JP2003520639A - 磁気的に装着可能な部品を有するディスプレイ形体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 磁気的に装着可能な部品を備える、衣服などのディスプレイのための形体が提供される。磁気接合部（１４）は、好ましくは２分の１インチより遠く、好ましくは約１インチの距離で、装着可能な部品が形体に向って引き込まれ始めるのに十分な引き込み強さを有する磁気アセンブリを含む。好ましくは、この磁気アセンブリは、１インチの距離で、少なくとも約１２０ガウスの引き込み強さを有する。このマニキンが倒された場合、または装着部品が引っ張られるかもしくは装着部品に衝撃が加えられた場合、折り取られることなく緩み、そして嵌合部品は使用中に自動的に装着部位に向かい、それゆえ、衣服の下で嵌合している場合でさえ、正しい方向で合わさる。マニキンに、磁気装着の接触強度を上回る十分な衝撃が加えられても、磁気アセンブリの引き込み強さのために四肢は取り外され得ない。指標ピンによって、四肢は種々の位置に位置され得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （関連出願についての相互参照） 本出願は、本明細書と矛盾しない程度に参考として本明細書中で援用される２
０００年１月２６日に出願された米国特許出願番号第６０／１７８／１８７号か
ら、優先権を主張する。

【０００２】 （背景） 衣服または他の商品をディスプレイするための形体またはマニキンは、しばし
ば実物大の比率の、完全な人体またはその部分の模型である。四肢が着脱可能で
ない場合、このような形体に衣服を着せることは困難である。

【０００３】 米国特許第３，０２８，０５８号は、先端が切れた脚および回転する腕ならび
に着脱可能な頭部を有するマニキンを開示する。装着可能な部品を有するマニキ
ンにおいて、少なくとも１本の脚がしばしば取り外し可能なように製造され、腕
が取り外し可能であり、そして胴が２つの部品に製造され得る。手もまた、着脱
可能であり得る。差し込みピン装着は、着脱可能な四肢を形体に装着するための
一般的な手段であり、ここで四肢上の突出物は、形体において適切に形作られた
穴へ挿入され、そして適所にロックするために回転されなければならない。米国
特許第２，５９５，４８５号は、米国特許第２，０８１，０７１号と同様に、こ
の型の留め具を記載する。この方法に関する多数の欠点が存在する。取り外し可
能な部分を装着する操作は、通常、手探りで（例えば、衣服の下から）行われな
ければならない。しばしば、この一旦取り外し可能な部分が適切な位置にロック
されると、四肢が種々の表現豊かな姿勢をとるように変化させることができない
。さらに、四肢に衝撃が加わると、四肢が簡単に壊れ得るか、または形体全体が
倒れて、そして破損され得る。

【０００４】 これらの問題を解決するための１つの試みが、米国特許第５，７２７，７１７
号に記載され、四肢を適所に保つためのサンドイッチ磁石を使用する、マニキン
用の接合部を提供する。雄または雌の輪郭を用いて嵌合表面が提供され、そして
一旦接合部が適所に位置すると、その接合部は回転しない。このデバイスの欠点
は、そのサンドイッチ磁石が、形体使用時に、客または店員により衝撃が加えら
れることによって四肢が簡単に打ち落とされなくするために十分な引き込み強さ
（ｄｅｐｔｈ−ｏｆ−ｐｕｌｌ）を提供していないことである。この四肢に磁石
の接触強度を上回る十分な力が加えられる場合、この四肢は簡単に離れ落ちる。
さらに、この四肢は、装着のためにはかなりの正確さを伴って位置付けられなけ
ればならない。なぜならば、四肢がおおよその正しい位置に位置していた場合、
サンドイッチ磁石は、その位置からの距離では、四肢を適所に引き込むほど大き
な力を及ぼさないからである。このデバイスは、四肢を１８０度離れた２つの位
置に位置付けることができるが、これら両端の間の姿勢で位置付けることはでき
ない。さらに、手首および足首のような小さな接合部で装着部を固定することに
関して、この特許に記載されるサンドイッチ磁石を用いて十分な強度を提供する
ことは困難であり、そしてそのようなサンドイッチ磁石の重量対強度比は良くな
い。

【０００５】 形体に取り外し可能な四肢を装着するための軽量手段が必要である。この軽量
手段によって、取扱者が四肢を動かして適切に配置させる場合、この四肢を簡単
に適所へ取り付けることが可能になり、この軽量手段は、衝撃が加わることによ
って四肢が簡単に払い落とされない十分な力で保持するが、十分な力が加わわる
場合にこの四肢の着脱が可能になり、そうでなければ、形体全体を倒しかつ破損
させる。

