JP2003519488A - 活性部位に1又は複数の変異を有するdnaポリメラーゼ変異体 - Google Patents

活性部位に1又は複数の変異を有するdnaポリメラーゼ変異体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、天然のDNAポリメラーゼの変異形であって、その活性化部位の1又は複数のアミノ酸が変異しているものを提供する。本発明のDNAポリメラーゼ変異体は、天然のDNAポリメラーゼに比べて変更された忠実性及び変更された酵素活性を有する。例えば、DNAポリメラーゼ変異体は増加した酵素活性、変更されたdDNP/rNTP特異性、又は増加した忠実性を示す。本発明の一つの態様において、天然のDNAポリメラーゼは、活性部位にアミノ酸配列モチーフ:Asp Tyr Ser Gln Ile glu Leu Argを含んで成る。本発明のその他の観点において、天然のDNAポリメラーセは活性部位にアミノ酸配列モチーフ:Leu Leu Val Ala Leu Asp Tyr Ser Gln Ile Glu Leu Argを有する。変異DNAポリメラーゼは、天然のDNAポリメラーゼの活性部位において(a)アミノ酸配列モチーフ中の1もしくは複数のアミノ酸置換によりまたは(b)アミノ酸配列モチーフ中のGlu以外のアミノ酸の置換により変更されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は一般分子生物学の分野に関する。具体的には、本発明は活性部位の1
又は複数のアミノ酸が変更されている、天然のDNAポリメラーゼの変異形であるD
NAポリメラーゼに関する。
【0002】 発明の背景 DNAポリメラーゼは、ゲノムの複製及び維持を担当しており、その役割は世代
から世代へ遺伝情報を正確に伝達するために必須である。DNAポリメラーゼはDNA
の合成を司る酵素として細胞内で機能する。これらは、金属活性化物質、例えば
Mg2+の存在下で、コピーされるDNA鋳型又はポリヌクレオチド鋳型により指令さ
れる順序で、デオキシリボヌクレオシド・トリホスフェートを重合する。新たに
合成されるDNAにおいて一緒に連結されるヌクレオチドサブユニットの順序を鋳
型が指令するとしても、上記の酵素もまたこの過程の正確さを維持するために機
能する。DNA合成の忠実さに対するDNAポリメラーゼの寄与は2つのメカニズムに
より仲介される。
【0003】 先ず、DNAポリメラーゼ中の基質結合部位の幾何学形状が、デオキシリボヌク
レオシド・トリホスフェートの選択に寄与する。ポリメラーゼ上の基質結合部位
における変異が、DNA合成の忠実性を変更する事が出来る。第二に、多くのDNAポ
リメラーゼが、合成の過程で非相補的デオキシリボヌクレオシド・トリホスフェ
ートが加えれた場合にそれらを優先的且つ即座に切り取るプルーフリード3'-5'
エキソヌクレア-ゼを含有する。その結果、これらの酵素は、5×10-1(2000塩
基当り1個のエラー)〜10-7(107当り1個のエラー)に亘る忠実度をもってイン
−ビトロでDNAをコピーする(Fry and Loeb, Animal Cell DNA Porimerases, pp
.221. CRC Press, Inc., Boca Raton,FL. (1986);Kundel, J. Biol. Chem. 26
7:18254 (1992)。
【0004】 イン−ビトロで、DNAポリメラーゼは、DNA複製、DNAの修復、組換え、及び遺
伝子の増幅を含む一連のDNA合成過程に関与する(Korberg and Baker, DNA Repr
ication, pp.929, W.H. Freeman and Co. New York (1992))。各DNA合成過程の
間に、DNA鋳型は1回又は多くとも数回コピーされて同じレプリカが生成する。
これに対して、イン−ビトロDNA複製は、例えばポリメラーゼ連鎖反応において
、多数回反復され得る(Mullis, USPN 4,683.202)。
【0005】 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いる初期の研究において、DNAポリメラーゼは
、DNA複製反応の各回の最初に添加された(USPN 4,683,202)。その後、上昇し
た温度において増殖する細菌から熱安定性DNAポリメラーゼが得られるっことが
決定されmそしてこれらの酵素は、一回添加すればよい(Gelfand USPN 4889,81
8)。PCR中に使用される上昇したおんどにおいて、これらの酵素は変性しない。
その結果、各合成添加工程の始めにおいて新たな酵素を添加することなく、ポリ
メラーゼ連鎖反応の反復サイクルを行なう事が出来る。
【0006】 DNAポリマラーゼ、特に熱安定性ポリメラーゼは、組換えDNA研究及び疾患の医
学診断における多くの技法における鍵となる。特に診断用途のために、標的核酸
配列は極少量の問題のDNA又はRNAであるから、PCR技法無くして、標的核酸配列
の存在を検出することは困難である。生化学及び医学におけるDNAポリメラーゼ
の重要性のため、変更された忠実性及び高い活性などの好ましい酵素特性を有す
るDNAポリメラーゼ変異体を生じさせる事は、非常に有利である。
【0007】 ポリメラーゼは、種々の核酸配列を有する鋳型からの指示を取りながら4種類
のデオキシヌクレオシド・トリホスフェートのそれぞれの取り込みを特異的に構
成する活性部位構造を含む。更に、活性部位は細胞性代謝の間に変更されたヌク
レオチドの生成を排除する傾向を有する。ポリメラーゼの全体的折り畳みパター
ンはヒトの右手に類似しており、そして手の平、フィンガー及び親指の別個のサ
ブドメインを含む(Beese et al., Sience 260:352-355 (1993);Patel et al.,
Biochemistry 34:5351-5363 (1995);これらの2件の文献を引用により本明細
書に組み入れる)。
【0008】 フィンガー及び親指サブドメインの構造は、サイズ及び細胞機能を異にするポ
リメラーゼ間で大きく異なるが、触媒的手の平サブドメインはすべて重ねられう
る(superimposable)。入ってくるdNTPと相互作用し、そして化学的触媒の間に
遷移状態を安定化するモチーフAは、哺乳類polα及び原核生物pol Iファミリ
ーのDNAポリメラーゼ間で約1Åの平均偏差をもって重なる(Wang, et al., Cel
l 89:1087-1099 (1997)。モチーフAは、構造的に、主として疎水性残基を含む
抗並行(antiparallel)β−鎖から始まり、そしてα−へリックスに続く(図1)
。DNAポリメラーゼの活性部位は非常に保存されている。
【0009】 モチーフAは、テルムス・アクアチクス(Thermus aquaticus)、クラミジア
・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、及び大腸菌(Escherichia coli)
を含む、数百万年の進化を隔てた生物からのポリメラーゼ中に配列DYSQIELRを保
持している。これらを一緒に考えて、これらの結果が示すところによれば、ポリ
メラーゼは類似の触媒的メカニズムにより機能し、そしてポリメラーゼの活性部
位は生物の生存を保証するため不変である。
【0010】 米国特許No.5,939,292は、天然の熱安定性DNAポリメラーゼの変異形である組
換え熱安定性DNAポリメラーゼに向けられており、この天然の熱安定性DNAポリメ
ラーゼはアミノ酸配列モチーフSer Gln Ile Glu Leu Arg Xaa(配列番号:1)
を含んでなるアミノ酸配列を有し、ここでこの配列モチーフの7位のXaaはバリ
ン残基またはイソロイシン残基であり;前記変異形は前記配列モチーフの4位に
グルタミン酸(Glu)以外のアミノ酸を含む様に修飾されており;そして変異形
は、前記天然の熱安定性DNAポリメラーゼに比べて、異常なヌクレオチドの取り
込みに対して低下した区別性を有する。
【0011】 前記米国特許No.5,939,292特許において、熱安定性DNAポリメラーゼ変異体は
イン−ビトロでリボヌクレオチドを導入する活性を有する。この変異体は活性部
位に単一の変異を有し、グルタミン酸残基が変更されている。活性部位における
グルタミン酸残基の変更の単一の変異を有するDNAポリメラーゼ変異体に依存す
る細菌は、その変異体がDNA複製のための十分な活性を有しないため、イン−ビ
ボでは生存できないと本発明者は信ずる。本発明者らの結果が示唆するところに
よれば、Glu 615残基置換を有するDNAポリメラーゼ変異体に依存する細菌は、前
記GluがAspで置換され、そしてモチーフA中の他の位置に少なくとも1個の追加
の置換が存在する場合にのみ、生存する(図2)。
【0012】 本発明は、イン−ビボでのポリメラーゼ活性部位での変異可能性(mutability
)の程度を評価する。本発明者の結果は、触媒部位内でのアミノ酸置換は安定性
及び酵素活性の低下を導くという典型に反する。本発明者が見出したところによ
れば、DNA活性部位は高度に可変的(mutable)であり、そしてDNAポリメラーゼ
活性に有意な影響を与えることなく多くのアミノ酸置換を含むことが出来る。本
発明が示すところによれば、触媒部位の変異は、変更された基質特異性を有する
高度に活性な酵素を生成することが出来る。変異DNAポリメラーゼは選択的利点
、例えば連鎖停止ヌクレオチド類似体の導入に対して抵抗する能力、増加した触
媒活性、ヘアピン構造にわたって複製する能力、増加した処理性(processivity
)、変更された忠実性、などを提供する。
【0013】 発明の要約 本発明は、天然のDNAポリメラーゼの変異体であるDNAポリメラーゼに関し、こ
の変異体においては、活性部位の1又は複数のアミノ酸が変異している。本発明
のDNAポリメラーゼ変異体は、天然のDNAポリメラーゼに比べての、変化した基質
特異性、変化した忠実性、又は高い酵素活性により特徴付けられる。このDNAポ
リメラーゼ変異体に依存する宿主細胞は生存し、そして反復複製する事が出来る
。本発明はまた、天然のDNAポリメラーゼの変異体である、活性部位の1又は複
数のアミノ酸が変異している組換えDNAポリメラーゼの製造方法を提供する。
【0014】 本発明の一つの観点において、天然のDNAポリメラーゼは、活性部位内に、ア
ミノ酸配列モチーフ:Asp Tyr Ser Gln Ile glu Leu Arg(配列番号:2)を含
んで成る。変異形は、 (a)前記アミノ酸配列モチーフ内に1又は複数のアミノ酸置換を含むか、あ
るいは (b)前記アミノ酸配配列モチーフ内にGluでない1つのアミノ酸置換を有す
る。
【0015】 本発明の他の観点において、天然のDNAポリメラーゼは、活性部以内に、アミ
ノ酸配列モチーフ:Leu Leu Val Ala Leu Asp Tyr Ser Gln Ile Glu Leu Arg(
配列番号:3)を含んでなる。変異形は、 (a)前記アミノ酸配列モチーフ内に1又は複数のアミノ酸置換を含むか、あ
るいは (b)前記アミノ酸配配列モチーフ内にGluでない1つのアミノ酸置換を有す
る。
【0016】 本発明が見出したところによれば、DNA活性部位は高度に可変的(mutable)で
あり、そしてDNAポリメラーゼ活性に有意な影響を与えることなく多くのアミノ
酸置換を含むことが出来る。DNAポリメレア−ゼのモチーフA内でのアミノ酸置
換は、変化した触媒活性、変化したdNTP/rNTP特異性、異常なヌクレオチドの導
入を可能にする低い忠実性、及びポリメラーゼ連鎖反応のために適当な高い忠実
性を有する酵素を生成せしめる。例えば、変異体DNAポリメラーゼは、対応する
