JP2003524513A - 粘稠物質からの離散ペレットの形成方法 - Google Patents

粘稠物質からの離散ペレットの形成方法

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JP2003524513A JP2000567297A JP2000567297A JP2003524513A JP 2003524513 A JP2003524513 A JP 2003524513A JP 2000567297 A JP2000567297 A JP 2000567297A JP 2000567297 A JP2000567297 A JP 2000567297A JP 2003524513 A JP2003524513 A JP 2003524513A
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    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
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Abstract

(57)【要約】 粘稠物質からペレットを製造する方法は、第1の導管(20)から第1のゾーンのペレット化流体中に粘稠物質を押出し;そして押出された粘稠物質とペレット化流体とを、第1のゾーンに比べてペレット化流体の速度が増加し且つ圧力が段階的に低下する第2のゾーンに移動させる工程を含む。この工程変化の組み合わせによって、ペレット化流体が粘稠物質に及ぼす力が実質的に均一なサイズ分布を有する離散ペレットを充分に形成するのに充分な力を生ずる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 発明の分野 本発明は、溶液及び溶融液を含む粘稠物質からペレットを形成する方法に関す
る。より詳しくは、本発明は、段階的差圧及び流体速度の増加を用いて、粘稠物
質からペレットを形成する方法に関する。本方法は、約40,000センチポア
ズより大きい粘度を有する粘稠物質から、実質的に均一な寸法を有するペレット
を製造するのに特に有用である。
【0002】関連技術の説明 ポリマーペレットは商業的にはいくつかの異なる方法で形成されている。粘稠
なポリマー溶液及び溶融液をペレット化するための現行の方法は、機械的な性格
が強い。これらの装置は、刃、ワイヤーもしくはポンプを用いてポリマーストラ
ンドをペレットに切断するか、液体ポリマーペレットを可動トレイ上に滴下して
ペレットに硬化させるか、または液体ポリマーのストランドを振動させてペレッ
トにすることを含む。これらの方法は機械的であるため、維持費、エネルギー費
及び労務費が製品の総製造コストのかなりの部分を占める可能性がある。
【0003】 粘稠物質溶液及び溶融液のペレット成形は、商業的規模で広く実施されている
。現行のやり方は、以下のペレット成形系の多くの異なる変形を含む: 1.水中のペレットカッター。これらの装置は、一組の刃またはポンプを用いて
、ポリマーストランドをペレットに切断する。刃は、ポリマーがダイ前面から押
し出される直後に、またはダイ前面から下流にある程度の距離を置いた位置に配
置されることができる。この方法は水中で実施される。
【0004】 2.パステル(半球形ペレット)は、商標「SANDVIK ROTOFORM
PROCESS」として知られている方法のような方法を用いて形成できる。
この方法においては、液体ポリマーの小塊が可動スチールベルト上に滴下される
。ベルトは水冷される。水は、ポリマーを冷却及び凝固させて、ペレットを形成
するのに役立つ。
【0005】 3.微小球技術は、直径0.2〜5mmの範囲の球状ビーズを製造する。液体ポリ
マーは振動ノズルを通してポンプ輸送され、流体の流れが散って均一な液滴とな
る。この方法は、現行では低粘度溶液に限定されている。
【0006】 米国特許第3,414,640号は、セルロースエステルグラニュールの沈澱
及び形成方法を開示している。セルロースエステル溶液はダイ孔を通して押出さ
れ、ダイ孔から押出されるポリマーは、その表面上を周期的にスイープする刃に
よってグラニュールに切断される。
【0007】 米国特許第3,213,170号は、ダイ開口部から物質を連続的に押出し、
そして気体流を押出方向と垂直に向けることによって、押出された物質を開口部
