JP2003532364A - トリ始原生殖細胞(pgc)細胞系とその長期間培養法 - Google Patents

トリ始原生殖細胞(pgc)細胞系とその長期間培養法

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Abstract

(57)【要約】 トリPGCを組織培養中で長期間維持するための培養系を提供する。この培養系は、LIF、bFGF、IGF−IおよびSCFを使用する。得られたPGCは、トランスジェニックおよびキメラのトリ、特にニワトリまたは七面鳥を産生する上で有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) この発明は、トリ始原生殖細胞(PGC)、特にニワトリのPGCを組織培養中
で長期間維持するための新しい方法を提供するものである。このようなPGCは
、希望するDNA配列、例えばヒト遺伝子などを挿入するために利用することが
できる。これらの培養PGC、およびそれから作成したトランスジェニックPG
Cを利用して、キメラトリ、特にキメラニワトリを産生することができる。
【0002】 (発明の背景) 近年、キメラ、クローンおよびトランスジェニック動物の産生に関する数多く
の研究が行なわれている。
【0003】 特に、家畜種のゲノム改良が積極的に進められており、過去20年間に様々な
成功例が得られている。例えば、トランスジェニックなブタ、ウシ、およびニワ
トリを産生するために、このような研究が行なわれている。現在産生されている
トランスジェニック動物の大部分は、目的とする遺伝子を含有するDNA構築物
を単細胞の胚に直接マイクロインジェクションするという方法によって得られた
ものである。しかし、マイクロインジェクションの技術が成功したとしても、こ
のような方法はコストが高く効率も悪いことが多いという欠点をもつ。
【0004】 最近、「ノックアウト」マウスの産生のための胚幹(ES)細胞技術が成功し
たため、家畜種のES細胞および始原生殖細胞(PGC)のための組織培養系を
開発する研究に焦点が当てられている。未分化のES細胞を連続培養として維持
することができれば、このような細胞をin vitroでトランスフェクトし
たり、理想的にはキメラ動物を産生するために発育中の胚の内部細胞塊に移す前
にトランスフェクトした細胞の中で希望の遺伝子を含有する細胞を選別したりす
ることが可能となる。理想的には、このようにして産生したキメラ動物のうち少
なくとも一部でよいから、生殖系列を通じてDNA構築物を分泌し、それによっ
てトランスジェニックな子孫を残すことができるのが望ましい。現時点では、他
の動物種の中に標的とするDNAを組み込ませる技術はまだ限られている。しか
し、この分野における研究は進歩途上であり、遠からず認められるはずである。
【0005】 特に、キジおよびニワトリに関しては経済上かなりの重要性があるため、その
ゲノムを改良するための研究が盛んに行なわれている。3年前に、トランスジェ
ニックなニワトリを産生するための研究の進行状況をほぼ完全にまとめた総説が
発表された(Sang,Trends in Biotech,12:415−
420(1994))。これに述べられているように、トランスジェニックなニ
ワトリを産生するための方法として主に2種類の経路が検討されている。これら
の方法の相違は、ゲノムに操作を加える時期の違い、すなわち、産卵の前か後か
の違いである。後者の方法として、供与体のESおよびPGCを受容体の胚に移
すというものがある。さらに、どちらの経路の場合にも、目的とする遺伝子を含
有するレトロウイルスベクターによって供与細胞を感染させることで成功してい
る研究がほとんどである。
【0006】 最初のアプローチは、産卵の前にゲノムに操作を加えるというものだが、結果
はよくわからない、かつ/または無効なものであった。例えば、卵巣中の卵母細
胞の感染(Shuman,and Shoffner,Poultry Sct
.,65:1437−1494(1986))やプラスミドDNAを加えた精子
のプレインキュベーション(Gruenbaumら、J.Cell.Bioch
em Supp.,15:194(1991))は無効であり、繰り返されてい
ない。また、リポフェクションによる精子細胞のプラスミド構築物トランスフェ
クションが確認されている(Squires and Drake,Anim.
Biotech.、4:71−78 1993)。しかし、生殖系列による伝達
については報告されていない。
【0007】 また、胚盤中にDNAを直接マイクロインジェクションした後胚を培養すると
いう手法も報告されており、生きたトランスジェニックなキメラトリが0.1%
の割合で発生し(Sang,W.,Trends in Biotech.,1
2:415−42(1992))、1匹のトリがその子の3.4%にトランスジ
ーンを伝達する(Loveら、Bio/Technology,12:60−6
3(1994))という結果であった。これと同じアプローチがNaitoら(
J.Reprd.Fertil.,102:321−325(1994))によ
っても行われた。しかし、やはり生殖系列によるトランスジーンの伝達は報告さ
れなかった。
【0008】 2番目のアプローチは、産卵後にゲノムの操作を行なうもので、こちらの方が
良好な結果が得られている。産卵された卵に複製能のあるレトロウイルスベクタ
ーを注射することによって産生されたキメラトリでは、その子の1%から11%
に生殖系列伝達が起こることが示されている(Salterら、In Mani
pulation of the Avian Genome,Etches,
RJら、編。138−150ページCRC Press(1993))。複製能
のないレトロウイルスベクターを用いて産卵された卵に注射する方法により、さ
らに有望な結果が得られており、8%の雄のキメラトリが発生し、2〜8%の頻
度でベクターを子に伝達した(Bosselmanら、Science、243
:535−535(1989))。
【0009】 しかし、トランスフェクションを促進することで知られた物質の存在下でプラ
スミド構築物を産卵された卵に注射するという試みは、安定して組み込まれた構
築物あるいはトランスジェニックなトリを産生することができずに失敗した(R
osenblum and Cheng,J.,Cell Biochem S