野生型酵素に比べて、異常なヌクレオチド、特にリボヌクレオチド及びその類似
体を導入する能力により特徴付けられる。
【0017】 発明の具体的な説明 本発明は、天然のDNAポリメラーゼの変異体であって、活性部位において1又
は複数のアミノ酸が変異しているDNAポリメラーゼの新規な組成物を提供する。
本発明の変異DNAポリメラーゼは同一の又は変更された基質特異性を有する活性
な酵素である。低忠実性変異体は、誤傾向(error-prone)PCR増幅の間のヌクレ
オチドの誤取り込みの頻度の増加による特定の遺伝子への変異の導入のために有
用である。高忠実性変異体は、遺伝子のPCR増幅のため及び遺伝的変異のマッピ
ングのために有用である。従って、変異体は特定の遺伝子の特性決定のため及び
ヒトの遺伝性疾患の同定及び診断のために有用である。
【0018】 頬発明の理解を促進するため、次に幾つかの用語を定義する。「変異DNAポリ
メラーゼは、活性部位内の1又は複数のアミノ酸がDNAポリメラーゼのPol Iフ
ァミリーに属するような選択された天然のDNAポリメラーゼとは異なる、DNAポリ
メラーゼを意味することが意図される。前記選択されたDNAポリメラーゼは、所
望の酵素特性に基づいて決定され、そして変異ポリメラーゼの集団を生じさせる
ための親ポリメラーゼとして使用される。例えばDNAポリメラーゼ変異体の集団
の生成のための天然のDNAポリメラーゼとして、例えばTaq DNAポリメラーゼI又
は大腸菌DNAポリメラーゼの如き熱安定性ポリメラーゼ選択することができる。
本発明の「変異DNAポリメラーゼ」は組換え技術により製造される変異体に限定
されず、他の方法、例えば化学的又は物理的変異誘発によっても製造する事がで
きる。
【0019】 DNAポリメラーゼについて使用される場合、「触媒活性」又は「活性」は、ポ
リメラーゼの酵素的性質を意味する。触媒活性には、例えば、核酸ポリマーの合
成速度;ヌクレオシドトリホスフェート及び鋳型鎖の如き基質に付いてのKm;非
相補的ヌクレオチドの取り込みを相補的ヌクレオチドのそれと比較した場合の、
ヌクレオチドの鋳型−指令取り込みの忠実性;処理性(processivity)、DNA鋳
型からの解離の前にポリメラーゼにより合成されるヌクレオチドの数;並びに、
例えば上昇した温度における安定性、の如き酵素的性質が含まれる。
【0020】 DNAポリメラーゼまた、デオキシリボヌクレオシドトリホスフェートと、ジデ
オキシリボヌクレオシドトリホスフェートとの間を区別する。これらの別個の酵
素的性質の何れも用語「酵素的性質」の意味に含まれ、いずれかの単独の性質、
複数の性質の任意の組み合わせ、あるいは性質のすべて、が含まれる。本発明は
、変更された忠実性とは別に変更された触媒活性を有するポリメラーゼ変異体を
含む。
【0021】 DNAポリメラーゼについて使用する場合、用語「忠実性」は、鋳型鎖に比較し
ての、合成されたDNA鎖への相補的塩基の鋳型−指令取り込みの正確さを意味す
る。忠実性は、新たに合成される核酸鎖への正しくない塩基の取り込みの頻度に
基づいて測定される。正しくない塩基の取り込みは点変異、挿入又は除去をもた
らす事ができる。忠実性は、Tindall and Kunkel(Biochemistry 27:6008-6013
(1988)に記載の方法に従って計算することができる。
【0022】 用語「変更された忠実性」は、当該DNAポリメラーゼ変異体が由来する選択さ
れた親DNAポリメラーゼの忠実性とは異なる、変異DNAポリメラーゼの忠実性を意
味する。即ち、変更された忠実性を有するDNAポリメラーゼは、高忠実性DNAポリ
メラーゼまたは低忠実性DNAポリメラーゼに分類する事ができる。用語「高忠実
性」は、予め定められた値を超える正しい塩基の取り込みの頻度を意味する。同
様に、用語「低忠実性」は、予め定められた値より低い正しい塩基の取り込みの
頻度を意味する。
【0023】 予め定められた値は、例えば、野生型DNAポリメラーゼの忠実性の正しい塩基
の取り込みの好ましい頻度である。変更された忠実性は、親ポリメラーゼ及び変
異ポリメラーゼを測定し、そして相補的塩基の鋳型−指令取り込みの精度を測定
する任意の測定法を用いてそれらの活性を比較する事により決定する事ができる
。忠実性を測定するこの様な方法には、例えば、プライマー伸長アッセイ、並び
に当業界で知られている他の方法が含まれる。
【0024】 核酸塩基に関して、用語「通常の(conventional)」ヌクレオシド又はヌクレ
オチドは、記載されるポリヌクレオチド中の天然に存在するそれら(即ち、例え
ばDNAについては、dATP、dGTP、dCTP及びdTTP)を意味する。更に、配列決定の
如きイン−ビトロDNA合成反応においては、c7dGTP及びdITPがしばしば使用され
る。これらを「dNTP」と総称する場合がある。
【0025】 核酸塩基に関して、用語「異常(unconventional)」ヌクレオシドまたはヌク
レオチドは、DNAまたはRNA中に天然に存在するヌクレオシド又はヌクレオチドの
修飾体、誘導体又は類似体を意味する。より具体的には、本明細書で使用する場
合、異常ヌクレオチドは、通常のdNTPに比べてリボース糖の2’で修飾さている
。即ち、RNAについては、天然に存在するヌクレオチドはリボヌクレオチド(即
ち、ATP、GTP、CTP及びUTP、総称してrNTP)であるが、これらのヌクレオチドは
、糖の2’位にヒドロキシル基を有し、これらはdNTP中には存在しないので、リ
ボヌクレオチドは、DNAポリメラーゼの基質としては異常ヌクレオチドである。
【0026】 2’に置換基、例えば2’-フルオロ又は2’-アミノを含むリボヌクレオチド
類似体は本発明の範囲内にある。更に、リボヌクレオチド類似体は、3’におい
て修飾されていてもよく、例えば、通常のヒドロキシル基が水素により置換され
ていて(3’デオキシ)、リボヌクレオチド類似体ターミネーターを提供しても
よい。この様なヌクレオチドは何れも用語「異常ヌクレオチド」の範囲に属する
【0027】 用語「発現系」は、所望のコード配列及び作用可能に連結された制御配列を含
み、それによりコードされたタンパク質の生産を可能にするDNA配列を意味する
。形質転換を行うため、発現系はベクターに含めることも出来るが、しかしなが
ら、有意義なDNAを宿主の染色体に組み込むこともできる。 用語「遺伝子」は、回収可能な生物活性ポリペプチドまたは前駆体の生産のた
めに必要な制御配列及びコード配列を含んでなるDNA配列を意味する。ポリペプ
チドは全長の遺伝子配列によりコードされていてもよく、また酵素活性が維持さ
れる限りコード配列の任意の部分によりコードされていてもよい。 用語「宿主細胞」は、単細胞原核生物及び真核生物の両者、例えば細菌、酵母
及び放線菌、並びに細胞培養において増殖する場合には高等植物又は動物からの
単細胞、を意味する。
【0028】 本発明の変異DNAポリメラーゼは活性部位に変異を含んだなり;この変異は、
単一アミノ酸置換または多アミノ酸置換である。活性部位の構造は、種々の天然
のDNAポリメラーゼ間で重なる(superimposable)。入ってくるdNTPと相互作用
しそして化学的触媒の間遷移状態を安定化する、DNAポリメラーゼの活性部位だ
あるモチーフAは、哺乳類pol I α及び原核性pol IファミリーDNAポリメラー
ゼ間で、約1Åの平均偏差をもって重なる。モチーフA中の配列:DYSQIELRは、
テルムス・アクアチクス(Thermus aquaticus)、クラミジア・トラコマチス(C
hlamydia trachomatis)、及び大腸菌(Escherichia coli)の如原核生物間で保
存されている。
【0029】 表1は、異なる生物のモチーフAのアミノ酸配列を掲げる。リストされた34種
の内、27はモチーフA中に配列:DYSQIELR(配列番号:2)を有し、そして残り
は、配列:DYSQIEMR(配列番号:6)、DFSQIELR(配列番号:7)、DYSQIELA
配列番号:8)、DYVQIELR(配列番号:9、又はDYTQIELY(配列番号:10を有す
る。何れの種もモチーフA中に変更されたEを有しない。本発明の変異DNAポリ
メラーゼは、アミノ酸配列:DYSQIELR、DYSQIEMR、DFSQIELR、DYSQIELA、DYVQIE
LR、又はDYTQIELYを含んでなる天然のDNAポリメラーゼの活性部位に変異を含む
【0030】 本発明の一つの好ましい態様において、修飾されるべき天然のDNAポリメラー
ゼの必須のモチーフは、アミノ酸配列:DYSQIELR(Asp Tyr Ser Gln Ile glu Le
u Argを含んで成る。本発明の他の好ましい態様において、修飾されるべき天然
のDNAポリメラーゼの必須のモチーフは、アミノ酸配列:LLVALDYSQIELR(Leu Le
u Val Ala Leu Asp Tyr Ser Gln Ile Glu Leu Arg)を有する。本発明はまた、
前記のDNAポリメラーゼ変異体をコードする単離された核酸配列に関する。
【0031】
【表1】
【0032】 ランダム変異誘発法により、各アミノ酸が19種類の他のアミノ酸のいずれかに
変更されている変異体の大集団が作られる。ストリンジエントな選択スキームと
組み合わせた場合、選択された変異体の配列決定の後に、イン−ビボでの許容さ
れるアミノ酸置換の種類を決定する事が出来る。活性な変異DNAポリメラーゼの
モチーフA内の変異は、三次構造を安定化する部位において保存的置換のみを含
むが、他の部位においては広範なアミノ酸置換を含む。本発明において選択され
るすべての変異体は、野生のDNAポリメラーゼ活性の少なくとも10%を有する。
変異DNAポリメラーゼに依存する宿主細胞は生存しそして反復して複製するきと
ができる。
【0033】 選択の後、活性なDNAポリメラーゼをコードする遺伝子を含有するプラスミド
が精製され、そして変異DNAポリメラーゼをコードする核酸配列が配列分析によ
り決定される。変異体のモチーフAのアミノ酸配列は核酸配列に由来する。DNA
ポリメラーゼ変異体により示されるユニークな性質には、野生型(WT)酵素より高
いDMAポリメラーゼ活性、リボヌクレオチド、リボヌクレオチド類似体、および
ハプテンタグの蛍光によりラベルされた塩基、の如き異常なヌクレオチドを取り
込む能力が含まれる。本発明の好ましいDNAポリメラーゼ変異体は、野生型DNAポ
リメラーゼに比べて少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍、そした更に
好ましくは少なくとも1000倍の速度でリボヌクレオチドを導入するその能力によ
り特徴付けられる。
【0034】 活性な変異DNAポリメラーゼ、例えばTaq Pol Iの変異体は、モチーフAの幾
つかの残基が広範囲の置換(Ser 612、Ile 614、およびLeu 616)に耐え、幾つ
かの残基は保存的置換(Tyr 611、Gln 613、Glu 615、およびLeu 616)に耐え、
そして唯一の残基(Asp 610)が変異可能であることを示す。高度に変異可能な
残基の内、研究されたほとんど全ての原核性および真核性DNAポリメラーゼに存
在するSer 612は、しばしばWT-様活性を保存しながらサイズおよび親水性を事に
する置換に耐える。その他の高度に変異可能なアミノ酸の内、疎水性残基Leu 60
5〜Leu 609は、入ってくるdNTPのトリホスフェート部分を収容する構造的に保存
された抗−平行(anti-parallel)βシートの鎖を形成する。
【0035】 おそらく、保存的変化に耐える残基(Tyr 611、Gln 613、Glu 615、及びLeu 6
16)は、dNTP結合及び/又は蛋白質の安定に重要であり;X−線構造解析は、こ
れらの残基のそれぞれが重要なドメインとの蛋白質相互作用において潜在的な役
