようになった段階と、 ｅ）前記中央隆起を前記水平ウィッキング障壁から離した状態で前記水平ウィッ
キング障壁を覆って上部吸収性部材を配置する段階と、 ｆ）前記予備成形された上部吸収性部材を覆って上面シートを配置する段階と、
ｇ）前記上面シートを前記裏面シートに取り付ける段階と、 を含む方法である。

【００１１】 コアの吸収性部材は、フラフパルプ、空気堆積ウェブ、ティシュの複数の層、
コフォーム、吸収性フォーム等であってもよい。吸収性コアの中央吸収性区域は
、水平ウィッキング障壁の上にあり、少なくとも２つの層、即ち、吸収性物品の
中心に位置することが好ましい中央吸収性部材と、中央吸収性部材より幅が広い
上部吸収性部材とを有する。中央吸収性部材は、上部吸収性部材より実質的に厚
いことが望ましい。上部吸収性部材は、それよりも小さい中央吸収性部材の形状
に少なくとも部分的に一致し、身体フィット性を改善するために、中央隆起が吸
収性コアに形成されるようになっている。

【００１２】 下部吸収性部材は、パッドの変形及びフィット性を制御する形状とされ、中央
吸収区域が、受け取った流体の全てを保持することができない場合に、付加的な
吸収容量をもたらすことが望ましい。下部吸収性部材は、単一の連続片であって
もよく、複数の個別の区域又は層を含むこともできる。下部吸収性部材の中央部
分は、流体の保持に必要でない場合もあるので、下部吸収性部材には、水平ウィ
ッキング障壁の下に中央空隙を設け、吸収性物品の材料の量を低減してもよい。

【００１３】 吸収性物品の幾何学的形状は、着用されると横方向内向きに圧縮されることに
より目標域で更に高められ、目標域では実質的にＷ形の物品になるように隆起す
ることが望ましい。下部吸収性部材及び／又は上部吸収性部材のエンボス又はス
リットのような折れしわ線は、吸収性コアにおいて縦軸方向中心線から離れた主
として縦軸方向の谷折りを助長する。折れしわ線は、吸収性コアの外側部分を望
ましく変形し、良好な身体フィット性を実現するが、中央隆起及び他の中央の要
素は、吸収性コアが上向きに反るのを助長して、同様に身体フィット性を改善す
る。つまり、中央隆起と吸収性コアの折れしわ線との間には、良好な身体フィッ
ト性を助長する正の相互作用がある。

【００１４】 物品の縦軸方向側部から横方向に圧縮される間に、折れしわ線が、物品の下向
きの折り曲げを助長するのに加え、上向き折り曲げ（例えば山折）を助長する成
形線による成形を行うこともできる。成形線がある場合には、物品の中央吸収区
域にある必要がある。縦軸方向中心線の近辺にある成形線は、縦軸方向中心線か
ら離れた２つの折れしわ線と共に、横方向の圧縮の間に相互作用して、物品をＷ
折の幾何学的形状にする。 吸収性コア全体は、柔軟で可撓性があり、身体に容易に適合するとともに、物
品が着用されると、その構成要素が変形して身体に向かって反るようになってい
ることができることが望ましい。

【００１５】 好ましい実施形態では、本発明の良好な身体フィット性及び漏れ制御能力は、
部分的には、目標域の中央部分で実質的に吸収性コア全体が上向きに反ることで
もたらされ、これは、下部吸収性部材が身体に向かって反らずに、上部吸収性部
材のみが又は吸収性コア上の他の部材が身体に向かって反るのではなく、下部吸
収性部材及び上部吸収性部材の両方が身体に向かって反ることを意味する。 水平ウィッキング障壁は、センターフィルを助長し、流体の漏れを防止するの
に重要な機能を果たす。水平ウィッキング障壁は、特に、目標域では、上部吸収
性部材の周縁部を超えて、下部吸収性部材の表面の（単一の水平面にないことも
あるが）所定の水平距離だけ延びる。つまり、目標域の水平ウィッキング障壁は
、中央吸収性部材及び上部吸収性部材のいずれかより幅が広く、中央吸収区域と
下部吸収性部材との間のウィッキング接触を妨げるようになっている。

【００１６】 下部吸収性部材の表面上にあり、上部吸収性部材の周縁部の外側にある水平ウ
ィッキング障壁の部分は、「棚部」又は「水平ウィッキング障壁の露出部分」で
ある。棚部は、物品が横方向に圧縮されたときに、中央吸収区域と隣接する下部
吸収性部材との間のウィッキング接触を防止するのに役立つ。また、棚部は、中
央吸収区域へ向けて流れの向きを変え、センターフィル効果を高めることができ
る。流体は、このような棚部に付着すると、下にある下部吸収性部材に流れ込ま
ずに、中央吸収区域へ向きを変えることができる。関連する実施形態では、棚部
は、実質的に中央吸収区域の周縁部の外側の下部吸収性部材の身体側表面全体を
覆うことができる。従って、棚部は、物品が動的に使用され高度にバンチングし
たときでも、中央吸収区域のウィッキングを下部吸収性部材から隔離することが
できる。

【００１７】 水平ウィッキング障壁は、流体をウィッキングしないか、少なくともコアの吸
収性材料に比べて流体のウィッキングを著しく遅らせるようになった、薄い可撓
性ウェブ又はフィルムであることが好ましい。水平ウィッキング障壁は、ポリエ
チレンフィルム又はメルトブローンウェブのような疎水性ポリオレフィンフィル
ム又はウェブであることが望ましい。好ましい実施形態では、ウィッキング障壁
は、随意的な穿孔が設けられて、中央吸収区域から下部吸収性部材の下にある領
域まで、ある程度制限された流れが可能になっている場所を除いて、流体不透過
性である。また、ウィッキング障壁は、下部吸収性部材の一部を含浸又はコーテ
ィングして、下部吸収性部材に実質的に不透過域を与えて、横方向ウィッキング
を低減するために用いる疎水性物質を部分的に含むことができるが、あまり好ま
しくない。このような疎水性物質は、接着剤、特に、溶融して吸収性物品に付加
されるホットメルト接着剤、蝋、シリコーンベースの材料、ポリオレフィン等を
含むことができる。

【００１８】 水平ウィッキング障壁は、比較的摩擦の小さい滑らかなフィルムであってもよ
く、物品が、身体フィット性を改善するために横方向に圧縮されると、中央吸収
性部材の部分が、水平ウィッキング障壁に対して滑るか移動できる。 良好な身体フィット性は、吸収性コアの中又は下に配置される中央起立部材に
より更に改善できる。中央起立部材は、以下に詳細に説明するが、物品の縦軸方
向側部から横方向に圧縮されると上向きに反るようになっている。中央起立部材
が反ると、次に、上部吸収性部材が着用者の身体に向かって反る。

【００１９】 随意的な中央起立部材は、縦軸方向側部から横方向に圧縮されると上向きに反
る種々の構造の何れでもよく、この構造には、平らにされる前に「ｅ」字形に折
り畳まれ、中心線が、物品の縦軸方向中心線と位置合わせされた（「ｅ」形状の
平らなクロスバーが、物品の縦軸方向中心線に垂直な横軸方向に置かれた）吸収
性ウェブが含まれる。物品の縦軸方向側部から横方向に圧縮されると、平らにさ
れた「ｅ」形状が上向きに反り、「ｅ」形状の上部のループが、ほぼ半円形に跳
ね返り、上部吸収性部材の上面を着用者の身体の方向へ付勢する。また、以下に
開示する平らにされた管及び他の構造も、中央起立部材として機能する。

【００２０】 中央起立部材は、１９９４年４月５日にＫ．Ｂ．Ｂｕｅｌｌに付与された米国
特許第５，３００，０５５号に開示されているような熱可塑性変形要素を含むこ
とができるが、中央起立部材は、高密度セルロース系ウェブのような非熱可塑性
物質であってもよい。つまり、中央起立部材は、生理用ナプキンが着用されると
、中央起立部材の身体側表面が凸状の上向き構造になるようにする曲げ手段、特
に、縦方向に延びる曲げヒンジをもつことができる。

【００２１】 本発明の多数の実施形態は、着用者の股部に着用されることが意図されている
ので股領域を有する。しかし、本発明は、股領域が存在しない場合もある創傷被
覆材のような他の物品にも応用できる。このような場合には、物品は、「目標領
域」と呼ばれる流体の取り込みが起こることが意図される領域を有することにな
る。目標域の縦の長さ及び目標領域の長さに垂直な物品の横の幅全体を含む物品
の部分を、本明細書では、「目標域」と定義する。股部に着用されることが意図
される物品では、「目標域」及び「股領域」という用語は、ほぼ同義語であるが
、流体を取り込むことが意図された領域は、一般に、吸収性物品の実質的に中心
であるため、「目標領域」は、一般に、吸収性コアの縦軸方向側部に近接する部
分を含まない。

【００２２】 本発明を利用できるものには、「超薄型」パッド、パンティライナー及びマキ
シパッドを含む女性用ケアパッド及び関連する月経用装置又は生理用ナプキンの
ようなヒトの体液を取り込み、分配、及び保持するための吸収性物品が含まれる
。同様に、本発明は、おむつ、使い捨てトレーニングパンツ、水着のような他の
使い捨て衣類、失禁用衣類、ベッドパッド、包帯、又は他の吸収性物品に応用す
ることもできる。本発明は、人体に着用される衣類の特定の部分に合わせた物品
、ストーマバッグ、及び医療用吸収材及び創傷被覆材に組み込むこともできる。
本発明の物品は、著しい漏れ防止性能、流体のセンターフィル吸収性能、及び吸
収性物品のための他の望ましい特性を備える。

【００２３】 好ましくは、予備成形された上部吸収性部材は、セルロース系繊維、及び熱可
塑結合材料、熱硬性樹脂、又は加熱活性化架橋剤のような結合材を含む空気堆積
ウェブであり、中央隆起が、空気堆積ウェブの熱成形により形成されるが、例え
ば、機械的又は空気の圧力を用いて、成形面で空気堆積ウェブを変形した後に、
熱を加えて結合剤を活性化して空気堆積ウェブを安定化し、成形面から外した後
も形状を維持するようにする。

【００２４】 特に女性用ケアパッドには、本発明は、快適性及びフィット性に関して驚くべ
き利点をもたらす。生理用ナプキンでは、吸収性物品の中央領域が成形線に誘導
されて上向きに移動することにより、物品の縦軸方向中心線に近接して形成され
る上向き隆起は、物品の長さ全体に渡って存在せず、成形線の影響を受けて股領
域のすぐ外側で終わり、股部分の外側領域に物品を更によく適合させることがで
き、物品の後部では、臀部によく適合するように、逆Ｖ形が有用であり、パッド
の前部では、身体に良好にフィットさせるために、物品は、一般に、横軸方向に
は比較的平らであり、縦軸方向には凹形に巻き上がる必要がある。横方向に圧縮
される間に、股領域の外側領域の適切な成形は、付加的なスリット、補強要素、
弾性構成要素、又は吸収性コアへの取り付け要素を設けることにより達成できる
。

【００２５】 （定義） 本明細書で用いる場合、以下に記載する固有吸収容量に関する試験により測定
して、その乾燥重量の少なくとも１００％に等しい水の量を保持する（即ち、材
料の固有吸収容量が、約１又はそれ以上である）ことができれば、その材料は、
「吸収性がある」と言う。望ましくは、本発明の吸収性部材に用いられる吸収性
材料の固有吸収容量は、約２又はそれ以上、詳細には約４又はそれ以上、更に詳
細には約７又はそれ以上、より詳細には約１０又はそれ以上であり、例示的には
約４から約２５まで又は約１２から約４０までの範囲である。

【００２６】 本明細書で用いる場合、「吸収性物品」という用語は、身体排泄物のような液
体を吸収して保持する手段を言い、詳細には、着用者の身体に接触して、又は近
接して配置され、身体から排泄される種々の排泄物を吸収して保持する手段を言
う。 本明細書で用いる場合、「吸収容量」とは、特定の量の吸収性材料が保持する
ことができる水の全質量を言い、単に、固有吸収容量（以下に説明する）に吸収
性材料の乾燥質量をかけたものである。従って、固有吸収容量が５である材料１
０ｇの吸収容量は、５０ｇ（又は流体約５０ｍｌ）である。

【００２７】 本明細書で用いる場合、「嵩高さ」及び「密度」は、特に指定しなければ、試
料のオーブン乾燥質量と、直径７．６２ｃｍ（３インチ）の円形プラテンで０．
３４ｋＰａ（０．０５ｐｓｉ）の負荷をかけて測定した厚さの測定値に基づく。
試料の厚さの測定は、ＴＡＰＰＩ条件の室内（５０％相対湿度、２３°Ｃ）で少
なくとも４時間調整した後に行う。試料は、プラテンに接触する部分の下では平
坦で均一である必要がある。嵩高さはｃｃ／ｇで表され、密度は逆にｇ／ｃｃで
ある。 本明細書で用いる場合、「セルロース系」という用語は、主成分としてセルロ
ースを有する材料、詳細には、重量で少なくとも５０％のセルロース又はセルロ
ース誘導体を含む材料を含むことを意味する。従って、この用語は、綿、一般の
木材パルプ、非木材セルロース系繊維、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、レ
ーヨン、サーモメカニカル木材パルプ、化学木材パルプ、デボンデッド化学木材
パルプ、トウワタ、又はバクテリアセルロースを含む。

【００２８】 本明細書で用いる場合、「中央隆起」は、以下に説明する垂直変形試験の最後
で、物品の横軸方向中心線に沿う上部吸収性部材の中心と、物品の横軸方向中心
線に沿う上部吸収性部材の縦軸方向側部の平均高さとの間の高さの差であると定
義される。本発明の吸収性物品のための中央隆起は、少なくとも約０．５ｃｍ、
詳細には少なくとも約１ｃｍ、更に詳細には少なくとも約１．２ｃｍで約１０ｃ
ｍまでであってもよい。望ましくは、本発明の吸収性物品の股領域の中央隆起は
、実質的に同一の吸収性物品で成形線が無いものが示す股領域の中央隆起に比較
して、少なくとも約２０％、詳細には少なくとも約５０％だけ高い。

【００２９】 本明細書で用いる場合、「折れしわ線」又は「成形線」という用語は、線のい
ずれかの側の物質に比較して、線に沿う物質の材料の特性を急激に変化させるこ
とにより折り曲げを助長する細くて長い区域をいう。本明細書で定義した折れし
わ線及び成形線は、一般に「折線」と言うことができる。このような線の幅は、
約５ミリメートル（ｍｍ）未満、望ましくは約３ｍｍ未満、更に詳細には約２ｍ
ｍ、最も詳細には約０．５ｍｍと約１．５ｍｍとの間であってもよい。折線の幾
何学的形状及び性質は、以下に更に詳細に説明する。 本明細書で用いる場合、吸収性物品の「股領域」とは、使用者の胴の最下部近
辺の股に接触することになり、物品の前部と後部との間にあるほぼ中央領域を言
う。典型的には、股領域は、物品の横軸方向中央線を含み、一般に縦軸方向にほ
ぼ７から１０ｃｍの長さである。