【０００６】 本明細書中に参照される全ての刊行物は、本明細書と矛盾しない程度に参考と
して援用される。

【０００７】 （発明の要旨） 磁気システムによって形体に装着する取り外し可能な部分を有する形体が提供
され、この磁気システムは、少なくとも１インチの距離または、他の実施形態に
おいて２分の１インチより遠い距離（例えば、約４分の３インチの距離）で、取
り外し可能な部分を装着部位に向かわせる（すなわち、誘引材料へ動き始める）
のに十分な引きこみ強さを有する磁気アセンブリを備える。１つの実施形態にお
いて、この引き込み強さは、１インチで約１２０ガウス、より好ましくは、１イ
ンチで約２００ガウスより大きく、最も好ましくは、１インチで約２４０ガウス
である。上記磁気アセンブリは、上記形体または上記取り外し可能な部分上に位
置付けられる。上記磁気システムはまた、上記磁気アセンブリと嵌合するように
、上記形体または上記取り外し可能な部分の他方上に誘引材料を備える。

【０００８】 「形体」は、ヒトまたは動物、あるいはデザインされたヒトまたは動物の形を
とり得るマニキンである。取り外し可能な部分は、形体の任意の一部分であり得
、そして好ましくは、以下からなる群より選択される：腕、上腕、上肢、手、脚
、大腿、下肢、脚、頭部、胴および骨盤。

【０００９】 誘引材料は、鋼、鉄、または当該分野で公知の他の磁気的に接着する材料であ
り得、そして形体の取り外し可能な部分または本体の他方上に位置付けられ、そ
して対応する磁気アセンブリと嵌合するように設計される。磁気アセンブリおよ
び誘引材料はまた、磁気四肢の一端または両端上に配置され、その結果四肢の一
部は互いに（例えば、手から上肢、上肢から上腕へ）装着され得る。所定の着脱
可能部分は、完全な形体を組み立てることが必要とされる場合、誘引材料からな
る１つ以上の構造、１つ以上の磁気アセンブリ、これらのうちの１つ、または任
意のそれらの組み合わせを備え得る。

【００１０】 誘引材料は、好ましくは、金属の部分であり、好ましくは、少なくとも約８分
の１インチの厚さを有する鋼円板である。より薄い材料は、より弱い強度の磁気
結合をもたらす。より厚い部分が使用され得るが、より重くかつより高コストな
接合部がもたらされることになる。

【００１１】 磁気アセンブリの引き込み強さ（ｄｅｐｔｈ−ｏｆ−ｐｕｌｌ）は、磁気アセ
ンブリから所定の距離の点で、磁気材料によって及ぼされる力の量である。この
磁気アセンブリは、好ましくは、１インチで少なくとも約２００ガウスの引き込
み強さ、そしてより好ましくは、１インチで約２４０ガウスの引き込み強さであ
る。この引き込み強さは、磁気アセンブリを装着材料と非常に素早くかつ強く係
合させることによって、取扱者の指をはさむことを避けるために、好ましくは、
１インチで約２５０ガウス以下である。

【００１２】 引き込み強さに加え、磁気アセンブリはまた、接触強度を有し、この接触強度
は、磁気アセンブリを誘引材料との直接的な接触から引き離すために必要な力の
量である。好ましくは、成人サイズの腕を形体に接合するために、磁気アセンブ
リは少なくとも約６０〜１２０ポンド、より好ましくは、少なくとも約８５ポン
ド、そして最も好ましくは、少なくとも約１００ポンドの接触強度を有する。こ
の接触強度は、好ましくは約１２０ポンド以下である。肩キャップについては、
形体に腕が必要でない場合に肩接合部を覆い隠すために使用され、接触強度は、
好ましくは、約２０ポンド以下である。必要な接触強度の量は、四肢を適所に保
持しかつ四肢が通常の使用中に簡単に払い落とされないのに十分であるべきであ
り、そして四肢が取扱者によって手動で外されないほど大きくはない。

【００１３】 適切な接触強度は、本出願によって、当業者により容易に確かめられる。磁気
の特性および設計の考察は、ｗｗｗ．ｍａｇｎｅｔｓａｌｅｓ．ｃｏｍで見出さ
れる。

【００１４】 従来技術の磁気的な四肢の装着部は、適切な接触強度を有する磁石を利用して
いる一方、適切な引き込み強さの必要性はこれまで認識されておらず、また適切
な引き込み強さを備えるデバイスも提供されていない。

【００１５】 本明細書中で使用されるように、引き込み強さは、磁気材料からの種々の距離
における空気中（誘引材料の非存在下）で測定されたガウス示数によって定義さ
れる。

