JP2003527814A - ヒトカルシウム調節タンパク質 - Google Patents

ヒトカルシウム調節タンパク質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトカルシウム調節タンパク質(CaREG)と、それを同定しコードするポリヌクレオチドとを提供する。また、本発明は、発現ベクター及び宿主細胞、抗体、アゴニスト、アンタゴニストを提供する。更に、本発明は、CaREGの発現に関連する疾患の診断または治療方法、予防方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の技術分野 本発明は、カルシウム調節タンパク質の核酸配列及びアミノ酸配列、並びにこ
れらの配列を用いた、神経疾患及び心血管疾患、癌の診断及び治療、予防に関連
する。
【0002】 発明の背景 殆ど全ての真核細胞において、カルシウム(Ca2+)は、多様な細胞プロセスに
おける細胞内シグナル伝達分子として機能する。この細胞プロセスには、細胞増
殖及び神経伝達物質の分泌、グリコーゲン代謝、筋収縮が含まれる。休止細胞内
のサイトゾルのCa2+濃度は、10−7M未満である。しかしながら、細胞が神経
インパルスや成長因子などの外部からのシグナルによって刺激されると、サイト
ゾルのCa2+濃度は50倍に高まる。このCa2+の流入は、細胞膜Ca2+チャンネルが
開くこと、及び小胞体などの細胞内貯蔵部からのCa2+の遊離による。Ca2+は、プ
ロテインキナーゼCなどの調節酵素を直接活性化させ、シグナル伝達経路を生じ
させる。Ca2+はまた、特定のCa2+結合タンパク質に結合して、酵素及び膜輸送ポ
ンプ、イオンチャンネルを含む多数の標的タンパク質を活性化させる。
【0003】 Ca2+結合タンパク質の中には、1つ以上のEFハンドCa2+結合モチーフを持つも
のもある(Reviewed in Celin, M. R.他 (1996) Guidebook to the Calcium-Bind ing Proteins , Oxford University Press, New York, NY, pp. 15-20.)。EFハン
ドモチーフは、αへリックスに隣接した12個のアミノ酸からなる。酸性塩基は
、通常は、1及び3、5、7、9、12の位置に保存され、グリシンは、6の位
置に保存される場合が多い。39のファミリーに分類できる少なくとも250以
上のEFハンドタンパク質が、様々な組織で確認された。例えば、S100αは、ヒト
心臓から単離されたS100タンパク質ファミリーのメンバーである(Celio 他. 前
出, pp. 135-136; Engelkamp, D. 他 (1992) Biochemistry 31:10258-10264.)。
S100αメッセンジャーRNAの発現は、心臓及び骨格筋、脳に限られている。S100
αは、通常、血清からは検出できないが、病状の進行状態に相関する或るレベル
の腎癌の患者の血清から検出できる。更に、心筋梗塞を起こした後、血清におけ
るS100αのレベルは上昇する。
【0004】 その他のCa2+結合タンパク質には、小胞体(ER)におけるCa2+の隔離及びタン
パク質の折り畳みに関与するものもある。例えば、Ca2+結合タンパク質1及び2
(それぞれCaBP1及びCaBP2)は、タンパク質ジスフィルド異性化酵素であって、
2つ及び3つのチオレドキシン様活性化部位をそれぞれ有する(Fullekrug, J.
他 (1994) J. Cell Sci. (1994) 107:2719-2727; Van, P. N. 他 (1993) Eur. J
, Biochem. 213:789-795.)。それぞれの活性化部位は、可逆的な酸化還元反応に
直接関与する2つの不変のシステインを含む。CaBP1及びCaBP2は、ジスフィルド
結合の高次化及び異性化を触媒して、ERの新生タンパク質の折り畳みを促進し得
る。常在性である可溶性のERのタンパク質の全てと同様に、CaBP1及びCaBP2はそ
れぞれ、ER内に留まるために必要なC末端KDEL/KEELテトラペプチドを含む。
【0005】 他のCa2+結合タンパク質には、Ca2+依存性リン脂質結合タンパク質の広範なフ
ァミリーを構成するアネキシンが含まれる(Celio 他、前出, pp. 181-184.)。中
心ドメイン反復の数が変化するという特徴をもつ、構造的に異なる11のアネキ
シンのクラスがある。アネキシンの正確な機能ははっきりとはわかっていないが
、研究結果から、細胞内のシグナル伝達及び小胞輸送、細胞骨格機能に関与して
いると思われる。
【0006】 Ca2+結合タンパク質による細胞内のCa2+のレベルの調節は、神経シグナル伝達
及び筋収縮に必須である。特に、細胞内のカルシウムの増加は、急性梗塞につな
がる心筋虚血を含む心血管障害の主な原因となる。現在行われている心筋虚血の
治療は、心筋及び血管平滑筋細胞へのカルシウムの流入の遮断である。
【0007】 新規のCa2+調節タンパク質及びそれらをコードするポリヌクレオチドの発見に
より、神経疾患及び心血管疾患、癌の診断及び治療、予防に有用な新規の組成物
を提供することで当分野のニーズに答えることができる。
【0008】 発明の要約 本発明は、新規のCa2+調節タンパク質(CaREG)及びそれをコードするポリヌ
クレオチドの発見、並びに神経疾患及び心血管疾患、癌の診断及び治療、予防に
おけるこれらの組成物の使用に関する。
【0009】 本発明は、個別にはそれぞれ「CaREG-1」、「CaREG-2」、総称して「CaREG」
と呼ぶCa2+調節タンパク質である実質的に精製されたポリペプチドを提供する。
本発明の一実施態様では、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる
一群から選択されたアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチドを提供
する。
【0010】 更に本発明は、SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2のアミノ酸配列、またはこれらの
配列の任意の断片と少なくとも1つと90%以上のアミノ酸同一性を有する実質
的に精製された変異体を提供する。本発明はまた、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及
びそれらの断片からなる一群から選択されたアミノ酸配を含むポリペプチドをコ
ードする単離され実質的に精製されたポリヌクレオチドを提供する。また、SEQ
ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から選択されたアミノ酸配
列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと少なくとも70%以上の
ポリヌクレオチド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異
配列を提供する。
【0011】 更に、本発明は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群か
ら選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと
厳密な条件の下でハイブリダイズする単離され精製されたポリヌクレオチドを提
供する。また、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から選
択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと相補
的な配列を含む単離され精製されたポリヌクレオチドとを提供する。
【0012】 本発明はまた、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びそれらの断片からなる一群から
選択されたポリヌクレオチド配列を含む単離され精製されたポリヌクレオチドを
提供する。また、本発明は、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びそれらの断片からな
る一群から選択されたポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド配列と70
%以上のポリヌクレオチド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオ
チド変異配列を提供する。また、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びそれらの断片か
らなる一群から選択されたポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドと相補
的な配列を有する単離され精製されたポリヌクレオチドを提供する。
【0013】 本発明は更に、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から
選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの少
なくとも1つの断片を含む発現ベクターを提供する。別の実施態様では、発現ベ
クターは宿主細胞内に含まれる 本発明はまた、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から
選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを製造する方法であって、(a)ポ
リペプチドの発現に好適な条件の下、そのポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドの少なくとも1つの断片を有する発現ベクターを含む宿主細胞を培養する
過程と、(b)その宿主細胞の培地からそのポリペプチドを回収する過程とを含
む製造方法を提供する。
【0014】 本発明はまた、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から
選択されたアミノ酸配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを含む医薬品
組成物を好適な医薬用担体と共に提供する。
【0015】 更に本発明は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から
選択されたアミノ酸配列を含むポリペプチドと結合する精製された抗体を提供す
る。また、そのポリペプチドの精製されたアゴニスト及びアンタゴニストも提供
する。
【0016】 本発明はまた、神経疾患の治療または予防方法であって、そのような処置が必
要な患者にSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から選択さ
れたアミノ酸配列を有する実質的に精製されたポリペプチドを含む医薬品組成物
を効果的な量投与することを含む、神経疾患の治療または予防方法を提供する。
【0017】 本発明はまた、心血管疾患の治療または予防方法であって、そのような処置が
必要な患者にSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から選択
されたアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチドを含む医薬品組成物
を効果的な量投与することを含む、心血管疾患の治療または予防方法を提供する
【0018】 本発明はまた、癌の治療または予防方法であって、そのような処置が必要な患
者にSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から選択されたア
ミノ酸配列を含むポリペプチドのアンタゴニストを効果的な量投与することを含
む、癌の治療または予防方法を提供する。
【0019】 本発明はまた、核酸を含む生物学的サンプルにおいて、SEQ ID NO:1、 SEQ ID
NO:2及びそれらの断片からなる一群から選択されたアミノ酸配列を含むポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドを検出する方法であって、(a)SEQ ID N
O:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群から選択されたアミノ酸配列を
含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の相補配列を、前記生物学
的サンプルの少なくとも1つの核酸とハイブリダイズして、ハイブリダイゼーシ
ョン複合体を形成する過程と、(b)そのハイブリダイゼーション複合体を検出
する過程とを含み、そのハイブリダイゼーション複合体の存在と前記生物学的サ
ンプルにおけるそのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存在とが相関
性を有する、検出方法を提供する。本発明の一実施態様では、ハイブリダイゼー
ションの前にポリヌクレオチドを増幅する過程を含む。
【0020】 本発明の記載について 本発明のタンパク質及び核酸配列、方法について説明する前に、本発明は、こ
こに開示した特定の装置及び材料、方法に限定されず、その実施形態を変更でき
ることを理解されたい。また、ここで用いられる用語は、特定の実施例のみを説
明する目的で用いられたものであり、後述の請求の範囲によってのみ限定され、
本発明の範囲を限定することを意図したものではないということも理解されたい
【0021】 本明細書及び請求の範囲において単数形を表す「或る」、「その(この等)」
は、文脈で明確に示していない場合は複数形を含むことに注意されたい。従って
、例えば「或る宿主細胞」は複数の宿主細胞を含み、その「抗体」は複数の抗体
は含まれ、当業者には周知の等価物なども含まれる。
【0022】 本明細書で用いた全ての科学技術用語は、別の方法で定義されていない限り、
本発明の属する技術分野の一般的な技術者が普通に解釈する意味と同じである。
本明細書で記述したものと類似、或いは同等の全ての装置及び材料、方法は本発
明の実施及びテストに使用できるが、好適な装置及び材料、方法をここに記す。
本明細書に記載の全ての文献は、本発明に関連して使用する可能性のある文献に
記載された細胞系、プロトコル、試薬、ベクターを記述し開示するために引用し
た。従来の発明を引用したからと言って、本発明の新規性が損なわれると解釈さ
れるものではない。
【0023】 定義 本明細書において「CaREG」とは、天然、合成、半合成或いは組換え体など全
ての種(特にウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ウマ及び好ましくは人類を含む哺乳
動物)から得られる実質的に精製されたCaREGのアミノ酸配列またはそれらの変
異体のことである。
【0024】 本明細書において「アゴニスト」とは、CaREGと結合したとき、CaREGの効果を
増大する、或いはその持続時間を延長する分子のことである。このアゴニストに
は、CaREGに結合してその効果を変調するタンパク質、核酸、糖質、任意の他の
分子を含み得る。
【0025】 本明細書において、「アレル変異配列」とは、CaREGをコードする遺伝子の別
の形である。アレル変異配列は、核酸配列における少なくとも1つの変異によっ
て生じ、変異mRNA若しくは変異ポリペプチドになり、これらの構造や機能は
変わる場合もあれば変わらない場合もある。天然或いは組換え体のすべての遺伝
子には、アレル形が存在しないもの、1つ或いは多数存在するものがある。一般
にアレル変異配列を生じる変異は、ヌクレオチドの自然な欠失、付加、或いは置
換による。これらの各変異は、単独或いは他の変異と同時に起こり、所定の配列
内で一回或いはそれ以上生じる。
【0026】 本明細書において、CaREGをコードする「変異」核酸配列とは、様々なヌクレ
オチドの欠失、挿入、或いは置換が起こっても、CaREGと同じポヌクレオチド或
いはCaREGの機能特性の少なくとも1つを備えるポリペプチドのことである。こ
の定義には、CaREGをコードするポリヌクレオチド配列の正常の染色体の遺伝子
座ではない位置でアレル変異配列と不適当或いは予期せずハイブリダイゼーショ
ン、及びCaREGをコードするポリヌクレオチドの特定のオリゴヌクレオチドプロ
ーブを用いて、容易に検出可能な或いは検出困難な多形性を含む。コードされた
タンパク質も変異され得り、サイレント変化を生じCaREGと機能的に等価となる
アミノ酸残基の欠失、挿入、或いは置換を含み得る。意図的なアミノ酸置換は、
生物学的或いは免疫学的にCaREGの活性が保持される範囲で、残基の極性、電荷
、溶解度、疎水性、親水性、及び/または両親媒性についての類似性に基づいて
成され得る。たとえば、負の電荷をもつアミノ酸は、アスパラギン酸及びグルタ
ミン酸を含み得り、正の電荷をもつアミノ酸は、リジン及びアルギニンを含み得
り、そして近い親水性値をもち非電荷極性頭基を有するアミノ酸は、ロイシン、
イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリ
ン、トレオニン、フェニルアラニン及びチロシンを含みうる。
【0027】 本明細書において「アミノ酸」或いは「アミノ酸配列」とは、オリゴペプチド
、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質配列及びその断片であり、天然の分
子または合成された分子である。CaREGの断片である「断片」及び「免疫原性断
片」、「抗原性断片」は、好ましくはアミノ酸約5〜約15個の長さであり、最
も好ましくはアミノ酸14個の長さであり、CaREGのある生物学的活性または免
疫学的活性を保持する。ここでは、「アミノ酸配列は自然発生タンパク質分子の
アミノ酸配列であるが、アミノ酸配列及び類似の用語は、列記したタンパク質分
子に関連する完全で元のままのアミノ酸配列に限定されるわけではない。
【0028】 本明細書において用語「増幅」とは、核酸配列の付加的な複製を生成すること
に関連する。一般にはこの技術分野では周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
技術を用いて行われる(例えば、Dieffenbach, C.W.及びG.S. Dveksler (1995) P
CR Primer, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press,Plainview, NY,
pp. 1-5.を参照)。
【0029】 本明細書において、「アンタゴニスト」とは、CaREGと結合したとき、CaREGの
生物学的または免疫学的活性の効果の程度を低下させたり、その持続時間を短縮
する分子である。アンタゴニストは、タンパク質、核酸、糖質、抗体またはCaRE
Gの効果を減少させるの他の分子である。
【0030】 本明細書において「抗体」とは、Fab及びF(ab')2、及びそれらの断片、Fv
断片などの無傷の分子であり、抗原決定基と結合可能である。CaREGポリペプチ
ドと結合する抗体は、抗体を免疫する目的の小ペプチドを含む無傷の分子または
その断片を用いて調整可能である。動物(例えば、マウス、ラット、若しくはウ
サギ)を免疫化するのに使用されるポリペプチド或いはオリゴペプチドは、RN
Aの翻訳から引き出されたり化学的に合成され得り、必要に応じて担体プロテイ
ンと結合することも可能である。ペプチドと化学的に結合した一般に用いられる
担体は、ウシ血清アルブミン、チログロビン、及びキーホールリンペットヘモニ
アン(KLH)を含む。次ぎに、この結合したペプチドを用いて動物を免疫化す
る。
【0031】 本明細書において「抗原決定基」とは、特定の抗体と接触する分子のフラグメ
ント(即ちエピトープ)である。タンパク質或いはタンパク質の断片が、宿主動
物を免疫化するのに用いられるとき、このタンパク質の種々の領域は、抗原決定
基(タンパク質上の所定の領域或いは三次元構造体)に特異的に結合する抗体の
産生を誘発し得る。抗原決定基は、抗体と結合するために無傷の抗原(即ち、免
疫応答を引き出すために用いられる免疫原)と競合し得る。
【0032】 本明細書において「アンチセンス」とは、特定の核酸配列のセンス鎖と相補的
な核酸配列を含む全ての組成物である。アンチセンス分子は、合成や転写を含む
任意の方法で作り出すことができる。相補的ヌクレオチドは、一度細胞に導入さ
れると、細胞によって作られた天然の配列と結合して二重鎖を形成し、転写や翻
訳を阻害する。「マイナス(−)」という表現はアンチセンス鎖と言え、「プラ
ス(+)」という表現はセンス鎖と言える。
【0033】 本明細書において「生物学的活性」とは、自然発生分子の構造的、調節的、或
いは生化学的機能を有するタンパク質のことである。同様に、「免疫学的に活性
」とは、天然或いは組換え体のCaREG、合成のCaREGまたはそれらの任意のオリゴ
ペプチドが、適当な動物或いは細胞の特定の免疫応答を誘発して特定の抗体と結
合する能力のことである。
【0034】 本明細書において「相補的」若しくは「相補性の」とは、許容の塩と許容の温
度条件の下で、塩基対の形成によってポリヌクレオチドが自然に結合することで
ある。例えば、配列「A−G−T」と相補的な配列「T−C−A」と結合する。
