JP2003522946A - 蛍光強度及び寿命分布分析 - Google Patents

蛍光強度及び寿命分布分析

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、以下の段階を含む、蛍光粒子を有する試料を特徴付ける方法に関する:−一連の励起パルスによって蛍光を放射するために測定容量中の粒子を励起する段階、−検出手段を用いて、光子カウントのシーケンスを検出することによって、放射された蛍光をモニターする段階、−所定幅のカウント時間間隔における光子カウントの数を決定する段階、−前記カウント時間間隔において、対応する励起パルスに対する光子カウントの検出遅延時間を決定する段階、−前記検出遅延時間の関数を決定する段階、−少なくとも2つの独立変数の確率関数 【数1】 を決定する段階、ここで、少なくとも1つの独立変数は、光子カウントの数であり、別の独立変数は、検出遅延時間の前記関数である、及び−前記確率関数 【数2】 から、少なくとも2つの独立変数の関数として、粒子の分布を決定する段階、ここで、1つの独立変数は、粒子の比明度又はその測度であり、別の独立変数は、粒子の蛍光寿命又はその測度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、蛍光粒子を有する試料を特徴付ける方法及び前記方法の適用に関す
る。
【0002】 蛍光の利用は、様々な科学的適用において、高い感度を示すため、過去数十年
の間に急速に進歩している。器械工学(instrumentation)、デ
ータ分析、プローブ及び使用における新たな開発の結果、約150年前に発見さ
れた現象に基づく技術は、高い評価を得た(ストークス(Stokes)、Ph
il. Trans. R. Soc. Lond. 142, 463−56
2, 1852)。物理化学、生物学及び医学(medicine)における多
数の適用において、蛍光は、希薄溶液中の化学的結合反応の高感度検出手段とし
て使用される。薬剤スクリーニング及び薬学的アッセイの開発は、この種の適用
分野の例である。
【0003】 全体の強度又は異方性のような顕微鏡でしか判別できない蛍光特性における変
化の検出に基づく古典的な方法のほかに、ここ10年の間に、単一分子に特有な
性質に基づいて種を区別する、多数の異なる変動法(fluctuation
methods)が開発された。単一分子の感度を用いる最も複雑な蛍光技術の
1つは、まず第一に、異なる並進拡散係数に基づき、異なる種を区別し得る蛍光
相関顕微鏡法(FCS)である(マグデ(Magde)ら, Phys. Re
v. Lett. 29, 704−708, 1972; エルソン(Els
on)ら, Biopolymers 13, 1−27, 1974; リグ
ラー(Rigler)ら, Eur. Biophys. J. 22, 16
9−175, 1993)。最近、異なる蛍光種を、それらの比明度によって識
別する蛍光強度分布分析(FIDA)が、この蛍光変動法と同等なものであるこ
とが見出された(カスク(Kask)ら, Proc. Natl. Acad
. Sci. USA 96, 13756−13761, 1999)。“比
明度”という語は一般に、試料中のある位置、通常は、明度プロファイル(pr
ofile)変動の値が単一である位置に置かれた所定の種の粒子によって発せ
られる光からの、検出器の平均カウント速度(mean count rate
)を意味する。
【0004】 単一の特異的物性に基づいて種を区別する、FCSやFIDAのような方法の
ほかに、蛍光の異なる偏光成分又は放射バンドをモニターする2つの検出器を用
いる二次元法が開発されている。特に、蛍光相互相関(cross−corre
lation)分析及び二次元蛍光強度分布分析(2D−FIDA)は、2つの
タイプの比明度に基づき種を認識する方法である(カスク(Kask)ら, B
iophys. J. 55, 213−220, 1989; シュウィル(
SchwilleI)ら, Biophys. J. 72, 1878−18
86, 1997;カスク(Kask)ら, Biophys. J. 78,
2000)。
【0005】 FCS、FIDA及び上記二次元法は、変動分光学の統計学的な方法であるの
に対し、個々の分子を同定することを目的とする、別の幅広い分野の研究も行わ
れている。多くの適用は、分子の直接的な環境のあらゆる変化に反応する固有の
(intrinsic)分子の性質として、蛍光寿命を利用する。しかし、上記
の変動法と違い、蛍光寿命分析(FLA)は、基本的に顕微鏡的な技術であり、
モニターされる試料容量における分子数変動を必要とせずに、異なる蛍光遅延(
decay)時間を識別することができる。従って、蛍光寿命の測定は、高試料
濃度のキュベット(cuvettes)において通常行われる。しかし、この手
段の欠点は、遅延時間ヒストグラムを検出するために実験的に集められた励起光
(excitation)が、区別するのが困難な異なる種からの寄与を受ける
ことである。また、FLAは、低い耐久性(robustness)しかもたず
、わずかに誤った仮定により、大きく誤った結果がもたらされる。
【0006】 それに対し、寿命実験も、非常に低い平均粒子数に適用されている。古典的な
FLAと対比されるこのアプローチは、破裂積算(burst integra
ted)蛍光寿命分析(BIFL)として紹介された(ケラー(Keller)
ら, Applied Spectroscopy 50, 12A−32A,
1996)。BIFLは、ある閾値強度以上の単一分子からの蛍光破裂(bu
rsts)を調べる。その欠点は、測定容量当たりの濃度が1粒子よりもはるか
に低いときにしか適用できないため、比較的長いデータ収集時間を必要とするこ
とである。
【0007】 蛍光寿命実験が、時間相関単一光子カウント(time correlate
d single photon counting)(TCSPC)とともに
時間領域において行われる場合、単一光子の遅延時間tを検出するための励起は
、ヒストグラムにまとめて記録される。蛍光寿命を得るために、理論分布P(t
)を、これらの実験データに対して補正する(fitted)。通常、P(t)
は、それぞれの器具応答関数(instrument response fu
nction)(IRF)に関連する単一又は多数の指数遅延関数(expon
ential decay function)によって示される。この種の分
析により、試料の構成物質の特徴付けが、それらの個々の寿命τによって行われ
得るのに対し、それらの濃度c、及び比明度qの決定はできず、その積qcのみ
が決定され得る。
【0008】 従って、本発明の目的は、個々の粒子の特徴付けを、それらの蛍光粒子に基づ
いて行い得る、高い精度及び耐久性を有する方法を提供することである。
【0009】 本発明によれば、以下の段階を含む、蛍光粒子を有する試料を特徴付ける方法
が提供される。まず最初に、測定容量中の粒子が、一連の励起パルスによって励
起され、放射された蛍光が、光子カウントのシーケンス(sequences)
を検出することによってモニターされる。この目的のために、共焦点エピイルミ
ネーテッド(epi−immuminated)顕微鏡が、高反復速度(例えば
100MHz)のレーザーパルス励起光と組み合わせて使用されることが好まし
い。所定幅のカウント時間間隔における光子カウントの数、並びに対応する励起
パルスに対する光子カウントの検出遅延時間が決定される。以下に詳述するよう
に、前記検出遅延時間の関数が得られ、次の段階として、少なくとも2つの独立
変数(arguments)の確率関数
【数8】 が決定される。式中、1つの独立関数は、光子カウントの数であり、別の独立関
数は、検出遅延時間の前記関数である。その後、前記確率関数
【数9】 に基づき、少なくとも2つの独立変数の関数として、粒子の分布が決定される。
式中、一つの独立変数は粒子の比明度(またはその測度(measure))で
あり、別の独立変数は、粒子の蛍光寿命(又はその測度)である。蛍光強度及び
寿命分布分析(FILDA)と呼ばれる本発明による方法は、完全な濃度、即ち
、従来のFLAでは直接得られない量を決定することができる。本発明によるこ
のような相関法において使用される場合、組み合わされた情報(combine
d information)により、FIDA及び蛍光寿命分析のみと比較し
て、大幅に向上した精度が得られる。ある閾値強度以上の単一分子からの蛍光破
裂を調べるBIFLと比較して、FILDAは、好ましくは、全てのデータの連
続(whole data stream)の相対的な変動を分析するので、異
なる分子からの同時光子放射の可能性を明らかにする。従って、本発明は、BI
FLよりも、はるかに高濃度において使用することもできる。
