JP2003520571A - ポリペプチドの発現及び分泌のためのペクチン酸リアーゼ - Google Patents

ポリペプチドの発現及び分泌のためのペクチン酸リアーゼ

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ドルベルウ ラスムッセン,ミカエル
エスクランズ ビョエルンバド,マス
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Abstract

(57)【要約】 外性ポリペプチドに融合された天然ペクチン酸リアーゼを含んで成る融合タンパク質の向上した生産のための細胞及びかかる融合タンパク質の生産方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は融合タンパク質の発現を介するポリペプチドの微生物生産に関する。
より詳しくは、本発明は外性ポリペプチドに融合された天然ペクチン酸リアーゼ
を含んで成る融合タンパク質の生産の向上のための細胞、並びに融合タンパク質
及び/又はポリペプチドの生産方法に関する。
【0002】 発明の背景 タンパク質又はポリペプチドは現在多種多様な要領で工業的に生産されており
、全てタンパク質を産生する微生物の培養を包含する。工業的タンパク質を最適
化するいくつかの方法、例えば増殖培地の操作、突然変異等による微生物の改変
、所望のタンパク質をコードする遺伝子の発現に影響を及ぼすプロモーターやシ
グナル配列等の遺伝的要素の変異、更にはタンパク質の安定性又は活性等を高め
るための遺伝子自体の操作等が当業界において公知であり、且つ日常的に利用さ
れている。
【0003】 融合タンパク質は、本来獲得するのが困難なタンパク質、一例として活性ヒト
抗体を生産するための手段として既に発表されている(Goshorn, S.C. ら、Canc
er Research, (1993) Vol. 53 (9) pp. 2123-2127)。
【0004】 本発明の課題はポリペプチドを高収率で生産するための微生物学的方法に関す
る。
【0005】 発明の概要 本発明者は次のようなバチルスペクチン酸リアーゼを同定した。それは高収率
で生産されることができ、そして単離された第一DNAセグメントによりコード
される。このDNAセグメントは外性起源のポリペプチドをコードする第二DN
Aセグメントと一本のオープンリーディングフレームとなるように融合されてい
てよい。この融合は適当な条件下で高収率において産生されうる融合タンパク質
をコードするDNA配列をもたらす。
【0006】 更に、本発明者は所定のアミノ酸配列が、ペクチン酸リアーゼと外性ポリペプ
チドとの間に導入されたときにタンパク質分解切断のための標的部位を担うこと
ができることを見い出した。
【0007】 従って、第一の観点において、本発明は一本のオープンリーディングフレーム
へと順次融合された少なくともペクチン酸リアーゼ、タンパク質分解切断標的部
位及び外性起源のポリペプチドといった要素をコードするDNA配列を含んで成
る細胞に関する。
【0008】 本発明者は更に、所定の状況下でかかる融合タンパク質の安定性を高めるアミ
ノ酸リンカーをペクチン酸リアーゼと外性ポリペプチドとの間に含ませることに
も成功した。
【0009】 従って、第二の観点において、本発明は一本のオープンリーディングフレーム
へと順次融合された少なくともペクチン酸リアーゼ、2個以上のアミノ酸のリン
カー、タンパク質分解切断標的部位及び外性起源のポリペプチドといった要素を
コードするDNA配列を含んで成る細胞に関する。
【0010】 第三の観点において、本発明はタンパク質を生産するための方法に関する。こ
の方法は下記の工程を含んで成る: i)一本のオープンリーディングフレーム(ORF)へと順次融合された少な
くともペクチン酸リアーゼ、タンパク質分解切断標的部位及び外性起源のポリペ
プチドといった要素をコードするDNA配列を含んで成る適当な細胞を構築し; ii)工程(i)で構築した細胞を増殖及び分泌のための適当な条件下で培養し
; iii)かかるタンパク質を回収し;そして iv)任意的にかかるタンパク質を上記標的部位において切断する。
【0011】 本発明の細胞又は方法を利用することにより、所望の外性ポリペプチド、例え
ばホルモン、機能性ホルモン類似体、酵素及び人工ポリペプチドを高収率で生産
することが可能となり、かくして生産経済性を高め、又は所定のポリペプチドに
関しては、かかる所望のポリペプチドの実用的な開発を経済的に実現できるもの
にさえすることができる。
【0012】 定義: 本発明の詳細な態様の説明に入る前に、本発明の主たる観点に関連する特定の
用語の定義を提供する。
【0013】 本明細書の中で用いる語「細胞」又は「株」とは、単独生存細胞又は単独の生
存細胞の栄養増殖により発生した生存細胞の集団を意味する。
【0014】 本明細書の中で用いる語「DNA配列」又は「DNAセグメント」又は「DN
A要素」とは、デオキシリボ核酸(DNA)の特定の鎖の中の4つの塩基、アデ
ニン(A)、チミン(T)、グアニジン(G)及びシトシン(C)の配列順序を
意味し、それはこの配列又はセグメント又は要素によって特徴付けられる。
【0015】 本発明との関係で、「遺伝子」又は「オープンリーディングフレーム」なる語
は、細胞内でポリペプチド又はタンパク質へと発現されることのできるDNAの
鎖を意味する。従って、かかる遺伝子又はオープンリーディングフレームは開始
コドン(通常は「ATG」、「GTG」又は「TTG」)から出発して停止コド
ン(通常は「TAA」、「TAG」又は「TGA」)で終えるものとして定義さ
れるであろう。
【0016】 本明細書の中で用いる語「ポリペプチド」又は「タンパク質」とは、RNAポ
リメラーゼによるオープンリーディングフレーム又は遺伝子のメッセンジャーR
NAに至る転写、かかるメッセンジャーRNAのリボソームによる、アミノ酸の
逐次的な付加及びペプチド結合によるその連結を介する翻訳により得られる発現
生成物を意味する。このプロセスは当業界では「セントラルドグマ」として知ら
れる。
【0017】 遺伝子が発現されるためには、当業界において公知の通り、この遺伝子に連結
された、細胞内でのこの遺伝子の発現のために必須の要素がなくてはならない。
このような標準的な要素には、プロモーター、リボソーム結合部位、終止配列が
挙げられ、更には当業界周知のその他の要素であってもよい。
【0018】 本発明との関係で、少なくとも2本の遺伝子、更には可能としてはその他のD
NA要素が合体連結されて一本の単独オープンリーディングフレームを形成し、
そしてこれらの要素がそれらの並んだ順序通りに一本のポリペプチドへと発現さ
れる場合、これらの要素は「順次融合」又は「順次に融合された」といえ、そし
てそのポリペプチドは「融合ポリペプチド」又は「融合タンパク質」と称する。
【0019】 「ペクチン」とは、ペクテート、ポリガラクツロン酸及びペクチンを意味し、
それは高級又は低級にエステル化されていてよい。
【0020】 本明細書の中で用いる語「ペクチナーゼ」とは、ペクチン系物質、主としてポ
リ(1,4−アルファ−D−ガラクツロニド及びその誘導体のグリコシド結合を
切断することのできるペクチナーゼ酵素を意味する(Sakai ら、Pectin, pectin
ase and protopectinase : production, properties and applications, pp 213
-294 : Advances in Applied Microbiology vol : 39, 1993を参照のこと)。
【0021】 「ペクチン酸リアーゼ」とは、ペクチン酸、またの名はポリガラクツロン酸内
のアルファ−1,4−グリコシド結合のトランス除去(transelimination)によ
るランダム切断を触媒するペクチナーゼ、例えば酵素クラスポリガラクツロネー
トリアーゼ(EC4.2.2.2)(PGL)、またの名をポリ(1,4−アル
ファ−D−ガラクツロニド)リアーゼを意味し、更には当業者周知の態様、例え
ばアミノ酸欠失、挿入又は置換、C末端及び/又はN末端切頭(トランケーショ
ン)により、上記の触媒活性が維持されたまま改変されたペクチン酸リアーゼも
含まれる。
【0022】 「α−アミラーゼ」又は「アルファ−アミラーゼ」とは、オリゴ糖及び多糖の
中の1,4−アルファ−グルコシド結合のエンド加水分解を触媒することのでき
る酵素、即ち、酵素命名データーベース(http://www.expasy.ch/enzyme/)に従
いEC3.2.1.1に分類される酵素を意味する。
【0023】 本発明との関係で、「機能性ホルモン類似体」とは天然ペプチドホルモンの誘
導体であって、天然ホルモンの生物活性を、その天然ホルモンが当業界における
任意の標準的方法、例えばアミノ酸欠失、挿入、置換、N及び/又はC末端切頭
にかけられた後も保持している誘導体を意味する。機能性ホルモン類似体の特異
的な例はSEQ ID No.14の348〜378位又はSEQ ID No
.16の356〜386位に示すアミノ酸配列を含んで成るヒトGLP−1(7
−37)である。
【0024】 「一本鎖ヒトインスリン(MI3)」とは、SEQ ID No.18で示す
アミノ酸配列により特定されるプロインスリン類似体を意味する。このタンパク
質配列は引用することで本明細書に組入れるWO95/34666として公開さ
れた国際特許出願において開示されている。
【0025】 「コア酵素」とは、修飾又は改変されている又はされておらず、その本来の活
性を保持する単独のドメイン酵素を意味する。当業界公知のその触媒ドメインは
そのままであり、且つ機能を保持している。
【0026】 本明細書の中で用いる「タンパク質分解切断標的部位」とは、プロテアーゼに
より認識され、そしてそのプロテアーゼにより切断されるアミノ酸配列をいうか
、又は化学化合物による処理によって切断されるアミノ酸配列をいう(Current
protocols in Molecular Biology, (John Wiley and Sons, 1995; Harwood, C.R
., and Cutting, S.M. (編))。
【0027】 細胞との関係で本明細書の中で用いる「外性」又は「外性起源」とは、細胞内
の外来遺伝子、即ち、細胞の中に挿入されたその細胞にとって天然でない遺伝子
の存在に基づきかかる細胞により産生されたポリペプチドを意味する。
【0028】 対照的に、特定の微生物起源との関係で本明細書の中で用いる「天然」又は「
