JP2003523955A - シタロプラムの製造方法 - Google Patents

シタロプラムの製造方法

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JP2003523955A JP2001544478A JP2001544478A JP2003523955A JP 2003523955 A JP2003523955 A JP 2003523955A JP 2001544478 A JP2001544478 A JP 2001544478A JP 2001544478 A JP2001544478 A JP 2001544478A JP 2003523955 A JP2003523955 A JP 2003523955A
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ロック・ミヒャエル・ハロルド
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ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット
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Abstract

(57)【要約】 本発明は式(I)で表される化合物を、式(II){式中、Xは適当な離脱基であり、Rは−CH2 −O−Pg、−CH2 −NPg1 Pg2 、−CH2−NMePg1 ,−CO−N(CH3 2 、−CH(OR1 )(OR2 )、−C(OR4 )(OR5 )(OR6 )、−COOR3 、−CH2 −CO−NH2 、−CH=CHR7 又は−CO−NHR8 であり、この際Pgはアルコール基に対する保護基であり、Pg1 及びPg2 はアミノ基に対する保護基であり、R1 及びR2 は独立してアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及び場合によりアルキル置換されたアリール残基又はアラルキル基から選ばれるか又はR1 及びR2 は一緒になって2〜4個の炭素原子を有する鎖を形成し、R3 、R4 、R5 、R6及びR7 のそれぞれは独立してアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及び場合によりアルキル置換されたアリール残基又はアラルキル基から選ばれ、R8 は水素又はメチルである。}で表わされる化合物と反応させ、式(III)(式中、Rは上述の意味を有する。)で表わされる化合物となし、ついで基Rを変換してジメチルアミノメチル基とし、ついでシタロプラム塩基又はその薬学的に許容し得る塩を単離することを特徴とする、シタロプラムの製造方法に関する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、よく知られた抗うつ薬シタロプラム(citalopram)、即ち1-〔3-( ジ
メチルアミノ) プロピル〕-1-(4-フルオロフエニル)-1,3-ジヒドロ-5- イソベン
ゾフランカルボニトリルの製造方法に関する。
【0002】 発明の背景 シタロプラムは周知の抗うつ薬であって、数年来市場で入手されてきており、
次式Iの構造を有する:
【0003】
【化21】
【0004】 これは抗うつ活性を有する選択性の、中枢活性なセロトニン (5-ヒドロキシト
リプタミン; 5-HT) 再取り込み阻害剤である。この化合物の抗うつ活性は、いく
つかの文献、たとえば J. Hyttel, Prog. Neuro-Psychopharmacol. &Biol. Psyc
hiat., 1982, 6, 277-295 及び A. Gravem, Acta Psychiatr. Scand.,1987,75,
478-486 に報告されている。更にこの化合物は、痴呆症及び脳血管障害の治療に
効果を示すことがヨーロッパ特許公開(EP-A)第474,580 号公報に開示されている
【0005】 シタロプラムは最初ドイツ特許第2,657,271 号明細書 (米国特許第4,136,193
号明細書に対応) に開示された。この特許明細書には、ある方法によるシタロプ
ラムの製造が開示され、そしてシタロプラムの製造に使用される別の方法の概要
が述べられている。
【0006】 これに記載された方法によれば、対応する1-(4- フルオロフエニル)-1,3-ジヒ
ドロ-5- イソベンゾフランカルボニトリルを、縮合剤としてメチルスルフィニル
メチドの存在下に3-(N,N- ジメチルアミノ) プロピル- クロライドと反応させる
。出発化合物を、シアン化第一銅との反応によって対応する5-ブロモ誘導体から
製造する。
【0007】 国際特許出願第(WO)98/019511号明細書に(4−シアノ−、アル
キルオキシカルボニル又はアルキルアミノカルボニル)−2−ヒドロキシメチル
フェニル−(4−フルオロフェニル)メタノール化合物を閉環させることを特徴
とする、シタロプラムの製造方法が記載されている。得られた5−(アルキルオ
キシカルボニル又はアルキルアミノカルボニル)−1−(4−フルオロフェニル
)−1,3−ジヒドロイソベンゾフランを対応する5−シアノ誘導体に変え、つ
いでこの5−シアノ誘導体をシタロプラムを得るために(3−ジメチルアミノ)
プロピルハロゲニドでアルキル化する。
【0008】 本発明者は、5−シアノ−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ
イソベンゾフランをジメチルアミノプロピル基に変えることができる化合物でア
ルキル化する、新規の有利な方法によってシタロプラムを製造することができる
ことを見出した。
【0009】 本発明のアルキル化法は特に有利である。というのはアルキル化剤の重合によ
って副生成物の形成が避けられ、それによって使用されるアルキル化剤の量を減
少させることができるからである。更に本発明の方法は高い収率を提供する。
【0010】 発明の要旨 したがって、本発明は式(I)
【0011】
【化22】
【0012】 で表される化合物を、 式(II)
【0013】
【化23】
【0014】 {式中、Xは適当な離脱基であり、 Rは−CH2 −O−Pg、−CH2 −NPg1 Pg2 、−CH2 −NMePg 1 ,−CO−N(CH3 2 、−CH(OR1 )(OR2 )、−C(OR4 ) (OR5 )(OR6 )、−COOR3 、−CH2 −CO−NH2 、−CH=C HR7 又は−CO−NHR8 であり、この際Pgはアルコール基に対する保護 基であり、Pg1 及びPg2 はアミノ基に対する保護基であり、R1 及びR2 は独立してアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及び場合によりアルキル 置換されたアリール残基又はアラルキル基から選ばれるか又はR1 及びR2 は 一緒になって2〜4個の炭素原子を有する鎖を形成し、R3 、R4 、R5 、R 6 及びR7 のそれぞれは独立してアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及 び場合によりアルキル置換されたアリール残基又はアラルキル基から選ばれ、 R8 は水素又はメチルである。} で表わされる化合物と反応させ、式(III)
【0015】
【化24】