【0010】 以下に、基本的な理論並びに好ましい態様を詳述し、シミュレーションされた
実験的データへ適用する。異なる種の区別における顕著な能力が、カルモデュリ
ン(calmodulin)のペプチドリガンドへの結合の定量化によって示さ
れ、生命科学における幅広い利用可能性が約束される。
【0011】 先に略述したように、本発明は、少なくとも二次元の方法に基づき、試料中の
異なる蛍光粒子種が、比明度並びに寿命値によって、お互いに区別される。しか
し、いくつかの場合には、異なる色又は偏光の蛍光をモニターする2つの異なる
光子検出器に関して、更なる粒子の性質、例えばそれらの拡散カウント又は明度
を考慮することが有利なこともある。これらの場合には、本発明の方法は、二次
元だけよりもさらに高次元であり、確率関数の式中で点によって示される。しか
し、分かりやすくするために、以下の説明のほとんどが、二次元の場合において
詳述される。
【0012】 本発明により、試料の異なる種を、そられの寿命τ、明度値qによって識別し
、並びにそれらの完全な濃度cを決定するのに適した方法が開発された。重要な
点(key)は、理論的に表された予想される分布P(n,t)を適用し、検出
された光子カウントの数n、及び積算遅延時間tの測定された二次元FILDA
分布
【数10】 を分析することである。以下に、測定された二次元FILDA分布を補正し得る
、迅速かつ効率的なアルゴリズムが得られる、FIDAの理論の拡張(カスク(
Kask)ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 9
6, 13756−13761, 1999)を示す。生成関数の表現を用いて
、問題は、まず単一種のものに低減される。単一種の場合、P(n,t)は、光
子カウント数分布P(n)及び光子カウントnにおける積算遅延時間P(t|n
)という、2つの因子の積として表される。P(n)は、FIDAの理論によっ
て算出され、P(t|n=1)=P(t)は、FLAの理論によって算出される
ので、P(t|1)からP(t|n)を算出することだけが更に必要である。
【0013】 本発明によるFILDA理論の主な好ましい構成部は、生成関数の概念である
。確率分布P(n,t)の生成関数は、
【数11】 と定義される。
【0014】 各光子の検出遅延時間tは、不連続の(discrete)間隔において表さ
れる。この定義において、生成関数の独立関数ζ及びηを、eiφの形で選択す
ることが都合がよい。この選択のため、G(ζ,η)及びP(n,t)は、迅速
なアルゴリズムによって算出され得る二次元フーリエ変換によって相互に関係付
けられる(ブリハム(Brigham), The Fast Fourier
Transform, プレンティス−ホール(Prentice−Hall
), エングウッド・クリフス(Engwood Cliffs), NJ,
1974)。
【0015】 P(n,t)及びG(ζ,η)に含まれる寄与がどの程度異なるかを比較する
と、生成関数を表すことが都合がよい理由が、明らかになる。例えば、別々に分
布P1(n,t)及びP2(n,t)をもたらし得る2つの独立した蛍光種を有す
るならば、得られる分布は、
【数12】 というたたみ込み(convolution)として表されるのに対し、生成関
数の表現では、この関係は、
【数13】 という簡単な積として表される。
【0016】 たたみ込みの計算は、非常に時間がかかるが、積の計算は、迅速かつ簡単であ
る。更に、2より多い種に対する式3の一般化は、簡単である。式3は、積によ
るこの説明を、数種の成分の場合に簡単に拡張するので、単一種の理論的な説明
の知識で、既に十分である。従って、以下において、単一種の場合について考察
する。
【0017】 各光子の検出遅延時間の確率分布は、あらかじめ放出又は検出された光子の数
や光子を放出する分子の座標のいずれにも依存しない、所定の種を特徴付ける関
数として考察され得る。これは、P(n,t)が
【数14】 P(n,t)=P(n)P(t|n), (4) として得られ得ることを意味する。ここで、P(t|n)は、n個の光子の積算
検出遅延時間の確率分布であり、P(n)は、所定のカウント時間間隔内にn個
の光子を検出するための確率関数である。P(t|n)は、n倍のたたみ込みに
よってP(t|1)から計算されるので、P(t|n)の一次元生成関数は、P
(t|1)の生成関数のn倍である:
【数15】
【0018】 式4及び式5を式1に置換すると、以下の式が得られる:
【数16】
【0019】 式6によれば、所定のη値に対応するG(ζ,η)−マトリックスの各カラム
は、関数P(n)[G(η|1)]nの一次元フーリエ変換であり、一方、式7
によれば、G(ζ,η)−マトリックスの各成分は、ζG(η|1)点における
P(n)のフーリエイメージとして表され得る。
【0020】 G(η|1)は、特別な種から生じる光子の予想される検出遅延時間分布の生
成関数P(t|1)(ここでは、一次元フーリエ変換)である。関数P(t|1
)は、IRF及び所定の種を特徴付ける遅延時間との指数関数の周期的なたたみ
込みである。
【0021】 どのようにP(n)を算出するかという問題は、カスク(Kask)らによっ
て説明されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA
96, 13756−13761, 1999; この内容は、本明細書に開示
として援用される)。P(n)は、その生成関数によって(with the
help of)算出され、単一種の場合には、
【数17】 として表される。ここで、B(r)は、空間(spatial)明度関数であり
、qは、見掛けの(apparent)比明度であり、Tは、カウント時間間隔
の幅であり、cは、見掛けの濃度であり、dVは、容量成分である。式8の右辺
の積分は、数字によって(numerically)算出され得る。空間明度と
対応する容量成分との関係(式8の右辺の計算に必要とされる)は、好ましくは
、3つの補正パラメーター、a1、a2、及びa3の経験から得られた式によって
表される。
【数18】 ここで、u=ln[B(0)/B(r)]であり、A0は、容量の単位を選ぶ
ために使用される係数である。但し、空間明度B及び容量要素dVの関係は、
【数19】 によっても表され得る。真の濃度と見掛けの濃度との関係及び真の比明度と見掛
けの比明度との関係は、FIMDAの理論において得られる(パロ(Palo)
ら、Biophys. J. 79, 2858−2866, 2000: こ
の内容は、本明細書に開示として援用される)。
【0022】 以下に、capp及びqappがどの程度Tに依存するかを予想する理論を示す。単
一種の場合を研究し、式3に対応する分布の第一及び第二階乗キュムラントを算
出する。階乗キュムラントは、
【数20】 として定義され、
【数21】 が得られる。ここで、一般化条件
【数22】 が使用される。(注;式9b及び9cは、キアン(Qian)及びエルソン(E
lson)の式と完全に一致する(Biophys. J. 57: 375−
380, 1990)。式9bから、
【数23】 という結論が得られる。ここで、
【数24】 は、平均カウント速度であり、Tの選択に依存しない。カウント数分布P(n;
T)の第二キュムラント及び蛍光強度の自己相関関数
【数25】 との以下の関係
【数26】 を用いることにより進められるであろう。
【0023】
【数27】 という表記を導入することにより、式9g及び9cから、
【数28】 が得られる。
【0024】 式9f及び9iから、
【数29】 が得られる。
【0025】 P(n,t)の生成関数P(n,t)の理論式を得る最後の段階として、式7
及び式8を組み合わせて
【数30】 を得る。
【0026】 式10は、コンパクトな理論式である。G(ζ,η)の蛍光寿命への依存は、
関数G(η|1)のみによって表される。しかし、2つの一次元分布P(n)及
びP(t|1)は、単一種に対してG(ζ,η)の結果を完全に決定することは
、式10からよりも、式6からの方がより明確であり得る。多数の種に対し、式
3及び10から、
【数31】 が得られる。ここで、下付き文字iは、異なる種を意味する。
【0027】 不連続なフーリエ変換アルゴリズムは、確率分布から生成関数を算出する場合
、またはその逆の場合に使用され得る。これは、生成関数が、周期的な独立変数
の関数として人為的に(artificially)考慮されていることを意味
する。従って、周期が規定されるべきである。カウント数の大きさ(dimen
sion)では、n値での期間を規定することが都合がよい。ここで、P(n)
は、実際はゼロに低下する。検出遅延時間の大きさでは、2つの異なる期間の値
が考慮されるべきである。
【0028】 P(t|1)を計算する場合、選ばれた周期は、レーザー励起期間と一致すべ
きである。ここで、蛍光遅延変動は、パルス期間Nlの間、ゼロになる必要がな