2つの一本鎖分子間の相補性は、幾つかの核酸が結合するのみの部分的な場合、
或いは一本鎖間に完全な相補性が存在して完全な相補性となる場合があり得る。
核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率及び強度
に大きな影響を与える。このことは、核酸鎖間の結合に左右される増幅反応、並
びにペプチド核酸(PNA)分子の設計若しくは使用において特に重要である。
【0035】 本明細書において「所定のポリヌクレオチド配列を含む組成物」または「所定
のアミノ酸配列を含む組成物」とは広い意味で、所定のヌクレオチド配列或いは
アミノ酸配列を含む任意の組成物のことである。この組成物は、乾燥した製剤或
いは水溶液、無菌組成物を含み得る。CaREG若しくはCaREGの断片をコードするポ
リヌクレオチド配列を含む組成物は、ハイブリダイゼーションプローブとして使
用され得る。このプローブは、凍結乾燥状態で保存可能であり、糖質などの安定
化剤と結合可能である。ハイブリダイゼーションにおいて、プローブは、塩(例
えば、NaCl)及び界面活性剤(例えば、SDS)、その他の物質(例えば、
デンハート液、乾燥ミルク、サケ精子DNA等)を含む水溶液に展開され得る。
【0036】 本明細書において「コンセンサス配列」とは、不要な塩基を分離するために再
配列された核酸配列であって、XL−PCRTM(Perkin-Elmer, Corp., Norwa
lk, CT)を用いて5'及び/または3'の方向に延長されて再配列された核酸配列
、或いはGELVIEW Fragment Assembly system(GCG, Madison, WI)などのフラグ
メントの構築のためのコンピュータプログラムを用いて2つ以上のインサイトク
ローン社の重複配列から構築された核酸配列のことである。延長及び構築の両方
によってコンセンサス配列に構築されるものもある。
【0037】 本明細書において「ポリヌクレオチドの発現と相関性を有する」とは、ノーザ
ン分析によるCaREGをコードする核酸配列と同じ或いは関連する核酸の検出が、
サンプル内のCaREGをコードする核酸の存在を示すことから、CaREGをコードする
ポリヌクレオチドからの転写物の発現と相関性を有することを意味する。
【0038】 本明細書において「欠失」とは、1個以上のアミノ酸残基若しくは核酸残基が
欠如するアミノ酸配列若しくは核酸配列の変化である。
【0039】 本明細書において「誘導体」とは、ポリペプチド配列またはポリヌクレオチド
配列の化学修飾のことである。ポリヌクレオチド配列の化学修飾には、例えば、
アルキル基、アシル基、或いはアミノ基による水素の置換がある。誘導体ポリヌ
クレオチドは、自然分子(未修飾の分子)の生物学的或いは免疫学的機能を少な
くとも1つ保持するポリペプチドをコードする。誘導体ポリペプチドとは、もと
のポリペプチドの生物学的機能、或いは免疫学的機能を少なくとも1つ保持する
、グリコシル化、ポリエチレングリコール化、或いは任意の同様のプロセスによ
って修飾されたものである。
【0040】 本明細書において「類似性」とは、相補性の程度を表すものである。これには
、部分的類似性と完全な類似性とがあり得る。この「同一性」は「類似性」とも
言える。同一の配列が標的の核酸とハイブリダイゼーションするのを少なくとも
部分的に阻止する部分的に相補的な配列は、「実質的に同様」と呼ばれる。完全
に相補的な配列と標的の配列とのハイブリダイゼーションの抑制は、厳密性を低
下させた条件の下ハイブリダイゼーションアッセイ(サザンブロッティング或い
はノーザンブロッティング法、溶液ハイブリダイゼーション等)を用いて検査さ
れる。実質的に同様の配列或いはハイブリダイゼーションプローブは、厳密性を
低下させた条件の下、完全に相補的な配列と標的の配列との結合に対して競合し
て抑制する。これは、厳密性を低下させた条件では、2つの配列の互いへの結合
が特異的(即ち、選択的)に相互作用しなけらばならず、厳密性を低下させた条
件の下では非特異的な結合が許容されるということではない。部分的な相補性と
もいえない(例えば、30%未満の類似性或いは同一性)第2の標的配列を用い
て、非特異的結合が存在しないことの検査が可能である。非特異的結合が存在し
ない場合は、実質的に類似配列或いはプローブが第2の非相補的標的配列とハイ
ブリダイゼーションしない。
【0041】 本明細書において「百分率同一性」又は「%同一性」とは、2つ以上のアミノ
酸配列或いは核酸配列の比較で見つかった配列類似性の百分率のことである。こ
の百分率同一性は、例えば、MEGALIGNプログラム(DNASTAR, Inc., Madison Wl)
など電子装置を用いて決定可能である。このMEGALIGNプログラムは、様々な方法
、例えば、クラスター方法 (例えば、Higgins, D.G.及びP.M. Sharp (1988) Gen
e73:237-244.を参照)に従って、2つ以上の配列間のアラインメントを作り出す
ことが可能である。クラスターアルゴリズムが、全ての組の間の距離を測って、
配列を各クラスターに分類する。これらのクラスターは、組によって整列され、
次ぎにグループに分けられる。2つのアミノ酸の配列間の百分率類似性、例えば
配列Aと配列Bの百分率類似性は、配列Aと配列Bの一致する残基の合計数を、
配列Aの長さから配列Aのギャップ残基数と配列Bのギャップ残基数とを差し引
いたもので除し、それに100を掛けることによって得られる。2つのアミノ酸
配列間の低い類似性或いは非類似性のギャップは、百分率類似性の決定には含ま
れない。核酸配列間の百分率同一性はまた、クラスター法或いはJotun Hein法な
どの当分野で周知の別の方法によってカウント或いは計算することも可能である
(例えば、Hein. J. (1990) Methods Enzymol. 183:626-645.を参照)。配列間の
同一性はまた、例えば、ハイブリダイゼーションの条件を変えるなどの当分野で
周知の別の方法によって決定することも可能である。
【0042】 ヒト人工染色体(HAC)は、6Kb〜10MbのサイズのDNA配列を含み
得り、安定した分裂染色体の分離及び維持に必要な全ての要素を含む直鎖状の微
小染色体である(例えば、Harrington, J.J.等 (1997) Nat Genet. 15:345-355
を参照)。
【0043】 本明細書において「ヒト化抗体」とは、もとの結合能力を保持しつつよりヒト
の抗体に似せるために、非抗原結合領域のアミノ酸配列が変異された抗体分子で
ある。
【0044】 本明細書において「ハイブリダイゼーション」とは、核酸の一本鎖が相補的な
一本鎖と塩基対を形成して結合する全てのプロセスである。
【0045】 本明細書において「ハイブリダイゼーション複合体」とは、相補的な塩基対間
の水素結合の形成によって、2つの核酸配列間に形成された複合体のことである
。ハイブリダイゼーション複合体は溶液中(例えば、CtまたはRt分析)
で形成されるか、或いは溶液中の1つの核酸配列と固体の支持物(例えば、紙、
膜、フィルター、チップ、ピン、或いはスライドガラス、または細胞及びその核
酸を固定する任意の適当な基板)に固定されたもう一つの核酸配列との間で形成
され得る。
【0046】 本明細書において「挿入」或いは「付加」とは、自然発生の分子の配列に対し
て、1個以上のアミノ酸残基或いはヌクレオチドがそれぞれ追加されるアミノ酸
配列或いは核酸配列の変化のことである。
【0047】 本明細書において「免疫応答」とは、炎症性疾患及び外傷、免疫異常、感染症
、遺伝病などと関係する症状である。これらの症状は、細胞系及び全身防衛系に
影響を及ぼすサイトカイン及びケモカイン、別の情報伝達分子などの様々な因子
の発現によって特徴づけられ得る。
【0048】 本明細書において「マイクロアレイ」とは、例えば、紙やナイロンなどの任意
の形態の膜、フィルター、チップ、ガラススライド、または任意の好適な固体支
持物などの基板上に配列された様々なポリヌクレオチドのアレイのことである。
【0049】 本明細書のマイクロアレイの記述における「要素」或いは「アレイ要素」とは
、基板の表面に配列されたハイブリダイゼーション可能なポリヌクレオチドのこ
とである。
【0050】 本明細書において「変調」とは、CaREGの活性の変化のことである。変調の例
として、CaREGのタンパク質活性の特性、或いは結合特性、またはその他の生物
学的特性、機能的特性或いは免疫学的特性の変化がある。
【0051】 本明細書において「核酸」或いは「核酸配列」とは、ヌクレオチド、オリゴヌ
クレオチド、ポリヌクレオチド、或いはそれらの断片を指す。また、一本鎖若し
くは二本鎖のセンス鎖或いはアンチセンス鎖であるゲノム若しくは合成起源のD
NA或いはRNAと、またペプチド核酸(PNA)や任意のDNA様物質、RNA
様物質も指す。本明細書において「断片(またはフラグメント)」とは、例えば
、同じゲノム内の任意の別の配列とは異なる、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4を特
異的に同定する固有のポリヌクレオチド配列の領域を含む核酸配列のことである
。例えば、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4の断片は、ハイブリダイゼーション及び
増幅技術に有用であり、更に、関連ポリヌクレオチド配列からSEQ ID NO:3及びS
EQ ID NO:4を区別する類似性の検査にも有用である。SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO
:4の断片は、少なくともヌクレオチド15〜20個の長さである。この断片に対
応するSEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4の正確な長さ、また、SEQ ID NO:3及びSEQ I
D NO:4の領域も、断片の使用目的に基づいた当分野で一般的な技術の1つを用い
て日常業務的に決定できる。また、断片は翻訳された場合、完全長のポリペプチ
ドの抗原性などのいくつかの機能的特徴或いはATP結合部位などの構造的ドメ
イン特徴を維持したポリペプチドを形成し得る。
【0052】 本明細書において「機能的に関係した」或いは「機能的に結合した」とは、機
能的に関係する核酸配列のことである。コードされたポリペプチドの転写をプロ
モータが制御する場合、そのプロモーターはコードする配列と機能的に関係する
或いは機能的に結合する。機能的に関係した或いは機能的に結合した核酸配列は
近接して同じ読み枠内に存在し得るが、リプレッサー遺伝子などのある種の遺伝
子要素は、ポリペプチドをコードする配列とは近接して結合していないが、ポリ
ペプチドの発現を調節するオペレーター配列とは結合したままである。
【0053】 本明細書において「オリゴヌクレオチド」とは、PCR増幅、ハイブリダイゼ
ーション、或いはマイクロアレイに使用可能な核酸配列のことであり、その長さ
は少なくとも6ヌクレオチドから60ヌクレオチドである。好ましくは約15か
ら30ヌクレオチドであり、さらに好ましいくは約20から25のヌクレオチド
である。本明細書において、オリゴヌクレオチドは、当技術分野では同一と定義
される「アンプリマー」及び「プライマー」、「オリゴマー」と実質的に同じで
ある。
【0054】 本明細書において「ペプチド核酸」(PNA)とは、末端がリジンで終わるア
ミノ酸残基のペプチドバックボーンに結合した、約5ヌクレオチド以上の長さの
オリゴヌクレオチドを含むアンチセンス分子又は抗遺伝子剤のことである。この
末端のリジンにより、この組成物が溶解性を有する。PNAは、相補的な一本鎖
DNAやRNAに優先的に結合して転写物の伸長を止め、ポリエチレングリコー
ル化して細胞において寿命を延ばし得る。(例えば、Nielsen, P.E.他(1993) An
ticancer Drug Des. 8:53-63を参照)。
【0055】 本明細書において「サンプル」とは、その最も広い意味で用いられている。Ca
REGをコードする核酸若しくはその断片、CaREG自体を含むと推測される生物学的
サンプルには、体液と、細胞からの抽出物や細胞から単離された染色体や細胞内
小器官、膜と、細胞と、溶液中又は固体の支持物に固定されたゲノムDNA,R
NA,cDNAと、組織又は組織プリント等も含まれ得る。
【0056】 本明細書において「特異的結合」または「特異的に結合する」とは、タンパク
質或いはペプチドとアゴニスト或いは抗体、アンタゴニストとの間の相互作用の
ことである。この相互作用は、結合する分子によって認識される、例えば、抗原
決定基つまりエピトープなどのタンパク質の特定の構造の存在によって左右され
る。例えば、抗体がエピトープ「A」に対して特異的である場合、結合していな
い標識した「A」及びその抗体を含む反応において、エピトープAを含むポリペ
プチドが存在するか或いは結合していない無標識の「A」が存在すると、抗体と
結合する標識Aの量が減少する。
【0057】 本明細書において「厳密な条件」とは、ポリヌクレオチドと請求項に記載され
たポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションが可能な条件である。厳密な条
件は、塩濃度及び有機溶剤(例えば、ホルムアミド)の濃度、温度、及び当分野
で周知の別の条件によって決められる。詳細には、塩の濃度を下げたり、ホルム
アミドの濃度を上げたり、またハイブリダイゼーションの温度を上げることで厳
密性を高めることができる。
【0058】 本明細書において「実質的に精製された」とは、自然の環境から取り除かれて
から、単離或いは分離された核酸配列或いはアミノ酸配列であって、自然に結合
している構成要素が少なくとも約60%以上除去されたものであり、好ましくは
約75%以上の除去、最も好ましいのは約90%以上除去されたものである。
【0059】 本明細書において「置換」とは、一つ以上のアミノ酸またはヌクレオチドをそ
れぞれ別のアミノ酸またはヌクレオチドに置き換えることである。
【0060】 本明細書において「形質転換」とは、外来DNAが入り込み受容体細胞を変化
させるプロセスのことである。形質転換は、当分野で周知の種々の方法により、
自然或いは人工の条件の下で起こり得り、原核宿主細胞若しくは真核宿主細胞の
中に外来核酸配列を挿入する任意の周知の方法によって行うことができる。この
形質転換の方法は、形質転換される宿主細胞のタイプによって選択される。この
方法には、ウイルス感染、電気穿孔法(エレクトロポレーション)、リポフェク
ション、及び微粒子照射が含まれるが、限定されるものではない。「形質転換さ
れた」細胞には、導入されたDNAが自律的に複製するプラスミドとして或いは
宿主染色体の一部として複製可能である安定的に形質転換された細胞が含まれる
。さらに、限られた時間に一時的に導入DNA若しくは導入RNAを発現する細
胞も含まれる。
【0061】 本明細書において「変異体」とは、一つ以上のアミノ酸が変異したアミノ酸配
列である。この変異体には、例えばロイシンとイソロシンとの置換のような、置
換されたアミノ酸が類似の構造或いは類似の化学特性を有する「保存的」変異が
含まれる。稀ではあるが、変異体には、グリシンをトリプトファンで置換する「
非保存的」変異も含まれる。また、類似の小さな変異には、アミノ酸の欠失、挿
入、或いはその両方が含まれる。当分野で周知の例えばLASERGENETM ソフトウエアを用いて、生物学的或いは免疫学的活性を損なうことなく、どのア
ミノ酸残基を置換、挿入、或いは欠失させるかを決めることができるであろう。
【0062】 ポリヌクレオチド配列の文脈の中で用いられる「変異配列」とは、CaREGに関
連したポリヌクレオチド配列を含み得る。この定義は、例えば、「アレル」、「
スプライス」、「種」、「多形性」変異配列についてもあてはまる。スプライ変
異配列は基準分子と極めて同一性が高い可能性があるが、mRNAプロセッシン
グ中のエキソンの交互のスプライシングによってポリヌクレオチドの数が多くな
ったり、少なくなったりする。対応するポリペプチドは、機能ドメインが加わっ
たり、ドメインが減ったりし得る。種変異配列は、種によって異なるポリヌクレ
オチド配列である。できたポリペプチドは、互いに高いアミノ酸同一性を有する
。多形性変異配列は、所定の種と種の間の特定の遺伝子のポリヌクレオチド配列
における変異である。多形性変異配列はまた、ポリヌクレオチド配列の1つの塩
基が異なる「1つのヌクレオチド多形性」(SNP)も含み得る。SNPの存在
は、例えば、或る集団、病態、病態の特徴を表し得る。
【0063】 発明 本発明は、新規のヒトCa2+調節タンパク質 (CaREG)、及びCaREGをコードする
ポリヌクレオチドの発見に基づき、神経疾患及び心血管疾患、癌の診断及び治療
、予防におけるこれらの組成物の使用に関する。
【0064】 本発明のCaREG-1をコードする核酸は、アミノ酸配列アラインメント用のBLAST
などのコンピュータ検索を用いて、胎児肺cDNAライブラリ(LUNGNOT09)のイン
サイト社クローン番号1356311において初めに同定された。コンセンサス配列で
あるSEQ ID NO:3は、インサイト社クローン1356311H1及び1356311T6 (LUNGNOT09
)、2220133H1 (LUNGNOT18)を重複及び/または伸長した核酸配列である。
【0065】 一実施例では、本発明は、図1A及び図1Bに示されているSEQ ID NO:1のア
ミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。CaREG-1は、アミノ酸147個の長さで
あり、N69における1つの潜在Nグリコシル化部位と、S39及びS54における2つ
の潜在cAMP及びcGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化部位と、S7及びS54、S71
、S108における4つの潜在カゼインキナーゼIIリン酸化部位と、S46における1
つの潜在プロテインキナーゼCリン酸化部位とを有する。BLOKS解析及びPROFILE
SCAN解析によって、CaREG-1のI60からK144までの領域が、S100 Ca2+結合タンパ
ク質サインに類似していることが判明した。更に、BLOKS解析によって、CaREG-1
のR104からF123までの領域が、EFハンドカルシウム結合ドメインに類似している
ことがわかった。更に、PRINTS解析によって、CaREG-1のE98からD111までの領域
及びE115からL128までの領域が、アネキシンI型サインに類似していることがわ
かった。CaREG-1とヒトS100α(GI 36176)は、化学的及び構造的類似性を有す
る。特に、CaREG-1のS54からK147までの領域は、S100αと26%のアミノ酸配列
同一性を有する。SEQ ID NO:3のヌクレオチドの概ね25から54までの断片は
、ハイブリダイゼーションプローブとして有用である。ノーザン解析によって、
この配列が、胎児及び癌性肺組織を含む肺組織を用いて作製されたcDNAライブラ
リにのみ発現することが示された。
【0066】 本発明のCaREG-2をコードする核酸は、アミノ酸配列アラインメント用のBLAST
などのコンピュータ検索を用いて、皮膚微小血管内皮細胞cDNAライブラリ(ENDC
NOT03)のインサイト社クローン番号2176876において初めに同定された。コンセ
ンサス配列であるSEQ ID NO:4は、インサイト社クローン2176876H1 (ENDCNOT03)
、547705X58C1 (BEPINOT01)、1553296F1 (BLADTUT04)、1417868F1 (KIDNNOT09)
、1814186F6 (PROSNOT20)、1310941F1 (COLNFET02)、1225462H1 (COLNTUT02)、0
01150R1 (U937NOT01)及びショットガン配列SADA00307R1を重複及び/または伸長
した核酸配列である。
【0067】 一実施例では、本発明は、図2A及び図2B、図2C、図2D、図2E、図2
F、図2Gに示されているSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含
む。CaREG-2は、アミノ酸363個の長さであり、S340における1つの潜在cAMP及
びcGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化部位と、T29及びS39、T98、S114、S12
8、S216、T237、T266、T237、T266、T290、S295における10個の潜在カゼイン
キナーゼIIリン酸化部位と、T69及びT170、S216、S295、S323における5つの潜
在プロテインキナーゼCリン酸化部位と、Y82における1つの潜在チロシンキナ
ーゼリン酸化部位とを有する。BLOKS及びPRINTS、PFAM、PROFILESCAN解析の全て
によって、CaREG-2の完全なアミノ酸配列は、チオレドキシンタンパク質サイン
に広範囲に類似していることが示された。特に、3つのチオレドキシンコンセン
サス活性化部位が、CaREG-2のF12からW30及びF140からW158、F273からW291に保
存されている。各活性化部位の領域には、C20とC23、C148とC151、C281とC281の