内性」とは、その起源内の天然遺伝子、即ち、その起源細胞の中に組換挿入され
たものではなく、天然の遺伝子の存在に基づきその特異的な起源により産生され
たポリペプチドを意味する。
【0029】 「リンカー」又は「スペーサー」とは、多重ドメインタンパク質、例えばコア
酵素及び結合ドメイン、例えばセルロース結合ドメイン(CBD)を含んで成る
酵素、又は任意のその他の酵素ハイブリドのドメイン間に存在しうる、又は融合
ポリペプチド、例えば2つのコア酵素を含んで成る融合タンパク質、又は本発明
の細胞の中に存在するような融合タンパク質として発現される2種類のタンパク
質又はポリペプチド間に存在しうる少なくとも2個のアミノ酸を含んで成るポリ
ペプチドを意味する。例えば、2つのコア酵素の融合タンパク質は第一コア酵素
をコードするDNA配列、リンカーをコードするDNA配列、及び第二コア酵素
をコードするDNA配列を一本のリーディングフレームへと順次融合させ、そし
てこの構築体を発現させることにより提供される。リンカーはタンパク質分解切
断標的部位も含んで成ってよい。
【0030】 発明の詳細な説明 細胞 本発明の細胞は好ましくはグラム陽性菌であり、より好ましくはバチルス細胞
であり、そして更により好ましくはバチルス・リシェニホルミス(Bacillus lic
heniformis)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・ブレビ
ス(Bacillus brevis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloli
quefaciens)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・レンタ
ス(Bacillus lentus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearot
hermophilus)、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチル
ス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サーキュランス(Baci
llus circulans)、バチルス・ロータス(Bacillus lautus)、バチルス・スリン
ジエンシス(Bacillus thuringiensis)、及びバチルス・アガラドエレンス(Ba
cillus agaradhaerens)から成る群から選ばれる。
【0031】 ペクチン酸リアーゼ 好ましくは、本発明の方法により生産される融合タンパク質の一部として提供
されるペクチン酸リアーゼはSEQ ID No.2,4,6,8,10から成
る群から選ばれるアミノ酸配列、並びにSEQ ID No.2,4,6,8及
び10のいずれかと少なくとも70%のアミノ酸配列類似性を有するアミノ酸配
列を含んで成るペクチン酸リアーゼから選ばれる。
【0032】 天然酵素に結合したポリペプチドの異種発現のために極めて有利であることの
証明されたSEQ ID No.2に示すペクチン酸リアーゼ(対応のDNA配
列をSEQ ID No.1に示す)は4種のその他のペクチン酸リアーゼと近
似する。
【0033】 この4種のペクチン酸リアーゼの完全DNA配列をSEQ ID No.3,
5,7及び9に示す。これらはバチルス属の種の中での外性ポリペプチドの発現
のための融合パートナーとして利用できうるその他のペクチン酸配列の例として
ここでとり挙げている。このような配列はWO99/27084に開示されてい
る。
【0034】 ペクチン酸リアーゼタンパク質配列は融合タンパク質の発現において利用する
ためのその有利な特徴を維持しながらある程度にまで縮小できるようである。D
NA配列、それ故コードされたタンパク質配列のこの縮小化は分子生物学の業界
内の任意の公知の方法により達成できる。
【0035】 これを行うための一の手段はPCRプライマーを特異的にデザインし、そして
注目のタンパク質に融合されたペクチン酸リアーゼの切頭型バージョンを構築し
、そしてその新規の構築体を発現レベルについて試験することによる。かかる構
築体はペクチン酸リアーゼのC末端、ペクチン酸リアーゼのN末端、又はその両
端の一部を欠失させてよい。別の手段はペクチン酸リアーゼコード配列をペクチ
ン酸リアーゼのC末端をコードする部分が様々な度合へと分解されるようにエン
ドヌクレアーゼで処理することでありうる。注目のペプチドに融合されたペクチ
ン酸リアーゼの様々な長さのN末端部分を保持する莫大な数のクローンから成る
ライブラリーを、最良の発現構築体が同定されるようにその発現能力についてス
クリーニングにかけることができる。この手順は、ペクチン酸リアーゼのN末端
又はN末端及びC末端の双方の一部が融合タンパク質の最適な発現のために欠失
されるように、ペクチン酸リアーゼ融合構築体に適用することもできる。
【0036】 切断部位 タンパク質分解切断標的部位は、本発明の好適な態様において、プロテアーゼ
により認識されて切断されるアミノ酸配列である。
【0037】 戦略的に配置することが融合タンパク質の効率的な切断を促進するいくつかの
アミノ酸配列が論文の中で発表されている。このような戦略のほとんどは母体酵
素と所望の酵素との間のリンカー領域における部位特異的タンパク質分解切断を
包含する(Polyakら (1997) Protein Engineering, Vol. 10 (6) pp. 615-619;
Kjeldsenら (1996) Gene, Vol. 170 (1) pp. 107-112; Sunら (1995) Protein E
xpression and Purification, Vol. 6 (5) pp. 685-692; Martinezら (1995) Bi
ochemical Journal, Vol. 306 (Pt 2) pp. 589-597)。
【0038】 効率的な切断を確保するため、母体酵素(この場合、ペクチン酸リアーゼ)と
外性ポリペプチドとの間に、部位特異的プロテアーゼのための認識部位をコード
するアミノ酸配列を挿入することができる。認識部位とプロテアーゼとの間での
いくつかの組合せが、論文の中に発表されている。以下に、我々はサッカロマイ
セス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)酵母のアルファ−細胞に由来す
るKex2−遺伝子でコードされた膜結合プロテイナーゼの利用を示す。Kex
2プロテイナーゼは塩基性アミノ酸対を有するペプチド及びタンパク質を加水分
解し、それはそのペプチド結合のC末端において切断される(Bessmertnayaら、
(1997) Biochemistry, Vol. 62 (8) pp. 850-857)。第一及び第二の観点に従う
一の好適な態様において利用されるKex2切断部位はLys−Arg(K−/
−R)配列であるが、その他の塩基性アミノ酸の組合せをKex2による切断を
最適化するために挿入してよい(Ledgerwood. ら (1995) J. Biochem., Vol. 30
8 (1) pp. 321-325;又はGhosh, S.ら (1996) Gene (Amsterdam), Vol. 176 (1-2
) pp. 249-255)。
【0039】 プロテアーゼ及び切断部位のその他の有用な組合せは次の通りである:アミノ
酸配列X−D−D−D−K−/−Xの切断を優先するエンテロキナーゼ(La Val
lie ら、(1993) J. Biol. Chem., Vol. 268. pp. 2311-2317)、アミノ酸配列X
−K−R−/−Xの切断を優先するトリプシン(Jonassonら (1996) Eur. J. Bi
ochem., Vol. 236 (2) pp. 656-661)、アミノ酸配列X−I−E−G−R−/−
Xの切断を優先するXa因子(Nagai ら、(1985) PNAS, Vol. 82, pp. 7252-725
5)、アミノ酸配列P−X−/−G−P−X−Xの切断を優先するコラゲナーゼ(
Chinery ら (1993) Eur. J. Biochem., Vol. 212 (2) pp. 557-553)、アミノ酸
配列X−G−V−R−G−P−R−/−Xの切断を優先するトロンビン(Rohman
ら (1992) Cell. Mol. Biol., Vol. 38 (5) pp. 529-542)、リジンの切断を優先
するALP(アクロモバクター・リチカス(Achromobacter lyticus)Lys特異
的プロテアーゼ、及びGluの切断を優先するバチルス・リシェニホルミス由来
のC成分プロテアーゼ(Kokudoら (1992) J. Biol. Chem., vol. 267, (33), pp
. 23782-23788)。
【0040】 ペプチドを特異的な標的部位において切断するためのその他の好適な方法は、
X−M−/−Xを切断する臭化シアン又はS−N−/−G−Xを切断するヒドロ
キシルアミンの如き化学化合物を利用することによる(Current protocols in M
olecular Biology. John Wiley and Sons, 1995; Harwood, C.R., and Cutting,
S.M. (編))。
【0041】 リンカー 本発明の好適な態様において、本発明の方法により生産される融合タンパク質
はペクチン酸リアーゼと外性ポリペプチドとの間に挿入されたリンカーを含んで
成る。好ましくは、このリンカーはアミノ酸残基の少なくとも25%がプロリン
であるアミノ酸配列を含んで成る。より好ましくは、このリンカーはアミノ酸配
列の少なくとも一周期の反復:Pro−Glu−Pro−Thr(PEPT,E
PTP,PTEP又はTPEP)を含んで成り、そして更により好ましくはこの
リンカーはアミノ酸配列:Ile−Glu−Gly−Arg(IGER)の少な
くとも一の反復を含んで成る。
【0042】 外性ポリペプチド 通常、外性ポリペプチドは本発明の方法の所望の生成物である。外性ポリペプ
チドは本発明の方法により産生される融合タンパク質の一部として有効に発現さ
れうる任意のポリペプチドであってよいと考慮される。
【0043】 本発明の好適な態様において、外性ポリペプチドはホルモン、機能性ホルモン
類似体、酵素、及び人工ポリペプチドから成る群から選ばれる。
