JP2003522620A - プラスチックハウジングを有する直線駆動型リクライニング装置 - Google Patents

プラスチックハウジングを有する直線駆動型リクライニング装置

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Abstract

(57)【要約】 本発明によるシートリクライニング装置１０は、運転者の遠隔操作に応じて、シートベース構造部１８に対するシートバック１６の角度位置を制御状態で調節する。本装置は、シートバック１６に連結可能とされたリクライニングロッド４８を含む被駆動機構２６と、伝動ロッド３２を第１の方向と第２の方向に回転させるためのモータ３０を含む駆動機構２４と、シートベース構造部に連結可能とされたハウジングとを備えている。ハウジング９４は、リクライニングロッド４８と伝動ロッド３２とを互いに連動する状態で収容し、伝動ロッド３２が第１の方向または第２の方向に回転することにより、ハウジングに対してリクライニングロッド４８が対応する第１の直進方向または第２の直進方向に移動する。ハウジング９４は、高分子材料から形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートリクライニング装置に関するものであり、特に、高負荷容量
のプラスチック製伝動ハウジングを備えた動力式シートリクライニングシステム
に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般的な動力式直線駆動型シートリクライニングシステムでは、シートの左右
両側に設けられた伝動ハウジング内のねじシャフトと歯合する歯付きナットに一
対のアクチュエータケーブルが連結され、これら一対のアクチュエータケーブル
が中央モータによって駆動される。直線的に往復移動するねじシャフトは回動機
構に連結されており、こうして、ねじシャフトの直線運動に比例したシートバッ
クのリクライニング調節が可能となっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、伝動ハウジングは鋳造アルミニウムから形成されている。鋳造アル
ミニウムは比較的高価であり、かつ、ダイキャスト型の摩耗によって寸法にばら
つきが生じる。すなわち、型がアルミニウム製伝動ハウジングを鋳造するために
繰返し使用されると、このような繰返し使用に起因する型の摩耗によってダイキ
ャスト部材の寸法に誤差が生じる。伝動ハウジングは精密部品なので、このよう
な摩耗によって要求公差内に収まらなくなる場合があり、公差内に収めるために
、幅の異なるスラストベアリングが必要となることもしばしばある。さらに、伝
動ハウジングの製造に使用されるアルミニウムは比較的高価であるので、より廉
価な代替材料があればコスト削減が実現可能である。
【０００４】 より廉価な材料から伝動ハウジングを製造するためには、このような材料から
なる伝動ハウジングは、例えば、高負荷容量、比較的コンパクトなサイズ、及び
信頼性といったアルミニウムダイキャストであれば比較的容易に適合できる特徴
を備えた構成とされなければならない。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
Ｕ字形内側プレートにＵ字形外側プレートが重畳し、それらの間にギア保持ハ
ウジングが設けられ、内側プレート、外側プレート、及びギア保持ハウジングが
プラスチック材、好ましくはナイレーン（Nylene（登録商標））からなる伝動ハ
ウジングは、比較的廉価であり、かつ、小さいサイズで高負荷容量を実現する。
組立てられた伝動ハウジングは、ねじ付きリクライニングロッドを直線的に駆動
するためにウォームギアを有する伝動ロッドを受容する。ユーザー操作可能であ
るモータが伝動ハウジング内で伝動ロッドを回転させ、これによって、伝動ハウ
ジングを通じて直線的な動きがリクライニングロッドに伝達され、リクライニン
グロッドの直線的な動きに対するシートバックのリクライニング調節が実現され
る。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照する。図１は、本発明によるシート傾斜調節装置を組込んだ
車両用シートアッセンブリ１０を示している。シートアッセンブリ１０は、通常
、自動車の前席空間に装着されているタイプであり、直線駆動調節型リクライニ
