JP2007509317A - 生物学的試験システムにおける、蛍光寿命の測定による分子修飾の直接的観察 - Google Patents

生物学的試験システムにおける、蛍光寿命の測定による分子修飾の直接的観察 Download PDF

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Abstract

本発明は、蛍光染料を含有する分子の修飾を、蛍光寿命の測定により直接検出する方法に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、蛍光染料を含有する分子の修飾を蛍光寿命の測定により直接検出する方法に関する。
蛍光分光法の序説
励起した分子のそのエネルギー的基底状態への遷移の間に放射の放出を伴う全ての過程は、発光と呼ばれ、通常蛍光とリン光に分けられる。加えて、励起エネルギーは、様々な非放射過程により解放され得る。
蛍光は、励起した一重項状態Sの最低の振動レベルから一重項基底状態Sの振動レベルへの遷移の間に生じる。遷移速度kは、10ないし1012−1の範囲にある。放射エネルギーの吸収と解放との間に無放射過程のためにエネルギーが失われるので、蛍光の励起は、蛍光の放出より低い波長で生じる。
蛍光寿命(FLT)は、蛍光の放出が起こる前に、分子が平均して励起状態で過ごす時間量を測定したものである。放射寿命τは、蛍光遷移kの逆の比に相当する。この励起分子の放射寿命とは対照的に、実際の−測定可能な−励起分子のFLTτを考える際に、該無放射過程を考慮しなければならない:
Figure 2007509317
式中、kic=振動状態間の遷移速度、kisc=三重項状態への遷移速度、k=消光速度。このことから、なかんずく、蛍光消光物質がFLTを短縮させることが明らかである。同様の作用は、ドナー染料の励起エネルギーを吸収する「アクセプター染料」により無放射で共鳴現象により発揮され、吸収したエネルギーを無放射でまたは蛍光として解放する。このことは、同様にドナー染料のFLTを短縮させる。
蛍光寿命(FLT)の測定法
FLTの測定に2つの基本的に異なる方法が適用される:時間領域(TD)の測定および周波数領域(FD)の測定である。
TD−FLTでは、サンプルを短い光のパルスにより励起し、蛍光減衰曲線を測定する。一方で各フラッシュについて完全な減衰曲線を記録することが原則として可能である。しかしながら、これは、高時間分解能を有する一過性レコーダーおよびギガヘルツの範囲の帯域幅を必要とする。しかしながら、殆どの場合、「時間相関単一光子計数」(TCSPC)法が適用される。TCSPCは、励起パルスと時間的に相関する光子を計数するデジタル技法である。この方法では、実験はサンプルを励起し、非常に速い(fast)時計を開始させる励起パルスで始まる。最初に放出された蛍光光子が検出器に到達するとすぐに、時計が停止する。その時間を記憶装置に保存する。この過程を多数回繰り返す。蛍光放出過程はランダムな過程であるので、様々な時間が得られるであろう。これらの測定時間の頻度を測定時間の関数としてプロットして蛍光減衰曲線をもたらす。その時定数がFLT(図1参照)である。
時間領域におけるFLT測定の代替法は、位相変調とも呼ばれる、周波数領域における測定である。その光強度が正弦曲線を使用して変調される連続的レーザーにより、サンプルを励起する。通常、蛍光遷移速度の規模の順に周波数を用いる。このやり方で蛍光染料が励起されると、その放出は、該変調に従わされる。FLTに依存して、放出は励起に対して遅くなる。この遅延を位相シフトとして測定し、それからFLTを算出できる。さらに、変調された放出シグナルの最大と最小との間の最大差は、FLTの増大につれて減少し、このことからもFLTを算出し得る。
生物学的試験システムの検出用の蛍光測定法
以下の方法は、なかんずく、高処理量および高安定性の局面で、生化学的試験システムの検出に適すると明らかにされた:
例えば、蛍光アミノクマリン(AMC)が切断により除去される蛍光発生ペプチド基質を用いて、プロテアーゼ反応の蛍光の増大を測定するために、蛍光強度の測定を使用し得る。通常、大きいシグナルを測定するが、スクリーニング物質の自家蛍光が妨害することがある。さらに、蛍光強度のシグナルは、溶液が吸収性物質を含有する場合、「内部フィルター効果」を受けやすい。分子衝突による動的な蛍光の消光およびまた濁った溶液中での光散乱も妨害し、蛍光染料の褪色または体積/メニスカス効果も同様である。さらに、蛍光シグナルは、蛍光染料の濃度および温度に依存する。これらの全ての妨害原因が、かかるアッセイの安定性およびスクリーニング方法としてのそれらの使用に関して問題を発生させる。他方で、この種のアッセイは非常に短い測定時間で非常に容易に実施でき、故にHTSにおける標準に発展した。