【0044】 人工ポリペプチドの例は、一本鎖ヒトインスリン(MI3)、好ましくはSE
Q ID No.17に示すコドン最適化人工配列によりコードされるSEQ
ID No.18に示すアミノ酸配列を含んで成るインスリンである。外性ポリ
ペプチドはSEQ ID No.20の356〜408位に示すアミノ酸配列を
含んで成る一本鎖ヒトインスリン(MI3)を含んで成るもの;又はSEQ I
D No.42の366〜418に示すアミノ酸配列を含んで成る一本鎖ヒトイ
ンスリン(MI3)のMW変異体であってもよい。
【0045】 ホルモンは当業界において公知の任意のペプチドホルモン、例えばヒトGLP
1の完全アミノ酸配列であってよい。
【0046】 機能性ホルモン類似体の例はヒトGLP−1(7−37)ホルモン類似体、好
ましくはSEQ ID No.14の348〜378位又はSEQ ID No
.16の356〜386位に示すアミノ酸配列を含んで成る類似体である。
【0047】 酵素の例はα−アミラーゼである。好適なα−アミラーゼには米国特許第5,
003,257号;EP 252,666;WO91/00353;FR 2,
676,456;EP 285,123;EP 525,610;EP 368
,341;及び英国特許明細書第1,296,839号(Novo)において開示さ
れているものが挙げられる。
【0048】 その他のアミラーゼはWO94/18314及びWO96/05295に記載
の安定性の増強されたアミラーゼ、並びにWO95/10603に開示の直前の
起源において追加の修飾を伴うアミラーゼ変異体である。更に適当なのはEP
277,216、WO95/26397及びWO96/23873に記載のアミ
ラーゼである。
【0049】 本発明の好適な態様において、α−アミラーゼはSEQ ID No.12の
350〜834位に示すアミノ酸配列を含んで成る。
【0050】 商業的なα−アミラーゼ製品の例はGenencor由来のPurafect
Ox Am(登録商標)、並びに全てNovo Nordisk A/S D
enmarkより入手可能なTermamyl(登録商標)、Ban(登録商標
)、Fungamyl(登録商標)及びDuramyl(登録商標)である。W
O95/26397にはその他の適当なアミラーゼが記載されている:Phad
ebas(登録商標)α−アミラーゼ活性アッセイによる測定に従い、25〜5
5℃の温度範囲及び8〜10の範囲のpHにおいて、Termamyl(登録商標
)の比活性よりも少なくとも25%高い比活性を有することを特徴とするα−ア
ミラーゼ。活性レベル及び熱安定性と高い活性レベルとの組合せとの関係で向上
した特性を有するその他のアミロース分解酵素がWO95/35382に記載さ
れている。
【0051】 本発明の方法により産生されうる好適なアミラーゼの商標名Termamyl
,Duramyl及びMaxamylで販売されているアミラーゼ、SEQ I
D No.12の350〜834位に示すアミノ酸配列を含んで成るJP170
アミラーゼ、及び/又はWO96/23873のSEQ ID No.2として
開示されている向上した熱安定性を示すα−アミラーゼ変異体である。
【0052】 タンパク質を生産するための方法 本方法における必須の要素は本明細書に記載の細胞の利用にある。当該タンパ
ク質を生産できる細胞の特異的な構築及び培養は当業界の任意の標準的なプロト
コールであってよい(Maniatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J.“Molecular
Cloning. A laboratory manual”. Cold Spring Harbor Laboratories, 1982;
Ausubel, F.M., et al. (eds.)“Current Protocols in Molecular Biology”.
John Wiley and Sons, 1995; Harwood, C.R., and Cutting, S.M. (eds.)“Mole
cular Biological Methods for Bacillus”. John Wiley and Sons, 1990)。
【0053】 同様に、第三の観点の項目iii)のタンパク質を単離するための特異的な戦略は
、当業者公知の任意の単離プロトコールであってよい;この単離戦略は当業界に
おいて公知の如き、単離の前又は後の多種多様な要領でタンパク質をタンパク質
分解的に切断することを含みうる。
【0054】 本発明を以下の非限定的な実施例により更に説明する。
【0055】 材料と方法 株及びドナー生物 バチルス・リシェニホルミスATCC 14580はSEQ ID No.1
に示すペクチン酸リアーゼコードDNAを含んで成る。 大腸菌(E.コリ)DSM 11789はSEQ ID No.1に示す本発
明のペクチン酸リアーゼコードDNA配列を含むプラスミドを含んで成る。
【0056】 大腸菌DSM 12403はSEQ ID No.3に示す本発明のペクチン
酸リアーゼコードDNA配列を含むプラスミドを含んで成る。 大腸菌DSM 12404はSEQ ID No.5に示す本発明のペクチン
酸リアーゼコードDNA配列を含むプラスミドを含んで成る。
【0057】 大腸菌DSM 11788はSEQ ID No.7に示す本発明のペクチン
酸リアーゼコードDNA配列を含むプラスミドを含んで成る。
【0058】 バチルス属の種KJ59,DSM 12419はSEQ ID No.9に示
すペクチン酸リアーゼコードDNA配列を含んで成る。
【0059】 B.スブチリスPL1801。この株は中断されたapr及びnpr遺伝子を
有するB.スブチリスDN1885である(Diderichsen, B., Wedsted, U., He
degaard, L., Jensen, B.R., Sjoholm, C. (1990) Cloning of aldB, which enc
odes alpha-acetolactate decarboxylase, an exoenzyme from Bacillus brevis
. J. Bacteriol., 172, 4315-4321)。
【0060】 B.スブチリスWB600。この株は6種の主要プロテアーゼの欠失したB.
スブチリスである(Wu, X- C., S- C. Ng, R.I. Near, and S- L. Wong. 1993.
Efficient production of a functional single-chain antidigoxin antibody v
ia an engineered Bacillus subtilis expression-secretion system. Bio/Tech
nol. 11 : 71-76)。
【0061】 B.スブチリスWB600ans。この株はamyE遺伝子がテトラサイクリ
ンマーカーにより中断されたWB600株である。更に、WB600内のクロラ
ムフェニコールマーカー遺伝子をネオマイシンマーカーで置換する。その株はテ
トラサイクリン、ネオマイシン、スペクチノマイシン及びブレオマイシン耐性と
なる。
【0062】 B.スブチリスPL2306。この株はapr及びnpr遺伝子が中断され(
Diderichsen, B., Wedsted, U., Hedegaard, L., Jensen, B.R., Sjoholm, C. (
1990) Cloning of aldB, which encodes alpha-acetolactate decarboxylase, a
n exoenzyme from Bacillus brevis. J. Bacteriol., 172, 4315-4321)、公知の
バチルス・スブチリスの転写単位において中断され、セルラーゼ陰性細胞となっ
たB.スブチリスDN1885である。この中断は本質的に発表されている通り
に実施する(Eds. A.L. Sonenshein, J.A. Hoch and Richard Losick (1993) Ba
cillus subtilis and other Gram-Positive Bacteria, American Society for m
icrobiology, p. 618)。
【0063】 コンピテント細胞はYasbin, R.E., Wilson, G.A. and Young, F.E. (1975) Tr
ansformation and transfection in lysogenic strains of Bacillus subtilis
: evidence for selective induction of prophage in competent cells. J. Ba
cteriol, 121 : 296-304に記載の通りにして調製して形質転換した。
【0064】 プラスミド pSJ1678(引用することで本明細書に組入れるWO94/19454参照
のこと)。
【0065】 pMOL944: このプラスミドはバチルス・スブチリス内でそのプラスミドを増殖可能による
要素、カナマイシン耐性遺伝子を本質的に含み、且つB.リシェニホルミスAT
CC 14580のamyL遺伝子からクローニングした強力なプロモーター及
びシグナルペプチドを有するpUB110誘導体である。このシグナルペプチド
は、シグナルペプチドと融合したタンパク質の成熟部をコードするDNAをクロ
ーニングするのに好都合とするSacII部位を含む。これは細胞の外部へと導か
れるプレタンパク質の発現をもたらす。
【0066】 このプラスミドは以下に簡単に説明する慣用の遺伝子操作技術により構築した
【0067】 pMOL944の構築: pUB110プラスミド(McKenzie, T.ら、1986, Plasmid 15 : 93-103)を固
有の制限酵素、NciIで消化した。プラスミドpDN1981上でコードされ
るamyLプロモーターから増殖したPCRフラグメント(P.L. Jorgensenら、
1990, Gene, 96, p37-41)をNciIで消化し、そしてNciI消化したpUB
110に挿入してプラスミドpSJ2624を得た。 使用した2本のプライマーは下記の配列を有する:
【化1】
【0068】 プライマー#LWN5494(SEQ ID No.21)はプラスミドにN
otI部位を挿入する。
【0069】 次にプラスミドpSJ2624をSacI及びNotIで消化し、そしてpD