【００１６】 幼児の手首接合部、成人の腕、脚、頭部または異なるサイズの断面を有する他
の部分に対して適合するように設計された、より大きいまたは小さい磁気アセン
ブリには、より多くのまたは少ない量の誘引材料が使用され、必要な引き込み強
さを提供し得る。好ましくは、磁気アセンブリは、好ましい実施形態について本
明細書中に記載されるように、アレンジされ、適切に拡大されるか、または縮小
される。しかしながら、当業者によって理解されるように、他の材料および構成
が使用され得る。

【００１７】 適切な磁気材料の選択に伴って、接合部の接触強度が変化（例えば、約０．５
ポンドから１８０ポンドまで）し得るので、カップ設計は、種々の接合部サイズ
に適合するのに特に有用である。

【００１８】 適切な接触強度を提供するための磁気アセンブリの磁気材料および構成は、過
度の実験を行うことなく、本明細書中で考察される原理および当業者に公知の原
理に従って、当業者によって容易に確かめられ得る。

【００１９】 磁気的に装着可能な部品を有する本発明のマニキンは、以下の利点を有する：
このマニキンが倒される場合、もしくは誰かが装着される部品をはめる場合、装
着部が折り取られることなく緩む；そしてその嵌合部は使用中に自動的に引きつ
け合い（ｓｅｌｆ−ｓｅｅｋｉｎｇ）、それゆえ、衣服の下で嵌合している場合
でさえ、正しい方向で合わさる。一般的に、マニキンは、腕を取り外されて衣服
を着せられ、次いで、この腕は、腕を見て正しく配置し得るドレッサー（ｄｒｅ
ｓｓｅｒ）なしで、「手探り」で袖の内側へ挿入されかつ位置付けられなければ
ならない。本発明の磁気嵌合部品の、自動的に引きつけ合う特徴は、衣服を簡単
に着せるためにかなり助けとなり、そしてマニキンドレッサーのためのかなりの
時間が節約される。

【００２０】 それらの好ましい実施形態において、極部分として作用する、円形カップを備
えるカップ磁気アセンブリが提供される。このカップの形は、前方（カップの頂
部縁）へ向かって磁気エネルギーを集中し、磁力の漏れを最小限にする。カップ
が円形である必要はなく、正方形、長方形、卵形、多角形、または他の形でもあ
り得る。カップ内の磁気材料は、磁力を生じる。ストロンチウムフェライトセラ
ミック磁石、ネオジミウムおよびサマリウムコバルトを含む多くの磁気材料は、
当該分野に公知である。性能およびコストを最適化するために、既知の磁気材料
の組み合わせ（例えば、ストロンチウムフェライトセラミック、フェライトのよ
うなより弱い力の磁石と、ネオジミウムまたはストロンチウムコバルトのような
より強い力の磁石との組み合わせ、あるいはアルニコ（ａｒｎｉｃｏ）または他
の中程度の力の磁石のいずれかを含む型）が使用され得る。

【００２１】 カップアセンブリは、使用される磁石を全て利用するために、磁場を外縁へ押
しやり得る。

【００２２】 カップ内に取り付けられる磁石（例えば、環状磁石（例えば、比較的小さい引
き込み強さを有するストロンチウムフェライト環のような、セラミック磁石）を
、好ましくは、カップの側面と接触しないで使用して、磁石に接触強度を提供し
得る。当業者に明らかになるように、磁気材料の他の型、またはそれらの組み合
わせがまた、使用され得る。磁気材料の形は変化し得る；しかしながら、その磁
気材料は、カップの頂部まで延ばすべきではない。なぜならば、その磁気材料が
誘引材料と直接的に接触すると、磁気材料の極の配向性に依存して、磁力のいく
らかが失われるか、または接触強度が許容範囲を超えるレベルまで増強され得る
かのいずれかであるからである。２．５インチの直径および２分の１インチの高
さを有するカップ型極部分を含む好ましい実施形態において、磁気材料とキャッ
プの頂部との間に約０．１５インチのギャップが存在する。