いことが考慮される。連続励起パルス0<t≦Nlの間に、P(t|1)が算出
されると、その後、間隔Nl≦t≦Ntにおいて、関数はゼロに引き伸ばされる(
padded by zeros)。ここで、Ntは、t次元でのP(n,t)
の周期の値を意味する。Ntの値は、分布P(n,t)が実際にゼロになるとこ
ろに選択される。その後、式6は、P(n,t)のフーリエイメージの計算に適
用される。
【0029】 上記に説明したように、P(t|1)及びその生成関数を計算するとき、選択
された確率分布の期間は、レーザー励起期間と当然一致すべきである。パルス期
間を幅ΔのNl検出遅延時間間隔に分割するとすると、δ−励起に対応する、理
想的な区分された(periodized)確率分布は、間隔0<t≦Nlにお
いて、
【数32】 として表される。τは、蛍光寿命を示す。(同様に区分された関数である)時間
応答関数R(t)による、Pδ(t)のたたみ込みの最も簡単な計算方法は、フ
ーリエ変換による、
【数33】 である。
【0030】 正確さのために、P(t|1)は、高時間分解能で計算され得る。後述の実験
2で行われたように、例えば、ここでは8倍高い分解能を使用し得る。間隔0<
t≦NlにおいてP(t|1)を計算し、その後、間隔Nl≦t<Ntにおいて一
連のゼロによって、関数を補正する。ここで、Ntは、t次元でのP(n,t)
の区分の値を示す。
【0031】 補正の加重値(Weights of Fitting) 単純化のために、連続したカウント時間間隔におけるカウント数は独立してい
ると推定され得る。分子座標は少しのカウント間隔において大きく相関するので
、この推定は、厳密には正しくないが、所定の対(pair)(n,t)を有す
るイベント数は、平均付近で二項分布している。ここで、Mは実験当たりのカウ
ント時間間隔の数である。これにより、これにより、最小二乗の式(least
squares problem)
【数34】 の加重値W(n,t)に関する以下の式が得られる:
【数35】 ここで、χ2は、最小二乗パラメーターであり、
【数36】 は、測定されたFILDAヒストグラムであり、P(n,t)は、理論分布であ
る。
【0032】 式3の加重値W(n,t)は、補正に対して非常に良好であるが、この目的の
ために使用されると、過小評価された(underestimated)統計的
誤差が生じるであろう。従って、FILDAの統計的誤差は、一連の実験的なシ
ミュレーションされたデータから決定された。
【0033】 より一般的な態様における本発明に戻ると、確率関数の第二独立変数は、各光
子の単なる個々の検出遅延時間であるだけでなく、むしろ所定のカウント時間間
隔において検出された光子全てに対する積算検出遅延時間のような、その関数で
ある。但し、分子は、単一の励起パルスから2つの光子をほとんど放出すること
ができないが、以下に示す実施例において、カウント時間間隔当たり10,00
0励起パルスがあり、それにより、この時間中、単一分子からの数10個の光子
を検出することができる理由が説明される。第二独立変数の有利な選択は、特に
、測定容量当たり1分子よりわずかに低いだけである、本方法を実施するための
光学濃度が使用されるならば、短い時間間隔において測定される一連の光子は、
単一分子によって放出されそうであるという、蛍光の性質に関連する。古典的な
寿命分析では、この情報はない。この理由により、試料中に存在する2つの粒子
種の比明度値が同じであるとしても、本発明による方法は、より正確な分析方法
であることがわかる。
【0034】 好ましい態様では、検出遅延時間の前記関数は、同じカウント時間間隔におい
て検出される光子カウントの検出遅延時間の次数(order)に関して不変で
ある。好ましくは、検出時間の前記関数は、合計又は平均である。各光子の検出
遅延時間、即ち、対応する励起パルスに対する光子カウントの検出時間は、検出
時間との既知の関係を有する整数によって表され得る。この関係は、理想的には
、擬似線形(quasi−linear)である。検出遅延時間の関数は、好ま
しくは前記整数の合計又は平均である。
【0035】 更に好ましい態様では、粒子の分布関数は、対応する理論的な確率関数P(n
,t,...)によって実験的に決定された確率関数
【数37】 を補正することによって決定される。この理論分布P(n,t,...)は、好
ましくはその生成関数
【数38】 によって算出される。単一の検出器の場合には、上記に説明したように、実験的
に決定された確率関数は、二次元関数である;故に、対応する理論的な確率関数
P(n,t)によって実験的に決定される確率関数
【数39】 を補正することによって、粒子の前記分布関数を決定することが好ましい。後者
は、好ましくは、その生成関数
【数40】 によって算出される。
【0036】 光子カウントの数(n)、好ましくは積算検出遅延時間(t)の測定された二
次元分布を補正することによって本発明が行われる限り、基本的な問題は、理論
的な確率分布P(n,t)の計算式である。確率分布の両独立変数は、加法的(
additive)変数の典型的な例である:例えば、1つの分子が積算検出遅
延時間t1のn1光子を放出し、別の分子が積算検出遅延時間t2のn2光子を放出
すると、それらは、積算検出遅延時間t1+t2のn1+n2光子を一緒に放出する
。この場合、上述のように、対象となる確率分布を表す場合に生成関数の表現を
選択することが適当である。
【0037】 理論分布P(n,t,...)の計算において考慮されるべき実験器具の時間
(temporal)応答関数を決定することが更に好ましい。この時間応答関
数は、分離実験から決定され得る。
【0038】 さらに好ましい態様において、前記幅のカウント時間間隔の一組の異なる値が
使用され、前記幅は、前記確率関数のもう1つの独立変数である。この特別な場
合には、粒子の拡散カウント(又はその測度)は、有利に決定され得る。その結
果、それは、粒子の前記分布関数の第三独立変数になる。本発明のこの態様は、
蛍光強度寿命多重分布分析(Fluorescence Intensity
Lifetime Multiple Distribution Analy
sis)(FILMDA)と呼ばれる。
【0039】 カウント時間間隔は、連続した時間であることもあり、重なり合っていること
もある。
【0040】 上記のように、測定容量当たりの粒子濃度を、約1分子以下に選択することが
好ましい。測定容量当たり1粒子よりもはるかに低い濃度で行われる場合、デー
タ収集時間のほとんどは待ち時間に、即ち測定容量に粒子がない状態で費やされ
るので、実験による意味のある情報の取得はゆっくり行われる。これは、ハイス
ループットスクリーニング(high throughput screeni
ng)実験において特に好ましくない状態であろう。
【0041】 前記検出手段として、1つ、2つ又はそれ以上の光子検出器、好ましくはアバ
ランシェ・フォトダイオード又は光電子増倍管が使用される。少なくとも2つの
光子検出器は、例えば、異なる色又は偏光の蛍光をモニターするために使用され
得る。
【0042】 本発明による方法は、ハイスループットスクリーニングアッセイの実施、アッ
セイ開発及び診断目的に特に適している。しかし、それは、生命科学及び関連す
る技術に幅広く適用することができる。
【0043】 本発明によれば、変動する蛍光強度のモニターには、共焦点技術が特に適して
いる。上記に略述したように、それらは、生体臨床医学などのような、幅広い適
用分野に適用され得る。接合(conjugate)焦点(共焦点)技術は、試
料上の回折制限(diffraction−limited)スポットに鋭く焦
点を合わせられる光の点光源の使用に基づいている。放射された光は、観察範囲
を、照明スポットと正確に一致する範囲に単離する空間フィルター(ピンホール
)によって観察される。従って、照明穴及び検出穴は、お互いに光学的にに接合
されている。対物レンズの光の他に焦点面から生じる光が拒絶され、それにより
、非常に小さな深さの場(field)が効率的に提供される。従って、本発明
の特に好ましい態様では、蛍光強度のモニターのために、共焦点顕微鏡が使用さ
れる。高いシグナル−ノイズ比(signal−to−noise−ratio
)を得るためには、励起光(excitation radiation)(1
4)を提供するための光源(12)、測定容量(26)へ励起光(14)の焦点
を合わせるための対物レンズ(22)、測定容量(26)から逆らって進む(s
tems)放射光(emission radiation)(30)を検出す
るための検出器(42)、及び放射光(30)又は励起光(14)の中心部を消
去するために放射光(30)又は励起光(14)の経路(32)に位置する不透
明手段(44)を含む装置を用いて蛍光をモニターすることが有用である。図6