N1981上でコードされたamyLプロモーターに基づいて増幅したPCRフ
ラグメントをSacI及びNotIで消化し、そしてこのDNAフラグメントを
SacI−NotI消化したpSJ2624に挿入し、プラスミドpSJ267
0を得た。
【0070】 このクローニングは最初のamyLプロモーターを同一のプロモーターではあ
るが反対方向で置き換える。PCR増幅のために用いた2つのプライマーは以下
の配列を有する:
【化2】
【0071】 プラスミドpSJ2670を制限酵素PstI及びBclIで消化し、そして
アルカリ性アミラーゼSP722をコードするクローン化DNA(引用すること
で本明細書に組入れるWO95/26397として公開された国際特許出願に開
示)から増幅させたPCRフラグメントをPstI及びBclIで消化し、そし
て挿入してプラスミドpMOL944にした。PCR増幅のために用いた2つの
プライマーは次の配列を有する
【化3】 プライマー#LWN7901(SEQ ID No.26)はこのプラスミド
SacII部位を挿入する。
【0072】 プラスミドpMB541(構築は下記参照)。
【0073】 ドナー株の増幅 バチルス・リシェニホルミス株ATCC 14580をATCC(American T
ype Culture Collection, USA)に指定の通りにして液体培地3の中で増殖させた
。37℃、300rpm で18時間のインキュベーション後、細胞を回収し、そし
てゲノムDNAを下記の方法により単離した。
【0074】 ゲノムDNAの調製 バチルス・リシェニホルミス株を上記の通りにして液体培地の中で増殖させた
。細胞を回収し、そしてPitcher らにより記載の方法により単離した [Pitcher,
D.G., Saunders, N.A., Owen, R.J; Rapid extraction of bacterial genomic
DNA with guanidium thiocyanate; Lett Appl Microbiol 1989 8 151-156] 。
【0075】 pMB541の構築 バチルス・リシェニホルミスからのペクチン酸リアーゼのクローニング バチルス・リシェニホルミスATCC 14580のゲノムDNAを制限酵素
Sau3Aで部分消化し、そして0.7%のアガロースゲル上での電気泳動によ
りサイズ分画した。2〜7kbのサイズのフラグメントをDEAE−セルロース紙
上で電気泳動させることにより単離した(Dretzen, G., Bellard, M., Sassone-
Corsi, P., Chambon, P. (1981) A reliable method for the recovery of DNA
fragments from agarose and acrylamide gels. Anal. Biochem., 112, 295-298
)。
【0076】 単離したDNAフラグメントをBamHI消化したpSJ1678プラスミド
DNAにライゲーションし、そしてこのライゲーション混合物を大腸菌SJ2の
形質転換のために用いた。バチルス・リシェニホルミスATCC 14580の
ゲノムライブラリー由来の形質転換細胞を10μg/mlのクロラムフェニコール
及び0.7%のポリガラクツロン酸ナトリウム(SIGMA P−1879)を
含むLB−アガープレート上にプレートした。このプレートした細胞を37℃で
16時間インキュベーションした。
【0077】 これらのコロニーを10μg/mlのクロラムフェニコール及び0.7%のポリ
ガラクツロン酸ナトリウム(SIGMA P−1879)を含む新鮮なLB−ア
ガープレート上にレプリカプレートし、これらのプレートを37℃で8時間イン
キュベーションした。オリジナルのマスタープレートを5mlの1MのCaCl2
であふれさせ、5〜30分後、推定ポリガラクツロン酸ナトリウム分解クローン
の周囲に顕著な濁った輪が出現した。対応のマスタープレートクローンを更なる
特性決定のために拾った。これらのクローンは、大腸菌クローンの一夜、30℃
の液体TY培養物からプラスミドDNAを調製し、そしてQiagen Qia
spin Prep Kitをその製造者(Qiagen, Germany)に従って用いてプ
ラスミドDNAを調製することにより更に特性決定した。
【0078】 ペクチン酸リアーゼ陽性クローンバチルス・リシェニホルミスATCC 14
580遺伝子ライブラリーをDSM 11789として寄託した。大腸菌DSM
11789のプラスミド上でのプライマー歩行の後、バチルス・リシェニホル
ミスATCC 14580由来のペクチン酸リアーゼコードDNAのSEQ I
D No.1が同定された。
【0079】 活性による陽性クローンの同定 プレート上でインキュベーションの後、コロニーを一組のLB+6 CAMア
ガ−プレート上にレプリカプレートし、次いで37℃で約20時間更にインキュ
ベーションした。適当なバッファー中の1%のHSBアガロース、0.7%のポ
リガラクツロン酸ナトリウム塩を含む上層をこのレプリカプレート上に注ぎ、そ
して40℃で約20時間インキュベーションした。5mlの1MのCaCl2 で沈
殿させた後、ペクチン酸リアーゼ陽性コロニーが、ペクチン酸リアーゼ陽性クロ
ーンの存在している位置での明瞭な輪の出現により5〜30分後に同定された。
【0080】 ペクチン酸リアーゼ陽性クローン由来の細胞をアガー上での孤立コロニー単離
のために散布し、そしてペクチン酸リアーゼ産生孤立コロニーを同定したペクチ
ン酸リアーゼ産生コロニー各々について選別した。
【0081】 陽性クローンの特性決定 再ストリーキングプレートからペクチナーゼ陽性クローンが孤立コロニーとし
て得られ、そしてプラスミドをQiagen Plasmid Prepを用い
その製造者(Qiagen, Germany)の指定に従い抽出した。表現型を大腸菌SJ2の
再形質転換により確認し、そしてプラスミドを制限消化により特性決定した。
【0082】 バチルス・リシェニホルミスATCC 14580遺伝子ライブラリーのペク
チン酸リアーゼ陽性クローンはDSM 11789として寄託してある。大腸菌
DSM 11789のプラスミド上でのプライマー歩行を経て、バチルス・リシ
ェニホルミスATCC 14580由来のペクチン酸リアーゼコードDNAのS
EQ ID No.1が同定された。
【0083】 バチルス・スブチリスにおけるサブクローニング 本発明のペクチン酸リアーゼの成熟部をコードするDNA(SEQ ID N
o.1のDNA配列によりコードされるアミノ酸配列SEQ ID No.2に
より代表される)を次の2本のオリゴヌクレオチドから成るPCRプライマーセ
ットを用いてPCR増幅した:
【化4】 制限部位SacII及びNotIに下線を付した。
【0084】 上記の通りにしてB.リシェニホルミスATCC 14580から単離した染
色体DNAをAmplitaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)を用い、
その製造者の仕様書に従ってPCR反応の鋳型として用いた。PCR反応は20
0μMづつの各dNTP、2.5単位のAmpliTaqポリメラーゼ(Perkin
-Elmer, Cetus, USA)及び100pmolづつの各プライマーを含むPCRバッファ
ー(10mMのTris−HCl、pH8.3、50mMのKCl、1.5mMのMgC
2 、0.01%(w/v)のゼラチン)の中で準備した。
【0085】 PCR反応はDNAサーマルサイクラー(Landgraf, Germany)を用いて実施し
た。94℃で1分の1回のインキュベーション、続いて94℃で30秒の変性、
60℃で1分のアニーリング及び72℃で2分の伸長といったサイクルプロフィ
ールを利用して30サイクルのPCRを実施した。5μlのアリコートの増幅生
成物を0.7%のアガロースゲル(NuSieve, FMC)での電気泳動により分析した
。サイズ1.0kbのDNAフラグメントの出現は遺伝子セグメントの適正な増幅
を示した。
【0086】 PCRフラグメントのサブクローニング PCRフラグメントのサブクローニングを実施例1に記載の通りにして実施し
たが、但し精製したPCRフラグメントをSacI及びNotIで消化した。ペ
クチン酸リアーゼ遺伝子を含む1つのクローンを保存し、このクローンをMB5
41と命名し、そしてMB541の中に存在するプラスミドpMB541と命名
した。
【0087】 ペクチン酸リアーゼの成熟部に対応するDNAをTaq−ターミナルサイクル
シーケンシングキット(Perkin-Elmer, USA)、蛍光ラベル化ターミネーター及び
適当なオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いるプライマー歩行によるDN
A配列決定により特性決定した。
【0088】 配列データーの分析はDevereuxら(1984) Nucleic Acids Res. 12, 387-395に
従って実施した。クローニングしたDNA配列をB.スブチリスの中で発現させ
、そして上清液内で出現した成熟タンパク質に対応するタンパク質をSEQ I
D No.1で示す。
【0089】 一般分子生物学的方法 何らかのことわりのない限り、DNA操作及び形質転換は分子生物学の標準的
な方法を利用して実施した(Sambrookら (1989) Molecular cloning : A labora
tory manual, Cold Spring Harbor lab., Cold Spring Harbor, NY; Ausubel, F
.M.ら (eds.)“Current protocols in Molecular Biology”. John Wiley and S
ons, 1995; Harwood, C.R., and Cutting, S.M. (eds.)“Molecular Biological
Methods for Bacillus”. John Wiley and Sons, 1990)。
【0090】 DNA操作のための酵素を供給者の指示に従い利用した(例えば、制限エンド
ヌクレアーゼ、リガーゼ等はNew England Biolabs, Inc. より入手可能)。
【0091】 培地 TY(Ausubel, F.M.ら (eds.)“Current protocols in Molecular Biology”
. John Wiley and Sons, 1995に記載)。LBアガー(Ausubel. F.M.ら (eds.)