それぞれに不変のシステイン対が含まれている。推測されるM1からC23のシグナ
ルペプチド、及びK36からL363のER保持シグナルは、CaREG-2が常在性ERタンパク
質であることを示唆する。SEQ ID NO:4のヌクレオチドの概ね163から192までの
断片は、ハイブリダイゼーションプローブとして有用である。ノーザン解析によ
って、この配列が様々なcDNAライブラリに発現し、少なくとも63%が癌或いは
細胞増殖に関連し、少なくとも37%が免疫応答及び外傷に関連することが示さ
れた。ノーザン解析によって、CaREG-2を発現するライブラリの27%が生殖組
織からであり、17%が心血管組織からであることが示された。更に、最も高い
CaREG-2の発現は、血管内皮細胞由来のライブラリで観察された。
【0068】 本発明はまた、CaREGの変異体を含む。CaREGの変異体は、CaREGのアミノ酸配
列と好ましくは約80%以上の配列同一性、更に好ましくは約90%以上の配列
同一性、最も好ましくは約95%以上の配列同一性を有し、CaREGの機能的特性
或いは構造的特性のうちの少なくとも1つを含む。
【0069】 本発明はまた、CaREGをコードするポリヌクレオチドを含む。特定の実施例に
おいて、本発明は、CaREG-1をコードするSEQ ID NO:3の配列を含むポリヌクレオ
チド配列を含む。更に別の実施例では、本発明は、CaREG-2をコードするSEQ ID
NO:4の配列を含むポリヌクレオチド配列を含む。
【0070】 本発明はまた、CaREGをコードするポリヌクレオチド配列の変異配列を含む。
詳細には、このようなポリヌクレオチド配列の変異配列は、SEQ ID NO:3及びSEQ
ID NO:4からなる一群から選択された、CaREGをコードするポリヌクレオチド配
列と好ましくは70%以上のポリヌクレオチド配列同一性、更に好ましくは85
%以上のポリヌクレオチド配列同一性、最も好ましくは95%以上のポリヌクレ
オチド配列同一性を有する。上記したポリヌクレオチド変異配列のすべてが、Ca
REGの機能的或いは構造的特徴の少なくとも1つを有するアミノ酸配列をコード
する。
【0071】 遺伝暗号の縮重により作り出され得るCaREGをコードする種々のポリヌクレオ
チド配列には、既知の自然発生する任意の遺伝子のポリヌクレオチド配列と最小
の類似性しか有しないものも含まれることを、当業者は理解するであろう。した
がって本発明には、可能なコドン選択に基づいた組み合わせの選択によって作り
出され得る可能なポリヌクレオチド配列の変異の全てが含まれ得る。これらの組
み合わせは、自然発生のCaREGのポリヌクレオチド配列に適用される標準的なト
リプレット遺伝暗号を基に作られ、全ての変異が明確に開示されていると考慮す
る。
【0072】 CaREGをコードするヌクレオチド配列及びその変異配列は、好適に選択された
厳密な条件の下で、自然発生のCaREGのヌクレオチドとハイブリダイズ可能なこ
とが望ましいが、非自然発生のコドンを含めるなどの実質的に異なったコドンの
使用を有するCaREGをコードするヌクレオチド配列を作り出すことは有益となり
得る。特定のコドンが宿主によって利用される頻度に基づいてコドンを選択して
、ペプチドの発現が特定の真核細胞又は原核宿主に発生する割合を高めることが
可能である。コードされたアミノ酸配列を変えないで、CaREG及びその誘導体を
コードするヌクレオチド配列を実質的に変更する別の理由は、自然発生の配列か
ら作られる転写物より例えば長い半減期など好ましい特性を備えるRNA転写物
を作ることにある。
【0073】 本発明はまた、CaREG及びその誘導体をコードするDNA配列又はそれらの断
片を完全に合成化学によって作り出すことも含む。作製後にこの合成配列を、当
分野で良く知られた試薬を用いて、種々の入手可能な発現ベクター及び細胞系の
何れの中にも挿入可能である。更に、合成化学を用いて、CaREGまたはその任意
の断片をコードする配列の中に突然変異を導入することも可能である。
【0074】 更に本発明には、種々の厳密性条件の下で、請求項に記載されたポリヌクレオ
チド配列、特に、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びそれらの断片とハイブリダイズ
可能なポリヌクレオチド配列が含まれる(例えば、Wahl, G.M.及びS.L. Berger (
1987) Methods Enzymol. 152:399-407; and Kimmel. A.R. (1987) Methods Enzy
mol. 152:507-511.を参照)。例えば、厳密な塩濃度は、通常は約750mM未満
の塩化ナトリウムと約75mM未満のクエン酸三ナトリウムであり、好ましくは
約500mM未満の塩化ナトリウムと約50mM未満のクエン酸三ナトリウムで
あり、最も好ましくは約250mM未満の塩化ナトリウムと約25mM未満のク
エン酸三ナトリウムである。例えば、ホルムアミドなどの有機溶剤を使用しない
と、厳密性の低いハイブリダイゼーションになり、約35%以上のホルムアミド
、更に好ましくは50%以上のホルムアミドを使用すると、厳密性の高いハイブ
リダイゼーションになる。温度の厳密条件は、通常は約30℃以上であり、より
好ましくは約37℃以上であり、最も好ましくは約42℃以上である。その他の
変更できるパラメーターには、ハイブリダイゼーション時間、ドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)などの薬品の濃度、キャリアDNAの含有の有無があり、当分
野の技術者には周知である。必要な様々な条件を組み合わせることで、厳密性の
程度を変えることができる。好適な実施例では、ハイブリダイゼーションは、温
度が30℃で、750mMの塩化ナトリウムと75mMのクエン酸三ナトリウム
、1%のSDSで行う。より好適な実施例では、温度が37℃で、500mMの
塩化ナトリウムと50mMのクエン酸三ナトリウム、1%のSDS、35%のホ
ルムアミド、100μg/mlの変性サケ精子DNA(ssDNA)で行う。最
も好適な実施例では、温度が42℃で、250mMの塩化ナトリウムと25mM
のクエン酸三ナトリウム、1%のSDS、50%のホルムアミド、200μg/
mlのssDNAで行う。これらの条件の有用な変更は、当分野の技術者には明
らかである。
【0075】 ハイブリダイゼーションの後の洗浄過程にも、様々な厳密性の程度がある。洗
浄の厳密な条件は、塩濃度と温度によって決められる。上記したように、塩濃度
を下げること或いは温度を上げることで洗浄の厳密性を高めることができる。例
えば、洗浄過程での塩濃度の厳密な条件は、好ましくは約30mM未満の塩化ナ
トリウムと約3mM未満のクエン酸三ナトリウムであり、更に好ましくは約15
mM未満の塩化ナトリウムと約1.5mM未満のクエン酸三ナトリウムである。
洗浄過程の温度の厳密な条件は、通常は約25℃以上であり、好ましくは約42
℃以上であり、更に好ましくは約68℃以上である。好適な実施例では、洗浄過
程は、温度が25℃で、30mMの塩化ナトリウムと3mMのクエン酸三ナトリ
ウム、0.1%SDSで行われる。より好適な実施例では、洗浄過程は、温度が
42℃で、15mMの塩化ナトリウムと1.5mMのクエン酸三ナトリウム、0
.1%SDSで行われる。最も好適な実施例では、洗浄過程は、温度が68℃で
、15mMの塩化ナトリウムと1.5mMのクエン酸三ナトリウム、0.1%S
DSで行われる。更なるこれらの条件の変更は、当分野の技術者には明らかであ
る。
【0076】 DNAのシークエンシング及び解析方法は、当分野で周知である。この方法に
は、例えばDNAポリメラーゼIのクレノウ断片であるSEQUENASE(Amersham Pha
rmacia Biotech Ltd., Uppsala, Sweden)、Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer Co
pr., Norwalk, CT)、熱安定性T7ポリメラーゼ(Amersham International PLC)
、或いはELONGASE増幅システム(Life Technologies, Inc., Rocville, MD)にみ
られるような校正エキソヌクレアーゼとポリメラーゼとの組み合わせなどの酵素
が用いられる。このプロセスは、ABI CatalystTM800(Perkin-Elmer Corp.)
またはMICROLAB 2200 (Hamilton, Co., Reno, NV)システム、或いはThermal C
yclerと組み合わせた装置を用いて自動化するのが好ましい。次に、ABI PRISMTM
373 または 377 システム (Perkin-Elmer Corp.)、または MEGABACETM 1000キ
ャピラリー電気泳動法(Molecular Dynamics, Inc., Sunnyvale, CA)などによっ
て、シークエンシングを自動化可能である。配列を当分野で周知のコンピュータ
プログラム及びアルゴリズムを用いて分析する(例えば、Ausubei 他、(1997) Sh ort Protocols in Molecular Biology , Wiley, New York, NY, unit 7.7; Meyer
s, R.A. (1995) Molecular Biology and Biotechnology, Wiley VCH, New York
NY を参照)。
【0077】 部分的なヌクレオチド配列を利用し、当分野で周知のPCR法をベースにした
種々の方法を用いてCaREGをコードする核酸配列を伸長し、プロモーターや調節
要素などの上流にある配列を検出する。例えば制限部位PCR法を利用する1つ
の方法では、一般的なプライマー及びネスト化プライマーを用いてクローニング
ベクター内のゲノムDNAから未知の配列を増幅する。(例えば、Sarkar, G. (
1993) PCR Methods Applic 2:318-322を参照)。逆PCR法を用いる別法では、
広範な方向に伸長して環状化した鋳型から未知の配列を増幅するプライマーを用
いる。この鋳型は、既知のゲノム遺伝子座及びその周辺の配列を含む制限断片に
由来する。(Triglia, T.等(1988)Nucleic Acids Res 16:8186)。キャプチャ
PCR法を用いる第3の方法は、ヒト及び酵母菌人工染色体DNAの既知の配列
に隣接するDNA断片のPCR増幅を含む。(例えば、Lagerstrom, M.他(1991
)PCR Methods Applic 1:111-119を参照)。この方法では、多数の制限酵素によ
る消化及びライゲ−ションを用いて、PCRを行う前に未知の配列の領域の中に
組換え二本鎖配列を挿入することが可能である。また、当分野で周知の別の方法
を用いて未知の配列を得ることも可能である。(例えば、Parker, J.D. 他 (1991
)Nucleic Acids Res. 19:3055-3060を参照)。更に、PCR、ネスト化プライマ
ー、PromoterFinderTMライブラリを用いれば、ゲノムDNA内の歩行が可能であ
る(Clontech, Palo Alto CA)。この方法ではライブラリをスクリーニングする
必要がなく、イントロン/エキソン接合部を探すのに有用である。全てのPCR
法をベースにした方法では、プライマーは、市販のOLIGO 4.06 Primer Analysis
software(National Biosciences Inc., Plymouth MN)或いは別の好適なプロ
グラムなどを用いて、長さが22〜30ヌクレオチド、GC含有率が50%以上
、約68℃〜72℃の温度で鋳型に対してアニールするよう設計される。
【0078】 完全な長さのcDNAのスクリーニングの際は、大きなcDNAを含むように
サイズが選択されたライブラリを用いるのが好ましい。更に、オリゴd(T)ラ
イブラリが完全な長さのcDNAを産生できない場合は、遺伝子の5'領域を有
する配列を含むものが多いランダムに初回抗原刺激を受けたライブラリが有用で
ある。ゲノムライブラリは、5'非転写調節領域への配列の伸長に有用であろう
【0079】 市販のキャピラリー電気泳動システムを用いて、シークエンシングまたはPC
R産物のヌクレオチド配列のサイズの分析、または確認が可能である。詳しくは
、キャピラリーシークエンシングには、電気泳動による分離のための流動性ポリ
マー、及び4つの異なったヌクレオチドに特異的なレーザーで活性化される蛍光
色素、放出された波長の検出に利用するCCDカメラを使用することが可能であ
る。出力/光強度は、適切なソフトウエア(例えば、GENOTYPER及びSEQUENCE NA
VIGATOR ソフトウェア(The Perkin-Elmer Corp., Norwalk, CT))を用いて電気
信号に変換され、サンプルのローディングからコンピュータ分析までのプロセス
及び電子データ表示がコンピュータ制御可能である。キャピラリー電気泳動法は
、特定のサンプルに少量しか存在しない場合もあるDNAの小片のシークエンシ
ングに特に適している。
【0080】 本発明の別の実施例では、CaREGをコードするポリヌクレオチド配列またはそ
の断片を組換えDNA分子に用いて、適切な宿主細胞内にCaREG、その断片また
は機能的等価物を発現させることが可能である。遺伝暗号固有の宿重により、実
質的に同じ或いは機能的に等価のアミノ酸配列をコードする別のDNA配列が作
られ得り、これらの配列をCaREGのクローン化及び発現に利用可能である。
【0081】 種々の目的でCaREGをコードする配列を変えるために、当分野で一般的に知ら
れている方法を用いて、本発明のヌクレオチド配列を組換えることができる。こ
の目的には、遺伝子産物のクローン化、プロセッシング及び/または発現の調節
が含まれるが、これらに限定されるものではない。ランダムな断片によるDNA
の混合や遺伝子断片と合成オリゴヌクレオチドのPCR再組み立てを用いて、ヌ
クレオチド配列の組換えが可能である。例えば、オリゴヌクレオチドの仲介によ
る定方向突然変異誘発を利用して、新しい制限部位を生成する突然変異の導入、
グリコシル化パターンの変更、コドン優先の変更、スプライスバリアントの生成
等が可能である。
【0082】 別の実施例によれば、CaREGをコードする配列は、当分野で周知の化学的方法
を用いて、全体或いは一部が合成可能である(例えば、Caruthers. M.H.等(198
0)Nuc Acids Res Symp Ser 7:215-223; 及びHorn, T.他(1980)Nucl. Acids R
es Symp. Ser.225-232を参照)。別法として、化学的方法を用いてCaREG自体ま
たはその断片を合成することが可能である。例えば、ペプチド合成は種々の固相
技術を用いて実行可能である(例えば、Roberge, J.Y.等(1995) Science 269:20
2-204を参照)。また、合成の自動化は例えばABI 431Aペプチドシンセサイザ(T
he Perkin-Elmer Corp., Norwalk, CT)を用いて達成し得る。更にCaREGのアミ
ノ酸配列または任意のその一部は、直接的な合成の際の変更、及び/または化学
的方法を用いた他のタンパク質または任意のその一部からの配列との組み合わせ
により、変異体ポリペプチドを作ることが可能である。
【0083】 このペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィー(例えば、Chiez, R.M.
及び F.Z. Regnier (1990)Methods Enzymol. 182:392-421を参照)を用いて実質
的に精製可能である。合成されたペプチドの組成は、アミノ酸分析或いはシーク
エンシングにより確認することができる(例えば、Creighton. T. (1983) Protei n.s, Structures and Molecular Properties , WH Freeman and Co., New York,
NYを参照)。
【0084】 生物学的に活性のCaREGを発現させるために、CaREGをコードするヌクレオチド
配列またはその誘導体を好適な発現ベクターに挿入する。この発現ベクターは、
好適な宿主に挿入されたコーディング配列の転写及び翻訳の調節に必要な要素を
含む。これらの要素には、ベクター及びCaREGをコードするポリヌクレオチド配
列におけるエンハンサー、構成型及び発現誘導型のプロモーター、5'及び3'の
非翻訳領域などの調節配列が含まれる。このような要素は、その長さ及び特異性
が様々である。特定の開始シグナルによって、CaREGをコードする配列のより効
果的な翻訳を達成することが可能である。このようなシグナルには、ATG開始
コドン及びコザック配列などの近傍の配列が含まれる。CaREGをコードする配列
及びその開始コドン、上流の調節配列が好適な発現ベクターに挿入された場合は
、更なる転写調節シグナルや翻訳調節シグナルは必要なくなるであろう。しかし
ながら、コーディング配列或いはその断片のみが挿入された場合は、インフレー
ムのATG開始コドンを含む外来性の翻訳調節シグナルが発現ベクターに含まれ
なければならない。外来性の翻訳要素及び開始コドンは、自然及び合成の様々な
ものから得ることが可能である。用いられる特定の宿主細胞系に好適なエンハン
サーを含めることで発現の効率を高めることが可能である。(例えば、Scharf, D
. 他 (1994) Results Probl. Cell Differ. 20:125-162.を参照)。
【0085】 当業者に周知の方法を用いて、CaREGをコードする配列、好適な転写及び翻訳
調節要素を含む発現ベクターを作製することが可能である。これらの方法には、 in vitro 組換えDNA技術、合成技術、及びin vivo遺伝子組換え技術が含まれ
る。(例えば、 Sambrook, J. 他. (1989) Molecular Cloning. A Laboratom Man ual , Cold Spring Harbor Press,Plainview, NY, 4章及び8章, 及び16-17章;
及び Ausubel, F.M. 他. (1995, 及び定期的な追加) Current Protocols in Mol ecular Biology , John Wiley & Sons, New York,NY. ch. 9章及び13章、16章を
参照)。
【0086】 種々の発現ベクター/宿主系を利用して、CaREGをコードする配列の保持及び
発現が可能である。これらには、限定するものではないが、組換えバクテリオフ
ァージ、プラスミド、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌
などの微生物や、酵母菌発現ベクターで形質転換された酵母菌や、ウイルス発現
ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系や、ウイルス発現
ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイク
ウイルス、TMV)または細菌発現ベクター(例えば、TiまたはpBR322
プラスミド)で形質転換された植物細胞系や、動物細胞系などが含まれる。本発
明は使用される宿主細胞によって限定されるものではない。
【0087】 細菌系では、多数のクローニングベクター及び発現ベクターが、CaREGをコー
ドするポリヌクレオチド配列の使用目的に応じて選択可能である。例えば、CaRE
Gをコードするポリヌクレオチド配列の日常的なクローニング、サブクローニン
グ、増殖には、pBLUESCRIPT プラスミド(Stratagene)またはpSPORT 1 プラスミ
ド(Life Technologies, Inc.)などの多機能の大腸菌ベクターを用いることがで
きる。ベクターの多数のクローニング部位にHLORをコードする配列をライゲ
ーションするとlacZ遺伝子が破壊され、組換え分子を含む形質転換された細菌
の同定のための比色スクリーニング法が可能となる。更に、これらのベクターを
用いて、クローニングされた配列のin vitroでの転写、ジデオキシンスクリーニ
ング、ヘルパーファージによる一本鎖の救出、入れ子状態の欠失を作り出すこと
が可能である。(例えば、Van Heeke. G.及びS.M. Schuster (1989) J. Biol. Ch
em. 264:5503-5509.を参照)。例えば、抗体の産生のためなどに多量のCaREGが必
要な場合は、CaREGの発現をハイレベルで誘導するベクターが使用できる。例え
ば、強力に発現を誘発するT5またはT7バクテリオファージプロモーターを含
むベクターを使用できる。
【0088】 CaREGの発現に酵母の発現系の使用が可能である。酵母菌サッカロミセス−セ
レビジエでは、α因子やアルコールオキシダーゼやPGHなどの構成型或いは誘
導型のプロモーターを含む多種のベクターが使用可能である。更に、このような
ベクターは、発現したタンパク質の分泌か細胞内への保持のどちらかを誘導し、
安定した増殖のために宿主ゲノムの中に外来配列を組み込む。(例えば、前出のA
usubel.; 及び Grant 他 (1987) Methods Enzymol.153:51−794: Scorer. C. A.