upp.,15E208(1991))。一般に、トランスジェニックなニワト
リを産生するためにレトロウイルスベクターを使用するという手法には多大な欠
点があるため、あまり広く行なわれていない。その欠点とは、安定して導入され
ることのできるクローニング挿入配列の大きさには制限があることであり、さら
に重大な欠点は内在するウイルス遺伝子座または他のトリ白血病ウイルスとの間
で組み替えを起こす可能性があるということである。
【0010】 このような方法のすべてに伴って起こる重大な問題は、ニワトリのESおよび
PGCのための長期間培養系を確立するのが比較的困難であるという事実である
。発明者の知る限りでは、トリPCGを培養してキメラトリの産生に成功した例
の最長培養期間は5日未満であると思われる。
【0011】 以前のPGC培養法では、増殖因子、特にLIFまたはIGF−1が使用され
ていた。しかし、前述のようにこのような方法によっては長期間の培養を行なう
ことができず、トランスジェニックPGCの産生を容易にできるであろうと考え
られるため共通の懸念となっている。
【0012】 長期間培養を達成する上での問題点はあるが、ESおよびPGCの両方の細胞
を使用して、複製能をもつ、あるいはもたないレトロウイルスベクターによって
これらの細胞を感染させることによりキメラを産生することに成功している。さ
らに、上述のように、採取した直後の胚盤葉細胞を受容体である胚に注射するこ
とにより、キメラ生殖腺をもつトリを産生することができた(Carsienc
eら、Devel.、117:669−675 1993))。胚盤葉細胞はリ
ポフェクションによって効率よくトランスフェクトされ、その後受容体である胚
に移すことができる。しかし、トランスフェクトした細胞の生殖系伝達について
は報告されていない。
【0013】 また、Painら、Devel.,122:2329−2398(1996)
は最近、胚盤葉細胞から採取した推定上のニワトリES細胞の存在を確認してい
る。彼らはさらに、これらの細胞のESの表現型を失うことなく(マウスES細
胞に対するモノクローナル抗体によって定義)35代目まで培養中で確実に維持
することができた、と報告した(Id.)。これらの細胞は一見、トリ胚への伝
達によってPGCに発育し、生殖腺中に定着するように見える。しかし、彼らは
これらの細胞が本当にES細胞であるかどうか明確には実証しなかった。
【0014】 マウスのESモノクローナル抗体がニワトリのES細胞との間に交差反応性を
有することは、種を越えたES受容体の保存を主張する上で有利な証拠となるか
もしれない。また、これらの研究者は7日目の培養胚盤葉細胞を注射することに
よって2羽のニワトリを産生することにも成功しているため、彼らの系の中にE
S細胞が存在したことが示唆されるとの主張があるかもしれない。しかし彼らは
、自分達の複雑な培養系の中にPGCが存在していたという可能性を除外しなか
った。したがって、この長期ES培養系に関しては多能性および生殖系列伝達に
ついてのさらなる検討を行なうべきである(Id.)。
【0015】 ES細胞を産生するためのもう1つの経路は、PGCである。PGCを分離し
供与体から受容体の胚に移すための手法が開発され、キメラニワトリの産生に成
功し、供与体の遺伝子型が生殖系列によって伝達された(Vickら、Lond
on Ser.B,251:179−182(1993)、Tajimaら、T
heriogenology,40:509−519(1993))。さらに、
PGCを凍結保存し、後に解凍してキメラトリの産生に成功した例もある(Na
itoら、J.Reprod.Fertil.,102:321−325(19
94))。しかし、この系は非常な労力を要し、胚1個当たり平均でわずか50
〜80個のPGCしか得られない。レトロウイルスベクターによってPGCを感
染させる手法も報告されている。しかし、現時点では、トランスフェクトしたP
GCの選別を容易にするためにPGCを培養中で長期間生育させることには成功
していない。したがって、上述のように、PGCを培養するための改良法に対す
る本分野での需要が非常に高いのは明らかである。
【0016】 (発明の目的) この発明の目的は、これまでに知られている技術の問題点を解決することであ
る。
【0017】 この発明の具体的な目的は、トリ始原生殖細胞(PGC)を組織培養中で長期
間培養するための新しい方法を提供することである。
【0018】 この発明のさらに具体的な目的は、キジ目、特にニワトリの始原生殖細胞(P
GC)を組織培養中で長期間培養するための新しい方法を提供することである。
【0019】 この発明の別の目的は、組織培養中で長期間培養したトリ始原生殖細胞を利用
してキメラのトリ、望ましくは家禽、そして最も望ましくはニワトリまたは七面
鳥を産生することである。
【0020】 この発明の別の目的は、組織培養中で長期間培養したトリ始原生殖細胞の中に
希望する核酸配列を導入することである。
【0021】 この発明のさらに別の目的は、培養中で長期間維持したトリ始原生殖細胞に希
望する核酸配列を導入し、それを利用してトランスジェニックなキメラトリ、望
ましくはトランスジェニックなキメラニワトリまたは七面鳥を産生することであ
る。
【0022】 この発明のさらに別の目的は、このようなトランスジェニックキメラトリ、望
ましくはキジ目、そして最も望ましくはニワトリを利用して、それに導入した細
胞中に含まれる核酸配列によりコードされる異種蛋白質を産生することである。
このような蛋白質は、トランスジェニックなキメラトリ、特にトランスジェニッ
クなキメラニワトリの卵から回収するのが望ましい。これとは別に、このような
蛋白質をキメラトリから直接採取する、例えば血液やその他の組織から分離する
等の手段も可能である。
【0023】 (発明の簡単な説明) 前述のように、この発明はトリ(ニワトリ)の始原生殖細胞(PGC)を組織
培養中で長期間、すなわち最低14日間、さらに望ましくは最低25日間、そし
て理想的には無限に維持するための新しい方法を提供するものである。
【0024】 この発明以前には、トリPGCを約5日間以上維持するための組織培養中で維
持する方法は報告されていない(キメラトリの産生能によって実証)。この発明
の発明者は、慎重な研究を重ねた結果、少なくとも以下の増殖因子:白血病阻止
因子(LIF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、幹細胞因子(SCF
