JP2003517984A - 被覆導体厚膜前駆体 - Google Patents

被覆導体厚膜前駆体

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エイ. クレイブン、クリストファー
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Abstract

(57)【要約】 厚膜の(YBCO等の)希土類Ba2 Cu3 7-δの超伝導層を調製するための方法であって、特に、結合剤又は溶媒あるいはその両成分を含む固体材料の分散体として前駆体の成膜を含む方法。固体材料は、酸化物、フッ化物、及び超微粒子のイットリウム、バリウム、銅アセテートを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 政府は、米国国防総省が授与した契約番号F33615−99−C−2968
により本発明の権利を有する。
【0002】 技術分野 本発明は、高温超伝導体(HTS)に関し、特に超伝導層とそのような層に前
駆体構成物を成膜する方法に関する。
【0003】 背景 被覆導体は、薄い緩衝層や基板テープ上に双軸加工高温超伝導体(“HTS”
)層の1つ又は複数の組み合わせで構成され、磁石、コイル、電力用途の長尺の
自在HTSワイヤを製造するための費用対効果に優れた技術である。例えば、こ
れらの導体は、送電ケーブル、モータや発電機の回転子コイル、変圧器の巻き線
に有用であると共に医療用磁気共鳴映像法(MRI)用磁石、磁気分離、イオン
ビーム操作、磁気浮上にも有用である。特に本明細書の対象は、ac電場すなわ
ち急激に変化する電場であり、例えば、ac用送電ケーブル、変圧器、故障電流
リミッタ、磁気分離磁石、高エネルギ物理磁石等の用途である。
【0004】 双軸加工高温超伝導“被覆導体”の背景には公知のものがある。この被覆導体
は、少なくとも、例えば、基板やその上に成膜された(YBCO等の)超伝導層
を含む。1つ又は複数の緩衝層が基板と超伝導体材料の間に含まれてもよい。Y
BCO(YBa2 Cu3 x すなわちイットリウム・バリウム・銅酸化物)膜の
ような材料の利点は、非常に高い臨界電流密度を特に磁界において実現できるこ
とである。他の使用可能な関連する超伝導材料には、REBa2 Cu3 x があ
るが、ここで、Yは部分的に又は完全に希土類元素(RE)と置換されている。
工業用途に対する要求事項と導体技術の限界に関する情報が入手可能になり、こ
れら(YBCOを含む)希土類超伝導材料の製造費用を低減できる可能性もまた
今後の開発の興味の対象となってきた。
【0005】 この分野の課題は、化学的に互換性のある双軸加工緩衝層を生成するための費
用効果に優れた方法の必要性と、高臨界電流密度超伝導層を充分な厚さに成膜す
る必要性を含む。第1の目的は、エピタキシャル緩衝層を含む変形加工基板を安
価にし得ることである。更にイオンビームを用いたエピタキシャル上部層を有す
る薄膜MgO層の成膜が経済的な実行可能であることが明らかになるであろう。 超伝導体前駆体構成物の厚い層を成膜する必要性に関しては、数多くの技術が
評価されている。化学的気相蒸着法(CVD)は、前駆体材料が非常に高価であ
るために、ここでは競合する方法として考慮しない。大半の物理的気相蒸着法(
PVD)(例えば、パルスレーザ切断法、反応性スパッタリング法、電子ビーム
蒸着法)は、成膜速度、組成制御、高い設備投資費用によって限定される。経済
的に実行可能性なPVD法には、希土類元素、銅、バリウムフッ化物の熱的又は
電子ビームによる蒸着法があり、“バリウムフッ化物”プロセスとして知られる
。このプロセスは、直接PVD法より高速であるが、設備投資費用と制御システ
ム費用が更に高いと予想される。更に成膜済み前駆体構成物は、HTS膜を形成
するために、分離炉システムで引続き反応処理を行わなければならない。
【0006】 溶液成膜法は、評価の結果、真空装置が無いため更に費用削減が可能である。
従って、真空装置を用いる他の方法のように、設備投資の費用が大きくなく又成
膜速度も低くない。トリフルオロアセテート(TFA)溶液プロセスでは、前駆
体構成物が低コストであり、成膜速度が大きく、また非真空処理の利点がある。
このプロセスについては、例えば、1998年12月23日に公告された、シー
マ(Cima)らによる米国特許第5、231、074号やPCT公報WO98
/58415号に記載されており、前駆体構成物の組成を溶解して液相を形成す
る必要がある。
【0007】 工業プロセスの場合、超伝導膜になる前駆体の役割を担う組成を有することが
望ましく、この前駆体は、高い成膜速度で単一用途の大面積基板に被覆されて、
所望の膜厚を生成できる。好適には、前駆体構成物は、単純な熱プロセスで超伝
導相に転換し得る。
【0008】 概要 本発明は、長尺の基板上に、希土類の超伝導体の厚膜前駆体構成物を製造する
低費用の方法を提供する。好適には、この膜の最終厚さは、約1ミクロンと約5
ミクロンの間である。対象となる具体的な超伝導体は、希土類バリウム赤銅鉱種
(REBCO)類の高温超伝導体であり、例えば、YBa2 Cu3 7-x (YB
CO)、又はタリウム/バリウム/カルシウム/銅/酸化物(ThBCCO)あ
るいはビスマス/ストロンチウム/カルシウム/銅/酸化物(BSCCO)ベー
スの系、及び他の種が添加されたタイプを含む他の公知の超伝導材料を含む。特
に対象となるものは、約77Kを超える超伝導遷移温度Tc を有する材料である
。これらの膜用として最も有用な緩衝基板は双軸加工がなされており、最大到達
可能臨界電流密度(Jc )を達成するためのエピタキシャル成長用テンプレート
を提供する。この高温超伝導体における超伝導層用の前駆体構成物は、固体又は
半固体の、分散形態で成膜される前駆体を含む。これらの前駆体構成物によって
、例えば、最終のYBCO超伝導層において、YBCOの場合BaCO3 の形成
をほぼ排除することができ、他方、膜の核形成と成長も制御し得る。
【0009】 本明細書中で用いる“双軸加工”とは、結晶粒子が表面の面方向と極めて良く
一致している表面のことを指す。双軸加工表面の1つとして、立方状の加工表面
があり、ここでも結晶粒子は表面に垂直な方向と極めて良く一致している。立方
状の加工表面の例には、(100)[001]と(100)[011]面が含ま
れ、双軸加工表面の例には、(113)[211]表面が含まれる。本明細書中
で用いる“エピタキシャル層”とは材料層のことを指し、その結晶方位は、エピ
タキシャル層が成膜される材料層の表面の結晶方位に直接対応している。例えば
、基板上に成膜された超伝導体材料のエピタキシャル層を有する多層超伝導体の
場合、超伝導体材料の層の結晶方位は、基板の結晶方位に直接対応している。従
って、上述の基板の特性に加えて、更に基板が双軸加工表面又は立方状の加工表
面を有することが望ましい。
【0010】 本明細書中で用いる“分散体”とは、1つの相が、液体の第2相全体に分散さ
れ細かく分割された粒子を含む2相系である。本明細書中で用いる“超微粒子”
とは、前駆体構成物内での陽イオン元素の均一な分散と化学的に均質な超伝導膜
を可能とするに充分なほど微細な粒子のことである。約1乃至約10ミクロン厚
の超伝導膜の場合、通常、粒子径は最終膜厚の約10%未満である。更に微粒子
の大きさは、ほぼ化学量論的な超伝導層を効率的に形成するために、前駆体構成
物の陽イオン成分の高速な局所拡散を可能とするに充分なほど小さく又均一に分
散される。本明細書中で用いる“ほぼ化学量論的な量”とは、材料の混合物中の
元素比を指し、ここでは、陽イオン元素の原子比は、整数価の約10%以内にあ
る。この整数化学量からの偏差は、故意に導入したり材料の供給から生じたり、
又望ましくは材料処理の一助なり得る。実験によれば、通常、過剰元素は全般的
にこの材料によって拒否され、その結果、ほぼ化学量論的な量の元素になる。
【0011】 本発明によって、1つの成膜工程で厚膜を成膜し得る。複数の成膜工程は特別
な用途に基づき実行し得るが、前記各工程は既知の溶液プロセスから得られるも
のより厚い膜を提供し得る。結合剤除去又は分解を簡略化すると、超伝導体製造
方法のコストを大幅に低減し得る。
【0012】 他に規定されない限り、本明細書中で用いる全ての技術・化学用語は、本発明
が属する技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。本明細
書に記載のものと同様な又は同等の方法と材料は、本発明の適用又は評価に用い
ることができるが、適切な方法と材料を後述する。矛盾が生じた場合、本明細書
が定義を含み優先する。更に材料、方法、及び例は、説明用であり、制限するこ
とを意図するものではない。 本発明の他の特徴と利点は、以下の詳細な説明と請求項から明らかになるであ
ろう。
【0013】 詳細な説明 本発明は、比較的高い臨界電流密度が、固体成分を含む前駆体構成物からの高
温超伝導体(HTS)において実現できるという発見に基づく。この方法は、B
aF2 を含む前駆体構成物を用いる利点と実践が容易な厚膜を生成するための成
膜方法との組み合わせである。
【0014】 本発明は、前駆体構成物と、基板上に超伝導体材料の前駆体を、基板上に直接
あるいは緩衝材及び/又は中間材を被覆した基板上に成膜する方法を含み、これ
によって、前駆体構成物から双軸加工超伝導酸化膜を形成する。この前駆体構成
物は、固体成分を含有する成分を含む。
【0015】 図1−3に、HTS被覆導体の様々な実施形態を示す。図1において、例えば
10で示す、特にワイヤ状又はテープ状の高温超伝導体(HTS)は、一般的に
、基板12、少なくとも1つの緩衝材被膜14、(例えば、YBC、REBCで
形成される)超伝導体層16、キャップ層18から構成される。層14は、層1
6を支持し得る如何なる材料からでも形成できる。例えば、層14は緩衝層材料
から形成できる。緩衝層材料の例には、この技術分野では公知である、銀、ニッ
ケル、TbOx 、GaOx 、CeO2 、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)
、Y2 3 、LaAlO3 、SrTiO3 、LaNiO3 、Gd2 3 、LaC
uO3 、SrRuO3 、NdGaO3 、NdAlO3 、窒化物等の金属や金属酸
化物を含む。緩衝材の材料は、例えば、S.S.シャウプ(Shoup)らによ