【0016】 (式中、Rは上述の意味を有する。) で表わされる化合物となし、ついで基Rをジメチルアミノメチル基に変換し、つ
いでシタロプラム塩基又はその薬学的に許容し得る塩を単離することを特徴とす
る、タロプラムの製造方法に関する。
【0017】 本発明の第一の実施態様において、式(I)で表わされる化合物を、式(II
)で表わされる化合物(式中、Rは−CH2 −O−Pgであり、この際Pgはア
ルコール基に対する保護基である。)と反応させ、保護基を除去して、式(IV
【0018】
【化25】
【0019】 で表わされる対応するアルコールとなす。ついでこのアルコール基を適する離脱
基、たとえばハロゲン又は−O−SO2 −R0 (式中、R0 はアルキル又は場合
によりアルキル置換されたアリール又はアラルキルである。)に変換し、ついで
得られた化合物を a)ジメチルアミン又はその金属塩と反応させて、シタロプラムとするか、 b)メチルアミンと反応させ、式(XII)で表わされる化合物とし、ついで還
元アミノ化して、シタロプラムとするか又は c)アジドと反応させ、ついで還元して下記式(VI)で表わされる対応するア
ミノ化合物とし、その後メチル化するか又は還元アミノ化してシタロプラムとす
る。
【0020】 第二の実施態様におおいて、式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わ
される化合物(式中、Rは−CO−N(CH3 2 である。)と反応させ、つい
で得られるた式(V)
【0021】
【化26】
【0022】 で表わされる化合物を還元して、シタロプラムとする。
【0023】 第三の実施態様において、式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わさ
れる化合物(式中、Rは−CH2 −N(Pg1 )(Pg2 )であり、この際Pg 1 又はPg2 はアミノ基に対する保護基である。)と反応させ、ついで保護基を
除去して式(VI)
【0024】
【化27】
【0025】 で表わされる化合物とし、その後遊離のアミノ基をメチル化するか又は還元アミ
ノ化してシタロプラムとする。
【0026】 第4の実施態様において、式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わさ
れる化合物(式中、Rは−CH(OR1 )(OR2 )又は−C(OR4 )(OR 5 )(OR6 )であり、この際R1 、R2 、R4 、R5 及びR6 は上述の意味を
有する。)と反応させ、ついで式(VIIa)又は(VIIb)
【0027】
【化28】
【0028】 (式中、R1 、R2 、R4 、R5 及びR6 は上述の意味を有する。) で表わされる化合物とし、ついで式(VIIa)又は(VIIb)で表わされる
化合物を脱保護化し、得られたアルデヒドをジメチルアミンで連続的に還元アミ
ノ化してシタロプラムとする。
【0029】 第五の実施態様において、式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わさ
れる化合物(式中、Rは−COOR3 であり、この際R3 は上述の意味を有する
。)と反応させ、ついで式(VIII)
【0030】
【化29】
【0031】 (式中、R3 は上述の意味を有する。) で表わされる化合物とし、ついでこれを式(V)で表わされるアミド又は式(I
V)で表わされる対応するアルコールに変換し、上述のようにシタロプラムに変
換する。
【0032】 第六実施態様において、式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされ
る化合物(式中、Rは−CH2 −CONH2 である。)と反応させ、式(IX)
【0033】
【化30】
【0034】 で表わされる化合物とし、ついでこれをハイポハライドと反応させて式(VI)
【0035】
【化31】
【0036】 で表わされる化合物とし、ついで遊離アミノ基をメチル化するか又は還元アミノ
化してシタロプラムとする。
【0037】 第七の実施態様において、式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わさ
れる化合物(式中、Rは−CH=CHR7 である。)と反応させ、式(X)
【0038】
【化32】
【0039】 (式中、R7 は上述の意味を有する。) で表わされる化合物とし、ついでこれを酸化して、式(XI)
【0040】
【化33】
【0041】 で表わされる化合物とし、ついでジメチルアミンを用いて還元アミノ化してシタ
ロプラムとする。
【0042】 第八実施態様において、式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされ
る化合物(式中、Rは−CH2 −Me(Pg1 )である。)と反応させ、ついで
保護基を離脱させ、式(XII)
【0043】
【化34】
【0044】 で表わされる化合物とし、その後アミノ基をメチル化するか又は還元アミノ化し
てシタロプラムとする。
【0045】 最後の実施態様において、式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わさ
れる化合物(式中、Rは−CO−NHR8 であり、この際R8 は水素又はメチル
である。)と反応させ、ついで生じた式(XIII)
【0046】
【化35】
【0047】 (式中、R8 は上述の意味を有する。) で表わされる化合物を還元し、式(XIV)
【0048】
【化36】
【0049】 (式中、R8 は上述の意味を有する。) で表わされる化合物とし、ついでメチル化するか又は還元アミノ化してシタロプ
ラムとする。
【0050】 もう一つ観点において、本発明は一般式(III)、(IV)、(VI)、(
XI)及び(XII)で表わされる新規中間体を提供する。
【0051】 またもう一つ観点において、本発明は本発明の方法によって製造されたシタロ
プラムを含有する抗うつ性薬学的調合物に関する。
【0052】 式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされる化合物と反応させるア
ルキル化工程は、塩基、たとえばLDA(リチウムジイソプロピルアミン)、L
iHMDS(ヘキサメチルジシラザンリチウム)、NaH、NaHMDS(ヘキ
サメチルジシラザンナトリウム)及び金属アルコキシド、たとえばNaOMe、
KOMe、LiOMe、NaOt−Bu、KOt−Bu及びLiOt−Buで非
プロトン性溶剤、たとえばTHF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホ
ルムアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)、エーテル、たとえばジエチル
エーテル又はジオキサラン、トルエン、ベンゼン、又はアルカン及びその混合物
中で式(I)で表わされる化合物を処理して行われる。ついで形成されたアニオ
ンを式(II)で表わされる化合物と反応させ、それによって式−CH2 −CH 2 −Rで表わされる基をイソベンゾフラニル環系の1位に導入する。
【0053】 離脱基Xはハロゲニド又は式−O−SO2 −R0 (式中、R0 はアルキル又は
場合によりアルキル置換されたアリール又はアラルキルである。)で表わされる
スルホネートであることができる。R0 はメチル又はp−メチルフェニルである
のが好ましい。