【００２３】 より大きな引き込み強さを提供するために、環状磁石と接触しているが、極部
分（カップの外縁）との直接接触から分離されている強い引き込み強さを有する
さらなる磁気材料が、提供され得る。マニキン接合部のサイズが制限されるので
、磁気アセンブリのサイズが制限され、そしてカップ形状の極部分内の空間を維
持することが通常必要となる。本発明の好ましい実施形態においてストロンチウ
ムフェライトセラミック磁石のみを使用すると、代表的なマニキン接合部内には
大きすぎて適合できない極が必要になり得る。従って、引き込み強さを提供する
ためのさらなる磁気材料は、好ましくは、セラミック磁石よりもより大きな引き
込み強さを提供する磁石から作製される。ネオジミウム磁石（例えば、ネオジミ
ウム−鉄−ボロン磁石）が、好ましい。これらの磁石は、極の側面からの分離が
維持されかつ所望の引き込み強さが達成される限り、環状、放射状の円弧部分、
または任意の他の所望の形状の形態であり得る。好ましい実施形態において、磁
気アセンブリは、さらなる磁気材料として、互いに反対側に対称的に配置され、
そして環状磁石において約４５〜９０℃の円弧にわたる２つのネオジミウム円弧
部分を備える。このようなさらなる磁気材料のサイズは、当業者に明らかである
か、または本明細書中に提供される情報を使用して過度の実験をせずに容易に確
かめられるような、必要とされる引き込み強さを提供するように選択される。さ
らなる磁気材料からの磁力が、実質的に極部分を通って伝導されないように、さ
らなる磁気材料は、極部分から十分な距離に離される。好ましくは、さらなる磁
気材料は、本発明の好ましい実施形態においては、このさらなる磁気材料は、極
部分から少なくとも約８分の１インチ離され、この実施形態は、２分の１インチ
の高さおよび２．５インチの直径を有する、円形カップ形状の曲部分の使用を包
含する。

【００２４】 当業者に容易に理解されるように、安価なセラミック材料は、より強い磁気材
料と全体的に置換され得、それによりカップのサイズは、減少され得るが；一定
割合の各種の材料を使用することで、費用が最適化される。

【００２５】 磁気アセンブリの組込みを容易にするために、磁気アセンブリは、好ましくは
、溶接または当該分野で公知の他の手段により装着されるフランジを備え、この
フランジは、溶接されるとき、そうでなければ製造されるときに形体の材料によ
り覆われ、磁気アセンブリの残りの部分は覆われないままである。このフランジ
は、両側上に延びるようにカップアセンブリの底部に溶接された金属または他の
材料の１つ以上の部分、または少なくとも一方の側上で外に延びるようにカップ
の底部に装着された金属または他の材料の単一の部分を備え得る。

【００２６】 磁気アセンブリの頂部は、好ましくは、平面を規定し、そして誘引材料は、好
ましくは、磁気アセンブリと嵌合するための平坦な表面を表わす。金属、プラス
チックまたは任意の他のシート状材料の蓋を使用して、磁気アセンブリを覆い得
る。好ましくは、誘引材料は、鋼または磁気的に誘引される材料の円板の形態で
ある。誘引材料はまた、形体の材料に固定するためのフランジまたはその材料か
らの他の突出部を有し得る。

【００２７】 誘引材料の平坦な表面および磁気アセンブリの頂部は、互いに接触する。磁気
アセンブリおよび誘引材料の各々は、嵌合ピン（単数または複数）および任意の
指標ピン（単数または複数）を備えられ得、これらは、誘引材料または磁気アセ
ンブリの他方にある対応する穴と嵌合する。嵌合ピンは、好ましくは中心に位置
し、カップ磁石の底部から上方に延びる。このピンが嵌合穴の縁に接触する場合
に、対応する嵌合穴への設置を容易にするために、このピンは、好ましくは丸く
されるかまたは角をそがれる。指標ピン（単数または複数）は、同様に丸くされ
るか角をそがれる。複数の指標穴は、取り外し可能な四肢が異なる位置に配置さ
れ得るように提供され得る（例えば、腕は下方、外側または上方に延ばされ得、
手は丸められ得るかまたはひっくり返され得る、など）。

【００２８】 所望の場合、磁気アセンブリと誘引材料との間の磁気的引力の方向に保持力を
提供するために、さらなる手段が、磁気システムに提供され得る。このようなさ
らなる手段としては、これらの構成要素の平坦な表面上のベルクロ（登録商標）
帯状片、接着性帯状片または他の材料、あるいは穴およびピン内に、ラッチまた
は当該分野で公知の他の手段が挙げられ得る。

【００２９】 磁気アセンブリおよび誘引材料は、装着される接合部に適合するように寸法決
めされ得る。例えば、より小さく変形したものが、手首および足首において使用
され得る。全体の比率に対するより強い磁気を有する材料の割合は、より小さい
サイズを使用してより強い磁気的結合を可能にするために増加され得る。

【００３０】 形体の取り外し可能な部分を装着するための方法もまた本明細書に提供される
。この方法は、装着されるべき部分を配置して、それらを磁力により適所に保持
させる工程、または適切な配置に磁気的装着システムを配置する工程、および磁
力により嵌合を完全にする工程を包含する。適切な配置とは、その距離における
磁場の強さ（引き込み強さ）が、部品を共に引き込むために十分になる程度に、
構成要素（磁気アセンブリおよび誘引材料）が、十分近接しているということを
意味する。具体的には、磁気的引き込みは、構成要素が少なくとも約１インチ離
れて配置される場合に感知されるべきである。部分を「装着部に向かわせる」の
に十分な引き込みが存在する場合、取外し可能な部分と形体との間の距離が約２
分の１インチより大きく、そして好ましくは１インチの約３分の２または４分の
３より大きいことが、しばしば望ましい。これらの距離より高い精度は、取扱者
が部品を「手探りで」（すなわち、衣服の下で）配置しようと試みる場合に、達
成することが困難である。