“Current protocols in Molecular Biology”. John Wiley and Sons, 1995に
記載)。LBPGは0.5%のグルコース及び0.05Mのリン酸カリウム、pH
7.0の入ったLBアガー。BPX培地はEP 0506 780(WO91/
09129)に記載。CAL 18−2培地(1l):酵母エキス(#0127-17-9
Difco Laboratories, MI, USA)40g;硫酸マグネシウム(#5886 Merck, Dar
mstadt, Germany)1.3g;Glucidex 12 (Roquette Feres, France)50g;リ
ン酸二水素ナトリウム(#6346 Merck, Darmstadt, Germany)20g;EDF−微
量金属(処方は下記参照)6.7ml;Na2 MoO4 −微量金属(処方は下記参
照)6.7ml;Pluronic PE6100 (BASF, Germany)0.1ml;イオン交換水で1
000mlに調整。全てを混合し、容量を調整し、pHを測定し、そしてNaOHを
用いてpH6.0に調整する。培地を121℃で20分オートクレーブにかけるこ
とにより滅菌する。EDF−微量金属(1l):硫酸マンガン(II)(#5963 Me
rck, Darmstadt, Germany)4.48g;塩化鉄(III)(#3943 Merck, Darmstadt
, Germany)3.33g;硫酸銅(II)(#2790 Merck, Darmstadt, Germany)0.
625g;硫酸亜鉛(#8883 Merck, Darmstadt, Germany)7.12g;イオン交
換水で1000mlに調整。全てを混合し、容量を調整する。溶液をフィルター除
菌し、そして4℃で保存する。Na2 MoO4 −微量金属(1l):モリブデン
酸ナトリウム(#6521 Merck, Darmstadt, Germany)2.0g;イオン交換水で1
000mlに調整。全てを混合し、容量を調整する。溶液をフィルター除菌し、そ
して4℃で保存する。
【0092】 アルファ−アミラーゼ活性のアッセイ アルファ−アミラーゼ活性は4,6−エチリデン(G7 )−p−ニトロフェニ
ル(G1 )−a,D−マルトヘプタオシド(エチリデン−G7 PNP)を基質と
して用いる酵素比色試験を採用する方法により決定した(Boehringer Mannheim,
Germany art. 1442309)。特定のセットの条件下で(温度、pH、反応時間、バッ
ファー条件)、1mgの所定のアルファ−アミラーゼは所定量の基質を加水分解し
、そして黄色が発色するであろう。色強度を405nmで測定する。測定した吸収
は所定の条件セット下で注目のアルファ−アミラーゼの活性に正比例する。
【0093】 SDS−PAGE及びイムノブロッティング SDS−PAGEはNovex(Novex, San Diego)勾配トリシン10−20
%ゲル上で、記載の変性及び還元条件下で実施した(SvH)。タンパク質バン
ドをHoeferブロッティングモジュール中のニトロセルロース上にブロッテ
ィングした。ペクチン酸リアーゼ−インスリン融合体のイムノブロッティングの
場合、Ivan Svendsen, Cell Technologyで製造したモノクローナル抗体F19を
一次抗体として用い、ペルオキシダーゼにカップリングしたウサギ抗ネズミ抗体
(Dako Immunogloblins, Copenhagen, Denmark)を二次抗体として用いた。
【0094】 ペクチン酸リアーゼ−GLP−1のイムノブロッティングはPia Kirschhoff B
orre, Cell Technology で製造された一次モノクローナル抗体aGLP26.1
で対応して実施した。ペルオキシダーゼラベル化二次抗体の結合は3−アミノ−
9−エチルカルバゾールと反応により識別化させた。
【0095】 実施例1 ペクチン酸リアーゼとJP170アルファ−アミラーゼとの融合タンパク質の構
築及び発現 JP170アルファ−アミラーゼコードDNA配列(引用することで本明細書
に組入れるWO95/26397として公開された国際特許出願)を次のオリゴ
ヌクレオチドから成るPCRプライマーセットを利用してPCR増幅した:
【化5】 制限部位SalI及びNheIに下線を付した。最終構築体において、Nhe
I部位をペクチン酸リアーゼ遺伝子の最後のコドンの右隣に挿入する。
【0096】 JP170アルファ−アミラーゼをコードするプラスミドDNAサンプル(p
MOL944)をAmplitaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)を利
用し、製造者の仕様に従ってPCR反応の鋳型として用いた。PCR反応は20
0μMづつの各dNTP、2.5単位のAmpliTaqポリメラーゼ(Perkin
-Elmer, Cetus, USA)及び100pmolの各プライマーを含むPCRバッファー(
10mMのTris−HCl、pH8.3、50mMのKCl、1.5mMのMgCl2
、0.01%(w/v)のゼラチン)の中で用意した。
【0097】 PCR反応はDNAサーマルサイクラー(MJ Research, PCT-200)を用いて実
施した。94℃で1分のインキュベーションに、94℃で30秒の変性、60℃
で1分のアニーリング及び72℃で2分の伸長のサイクルプロフィールを利用す
る30サイクルのPCRを後続させた。増幅生成物のアリコート5μlを0.7
%のアガロースゲル(NuSieve, FMC)での電気泳動により分析した。約1.6kb
のサイズのDNAフラグメントの出現はこの遺伝子セグメントの適正な増幅を示
唆する。
【0098】 PCRフラグメントのサブクローニング JP170をコードする精製PCRフラグメント及び上述のpMB541プラ
スミドをSalI及びNatIで消化し、そして1639bpのJP170フラグ
メント及び5722bpのpMB541ベクターフラグメントをQIAquick
Gel Extraction Kit(Qiagen, Germany)を用いてアガロー
スゲルから精製した。精製後、2本のフラグメントを16℃で16時間かけて、
T4 DNAリガーゼ及びバッファー系(Biolab, UK)を用いてライゲーション
した。このライゲーション反応はコンピテントPL1801を形質転換するため
に用い、そしてこの細胞を10mgのカナマイシンの入ったLBアガープレート上
にプレートした。一夜培養ブロスからプラスミドDNAを単離することによって
いくつかのクローンを分析した。
【0099】 一のかかる陽性クローンを上記で用いた10mg/mlのカナマイシンの入ったア
ガープレート上に数回再ストリーキングし、そしてそのクローンをMOL157
8として保存した。このクローンMOL1578をTY−10μgのカナマイシ
ンの中で37℃で一夜増殖させ、そして翌日1mlの細胞を用い、Qiaprep
Spin Plasmid Miniprep Kit #27106を利用
し、B.スブチリスプラスミドの調製に関する製造者の推奨に従い、その細胞か
らプラスミドを単離した。精製プラスミドをDNA配列決定し、そしてペクチン
酸リアーゼ−JP170の融合タンパク質に対応するDNA配列を示した。この
プラスミドをpMOL1578と命名した。ペクチン酸リアーゼ−JP170を
コードするORFの全DNA配列をSEQ ID No.11に示し、そして誘
導タンパク質配列はSEQ ID No.12に示す。SEQ ID No.1
2において、アミノ酸は次の起源及び特徴を有する:
【0100】 a.a.1〜29:B.リシェニホルミス由来のamyLのシグナルペプチド a.a.30〜343:B.リシェニホルミス由来のペクチン酸リアーゼ a.a.344〜345:クローニング部位NheI由来の2個のアミノ酸 a.a.346〜349:IEGRリンカー a.a.350〜834:JP170アミラーゼ
【0101】 ペクチン酸リアーゼ−JP170融合タンパク質の発現及び検出 ペクチン酸リアーゼ−JP170ハイブリドをコードするMOL1578並び
にJP170をコードするMOL944及びペクチン酸リアーゼをコードするM
B541の2つの対照株をBPX−培地の中で30℃で300rpm にて5日間イ
ンキュベーションした。100mlの無細胞上清液を100mlのSDS装填バッフ
ァーと混合し、そして25μlを4−20%のLaemmli Tris−グリ
シン、SDS−PAGE NO:VEXゲル(Novex, USA)に載せた。これらの
サンプルをXcellTM Mini−Cell(NO: VEX, USA)で製造者の推奨
に従い電気泳動した。クマジーによる染色、脱色及び乾燥を包含するゲルのその
後の取扱いは全て製造者により記述の通りにして実施した。
【0102】 約90kDa のタンパク質バンドの出現は、プラスミドpMOL1578上でコ
ードされるペクチン酸リアーゼ−JP170のB.スブチリス内での発現を示唆
する。しかしながら、ゲル上の主要バンドは2つのコア酵素、ペクチン酸リアー
ゼ(35kDa)及びJP170アミラーゼ(55kDa)のそれぞれに相当し、融合タ
ンパク質が転移の最中又はその直後にプロセシングされることを示唆する。
【0103】 3つの株、MOL1578,MOL944及びMB541の各々由来のサンプ
ルを上記の手順に従ってアルファ−アミラーゼについて分析し、JP170の収
率を決定した。表1は、JP170のみをコードするMOL944株と比較した
際の、ペクチン酸リアーゼ−JP170融合体を有するMOL1578株におけ
るアミラーゼ収率の2.2倍の有意な上昇を示す。まとめると、ペクチン酸リア
ーゼはJP170アミラーゼの如き大型酵素のための分泌増強因子として利用で
きうることが明らかとなった。表1 株 酵素 単位 MOL944a JP170 0.93 MOL944b JP170 1.26 MOL1578a ペクチン酸リアーゼ−JP170 2.32 MOL1578b ペクチン酸リアーゼ−JP170 2.52 MB541a ペクチン酸リアーゼ 0.1 MB541b ペクチン酸リアーゼ 0.1
【0104】 実施例2 ペクチン酸リアーゼとGLP−1との融合タンパク質の構築及び発現 ヒトGLP−1ホルモンは2型糖尿病の血糖値を正常化する(WO95175
10−A1)。GLP−1(7−37)類似体は長さ31アミノ酸であり、そし
て酵母での伝統的な技術によっては作りにくい(Egel-Mitani ら(印刷中)Yiel
d improvement of various heterologous peptides expressed in YPS1-disrupt
ed Saccharomyces cerevisiae strains)。
【0105】 GLP−1遺伝子を下記の重複プライマーセットを用いて増幅させた。特異的
なKex2認識部位Lys−Arg(KR)をコードするDNA配列をGLP−
1(7−37)の第一コドンのすぐ上流に挿入し、ペクチン酸リアーゼとGLP
−1(7−37)との間の特異的な切断を可能にした(Kex2については、例
えばLedgerwood. ら(1995) Biochemical Journal, Vol. 308 (1) pp. 321-325