)およびインシュリン様増殖因子(IGF−I)を含有する培養液を使用するこ
とによりトリ始原生殖細胞、特にニワトリの始原生殖細胞を長期間、すなわち最
低14日間にわたって、そして組織培養中ではさらに長期間にわたって維持し増
殖させ得るという驚くべき事実を発見した。さらに、このようにして得られたP
GCはキメラニワトリを産生す上で有用であることも実証された。
【0025】 また、これらのPGCはトランスジェニックなトリPGCを産生するためにも
有用であるはずで、それによってトランスジェニックなキメラトリを産生するこ
とが可能である。このようなトランスジェニックキメラトリは、異種蛋白質の回
収のために有用であると思われ、このようなキメラトランスジェニックトリの卵
から直接回収できるのが望ましい。例えば、このようなトリは治療用に使用する
蛋白質や他のポリぺプチドを産生し回収するために利用できる。
【0026】 (発明の詳細な説明) このように、この発明はトリPGCを組織培養中で5日間以上維持できなかっ
たこれまでのPGC培養方法に伴う問題点を解消するものである。特に、この発
明の発明者は、以下に示す4種類の増殖因子を少なくとも含有する培養液を使用
することによって、トリPGC、望ましくはキジ目のPGC、そして最も望まし
くはニワトリのPGCが組織培養中で長期間、すなわち最低14日間、さらに望
ましくは最低25日間、そしてさらに長期間にわたって維持することが可能であ
る、という驚くべき事実を発見した: 白血病阻止因子(LIF)、幹細胞因子(SCF)、インシュリン様増殖因
子(IGF−I)および塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)。
【0027】 全般的に、今回の培養方法は以下の工程から成るものである: (i)供与体であるトリ胚からPGCを分離する;そして (ii)このようにして分離したトリPGCを、その増殖を長期間、すなわち最
低14日間、組織培養中で促進するために有効な量のLIF、bFGF、SCF
およびIGF−Iを含有する培養液中で培養する。長期間とは、先に定義したよ
うに14日間以上の培養期間をさす。
【0028】 供与体であるトリ胚から始原生殖細胞を分離するための方法は文献中に報告さ
れており、本分野の専門家であれば容易に実施することができる(例えば、19
93年9月7日発行JP 924997、公開第05−227947号;Cha
ngら、Cell Biol.Int.,19(2):143−149(199
2);Naitoら、Mol.Reprod.Devel.,39:153−1
61(1994);Yasudaら、J.Reprod.Fert.,96:5
21−528(1992);およびChangら、Cell Biol.Int
.Reporter,16(9):853−857(1992)を参照。これら
はすべて参考文献中にその全体を記載する)。
【0029】 この発明の発明者は、約53時間インキュベートしたニワトリ卵(胚発育の1
2−14期)からトリPGCを分離し、そこから胚を除去し、その背側大動脈か
ら胚血液を採取した後、適切な細胞培養培地(M199培地)に移すという方法
をとった。次にこのPGCをフィコール密度遠心によって精製し、増殖因子を含
有する本発明の培養培地10μl中に再懸濁した。しかし、上述のように、PG
Cを分離するための方法は他にも知られており、別の様々な手段を用いることが
できる。
【0030】 次に、分離したPGCを計測し、手作業で分離する(例えばピペットを使用し
て)。その後、これらの複数のトリ胚から採取したPGCを集め(PGCの数を
増やすため)、増殖因子を含有する本発明の培地中でインキュベートする。
【0031】 以後「完全」培地と呼ぶこの培養液は、PGCおよび胚幹細胞用の培地に一般
に含まれる成分と共に、LIF、bFGF、SCFおよびIGF−Iを含有する
。具体的には、本発明の「完全」培地は、よく知られた市販の細胞増殖用培地で
あるα−MEMに上記の4種類の増殖因子を添加し、10%のウシ胎児血清、2
mMのL−グルタミン、0.56%の抗生物質/抗真菌剤、34.56mMの2
−βメルカプトエタノール、1.0U/μlのLIF、40.0pg/μlのb
FGF、60.0pg/μlのIGF−Iおよび80.0pg/μlのSCFを
含有するのが望ましい。
【0032】 現時点までに実施された実験に基づき、この濃度がこれらの増殖因子の濃度と
して適当であると考えられる。しかし、以下に述べるように、これらの増殖因子
の量は組織培養中で維持されるPGCにより変動する可能性がある。特に、これ
らの増殖因子のそれぞれの量を増やしても悪影響が出ないことが知られている。
さらに、例えば他のトリのPGCを培養する際などには、この最適量を変更して
もよい。
【0033】 既に述べたように、この発明の発明者は基本培地として、よく知られた市販の
組織培養用培地α−MEMを使用した。しかし、これら4種類の必須増殖因子が
存在していれば、別の培地を使用してもかまわない。申請者は特に、ウシ胎児血
清には未特定の、および変動しやすい成分が含まれているため、今回の「完全」
培地からウシ胎児血清を除いて改良しようと試みている。
【0034】 また、申請者は支持細胞を使用せずにPGCを培養したが、支持細胞も有用で
はないかと考えている。特に、線維芽細胞、望ましくはトリの線維芽細胞、そし
て最も望ましくはキジ目の線維芽細胞(さらに望ましくはニワトリの線維芽細胞
)を使用することによって、4種類の増殖因子が存在していれば、PGCを組織
培養中で維持することができると思われる。さらに、これらの増殖因子をコード
する遺伝子によってこの支持細胞をトランスフェクトすることにより、培養の間
にこれらの増殖因子を外部から添加する必要性を消失させることができるかもし
れない。この細胞がこれら増殖因子の恒久的な供給源になると考えられる(この
ためには、これらの増殖因子の遺伝子とその分泌を起こす配列を強力な構成プロ
モーターの制御下に置き、それによってこれらの増殖因子が培養PGCに供給さ
れるようにすればよい)。
【0035】 既に述べたように、これらの因子の量とは、トリPGC、望ましくはキジ目の
PGC、そして最も望ましくはニワトリまたは七面鳥のPGCを組織培養中で長
期間培養することができる量のことである。
【0036】 これら増殖因子の量は以下の範囲内であることが望ましい:
【0037】 LIFは0.1U/μlから100.0U/μl、より望ましくは1.0から
10.0U/μl、そして最も望ましくは1.0から2.0U/μl;
【0038】 IGF−Iは6.0pg/μlから6000.0pg/μl、より望ましくは
重量で60.0pg/μlから600.0pg/μl、そして最も望ましくは6
0.0pg/μlから120.0pg/μl;
【0039】 SCFは重量で8.0pg/μlから8000pg/μl、より望ましくは8
0.0pg/μlから重量で800.0pg/μl、そして最も望ましくは80
.0pg/μlから160.0pg/μl;および
【0040】 bFGFは4.0pg/μlから4000.0pg/μl、より望ましくは重
量で40.0pg/μlから400.0pg/μl、そして最も望ましくは40
.0pg/μlから80.0pg/μl。
【0041】 上記の範囲の中で、上限は本発明にとって決定的に重大なものではなく、主に
コストよって決まる(増殖因子の製造には高額の費用がかかるため)。
【0042】 しかし、例えばα−MEMを他の増殖用培地に変えたり他の種類のトリPGC
を培養したりするような場合には、これらの推奨範囲が変動する可能性がある。
【0043】 既に述べたように、これらのPGCを培養中で長期間維持することができ、キ
メラトリの産生に成功している。現時点では、約4ヵ月間にわたって細胞を組織
培養中で維持しており、見かけ上悪影響はないようである。また、25日間まで
培養した細胞がトリ胚生殖腺を効率よく定着させキメラトリを産生し得るかどう
かの検討も行なっている。しかし、キメラトリの産生能を保持したままこれらの
細胞を無期限に培養できることが期待される。
【0044】 キメラを産生するために使用する方法は、先に述べたこれまでの技術によって
証明されており、この分野ではよく知られている。以下の例の中で公開する方法
に従って受容体であるトリ胚中にPGCを移すのが望ましい。その後、生殖腺中
におけるPGCの移動および定着、PGC表現型の保持に基づいて、あるいは孵
化および繁殖の後に生殖腺中に供与体のPGCが存在するかどうか探すことによ
って、キメラ産生に成功したかどうか評価する。
【0045】 今回の例において発明者は、体色に影響を及ぼすため追跡が容易な表現型を選
択した。供与体のトリは白色のブロイラー種、受容体のトリは羽毛の黒い鳥であ
り、それぞれ特異的な遺伝子型を有していた。キメラと推定される鳥は黒色の羽
毛であり、黒色の鳥と交配した時に黒色/白色の子が生まれた。キメラと推定さ
れる鳥と別の黒色の鳥とを交配した後、黒色/白色の子が生まれたことによって
、キメラの産生が成功したことが実証された。
【0046】 第2の戦略として、横縞ロック鳥を受容体として用い、白色の羽毛をもつ鳥を
供与体として用いた。一部横縞の羽毛をもつ白色の子が生まれたことに基づき、
キメラと推定される鳥の確認を行なった。
【0047】 しかし、本発明の方法は、キメラ形成によって希望するあらゆる特徴を導入す
るために応用できるはずである。これはもちろん、移したPGCの遺伝子型の特
性に依存するであろう。
【0048】 既に述べたように、培養中で長期間維持できる本発明のPGCの重要な応用分
野は、キメラトリの産生である。これは、希望するDNA配列を培養したPGC
に導入することによって可能となる。受容体細胞の中にDNAを導入するための
手段はよく知られており、リポフェクション、トランスフェクション、マイクロ
インジェクション、トランスフォーメーション、マイクロプロジェクト技術など
多くの手法がある。特に、本発明の発明者は、リポーター遺伝子を含有するベク
ターを導入するための手段としてまずリポフェクションを選択した。しかし、一
時的にトランスフェクトされたPGCは産生されたが、安定してトランスフェク
トされている細胞株は現時点ではまだ分離されていない。しかし、本発明のPG
Cを利用して既知の技術を用いることにより、これが可能となることが期待され
る。
【0049】 トリにおいて操作が可能な配列の制御下で、希望する遺伝子、例えば治療用ポ
リペプチド、増殖因子、酵素などをコードするDNAを導入するのが望ましい。
このような制御配列は、真核生物由来、最も望ましくはトリ、例えばニワトリの
制御配列であることが望ましい。トリ細胞において操作可能なプロモーター、例
えばトリ遺伝子またはウイルスに由来するプロモーターは、本分野においてよく
知られている。
【0050】 最初に、希望する蛋白質を産生する安定した細胞系を分離し、キメラ産生のた
めに利用する。また、挿入したDNAを含む細胞をより簡単に識別するために、
導入するDNAには発現が容易に検出できるマーカーDNAが含まれていること
が望ましい。このように選別可能なマーカーはよく知られており、β−ラクタマ
ーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼなどが挙
げられる。
【0051】 このようにして得られたトランスジェニックPGCをトリ胚中に注射すること
によって、トランスジェニックなキメラトリが得られる。次に、希望する蛋白質
をこれらのトランスジェニックなトリの卵から回収し、それによって蛋白質の連
続供給源を得ることが望ましい。これとは別に、例えば、全身循環系から分離す
るなど、キメラトリから直接蛋白質を回収することも可能である。
【0052】 (例) 以下に記載する実験においては、次の材料および方法を使用した。
【0053】 (材料および方法) (動物) 白色の(E/EおよびI/I)ブロイラー型のニワトリをPGCの供与体とし
て用い、長期間PGC培養系を開発した。受容体の胚として優性の黒色羽毛(E
/−およびi/i)ニワトリ系統と横縞(E/Eおよびi/i)ロック系統の2
種類を鳥を使用した。白色ブロイラー(WB)型のPGCを注射した優性の黒色
鳥をE/−(WB)と表し、白色ブロイラー型のPGCを注射した横縞ロック鳥
をBR(WB)とする。
【0054】 (PGCの抽出) PGC抽出のために、第13〜14期の胚を選択した。PGCは、Naito
ら、Mol.Reprod.Dev.,37:167−171(1994)の報
告に従い、細いマイクロピペットを用いて背側大動脈から採集した。20個の胚
から採取したPGCを、10%ウシ胎児血清添加Hanks溶液中に集め、フィ
コール密度勾配遠心によって濃縮した(Naitoら、Mol.Reprod.