るJ.Am.Cer.Soc.第81、3019版;D.ビーチ(Beach)
らによるMat.Res.Soc.Symp.Proc.第495、263版(
1988);M.パランサマン(Paranthaman)らによる超伝導科学
技術・第12、319版(1999);D.J.リー(Lee)らによる日本応
用物理学会報・第38版178行(1999);M.W.ラピッチ(Rupic
h)らによる超伝導に関するI.E.E.E.議事録・第9、1527版等に開
示された有機金属成膜を含む液相技術を用いて調製できる。
【0016】 更に本実施形態はいずれもキャップ層18を含み得る。キャップ層18は、1
つ又は複数の層から形成でき、好適には、少なくとも1つの貴金属層を含む。本
明細書中で用いる“貴金属”は金属であり、その反応生成物は、HTSテープの
調製に用いられる反応条件下では熱力学的に不安定である。代表的な貴金属は、
例えば、銀、金、パラジウム、白金を含む。貴金属によって、HTS層とキャッ
プ層の間の界面抵抗が低くなる。更にキャップ層18は、常伝導(例えば、銅や
アルミニウム又は常伝導の合金)から成る第2層を含み得る。
【0017】 基板は、双軸加工(例えば、(113)[211])、又は立方状加工(例え
ば、(100)[001]又は(100)[011])された1つ又は複数の表
面を有する合金から形成できる。この合金は、比較的低いキューリ温度を有し得
る(例えば、最大でも約80K、約40K、又は約20K)。
【0018】 ある実施形態において、基板は、以下の金属、すなわち銅、ニッケル、クロム
、バナジウム、アルミニウム、銀、鉄、パラジウム、モリブデン、金、亜鉛の内
2つを含む2元合金である。例えば、2元合金は、ニッケルとクロムから形成で
きる(例えば、ニッケルと最大20原子百分率のクロム、ニッケルと約5乃至約
18原子百分率のクロム、又はニッケルと約10乃至約15原子百分率のクロム
)。他の例として、2元合金は、ニッケルと銅から形成できる(例えば、銅と約
5乃至約45原子百分率のニッケル、銅と約10乃至約40原子百分率のニッケ
ル、又は銅と約25乃至約35原子百分率のニッケル)。更に2元合金に含まれ
る不純物の量は比較的少ない(例えば、約0.1原子百分率未満の不純物、約0
.01原子百分率未満の不純物、又は約0.005原子百分率未満の不純物)。
【0019】 いくつかの実施形態において、基板は3つ以上の金属(例えば、3元合金又は
4元合金)を含む。これらの実施形態において、合金は、1つ又は複数の酸化物
形成体(例えば、Alを好適な酸化物形成体として、Mg、Al、Ti、Cr、
Ga、Ge、Zr、Hf、Y、Si、Pr、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、L
u、Th、Er、Tm、Be、Ce、Nd、Sm、Yb、及び/又はLa)と、
以下の金属、すなわち銅、ニッケル、クロム、バナジウム、アルミニウム、銀、
鉄、パラジウム、モリブデン、金、亜鉛の内2つを含み得る。この合金は、少な
くとも約0.5原子百分率の酸化物形成体(例えば、少なくとも約1原子百分率
の酸化物形成体、又は少なくとも約2原子百分率の酸化物形成体)と、少なくと
も最大約25原子百分率の酸化物形成体(例えば、最大約10原子百分率の酸化
物形成体、又は最大約4原子百分率の酸化物形成体)を含み得る。例えば、この
合金は、約25乃至約55原子百分率のニッケル(例えば、約35乃至約55原
子百分率のニッケル、又は約40乃至約55原子百分率のニッケル)と残りが銅
である酸化物形成体(例えば、少なくとも約0.5原子百分率のアルミニウム)
を含み得る。もう1つの例として、この合金は、約5乃至約20原子百分率のク
ロム(例えば、約10乃至約18原子百分率のクロム、又は約10乃至約15原
子百分率のクロム)と残りがニッケルである酸化物形成体(例えば、少なくとも
約0.5原子百分率のアルミニウム)を含み得る。この合金には、含まれる不純
物量が比較的少ない(例えば、約0.1原子百分率未満の不純物、約0.01原
子百分率未満の不純物、又は約0.005原子百分率未満の不純物)。
【0020】 合金は、例えば、粉末形態の成分を混合、溶解、冷却して生成でき、又例えば
、固体の状態で粉末成分を共に拡散して生成できる。次に、この合金は、(双軸
加工又は立方状加工された)加工表面を形成するために、変形加工(例えば、焼
きなましと圧延、スエージ加工、押出し成形及び/又は絞り加工)によって形成
できる。一方、合金成分は、ゼリーロール構造に積層され、変形加工される。い
くつかの実施形態において、熱膨張係数が比較的低い材料(例えば、Nb、Mo
、Ta、V、Cr、Zr、Pd、Sb、NbTi、NiAl又はNi3 Al等の
金属間化合物、あるいはそれらの混合物)が、棒状に形成され、変形加工の前に
合金内に埋め込まれる。
【0021】 これらの方法は、1999年3月31日出願の共同出願米国特許出願第09/
283、775号・表題“合金材料”、1999年3月31日出願の共同出願米
国特許出願第09/283、777号・表題“合金材料”、1999年4月8日
公告のPCT公告番号第WO99/17307号・表題“高酸化抵抗基板”、1
999年4月8日公告のPCT公告番号第WO99/16941号・表題“超伝
導体用基板”に記載されている。
【0022】 いくつかの実施形態において、基板表面に成膜された中間層を用いて、第1エ
ピタキシャル(例えば、緩衝)層が双軸加工合金表面上に形成されるまで、安定
な酸化物の生成を緩和できる。本発明に適した中間層は、エピタキシャル金属や
、エピタキシャル緩衝層膜の初期成長に必要なPO2と温度により定められる状態
になった時表面酸化物を形成しない合金層を含む。更に、緩衝層は、基板元素の
中間層表面への移動とエピタキシャル層の初期成長中における酸化物の形成を防
止するための障壁として機能する。この中間層が無いと、基板の1つ又は複数の
元素が基板表面に熱力学的に安定した酸化物を形成すると考えられ、これによっ
て、例えば、この酸化物層に組織が欠如するためエピタキシャル層の成膜が著し
く妨げられる。
【0023】 いくつかの実施形態において、中間層は一過性の性質を有する。本明細書中で
用いる“一過性”とは、エピタキシャル膜の初期核形成と成長に続いて、全体的
又は部分的に双軸加工基板に取り込まれたり、それと混ざり合ったりする中間層
を指す。これらの状況下にあっても、中間層と双軸加工基板は、積層膜のエピタ
キシャル性が確立されるまで、別個のままである。例えば、中間層がニッケル等
の磁性体であるような何らかの望ましくない特性を有している場合、一過性の中
間層を用いることが好ましい場合がある。
【0024】 例示の中間金属層は、ニッケル、金、銀、パラジウム、とそれらの合金を含む
。不純物又は合金は、ニッケル及び/又は銅の合金を含んでもよい。中間層上に
成膜されたエピタキシャル膜又は層は、金属酸化物、カルコゲニド、ハロゲン化
合物、窒化物を含み得る。好適な実施形態において、中間金属層は、エピタキシ
ャル膜成膜条件下で酸化しない。
【0025】 初期緩衝層構造体の核形成と成長によりエピタキシャル層が確立される前に、
成膜された中間層が基板内に完全に取り込まれないように、あるいは基板内に完
全に拡散しないように注意すべきである。このことは、基板合金の拡散定数、実
際のエピタキシャル緩衝層成長条件下での熱力学的な耐酸化安定性、エピタキシ
ャル層との格子整合等の適切な特性に対して金属(又は合金)を選択した後、成
膜された金属層の厚さが、エピタキシャル層成膜条件、特に温度に対して適合す
べきことを意味する。
【0026】 中間金属層の成膜は、蒸着法又はスパッタリング法等の真空プロセスにより、
あるいは(電極有り又は無しの)電気めっき法等の電気化学的手段によって実行
可能である。(成膜中の基板温度に依存する)成膜の後、これら成膜による中間
金属層のエピタキシャル性の有無は問題ではないが、エピタキシャル方位は、そ
の後、成膜後の熱処理中に得ることができる。
【0027】 ある実施形態において、溶液被覆プロセスは、酸化物層の内1つ又はいずれか
を組み合わせたものを加工基板上に成膜するために用い得るが、特にそれらは、
初期(種)層を加工金属基板上に成膜するために適用できる。種層の役割は、1
)基板に対して次の酸化物層の成膜(例えば、酸化物ターゲットからのイットリ
ア安定化ジルコニアのマグネトロンスパッタ成膜)を酸化雰囲気中で行う間の基
板の酸化防止と、2)後続の酸化物層成長用エピタキシャルテンプレートを提供
することである。これらの要求を満たすために、種層は、金属基板の表面全体に
エピタキシャル成長すべきであり、又後続のエピタキシャル酸化物層の成膜を妨
げ得る汚染物質は皆無とすべきである。
【0028】 酸化物緩衝層は、下地基板層の濡れ性を促進するために形成できる。更に具体
的な実施形態において、金属酸化物層は、金属アルコキシド前駆体(例えば、“
ゾルゲル”前駆体)を用いて形成でき、ここで、炭素汚染レベルは金属アルコキ
シド前駆体を用いて他の公知のプロセスにおいて大幅に低減できる。
【0029】 この加熱工程は、ゾルゲル前駆体膜から過剰溶媒を乾燥させた後で又はそれと
同時に実行できるが、前駆体膜の分解前に実行しなければならない。 還元環境(例えば、4%H2 −Ar)における従来の酸化膜生成に伴う炭素汚
染は、前駆体膜の有機成分の不完全な除去の結果であると思われる。酸化物層中
又はこの付近に炭層含有汚染物質Cx y とCa b c は、後続の酸化物層の
エピタキシャル成膜を変え得るため、その存在は有害である。更に、トラップさ
れ膜内に埋め込まれた炭素含有汚染物質は、後続の酸化物層の処理工程中に酸化
することができ、これによって酸化雰囲気を利用できると考えられる。炭素含有
汚染物質が酸化されると、CO2 の生成、その後の膜のふくれ、膜剥離、又は複
合構造における他の欠陥が生じ得る。従って、金属アルコキシド分解から生じる
炭素含有汚染物質が、酸化物層形成後にのみ酸化されることは望ましくない。炭
素含有汚染物質は、分解が起こる際、酸化する(従って、膜構造からCO2 とし
て除去される)ことが好ましい。また膜表面上又はこの付近での炭素含有体の存
在は、後続の酸化物層のエピタキシャル成長を阻害する。
【0030】 具体的な実施形態によれば、金属基板又は緩衝層を被覆した後、前駆体溶液は
空気乾燥し、そして初期分解工程において加熱し得る。あるいは、前駆体溶液は