【００３０】 本明細書で用いる場合、「弾性率」とは、引っ張り試験で測定したウェブの応
力−ひずみ勾配の測定値であり、キログラム重の単位で表される。幅３インチの
ＴＡＰＰＩ条件にされた試料を、ゲージ長（ジョー間の長さ）２インチで引張り
試験機のジョー部に置く。ジョー部は、１０ｃｍ／分のクロスヘッド速度で離れ
、勾配は、５０グラム重と１００グラム重との間の応力値のデータの二乗値、又
は１００グラム重と２００グラム重との間の応力値のデータの二乗値のいずれか
大きい方で求める。試料が脆弱で、破断することなく２００グラム重の応力に耐
えられない場合は、多重プライの試料が、破断することなく少なくとも２００グ
ラム重の応力に耐えられるまで、追加のプライを繰り返し付加する。

【００３１】 本明細書で用いる場合、「拡伸可能な」という用語は、ｘ−ｙ平面の少なくと
も１つの寸法を少なくとも１０％、望ましくは少なくとも２０％拡げることがで
きる物品を言う。ｘ−ｙ平面は、物品の面にほぼ平行な平面である。拡伸可能な
という用語は、延伸可能及び弾性的に延伸可能な（以下に定義する）物品を含む
。例えば、吸収性コアを含む生理用ナプキンの場合には、物品及び吸収性コアは
、長さ及び幅のいずれにも拡伸することが望ましい。しかし、吸収性物品は、こ
れらの方向の１つにのみ、望ましくは少なくとも縦軸方向に拡伸可能とすること
ができる。拡伸可能な材料及び物品の例、及び調製の方法は、１９９７年５月１
８日にＯｓｂｏｒｎに付与された米国特許第５，６１１，７９０号に開示されて
いる。

【００３２】 本明細書で用いる場合、嵩高材料（吸収性物質）は、長さ２５ｃｍ、断面が１
ｃｍ×１ｃｍである材料の真直ぐなＴＡＰＰＩ条件（２３°Ｃで５０％相対湿度
）にされたストリップが、直径５ｃｍのロッドの周りに、破断することなく、３
秒間にわたって曲げを引き起こすのにストリップの端部に対して６ニュートンを
超える力を加えることを必要とすることなく、１８０°曲がることができれば、
「可撓性」とされる。本明細書で用いる場合、同一の材料は、ストリップが、ロ
ッドの適所に５秒間保持され、次に、ロッドから取り外した後に少なくとも３０
°の角度で曲がったままであれば（即ち、完全に真直ぐなストリップが０°の角
度であると定義すると、ストリップの端部の直線部分が、互いに対して少なくと
も３０°の角度であるようにストリップが変形される）、「保形」とされる。

【００３３】 本明細書で用いる場合、「曲げ抵抗」という用語は、軸線方向の力のみを支持
できる要素とは対照的に、曲げモーメントを支持できる要素を言う。同様に、本
明細書で用いる場合、「曲げ抵抗」とは、材料又は物品の可撓性を表す方法であ
り、１９９７年４月２９日にＡｎｊｕｒらに付与された米国特許第５，６２４，
４２３号に詳細に説明されている円形曲げ法により測定するが、この特許の全開
示内容は、引用によって本明細書に組み込まれている。曲げ抵抗は、実際には、
ＡＳＴＭ Ｄ４０３２−８２円形曲げ法をまねたピーク曲げ剛性の測定値である
。Ａｎｊｕｒｅらの円形曲げ法は、材料の同時多方向変形であり、試料の一方の
面が凹面になり、他方の面が凸面になる。円形曲げ法では、曲げ抵抗に関連する
応力値が得られ、同時に全方向の剛性が平均される。快適性のためには、吸収性
物品の曲げ抵抗は、望ましくは約１，５００グラムに等しいかそれ以下、詳細に
は約１０００グラム又はそれ以下、更に詳細には約７００グラム又はそれ以下、
最も詳細には約６００グラム又はそれ以下である。成形性のためには、下部吸収
性部材のみならず中央吸収区域の曲げ抵抗は、少なくとも約３０グラム、詳細に
は少なくとも約５０グラム、最も詳細には少なくとも約１５０グラムであっても
よい。

【００３４】 本明細書で用いる場合、「水平」という用語は、物品の身体側表面に実質的に
平行、又は、同等に、物品の垂直方向に実質的に垂直な物品の平面の方向を言い
、物品の横軸方向及び縦軸方向のほか、中間方向を含む。物品の構成要素の方向
性は、特に指定しない限り、物品が水平面に実質的にフラットに置かれたときに
決定する。

【００３５】 本明細書で用いる場合、「固有吸収容量」とは、試料の乾燥重量に対して、飽
和した試料が保持することができる水の量を言い、無次元数（質量を質量で除す
る）として記録される。試験は、連邦政府仕様書ＵＵ−Ｔ−５９５ｂにより行う
。試験は、長さ１０．１６ｃｍで幅１０．１６ｃｍ（長さ４インチ、幅４インチ
）の試験試料を切り取り、重量を量ってから、水に３分間浸して飽和させること
により行う。次に、試料を水から取り出し、１つのコーナで３０秒吊るし、余分
な水を切る。次に、再び試料の重量を量ると、湿潤重量及び乾燥重量の差は、試
料の水捕捉量である、長さ１０．１６ｃｍ、幅１０．１６ｃｍの試料当たりのグ
ラム数で表される。材料が、濡れると、試料が分解することなく試験を行うのに
適切な一体性に欠ける場合には、試験法は、実質的に吸収特性を修正することな
く、試料の一体性を改善するように修正することができる。詳細には、材料は、
直径が約１ｍｍである６列までのホットメルト接着剤を物品の外表面に塗布し、
材料を耐水性バンドで巻いて補強することができる。ホットメルトは、接着剤が
、試験する材料の本体に染み込まないように塗布される必要がある。濡れると、
３０秒間吊り下げることができない未処理の試料の場合には、試料を吊り下げる
コーナをホットメルト接着剤で補強して一体性を高める必要がある。

【００３６】 本明細書で用いる場合、「ポリマーウェブ」という用語は、主にポリマー材料
で構成された多孔性又は無孔性の層を言い、不織ウェブ、プラスチックフィルム
、ポリマーフィルム、穿孔フィルム、又はフォーム層であってもよい。ポリマー
ウェブは、ウィッキング障壁、バフル層、裏面シートとして用いることができ、
また、十分に液体透過性であれば吸収性物品の上面シートとして用いることもで
きる。ポリマーウェブは、約５０重量パーセント又はそれ以上のポリマー材料、
詳細には８０重量パーセント又はそれ以上のポリマー材料、最も詳細には約９０
重量パーセント又はそれ以上のポリマー材料で構成できる。典型的な材料は、ポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリビニル複合物、及びポリアミドを含む。

【００３７】 本明細書で用いる場合、「生理用ナプキン」という用語は、陰部領域に隣接し
て女性に着用され、身体から排泄される種々の排泄物（例えば、血液、月経、及
び尿）を吸収して保持することが意図された物品を言う。本発明は、生理用ナプ
キンの形態で示され説明されているが、本発明は、パンティライナーのような他
の女性用衛生パッド又は月経用パッド、又は失禁用パッドのような他の吸収性物
品にも応用できることを理解されたい。本明細書で用いる場合、「女性用ケアパ
ッド」という用語は、生理用ナプキンと同義語である。

【００３８】 吸収性コアを含む吸収性物品は、拡伸可能でありことに加えて、延伸可能であ
ってもよい。本明細書で用いる場合、「延伸可能」という用語は、物品に引張り
力が加えられると拡伸可能であり、延伸するのに幾分抵抗性である物品を言う。
「弾性的に延伸可能」又は「弾性的に拡伸可能」という用語は、同義語であるも
のとする。このような用語は、本明細書で用いる場合、平面内引張り力が除去さ
れると、物品又は吸収性繊維構造が、その非拡伸又は非延伸の寸法（即ち、元の
寸法）に戻ろうとすることを意味する。しかし、その非延伸の寸法にまで戻る必
要はない。非延伸の寸法と拡伸した（又は延伸した）寸法との間の弛緩した寸法
に戻ることができる。

【００３９】 本明細書で用いる場合、フラフパッド又は他の吸収性要素の「厚さ」は、約０
．０５ポンド／平方インチ（ｐｓｉ）（約３５キログラム／平方メートル）の荷
重をかけて、直径が７．６２ｃｍであるプラテンベースの厚さゲージで測定した
厚さを言う。 本明細書で用いる場合、「横軸方向」という用語は、吸収性物品の平面内にあ
り、縦軸方向にほぼ垂直な方向を言う。ｚ方向は、縦及び横のいずれの中心線に
も直交する。「横方向」とは、主に横軸方向の成分を有する実質的に面内方向を
言う。同様に、「内向き横方向圧縮」とは、物品の縦軸方向側部から縦軸方向中
心線に向かう方向の圧縮を言う。

【００４０】 中央吸収区域の隆起の度合は、垂直変形試験によって定量化することができる
。本明細書で用いる場合、「垂直変形」とは、股領域の各縦軸方向側部をつかん
で、物品の縦軸方向中心線に向かって徐々に内向きに移動し、各縦軸方向側部の
間隔が１．５ｃｍだけ減少する時に、吸収性物品の身体側表面に生じる高さの増
大を言う。垂直変形試験装置は、クランプ幅（物品の縁部がクランプされた部分
の縦軸方向長さ）が５ｃｍである２つのクランプを備える。一方のクランプは静
止しており、他方のクランプは、一方のクランプと一直線且つ平行な状態を維持
しながらスライドし、クランプ間の距離を増減できる軌道上にある。クランプを
水平線に対して２０度下向きに傾かせることによって、吸収性物品の両外縁部を
最も近い折れしわ線に対してわずかに持ち上げ、股領域の弾性縁が持ち上げられ
た状態のパンティーに生じるであろう吸収性物品の外縁部の位置決めをできるだ
けシミュレートする必要がある。クランプは、軌道の表面の５ｃｍ上方にあるの
で、クランプを吸収性コアの外縁部から最大３ｍｍの内向きに伸ばした状態で吸
収性コアの縦軸方向両側部の一部を保持するように、股領域においてパッドをつ
かんでクランプ間で空中に吊り下げることができる。物品は、横方向圧縮が始ま
る前には股領域が実質的に水平となるように、各クランプの間の領域では物品を
破損することなく実質的にピンと張って保持される必要がある。約０．５センチ
メートル／秒（ｃｍ／ｓ）の速度で、スライド可能なクランプは、物品の股領域
の初期幅の５０％の距離（又は物品が圧縮不可能になり、物品を更に圧縮するに
は約５ｋｇを超える力が必要とされる場合にはそれ未満）だけ固定クランプに向
かって滑らかに移動する。クランプが移動する前及びその後に、パッド又は吸収
性物品の高さを記録し、垂直変形として記録される差を得る。高さの増加は正の
数で記録し、減少は負の数で記録する。吸収性物品の垂直変形は、少なくとも約
０．５ｃｍであることが望ましい。詳細には、垂直変形は、少なくとも約１ｃｍ
であり、更に詳細には、少なくとも約１．５ｃｍで１０ｃｍまでである。望まし
くは、本発明の吸収性物品の股領域の垂直変形は、成形線のない実質的に同一の
吸収性物品が示す股領域の垂直変形に対し、少なくとも２０％、詳細には少なく
とも約５０％の増加を示す。

【００４１】 本明細書で用いる場合、「湿潤嵩高さ」は、条件を整えた試料に、試料の湿潤
質量が試料の乾燥質量のほぼ２５０％（即ち、水分の付加質量が、乾燥試料重量
の１５０％）になるまで、脱イオン水を均一に噴霧する点を除いて、前記の「嵩
高さ」の定義（０．３４４ｋＰａ）による試料のキャリパ測定に基づく。試料が
、質量を１５０％増加させるのに十分な水分を吸収して保持することができない
場合、達成可能な最高レベルの水分付加は１５０％未満であるが、１００％の水
分付加を超えるものを用いる必要がある。湿潤嵩高さ（ｃｃ／ｇ）は、０．３４
４ｋＰａ（０．０５ｐｓｉ）の荷重下で、実質的に平面の湿潤試料の厚さをオー
ブン乾燥試料の坪量で除して計算する。本発明の吸収性部材の吸収性材料の湿潤
嵩高さは、約４ｃｃ／ｇ又はそれ以上、詳細には約６ｃｃ／ｇ又はそれ以上、更
に詳細には約１０ｃｃ／ｇ又はそれ以上、最も詳細には約１５ｃｃ／ｇ又はそれ
以上であってもよく、例示的な範囲は、約５ｃｃ／ｇから約２０ｃｃ／ｇである
。

【００４２】 本明細書で用いる場合、「湿潤：乾燥比」は、相乗平均湿潤引張り強度を相乗
平均乾燥引張り強度で除した比である。相乗平均引張り強度（ＧＭＴ）は、ウェ
ブの機械方向引張り強度と機械横方向の引張り強度との積の平方根である。特に
指定しない限り、「引張り強度」という用語は、「相乗平均引張り強度」を意味
する。本発明で用いられる吸収性ウェブの湿潤：乾燥比は、約０．１又はそれ以
上、詳細には約０．２又はそれ以上であってもよい。引張り強度は、インストロ
ン引張り試験機を用い、試験する前に、試料をＴＡＰＰＩ条件下に４時間保持し
た後、ジョー幅２インチ、ジョースパン２インチ、クロスヘッド速度２５．４セ
ンチメートル／分を用いて測定することができる。本発明の吸収性ウェブの乾燥
引張り強度の坪量に対する最小絶対比は、約０．０１グラム／ｇｓｍ、詳細には
約０．０５グラム／ｇｓｍ、更に詳細には約０．２グラム／ｇｓｍ、更に又詳細
には約１グラム／ｇｓｍ、最も詳細には約２グラム／ｇｓｍから約５０グラム／
ｇｓｍであってもよい。

【００４３】 （発明を実施するための最良の形態） 図１は、本発明による物品１０の平面図を示し、その横軸方向断面図が、図２
に示されている。物品１０は、液体透過性上面シート１２を備え、液体透過性上
面シート１２は、図１では下部の構成要素を示すために切り欠かれており、その
間に配置される吸収性コア１５を有する裏面シート１４に接合されている。吸収
性コア１５は、下部吸収性部材２２と、上部吸収性部材１８及び該上部吸収性１
８の下にある幅の狭い中央吸収性部材２０を有する中央吸収区域１６とを含む。
中央吸収性部材２０は、主として物品の股領域４８にあり、上部吸収性部材１８
を変形させて股領域４８に中央隆起３０を形成することが望ましい。中央吸収性
部材２０は、弾性のあるセルロース系繊維ウェブの綿撒糸であることが望ましい
。本明細書で用いる場合、「綿撒糸」とは、吸収性コア内の吸収性挿入部材を言
い、一般に吸収性物品の隣接層に変形又は成形を引き起こすために用いられるも
のであり、本発明では、着用者の身体に対するフィット性を改善するための中央
隆起３０を生成するのに役立つ。