【0054】 置換基R1 及びR2 は好ましくはアルキル又はアラルキルであるかあるいはR 1 及びR2 は一緒になって2〜4個の炭素原子を有する鎖を形成する。好ましい
1 及びR2 は同一である。
【0055】 置換基R3 、R4 、R5 及びR6 は好ましくはアルキル又はアラルキルである
。好ましいR4 、R5 及びR6 は同一である。
【0056】 R7 は好ましくはアルキル又はアラルキルである。
【0057】 アルコール保護基Pgはトリアルキルシリル基、ベンジル基又はテトラヒドロ
ピラニル基(THP)であることができる。
【0058】 本発明によれば、アルコール保護基を当該保護基の通常の除去法を用いて除き
、式(IV)で表わされる化合物する。
【0059】 したがって、保護基がトリアルキルシリルである場合、保護基を塩基、有機酸
又は鉱酸又はフッ化物、たとえばKF又はトリアルキルアミノフルオライドで処
理して除く。
【0060】 Pgがベンジルである場合、保護基を触媒としてPd/C又はPt/Cを用い
て還元して除くことができる。
【0061】 Pgがテトラヒドロピラニル(THF)である場合、保護基を有機酸又は鉱酸
、あるいはH+ 基を有する樹脂、たとえばDowexH+ 又はAmberlys
tで処理して除く。
【0062】 式(IV)で表わされる化合物中のアルコール基を試薬、たとえば塩化チオニ
ル、塩化メシル、塩化トシル等と反応させて適する離脱基、たとえばハロゲン、
又は式−O−SO2 −R0 で表わされるスルホネート(式中、R0 は上述の意味
を有する。)に変える。
【0063】 ついで得られた化合物をジメチルアミン又はその金属塩、たとえばM+ -
(CH3 2 (式中、M+ はLi+ 又はNa+ である。)と反応させる。反応は
非プロトン性溶剤、たとえばTHF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチル
ホルムアミド)、NMP(N−メチルピロリドン)、エーテル、たとえばジエチ
ルエーテル又はジオキサラン、トルエン、ベンゼン、又はアルカン及びその混合
物中で行われるのが好ましい。適する離脱基を有する式(IV)で表わされる化
合物を塩基の存在下に塩化ジメチルアンモニウムとして反応させてシタロプラム
に変換することができる。あるいは適する離脱基、たとえば式−O−SO2 −R 0 で表わされるスルホネート(式中、R0 は上述の意味を有する。)を有する式
(IV)で表わされる化合物を、アジド、たとえばアジ化ナトリウムと反応させ
、ついで触媒としてPd/Cを用いて還元して式(VI)で表わされる化合物と
なし、、その後メチル化するか又は還元アミノ化してシタロプラムとすることが
できる。
【0064】 適する離脱基を有する式(IV)で表わされる化合物を、メチルアミンと反応
させ、式(XII)で表わされる化合物とし、ついでメチル化するか又は還元ア
ミノ化してシタロプラムに変換させることができる。
【0065】 式(V)で表わされるアミドの還元をトルエン中で還元剤としてRed−Al
を用いて通常行う。
【0066】 適当なPg1 及びPg2 はアラルキル又は式−O−SO2 −R0 (式中、R0 は上述の意味を有する。)、典型的にはベンジル又はトシルであるか、又はPg 1 及びPg2 はこれらが結合するN原子と一緒になって場合により置換されたフ
タルイミド基を形成する。
【0067】 保護基Pg1 及びPg2 はこのような保護基を除去する通常の方法を用いて除
くことができる。したがってフタルイミド基をヒドラジン又はメチルアミン及び
エタノールで処理してアミノ基に変換することができる。
【0068】 保護基がアラルキル基、たとえばベンジルである場合、一般に触媒としてPd
/C又はPt/Cの存在下で還元して除くことができる。
【0069】 式−O−SO2 −R0 で表わされるスルホネート基をRed−Alで処理して
除くことができる。
【0070】 式(VI)で表わされる化合物中の遊離アミノ基をメチル化剤、たとえばMe
I及びMe2 SO4 (式中、Meはメチルである。)でメチル化することができ
る。メチル化をこのような反応を実施するのに通常の方法を用いて行う。
【0071】 あるいはシタロプラムを還元アミノ化して生成させる。この処理にしたがって
、式(VI)で表わされる化合物を化合物、たとえばホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド又はトリオキサンと還元剤、たとえばNaBH4 又はNaBH3 CNの存在下に反応させる。還元アミノ化をこのような反応を実施するのに通常
の方法を用いて行う。
【0072】 式(VIIa)又は(VIIb)で表わされる化合物を、有機酸又は鉱酸、あ
るいはH+ 基を有する樹脂、たとえばDowexH+ 又はAmberlystで
処理して対応するアルデヒドに変換するのが好ましい。
【0073】 得られたアルデヒドを還元アミノ化によって、すなわち還元剤、たとえばNa
BH4 又はNaBH3 CNの存在下でジメチルアミンとの反応によってシタロプ
ラムに変換することができる。ジメチルアミンを塩化ジメチルアンモニウム塩の
形で反応に添加することができる。
【0074】 式(VIII)で表わされるエステル誘導体を還元剤としてRed−Alを用
いるエステルの還元によって式(IV)で表わされる対応するアルコールを経て
シタロプラムに変換するか又はNH(Me)2 又はその金属塩とエステルの反応
によって式(V)で表わされる対応するアミドを経てシタロプラムに変換するこ
とができる。
【0075】 式(VI)で表わされる化合物への式(IX)で表わされる化合物の変換に有
用な試薬はNaOH/Br2 であるのが好ましい。
【0076】 式(X)で表わされる化合物の酸化は極性溶剤、たとえばアルコール、水、酢
酸又はそのエステル中でオゾンを用いてこの化合物を処理して実施することがで
きる。あるいは式(X)で表わされる化合物を酸化剤、たとえばNaIO4 、O
sO4 /NaIO4 及びKMnO4 で処理することができる。
【0077】 式(XI)で表わされる化合物の還元アミノ化を、還元剤、たとえばNaBH 4 又はNaBH3 CNの存在下でジメチルアミンとの反応によって有利に実施す
ることができる。ジメチルアミンを塩化ジメチルアンモニウム塩の形で反応に添
加することができる。
【0078】 式(XII)及び(XIV)で表わされる化合物のアミノ基をメチル化剤、た
とえばMeI及びMe2 SO4 (式中、Meはメチルである。)を用いてメチル
化することができる。メチル化をこのような反応を実施するのに通常の方法を用
いて行う。
【0079】 あるいは式(XII)及び(XIV)で表わされる化合物のアミノ基を還元ア
ミノ化によってメチル化することができる。この処理にしたがって、式(XII
)又は(XIV)で表わされる化合物を化合物、たとえばホルムアルデヒド、パ
ラホルムアルデヒド又はトリオキサンと還元剤、たとえばNaBH4 又はNaB
3 CNの存在下に反応させる。還元アミノ化をこのような反応を実施するのに
通常の方法を用いて行う。
【0080】 上記反応に使用される反応条件、溶剤等はこのような反応にとって通常の条件
であり、当業者によって容易に決定することができる。
【0081】 式(I)で表わされる出発材料は、米国特許第4,136,193号明細書に
記載されているように又は国際特許出願(WO)第98/019511号明細書
に記載されているように製造することができる。