に詳述した光学装置を使用することが特に好ましいこともある。
【0044】 ヒストグラム(又は確率関数)の第二確率変数が、所定のカウント時間間隔に
おいて測定される光子数における検出遅延時間に対する励起光の合計又は平均で
あることが好ましいので、既知の多次元蛍光変動法と比べて、本発明による方法
は、非常に特別である。単独で用いる場合、どのような値であっても、この変数
は非常に小さい。それは、光子カウントの数と関連する場合にのみ、その意味を
持つ。明度及び寿命分析を組み合わせる場合、2つの変数の直接的な選択は、光
子カウントの数及び検出遅延時間に対する個々の励起光である;しかし、本発明
の選択により、直接的な選択よりもはるかに正確な方法が得られる。この特別な
選択の成功の別の理由は、ヒストグラム(又は確率関数)の補正関数が、そのフ
ーリエ変換により、即ち、生成関数の表現を用いて、迅速に算出され得ることで
ある。
【0045】 本発明は、以下の図及び実施例によって説明されるが、これらは本発明の範囲
を限定するものではない。
【0046】 図1:(A)T=2sのデータ収集時間でのボディピィ(Bodipy)63
0/650溶液からのFILDAヒストグラム。(B)(A)のFILDAヒス
トグラムに対する式10の補正の加重残差(weighted residua
ls)(式12により加重)。補正により、c=2.3、q=23.2kHz、
τ=3.3ns、及びχ2=1.1の値が得られた。
【0047】 図2:FILDA(本発明)、FLA(従来技術)、及びFIDA(従来技術
)のCV’sの蛍光種濃度への依存状態。3つの方法それぞれに対する100個
のランダムヒストグラムを、20秒のデータ収集時間において、2つの蛍光種の
1:1混合物に対してシミュレーションした。シミュレーションのための入力パ
ラメーターは、濃度c1=c2(x軸)、明度q1=30kHz、及びq2=15k
Hz、寿命τ1=3.0ns、及びτ2=1.5nsであった。全てのパラメータ
ー(FILDAにおけるc1、c2、q1、q2、τ1、τ2;FIDAにおけるc1
、c2、q1、q2及びFLAにおけるc11、c22、τ1、τ2)は、補正され
た。第二(弱い方の)成分の濃度値c2のCVを、このグラフにプロットする。
100個のヒストグラムの分析により、標準誤差の7.1パーセントの精度が得
られる。
【0048】 図3:FILDAのCV’sのデータ収集時間T(上方x軸)への依存状態。
以下の入力パラメーターを有する1:1色素混合物の100個のシミュレーショ
ンされたヒストグラムにおいて、分析を行った:濃度c1=c2=0.2、明度q 1 =30kHz、及びq2=15kHz、寿命τ1=3.0ns、及びτ2=1.5
ns。100個のヒストグラムの分析により、標準誤差の7.1パーセントの精
度が得られる。線形依存状態を明らかにするために、下方x軸に、T-1/2を示す
【0049】 図4:FILDA(データ収集時間T=2s、10回繰り返された測定の平均
からの誤差バー)によってモニターした、ラベルされたターゲットペプチドH−
KRRWKKNFIAK−NH2のカルモデュリンへの結合。データの双曲線補
正から、実線が得られ、それにより結合定数KD=38±3nMが得られる。
【0050】 図5:実験2のヒストグラムの強度グラフの説明。X軸は、光子遅延時間に対
して平均化されたパルスであり、y軸は、光子カウントの数である。濃色部の(
darker)強度は、高いイベント数に対応する。
【0051】 図6は、本発明による方法の実施において使用される装置の一態様を示す。装
置10は、可干渉性単色励起光14の束によって試料を照らすための光源として
働くレーザー12を含む。励起光14は、レンズ16によって平行にされ、二色
性鏡20に到達する。好ましくは、光学軸18と二色性鏡20の間の角度は45
°である。二色性鏡20は、試料容量26内で、焦点24を有する対物レンズ2
2の方向へ励起光14を反射する。試料容量26及び対物レンズ22は、透明カ
バーガラス28によって、例えば試料に設置される市販のマイクロタイタープレ
ート(micro−titer plate)の底部によって、お互いに分離さ
れることが好ましい。試料は、蛍光ラベルされた分子又は他の粒子を含むことが
好ましい。適当な励起光14による励起により、試料中に存在する分子又は他の
粒子は、光30を放射する。放射光30は、対物レンズ22を通り、励起光30
を通す二色性鏡20に達する。その後、放射光は、光学軸32上のフィルター3
4及びコリメーターレンズ36を通る。ピンホール38は、コリメーターレンズ
36の焦点に置かれる。ピンホール38を通った放射光30は、更なるレンズ4
0に達し、その後、光検出器42によって検出される。放射光30の経路内、特
に二色性鏡20と光検出器42との間に、放射光30の中心部を通すことができ
ない不透明手段44が設けられる。この放射光30の中心部は、励起光14の焦
点24の前又は後ろにある光学軸32上の範囲から逆らって進む。焦点24又は
その直接近接する部分から逆らって進む放射光30は、ピンホール38を通り、
光検出器42に達する。不透明手段44を放射光30の経路内に置く代わりに、
励起光14の経路も、不透明手段44を設置するのに適している。特に、不透明
手段44は、レーザー12と二色性鏡20との間に置くことができる。ここで詳
述したように、本発明による方法における不透明手段44の使用により、シグナ
ル−ノイズ比が向上する。
【0052】
【実施例】実験1 材料及び方法 実験装置 蛍光相関顕微鏡法(リグラー(Rigler)ら, Eur. Biophy
s. J. 22, 169−175, 1993; コッペル(Koppel
)ら, Biophys. J. 16, 1315−1329, 1976)
において使用されるように、標準のエピイルミネーテッド共焦点顕微鏡(コンフ
ォコル(ConfoCor); エボテックバイオシステムズ(EVOTEC
BioSystems)及びカールツァイス(Carl Zeiss)、ドイツ
)は、本発明による、このFILDA実験の中心光学部である。FILDAは、
連続的な比明度と時間によって決まる(time−resolved)蛍光寿命
分析の両方を組み合わせるので、励起のために、高速パルス(fast pul
sed)レーザーダイオード(クリスタル社(Crystal GmbH)、ベ
ルリン、ドイツ、635nm、1mW)を使用する。100MHzの反復速度で
は、それは、強度変動検出に対して、ある程度(quasi)連続した波として
現れるのに対して、1.5nsのパルス幅において、10nsの一致した(ac
cording)パルス距離でも、使用される色素の蛍光寿命の十分正確な試験
が可能である(Cy5, オキサジン色素MR121, オキサジン色素EVO
blue 30, ボディピィ(Bodipy)630/650)。
【0053】 蛍光の励起のために、レーザー光をビーム伸張器に通し、二色性鏡(635L
P, クロマ(Chroma), ブラトレボロ(Brattleboro),
VT, USA)によって、顕微鏡対物レンズ(Uapo/340, 40x
, N.A.1.15, オリンパス光学株式会社(Olympus Opti
cal Co., Ltd., 東京、日本) に向ける。二色性鏡、スペクト
ル帯域フィルター(670DF40, オメガ(Omega), ブラトレボロ
(Brattlrboro), VT, USA)を介して同じ対物レンズによ
って蛍光を集め、焦点を外れた光を拒絶するために働く共焦点ピンホールに焦点
を合わせる。70μmのピンホールを通る光を、ケイ素光子カウントアバランシ
ェダイオード(SPCM−AQ−131, EG&G オプトエレクトロニクス
(Optoelectronics), ボードロイル(Vaudreuil)
, ケベック(Quebec), カナダ)によって検出する。
【0054】 検出器パルス並びにレーザートリガーパルスは、コンピューター差込み式カー
ドに通される。エボテック(EVOTEC)製のこのカードは、2つのサブユニ
ットからなり、その一方は、時間相関単一光子カウント(TCSPC)モジュー
ルである。このモジュールは、付随するレーザーパルスに対する光子カウントの
遅延時間を検出している。時間をデジタル化する変換器(time−to−di
gital converter)(TDC)は、70psの分解能及び2MH
zの変換速度で、この時間情報を定量化する。他方のサブユニットは、首尾よく
検出された光子カウントの全ての対の間の時間の不足(光子間隔時間)を得るた
めの、50nsの時間分解能の内部時計を用いる電子カウンターである。従って
、検出される光子カウント毎に、2つの独立した時間、即ち、蛍光寿命情報を含
む、一致したレーザーパルスに対する光子カウントの顕微鏡でしか判別できない
遅延時間(ns)、並びに蛍光強度及び変動情報をコードする顕微鏡でしか判別