【００４４】 中央吸収区域１６と下部吸収性部材２２との間に、上部吸収性部材１８より幅
が広く、望ましくは長さも長い水平ウィッキング障壁２４がある。水平ウィッキ
ング障壁２４は、中央吸収区域１６と物品１０の縦軸方向側部との間、特に下部
吸収性部材２２の股領域４８の縦軸方向側部との間の流体伝達を妨げるよう機能
する。水平ウィッキング障壁２４は、中央吸収区域１６の側部を越える距離だけ
延び、棚部３４を形成する。１つの実施形態では、物品１０の股領域４８（一般
には目標域）の棚部３４は、物品の横軸方向中心線に沿って下部吸収性部材の約
２５％又はそれ以上、詳細には約５０％又はそれ以上、最も詳細には約８０％又
はそれ以上を覆い、特定の実施形態では、股領域４８を実質的に１００％覆うこ
とが望ましい。 水平ウィッキング障壁２４は、実質的に平面であることが望ましいが、下部吸
収性部材２２が非平面構造であるために、又はその中の空隙のために、水平ウィ
ッキング障壁２４にはある程度の湾曲、バンプ、又は凹部があってもよい。

【００４５】 水平ウィッキング障壁２４は、ポリマーフィルム又はプラスチックフィルム；
不織ウェブ；ゴム、熱可塑材料、シリコーン、又は他の非吸収性材料の層；又は
例えば、グラシン紙、パラフィン紙、含浸紙、紙−ポリマー複合体、疎水性物質
で処理するか、又は親水性を低減するための内部サイジングを含む紙又はティシ
ュ等の低透過性紙シートであってもよい障壁材料を含む。望ましくは、障壁材料
の気孔率は、２０％未満、詳細には１０％未満にすることができ、更に詳細には
、障壁材料は、実質的に不通気性又は実質的に不透水性であってもよいが、障壁
材料の特定の部分に穿孔３６を設けて中央吸収区域１６の過飽和を防ぐことがで
きる。穿孔３６を付加しても、障壁材料の平均開口面積は、目標域では２０％未
満、詳細には約５％未満であることが望ましい。障壁材料の厚さは、約０．２ｍ
ｍ又はそれ以下、詳細には約０．１ｍｍ又はそれ以下、最も詳細には約０．０８
ｍｍ又はそれ以下とすることができ、例示的な範囲は約０．０２ｍｍから約０．
３ｍｍにすることができる。

【００４６】 障壁材料の固有吸収容量（以下に説明する）は、約０．５未満、詳細には約０
．１未満、更に詳細には約０であることが望ましい。 水平ウィッキング障壁２４の透過性又は気孔率又は界面化学は、材料の位置に
より様々であり、ウィッキングが、異なる部位では異なる程度に遅延又は防止さ
れるようにすることができる。詳細には、水平ウィッキング障壁には、中央吸収
性部材２０の下に１つ又はそれ以上の開口部又は穿孔３６を設け、流体が、中央
吸収区域１６から下部吸収性部材２２まで流れるようにすることができる。

【００４７】 水平ウィッキング障壁２４は、下部吸収性部材２２の１つ又はそれ以上の端部
の周りを延びるか又はそれを被い（本実施形態では図示せず）、次に、下部吸収
性部材２２の身体側表面又はその上を特定の距離だけ延びる裏面シート１４の区
域を含むことができる。つまり、裏面シート部材１４は、吸収性コア１５の各層
の間に延び、水平ウィッキング障壁２４の少なくとも一部を定めることができる
。また、水平ウィッキング障壁２４は、実質的に、完全に裏面シート１４と一体
化したポリマーウェブで作ることができ、これは、２つの構成要素をポリマーウ
ェブの単一部分で形成できることを意味する。 水平ウィッキング障壁２４は、ポリマーフィルムの２つ又はそれ以上の部分、
又は下部吸収性部材の身体側表面の含浸領域とポリマーフィルムとの組み合わせ
等の複数の構成要素を含むことができる。

【００４８】 ウィッキング障壁２４は、吸収性物品の他の構成要素と相互作用するバンプ又
は表面からの突起（図示せず）のような形態を含む、非均一な厚さを有していて
もよい。また、ウィッキング障壁２４は、隆線又は折れしわ線を有し、物品を直
接折り曲げること、又は物品の剛性及び快適性を好適に修正することを助ける。 水平ウィッキング障壁２４は、両表面又は上部（身体側）と下部（衣類側）の
一方にのみ接着剤を有し、ウィッキング障壁２４を超えて曲げ力を伝達するのを
助けるようになっており、又は、あまり好ましくはないが、実質的に接着剤を有
さなくてもよい。

【００４９】 中央吸収性部材２０の幅は、上部吸収性部材１８の股領域の幅より約２ｍｍ又
はそれ以上、詳細には約５ｍｍ又はそれ以上、更に詳細には約８ｍｍ又はそれ以
上、最も詳細には約１０ｍｍから約３０ｍｍ狭くてもよい。望ましくは、中央吸
収性部材２０の長さは、股領域４８の長さにほぼ等しく、一般に、物品１０の長
さの１／２未満、多くの場合、物品１０の約１／３である。望ましくは、中央吸
収性部材２０の厚さは、上部吸収性部材１８の厚さより厚く、例えば約１ｍｍ又
はそれ以上、詳細には約３ｍｍ又はそれ以上の厚さである。 望ましくは、中央吸収性部材２０の平均孔径は、上部吸収性部材１８の孔径よ
り小さく、毛管力により、上部吸収性部材１８から中央吸収性部材２０へ流体を
取り除き、乾燥感を改善する。

【００５０】 １つの実施形態において、中央吸収性部材２０は、中心線を物品１０の縦軸方
向中心線２９に位置合わせした（「ｅ」形の平らなクロスバーを物品の縦軸方向
中心線２９に垂直な横軸方向に置いた）、「ｅ」形の折り畳み材料を含むティシ
ュ又は紙を巻いて平らにした構造等の中央起立部材である。物品１０の縦軸方向
側部から横方向に圧縮すると、平らになった「ｅ」形状が上向きに反り、「ｅ」
形状の上部のループが、ほぼ半円形に跳ね返り、中央吸収区域１６の上面を着用
者の身体に向かうように付勢する。

【００５１】 上部吸収性部材１８は、横方向に圧縮される間に上向きに反る傾向が、中央吸
収性部材２０の存在とは少なくとも部分的に無関係であるよう予備成形できる。
例えば、上部吸収性部材１８は、型押し、熱エンボス、成型、又は他の方法で予
備成形できる。上部吸収性部材１８は、熱可塑繊維で補強されたフラフパルプの
ウェブであってもよく、これは、次に、加熱又は熱エンボスで成型され、上向き
に反った形状とされる。１つの実施形態において、上部吸収性部材１８は、ワイ
ヤメッシュ又は多孔焼結面のような成形面に形成され、本質的に下向きに凹んだ
形状にされた空気堆積材料又は空気堆積複合物である。熱可塑繊維のような結合
材料が存在してもよく、中央吸収性部材２０が存在しないときでも、吸収性コア
１５が濡れているときでも、形状を維持できる弾性のある予備成形された吸収性
材料を生成するのを助けるようになっている。

【００５２】 望ましくは、上部吸収性部材１８は、剛性を有し、詳細には、中央吸収性部材
２０及び／又は下部吸収性部材２２よりも大きい曲げ抵抗、弾性率、又は曲げ剛
性のうちの少なくとも１つを有する。上部吸収性部材１８の剛性が大きいと、横
方向に圧縮されたとき、比較的鋭い上向きの折り曲げを助長するのに役立つ。上
部吸収性部材１８の縦軸方向側部は、水平ウィッキング障壁２４の身体側表面に
取り付けられることが望ましい。

【００５３】 中央吸収区域１６の構成要素は、湿潤時、その形状及び空隙容積を維持するこ
とが望ましい。例えば、中央吸収性部材２０及び／又は上部吸収性部材１８は、
ある程度の湿潤弾性を有し、詳細には、１９９７年９月３０日にＷｅｎｄｔらに
付与された米国特許第５，６７２，２４８号に規定されているように、スプリン
グバック率が約０．７又はそれ以上であることが望ましく、この特許は、引用に
よって本明細書に組み込まれている。他の実施形態において、中央吸収性部材２
０は、ポリオレフィン繊維又はＰＥＴ繊維等の熱可塑材料で補強されるか又はＫ
ｙｍｅｎｅ等の湿潤強化剤で安定化された、セルロース系繊維の綿撒糸を含む。

【００５４】 下側吸収性部材２２は、セルロース系繊維を含むことが望ましく、一般に、股
領域に間隔をあけて配置されている２本の折れしわ線２８を有し、物品１０が横
方向内向きに圧縮されるとき、下部吸収性部材２２に谷折の形成を助長する。望
ましくは、折れしわ線２８の間の吸収性コア１５の中央部分全体は、横方向に圧
縮される間に上向きに反る。その目的のために、下部吸収性部材２２は、接着剤
、熱、又は超音波結合等の取り付け手段３０で中央吸収区域に取り付けて、下部
吸収性部材２２の中央部分が下向きに座屈することを防いでもよい。更に、横方
向圧縮の間に、吸収性コア１５が上向きに反るのを更に促すために、吸収性コア
１５の下又はその中に随意的に中央起立部材（図示せず）を配置してもよい。

【００５５】 下部吸収性部材２２は、折れしわ線２８を境界とする外側吸収部分３８及び内
側吸収部分４０を含み、折れしわ線２８は、内側吸収部分４０を上向きに反らせ
、例えば逆Ｕ形を形成することができ、このとき、横方向外向きの縦軸方向側部
も上向きに反る（Ｗ字の外側の辺のように傾く）。その結果、折れしわ線２８に
沿って下向きの折れ（谷折）を形成できる。好ましくは、折れしわ線２８は、物
品を組み立てる前に付けた折り目に沿って、下部吸収性部材２２に鋭く折り目を
付けることにより形成されている刻み線である。もしくは、刻み線は、下部吸収
性部材２２の材料を除去することによって形成されるノッチであってもよく、ノ
ッチは、層の厚さの少なくとも約１０％、好ましくは、層の厚さの少なくとも約
２０％だけ入り込む。また、折れしわ線２８は、エンボスにより形成してもよい
。

【００５６】 一般に、吸収性コア１５の吸収性材料は、下部吸収性部材２２、中央吸収性部
材２０、及び上部吸収性部材１８のいずれも含み、以下に記載する１つ又はそれ
以上のプライを有することができる。湿式堆積又は空気堆積ティシュ；細片繊維
のセルロース系空気堆積ウェブ（通常「エアフェルト」と呼ばれる）；他の乾燥
堆積ウェブ；セルロース−超吸収体混合物又は複合物；セルロース系繊維を含む
水圧交絡ウェブ；合成繊維と製紙繊維との複合体；レーヨン；リヨセル又は他の
溶媒紡糸親水性繊維；再生セルロースフォームを含むセルロース系フォーム；親
水性可撓性フォーム；繊維−フォーム複合体；吸収性不織ウェブ；綿；ウール；
ケラチン繊維；ピートモス及び他の吸収性植物性物質；１９９８年５月２２日に
出願され本出願人に譲渡されている係属中の米国特許出願「繊維吸収性材料及び
それを製造する方法」第０９／０８３，８７３号に開示されているＦ．−Ｊ．Ｃ
ｈｅｎらのフォーム構造繊維吸収性物質；又は１９９７年１２月２日にＤｅｓＭ
ａｒａｉｓに付与された米国特許第５，６９２，９３９号に開示されているフォ
ームのような、高内相エマルジョン（ＨＩＰＥ）又は他の手段で生成された吸収
性フォームである。パルプ繊維とポリマーとの水圧交絡混合物のコフォームも同
様に本発明に有用である。関連材料は、１９８９年１１月７日にＲａｄｗａｎｓ
ｋｉらに付与された米国特許第４，８７９，１７０号、及び１９９４年９月２７
日にＧｅｏｒｇｅｒらに付与された米国特許第５，３５０，６２４号に開示され
ている。

【００５７】 また、吸収性コア１５は、高濃度パルプを分散し、繊維を交絡して緻密な塊に
することにより形成された繊維ニット、詳細にはユーカリニットのような自由に
流れる吸収性材料を含むこともできる。剥離材、界面活性剤、潤滑剤、シリコー
ン化合物等を加えると、約１ｍｍ未満の望ましい平均粒子径を有し、本発明の物
品の吸収性コアの吸収体ポケットに組み込むのに適する実質的に自由に流れるニ
ットを形成することができる。ニットの形成及び吸収性物品へ組み込む原理は、
１９９９年４月１６日に出願され、本出願人に譲渡されている係属中の出願番号
第６０／１２９，７４６号の「ニットを有する吸収性粒子及び自由に流れる粒子
」に開示されている。また、吸収性物品中のニットと超吸収性粒子とを組み合わ
せる原理は、１９９８年９月１８日にＧｏｅｒｇ−Ｗｏｏｄらに付与された米国
特許第５，８００，４１７号に開示されている。ポリメチル尿素球のような他の
自由に流れる粒子の利用は、１９９８年１０月８日、Ｍ．ＲａｉｄｅｌによるＰ
ＣＴ出願ＷＯ９８／４３６８４号に開示されている。吸収性コア１５のニット又
は他の自由に流れる粒子の個別のポケットは、超吸収性材料のポケットを形成す
るための１９９１年７月９日にＴ．Ｂ．Ｌａｎｇに付与された米国特許第５，０
３０，３１４号に知られている原則によるか、他の公知の方法により、２つの繊
維ウェブを、ウェブを接合する接着剤の領域とともに接着してラミネートするこ
とにより形成できる。

【００５８】 吸収性コア１５の吸収性材料には、漂白クラフト軟材又は硬材、高収量木材繊
維、及び化学熱機械パルプ繊維等の木材繊維、バガス、トウワタ、小麦わら、ケ
ナフ、麻、パイナップル葉繊維又はピートモスを含む多数のセルロース系材料を
組み込むことができる。高収量繊維を用いて吸収性部材を作ることもできる。ま
た、繊維は、架橋、スルホン化、シルケット加工、熱処理、熱可塑安定化繊維と
の混合、又は湿潤強化剤処理してもよい。コフォーム、及び他の空気堆積工程で
共に堆積された熱可塑繊維と木材繊維との混合物を含む種々の繊維の混合物を用
いてもよい。