ング装置１２によって互いのなす角度が調節可能であるように相互連結されたシ
ートクッション１４とシートバック１６とを備えている。シートバック１６は、
リクライニング構造部２２を介して、アクスル２０からなる軸を中心としてシー
トクッション１４に対し回動可能となるように連結されている。こうして、リク
ライニング構造部２２の上部に支持されているシートバック１６を、所定の位置
に回動させることができるようになっている。好ましくは通常の締結部材からな
るアクスル２０は、リクライニング構造部２２をシートベース構造部１８に対し
て回動可能な状態で連結している。リクライニング構造部２２は、一体成形され
かつ適切な回動運動を実現するように構成された金属プレートであることが好ま
しい。
【０００７】 動力式リクライニング装置１２は、シートクッション１４に対するシートバッ
ク１６のリクライニング運動を調節可能な状態でコントロールする。図２を参照
すると、動力式直線駆動型リクライニング装置１２は、好ましくは、駆動機構２
４と、被駆動機構２６と、駆動機構２４及び被駆動機構２６を支持し相互係合さ
せる伝動装置２８とを備えている。以下に、より詳しく説明するように、駆動機
構２４が直動式モータ３０によって駆動されることにより、被駆動機構２６が直
線往復運動を行う。直動式モータ３０の運転は、車室内においてシートアッセン
ブリ１０に近接して設けられた位置制御スイッチ（図示せず）によって行われる
。このようにして、車両の運転者は、シートクッション１４に対し、所定角度範
囲内で両方向にシートバック１６を選択的に傾斜させることができる。従来の動
力式リクライニング装置と同様に、シートアッセンブリ１０の左右両側に設けら
れたリクライニング装置１２における駆動機構の歯付きナットに一対のアクチュ
エータケーブルが連結され、これら一対のアクチュエータケーブルがモータ３０
によって駆動される。このようなシステムは、米国特許第5,199,764号明細書に
記載されており、本明細書はその内容を参照してこれを含むものとする。ここで
は、便宜上、一方の直線駆動式リクライニング装置１２のみについて説明するが
、直線駆動式リクライニング装置１２はシートアッセンブリ１０の左右両側に配
置可能であることを理解されたい。
【０００８】 以下、図２〜５を参照して、駆動機構２４と、被駆動機構２６と、伝動装置２
８とを説明する。駆動機構２４は、駆動ケーブル４４を介して伝動ロッド３２に
連結されてこれを駆動するモータ３０を含む。伝動ロッド３２は、伝動装置２８
内で回転するように軸受けされ、伝動ロッド３２と同軸状に第１端部３６に形成
されたウォームギア３４を備えている。伝動ロッド３２の反対側の第２端部３８
は概して滑らかであり、ウォームギア３４と滑らかな第２端部３８との間には伝
動ロッド３２と同軸状にシートリング４０が形成されている。第２端部３８はま
た、直動モータ３０によって回転駆動されるケーブル４４を受容する凹所４２を
含む端面を備えている。凹所４２は、好ましくは６角形であり、図５で最もよく
分かるように、ケーブル４４の雄端部４５は、嵌合して駆動するために、補完形
態の６角形とされている。組立て状態では、駆動機構２４の伝動ロッド３２は伝
動装置２８内に取付けられる。
【０００９】 被駆動機構２６は、開口部６８を備えた平坦面５０を含む第１端部を有する細
長いねじ付きリクライニングロッド４８を備えている。リクライニングロッド４
８の本体には、ワッシャ９４とスリーブ１０６とで挟まれたスプリング８２が同
軸状に装着されている。伝動装置２８からリクライニングロッドが前方へ脱落す
るのを防止しシートバック１６を最後方位置で止めるための保持ピン５２が、リ
クライニングロッド４８の中央部において左右方向に延在している。リクライニ
ングロッド４８の反対側の第２端部には、伝動装置２８からリクライニングロッ
ドが後方へ脱落するのを防止しシートバック１６を最前方位置で止めるための保
持ピン５３が設けられている。ピン５２，５２間のねじ体４４は、伝動装置２８
に受容され、駆動機構の伝動ロッド３２が有するウォームギア３４と駆動関係に
置かれている。このようにして、直動モータ３０に駆動されてリクライニングロ
ッド４８が伝動装置２８内で軸線方向に移動し、所定の直線運動が得られる。図
１から最もよく分かるように、リクライニング構造部２２の下部に設けられた開
口部と、ねじ付きロッド４８の平坦面５０に設けられた開口部６８とを通る締結