【0082】 式(II)で表わされる化合物は市場で入手することができるか又は常法で市
販されている出発材料から製造することができる。
【0083】 シタロプラムは市場でラセミ化合物の形で抗うつ薬として存在する。しかし近
い将来、シタロプラムの活性S−対掌体もまた市場に紹介される予定である。
【0084】 S−シタロプラムはクロマトグラフィーによって光学的活性な異性体の分離に
よって製造することができる。
【0085】 本明細書及び特許請求の範囲にわたって、用語“アルキル”は1〜6個の炭素
原子を有する分枝状又は非分枝状アルキル基、たとえばメチル、エチル、1−プ
ロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、
2,2−ジメチル−1−エチル及び2−メチル−1−プロピルを意味する。
【0086】 同様にアルケニル及びアルキニルそれぞれは二重結合又は三重結合それぞれを
有する2〜6個の炭素原子を有する基、たとえばエテニル、プロペニル、ブテニ
ル、エチニル、プロピニル及びブチニルを示す。
【0087】 用語“アリール”は単環状又は二環状炭素環状芳香族基、たとえばフェニル及
びナフチル、特にフェニルを意味する。
【0088】 用語“アラルキル”はアリール−アルキルを示し、この際アリール及びアルキ
ルは上述の意味を有する。
【0089】 場合によりアルキル置換されたアリール及びアラルキルは場合によりアルキル
基1個以上で置換されていてよいアリール又はアラルキル基を意味する。
【0090】 ハロゲンは塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0091】 シタロプラムは、その遊離塩基として、特に結晶形の遊離塩基として、又はそ
の薬学的に許容し得る酸付加塩として使用することができる。このような酸付加
塩として有機酸又は無機酸で生成される塩を使用することができる。この様な有
機塩の例は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シ
ュウ酸、ビス- メチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、
酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リン
ゴ酸、マンデリン酸、ケイヒ酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸
、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p- アミノ- 安息香酸、グルタミ
ン酸、ベンゼンスルホン酸及びテオフイリン酢酸、並びに8-ハロテオフイリン、
たとえば8-ブロモ- テオフイリンとの塩である。この様な無機塩の例は、塩酸、
臭化水素酸、硫酸、スルフアミン酸、リン酸及び硝酸との塩である。
【0092】 本発明の化合物の酸付加塩は技術上周知の方法によって製造することができる
。塩基を水と混和しうる溶剤、たとえばアセトン又はエタノール中で計算量の酸
と反応させ、ついで濃縮させ、冷却して塩を単離させるか又は水と混和し得ない
溶剤、たとえばエチルエーテル、酢酸エチル又はジクロロメタン中で過剰の酸と
反応させ、塩を自発的に単離させることができる。
【0093】 本発明の薬学的調合物は、すべての適する方法で及びすべての適する形で、た
とえば錠剤、カプセル、粉末、シロップの形で経口で又は通常の注射用滅菌溶液
の形で腸管外に投与することができる。
【0094】 本発明の薬学的調合物を、当該技術において慣用の方法によって製造すること
ができる。たとえば錠剤を有効物質と通常の佐剤(adjuvants) 及び(又は)希釈
剤とを混合し、次いでこの混合物を慣用の打錠機で圧縮することによって製造す
ることができる。佐剤又は希釈剤の例として次のものがあげられる:コーンスタ
ーチ、ジャガイモデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、乳
糖、ゴム等々。他のすべての佐剤又は添加物、たとえば着色料、芳香剤、保存剤
等々をこれらが有効成分に適合するならば使用してもよい。
【0095】 注射用溶液は、有効成分と使用可能な添加物とを一部の注射用溶剤、好ましく
は滅菌水に溶解し、この溶液を所望の容量に調整し、この溶液を滅菌し、適当な
アンプル又は小瓶に詰めることによって、製造することができる。当該技術にお
いて通常使用されるすべての適当な添加物を、たとえば張度剤(tonicity agent
) 、保存剤、酸化防止剤等々を添加することができる。
【0096】 本発明を以下の実施例によって説明する。
【0097】 例1 THF(50ml)中に1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイ
ソベンゾフラン−5−カルボニトリル(4.8g、0.02モル)を有する溶液
をLDA(ブチルリチウム1.6M(15ml)、ジソプロピルアミン2.6g
)の溶液に−30℃で窒素雰囲気下で滴加する。10分間−30℃で攪拌した後
、THF(25ml)中にハロゲン化アルキル(0.02モル)の溶液を滴加し
、室温に加温し、さらに60分間攪拌する。ついで反応を氷で急冷し、トルエン
(3×50ml)で抽出し、水(50ml)で洗浄し、減圧下に濃縮する。残留
物を溶離剤としてn−ヘプタン/EtOAcの混合物を用いてシリカゲル上でク
ロマトグラフィーによって精製する。ついで得られたアニオンを式(II)で表
わされる化合物と反応させる。
【0098】 例2 1−[(3−ベンジルオキシ)プロピル]−1−(4−フルオロフェニル)−
1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造: THF(40ml)中に1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−
5−イソベンゾフランカルボニトリル(2.2g、9.2モル)を有する溶液を
THF(70ml)中にLDA(12ml)を有する溶液に−78℃で窒素雰囲
気下で添加する。30分間−78℃で攪拌した後、THF(10ml)中にベン
ジル−3−ブロモプロピルエーテル(2ml、12mmol)を有する溶液を添
加し、得られた混合物を室温に加温し、2時間攪拌する。ついで混合物を氷/H 2 O(100ml)に注ぎ、Et2 O(3×150ml)で抽出する。有機抽出
物をH2 O(100ml)及びブライン(100ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発
させる。残留物のシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン、EtOAc5:1
)によって生成物が油状物として得られる(2.0g、60%)。
【0099】
【外1】
【0100】 1−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−テトラヒドロピラニルオキシ)
プロピル]−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造: 同一の化合物を使用して、目的化合物が油状物として得られる(2.0g、6
0%)。
【0101】
【外2】