他 (1994) Bio/Technology 12:181-184.を参照) 植物系もCaREGの発現に使用可能である。CaREGをコードする配列の転写は、例
えば、CaMV由来の35S及び19Sプロモーターなどのウイルスプロモータ
ーが単独で、或いはTMV(Takamatsu, N.等(1987)EMBO J 6:307-311)由来
のオメガリーダー配列と組み合わせて促進される。これらの作製物は、直接のD
NA形質転換或いは病原体を介したトランスフェクションによって、植物細胞の
中に導入可能である。(例えば、Hobbs, S.又はMurry, L.E. in McGraw Hill Ye arbook of Science and Technology (1992)McGraw Hill NY, pp.191-196を参照
)。
【0089】 哺乳動物細胞では、多種のウイルスベースの発現系が利用され得る。アデノウ
イルスが発現ベクターとして用いられる場合、後発プロモーター及び3連リーダ
ー配列からなるアデノウイルス転写物/翻訳複合体にCaREGをコードする配列を
結合し得る。ウイルスのゲノムの非必須のE1またはE3領域への挿入により、
感染した宿主細胞にCaREGを発現する生ウイルスを得ることが可能である(例え
ば、Logan, J.及びShenk, T.(1984)Proc. Natl. Acad. Sci. 81:3655-3659を
参照)。さらに、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーなどの転写エンハン
サーを用いて、哺乳動物宿主細胞における発現を増大させることが可能である。
タンパク質を高レベルで発現させるために、SV40またはEBVを基にしたベ
クターを用いることが可能である。
【0090】 ヒト人工染色体(HAC)を用いて、プラスミドで発現しそれに含まれているも
のより大きなDNAの断片を供給可能である。治療のために約6kb〜10Mb
のHACsを作製し、従来の方法(リボソーム、ポリカチオンアミノポリマー、
またはベシクル)で供給する。
【0091】 哺乳動物系の組換えタンパク質の長期にわたる産生のためには、株化細胞にお
けるCaREGの安定した発現が望ましい。例えば、発現ベクターを用いて、CaREGを
コードする配列を株化細胞に形質転換することが可能である。このような発現ベ
クターは、ウイルス起源の複製及び/または内在性の発現要素や、同じ或いは別
のベクターの上の選択マーカー遺伝子を含む。ベクターの導入の後、細胞を選択
培地に移す前に、強化培地で約1〜2日の間増殖させる。選択マーカーの目的は
選択的な媒介物に対する抵抗性を与えるとともに、その存在により導入された配
列をうまく発現する細胞の増殖及び回収が可能となる。安定的に形質転換された
細胞の耐性クローンは、その細胞型に好適な組織培養技術を用いて増殖可能であ
る。
【0092】 任意の数の選択系を用いて、形質転換された細胞系を回収することが可能であ
る。選択系には、以下のものに限定はしないが、単純ヘルペスウイルスチミジン
キナーゼ遺伝子及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子が含まれ
、それぞれtk又はaprt細胞において使用される。(例えば、Wigler, M. 他 (
1977) Cell 11:223-232; Lowy. I. 他(1980) Cell 22:817-823を参照)。また代
謝拮抗物質、抗生物質或いは除草剤への耐性を選択のベースとして用いることが
できる。例えばdhfrはメトトレキセートに対する耐性を与え、neoはアミノグリ
コシッドネオマイシン及びG-418に対する耐性を与え、als或いはpatはクロルス
ルフロン(chlorsulfuron)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ
(phosphinotricin acetyltransferase)に対する耐性を与える(例えば、Wigler
, M. 他. (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. 77:3567-3570; Colbere-Garapin, F.
他(1981) J. Mol. Biol. 150:1-14; 及び前出のMurryを参照)。さらに選択に利
用できる遺伝子、例えば、代謝のために細胞が必要なものを変えるtrpB及びhisD
が文献に記載されている(例えば、Hartman, S.C.及びR.C. Mulligan(1988)Pr
oc. Natl. Acad. Sci. 85:8047-51を参照)。アニトシアニン、緑色蛍光タンパ
ク質(GFP)(Clontech. Palo Alto. CA)、βグルクロニダーゼ及びその基質
GUS,ルシフェラーゼ及びその基質ルシフェリンなどの可視マーカーが用いら
れる。緑色蛍光タンパク質(GFP)(Clontech, Palo Alto, CA)も使用できる
。これらのマーカーを用いて、トランスフォーマントを特定するだけでなく、特
定のベクター系に起因する一過性或いは安定したタンパク質発現を定量すること
が可能である(例えば、Rhodes, C.A.他(1995)Methods Mol. Biol. 55:121−7
91を参照)。
【0093】 マーカー遺伝子の発現の存在/不在によって目的の遺伝子の存在が示されても
、その遺伝子の存在及び発現の確認が必要な場合もある。例えば、CaREGをコー
ドする配列がマーカー遺伝子配列の中に挿入された場合、CaREGをコードする配
列を含む形質転換された細胞は、マーカー遺伝子機能の欠落により特定可能であ
る。または、1つのプロモーターの制御下でマーカー遺伝子がCaREGをコードす
る配列と一列に配置することも可能である。誘導または選択に応答したマーカー
遺伝子の発現は、通常タンデム遺伝子の発現も示す。
【0094】 一般に、CaREGをコードする核酸配列を含み、CaREGを発現する宿主細胞は、当
業者に周知の種々の方法を用いて特定することが可能である。これらの方法には
、DNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーションや、PCR法、
核酸或いはタンパク質の検出及び/または数量化のための膜系、溶液ベース、或
いはチップベースの技術を含むタンパク質生物学的試験法または免疫学的アッセ
イが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0095】 特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のどちらかを用いるCa
REGの発現の検出及び計測のための免疫学的な方法は、当分野で周知である。こ
のような技法には、酵素に結合したイムノソルベントアッセイ(ELISA)、ラジ
オイムノアッセイ(RIA)、蛍光標示式細胞分取器(FACS)などがある。CaREG上
の2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を用いた、2部位のモ
ノクローナルベースイムノアッセイ(two-site, monoclonal-based immunoassay
)が好ましいが、競合の結合アッセイも用いることもできる。これらのアッセイ
及びその他のアッセイは、当分野では十分に知られている。(例えば、 Hampton.
R. 他.(1990) Serological Methods, a Laboratony Manual. APS Press. St Pa
ul. MN, Section IV; Coligan. J. E. 他 (1997 and periodic supplements) Cu
rrent Protocols in Immunology, Greene Pub. Associates and Wiley-Intersci
ence, New York. NY: 及び Maddox. D.E. 他 (1983) J. Exp. Med. 158:1211-12
16)。
【0096】 種々の標識方法及び結合方法が当業者には周知であり、様々な核酸アッセイお
よびアミノ酸アッセイに用いられ得る。CaREGをコードするポリヌクレオチドに
関連する配列を検出するための、標識されたハイブリダイゼーションプローブ或
いはPCRプローブを生成する方法には、オリゴ標識化、ニックトランスレーシ
ョン、末端標識化、または標識されたヌクレオチドを用いるPCR増幅が含まれ
る。別法として、CaREGをコードする配列、またはその任意の断片をmRNAプ
ローブを生成するためのベクターにクローニングすることも可能である。当分野
では周知であり市販されているこのようなベクターを、T7,T3,またはSP
6などの好適なRNAポリメラーゼ及び標識されたヌクレオチドの追加によって
in vitroでのRNAプローブの合成に用いることができる。これらの方法は、
例えば、Pharmacia&Upjohn(Kalamazoo, MI)及びPromega(Madison WI)、U.S
. Biochemical Corp(Cleveland OH)が市販する種々のキットを用いて行うこと
ができる。容易な検出のために用い得る好適なレポーター分子或いは標識には、
基質、コファクター、インヒビター、磁気粒子、及び放射性核種、酵素、蛍光剤
、化学発光剤、色素産生剤などが含まれる。
【0097】 CaREGをコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、細胞培地
でのこのタンパク質の出現及び回収に好適な条件の下で培養される。形質転換さ
れた細胞で作製されたタンパク質が分泌されるか細胞内に留まるかは、使用され
るその配列及び/またはそのベクターによる。CaREGをコードするポリヌクレオ
チドを含む発現ベクターは、原核細胞膜及び真核細胞膜を通ってCaREGの分泌を
誘導するシグナル配列を含むように設計できることは、当業者には理解されよう
。別の作製物を用いて、CaREGをコードする配列を、可溶性タンパク質の精製を
促すポリペプチド領域をコードするヌクレオチド配列と結合させることも可能で
ある。このような精製を促す領域には、固定された金属上での精製を可能とする
ヒスチジントリプトファンモジュールなどの金属キレートペプチド、固定された
免疫グロブリンでの精製を可能とするタンパク質A領域、FLAGS伸長/アフ
ィニティー精製システム(Immunex Corp., Seattle WA)に用いられる領域が含
まれるが、これらに限定されるものではない。精製領域と配列をコードするCaRE
Gとの間のXA因子或いはエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego, CA)に特異的
なものなどの切断可能なリンカー配列を含むものを用いて、精製が促進され得る
。このような発現ベクターの1つは、CaREGと、チオレドキシン或いはエンテロ
キナーゼ切断部位に先行する6ヒスチジン残基をコードする核酸とを含む融合タ
ンパク質を発現させる。ヒスチジン残基は、固定された金属イオンアフィニティ
クロマトグラフィー上で精製を促進する(IMAC)(例えば、Porath, J他(1992);
Protein Exp. Purif. 3:263-281を参照)。エンテロキナーゼ切断部位が、融合
タンパク質からCaREGを精製する手段を提供する(例えば、Kroll, D.J.他(1993);
DNA Cell Biol. 12:441-453を参照)。
【0098】 更に、挿入した配列の発現調節能力またはタンパク質の発現を所望の形にプロ
セシングする能力によって宿主細胞株が選択される。このようなポリペプチドの
修飾には、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化(li
pidation)、及びアシル化が含まれるが、これらに限定されるものではない。タ
ンパク質の「prepro」形を切断する翻訳後のプロセシングを利用して、標的タン
パク質、折りたたみ及び/または活性を特定することが可能である。翻訳後の活
性のための特定の細胞装置及び特徴のある機構をもつ異なった宿主細胞(例えば
、CHO、HeLa、MDCK、MEK293、WI38)がAmerican Type Culture Collection(ATC
C; Bethesda, MD)より入手可能であり、外来のタンパク質の正しい修飾及びプ
ロセシングを確実にするために選択される。
【0099】 本発明の別の実施例では、CaREGをコードする自然或いは変更された、または
組換えの核酸配列を上記した任意の宿主系の融合タンパク質の翻訳となる異種配
列に結合させる。例えば、市販の抗体によって認識できる異種部分を含むキメラ
CaREGタンパク質が、CaREGの活性のインヒビターに対するペプチドライブラリの
スクリーニングを促進し得る。また、異種タンパク質部分及び異種ペプチド部分
が、市販の親和性基質を用いて融合タンパク質の精製を促進し得る。このような
部分には、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タン
パク質(MBP)、チオレドキシン(Trx)、カルモジュリン結合ペプチド(
CBP)、6−His、FLAG、c−mc、赤血球凝集素(HA)が含まれる
が、これらに限定されるものではない。GST及びMBP、Trx、CBP、6
−Hisによって、固定されたグルタチオン、マルトース、フェニルアルシン酸
化物(phenylarsine oxide)、カルモジュリン、金属キレート樹脂のそれぞれで
同族の融合タンパク質の精製が可能となる。FLAG、c−mc、及び赤血球凝
集素(HA)によって、これらのエピトープ標識を特異的に認識する市販のモノ
クロナール抗体及びポリクロナール抗体を用いた融合タンパク質の免疫親和性の
精製ができる。また、CaREGをコードする配列と異種タンパク質配列との間にあ
るタンパク質分解切断部位を融合タンパク質が含むように遺伝子操作すると、Ca
REGが精製の後に異種部分から切断され得る。融合タンパク質の発現と精製の方
法は、Ausubel. F. M. 他による (1995 and periodic supplements) Current Pr otocols in Molecular Biology , John Wiley & Sons. Ne,,v York. NY. ch 10.