部材２１を介して、リクライニング構造部２２は細長いねじ付きロッド４８と連
結されているので、伝動装置２８内におけるねじ付きロッド４８の直線運動は、
シートバック１６の回動運動に変換される。
【００１０】 伝動装置２８は、概して、外側プレート５４と、内側プレート５６と、それら
の間に配置されたギア保持体５８とを備えている。外側プレート５４及び内側プ
レート５６は、流動によって形状形成可能な高分子材料から形成されている。こ
の材料は、射出成形用プラスチックであることが好ましい。最も好ましいプラス
チック材料はナイレーン（Nylene（登録商標））である。もちろん、他の材料、
及び他の成形方法を用いることも可能である。図２に示すように組立てられた状
態では、外側プレート５４及び内側プレート５６は、比較的小さい領域に収めら
れた高負荷伝達装置であるギア保持体５８を収容する。さらに、外側プレート５
４及び内側プレート５６は、伝動装置２８を、シートベース構造部２３のような
車両構造体に固定する機能をも有している。ギア保持体５８は、モータ３０によ
って駆動される伝動ロッド３２と、ねじ付きロッド４８とを相互連結し、シート
クッション１４に対するシートバック１６の角度位置調節を可能にしている。
【００１１】 外側プレート５４は、概してＵ字形のフレームであり、対向配置された第１脚
部６２と第２脚部６４とを連結する中央部６０を備えている。第１脚部６２及び
第２脚部６４は、内側プレート５６に同様に設けられた開口部と整列配置される
整列開口部６６を備えている。外側プレート５４の中央部６０には、ねじ付きロ
ッド４８とギア保持体５８との接続を可能にするための開口部７０が設けられて
いる。中央部から互いに反対方向に延在するタブ９４内には、一対の開口部１１
６が設けられている。開口部１１６には、外側プレート５４と内側プレート５６
とを接続するための締結部材１６２が貫通する。第１脚部６２及び第２脚部６４
の各縁部には、ギア保持体５８に連結される伝動ロッド３２を収容するための弧
状ノッチ部７２が設けられている。
【００１２】 内側プレート５６は、外側プレート５４と類似の形状に形成されており、対向
する第１脚部７６及び第２脚部７８が接続されている中央部７４を備えている。
対向する第１脚部７６及び第２脚部７８は、それぞれ、組立てられた際に内側プ
レート５４に設けられた開口部６６と整列配置される整列開口部８０を備えてい
る。中央部７４には、ギア保持体５８を貫通して軸線方向に動くねじ付きロッド
４８を収容するための開口部８４が設けられている。中央部から互いに反対方向
に延在するタブ１６２には、一対のねじ付き開口部１６４が設けられている。ね
じ付き開口部１６４には、外側プレート５４のタブ９４に設けられた開口部１１
６を貫通する締結部材１６２が螺合し、こうして、外側プレート５４と内側プレ
ート５６とが互いに連結される。
【００１３】 図２に示すように、組立てられた際、外側プレート５４の第１脚部６２及び第
２脚部６４は、それぞれ、内側プレート５６の第１脚部７６及び第２脚部７８と
重なる。ギア保持体５８は、外側プレート５４及び内側プレート５６の各中央部
６０と７４との間に挟まれる。さらに、外側プレート５４の開口部６６と内側プ
レート５６の開口部８０とが整列配置される。整列配置された外側プレート５４
の第１脚部６２に設けられた開口部６６、及び、内側プレート５６の第１脚部７
６に設けられた開口部８０の中にはトラニオンブッシュ８６が取付けられる。同
様に、整列配置された外側プレート５４の第２脚部６４に設けられた開口部６６
、及び、内側プレート５６の第２脚部７８に設けられた開口部８０の中にはトラ
ニオンブッシュ８８が取付けられる。両トラニオンブッシュ８６，８８は、内側
プレート５６への外側プレート５４の取付けを補助し、これによってギア保持体
５８を固定し、さらに、シートベース構造部１８のような車両側取付部に対する
伝動装置２８の取付けを可能にする。より詳しく説明すると、各トラニオンブッ
シュ８６，８８は、車両側取付部、好ましくはシートアッセンブリ１０のシート
ベース構造部２３に伝動装置２８を取付ける締結部材１１２を受容するための開
口部９０を備えている。各トラニオンブッシュ８６，８８の外面には、ねじ付き
開口部９０と同軸配置されたカラー９２が設けられている。カラー９２に隣接し
てスリーブ９６が設けられている。スリーブ９６もまたねじ付き開口部９０と同