、金属基板の還元雰囲気下で、初期分解工程において直接加熱処理できる。一旦
初期的に酸化物層が所望のエピタキシャル方位に金属基板上で核形成されると、
例えば、水蒸気又は酸素の添加により、プロセスガスの酸素レベルが上昇する。
核形成工程は、通常の条件下で約5分乃至約30分を要する。
【0031】 これらの方法については、本明細書と同日出願された米国特許出願第___号
・表題“高純度酸化物層生成”に記載されている。 ある実施形態において、エピタキシャル緩衝層は、低真空蒸着プロセス(例え
ば、少なくとも圧力約1×10-3Torrで実行されるプロセス)を用いて形成
できる。このプロセスは、緩衝層材料の比較的高速度及び/又は絞り込んだガス
ビームを用いてエピタキシャル層を形成する段階を含む。
【0032】 ガスビーム中の緩衝層材料は、約1メートル毎秒よりも高速である(例えば、
約10メートル毎秒より高速、又は約100メートル毎秒より高速)。ビーム中
の緩衝層材料の少なくとも約50%が、ターゲット表面に入射し得る(例えば、
ビーム中の緩衝層材料の少なくとも約75%がターゲット表面に入射可能、又は
ビーム中の緩衝層材料の少なくとも約90%が、ターゲット表面に入射可能)。
【0033】 この方法は、ターゲット表面(例えば、基板表面又は緩衝層表面)を低真空環
境に置き、他は同一条件として、(例えば、約1×10-4Torr未満等、約1
×10-3Torr未満の)高真空環境下でターゲット表面上に所望の材料のエピ
タキシャル層を形成するための閾値温度を超える温度までターゲット表面を加熱
する段階を含む。緩衝層材料を含むガスビームと任意の不活性搬送ガスを、少な
くとも約1メートル毎秒の速度でターゲット表面に当てる。調整用ガスは、低真
空環境において提供される。調整用ガスは、ガスビーム中に含むことができ、あ
るいは調整用ガスは、異なる方法で低真空環境中に導入し得る(例えば、低真空
環境中にリークし得る)。調整用ガスは、ターゲット表面に存在する化学種(例
えば、汚染物質)と反応して、この化学種を除去でき、これによって、エピタキ
シャル緩衝層の核形成を促し得る。
【0034】 エピタキシャル緩衝層は、高真空(例えば、最大約1×10-4Torr)で物
理的蒸着法を用いたエピタキシャル層の成長に用いる温度よりも低い表面温度で
、低真空(例えば、少なくとも約1×10-3Torr、少なくとも約0.1To
rr、又は少なくとも約1Torr)を用いてターゲット表面に成長し得る。タ
ーゲット表面の温度は、例えば、約25℃乃至約800℃である(例えば、約5
00℃乃至約800℃、又は約500℃乃至約650℃)。
【0035】 エピタキシャル層は、例えば、少なくとも約50オングストローム毎秒等の比
較的早い速度で成長できる。 これらの方法については、2000年2月22日申請の米国特許番号第6、0
27、564号・表題“エピタキシャル層を成のための低真空プロセス”、20
00年2月8日申請の米国特許番号第6、022、832号・表題“エピタキシ
ャル層を有する超伝導体物質生成のための低真空プロセス”、及び/又は共同所
有であり1998年1月15日申請の米国特許出願第09/007、372号・
表題“半導体材料のエピタキシャル層生成のための低真空プロセス”に記載され
ている。
【0036】 いくつかの実施形態において、緩衝層は、イオンビーム支援蒸着法(IBAD
)を用いて形成できる。この技術において、緩衝層材料は、イオンビーム(例え
ば、アルゴンイオンビーム)が、蒸着用緩衝層材料が成膜される基板の平滑表面
に当てられながら、例えば、電子ビーム蒸着、スパッタ蒸着、又はパルスレーザ
蒸着を用いて蒸着される。
【0037】 例えば、緩衝層は、緩衝層材料が、面内でも又面外でもほぼ整合状態(例えば
、約13°以下)の表面を有するように、岩塩状構造を有する緩衝層材料(例え
ば、MgOを含む酸化物や窒化物等の岩塩構造を有する材料)を基板の平滑な非
晶質表面(例えば、実効表面粗さが約100オングストローム未満の表面)上に
蒸着することによりイオンビーム支援蒸着方法で形成できる。
【0038】 緩衝層材料の成膜中に用いる条件は、例えば、基板温度約0℃乃至約400℃
(例えば、ほぼ室温乃至約400℃)、成膜速度約1.0オングストローム毎秒
乃至約4.4オングストローム毎秒、イオンエネルギ約200eV乃至約120
0eV、及び/又はイオン流束約110マイクロアンペア毎平方センチメートル
乃至約120マイクロアンペア毎平方センチメートルを含み得る。
【0039】 いくつかの実施形態において、基板は、異なる材料(例えば、Si3 4 )で
形成される平滑な非晶質表面を持つ多結晶の非晶質ではないベース構造(例えば
、ニッケル合金等の金属合金)を有する材料から形成される。
【0040】 ある実施形態において、複数の緩衝層は元のIBAD表面上でエピタキシャル
成長により成膜できる。各緩衝層は、面内でも又面外でもほぼ整合状態(例えば
、約13°以下)の表面を有し得る。
【0041】 これらの方法については、1999年5月27日公告のPCT公告第WO99
/25908号・表題“岩塩状構造を有する薄膜の非晶質表面への成膜”に記載
されている。
【0042】 いくつかの実施形態において、エピタキシャル緩衝層は、高いスループットで
金属又は金属酸化物ターゲットからのスパッタリングにより成膜できる。基板の
加熱は、エピタキシャル形態構造を得るための抵抗加熱又はバイアス電位により
実現できる。成膜ドエルを用いて、金属又は金属酸化物ターゲットから酸化物エ
ピタキシャル膜を形成してもよい。
【0043】 一般的に、基板上にある酸化物層は、基板表面を還元環境内でのエネルギイオ
ンへの露出により除去できるが、これはイオンビームエッチング法としても公知
である。イオンビームエッチング法は、残留酸化物や不純物を基板から除去し、
本質的に酸化物の無い好適には双軸加工された基板表面の生成により、成膜前に
基板を清浄にするために用い得る。これによって、基板と後続の成膜用材料間の
接続が改善される。活性イオンは、例えば、Ar+ 等のイオンを基板表面に向け
て加速する様々なイオン銃によって生成できる。好適には、ビーム電圧が150
evを超える格子状のイオン源が利用される。一方、プラズマを基板表面の近傍
領域で生成し得る。この領域内において、イオンは化学的に基板表面と相互作用
して、この表面から金属酸化物を含む金属を除去し、実質的に酸化物フリーの金
属表面を生成する。
【0044】 基板から酸化物層を除去する他の方法では、基板に電気的にバイアスをかける
。基板テープ又はワイヤは、陽極電位に対して負である場合、(ターゲット閉じ
られた場合は)成膜に先立ち又は膜全体の成膜中、ガスからのイオンによる定常
打込みを受ける。吸収されたガスのワイヤやテープ表面はこのイオン打込みによ
り清浄にできるが、さもなければ膜に取り込まれ又高い成膜温度まで基板を加熱
することになる。このイオン打込みは、エピタキシャル膜の密度や平滑性の改善
により更に利点をもたらす。
【0045】 適切に加工しほぼ酸化物の無い基板表面の生成時、緩衝層の成膜を始め得る。
各々単一金属又は酸化物層を含む1つ又は複数の緩衝層を用い得る。いくつかの
好適な実施形態において、基板は、これら実施形態の成膜方法の工程を実行する
ようにした装置を通過する。例えば、基板がワイヤ又はテープ形状である場合、
基板は、供給リールから巻取りリールまで直線的に通過でき、リール間を通る際
基板上で工程を実行し得る。
【0046】 いくつかの実施形態によれば、基板材料は、基板材料の融点の約90%未満で
、所定の成膜速度で真空環境において基板材料上に所望の材料のエピタキシャル
層を形成するための閾値温度よりは高い高温まで加熱される。適切な緩衝層結晶
構造と緩衝層平滑性を実現するために、基板温度は高いことが一般的に好ましい
。金属上での酸化物層成長の一般的な最低温度は、約200℃乃至800℃であ
り、好適には500℃乃至800℃、更に好適には650℃乃至800℃である
。放射加熱、対流加熱、伝導加熱等の様々な良く知られた方法は、短い基板(2
cm乃至10cm)には適するが、長い(1m乃至100m)ものには、これら
の技術は適さない。また製造プロセスにおいて所望の高スループットレートを実
現するには、基板ワイヤやテープは、プロセス中、成膜ステーション間を移動又
は搬送する必要がある。具体的な実施形態によれば、基板は、抵抗加熱すなわち
金属基板内に電流を流して加熱することで長い製造プロセスに容易に適応できる
。この手法は、これら領域間の瞬時の移動を可能にしつつ良好に機能する。温度
制御は、光高温計と閉ループ帰還系を用いて行い、加熱対象基板に供給されるパ
ワーを制御する。電流は、少なくとも2つの異なる基板セグメントにおいて基板
と接触する電極によって基板に供給できる。例えば、テープやワイヤ形状の基板
がリール間を通過する際、リール自身が電極として機能し得る。一方、ガイドを
用いて基板をリール間で搬送する場合、ガイドが電極として機能し得る。電極も
また、いずれのガイドやリールからも完全に独立し得る。いくつかの好適な実施
形態において、電流は電流ホイール間にあるテープに印加される。
【0047】 適切な温度のテープ上で成膜を実行するために、このテープ上に成膜される金
属又は酸化物材料は、電流ホイール間の領域で成膜することが望ましい。電流ホ
イールは効率的に熱を吸収でき、従ってホイールの近傍領域のテープを冷却し得
るため、材料は、ホイールの近傍領域では成膜しないことが望ましい。スパッタ
リング法の場合、テープ上に成膜される帯電材料が、スパッタ流束経路に隣接す
る他の帯電表面又は材料の影響を受けないことが望ましい。このことから、スパ
ッタ室は、室壁を含み、スパッタ流束に影響を及ぼしそれを偏向し得る構成要素
や表面部及び他の成膜元素を成膜領域から離れた位置に配置し、それらによって
適切な成膜温度でテープ領域において所望の金属又は金属酸化物の成膜状態を変
えないように構成することが好ましい。
【0048】 更に詳細は、共同所有の2000年2月9日申請の米国特許出願第09/50
0、701号・表題“酸化物層法”と共同所有の本明細書と同日出願の米国特許
出願第___・表題“酸化物層法”に記載されている。
【0049】 好適な実施形態において、3層の緩衝層が用いられる。Y2 3 又はCeO2 の層(例えば、約20ナノメートル乃至約50ナノメートル厚)は、基板表面に
(例えば、電子ビーム蒸着法を用いて)成膜される。YSZ層(例えば、約0.