又はGhosh, S.ら (1996) Gene (Amsterdam), Vol. 176 (1-2) pp. 249-255 参照
のこと)。次の2つのプライマーをGLP−1(7−37)−Kex2配列の増
幅のために用いた:
【化6】
【0106】 重複伸長反応は200μMづつの各dNTP、2.5単位のAmpliTaq
ポリメラーゼ(Perkin-Elmer, Cetus, USA)及び100pmolづつの各プライマー
を含むPCRバッファー(10mMのTris−HCl、pH8.3、50mMのKC
l、1.5mMのMgCl2 、0.01%(w/v)のゼラチン)の中で用意した
【0107】 重複伸長反応はDNAサーマルサイクラー(MJ Research, PCT-200)を用いて
実施した。94℃で1分の1回のインキュベーションに、55℃で1分のアニー
リング及び72℃で0.5分の伸長のサイクルプロフィールを利用する15回の
サイクルを後続させた。増幅生成物のアリコート5μlを2.0%アガロースゲ
ル(NuSieve FMC)での電気泳動により分析した。129bpのサイズのDNAフラ
グメントの出現は適正な増幅を示唆する。
【0108】 GLP−1フラグメントのサブクローニング GLP−1(7−37)配列をイン・フレームでクローニングして融合構築体
を作るためにpMOL1578プラスミドをベクターとして用いた。GLP−1
(7−37)フラグメント及びpMOL1578ベクターをNheI及びEag
Iで消化した。119bpのGLP−1(7−37)及び5779bpのベクターフ
ラグメントをpMOL1578構築体について説明した通りにして精製及びクロ
ーニングした。
【0109】 一のかかる陽性PL1801形質転換クローンを上記で用いた10mg/mlのカ
ナマイシンの入ったアガープレート上に数回再ストリーキングし、そしてそのク
ローンをMOL1635として保存した。このクローンMOL1635をTY−
10μgのカナマイシンの中で37℃で一夜増殖させ、そして翌日1mlの細胞を
用い、Qiaprep Spin Plasmid Miniprep Kit
#27106を利用し、B.スブチリスプラスミドの調製に関する製造者の推
奨に従い、その細胞からプラスミドを単離した。精製プラスミドをDNA配列決
定し、そしてペクチン酸リアーゼ−GLP−1(7−37)の融合タンパク質に
対応するDNA配列を示した。このプラスミドをpMOL1621と命名した。 ペクチン酸リアーゼ−GLP−1(7−37)をコードするORFの全DNA
配列をSEQ ID No.13に示し、そして誘導タンパク質配列はSEQ
ID No.14に示す。SEQ ID No.14において、アミノ酸は次の
起源及び特徴を有する:
【0110】 a.a.1〜29:B.リシェニホルミス由来のamyLのシグナルペプチド a.a.30〜343:B.リシェニホルミス由来のペクチン酸リアーゼ a.a.344〜345:クローニング部位NheI由来の2個のアミノ酸 a.a.346〜347:Kex2エンドプロテアーゼプロセシング部位 a.a.348〜378:ヒトGLP−1(7−37)配列
【0111】 ペクチン酸リアーゼ−GLP−1(7−37)融合タンパク質の発現及び検出 弱プロテアーゼバチルス・スブチリス株WB600asnを形質転換するのに
プラスミドpMOL1621を用いた。pMOL1621を有するWB600a
snの一のかかる株をMOL1636と命名した。この株を10μg/mlのカナ
マイシンを有する培地Cal18−2の中で培養し、2個のバッフルの備った5
00mlの振盪フラスコの中で培地100mlに108 個の細胞を接種し、そして3
7℃、300rpm で24時間インキュベーションした。サンプルを採取し、培養
ブロスを遠心分離し、そして無細胞上清液を回収し、そして慣用のウェスタンブ
ロッティングにより分析した(図1及び2参照)。
【0112】 実施例3 PEPTリンカーを含むペクチン酸リアーゼとGLP−1との融合タンパク質の
構築及び発現 ペクチン酸リアーゼとGLP−1(7−37)との間の領域でのタンパク質分
解攻撃を回避するため、安定なリンカー領域を挿入した。選定のリンカー配列は
特許WO99/01543において報告されているPEPTモチーフとした。こ
のリンカーは特許されたセルラーゼの中の母体酵素とCBD(セルラーゼ結合ド
メイン)との間に存在し、そして本発明においては、PEPTリンカーはバチル
ス・スブチリスにおけるタンパク質分解に対して安定なものにすることが証明さ
れた。
【0113】 ペクチン酸リアーゼとGLP−1との間の適正な間隔を確保するため、このモ
チーフはPEPTPEPT(2×(PEPT))として2回反復させた。特異的
なKex2認識部位Lys−Arg(KR)をコードするDNA配列をGLP−
1(7−37)の第一コドンのすぐ上流に挿入し、精製後のペクチン酸リアーゼ
とGLP−1(7−37)との間での特異的な切断を可能にした(Kex2につ
いては、例えばLedgerwood. ら (1995) Biochemical Journal, Vol. 308 (1) pp
. 321-325 、又はGhosh, S. ら (1996) Gene (Amsterdam), Vol. 176 (1-2) pp.
249-255を参照のこと)。
【0114】 2通りの独立のPCR反応を鋳型としてpMOL1621を用いて実施した。
PCR条件は実施例1に記載の通りにして実施した。2本のプライマーペアーの
配列は次の通りである:
【化7】
【0115】 2通りのPCR反応体をQiagenカラム(QIAquick PCR精製
キット#28106)を用い、220bp及び400bpフラグメントとして用いた
。SOE(配列重複伸長)反応を10ngづつのフラグメントを用い、上記のPC
R条件において用意した。PCRサイクルは、94℃で1分のインキュベーショ
ン1回、それに続く94℃で10秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び
72℃で2分の伸長といったサイクルプロフィール10サイクルで実施した。1
00pmolの隣接プライマー142670フォワード(SEQ ID No.36
)及び101450リバース(SEQ ID No.34)をこの反応体に加え
、そしてPCRサイクルを更に20サイクル続けた。5μlの増幅生成物を2.
0%のアガロースゲル(NuSieve, FMC)での電気泳動により分析した。600bp
のサイズのDNAフラグメントの出現は適正な増幅を示唆する。
【0116】 GLP1フラグメントのサブクローニング 融合タンパク質を作るため、pMOL1578プラスミドを上記の2×(PE
PT)−GLP−1(7−37)遺伝子をイン・フレームでクローニングするベ
クターとして用いた。PEPT−GLP−1(7−37)配列を担持する600
bpのPCRフラグメント及びpMOL1578ベクターをNheI及びEagI
で消化した。137bpのPEPT−GLP−1(7−37)フラグメント及び5
779bpのベクターフラグメントをpMOL1578構築体について説明の通り
にして精製してクローニングした。
【0117】 一の陽性WB600asn形質転換クローンを上記で用いた10mg/mlのカナ
マイシンの入ったアガープレート上に数回再ストリーキングし、そしてそのクロ
ーンをMOL1698として保存した。このクローンMOL1698をTY−1
0μgのカナマイシンの中で37℃で一夜増殖させ、そして翌日1mlの細胞を用
い、Qiaprep Spin Plasmid Miniprep Kit
#27106を利用し、B.スブチリスプラスミドの調製に関する製造者の推奨
に従い、その細胞からプラスミドを単離した。精製プラスミドをDNA配列決定
し、そしてペクチン酸リアーゼ−GLP1の融合タンパク質に対応するDNA配
列を示した。このプラスミドをpMOL1698と命名した。 ペクチン酸リアーゼ−リンカーをコードするORFの全DNA配列をSEQ
ID No.15に示し、そして誘導タンパク質配列はSEQ ID No.1
6に示す。SEQ ID No.16において、アミノ酸は次の起源及び特徴を
有する:
【0118】 a.a.1〜29:B.リシェニホルミス由来のamyLのシグナルペプチド a.a.30〜343:B.リシェニホルミス由来のペクチン酸リアーゼ a.a.344〜345:クローニング部位NheI由来の2個のアミノ酸 a.a.346〜353:PEPTPEPTリンカー a.a.354〜355:Kex2エンドプロテアーゼプロセシング部位 a.a.356〜386:ヒトGLP−1(7−37)配列
【0119】 ペクチン酸リアーゼ−リンカー−GLP−1(7−37)融合タンパク質の発現
及び検出 ペクチン酸リアーゼハイブリドをコードするMOL1698を10μg/mlの
カナマイシンの入ったCal18−2培地の中で培養した。2個のバッフルの備
った500mlの振盪フラスコの中で、100mlの培地に約108 個の細胞を接種
し、そして37℃、300rpm で24時間インキュベーションした。サンプルを
採取し、培養ブロスを遠心分離し、そして無細胞上清液を回収し、そして慣用の
ウェスタンブロッティングにより分析し、そして25μlを4−20%のLae
mmli Tris−グリシン、SDS−PAGE NO:VEXゲル(Novex,
USA)に載せた。そのサンプルをXcellTM Mini−Cell(NO: VEX,
USA)で製造者の推奨に従い電気泳動し、クマジーによる染色、脱色及び乾燥を
含むゲルのその後の取扱いは全て製造者の推奨通りに実施した(図3参照)。
【0120】 実施例4 ペクチン酸リアーゼと一本鎖ヒトインスリン(MI3)との融合タンパク質の構
築及び発現 ヒトインスリンMI3をコードするDNA配列を配列SEQ ID No.1
8により特定するこのタンパク質の逆転写から誘導した。このタンパク質配列を
カバーする一の特許出願についてはWO95/34666を参照のこと。このD
NA配列をSEQ ID No.1に記載のペクチン酸リアーゼにおいて見い出
せるコドン用法に近づいたコドン用法のために最適化した。これはSEQ ID
No.18に見い出せるMI3分子をコードするコドンとして、ペクチン酸リ
アーゼSEQ ID No.1の最も好適なコドンを利用することにより簡単に
成し遂げられる。この実験のための好適なDNA配列をSEQ ID No.1
7に示す。
【0121】 ペクチン酸リアーゼとMI3との間にフレキシブル領域(リンカー)を設ける
ため、我々はPEPT反復から成るリンカーを用いた。詳しくは、この実験のた
めに我々はこのPEPTの2回の反復を利用した。ここでも、コドンはペクチン
酸リアーゼのコドン用法に近づけるために最適化した。
【0122】 培養細胞の上清液から融合タンパク質を精製してからペクチン酸リアーゼから
MI3を切断する可能性を得るため、Kex2エンドプロテアーゼプロセシング
部位をリンカーの直後、且つMI3タンパク質の前に導入した(Kex2につい
ては、例えばLedgerwood. ら (1995) Biochemical Journal, Vol. 308 (1) pp.