Dev.,39:153−171(1994))。PGCの計数を行ない、PG
Cが1滴(10μl)当たり約100個になるよう培養液(DMEM、種々の量
の増殖因子を含有)1滴(10μl)中に懸濁した。培養液の水滴の上に滅菌し
た白色鉱物油を重層した。
【0055】 (受容体胚へのPGCの注射) 第14〜15期の胚を受容体胚として使用した。卵を適当な表面上に置いた後
、発育中の胚が自然に静止卵の上側に来るまで放置した。細い鉗子によって、卵
殻に約10mm以下の小さい「窓」を開けた。抗生物質4%添加したリン酸緩衝
液を添加しながら、胚を表面近くにもってきた。胚の心臓が見えるようになるま
で発育させると、辺縁静脈および/または背側大動脈が容易に識別できた。0.
04%トリパンブルーを含有する培地2μl中に懸濁した200個の供与体PG
Cをマイクロピペット中に入れた。PGCを受容体胚の背側大動脈中に注射した
。不活性の細胞染料であるトリパンブルーによって、PGC懸濁液が注入される
様子を見ることができた。注射の後、卵殻の開口部を外科用テープで閉じ、パラ
フィンで補強した。加湿CO2インキュベーター中で24時間卵を監視した後、
通常のインキュベーターに移して孵化させた。
【0056】 (PGCの生体蛍光染色) PGC注入の成否かつ/または生殖腺への移動能について評価するために、P
GCをDiI蛍光染料によって染色した。注入してから24時間後に胚を採取し
、ぺトリ皿上に置いて、表面蛍光分析装置を取り付けた倒立顕微鏡下で観察した
【0057】 (PGCの培養条件) 各種濃度のヒト白血病阻止因子(Lif)、ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(
bFGF)、ヒトインシュリン様増殖因子(IGF−I)およびヒト幹細胞因子
(SCF)を用いて検討した。同様に、マイトマイシン処理したニワトリ線維芽
細胞およびマウスSTO細胞による支持層の検討も行なった。
【0058】 (PGC長期間細胞培養のための培地) 以後の実験で使用した完全細胞培養液の組成は次のとおりであった:α−ME
M(BioWhittaker,Walkersville,MD,Cat#1
2−169F)、10%ウシ胎児血清(Hyclone,Logan,UT,C
at#30070.03)、2mML−グルタミン(Sigma,St.Lou
is,MO,Cat#G7513)、0.48%抗生物質/抗真菌剤(Sigm
a,St.Louis,MO,Cat#A7972)、132μM2βメルカプ
トエタノール(GIBCO−BRL,Grand Island,NY,Cat
2195−023)、0.00625U/μlの白血病阻止因子(LIF)、
0.25pg/μlの塩基性線維芽細胞増殖因子(b−FGF)、0.5625
pg/μlのインシュリン様増殖因子(IGF−I)および4.0pg/μlの
幹細胞因子(SCF)(Genzyme,Cambridge,MA,LIF、
bFGF、IGF−IおよSCFの各Cat#1999−01、1208−00
、FG1211−1および1833−01)。培地の交換は1日おきに行ない、
5μlの培地を除去して2倍濃度の新しい培地を5μl添加した。連続培養にお
いてある程度の期間が経過すると増殖因子が不安定になると推測して、このよう
な手順をとった。しかし、実際の結果は、増殖因子の濃度が2倍になっている。
このため、最終培地には以下の濃度の増殖因子が含まれている:白血病阻止因子
(LIF)0.0125U/μl、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)0.