割を有することを示している(Li. Embo, J. 17:7514-25 (1998)。これらの残基
(Gln 613、Glu 615、及びLeu 616)は、dNTP結合段階でコンホーメーションが
変化した場合、フィンガーモチーフOヘリックスとの相互作用に関与し、そして
4番目(Tyr 611)は重要なアンカーとして、並びに金属の一つと結合するカル
ボキシル酸素を提供するために機能する。唯一の変異不能の残基はAsp 610であ
り、これは他の変異の関連においても、グルタミン酸によってさえ置換できない
【0036】 Asp 610は金属介在触媒反応を調整して(coordinate)入ってクロくるヌクレ
オチドの取り込みを導くために機能する。Asp 610の変異不能の性質は、この正
確な触媒部位の幾何学構造が変化され得ないことを示す。単一アミノ酸変異を有
する変異体の解析が特定のアミノ酸置換により与えられる活性への効果の決定を
可能にする。Leu 605は、野生型Taq pol Iに比べて高いポリメラーゼ活性をも
たらし、そして多変異に関して生ずる全ての選択されたLeu 605 Arg変異が高い
活性を示す。単一置換Arg 617 Pheは、野生型Taq pol Iの2倍の活性を提供し
、この部位での他の置換はTaq pol Iの活性を低下せしめる。
【0037】 本発明者らの研究室における変異体のサブセットは、効果的にrNTPを導入する
(図2)。本発明は、活性部位に表2に示すアミノ酸配列(配列番号:11〜33)
を含んで成る変異DNAポリメラーゼの組成物を提供する。変異DNAポリメラーゼの
好ましい組成物は、活性部位にアミノ酸配列:LLVSLDYSQNELR(配列番号:14)
、LLVALDYSQNEIR(配列番号:21)、又はLLVDLDYSQIDLR(配列番号:24)を含ん
で成る。表2の変異体は1、2、3、又は4のアミノ酸置換を有し、そいて2個
の主要なクラス、即ち、1)Ile 614に親水性置換をコードするもの;これらの
酵素は1又は2置換を有するrNTP導入変異体の主たるものを構成する;並びに2
)Glu 615 Aspをコードするもの;これらの酵素は1〜3個の他の置換を含み、
そして合計2〜4個の置換を有する。
【0038】 本発明者の変異体で単一Glu 615置換を有するものは存在しない。本発明者の
結果は、Glu 615がdNTPの結合及びDNAポリメラーゼ活性のために重要であるtこ
とを示唆する。モチーフA注でグルタミン酸を変更する単一変異はDNAポリメラ
ーゼ活性を致命的に障害する。GluからAspへの保存的置換及びモチーフA中の追
加の補償的(compensating)置換はDNAポリメラーゼ活性のために適当な三次構
造を与えるであろう。動力学的研究は、精製された野生型Taq pol Iがリボヌク
レオチドを効果的に導入しない事をしめす。本発明のDNAポリメラーゼ変異体は
、野生型ポリメラーゼに比べて3オーダーまで、各リボヌクレオチドを導入する
【0039】
【表2】
【0040】 本発明者らは、dNTPの利用を許容しながら、入ってくるリボヌクレイチドに対
してGlu 615により与えられる立体障害(図2)が改善される2つのメカニズム
を提案する。 1)Ile 614における親水性置換が隣接するGlu 615と相互作用しそして位置を
変えることにより立体環境が変化する可能性; 2)Glu 615 Asp置換は側鎖の長さを短縮しそしてヘリックスO残基Tyr 671に
必須水素が結合するのを許容しながらブロックを最小にする。
【0041】 ポリメラーゼ変異体が多数のリボヌクレアゼを連続的に導入することによりRN
Aポリメラーゼとして機能することが出来るか否かを決定するため、精製された
野生型Taq pol I、I614に置換を含む変異体、およびE615に置換を含む変異体を
、増加する量の4種類すべてのrNTPと共にインキュベートする。野生型酵素はリ
ボヌクレオチドを非効率的に導入しそして延長するが、両クラスのリボヌクレオ
チド利用性変異酵素は、細胞内の濃度より低いrNTPの濃度においてさえ、たすう
のリボヌクレオチドを重合する。対照インキュベーションにおいて、延長された
生成物をアルカリ中で分解して最初の基質を再生する事が出来、生成物がRNAで
あることが証明される。
【0042】 従って、本発明者らのランダム変異誘発法は、連続的リボヌクレオチドを導入
する能力を付与する機能変異の1〜3利得を含む1連のDNAポリメラーゼを同定
した。これらの変異体は、染色体DNAにリブヌクレオチドを長期間に亘って導入
することにより、細胞への低下した適合性をもたらすであろうが、23個の独立の
rRNA導入変異体がDNAポリメラーゼ欠損株を用いて選択されるという観察は、機
能するDNAポリメラーゼはそれが最初の50世代以上に亘ってリボヌクレオチドを
一時的に導入しても、生存のために重要であることを示している。
【0043】 本発明は、核酸増幅、核酸検出及びDNA配列決定分析を含む多くの用途のため
にリボヌクレオシドトリホスフェートと共に使用するために適当な変異DNAポリ
メラーゼを提供する。配列決定におけるリボヌクレイチドの使用は、ddNTPのご
とき連鎖停止類似体の高コストを回避する。更にそれは、DNA配列分析のための
みならず、引き続きDNA配列決定反応を実施することを必要としない電気泳動又
はハイブリダイゼーションの如き他のタイプの分析のために適当な新規な増幅生
成物の調製を促進する。
【0044】 本発明は、疾患の診断における使用のための、レポーターにより標識されたヌ
クレオチド類似体を導入する事が出来る変異DNAポリメラーゼを提供する。個の
用途において、細菌又はウイルスの如き特定の病原体からのDNAが臨床試料(例
えば、血液、尿、唾液、便、汗など)から検出されうる。試料は先ず、そのゲノ
ムを暴露しそしてそのDNAを変性するために加熱される。次に、病原体のゲノム
の領域に相補的である小さい単鎖DNA断片が添加されて、当該DNA断片が病原体の
ゲノムDNAの相補的領域にハイブリダイズすることが出来るようにされる。
【0045】 次に、レポーターにより標識されたヌクレオチド類似体を効果的に導入する事
が出来る本発明の変異DNAポリメラーゼが、4種類すべてのdNTP及び痕跡量のレ
ポーターで標識されたヌクレオチド類似体の存在下で、添加される。レポーター
分子は、フルオレッセインの如き蛍光原(fluorophore)、テキサスレッド(Texa
s red)、ローダミン、カスケードブルー(Cascade Blue)色素など、ビオチ
ン又はジゴキシゲニン(digoxigenin)の如きハプテン、放射性標識、或いは化
学発光分子などであることができる。変異体DNAポリメラーゼによる前記ハイブ
リダイズされた小DNA断片の延長が、標識された(tagged)DNA断片をもたらす。
【0046】 豊富な量の標識された(tagged)DNAの存在が、特定の病原体の存在を示す。
このプロトコールは、それぞれが異なる蛍光原を含みそして異なる放射スペクト
ル(例えば、赤、青、マジェンダ、黄など)を示す多くの異なる小単鎖DNAを蛍
光標識することにより改変する事が出来る。各小単鎖DNAは、多くの異なる病原
体の内の一つのゲノムにハイブリダイズする事が出来る。ユニークに蛍光標識さ
れたヌクレオチドの存在下での変異ポリメラーゼいよるDNA合成に続き、延長さ
れたDNAからの蛍光シグナルの性質を決定する事により、特定の病原体を診断す
る事が出来る。
【0047】 本発明は、野生型DNAポリメラーゼに比べて高い忠実性を有する変異DNAポリメ
ラーゼを提供する。この変異DNAポリメラーゼは、DNA配列のコピー又は複製にお
いて、癌診断、及び毒性類自体の導入により腫瘍を殺す遺伝子療法/癌療法にお
ける適用のため、有用である。
【0048】 本発明はまた、野生型DNAポリメラーゼに比べて増強された忠実性を有する変
異DNAポリメラーゼを提供する。例えば、6個の置換(Leu 605 Arg、Leu 606 Me
t、Val 607 Lys、Ala 608 Ser、Leu 609 Ile及びSer 612Arg)を有する一つの変
異体は、野生型Taq Pol Iに比べて、約5倍高い忠実性を有する。本発明は、ポ
リメラーゼ連鎖反応において特定の核酸配列を増幅するための、活性部位におい
て変異を有する高忠実性DNAポリメラーゼ変異体の使用方法を提供する。ポリメ
ラーゼ連鎖反応は、米国特許No.4,683,202に詳細に記載されており、その記載を
引用により本明細書に組み入れる。要約すれば、特定の核酸配列は2本の別個の
相補的鎖からなり、一つの核酸又は核酸混合物中の含まれる。
【0049】 増幅方法は、次の工程: (a)前記2本の鎖を、2つのオリゴヌクレオチドプライマーにより、高忠実性
変異DNAポリメラーゼの存在下で、前記特定の核酸配列の各鎖に相補的な、各プ
ライマーの伸長生成物が合成される条件下で処理し、ここで、前記プライマーは
、前記特定の配列の2つの鎖にハイブリダイズするために十分に相補的であり、
1つのプライマーから合成された伸長生成物はその鋳型から分離された場合他方
のプライマーの伸長生成物合成のための鋳型として機能する事が出来るように選
択され;
【0050】 (b)プライマー伸長生成物を、それらがその上で合成された鋳型から分離して
、単鎖分子を生成せしめ;そして (c)工程(b)から生成した単鎖分子を、変異DNAポリメラーゼの存在下で、工程(
b)から生成した単鎖のそれぞれを鋳型として用いてプライマー伸長生成物が合成
される条件下で、工程(a)のプライマーにより処理する;を含んでなる。好まし
い方法において、工程(b)は、加熱のごとき変性のより行なわれる。PCR用途に適
当なDNAポリメラーゼ変異体の一つは、アミノ酸配列:RMKSIDYRQIELR(配列番号
:34)を含んで成る。
【0051】 本発明の変異DNAポリメラーゼは、85,000〜105,000、更に好ましくは90,000と
95,000との間の分子量を有する。これらのポリメラーゼのアミノ酸配列は、約75
0〜950のアミノ酸残基、好ましくは800と900の間のアミノ酸残基から成る。本発
明のポリメラーゼは、約540以上のアミノ酸残基から成ることが出来、そして少
なくともポリメラーゼドメイン、及び3'−5'エキソヌクレア−ゼドメインに対
応する部分、及びおそらく、多くの全長熱安定性ポリメラーゼ酵素のアミノ酸配
列の最初の三分の一に含まれる5'−3'エキソヌクレアーゼドメインの部分を含ん
で成ることが出来る。
【0052】 本発明の変異DNAポリメラーゼの例は、表1に掲げる生物からの天然ポリメラ
ーゼの組換え誘導体である。表1は又、その中で変異が生ずる必須のモチーフの
特定の配列を示す。表1に示さないDNAポリメラーゼについて、アミノ酸配列中
の必須のモチーフが一旦同定されれば、変異ポリメラーゼの調製は簡単である。 本発明は、変更された忠実性及び触媒活性を有する変異DNAポリメラーゼを同
定する方法に関する。この方法は、天然のDNAポリメラーゼのモチーフA中の少
なくとも1個のアミノ酸残基の変異によりポリメラーゼ変異体のランダム集団を
生じさせ、そして前記の集団を活性ポリメラーゼ変異体について、遺伝的選択に
よりスクリーニングする、ことを含んで成る。
【0053】 変更された忠実性又は変更された触媒活性をポリメラーゼの発生及び同定は、
モチーフA内にランダム化されたオリゴヌクレオチドを含んで成る変異ポリメラ
ーゼの集団を生成せしめることにより達成される。活性変異体の同定は、イン−
ビボで行なわれ、そして非許容条件下で条件付けられた(conditional)ポリメ
ラーゼ変異体の遺伝的補完に基づく。一旦同定されれば、活性ポリメラーゼハ次
にポリヌクレオチド合成の忠実性及び触媒活性についてスクリーニングされる。