【００５９】 吸収性コア１５の吸収性材料は、２，３−ジアルデヒドセルロース又はその誘
導セルロースポリマーのような公知のセルロース誘導体を含む、化学修飾された
セルロースを含むことができる。この誘導セルロースポリマーには、２，３−ジ
アルデヒドセルロースの亜硫酸水素ナトリウム付加物又は種々のカルボキシセル
ロース化合物を含む、Ｋ．Ｒａｈ及びＴ Ｈｅｉｎｚｅの「セルロース化学と技
術」３２：１７３〜１８３（１９９８）の「２，３−ジアルデヒドセルロースを
更に修飾することによる新しいセルロースポリマー」に記載されている誘導セル
ロースポリマーが含まれる。修飾セルロース複合物は、粉末、繊維、又はフィル
ム形態であってもよい。多葉形繊維又は複雑に突き出た断面を有する繊維も、本
発明に含まれる。

【００６０】 他の好ましい実施形態において、吸収性コア１５の少なくとも１つの構成要素
が、１９９７年８月１５日に出願され、本出願人に譲渡されているＦ．−Ｊ．Ｃ
ｈｅｎらによる米国特許出願番号０８／９１２，９０６号の「湿潤弾性ウェブと
それで製造した使い捨て物品」、１９９５年３月２１日にＳ．Ｊ．Ｓｕｄａｌｌ
とＳ．Ａ．Ｅｎｇｅｌに付与された米国特許第５，３９９，４１２号、１９９７
年９月３０日にＷｅｎｄｔらに付与された米国特許第５，６７２，２４８号に教
示されている非しぼ寄せ通気乾燥ウェブのような、成型された３次元の嵩高湿式
堆積セルロース系ウェブを含む。このような非しぼ寄せ構造により、ウェブの表
面に沿って複数の流路を設けることができる。ポリマーフィルムのような他の平
面材料に積み重ねると、空隙空間がティシュウェブの表面に隣接して依然として
存在し、ティシュウェブの平面に平行に流体を流すことができる。更に、非しぼ
寄せティシュは、湿潤時に、荷重下で優れた湿潤弾性及び嵩高さを示す。理論に
縛られることは望まないが、テクスチャード加工されたウェブの３次元表面構造
は、繊維の配置を定める水素結合が、３次元成型状態に形作られており、この構
造が湿潤時に平坦な状態まで弛緩しないので、湿潤時に形状及び嵩高さを維持す
ることができると考えられている。

【００６１】 吸収性部材の吸収容量は、物品の意図された用途に最適化できる。生理用ナプ
キンのような特定の用途では、中央吸収区域１６の吸収性容量は、少なくとも７
ｍｌ、詳細には少なくとも１０ｍｌ、更に詳細には少なくとも１６ｍｌ、更にま
た詳細には少なくとも２０ｍｌ、最も詳細には約１５ｍから約３５ｍｌまでの流
体であることが望ましい。おむつのような大きな物品では、中央吸収区域１６の
吸収容量は、一般に、６０ｍｌより大きい必要があり、約３００ｍｌ又はそれ以
下の流体、詳細には約２００ｍｌ又はそれ以下であり、例示的な範囲は、約８０
ｍから約２５０ｍｌ又は約１００ｍｌから約３００ｍｌである。

【００６２】 １つの実施形態において、下部吸収性部材２２の吸収容量は、中央吸収区域１
６の吸収容量より小さく、例えば、超薄型物品に有用である。例えば、下部吸収
性部材２２の吸収容量は、中央吸収区域１６の吸収容量の約５から約１００％で
あってもよく、或いは、この割合は、約９０％又はそれ以下、詳細には約７０％
又はそれ以下、更に詳細には約３０％又はそれ以下であってもよい。生理用ナプ
キン及び関連物品において、中央吸収性部材２０の吸収容量は、約３ｍｌ又はそ
れ以上、詳細には約５ｍｌ又はそれ以上、更に詳細には約１０ｍｌ又はそれ以上
であってもよい。

【００６３】 超薄型パッド及び他の吸収性物品では、吸収性コア１５の乾燥部品の厚さの合
計は、約２ｍｌと約１５ｍｌとの間、詳細には約３ｍｍと約８ｍｍとの間である
ことが望ましい。湿潤時には、中央吸収区域１６及び／又は下部吸収性部材２２
は、実質的に厚さ及び空隙容量が増大し、例えば、厚さの増大が、約１００％又
はそれ以上、詳細には約２００％又はそれ以上、更に詳細には約３００％又はそ
れ以上である。湿潤時に厚さが増大することが可能な低価格セルロース系構成要
素の例としては、１９９９年２月２日にＦｕｎｇ−Ｊｏｕ ＣｈｅｎとＪ．Ｄ．
Ｌｉｎｄｓａｙに付与された米国特許第５，８６５，８２４号「自己型押し吸収
性構造及びそれから製造される吸収性物品」に開示されている吸収性材料、又は
、１９９８年７月１４日にＨｏｌｌｅｎｂｅｒｇらに付与された米国特許第５，
７７９，８６０号「高密度吸収性構造」に開示されている高密度構造である。ま
た、再生セルローススポンジ材料も、湿潤時に著しく膨張することができ、材料
を３次元形状に膨張する不均一な坪量にすることにより、身体フィット性及び適
合性を向上させるために用いることができる。また、高密度架橋セルロース系マ
ットを用いることもできる。

【００６４】 上面シート１２は、コンプライアントで柔軟であり、使用者の皮膚に刺激を与
えないことが望ましい。上面シート１２は、このような種類の用途に用いられる
任意の従来の材料で作ることができる。限定するものではないが、適切な材料の
例として、特に、成形又は穿孔熱可塑フィルムの形態の織又は不織ポリエステル
、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられ、１９８２年４月１３日にＭｕｌｌａ
ｎｅとＳｍｉｔｈに付与された米国特許第４，３２４，２４６号、及び１９８２
年８月３日にＲａｄｅｌとＴｈｏｍｐｓｏｎに付与された米国特許第４，３４２
，３１４号に記載されているものが含まれる。機械的に穿孔した形態を用いるこ
ともできる。他の公知のカバー材料を用いることもでき、これには、１９９７年
１２月２２日に出願され、本出願人に譲渡されている係属中の米国出願「２つの
域を有する吸収性ウェブ」第０８／９９７，２８７号に記載されているように、
下地材の選択した部分、特に、下地材の最も高くなっている部分に疎水性物質を
加えた型押しセルロース系下地材で作られるものが含まれる。上面シート１２は
、液体を効果的に取り込むために、中央領域にさらに穿孔が設けられた液体透過
性不織ウェブであることが望ましい。また、上部吸収性部材１８から又は他の供
給源からの親水性繊維が、上面シート１２の穿孔内に延び、身体流体が、穿孔内
にウィッキングするのを助長して、身体と中央吸収区域１６との間の流体伝達を
改善することが望ましい。例えば、上面シート１２が、吸収性材料の薄い気体透
過層の上にある場合は、空気堆積工程により、穿孔フィルム又は不織ウェブの穿
孔内に、短い硬材繊維を付加できる。漂白ユーカリのような親水性繊維をわずか
数ミリグラム上面シートの穿孔に付加することにより、穿孔疎水性上面シートの
ウィッキング性能を改善することができる。

【００６５】 上面シート１２の外表面は、界面活性剤で処理して液体浸透を改善することが
でき、上面シート１２の２つの表面に異なる化学処理をすることによるか、又は
界面化学が異なる上面シート１２の平面に異なる領域を有することにより生じる
湿潤性の勾配をもつことができ、液体が、目標取り込み領域では優先的に吸収さ
れ、他の領域では、はじかれるようにすることができる。界面活性剤処理又は他
の湿潤剤の塗布は、例えば、スプレー、埋め込み、又は転写ロールの使用を含む
当業者には公知の任意の技術を用いて達成できる。有用な湿潤剤には、ポリエチ
レングリコールモノラウレート（例えば、ＰＥＧＯＳＰＥＲＳＥ２００ＭＬ、米
国ペンシルバニア州ウィリアムズポートにあるＬｏｎｚａ，Ｉｎｃ．から入手可
能なポリエチレングリコール２００モノラウレート）、及びエトキシレーテッド
オレイルアルコール（例えば、ＶＯＬＰＯ−３、米国ニューヨーク州ニューヨー
クにあるＣｒｏｄａ，Ｉｎｃ．から入手可能）が含まれる。また、プラズマ処理
、電子線、及びコロナ放電を行って界面化学を修正することもできる。

【００６６】 裏面シートは、液体不透過性フィルムであり、臭気にも不透過性である。裏面
シートは、物品１０の他の構成要素と同様に延伸可能であり、フィット性をカス
タマイズすることができる。裏面シートは、着用したときに比較的静かで、柔軟
性があり、刺激がないことが必要である。裏面シートは、ポリマーフィルム、低
透過性不織ウェブ、望ましくは不透過性層又は不透過性フィルムを有する布層、
又はポリマー−ティシュ複合体を含む、吸収性物品の技術分野では公知の任意の
材料を含むことができる。裏面シート及び他の構成要素は、生分解可能及び／又
は水で流すことが可能であってもよい。

【００６７】 本発明の多くの実施形態において、不透過性水平ウィッキング障壁は、中央吸
収区域の下にあってもよいので、裏面シート自体は完全に不透過性である必要は
なく、少なくとも全面積で不透過性である必要はなく、不透過性ウィッキング障
壁により中央吸収区域で流体を適切に制限することにより、裏面シートの主な機
能は物品の一体性をもたらすことになる。それでも、最良の結果を得るためには
、裏面シートは、実質的に不透過性であるが、快適性のために通気性があり水蒸
気を透過できることが望ましい。

【００６８】 図３は、本発明の吸収性物品（図示せず）の中央吸収性部材として機能するこ
とができるか、又は本発明の物品の水平ウィッキング障壁（図示せず）の下に配
置できる吸収性中央起立部材５０の１つの形態の斜視図を示す。中央起立部材５
０は、折り畳まれるか又は包まれて、２つの縦軸方向側部５２’及び５２”、上
側部分５４、第１の下側部分５６、及び第２の下側部分５８を有し、それらが各
々の端部６０、６２で終結する材料シートを備えている。下側部分５６、５８の
末端部分は、重なり領域６４で重なる。重なり領域６４の２つの下側部分５６、
５８は、互いに自由にスライドできるようになっていてもよく、又は固定関係で
接合されて一方の下側部分が他方に対しスライドするのを防ぐようになっていて
もよい。図示の実施形態において、下側部分５６、５８は、互いに自由にスライ
ドすることができる。中央起立部材５０は、横軸方向幅Ｗ、縦軸方向長さＬ、及
びｚ方向厚さＴを有する。使用前の吸収性物品の中央起立部材５０の幅Ｗは、吸
収性物品の股領域の最小幅に等しいかそれよりも小さい。詳細には、中央起立部
材５０の幅Ｗは、吸収性物品の股領域にある吸収性コアの最小幅の約９０％又は
それ以下、更に詳細には約７０％又はそれ以下、更にまた詳細には約５０％又は
それ以下であってもよい。限定されるものではないが、生理用ナプキン及び関連
吸収性物品に適切な中央起立部材５０の幅Ｗ、厚さＴ、及び長さＬの寸法は、未
使用で非圧縮状態では以下の通りである。幅Ｗは、約１０ｍｍから約６０ｍｍ、
詳細には約１５ｍｍから約４０ｍｍであり、厚さＴは、約１ｍｍから約１５ｍｍ
、詳細には約３ｍｍから約８ｍｍであり、長さＬは、約１０ｍｍから約１００ｍ
ｍ、詳細には約１５ｍｍから約８５ｍｍ、最も詳細には約３０ｍｍから約７０ｍ
ｍである。

【００６９】 中央起立部材５０を形成する材料は、おおよそ扁平「ｅ」形状に折り畳まれ、
下側部分５８が、「ｅ」の幅部分を横切って延びる「ｅ」の中央クロスバーに一
致するように示されている。従って、中央起立部材５０が折り畳まれた形状は、
折り畳んで、重なり領域６４に重なる端部６０、６２を有する管に折り畳まれた
材料の断面に似ており、この管は、垂直方向に圧縮され、実質的に平らにされて
いる。横方向に圧縮されると、重なる端部６０、６２で終結する折り畳まれた材
料５６、５８の下側部分は、物品の反対側の縦軸方向側部に向かってスライドす
ることができる。詳細には、第２の下側部分５８の端部６０は、第１の縦軸方向
側部５２’に向かってスライドし、第１の下側部分５６の端部６２は、第２の縦
軸方向側部５２”に向かってスライドすることができるが、動かないでいる、即
ちその下にある物品の部分に固定されたままであってもよい。このように変形の
間に、上側部分５４は上向きに反る。

【００７０】 中央起立部材５０は、緻密化空気堆積パルプ繊維、コフォーム、又はしぼ寄せ
又は非しぼ寄せティシュの１つ又はそれ以上の層といった可撓性吸収性材料であ
ってもよい。また、不織ウェブ、フォームウェブ、可撓性ゴム又はプラスチック
の層等を備えてもよい。他の実施形態において、中央起立部材は、時計方向に９
０度回転した「Ｃ」字形の形状のような、平らにした管又はその均等物のように
折り畳まれた弾性ウェブであってもよい。

【００７１】 好ましくは、中央起立部材５０は、十分に弾性があり、硬い面の上に置いたと
きに５０グラムの荷重を少なくとも４ｍｍ持ち上げることができるようになって
おり、その縦軸方向側部は、横方向の圧縮により１３ｍｍを越えて近づかないよ
うに、中央起立部材５０の縦軸方向中心線に向かって横方向に圧縮される。中央
起立部材の縦軸方向側部に２インチの長さ寸法だけ位置合わせされた長さ５０ｍ
ｍで横断面が５平方ｍｍである長方形ブロックを用いて、縦軸方向側部を互いに
均等に動かす。持ち上げる荷重は、Ｍｉｔｕｔｏｙａ Ｄｉｇｉｍａｔｉｃ指示
器（例えば、正しい荷重にするために適切に修正したスピンドルを有する型番５
４３−５２５−１）等の、垂直方向に向いた装置上のスピンドルである。厚さ０
．７ｍｍ、長さ５０ｍｍ、幅２０ｍｍのアクリル合成樹脂部を中央起立部材の上
に置き、指示器のスピンドルの下で中心合わせして、スピンドルの荷重を均一に
分配する。中央起立部材５０の縦軸方向側部の横方向圧縮により引き起こされる
垂直方向変位は、スピンドルが移動する垂直方向距離である。