できない光子間隔時間(μs〜ms)が同時に記録される。これらの蛍光から、
生データの2つの一次元ヒストグラム、即ち、(i)100μsのカウント時間
間隔において収集された光子カウント数分布(FIDA)、及び(ii)遅延時
間分布(FLA)が算出される。更に、100μsのカウント時間間隔にわたっ
て積算された光子カウント数及び遅延時間の両方を含む二次元FILDAヒスト
グラムが、本発明によって確立される。
【0055】 FCS測定から、蛍光色素MR121、EVOblue30及びボディピィ(
Bodipy)630/650の平均拡散時間は、200μsに決定された。D
=3×10-6cm2/sの拡散定数において、これにより、0.5μmの動径1
/e2−半径が得られる(リグラー(Rigler)ら, Eur. Biop
hys. J. 22, 169−175, 1993)。対物レンズ下の時間
(time−averaged)平均レーザービームパワーは、200μWであ
った。
【0056】 実験手順 装置を評価する(gage)ために、4つの異なるキャリブレーション(ca
libration)測定、即ち、(i)TDCの不均一なチャンネル幅に対す
るデータを集めるための光子のランダム光源としての日光、(ii)装置のIR
Fを決定するための純粋なバッファー又は水試料からの付随するレーザーの散乱
光、(iii)式9の空間明度パラメーターを決定するための純粋な色素溶液、
及び(iv)暗色(dark)散乱ラマンカウント速度の独立した評価を得るた
めの純水における測定を行った。後者は、既に存在する2つの“種”と見なされ
る。それらはいずれも、ポアソニアン(Poissonian)カウント数分布
を有するが、大きく異なる遅延時間分布を有する。
【0057】 一例として、図1Aは、約1nMのボディピィ(Bodipy)630/65
0溶液の、得られたFILDAヒストグラムを示す。x軸は、遅延時間の合計を
表すのに対し、y軸は、上記のような光子カウント数を表す。このヒストグラム
のためのデータを2秒間収集した。式11のフーリエ変換に対してこの二次元ヒ
ストグラムを補正することにより、測定容量中の分子の濃度又は平均数c=2.
3、比明度q=23.2kHz、並びに、FIDA及びFLAのみによって決定
される値(データは示されていない)、及び先に記したボディピィ(Bodip
y)630/650に対する寿命と一致する蛍光寿命τ=3.3nsが得られる
。補正の良さを判断するために、図1Bは、χ2=1.1の最小二乗値において
、加重残差
【0058】
【数41】 を示す。
【0059】 データシミュレーション 慎重に(deliberately)選択されたパラメーター(明度及び蛍光
寿命値)を示す分子の混合物を含む実際の試料は、調製することが困難である。
従って、ある評価は、シミュレーションデータを用いて行われる。FILDA(
本発明)、FIDA(従来技術)、及びFLA(従来技術)に対する多数のヒス
トグラム組は、他に詳述されたアルゴリズムによってシミュレーションされた(
パロ(Palo)ら, Biophys. J. 79, 2858−2866
, 2000; この内容は、本明細書に開示として援用される)。このアルゴ
リズムは、個々の分子のランダムウォーク(random walk)及び明度
積分(brightness integrals)のランダムカウント数への
変換を含む。このアルゴリズムの修正として、所定の種の寿命に依存するランダ
ム検出遅延時間が、各光子に対して更に定められ、シミュレーションで使用され
るIRFは、実際の実験と同一に選択された。得られたランダムカウント数及び
検出遅延時間は、その後、FILDA、FIDA及びFLAに対するヒストグラ
ムを計算するために使用された。
【0060】 シミュレーションは、得られたパラメーターの統計的誤差を評価するために適
したツールであると考えられる。この目的のために、典型的には、所定の分子パ
ラメーター組を用いる40〜100回の実際の実験(N=40−100 rea
lizations of experiments)がシミュレーションされ
た。
【0061】 補正 実験的な、又はシミュレーションされたFILDA(本発明)、FIDA(従
来技術)、及びFLA(従来技術)分布を、標準マークオート(Marquar
dt)アルゴリズムを用いて補正した。FIDAのために設計された補正プログ
ラムは、基本的には式8を使用するのに対し、FILDAのためのものは、式1
1に基づいている。FLAのための補正曲線は、上記のように、P(t|1)の
計算のみによるため、FILDAの場合よりもはるかに簡単である。
【0062】 生化学的システム:カルモデュリン−ペプチド相互作用 カルモデュリン(MW 16.7kDa)は、様々なCa2+依存性細胞シグナ
ル経路に関連する調節蛋白質である(クリー(Klee), Biochemi
stry 27, 6645−6653, 1988)。微小な(atomic
)分解能における構造は、溶液中のカルモデュリンに対し、可撓性リンカーによ
って結合する(イクラ(Ikura)ら, Cell Calcium 13,
391−400, 1992)2つのCa2+結合部位をそれぞれ有する2つの
同様のドメインを同定した(バブ(Babu)ら, Nature 315,
37−40, 1985; バブ(Babu)ら, J. Mol. Biol
. 204, 191−204, 1988; チャトパドヒアヤ(Chatt
opadhyaya)ら, J. Mol. Biol. 228, 1177
−1192, 1992; ウィルマン(Wilmann)ら, Cell M
ol. Biol. Noisy−le−grand, 46, 883−89
4, 2000)。Ca2+の結合において、ほとんどのターゲット蛋白質に対し
て結合部位を形成するそれら残基は、溶媒にさらされる。ターゲットペプチドの
1つからの関連するペプチド配列(例えば、平滑筋ミオシン軽鎖キナーゼ、sm
−MLCK)は、KRRWKKNFIAであり、ターゲットペプチドとして選択
された。C末端において、色素(例えばMR121)によってC末端をラベルす
るために、更なるリシンが導入された。ターゲットペプチドの優勢な(pred
ominant)相互作用部位(両方のカルモデュリンドメインと相互作用する
)は、C末端及びN末端として同定されたので(メドール(Meador)ら,
Science 257, 1251−1255, 1992; メドール(
Meador)ら, Science 262, 1718−1721, 19
92)、色素の分子環境は、結合において変化すべきである。従って、蛍光寿命
、分子強度、並びにFILDAデータは、結合イベントを示すべきである。
【0063】 カルモデュリンは、BIOMOLから購入した(ウシ脳由来、LOT#P46
39c、1mg、凍結乾燥)。pH8の25mM Tris/HClに蛋白質を
溶解し、4℃でアリコートに貯蔵した。ペプチド(H−KRRWKKNFIAK
−NH2)は、エボテック(EVOTEC)で合成され、C末端のリシンにおい
て、オキサジン色素MR121(吸収極大(Abs.max.)=661nm)
でラベルされた。全ての実験で使用したバッファーは、pH8の25mM Tr
is/HCl、1mM CaCl2、100mM KCl、及び0.05%のプ
ルロニック(Pluronic)を含んでいた。カルモデュリン及び蛍光ラベル
されたペプチドは、測定前に10分間、インキュベートされた。
【0064】 蛍光色素及びプローブの取り扱い 使用した色素は、ボディピィ(Bodipy)630/650(モレキュラー
・プローブズ(Molecular Probes), Eugene, OR
, USA)、シアニン5(Cy5)(アマシャム・ファルマシア・バイオテク
(Amersham Pharmacia Biotech), Uppsal
a, スウェーデン)、MR121(ロシュ・ディアグノスティクス(Roch
e Diagnostics), Penzberg, ドイツ)、及びEVO
blue(エボテックバイオシステムズ(EVOTEC BioSystems
) AG, ハンブルグ、ドイツ)であった。これらはすべて、635nm付近
に励起極大を有する。色素溶液は、超純水中で調製した。
【0065】 試料として、1nMの付近の濃度で蛍光プローブを調製した。ガラス表面へ分
子が吸着する可能性があるので、希釈率から、それらの濃度値を決定することは
適当ではない。さらに良好な評価は、FILDAそのものによって得られる。な
ぜなら、この方法により、完全な濃度が得られるからである。全ての実験は、2
2℃の室温において行われた。
【0066】 結果 新たな方法は、シミュレーションされたデータから、又は同じ装置及び同じ光
子カウントシーケンスを利用する、簡単なテスト実験から得られる統計的誤差に
基づいて、既知の方法と比較される場合も、最も良好に評価される。従って、本