【0054】 本発明の方法は、ポリメラーゼ変異体の集団、および活性ポリメラーゼ変異体
を同定するための前記ポリメラーゼ変異体集団のスクリーニングを用いる。ポリ
メラーゼ変異体の集団を用いる事は、単一アミノ酸置換および多アミノ酸置換を
含めての多数のアミノ酸置換を、ポリメラーゼ忠実性に対するのそれらの効果に
ついて試験する事が出来る点において有利である。ポリメラーゼ変異体の集団の
使用は所望の忠実性を有するポリメラーゼ変異体の同定の可能性を増加せしめる
【0055】 ポリメラーゼ変異体の集団のスクリーニングは、ポリメラーゼの活性の対する
特定のアミノ酸の効果についての予測の必要性を軽減するという追加の利点を有
する。単一アミノ酸の置換は酵素活性に対するその効果について限定された予想
をもたらし、そして多アミノ酸置換の効果は実質上予想不能である。本発明の方
法は、単一アミノ酸変異及び多アミノ酸変異を含めての多数のポリメラーゼ変異
体のスクリーニングを可能にする。更に、活性ポリメラーゼ変異体について選択
するスクリーニング方法の使用は、活性を決定するためにポリメラーゼ変異体の
精製を必要とするように組クリーニング方法を複雑化する不活性な変異体が排除
されるという追加の利点を有する。
【0056】 更に、本発明の方法は、変異不能の又は殆ど変異不能のアミノ酸に隣接するア
ミノ酸残基を標的化を可能にする。変異不能の又は殆ど変異不能のアミノ酸残基
は、活性のために要求される残基であり、そして活性部位に存在する変異不能の
残基は要求される残基に隣接する必須の残基を提供し、これは、ポリメラーゼの
活性を変更する最も大きな可能性をもたらす。これらの部位でのランダム変異の
導入は、活性の望ましい変更、例えば忠実性の変更、を有する変異ポリメラーゼ
の同定の可能性を増加させる。
【0057】 天然のDNAポリメラーゼは、変異体のライブラリーを生成せしめるために、変
異を導入するための親ポリメラーゼとして選択される。テルムス・アクアチクス
(Thermus aquatics)の如き好熱微生物から得られるポリメラーゼは、高温での
それらの安定性及び活性のために、特に好ましい酵素的特性を有する。熱安定性
ポリマーゼは、約37℃より高い温度、一般に約50℃より高い温度、特に好ましく
は約90度より高い温度において、安定でありそして活性を維持する。ポリメラー
ゼ変異体を生成せしめるための親ポリメラアーゼとしての熱安定性ポリメラーゼ
Taq DNAポリメラーゼの使用は、本発明の実施例において記載する。
【0058】 上昇した温度において増殖する生物から変異DNAポリメラーゼを生成せしめる
のに加えて、条件付ポリメラーゼ変異の遺伝的補完の如き選択又は組クリーニン
グの方法が存在すれば、本発明の方法は同様に、非熱安定性ポリメラーゼに適用
する事が出来る。非熱安定性ポリメラーゼのこのような選択又はスクリーニング
方法は、例えば、内因性ポリメラーゼの誘導的又は抑制的発現であってもよい。
変更された忠実性又は変更された触媒活性を有するポリメラーゼは、同様にして
、原核細胞及び真核細胞の両者並びにウイルスから生成せしめ、そして選択する
ことが出来る。当業者は、本発明において技法を、他の生物及び他の細胞型から
の変更された忠実性を有するポリメラーゼの生成に適用することが出来る。
【0059】 Taq DNAポリメラーゼを用いる特定の態様を実施例において記載するが、本発
明の方法は、テルムス・アクアチクス(Thermus aquaticus)DNAポリメラーゼ以
外のDNAポリメラーゼにも適用する事だ出来る。このような他のポリメラーゼに
は、例えば、大腸菌(Eschericha coli)、ミコバクテリウム(Mycobacterium)
、リケッチャ(Rickettsia)、バシルス(Bacillus)、クラミジア(Chlamydia
)、クラミドフィラ(Chlaydophila)、クロロフレクサス(Chloroflexus)、ヘ
モフィルス(Haemophilus)、ヘリコバクター(Hericobacter)、ラココッカス
(Lacococcus)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ストレプトコッカ
ス(Streptococcus)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、シネコシスツス
(Synechocysts)、アクイフェックス(Aquifex)、ボリエリア(Borielia)、
ロドテルムス(Rhodothermus)及びトレポネマ(Treponema)からのものが含ま
れる。
【0060】 Taq ポリメラーゼに言及しながら本明細書に記載する案内に従って、当業者
は本発明の方法を、ポリヌクレオチド合成の変更された忠実性を有する他のポリ
メラーゼの生成及び同定と適用する事が出来る。 従って、本発明は、DNA合成において変更された忠実性及び変更された触媒活
性を有するDNAポリメラーゼ変異体の製造のための一般的方法を記載する。変更
されたポリメラーゼ忠実性は、DNA合成における増加でも低下でもよい。好まし
いDNAポリメラーゼのれ胃は、変更された基質特異性を有する。
【0061】 一つの態様において、本発明は、変更されたモチーフAを有するポリメラーゼ
をコードする核酸の集団の製造、及び該集団の宿主細胞への導入によるライブラ
リーの調製を含む。変異誘発されたポリメラーゼコード核酸発現され、そしてラ
イブラリーが、内因性ポリメラーゼ温度感受性変異の遺伝的補完によりスクリー
ニングされる。非許容性の温度において生存するコロニーは、活性変異株をコー
ドするポリメラーゼコード核酸を有するコロニーである。
【0062】 修飾された遺伝子又は遺伝子断片は、プラスミド又はウイルスから、常用の手
法により回収する事が出来、そして発現ベクターに挿入し、次に培養し、そして
得られる酵素の精製を行なう。哺乳類系及び細菌系を含めての多くのクローニン
グ及び発現べクターが、本発明の実施に適当であり、そして例えば、Sambrook e
t al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spri
ng Harbor,1989に記載されている。
【0063】 当業者は、野生型酵素とは異なる活性を有する変異DNAポリメラーゼは組換えD
NA技法により最も容易に作製され得ることは、当業者に認識されるであろう。本
発明の変異酵素又はそれらの誘導体もしくは類似体の一つを製造することを望む
場合、酵素の組換え生産は典型的には、発現ベクターの作製、該ベクターによる
宿主の形質転換、発現が起こる条件下での、形質転換された宿主細胞の培養を含
む。発現ベクターの作製、形質転換及び形質転換された宿主細胞の培養は当業界
でよく知られており、そして、例えばSambrook文献(前掲)に詳細に記載されて
いる。
【0064】 ポリメラーゼ変異体のランダム集団を生じさせるため、DNAポリメラーゼを特
定するプラスミドにコードされた遺伝子のモチーフAについて、ヌクレイチドの
らんダム配列が置換される。この方法の一つの適用においては、制限部位“X”
を有する定義された配列を含む第1オリゴデオキシリボヌクレオチドとハイブリ
ダイズする事により3'が引込んだ部分的2本鎖DNAが生成される。この第1オリ
ゴデオキシリボヌクレオチドは、前記定義された配列に相補的なヌクレオチド配
列及び注目のアミノ酸をコードする部分的にランダム化せれた配列を含む第2オ
リゴデオキシリボヌクレオチドに、ハイブリダイズする。
【0065】 この第2オリゴデオキシリボヌクレオチドハ更に、制限部位“Y”を含む。部
分的に2本鎖となったオリゴヌクレオチドはDNAポリメラーゼによりフィル−イ
ン(fill in)され、制限部位“X”及び“Y”において切断され、そしてベク
ターに連結される。連結の後、再構成されたプラスミドは、熱安定性DNAポリメ
ラーゼ及びポリメラーゼ変異体をコードする種々の核酸配列のライブラリーを構
成する。
【0066】 活性なポリメラーゼ変異体を同定するため、遺伝的スクリーニングを用いる事
が出来る。例えば、Taq DNAポリメラーゼをコードする核酸配列及びプリメラー
ゼ変異体をコードする核酸配列のライブラリーを、DNAポリメラーゼに温度感受
性変異を有する大腸菌recA718 polA12株の如き細菌株にトランスフェクトする。
【0067】 外因性DNAポリメラーゼは、大腸菌recA718 polA12株の大腸菌DNAポリメラーゼ
Iを機能的に置換し、そして上昇した温度における内因性DNAポリメラーゼの不
安定性により生ずると考えられる、上昇した温度において観察される増殖欠損を
補完することが、示された(Sweasy and Loeb, Pro. Natl. Acad. USA 92:684-
488 (1995))。大腸菌recA718 polA12株の増殖欠損を補完するためにランダム変
異したTaqライブラリーを利用する補完系を用いて、Taq DNAポリメラーゼI変
異体が、上昇した温度及び制限された温度で細菌増殖及びコロニー形成を許容す
る、活性な耐熱性DNAポリメラーゼをコードするプラスミドを担持する宿主細菌
中で同定される。
【0068】 更に、活性で且つ熱安定性の変異体は、熱感受性細菌宿主(例えば、大腸菌)
を細胞溶解し、そして上昇した温度においてDONポリメラーゼ活性を直接分析す
る事によって同定することが出来る。例えば、活性なTaqポリメラーゼ変異体を
、上昇した温度においてDNAを合成する(例えば、放射性ヌクレオチドを取り込
む)能力についてスクリーニングすることが出来る。この方法は、熱感受性宿主
で発現された他の活性な熱安定性酵素変異体のスクリーニングに拡張する事が出
来る。
【0069】 この方法においては、ランダムライブラリーからの個々の変異体が熱感受性宿
主中で発現される。注目のユニークな変異蛋白質を含む大腸菌のコロニーを、37
℃において増加せしめる。変異蛋白質は、95℃の如き上昇した温度において熱変
性しそして細胞溶解することにより部分的に精製される。遠心分離に続き、部分
的に精製された注目の熱安定性蛋白質を含む上清が集められ、そして該蛋白質の
比活性について試験される。種々の酵素を用いての本発明者らの研究において、
本発明者らは、触媒部位に置換を含むランダム変異体の5〜10%が活性であると
認めた。従って、このスクリーニング方法は、多くの熱安定性酵素のために潜在
的に有用である。
【0070】 活性な酵素活性を有する変異DNAポリメラーゼのせ遺贈は、部位特定変異誘発
の如き方法で達成する事が出来る。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloni
ng;A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor, 1989, Second Edition,Chapte
r 15.51「Oligonucleotide-Mediated Mutagenesis)を参照のこと(引用により
、その記載を本明細書に組み入れる)。部位特定変異誘発は一般に、部位特定プ
ライマー指令変異誘発により達成される。この技法は今や当業界において標準で
あり、そして所望の変異を代表する限定されたミスマッチを除き、変異されるべ
き単鎖ファージDNAに対して相補的な合成オリゴヌクレオチドプライマーを用い
て行なわれる。
【0071】 手短いいえば、プラスミド又はファージに対して相補的な鎖の合成を指令する
ためにプライマーとして、合成オリゴヌクレイチドが使用され、そして生ずる2
本鎖DNAがファージを指示する宿主細菌に形質転換される。得られる細菌を、例
えばDNA配列分析又はプローブハイブリダイゼーションにより測定する事が出来
る。或いは、「組換えPCR」法(Innis et al., editors, PCR Protocols. San D