から強制的に切り取ることによる、粒状物質の製造方法を開示している。
【0008】 米国特許第4,192,838号は、セルロースアセテートドープからの繊維
の製造方法を開示している。この方法は、細管針を用いて、ポリマー溶液をベン
チュリオリフィスのスロートに導入する。この方法では、形態及び寸法が天然繊
維に類似したセルロースエステル微繊維(fibret)を製造できる。
【0009】 米国特許第4,013,744号は、溶融熱可塑性ポリマーのストランドをオ
リフィスを通して、10〜100m/秒で流れる液体の推進ジェットによって作
られる剪断勾配ゾーンに押出することによるフィブリドの製造方法を開示してい
る。
【0010】 セルロースの有機誘導体、特にセルロースの有機エステル、例えば、セルロー
スアセテート、セルロースプロピオネート及びセルロースブチレートの製造にお
いては、有機酸によるセルロースのエステル化によって、セルロース誘導体の酸
溶媒中溶液が得られる。例えば、セルロースアセテートの製造においては、セル
ロースは、セルロース系物質の酢酸を存在下において無水酢酸及び触媒と接触さ
せることによってアセチル化される。酢酸は、形成されるセルロースアセテート
を溶解させて、「酸ドープ」と称される極めて重い粘稠な溶液を生成する。通常
は加水分解後に、セルロースアセテートのこの溶液は、酸濃度が、酸がセルロー
スアセテートを溶解状態に保持できない点に達するまで水を添加することによっ
て沈澱させられる。
【0011】 「溶剤ドープ」と称される有機溶剤溶液からのセルロースアセテートまたは二
次セルロース物質の単離は、広範囲にわたって研究されてきた。セルロースアセ
テート、すなわち、平均置換度が概ね2.5のセルロースアセテートをアセチル
化及び加水分解工程によって製造する公知の方法では、セルロースアセテートの
酢酸・水混合物中溶液が生成される。前述の通り、セルロースのアセチル化にお
いて得られる反応混合物からセルロースアセテートを沈澱させる1つのやり方は
、ペレットの形態の反応混合物をより大量に水中に装入することである。
【0012】 従って、可動部分をほとんどまたは全く持たない装置を用いて別々に識別でき
るペレットを形成する方法へのニーズがある。さらに、粘稠物質から実質的に均
一な寸法のペレットを製造することへのニーズもある。
【0013】発明の要約 本発明は、粘稠物質からの離散ペレットの形成方法、すなわち、ポリマー溶液
及び溶融液のような粘稠物質から離散ペレットを製造する方法を提供する。簡潔
に言えば、この方法においては、粘稠物質のストランドは、ペレット成形流体が
比較的にゆっくり移動する第1のゾーンを通って押出されてから、ペレット成形
流体が速く移動する第2のゾーンに入る。第1のゾーンはペレットの長さを決定
し、第2のゾーンは、押出されているストランドからペレットを分離することに
よってペレットを形成するのに役立つ。本方法の利点は、粘稠物質からペレット
を形成するのに可動部分を必要としないことである。この方法は、粘稠物質を第
1の導管から第1のゾーン中のペレット成形流体中へ押出し;そして押出された
粘稠物質とペレット成形流体を、第1のゾーンより比較的低い圧力を有する第2
のゾーンに移すことによって、ペレット成形流体と粘稠物質の速度を実質的に増
加させて離散ペレットを形成する工程を含む。
【0014】 本発明の好ましい実施態様において、本方法は、第1の導管中に粘稠物質を供
給し;少なくとも一部分が第1の導管を取り囲む第2の導管中にペレット成形流
体を供給し;第1の導管から、第1のゾーン中のペレット成形流体流中に粘稠物
質を押出し;そしてペレット成形流体流と押出された粘稠物質とを、ペレット成
形流を制限するか部分的に阻害する手段を有する第2のゾーンに通すことによっ
て、ペレット成形流体流の速度を実質的に増加させ、ペレット成形流体圧を段階
的に低下させ且つ粘稠物質から離散ペレットを形成することを含む。
【0015】 本発明の目的は、粘稠物質から実質的に均一な寸法を有する離散ペレットを形
成でき且つペレットの形成に可動部分が必要であるという欠点を克服する方法を
提供することにある。
【0016】 本発明の他の目的及び利点は、以下の説明及び添付図面を考慮すれば当業者に
はより明白になるであろう。図の様々な描写において、同様の参照数字は類似の
部分を示すものとする。
【0017】図面の簡単な説明 本明細書中に組み入れられて、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明