に記載されている。様々な市販されているキットを用いて、融合タンパク質の発
現及び精製を促進することができる。
【0100】 本発明の別の実施例では、TNTTMウサギ網状赤血球可溶化液またはコムギ
胚芽抽出系(Promega. Madison. WI)を用いてin vitroで放射能標識したCaREGの
合成が可能である。これらの系は、T7またはT3、SP6プロモーターと機能
的に結合したタンパク質をコードする配列の転写と翻訳をつなげる。転写は、好
ましくは35Sメチオニンである放射能標識されたアミノ酸前駆体の存在の下で
起こる。
【0101】 CaREGの断片は、組換え生成物だけでなく固相技術を用いて直接的なペプチド
合成によって作製され得る(例えば、前出のCreighton, pp. 55-60.を参照)。タ
ンパク質の合成は、手動或いは自動で行われ得る。自動合成は、例えばApplied
Biosystem 431Aペプチドシンセサイザ(Perkin-Elmer Corp.)を用いて行うこと
が可能である。CaREGの種々の断片は別々に合成して、次ぎに結合させて完全長
分子を生成する。
【0102】 治療 CaREG-1の領域と、ヒトS100α (GI 36176) 及びアネキシンI型などのCa2+結合
タンパク質の領域との間に、配列及びモチーフにおける化学的及び構造的類似性
が存在する。CaREG-1は、胎児及び癌性肺組織に発現する。更に、CaREG-2の領域
及びラットCaBP2 (GI 39203)の領域、チオレドキシンの領域の間に、化学的及び
構造的類似性が存在する。CaREG-2は、癌性及び増殖性組織、また心血管組織に
発現する。従って、CaREGが、神経疾患及び心血管疾患、癌において一定の役割
を果たしていると考えられる。
【0103】 従って、一実施例において、神経疾患の治療または予防のために、そのような
処置が必要な患者にCaREGまたはその断片や誘導体を投与することが可能である
。限定するものではないが、このような神経疾患には、癲癇、虚血性脳血管障害
、脳卒中、脳腫瘍、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン病、痴呆、パー
キンソン病及び他の錐体外路障害、筋萎縮性側索硬化症及び他の運動ニューロン
疾患、進行性神経性筋萎縮症、色素性網膜炎、遺伝性運動失調、多発性硬化症及
び他の脱髄疾患、細菌性及びウイルス性髄膜炎、脳膿瘍、硬膜下蓄膿症、硬膜外
膿瘍、化膿性頭蓋内血栓性静脈炎、脊髄炎及び神経根炎、ウィルス性中枢神経系
疾患と、クールー及びクロイツフェルト‐ヤコブ病、ゲルストマン症候群、Gers
tmann-Straussler-Scheinker症候群を含むプリオン病(prion disease)と、致
死性家族性不眠症、神経系性栄養病及び代謝病、神経線維腫症、結節硬化症、小
脳網膜血管芽腫(cerebelloretinal hemangioblastomatosis)、脳3叉神経血管
症候群、中枢神経系性精神薄弱及び他の発生障害、脳性麻痺、神経骨格異常症(
neuroskeletal disorder)、自律神経系障害、脳神経障害、脊髄病、筋ジストロ
フィー及び他の神経筋障害、皮膚筋炎及び多発性筋炎と、遺伝性の代謝性及び内
分泌性、中毒性ミオパシーと、重症筋無力症、周期性四肢麻痺と、気分性及び不
安性精神障害、分裂病性精神障害と、静座不能、健忘症、緊張病、糖尿病性ニュ
ーロパシー、錐体外路性終末欠陥症候群、ジストニー、妄想性精神病、帯状疱疹
後神経痛、トゥーレット病が含まれる。
【0104】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含む神経疾患の
治療または予防のために、CaREGまたはその断片や誘導体を発現し得るベクター
を患者に投与することも可能である。
【0105】 更に別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含む神経疾
患の治療または予防のために、実質的に精製されたCaREGを含む医薬品組成物を
好適な医薬用担体と共に患者に投与することも可能である。
【0106】 更に別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含む神経疾
患の治療または予防のために、CaREGの活性を調節するアゴニストを患者に投与
することも可能である。
【0107】 別の実施例において、心血管疾患の治療または予防のために、そのような処置
が必要な患者にCaREGまたはその断片や誘導体を投与することが可能である。限
定するものではないが、このような心血管疾患には、心筋症、心筋炎、デュシェ
ンヌ型筋ジストロフィ、心筋虚血、心筋梗塞、心筋不全、頻拍性不整脈、遺伝性
QT延長症候群、緊張性筋ジストロフィーが含まれる。
【0108】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含む心血管疾患
の治療または予防のために、CaREGまたはその断片や誘導体を発現し得るベクタ
ーを患者に投与することも可能である。
【0109】 更に別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含む心血管
疾患の治療または予防のために、実質的に精製されたCaREGを含む医薬品組成物
を好適な医薬用担体と共に患者に投与することも可能である。
【0110】 更に別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含む心血管
疾患の治療または予防のために、CaREGの活性を調節するアゴニストを患者に投
与することも可能である。
【0111】 別の実施例において、癌の治療または予防のために、そのような処置が必要な
患者にCaREGのアンタゴニストを投与することが可能である。限定するものでは
ないが、このような癌には、腺癌及び白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫
、奇形癌などがあり、詳しくは副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、頚部、胆嚢、
神経節、消化管、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、
前立腺、唾液腺、皮膚、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、子宮の癌が含まれる。一実
施態様では、CaREGと特異的に結合する抗体が直接アンタゴニストとして、或い
はCaREGを発現する細胞または組織に薬剤を運ぶ標的或いは運搬機構として間接
的に用いられ得る。
【0112】 別の実施例では、限定するものではないが上に列記した疾患を含む癌の治療ま
たは予防のために、CaREGをコードするポリヌクレオチドの相補体を発現し得る
ベクターを患者に投与することも可能である。
【0113】 別の実施例では、本発明の任意のタンパク質、アンタゴニスト、抗体、アゴニ
スト、相補的な配列、ベクターを別の好適な治療薬と組み合わせて投与すること
もできる。当業者は、従来の医薬原理にしたがって併用療法で用いる好適な治療
薬を選択可能である。治療薬との組み合わせにより、上に列記した種々の疾患の
治療または予防に相乗効果をもたらし得る。この方法を用いて少ない量の各薬剤
で医薬効果をあげることが可能であり、広範囲な副作用の可能性を低減し得る。
【0114】 CaREGのアンタゴニストは、当分野で一般的な方法を用いて製造することが可
能である。詳しくは、精製されたCaREGを用いて抗体を作ったり、治療薬のライ
ブラリをスクリーニングしてCaREGと特異的に結合するものを同定が可能である
。CaREGの抗体も、当分野で一般的な方法を用いて製造することが可能である。
このような抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、
一本鎖、Fabフラグメント、及びFab発現ライブラリによって作られたフラ
グメントが含まれる。但し、これらに限定されるものではない。治療用には、中
和抗体(即ち、二量体の形成を阻害するもの)が特に好ましい。
【0115】 ポリクロナール抗体の作製のために、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、ヒト及
びその他のものを含む種々の宿主が、CaREGまたは任意の断片、または免疫原性
の特性を備えるその任意の断片やオリゴペプチドの注入によって免疫化すること
ができる。ラットやマウスは、モノクロナール抗体の作製を含む下流処理(down
stream application)に好適な宿主である。宿主の種に応じて、種々のアジュバ
ントを用いて免疫応答を高めることもできる。このようなアジュバントにはフロ
イントアジュバント、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲルアジュバント、リ
ゾレシチン、プルロニックポリオル、ポリアニオン、ペプチド、油性乳剤、キー
ホールリンペットヘモシニアン、及びジニトロフェノールなどの界面活性剤が含
まれるが、これらに限定されるものではない。ヒトに用いられるアジュバントの
中では、BCG(bacilli Calmette-Guerin)及びCorynebacterium parvumが特
に好ましい(抗体の作製方法及び分析については、例えば、Harlow, E. 及び La
ne, D. (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Labora
tory, Cold Spring Harbor, N.Y.)。
【0116】 CaREGに対する抗体を誘発するために用いられるオリゴペプチド、ペプチド、
または断片は、約5以上のアミノ酸からなるアミノ酸配列が望ましく、更に望ま
しいのは約10以上のアミノ酸からなるものである。これらのオリゴペプチド或
いはペプチド、またはそれらの断片は、天然のタンパク質のアミノ酸配列の一部
と同一であることが望ましく、小さな自然発生の分子のアミノ酸配列全体も含む
。CaREGアミノ酸の短い伸展部は、KLH(キーホールリンペットヘモシニアン)
などの別のタンパク質の配列と融合し、キメラ分子に対する抗体が産生され得る
【0117】 CaREGに対するモノクローナル抗体は、培地内の連続した細胞株によって、抗
体分子を産生する任意の技術を用いて作製することが可能である。これらの技術
には、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、及びEBV−ハイ
ブリドーマ技術が含まれるが、これらに限定されるものではない(例えば、Kohl
er, G. 等. (1975) Nature 256:495-497; Kozbor, D. 等. (1985) .J. Immunol.
Methods 81.:31-42; Cote, R.J. 等. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. 80:2026
-2030; Cole, S.P. 等. (1984) Mol. Cell Biol. 62:109-120を参照)。
【0118】 更に、「キメラ抗体」の作製のために発達したヒト抗体遺伝子にマウス抗体遺
伝子をスプライシングするなどの技術が、好適な抗原特異性及び生物学的活性を
備える分子を得るために用いられる(例えば、Morrison, S.L.他. (1984) Proc.
Natl. Acad. Sci. 81:6851-6855; Neuberger, M.S.他. (1984) Nature 312:604
-608; Takeda, S.等. (1985) Nature 314:452,454を参照)。別法では、当分野
で周知の方法を用いて、一本鎖抗体の産生のための記載された技術を適用して、
CaREG特異性一本鎖抗体を生成する。関連する特異性を備えるが別のイディオタ
イプの組成の抗体は、ランダムな組み合わせの免疫グロブリンライブラリから鎖
混合によって生成することもできる(例えば、Burton D.R. (1991) Proc. Natl.
Acad. Sci. 88:11120-3を参照)。
【0119】 抗体は、in vivoでのリンパ球集団の中の生成を誘発することによって、また
は免疫グロブリンライブラリのスクリーニング又は文献に示されているような、
高度に特異的な結合試薬のパネルをスクリーニングすることによって、作製する
こともできる(例えば、Orlandi, R. 他. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. 86:
3833-3837; Winter, G. 他. (1991) Nature 349:293-299を参照)。
【0120】 CaREGに対する特異的な結合部位を含む抗体も作製することができる。例えば
、このような断片には、抗体分子のペプシン消化によって生成されるF(ab’
)2断片と、F(ab’)2断片のジスルフィド架橋を減じることによって生成
されるFab断片が含まれるが、これらに限定されるものではない。別法では、
Fab発現ライブラリを作製することによって、所望の特異性とモノクローナル
Fab断片の迅速且つ容易な同定が可能となる(例えば、Huse, W.D. 等. (1989
) Science 254:1275-1281を参照)。
【0121】 種々のイムノアッセイでスクリーニングし、所望の特異性及び最小の交差反応
性を有する抗体を同定する。隔離された特異性を有するポリクローナル抗体また
はモノクローナル抗体の何れかを用いる競合的な結合、または免疫放射線活性の
ための数々のプロトコルが、当分野では周知である。通常このようなイムノアッ
セイには、CaREGとその特異性抗体との間の複合体調整の計測が含まれる。二つ
の非干渉性CaREGエピトープに対して反応性のモノクローナル抗体を用いる、2
部位モノクローナルベースのイムノアッセイが好ましいが、競合的結合アッセイ
も利用することができる(Maddox、前出)。
【0122】 ラジオイムノアッセイ技術と共にScatchard分析などの様々な方法を用いて、H
TMPN抗体の親和性を評価する。親和性を結合定数Kaで表すが、このKaは、平
衡状態の下でHTMPN抗体複合体のモル濃度を遊離抗体と遊離抗原のモル濃度で除
したものである。多数のHTMPNエピトープに対して親和性が不均一なポリクロナ
ール抗体試薬の測定値Kaは、HTMPN抗体の平均親和性または結合活性を表す。
特定のHTMPNエピトープに単一特異的なモノクロナール抗体試薬のKaは、親和
性の真の測定値を表す。Ka値が10〜1012L/molの高親和性抗体試
薬は、HTMPN抗体複合体が激しい操作に耐えなければならないイムノアッセイに
用いるのが好ましい。Ka値が10〜10L/molの低親和性抗体試薬は
、HTMPNが抗体から最終的に活性化状態で解離する必要がある免疫精製(immunop
urification)及び類似の処理に用いるのが好ましい。(Catty, D. (1988) Antib odies, Volume I: A Practical Approach . IRL Press, Washington, DC; Liddel
l, J. E. and Cryer, A. (1991) A Practical Guide to Monocional Antibodies , John Wiley & Sons, New York NY)。
【0123】 ポリクロナール抗体試薬の抗体価及び結合活性を更に評価して、或る下流処理
におけるこのような試薬の品質及び適性を調べる。例えば、少なくとも1〜2m
g/mlの特異的な抗体、好ましくは5〜10mg/mlの特異的な抗体を含む
ポリクロナール抗体試薬の使用は、HTMPN抗体複合体を沈殿させなければならな
い処理に適している。様々な適用例における抗体の特異性及び抗体価、結合活性
、抗体の品質や使用法の指針は一般に入手可能である。(例えば、Catty, 前出,
及びColigan 他、前出を参照)。
【0124】 本発明の別の実施例では、CaREGをコードするポリヌクレオチド、またはその
任意の断片または相補配列が、治療目的で使用することができる。ある実施形態
では、CaREGをコードするポリヌクレオチドの相補配列がmRNAの転写を阻止
するのに好適である場合、これを使用することができる。特に細胞は、CaREGを
コードするポリヌクレオチドと相補的な配列で形質転換することもできる。した
がって、相補的分子または断片は、CaREGの活性の調節、または遺伝子機能の調
節のために使用することができる。このような技術は当分野では周知であり、セ
ンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは大きな断片が、CaREGをコー
ドする配列の制御領域から、またはコード領域に沿ったさまざまな位置から設計
可能である。
【0125】 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス又はワクシニア、又は様々な細菌
性プラスミド由来の発現ベクターを用いて、ヌクレオチド配列を標的の器官、組
織又は細胞集団に運ぶこともできる。当業者に周知の方法を用いてCaREGをコー
ドポリヌクレオチドと相補的な核酸配列を発現するベクターを作製することがで
きる(例えば、前出のSambrook 他、及び前出のAusubel 他によるものを参照)。
【0126】 CaREGをコードする遺伝子は、CaREGをコードするポリヌクレオチド又はその断
片を高いレベルで発現する発現ベクターで、細胞又は組織を形質転換することに
よって止めることができる。このような作製物を用いて翻訳できないセンス又は
アンチセンス配列を細胞の中に導入することができる。DNAの中に組み入れら
れない場合でも、このようなベクターは内在性のヌクレアーゼによって機能が損
なわれるまでmRNA分子を転写し続ける。非複製ベクターでも一過性の発現を
一ヶ月以上に亘って続け、好適な複製要素がベクター系の一部である場合はさら
に長く持続し得る。
【0127】 上記した通り、遺伝子の発現は、CaREGをコードする遺伝子の制御5’または
調節領域に対する相補的な配列またはアンチセンス分子(DNA或いはRNA、
PNA)を設計することによって調節することができる。転写開始部位、即ち開
始部位から−10と+10との間の領域に由来するオリゴヌクレオチドが好適で
ある場合と同様に、「三重らせん」と塩基対合法を用いて阻止することができる
。三重らせん構造は、二重らせんがポリメラーゼ、転写因子、または調節分子の
結合のために十分に広がるのを阻止するため有益である。三重式DNAを用いる
最近の治療の進歩は文献に記載されている(例えば、Gee, J.E. 等. (1994) In:
Huber, B.E. 及び B.I. Carr, Molecular and Immunologic Approaches, Futur
a Publishing Co., Mt. Kisco, NYを参照)。相補的な配列またはアンチセンス
分子もまた、転写物がリボソームに結合するのを阻止することによってmRNA
の翻訳を阻止するように設計できる。
【0128】 酵素性RNA分子であるリボザイムは、RNAの特異的切断を触媒するために
用いることができる。リボザイム作用の機構には、相補的な標的RNAへのリボ
ザイム分子の配列特異性ハイブリダイゼーションが含まれ、ヌクレオチド鎖切断
が続く。例えば、CaREGをコードする配列のヌクレオチド鎖切断を、特異的且つ
効果的に触媒する組換え型のハンマーヘッド型リボザイム分子が含まれる。
【0129】 任意の潜在的RNA標的の中の特異的なリボザイム切断部位が、後続の配列G
UA、GUU、及びGUCを含むリボザイム切断部位に対して、標的分子をスキ
ャニングすることによって初めに同定される。一度同定されると、切断部位を含
む標的遺伝子の領域に対応する15個から20個のリボヌクレオチドの短いRN
A配列を、オリゴヌクレオチドの機能を不全にする二次的な構造の特徴について
評価することが可能である。候補標的の適合性も、リボヌクレアーゼ保護アッセ
イを用いて、相補的なオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの容易性
をテストすることによって評価することが可能である。
【0130】 本発明の相補的なリボ核酸分子及びリボザイムは、当分野で周知の方法を用い
て、核酸分子の合成のために作製することができる。これらの方法には、固相ホ
スホラミダイト化合物などのオリゴヌクレオチドを化学的に合成する方法が含ま
れる。別法では、RNA分子がin vitro及びin vivoでCaREGをコードするDNA
配列の転写によって生成され得る、このようなDNA配列はT7またはSP6等
の好適なRNAポリメラーゼプロモータを用いて、種々のベクターの中に組み入
れることが可能である。別法では、相補的なRNAを構成的または誘導的に合成
するこれらのcDNA作製物は、細胞株、細胞、または組織の中に導入すること
ができる。
【0131】 RNA分子を修飾することによって、細胞内の安定性を高め、半減期を長くす
ることができる。可能な修飾には、分子の5’及び/または3’端部でのフラン
キング配列の追加、または分子のバックボーン内でのホスホジエステラーゼ結合
よりむしろホスホロチオネート又は2’Oメチルの使用が含まれる、がこれらに
限定されるものではない。PNAの生成に固有のこの概念は、内在性のエンドヌ
クレアーゼによって容易には認識されないアデニン、シチジン、グアニン、チミ
ン、及びウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−、及び同様の修飾形態だけで
なく、イノシン、キュエオシン(queosine)、及びワイブトシン(wybutosine)
などの従来のものでない塩基を含めるこによって、これらの分子の全体に拡大す
ることができる。
【0132】 ベクターを細胞又は組織に導入する多数の方法が利用でき、in vivoin vitr o 、及びex vivoでの使用に等しく適している。ex vivoでの治療の場合、患者か
ら採取された肝細胞の中にベクターを導入して、自家移植で同じ患者に戻すため
にクローニング増殖される。トランスフェクション、リボソーム注入またはポリ
カチオンアミノポリマーによる運搬は、当分野で周知の方法を用いて実行するこ
とができる(例えば、Goldman, C.K. 他. (1997) Nature Biotechnology 15:462
-66:を参照)。
【0133】 上記したいかなる治療方法も、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ウサギ、サル
、及び最も好ましいヒトなどの哺乳動物を含む、治療が必要な全ての被験者に適
用できる。
【0134】 本発明の別の実施例は、上記した全ての治療効果のために、医学上認められる
担体と共に医薬品或いは無菌組成物の投与に関連する。このような医薬品組成物
は、CaREG、CaREGに対する抗体、擬態、アゴニスト、アンタゴニスト、又はCaRE
Gのインヒビターなどからなる。この組成物は、単体で、或いは安定剤などの1