iego, Academic Press, 1990, Chapter 22, entitled“Recombinant PCR”, Hig
uch p.177-183)を使用することが出来る。
【0072】 活性ポリメラーゼ変異体の忠実性は、幾つかの方法により決定する事が出来る
。例えば、活性ポリメラーゼは、生存コロニーから増殖した細菌細胞の粗抽出物
から、変更された忠実性についてスクリーニングする事が出来る。一つの方法に
おいては、3種類のオリゴヌクレオシドトリホスフェートのみから成る偏った比
率のオリゴヌクレオシドトリホスフェートと共に、プライマー伸長アッセイを用
いる。反応混合物中の除去dされたオリゴヌクレオシドトリホスフェート基質に
対した相補的な鋳型の位置を通るプライマーの伸長が、DNA合成のエラーから生
ずる。
【0073】 高忠実性ポリメラーゼが欠失オリゴヌクレオシドトリホスフェートに対して相
補的な鋳型ヌクレオチドに遭遇するとき、処理性(Processivity)が停止し、他
方、低忠実性ポリメラーゼは、非相補的ヌクレオチドをより容易に導入するであ
ろう。プライマー伸長アッセイのための導入の精度は、物理的基準により、例え
ば伸長生成物のサイズ又は配列を決定することにより、測定する事が出来る。こ
の方法は、低忠実性変異体のスクリーニングのために特に適当であり、なぜなら
、鎖伸長の増加が容易に且つ迅速に定量できるからである。
【0074】 ポリメラーゼ変異体の忠実性を決定するための第2の方法は、前方変異アッセ
イ(Forward Mutation Assay)を用いる。lacZの如きレポーター遺伝子中に単一
鎖ギャップを含む鋳型が、前方変異アッセイのために使用される。ギャップセグ
メントのフィル−イン(fill-in)が、熱安定性DNAポリメラーゼ変異体を発現す
るプラスミドを有する熱変性された粗細菌抽出物により行なわれる。低忠実性ポ
リメラーゼ変異体を決定するため、同じモル濃度の各オリゴヌクレオシドトリホ
スフェートの存在下で、反応が行なわれる。
【0075】 高忠実性ポリメラーゼ変異体の決定のため、偏ったプールのオリゴヌクレオシ
ドトリホスフェートの存在下で反応が行なわれる。オリゴヌクレオシドトリホス
フェートの偏ったプールの使用が、合成された鎖へのエラーの導入をもたらし、
このエラーは反応液中の非相補的オリゴヌクレオシドトリホスフェートと、相補
的オリゴヌクレオシドトリホスフェートとの比率に比例する。従って、前記の偏
りが、ポリメラーゼにより生成されるエラーを強調し、そして高忠実性変異体の
同定を促進する。DNA合成の忠実性は、レポーター遺伝子中に生成される変異の
数から決定される。
【0076】 ポリメラーゼの忠実性を同定し又は特徴付けるための上記以外の方法は当業界
において知られており、そして高又は低忠実性変異体の同定のために代替するこ
とが出来る。当業者は、特定の用途の必要性に応じて、どの方法が適当か決定す
る事が出来る。
【0077】 本発明者らの結果は、触媒部位内でのアミノ酸置換は安定性及び酵素活性の低
下を導くという一般的典型に対立する。本発明の遺伝的選択プロトコールは、高
DNAポリメラーゼ活性を維持した変異ポリッメラーゼの単離を可能にする。これ
らのポリメラーゼに依存する細菌は、増殖速度の有意な変化を伴わないで、37℃
にて(50代以上に亘り)個体寒天中のコロニーとして、又は液体培地中で対数条
件下で、増殖することが出来る。従って、生存のために変異酵素に依存する細菌
は、反復して複製するために適合する。
【0078】 変異DNAポリメラーゼは、連鎖停止ヌクレイチドの取り込みに抵抗する能力、
増加した触媒活性、ヘアピン構造を通って複製する能力、増加した処理性、及び
変更された忠実性、の如き選択された利点を有する。例えば、本発明者らの研究
室における幾つかの変異体は、野生型Taq pol Iより活性が高く、そして幾つか
の変異体は増強された忠実性を有する。幾つかの変異体は、ara-C及びアシクロ
ビル(acyclovir)の如き化学療法剤を、野生型Taq pol Iに比べて100倍効率的
に導入する。
【0079】 本発明者らは、ランダム配列変異誘発及び遺伝的補完による選択の後、ポリメ
ラーゼ活性部位のアミノ酸が高度に変異可能であることを見出す。本発明者らの
研究が高活性酵素を生成せしめた。柔軟で変異性の活性部位の保存が、ヌクレオ
チドに基づく療法の間のdNTPの変化の条件下でリボヌクレオチド又はその類似体
を一過性に導入することが出来る変異ポリメラーゼのごとき、特定の選択力の下
で有利な変異体の生成を促進する事が出来よう。このようなリボヌクレオチド類
似体にあh、ara-C、アシクロビル(acyclovir)、又は他の抗ウイルスもしくは
抗癌剤が含まれる。
【0080】 更に、活性部位の柔軟な(plastic)性質は、蛋白質が高変異負荷に耐えるこ
とを可能にするであろう。3段階という少ない選択段階が、上昇した速度で変異
した大腸菌の集団をもたらし(Mao,et al., J. Bacteriol. 179:417-422 (1997)
、そして病原性大腸菌及びサルモネラ・エンテリか(Salmonella enterica)の
1〜5%が変異者(mutator)であることが示されている(LeClerc, et al., Sc
ience 274:1208-11 (1996)。不利な条件下での変異者細胞の富化は、癌の進行の
間の変異者表現型の発生を説明するであろう(Loeb, et al., Science 272:1802
-4 (1996)。
【0081】 種々の生物の20を超えるpolA遺伝子のGenBank配列アラインメント分析が示す
ところによれば、大多数の生物が、pol I活性部位内にDYSQELRモチーフを維持
しており、そして1属中の種は完全なポリメラーゼ遺伝子について90%までの配
列同一性を維持している。従って、DNAポリメラーゼ配列は数百万世代の後に相
同である様である。アミノ酸配列同一性は少なくとも2つのメカニズムの一つに
より維持され得る。
【0082】 1)野生型アミノ酸配列は最高の全体的適合性、そして従って変異した配列に
対する選択的有利性を有する;あるいは、 2)組換え−様メカニズムが相同性配列を保存するのに役立つ。 他のメカニズムに対する或るメカニズムの優越性はアミノ酸配列に加えてヌク
レオチド配列を試験することにより分別されうる。野生型アミノ酸配列の選択は
、長期間の進化の後、同一のアミノ酸をコードするサイレント変異の蓄積を導く
ことが出来る。これに対して、遺伝物質の水平移行は相同アミノ酸配列の保持の
ために役立ち、従ってヌクレオチド配列も相同の筈である。
【0083】 長年に亘り独立して分れる異なる株(K-12及びB)、及び長年に亘って別々に
進化してきた同一属内の関連種(例えば、テルムス・アクアチクス(Thermus aq
uaticus)とテルムス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)、ミコバクテ
リウム・ツベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis)とミコバクテリウム・
スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)、リケッチア(Rikettsia))からの
DNAポリメラーゼIをコードする大腸菌polA遺伝子の配列アラインメントが示す
ところによれば、各メンバーは殆ど同じヌクレオチド配列を示す。
【0084】 即ち、関連する生物は、数百万回の分裂の後に相対的に相同な配列を維持して
いる。この情報から、中断された進化の一層詳細なモデルは次の通りであろう:
1)不都合な条件での増殖が変異者集団を選択し;2)本発明者らがここに記載
する蛋白質の本来の柔軟性が、不都合な条件下での高い変異負荷の耐性及び選択
的利点を伴う変異の発生を可能にし;3)不都合な条件の期間を通しての好結果
の生存に続き、野生型配列(適合しそして最も優勢である)が水平移行により生
ずる。
【0085】 実施例 次の実施例は例示のためにのみ提供され、そして本発明の範囲を限定する事を
意図しない。 実施例1. テルムス・アクアチクスDNAポリメラーゼIのLeu 605からArg 617 までの置換されたランダムDNA配列を含有するプラスミドの調製 Taq polを、大腸菌pol I非依存性複製起点SC101を含有する低コピー(1〜3
コピー/細胞)pSG576ベクターにクローン化した。位置1758(pTaq)での部位特
定変異誘発(CからA)によりサイレントBisWI部位がTaq pol中に形成された。
pTaqのBisWIとSacIIとの間に2本のハイブリダイズしたオリゴをクローニングす
ることにより非機能性原料ベクター(pTaqDUM)を作製した。
【0086】 前記2個の制限部位はモチーフAをコードする配列を含む。BisWIを伴うラン
ダム化されたオリゴを調製することによりランドムライブラリーを作製した。こ
こで、Leu 605−Arg 617をコードするヌクレオチドは、88%の野生型ヌクレイチ
ドおよび4%ずつの他の3種類のヌクレオチドを含んでいた。このオリゴはSacI
I部位を有するオリゴヌクレオチドプライマーと当モル比率でハイブリダイズし
、そしてランダム化されたヌクレオチドを含有する鋳型をコピーするためにT7 D
NAが使用された。2本鎖オリゴをBisWI及びSacIIで消化し、精製し、そして原料
断片の代わりにpTaqDUMのBsWIとSac IIとの間に挿入した。
【0087】 再構成されたプラスミドをエレクトロポレーションによりDH5α細胞に形質転
換し、そしてこの細胞を1mLの2×YT培地(酵母トリプトン培地)にて37℃で1
時間印キュベートした。30μg/mLのクロラムフェニコールを含む2×YTプレート
上に形質転換混合物の一部分をプレートすることにより、ライブラリー中のクロ
ーンの数を測定した。形質転換混合物のプールし、そしてクロラムフェニコール
を含有する2×YT培地1L中で37℃にて12時間インキュベートした。プラスミド
(pTaqLIB)をCsClグラジエント遠心分離により精製した。
【0088】 実施例2. 遺伝的補完による活性クローンの選択 補完研究において、大腸菌recA718polA12の細胞を用いた。この大腸菌株は、D
NAポリメラーゼIをコードするpolA遺伝子内に温度感受性変異を含み、30℃では
コロニーを形成するが、しかし37℃では形成しない。大腸菌recA718polA12の細
胞をエレクトロポレーションにより、次のプラスミド:pHSG576、pTaqDUM、pTaq
、又はpTaqLIBを用いて形質転換し、そして細胞を、栄養培地中で30℃にて2時
間、回復させた。回復に続き、混合物の小部分をクロラムフェニコールを含有す
る栄養プレート上に2連でプレートし、1枚のプレートは30℃にて、そして他方
は37℃にて、24時間インキュベートし、そして生ずるコロニーをカウントした。
【0089】 細胞の高密度のプレート培養は37℃にて上昇したバックグラウンドをこたらす
ので、30℃にて200個以下のコロニーを含む対のサンプルのみを分析した。不活
性なpSG576又はpTaqDUMの何れかを用いる補完実験は一貫して、30℃に比べて37
℃において、100倍少ないコロニーを生じさせ、本発明者らの補完に基づくセク
ションアッセイのバックグラウンドが1%未満である事が示された。pTaqによる
補完は一貫して、30℃又は37℃でのインキュベーションの後、同じ数のコロニー
を生じさせ、Taq pol Iが、37℃の上昇した温度における増殖欠陥表現型を十分
に回復させることが示された。
【0090】 本発明者らは、200,000の独立したクローンを含有する、ランダムに変異したT