の実施態様を示すものであり、この「図面の簡単な説明」と共に、本発明の原理
を説明するのに役立つ。
【0018】発明の詳細な説明 本発明によれば、粘稠物質の離散ペレットの形成方法が提供される。理論によ
って束縛するつもりはないが、本発明は圧力の段階的変化及び押出物表面への剪
断力を使用して、ペレットを形成すると考えられる。
【0019】 本発明の方法の一実施態様をより詳細に説明するために図1A〜2Dを参照す
る。ペレット化するための粘稠物質10は、第1の導管20の第1の開口部15
を通って第1のゾーンにポンプ輸送または押出される。第1の導管20は、少な
くとも一部分が、ペレット化流体32が流れる外部ジャケットまたは第2の導管
30によって周囲が取り囲まれている。第1のゾーンは、第1の開口部15から
第2のゾーン40(低圧ゾーンまたは絞りゾーン(constriction
zone)とも称する)の初めまでの距離「D」と定義される、「間隙長さ」と
も称する長さを有する。
【0020】 図1A及び1Bにおいて、第2のゾーン40は外部管30の内側に存在する、
直径の減少した管の短い部分として示されている。直径の減少した管は、動かな
い、すなわち、固定された位置を与えるように第2の導管30の内側に付けられ
てもよいし、距離Dを変化させる、結果として、第1のゾーンの長さを変化させ
る手段を用いて装着されてもよい。
【0021】 図2のゾーンまたは絞りゾーン40は、導管30に比べてペレット化流体流の
横断面積を減少させることにより、第1のゾーンに比べてペレット形成流体の圧
力を段階的に低下させ、ペレット形成流体の速度を増加させる。第2のゾーン4
0は、ペレット成形流体の通過を妨げるかまたは阻害する制御手段を含む。制御
手段は、流体不透過性または半不透過性表面を有する任意の物質から作られるこ
とができる。絞りゾーン40はさらに、ペレット及びペレット形成流体が通過で
きるように制限手段中を通る通路を提供するための第2の開口部を制限手段中に
含む。図示した実施態様において、第2のゾーン40中の第2の開口部42は第
1の導管20の第1の開口部15と実質的に一直線に配置されている。第1のゾ
ーンにおける第2の導管30の内径から絞りゾーン40の第2の開口部42へと
直径が突然変化することによって、絞りゾーン40の開口部42の近傍において
、ペレット化流体速度が局部的に速くなり、圧力が段階的に低下する。押出され
た粘稠物質ストランドが第2の開口部42に達すると、増加した局部ペレット化
流体速度及び低圧によって、粘稠物質ストランドを結合させる内部凝集力を超え
る力が生じる。その結果、ペレットが形成され、引き離される。図1B及び2D
に示されるように、ペレット及びペレット化流体は絞りゾーン40を通って流れ
、下流へと進む。
【0022】 理論によって拘束するつもりはないが、本発明の方法は、圧力の段階的低下と
粘稠物質に及ぼされる剪断力の増加によって、粘稠物質をペレットに分割すると
考えられる。これは、第1のゾーン中の第2の導管の横断面積に比べて通路の横
断面積を低下させることにより、絞りゾーン中のペレット化流体の速度を増加す
ることによって達成される。この低下した圧力と増加したペレット成形流体速度
が、ストランド上の抵抗を増大する。従って、絞りゾーンにおけるペレット化流
体の流量は、粘稠物質の凝集結合を破壊するのに充分な力を発生または生成する
のに充分に大きくなくてはならない。
【0023】 図示したように、絞りゾーン40は、ペレット化流体及びペレットが必ず通過
する実質的に環状の部材である。しかし、絞りゾーン40は第2の開口部42の
近傍において圧力の段階的低下を生じる任意の形状であることもできる。ペレッ
トが、第2の開口部42を閉塞させることなく、ペレット化流体と共に第2のゾ
ーン40を通過できるように、第2の開口部42の直径は第1の導管20の内径
よりも大きいのが望ましい。しかし、ペレット化されている粘稠物質の物理的性
質によっては、第2の開口部42は、粘稠物質が押出される第1の導管の開口部
15の直径に等しいかまたはそれよりわずかに小さい寸法であることができる。
【0024】 ペレットの長さは、第1の開口部15から第2の開口部42までの長さである
第1のゾーンの距離「D」によって決定される。この距離Dは本明細書中では間
隙長さとも称する。間隙長さを変化させることによって、種々の長さのペレット