321-325 、又はGhosh, S. ら (1996) Gene (Amsterdam), Vol. 176 (1-2) pp. 2
49-255を参照のこと)。ここで用いたKex2部位はLys−Arg(KR)で
ある。
【0123】 ペクチン酸リアーゼ−リンカー−Kex−MI3をコードするプラスミドの構
築は下記の通りに実施した: 2種類の重複オリゴヌクレオチドを、PCR反応において互いと一緒に用いた
とき、SEQ ID No.17の配列、リンカーコード配列、プロテアーゼ切
断部位コード配列、及びDNAフラグメントのサブクローニングのために必要な
2つの制限エンドヌクレアーゼ部位から主として成るDNAフラグメントの形成
をもたらすように設計した。
【0124】 DNAフラグメントの構築は次の通りとした: 2種の重複オリゴヌクレオチド:
【化8】 制限部位NheI及びNotIに下線を付した。
【0125】 これらのオリゴヌクレオチドを200μMづつのdNTP、2.6単位のHi
FidelityTM Expand酵素混合物及び200pmolづつの各プライマ
ーの入ったHiFidelityTM PCRバッファー(Boehringer Mannheim,
Germany)中のPCR反応に用いた。
【0126】 PCR反応をDNAサーマルサイクラー(Landgraf, Germany)を用いて実施し
た。94℃で1分のインキュベーション1回、続いて94℃で15秒の変性、6
0℃で60秒のアニーリング及び72℃で120秒の伸長のサイクルプロフィー
ルを利用して実施するPCR 10サイクル、続いて94℃で15秒の変性、6
0℃で60秒及び72℃で120秒(この伸長工程では、全サイクルに20秒追
加した)のサイクル20回。この増幅生成物のアリコート5μlを1.5%のア
ガロースゲル(NuSieve, FMC)で、サイズマーカーとしてReadyLoad
100bp DNAラダー(GibcoBRL, Denmark)と共に電気泳動することにより分
析した。0.2kbの明瞭なDNAフラグメントは2本のプライマーの適正なアセ
ンブリーを示唆する。
【0127】 上記の通りにして作製したPCR生成物のアリコート45μlをQIAqui
ck PCR精製キット(Qiagen, USA)を用い、製造者の指示に従って精製した
。精製したDNAを50μlの10mMのTris−HCl、pH8.5で溶出させ
た。
【0128】 5μgのpMOL1578及び25μlの精製PCRフラグメントをNheI
及びNotIで消化し、消化したpMOL1578を0.8%の低温ゲル化アガ
ロース(SeaPlaque GTG, FMC)ゲルで電気泳動し、対応のフラグメントをゲルか
ら切り出し、そしてQIAquickゲル抽出キット(Qiagen, USA)を用い、そ
の製造者の仕様書に従って精製した。単離したPCR DNAフラグメントを消
化してからQIAquick PCR精製キット(Qiagen, USA)を用い、製造者
の仕様に従って簡単に精製した。精製したDNAを50μlの10mMのTris
−HCl、pH8.5で溶出させた。
【0129】 次にPCRフラグメント及びプラスミドを、NheI−NotI消化し且つ精
製したpMOL1578にライゲーションさせた。ライゲーションは16℃で一
夜かけて、0.5μgづつの各DNAフラグメント、1UのT4 DNAリガー
ゼ及びT4リガーゼバッファー(Boehringer Mannheim, Germany)を用いて実施
した。
【0130】 このライゲーション混合物をコンピテントB.スブチリスPL2306の形質
転換のために用いた。この形質転換細胞をLBPG−10μg/mlのカナマイシ
ンプレート上にプレートした。37℃で18時間のインキュベーション後、いく
つかのクローンを新鮮なアガープレート上に再ストリーキングし、そして更に1
0μg/mlのカナマイシンの入った液体TY培地の中で増殖させ、そして37℃
で一夜インキュベーションした。翌日、1mlの細胞を用いて、Qiaprep
Spin Plasmid Miniprep Kit #27106を利用し
、B.スブチリスプラスミドの調製についてのその製造者の推奨に従ってその細
胞からプラスミドを単離した。このプラスミドDNAをDNA配列決定のための
鋳型として用いた。
【0131】 リンカー及びMI3遺伝子と融合したペクチン酸リアーゼに対応するDNA配
列を含む2つのクローンを保存し、これらのクローンをMB929−1及びMB
929−3と命名した。シグナルペプチド−ペクチン酸リアーゼ−リンカー−M
I3をコードするORFのDNA配列をSEQ ID No.19に示し、そし
て誘導タンパク質配列をSEQ ID No.20に示す。
【0132】 a.a.1〜29:B.リシェニホルミス由来のamyLのシグナルペプチド a.a.30〜343:B.リシェニホルミス由来のペクチン酸リアーゼ a.a.344〜345:クローニング部位NheI由来の2個のアミノ酸 a.a.346〜353:PEPTリンカー a.a.354〜355:Kex2エンドプロテアーゼプロセシング部位 a.a.356〜408:ヒト一本鎖インスリンMI3
【0133】 上述の通りのクローニングから、全長ペクチン酸リアーゼ−リンカー−MI3
を作らないクローンを単離した。このクローンをpMB929−5と命名した。
DNA配列決定することにより、PEPT−KRFVN配列の直前に停止コドン
が導入されていることが示された。このクローンを発現及び検出分析のコントロ
ールとして用いた。
【0134】 ペクチン酸リアーゼ−リンカー−MI3融合タンパク質の発現 pMB929プラスミドを用い、弱プロテアーゼバチルス・スブチリス株WB
600asnを形質転換した。pMB929−1を有するWB600asnの一
のかかる株をMB1009−1と命名した。pMB929−3を有するWB60
0asnの一のかかる株をMB1009−4と命名した。pMB929−5を有
するWB600asnの一のかかる株をMB1009−7と命名し、そして陰性
コントロール株として用いた(上述の通り)。これらの株を10μg/mlのカナ
マイシンの入ったCal18−2培地の中で培養した。2個のバッフルの備った
500mlの振盪フラスコの中で、100mlの培地を約108 個の細胞で接種し、
そして37℃、300rpm で24時間インキュベーションした。サンプルを採取
し、培養ブロスを遠心分離し、そして無細胞上清液を回収し、そして慣用のウェ
スタンブロッティングにより分析した(図4参照)。
【0135】 実施例5 ペクチン酸リアーゼとGLP−1との融合タンパク質の発現及びKex2p切断 弱プロテアーゼ株WB600asnをプラスミドpMOL1621で形質転換
し、ペクチン酸リアーゼ−ASKR−GLP1(7−37)融合生成物の過剰発
現及び切断のための準備を整えた。この株を10μg/mlのカナマイシンの入っ
たCal18−2培地の中で培養し、2個のバッフルの備った500mlの振盪フ
ラスコ中の100mlの培地に約108 個の細胞を接種し、そして37℃、300
rpm にて24時間インキュベーションした。サンプルを採取し、培養ブロスを遠
心分離し、そして無細胞上清液を回収し、そして分析した。Kex2p−切断は
下記の通りに実施した: a)0.8mlの上清液 b)0.1mlの1MのNa2 HPO4 、pH7.5 c)0.1mlのKex2pを加える(調製no. KMK0087, Steen B. Mortensen,
Novo Nordisk より贈呈) d)37℃の湯浴中で2時間のインキュベーション e)サンプルを瞬間凍結し、そして−20℃で保存する。
【0136】 サンプルはSDS−PAGEの実行直前に解凍させた。30μlのサンプルを
20μlのサンプルバッファー及び5μlのPMSF(イソプロパノールに溶解
)及び5μlの25%(w/v)のDTTで処理し、次いで煮沸した。10μl
をウェルに適用した。個々のサンプルをワークシートに記載する。その他の条件
は全て「材料と方法」において前述した通りである。
【0137】 図5はペクチン酸リアーゼ−ASKR−GLP1(7−37)融合タンパク質
がKex2pにより効率的に切断され、GLP1抗体により認識させるGLP1
生成物が残ることを示す。GLP1の収率は50mg/l程度であった。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2に係る融合ポリペプチドペクチン酸リアーゼ−ASKR−GLP1(
7−37)の発現を示すウェスタンブロット。図の汎例:レーン1:ペクチン酸
リアーゼ−ASKR−GLP1(7−37)のバチルス培養物;レーン2:GL
P1標準品100mg/l。
【図2】 実施例2に係る融合ポリペプチドペクチン酸リアーゼ−ASKR−GLP1(
7−37)の発現を示すウェスタンブロット。図2の汎例:レーン1:精製ペク
チン酸リアーゼ−ASKR−GLP1(7−37)10倍希釈;レーン2:MI
3(12.5mg/l)とGLP1(25mg/l)との混合標準品。
【図3】 実施例3に係る融合ポリペプチドペクチン酸リアーゼ−AS−PEPTPEP
TKR−GLP1(7−37)のバチルススブチリス培養物による発現を示すウ
ェスタンブロット。図3の汎例:レーン1:培養物(コントロール);レーン2 :GLP−1標準品(100mg/l);レーン3:GLP1標準品(50mg/l
);レーン4:GLP1標準品(25mg/l)。
【図4】 実施例4に係る融合ポリペプチドペクチン酸リアーゼ−AS−PEPTPEP