aqライブラリー作製し、そして形質転換された大腸菌recA718polA12の5%が、3
0℃に比べて37℃においてコロニーを形成した。バックグラウンド(1%未満)
を差し引いた(subtraction)後、本発明者らは、活性Taq polIをコードする独
立のライブラリークローンが8000〜10,000個存在することを予測する。このこと
だけで、ポリメラーゼ触媒部位が、驚くべき多数のイン−ビボアミノ酸置換を潜
在的に収容しうることを示唆する。
【0091】 実施例3. 非選択クローンらのランダム化された挿入部の配列決定 大腸菌recA718polA12の増殖を回復せしめる変異のスペクトルを確立するため
、本発明者は未選択コロニー(30℃)及び選択されたコロニー(37℃)の両者か
らのランダム化された挿入部の配列を決定した。2×YT中で37℃での一晩の増殖
の後、野生型Taq pol Iと担持するプラスミド及び変異Taq pol Iを担持するプ
ラスミドを、ミニプレプ(miniprep)(Promega)により単離し、そしてランダム
化された領域を含む200ntをPCRにより増幅し、そして配列決定した。未選択プラ
スミドからの配列の分析は、選択前のランダムライブラリーちゅうに見出される
変異の分布を反映し、アミノ酸置換の平均数が4であることを示す。
【0092】 実施例4. 選択されたコロニーからの配列決定及び活性測定 選択の後、37℃にて増殖したコロニーをランダムに360個拾い、Taq DNAポリメ
ラーゼ活性を測定し、プラスミドを単離し、そして置換されたランダム配列を含
む200ヌクレオチドを配列決定した。 37℃のプレートで増殖した350個のコロニーを単離し、そして別々に、栄養培
地中で30℃にて一晩増殖させた。各培養物を30℃にて10mL中で、O.D. 0.3まで増
殖せしめ、そして0.5 mM IPTGによりTaq pol Iの発現を誘導し、そしてインキ
ュベーションを4時間続けた。文献(Grimm, et al., Nucleic Acids Res. 23:4
518-9 (1995);Desai, et al., Biotechniques 19:780-2, 784 (1995)(この記
載を引用により本明細書に組み入れる)に記載の方法の変法を用いてTaqpo Iを
部分精製した。
【0093】 この方法は、内因性ポリメラーゼ及びヌクレアゼ活性を除去しながら、Taq po
l Iの効果的な(>50%)精製を可能にする。50 mM Tris-HCl(pH 8)、0.1%
Triton-X、2.5 mM MgCl2, 0.4mgの活性化ウシ胸腺DNA、10μM 各dNTP、0.25mCi
[α-32P]dATP、及び1μLの部分精製した野生型又は変異Taqpolを含有する反応
]混合物20μLを用いてポリメラーゼ活性を測定した。インキュベーションを72℃
にて5分間行い、そして100μLの0.1M ピロリン酸ナトリUウムを加えて反応を停
止し、次に、0.5mLの10% TCAを用いた。ポリメラーゼ活性はガラスフィルター
上に沈殿した放射性DNAを集め、そして放射性カウントの量をシンチレーション
により定量する事により測定した。
【0094】 350クローンの内、20クローンは不活性(野生型に比べてDNAポリメラーゼが2
%未満)であり;39クローンは低い活性(2〜10%)及び/又は熱安定性を有し
;291クローンは活性(野生型の活性の10〜20%)であった。291個の独立の活性
クローンは平均2個のアミノ酸変化を有し、アミノ酸変化なし(27クローン)か
ら6アミノ酸変化を含む1クローンに亘り、2クローンは不明瞭な配列を有して
いた。同一のアミノ酸配列(但し、サイレントヌクレオチド変化を含む)の野生
型酵素をコードする27個のプラスミドからのTaq pol Iは、野生型対照に比べて
類似のDNAポリメラーゼ活性を有していた。pTaqDum及びpHSG陰性対照からの調製
物は野生型ポリメラーゼ活性の1%未満をもたらした。
【0095】 単一アミノ酸変化を有する60個の変異体の内、60%(36変異体)が高活性(野
生型活性の66%以上200%まで)である。これに対して、2個のアミノ酸変化を
有する27%(90変異体のうち24)、3個のアミノ酸変化を有する20%(70変異体
の内14)、4個のアミノ酸変化を有する22%(37変異体の内7)、5個のアミノ
酸変化を有する11%(9変異体の内1)、および6個のアミノ酸変化を有する1
変異体はすべて高活性であった。即ち、進化の過程で保存されてきたモチーフの
3分の1ないし半分が変更されている特に顕著な変異負荷の場合でさえ、変異体
の多くが高い活性を示す。1〜6個のアミノ酸置換を含む263クローンは、生理
的に活性なポリメラーゼ変異体の第集合を代表する。
【0096】 87個の最も活性な変異体(野生の活性の66%〜200%;図2B)を含めて、291個
の選択された活性なクローンの全て(野生の活性の10%〜200%;図2A)の配列
分析が示すところによれば、殆どのモチーフA残基が広範囲の置換(Leu 605、L
eu 606、Val 607、Ala 608、Leu 609、Ser 612、Ile 614、およびArg 617)に耐
え、幾つかの残基は保存的置換(Tyr 611、Gln 613、Glu 615、及びLeu 616)に
耐え、そして唯一の残基(Asp 610)は変異不能である。高度に変異可能な残基
の一つSer 612は、野生型活性をしばしば保存しながら、サイズおよび親水性に
おうて多様である置換に耐えた。
【0097】 6個の置換(Leu 605 Arg、Leu 606 Met、Val 607 Lys、Ala 608 Ser,Leu 609
Ile、及びSer 612 Arg)を有する変異体は、野生型DNAポリメラーゼ活性を示し
た。単一アミノ酸変化を有する59変異体の分析(図3C)は、類似の変異可能性分
布を示し、そして特定のアミノ酸置換のより提供される活性に対する効果を決定
する事を可能にした。Leu605 Argは野生型Taq pol Iに比べて高いポリメラーゼ
活性(150%)を提供し、そして多数変異中に存在する全ての選択されたLeu 605
Arg変異体はやはり高い活性を示した(図2A及び2B)。単一置換Arg 617 Pheは
、野生型Taq pol Iの活性の2倍の活性をもたらし、他方個の部位における他の
置換はTaq pol I活性を低下せしめた(図2C)。
【0098】 実施例5. リボヌクレオチドを導入する能力についての、選択されたクロー
ンのスクリーニング 触媒部位ないの変化がDNAポリメラーゼにたの性質を付与し、そして気質特異
性の変化を導くか否かを決定するために、選択された291個の全てのクローンを
、リボヌクレオチドを導入する能力についてスクリーニングした。
【0099】 72℃において野生型酵素に比べて少なくとも10%の活性を維持する選択された
Taq pol(合計291)のそれぞれを、リボヌクレオチドを導入する能力について試
験した。5'-32Pで末端標識された23merプライマー(5'-cgc gcc gaa ttc ccg ct
a gca at)(配列番号:35)と46merの鋳型(5'-gcg cgg aag ctt ggc tgc aga a
ta ttg cta gcg gga att cgg cgc g)(配列番号:36)とを、プライマー体鋳型
比1:2を用いて、ハイブリダイズさせることによりプライマー/鋳型構成物を調
製した。
【0100】 プライマー/鋳型を、10μL中50 mM KCl、10 mM Tris-HCl(pH8)、0.1%Triton
-X、2.5 mM MgCl2、及び1μLの部分精製Taq pol(0.1〜0.01ユニット)の存在
下、0〜250μMの各rNTPの存在下で、インキュベートした。55℃にて30分間のイ
ンキュベーションの後、停止溶液を含有するホルムアミド(Amersham)2μLのT
添加により反応を停止した。生成物を、14%変性PAGEにより分析した。 このスクリーニングにより、rNTPを効率的に導入する事が出来る変異体の小サ
ブセット(291の内23)が同定された(表2)。これらの23個の変異体は、主た
る2個のクラスに属する。1)Ile 614において親水性置換をコードするもの;
これらの酵素は、1又は2置換を有するrNTP導入変異体の多数を構成する。2)
Glu 615 Asp置換をコードするもの;これらの酵素は、1〜3個の他の置換を含
む。
【0101】 実施例6. 野生型酵素及び変異Taqポリメラーゼの精製 野生型及び変異(#94、#265、及び#346;表2)Taq polを、Engelkeetal.,
(Anal. Biochem. 191:396-400(1990)に記載の方法の変法に従って精製した。 工程1:pTaq又は選択された変異体pTaqLIBプラスミドを担持する細菌培養物
(DH5α細胞;2リットル)を収得し、そして緩衝液A(30 mM Tris-HCl,pH7.9
、50 mM グルコース、1mM EDTA、0.5 mM フェニルメチルスルホニルフルオリド
、0.5% Tween 20、0.5% Nonident P40)の存在下で、−70℃および70℃での凍
結と解凍との反復により細胞溶解した。
【0102】 工程2:Taq polを最終濃度0.1%へのポリエチレンイミンの添加により沈殿せ
しめ、遠心分離により回収し、そして低塩(0.025 M KCl)緩衝液C(20 mM HEP
ES、pH 7.9、1mM EDTA、0.5 mMPMSF、0.5% Tween 20、0.5% Nonident P40)
を含有する緩衝液により洗浄し、そして0.15 M KCl緩衝液C中で可溶化した。
【0103】 工程3:酵素を、50 mM KClに希釈し、そして予め平衡化したHiTrap Heparin
カラム5 mLの、1 mL/分の流速で付加した。カラムを、10体積の緩衝液C(50
mM KCl)で洗浄し、そして50 mMから750 mM(60 mL)の直線グラディエントによ
り溶出した。画分(各1 mL)を、Mg2+及び[α32P]dGTPを含む4種類全てのdNTP
と共に、活性化されたウシ胸腺DNAを鋳型として用いて、70℃にて、[α32P]dGTP
の取り込みを測定することにより、ポリメラーゼ活性について測定した。野生型
酵素及び変異酵素のピーク画分は一貫して約300 mM KClにおいて溶出し、そし
て20%グリセロール中−70℃にて貯蔵した。
【0104】 実施例7. リボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチドの取り込みにつ
いての、野生型Tacポリメラーゼ及び変異Taqポリメラーゼの速度論的解析 dNTP及びrNTPの取り込みについての、精製された野生型Taq pol I並びに変異
#94、265及び346 Taq pol Iの効率を、次のプロトコールにより決定した。46m
er鋳型(5'-ccc ggg aaa ttt ccg gaa ttc cga tta ttg cta gcg gga att cgg c
gc g)(配列番号:37)を、4種類の32Pでラベルされたプライマー:23mer(5'-
cgc gcc gaa ttc ccg cta gca at)(配列番号:35)、24mer(5'-cgc gcc gaa t
tc ccg cta gca ata)(配列番号:38)、25mer(5'-cgc gcc gaa ttc ccg cta g
ca ata t)(配列番号:39)、又は26mer(5'-cgc gcc gaa ttc ccg cya gca ata
tc)(配列番号:40)の一つにハイブリダイズさせた。
【0105】 定常状態のMichaelis Mentenパラメーターkcat及びKmを、Boosalis, et al.