を形成できる。また、間隙長さを内部管オリフィス15の内径に概ね等しく設定
することによって球形ペレットを形成することが可能である。間隙長さは、本発
明に従ってペレット長さの制御を持続するためにはゼロより大きくなければなら
ない。
【0025】 本発明の内部導管及び外部導管の好ましい実施態様は、図面中では円筒形を有
するものとして示してあるが、本発明の範囲から逸脱しなければ、円形以外の横
断面を有する導管も使用できる。例えば、第1の導管と第2の導管は、生成物の
目的用途に応じて正方形、三角形または溝のついた形状であることができる。
【0026】 さらに、内部管開口部は種々の形状を有することができる。例えば、第1の導
管20の開口部15は、鈍いまたは四角に切られた、鋭い刃を持った、凹、凸、
角を丸められたまたはそれらの組み合わせである縁を有することができる。
【0027】 制限流路の入り口42と出口44とは、絞りゾーン40に流入し且つ絞りゾー
ン40から流出する水流に影響を与えるために別の形状を取ることもできる。例
えば、開口部は凹または凸であることができる。図示した実施態様においては、
第2ゾーン40の制限手段は、内部管20及び外部管30の中心線に実質的に垂
直な表面を含む。開口部42はこの表面を貫いて伸びて、ペレット及びペレット
化流体が通過する流路を定める。
【0028】 図2A〜2Dを参照して、ペレットの形成についてより詳細に説明する。粘稠
物質は、管20の第1の開口部15において第1のゾーンのペレット化流体32
中に押出される。ペレット化流体32は内部管20の外径と外部管30の内径に
よって規定される容量で流れている。ペレット化流体は、速度(V1 )で移動し
ていることが図示されている。粘稠物質のストランドが第2の開口部42に達す
ると、絞りゾーン40において減少した圧力と増大した流体速度によって、押出
されているストランドに対する力が増大し、その力によってストランドが切り取
られ、新しいペレットが形成される。切れ目52は開口部15またはその近傍で
形成され、新しく形成されたペレット54は、ペレット化流体によって流体速度
(V2 )で運び去られる。ペレットの形成は、粘稠物質ストランドが第2の開口
部42に達する毎に繰り返される。ある特定のペレット成形流体及びある特定の
流量に関しては、ペレット54の外周と第2の開口部42の内周との間のクリア
ランスの大きさが、圧力降下を生じる第一の要因である。
【0029】 図示される通り、ペレット化流体は、押出されている粘稠物質の流れと実質的
に同一の方向に移動している。しかし、ペレット化流体は、粘稠物質の流れに対
して任意の方向に移動していてもよい。本発明の方法においてペレット化流体及
び粘稠物質にとって唯一重要なことは、絞りゾーンの第2の開口部42を通る一
致した流体流を有することである。
【0030】 ペレット化流体は、絞りゾーンにおいて段階的圧力降下及び流体速度の増加を
生じる任意の流体または流体混合物であることができる。適当なペレット化流体
としては、単相流体系、例えば、水、水−酸混合物、水−塩基混合物、液体−溶
剤混合物、例えば、水−アセトン、水−メチルエチルケトン、空気、水蒸気及び
窒素;または二相液体−気体混合物、例えば、水−空気及び/もしくは窒素、水
−酸−空気及び/もしくは窒素混合物、水−塩基−空気及び/もしくは窒素混合
物、液体−溶剤−空気及び/もしくは窒素混合物、例えば、水−アセトン−空気
及び/もしくは窒素、水−メチルエチルケトン−空気及び/もしくは窒素などが
挙げられる。
【0031】 絞りゾーンにおける妨げられていない平均速度(V2 )は、ペレットが形成さ
れるためには最小値より速く保たなければならない。流量が最小流量より少ない
と、押出されているポリマーはペレットに切れず、代わりに長いストランドが形
成される。例えば、粘稠物質が、約1/2ポンド/分の流量及び約40,000
センチポアズ(cp)より大きい粘度を有する酢酸セルロースのようなセルロース
エステルのドープ(酸または溶液ドープ)である場合には、絞りゾーン中のペレ
ット化流体の線速度(V2 )は、長いストランドが生じないように約3フィート
/秒(ft/sec)より大きくなければならない。粘稠物質のレオロジーによっては
、3ft/sec 未満の流速(V2 )を使用できることが予測できる。
【0032】 本発明の方法は、種々の粘稠物質の離散ペレットの製造に使用できる。適当な
物質の非限定的例としては以下のものが挙げられる:PET及びPENを形成す