5ミクロン厚等の約0.2ミクロン乃至約1ミクロン厚)は、スパッタリング法
を用いて(例えば、マグネトロンスパッタリング法を用いて)Y2 3 又はCe
2 層の表面に成膜される。CeO2 層(例えば、約20ナノメートル厚)は、
YSZ表面に(例えば、マグネトロンスパッタリング法を用いて)成膜される。
これら層の1つ又は複数の層表面は、本明細書中に述べるように化学的及び/又
は熱的に調整できる。
【0050】 ある実施形態において、下地層(例えば、緩衝層又は異なる超伝導体層)は、
超伝導体層が調整済み表面上に形成されるように調整できる(例えば、熱的に調
整及び/又は化学的に調整できる)。下地層の調整済み表面は、双軸加工(例え
ば、(113)[211])又は立方状加工(例えば、(100)[011]又
は(100)[011])が可能であり、半値全幅が約20°未満(例えば、約
15°未満、約10°未満、又は約5°乃至約10°)であるX線回折の極点図
においてピークを有し、高分解能走査電子顕微鏡検査法又は原子間力顕微鏡検査
法により決定されるように調整前よりも平滑であり、比較的高濃度であり、不純
物の濃度は比較的低く、他の材料層(例えば、超伝導体層又は緩衝層)に対して
高い粘着性を呈し、及び/又はX線回折によって測定されるように比較的狭いロ
ッキングカーブ幅を呈する。
【0051】 本明細書中で用いる“化学的調整”とは、1つ又は複数の化学種(例えば、ガ
ス相化学種及び/又は液相化学種)を用いて、緩衝層又は超伝導体材料層等の材
料層の表面を変化させて、この結果生じる表面が1つ又は複数の上述の特性を呈
するプロセスのことを指す。
【0052】 本明細書中で用いる“熱的調整”とは、化学的調整は用いても用いなくてもよ
いが、高温を用いて、緩衝層又は超伝導体材料層等の材料層の表面を変化させて
、この結果生じる表面が1つ又は複数の上述の特性を呈するプロセスのことを指
す。好適には、熱的調整は環境制御(例えば、ガス圧制御、ガス環境制御及び/
又は温度制御)において行う。
【0053】 熱的調整は、下地層の表面を、下地層の成膜温度又は結晶化温度を少なくとも
約5℃超える温度まで加熱することを含む(例えば、下地層の成膜温度又は結晶
化温度を約15℃乃至約500℃超える、又は下地層の成膜温度又は結晶化温度
を約75℃乃至約300℃超える、又は下地層の成膜温度又は結晶化温度を約1
50℃乃至約300℃超える)。この温度の例は、約500℃乃至約1200℃
である(例えば、約800℃乃至約1050℃)。熱的調整は、大気圧を超えた
り、大気圧を下回ったり、又は大気圧等の様々な圧力条件下で実行できる。熱的
調整はまた、様々なガス環境(例えば、酸化ガス環境、還元ガス環境、又は不活
性ガス環境)を用いても実行できる。
【0054】 本明細書中で用いる“成膜温度”とは、調整される層が成膜された温度を指す
。 本明細書中で用いる“結晶化温度”とは、材料の層(例えば、下地層)が結晶
になる温度を指す。
【0055】 化学的調整は、真空技術(例えば、反応性イオンエッチング法、プラズマエッ
チング法及び/又はBF3 及び/又はCF4 等のフッ素化合物によるエッチング
法)を含み得る。化学的調整技術については、例えば、VLSI時代のシリコン 処理 、第1巻、S.ウルフ(Wolf)とR.N.タンバ(Tanber)編、
539−574ページ、1986年、カリフォルニア州、サンセットパーク(S
unsetPark)、ラチス出版(LatticePress)に開示されて
いる。
【0056】 一方更に、化学的調整は、冶金と冶金工学シリーズ、第3版、ジョージ(Ge
orge)L.ケール(Kehl)、1949年、マグローヒル社(McGra
w−Hill)に開示された液相技術を含み得る。この技術は、下地層の表面を
、比較的弱酸性の溶液(例えば、約10パーセント、約2パーセント、又は約1
パーセント少ない酸を含む酸性溶液)に接触させることを含む。弱酸性溶液の例
は、過塩素酸、硝酸、フッ化水素酸、酢酸、緩衝酸性溶液を含む。1つの実施形
態において、弱酸性溶液は、約1パーセントの硝酸水溶液である。ある実施形態
において、臭化物含有及び/又は臭素含有組成(例えば、液状臭素溶液)を用い
て、緩衝層又は超伝導体層の表面を調整し得る。
【0057】 この方法を用いると、多数の緩衝層(例えば、2層、3層、4層、又はそれ以
上の数の緩衝層)が、この緩衝層の1つ又は複数の層表面が調整された状態で形
成され得る。
【0058】 この方法を用いると、複数の超伝導体層が、この超伝導体層の1つ又は複数の
層表面が調整された状態で形成され得る。例えば、超伝導体層は、形成後、上述
のように熱的に及び/又は化学的に調整できる。次に、新たな超伝導体層が最初
の超伝導体層の調整済み表面に形成され得る。このプロセスは、所望の回数だけ
繰返し得る。
【0059】 これらの方法については、共同所有の1999年11月18日申請の米国暫定
特許出願第60/166、140号・表題“多層物とこの生成方法”と、共同所
有の本明細書と同日出願の米国特許出願第___号・表題“多層物とその生成方
法”に記載されている。
【0060】 この前駆体構成物から形成される超伝導体物は、2層以上の超伝導体層(例え
ば、互いに積層した2つの超伝導体層)を含み得る。これら超伝導体層の総厚は
、少なくとも約1ミクロン(例えば、少なくとも約2ミクロン、少なくとも約3
ミクロン、少なくとも約4ミクロン、少なくとも約5ミクロン、又は少なくとも
約6ミクロン)であり得る。これら超伝導体層の総臨界電流密度は、少なくとも
約5×105 アンペア毎平方センチメートル(例えば、少なくとも約1×106 又は少なくとも約2×106 アンペア毎平方センチメートル)であり得る。
【0061】 金属オキシフッ化物は、気体状の水の温度、蒸気圧、又はこの両者を調整して
選択した転化速度で、酸化物超伝導体に転化される。例えば、金属オキシフッ化
物は、水分が25℃で相対湿度100%未満(例えば、相対湿度が約95%未満
、約50%未満、又は約3%未満)である処理用ガス中で転化され、何らかの酸
化物超伝導体を形成し、次いで、より高い水分含有量の処理用ガス(例えば、2
5℃で相対湿度約95%乃至約100%)を用いて転化を完了する。金属オキシ
フッ化物を転化する温度は、約700℃乃至約900℃の範囲(例えば、約70
0℃乃至約835℃)であり得る。好適には、処理用ガスは、体積百分率で約1
パーセント乃至約10パーセントの酸素ガスを含む。
【0062】 これらの方法については、1998年12月23日公告のPCT公告番号第W
O98/58415号・表題“金属オキシフッ化物から超伝導酸化物への転化制
御”に記載されている。
【0063】 具体的な実施形態において、必要な反応条件に達するまで酸化物層の生成を抑
制して、望ましくないa軸方位の酸化物層粒子の生成を最小限にする方法を用い
得る。
【0064】 フッ化物含有前駆体の分解と反応用に開発された従来のプロセスでは、膜表面
に平行な方位で分解炉内に導かれる一定の低乱流のプロセスガスを用いて、膜と
ガスの界面に安定した境界層が生じる。酸化物層前駆体の分解と反応に通常用い
る種類の装置においては、このガスと膜の境界層を通るガス状反応物と生成物の
拡散が全反応速度を支配する。小面積の薄膜(例えば、約0.4ミクロン厚未満
で約1平方センチメートル未満)において、膜へのH2 Oの拡散と膜外へのHF
の拡散は、試料が処理温度に達するまで、影響を及ぼし得る如何なる速度でもY
Ba2 Cu3 7-x 相が形成し始めない速度で起こる。しかしながら、膜厚や膜
面積が大きくなるにつれて、膜内と膜外へのガスの拡散速度は遅くなり、他の全
てのパラメータは同じになる。これによって、反応時間が長くなり及び/又はY
Ba2 Cu3 7-x 相の形成が不完全となり、この結果、結晶組織が縮小し、密
度が小さくなり、臨界電流密度が減少する。従って、YBa2 Cu3 7-x 相の
全生成速度は、大部分が膜表面の境界層を通過するガスの拡散により決定される
【0065】 これらの境界層を排除する1つの手法は、膜表面で乱流を生成することである
。これらの条件下では、界面の局所ガス組成は、バルクガス中とほぼ同じに維持
される(すなわち、pH2 Oは一定で、pHFがほぼゼロである)。従って、膜
中のガス状生成物/反応物の濃度は、ガスと膜表面の境界層を通過する条件によ
り支配されず、むしろ、膜を通過する拡散によって支配される。基板表面でのa
軸YBa2 Cu3 7-x 方位粒子の核形成を最小限に抑えるために、YBa2
3 7-x 相の生成は、所望のプロセス条件に達するまで抑制される。例えば、
YBa2 Cu3 7-x 相の生成は、所望のプロセス温度に達するまで抑制できる
【0066】 1つの実施形態において、1)低(非乱流の)プロセスガス流量(これにより
温度上昇過程で安定した境界層が膜とガスの界面に確立される)、2)高(乱流
)プロセスガス流量(これにより境界層が膜とガスの界面で乱される)の組み合
わせが用いられる。例えば、3インチの管炉において、周囲温度から所望のプロ
セス温度まで温度上昇過程で、流量は約0.5乃至2.0L/分となる。この後
、膜の処理時間中、流量は約4乃至15L/分の値に増加し得る。従って、上昇
過程で低温時不要なa軸の核形成と成長の量を最小限に抑えつつ、YBa2 Cu 3 7-x の生成とエピタキシャル組織の生成速度は高温時に大きくし得る。これ
らのプロセスによれば、a軸の核形成粒子の量は、走査電子顕微鏡検査法により
決定されるように、約1%未満になることが望ましい。
【0067】 更に詳細は、本明細書と同日出願の共同所有の米国特許出願第___・表題“
酸化物層反応速度制御”に記載されている。 本明細書中で述べるように、超伝導層は、基板、中間材被覆基板、又は緩衝材
被覆基板上に、前駆体構成物の形態で成膜される。前駆体構成物の形成には、2
つの一般的な手法がある。両手法において、少なくとも成分の一部が固体形態で
存在している場合、この方法の利点の方向が変わる。1つの手法において、前駆
体構成物の陽イオン成分を、元素として又は好適には他の元素と化合した状態で
固体形態を取る成分で提供する。前駆体構成物は、適切な基板、中間体被覆基板
、又は緩衝部被覆基板の表面上に被覆及び粘着し得るように分散される超微粒子
の形態で提供される。これらの超微粒子は、エアロゾル噴霧法、蒸着法、又は所