【００３１】 （詳細な説明） 本発明は、磁気的に装着可能な部品を有するマニキンを提供する。以下からな
る群から選択される１つ以上の四肢が、磁気的に装着され得る：腕全体、前腕、
上腕、脚全体、下肢、足、手、および頭部、指、つま先、および顔。超現実的な
特徴（例えば、翼、空想上の動物の部品など）もまた、本発明の磁気的に装着可
能な部品であり得る。接合部キャップ（例えば、肩キャップ）もまた装着可能で
あり得る。好ましい実施形態において、腕全体は、磁気的に装着可能である。

【００３２】 磁気装着部は、以下の２つの嵌合部分を備える：磁石に接着し得る材料（本明
細書中では「誘引材料」という）（例えば、鋼、鉄、または当該分野で公知の他
の磁気的に接着性の材料）；および１つ以上の磁石または磁化された材料（本明
細書中では「磁気材料」という）。これらは、装着可能な部品が約１インチの距
離で装着部位に向かい（ｓｅｅｋ ｈｏｍｅ）始めるのに十分な引き込み強さ（
好ましくは１インチで約１２０ガウス）を提供するように選択されそして配置さ
れる。選択された磁気材料のこの構成は、本明細書中で磁気アセンブリといわれ
る。

【００３３】 磁気材料は、業界で標準であるように、費用および性能を最適化するように選
択され得る。表１は、いくつかの磁気材料を列挙し、コストおよび保磁強度を比
較する。

【００３４】

【表１】 当業者に理解されるように、極部分に対する磁気材料の配置が、磁束の流れお
よび強度に影響し、従って接触強度および引き込み強さの両方の点で磁気アセン
ブリの強度に影響する。磁気材料と極部分との間にエアギャップを置くこともま
た性能に影響する。例えば、カップ磁気アセンブリにおいて、セラミックまたは
ネオジミウム成分をカップの側面に接触させる場合、磁力線のいくらかは、側面
を通って短絡し、カップの外縁部に到達して越すことはなく、従って誘引材料中
に流入して保持することができない。しかし、磁気材料は、必要とされる場合、
カップの側面に接触され得、磁気アセンブリの強度を調節する。

【００３５】 磁石は、互いに対しておよび極部分（単数または複数）に対する所望の関係で
、当該分野で公知の手段（例えば、接着剤）により固定され得る。

【００３６】 好ましくは、嵌合部品はまた、これらの部品のうちの１つの外面から突出する
少なくとも１つの嵌合ピンを備え、この嵌合ピンは、他方の部品上で適合するよ
うに寸法決めされた穴中に嵌合する。

【００３７】 １つ以上の指標ピンはまた、部品のうちの１つの外面から突出し得、そして他
方の部品上の適合するように寸歩決めされた穴中に嵌合する。このように、四肢
は、種々の姿勢およびポーズをディスプレイするために調節され得る。

【００３８】 好ましくは、嵌合部品は、実質的に平坦な円板の形状であり、これは、形体の
材料に埋め込ませるためのフランジを備え得る。誘引材料は、嵌合のための平坦
な面を有する円板であり得、そして磁気アセンブリは、好ましくは、この平面と
嵌合する。好ましい実施形態において、磁気アセンブリは、内部に配置される磁
石を有する、鋼のような材料から作製されたカップ構造を備える。好ましくは、
磁石は、カップの頂部を超えて外側には延びない。

【００３９】 嵌合部品は、好ましくは円形であるが、任意の形状（例えば、装着される四肢
の断面の形、長方形、卵形、または他の形状）であり得、共に入れ子状になり得
るソケット、または円筒形を提供するために、嵌合する凹部およびと凸部を有す
る形状を含む。

【００４０】 磁気アセンブリの引き込み強さはまた、部分を接合させて容易に「装着部位に
向かう」こと（すなわち、おおよその位置に配置された場合に、部分自体を適切
な配置に引き込むこと）を可能にするために重要である。マニキンに衣服を着せ
る場合に、取扱者が正確な配置を達成することは困難である。なぜならば、接合
される部品は、衣服によってしばしば覆い隠されるからである。引き込み強さは
、部品がおよその位置に配置されて、２分の１インチよりはなれた距離にある場
合、好ましくは３分の１以上離れた距離にある場合に、より好ましくは４分の３
インチ以上離れ、そして最も好ましくは、少なくとも１インチ離れた距離にある
場合に、共に移動し始めるのに十分であるべきである。引き込み強さは、取扱者
に外傷を負わせるほど大きくはなく、そして部分が引き合い始める前に、部分が
ほとんど接触する配置（例えば、４分の１インチ離す）に置かれることを必要と
するほど小さくもない。