【0102】 例3 1−(4−フルオロフェニル)−1−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−
ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造: (i)THF(450ml)中に1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジ
ヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル(13.4g、60mmol)を
有する溶液をTHF(30ml)中にLDA(76mmol)を有する溶液に−
78℃で窒素雰囲気下で添加する。30分間−78℃で攪拌した後、THF(3
0ml)中に(3−ブロモプロポキシ)−t−ブチルジメチルシラン(16.8
ml、72mmol)を有する溶液を添加し、得られた混合物を室温に加温し、
2時間攪拌する。ついで混合物を氷/H2 O(400ml)に注ぎ、Et2 O(
3×500ml)で抽出する。有機抽出物をH2 O(500ml)及びブライン
(500ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発させる。残留物をメタノール(400m
l)に溶解させ、1MHCl(200ml)を添加する。得られた溶液を室温で
1時間攪拌し、蒸発させる。残留物のシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン
、EtOAc5:1)によって生成物が油状物として得られる(14.4g、8
1%)。
【0103】
【外3】
【0104】 (ii)エタノール(50ml)中に1−[(3−ベンジルオキシ)プロピル
]−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカル
ボニトリル(1.2g、3.1mmol)及び1,4−シクロヘキサジエン(5
.5ml、58.1mmol)を有する溶液に、Pd/C(4g,5%)を添加
する。反応混合物を2日間窒素雰囲気下で還流し、ついで室温に冷却し、セオラ
イトを通して濾過する。濾液を蒸発させ、残留物をシリカゲルクロマトグラフィ
ーによって精製し、目的生成物が油状物として得られる(0.75g、80%)
【0105】
【外4】
【0106】 (iii)メタノール中に1−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−テト
ラヒドロピラニルオキシ)プロピル]−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフラ
ンカルボニトリル(1.5g、4.1mmol)を有する溶液に、触媒量のp−
トルエンスルホン酸一水和物(60mg)を添加し、得られた混合物を室温で1
時間攪拌し、ついで蒸発させる。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン、E
tOAc5:1)によって生成物が得られる(1.0g、91%)。1 HNMR
(CDCl3 )は1−[(3−ベンジルオキシ)プロピル]−(4−フルオロフ
ェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルから得られ
たものと同一である。
【0107】 例4 1−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−p−トルエンスルホニルオキシ
)プロピル]−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造
: 0〜5℃でトルエン(50ml)中に1−(4−フルオロフェニル)−1−(3
−ヒドロキシプロピル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニト
リル(2.5g、8.4mmol)を有する溶液に、トリエチルアミン(2.5
ml、18mmol)及びトルエン(10ml)中にp−トルエンスルホニルク
ロライド(2.6g、13.6mmol)を有する溶液を添加する。得られた混
合物を室温で3日間攪拌し、ついでH2 O及び飽和NaHCO3 水溶液で洗浄す
る。有機抽出物を蒸発させ、ついで残留物のシリカゲルクロマトグラフィー(ヘ
プタン、EtOAc4:1)によって生成物が油状物として得られる(1.6g
、42%)。
【0108】
【外5】
【0109】 例5 1−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−メタンスルホニルオキシ)プロ
ピル]−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造: 0〜5℃でTHF(500ml)中に1−(4−フルオロフェニル)−1−(
3−ヒドロキシプロピル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニ
トリル(14.4g、50.0mmol)を有する溶液に、トリエチルアミン(
30ml、41.8mmol)及びTHF(20ml)中にメタンスルホニルク
ロライド(11.6g、150mmol)を有する溶液を添加する。得られた混
合物を室温で一晩攪拌し、ついでトルエン(200ml)を添加し、H2 O及び
飽和NaHCO3 水溶液で洗浄する。有機相を蒸発させ、ついで残留物のシリカ
ゲルクロマトグラフィー(ヘプタン、EtOAc3:1)によって生成物が油状
物として得られる(12.0g、64%)。
【0110】
【外6】
【0111】 例6 1−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェ
ニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、(シタロプ
ラム、シュウ酸塩)の製造: DMF(10ml)中に1−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−p−ト
ルエンスルホニルオキシ)プロピル]−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフラ
ンカルボニトリル(0.20g、0.4mmol)を有する溶液をトリエチルア
ミン(1.4ml、7.0mmol)及び塩化ジメチルアンモニウム(0.41
g、5.0mmol)を添加する。反応混合物を70℃で一晩攪拌し、ついで室
温に冷却し、氷/H2 Oに注ぎ、Et2 O(3×30ml)で抽出する。有機抽
出物をH2 O及びブラインで洗浄し、蒸発させる。残留物のシリカゲルクロマト
グラフィー(ヘプタン、EtOAc、トリエチルアミン1:3:4%)によって
精製し、アセトンからシュウ酸塩として結晶化する(0.12g、70%)。D
SC(開放室(open chamber))、T開始=158.96、Tピーク=162.1
4。
【0112】
【外7】
【0113】 分析(C20212 O): 計算値 C:63.76; H: 5.59; N: 6.76。測定値C:63.50;
H: 5.78; N:6.63 。
【0114】 例7 1−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェ
ニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、(シタロプ