小型の蛍光分子が、例えば、実質的に大型の分子(例えば、タンパク質)に結合している場合、定常的蛍光偏光の測定により、大型分子複合体の回転拡散の減速を測定することが可能である。この方法も、かくしてHTSで結合反応のための標準となった。内部フィルター効果、光散乱、濃度および温度による妨害的影響は、注目に値しない。しかしながら、蛍光偏光も、溶液の純粋な衝突褪色、自家蛍光、体積およびメニスカスにより影響を受ける。
結合事象のための他の方法は、ドナー染料とアクセプター染料との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用する。ここで、ドナー染料の放出スペクトルは、アクセプター染料の励起スペクトルと重なる。問題の結合反応の一方のパートナーはドナー染料を担持していなければならず、他方のパートナーはアクセプター染料を担持していなければならない。FRETは、空間的な近接により、結合の発生においてのみ生じる。内部フィルター効果、消光物質および自家蛍光物質は、FRET測定を妨害する。対照的に、光散乱、光褪色、体積およびメニスカス効果並びに濃度および温度は、妨害しない。従って、蛍光強度と比較して、蛍光偏光およびFRETの両方とも、分子の相互作用を測定するための比較的確固とした(robust)方法である。
蛍光寿命(FLT)は、言及した蛍光法と比較して、かなり確固たるものである。少数の場合のみに、匹敵するFLTを有する強力な自家蛍光物質からの妨害がある。しかし、FLTは、内部フィルター効果にも、衝突消光物質、光褪色、体積効果または濃度にも妨害されない。これらの特性は、この確固たる方法に、スクリーニングにおける使用を運命付ける。他方で、主としてこれまでの処理量の低さと機械類のコストの高さのために、今日までFLTについてスクリーニングアッセイは確立されなかった。現代の強力かつ安定なレーザーおよび検出システムの開発により、最近になって、FLT測定をマイクロタイタープレートに、従って物質のスクリーニングに、導入することが可能になった。かくして、Tecan 社は、マイクロタイタープレートを読み出す市販の器具、Ultra Evolution を、2002年の終わりに初めて販売した。
既知のFLT適用:
FLT測定は多種多様な生物学的問題に適用され、ここでは、蛍光プローブ分子が使用された。それは、該分子が陽イオン、例えば、Ca2+(Schoutteten L., Denjean P., Joliff-Botrel G., Bernard C., Pansu D., Pansu R.B., Photochem. Photobiol. 70, 701-709 (1999))、Mg2+(Szmacinski H., Lakowicz J.R., J.Fluoresc. 6, 83-95 (1996))、H(Lin H.J., Szamacinski, Anal. Biochem. 269, 162-167 (1999))、Na(Lakowicz J.R., Szamacinski H., Nowaczyk K., Lederer W.J., Kirby M.S., Johnson M.L., Cell Calcium 15, 7-27 (1994))、K(Szmacinski H., Lakowicz J.R. in "Topics in Fluorescence Spectroscopy" Vol. IV, (Lakowicz, J.R., Ed.), 295-334 (1994))、または陰イオン、例えば、Cl(A.S.Verkman, Am.J.Physiol 253, C375-C388 (1990))に結合すると、その蛍光特性および特に蛍光寿命が改変されるものである。蛍光寿命の変化は、共鳴エネルギー移動によりドナー染料のより短いFLTをもたらす(消光またはFRET)か、または、まれな事例ではより長いFLTをもたらす分子への、結合反応によっても達成される。受容体チロシンキナーゼの活性は、例えば、Cy3標識抗ホスホチロシン抗体の結合を利用して測定された(F.S. Wouters, P.I.H. Bastiaens, Current Biology 9, 1127-1130, 1999)。