,(J. Biol. Chem. 262:14689-14699 (1987))に記載されているようにして、5
nM プライマー/鋳型および変化する濃度の各dNTP又はrNTPの存在下、限定量の
Taq polと共に、55℃にて10分間インキュベートすることにより計算した。全て
の生成物を14%PAGEにより分析し、そしてホスホリマーガー(phosphorimarger
)分析により定量した。
【0106】 速度論的解析が示すところによれば、精製された野生型Taq pol Iは、リボヌ
クレオチドを効果的に導入しなかった。野生型Taq pol Iは、対応するリボヌク
レオチドに比べて、dG、dA及びdCを30,000倍まで効果的に(kcat/Km)導入し、
この相違は大きくKmの相違に帰せられた(表3)。Taq pol Iは、重合された相
補的デオキシリボヌクレオチド9000当り1の比率で非相補的ヌクレオチドを導入
した(Tindall, et al., Biochemistry 27:6008-6013 (1988))。即ち、Taq pol
Iは、デオキシリボヌクレオチドを排除する効率よりも高い効率でリボヌクレ
オチドを排除する。活性部位はrUTPよりもdTTPを選択するように特に適合されて
おり、rUTPに比べてdTTPを106倍効率的に導入する。
【0107】 これらのデータが示すところによれば、DNAポリメラーゼは、その活性部位か
らリボヌクレオチドを排除するように、巧妙なメカニズムを進化させている。こ
れに対して、均一に精製された変異体(#94、265及び346)が示すところによれ
ば、各ポリメラーゼは、対応するdNTPの導入効率の1/10に近い効率でrG、rA及び
rCを導入する(表3)。これらの変異体は、野生型ポリメラーゼに比べて3オー
ダー高い効率で各リボヌクレオチドを導入した。
【0108】
【表3】
【0109】 実施例8. 野生型酵素及び変異体酵素によるdGTP及びrGTPの導入の効率の比
野生型Taq pol I(dNTP反応のため0.3 fmol/μL、及びrNTP反応のため3 fmo
l/μL)又は変異体#94(A608S,I614N;dNTP及びrNTP両反応のため0.2 fmol/μL
)を、10μLの反応液中、55℃にて10分間、増加する濃度のdGTP又はrGTPと共に
、25mer/46mer(プライマー/鋳型;5 nM)とインキュベートした。生成物の収
量をホスホイマゲリー(phosphoimagery)により定量した。プロットの双曲線フ
ィットに基づいて得られたkcat/Km値は、ヌクレオチド導入の効率を反映する。
図3の結果が示すところによれば、dGTPに比べてのrGTPの導入は、より遅い電気
泳動速度を有する生成物をもたらす。
【0110】 実施例9. 野生型酵素と変異酵素のRNAポリメラーゼ活性の測定 ポリメラーゼが、多数のリボヌクレアーゼを連続的に導入して、RNAポリメラ
ーゼとして機能しうるか否かを決定するため、精製された野生型Taq pol I、
変異体#265(I614NおよびL616I)、及び変異体#346(A608D及びE615D)を、増
加する量の4種類全てのrNTPの存在下で、インキュベートし(図4)。野生型酵
素はリボヌクレイチドを非効率的に導入し延長したが、変異酵素は何れも、細胞
内で見られる濃度よりもはるかに低いrNTP濃度においてさえ、多数のリボヌクレ
オチドを重合させた。鋳型dAの試行において生成した強いポーズサイトは、まさ
に、速度論的データ(図3)から予想されるものであり、UTP導入の効率の低下
を示している。
【0111】 これらの試行を超えての延長は、インキュべション時間の延長又はリボヌクレ
オチド濃度の増加により促進された。金属補因子としてのMn+2を用いて、低い
rNTPレベルの存在下でさえ、鋳型の5'末端へ延長が進行した。対照インキュベー
ションにおいて、延長生成物はアルカリ中で分解され、最初の基質を再生し、生
成物がRNAであることが証明された。 本発明を好ましい態様に言及しながら説明したが、本発明の本質から逸脱する
ことなく、種々の変更を行なう事が出来ることを理解すべきである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、DNA及び入ってくるdNTPと結合したTaq pol 1の構造を示す。進化的に
保存されたモチーフA(赤で示されるアミノ酸605−617)がポリメラーゼ触媒部
位の心臓部内に示される。モチーフAの残基は、ヌクレオチド結合に続くコンホ
ーメーション変化の間に、入ってくるdNTPおよびフィンガーモチーフ内のアミノ
酸と相互作用する。モチーフAは解かれた構造を有するすべてのポリメラーゼに
おいて重なり、そしてαへリックスに進む疎水性抗平行(anti parallel)βシ
ートから始まる。モチーフAのアミノ酸内の側鎖の配向は、殆ど同じでありdNTP
に先行し(青)そしてそれに続く(赤)。但し、Mg+2-dNTP複合体との配位の間
にβ炭素の周囲を回転するAsp 610は例外である。配位セット2ktq(Taq pol, te
rnary complex,open form)、3ktq(ternary complex, closed form)、及び4k
tq(binary complex)はプロテインデータバンク(Protein Data Bank)から入
手した。
【図2】 図2は、モチーフAの高い変異性を示す。モチーフAの配列(D610YSQIELR617 )(配列番号:3)は、数百万年にわたる進化の後に、生物、例えばテルムス・
アクアチクス(Thermus aquaticus)(配列番号:3)、大腸菌(Eschericha co
li)(配列番号:4)、及びクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomati
s)(配列番号:5)において維持されてきている。これらの保存性の重要性を
試験するため、残基L605−R617を、各隣接するアミノ酸が他の19種類のアミノ酸
の何れによっても置換され得るように、ランダムに変異させた。(A)すべての活
性なクローンからのモチーフA内の各アミノ酸の変異可能性の程度(野生型(WT
)に比べて>10%〜200%)(大腸菌DNAポリメラーゼI温度感受性がよい)。(B
)高い活性を示すクローンでの変異(WTに対して66%〜200%)。(C)単一アミノ
酸を含むクローンでの変異、WTの対する活性が続く。
【図3】 図3は、WT及び変異体#94によるdGTP及びrGTPの取り込みの効率を比較する。
【図4】 図4は、4種類すべてのrNTPの存在下での、野生型Taq pol I(30 fmol/μL
)、変異体#265(I614N及びL616I;20 fmol/μL)、及び変異体#346(A608D及
びE615D;20 fmol/μL)による重合を示す。各ポリメラーゼとのインキュベーシ
ョンは、増加する量の4種類すべてのrNTP(それぞれ0、50、100、250又は500μ
M)、23mer/46merのdsDNA(プライマー/鋳型;5nM)、及び2.5mM MgCl2と共に
、55℃にて10分間行った。Mn+2とのインキュベーション、そして次に0.25N NaOH
と共に95℃にて、10分間行った。ddNTP/dNTP混合物(Amersham)の存在下、サー
モセクエナーゼ(thermosequenase)のインキュベーションからDNAラダーが生じ
た。
【手続補正書】
【提出日】平成14年9月19日(2002.9.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ロエブ,ローレンス エー. アメリカ合衆国,ワシントン 98005,ベ ルビュー,ノース イースト サーティシ ックスス プレイス 13808 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 BA10 CA04 DA05 EA04 FA02 FA20 GA11 HA11 4B050 CC03 CC04 DD02 LL03 LL05

Claims (86)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然のDNAポリメラーゼの活性部位に変異を含む、ポリメラ
    ーゼのPol Iファミリー内の変異DNAポリメラーゼであって、前記活性部位が、D
    YSQIELR(配列番号:2)、DYSQIEMR(配列番号:6)、DFSQIELR(配列番号:
    7)、DYSQIELA(配列番号:8)、DYVQIELR(配列番号:9、及びDYTQIELY(配
    列番号:10から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなり、前記変異が前
    記配列中のE以外のアミノ酸の変更を含み、そして前記変異DNAポリメラーゼが
    前記天然DNAポリメラーゼと比べて変更された忠実性及び変更された触媒活性を
    有する、ことを特徴とする変異DNAポリメラーゼ。
  2. 【請求項2】 前記活性部位が、DYSQIELRのアミノ酸配列を有する、請求項
    1に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  3. 【請求項3】 前記アミノ酸配列モチーフの前記Dが前記変異形において変
    更されていない、請求項1に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  4. 【請求項4】 前記変異DNAポリメラーゼが、天然DNAポリメラーゼに比べて
    、少なくとも10倍大きな速度でリボヌクレチドを導入する、請求項1又は2に記
    載の変異DNAポリメラーゼ。
  5. 【請求項5】 前記変異が、前記アミノ酸配列中のIの変更を含んでなる、
    請求項4に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  6. 【請求項6】 前記Iが、前記変異形において親水性アミノ酸に変更されて
    いる、請求項5に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  7. 【請求項7】 前記変異が、前記アミノ酸配列中、2以上のアミノ酸置換を
    含んで成る、請求項4に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  8. 【請求項8】 前記変異DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼ及びRNAポリ
    メラーゼの両方として機能する、請求項4に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  9. 【請求項9】 前記ポリメラーゼが、前記天然DNAポリメラーゼに比べて、
    少なくとも10倍大きな速度で異常なヌクレイチドを導入する、請求項1に記載の
    変異DNAポリメラーゼ。
  10. 【請求項10】 前記異常なヌクレオチドがリボヌクレオチド類似体である
    、請求項1に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  11. 【請求項11】 前記異常なヌクレオチドがレポーター分子でラベルされた
    塩基である、請求項9に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  12. 【請求項12】 前記レポーター分子が蛍光団又はハプテンである、請求項
    11に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  13. 【請求項13】 前記異常なヌクレオチドが化学療法剤である、請求項9に
    記載の変異DNAポリメラーゼ。
  14. 【請求項14】 前記化学療法剤がara-C又はアシクロビル(acyclovir)で
    ある、請求項13に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  15. 【請求項15】 前記異常なヌクレオチドが抗ウイルス剤又は抗癌剤である
    、請求項19記載の変異DNAポリメラーゼ。
  16. 【請求項16】 前記天然DNAポリメラーゼに比べて、デオキシリボヌクレ
    オチドの導入のための増加した触媒効率を有する、請求項1に記載の変異DNAポ
    リメラーゼ。
  17. 【請求項17】 前記天然DNAポリメラーゼが、熱安定性テルムス(Thermus
    )属の種のDNAポリメラーゼである、請求項1に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  18. 【請求項18】 前記テルムス(Thermus)属の種が、テルムス・アクアチ
    クス(Thermus aquaticus)である、請求項17に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の変異DNAポリメラーゼをコードする単離
    された核酸配列。
  20. 【請求項20】 天然のDNAポリメラーゼの活性部位に変異を含む、ポリメ
    ラーゼのPol Iファミリー内の変異DNAポリメラーゼであって、前記活性部位が
    、DYSQIELR(配列番号:2)、DYSQIEMR(配列番号:6)、DFSQIELR(配列番号
    :7)、DYSQIELA(配列番号:8)、DYVQIELR(配列番号:9、及びDYTQIELY(
    配列番号:10から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなり、前記変異が
    前記配列中の2以上のアミノ酸置換を含み、そして前記変異DNAポリメラーゼが
    前記天然DNAポリメラーゼと比べて変更された忠実性及び変更された触媒活性を
    有する、ことを特徴とする変異DNAポリメラーゼ。
  21. 【請求項21】 前記活性部位が、DYSQIELRのアミノ酸配列を有する、請求
    項20に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  22. 【請求項22】 前記アミノ酸配列モチーフの前記Dが前記変異形において
    変更されていない、請求項20に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  23. 【請求項23】 前記変異DNAポリメラーゼが、天然DNAポリメラーゼに比べ
    て、少なくとも10倍大きな速度でリボヌクレチドを導入する、請求項20又は2
    1に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  24. 【請求項24】 前記変異が、前記アミノ酸配列中のIの変更を含んでなる
    、請求項23に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  25. 【請求項25】 前記Iが、前記変異形において親水性アミノ酸に変更され
    ている、請求項24に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  26. 【請求項26】 前記変異DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼ及びRNAポ
    リメラーゼの両方として機能する、請求項23に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  27. 【請求項27】 前記ポリメラーゼが、前記天然DNAポリメラーゼに比べて
    、少なくとも10倍大きな速度で異常なヌクレイチドを導入する、請求項20に記
    載の変異DNAポリメラーゼ。