種類以上の別の薬剤と共に、無菌の生体適合性医薬品担体に投与することができ
る。このような医薬品担体には、生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖、及び水な
どが含まれるがこれらに限定されるものではない。この組成物は、単独或いは薬
物又はホルモンなどの別の薬剤と共に投与することができる。
【0135】 本発明に用いられる医薬品組成物は、任意の数の経路を用いて投与することも
できる。この経路には、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、もく膜下腔内
、心室内、経皮性、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、異所性、舌下、または直腸が
含まれるがこれらに限定されるものではない。
【0136】 活性処方成分に加えて、これらの医薬品組成物には、活性化合物を医薬的に使
用可能な薬剤にするのを容易にする、医薬品添加物及び補助剤を含む好適な薬学
的に認められる担体が含まれ得る。製剤及び投与についての詳しい技術について
は、最新版のRemington's Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co., E
aston, PA)に記載されている。
【0137】 経口投与用の医薬品組成物が、経口投与に好適な投与量において当分野で周知
の薬学的に許容される担体を用いて、製剤することができる。このような担体に
より、医薬品組成物が患者が摂取するために、錠剤、丸薬、糖衣剤、カプセル、
液体、ゲル状、シロップ剤、泥状物、懸濁液として製剤される。
【0138】 経口用に用いられる医薬品は、活性化合物と固体の薬品添加物とを混合し、得
られた顆粒の混合物を処理して、(所望に応じてすりつぶした後)タブレット或
いは糖衣錠コア(dragee cores)にする。好適な医薬品添加物とは、ラクトース
、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖類、トウモロコシ、小
麦、米、ジャガイモ、又はその他の植物からのでんぷん、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースナトリウ
ムなどのセルロース、アラビアゴム及びトラガカントゴムを含むゴム、ゼラチン
及びコラーゲンなどのタンパク質などの炭水化物又はタンパク質賦形剤である。
必要に応じて、例えば、架橋結合したポリビニルピロリドン、かんてん、アルギ
ン酸、またはその塩であるアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤が
加えられる。
【0139】 糖衣錠コアは、濃縮糖溶剤などの好適なコーティングと共に用いられる。この
ような濃縮糖溶剤には、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボ
ポルゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、及び/または二酸化チタ
ン、ラッカー溶剤、及び好適な有機溶媒または混合溶剤などが含まれ得る。染料
または色素が、製品の識別又は活性化合物の量、即ち薬用量を示すため、錠剤ま
たは糖衣錠に加えられる。
【0140】 経口用に用いられる医薬品製剤には、ゼラチンから作られたプッシュ−フィッ
ト型のカプセル、グリセロールまたはソルビトールなどのコーティングとゼラチ
ンからなる封入されたカプセルが含まれる。プッシュ−フィット型のカプセルに
は、ラクトース又はスターチなどの賦形剤や結合材、タルク又はステアリン酸マ
グネシウムなどの潤滑剤、所望に応じて安定剤と混合された活性処方成分が含ま
れる。ソフトカプセルでは、活性化合物が、安定剤と共に或いは安定剤なしで、
脂肪油、溶液、またはポリエチレングリコール溶液などの好適な溶液に溶解或い
は懸濁され得る。
【0141】 非経口投与用に好適な医薬品剤が、水溶液で製剤されるが、ハンクス液、リン
ガー液、生理緩衝食塩水などの生理学的に適合性のある緩衝剤が好ましい。水性
懸濁注射液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデ
キストランなどの懸濁液の粘性を高める物質を含み得る。更に、活性化合物の懸
濁液は、好適な油性注入懸濁液として製剤され得る。好適な親水性溶液または媒
体には、ごま油などの脂肪油、オレイン酸エチル、トリグリセリド又はリボソー
ムなどの合成脂肪酸が含まれる。非脂質ポリカチオンアミノポリマーが、運搬目
的で使用される。随意選択により、懸濁液は高濃度の溶液が可能となるよう化合
物の溶解性を高める好適な安定剤または薬剤を含み得る。
【0142】 局部または鼻腔投与のため、特定の障壁に浸透する好適な浸透剤が製剤に用い
られる。このような浸透剤は当業者には周知である。
【0143】 本発明の医薬品組成物は、当分野で周知の方法、例えば従来の混合、溶解、顆
粒化、糖衣化、溶離(levigating)、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥
処理を用いて製造され得る。
【0144】 医薬品組成物は塩類として製剤され、限定されないが、塩酸、硫酸、酢酸、乳
酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等の多くの酸と共に形成可能である。塩分は対
応する遊離塩基系よりも、水溶剤または他のプロトン溶剤に溶けやすい。別の場
合の好ましい薬剤の形態には、1mMから50mMヒスチジン、0.1%〜2%
スクロース、及び2〜7%マンニトールの幾つか或いは全てを含み、pHの範囲
が4.5〜5.5であり、使用前に緩衝剤と結合する凍結乾燥粉末を用いること
ができる。
【0145】 医薬品組成物が調合された後、それらは適当な箱に詰められ、指定した症状の
薬としてラベルが貼られる。CaREGの投与のため、このようなラベルには、量、
頻度、及び投与の方法が含まれるであろう。
【0146】 本発明に用いる好適な医薬品組成物には、目的を達成するため、効果的な量の
活性処方成分を含む組成物が含まれる。当業者は、自分の能力で十分に効果的な
服用量を決めることができる。
【0147】 どのような組成物であっても、治療に効果的な薬用量は、初めは、例えば腫瘍
細胞の腫瘍細胞アッセイで、或いは動物モデルのどちらかで推定することができ
る。通常、動物モデルには、マウス、ウサギ、イヌ、又はブタなどが用いられる
。動物モデルはまた、好適な濃縮範囲及び投与の経路を決めるのに用いることが
できる。このような治療をもとに、ヒトへの有益な薬用量及び投与経路を決定す
ることができる。
【0148】 医学的に効果的な薬用量は、症状や容態を回復させる、たとえばCaREG又はそ
の断片、CaREGの抗体、CaREGのアゴニストまたはアンタゴニスト、インヒビター
などの活性処方成分の量に関連する。薬用有効度及び毒性は、たとえば、ED (服用に対して集団の50%に医薬的効果がある。)またはLD50(服用に
対して集団の50%に致命的である)統計を計算するなど、細胞培養または動物
実験における標準的な薬剤手法によって決定することができる。治療効果と毒性
効果との薬用量比は治療指数であり、LD50/ED50の比率で示すことがで
きる。高い治療指数を示す医薬品組成物が望ましい。細胞培養アッセイ及び動物
実験から得られたデータが、ヒトへの適用のために、薬用量の範囲を調剤するの
に用いられる。このような組成物が含まれる薬用量は、毒性を殆ど或いは全く含
まず、ED50を含む血中濃度の範囲であることが望ましい。薬用量は、用いら
れる投与形態及び患者の感受性、投与の経路にによって、この範囲内で様々であ
る。
【0149】 正確な薬用量は、治療が必要な患者に関する要素を考慮して、実務者によって
決められるであろう。薬用量及び投与は、効果的なレベルの活性成分を与えるた
め或いは所望の効果を維持するために調節される。薬用量の要素として考慮され
るものには、疾患の重症度、患者の一般的な健康状態、年齢、体重、及び患者の
性別、投与の時間及び頻度、併用する薬剤、反応感受性、及び治療に対する応答
が含まれる。作用器官が長い医薬品組成物は、三日か四日に一度、一週間に一度
、二週間に一度、特定の製剤の半減期及びクリアランス率によって左右され、投
与され得る。
【0150】 通常の薬用量は投与の経路によって異なるが、約0.1〜100,000μg
までの最大約1グラムまでである。特定の薬用量及び運搬の方法に関するガイダ
ンスは文献に記載されており、一般に当分野の実務者はそれを利用することがで
きる。当業者は、タンパク質またはインヒビターとは異なったヌクレオチドの製
剤を利用するであろう。同様に、ポリヌクレオチド又はポリペプチドの運搬は、
特定の細胞、状態、位置などに対して特異的であろう。
【0151】 診断 別の実施例では、CaREGに特異的に結合する抗体が、CaREGの発現による特徴を
もつ疾患の診断、またはCaREGやCaREGのアゴニストまたはアンタゴニスト、イン
ヒビターで治療を受けている患者をモニターするためのアッセイに用いられる。
診断に有益な抗体は、治療のところで記載した方法と同じ方法で製剤される。Ca
REGの診断アッセイには、抗体及び標識を用いてヒトの体液或いは細胞や組織か
ら採取されたものからCaREGを検出する方法が含まれる。これらの抗体は、修飾
をして或いはしないで使用され、レポーター分子の共有結合性或いは非共有結合
性の接着によって標識化され得る。当分野で周知の種々のレポーター分子が用い
られるが、その内の幾つかは上記した。
【0152】 CaREGを測定するためのELISA,RIA,及びFACSを含む種々のプロ
トコルは、当分野では周知であり、変わった或いは異常なレベルのCaREGの発現
を診断する元となるものを提供する。正常或いは標準的なCaREGの発現の値は、
複合体の形成に適した条件の下、正常な哺乳動物、好ましくはヒトである被験者
から採取した体液または細胞とCaREGに対する抗体とを結合させることによって
決定する。標準的な複合体形成の量は種々の方法で定量され得るが、測光法(ph
otometric)が好ましい。被験者のCaREGの発現の量、制御及び疾患、生検組織か
らのサンプルが標準値と比較される。標準値と被験者との間の偏差が、疾患を診
断するパラメーターとなる。
【0153】 別の実施例によれば、CaREGをコードするポリヌクレオチドを診断のために用
いることもできる。用いられるポリヌクレオチドには、オリゴヌクレオチド配列
、相補的なRNA及びDNA分子、及びPNAが含まれる。ポリヌクレオチドを
用いて、疾患と相関し得るCaREGを発現する生検組織における遺伝子の発現を検
出及び定量する。この診断アッセイを用いて、CaREGの不在、存在、及び過度の
発現を調べ、治療中のCaREGレベルの制御を監視する。
【0154】 ある実施形態では、CaREGまたは近縁の分子をコードする遺伝子配列を含むポ
リヌクレオチド配列を検出可能なPCRプローブを用いたハイブリダイゼーショ
ンによって、CaREGをコードする核酸配列を同定することが可能である。例えば
5'調節領域である高度に特異的な領域か、例えば保存されたモチーフであるや
や特異性の低い領域から作られているかのプローブの特異性と、ハイブリダイゼ
ーション或いは増幅の厳密性(最大、高い、中間、または低い)は、プローブが
CaREGをコードする自然界の配列のみを同定するかどうか、或いはアレルや関連
配列コードする自然界の配列のみを同定するかどうかによって決まるであろう。
【0155】 プローブはまた、関連する配列の検出に利用され、CaREGをコードする任意の
配列からのヌクレオチドを50%以上含むのが望ましい。目的の本発明のハイブ
リダイゼーションプローブには、DNA或いはRNAを用いることが可能であり
、SEQ ID NO:3 及び SEQ ID NO:4の配列、或いはCaREG遺伝子のプロモーター、
エンハンサー、イントロンを含むゲノム配列に由来し得る。
【0156】 CaREGをコードするDNAに対して特異的なハイブリダイゼーションプローブ
の作製方法には、CaREG及びCaREG誘導体をコードするポリヌクレオチド配列をm
RNAプローブの作製のためのベクターにクローニングする方法がある。このよ
うなベクターは市販されており、当業者には周知であり、好適なRNAポリメラ
ーゼ及び好適な標識されたヌクレオチドを加えることによって、in vitroでRN
Aプローブを合成するために用いられる。ハイブリダイゼーションプローブは、
例えば32P或いは35Sなどの放射性核種、或いはアビジン/ビオチン(biot
in)結合系によってプローブに結合されたアルカリホスファターゼなどの酵素標
識等の種々のレポーターの集団によって標識され得る。
【0157】 CaREGをコードするポリヌクレオチド配列を用いて、CaREGの発現に関連する疾
患を診断することが可能である。限定するものではないがこのような疾患の例に
は、神経疾患が含まれその中には、癲癇、虚血性脳血管障害、脳卒中、脳腫瘍、
アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン病、痴呆、パーキンソン病及び他の
錐体外路障害、筋萎縮性側索硬化症及び他の運動ニューロン疾患、進行性神経性
筋萎縮症、色素性網膜炎、遺伝性運動失調、多発性硬化症及び他の脱髄疾患、細
菌性及びウイルス性髄膜炎、脳膿瘍、硬膜下蓄膿症、硬膜外膿瘍、化膿性頭蓋内
血栓性静脈炎、脊髄炎及び神経根炎、ウィルス性中枢神経系疾患と、クールー及
びクロイツフェルト‐ヤコブ病、ゲルストマン症候群、Gerstmann-Straussler-S
cheinker症候群を含むプリオン病(prion disease)と、致死性家族性不眠症、
神経系性栄養病及び代謝病、神経線維腫症、結節硬化症、小脳網膜血管芽腫(ce
rebelloretinal hemangioblastomatosis)、脳3叉神経血管症候群、中枢神経系
性精神薄弱及び他の発生障害、脳性麻痺、神経骨格異常症(neuroskeletal diso
rder)、自律神経系障害、脳神経障害、脊髄病、筋ジストロフィー及び他の神経
筋障害、皮膚筋炎及び多発性筋炎と、遺伝性の代謝性及び内分泌性、中毒性ミオ
パシーと、重症筋無力症、周期性四肢麻痺と、気分性及び不安性精神障害、分裂
病性精神障害と、静座不能、健忘症、緊張病、糖尿病性ニューロパシー、錐体外
路性終末欠陥症候群、ジストニー、妄想性精神病、帯状疱疹後神経痛、トゥーレ
ット病が含まれ、また、心血管疾患も含まれその中には、心筋症、心筋炎、デュ
シェンヌ型筋ジストロフィ、心筋虚血、心筋梗塞、心筋不全、頻拍性不整脈、遺
伝性QT延長症候群、緊張性筋ジストロフィーが含まれ、また、癌も含まれその中
には、腺癌及び白血病、リンパ腫、黒色腫、骨髄腫、肉腫、奇形癌などがあり、
詳しくは副腎、膀胱、骨、骨髄、脳、乳房、頚部、胆嚢、神経節、消化管、心臓
、腎臓、肝臓、肺、筋肉、卵巣、膵臓、副甲状腺、陰茎、前立腺、唾液腺、皮膚
、脾臓、精巣、胸腺、甲状腺、子宮の癌が含まれる。CaREGをコードするポリヌ
クレオチド配列は、サザーンブロット法やノーザンブロット法、或いはその他の
膜系の技術、PCR法、ディップスティック(dipstick)、ピン(pin)、EL
ISAアッセイ、または患者から採取した体液或いは組織を利用して変異CaREG
の発現の検出に用いられるマイクロアレイに使用することが可能である。このよ
うな質的或いは量的方法は、当分野では周知である。
【0158】 特定の形態において、CaREGをコードするヌクレオチド配列は、関連する疾患
、特に上記した疾患を検出するアッセイにおいて有用であろう。CaREGをコード
するヌクレオチド配列は、標準的な方法で標識化され、ハイブリダイゼーション
複合体の形成に好適な条件の下、患者から採取した体液或いは組織のサンプルに
加えることができるであろう。好適な培養期間の後、サンプルを洗浄し、シグナ
ルを定量して標準値と比較する。患者のサンプルのシグナルの量が、制御サンプ
ルと較べて著しく変わっている場合は、サンプル内のCaREGをコードするヌクレ
オチド配列の変異レベルにより、関連する疾患の存在が明らかになる。このよう
なアッセイを用いて、動物実験、臨床試験、或いは個人の患者の治療を監視にお
ける、特定の治療効果を推定することが可能である。
【0159】 CaREGの発現に関連する疾患の診断の元となるものを提供するために、正常あ
るいは標準的な発現の概要が確立される。この確立は、ハイブリダイゼーション
或いは増幅に好適な条件の下、動物或いはヒトの何れかの正常な被験者から抽出
された体液或いは細胞と、CaREGをコードする配列或いはその断片とを結合させ
ることにより達成され得る。標準的なハイブリダイゼーションは、正常な被験者
から得た値と周知の量の実質的に精製されたポリヌクレオチドが用いられる実験
からの値とを比較することによって定量可能である。正常なサンプルから得た標
準的な値を、疾患の症状を示す被験者から得た値と比較可能である。標準値と被
験者の値との偏差を用いて疾患の存在を確定する。
【0160】 疾患の存在が確定され治療プロトコルが開始されると、ハイブリダイゼーショ
ンアッセイを通常ベースで繰り返して、被験者における発現のレベルが正常な患
者に示される値に近づき始めたかどうかを推定することが可能である。繰り返し
行ったアッセイの結果を、数日から数ヶ月の期間の治療の効果を見るのに用いる
ことができる。
【0161】 癌において、個体からの生体組織における多量の転写物の存在は、疾患の発生
の素因を示し、また実際に臨床的症状が出る前に疾患を検出する方法を提供する
ことが可能である。この種のより明確な診断により、医療の専門家が予防方法或
いは積極的な治療法を早くから利用して、癌の発生または進行を防ぐことが可能
となる。
【0162】 CaREGをコードする配列から設計されたオリゴヌクレオチドのさらなる診断へ
の利用には、PCRの利用が含まれ得る。このようなオリゴマーは、化学的な合
成、酵素を用いた生成、或いはin vitroで生成され得る。オリゴマーは、好まし
くはCaREGをコードするポリヌクレオチドの断片、或いはCaREGをコードするポリ
ヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドの断片を含み、最適な条件の下、特定
の遺伝子や条件を識別するために利用される。また、オリゴマーは、やや緩い厳
密性条件の下、近縁のDNA或いはRNA配列の検出及び/または定量のため用
いることが可能である。
【0163】 CaREGの発現を定量するために用いられ得る方法には、ヌクレオチドの放射標
識或いはビオチン標識、調節核酸の相互増幅(coamplification)、及び標準的
な曲線に結果が加えられたものが含まれる(例えば、Melby, P.C.等(1993) J. I
mmunol. Methods, 159:235-44;Duplaa, C.等(1993) Anal. Biochem. 229-236を
参照)。多数のサンプルの定量の速度が、目的のオリゴマーが種々の希釈液に含
まれ、分光光度法或いは非色応答により迅速に定量するELISA型のアッセイ
を用いることによって加速された。
【0164】 別の実施例では、本明細書で記載した任意のポリヌクレオチド配列由来のオリ
ゴヌクレオチドまたはそれより長い断片を、マイクロアレイにおける標的として
用いる。マイクロアレイを用いて、同時に極めて多くの遺伝子の発現レベルを監
視し、遺伝子の変異、突然変異及び多形性を識別する。この情報は、遺伝子機能
の決定、疾患の遺伝的根拠の解釈、疾患の診断、及び治療薬剤の活性の監視及び
開発に有用である。
【0165】 当分野で周知の方法でマイクロアレイを準備して使用し、分析する。(例えば
、Brennan, T.M. 他 (1995) 米国特許第5,474,796号;Schena, M. 他 (1996) Pro
c. Natl. Acad. Sci. 93:10614-10619; Baldeschweiler 他(1995) PCT出願番号W
O95/251116; Shalon, D.他 (1995) PCT出願番号WO95/35505; Heller, R.A. 他(1
997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94:2150-2155; 及び Heller, M.J. 他 (1997) 米
国特許第5,605,662号を参照) 本発明の別の実施例ではまた、CaREGをコードする核酸配列を用いて、自然発
生のゲノム配列をマッピングするのに有用なハイブリダイゼーションプローブを
生成することが可能である。この配列は、以下のものに対してマッピングされる
。特定の染色体、染色体の特定領域または人工生成の染色体、例えば、ヒト人工
染色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、細
菌P1生成物或いは単一染色体cDNAライブラリである。(例えば、Price, C
.M. (1993) Blood Rev. 7:127-134, 及びTrask, B.J. (1991) Trends Genet. 7:
149-154を参照) In sit蛍光ハイブリダイゼーション(FISH)は、他の物理的染色体マッピング
技術及び遺伝マップデータと相関するであろう(例えば、Heinz-Ulrich, 他によ
る(1995) in Meyers, R.A.(ed.) Molecular Biology and Biotechnology,VCH Pu
blishers New York, NY, pp. 965-968.を参照)。遺伝子マップデータの例は、
種々の科学誌あるいはOnline Mendelian Inheritance in Man(OMIM)のサイト
で見付けることができる。物理的な染色体マップ上のCaREGをコードする遺伝子
の位置と特定の疾患との相関性、或いは特定の疾患に対する素因が、このような
疾患と関係するDNAの領域を決定するのに役立つ。本発明のヌクレオチド配列
を用いて、正常者と、保有者、及び感染した者との遺伝子配列における違いを検
出することもある。
【0166】 染色体標本のIn sitハイブリダイゼーション、及び確定した染色体マーカーを
用いた結合分析などの物理的マッピング技術を用いて、遺伝子マップを拡張する
こともできる。マウスなどの別の哺乳動物の染色体上での遺伝子の配置により、
たとえ特定のヒト染色体の数或いはアームが分かっていなくても、関連するマー
カーが明らかになることが多い。新規の配列を、物理的なマッピングによって、
染色体アームに割り付けることもできる。このことは、位置クローニング或いは
別の遺伝子発見技術を用いて遺伝的疾患の研究をしている研究者にとって、価値
ある情報である。疾患或いは症候群の位置が、例えば血管拡張性失調症の11q22-
23などの特定の遺伝子領域に遺伝子結合によって大まかに決定されると、その領
域に対するどの配列マッピングも、さらなる調査のための関連する遺伝子或いは
調節遺伝子を表す(例えば、Gatti, R.A.他による(1988)Nature 336:577-580
を参照)。また、目的の本発明のヌクレオチド配列を用いて、正常者、保有者、
即ち感染者の間の、転位置、反転などによる染色体位置の違いを検出することも