発明による方法(FILDA)は、最初の段階において、異なる色素溶液及び混
合物に適用され、結果は、FLA及びFIDAのものと比較された。
【0067】 テスト実験及びデータシミュレーション まず、総色素濃度約1nMのEVOblueTM30及びMR121の2:1色
素混合物における一連の40回の測定を行い、FILDA、FIDA及びFLA
のデータを並行して収集した。この一連の実験は、それぞれTc=2sの継続期
間で、同様の分子パラメーターを用いて、シミュレーション中繰り返された。全
てのデータは、それぞれの色素溶液における実験から、あらかじめ決定された様
々な数の固定された(fixed)パラメーターによって補正された。3つの方
法全てにおいて評価したパラメーターを、表1にまとめる。単一種の特別な場合
では、FILDAは、FIDAとFLAとの簡単な組み合わせよりも、統計的に
より正確なことは決してない。全ての分子は同じであり、個々の分子の破裂によ
る遅延時間のグループ化から得ることはできないので、このことが予想され得る
。しかし、2つの色素の混合物に関して、全てのデータ組における補正の結果、
方法及びフリーのパラメーターの数に依存して、共焦点容量当たりの分子数c1
及びc2、それらの明度値q1及びq2、並びに寿命τ1及びτ2の異なる平均値及
び統計的誤差が得られる。表1では、これら誤差は、標準偏差の平均値に対する
比として、括弧内に示されている(偏差の係数、CV)。なお、もう一度言うと
、従来技術FLAのみが、c1及びc2の代わりに、積c11及びc22を示す。
1及びC2が、補正されるたった2つのパラメーターであるならば、即ち、明度
及び/又は寿命値の両方が、表1からあらかじめ決定される値に固定されるなら
ば、FILDA及びFLAは、精度がほとんど同じであるのに対し、FIDAは
、より高いCV値を有する。このストラテジーは、例えば、一方が蛍光性である
2つの分子の結合をモニターする、多数の生物学的アッセイに適用され得る。こ
こで、フリーの、及び結合している状態の蛍光性化合物の特異的な量を、実際に
あらかじめ決定し、2つの濃度のみを補正することができる。しかし、非常に頻
繁に、このスキームは、使用することができないが、より多数のパラメーターが
補正されなければならない。これは、関連する多数の結合部位があり、複合体(
complex)の比明度が、結合の大きさに依存するため、固定され得ないと
いう事実によるものであり得る。別の例は、薬剤スクリーニングにおいて行われ
、そこでは、ある化学的、又は天然の化合物は、生物学的ターゲットに対して試
験される。それら化合物は、主として非蛍光性であると推定されるが、いくつか
の場合には、自己蛍光性であることが分かる。これらの試料は、自己蛍光性化合
物を特徴付けるが、前もって知られていない更なるパラメーターを用いて、2+
1成分モデルに対して補正され得る。
【0068】 ここで、本発明のFILDAの優位性(superiority)が明らかに
なる。4つのフリーのパラメーターがあるならば、例えば、2つの寿命パラメー
ターが、同様に補正される場合、FLAと比較したFILDAの統計的誤差は、
約1/2に(by a factor of about 2)減少する。統計
的誤差がFIDAからのもの及びフリーの作動(running)明度値と比較
される場合、この除数(factor)は、さらに大きい。更に、6個の補正さ
れたパラメーターの場合、FILDAは、低いCV値において、やはり説得力の
ある(convincinig)結果をもたらす。
【0069】
【表1】 表1:2秒のデータ収集時間での、MR121とEVOblue30との色素混
合物における、FILDA(本発明)、FLA(従来技術)、及びFIDA(従
来技術)の可変性の係数(CV’s):実験的データとシミュレーションされた
データとの比較 40回の繰り返し測定において、CV’sを測定した。実験データの分析の平均
の結果は、シミュレーションアルゴリズムに対するインプットとして使用された
:濃度c1=0.24及びc2=0.44、明度q1=17.5kHz及びq2=7
.5kHz、寿命τ1=1.72ns及びτ2=0.54ns。 (a):FLAにより、c1及びc2よりもむしろc11及びc22が得られる;
x:分析により50%以上のCV’sが得られた; ( ):シミュレーションされたデータにおける分析のCV’s; #:最もよく知られた値に固定した。
【0070】 しかし、実用上の観点から、FILDAは、この高い精度を幅広い範囲の濃度
にわたり維持するか否かという問題がある。従って、異なる濃度の2つの蛍光種
の1:1混合物において、一連の100個のヒストグラムを、FILDA(本発
明)、FIDA(従来技術)、及びFLA(従来技術)に対してシミュレーショ
ンし、結果を再度比較した。両方の種に対して、2倍異なる比明度(q1=30
kHz及びq2=15kHz)並びに寿命(τ1=3.0ns及びτ2=1.5n
s)を選択したが、拡散時間は同じ(200μs)にした。補正された全てのパ
ラメーターを有する2つの成分モデルに対して、全てのヒストグラムを補正した
。非常に低い濃度、並びに非常に高い濃度において、全ての方法は、データ獲得
時間Tc=2sにおいて、明確に種を区別することが困難であったので、この時
間を、Tc=20sに延長した。図2は、最も弱いシグナルのCV値によって表
される蛍光色素濃度c2における、3つの方法全ての統計的誤差の依存性を示す
。測定容量当たりの濃度c<5分子の範囲内では、FILDAは、最も低い誤差
を示すのに対し、はるかに高い濃度においてのみ、FLAは、統計的により正確
である。FLAは、濃度と線形的に比例する検出された光子の数にのみ依存する
ので、このことは、驚くべきことではない。それに対して、FILDA及びFI
DAは、∝c-1/2に応じて減少する蛍光シグナルの相対的な変動を感知する。極
めて低い濃度では、蛍光シグナルは、基本的に、20秒のデータ収集時間中は結
局検出され得ない稀な(rare)単一分子イベントからなる。しかし、より長
い獲得時間では、これら稀なイベントは、従来のFLAよりも、FILDAのよ
うな変動方によって、はるかに良好に得ることができる(approachab
le)。
【0071】 Tc -1/2における異なるFILDAパラメーターの統計的誤差の線形依存性を
、図3に示す。プロットされたCVは、上記と同じシミュレーションスキームか
ら得られるが、単一濃度はc1=c2=0.2である。パラメーターを固定しなく
ても、即ち、事前の情報を用いなくても、正当な(reasonable)CV
値は、10秒のデータ獲得時間で既に得られ得ることを、明らかに知ることがで
きる。
【0072】 生化学的システム FILDAの実験的利用を、先に紹介したカルモデュリン−ペプチド相互作用
の結合定数の決定よって示す。この目的のために、ラベルされたペプチド(H−
KRRWKKNFIAK−NH2(MR121))濃度を2.5nMで一定に保
ちつつ、滴定実験を行い、一方、カルモデュリンを滴定した(0、0.01nM
、0.1nM、1nM、3nM、10nM、30nM、0.1μM、0.3μM
、1μM、10μM、50μM)。同じ条件下、即ち、同じバッファー、同じ励
起パワー、及び測定当たり2秒の同じデータ獲得時間において、全ての実験を行
い、試料当たり10回繰り返した。
【0073】 最初の段階として、純粋なペプチド溶液に適用された単一成分分析から、寿命
τfree=1.90±0.02ns及び比明度qfree=6.5±0.3kHzを決
定した。2.5nMのペプチドへ過剰なカルモデュリン(50μM)を加えると
、大部分のペプチドがカルモデュリンに結合された試料が得られた。色素の分子
環境の変化(例えば、極性の低下)を示すフリーのペプチドと比較して、複合体
は、より長い蛍光寿命τbound=3.00±0.01ns及びより高い比明度qb ound =15.0±0.6kHzの両方を特徴とする。この混合物は、その後、方
法によって、τfree及び/又はqfreeを固定して、2成分補正を用いて、3つの
方法全て(FILDA、FIDA及びFLA)によって分析された。
【0074】 次の段階として、全ての(whole series of)カルモデュリン
濃度に対して、二成分分析を適用した。これらの研究において、結合又は非結合
ペプチドに対して、寿命及び比明度を、上記の値に固定した。このように、FI
LDAは、結合ペプチド、即ちカルモデュリン−ペプチド複合体の濃度cbound
、及び非結合、即ちフリーのペプチドの濃度cunboundを決定する。これにより
、結合ペプチドの割合fbound=(cbound/(cbound+cunbound)を計算する
ことができ、これを、図4において、添加されたカルモデュリンの濃度に対して
プロットした(黒点、10回の測定の平均からエラーバーを得る)。実線は、デ