望の化学組成やサイズを提供するように制御し得る同様な技術によって生成でき
る。超微粒子は、約500nm未満、好適には約250nm未満、更に好適には
、約100nm未満、又更に好適には、約50nm未満である。通常この微粒子
は、所望の最終膜厚の約50%未満であるが、好適には、約30%未満であり、
最も好適には、所望の最終膜厚の約10%未満である。超微粒子を製造するため
の前駆体は、1998年12月23日公告のシーマらによる米国特許第5、23
1、074号、PCT公告第WO98/58415号・表題“金属オキシフッ化
物から超伝導酸化物への転化制御”に開示されているもの等の有機金属溶液であ
る。
【0068】 一方、前駆体構成物は、元素のソース又は所望の成分を含むほぼ化学量論的化
合物から調製できる。例えば、所望のREBCO成分(例えば、YBa2 Cu3 7-x )又は各々所望の最終超伝導層(例えば、Y2 3 、BaF2 、CuO)
の特定成分を含む多くの固体のほぼ化学量論的化合物から構成される固体の蒸着
を用いて、前駆体構成物を生成するための超微粒子を生成し得る。一方、ほぼ化
学量論的所望のREBCO成分の混合物から構成される有機金属溶液の吹付け乾
燥又はエアロゾル化を用いて、前駆体構成物で用いられる超微粒子を生成し得る
【0069】 例えば、この第1の手法に基づく1つの実施形態において、前駆体構成物は、
ほぼ化学量論的混合物における超伝導層の1つ又は複数の成分の超微粒子から構
成され、キャリア中に存在する。このキャリアは、溶媒、可塑剤、結合剤、分散
剤、又はこの技術分野では公知の同様な系から構成され、この微粒子の分散体を
形成する。
【0070】 例えば、この第1の手法に基づく他の実施形態において、前駆体構成物は、ほ
ぼ化学量論的混合物における超伝導層の1つ又は複数の成分である超微粒子から
構成され、キャリアとなり、このキャリアは、ほぼ上述の通りである。各超微粒
子は、組成がほぼ均一で均質なこのような成分の混合物である。例えば、各微粒
子は、BaF2、希土類酸化物、酸化銅又は希土類/バリウム/銅オキシフッ化
物をほぼ化学量論的混合物中に含む。例えば、この粒子の分析により、希土類:
バリウム:銅の比率は化学量論的にほぼ1:2:3であり、ここでフッ素:バリ
ウムの比率は化学量論的にほぼ2:1であることが明らかになる。これらの微粒
子の形態は、結晶又は非晶質のいずれでもよい。
【0071】 一方、第2の手法において、1つ又は複数の陽イオン成分が、有機金属塩又は
有機金属化合物として前駆体構成物に提供され、溶液中に存在する。有機金属溶
液は、他の固体元素や化合物に対して、溶媒すなわちキャリアとして機能する。
この後者の手法によれば、分散剤及び/又は結合剤は、前駆体構成物からほぼ排
除し得る。例えば、この第2の手法に基づく他の実施形態において、前駆体構成
物は、希土類酸化物と酸化銅の化学量論的比率がほぼ1:3である超微粒子と共
に、メタノール等の有機溶媒に溶解される可溶化バリウム含有塩、例えばバリウ
ム−トリフルオロアセテートから構成される。
【0072】 基板は、均一に被覆し、約1乃至約10ミクロン、好適には、約1乃至約5ミ
クロン、更に好適には、約2乃至約4ミクロンの超伝導膜を生成することが望ま
しい。
【0073】 いくつかの実施形態において、最終超伝導層は、化学量論的比率が1:2:3
で、酸素が化学量論的にわずかに欠乏している希土類:バリウム:銅(REBC
O)を含む酸化物錯体の膜であることが望ましい。これらの錯体は、化学式“希
土類” Ba2 Cu3 7-σを有し、ここで、“希土類”は、イットリウム、プ
リ・ナトリウム(praesodium)、ネオジウム、サマリウム、ユーロピ
ウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、
ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ランタン、セリウムを含む。この錯体
は、YBCOとしても知られるYBa2 Cu3 7-x を含む。酸素欠乏の程度(
すなわち、この錯体における酸素の化学量が7未満の量)は、ある程度変え得る
が、約6.5乃至6.9の範囲である。
【0074】 超伝導層がREBCO型である場合、前駆体構成物は、希土類元素、バリウム
、銅の各々酸化物の形態と、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン
化物;カルボン酸塩とアルコラート、例えば、トリフルオロアセテート、ギ酸塩
、シュウ酸塩、乳酸塩、オキシフッ化物、プロピレン、クエン酸塩、アセチルア
セトン等のトリフルオロアセトンを含むアセテート、及び塩素酸塩と硝酸塩を含
み得る。前駆体構成物は、各々様々な形態でこの元素(希土類元素、バリウム、
銅)のいずれかの化合物を含むことができ、バリウムハロゲン化物と希土類オキ
シフッ化物と銅(オキシフッ化物)を含む中間材に転化できるが、ここでは、別
の分解工程なしで又は全成分が可溶化された前駆体に必要な工程よりも実質的に
短い分解工程で、又BaCo3 の生成を実質的に行わず転化できる。前駆体構成
物は次に高温反応プロセスを用いて処理され、Tc が約89K以上であり、Jc が膜厚1ミクロン以上において約500、000A/cm2 を超えるエピタキ
シャルREBCO膜が生成できる。例えば、YBa2 Cu3 7-x 超伝導層の場
合、前駆体構成物は、バリウムハロゲン化物(例えば、バリウムフッ化物)、イ
ットリウム酸化物(例えば、Y2 3 )、酸化銅を含み、あるいはイットリウム
酸化物、トリフルオロアセタ/メタノール溶液中のバリウムトリフルオロアセテ
ート、トリフルオロアセタ/メタノール中の酸化銅と銅トリフルオロアセテート
の混合物を含む。一方、前駆体構成物は、Ba−トリフルオロアセテート、Y2 3 、CuOを含み得る。また一方、前駆体構成物は、メタノール中のバリウム
トリフルオロアセテートとイットリウムトリフルオロアセテートと、CuOとを
含む。また一方、前駆体構成物は、BaF2 とイットリウムアセテートとCuO
を含み得る。いくつかの好適な実施形態において、バリウム含有粒子は、BaF 2 粒子、すなわちバリウムアセテートとして存在する。超伝導層を処理中にバリ
ウム炭酸塩が生成し得るのは望ましくない。いくつかの実施形態において、陽イ
オン成分を含む化合物の1つの少なくとも一部が固体の状態で存在するならば、
前駆体は、いくつかの又は全ての陽イオン成分を含む実質的に可溶化された有機
金属塩であり得る。
【0075】 ある実施形態において、分散体中の前駆体は結合剤を含む。この結合剤が作用
して、下地層に成膜する際の補助として粒子を保持する。然るべき結合剤には、
ニトロセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、とこの技術分野では公知である他のセルロース誘導体等のセル
ロース誘導体を含む。また有用なものは、ポリビニルブチラール高分子や共重合
体等のポリビニルアルデヒドやビニル共重合体アルデヒドを含む、ポリビニル結
合剤やビニル共重合体結合剤等の高分子結合剤や共重合体結合剤である。他の結
合剤は、様々なソースからの様々な澱粉や化学的に変形した澱粉を含む。
【0076】 分散剤もまたある実施形態に含み得る。広範な分散剤が具体的な実施形態に利
用できる。例えば、全ての前駆体成分は可溶化しない何らかの有機溶媒も用い得
る。例えば、トリオレイン酸ソルビタンを含む、ソルビタンエステル、ソルビタ
ンジエステル、ソルビタントリエステルが適切である。更に適切な分散剤は、当
業者であれば容易に選び得る。分散剤は、攪拌、振動、混合、又は超音波攪拌に
よって、機械的に維持できる。
【0077】 溶媒もまたある実施形態に含むことができ、特にこの中で、前駆体構成物が分
散体において超微粒子として存在する成分に加えて、溶媒に溶解された塩成分又
は化合物を含む実施形態に含み得る。溶媒は、前駆体成分を可溶化する機能があ
れば何でもよい。例えば、エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等
のエーテルを含む一般的な揮発性有機溶媒と、アルキルアセテート、アルキルプ
ロピオン酸塩、アルキルギ酸塩を含むエステルと、直鎖と分枝アルコノールを含
むアルコールと、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリ
ル等の他の溶媒とを用い得る。他の適切な溶媒は、当業者であれば容易に用い得
る。
【0078】 前駆体構成物は、多くの方法によって、基板又は緩衝処理された基板に塗布で
き、この方法によって、ほぼ均質な厚さの被膜を生成し得る。例えば、前駆体構
成物は、スピン皮膜法、スロット被覆法、グラビア被覆法、含浸被覆法、テープ
成形法、又は噴霧法を用いて塗布できる。
【0079】 いくつかの実施形態において、第1と第2高温超伝導体被覆構成元素を含む多
層高温超伝導体が提供される。各構成元素は、基板、基板に成膜された少なくと
も1つの緩衝層、高温超伝導体層、任意のキャップ層を含む。第1と第2高温超
伝導体被覆構成元素は、第1と第2キャップ層において接合させ、又は好適には
金属の介在層と接合できる。例示の接合技術には、はんだ付けや拡散接合法を含
む。
【0080】 このような多層構造は、電流分散を改善し、交流条件下でヒステリシス損失を
低減し、電気的・熱的安定性を高め、機械的特性を改善する。有用な導体は、互
いに積み重ねた及び/又は積層した複数のテープを有するようにされ、充分な電
流容量、寸方の安定性、機械的強度を提供する。このような実施形態はまた、被
覆テープセグメントを重ねて接合する手段と、被覆テープの積層部又は導体構成
元素を終端させる手段も提供する。
【0081】 更にこの構造は、交流用途に大きな利点を提供できると考えられる。AC損失
は、導体内の実効臨界電流密度、具体的には、電流が流れる断面積に反比例する
。多数の糸状体導体の場合、断面積は、超伝導糸状体の“束”の面積であるが、
この束の周囲の外装材料はいずれも除く。“対向”構造の場合、“束”の臨界電
流密度は、高温超伝導体膜とキャップ層構造体の厚さのみを含む。キャップ層は
、1層又は複数の層から形成でき、好適には、少なくとも1層の貴金属層を含む