ラム、シュウ酸塩)の製造: ジメチルアミン(18ml、100mmol、33%エタノール溶液)を、エ
タノール(10ml)及びTHF(20ml)中に1−(4−フルオロフェニル
)−1−[(3−メタンスルホニルオキシ)プロピル]−1,3−ジヒドロ−5
−イソベンゾフランカルボニトリル(1.0g、2.7mmol)を有する溶液
に添加する。得られた混合物を室温で1時間及び60℃で3時間攪拌する。冷却
後、反応混合物を蒸発させる。1MNaOH(70ml)を残留物に添加し、E
2 O(100ml)で抽出する。有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸
発させる。残留物のシリカゲル(EtOAc、ヘプタン、トリエチルアミン75
:25:1)によって濾過し、アセトンからシュウ酸塩として結晶化する(0.
72g、65%)。DSC(開放室)、T開始=158.56、Tピーク=16
1.59。NMRスペクトルは例6で製造されたシタロプラム、シュウ酸塩から
得られるものと同一である。分析(C20212 O、C2 2 4 ): 計算値 C
:63.76; H: 5.59; N: 6.76。測定値C:63.57;H: 5.51; N:6.77 。
【0115】 例8 1−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(フタルイミドプロピル)]−1
,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造: THF(40ml)中に1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−
5−イソベンゾフランカルボニトリル(4.4g、20mmol)を有する溶液
をTHF(70ml)中にLDA(24mmol)を有する溶液に−78℃で窒
素雰囲気下で添加する。30分間−78℃で攪拌した後、THF(20ml)中
に2−(3−ブロモプロピル)フタルイミド(6.4g、24mmol)を有す
る溶液を添加し、得られた混合物を室温に加温し、5時間攪拌する。ついで混合
物を氷/H2 O(200ml)に注ぎ、Et2 O(3×250ml)で抽出する
。有機抽出物をH2 O(100ml)及びブライン(100ml)で洗浄し、乾
燥し、蒸発させる。残留物のシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン、EtO
Ac5:1)によって生成物が黄色粉末として得られる(3.0g、36%)。
サンプルをエタノールから再結晶させる。
【0116】
【外8】
【0117】 分析(C2619FN2 3 、1/2 C2 5 OH): 計算値 C:72.15; H: 4.93; N
: 6.23。測定値C:72.66;H: 5.14; N:6.09 。
【0118】 例9 1−(3−アジドプロピル)−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒ
ドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造: アジ化ナトリウム(5.5g、80.5mmol)をDMF(100ml)中
に1−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−メタンスルホニルオキシ)プロ
ピル]−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル(4.0g、
10.6mmol)を有する溶液に添加する。得られた混合物を40℃で3時間
攪拌し、ついで2時間還流する。冷却後、反応混合物をH2 Oに注ぎ、Et2
(4×200ml)で抽出する。有機抽出物をH2 O及びブラインで洗浄し、乾
燥し、蒸発させて、粗生成物が褐色油状物として得られる(1.3g、45%)
【0119】
【外9】
【0120】 1−(3−アミノプロピル)−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒ
ドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造: エタノール(50ml)中に1−(3−アジドプロピル)−1−(4−フルオ
ロフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル(1.
3g、4.4mmol)及び炭素上に担持されたパラジウム(0.6g、5%)
を有する混合物を2時間水素化する。混合物をセオライトによって濾過し、蒸発
させ、粗生成物が褐色油状物として得られる(0.8g、66%)。
【0121】
【外10】
【0122】 1−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェ
ニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、(シタロプ
ラム、シュウ酸塩)の製造: 水素化ホウ素シアノナトリウム(sodium cyanoborohydride) (0.34g、5
.4mmol)を、メタノール(10ml)中に1−(3−アミノフェニル)−
1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカル
ボニトリル( 0.80g、2.7mmol)及びホルムアルデヒド(0.44m
l、5.4mmol、37%H2 O溶液)を有する溶液に添加する。得られた混
合物を室温で3時間攪拌し、ついで水素化ホウ素シアノナトリウム(0.17g
、2.7mmol)及びホルムアルデヒド(0.22ml、2.7mmol)を
添加する。室温で1時間攪拌後、混合物をH2 Oで急冷し、Et2 Oで抽出する
。有機抽出物を乾燥し、蒸発させる。残留物のシリカゲルクロマトグラフィー(
EtOAc、ヘプタン、トリエチルアミン75:25:1)によって粗生成物が
得られ、これをアセトンからシュウ酸塩として単離する(0.31g、0.8m
mol、30%)。NMRスペクトルは例6で製造されたシタロプラム、シュウ
酸塩から得られるものと同一である。分析(C20212 O、C2 2 4 、1/
4 H2 O): 計算値 C:63.06; H: 5.67; N: 6.69。測定値C:63.28;H: 5.64; N:6
.67 。
【0123】 例10 1−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(N−メチルアミノ)プロピル]
−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、シュウ酸塩の製造
: 化合物をメチルアミン(60ml、120mmol、2MTHF溶液)から例
7に記載した方法を用いて製造する。収量:760mg、36%。
【0124】
【外11】
【0125】 1−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェ
ニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、(シタロプ
ラム、シュウ酸塩)の製造: 98%ギ酸(5ml)中に1−[3−(N−メチル−アンモニウム)プロピル
]−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフラン
カルボニトリル(0.70g、2.24mmol)及びホルムアルデヒド(0.