ータに対する双曲線補正を示し、カルモデュリン−ペプチド相互作用の結合定数
D=38±3nMが得られる。17±1nM及び29±4nMという類似のKD 値をそれぞれ有するFLAおよびFIDA(データは示していない)によって、
類似の(comparable)結合曲線が得られた。これらの値は、文献(バ
ース(Barth)ら, J. Biol. Chem. 273, 2174
−2183, 1998)に報告されているアフィニティーとよく一致し、FI
LDAが、生化学的システムの反応性をモニターするのに適した方法であること
を示す。
【0075】 可能な薬剤スクリーニング適用に関するこの実験の統計的精度についてのいく
つかの情報を得るために、結合曲線のZ’−値が算出され得る。これは、結合ペ
プチド溶液(50μMカルモデュリン、high)及び純粋なペプチド溶液(0
カルモデュリン、low)の2成分分析から得られる結合ペプチドの割合fboun d の平均値fhigh及びflow、並びにそれらの標準偏差stdev(fhigh)及び
stdev(flow)に対してそれぞれ行われる。
【数42】
【0076】 Z’−値は、fboundの決定の、その動的範囲(dynamic range
)に対する統計的誤差を説明する。従って、それは、結合度、又は一般的には生
化学的システムの何らかの反応度を確認するための、ある読み出し及び分析方法
の実現可能性及び有効性を判断するための非常に重要な統計的パラメーターであ
る。その最大値は、Z’=1.0であり、一方、一般に、薬剤スクリーニング適
用では、Z’>0.5の前提条件(prerequisite)が必要とされる
【0077】 図4から、本発明の方法及び2秒のデータ獲得時間を用いて、カルモデュリン
−ペプチド相互作用に対して、0.97±0.01のZ’−値が得られる。比較
のため、従来技術のFLA及び従来技術のFIDAの適用は、0.92±0.0
2及び0.73±0.07のZ’−値をそれぞれ示す。1に近いZ’−値では、
全ての方法は、薬剤スクリーニングにおいて非常に良好に使用可能である。
【0078】 しかし、薬剤スクリーニング適用では、できるだけ読み出し時間を最短化しよ
うとしている。従って、カルモデュリン−ペプチド相互作用のFILDAのZ’
−値は、データ獲得時間を短くして決定された;T:Z’(T=1s)=0.8
5±0.04、Z’(T=0.5s)=0.81±0.05、Z’(T=100
ms)=0.54±0.11、及びZ’(T=50ms)=0.35±0.16
(100ms以下のデータ獲得時間において、FILDAは、マイナスのZ’−
値を示すため、適用可能ではなくなる)。従って、本発明の“FILDA”は、
1s〜100又は50ms以下の読み出し時間でも、効率的な薬剤スクリーニン
グのための前提条件を満たす方法である。
【0079】実験2 装置の基本的な部分として、パルスレーザー、時間を振幅に変換する変換器(
time to amplitude converter)(TAC)及びデ
ータ獲得カードと組み合わせて、エピイルミネーテッド共焦点顕微鏡を使用する
。検出された各光子について、2つの時間間隔、即ち、先の光子カウントから通
された時間及び光子検出とその結果生じるレーザーパルスとの間の時間間隔、を
同時に決定して節約した(saved)。TACの時間分解能を70psにして
、最初の時間間隔を、50nsのカードクロック(card clock)期間
の単位で測定する。生データから、所定幅のカウント時間間隔(通常100μs
)及び遅延時間の所定の分解能値(280又は560ps)において、FIDA
(従来技術)、FLA(従来技術)、及びFILDA(本発明)に対して、一次
元又は二次元分布を算出した。一連の測定において、TACのチャンネル幅が一
定でない場合の他のデータを修正するために、光子のランダム光源として日光を
モニターする検出器を用いて、少なくとも1つの測定を行った。白濁した(mi
lky)試料からの付随するレーザーの散乱光をモニターする検出器を用いて別
の測定を行い、装置の点拡張機能(point spread functio
n)を決定した。また、常に存在する2つの“種”と考えられている暗色散乱ラ
マンカウント速度の独立した評価を得るためには、純水における測定が有用であ
った。それらは、いずれもポアソニアンカウント数分布を有するが、非常に異な
る遅延時間分布を有する。
【0080】 10-9M付近の濃度の一連の水性の純粋な色素溶液、並びに約1:1の濃度比
のそれらの混合物を、試料として調製した。色素がガラス表面に吸着する可能性
があるので、希釈率から色素の濃度値を決定することは適当ではない;はるかに
良好な評価は、FILDAそのものである。使用された色素は、ボディピィ(B
odipy)630、Cy5、及びUR121であった。室温で実験を行った。
【0081】 図5は、本実験の測定されたヒストグラムの強度グラフを示す。X軸は、光子
遅延時間に対する平均化されたパルスである;y軸は、光子カウントの数であり
、高強度は高イベント数に対応する。図5では、強度グラフとして、測定された
分布
【数43】 の3つの例を示す。2つの例は単一種に対するものであり、3つ目の例は、それ
らの混合物に対するものである(Mは、実験当たりのカウント時間間隔の総数で
ある)。データ点(n,t)=(1,0)及び(1,1)(励起パルスの上端(
raising edge)の最も低い部分に相当)が、標準偏差の5単位まで
補正曲線からしばしば外れることを除き、補正の加重残差(示されていない)は
、無作為に分散している。上方のグラフは、Cy5溶液(3つの色素の中で寿命
が最も短い)において測定された分布#12を視覚化し、中間のグラフは、ボデ
ィピィ(Bodipy)630溶液(寿命が最も長い)において測定された分布
#7であり、一番下のグラフは、これら色素の混合物に対応する分布#30であ
る。実際は、技術的に補正される関数のx−独立変数は、平均遅延時間よりもむ
しろ合計であるが、平均遅延時間の分布関数は、視覚的により有益に見える。
【0082】 この実験の応答関数の最大値の半分における全幅(Full width a
t half maximum)(FWHM)は、約2nsであり、10nsの
パルス期間の場合と比較してもはるかに幅広く、3つの色素の中の2つの色素の
寿命を超えているが、それは、二倍の寿命の違いがある2つの成分を区別するた
めに、依然として適用可能である。水からの暗色散乱カウント速度は、それぞれ
0.20及び0.29kHzに決定され、蛍光試料からのデータを補正する場合
のこれらの値に固定された。
【0083】 本発明によって、単一種におけるデータから、空間調節パラメーターa1及び
2の値を評価することができるが、低いパワーのパルスレーザーによって得ら
れ得るqの完全な値は比較的低いので、対応する統計的誤差は高く、約20パー
セントである。しかし、その後の分析の結果は、調節パラメーターの正確な値に
は、ほんのわずかしか依存しない。従って、連続レーザー励起において、FID
Aによって決定されたおよその(rounded)値におけるa1及びa2、a1
=−0.40及びa2=0.08は、簡単に固定された。
【0084】 暗色散乱カウント速度及び空間パラメーターの値を固定した後、補正のパラメ
ーターは、各種当たりの濃度(c)、比明度(q)及び寿命(τ)のみである。
実際に、単一種と仮定すれば、単一種から得られた分布を、良好に補正できたの
に対して、二成分混合物から得られた分布は、無作為に分布した残差(rand
omly scattered residuals)を得るためには、ニ成分
分析が必要であった。示された新しい蛍光変動法は、2つの蛍光成分の分離、そ
れらの濃度の決定並びに蛍光の比明度及び寿命におけるそれらの特徴付けのため
の高感度法として使用され得ることが、最初のテスト実験後、既に示された。但
し、あらかじめ決定された値にさらに多くのパラメーターを固定することにより
、統計的誤差を、大きく低減することができる;これは、薬剤スクリーニングに
おける標準的な理解(grip)である。
【0085】 実験3 式12の加重値を用いて、多数の選択された場合における、本発明の理論的な
誤差を算出し、蛍光強度分布分析(FIDA)及び蛍光寿命分析(FLA)の対
応する誤差と比較した。二成分の場合のいくつかの結果を、表2に示す。本発明
による方法は、FIDA又はFLA(2つの特異的な量であるq及びτによって
種が認識される場合)よりも質的に強力な方法であるだけでなく、その最適濃度
範囲内で、その統計的誤差がより低いことを指摘する価値がある。FILDA及
びFIDAが、本質的に変動法として、それらの能力を失うが、FLAは失わな
い、極めて高い濃度値においてのみ、FLAは、3つの方法の中で統計的に最も
正確である。
【0086】
【表2】 表2 ニ成分FILDA(本発明)、FIDA(従来技術)及びFLA(従来技