結合反応が関与しない分子の修飾を測定するためにFLTの変化を用いる生物学的試験システムの適用は、これまで記載されていない。他方、分子の修飾、例えば酵素による基質の修飾が直接測定されるアッセイは、非常に有利なものであろう。なぜなら、ある基質の基質変換を、第一の基質変換を間接的に見えるようにする酵素カスケードまたは結合反応を必要とせずに、直接測定できるからである。物質のスクリーニングは、被験物質が検出反応をもはや妨害できないという利点を有する。このことは、該妨害による評価できない偽のヒットまたは物質を防止するであろう。
キナーゼ/ホスファターゼのスクリーニングアッセイの様式
タンパク質の(脱)リン酸化は、外部の調節シグナルを核に与えるタンパク質を選択的に修飾するために細胞により使用される、一般的な調節メカニズムである。これらの生化学的修飾を実行するタンパク質は、キナーゼまたはホスファターゼの群に属する。ホスホジエステラーゼは、二次メッセンジャーcAMPまたはcGMPを加水分解し、このようにして同様に細胞のシグナル伝達経路に影響を与える。従って、これらの酵素は、医薬および作物保護研究に非常に関心の高い標的分子である。
キナーゼをスクリーニングするための様々な様式が確立されており、それらの全てが、リン酸化反応が常に間接的に測定される(放射性の方法を除く)という事実を共有する。従って、これらの方法は、原則として下流の酵素カスケードまたは結合反応を妨害する物質による妨害を受けやすい。いくつかの方法は、チロシンキナーゼのみに限定されてさえいる。
細胞のタンパク質のリン酸化状態を測定する伝統的な方法は、放射性32P−オルトリン酸塩の取り込みをベースとする。32P−リン酸化タンパク質をゲル上で分離し、その後ホスホイメージャー(phosphoimager)を使用して可視化する。あるいは、リン酸化チロシン残基は、結合する放射性標識化抗ホスホチロシン抗体により結合され、免疫アッセイ、例えば免疫沈降またはブロットにより検出され得る。これらの方法は、放射性同位元素を検出する必要があるので時間がかかり、また、放射性物質の取扱いに関する安全性の局面のため、高処理量スクリーニング(uHTS、超高処理量スクリーニング)に適さない。
より最近の方法は、放射性免疫アッセイをELISA(酵素結合免疫吸着測定法)で置き換える。これらの方法は、基板表面に固定した精製基質タンパク質または合成ペプチド基質を使用する。キナーゼ処理後、リン酸化固定基質に結合する増強酵素、例えばペルオキシダーゼ、にカップリングした抗ホスホチロシン抗体により、リン酸化の程度を定量する。
Epps. ら (US6203994)は、蛍光標識したリン酸化受容体分子および該リン酸化受容体分子に特異的に結合する抗体を用いる、タンパク質キナーゼおよびホスファターゼ用の蛍光をベースとするHTSアッセイを記載している。蛍光偏光、蛍光消光または蛍光相関分光法(FCS)を利用して結合を測定する。この方法は、ホスホチロシン基質に対する良い汎用抗体(例えば、クローンPT66、PY20、Sigma)しか入手可能ではないという固有の欠点を有する。適する抗ホスホセリンまたは抗スレオニン抗体は少数の例しか報告されていない(例えば、Bader B. et al., Journal of Biomolecular Screening, 6, 255 (2001), Panvera-Kit No. P2886)。しかしながら、これらの抗体は、ホスホセリンだけでなく、隣接するアミノ酸もエピトープとして認識する特性を有する。しかしながら、キナーゼの機能は非常に基質特異的であり、そして基質配列は大幅に多様であり得ることが知られている。従って、抗ホスホセリン抗体は、汎用試薬として使用できない。
Perkin Elmer (Wallac) は、時間分解蛍光およびユーロピウムキレートからアロフィコシアニンへのエネルギー移動をベースとするチロシンキナーゼアッセイを供給している(EP929810も参照)。ここでも、抗体の使用のために、その方法は本質的にチロシンキナーゼに限定される。
最近、Molecular Devices は、チロシン上並びにセリンおよびスレオニン上のリン酸化反応に適する汎用結合試薬として、金属陽イオンを表面に充填したナノ粒子を売り出した。しかしながら、結合反応は、約5の強酸性pHおよび高いイオン強度で実行される。従って、ナノ粒子の結合は、反応を標的バッファー中に大幅に希釈することを必要とし、それは、uHTSの1536様式の総アッセイ体積10μlでは問題である。ここでも、結合は蛍光偏光を利用して測定される。