5ml、6.7mmol、37%水溶液)を有する溶液を4時間還流する。冷却
後、4MHCl(2ml)を添加し、得られた混合物を蒸発させる。1NNaO
H(50ml)を残留物に添加し、Et2 O(3×100ml)で抽出する。有
機抽出物を乾燥し、ブラインで洗浄し、乾燥して、蒸発させる。シュウ酸塩をア
セトンから単離する(0.22g、30%)。DSC(開放室)、T開始=15
7.73、Tピーク=160.80。NMRスペクトルは例6で製造されたシタ
ロプラム、シュウ酸塩から得られるものと同一である。分析(C20212 O、
2 2 4 、1/4 H2 O): 計算値 C:63.06; H: 5.67; N: 6.69。測定値C:63
.24;H: 5.65; N:6.62 。
【0126】 例11 1−[3−([1,3]ジオキソラン−2−イル)エチル)−1−(4−フル
オロフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製
造: THF(40ml)中に1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−
5−イソベンゾフランカルボニトリル(4.46g、18.7mmol)を有す
る溶液をTHF(100ml)中にLDA(24mmol)を有する溶液に−7
8℃で窒素雰囲気下で添加する。30分間−78℃で攪拌した後、THF(20
ml)中に2−2−(2−ブロモエチル)−[1,3]−ジオキソラン(2.8
g、24mmol)を有する溶液を添加し、得られた混合物を室温に加温し、2
時間攪拌する。ついで混合物を氷/H2 O(100ml)に注ぎ、Et2 O(3
×300ml)で抽出する。有機抽出物をH2 O(100ml)及びブライン(
100ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発させる。残留物のシリカゲルクロマトグラ
フィー(ヘプタン、EtOAc5:1)によって生成物が油状物として得られる
(5.5g、86%)。
【0127】
【外12】
【0128】 1−(4−フルオロフェニル)−1−(3−ホルミルエチル)−1,3−ジヒ
ドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルの製造: 30%酢酸水溶液(200ml)中に1−[3−([1,3]ジオキソラン−
2−イル)エチル)−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−
イソベンゾフランカルボニトリル(5.30g、16mmol)を有する溶液を
5時間還流する。反応混合物を冷却し、CH2 Cl2 (3×400ml)で抽出
する。有機抽出物を乾燥し、粗生成物(5.0g、NMR及びHPLCで評価さ
れた生成物約8.0mmol含有、50%)が得られ、これを更に精製すること
なく次の工程で使用する。
【0129】
【外13】
【0130】 1−[3−(N、N−ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェ
ニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル、(シタロプ
ラム、シュウ酸塩)の製造: 水素化ホウ素シアノナトリウム(0.76g、14.4mmol)を、メタノ
ール(50ml)中に粗1−(3−ホルミルエチル)−1−(4−フルオロフェ
ニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリル(5.0g、
NMR及びHPLCで評価された生成物約8.0mmol含有)及び塩化ジメチ
ルアンモニウム(1.17g、14.4mmol)を有する混合物に0〜5℃で
添加する。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、ついでトルエン(100ml)
及びEtOAc(100ml)を添加し、H2 O(100ml)で洗浄する。水
相をEt2 O(2×100ml)で抽出する。一緒にされた有機抽出物を乾燥し
、蒸発させる。残留物のシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン、EtOAc
、トリエチルアミン25:25:1)によって目的生成物が得られ、これをアセ
トンからシュウ酸塩として単離する(2.7g、82%)。DSC(開放室)、
T開始=159.55、Tピーク=163.54。NMRスペクトルは例6で製
造されたシタロプラム、シュウ酸塩から得られるものと同一である。分析(C20212 O、C2 2 4 ): 計算値 C:63.76; H: 5.59; N: 6.76。測定値C:63
.65;H: 5.69; N:6.80 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 アーマディアン・ハレー デンマーク国、ソルレート・シュトラン ド、ディゲパルケン、12 Fターム(参考) 4C086 AA04 BA06 MA01 MA04 ZA12

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 【化1】 で表される化合物を、 式(II) 【化2】 {式中、Xは適当な離脱基であり、 Rは−CH2 −O−Pg、−CH2 −NPg1 Pg2 、−CH2 −NMePg 1 ,−CO−N(CH3 2 、−CH(OR1 )(OR2 )、−C(OR4 ) (OR5 )(OR6 )、−COOR3 、−CH2 −CO−NH2 、−CH=C HR7 又は−CO−NHR8 であり、この際Pgはアルコール基に対する保護 基であり、Pg1 及びPg2 はアミノ基に対する保護基であり、R1 及びR2 は独立してアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及び場合によりアルキル 置換されたアリール残基又はアラルキル基から選ばれるか又はR1 及びR2 は 一緒になって2〜4個の炭素原子を有する鎖を形成し、R3 、R4 、R5 、R 6 及びR7 のそれぞれは独立してアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及 び場合によりアルキル置換されたアリール残基又はアラルキル基から選ばれ、 R8 は水素又はメチルである。} で表わされる化合物と反応させ、式(III) 【化3】 (式中、Rは上述の意味を有する。) で表わされる化合物となし、ついで基Rを変換してジメチルアミノメチル基とし
    、ついでシタロプラム塩基又はその薬学的に許容し得る塩を単離することを特徴
    とする、シタロプラムの製造方法。
  2. 【請求項2】式(I)で表わされる化合物を、式(II)で表わされる化合
    物(式中、Rは−CH2 −O−Pgである。)と反応させ、保護基を除去して、
    式(IV) 【化4】 で表わされる対応するアルコールとなし、その後このアルコール基を適する離脱