術)の統計的誤差 全ての場合に、T=100μs、c1=c2、q1=50kHz、q2=25kH
z、τ1=3ns、τ2=1.5ns、暗色カウント速度0.2kHz、散乱カウ
ント速度1kHz、継続時間20s。
【0087】
【表3】 表3 本発明によるFILDA実験の結果 示した誤差値は、理論的加重値に対応する統計的誤差である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 T=2sのデータ収集時間でのボディピィ(Bodipy)630/
650溶液からのFILDAヒストグラム(A)、及び(A)のFILDAヒス
トグラムに対する式10の補正の加重残差(式12により加重)(B)を示す。
【図2】 FILDA(本発明)、FLA(従来技術)、及びFIDA(従来技
術)のCV’sの蛍光種濃度への依存状態を示す。
【図3】 FILDAのCV’sのデータ収集時間T(上方x軸)への依存状態
を示す。
【図4】 FILDA(データ収集時間T=2s、10回繰り返された測定の平
均からの誤差バー)によってモニターした、ラベルされたターゲットペプチドH
−KRRWKKNFIAK−NH2のカルモデュリンへの結合を示す。
【図5】 実験2のヒストグラムの強度グラフの説明である。
【図6】 本発明による方法の実施において使用される装置の一態様を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ブラント ライフ ドイツ連邦国、デー42899 レムシャイト、 パウル フィッゲ シュトラーセ 5 (72)発明者 ガール カルシュテン ドイツ連邦国、デー27616 ルネシュテッ ト、シュールシュトラーセ 23 Fターム(参考) 2G043 AA01 AA03 BA16 DA02 DA06 EA01 FA02 FA03 FA06 HA01 HA09 JA03 KA09 LA01 LA02 【要約の続き】 から、少なくとも2つの独立変数の関数として、粒子の 分布を決定する段階、ここで、1つの独立変数は、粒子 の比明度又はその測度であり、別の独立変数は、粒子の 蛍光寿命又はその測度である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の段階を含む、蛍光粒子を有する試料を特徴付ける方法: −測定容量中の粒子を励起して一連の励起パルスによって蛍光を放射する段階、 −検出手段を用いて、光子カウントのシーケンスを検出することによって、放射
    された蛍光をモニターする段階、 −所定幅のカウント時間間隔における光子カウントの数を決定する段階、 −前記カウント時間間隔において、対応する励起パルスに対する光子カウントの
    検出遅延時間を決定する段階、 −前記検出遅延時間の関数を決定する段階、 −少なくとも2つの独立変数の確率関数 【数1】 を決定する段階、ここで、少なくとも1つの独立変数は、光子カウントの数であ
    り、別の独立変数は、検出遅延時間の前記関数である、及び −前記確率関数 【数2】 から、少なくとも2つの独立変数の関数として、粒子の分布を決定する段階、こ
    こで、1つの独立変数は、粒子の比明度又はその測度であり、別の独立変数は、
    粒子の蛍光寿命又はその測度である。
  2. 【請求項2】 前記検出時間の前記関数が、同じカウント時間間隔において検出
    される光子カウントの検出遅延時間の次数に関して不変である、請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記検出遅延時間の前記関数が、合計又は平均である、請求項1
    又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 対応する励起パルスに対する光子カウントの前記検出遅延時間が
    、検出遅延時間と既知の関係、特に擬似線形関係を有する整数によって表される
    、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記検出遅延時間の関数が、前記整数の合計又は平均である、請
    求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記粒子の分布関数が、実験的に決定された確率関数 【数3】 を、対応する理論的な確率関数P(n,t,...)によって補正することによ
    って決定される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 理論的な分布P(n,t,...)が、その確率関数 【数4】 によって計算される、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記粒子の分布関数が、実験的に決定された確率関数 【数5】 を、好ましくはその生成関数 【数6】 によって計算される、対応する理論的な確率関数P(n,t)によって補正する
    ことによって決定される、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 理論的な確率関数P(n,t,...)の計算において、光学的
    な空間明度関数B(r)が、空間明度Bと容量要素dVとの間の別々に決定され
    た関係によって明らかになる、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 空間明度Bと容量要素dVとの間の関係が、 【数7】 という関係により、変数u=ln(B0/B)によって表される(ここで、B0
    最大明度であり、A0、a1、a2及びa3は、空間明度関数の経験から得られたパ
    ラメーターである)、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 理論的な分布P(n,t,...)の計算において、分離実験
    から好ましくは決定される、実験装置の時間応答関数を考慮する、請求項1〜1
    0のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 各確率関数が、異なる幅のカウント時間間隔において決定され
    る光子カウントの数に依存する、異なる確率関数P(n,t,...)の一組を
    決定する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記カウント時間間隔が連続した時間である、請求項1〜12
    のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記カウント時間間隔が重なり合っている、請求項1〜12に
    いずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 拡散係数、又は何らかの他の拡散の測度が、前記粒子の分布関
    数の別の独立変数である、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 粒子の濃度が、測定容量当たり約1粒子以下に選択される、請
    求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 好ましくはアバランシェフォトダイオード又は光電子増倍管の
    いずれかである、1つ、2つ又はそれ以上の光子検出器が、前記検出手段として
    使用される、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 少なくとも2つの光子検出器が、異なる波長又は偏光の蛍光を
    モニターする前記検出手段として使用される、請求項1〜17のいずれかに記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 前記蛍光粒子が、単色蛍光アッセイを適用して特徴付けられる
    、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 診断、ハイスループット薬剤スクリーニング、分子の性質の最
    適化及び特異的な細胞群の同定に使用するための、請求項1〜19のいずれかに
    記載の方法。
  21. 【請求項21】 −励起光(14)を提供するための光源(12)、 −測定容量(26)へ励起光(14)の焦点を合わせるための対物レンズ(22
    )、 −測定容量(26)から逆らって進む放射光(30)を検出するための検出器(
    42)、及び −放射光(30)又は励起光(14)の中心部を消去するための、放射光(30
    )又は励起光(14)の経路(32)に位置する不透明手段(44) を好ましくは含む共焦点装置の、請求項1〜20のいずれかに記載の方法を実施
    するための使用。
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