【００４１】 当該分野で公知の原理を使用して、磁力を調節し得る（例えば、受容する材料
の厚さ、使用される磁気材料の種類、および使用される磁気材料の質量）。

【００４２】 好ましくは、フランジは、嵌合部品から外側に延び、その結果マニキン本体が
その周りに成形され得る。あるいは、嵌合部品は、当該分野で公知の任意の手段
（ネジ、溶接、接着剤などを含む）によりマニキンに接着され得る。

【００４３】 磁気的に装着可能な部品を備えるマニキンは、嵌合部品を支持し得る材料（好
ましくは、成形されたポリマー材料）から作製される。磁気的に装着可能な部品
を備える本発明のマニキンは、通常の人体の模造品であり得るか、または１つ以
上の部品（例えば、頭部、足、下肢、または上記で列挙した他の部分）を欠失し
得る。

【００４４】 誘引材料は、マニキンの胴体または大きな本体部品上にあり得、そして磁気材
料は、装着されるべきより小さな部品上にあるか、あるいはその反対でもある。
本発明の１つの実施形態において、マニキンは、人体において通常関節でつなが
れ得る接合部の一部または全てにおいて、磁気嵌合部品を備える。

【００４５】 図１Ａは、嵌合する磁気部分を備える本発明のマニキンの正面図を描写する。
誘引材料は金属板１２であり、そして磁気アセンブリ１４はそれらに嵌合される
。嵌合部分は、頭部１０と首１５の間、肩接合部３６で胴２０と上腕２２の間、
肘接合部２６で上腕２２と上肢２４の間、手首２８で上肢２４と手３０の間、胴
２０と骨盤４０の間、骨盤４０と大腿５０の間、膝接合部５４で大腿５０と下肢
６０の間、そして足首接合部６４で下肢６０と足６２の間に存在する。嵌合ピン
１８および指標ピン１６が左肩の磁気アセンブリ１４中に表される。

【００４６】 図１Ｂは、本発明のマニキンの側面図を表し、首１５で、肩３６で、および肘
２６で装着された金属板１２を表し、そして、肩３６で金属板１２中に示される
対応する指標穴３４に適合する磁気要素（示されない）中の指標ピンを使用して
、達成される腕に対する種々の位置を示している。この金属板１２はまた、嵌合
穴３２を表す。

【００４７】 図２Ａは、カップの形体中の極部分７０からなる本発明の磁気アセンブリ１４
を示す。カップ内は、カップの側面および底部と接触する環状磁石７２である。
頂部の環状磁石は、空間７８によってカップの外縁（ｏｕｔｅｒ ｒｉｍ）から
離される２つのネオジミウム磁石７４である。図２Ｂは、図２Ａの磁気アセンブ
リの側面図であり、環状磁石７２がネオジミウム磁石７４の下にあることを表し
、そしてこのネオジミウム磁石がカップの頂部にまで延びないことを示す。

【００４８】 好ましい実施形態において、カップは、重量１１４．５ｇで、２．５インチの
直径を有し、そして嵌合ピンが延びて通る中心に直径約０．５インチの穴を有す
る鋼カップである。環状磁石は、ストロンチウムフェライトであり、８５．５８
ｇの重量である。２つのネオジミウム磁石は、それぞれ１７．９ｇの重量である
。ステンレス鋼は板を覆い（示されない）１２．５ｇの重量で、嵌合ピンは１６
．４ｇの重量であり、指標ピンを有するフランジは重量２８．０ｇであり、そし
てアセンブリ全体の重量は２９３ｇである。

【００４９】 図３Ａは、マニキンの材料中のアセンブリを固定するためのフランジ７６、誘
引材料（金属板）中の対応する嵌合穴と嵌合するための嵌合ピン１８、および金
属板中の対応する指標穴と嵌合するためのフランジ７６上の指標ピン１６を備え
る磁気アセンブリを示す。図３Ｂは、図３Ａの磁気アセンブリ１４の側面図であ
り、指標ピン１６の杭端１７および嵌合ピン１８の杭端１９を示す。