  28. 【請求項28】 前記異常なヌクレオチドがリボヌクレオチド類似体である
    、請求項27に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  29. 【請求項29】 前記異常なヌクレオチドがレポーター分子でラベルされた
    塩基である、請求項27に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  30. 【請求項30】 前記レポーター分子が蛍光団又はハプテンである、請求項
    29に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  31. 【請求項31】 前記異常なヌクレオチドが化学療法剤である、請求項27
    に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  32. 【請求項32】 前記化学療法剤がara-C又はアシクロビル(acyclovir)で
    ある、請求項31に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  33. 【請求項33】 前記異常なヌクレオチドが抗ウイルス剤又は抗癌剤である
    、請求項27記載の変異DNAポリメラーゼ。
  34. 【請求項34】 前記天然DNAポリメラーゼに比べて、デオキシリボヌクレ
    オチドの導入のための増加した触媒効率を有する、請求項20に記載の変異DNA
    ポリメラーゼ。
  35. 【請求項35】 前記天然DNAポリメラーゼが、熱安定性テルムス(Thermus
    )属の種のDNAポリメラーゼである、請求項20に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  36. 【請求項36】 前記テルムス(Thermus)属の種が、テルムス・アクアチ
    クス(Thermus aquaticus)である、請求項35に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  37. 【請求項37】 請求項20に記載の変異DNAポリメラーゼをコードする単
    離された核酸配列。
  38. 【請求項38】 天然のDNAポリメラーゼの活性部位に変異を含む、ポリメ
    ラーゼのPol Iファミリー内の変異DNAポリメラーゼであって、前記活性部位が
    、アミノ酸配列:Leu Leu Val Ala Leu Asp Tyr Ser Gln Ile Glu Leu Arg(配
    列番号:3)を含んで成り、そして前記変異が前記配列中のGlu以外のアミノ酸
    の変更を含み、そして前記変異DNAポリメラーゼが前記天然DNAポリメラーゼと比
    べて変更された忠実性及び変更された触媒活性を有する、ことを特徴とする変異
    DNAポリメラーゼ。
  39. 【請求項39】 前記アミノ酸配列モチーフの前記Aspが前記変異形におい
    て変更されていない、請求項38に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  40. 【請求項40】 前記変異DNAポリメラーゼが、天然DNAポリメラーゼに比べ
    て、少なくとも10倍大きな速度でリボヌクレチドを導入する、請求項38に記載
    の変異DNAポリメラーゼ。
  41. 【請求項41】 前記変異が、前記アミノ酸配列中のIleの変更を含んでな
    る、請求項40に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  42. 【請求項42】 前記Iが、前記変異形において親水性アミノ酸に変更され
    ている、請求項41に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  43. 【請求項43】 前記変異が、前記アミノ酸配列中、2以上のアミノ酸置換
    を含んで成る、請求項40に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  44. 【請求項44】 前記変異DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼ及びRNAポ
    リメラーゼの両方として機能する、請求項40に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  45. 【請求項45】 前記ポリメラーゼが、前記天然DNAポリメラーゼに比べて
    、少なくとも10倍大きな速度で異常なヌクレイチドを導入する、請求項38に記
    載の変異DNAポリメラーゼ。
  46. 【請求項46】 前記異常なヌクレオチドがリボヌクレオチド類似体である
    、請求項45に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  47. 【請求項47】 前記異常なヌクレオチドがレポーター分子でラベルされた
    塩基である、請求項45に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  48. 【請求項48】 前記レポーター分子が蛍光団又はハプテンである、請求項
    47に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  49. 【請求項49】 前記異常なヌクレオチドが化学療法剤である、請求項45
    に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  50. 【請求項50】 前記化学療法剤がara-C又はアシクロビル(acyclovir)で
    ある、請求項49に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  51. 【請求項51】 前記異常なヌクレオチドが抗ウイルス剤又は抗癌剤である
    、請求項45記載の変異DNAポリメラーゼ。
  52. 【請求項52】 前記天然DNAポリメラーゼに比べて、デオキシリボヌクレ
    オチドの導入のための増加した触媒効率を有する、請求項38に記載の変異DNA
    ポリメラーゼ。
  53. 【請求項53】 前記天然DNAポリメラーゼが、熱安定性テルムス(Thermus
    )属の種のDNAポリメラーゼである、請求項38に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  54. 【請求項54】 前記テルムス(Thermus)属の種が、テルムス・アクアチ
    クス(Thermus aquaticus)である、請求項53に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  55. 【請求項55】 請求項38に記載の変異DNAポリメラーゼをコードする単
    離された核酸配列。
  56. 【請求項56】 請求項38に記載の変異DNAポリメラーゼをコードする単
    離された核酸配列。
  57. 【請求項57】 天然のDNAポリメラーゼの活性部位に変異を含む、ポリメ
    ラーゼのPol Iファミリー内の変異DNAポリメラーゼであって、前記活性部位が
    、アミノ酸配列:Leu Leu Val Ala Leu Asp Tyr Ser Gln Ile Glu Leu Arg(配
    列番号:3)を含んでなり、前記変異が2以上のアミノ酸置換を含み、そして前
    記変異DNAポリメラーゼが前記天然DNAポリメラーゼと比べて変更された忠実性及
    び変更された触媒活性を有する、ことを特徴とする変異DNAポリメラーゼ。
  58. 【請求項58】 前記アミノ酸配列モチーフの前記Aspが前記変異形におい
    て変更されていない、請求項57に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  59. 【請求項59】 前記変異DNAポリメラーゼが、天然DNAポリメラーゼに比べ
    て、少なくとも10倍大きな速度でリボヌクレチドを導入する、請求項57に記載
    の変異DNAポリメラーゼ。
  60. 【請求項60】 前記変異が、前記アミノ酸配列中のIleの変更を含んでな
    る、請求項59に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  61. 【請求項61】 前記Iが、前記変異形において親水性アミノ酸に変更され
    ている、請求項60に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  62. 【請求項62】 前記変異DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼ及びRNAポ
    リメラーゼの両方として機能する、請求項59に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  63. 【請求項63】 前記ポリメラーゼが、前記天然DNAポリメラーゼに比べて
    、少なくとも10倍大きな速度で異常なヌクレイチドを導入する、請求項57に記
    載の変異DNAポリメラーゼ。
  64. 【請求項64】 前記異常なヌクレオチドがリボヌクレオチド類似体である
    、請求項63に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  65. 【請求項65】 前記異常なヌクレオチドがレポーター分子でラベルされた
    塩基である、請求項63に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  66. 【請求項66】 前記レポーター分子が蛍光団又はハプテンである、請求項
    65に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  67. 【請求項67】 前記異常なヌクレオチドが化学療法剤である、請求項63
    に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  68. 【請求項68】 前記化学療法剤がara-C又はアシクロビル(acyclovir)で
    ある、請求項67に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  69. 【請求項69】 前記異常なヌクレオチドが抗ウイルス剤又は抗癌剤である
    、請求項63記載の変異DNAポリメラーゼ。
  70. 【請求項70】 前記天然DNAポリメラーゼに比べて、デオキシリボヌクレ
    オチドの導入のための増加した触媒効率を有する、請求項57に記載の変異DNA
    ポリメラーゼ。
  71. 【請求項71】 前記天然DNAポリメラーゼが、熱安定性テルムス(Thermus
    )属の種のDNAポリメラーゼである、請求項57に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  72. 【請求項72】 前記テルムス(Thermus)属の種が、テルムス・アクアチ
    クス(Thermus aquaticus)である、請求項71に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  73. 【請求項73】 前記天然のDNAポリメラーゼに比べて増強された忠実性を
    有する、請求項57に記載の変異DNAポリメラーゼ。
  74. 【請求項74】 請求項57に記載の変異DNAポリメラーゼをコードする単
    離された核酸配列。
  75. 【請求項75】 活性部位に次のアミノ酸配列:LLVALDYSQKELR(配列番号
    :11)またはLLVALDYSQMELR(配列番号:12)を含んで成る変異DNAポリメラーゼ
  76. 【請求項76】 活性部位に、LLVDLDYSQIEPR、LLVSLDYSQNELR、VLVALDYSQK
    ELR、LLVALDYSLKELR、LLVAMDYSQQELR、LLVALDYSLQELR、LVVALDYSQIDLR、LVVALDY
    SRIEFR、LLVALDYSQNEIR、LLVGLDYSQIDLR、LLVVLDYSQIDLR及びLLVDLDYSQIDLR(配
    列番号:13〜24)から成る群から選択されたアミノ酸配列を含んで成る、変異DN
    Aポリメラーゼ。
  77. 【請求項77】 活性部位に、LLVDVDYSQIDLR、ILLALDYSQKELR、LLMALDYSQM
    DLR、LLVALDFSQTDLR、LLVVVDYSQKELR、LLVALDYSQTEFW、及びLLVALDFSQTDLR(配
    列番号:25〜31)から成る郡から選択されるアミノ酸配列を含んでなる変異DNA
    ポリメラーゼ。
  78. 【請求項78】 活性部位中に次のアミノ酸配列:LLMVVDYSQIDLRまたはLLV
    ALDYRQKDLM(配列番号:32又は33)を含んで成る変異DNAポリメラーゼ。
  79. 【請求項79】 アミノ酸配列RMKSIDYRQIELR(配列番号:34)を含んで成
    る変異DNAポリメラーゼ。
  80. 【請求項80】 2本の別個の相補的鎖から成る核酸中の少なくとも1つの
    特定の核酸鎖を増幅するための変異DNAポリメラーゼの使用方法において、 (a)前記変異DANポリメラーゼの存在下で、2個のオリゴヌクレオチドプラ
    イマーにより前記2本の鎖を処理し、この処理を、前記2本の核酸鎖のそれぞれ
    に相補的であるように各プライマーの伸長生成物が合成される条件下で行い、こ
    こで前記プライマーは、前記特定の配列の前記2本の鎖に対して、それらとハイ
    ブリダイズするのに十分に相補的であるように選択され、これにより一つのプラ
    イマーから合成された延長生成物が、その相補体から分離される場合に他方のプ
    ライマーの伸長成生物の合成のための鋳型として機能し; (b)前記鋳型から前記プライマー伸長生成物を分離し、ここで、該鋳型上で
    該プライマー伸長生成物が合成されて一本鎖分子が生成しており; (c)工程(b)から生成した前記単鎖分子を、前記変異DNAポリメラーゼの
    存在下で、肯定(a)の前記プライマーで処理し、この処理を、工程(b)にお
    いて生成した前記単鎖のそれぞれを鋳型として用いてプライマー伸長生成物が合
    成される条件下で行い、ここで前記変異DNAポリメラーゼは天然のDNAポリメラー
    ゼの活性部位に変異を有し、そして天然のDNAポリメラーゼに比べて増強された
    忠実性を有する; ことを含んで成る方法。
  81. 【請求項81】 前記工程(b)及び(c)が少なくとも1回反復される、
    請求項80に記載の方法。
  82. 【請求項82】 前記工程(b)が変性により行なわれる、請求項80に記載
    の方法。
  83. 【請求項83】 前記変性を加熱により行なう、請求項82に記載の方法。
  84. 【請求項84】 前記核酸が2本鎖であり、そしてそれらの鎖は工程(a)
    の前又は工程(a)において変性により分離される、請求項80に記載の方法。
  85. 【請求項85】 前記核酸がDNAであり、そして前記プライマーがオリゴデ
    オキシリボヌクレオチドである、請求項80に記載の方法。
  86. 【請求項86】 前記の変異DNAポリメラーゼが、RMKSIDYRQIELR(配列番号
    :34のアミノ酸配列を含んで成る、請求項80に記載の方法。
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