測定方法として、蛍光偏光は比較的複雑であり、現在マイクロタイタープレート(MTP)の並行測定は可能とされていない。従って、1536−MTPの測定時間は非常に長く、酵素の反応速度の並行測定は可能ではない。さらに、蛍光偏光の方法は、非常に小さい蛍光基質に限られる。
さらに、キナーゼ活性は、ホタルルシフェラーゼを利用して、ATP消費により、または、下流の酵素カスケードを利用して、ADP形成により、測定し得る。これらのアッセイ様式は、間接的測定方法であるために、大きいデータ散乱が発生するのみならず、該カスケードの酵素を阻害する物質の問題も有するという点で、不利である。
もしリン酸化/脱リン酸化をFLT検出により直接測定できたら、測定はより直接的であり、結果的により少ない定誤差または確率的誤差を包含するであろう。さらに、特異的抗体はもはや必要とされないので、いくつかのアッセイ様式のチロシンキナーゼまたはホスファターゼへの限定が排除される。
現在のアッセイの問題:
非常に多くの事例で、C末端アミノ酸が除去されるプロテアーゼのために、例えばアミノクマリンなどのC末端染料を含有する蛍光発生基質を使用することが可能である。ペプチド配列の中間で切断するエンドプロテアーゼは、通常、基質の両端に位置するドナー(例えば、EDANS)およびアクセプター染料(例えば、Dabcyl)を用いて、FRETアッセイで良好に測定できる。基質の切断は、アクセプター染料がもはやドナー染料を消光できないので、蛍光強度を増大させる。しかしながら、蛍光発生基質を構築できないプロテアーゼもある。そのような場合、複雑な化学分析(例えばHPLC/MS、GC/MS)を利用して、または、化学反応もしくは酵素カスケードにより間接的に、酵素反応を測定しなければならない。結果として、検出反応に伴うアッセイの安定性およびスクリーニング物質の非特異的反応に関する欠点を受け入れなければならない。複雑な分析は、高処理量スクリーニングに適さない。その反応を−高処理量が必要とされる場合に−直接測定できない酵素には、例えば、基質に以下の修飾を実行するものが含まれる:リン酸化/脱リン酸化、硫酸化/脱硫酸化、メチル化/脱メチル化、酸化/還元、アセチル化/脱アセチル化、アミド化/脱アミド化、環化/非環化、立体配置的変化、アミノ酸/ペプチドの除去/アミノ酸/ペプチドのカップリング、環拡大/環収縮、転位、置換、脱離、付加反応など。
発明の説明:
蛍光寿命(FLT)は、原則として、化学的環境の変化に伴って変化する。しかしながら、そのようなFLTの変化は、特に分子の修飾が小さい場合、まだ一般的に予測できない。従って、過去に公表されたFLTアッセイは、常に、センサー分子または消光パートナー分子との結合反応を包含した。
驚くべきことに、我々は、実験中に、リン酸化でのみ異なるペプチドが、既に顕著に異なるFLTを有することを見出した。より詳細な実験は、この言明をさらなるペプチドに拡大できることを示した。リン酸化と非リン酸化ペプチドとの間のこの許容し得るFLTの差異を得るために、事前に多様な条件を試験しなければならない。しかしながら、本実験はまた、パラメーターを変化させることによりFLTの差異を最適化できることを明確に解明した。これらの実験に基づき、FLT測定を全てのキナーゼおよびホスファターゼ反応に拡張することが可能である。加えて、HTS適合性に関して以前の方法では測定できなかったか、または非常に間接的にしか測定できなかった他の反応にも、利用可能である。一般に、以下を適用する:
例えば、反応物のリン酸化の状態が、後のその生成物への変換と共に変化するならば、それに適切に結合した染料は、FLTの変化によりこの分子の修飾を示す。そのような方法は、チロシンおよびセリン/スレオニンキナーゼ並びにホスファターゼに汎用的に適用可能である潜在能力を有する。この原則は、例えば、硫酸化/脱硫酸化、メチル化/脱メチル化、酸化/還元、アセチル化/脱アセチル化、アミド化/脱アミド化、環化/非環化、立体配置的変化、アミノ酸/ペプチドの除去/アミノ酸/ペプチドのカップリング、環拡大/環収縮、転位、置換、脱離、付加反応などの、他の修飾反応にも適用可能である。実際に、本方法が高処理量スクリーニングに適するように、非常に迅速にFLT測定を実行することが可能である(ウェル当たり50msまたはそれ以下のときもある)。特に、HTS適用のための利点は、例えば、内部フィルター効果、自家蛍光、光散乱、光褪色、体積/メニスカス効果、蛍光基質の濃度などの妨害的影響に対して非常に確固たるものであることである。