【００５０】 図４は、マニキンの材料内に埋め込むためのフランジ７７を備えるカップ１３
に装着された磁気アセンブリ１４および金属板１２を示す。磁気システムが使用
中の場合、この嵌合ピン１８および指標ピン１６は、そこに提供される嵌合穴３
２および指標穴３４を通って、金属板１２中へ延びる。磁気アセンブリ１４は、
マニキンの材料内に埋め込むためのフランジ７６を備えている。磁気アセンブリ
１４は、極部分７０、環状磁石７２、ネオジミウム磁石７４、嵌合ピン１８、指
標ピン１６、および蓋７５を備える。嵌合ピン１８は、蓋７５を適所に保持する
ための肩２１を備える。

【００５１】 好ましくは、金属板は、フランジ７７を備える嵌合カップ１３に含まれ、嵌合
ピンおよび指標ピンのための適切な凹部を提供する。好ましくは、板は、３．５
インチの直径を有し、そして嵌合ピンを適合するために、中心に約０．５インチ
の直径を有する穴を有する。嵌合板は、フランジを介して形体の材料に埋め込ま
れ得るか、またはネジで留められ得るか、さもなければこの目的のために形体内
に成型された構造へ装着され得る。

【００５２】 図５は膝接合部５４の右側面図を表し、指標穴３４および嵌合穴３２を有する
大腿５０中の金属板１２を示す。

【００５３】 図６Ａは、セラミック磁石８２および鋼極部分８４からなる従来技術のサンド
イッチ磁石の端面図を示す。磁力線８６は、どのように磁力が磁石から極部分に
及び、そして極部分間の空気を通過して頂部を横切り、同様にマニキン８８の材
料を通過して底部を横切るかを示す。この型の磁石は、適切な接触強度を提供し
得るが、小さい引き込み強さしか提供し得ない。磁極は、ＮおよびＳとして示さ
れる。

【００５４】 対照的に、図６Ｂは、磁力線８６が極部分７０の縁から上方に延びて大きな引
き込み強さを提供する本発明の磁気アセンブリ１４を表す。嵌合ピン１８および
指標ピン１６もまた、この図において示される。磁極は、ＮおよびＳとして示さ
れる。

【００５５】 本発明のデバイスを製造するために、磁気アセンブリの構成部分は、接着剤で
接着されるか、またははんだ付けされるか、または他の方法で接着され得る。次
いで、好ましくは、フランジまたはそれらの他の突出物周辺でマニキンを成型す
ることによって、金属板および磁気アセンブリはマニキンに固定されるが、これ
らの構成部分はまた、全て当該分野で公知のようなネジ、接着剤など他の手段に
よって、マニキンに装着され得る。

【００５６】 本発明の磁気接合部を使用するために、２つの部品がおおよそで配置され、次
いで磁気アセンブリの引き込み強さが、対応する穴内の嵌合ピンおよび指標ピン
を用いて、部品を適所に引き込む。複数の指標穴が提供され得、それゆえ四肢が
いずれか一つの位置に位置し得る。

【００５７】 （実施例） ガウスメーターを使用して、本発明の磁気アセンブリの接触強度および引き込
み強さを試験し、そして従来のサンドイッチ磁石の接触強度および引き込み強さ
と比較した。図６は、測定を行った点を表す。図７Ａは、Ｎ（北）およびＳ（南
）を記された極を有する、本発明の磁気アセンブリを示す。直径２．５インチの
磁気アセンブリの中心から約４分の１インチに位置付けられるアスタリスク９０
は、最も強い引き込み強さの力が、中心からこの距離で測定されたことを示す。
極部分７０の外辺部上の円９２は、最も強い接触力がこの外辺部で測定されるを
示す。図７Ｂは、従来技術のサンドイッチ磁石を示す。アスタリスク９４は、最
も強い引き込み強さの力が測定されたところを示す。この点はまた円９６に対応
し、この点は、最強接触力が測定されたところを示す。本発明の磁石は、０．５
８１ポンドの重量である。サンドイッチ磁石は、１．１８７ポンドの重量である
。結果を表１に示す。

【００５８】

【表２】 これらの結果は、本発明によって提供される優れた引き込み強さを表す。サン
ドイッチ磁石の重量は本発明の磁気アセンブリの約２倍もあるという事実にも関
わらず、磁石から８分の１インチで、サンドイッチ磁石の力が劇的に減り始める
。

【００５９】 本発明を、種々の特定の構成部分を用いて例示したが、代替的な構成および方
法が記載されるものと置き換えられ得、かつ記載されるものと等価であることは
、当業者によって理解されるであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、取り外し可能でかつ調節可能な四肢を有する本発明の形体を示す。図
１Ａは、正面図を示し、そして図１Ｂは、側面図を示す。

