JP2003521519A - 過敏性腸症候群の処置におけるロフレポニドの使用 - Google Patents

過敏性腸症候群の処置におけるロフレポニドの使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は過敏性腸症候群(IBS)の処置に使用する医薬の製造におけるロフレポニド、そのエステルおよび塩の使用、ならびにこのような処置に使用するための医薬処方物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、過敏性腸症候群(IBS)の新規な処置、すなわちロフレポニド、そ
のエステルおよび塩の使用を提供する。
【0002】
【発明の背景】
過敏性腸症候群は、基底にある明瞭な構造的原因がない慢性的な腸疾患である
。IBSにおける症状は胃腸管の運動性の変化、内蔵の感受性の上昇または脳−腸
調節の変動から起こるものと考えられている。IBSの診断は、簡単な診断試験が
ないため困難である。医師は除外診断によってIBSにアプローチし、ついである
種の診断基準、たとえば異常な腸不快感および痛み、鼓張ならびに排便障害に基
づいて診断を下す。さらにGut, 1999, 45 (Suppl. 2): I143, C1 (Sep.), Thomp
sonら, およびGastroenterology, 1997, vol.112, p.2120-2137, Current treat
ment of IBS is mainly antispasmodics, laxatives, loperamide and antidepr
essants参照。胃腸炎の既往(Salmonella, Campylobacter等)は対照集団におけ
るよりもIBS患者に共通して認められ、胃腸炎後に患者の30%までがIBSを発症
した。
【0003】
【発明の開示】
本発明によれば、過敏性腸症候群とくに感染後過敏性腸症候群の処置用医薬の
製造におけるロフレポニド、そのエステルおよび塩たとえば脂肪酸エステルたと
えばロフレポニドパルミテートの使用を提供する。
【0004】 本発明によれば、さらに過敏性腸症候群に罹患している患者を処置する方法に
おいて、患者に、ロフレポニド、そのエステルおよび塩たとえば脂肪酸エステル
たとえばロフレポニドパルミテートの治療的有効量を投与することからなる方法
を提供する。
【0005】 本発明によれば、さらに活性成分がロフレポニド、そのエステルおよび塩たと
えば脂肪酸エステルたとえばロフレポニドパルミテートである過敏性腸症候群の
処置に使用する医薬処方物を提供する。
【0006】 わずかな全身作用を示すのみで少なくとも99%の初回通過代謝を有する本発
明に使用されるロフレポニド物質は、驚くべきことに、過敏性腸症候群(IBS)
の処置に有効であることが見出された。他のきわめて強力な局所用ステロイドに
比べて、ロフレポニドは i)腸液内での溶解分布に十分な水溶性のユニークな組
み合わせ、ii)グルココルチコイド受容体に対する高い親和性および活性、なら
びに iii)腸肝臓領域においてシトクロムP450酵素によるほぼ完全な初回通過不
活性化を有し、≦1%の経口生物学的利用性を示すのみである。
【0007】 ロフレポニド(rofleponide)は、化学的には(22R)-16-α,17α-ブチリデンジ
オキシ-6-α,9α-ジフルオロ-11β,21-ジヒドロキシプレグナ-4-エン-3,20-ジオ
ンと命名される。
【0008】 ロフレポニド、そのエステルおよび塩が経口的に投与される場合には、それは
一般に錠剤、丸剤、カプセル、シロップ、粉末または顆粒の形態で経食道的に、
それを経直腸的に投与される場合には、坐剤または浣腸剤の形態で投与される。
【0009】 ロフレポニド、そのエステルおよび塩はそれ自体でまたは医薬的に許容される
希釈剤、アジュバントもしくは担体と配合して投与される。有害な反応たとえば
アレルギー反応を生じる材料を含まない組成物がとくに好ましい。
【0010】 ロフレポニド、そのエステルおよび塩は、アジュバントまたは担体、たとえば
乳糖、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、デンプンたとえばバレイシ
ョデンプン、トウモロコシデンプンもしくはアミロペクチン、セルロース誘導体
、無機塩たとえば硫酸カルシウム、結合剤たとえばゼラチンまたはポリビニルピ
ロリドン、および滑沢剤たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カル
シウム、ポリエチレングリコール、ワックス、パラフィン等と混合し、ついで錠
剤に圧縮する。コーティング錠を所望の場合は、上述のように調製したコアをた
とえばアラビアゴム、ゼラチン、タルク、二酸化チタン等を含む濃厚な糖溶液で
コーティングする。別法として、錠剤は適当な有機溶媒に溶解した適当なポリマ
ー、または水中に分散したポリマーでコーティングすることもできる。適当なポ
リマーにはセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンまたはアクリレートが包含
される。錠剤、カプセル剤または顆粒は好ましくは薬物の腸における放出とくに