軸配置されているが、カラー９２より小径に形成されている。各トラニオンブッ
シュ８６，８８の各スリーブ９６は、それぞれ、内側・外側プレート５４，５６
の第１脚部６２，７６及び第２脚部６４，７８に設けられた各整列開口部６６，
８０を貫通し、かつ、開口部内での回転阻止のため、開口部に対し補完形状に形
成されている。カラー９２は、伝動装置２８が車両側取付部に固定された際に、
各トラニオンブッシュ８６，８８が各整列開口部６６，８０から抜け出ないよう
に作用する。
【００１４】 ギア保持体５８は、ギアハウジング９４と、ナット状螺旋ギア９８と、スラス
トベアリング１００と、重ねプレート１０２とを備えている。ギアハウジング９
４は、伝動ロッド３２を収容して支持する被駆動ギア通路１０４と、ナット状螺
旋ギア９８とスラストベアリング１００とを収容するギアキャビティ１０８とを
備え、重ねプレート１０２によって封止されている。ギアハウジング９４は、流
動によって成形可能な高分子材料から形成されている。この材料は、好ましくは
射出成形用プラスチック材である。最も好ましいプラスチック材料はナイレーン
（Nylene（登録商標））である。もちろん、前述と同様、ギアハウジング９４の
ために他の材料、及び他の成形方法を用いることも可能である。
【００１５】 ギアハウジング９４は、被駆動ギア通路１０４に通じる開口部１２２を備えて
いる。開口部１２２を通じて、伝動ロッド３２を被駆動ギア通路１０４に挿入す
ることができる。ギアハウジング９４には、伝動ロッド３２をギア保持体５８内
に固定するためのスラストキャップ１２４がねじで取付けられる。ねじ付き開口
部１２２と同軸配置された被駆動ギア通路１０４は、ギアハウジング９４の短辺
側１１０でチューブ状部材１２６によって覆われ、伝動ロッド３２の滑らかな第
２端部３８が同軸状に受容されている。被駆動ギア通路１０４の壁部は、伝動ロ
ッド３２の滑らかな第２端部３８を回転自在に受容している。図５から最もよく
分かるように、被駆動ギア通路１０４は、伝動ロッド３２のシートリング４０の
ためのシート１３０を備えている。より詳しく説明すると、シート１３０と伝動
ロッド３２のシートリング４０との間には、スラストワッシャ１３２が配置され
ている。従って、組立状態では、シートリング４０とスラストワッシャ１３２と
がシート１３０に当接し、一方、スラストキャップ１２４がねじ付き開口部１２
２にねじ込まれ、こうして、伝動ロッド３２は、ギア保持ハウジング５８内で適
切に位置決めされると共に、回転自在に支持される。
【００１６】 ギア保持体５８を垂直に貫通するようにリクライニングロッド用通路が設けら
れている。このリクライニングロッド用通路を通じて、ギア保持体ハウジング５
８を貫通するリクライニングロッド４８の直線変位が可能となっている。リクラ
イニングロッド用通路は、ナット状螺旋ギア９８を貫通するねじ付き開口部１３
４と、ねじ付き開口部１３４と同軸配置されたギアキャビティ１０８の一部とか
ら形成されている。さらに、ギア保持体ハウジング５８の長辺側１１４は、突出
部１３８により構成される矩形凹所を備えている。矩形凹所は重ねプレート１０
２と補完形状に形成されており、従って、重ねプレート１０２は、その縁部を隣
接する突出部１３８に支持された状態で矩形凹所内に保持される。重ねプレート
１０２は、矩形凹所１３６内に収められ、外側プレート５４がギア保持体ハウジ
ング５８に組付けられることにより矩形凹所１３６内に保持される。こうして、
重ねプレート１０２は、ナット状螺旋ギア９８及び同軸配置された側面スラスト
ベアリング１００をギア保持体ハウジング５８内の適切な位置に保持する。図５
，６に示すように、長辺側１１４にはさらに、各突出部１３８に隣接して一対の
位置決め凹所１４０が設けられている。外側プレート５４と、内側プレート５６
と、ギア保持体ハウジング５８とが組立てられると、凹所１４０によって、すな
わち、重ねプレート１０２に設けられ補完形状を有するショルダー部１４２が凹
所１４０内に配置されることによって、ギア保持体ハウジング９４に対して重ね
プレート１０２が位置決めされる。従って、一旦組立てられると、スラストベア
リング１００及び重ねプレート１０２の組立体は、ギアキャビティ１０８から抜
け出すことはない。
【００１７】 図３，５，６で最もよく分かるように、伝動装置２８は、伝動ロッド３２のウ