【図２】 図２は、本発明のカップ磁石磁気アセンブリの一部を示す。図２Ａは、頂部平
面図を示し、そして図２Ｂは、側面図を示す。

【図３】 図３は、本発明のカップ磁石磁気アセンブリを示し、これは、フランジ、嵌合
ピン、および指標穴を備える。図２Ａは、平面図であり、そして図２Ｂは、側面
図である。

【図４】 図４は、誘引材料と嵌合された本発明の磁気アセンブリを示す。

【図５】 図５は、金属製プレートを示す膝接合部の側面図である。

【図６】 図６Ａおよび図６Ｂは、従来技術の形体装着磁石アセンブリと、本発明の磁石
アセンブリとにおける磁力線を比較し、より大きな引き込み強さがどのようにし
て本発明において達成されるかを示す。

【図７】 図７Ａおよび図７Ｂは、従来技術のサンドイッチ磁石および本発明の磁気アセ
ンブリについて引力の最も強い点における引き込み強さを比較する。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１３年１２月４日（２００１．１２．４）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００５７

【補正方法】変更

【補正の内容】

【００５７】 （実施例） ガウスメーターを使用して、本発明の磁気アセンブリの接触強度および引き込
み強さを試験し、そして従来のサンドイッチ磁石の接触強度および引き込み強さ
と比較した。図７Ａおよび７Ｂは、測定を行った点を表す。図７Ａは、Ｎ（北）
およびＳ（南）を記された極を有する、本発明の磁気アセンブリを示す。直径２
．５インチの磁気アセンブリの中心から約４分の１インチに位置付けられるアス
タリスク９０は、最も強い引き込み強さの力が、中心からこの距離で測定された
ことを示す。極部分７０の外辺部上の円９２は、最も強い接触力がこの外辺部で
測定されるを示す。図７Ｂは、従来技術のサンドイッチ磁石を示す。アスタリス
ク９４は、最も強い引き込み強さの力が測定されたところを示す。この点はまた
円９６に対応し、この点は、最強接触力が測定されたところを示す。本発明の磁
石は、０．５８１ポンドの重量である。サンドイッチ磁石は、１．１８７ポンド
の重量である。結果を表２に示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 バーバー， ジェイムズ ディー． アメリカ合衆国 コロラド 80503， ロ ングモント， ブリガドゥーン ドライブ ６−99 (72)発明者 タラリック， ジェイムズ アメリカ合衆国 コロラド 80027， ル イスビル， マナーウッド レーン 638

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気システムによって形体に装着する取り外し可能な部分を
   有する形体であって： （ａ）該取り外し可能な部分が、該形体から少なくとも約１インチの距離で装
   着部位に向かい始めるのに十分な引き込み強さを有する、磁気アセンブリであっ
   て、該磁気アセンブリは、該形体上かまたは該取り外し可能な部分上に位置付け
   られる、磁気アセンブリ；および （ｂ）該磁気アセンブリと嵌合するように、該形体または該取り外し可能な部
   分の他方上に位置付けられる誘引材料、 を有する形体。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の形体であって、ここで、前記引き込み強さ
   は、前記取り外し可能な部分を、１インチの約３分の２より遠い距離で前記装着
   部位に向かわせるのに十分である、形体。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の形体であって、ここで、前記引き込み強さ
   は、前記取り外し可能な部分を、１インチの約半分より遠い距離で装着部位に向
   かい始めさせるのに十分である、形体。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の形体であって、ここで、前記磁気アセンブ
   リが、１インチの距離で約２００ガウス〜約３８０ガウスの引き込み強さを有す
   る、形体。
5. 【請求項５】 請求項１に記載の形体であって、ここで、前記磁気アセンブ
   リが、３／４インチの距離で少なくとも約３８０ガウスの引き込み強さを有する
   、形体。
6. 【請求項６】 請求項１に記載の形体であって、ここで、前記磁気アセンブ
   リが、約０．５ポンド〜約１８０ポンドの接触強度を有する、形体。
7. 【請求項７】 請求項１に記載の形体であって、ここで、前記磁気アセンブ
   リが、極部分として作用する円形カップを備えるカップ磁気アセンブリである、
   形体。
8. 【請求項８】 請求項７に記載の形体であって、ここで、前記磁気アセンブ
   リが、少なくとも１つのネオジミウム磁石を備える、形体。
9. 【請求項９】 請求項１に記載の形体であって、ここで、前記磁気システム
   が、平坦な円形面を呈する前記磁気アセンブリと嵌合するための誘引材料の円板
   を備える、形体。
10. 【請求項１０】 請求項９に記載の形体であって、ここで、前記磁気システ
    ムが、前記磁気アセンブリまたは前記円形面の一方上の少なくとも１つの指標ピ
    ン、および該磁気アセンブリまたは該円形面の他方上の、該指標ピンと嵌合する
    ように位置付けられる指標穴を備える、形体。