5pg/μl、インシュリン様増殖因子−I(IGF−I)1.125pg/μ
lおよび幹細胞因子(SCF)8.0pg/μl。ここに記載する濃度範囲の増
殖因子は、連続培養においてPGCの維持および増殖を促進する。さらに、上記
の濃度においてもこれらの細胞は生存し増殖し得ることが後から明らかになった
。(また、上述の培地において増殖因子を変更できることも後から明らかになっ
た。特に、上に述べたように、始原生殖細胞培養を維持するために特に適してい
る培養液は、上記と同様の成分であり、LIF、IGF−I、SCFおよびbF
GFの量が以下のものである: LIF:1.0unit/μl bFGF:40.0pg/μl SCF:80.0pg/μl IGF−I:60.0pg/μl。)
【0059】 このような培養条件を用いると、PGCは採取後3〜4日以内に大きく、集密
状態の、緩く付着した細胞集塊を形成する(集塊の中には数百個の細胞を含むも
のもある)ことが明らかになった。7日目の終わりには、集塊の中に死細胞が多
数存在するようになり、細胞破片がその周囲を取り囲む。PGC集塊は4週間ま
で生存し、単層細胞となる。1,2および3週間後に集塊を解離させ、生体染料
DiIによって染色した後、受容体である胚に移した。3時点の細胞はいずれも
、一部の受容体胚の生殖腺中で検出された。細胞の数と、生殖腺中で染色したP
GCが見られた胚の数は、PGC培養の経過日数に反比例していた。
【0060】 (受容体胚へのPGCの注入) PGC注入のために、解剖顕微鏡下で受容体である卵を水平に置いた。卵の内
圧を下げ漏出を防ぐために、卵の気室に小さい穴を開けた。卵の側面に10mm
の窓を開け、胚が卵殻の窓の高さよりもやや低い位置に上がって来るまで、穴か
ら4%抗生物質/抗真菌剤を添加したPBS〜1mlを注射した。PGCを注射
するために30μmのピペットを傾け、マイクロフォージを用いて研いたエッジ
により細かい点ができるよう引っ張った。以下の記載に従って解離させた、胚1
個当たり200個の注入用PGCをニードルピペットおよび吸引チューブを用い
て手作業で吸引した。注入の前にピペットの中で、PGCをトリパンブルー染料
の0.04%溶液と混合した。胚当たりの総注入容積は2μlであった。最終段
階として、受容体である胚の辺縁静脈の位置が見えるように置き換えた。PGC
の入ったニードルピペットを挿入し、内容物を注意深く押し出した。ニードルピ
ペットを数秒間そのままの位置に置いた後、取り出した。受容体である卵を2重
にした外科用テープでふさぎ、その後全面にパラフィンワックスを塗布した。受
容体卵を回転式インキュベーターの中に戻し、孵化までインキュベートした。
【0061】 (PGC表現型の評価) ニワトリのPGCは過ヨウ素酸シッフ染色(PAS)に陽性であり、アルカリ
性ホスファターゼにも陽性であると言われている。しかし、ニワトリのPGCが
後者に陽性であることの確実な証拠は得られていない。ニワトリPGCの特徴解
析のために代わりとなる酵素法または分子マーカー法はないため、細胞を受容体
胚中に注入し発育中の胚の生殖腺にそれらが存在するかどうか評価することによ
って表現型の分析を行なった。この方法では、受容体胚に注入する前に、100
μg/mlのDiIを添加したα−MEM培地中で培養し、すすぎを行なう必要
があった。注入してから24時間後に受容体胚を取り出し、倒立顕微鏡下に置い
た。生殖腺中にDiIで標識した細胞が観察されれば、PGCの生殖腺への移動
が成功したと解釈でき、PGCの特徴が保持されたことが確認できる。PGC表
現型の保持について評価するためのもう1つの方法として、受容体胚を孵化させ
、生育させた後、生殖腺中に供与体のPGCが存在するかどうか検討するという
手段も採用した。
【0062】 (PGC評価のための交配方法) 2種類の交配方法を用いた。第1の方法では、受容体としてi/i、E/E、
s/s、b/bの遺伝子型をもつ可能性のある黒色羽毛の鳥を用い、供与体とし
てI/I、E/E、S/S、B/Bの遺伝子型をもつ白色羽毛のブロイラー型の
鳥を用いた。受容体の動物がキメラであることを証明するため、すなわち生殖腺
中に自身のPGCと供与体のPGCが含まれることを証明するために、純血の黒
色羽毛鳥と交配した。生まれた子のすべてが黒色羽毛であれば、その動物はキメ
ラではないと推定される。しかし、一部黒色羽毛斑のある白色羽毛の子が少数で
も生まれた場合には、受容体動物はキメラであると考えられる。第2の方法は、
横縞ロック鳥を受容体胚として使用し、供与体はやはり白色羽毛のブロイラー型
鳥を使用するというものであった。後者の場合、キメラと推定される鳥を純血の
横縞ロック鳥と交配し、一部横縞羽毛のある白色羽毛の子が生まれればキメラト
リであることが確認される。キメラと推定される各鳥から生まれた50羽の子に
ついて、キメラであるかどうかの結論を下した。
【0063】 (子の検査) キメラと推定されるE/−(WB)鳥をWB鳥と交配した結果、供与体(WB
)のPGCに由来するものであれば純血種の白色鳥が発生し、(E/−)PGC
に由来するものであれば黒色斑のある白色羽毛鳥が発生した。同様に、BR(W
B)をWB鳥と交配した場合、供与体(WB)PGCに由来するものであれば純
血の白色鳥が発生し、(BR)PGCに由来するものであれば白色斑のある黒色
鳥が発生した。キメラと推定されるBR鳥の間での交配も行なった。この場合、
(WB)PGC同士で受精した結果白色のニワトリが発生し、(BR)PGC同
士の受精の結果は黒色のニワトリが発生した。黒色斑のある中間の白色羽毛鳥が
発生したのは、(BR)PGCを(WB)PGCと受精させた場合のみであった
【0064】 (25日以上の長期間培養) 連続培養が25日間以上経過すると、PGCの集塊は速やかに広がる単層を形
成する。この細胞単層は、平坦な付着基部とゆるい集塊、および表面上のPGC
様細胞の鎖をもつ。これらの細胞単層の一部は、PAS陽性であり続ける。これ
らの単層から採取したDiI染色細胞を、受容体である胚に移した。生殖腺中に
少数の細胞が局在する胚もいくつか存在した。細胞単層の継代は成功している。
一般に、これらの細胞は3〜5回の継代を重ねることができ、その後増殖速度が
遅くなり、老化し、線維芽細胞の様相を呈するようになる。連続培養において約
4ヶ月間、多数の継代を行なっても見かけ上分化することなく増殖し続ける細胞
系は少ししか存在しない。
【0065】 単層から採取した2種類の細胞系、P102896およびP110596を凍