ある。
【0167】 本発明の別の実施例では、CaREG、その触媒作用断片或いは免疫原断片または
そのオリゴペプチドを、種々の任意の薬剤スクリーニング技術における化合物の
ライブラリのスクリーニングに用いることができる。このようなスクリーニング
に用いる断片は、溶液に遊離、固体支持物に固定、細胞の表面上に保持、或いは
細胞内に存在する。CaREGとテストされる薬剤との複合体を結合することによる
形成は計測されることもある。
【0168】 薬剤スクリーニングに用いる別の方法は、目的のタンパク質に対して、好適な
結合親和性を有する化合物のスクリーニング処理能力を高めるために用いられる
(例えば、Geysen,他による(1984) PCT出願番号 WO84/03564を参照)。この方法
では、多数の異なる小さな試験用化合物が、プラスチックピン或いは他の表面な
どの固体基板上に合成される。試験用化合物は、CaREG、或いはその断片と反応
してから洗浄される。次ぎに、結合されたCaREGが、当分野で周知の方法で検出
される。精製されたCaREGはまた、前記した薬剤をスクリーニングする技術に用
いられるプレート上で直接被覆することもできる。別法では、非中和抗体を用い
て、ペプチドを捕らえ、固体支持物に固定することもできる。
【0169】 別の実施例では、CaREGと結合可能な中和抗体がCaREGと結合するため試験用化
合物と特に競合する、競合的薬剤スクリーニングアッセイを用いることができる
。この方法では、抗体が、CaREGと1つ以上の抗原決定因子を共有するどのペプ
チドの存在も検出する。
【0170】 別の実施例では、発展途上の分子生物学技術にCaREGをコードするヌクレオチ
ド配列を用いて、限定はされないが、現在知られているトリプレット暗号及び特
異的な塩基対相互作用などのヌクレオチド配列の特性に依存する新しい技術を提
供することができる。
【0171】 当分野の技術者であれば、更なる説明がなくても前述の説明だけで十分に本発
明を利用できるであろう。したがって、以下に記載する特定の実施例は、例示目
的であって本発明を限定するものではない。
【0172】 前出及び以下に記載した全ての特許出願及び特許、刊行物、特に1998年7
月20日に出願した米国出願(代理人事件番号PF-0564 P)を引用することをも
って本明細書の一部とする。
【0173】
【実施例】
1 cDNAライブラリの作製 LUNGNOT09 cDNAライブラリは、妊娠23週目の白人胎児(男児)の肺組織から
単離したRNAを用いて作製した。この胎児は、超音波診断によって、乳児型嚢胞
腎と診断されて堕胎された。
【0174】 Brinkman Homogenizer Polytron PT-3000(Brinkman Instruments, Westbury,
NY)を用いて、凍結組織をホモジナイズして溶解した。RNAを単離するために、こ
の溶解物を塩化セシウムクッションにおいて遠心分離した。RNAを酸性フェノー
ルで抽出し、酢酸ナトリウム及びエタノールを用いて沈殿させ、RNA分解酵素を
含まない水で再懸濁し、DNA分解酵素で処理した。RNAの抽出及び沈殿を同様の方
法で繰り返した。次に、OLIGOTEXキット(QIAGEN Inc., Chatsworth, CA)を用
いてポリ(A+)RNAを単離した。
【0175】 ENDCNOT03 cDNAライブラリは、白人の新生児(男児)から採取した皮膚微小血
管内皮細胞から単離したRNAを用いて作製した。この細胞をグアニジウムイソチ
アシネート溶液にホモジナイズして、製造者(CPG Inc Lincoln Park, NJ)の推奨
するオリゴ(dT)25ストレプトアビジン磁気粒子用いて、ポリ(A+)RNAを単離し
た。
【0176】 SUPERSCRIPTプラスミドシステム(Life Technologies)の推奨プロトコルに従っ
て、ポリ(A+)RNAを用いてcDNAを合成し、各ライブラリを作製した。cDNAを、SEP
HAROSE CL4Bカラム(Amersham Pharmacia Biotech)上に分画し、400bpを超
えるcDNAはpINCY 1プラスミド(Incyte Pharmaceuticals, Palo Alto, CA.)に
結合させた。次に、組換えプラスミドをDH5αTMコンピテント細胞(Life Tech
nologies)に形質転換した。
【0177】 2 cDNAクローンの単離 REAL Prep 96 プラスミドキット (QIAGEN Inc).を用いて、プラスミドDNAを細
胞から遊離して精製した。このとき、以下の変更点を除いて推奨プロトコルに従
った。その変更点とは、1)細菌を、0.4%のグリセリン及び25mg/Lの
カルベニシリンを含む1mlの無菌Terrific Broth (Life Technoogies) で培養
する。2)培養物を19時間インキュベートした後、細胞を0.3mlの溶解緩
衝液で溶解する。4)イソプロパノールによる沈殿の後、プラスミドDNAペレッ
トをそれぞれ、0.1mlの蒸留水に再懸濁した。この後、DNAサンプルを4℃
で保管した。
【0178】 3 シークエンシング及び分析 シークエンシング用のcDNAの準備には、ABI CATALYST 800 (Perkin-Elmer
Applied Biosystems, Foster City, CA)或いはMICROLAB 2200 システム(Hamilt
on Co., Reno, NV) シークエンシング準備システムのどちらかとPeltier PTC-20
0 thermal cyclers (MJ Research, Inc., Watertown, MA)との組合せを用いた。
cDNAのシークエンシングには、ABI PRISM 373または377シークエンシングシ
ステム(Perkin-Elmer Corp.)及びABIプロトコル、塩基対読み出しソフトウェア
、キット(Perkin-Elmer Applied Biosystems)を用いた。別法では、Amersham
Pharmacia Biotech社の溶液と色素を用いた。読み枠は標準的な方法(Ausubel、
前出)で決定した。cDNA配列の幾つかを選択して、本実施例の5に記載した
方法で延長した。
【0179】 cDNA及び延長、ショットガンシークエンシングから得たポリヌクレオチド
配列の構築及び分析は、当分野の技術者に既知のアルゴリズムを利用したソフト
ウェアを組合せて行った。表1は、使用したプログラム、その説明、引用文献、
閾値フパラメーター(該当する部分)を示す。表1の3列目に引用した文献は、
本明細書の一部とする。配列は、MACDNASIS PROソフトウェア(Hitachi 15 Softw
are Engineering Co., Ltd. San Bruno, CA)及びLASERGENETMソフトウェア(DN
ASTAR)で解析して作成した。
【0180】 ポリヌクレオチド配列の確証は、BLAST及び動的計画法、ジヌクレオチド最近
接分析に基づいたプログラム及びアルゴリズムを用いて、ベクター及びリンカー
、ポリA尾部配列を取り除き、あいまいな塩基対をマスクすることで行った。次
に、BLAST及びFASTA、BLIMPSに基づいたプログラムを用いて、公共のデータベー
スであるGenBankの霊長類及びげっ歯類、哺乳類、脊椎動物、真核生物のデータ
ベースやBLOCKSデータベースなどから選択した配列に対してこれらの配列を問合
わせて注釈を得た。Phred及びPhrap、Consedに基づいたプログラムを用いて完全
長のポリヌクレオチド配列の中にこれらの配列を構築して、GeneMark及びBLAST
、FASTAに基づいたプログラムでオープンリーディングフレームのためにスクリ
ーニングした。この後、完全長のポリヌクレオチド配列を翻訳して対応する完全
長のアミノ酸配列を引き出した。上記したGenBankデータベース及びSwissProt、
BLOCKS、PRINTS、PFAM、Prositeなどのデータベースに対して問い合わせ、これ
らの完全長のポリヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を連続して分析した。
【0181】 4 ノーザン分析 ノーザン分析は、遺伝子の転写物の存在を検出するために用いられる実験用技
術であり、特定の細胞種或いは組織からのRNAが結合されている膜への標識さ
れたヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを伴う(例えば、Sambrook,上記
, 7章; 及び Ausubel. F.M. 他、上記, 4章及び16章を参照)。
【0182】 類似性コンピュータ技術を用いて電気ノーザン法(electron northern analys
is)を作成した。このノーザン法を用いて、GenBank或いはLIFESEQデータベース
(インサイト社)のようなヌクレオチドデータベース内の同一分子或いは関連す
る分子を検索することができる。コンピュータ検索の感度を変更して、一致の程
度を決定できる。検索の基準は、 (%配列同一性×%最大BLASTスコア)/100 として定義される積スコアである。積スコアは、2つの配列間の類似度及び配列
一致の長さの両方を考慮する。例えば、積スコア40の場合、その一致は1〜2
%の誤差範囲であり、70は正確な一致を示す。類似分子は通常、積スコア15
〜40の範囲によって同定されるが、それより低いスコアでも関連した分子が同
定される場合もある。
【0183】 電気ノーザン法には、器官/組織及び疾患によるcDNAライブラリの分類も含ま
れている。この器官/組織の分類には、心血管及び皮膚、発達、内分泌、胃腸、
造血/免疫、筋骨格、神経、生殖、泌尿器が含まれる。病気の分類には、癌及び
炎症/外傷、胎児、神経、プール(pooled)が含まれる。それぞれの分類につい
て、目的の配列を発現するライブラリの数を全ての分類のライブラリの数で除し
、その結果をパーセント分布として示している。
【0184】 5 CaREGをコードするポリヌクレオチドの延長 SEQ ID NO:3 及び SEQ ID NO:4の完全長の核酸配列は、本明細書に記載した配
列の構成断片を延長して作製した。このとき、この断片から設計したオリゴヌク
レオチドプライマーを用いた。プライマーを用いて既知の配列の「外側への」延
長を促進し、目的の領域の新しい未知のヌクレオチド配列を含むアンプリコンを
作り出す。開始プライマーは、OLIGO 4.06(National Biosciences, P
lymouth, MN)或いは他の適切なプログラムを用いて、約22〜約30個のヌク
レオチドからなる長さで、約50%以上のGC含量を有し、かつ約68〜約72
℃の温度で標的配列にアニールするようにcDNAから設計する。ヘアピン構造
及びプライマー−プライマー二量体化を生ずるようなヌクレオチドのストレッチ
は避ける。
【0185】 この配列の延長のために選択されたヒトcDNAライブラリー(Gibco/BRL)
を用いる。2段階以上の延長が必要な場合、若しくは望ましい場合は、既知領域
をさらに延長するための別のプライマーの組を設計する。
【0186】 XL−PCRキット(Perkin Elmer Corp., Norwalk, CT)の説明書の指示に
従い、酵素と反応混合物とを完全に混合することにより、忠実度の高い増幅を行
う。それぞれ40pmolの各プライマーと、推奨された濃度のキットの他の全
ての成分とから増幅を開始する場合、PTC-200 thermal cycler(MJ. Research,
Inc., Watertown MA)を用いて、以下のパラメータ、即ち、 ステップ1 94℃で1分間(初期変性) ステップ2 65℃で1分間 ステップ3 68℃で6分間 ステップ4 94℃で15秒間 ステップ5 65℃で1分間 ステップ6 68℃で7分間 ステップ7 ステップ4〜6をさらに15サイクル反復 ステップ8 94℃で15秒間 ステップ9 65℃で1分間 ステップ10 68℃で7分15秒間 ステップ11 ステップ8〜10を12サイクル反復 ステップ12 72℃で8分間 ステップ13 4℃(その温度を保持) でPCRを行う。
【0187】 反応混合物の5〜10μlのアリコットを、低濃度の(約0.6〜0.8%)
アガロースミニゲル上での電気泳動で解析して、何れの反応物が配列を延長する
ことに成功したかを決定する。最も大きな生成物を含むと考えられるバンドを選
択して、ゲルから切り出し、QIAQUICKTM(QIAGEN Inc.)を用いて精製し、クレ
ノウ酵素を用いて末端の延び出しを切り取って、再連結及びクローニングが容易
になる平滑末端を作る。
【0188】 エタノール沈殿の後、生成物を13μlの連結バッファーに再溶解し、1μl
のT4−DNAリガーゼ(15単位)及び1μlのT4ポリヌクレオチドキナー
ゼを加えて、その混合物を室温で2〜3時間、或いは16℃で終夜インキュベー
トする。(40μlの適切な培養液の中の)コンピテントな大腸菌細胞を、3μ
lの連結混合物を用いて形質転換し、80μlのSOC培養液で(例えば、Semb
roo、前出、Appendix A, p. 2を参照)で培養する。37℃で1時間インキュベ
ートした後、全ての形質転換した混合物を、カルベニシリン(2x carb)
を含むLuria Bertani(LB)アガー(例えば、Sembrook、前出、Appendix A, p
. 1を参照)上にプレートする。後日、いくつかのコロニーを各プレートから無
作為に選択し、適切な市販の滅菌96穴マイクロタイタープレートの各ウェル内
に入れられた150μlの液状のLB/2xCarb培地で培養する。さらに後
日、それぞれ5μlの終夜培養した各培養物を非滅菌96穴プレート内に移し、
水で1:10に希釈した後、各サンプルの内の5μlをPCRアレイに移す。
【0189】 PCR増幅のため、4単位のrTthDNAポリメラーゼを含む18μlの濃
縮PCR反応混合物(3.3x)、ベクタープライマー、並びに延長反応に用い
られる遺伝子特異的プライマーの一方或いは両方を各ウェルに加える。増幅は以
下の条件、即ち ステップ1 94℃で60秒間 ステップ2 94℃で20秒間 ステップ3 55℃で30秒間 ステップ4 72℃で90秒間 ステップ5 ステップ2〜4をさらに29サイクル反復 ステップ6 72℃で180秒間 ステップ7 4℃(そのまま保持) で行う。
【0190】 PCR反応物のアリコットを、分子量マーカーと共にアガロースゲル上で移動
させる。PCR産物のサイズを元の部分的なcDNAと比較して、適切なクロー
ンを選択し、プラスミドに連結して配列決定をした。
【0191】 同様に、SEQ ID NO:3 及び SEQ ID NO:4のヌクレオチド配列を利用して上述の
手順で、この5′延長のために設計したオリゴヌクレオチドと好適な遺伝子ライ
ブラリを用いて5′調節配列(regulatory sequence)を得た。
【0192】 6 個々のハイブリダイゼーションプローブの標識及び使用 SEQ ID NO:3 及び SEQ ID NO:4から導出したハイブリダイゼーションプローブ
を用いて、cDNA、mRNA、またはゲノムDNAをスクリーニングする。約
20塩基対からなるオリゴヌクレオチドの標識について特に記すが、より大きな
cDNA断片の場合でも基本的に同じ手順を用いる。オリゴヌクレオチドを、OL
IGO4.06ソフトウェア(National Bioscience)のような最新式のソフトウェアを
用いて設計し、50pmolの各オリゴマーと、250μCiの[γ‐32P]ア
デノシン三リン酸(Amersham, Chicago, IL)及びT4ポリヌクレオチドキナー
ゼ(DuPont NEN、Boston MA)とを組み合わせて用いることにより標識する。標
識されたオリゴヌクレオチドを、SephadexTM G-25超精細排除デキストランビー
ドカラム(Pharmacia & Upjohn, Kalamazoo, MI)を用いて実質的に精製する。
毎分10カウントの標識されたプローブを含むアリコットを、次のエンドヌク
レアーゼ、AseI,Bgl II,EcoRI,Pst I,Xba1或いはPvuII(DuPont NEN)の1
つを用いて切断したヒトゲノムDNAの典型的な膜ベースのハイブリダイゼーシ
ョン解析において用いる。
【0193】 各切断物からのDNAを、0.7%アガロースゲル上で分画して、ナイロン製
メンブラン(Nytran Plus, Schleicher & Schuell, Durham NH)に転写する。ハ
イブリダイゼーションは40℃で16時間かけて行う。非特異的シグナルを取り
除くため、ブロットを、段階的に厳密性が増す条件で最大0.1xクエン酸ナト
リウム食塩水及び0.5%ドデシル硫酸ナトリウムまで順次室温にて洗浄する。
XOMAT ARTMフィルム(Kodak, Rochester, NY)を数時間ブロットに暴露した後、
ハイブリダイゼーションパターンを視覚的に比較する。
【0194】 7 マイクロアレイ 化学結合方法及びインクジェット装置を用いて、基板の表面上でアレイ要素を
合成することが可能である(例えば、上記Baldeschweilerを参照)。ドットブロ
ット法またはスロットブロット法に類似したアレイを利用し、要素を熱、UV、
機械的または化学的結合方法を用いて基板の表面に配置し結合させる。典型的な
アレイは、手作業または利用可能な方法や機械を用いて作製することができ、任
意の適正な数の要素を含み得る。ハイブリダイゼーションの後、ハイブリダイズ
していないプローブを取り除き、スキャナーを用いて蛍光のレベル及びパターン
を決定する。スキャンした画像を分析して、マイクロアレイ上で要素にハイブリ
ダイズする各プローブの相補性の程度及び相対的な量/発現レベルを調べること
が可能である。
【0195】 完全長のcDNA、発現配列タグ(EST:Expressed Sequence Tags)、或
いはそれらの断片が、マイクロアレイの要素を含み得る。ハイブリダイゼーショ
ンに好適な断片を、LASERGENETMなどの当分野で公知のソフトウェアを用いて
選択することが可能である。本発明の核酸配列の1つに対応する完全長のcDN
A、EST、或いはそれらの断片、或いは本発明に関連するcDNAライブラリ
から任意に選択されたcDNAを、ガラススライドなどの好適な基板に整列する
。cDNAは、例えばUV交差結合(UV cross-linking)を利用してスライドに
固定してから、熱処理及び化学処理を施し、最後に乾燥させる(例えば、 Schena
, M. 他. (1995) Science 270:467-470; 及び Shalon,D. 他. (1996) Genome Re
s. 6:639-645を参照)。蛍光プローブを基板上の要素にハイブリダイゼーション
するために準備する。上記した方法によってこの基板を分析する。
【0196】 8 相補的ポリヌクレオチド CaREGをコードする配列或いはその任意の一部に対して相補的な配列は、自然
発生のCaREGの発現の低下即ち阻害するために用いられる。約15〜約30個の
塩基対を含むオリゴヌクレオチドの使用について記すが、より小さな或いはより
大きな配列の断片の場合でも本質的に同じ方法を用いることができる。Oligo4.0
6ソフトウェア及びCaREGをコードする配列を用いて、好適なオリゴヌクレオチド
を設計する。転写を阻害するためには、最も独特な5′配列から相補的なオリゴ
ヌクレオチドを設計し、これを用いてプロモーターがコーディング配列に結合す
るのを阻害する。翻訳を阻害するためには、相補的なオリゴヌクレオチドを設計
して、リボソームがCaREGをコードする転写物に結合するのを阻害する。
【0197】 9 CaREGの発現 CaREGの発現及び精製は、細菌またはウイルスを基にした発現系を用いて行う
ことができる。細菌でCaREGが発現するために、抗生物質耐性及びcDNAの転
写レベルを高める誘導性のプロモーターを含む好適なベクターにcDNAをサブ
クローニングする。このようなプロモーターには、lacオペレーター調節エレメ
ントに関連するT5またはT7バクテリオファージプロモーター及びtrp-lac(ta
c)ハイブリッドプロモーターが含まれるが、これらに限定されるものではない。
組換えベクターを、BL21(DE3)などの好適な細菌宿主に形質転換する。抗生物質
耐性をもつ細菌が、イソプロピルβ−Dチオガラクトピラノシド(IPTG)で誘発さ
れるとHLORを発現する。真核細胞でのCaREGの発現は、昆虫細胞株または哺
乳動物細胞株に一般にバキュロウイスルスとして知られているAutographica cal ifornica 核多面性ウイルス(AcMNPV)を感染させて行う。バキュロウイルスの非必
須ポリヘドリン遺伝子を、相同組換え或いは転移プラスミドの媒介を伴う細菌の
媒介による遺伝子転移のどちらかによって、CaREGをコードするcDNAと置換
する。ウイルスの感染力は維持され、強いポリヘドリンプロモータによって高い
レベルのcDNAの転写が行われる。組換えバキュロウイルスは、多くの場合は Spodoptera frugiperda (Sf9)昆虫細胞に感染に用いられるが、ヒト肝細胞の感
染にも用いられることもある。後者の感染の場合は、バキュロウイルスの更なる
遺伝的変更が必要になる。(例えば、Engelhard. E. K.他 (1994) Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 91:3224-3227; Sandig, V. 他 (1996) Hum. Gene Ther. 7:1937-
1945.を参照)。
【0198】 殆どの発現系では、CaREGが、例えばグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)
、またはFLAGや6-Hisなどのペプチドエピトープ標識で合成された融合タンパク
質となるため、未精製の細胞溶解物からの組換え融合タンパク質の親和性ベース
の精製が素早く1回で行うことができる。Schistosoma japonicumからの26キ
ロダルトンの酵素であるGSTによって、タンパク質の活性及び抗原性を維持し
た状態で固定されたグルタチオンで融合タンパク質の精製が可能となる。(Pharm
acia, Piscataway, N J)。精製の後、GST部分を特定の操作部位でHLORか
らタンパク分解的に切断できる。アミノ酸8個のペプチドであるFLAGで、市
販のモノクロナール及びポリクロナール抗FLAG抗体(Eastman Kodak, Rochester,
NY)を用いた免疫親和性の精製が可能となる。6個のヒスチジン残基が連続して
伸展した6-Hisによって、金属キレート樹脂(QIAGEN Inc, Chatsworth, CA)で精
製が可能となる。タンパク質の発現及び精製の方法は、Ausubel (1995,及び定期
的な追加)に記載されている(Current Protocols in Molecular Biology, John W
iley & Sons, New York, NY, ch 10, 16.)。これらの方法で精製したHLORを
直接用いて以下の活性のアッセイを行うことができる。
【0199】 10 CaREG活性の実証 CaREG活性のアッセイは、Ca2+オーバーレイシステム(Weis, K. 他 (1994) J.