。本明細書中で用いる“貴金属”とは、この反応生成物がHTSテープ調製の反
応条件下で熱力学的に不安定である金属を指す。代表的な貴金属は、例えば、銀
、金、パラジウム、プラチナを含む。貴金属によって、HTS層とキャップ層の
間の界面抵抗が低くなる。更にキャップ層は、常伝導金属(例えば、銅又はアル
ミニウム又は常伝導合金)から成る第2層を含み得る。直流用途の場合、新たな
対向ワイヤを束ね又は積み重ねて、所定の用途に対して必要な電流容量と形状寸
法を提供する。
【0082】 更にテープ表面の高温超伝導体膜を処理して、局所断線すなわち非超伝導領域
又はテープ長さ方向(電流が流れる方向)に沿って膜中にストライプを生成し得
る。次に、高温超伝導体膜上に成膜されたキャップ層は、非超伝導領域と延性を
持つ常伝導領域間の架橋を行う。長手積みされたレンガパターンに似た、幅の狭
いストライプすなわち糸状体端部を揃える際のずれによって、電流がいくつかの
狭い超伝導糸状体に流れ、キャップ層及び隣接糸状体を通過し、更に冗長性を高
め又安定性を改善し得る。
【0083】 全ての実施形態において、常伝導金属層は、導体の端部に沿って含まれ、高温
超伝導体膜を封止し、又膜へ電流を供給し、更に必要な場合は膜から基板へ電流
を供給し得る。
【0084】 更に詳細については、1999年7月23日申請の共同所有の米国暫定特許出
願第60/145、468号・表題“強化高温被覆超伝導体”と本明細書と同日
出願の共同所有の米国特許出願第___・表題“強化高温被覆超伝導体”に述べ
てある。
【0085】 いくつかの実施形態において、被覆導体は、交流用途で生じる損失を最小限に
抑える方法で製造し得る。この導体は複数の伝導経路を有し、各々少なくとも2
つの伝導層を跨って延在する経路セグメントから構成され、そして更にこれらの
層間に延在する。
【0086】 各超伝導層は、層の幅方向に一端部から他方の端部へ延在する複数の伝導性経
路セグメントを有し、又この経路セグメントは超伝導層の長さ方向に沿う構成要
素を有する。超伝導層表面の経路セグメントは、層間接続部と電気的伝導状態で
連通しており、これにより電流が一方の超伝導層から他方に流れ得る。経路セグ
メントを含む経路は周期的に構成され、電流は2層膜構造の実施形態において2
つの超伝導層間で通常交互に流れ、層間接続部を通過して層を横断する。
【0087】 超伝導層は、各々の幅方向と長さ方向に延在する複数の経路セグメントを含む
ように構成し得る。例えば、超伝導層は、各複数の経路セグメント間に高い抵抗
率又は完全な絶縁障壁を実現できるようにパターン化し得る。例えば、一定間隔
で周期的に配列された経路セグメントをテープの全長方向に沿って層上に配置し
得る。超伝導層のこのような配列へのパターン化は、当業者には公知である様々
な手段で達成できるが、この手段は、例えば、レーザスクライブ、機械切削、注
入法、マスクによる局部化学処理法及び他の公知の方法を含む。更に超伝導層は
、各々の表面の伝導性経路セグメントが、各々の端部又はその近傍で、層間を通
過する伝導性層間接続部と電気的に連通し得る。一般的に、層間接続部は、通常
、伝導性はある(超伝導性は無い)が、特別な構成の場合には超伝導性もあり得
る。層間接続部によって、超伝導層間に配置される非超伝導性材料や高抵抗材料
により分離された超伝導層間が電気的に連通する。この非超伝導性材料や高抵抗
材料は1つの超伝導層上に成膜できる。層間接続部の導入のために絶縁性材料の
端部に通路を形成し、この後更に超伝導層を成膜し得る。超伝導層をテープ軸に
平行な糸状体にパターン化し又円筒形螺旋状にテープを巻くことにより被覆導体
を交互に構成し得る。
【0088】 更に詳細については、2000年2月9日申請の共同所有の米国特許出願第0
9/500、718号・表題“低AC損失の被覆導体”に述べてある。本発明に
ついて以下の例の中で更に説明するが、請求項に記載の本発明の適用範囲を制限
するものではない。
【0089】 例 出発材料特性 バリウムアセテートは、Alfa Aesar社(マサチューセッツ州、ワー
ドヒル)から、結晶粒子99.0乃至102.2%(試金)、在庫番号1219
8のものを購入した。トリフルオロアセテート酸は、Alfa Aesar社か
ら、在庫番号31771のものを購入した。半導体級メタノールは、Alfa
Aesar社から、在庫番号19393のものを購入した。酢酸アミルニトロセ
ルロースの1%と10%溶液は、Ernest Fullham社から購入した
【0090】 イットリウム酸化物は、ナノフェーズテクノロジ社(Nanophase T
echnologies、イリノイ州、バーリッジ)から、純度99.5%(総
希土類酸化物)粒子、製品番号1600のものを購入した。製造会社公表の平均
粒子サイズは17−30nmであり、一定の表面積のBET分析により判定され
たものである。バリウムフッ化物は、Alfa Aesar社から、純度99%
(試金)粒子、40メッシュ未満の粒子サイズで在庫番号12338のものを購
入した。粒子サイズを小さくするために、納品状態のバリウムフッ化物は、Je
t Pulverizer社(ニュージャージ州、パルミラ)によって最小限の
粒子サイズまでジェット粉砕された。酸化銅粒子は、ナノフェーズテクノロジ社
から購入したが、純度99.5+%粒子、製品番号0500である。同社発表の
平均粒子サイズは、16−32nmであり、一定の表面積をBET分析により判
定したものである。
【0091】 Y2 3 とCuO粒子は、透過電子顕微鏡で検査した。一般的に納品状態の粒
子は球状で、各直径は約50nm未満で、網状架橋の状態であった。バリウムフ
ッ化物は、ジェット粉砕の前後に走査型電子顕微鏡で検査した。粉砕前、粒子は
固まりがあり、メーカにより指定された40メッシュサイズより小さかった。ジ
ェット粉砕された粒子は、サイズがより均一になり、固まりが少なくなった。
【0092】 材料の純度は、誘導結合プラズマ原子分光分析装置(ICP/AES)によっ
て検査した。試金分析により、微細相Y2 3 は純度91%であり、BaF2
純度88%、CuOは純度99.4%であった。これらの材料はまた、一般的な
不純物の有無を検査しており、それを表1に示す。これらの材料は、分析前に焼
成されていないため、Y2 3 とBaF2 中の主汚染物質は水分を含むと考えら
れる。ジェット粉砕によって汚染物質の新たな導入はなかった。
【0093】
【表1】 納品状態のY2 3 のΘ−2ΘX線回折(XRD)パターンは、この材料の単斜
晶系相に一致していた。粉砕前後のBaF2 のXRDパターンは、フランクディ
クソナイト(Frankdicksonite)のパターンと一致し、立方パタ
ーンであった。納品状態のCuOのXRDパターンは、単斜晶系(黒銅鉱)相の
パターンと一致した。
【0094】 Y2 3 、BaF2 、CuO粒子の粒子サイズ測定結果を表2に示す。
【0095】
【表2】 ナノフェーズテクノロジ社が測定したY2 3 とCuO粒子のサイズと発明者
らによる測定値との差異は、用いた方法と粗凝集粒子分解時における各方法の効
果の差異によると思われる。乾式エアロゾル飛行時間法を用い、ナノフェーズテ
クノロジ社は、測定中に超音波で攪拌された液体中に粒子を分散した。本発明者
らの分析は、凝集粒子と個々の粒子を示すようである。BaF2 はジェット粉砕
され粒子サイズが減少すると共にサイズ分布が狭くなった。
【0096】 例2:エピタキシャル膜成長の例証 表3にまとめたように、3つの前駆体スラリを製造した。それら前駆体の内2
つは、Y2 3 とCuOをメタノールに溶解したBa−トリフルオロアセテート
(Ba−TFA)に分散させて調製したが、用いたメタノール量は異なる。Ba
−TFAは、水にバリウムアセテートを溶解させて生成し、次にトリフルオロア
セテート酸を加えた。トリフルオロアセテート酸は、バリウムのアセテート族に
置き換えた。次に、水溶性Ba−TFA溶液を真空乾燥し、乾燥処理により得ら
れたBa−TFAをメタノールに溶解した。第3分散体は、酢酸アミルニトロセ
ルロース3%溶液にY2 3 、BaF2 、CuOを分散させて生成した。イット
リウムのモル濃度は、(Yモル)/(溶液の体積+分散体中の固体の体積)とし
て計算した。ICP/AESにより求めたこれら前駆体の化学量を表4に示す。
【0097】
【表3】
【表4】 超伝導膜の比較は、有機金属成膜(MOD)プロセスと、本発明による成膜プ
ロセスの間で行った。MODプロセスでは、イットリウムアセテート、バリウム
アセテート、銅アセテートを用いた。各塩は、水に溶解し、トリフルオロアセテ
ート酸でフッ素処理し、真空乾燥した。次に、乾燥した塩は、メタノール中に溶
解し、被覆用のイットリウム/バリウム/銅(YBC)溶液を生成した。前駆体
の化学反応の調節は化学量論的に極めて厳密である。
【0098】 臨界電流密度(Jc )を高める実験は、(後述の)試料AP9を除いて、Ce
2 で蓋をしたイットリア安定化ジルコニア(CeO/YSZ)単結晶について
行い、この単結晶は単結晶チタン酸塩ストロンチウムに被覆した。YSZ単結晶
は、CrysTecGMBH(ドイツ、ベルリン)から購入、(100)法線方
位を有し、片面をRa =0.179nmまで研磨した10×10×0.5mmウ
ェーハであった。20nmのセリウム酸化物は、これらウェーハ表面にスパッタ
成膜した後、950℃で1時間、酸素雰囲気中で焼きなまし後処理を行った。C
eO/YSZ系の材料は、被覆導体物の形成において上部の2緩衝層として通常
用いられるため選択した。表5は、完全に処理し、電気的に測定した試料のまと
めを示す。被覆形成用と分解サイクル用に処理はしたが反応処理や測定を行って
いない試料は含まれていない。
【0099】
【表5】 炉への最初の投入から冷却開始までの時間は、分解時間として記録した。試料
AP6の分解に用いた炉のプロファイルを図4に示し、試料AP9−AP20、
試料AP29−AP30に用いた炉のプロファイルを図5に示し、又試料AP2
2−AP23に用いた炉のプロファイルを図6に示す。比較のために、MOD膜
の分解に用いた一般的なプロファイルを図7に示す。表5に示した複数の分解時
間は、被覆と分解を必要なだけ繰返して、試料が反応前の膜厚になったことを指