下部腸での放出を可能にする腸溶性コーティングを有する。適当なカプセル剤は
EP-A-502092、WO95/08323またはWO97/27843に記載の方法によって製造すること
ができる。
【0011】 軟質ゼラチンカプセル剤の製造には、ロフレポニド、そのエステルおよび塩を
、たとえば植物油またはポリエチレングリコールと混合する。硬質ゼラチンカプ
セル剤は上述の賦形剤を用いて、化合物の顆粒を含有している。また液体または
半固体の薬物を硬質ゼラチンカプセルに充填してもよい。
【0012】 経口的に適用するための液体製剤はシロップまたは懸濁液たとえば活性化合物
を含有する溶液の形態である。残部は糖および/またはエタノール、水、グリセ
ロールおよびプロピレングリコールの混合物である。このような液体製剤には任
意に着色剤、着香剤、サッカリンおよび粘稠化剤としてカルボキシメチルセルロ
ースまたは本技術分野における熟練者には周知の他の賦形剤を包含させてもよい
【0013】 ロフレポニド、そのエステルおよび塩は、0.1〜20mg、さらに好ましくは0.5〜
10mgの投与量で、1日に1回用量としてまたは2〜4回の分割用量として投与さ
れるのが好ましい。
【0014】 感染後過敏性腸症候群におけるロフレポニド、そのエステルおよび塩の効果を
試験するためには、マウスでの急性線虫感染後における腸神経筋の機能不全をGa
stroenterology 1997, vol.133, p.1224-1232 記載の方法に従って測定する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 DA12 MA01 MA04 MA23 MA31 MA35 MA36 MA37 MA41 MA43 MA52 MA60 NA14 ZA66 4C091 AA02 BB05 CC01 DD01 EE07 FF04 FF13 GG01 HH03 JJ03 KK12 LL01 MM03 NN01 PA02 PA09 PB02 QQ02 QQ07 QQ15

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過敏性腸症候群の処置用医薬の製造におけるロフレポニド、
    そのエステルおよび塩の使用。
  2. 【請求項2】 医薬は経口的にまたは経直腸的に投与される請求項1記載の
    使用。
  3. 【請求項3】 医薬は、ロフレポニド、そのエステルおよび塩の、1日用量
    0.1〜20mgを提供する量を含有する請求項1または2に記載の使用。
  4. 【請求項4】 医薬は単回の1日用量としてまたは2〜4回の分割用量とし
    て投与する請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 ロフレポニドエステルは脂肪酸エステルである請求項1〜4
    のいずれかに記載の使用。
  6. 【請求項6】 ロフレポニドの脂肪酸エステルはロフレポニドパルミテート
    である請求項5記載の使用。
  7. 【請求項7】 過敏性腸症候群に罹患している患者の処置方法において、患
    者に治療有効量のロフレポニド、そのエステルおよび塩を投与することからなる
    方法。
  8. 【請求項8】 ロフレポニド、そのエステルおよび塩を経口的にまたは経直
    腸的に投与することからなる請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 1日用量0.1〜20mgを提供する量からなるロフレポニド
    、そのエステルおよび塩を投与することを含む請求項7または8記載の方法。
  10. 【請求項10】 ロフレポニド、そのエステルおよび塩を単回の1日用量と
    してまたは2〜4回の分割用量として投与する請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 ロフレポニドエステルは脂肪酸エステルである請求項7〜
    10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 ロフレポニドの脂肪酸エステルはロフレポニドパルミテー
    トである請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 有効成分がロフレポニド、そのエステルおよび塩である過
    敏性腸症候群の処置に使用するための医薬処方物。
  14. 【請求項14】 経口的にまたは経直腸的に投与する請求項13記載の医薬
    処方物。
  15. 【請求項15】 1日用量1〜20mgを提供する量のロフレポニド、そのエ
    ステルおよび塩を含有する請求項13または14に記載の医薬処方物。
  16. 【請求項16】 ロフレポニド、そのエステルおよび塩を単回の1日用量と
    してまたは2〜4回の分割用量として投与する請求項15記載の医薬処方物。
  17. 【請求項17】 ロフレポニドエステルは脂肪酸エステルである請求項13
    〜16のいずれかに記載の医薬処方物。
  18. 【請求項18】 ロフレポニドの脂肪酸エステルはロフレポニドパルミテー
    トである請求項17記載の医薬処方物。
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