【００７２】 図４は、幾つかの変形状態における中央起立部材５０を示し、図４Ａでの横方
向圧縮が殆ど又は全く存在しない状態で垂直方向に圧縮された中央起立部材５０
に始まり、横方向の圧縮及び垂直方向座屈の程度が連続的に大きくなった状態が
図４Ｂから図４Ｄに示されている。 図５は、本発明による吸収性物品１０の１つの実施形態の横軸方向中心線に沿
う断面を示す。ここでは、中央吸収性部材２０は、中央起立部材５０でもあり、
ｅ−折り畳み吸収性ウェブとして示されている。ここでは、折れしわ線２８が、
上部吸収性部材１８の縦軸方向側部のほぼ直下にある。

【００７３】 裏面シート１４の衣類側には、着用者の衣類に有効に取り付けるために、感圧
接着剤ストリップ７０及び剥離紙（図示せず）が更に設けられる。接着剤ストリ
ップは、１９９７年１月７日にＨａｓｓｅに付与された米国特許第５，５９１，
１４６号に教示されるように、剥離ライナが取り除かれ、マイクロカプセルのい
くつかを破壊するまでは放出されない作用剤を含むマイクロカプセルを更に含む
ことができる。マイクロカプセルは、臭気制御剤、香料、皮膚健康増進剤等を含
むことができる。

【００７４】 図６は、水平ウィッキング障壁２４の下に延びる下部吸収性部材２２に弓形の
折れしわ線２８を有する、本発明による生理用ナプキン１０の平面図を示す。明
瞭にするために上面シートは示されていない。 上部吸収性部材１８は、中央縦線７４の縦軸方向端部に２組の外向きに延びる
線７６を有する任意の成形線７２を有し、中央縦線７４は、図示のように、２つ
の短い部分を含む。外向きに延びる線７６は、スリット、穿孔、又は他の剛性を
減少する手段を有することが好ましい。股領域において横方向に圧縮されると、
物品１０は、股領域の折れしわ線２８に沿って谷を形成し、上部吸収性部材１８
の方へ隆起した中央領域を形成するように変形する必要があり、曲げは部分的に
中央吸収性部材２０が存在することにより抑制される。

【００７５】 図７Ａ及び図７Ｂは、２種類の中央起立部材５０を示す。図７Ａは、縦軸方向
側部７８、２本の折れしわ線８０、及び縦軸方向中央ヒンジ８２、即ち上向きに
折れ曲がるための成形線を有する中央起立部材５０を示す。中央起立部材５０は
、縦軸方向側部７８が、中央起立部材５０の最初の縦軸方向中心線に向かって内
向きに（即ち、矢印８４、８６により示される方向に）移動すると逆Ｖ形を形成
し、中央起立部材５０の見かけの高さを増大するとともに、上部吸収性部材（図
示せず）を垂直方向に反らせる。 中央起立部材５０は、水平ウィッキング障壁の上に配置でき、中央起立部材５
０の縦軸方向端部７８の近辺に塗布された接着剤により取り付けることができる
。他の結合又は接合手段を用いることもできる。

【００７６】 図７Ｂは、図７Ａの中央起立部材５０に関連するが、実質的に折れしわ線又は
ヒンジ要素のない中央起立部材５０を示す。中央起立部材５０は、接着剤結合又
は熱溶接等であってもよい、結合域９４によってその下のウェブ９２に固定され
た端部９０を有する弾性ウェブ８８を含む。弾性ウェブ８８が、着用者の身体側
に向かって凸になったループを形成するように、各々の結合域９４間の弾性ウェ
ブ８８の長さは、結合域９４間の直線距離よりも長い。圧縮される前の荷重をか
けていない状態では、中央起立部材５０は、弾性ウェブ８８の中央部分９６と、
その下にあるウェブ９２との間に距離９８を定める隙間を有し、この距離９８は
、約０．５ｍｍ又はそれ以上、好ましくは約３ｍｍ未満であってもよく、例示的
には、隙間の高さは、約０．７ｍｍから約２ｍｍである。横方向内向きに圧縮さ
れ、弾性ウェブ８８の端部９０が、それぞれ矢印８４、８６により示される方向
に互いに近づくと、隙間の高さ９８が増大し、弾性ウェブ８８の中央部分９６が
、着用者の身体に向かって垂直方向上向きに移動する。（図では、隙間の高さは
、明瞭に示すために誇張して示されている。）

【００７７】 １つの実施形態において、図７Ｂの弾性ウェブ８８は、ティシュ又はポリマー
フィルム層のような薄く可撓性のある材料の複数の層を備え、予め曲げられるか
又は予備成形され、横方向内向きに圧縮される間に上向きに曲がり易くされてお
り、詳細には、幾何学的に上向きに曲がりやすくされている。

【００７８】 図８Ａ〜図８Ｃは、ドッグボーン形の吸収性物品（図示せず）のための水平ウ
ィッキング障壁２４の３つの形態を示しており、異なる水平ウィッキング障壁は
、中央吸収区域（図示せず）から下にある下部吸収性部材（図示せず）まで流体
が流れることを可能にする穴の種類により区別されている。本実施形態では、水
平ウィッキング障壁の周囲は、下部吸収性部材の周囲を越えて延びるようにされ
、裏面シート（図示せず）の大きさ及び形状に一致するようになっている。図８
Ａでは、半円又は半楕円形の穴１００が、水平ウィッキング障壁２４の縦軸方向
端部に設けられ、中央吸収区域の縦軸方向端部が濡れたときのみ、流体が、中央
吸収区域から下部吸収性部材に移動できるようになっている。図８Ｂは、図８Ａ
に類似しているが、付加的な中央スロット１０２を有し、中央吸収区域から下部
吸収性部材まで、少量の流体のウィッキング又は流れを可能にする。図８Ｃは、
開口面積及び形状が、水平ウィッキング障壁２４の縦軸方向端部の穴１０６とは
実質的に異なる穴１０４を一方の縦軸方向端部に有する他の実施形態を示す。こ
の場合、水平ウィッキング障壁２４は、区別可能な前部及び後部を有する吸収性
物品であって、一方の部分が、他方より多量の流れを受け取るようにされている
吸収性物品に用いることが意図されている。直径が１ｍｍ未満の穴のような微小
な実質的に円形又は多角形の穿孔を、水平ウィッキング障壁、特に、中央吸収区
域の下になるようにされる中央部分に更に設けることができる。

【００７９】 図９Ａから図９Ｇは、中央吸収性部材２０の種々の異なる形状を示し、平行四
辺形（図９Ａ）、角の丸い平行四辺形（図９Ｂ）、楕円（図９Ｃ）、Ｘ形（図９
Ｅ）、アンビル形（図９Ｆ）、及び環状楕円（図９Ｇ）が含まれる。中央吸収性
部材２０の形状は、物品の下部吸収性部材及び上部吸収性部材の変形のほか、股
領域の剛性及び快適性に影響を及ぼす場合がある。１つの実施形態において、図
９Ｃ、図９Ｄ、及び図９Ｇのように、物品の横軸方向中心線の幅より縦軸方向端
部の幅の方が、実質的に狭い形状を用いる。もしくは、形状は、実質的に長方形
であってもよく、端部の幅を中央より広くすることもできる。理論に縛られるこ
とは望まないが、図９Ａ又は図９Ｂのような実質的に長方形の形状は、物品の縦
の中央線に沿って中央部分が上昇するのを助長すると共に、製造を容易にしつつ
、吸収性物品に快適性に優れる折り目を与えて、上手く折れ曲がると考えられる
。しかし、他の形状も、特定の目的に好都合に用いることができる。

【００８０】 図１０は、本発明による吸収性物品１０の部分切り欠き図である。上面シート
１２が切り欠かれ、いくつかの下にある構成要素、特に、下にある中央吸収性部
材２０が存在することにより中央隆起３０を有する上部吸収性部材１８を表して
おり、中央吸収性部材２０は、ここでは、厚さが上部吸収性部材１８の厚さより
も厚い、先端を切り取った長円形に示されている。更に、上部吸収性部材１８は
、股領域４８に一対の実質的に縦軸方向の折れしわ線２８を含み、折れしわ線２
８は、物品１０の縦の中央線の周りに間隔をおいて配置されている。折れしわ線
２８は、中央吸収性部材２０の横方向外側で、上部吸収性部材１８の縦軸方向側
部内にある。また、折れしわ線２８は、下にある下部吸収性部材２２の中にも延
びており、下部吸収性部材２２の厚さも、中央吸収性部材２０より実質的に薄い
（しかし、随意的に、中央吸収性部材２０は、上部吸収性部材１８及び下部吸収
性部材の一方または両方より薄くすることもできる）。従って、上側吸収性部材
１８及び下側吸収性部材２２の折れしわ線２８により、着用時に使用者の脚部で
物品１０が横方向内向きに圧縮されると、下側吸収性部材２２及び上部吸収性部
材１８の外側縦軸方向側部が上側に折れ曲がり谷折りを形成することができ、同
時に、隆起した中央吸収性部材２０は、横方向内向きに圧縮されると、中央隆起
３０を形成するのを助け、物品を全体でＷ形にする（Ｗ形の中央部分は、実質的
に丸みを有することが望ましい）。

【００８１】 上側吸収性部材１８及び中央吸収性部材２０は、水平ウィッキング障壁２４に
より下側吸収性部材２２から分離され、水平ウィッキング障壁２４は、下側吸収
性部材２２の周縁部を越えて延び、裏面シート１４の周縁部に接合する。 図１１は、３つの縦方向に延びるポケット１１０、１１２、１１４に分割され
ている吸収性材料を有する中央吸収性部材２０の横軸方向断面を示す。吸収性材
料の２つの外側ポケット１１０、１１４は、外側ポケット１１０、１１４よりも
高い高さを有する吸収性材料の中央ポケット１１２により分離される。ポケット
は、個々にティシュ、不織ウェブで包むことができるが、又は包まれていなくて
もよい。もしくは、上面シート（図示せず）又は裏面シート（図示せず）材料の
折り目は、吸収性材料のポケット１１０、１１２、１１４を部分的に分離するこ
とができる。また、中央ポケット１１２は、遊離繊維ニット又は自由に流れる粒
子を備えることができる。中央吸収性部材２０が、横方向内向きに圧縮されると
、外側ポケット１１０、１１４は、楔として作用し、着用者の身体に向かって中
央ポケット１１２を更に隆起させることになる。

【００８２】 図１２は、上部吸収性部材１８が中央吸収性部材２０の上にあるとき、水平ウ
ィッキング障壁２４から延びる上向き縦軸方向突起が、中央吸収区域１６の上部
吸収性部材１８の縦軸方向側部を拘束することを除いて、図２の吸収性物品１０
と同様の吸収性物品１０の横軸方向断面を示す。縦軸方向突起１１６は、縦方向
に可撓性がある（即ち、縦軸方向に撓むことができる）が、物品１０が横方向に
圧縮されると吸収性コア１５における谷折りを助長するのに十分な剛性を有する
か、又は横方向に圧縮される間に、上部吸収性部材の縦軸方向側部を拘束するの
に十分な剛性を有する。水平ウィッキング障壁２４上の上向きの縦軸方向突起１
１６は、横方向に圧縮される間に、図２の物品１０の折れしわ線２８と同様の方
法で、物品１０の折り曲げに影響を及ぼすことができる。図１２の物品１０にお
いては、折れしわ線は随意的（図示せず）であるが、好ましくは、水平ウィッキ
ング障壁２４の上向き突起１１６と実質的に垂直方向に位置合わせして、下部吸
収性部材２２に折れしわ線を設けることが望ましい。縦軸方向上向き突起１１６
は、水平ウィッキング障壁２４に融合されてもよく、幅が約０．３から３ｍｍ、
高さが約０．２ｍｍから約５ｍｍ、詳細には約０．５ｍｍから約２ｍｍの熱可塑
要素であってもよい。また、縦軸方向上向き突起１１６は、押し出し、成型、熱
可塑物質のキャストコーティング等により、水平ウィッキング障壁２４と一体形
成することもでき、水平ウィッキング障壁の縦軸方向上向き突起は、接着、熱結
合、超音波結合等によりフィルム又は他の障壁材料に付加される、個別に形成さ
れた領域であってもよい。縦軸方向上向き突起１１６は、股領域に、長さ約１０
ｍｍから１００ｍｍで縦方向に延びることができ、実質的に一直線に並んだ一連
の個別の突起又は隆起であってもよい。水平ウィッキング障壁２４及び縦軸方向
上向き突起１１６の剛性及び厚さは、物品１０の流体の流れ又は快適性を過度に
妨げることなく、パッドの良好な形状を制御するのに最適にされる必要がある。
縦軸方向上向き突起１１６を使用するには、例えば、厚さが約０．２ｍｍから約
１ｍｍであるような、一般に、比較的剛性が高いか、又は厚みのある水平ウィッ
キング障壁２４が必要になると考えられる。

【００８３】 図１３Ａから図１３Ｃは、本発明による吸収性物品１０を縦軸方向中心線（例
えば、図１の縦軸方向中心線２９を参照）に沿って切った縦軸方向断面を示し、
中央吸収性部材２０に関する３つの変形例を示している。図１３Ａから図１３Ｃ
の断面図は、前述の横軸方向断面図に直交し、種々の構成要素が、物品１０の縦
軸方向長さにわたって、どのように相関し、連結できるかを示すためのものであ
る。図１３Ａの物品１０において、中央吸収性部材２０は、テーパが付けられて
おり上部吸収性部材１８より短い。接着剤域１２０は、上部吸収性部材１８を水
平ウィッキング障壁２４に接合する。上面シート１６は、物品１０の縦軸方向端
部１１８で、裏面シート１４、及び随意的に水平ウィッキング障壁２４に接合す
る。中央吸収性部材２０の縦軸方向端部に近接して、上部吸収性部材１８と水平
ウィッキング障壁２４との間に空隙空間１２２が存在する。中央吸収性部材２０
の縦軸方向端部に隣接する領域には、上部吸収性部材１８を水平ウィッキング障
壁に接合するための接着剤が存在せず、物品１０がひだになるか又は横方向に圧
縮されると、空隙空間１２２の形成を助長して空隙空間１２２が膨張できるよう
にすることが好ましい。言い換えると、物品が着用され、横方向に圧縮されると
、上部吸収性部材１８が変形し、身体との接触を助長することができるだけでな
く、空隙空間の膨張を引き起こし、上部吸収性部材が飽和している場合でも、流
体が、上部吸収性部材１８を通って降下して空隙空間１２２に受け取られるよう
になっており、流体は、更に空隙空間１２２から中央吸収性部材２０又は下部吸
収性部材２２内に移動できる。