結保存した。前者は見かけ上分化せず、アルカリ性ホスファターゼに対してわず
かに陽性を示したが、後者はニューロン細胞の形態を示し、アルカリ性ホスファ
ターゼに対して強い陽性であった。ここに述べたPGC単層は、分化全能性およ
び多能性に関するさらなる特徴づけを行なう必要がある。
【0066】 (結果の要約) 採取直後および凍結保存したPGCから、キメラニワトリが発生した。採取直
後のPGCを注入することによって産生したキメラニワトリと推定される34羽
のうち25羽(74%)が、子の検査の後、真のキメラ動物であることが証明さ
れた。凍結保存したPGCの注入によって産生したキメラトリと推定される34
羽のうち30羽(88%)が、真のキメラニワトリであることが実証された。ど
の場合も最低40羽の子が生まれ、受精させた供与体PGCの数はキメラトリ1
匹当たり1.4%から100%の範囲であり、大半は30%から60%の範囲で
あった。後者は注入後に生殖腺に移動したPGCの数を反映するものであると考
えると、1回の注入当たりの成功の範囲は変動が大きかったと言える。しかし、
受容体の生殖腺中で定着するPGCの数に影響を及ぼす別の機序が働いた可能性
もある。本研究では、このような機序についての検討は行なわなかった。また、
平均すると、キメラトリの子の雌雄比に有意な変化は認められなかった。
【0067】 (PGCの培養条件) 本研究では、支持細胞層によってPGCの長期間培養条件が改善されることは
なかった。どの増殖因子も、研究に用いたいずれの濃度においても、単独ではP
GCをin vitroで分化させることなく維持させることはできなかった。
2種類および3種類の増殖因子の組み合わせについても検討したが、ほとんど成
功しなかった。我々の結果に基づき、PGCの長期間培養のためには前述の4種
類の因子すべて(LIF、BFGF、IGF−IおよびSCF)が必要であると
考えられる。我々は引き続き上述の増殖因子の濃度および組み合わせを変えて検
討を行なっており、PGCの長期間培養のために最良と思われる条件を模索して
いる。PGCのDiI染色から、我々の培養条件下において、14日目の連続培
養から採取したPGCが注入後に受容体胚の生殖腺に移動することが認められた
。また、25日間培養中で維持したPGCを3個の受容体胚中に注入した。これ
らの胚のうち1個は、子の検査によりキメラであることが判明した。
【0068】 (長期間培養条件下でのPGC表現型) PGCを採取した後、その大きさと細胞質中の油滴の存在とによって確認する
。採取後約48時間でPGCは互いに凝集し、集塊のサイズおよび集塊のトリプ
シン分解後に観察される細胞数とが増えることから、分裂を開始することが証明
される。集塊を形成するPGCだけが生存し、他はすべて死ぬ。一般に、100
個のPGCから培養を開始すると、7日間以内に平均600〜800個のPGC
となる。明らかに分裂するPGCが存在するが、効率のよい割合ではない。しか
し、既に述べたように、これらのPGCは生殖腺に移動する能力を維持している
【0069】 (25日以上の長期間培養) 連続培養が25日間以上経過すると、PGCの集塊は速やかに広がる単層を形
成する。この細胞単層は、平坦な付着基部とゆるい集塊、および表面上のPGC
様細胞の鎖をもつ。これらの細胞単層の一部は、PAS陽性であり続ける。これ
らの単層から採取したDiI染色細胞を、受容体である胚に移した。生殖腺中に
少数の細胞が局在する胚もいくつか存在した。細胞単層の継代は成功している。
一般に、これらの細胞は3〜5回の継代を重ねることができ、その後増殖速度が
遅くなって老化し、繊維芽細胞の様相を呈するようになる。連続培養において約
4ヶ月間、多数の継代を行なっても見かけ上分化することなく増殖し続ける細胞
系は少ししか存在しない。
【0070】 単層から採取した2種類の細胞系、P102896およびP110596を凍
結保存した。前者は見かけ上分化せず、アルカリ性ホスファターゼに対してわず
かに陽性を示したが、後者はニューロン細胞の形態を示し、アルカリ性ホスファ
ターゼに対して強い陽性であった。ここに述べたPGC単層は、分化全能性およ
び多能性に関するさらなる特徴づけを行なう必要がある。
【0071】 特に、上記4種類の増殖因子を使用して最低25日間培養したPGCは、生殖
腺にうまく定着してキメラニワトリを発生させ得ることが示された。また我々は
、PCG細胞を培養中で4ヵ月間まで維持している。このような長期間培養であ
っても、目的とするPGC表現型をもつ細胞をまだ含有していると思われる。こ
れらの細胞に関してキメラトリを産生し得るかどうかは検討しなかったが、その
外観から判断して、その目的のために有用であるはずである。
【0072】 (PGCトランスフェクション) 緑色蛍光蛋白質レポーター遺伝子を含有するベクターのリポフェクションを用
いて、PGCのトランスフェクションを行なった。平均1/50のPGCが一時
的にトランスフェクトされたが、安定したトランスフェクト細胞系はまだ確立さ
れていない。
【0073】 まとめとして、これらの結果から、PGCを長期間維持することができ、キメ
ラトリの産生に利用可能であることが示される。増殖因子の濃度をさらに変え、
他の増殖因子を使用することによって、培養条件がさらに向上する可能性がある
。PGC培養系が有用となるためには、PGCの生殖腺への移動能を維持しなが
ら、トランスフェクションおよび選別が可能でなければならない。また、関連申
請書中に詳細を公開したように(同日提出)、ニワトリのPGCは、1998年
3月に、長期培養の後、マウスのPGCの場合と同様(Matsuiら、Cel
l,70:841−847、1992)ES細胞の表現型に戻っている。このよ
うに、離散させたES細胞を受容体である胚盤葉に注射する方法は、キメラおよ
びトランスジェニックなニワトリを産生するための別の手段として有用なはずで