す。分解サイクルの完了に際して、試料はパターン化されブリッジを形成しIc の測定が可能になったが、反応後パターン化された試料AP18は除いた。
【0100】 分解された固体の前駆体被覆CeO/YSZ上で全走査を行なった代表的なA
P6のXRDパターンを図8に示す。比較のために、MOD被覆されたアルミン
酸塩ランタンの代表的な走査画像を図9に示す。MOD被覆試料から生成された
パターンの24.8°でのBaF2 ピークは、わずかに大きい角度へシフトした
が、一方、この同じピークは、本発明に基づく試料の走査ではシフトしなかった
【0101】 ピーク温度での等温保持時間は、反応時間として記録した。ピーク温度が73
5℃で等温保持される試料AP9を除いて、全試料の反応処理に用いた炉のプロ
ファイルを図10に示す。
【0102】 YBa2 Cu3 7-σ生成反応後における1.5マイクロメートル厚の試料A
P23のXRDパターンを図11に示す。このパターンは、完全に転化されたY
BCO膜のc軸組織を明瞭に示している。比較のために、ベースラインである1
.2μm厚のMOD被覆CeO/YSZ基板のXRDパターンを図12に示す。
図13と14はそれぞれ図11と12における走査を拡大しており、両方の系に
おいてBaCeO3 反応生成物が形成されたことを示す。CeO/YSZ用の2
つの方法で形成されるYBCO膜の相含有物とc軸組織は同じであった。
【0103】 分析速度と感度を高めるために、2次元検出システム付き専用ジーメンスX線
システムを用いて極点図分析を行なった。図15に試料AP21の(102)Y
BCO極点図を示すが、比較的弱い双軸組織であった。図16に0.5マイクロ
メートル厚の試料AP18の(102)YBCO極点図を示すが、より強い双軸
組織であった。比較として、ベースラインである0.8μm厚のMOD被覆反応
膜の極点図分析を図17に示す。
【0104】 反応後のブリッジ測定において用いた膜厚は、白色光干渉計を用いてブリッジ
深度を走査により測定した。このような測定値であるためJc の計算は若干控
えめに行われている。膜表面は比較的密度が小さく粗いことから、この粗い表面
から計測した平均厚さは、実際の導電部寸法よりも大きい。
【0105】 被覆反応処理された膜の表面は、8倍、62倍、500倍の倍率で光学的に検
査した。走査型電子顕微鏡(SEM)でいつくか表面の検査を行い、膜の全般的
な形態に関する理解を得た。
【0106】 MOD膜は更に高密度で、“粒子”サイズが更に小さい場合もあるが、本発明
による膜の全般的な表面形態は、ベースラインであるMOD膜のそれと同様であ
る。表面形状のサイズは、処理パラメータ(時間、温度)と厚さの両者の関数で
ある可能性がある。この表面密度の差が、試料の相対厚さによるのか又は異なる
方法で生成したYBCO構造の固有の差を表すかどうかは定かでない。
【0107】 例3:超伝導膜特性の特徴付け ブリッジは分解後の試料に平行線を物理的にスクライブしてパターン化し画成
した。銀のパッドを完全に転化した膜表面上に熱蒸着法により成膜して、電流入
力部と電圧タップを設けた。試料は液体窒素に浸漬し、臨界電流密度(Ic )は
標準の4点測定技術と1μボルト/cmスケールで測定した。この方法は当業者
には公知である。Jc を計算するために、光学分析で求めた各ブリッジの平均測
定厚さと幅でIc を除算した。移送遷移温度(Tc )は、各々の遷移温度でヘリ
ウム蒸気中において試料を冷却して測定した。Jc とIc の結果を上記の表5に
示す。
【0108】 前駆体AとBが構成する試料によって、Jc の範囲は0.65乃至2.6μm
の範囲の厚さで、0.13乃至0.50MA/cm2 であった。前駆体Cが構成
する試料は、超伝導への遷移を呈するが、Jc は実質的にゼロである。この前駆
体のBaF2 成分中の不純物レベルが高いため、これらの試料の導電性能が悪く
なる原因になることがある。
【0109】 これら本発明の試料のTc °の値は、87.3乃至90.1の範囲であり、Δ
c の値は1.1乃至1.8Kの範囲であった。比較のために、ベースラインの
MOD膜における代表的なTc °の値は90−92Kであり、ΔTc の値は1−
2°である。これらの結果は、本発明の方法によって、ベースラインのMODプ
ロセスと性能が等しい超伝導厚膜、特に膜厚が約1.5ミクロンを超える膜厚を
生成できることを示す。
【0110】 例4:長尺被覆プロセス 長尺被覆の挙動を評価するために、前駆体Bは、微細な銀片上に蜘蛛の巣状に
被覆した。この銀片は、クリミニ・アソシエーツ社(Cimini and A
ssociates、コネチカット州、ポーカタック(Pawcatuck))
から購入し、長さ3メートル、幅1インチ×厚さ0.003インチであり、半硬
化状態であった。
【0111】 前駆体Bは、18.2μm厚の層として銀に塗布したが、これは1.5μmの
最終反応処理YBCO層の厚さに対応している。シリンジポンプは、スロット高
さ0.004インチ、幅14mmのステンレス製スロットダイ塗布装置に0.7
7ml/分で前駆体を送出した。流体がシリンジ内に流入する前に超音波槽でこ
の前駆体を攪拌し、ほぼ4分経過した後、長さ3mの開始領域を被覆した。塗布
装置と蜘蛛の巣状被覆との間のギャップは0.005インチで、ライン速度は3
メートル/分であった。約3mの銀を被覆して、コイル内に収納する前に大気乾
燥した。
【0112】 4つの10cm長の片を長さ方向にある間隔で切断し、全体的に10%HNO
中で温浸し、ICP/AES分析によって長さ3mにわたる被覆の組成的なずれ
を判定した。これらの試料から得たY−Ba−Cuのモル比を図18にグラフ化
した。このデータは、Ba/Y比がテープの長さ全体においてほぼ一定になって
いることを示す。この測定はまた、他の技術、例えば、オージェ分光法、又は拡
散赤外線フーリエ変換分光法、又はX線によるエネルギ分散分析により実行でき
る。
【0113】 テープの長さ方向に12、98、173、267cmの所で切断した試料は、
図5に示すサイクルで分解した。こうして分解した試料のXRDパターンを図1
9に示す。これらの相含有物に差異はなかった。次に、これらの試料は、図10
の熱プロファイルに従って7時間反応させた。反応処理した試料のXRDパター
ンを図20に示す。
【0114】 本例で述べた結果は、超伝導層を調製するための本発明の方法に対して得られ
たJc は既に、最適有機金属溶液プロセスから得られる約1ミクロンを下回る同
等厚のYBCO膜の最大Jc の25−50%のオーダである。本発明のプロセス
によって生成した膜の性能は、同じ成長条件下で、厚さが約1.5マイクロメー
トルを上回る膜に対して、ベースラインのMODプロセスによって生成した膜の
性能と同等である。また本発明のプロセスによって、MODプロセスでは公知で
ある欠点(すなわち、亀裂、ふくれ、半田はじき)が全く生じることなく、複雑
な分解熱サイクルが削減される。これらの結果は、固体に基づく前駆体膜の性能
が根本的に制限されないことを示し、又経済性とプロセスの強固さが大幅に改善
されることを示す。前駆体は、厳密に化学量論的ではない前駆体の場合であって
も、第2相形成の確たる形跡が無い状態で双軸組織化YBCO膜に転化し得る。
【0115】 本明細書で具体的に開示した反応条件は、定型化した実験により更に最適化で
きることは当業者には明らかであろう。例えば、YBCO反応プロセス及びこの
結果生じる膜構造と特性は、温度、反応ガス中に含まれる水分と酸素、炉内の気
体力学等の変数によって強く影響を受けることが良く知られている。
【0116】 他の実施形態 本発明は、その詳細な説明と共に述べたが、前述の記述は説明を意図したもの
であって、本発明の範囲を制限するものではなく、添付の請求項の範囲によって
定義される。他の側面、利点、変更も以下の請求項の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高温超伝導体被覆導体の交互の構成。
【図2】 高温超伝導体被覆導体の交互の構成。
【図3】 高温超伝導体被覆導体の交互の構成。
【図4】 本発明の具体的な実施形態に基づく試料の分解に用いる炉断面概
略図。
【図5】 本発明の具体的な実施形態に基づく試料の分解に用いる炉断面概
略図。
【図6】 本発明の具体的な実施形態に基づく試料の分解に用いる炉断面概
略図。
【図7】 従来技術の試料の分解に用いる炉断面概略図。
【図8】 本発明の具体的な実施形態に基づく試料のΘ−2ΘX線回折スペ
クトル。
【図9】 従来技術の試料のΘ−2ΘX線回折スペクトル。
【図10】 本発明の具体的な実施形態に基づく試料の反応処理に用いる炉
断面概略図。
【図11】 本発明の具体的な実施形態に基づく試料のΘ−2ΘX線回折ス
ペクトル。
【図12】 従来技術の試料のΘ−2ΘX線回折スペクトル。
【図13】 図11の拡大図。
【図14】 図12の拡大図。
【図15】 本発明の具体的な実施形態に基づく試料の極点図。
【図16】 本発明の具体的な実施形態に基づく試料の極点図。
【図17】 従来技術の試料の極点図。
【図18】 本発明の具体的な実施形態に基づき試料テープ上の異なる位置
で計測した元素のモル比のグラフ。
【図19】 本発明の具体的な実施形態に基づき分解した試料のΘ−2ΘX
線回折スペクトル。
【図20】 本発明の具体的な実施形態に基づき反応処理した試料のΘ−2
ΘX線回折スペクトル。
【手続補正書】
【提出日】平成14年10月16日(2002.10.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 09/500,701 (32)優先日 平成12年2月9日(2000.2.9) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/500,717 (32)優先日 平成12年2月9日(2000.2.9) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/500,718 (32)優先日 平成12年2月9日(2000.2.9) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 クレイブン、クリストファー エイ. アメリカ合衆国 01730 マサチューセッ ツ州 ベッドフォード ハートウェル ロ ード 106 (72)発明者 シーム、コーネリス レオ ハンス アメリカ合衆国 01581 マサチューセッ ツ州 ウェストボロー ウェスト ストリ ート 36 Fターム(参考) 4G047 JC03 KA02 KA14 KB07 KB12 KB17 KD04 KE04 KE07 LB03 4M113 AD35 AD36 BA01 BA04 BA08 BA16 BA23 CA34 CA35 CA36 5G321 AA01 AA02 AA03 AA04 BA07 CA04 CA18 CA22 CA24 CA26 DB21