【００８４】 図１３Ｂ及び図１３Ｃは、図１３Ａのテーパ付けされた中央吸収性部材２０が
他の構成に置き換えられていることを除けば、図１３Ａと同一である。図１３Ｂ
は、実質的に縦方向にテーパ付けされていない中央吸収性部材２０を示しており
、図１３Ａより大きな空隙空間を形成する。図１３Ｃは、ニット、中空の小球、
又はマクロビーズのような自由に流れる吸収性粒子の層を含む粒子状中央吸収性
部材２０を示している。空隙空間１２２の大きさは、上部吸収性部材１８と水平
ウィッキング障壁２４との間の空間に対する粒子状中央吸収性部材２０の適合性
の効果で相当減少する。しかし、空隙空間１２２は、物品が着用されると依然と
して膨張し、流体の流れを受け取り誘導するための空間をもたらすことができる
。粒子状中央吸収性部材２０の粒子は、不織又はティシュウェブ（図示せず）の
ような液体透過性の容器により、又は下部吸収性部材２２及び上部吸収性部材１
８により拘束できる。 本発明による吸収性物品を構成するための他の原理を特定の構成要素に関連し
て以下に説明するが、これに限定されるものではない。

【００８５】 他の構成及び付加構成要素 本発明の吸収性物品は、上面シート又は裏面シート、又は上面シート及び裏面
シートの両者、又は物品の一体性及び身体側表面の快適性をもたらす他の手段を
含むことができる。物品は、特に、製品の適切な一体性及び液体障壁機能をもた
らす他の構成要素が存在する場合には、上面シート及び／又は裏面シートを用い
ずに製造することができる。例えば、接着剤、超音波結合、縫糸、繊維−繊維交
絡、面ファスナ構造、エンボス加工、熱結合、弾性リガメント、及び本技術分野
では公知の中央吸収区域を適所に保持するための他の手段を含む取り付け手段に
より、水平ウィッキング障壁を中央吸収区域に取り付けることができる。また、
ウィッキング障壁は、それを適所に保持するための同様の取り付け手段により、
下部吸収性部材に取り付けることもできる。つまり、通常の吸収性物品の上面シ
ート及び裏面シートの拘束性又は一体性をもたらす機能は、物品の他の構成要素
に適切に取り付けられた水平ウィッキング障壁により置き換えることができる。
また、ウィッキング障壁は、下部吸収性部材を包んでそれを適所に保持し、下部
吸収性部材の周囲又は下に液体障壁機能を付与することができる。従来の上面シ
ートの快適性、柔軟性、及び乾燥感の機能は、適切な吸収性材料、特に、吸収性
材料の表面に、流体の取り込みを可能にし、しかも皮膚に対して乾燥感をもたら
す付加的な疎水性材料を備える材料を用いることによって置き換えることができ
る。

【００８６】 本発明の吸収性物品は、内面的に（吸収性材料内又は障壁材料上に材料を付加
することによる）又は外面的に（付加的な層と接合することによる）他の機能性
材料と組み合わせることができ、この機能性材料には、これに限定されるもので
はないが、以下のものを含む。ベーキングソーダ、タルク粉末、シクロデキスト
リン、エチレンジアミン４酢酸のようなキレート剤、香料、ゼオライト、活性シ
リカ、及び活性炭粒子、布又は繊維のような臭気吸着構成要素；超吸収性粒子及
び繊維；フルオロポリマー；商品名ＨＥＡＬＴＨＳＨＩＥＬＤ（登録商標）で販
売されているマサチューセッツ州ベバリーにあるＢＦ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅ
ｓの銀導入ゼオライトのほか、トリクロサン製品、キトサン又はキチン誘導体を
含む抗菌薬；酵素；イオン交換材料、又は１９９３年１０月６日に公開されたＳ
．Ｌｅｖｉの欧州公開特許出願５６４，３０７−Ａ１「抗皮膚発疹薬」に開示さ
れているようなアンモニアの産出を防ぐウレアーゼ抑制剤、１９９３年３月２４
日にＫ．Ｗ．Ｂｕｄｋｉｎｇｈａｍに付与された欧州登録特許１１７，６１３Ｂ
２「おむつかぶれ及びおむつ皮膚炎の治療及び予防のための薬剤を組み込んだ使
い捨て吸収性物品」、及び１９８５年１２月３日にＫ．Ｗ．Ｂｕｃｋｉｎｇｈａ
ｍに付与された米国特許第４，５５６，５６０号に開示されているものを含むリ
パーゼ抑制剤のような酵素抑制剤である。また、吸収性物品内、又は吸収性コア
上、上面シート上、又は水平ウィッキング障壁の露出部分の上に、ワセリン、ラ
ノリンのような皮膚軟化剤、又はアロエ抽出液又はビタミンＥのような皮膚健康
増進剤を組み込むこともできる。

【００８７】 本発明の吸収性コアは、例えば、乾燥質量に基づき、質量で約５％から９０％
の超吸収性粒子、又は約３０％から約７０％の超吸収性粒子、もしくは、約１０
％から約５０％の超吸収性粒子、詳細には約１０％から約４０％の超吸収性粒子
を含むことができる。超吸収性材料は、遊離粒子状物質、親水性繊維に結合され
た粒子、超吸収性繊維として組み込むこともでき、結合材料又は構成複合物の成
分として組み込むこともできる。また、超吸収性材料は、発泡体の形態で提供で
きる。

【００８８】 １つの実施形態において、吸収性コアは、少なくとも１つの層に超吸収性粒子
又は繊維が存在するラミネート又は積層構造を含む。また、超吸収性材料は、結
合剤として機能し、繊維複合物を高密度状態に保持することができる。また、超
吸収性粒子は、個別の間隔をあけて配置されたポケット内に保持してもよく、そ
の間の領域では、実質的に超吸収性粒子がないか、又は超吸収性粒子の濃度が低
い。繊維材料の２つの層の間に粒子状材料のポケットを生成する方法は、１９９
１年７月９日にＴ．Ｂ．Ｌａｎｇに付与された米国特許第５，０３０，３１４号
に開示されている。

【００８９】 また、セルロース系繊維に結合された超吸収性材料は、本発明に用いるのに好
都合である。例えば、Ｈａｎｓｅｎらの１９９６年８月２０日に発行された米国
特許第５，５４７，７４５号、及び１９９７年１２月２日に発行された米国特許
第５，６９３，４１１号に開示されているように、結合剤を用いて、超吸収性粒
子をセルロース系繊維に接合することができる。更に、超吸収性粒子は、超吸収
性粒子を空気混入して接着剤流に通すことにより、他の吸収性材料に接着して取
り付けられることもできるが、粒子の表面は接着剤で部分的にコーティング又は
処理される。接着剤流は、細いダイ又はスピナから押し出され、空気に混入され
たホットメルトのフィラメントであってもよく、又はホットメルト、溶液、又は
懸濁液等の液体噴霧であってもよい。

【００９０】 吸収性コア及び特に中央吸収区域の吸収性材料は、結合材料で安定化されたセ
ルロース系繊維を含むことができる。同様に、下部吸収性部材又は中央吸収性部
材に用いることができる複数の層を結合材料で接合することもでき、又は結合材
料は、上面シート及び／又は裏面シートを、隣接の下部吸収性部材又は中央吸収
区域へ取り付けて、パッドの一体性を改善できる。結合材料は、水膨潤性であっ
てもよく、水膨潤性でなくてもよい。吸収性物品を最良のものとするためには、
結合材料は、水膨潤性であっても、実質的に水不溶性であることが望ましい。結
合材料は、吸収性繊維構造に、良好な乾燥安定性を付与するのみでなく、液体水
で濡れたときにも、良好な湿潤安定性及び湿潤弾性を付与することが好ましい。
圧縮荷重下でも高度な空隙容量を維持するために湿潤弾性が必要とされる用途で
は、結合材料は、水膨潤性ではなく、水不溶性であることが望ましく、結合湿潤
強度の乾燥強度に対する比が、約１０％又はそれ以上、詳細には約２０％又はそ
れ以上、更に詳細には約４０％又はそれ以上、最も詳細には約５０％又はそれ以
上であることが望ましい。結合湿潤強度の乾燥強度に対する比の望ましい範囲と
同様の範囲を膨潤性結合材料にも適用する。

【００９１】 女性用ケア物品では、吸収性物品の側部にタブ及びウィングを付加することが
できる。ウィッキング障壁は、タブ又はウィングの開始点まで又はそれを越えて
延びることができるが、望ましくは、ウィッキング障壁は、流体が横方向にウィ
ッキングしてタブ又はウィングの領域に入るのを防止する。１つの実施形態にお
いて、ウィッキング障壁は、吸収性コアを超えて横方向に延び、ウィング又はタ
ブの構成要素を形成する横軸方向区域を備えている。このような区域は、ウィッ
キング障壁の一体部分であってもよく、吸収性コア内に含まれる第１のウィッキ
ング障壁部材以外の第２のウィッキング障壁部材であってもよい。

【００９２】 おむつ及びトレーニングパンツには、身体フィット性及び快適性のための種々
の付加的構成要素を付加できる。例えば、本発明のおむつは、側部パネル、伸縮
自在の脚部カフス、伸縮自在のウエストバンド、及び一対の固定部材及び被固定
部材を含むことが好ましい締結システムを更に含むことが好ましい。排泄物を収
容するために、物品には、フラップ、吸収性コア内の空隙空間、隆起障壁又はダ
ム、又は本技術分野では公知の排泄物収容のための他のシステムを備えることが
できる。

【００９３】 完成した吸収性物品は、平面内の１つ又はそれ以上の方向に延伸することがで
きる、波形の又は短縮された吸収性材料、及び拡伸可能な上面シート及び裏面シ
ート、随意的に拡伸可能又はエラストマーウィッキング障壁を含む、拡伸可能な
材料を備えることができる。拡伸可能な物品のための様々な有用な構成は、１９
９８年６月１６日にＨａｃｋｍａｎらに付与された米国特許第５，７６６，２１
３号に開示されている。Ｈａｃｋｍａｎは、波形の吸収性材料、及び可撓性及び
変形可能なアコーディオン状の構造を有する身体との間にガスケットを施した縦
軸方向側部を利用することを教示している。本発明の吸収性物品において、外側
吸収性部材の波形領域又は拡伸可能な領域は、使用時に、吸収性物品の股領域の
変形と背部の変形とを分離するのに有用であり、結果的に、股領域をＷ形に変形
して使用者の前庭にフィットさせつつ、吸収性物品の背部を逆Ｖ形に変形して臀
部にフィットさせることが可能になる。

【００９４】 また、物品は、吸収性コアの側部の周りに疎水性材料を含んでおり、縁漏れを
更に低減できるようになっている。例えば、１９９８年１０月６日にＢｅｒｇｑ
ｕｉｓｔらに付与された米国特許第５，８１７，０７９号に例示されているよう
に、親水性吸収性コアの周縁部の周り等の、不連続な領域に疎水性繊維を配置し
、漏れに対する障壁を設けることができる。本発明に応用できる関連の試みは、
１９９７年４月５日にＣｓｉｌｌａｇに付与された米国特許第４，０１５，６０
４号に示されている。同様に、１９７１年１１月２日にＬｅｖｅｓｑｕｅに付与
されたカナダ特許第８８４，６０８号は、側部漏れを防ぐために、生理用ナプキ
ン製品の縁部を疎水性材料で処理することを開示している。Ｌｅｖｅｓｑｕｅ特
許によれば、吸収性材料の縁部の領域にある吸収性層は、気体及び水蒸気透過性
状態を維持しつつ、疎水性にされている。

【００９５】 随意的に、上面シートと吸収性コアとの間、詳細には中央吸収区域の上にサー
ジ層を配置し、特に、おむつ、トレーニングパンツ、又は失禁用パッド等の尿の
管理を意図した吸収性物品における液体、特に尿の取り込みを高めるようになっ
ている。典型的には、サージ層は、非吸収性又はわずかに吸収性（例えば、固有
吸収容量が、約０．９未満、詳細には約０．３未満）がある嵩高不織ウェブ、例
えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのような合成材料でできたボンデッドカ
ーデッドウェブであり、このウェブは、液体を保持しないが下にある吸収性コア
内へ分配するのを助ける。このようなサージ層の坪量は、約１５ｇｓｍと約１０
０ｇｓｍとの間であることが望ましく、気孔率（固体で占められていない容積の
割合）は、約９６％より大きい。例示的なサージ層は、１９９６年１０月８日に
Ｅｖｅｒｅｔｔらに付与された米国特許第５，５６２，６５０号、及び１９９５
年７月４日にＬａｔｉｍｅｒに付与された米国特許第５，４２９，６２９号に説
明されている。

【００９６】 また、横軸方向に圧縮される間に、パッド又は生理用ナプキンがバンチング又
はそれ自身の上に折れ曲がり難くするための手段を加えることもできる。吸収性
物品の股領域から延びるウィング、フラップ、又はタブは、着用者の下着の縁部
を覆って折り曲がり、良好なフィット性、安定性、及び漏れ防止性を提供でき、
望ましくない物品のバンチングを低減できる。ウィング及び関連の構造は、１９
９３年１２月７日にＫ．Ｊ．Ｖａｎ Ｔｉｂｕｒｇに付与された米国特許第５，
２６７，９９２号「フラップを有する成形生理用ナプキン」、及び１９８１年８
月２５日にＲ．Ｍ．ＭｃＮａｉｒに付与された米国特許第４，２８５，３４３号
「生理用ナプキン」に教示されている。また、物品の縦軸方向側部に沿うか、又
は本発明の吸収性物品の折れしわ線に隣接して、伸縮自在の脚部カフスを付加す
ることもできる。

【００９７】 安定性及びフィット性のためにウィング及び締結部材を使用すること以外に、
１９９６年８月１３日にＤｉｐａｌｍａらに付与された米国特許第５，５４５，
１５６号に開示されている方法を含むパッドの予備成形も有用である。つまり、
パッドは、身体フィット性を良好にするように輪郭付け又は成形できる。１つの
実施形態において、吸収性物品は、物品の中央で厚くて次第に薄くなるよう輪郭
付けされているので、縦軸方向側部及び／又は前縁部及び後縁部で薄くなる。輪
郭付けは、積層、均一坪量分布の吸収性材料の堆積、物品を成形するための輪郭
型の使用、物品の選択的カレンダ加工等により行うことができる。

【００９８】 折線（折れしわ線及び成形線） 折線は、成形線及び折れしわ線を含み、種々の幾何学的形状を有することがで
きる。１つの実施形態において、成形線は、２つの矢尻を有し、矢尻を逆にした
矢印、即ち、”＞−−＜”に類似する幾何学的形状を有し、折れしわ線の間の物
品の縦軸方向中心線に沿って中心合わせされ、矢印の縦の軸線が、物品の縦軸方
向中心線（縦の軸線）に位置合わせされている。このような成形線の幾何学的形
状は、更に、折れしわ線に沿って下向きの反りが起こる間に、外向き「矢尻」の
間の吸収性コアの中央領域が、上向きに反るのを助ける。上部吸収性部材の成形
線のための他の有用な幾何学的形状は、その中点が互いに接触又は近接する一対
の外向きに凹んだ弓形線とされ、股領域の外側折れしわ線の間で、縦軸方向中心
線の両側付近に縦方向に位置合わせされ、実質的に対称に配置されており、望ま
しくは、折れしわ線より長さが短い。このような弓形の成形線は、背中合わせに
された左右の括弧の形状、即ち、”）（”に類似し、括弧の垂直方向の軸線が、
物品の縦軸方向中心線に実質的に位置合わせされている。同様に、多くの実施形
態において、成形線は、物品の縦軸方向中心線に向かって凸形を描き、ほぼ吸収
性コア内に、詳細には、ほぼ中央吸収区域内に含まれる。