るための、ジカルボン酸、例えば、テレフタル酸及びナフタレン酸とジオール、
例えばエチレングリコール及びジエチレングリコールとのエステル及びポリエス
テル;セルロースの有機エステル及びエーテルのようなセルロース誘導体、例え
ば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート
、エチルセルロース、メチルセルロース及びベンジルセルロース;ポリオレフィ
ン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン;ポリアミド;ポリスチレン;前
記ポリマーのコポリマー、ならびにそれらの混合物。さらに、本発明に従って押
出してペレットに形成できる物質は、ストランドを結合させる内部凝集力を超え
る抵抗力を生成するようにストランドの外周に沿って通って流されている流体に
よってペレットに切り取られることができるストランドの形態となるのに必要な
特性を有する任意の物質とすることができる。
【0033】 この方法は、流体流のための2つの導管20及び30を有するものとして図示
及び説明するが、この方法はこのような形状に限定されないことを理解されたい
。例えば、1個またはそれ以上の開口部を有する2枚のダイプレートを使用でき
る。第1のダイプレートは、粘稠物質を押出し、ペレット化流体及び粘稠物質が
通って流れる第2のダイプレートは、第1のダイプレートからある距離Dに配置
される(図示せず)。従って、本発明に従ってペレットを形成できる他の形状も
使用できる。
【0034】 本発明をさらに以下の例中で説明する。例中において、一連の実験に共通の変
数を、各実験の具体的な結果と共に記載する。全ての例中において、内部管中に
はセルロースアセテートドープを注入し、ペレット成形流体としては液体、気体
または両者の混合物を使用した。
【0035】比較例 図3及び4に関しては、以下の条件においてセルロースアセテートドープをペ
レットに形成した。
【0036】
【表1】
【0037】 この比較例から、先行技術に記載されたのと同様な方法を用いて製造されたペ
レットは28%より大きい、許容できないほど高い標準偏差を有することが明白
である。さらに、図4に見られるペレットサイズのヒストグラムからは、ある特
定の寸法の物質を加工するための系を設計しようとするならば、先行技術では非
常に困難であることがわかる。
【0038】実施例1 この例においては、条件は以下の条件を除いて前記比較例と同様にした:比較
例において形成されたのとほぼ等しい寸法のペレットが形成されるように、内部
管は本発明に従って、粘稠物質の第1の開口部から絞りゾーンの第2の開口部ま
での長さである距離D、0.512インチ(1.3cm)(これに対して比較例で
は0である)に配置した。図5から、本発明の方法を用いて形成されたペレット
は、寸法が0.537インチ(1.365cm)で、寸法の標準偏差がわずか0.
011インチ(0.028cm)、すなわち、約2.0%であり、予想外の、驚く
ほどばらつきのない寸法を有する。
【0039】実施例2〜5 実施例2〜5に共通する変数を以下に列挙する:
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】 実施例2〜5は、間隙長さが増加するにつれて(0.197から1.181イ
ンチ)、ペレット長さも増加する(0.180〜1.103インチ)ことを示し
ている。従って、ペレット長さは間隙長さDに正比例する(図1)。
【0046】
【表7】
【0047】 実施例6は、より長い間隙長さを使用すると、より長いペレットを生成でき;
間隙長さ12.0インチでは、長さ11.97インチのペレットが得られること
を示している。
【0048】実施例7〜11 実施例7〜11に共通の変数を以下の列挙する:
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】
【表13】
【0055】 実施例7〜11は、広範囲のペレット成形流体流量を用いてペレットを製造で
きることを示している。ペレット成形流体流量を増加させると(6.54から3
2.7フィート/秒)、ペレット長さはわずかに減少する(0.45から0.3
3インチ)。
【0056】実施例12〜13
【0057】
【表14】
【0058】
【表15】
【0059】 実施例12〜13から、広範囲のドープ流量にわたって(0.0006〜1.