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導膜を生成するための前駆体構成物であって、 前記前駆体は少なくとも1つの前駆体構成要素の粒子と、前記粒子を含有し前
    記粒子を分散する分散体と、を含むことを特徴とする前駆体構成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の前駆体構成物であって、前記粒子は約50
    0nm未満の直径を有することを特徴とする前駆体構成物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の前駆体構成物であって、前記粒子は約25
    0nm未満の直径を有することを特徴とする前駆体構成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の前駆体構成物であって、前記粒子は約50
    nm未満の直径を有することを特徴とする前駆体構成物。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の前駆体構成物であって、前記粒子は希土類
    元素と、バリウムと、銅と、を含むことを特徴とする前駆体構成物。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の前駆体構成物であって、前記希土類元素、
    バリウム、銅は、それぞれほぼ1:2:3の元素比で存在することを特徴とする
    前駆体構成物。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の前駆体構成物であって、前記前駆体は、希
    土類元素から構成される粒子と、バリウムから構成される粒子と、銅から構成さ
    れる粒子と、を含むことを特徴とする前駆体構成物。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の前駆体構成物であって、前記希土類元素は
    、希土類酸化物、希土類ハロゲン化物、又は希土類窒化物の形態で化合物の状態
    であることを特徴とする前駆体構成物。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の前駆体構成物であって、前記バリウムは、
    バリウムハロゲン化物又はバリウムハルカルボキシレートの形態で化合物の状態
    であることを特徴とする前駆体構成物。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の前駆体構成物であって、前記銅は、銅酸
    化物、銅ハロゲン化物、又は銅元素の形態で化合物の状態であることを特徴とす
    る前駆体構成物。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の前駆体構成物であって、前記前駆体は粒
    子を含み、前記各粒子は希土類元素と、バリウムと、銅と、を含むことを特徴と
    する前駆体構成物。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の前駆体構成物であって、前記希土類元
    素、バリウム、銅は、それぞれほぼ1:2:3の元素比で存在することを特徴と
    する前駆体構成物。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の前駆体構成物であって、前記希土類元
    素は、希土類酸化物、希土類オキシフッ化物、希土類ハロゲン化物、又は希土類
    窒化物の形態で化合物の状態であることを特徴とする前駆体構成物。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の前駆体構成物であって、前記バリウム
    は、バリウムハロゲン化物、バリウムオキシフッ化物、又はバリウムハルカルボ
    キシレートの形態で化合物の状態であることを特徴とする前駆体構成物。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の前駆体構成物であって、前記バリウム
    ハルカルボキシレートは、バリウム・トリフルオロアセテート、又はバリウムフ
    ッ化物であることを特徴とする前駆体構成物。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載の前駆体構成物であって、前記銅は、銅
    酸化物、銅オキシフッ化物、銅ハロゲン化物の形態で化合物の状態、又は銅元素
    の形態であることを特徴とする前駆体構成物。
  17. 【請求項17】 請求項5に記載の前駆体構成物であって、前記希土類元素
    はイットリウムであることを特徴とする前駆体構成物。
  18. 【請求項18】 請求項5に記載の前駆体構成物であって、前記粒子はイッ
    トリウム酸化物又は銅酸化物を含むことを特徴とする前駆体構成物。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載の前駆体構成物であって、前記粒子は更
    にバリウムハロゲン化物又はバリウムハルカルボキシレートを含むことを特徴と
    する前駆体構成物。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の前駆体構成物であって、前記バリウム
    ハルカルボキシレートはバリウム・トリフルオロアセテートであることを特徴と
    する前駆体構成物。
  21. 【請求項21】 請求項18に記載の前駆体構成物であって、前記バリウム
    はバリウムハロゲン化物に転化可能な化合物の形態であることを特徴とする前駆
    体構成物。
  22. 【請求項22】 請求項1に記載の前駆体構成物であって、少なくとも1つ
    の前駆体構成要素が可溶化であることを特徴とする前駆体構成物。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の前駆体構成物であって、前記可溶化構
    成要素がバリウム・トリフルオロアセテートであることを特徴とする前駆体構成
    物。
  24. 【請求項24】 請求項22に記載の前駆体構成物であって、前記可溶化構
    成要素がイットリウム・トリフルオロアセテートであることを特徴とする前駆体
    構成物。
  25. 【請求項25】 請求項22に記載の前駆体構成物であって、前記可溶化構
    成要素が銅トリフルオロアセテートであることを特徴とする前駆体構成物。
  26. 【請求項26】 請求項22に記載の前駆体構成物であって、前記可溶化構
    成要素がバリウム・トリフルオロアセテートとイットリウム・トリフルオロアセ
    テートであることを特徴とする前駆体構成物。
  27. 【請求項27】 請求項22に記載の前駆体構成物であって、前記可溶化構
    成要素がバリウム・トリフルオロアセテート、イットリウム・トリフルオロアセ
    テート、銅トリフルオロアセテートであり、前記銅構成要素は可溶化されていな
    いことを特徴とする前駆体構成物。
  28. 【請求項28】 多層物を製造するための方法であって、表面を形成するよ
    うになった第1材料の層を形成する段階であって、前記第1材料が緩衝材料と基
    板材料を含む前記段階と、第2材料の層を前記第1材料層上に配置する段階であ
    って、前記第2材料が粒子の分散体で構成される前記段階と、を含むことを特徴
    とする方法。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載の方法であって、前記第1材料は少なく
    とも1つの緩衝材料を含むことを特徴とする方法。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の方法であって、前記表面は双軸加工さ
    れていることを特徴とする方法。
  31. 【請求項31】 請求項28に記載の方法であって、前記粒子は前駆体材料
    から構成され、前記前駆体材料は希土類元素と、バリウムと、銅と、を含むこと
    を特徴とする方法。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の方法であって、前記バリウムは、バリ
    ウムハロゲン化物又はバリウムハルカルボキシレートとして存在することを特徴
    とする方法。
  33. 【請求項33】 請求項28に記載の方法であって、前記粒子は約500n
    m未満の直径を有することを特徴とする方法。
  34. 【請求項34】 請求項33に記載の方法であって、前記粒子は約250n
    m未満の直径を有することを特徴とする方法。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載の方法であって、前記粒子は約250n
    m未満の直径を有することを特徴とする方法。
  36. 【請求項36】 請求項31に記載の方法であって、前記バリウムはバリウ
    ムハロゲン化物又はバリウムハルカルボキシレートに転化可能であることを特徴
    とする方法。
  37. 【請求項37】 請求項1による前駆体構成物で製造された被覆導体テープ
    であって、1ミクロンの厚さで臨界電流密度が500,000A/cm2より大
    きいHTS膜から構成されることを特徴とする被覆導体テープ。
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