    基に変換し、ついで得られた化合物を a)ジメチルアミン又はその金属塩と反応させて、シタロプラムとするか、 b)メチルアミンと反応させ、ついで還元アミノ化して、シタロプラムとするか
    又は c)アジドと反応させ、ついで還元して対応するアミノ化合物とし、その後メチ
    ル化するか又は還元アミノ化してシタロプラムとする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされる化合物
    (式中、Rは−CO−N(CH3 2 である。)と反応させ、ついで得られるた
    式(V) 【化5】 で表わされる化合物を還元して、シタロプラムとする、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされる化合物
    (式中、Rは−CH2 −N(Pg1 )(Pg2 )である。)と反応させ、ついで
    保護基を除去して式(VI) 【化6】 で表わされる化合物とし、その後遊離のアミノ基を還元アミノ化するか又はメチ
    ル化してシタロプラムとする、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされる化合物
    (式中、Rは−CH(OR1 )(OR2 )又は−C(OR4 )(OR5 )(OR 6 )である。)と反応させ、ついで式(VIIa)又は(VIIb) 【化7】 (式中、R1 、R2 、R4 、R5 及びR6 は上述の意味を有する。) で表わされる化合物とし、ついで式(VIIa)又は(VIIb)で表わされる
    化合物を脱保護化し、得られたアルデヒドを連続的に還元アミノ化してシタロプ
    ラムとする、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされる化合物
    (式中、Rは−COOR3 である。)と反応させ、ついで式(VIII) 【化8】 で表わされる化合物とし、ついでこれを式(V)で表わされるアミドに変換し、
    ついで還元してシタロプラムとするか、又は式(VIII)で表わされる化合物
    を還元して式(IV)で表わされる対応するアルコールとし、ついでアルコール
    基を適する離脱基に変換し、連続的に a)ジメチルアミン又はその金属塩と反応させて、シタロプラムとするか、 b)メチルアミンと反応させ、ついで還元アミノ化して、シタロプラムとするか
    又は c)アジドと反応させ、ついで還元して対応するアミノ化合物とし、その後メチ
    ル化するか又は還元アミノ化してシタロプラムとする、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされる化合
    物(式中、Rは−CH2 −CONH2 である。)と反応させ、式(IX) 【化9】 で表わされる化合物とし、ついでこれをハイポハライドと反応させて式(VI) 【化10】 で表わされる化合物とし、ついで遊離アミノ基をメチル化するか又は還元アミノ
    化してシタロプラムとする、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされる化合物
    (式中、Rは−CH=CHR7 である。)と反応させ、式(X) 【化11】 (式中、R7 は上述の意味を有する。) で表わされる化合物とし、ついでこれを酸化して、式(XI) 【化12】 で表わされる化合物とし、ついで還元アミノ化してシタロプラムとする、請求項
    1記載の方法。
  9. 【請求項9】式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされる化合物
    (式中、Rは−CH2 −Me(Pg1 )である。)と反応させ、ついで保護基を
    除去し、式(XII) 【化13】 で表わされる化合物とし、その後アミノ基をメチル化するか又は還元アミノ化し
    てシタロプラムとする、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】式(I)で表わされる化合物を式(II)で表わされる化合
    物(式中、Rは−CO−NHR8 であり、この際R8 は水素又はメチルである。
    )と反応させ、ついで生じた式(XIII) 【化14】 (式中、R8 は上述の意味を有する。) で表わされる化合物を還元し、式(XIV) 【化15】 (式中、R8 は上述の意味を有する。) で表わされる化合物とし、ついでメチル化するか又は還元アミノ化してシタロプ
    ラムとする、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】式(I)で表わされる化合物と式(II)で表わされる化合
    物との反応をLDA(リチウムジイソプロピルアミン)、LiHMDS(ヘキサ
    メチルジシラザンリチウム)、NaH、NaHMDS(ヘキサメチルジシラザン
    ナトリウム)及び金属アルコキシド、たとえばNaOMe、KOMe、LiOM
    e、NaOt−Bu、KOt−Bu及びLiOt−Buから選ばれた塩基の存在
    下に実施する、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の方法によって製造された
    シタロプラムを含有する抗うつ性薬学的調合物。
  13. 【請求項13】一般式(III) 【化16】 (式中、Rは−CH2 −O−Pg、−CH2 −NPg1 Pg2 、−CH2 −N MePg1 ,−CO−N(CH3 2 、−CH(OR1 )(OR2 )、−C( OR4 )(OR5 )(OR6 )、−COOR3 、−CH2 −CO−NH2 、− CH=CHR7 又は−CO−NHR8 であり、この際Pgはアルコール基に対 する保護基であり、Pg1 及びPg2 はアミノ基に対する保護基であり、R1 及びR2 は独立してアルキル基、アルケニル基、アルキニル基及び場合により アルキル置換されたアリール残基又はアラルキル基から選ばれるか又はR1 及 びR2 は一緒になって2〜4個の炭素原子を有する鎖を形成し、R3 、R4 、 R5 、R6 及びR7 のそれぞれは独立してアルキル基、アルケニル基、アルキ ニル基及び場合によりアルキル置換されたアリール残基又はアラルキル基から
    選ばれ、R8 は水素又はメチルである。)で表わされる中間体又はその酸付加塩
  14. 【請求項14】式(IV) 【化17】 で表わされる中間体又はその酸付加塩。
  15. 【請求項15】式(VI) 【化18】 で表わされる中間体又はその酸付加塩。
  16. 【請求項16】式(XI) 【化19】 で表わされる中間体又はその酸付加塩。
  17. 【請求項17】式(XII) 【化20】 で表わされる中間体又はその酸付加塩。
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