【００９９】 一般に、成形線は、中央縦軸方向部分、及び縦軸方向中心線の近辺から中央吸
収区域の縦軸方向端部の近辺まで相当な距離を横切る外向きに延びる部分を含む
。同様に、特定の実施形態における成形線は、中心線の近辺に縦軸方向成分及び
付加的に斜めの成分（物品の縦軸方向中心線に対して傾斜した）を含むことがで
きる。

【０１００】 吸収性物品の成形線又は折れしわ線は、一般に、空気堆積パッド、フラフパル
プのマット、積み重ねたティシュ層、コフォーム材料又は他の繊維−ポリマー複
合体ウェブ、又は嵩高不織ウェブ等の、ある程度の固有剛性を有する可撓性材料
の折り曲げを行うことができる何れかの方法で生成できる。成形線又は折れしわ
線は、エンボス加工、型押し、又は１９８７年４月７日にＡ．Ｙ．Ｒｏｍａｎｓ
−Ｈｅｓｓらに付与された米国特許第４，６５５，７５９号に説明されているよ
うな高密度領域を生成するための他の公知の方法等の処理法の１つ又はそれ以上
により生成されることが望ましい。成形線又は折れしわ線を形成するための他の
方法には、スリット形成；切断；ノッチ形成；引き裂き；熱結合（熱を加えて結
合を行う。特に熱可塑材料又は熱硬化樹脂と共に用いる）；ホットプレス（熱及
び圧力を同時に加える。特に、熱可塑結合材料、熱硬化プラスチック、又は加熱
硬化樹脂と共に用いる。）；局所的溶融；超音波結合；穿孔；パーフエンボス加
工；穿刺；樹脂、蝋、又は熱可塑物質による含浸；水ジェット又は他の流体ジェ
ットによる液圧切断；予備折り曲げ；折りしわ付け；けがき；又は剥離、切除、
ピッキング、レーザー切除、又は吸引による材料の除去が含まれる。

【０１０１】 特定の実施形態において、折りしわ線及び随意的な成形線は、一連の穿孔、ノ
ッチ、切断、引き裂き、又はスリットであってもよく、随意的に、一体性を高め
るために線の長さに沿って、穿孔、ノッチ、切断、引き裂き又はスリットが完全
に施されていない部分を有する。スリット又は高密度化域を生成することにより
形成される折れしわ線及び成形線は、適用が容易であり一般に効果的であるため
、特に有用であると考えられている。 成形線又は折れしわ線を生成するための処理法を利用し、物品が横方向に圧縮
される間に処理線又はその近辺に折り曲げを助長するように、材料特性が回りの
材料と異なる個々の線を作る。材料特性は、折り曲げを助長するように修正でき
、密度、剛性、坪量、化学組成（例えば、繊維のみｖｓ樹脂と繊維）、及び内部
一体性又は結合強度（特にｚ方向結合強度）を含むことができる。線は、吸収性
部材間の隙間又は空隙空間であってもよく、例えば、周囲の非ゼロ坪量領域に対
してゼロ坪量の特性を有する。

【０１０２】 製造方法 一般に、生理用ナプキン、おむつ等の生産に既に用いられている生産ラインと
同様の自動化装置を用いることができ、本発明を生産するために僅かに改造を行
う。モジュラーシステムは、特に好ましく、機械を完全に再構成することなく、
生産ラインの種々のユニット作業を移動したり、他のモジュールと置き換えたり
することができる。 本発明の吸収性物品の構成要素は、本技術分野では公知の何れかの方法を用い
て組み立て、生産することができる。吸収性物品を生産するための高速機械及び
制御システムの例は、１９９３年８月１０日にＵｎｇｐｉｙａｋｕｌらに付与さ
れた米国特許第５，２３５，５１５号、１９９８年１０月６日にＡｌｉｋｈａｎ
らに付与された米国特許第５，８１７，３９４号、及び１９９８年１０月２８日
に公開された欧州公開特許出願８７３，２７４−Ａ１に例示されている。

【０１０３】 生産ラインは、フラフパルプを用いる場合には、粉砕繊維を生産するためのハ
ンマーミルを含むことができ、空気堆積ウェブ、コフォーム、機械的に柔軟にし
たパルプシート、ティシュウェブ等を含むロール形状の吸収性材料を供給しても
よい。同様に、吸収性物品の不織又はフィルム構成要素は、一般にロール形状で
供給される。ロール物品は、巻き戻され、打ち抜き、スリッタ、又は水ジェット
のような方法を用いて切断されて成形され、典型的には、スプレー接着剤により
もたらされた選択領域のオンライン結合を用いて、互いに適切な関係に配置され
た構成要素は、超音波ホーン又は加熱エンボス要素、又は他の本技術分野では公
知の結合手段に接触する。構成要素は、１つの作業から他の作業へ連続ベルトの
上を移動することができ、更に、真空ピックアップシュー、空気流、機械ペンチ
等で搬送されてもよい。

【０１０４】 例えば、吸収性物品の吸収性コアに適した幅の、空気堆積材料、コフォーム、
高密度化フラフパルプ、又はマイクロストレインドパルプシートの１つ又はそれ
以上のウェブを巻き戻すことができる。単一ロールの吸収性材料を細長く切って
、下部吸収性部材に用いるための幅広のストリップ及び単一の吸収層に用いるた
めの幅の狭いストリップにすることができる。中央吸収性部材は、別のロールの
吸収性材料、又は自由に流れる吸収性材料を閉じ込めた袋、又は所望の形状及び
大きさに切断した綿撒糸等の、別の供給源から供給されることが望ましい。下部
吸収性材料には、スリッタ、エンボスロール、機械式型押し手段、折れしわ線に
沿ってウェブを高密度化する熱又は超音波溶接機、機械式折り曲げ手段又はクリ
ーサ等を用いて、間隔をあけて配置された実質的に縦軸方向の折れしわ線が形成
される。下部吸収性部材は、機械方向に移動し、エンボス加工されたポリエチレ
ンフィルム、樹脂含浸又はサイズ処理したティシュウェブ、又は間隔をおいて配
置された開口部及び不透過性側部領域を有する穿孔フィルム又は不透過性ウェブ
等の、移動する障壁材料ウェブに接合される。障壁材料は、ロールから巻き戻さ
れ、案内手段ロール、回転バー、フォイル、チャネル、空気ジェット、真空スロ
ット又はシュー等により、下部吸収性部材上に案内され、それと接触関係になる
。液体透過性の入れ物に閉じ込められた自由に流れるニットの袋や、フラフパル
プの綿撒糸等の中央吸収性部材が準備され、個々の間隔を置いてウィッキング障
壁に接合する。単一の吸収層は、同様に吸収性材料のロールから巻き戻され、下
部吸収性部材、ウィッキング障壁、及び中央吸収性部材と同じ方向に移動してそ
れに接合され、望ましくは切断してサイズ処理され、個々の間隔を置いて中央吸
収性部材の上の中心に配置され、水平ウィッキング障壁を有する吸収性コアを形
成することが望ましい。

【０１０５】 次に、吸収性コアは、裏面シートと上面シートとの間に挟まれる。裏面シート
と水平ウィッキング障壁との間には、随意的に、中央起立部材を配置してもよい
。付加的な吸収層を吸収性コアに接合してもよい。 上面シート及び裏面シートは、共に切断され、物品のための適切な形状とされ
る。また、本技術分野では公知の方法を用いて、ウィング、接着剤テープストリ
ップ、機械ファスナ、カフス等を付加することもできる。 上部吸収性部材は、中央吸収性部材の上に重ねられる前に、カップ形状又は凸
形状に予備成形される。これは、空気堆積ウェブの成形表面に加えられた熱及び
圧力の組み合わせによるか、又は冷圧等により行うことができる。上部吸収性部
材は、連続的な形態で供給される必要はないが、個々の成型ユニットとして供給
してもよく、ここでは空気堆積材料又は湿式堆積材料が成形され、加熱又は乾燥
によって、成形体に結合して部材を予備成形するようになっている。次に、個々
のユニットは、上面シートが吸収性コアに付加される前に、公知の方法で搬送さ
れ、移動しながら中央吸収性部材に重ね合わせて、接合することができる。

【０１０６】 実施例 吸収性物品の実施例は、次の表１に記載した材料で製造される。 表１ 実施例の吸収性物品を組み立てるのに用いられる基本材料

【０１０７】 実施例は、概して図１及び図２により製造するが、例外は以下に記載されてい
り、特に記載しなければ表１に記載した材料を用いる。 実施例１において、裏面シートを幅８４ｍｍ、長さ２３８ｍｍのドッグボーン
形に切断した。下側吸収性部材は、約２００ｇｓｍ（グラム／平方メートル）の
フラフパルプの層であり、密度が約０．１ｇ／ｃｃ、幅７２ｍｍ、長さ２２６ｍ
ｍであり角の丸い長方形に切断し、裏面シートに接着して取り付け、中心合わせ
した。下部吸収性部材上には、裏面シートと同じ大きさに切断し、裏面シートに
接着して取り付けた、種々の実施形態における不透過性ウィッキング障壁又は透
過性ウィッキング障壁のいずれかを重ねた。ウィッキング障壁の上には、エンボ
ス加工せずに、長さ８２ｍｍ、幅３８ｍｍの卵形に切断された、密度が０．１４
ｇ／ｃｃのフラフパルプの６５６ｇｓｍの綿撒糸で構成された中央吸収性部材を
重ねた。上部吸収性部材は、坪量が２２８ｇｓｍで、幅４６ｍｍ、長さ２１２ｍ
ｍの楕円に切断したコフォームであった。裏面シートと同じ大きさに切断した上
面シートは、上部吸収性部材及び露出したウィッキング障壁に接着して取り付け
た。上面シートは、水平ウィッキング障壁の両面に接着剤を付着することにより
、裏面シートに結合した。裏面シートの衣類側には、長さ１９０ｍｍ、幅１５ｍ
ｍで、縦軸方向中心線の周りに中心合わせされ、約１０ｍｍの間隔をあけて配置
された２つの縦軸方向接着剤ストリップを設けた。裏面シートの縦軸方向端部に
は、ドッグボーンパターンの丸い突出部に中心合わせをされた、長さ１５、幅１
００ｍｍの接着剤の横軸方向ストリップを更に設けた。接着剤材料の上には、剥
離紙を付けた。

【０１０８】 実施例２において、卵形の綿撒糸を高密度化空気堆積ウェブの「ｅ」折り区域
に置き換えており、この区域は、坪量１７５ｇｓｍ、密度０．１ｇ／ｃｃで、１
１０ｍｍ×７０ｍｍの寸法に切断し、長手方向に垂直で均等に間隔をあけて配置
された２本の折れしわ線で折り曲げて幅４０ｍｍ、長さ７０ｍｍの「ｅ」折りウ
ェブを生成した区域であった。折り曲げを規定する折れしわ線は、物品の縦軸方
向の方向性を有するため、中央起立部材のｅ折り形状は、図３に示すように、横
の断面で明らかになる。

【０１０９】 前述の実施例は、説明を目的としており、本発明の範囲を限定するものではな
い。本発明の幾つかの例示的な実施形態が詳細に記載されているが、当業者には
、本発明の新規な教示内容及び利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実
施形態に多数の変更を行い得ることは容易に理解できる。従って、そのような全
ての変更は、請求の範囲及び全ての均等物で定義される本発明の範囲に含まれる
。更に、いくつかの実施形態、特に、好適な実施形態の利点の全てを達成するわ
けではない多数の実施形態を想到できるが、特定の利点が存在しないことが、必
ずしも、本発明の範囲外であることを意味すると解釈されるものでないことを理
解されたい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の生理用ナプキンの平面図を示す。

【図２】 図１の生理用ナプキンの断面図を示す。

【図３】 「ｅ」折り構造を有する中央起立部材を示す。

【図４】 横方向圧縮の種々の段階における中央起立部材を示す。

【図５】 中央吸収域に中央起立部材を有する生理用ナプキンを示す。

【図６】 上部吸収性部材に折線を有する吸収性物品の平面図を示す。

【図７Ａ】 中央起立部材の形状を示す。

【図７Ｂ】 中央起立部材の形状を示す。

【図８Ａ】 水平ウィッキング障壁の穴の配列を示す。

【図８Ｂ】 水平ウィッキング障壁の穴の配列を示す。

【図８Ｃ】 水平ウィッキング障壁の穴の配列を示す。

【図９】 中央吸収性部材の種々の形状を示す。

【図１０】 水平ウィッキング障壁の上に重ねられた厚い中央吸収性構成要素により形成さ
れた中央隆起を有する生理用ナプキンの一部を切り取った図を示す。

【図１１】 縦方向に延びる３つのポケットに分割された吸収性材料を有する中央吸収性部
材の横軸方向断面図を示す。

【図１２】 水平ウィッキング障壁が、水平ウィッキング障壁の縦軸方向側部に近接して、
縦軸方向の上向き突起を有する吸収性物品の横軸方向断面図を示す。

【図１３Ａ】 中央吸収性部材が異なる吸収性物品の１つの実施形態の縦軸方向断面図を示す
。

【図１３Ｂ】 中央吸収性部材が異なる吸収性物品の１つの実施形態の縦軸方向断面図を示す
。

【図１３Ｃ】 中央吸収性部材が異なる吸収性物品の１つの実施形態の縦軸方向断面図を示す
。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ４１Ｂ 13/02 Ｓ Ａ６１Ｆ 13/18 ３０３ ３０５ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，Ｃ Ａ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ， ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，Ｋ Ｅ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ， ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ベドナーズ ジュリー マリー アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54956 ニーナ リード ストリート 602 (72)発明者 ディパルマ ジョセフ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54956 ニーナ イースト ペッカム ス トリート 451 Ｆターム(参考） 3B029 BA04 BA15 BD14 BF03 BF04 BF05 4C003 AA03 AA12 AA21 4C098 AA09 CC02 CC03 CC05 CC07 CC08 CC10 CE12 DD02 DD03 DD05 DD06 DD10 DD12 DD13 DD16 DD19 DD21 DD22 DD23 DD24 DD25 DD26 DD28