ォームギア３４と外面で駆動係合し、かつ、細長いねじ付きロッド４８と内面で
駆動係合しているナット状螺旋ギア９８を備えている。ナット状螺旋ギア９８は
、その外面に螺旋ギア１４４を備え、その内面にねじ１４６を備えている。これ
ら内面と外面は同軸配置されており、螺旋ギア１４４は、中央突出周縁部１４８
に形成され、中央突出周縁部１４８からは軸線方向にスリーブ１５０，１５２が
設けられている。スラストベアリング１００は、ナット状螺旋ギア９８の中央突
出周縁部１４８から見て一方の側のスリーブ１５０上に同軸配置され、他方のス
リーブ１５２は、ギアキャビティ１０８内に形成されたボア１５６内に受容され
ている。こうして、ナット状螺旋ギア９８は、ギア保持体ハウジング５８内の適
切な位置に回転自在に配置されている。スラストベアリング１００はリング形状
体１５８からなり、リング形状体１５８は、その外面から直径方向に延在するタ
ブ１５４を備えている。このようにして、スラストベアリング１００は、ギア保
持体ハウジング５８内でキー止めされている。すなわち、タブ１５４がノッチ１
６０内に配置されることによりスラストベアリング１００がナット状螺旋ギア９
８と共回りすることが阻止され、一方、スリーブ１５０，１５２はそれぞれスラ
ストベアリング１００の内面及びボア１５６に接し、ナット状螺旋ギア９８は、
これらスリーブ１５０，１５２に支持された状態でギア保持体ハウジング５８内
で回転可能である。完全に組立てられた状態では、スラストベアリング１００は
、重ねプレート１０２によってスリーブ１５０と同軸配置され、かつ、中央突出
周縁部１４８と重ねプレート１０２との間に配置される。さらに、重ねプレート
１０２は、外側プレート５４の中央部６０によって、スラストベアリング１００
に当接する所定位置に保持される。
【００１８】 作動状態において、車両の運転者は、シートバックを所定の角度位置に調節す
るために、モータ３０を遠隔操作してアクチュエータケーブル４４をいずれかの
方向に回転させる。モータ３０によって駆動ケーブル４４が一方向に回転すると
、シートバック１６は後方に傾斜し、モータ３０が他方向に回転するとシートバ
ック１６は前方に傾斜する。ねじ付きロッド４８は、ねじ付きロッド４８の平坦
面５０とリクライニング構造部１８の下端部とに設けられた各整列開口部を貫通
する締結部材２１を介してリクライニング構造部１８に堅固に連結されている。
シートバック１６に取付けられたリクライニング構造部１８がアクスル２０を中
心として回動することにより、ねじ付きロッド４８の直線運動はシートバック１
６の回動運動に変換される。シートアッセンブリ１０の構造形態に基づき、ねじ
付きロッド４８とシートバック１６との間に他の回動可能構造を設けることも可
能である。動力式リクライニング装置１２は、シートクッション１４に対するシ
ートバック１６の微調整を可能にする。傾動調節速度は、伝動装置２８に設定さ
れたギア比に基づいて定まる。従って、直線駆動型リクライニング装置１２は、
比較的容易に、特定の車両に合わせて適合させることが可能である。
【００１９】 以上、要約すると、モータ３０をいずれかの方向に回転させると伝動ロッド３
２が回転し、伝動ロッド３２の回転により、ナット状螺旋ギア９８に作用するウ
ォームギア３４を通じて細長いねじ付きロッド４８が回転し、ロッド４８はギア
保持体ハウジング５８内で直線的に動いてリクライニング構造部２２の下部を対
応する方向に移動させ、中間部に配置されたアクスル２０回りにリクライニング
構造部２２が回動する際に、リクライニング構造部２２の上部に取付けられたシ
ートバック１６が反対方向に回動する。このようにして、シートクッション１４
に対するシートバック１６の角度位置は、無段階に調節可能である。
【００２０】 以上説明した本発明が、種々の形態に変更可能であることは明らかである。そ
のような変更形態は、本発明の思想及び範囲から外れるものとみなされるべきで
はなく、当業者にとって自明であるそのような変更形態は、本願特許請求の範囲
に含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 想像線で示すシートバックとシートクッションとを有する本発明
によるシートアッセンブリの側面図であり、直線駆動調整型シートリクライニグ
装置と一般的なシート構造体との間の作用連結状態を示している。
【図２】 図１に示す直線駆動調整型シートリクライニグ装置の斜視図であ