624ft/秒)ペレットを製造できることが示される。ドープ流量が異なっても
ペレット長さはほとんど変化しない。
【0060】実施例14〜18 実施例14〜18に共通の変数を以下に列挙する:
【0061】
【表16】
【0062】
【表17】
【0063】
【表18】
【0064】
【表19】
【0065】
【表20】
【0066】
【表21】
【0067】 実施例14〜18は、ペレット長さに対するドープ粘度の影響を示している。
最小ドープ粘度(41,000cp)より大きい場合には、ドープ粘度(41,0
00cp〜399,000cp)の、ペレット長さ(0.263インチ〜0.337
インチ)に対する影響はごくわずかである。最小ドープ粘度(41,000cp)
より小さい場合には、ペレットは抵抗力によって変形される。
【0068】実施例19
【0069】
【表22】
【0070】 実施例19は、混和性液体をペレット成形流体として使用できることが示して
いる。この場合、ポリマー、セルロースアセテートはペレット成形流体に可溶で
ある。このことは、ポリマーの沈澱はペレット形成に必要ないことを示している
実施例20〜21 実施例20〜21に共通の変数を以下に列挙する:
【0071】
【表23】
【0072】
【表24】
【0073】
【表25】
【0074】 実施例20〜21は、ペレット成形流体が液体もしくは気体、または液体と気
体との混合物からなることができることを示している。他の適当な気体(例えば
、空気、窒素)もペレット成形流体として使用できる。
【0075】実施例22 実施例22は、気体のみからなるペレット成形流体を使用して本発明に従って
ペレットを形成できることを示している。
【0076】
【表26】
【0077】 前述の実施例は、図5に見られるように、本発明の方法を用いて製造できる粘
稠物質のペレットは、ペレット幅及び長さの標準分布が狭い、実質的に均一のサ
イズ分布を有することを示している。長さ0.039〜11.59インチ及び幅
0.118〜0.197インチのペレットが製造され、95%より多くのペレッ
トが約12%未満、好ましくは約10%未満、より好ましくは約5%未満の標準
偏差を有していた。水、酸及び空気をペレット化媒体として使用したが、当業者
ならば任意の適当な流体を使用できることがわかるであろう。さらに、本発明に
よれば、液体と気体のような流体相の混合物を用いてペレットを製造することが
可能である。
【0078】 本発明を、現在好ましい実施態様に関して説明したが、このような開示は本明
細書中に記載した本発明を制限するものと解してはならないことを理解されたい
。この開示を読んだ後は、本発明が関係する技術に熟練した者には種々の変更及
び修正が明白になることは間違いない。請求の範囲は、本発明の精神及び範囲内
のこのような変更及び修正を全て含むと解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 本発明の実施に適当な装置を示す図である。
【図1B】 図1Aに示された装置を用いて形成されるペレットを示す図である。
【図2A】 本発明によるペレットの形成において、内部導管から押出されている粘稠物質
を示す横断面図である。
【図2B】 低圧ゾーン、すなわち、第2のゾーンに入る時の粘稠物質のストランドを示す
横断面図である。
【図2C】 粘稠物質が第2のゾーンに入る時に本発明に係るペレットが形成されることを
示す横断面図である。
【図2D】 本発明の方法に従って形成されたペレットを示す横断面図である。
【図3】 粘稠物質がペレット成形流体流に入った後に段階的圧力低下を経験しない、本
発明によらない方法を示す横断面図である。
【図4】 図3において示される方法から得られる、広範囲のペレット寸法を示すペレッ
トサイズ分布のヒストグラムである。
【図5】 本発明に従って形成されるペレットの制御されたサイズを示すペレットサイズ
分布のヒストグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 25:00 B29K 25:00 67:00 67:00 77:00 77:00 C08L 101:00 C08L 101:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP Fターム(参考) 4F070 AA02 AA11 AA12 AA41 AA47 DA12 DA60 4F201 AA01 AA03 AA13 AA24 AA29 AR02 AR08 AR12 AR17 BA02 BC01 BC12 BC15 BD05 BL10 BL42 4G004 LA08

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.第1のゾーンにおいて第1の速度で流れているペレット
    化流体中に粘稠物質を第1の導管の第1の開口部から押出し;そして b.押出された粘稠物質とペレット化流体を、第1のゾーンに比べて段階的に
    低下した圧力を有し且つペレット化流体の速度が第2の速度まで増加する第2の
    ゾーンに移動させて、実質的に均一なサイズ分布の離散ペレットを形成せしめる
    ことを含んでなる、粘稠物質から離散ペレットを形成する方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のゾーンが、粘稠物質及びペレット化流体が入るの
    に必ず通る第2の開口部を有し、且つ第1のゾーンが、第1のゾーンの近傍の第
    1の導管の末端から第2のゾーンの第2の開口部までの距離によって定義される
    長さを有する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の開口部の横断面の寸法が、第2の開口部の横断面
    の寸法より小さい請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ペレットが、第1のゾーンの長さに正比例する長さを有
    する請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記粘稠物質が40,000センチポアズより大きい粘度を
    有する請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の速度が3ft/秒より大きい請求項5に記載の方法
  7. 【請求項7】 前記粘稠物質が、エステルならびにPET及びPENからな
    る群のポリエステル;セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セル