ある。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年8月30日(1999.8.30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/02 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ポンス ド レオン、エフ、アベル アメリカ合衆国 ミネソタ、セントポー ル、 フォルウェル アベニュー 2180 (72)発明者 ブラックウェル、キャサリン アメリカ合衆国 マサチューセッツ、ウォ レン、 カルター ロード 285 (72)発明者 ガオ、ザイウ、イイング アメリカ合衆国 マサチューセッツ、エ ス、ディアフィールド、 ワード アベニ ュー 14 (72)発明者 ロブル、ジェームズ、エム アメリカ合衆国 マサチューセッツ、ベン チャータウン、 オールド エンフィール ド ロード 196 (72)発明者 スタイス、スチーブン、エル アメリカ合衆国 マサチューセッツ、ベン チャータウン、 アマースト ロード 468 (72)発明者 ジェリー、ディ、ジョセフ アメリカ合衆国 マサチューセッツ、シャ テスベリー、ダブリュ、ペルハム ロード Fターム(参考) 4B024 AA10 CA04 DA02 EA04 GA03 GA08 GA23 4B064 AG01 CA10 CA19 CA20 CC24 DA11 4B065 BC03 BC50

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に記載の工程から成るトリ始原生殖細胞を長期間維持す
    るための培養方法: (i)対象となるトリから始原生殖細胞を分離する;および (ii)当該PGCを組織培養中で長期間維持するために十分な量の以下の増殖
    因子を少なくとも含有する培養液中で当該始原生殖細胞を培養する: (1) 白血病阻止因子(LIF)、 (2) 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、 (3) 幹細胞因子(SCF)および (4) インシュリン様増殖因子(IGF−I)、長期間培養のため。
  2. 【請求項2】 当該増殖因子の最低量が以下の範囲であることが望ましい、
    請求項1に記載の方法: (1) LIF 0.1U/μlから100.0U/μl (2) bFGF 4.0pg/μlから4000pg/μl (3) IGF−I 6.0pg/μlから6000.0pg/μl、および (4) SCF 8.0pg/μlから8000pg/μl。
  3. 【請求項3】 当該増殖因子の量が以下の範囲であることがさらに望ましい
    、請求項2に記載の方法: (1) LIF 1.0U/μlから10.0U/μl (2) bFGF 40.0pg/μlから400.0pg/μl (3) IGF−I 60.0pg/μlから600.0pg/μl、および (4) SCF 80.0pg/μlから800.0pg/μl。
  4. 【請求項4】 当該トリPGCをキジ(Gallinacea)属のトリか
    ら入手する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 当該PGCがニワトリのPGCまたは七面鳥のPGCである
    請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 当該PGCが培養液中で少なくとも14日間維持される請求
    項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 当該PGCが培養液中で少なくとも25日間維持される請求
    項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 当該PGCが培養液中で少なくとも4ヶ月間維持される請求
    項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 以下の工程をさらに含有する請求項1に記載の方法: (iii)得られたPGCを希望する核酸配列によってトランスフェクトまたは
    トランスフォームする。
  10. 【請求項10】 当該核酸配列が治療のためのポリペプチドをコードする請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 以下に記載の工程から成るキメラトリを産生するための改
    良法: (i)トリから始原生殖細胞を分離する; (ii)少なくとも以下の増殖因子を含有する組織培養液中でこのPGCを維持
    する; (1) 白血病阻止因子(LIF)、 (2) 塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、 (3) 幹細胞因子(SCF)および (4) インシュリン様増殖因子(IGF−I); (iii)当該PGCを受容体であるトリ胚に移す;そして (iv)希望するPGC表現型をもつキメラトリを選択する。
  12. 【請求項12】 当該PGCをキジ属のトリの胚から採取する請求項11に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 当該トリ胚が七面鳥またはニワトリの胚である請求項12
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 PCGを受容体であるトリ胚に移す前に希望する核酸配列
    によりPGCをトランスフェクトまたはトランスフォームする請求項11に記載
    の方法。
  15. 【請求項15】 当該核酸配列が治療のためのポリペプチドをコードする請
    求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 (iv)の工程に基づいて生産したキメラトリの卵から当
    該治療用ポリペプチドを精製することをさらに含有する請求項15に記載の方法
  17. 【請求項17】 PGCを受容体であるトリ胚の背側大動脈かつ/または辺
    縁静脈中、あるいは受容体の胚盤葉中に注射する請求項11に記載の方法。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の方法で培養することにより得られたトリ
    PGC細胞系。
  19. 【請求項19】 ニワトリまたは七面鳥のPGC細胞株である請求項18に
    記載の細胞系。
  20. 【請求項20】 挿入した核酸配列を含有する請求項18に記載の細胞系。
JP2000505275A 1997-08-04 1998-08-04 トリ始原生殖細胞(pgc)細胞系とその長期間培養法 Pending JP2003532364A (ja)

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