適用に続くのは、2つの成分、基質および酵素のみを、反応を開始させ測定するために混合しなければならないことである。従来のアッセイ法は、通常、反応を測定により記録できるように、例えばカスケードの酵素などのさらなる試薬の添加を必要とする。各ピペット操作段階は、ピペット操作の誤差、従って測定結果にさらなる誤差を引き起こす。それは誤差伝搬とも呼ばれる。これらの伝搬された誤差は、測定結果の分散の増大をもたらす。
物質スクリーニングにおけるような非常に小さい体積のピペット操作では、各個別段階の誤差は、もはや無視できない。従って、少量をピペット操作する必要のあるいかなる試験システムにも、特に物質のスクリーニングでは、誤差源の数を、従ってピペット操作段階の数を、減らすことが必要である。
これに続くのは、本発明が、従来のアッセイ法よりも簡潔な、より確固たる、より正確な測定結果を可能にしたものである。これらの利点は、物質のスクリーニングで特に注目に値する。
本発明による均一アッセイ法または直接かつ定量的に分子修飾を測定する本発明による方法は、分子が蛍光染料を担持し、該分子の蛍光寿命が、修飾されたその分子の蛍光寿命と異なることを特徴とする。修飾された分子の蛍光寿命は、非修飾分子のものより長くあり得る。しかしながら、本発明は、修飾された分子の蛍光寿命が非修飾分子のものより短い、本発明によるアッセイ方法も含む。
分子は、例えば有機分子、特にペプチドまたはペプチド模倣物(peptidomimetic)、または無機分子であり得る。蛍光染料は、例えば、クマリン、フルオレセイン、ローダミン、オキサジンまたはシアニン染料であり得る。使用される蛍光染料は、共有結合的または非共有結合的に分子にカップリングしていてよい。スペーサー分子は、蛍光染料と分子との間に位置し得る。本発明は、同様に、生化学的アッセイの定量のための、本発明によるアッセイ法または本発明による方法の使用に関する。本発明によるアッセイ法または本発明による方法は、酵素が例えば以下の修飾反応を実行し得る、生化学的アッセイの定量に使用し得る:リン酸化/脱リン酸化、硫酸化/脱硫酸化、メチル化/脱メチル化、酸化/還元、アセチル化/脱アセチル化、アミド化/脱アミド化、環化/非環化、立体配置的変化、アミノ酸/ペプチドの除去/アミノ酸/ペプチドのカップリング、環拡大/環収縮、転位、置換、脱離、付加反応など。さらに、本発明によるアッセイ法または本発明による方法は、高処理量スクリーニングで−特に医薬的に活性な化合物を同定するための高処理量スクリーニングで−使用するための、有用なやり方で用い得る。
本発明はさらに、本発明によるアッセイ法または本発明による方法の実行に必要とされる蛍光染料−分子コンジュゲート(conjugate)および他の試薬を含む、試薬のキットに関する。
図面の説明:
図1:15nMフルオレセイン−ペプチドコンジュゲートの蛍光減衰の時間経過(対数スケール)。TCSPCを利用して、Ultra FLT プロトタイプ(TECAN)で測定したもの。
図2:リン酸化(1)および非リン酸化(2)ペプチド(1:Fl−P1、2:Fl−1)の蛍光寿命の差異。測定時間1秒。10回の測定の平均および標準偏差を示す。
図3:蛍光寿命(ピコ秒表記のFLT)の時間経過を反応時間(秒表記の時間)の関数としてプロットする。PDE1bホスホジエステラーゼのフルオレセイン−cAMPとの反応
Figure 2007509317
の間に、蛍光寿命は100分間の内に約3500ピコ秒から約3350ピコ秒に変化する。この変化は、Fl−cAMPのFl−AMPへの変換を直接的に示す。酵素反応は、漸増するBAY383045の濃度により、漸増的に阻害される(緑色の三角形:20μM、赤色の四角形:10μM、紫色の十字形:5μM、茶色の円形:2.5μM、桃色の四角形:1.25μM、青色の菱形:0.7μM、緑色のプラス記号:0.35μM、暗青色のマイナス記号:0.17μM、明青色のマイナス記号:0.08μM)。
図4:フルオレセイン−ケムプチド(kemptide)−ペプチドコンジュゲートのリン酸化型と非リン酸化型との間の蛍光寿命の差異を、異なるpH値および200mM NaCl(1:pH13、2:pH9.5、3:pH8、4:pH7、5:pH200mM NaCl、7:pH6)についてプロットする。