Claims (61)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着用者の身体上で使用するための吸収性物品であって、前記
   吸収性物品は、縦軸方向中心線、横軸方向中心線、２つの縦軸方向側部、目標域
   、及び身体側を有し、 ａ）液体不透過性裏面シートと、 ｂ）前記裏面シートに取り付けられる液体透過性上面シートと、 ｃ）前記裏面シート上に配置され、前記目標域において、前記物品の前記縦軸方
   向中心線の反対側に所定の距離をあけて配置される、実質的に縦軸方向の一対の
   折れしわ線を備える下部吸収性部材と、 ｄ）前記下部吸収性部材上に配置される水平ウィッキング障壁と、 ｅ）前記目標域の前記折れしわ線間の前記距離より狭い幅をもち、前記水平ウィ
   ッキング障壁上に配置される中央吸収性部材と、 ｆ）縦軸方向側部を有し、前記目標域における幅が、前記中央吸収性部材の前記
   幅よりも広く且つ前記水平ウィッキング障壁の幅よりも狭くなっており、前記中
   央吸収性部材上に配置され且つ前記上面シートの下に配置される上部吸収性部材
   と、 を備えることを特徴とする吸収性物品。
2. 【請求項２】 前記上部吸収性部材の前記目標域での前記幅が、前記下部吸
   収性部材の前記折れしわ線間の前記距離よりも大きくないことを特徴とする請求
   項１に記載の吸収性物品。
3. 【請求項３】 前記上部吸収性部材が、前記下部吸収性部材の前記折れしわ
   線の間隔に対して重なり合う折れしわ線を備えることを特徴とする請求項１に記
   載の吸収性物品。
4. 【請求項４】 前記中央吸収性部材の厚さが約２ｍｍ又はそれ以上、前記目
   標域における幅が約２０ｍｍから約４０ｍｍの間、及び長さが約２５ｍｍから７
   ０ｍｍの間であることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
5. 【請求項５】 前記折れしわ線が、エンボスであることを特徴とする請求項
   １に記載の吸収性物品。
6. 【請求項６】 前記折れしわ線が、刻み線であることを特徴とする請求項１
   に記載の吸収性物品。
7. 【請求項７】 前記折れしわ線が、切断、スリット、穿孔、及びノッチから
   選択されることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
8. 【請求項８】 前記折れしわ線が、縦方向に約３０ｍｍ又はそれ以上延びて
   いることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
9. 【請求項９】 前記上部吸収性部材の縦軸方向の長さが、前記中央吸収性部
   材の長さよりも長いことを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
10. 【請求項１０】 中央起立部材を更に含むことを特徴とする請求項１に記載
    の吸収性物品。
11. 【請求項１１】 前記中央吸収性部材が、中央起立部材を含むことを特徴と
    する請求項１に記載の吸収性物品。
12. 【請求項１２】 前記中央起立部材が、吸収性ウェブを含むことを特徴とす
    る請求項１に記載の吸収性物品。
13. 【請求項１３】 前記中央起立部材の厚さが、横方向に圧縮される前では、
    約５ｍｍ又はそれ以下であることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
14. 【請求項１４】 前記目標域の前記水平ウィッキング障壁が、実質的に前記
    吸収性物品の周縁部まで延びていることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物
    品。
15. 【請求項１５】 前記水平ウィッキング障壁が、前記上部吸収性部材で覆わ
    れていない前記下部吸収性部材の全てを覆うことを特徴とする請求項１に記載の
    吸収性物品。
16. 【請求項１６】 前記水平ウィッキング障壁が、前記上部吸収性部材で覆わ
    れている領域に穿孔を有することを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
17. 【請求項１７】 前記ウィッキング障壁が、液体不透過性であることを特徴
    とする請求項１に記載の吸収性物品。
18. 【請求項１８】 前記ウィッキング障壁が、液体透過性であることを特徴と
    する請求項１に記載の吸収性物品。
19. 【請求項１９】 前記ウィッキング障壁が、ポリマーフィルムであることを
    特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
20. 【請求項２０】 前記ウィッキング障壁が、スパンボンドウェブ及びメルト
    ブローンウェブから選択されることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
21. 【請求項２１】 前記ウィッキング障壁が、疎水性作用物質で処理されたセ
    ルロースウェブを含むことを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
22. 【請求項２２】 前記中央吸収性部材が、それ自身の上に折り畳まれるウェ
    ブを含み、少なくとも前記ウェブの３層分の厚さを有することを特徴とする請求
    項１に記載の吸収性物品。
23. 【請求項２３】 前記中央吸収性部材が、折り畳まれて断面が実質的に「ｅ
    」字形状である弾性材料の区域を含むことを特徴とする請求項１に記載の吸収性
    物品。
24. 【請求項２４】 前記中央吸収性部材が、実質的に平らにされた管形状の弾
    性材料の区域を含むことを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
25. 【請求項２５】 前記中央吸収性部材の吸収容量が、流体約３ｍｌ又はそれ
    以上であることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
26. 【請求項２６】 前記吸収性部材の吸収容量が、流体約１０ｍｌ又はそれ以
    上であることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
27. 【請求項２７】 前記中央吸収性部材が、空気堆積セルロースウェブ及びフ
    ラフパルプのマットから選択された繊維ウェブを含むことを特徴とする請求項１
    に記載の吸収性物品。
28. 【請求項２８】 前記下部吸収性部材の厚さが、実質的に前記中央吸収性部
    材の厚さより薄いことを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
29. 【請求項２９】 前記中央吸収性物品の厚さが、湿潤時に実質的に増大する
    ことを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
30. 【請求項３０】 前記水平ウィッキング障壁が、前記裏面シートと一体にな
    っていることを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
31. 【請求項３１】 前記裏面シートが、前記下部吸収性部材の側部を包み、少
    なくとも前記水平ウィッキング障壁の一部を形成することを特徴とする請求項１
    に記載の吸収性物品。
32. 【請求項３２】 前記水平ウィッキング障壁が、複数のウェブ又はフィルム
    を含むことを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
33. 【請求項３３】 目標域、縦軸方向、横軸方向、前記縦軸方向及び横軸方向
    のいずれにも実質的に垂直である垂直方向、及び身体側を有する吸収性物品であ
    って、 ａ）液体不透過性裏面シートと、 ｂ）前記裏面シート上に配置される下部吸収性部材と、 ｃ）前記下部吸収性部材上に配置され、前記目標域において所定の幅を有する水
    平ウィッキング障壁と、 ｄ）前記水平ウィッキング障壁上に配置され、前記目標域において最大幅を有す
    る中央吸収性部材と、 ｅ）前記中央吸収性部材上に配置され、前記目標域における幅が、前記中央吸収
    性部材の前記目標域における前記最大幅より狭くなく、前記吸収性物品が横方向
    内向きに圧縮されると、上向きに反りやすくなっている上部吸収性部材と、 ｆ）裏面シートに結合されている液体透過性上面シートと、 を備えることを特徴とする吸収性物品。
34. 【請求項３４】 前記下部吸収性部材が、前記縦軸方向に延び、間隔をあけ
    て配置されている一対の折れしわ線を有することを特徴とする請求項３２に記載
    の吸収性物品。
35. 【請求項３５】 前記水平ウィッキング障壁が、間隔をあけて配置される一
    対の縦軸方向上向突起を含み、その間の距離が、前記目標域における前記上部吸
    収性部材の前記幅に等しいか又はそれよりも大きく、前記物品が前記目標域にお
    いて横方向内向きに圧縮されると、前記縦軸方向上向突起が、前記上部吸収性部
    材の前記縦軸方向側部に係合するようになっていることを特徴とする請求項１に
    記載の吸収性物品。
36. 【請求項３６】 前記下部吸収性部材が、前記横軸方向中心線に沿って離れ
    ており、間隔をあけて配置される２つの区域に分割されていることを特徴とする
    請求項３４に記載の吸収性物品。
37. 【請求項３７】 前記下部吸収性部材が、前記目標域で連続していることを
    特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
38. 【請求項３８】 前記中央吸収性部材が、熱可塑材料で補強されたセルロー
    ス繊維を含むことを特徴とする請求項１に記載の吸収性物品。
39. 【請求項３９】 前記中央吸収性部材が、湿潤：乾燥引張り強度比が少なく
    とも０．１であるセルロース繊維を含むことを特徴とする請求項１に記載の吸収
    性物品。
40. 【請求項４０】 前記中央吸収性部材の湿潤嵩高さが、約６ｃｃ／ｇ又はそ
    れ以上であることを特徴とする請求項１又は１に記載の吸収性物品。
41. 【請求項４１】 前記中央吸収性部材の湿潤嵩高さが、約１０ｃｃ／ｇ又は
    それ以上であることを特徴とする請求項１又は１に記載の吸収性物品。
42. 【請求項４２】 前記上部吸収性部材が、フォーム、フォーム−繊維複合体
    、及びフォーム構造繊維吸収性材料のうちの１つを更に含むことを特徴とする請
    求項１又は１に記載の吸収性物品。
43. 【請求項４３】 自由に流れる吸収性材料を更に含むことを特徴とする請求
    項１又は１に記載の吸収性物品。
44. 【請求項４４】 中空球体、小球、微孔マクロビーズ、又は吸収性球体の少
    なくとも１つを更に含むことを特徴とする請求項１又は１に記載の吸収性物品。
45. 【請求項４５】 前記中央吸収性部材が、繊維ニットを更に含むことを特徴
    とする請求項１又は１に記載の吸収性物品。
46. 【請求項４６】 前記下部吸収性材料には、中央空隙が設けられていること
    を特徴とする請求項１又は１に記載の吸収性物品。
47. 【請求項４７】 目標域を有する吸収性物品であって、 ａ）液体不透過性裏面シートと、 ｂ）前記裏面シート上に配置される下部吸収性部材と、 ｃ）前記下部吸収性部材を覆って配置され、前記目標域において所定の幅を有す
    る水平ウィッキング障壁と、 ｄ）前記水平ウィッキング障壁上に配置され、中央隆起を形成し且つ前記水平ウ
    ィッキング障壁と前記中央隆起との間に空隙空間を形成するように成形され、前
    記目標域における幅が、前記水平ウィッキング障壁の前記目標域における前記幅
    よりは広くない予備成形された上部吸収性部材と、 ｅ）前記予備成形された上部吸収性部材上に配置され、前記裏面シートに取り付
    けられている液体透過性上面シートと、 を備える吸収性物品。
48. 【請求項４８】 前記空隙空間内に配置される中央吸収性部材を更に含むこ
    とを特徴とする請求項４７に記載の吸収性物品。
49. 【請求項４９】 前記予備成形された上部吸収性部材が、熱可塑結合繊維を
    有する空気堆積セルロースウェブを含み、前記中央隆起が、前記空気堆積ウェブ
    を熱成型することにより形成されていることを特徴とする請求項４７に記載の吸
    収性物品。
50. 【請求項５０】 前記上部吸収性部材と前記水平ウィッキング障壁との間に
    中央吸収性部材を更に含むことを特徴とする請求項４７に記載の吸収性物品。
51. 【請求項５１】 前記中央吸収性部材が、繊維ニットを含むことを特徴とす
    る請求項４９に記載の吸収性物品。
52. 【請求項５２】 前記予備成形された上部吸収性部材が、フォームを含むこ
    とを特徴とする請求項４７に記載の吸収性物品。
53. 【請求項５３】 前記上部吸収性部材及び前記下部吸収性部材の両者が、前
    記吸収性物品が前記目標域で横方向内向きに圧縮される間に、上向きに反るよう
    になっていることを特徴とする請求項１、１、又は請求項４７のいずれか１項に
    記載の吸収性物品。
54. 【請求項５４】 縦軸方向中心線と、前記縦軸方向中心線に実質的に垂直な
    横軸方向中心線とを有する吸収性物品を製造する方法であって、 ａ）裏面シートを作製する段階と、 ｂ）前記裏面シート上に、前記物品の前記横軸方向中心線に沿って所定の幅を有
    し、縦軸方向の折れしわ線を備える、実質的に平らな下部吸収性部材を配置する
    段階、 ｃ）前記下部吸収性部材を覆って水平ウィッキング障壁を配置する段階と、 ｄ）前記水平ウィッキング障壁を覆って、前記物品の前記縦軸方向中心線に関し
    て実質的に中心合わせされ、前記物品の前記横軸方向中心線に沿う幅が、前記下
    部吸収性部材の前記幅よりも実質的に狭い中央吸収性部材を配置する段階と、 ｅ）前記中央吸収性部材を覆って、前記物品の前記横軸方向中心線に沿う幅が、
    前記中央吸収性部材の前記幅よりも広い上部吸収性部材を配置する段階と、 ｆ）前記上部吸収性部材上及び前記下部吸収性部材上に上面シートを配置する段
    階と、 ｇ）前記上面シートを前記裏面シートに固定する段階と、 を含む方法。
55. 【請求項５５】 前記水平ウィッキング障壁が、前記下部吸収性部材を実質
    的に覆うことを特徴とする請求項５４に記載の方法。
56. 【請求項５６】 前記水平ウィッキング障壁に穿孔を設ける段階を更に含む
    ことを特徴とする請求項５４に記載の方法。
57. 【請求項５７】 目標域を有する吸収性物品を製造する方法であって、 ａ）液体不透過性裏面シートを作製する段階と、 ｂ）前記裏面シート上に下部吸収性部材を配置する段階と、 ｃ）前記下部吸収性部材を覆って、前記目標域において所定の幅を有する水平ウ
    ィッキング障壁を配置する段階と、 ｄ）上部吸収性部材を予備成形して、中央隆起を有する予備成形された上部吸収
    性部材を形成する段階であって、前記中央隆起を平らな表面から離して配置した
    状態で前記予備成形された上部吸収性部材を前記平らな表面上に置くと、前記中
    央隆起の下に空隙空間が形成されるようになった段階と、 ｅ）前記中央隆起を前記水平ウィッキング障壁から離した状態で前記水平ウィッ
    キング障壁を覆って上部吸収性部材を配置する段階と、 ｆ）前記予備成形された上部吸収性部材を覆って上面シートを配置する段階と、
    ｇ）前記上面シートを前記裏面シートに取り付ける段階と、 を含む方法。
58. 【請求項５８】 前記水平ウィッキング障壁と前記予備成形された上部吸収
    性部材との間に、中央吸収性部材を配置する段階を更に含むことを特徴とする請
    求項５７に記載の方法。
59. 【請求項５９】 前記予備成形された上部吸収性部材を予備成形する前記段
    階が、エンボス加工、熱エンボス加工、及び型押しの１つ又はそれ以上により行
    われることを特徴とする請求項５７に記載の方法。
60. 【請求項６０】 前記予備成形された上部吸収性部材を予備成形する前記段
    階が、成形表面に空気堆積ウェブを形成することにより行われることを特徴とす
    る請求項５７に記載の方法。
61. 【請求項６１】 前記予備成形された上部吸収性部材を予備成形する前記段
    階が、フォーム、フォーム−繊維複合物、及びフォーム構造繊維吸収性材料の１
    つを成型することにより行われることを特徴とする請求項５７に記載の方法。