    ロースブチレート、エチルセルロース、メチルセルロース及びベンジルセルロー
    スからなる群から選ばれるセルロース誘導体;ポリエチレン及びポリプロピレン
    からなる群から選ばれたポリオレフィン;ポリアミド;ポリスチレン;前記ポリ
    マーのコポリマー、ならびにそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項1に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 a.第1の速度で流れている第1のゾーンのペレット化流体
    流中に粘稠物質を第1の導管の第1の開口部から押出し;そして b.該ペレット化流体流を、第2の流体速度を生成し且つ第2のゾーンにおけ
    るペレット化流体の圧力を第1のゾーンに比べて段階的に低下させる制限手段を
    含む第2のゾーンに通して、平均サイズ分布の標準偏差が12%未満の実質的に
    均一なサイズを有する離散ペレットを形成せしめる 工程を含んでなる、粘稠物質から離散ペレットを製造する方法。
  9. 【請求項9】 前記制限手段が、第1の導管の第1の開口部と実質的に一直
    線に配置された第2の開口部を含む請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ペレット化流体流が中を流れる、前記第1の導管を少
    なくとも一部分取り囲む第2の導管を更に含み、前記制限手段が、第2の導管中
    におけるペレット化流体の流れを妨害するための表面を含み、且つ第2の開口部
    が該液体妨害表面を通る通路を提供する請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記第1のゾーンが、第1の開口部から第2の開口部まで
    の距離によって定義される長さを有し、且つ該距離がゼロより大きい請求項9に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 第1の速度に対する第2の速度の比が3より大きい請求項
    8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 第1の速度に対する第2の速度の比が5より大きい請求項
    8に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記粘稠物質が、エステルならびにPET及びPENから
    なる群のポリエステル;セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セ
    ルロースブチレート、エチルセルロース、メチルセルロース及びベンジルセルロ
    ールからなる群から選ばれたセルロース誘導体;ポリエチレン及びポリプロピレ
    ンからなる群から選ばれたポリオレフィン;ポリアミド;ポリスチレン;前記ポ
    リマーのコポリマー、ならびにそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項8
    に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記ペレットの平均サイズ分布の標準偏差が10%未満で
    ある請求項8に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記ペレットの平均サイズ分布の標準偏差が5%未満であ
    る請求項8に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記ペレット化流体が単相流体である請求項8に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 前記ペレット化流体が多相流体混合物である請求項8に記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 前記第1の開口部の横断面の寸法が第2の開口部の横断面
    の寸法より小さい請求項9に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記第1の開口部の横断面の寸法が第2の開口部の横断面
    の寸法より大きい請求項9に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記第1の開口部の横断面の寸法が第2の開口部の横断面
    の寸法に等しい請求項9に記載の方法。
  22. 【請求項22】 a.第1の導管中に粘稠物質を供給し; b.一部分が第1の導管を取り囲む第2の導管中に第1の速度で流れるペレッ
    ト化流体流を供給し; c.第1の導管中の第1の開口部から、第1のゾーン中の該ペレット化流体流
    中に該粘稠物質を押出し;そして d.該ペレット化流体流を、制限手段を含む第2のゾーンに通す 工程を含んでなり、 該制限手段が、流体妨害表面と該流体妨害表面中の第2の開口部を有し、第1
    の開口部と実質的に一直線に配置され、 該第2のゾーンにおいては第1のゾーンに比べて流体圧力を段階的に低下させ
    、且つ流体速度を増加させることにより平均サイズ分布の標準偏差が12%未満
    の実質的に均一なサイズを有する離散ペレットを形成する粘稠物質から離散ペレ
    ットを製造する方法。
  23. 【請求項23】 前記第1のゾーンが、第1の開口部から第2の開口部まで
    の距離によって定義される長さを有し、且つ該距離がゼロより大きい請求項22
    に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記粘稠物質が、エステルならびにPET及びPENから
    なる群のポリエステル;セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セ
    ルロースブチレート、エチルセルロース、メチルセルロース及びベンジルセルロ
    ースからなる群から選ばれたセルロース誘導体;ポリエチレン及びポリプロピレ
    ンからなる群から選ばれたポリオレフィン;ポリアミド;ポリスチレン;前記ポ
    リマーのコポリマー、ならびにそれらの混合物からなる群から選ばれる請求項2
    2に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記ペレットの平均サイズ分布の標準偏差が5%未満であ
    る請求項22に記載の方法。
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