図5:TAFI酵素による変換の、可能な反応物(FJ23、斜線(hashed line))およびその生成物(FJ24、黒色)の蛍光寿命を、異なる条件下で測定した(1:水、2:pH6、3:pH7、4:pH8、5:pH9.5、6:00mM NaCl、7:2M NaCl)。蛍光寿命は、事実上試験条件から独立している。しかしながら、FJ23(552ピコ秒)およびFJ23(2194ピコ秒)の蛍光寿命は、非常に明確に異なる。
実施例:
1.リン酸化および非リン酸化ペプチド(FL−P1対FL1)の蛍光寿命の差異
材料:
Fl−P1:フルオレセイン−C6−TEGQYpQPQP−COOH、Eurogentec、リン酸化
Fl−1:フルオレセイン−C6−TEGQYQPQP−COOH、Eurogentec、非リン酸化
操作:
フルオレセイン−ペプチドコンジュゲートFl−P1とFl−1の蛍光寿命(FLT)の間に差異が有るか否かを調べることを企図した。このために、各場合で10nMのFl−P1およびFl−1を50mM HEPES pH7.5に溶解した。Ultra FLT プロトタイプ(Tecan)を利用して蛍光寿命(FLT)を測定した。各場合で、各1秒間の10回の測定を平均した。
結果:
Fl−P1の蛍光寿命は3880ピコ秒であり、Fl−1のFLTは3600ピコ秒である。測定時間1秒についての標準偏差は非常に小さい(<25ピコ秒)ので、2つの分子は、非常に良好に識別できる(図2参照)。Fl−P1およびFl−1の標準偏差および平均蛍光寿命から、Fl−P1およびFl−1により定められるFLT測定ウィンドウ(window)を用いる可能な生物学的試験の性能について、z'因子約0.5を算出することが可能であり、それは、スクリーニング作戦(campaign)に十分であろう。z'因子は、Zhang et al. 1999 により、HTSアッセイの性能を算出するために導入された (Zhang JH, Chung TDY, Oldenburg KR, J. Biomol. Screen 4, 67-73 (1999))。例えばp60srcなどの、Fl−1をリン酸化するであろうキナーゼの活性は、FLT測定を利用して非常に良好に測定可能である。
現在使用されているキナーゼアッセイの多くは、反応速度を連続的にモニターできない、終点のアッセイである。むしろ、異なる反応を異なる時間で停止させなければならならず、得られるデータを集めて反応速度曲線を得なければならない。
蛍光寿命の測定は、検出酵素カスケードを用いずに、リン酸化反応速度を直接かつ即座にモニターするのを可能にする。このことは、特にまたロボットスクリーニング作戦のインキュベーション時間の設定を容易にする。
2.フルオレセイン標識されたリン酸化および非リン酸化ケムプチドペプチドの間のFLTの差異の最適化
材料:
Fl−P−ケムプチド:フルオレセイン−C6−LRRApSLGCONH、Eurogentec、リン酸化
Fl−ケムプチド:フルオレセイン−C6−LRRASLGCONH、Eurogentec、非リン酸化
0.1M NaOH、50mMホウ酸塩バッファーpH9.5、50mM HEPESバッファーpH8.0、50mM HEPESバッファーpH7.0、50mM MESバッファーpH6.0、200mM NaCl(低)
操作:
FLTアッセイの品質は、反応物と生成物の蛍光寿命の差異が増すにつれて向上する。最適に大きいFLTの差異は、あらゆる場合に即座に測定されるわけではないであろう。他方で、例えば、蛍光染料、染料と基質分子との間のスペーサー分子、または溶媒の極性、pH、イオン強度または他の添加剤などの様々なパラメーターを選択し、組み合わせることにより、当初に得られたFLTの差異を大きくすることが可能である。この実施例は、リン酸化および非リン酸化の異形のフルオレセイン−ケムプチド−ペプチドコンジュゲート(Fl−P−ケムプチド、Fl−ケムプチド)の間のFLTの差異の有意な増大が、pHを高めることによりどのようにして達成されるかを立証する。各場合で、50nMのFl−P−ケムプチドおよびFl−ケムプチドを、材料で記載した溶液に溶解し、それらのFLTを、シグナルをトランジェントレコーダーに移す改変型 Nanoscan 装置 (IOM GmbH, Berlin, Germany) を利用して測定した。16本の減衰曲線を、各データの点で平均した。対数スケールの曲線の下行部を、線形回帰を利用して評価し、負の傾きを数学的にFLTに変換した。
結果:
図4は、様々な条件下のFl−P−ケムプチドとFl−ケムプチドのFLTの差異を示す。ここでの結果は、FLTを利用するケムプチドのリン酸化および非リン酸化型の弁別は、pHが6.0ないし9.5に上昇すると向上することを示す。得られた結果は、最初の実施例の知見と合わせて、適当な蛍光染料、スペーサーおよび溶媒の特性または添加物を選択することにより、ほぼ全てではないにしても、非常に多数のホスファターゼまたはキナーゼのリン酸化および非リン酸化ペプチド基質の対について、反応物と生成物との蛍光寿命の間にスクリーニングに十分な大きい差異をもたらす条件を見出すことが可能であることを示唆している。従って、言及した酵素のクラスについて、汎用アッセイを構築することが可能であり、それは非常に容易に開発できる。一度その酵素に適当な反応条件を明らかにしたら、その反応は酵素と基質を混合するだけでよい。その結果の反応速度を、即座に直接的にモニターできる。このことは、HTSロボット器具のインキュベーション時間を容易に設定するのを可能にする。蛍光寿命の確固たるパラメーターのために、体積および基質濃度のわずかなゆらぎは、測定結果にわずかに影響するだけである。加えて、ピペット操作段階がほとんどないこの種のアッセイは、検出酵素カスケードにより時々必要とされるような、付加的ピペット操作段階を伴う他の標準的アッセイよりも、著しく確固たるものであると一般的に考えられる。
3.PDE反応
材料:
Fl−cAMP:8−フルオ−cAMP、BIOLOG Life Science Institute
PDE1b:ホスホジエステラーゼ1b(Laboratory of Dr. A. Tersteegen, Bayer AG)
BAY383045:Bayer AG
操作:
上記で論じたホスファターゼおよびキナーゼと同様に、なかんずく、心血管、代謝障害、中枢神経系、癌および呼吸器疾患の適応症の分野で、ホスホジエステラーゼは非常に重要な標的のクラスである。従って、cAMPまたはcGMPの各々の一リン酸塩への変換を測定できる汎用アッセイ様式を持つことに多大な関心がある。通常は、検出酵素カスケードが使用される。この実施例は、ホスホジエステラーゼ反応を直接測定できることを立証する。この実験では、最初に1μM Fl−cAMPおよび1:360希釈のPDE1bを、異なる濃度の阻害剤BAY383045の存在下で混合した。酵素反応の反応速度を Ultra FLT プロトタイプ(Tecan)を利用して室温で測定した。
結果:
Fl−cAMPのFLTは、Fl−AMPを与える反応の過程で、100分間の内に−阻害剤なしで−約3500ピコ秒から約3350ピコ秒に変化する。漸増するBAY383045の濃度は、該酵素反応を漸増的に阻害する(図3参照)。ホスホジエステラーゼ反応の阻害の明瞭な濃度依存性は、Fl−cAMPの蛍光寿命の変化が明確に酵素活性に伴うものであることを明らかにした。このことは、ホスホジエステラーゼを阻害する物質のスクリーニングにこの方法を使用することが原則的に可能であることを証明する。しかしながら、基質の酵素的修飾の間に測定可能なFLTの変化が生じるならば、この測定原理は、キナーゼおよびホスファターゼアッセイ並びに他の酵素アッセイに拡張可能でもある。上記で論じたホスファターゼおよびキナーゼアッセイについてと同様に、基質修飾の直接的FLT検出を用いるホスホジエステラーゼアッセイは、妨害に敏感でない測定シグナルおよび少ないピペット操作段階のために、非常に確固たるものである。記載したアッセイ方法を使用して、検出酵素に伴う物質の妨害を排除できる。以下を、蛍光寿命測定をベースとする記載したアッセイ方法に一般的に適用する:直接的かつ即座の酵素反応速度の測定のために、ホスホジエステラーゼ、キナーゼおよびホスファターゼアッセイ並びに他の酵素アッセイのインキュベーション時間を、ロボット高処理量スクリーニング作戦用に、実験中に非常に容易かつ厳密に設定できる。
4.TAFI酵素反応の反応物と生成物との間の蛍光寿命の差異:
材料:FJ23:Evoblue30-Ttds(Spacer)-IFTR-COOH、Jerini Peptide Technologies
FJ24:Evoblue30-Ttds(Spacer)-IFT-COOH, Jerini Peptide Technologies
操作:
線維素溶解阻害因子(TAFI)により活性化される酵素トロンビンは、血栓症において重要な役割を果たすカルボキシペプチダーゼである。TAFIは、ペプチド配列IFTRのアルギニンを切断する。この反応は、質量分析またはクロマトグラフィー法により検出し得る。両方法は、高処理量の物質の試験に適さない。あるいは、測定可能な吸収、蛍光または発光シグナルを生成する、多かれ少なかれ複雑な酵素カスケードまたは化学反応を使用し得る。今日まで、TAFI反応を直接測定でき、同時に高処理量に適する方法は、記載されてこなかった。従って、両方とも630nmで励起できる蛍光染料(Evoblue30, Mobitec)を担持し、FJ24コンジュゲートがC末端のアルギニンを欠くことのみで異なるコンジュゲートFJ23およびFJ24の蛍光寿命を測定した。FJ23は、TAFI反応の可能な反応物であり、一方FJ24は、対応する反応生成物である。FJ23およびFJ24コンジュゲートを60nMの濃度で、pH値6、7、8および9.5、そして200mMおよび2MのNaClの存在下の、様々なバッファーに溶解した。
結果:
pH値およびNaCl濃度から独立して、FJ23の蛍光寿命は、(552±45)ピコ秒であり、FJ24のそれは(2194±18)ピコ秒である(図5参照)。このことから、優れたz'因子0.89を算出でき、それは、非常に強力なアッセイを期待できることを示唆する。先のキナーゼ、ホスファターゼおよびホスホジエステラーゼの実施例で既に立証されたように、反応物および生成物の蛍光コンジュゲートを合成することが可能であり、それは−TAFIの場合−非常に大きい蛍光寿命の差異を有することが立証された。この大きい蛍光寿命の差異は、高いシグナル安定性および異なって阻害する物質の間の非常に良好な弁別を伴うアッセイの構築に関連する。加えて、この実施例は、二次検出反応を用いずに酵素反応の直接的測定を可能にする、高処理量に適する方法が今日までTAFIのために記載されてこなかったという、TAFIに特異的な問題に対する解決法を示す。
図1は、15nMフルオレセイン−ペプチドコンジュゲートの蛍光減衰の時間経過(対数スケール)を示す。 図2は、リン酸化(1)および非リン酸化(2)ペプチド(1:Fl−P1、2:Fl−1)の蛍光寿命の差異を示す。 図3は、蛍光寿命(ピコ秒表記のFLT)の時間経過を反応時間(秒表記の時間)の関数としてプロットしたものである。 図4は、フルオレセイン−ケムプチド−ペプチドコンジュゲートのリン酸化型と非リン酸化型との間の蛍光寿命の差異を、異なるpH値および200mM NaClについてプロットしたものである。 図5は、TAFI酵素による変換の、可能な反応物(FJ23、斜線)およびその生成物(FJ24、黒色)の蛍光寿命を、異なる条件下で測定したものである。

Claims (8)

  1. 均一的、直接的かつ定量的に分子の修飾を測定する方法であって、分子が蛍光染料を担持し、該分子の蛍光寿命が修飾された分子の蛍光寿命と異なることを特徴とする、方法。
  2. 該分子が、有機分子、特にペプチドまたはペプチド模倣物であるか、無機分子である、請求項1に記載の方法。
  3. 該蛍光染料が、例えば、クマリン、フルオレセイン、ローダミン、オキサジン、シアニン染料であってよい、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 該蛍光染料が共有結合または非共有結合的に該分子に結合しており、該蛍光染料と該分子との間にスペーサー分子が位置していてもよい、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 生化学的アッセイの定量のための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 酵素が、以下の修飾反応:リン酸化/脱リン酸化、硫酸化/脱硫酸化、メチル化/脱メチル化、酸化/還元、アセチル化/脱アセチル化、アミド化/脱アミド化、環化/非環化、立体配置的変化、アミノ酸/ペプチドの除去/アミノ酸/ペプチドのカップリング、環拡大/環収縮、転位、置換、脱離、付加反応、を実行できる、請求項5に記載の方法。
  7. 高処理量スクリーニングで使用するための、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の方法。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のアッセイ方法を実行するために必要な蛍光染料−分子コンジュゲートおよび他の試薬を含む、試薬のキット。
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