る。
【図３】 図２に示す直線駆動調整型シートリクライニグ装置の分解斜視図
である。
【図４】 図２に示す直線駆動調整型シートリクライニグ装置の部分平面図
である。
【図５】 直線駆動調整型シートリクライニグ装置を図２の５−５線で切断
して示す部分断面図である。
【図６】 直線駆動調整型シートリクライニグ装置を図５の６−６線で切断
して示す断面図である。
【符号の説明】
１０ シートリクライニング装置 １６ シートバック １８ シートベース構造部 ２４ 駆動機構 ２６ 被駆動機構 ２８ 伝動装置 ３０ モータ ３２ 伝動ロッド ３４ ウォームギア ４８ リクライニングロッド ５４ 外側プレート ５６ 内側プレート ５８ ギア保持体 ９４ ギアハウジング ９８ ナット状螺旋ギア １００ スラストベアリング １０２ 重ねプレート １０４ 被駆動ギア通路（ギア通路） １０８ ギアキャビティ １４４ 螺旋ギア １４６ ねじ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 運転者の遠隔操作に応じて、シートベース構造部に対するシ
    ートバックの角度位置を制御状態で調節可能な直線駆動型シートリクライニング
    装置であって、 前記シートバックに連結可能であるように構成されたリクライニングロッドを
    含む被駆動機構と； 伝動ロッドを第１の方向と第２の方向に回転させるためのモータを含む駆動機
    構と； 前記シートベース構造部に連結可能であるように構成されたハウジングと；を
    備え、 前記ハウジングは、前記リクライニングロッドと前記伝動ロッドとを互いに連
    動する状態で収容し、前記伝動ロッドが前記第１の方向または第２の方向に回転
    することにより、前記ハウジングに対して前記リクライニングロッドが対応する
    第１の直進方向または第２の直進方向に移動し、かつ、前記ハウジングは、高分
    子材料から形成されていることを特徴とする直線駆動型シートリクライニング装
    置。
  2. 【請求項２】 前記ハウジングは、内側プレートと外側プレートとによって
    固定されたギア保持体を備えていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
  3. 【請求項３】 前記外側プレートは、少なくとも部分的に、前記ギア保持体
    及び前記内側プレートと重なっていることを特徴とする請求項２に記載の装置。
  4. 【請求項４】 前記高分子材料は、射出成形用プラスチック材料であること
    を特徴とする請求項１に記載の装置。
  5. 【請求項５】 前記高分子材料は、ナイレーン（Nylene（登録商標））であ
    ることを特徴とする請求項１に記載の装置。
  6. 【請求項６】 前記ハウジングは、ナット状螺旋ギアを取付けるためのギア
    キャビティを備え、前記ナット状螺旋ギアは、その外面に螺旋ギアを備え内面に
    ねじを備え、前記リクライニングロッドは、前記ハウジング内に延在しかつ前記
    ナット状螺旋ギアの前記内面を貫通して螺合し、前記伝動ロッドは、該ロッドと
    同軸状に形成されかつ前記ハウジングのギア通路内に収容されるウォームギアを
    備え、前記ウォームギアは、前記モータによって前記伝動ロッドが回転駆動され
    た際に前記螺旋ギアを回転させるように前記螺旋ギアと歯合していることを特徴
    とする請求項１に記載の装置。
  7. 【請求項７】 前記ハウジングは、内側プレートと外側プレートとによって
    固定されたギア保持体を備えていることを特徴とする請求項６に記載の装置。
  8. 【請求項８】 前記外側プレートは、少なくとも部分的に、前記ギア保持体
    及び前記内側プレートと重なっていることを特徴とする請求項６に記載の装置。
  9. 【請求項９】 前記ギアハウジングをシート構造部に取付けるためのプレー
    トをさらに備えていることを特徴とする請求項６に記載の装置。
  10. 【請求項１０】 前記ギアハウジングは、前記内側プレートと前記外側プレ
    ートとの間に配置されていることを特徴とする請求項９に記載の装置。
  11. 【請求項１１】 前記ナット状螺旋ギアは、スラストベアリングによって前
    記ハウジング内に支持されていることを特徴とする請求項６に記載の装置。