Biol. Chem. 269:19142-19150.)を用いて、CaREGとCa2+との結合を測定する。精
製したCaREGをニトロセルロース膜に移して固定させる。この膜を緩衝液(60
mMのKCl、5mMのMgCl、10mMのイミダゾールHCl、pH6.
8)で3回洗い流してから、1μCi[45Ca2+](NEN-DuPont, Boston, MA)を用
いてこの緩衝液に10分間インキュベートする。結合しなかった[45Ca2+]を水洗
して膜から取り除き、乾燥させる。膜結合[45Ca2+]を、オートラジオグラフィー
で検出して、画像分析システム及びプログラムを用いてその量を測定する。CaRE
Gの活性は、膜上で検出された[45Ca2+]の量に比例する。
【0200】 11 機能的アッセイ CaREGの機能は、哺乳動物細胞培養系において生理学的に高められたレベルで
のCaREGをコードする配列の発現によって評価する。cDNAを、cDNAを高
いレベルで発現する強いプロモーターを含む哺乳動物発現ベクターにサブクロー
ニングする。このようなベクターには、pCMV SPORT (Life Technologies)及びPC
R 3.1 (Invitrogen, Carlsbad, CA)が含まれ、どちらもサイトメガロウイルスプ
ロモーターを含んでいる。5〜10μgの組換えベクターを、好ましくは内皮由
来か造血由来のヒト細胞株にリポソーム製剤或いは電気穿孔法によって一過性に
形質移入する。更に、標識タンパク質をコードする配列を含む1〜2μgのプラ
スミドを同時に形質移入する。標識タンパク質の発現により、形質移入された細
胞と形質移入されていない細胞とを区別できる。また、標識タンパク質の発現に
よって、cDNAの組換えベクターからの発現を正確に予想できる。このような
標識タンパク質には、緑色蛍光タンパク質(GFP) (Clontech, Palo Alto, CA)、
及びCD64またはCD64-GFP融合タンパク質が含まれる。レーザー光学に基づいた技
術を利用した自動流動細胞計測法(FCM)を用いて、GFPまたはCD64-GFPを発現する
形質移入された細胞を同定し、アポトーシスの状態などの特性を評価する。また
、FCMで、先行した或いは同時の細胞死の現象を診断する蛍光分子の取り込み
を検出して計量する。これらの現象には、プロピジウムヨウ化物でのDNAの染
色によって計測される核DNA内容物の変化と、ブロモデオキシウリジンの取り
込み量の低下によって計測されるDNA合成の下方調節と、特異的な抗体との反
応性によって計測される細胞表面及び細胞内のタンパンク質の発現の変化と、蛍
光複合アネキシンVタンパク質の細胞表面への結合によって計測される原形質膜
組成の変化とが含まれる。流動細胞計測法は、Ormerod, M. G.による (1994) Fl ow Cytometry ( Oxford, New York, NY.)に記載されている。
【0201】 遺伝子発現におけるCaREGの影響は、CaREGをコードする配列とCD64またはCD64
-GFPのどちらかが形質移入された高度に精製された細胞集団を用いて評価するこ
とができる。CD64またはCD64-GFPは形質転換された細胞表面で発現し、ヒト免疫
グロブリンG(IgG)の保存された領域と結合する。形質転換された細胞と形質転換
されない細胞とは、ヒトIgGかCD64に対する抗体のどちらかで被覆された磁気ビ
ードを用いて分離することができる。(DYNAL. Lake Success. NYを参照)。mR
NAは、当分野で公知の方法で細胞から精製することができる。CaREG及び目的
の他の遺伝子をコードするmRNAの発現は、ノーザン分析やマイクロアレイ技
術で分析することができる。
【0202】 12 CaREGに特異的な抗体の産生 ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE) (例えば、Harrington,M.G. (1990)
Methods Enzymol. 182:488-495を参照)または他の精製技術を用いて実質的に精
製されたCaREGを、標準的なプロトコルによりウサギを免疫化し、抗体を作り出
すために用いる。
【0203】 別法では、CaREGアミノ酸配列をLASERGENEソフトウェア(DNASTAR I
nc.)を用いて解析して免疫原性の高い領域を決定し、対応するオリゴペプチド
を合成してこれを用いて当業者に周知の方法で抗体を産生させる。C末端付近の
、或いは隣接する親水性領域内のエピトープなどの適切なエピトープの選択につ
いては、当分野で周知である(例えば、前出のAusubel他による11章を参照)。
【0204】 通常、約15残基の長さのオリゴペプチドを、Applied Biosystemsのペプチド
シンセサイザModel 431Aを用いてfmoc法のケミストリにより合成し、N−マ
レイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)を用い
た反応によりKLH(Sigma, St. Louis, MO)に結合させて、免疫原生を高める
(例えば、前出のAusubel 他による文献を参照)。フロイントの完全アジュバント
においてオリゴペプチド−KLH複合体を用いてウサギを免疫化する。得られた
抗血清の抗ペプチド活性を検査するには、例えばペプチドをプラスチックに結合
し、1%BSAを用いてブロックし、ウサギ抗血清と反応させて洗浄し、さらに
放射性ヨウ素標識されたヤギ抗ウサギIgGと反応させる。
【0205】 13 特異的抗体を用いる自然発生CaREGの精製 自然発生CaREG或いは組換えCaREGを、CaREGに特異的な抗体を用いるイムノア
フィニティークロマトグラフィにより実質的に精製する。イムノアフィニティー
カラムは、CNBr-活性化SEPHAROSE(Pharmacia & Upjohn)のような活性化クロマ
トグラフィー用レジンとCaREG抗体とを共有結合させることにより構築する。結
合の後、そのレジンを製造者の使用説明書に従って、ブロックし洗浄する。
【0206】 CaREGを含む培養液をイムノアフィニティーカラムに通し、そのカラムをCaREG
を優先的に吸着できる条件下で(例えば、界面活性剤の存在下において高イオン
強度のバッファーで)洗浄する。このカラムを、抗体とCaREGとの結合を切るよ
うな条件下で(例えば、pH2−3のバッファー、或いは高濃度の尿素またはチ
オシアン酸塩イオンのようなカオトロピックイオンで)溶出させ、CaREGを回収
する。
【0207】 14 CaREGと相互作用する分子の同定 CaREG又は生物学的に活性なその断片を、125Iボルトンハンター試薬(例
えば、Bolton他 (1973) Biochem. J. 133:529を参照)で標識する。マルチウェ
ルプレートに予め配列しておいた候補の分子を、標識したCaREGと共にインキュ
ベートし、洗浄して、標識したCaREG複合体を有する全てのウェルをアッセイす
る。様々なCaREG濃度で得られたデータを用いて、候補の分子とCaREGとの結合、
親和性、数について数値を計算する。
【0208】 当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本発明の記載した方法
及びシステムの種々の改変を行うことができるであろう。特定の好適実施例に基
づいて本発明を説明したが、本発明の範囲が、そのような特定の実施例に不当に
制限されるべきではないことを理解されたい。実際に、分子生物学或いは関連す
る分野の専門家には明らかな本明細書に記載の本発明の実施のための方法の様々
な改変は、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【0209】 表の簡単な説明 表1は、CaREGの分析に用いたプログラム、その説明、引用文献、閾値パラメ
ータ(該当する部分)を示す。
【表1】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 CaREG-1のアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)及び核酸配列(SEQ ID NO:3)の一部を
示す。このアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェア(Hitachi Software
Engineering Co. Ltd., Yokohama, Japan)を用いて作成した。
【図1B】 CaREG-1のアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)及び核酸配列(SEQ ID NO:3)の一部を
示す。このアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェア(Hitachi Software
Engineering Co. Ltd., Yokohama, Japan)を用いて作成した。
【図2A】 CaREG-2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)及び核酸配列(SEQ ID NO:4)の一部を
示す。このアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェアを用いて作成した。
【図2B】 CaREG-2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)及び核酸配列(SEQ ID NO:4)の一部を
示す。このアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェアを用いて作成した。
【図2C】 CaREG-2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)及び核酸配列(SEQ ID NO:4)の一部を
示す。このアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェアを用いて作成した。
【図2D】 CaREG-2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)及び核酸配列(SEQ ID NO:4)の一部を
示す。このアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェアを用いて作成した。
【図2E】 CaREG-2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)及び核酸配列(SEQ ID NO:4)の一部を
示す。このアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェアを用いて作成した。
【図2F】 CaREG-2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)及び核酸配列(SEQ ID NO:4)の一部を
示す。このアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェアを用いて作成した。
【図2G】 CaREG-2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)及び核酸配列(SEQ ID NO:4)の一部を
示す。このアラインメントは、MACDNASIS PROソフトウェアを用いて作成した。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/00 C07K 14/47 4C084 35/00 16/18 4C085 C07K 14/47 C12N 1/15 4H045 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z C12Q 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 C12N 15/00 ZNAA 5/00 A 33/566 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 タング、ワイ・トム アメリカ合衆国カリフォルニア州95118・ サンノゼ・ランウィックコート 4230 (72)発明者 コーレイ、ニール・シー アメリカ合衆国カリフォルニア州94040・ マウンテンビュー・#30・デールアベニュ ー 1240 (72)発明者 ゲグラー、カール・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94025・ メンロパーク・オークランドアベニュー 1048 (72)発明者 ボーグン、マライア・アール アメリカ合衆国カリフォルニア州94577・ サンレアンドロ・サンティアゴロード 14244 (72)発明者 ジュンミング、ヤング アメリカ合衆国カリフォルニア州95129・ サンノゼ・クラレンドンストリート 7136 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB01 BB07 BB10 BB20 BB41 BB50 DA13 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 AA12 BA80 CA04 CA09 DA02 DA06 EA02 EA04 GA11 HA01 HA14 HA15 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ53 QR56 QR62 QR82 QS12 QS25 QS34 4B064 AG01 CA02 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 DA14 4B065 AA26X AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA01 AA07 CA56 NA14 ZA01 ZA36 ZB26 4C085 AA13 AA14 DD61 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA76 DA86 EA22 EA23 EA28 EA50 EA51 FA72 FA74 GA26

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2及びそれらの断片からなる一群
    から選択されたアミノ酸配列を含む実質的に精製されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1のアミノ酸配列と90%以上のアミノ酸同一性を
    有する実質的に精製された変異体。
  3. 【請求項3】 請求項1のポリペプチドをコードする単離され精製された
    ポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 請求項3のポリヌクレオチドと70%以上のポリヌクレオ
    チド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列。
  5. 【請求項5】 厳密な条件の下で請求項3のポリヌクレオチドとハイブリ
    ダイズする単離され精製されたポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 請求項3のポリヌクレオチド配列と相補的な配列を有する
    単離され精製されたポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4及びそれらの断片からなる一群
    から選択されたポリヌクレオチド配列を含む単離され精製されたポリヌクレオチ
    ド。
  8. 【請求項8】 請求項7のポリヌクレオチドと70%以上のポリヌクレオ
    チド配列同一性を有する単離され精製されたポリヌクレオチド変異配列。
  9. 【請求項9】 請求項7のポリヌクレオチドと相補的な配列を有する単離
    され精製されたポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 請求項3のポリヌクレオチドの少なくとも1つの断片を
    含む発現ベクター。
  11. 【請求項11】 請求項10の発現ベクターを含む宿主細胞。
  12. 【請求項12】 ポリペプチドの製造方法であって、 (a)前記ポリペプチドの発現に好適な条件の下で、請求項11の宿主細胞を
    培養する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含むこと
    を特徴とする製造方法。
  13. 【請求項13】 好適な医薬用担体と共に請求項1のポリペプチドを含む
    医薬品組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1のポリペプチドと特異的に結合する精製された
    抗体。
  15. 【請求項15】 請求項1のポリペプチドの精製されたアゴニスト。
  16. 【請求項16】 請求項1のポリペプチドの精製されたアンタゴニスト。
  17. 【請求項17】 神経疾患の治療または予防方法であって、そのような処
    置が必要な患者に、請求項13の医薬品組成物を効果的な量投与する過程を含む
  18. 【請求項18】 心血管疾患の治療または予防方法であって、そのような
    処置が必要な患者に、請求項13の医薬品組成物を効果的な量投与する過程を含
    む。
  19. 【請求項19】 癌の治療または予防方法であって、そのような処置が必
    要な患者に、請求項16のアンタゴニストを効果的な量投与する過程を含む。
  20. 【請求項20】 生物学的サンプルにおいて、ポリヌクレオチドを検出す
    る方法であって、 (a)請求項6のポリヌクレオチドを前記生物学的サンプルの少なくとも1つ
    の核酸とハイブリダイズさせて、ハイブリダイゼーション複合体を形成する過程
    と、 (b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程であって、前記ハイ
    ブリダイゼーション複合体の存在が、前記生物学的サンプルに前記ポリペプチド
    をコードするポリヌクレオチドが存在することと相関性を有する、該過程とを含
    むことを特徴とする検出方法。
  21. 【請求項21】 前記ハイブリダイゼーションの前に前記ポリヌクレオチ
    ドを増幅する過程を更に含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
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