TKR−MI3の発現を示すウェスタンブロット。図4の汎例:レーン1:MB
1009−1(ペクチン酸リアーゼ−AS−PEPTPEPTKR−MI3); レーン2 :MB1009−1(ペクチン酸リアーゼ−AS−PEPTPEPTK
R−MI3);レーン3:MB1009−4(ペクチン酸リアーゼ−AS−PE
PTPEPTKR−MI3);レーン4:MB1009−4(ペクチン酸リアー
ゼ−AS−PEPTPEPTKR−MI3);レーン5:MB1009−7(陰
性コントロール);レーン6:MB1009−7(陰性コントロール);レーン :MB1009−7(陰性コントロール);レーン8:標準MI3、50mg/
l;レーン9:標準MI3、25mg/l;レーン10:標準MI3、12.5mg
/l。
【図5】 実施例5に係る融合ポリペプチドペクチン酸リアーゼ−ASKR−GLP1(
7−37)の発現及びGLP1(7−37)を遊離するKex2p−切断を示す
ウェスタンブロット。図5の汎例:レーン1:Kexプロテアーゼで処理したペ
クチン酸リアーゼ−ASKR−GLP1(7−37)のバチルス培養物;レーン :ペクチン酸リアーゼ−ASKR−GLP1(7−37)のバチルス培養物; レーン3 :GLP1の標準品(12.5mg/l);レーン4:GLP1の標準品
(25mg/l);レーン5:GLP1の標準品(50mg/l)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12N 1/21 C12R 1:08 C12R 1:07) 1:09 (C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:125) (C12N 1/21 C12R 1:08) (C12N 1/21 C12R 1:09) (C12N 9/88 C12R 1:125) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ディエルス,イバン デンマーク国,デーコー−3500 ベールレ ーセ,モーセガール パーク85 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA07 CA04 CA07 CA10 DA07 EA04 GA11 HA01 HA12 4B050 CC05 DD02 GG06 LL01 4B065 AA15X AA15Y AA19X AB01 AC14 BA02 CA27 CA44

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一本のオープンリーディングフレームへと順次融合された少
    なくともペクチン酸リアーゼ、タンパク質分解切断標的部位及び外性起源のポリ
    ペプチドといった要素をコードするDNA配列を含んで成る細胞。
  2. 【請求項2】 一本のオープンリーディングフレームへと順次融合された少
    なくともペクチン酸リアーゼ、2個以上のアミノ酸のリンカー、タンパク質分解
    切断標的部位及び外性起源のポリペプチドといった要素をコードするDNA配列
    を含んで成る細胞。
  3. 【請求項3】 前記細胞がグラム陽性微生物細胞である、請求項1又は2記
    載の細胞。
  4. 【請求項4】 前記細胞がバチルス細胞である、請求項1〜3のいずれか1
    項記載の細胞。
  5. 【請求項5】 前記細胞がバチルス・リシェニホルミス(Bacillus licheni
    formis)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・ブレビス(
    Bacillus brevis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquef
    aciens)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・レンタス(
    Bacillus lentus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearotherm
    ophilus)、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・
    コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サーキュランス(Bacillus
    circulans)、バチルス・ロータス(Bacillus lautus)、バチルス・スリンジエ
    ンシス(Bacillus thuringiensis)、及びバチルス・アガラドエレンス(Bacill
    us agaradhaerens)から成る群から選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項記載
    の細胞。
  6. 【請求項6】 タンパク質分解切断標的部位がプロテアーゼにより認識され
    て切断されるアミノ酸配列である、請求項1〜5のいずれか1項記載の細胞。
  7. 【請求項7】 前記タンパク質分解切断標的部位がアミノ酸配列Lys−A
    rg(KR)である、請求項6記載の細胞。
  8. 【請求項8】 前記タンパク質分解切断標的部位がアミノ酸配列Ile−G
    lu−Gly−Arg(IEGR)である、請求項6記載の細胞。
  9. 【請求項9】 前記タンパク質分解切断標的部位が、前記細胞により前記融
    合ポリペプチドが分泌されると切断されるアミノ酸配列である、請求項1〜5の
    いずれか1項記載の細胞。
  10. 【請求項10】 前記タンパク質分解切断標的部位が化学化合物により切断
    されることのできるアミノ酸配列である、請求項1〜5のいずれか1項記載の細
    胞。
  11. 【請求項11】 前記化学化合物が臭化シアン又はヒドロキシルアミンであ
    る、請求項10記載の細胞。
  12. 【請求項12】 前記ペクチン酸リアーゼがSEQ ID No.2,4,
    6,8及び10から成る群から選ばれるアミノ酸配列を含んで成るペクチン酸リ
    アーゼの群から選ばれる、請求項1〜11のいずれか1項記載の細胞。
  13. 【請求項13】 前記ペクチン酸リアーゼがSEQ ID No.2,4,
    6,8及び10から成る群から選ばれるアミノ酸配列を含んで成るペクチン酸リ
    アーゼと70%のアミノ酸配列類似性を有する相同体である、請求項1〜12の
    いずれか1項記載の細胞。
  14. 【請求項14】 前記リンカー内に存在するアミノ酸残基の少なくとも25
    %がプロリンである、請求項2〜13のいずれか1項記載の細胞。
  15. 【請求項15】 前記リンカーがPro−Glu−Pro−Thr,Glu
    −Pro−Thr−Pro,Pro−Thr−Pro−Glu又はThr−Pr
    o−Glu−Pro(PEPT,EPTP,PTEP又はTPEP)といったア
    ミノ酸配列の少なくとも一周期反復を含んで成る、請求項2〜14のいずれか1
    項記載の細胞。
  16. 【請求項16】 前記リンカーがアミノ酸配列Ile−Glu−Gly−A
    rg(IEGR)の反復を少なくとも一組含んで成る、請求項2〜13のいずれ
    か1項記載の細胞。
  17. 【請求項17】 前記外性ポリペプチドがホルモン、機能性ホルモン類似体
    、酵素及び人工ポリペプチドから成る群から選ばれる、請求項1〜16のいずれ
    か1項記載の細胞。
  18. 【請求項18】 前記外性ポリペプチドがSEQ ID No.12の35
    0〜834位に示すアミノ酸配列を含んで成るα−アミラーゼである、請求項1
    〜16のいずれか1項記載の細胞。
  19. 【請求項19】 前記外性ポリペプチドがSEQ ID No.14の34
    8〜378位又はSEQ ID No.16の356〜386位に示すアミノ酸
    配列を含んで成るヒトGLP−1(7−37)ホルモン類似体である、請求項1
    〜16のいずれか1項記載の細胞。
  20. 【請求項20】 前記外性ポリペプチドがSEQ ID No.18に示す
    アミノ酸配列を含んで成る一本鎖ヒトインスリン(MI3)である、請求項1〜
    16のいずれか1項記載の細胞。
  21. 【請求項21】 前記外性ポリペプチドがSEQ ID No.20の35
    6〜408位に示すアミノ酸配列を含んで成る一本鎖ヒトインスリン(MI3)
    を含んで成る、請求項1〜16のいずれか1項記載の細胞。
  22. 【請求項22】 タンパク質を生産する方法であって、 i)一本のオープンリーディングフレーム(ORF)へと順次融合された少な
    くともペクチン酸リアーゼ、タンパク質分解切断標的部位及び外性起源のポリペ
    プチドといった要素をコードするDNA配列を含んで成る適当な細胞を構築し、 ii)工程(i)で構築した細胞を増殖及び分泌のための適当な条件下で培養し
    ;そして iii)外性起源のポリペプチドを含んで成るタンパク質を回収する; ことを含んで成る方法。
  23. 【請求項23】 前記外性起源のポリペプチドの回収の前又は後にタンパク
    質分解切断工程を更に含んで成る、請求項22記載の方法。
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