  12. 【請求項１２】 前記スラストベアリングと前記ナット状螺旋ギアとの組立
    体を前記ギアキャビティ内に保持するための重ねプレートをさらに備えているこ
    とを特徴とする請求項１１に記載の装置。
  13. 【請求項１３】 シートベース構造部に対するシートバックの角度位置を制
    御状態で調節可能なシートリクライニング装置であって、 前記シートバックに連結されるように構成されたリクライニングロッドと； 運転者の遠隔操作に応じて、伝動ロッドを第１の方向と第２の方向に回転させ
    るためのモータを含む駆動機構と； 前記リクライニングロッドと前記伝動ロッドとを互いに連動する状態で収容す
    るハウジングと；を備え、 前記ハウジングは、高分子材料から形成されかつナット状螺旋ギアを取付ける
    ためのギアキャビティと前記伝動ロッドを収容するためのギア通路とを備え、前
    記ナット状螺旋ギアは、その外面に螺旋ギアを備え内面にねじを備え、前記リク
    ライニングロッドは、前記ハウジング内に延在しかつ前記ナット状螺旋ギアの前
    記内面を貫通して螺合し、前記伝動ロッドは、該ロッドと同軸状に形成されたウ
    ォームギアを備え、前記ウォームギアは前記螺旋ギアと歯合し、前記伝動ロッド
    が前記第１の方向または第２の方向に回転駆動された際に、前記ハウジングに対
    して前記リクライニングロッドが対応する第１の直進方向または第２の直進方向
    に移動することを特徴とするシートリクライニング装置。
  14. 【請求項１４】 前記ナット状螺旋ギアは、スラストベアリングによって前
    記ハウジング内に支持され、前記スラストベアリングと前記ナット状螺旋ギアと
    の組立体を前記ギアキャビティ内に保持するための重ねプレートをさらに備えて
    いることを特徴とする請求項１３に記載の装置。
  15. 【請求項１５】 前記高分子材料は、射出成形用プラスチック材料であるこ
    とを特徴とする請求項１３に記載の装置。
  16. 【請求項１６】 前記高分子材料は、ナイレーン（Nylene（登録商標））で
    あることを特徴とする請求項１３に記載の装置。
  17. 【請求項１７】 前記ハウジングは、内側プレートと外側プレートとによっ
    て固定されたギア保持体を備えていることを特徴とする請求項１３に記載の装置
    。
  18. 【請求項１８】 前記外側プレートは、少なくとも部分的に、前記ギア保持
    体及び前記内側プレートと重なっていることを特徴とする請求項１７に記載の装
    置。
  19. 【請求項１９】 前記ギアハウジングは、前記内側プレートと前記外側プレ
    ートとの間に配置されていることを特徴とする請求項１７に記載の装置。
  20. 【請求項２０】 シートベース構造部に対するシートバックの角度位置を制
    御状態で調節可能なシートリクライニング装置であって、 前記シートバックに連結されるように構成されたリクライニングロッドと； 運転者の遠隔操作に応じて、伝動ロッドを第１の方向と第２の方向に回転させ
    るためのモータを含む駆動機構と； 前記リクライニングロッドと前記伝動ロッドとを互いに連動する状態で収容す
    るハウジングと；を備え、 前記ハウジングは、高分子材料から形成されかつ内側プレートと外側プレート
    とによって固定されたギア保持体を備え、前記ギア保持体は、ナット状螺旋ギア
    を取付けるためのギアキャビティと前記伝動ロッドを収容するためのギア通路と
    を備えたギアハウジングを含み、前記ギアハウジングは、前記内側プレートと前
    記外側プレートとの間に配置され、前記ナット状螺旋ギアは、その外面に螺旋ギ
    アを備え内面にねじを備え、前記リクライニングロッドは、前記ハウジング内に
    延在しかつ前記ナット状螺旋ギアの前記内面を貫通して螺合し、前記伝動ロッド
    は、該ロッドと同軸状に形成されかつ前記螺旋ギアと歯合するウォームギアを備
    え、前記伝動ロッドが前記第１の方向または第２の方向に回転駆動された際に、
    前記ハウジングに対して前記リクライニングロッドが対応する第１の直進方向ま
    たは第２の直進方向に移動することを特徴とするシートリクライニング装置。
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