JP2003517087A - 水添処理触媒の交換バッチの予備硫化 - Google Patents

水添処理触媒の交換バッチの予備硫化

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Abstract

(57)【要約】 水添転化反応帯とは別個な処理帯内で触媒粒子が予備硫化される。触媒を交換するために反応器を運転中止しないように、予備硫化された触媒は次いで反応圧力にある水添転化反応帯内の実質的な触媒充填床に加えられる。この予備硫化方法は重質油の転化のための移動床反応器中で使用するのに特に有益である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は炭化水素供給物流を水添処理するのに使用される触媒の寿命を延ばす
方法に関する。一層特定的に本発明は、運転性を改善し、触媒の汚染速度を低下
し、そして水添処理に際して水添転化反応帯内で使用される触媒の寿命を延ばす
ために水添処理触媒を予備硫化するための方法を提供する。一層特定的に本発明
は、予備硫化された水添処理触媒を水添処理反応装置内に移送する前に、水添処
理触媒をその場以外で予備硫化するための方法をさらに提供する。本方法は、運
転性を改善しそして触媒の汚染速度を低下し、そして望ましくは運転中に触媒交
換可能な水添処理反応装置内の一般に『充填された触媒床』の触媒寿命を延ばす
ことを企図する。本発明の方法は、米国特許第4,571,326号および米国
特許第4,744,887号に記載のような沸騰床のような『膨張された触媒床
』を利用する炭化水素反応装置内で実施されるのがやはり有利であろう。
【0002】 『重質』炭化水素液体流の等級を水素によって向上させるために、次の3つの
受け入れ可能な反応器技術つまり、(i)固定床反応装置、(ii)運転中の触
媒交換が可能でありまたH−OilRおよびLC−FiningRの商標で現在産
業界に知られている沸騰したまたは膨張したタイプの反応装置および(iii)
本発明および本発見と共通する譲渡人を有するStangelandらの米国特
許第5,076,908号に一層詳細に記載されているように、運転中の触媒交
換装置を有する実質的な充填床のタイプの反応装置が、産業界にとって利用でき
る。固定床反応装置は、静止した触媒の反応帯を1つ以上有する反応装置と規定
され、これを通過して液体炭化水素の供給物流と水素が下向きにまた同時に流れ
る。沸騰床または膨張床の装置は、膨張された触媒床の状態で不規則に運動する
触媒が入っている上昇流タイプの単一の反応帯反応器を有する反応装置と規定さ
れることができる。この膨張された触媒床は、膨張されていないまたは沸騰され
ていない状態にありまた通過して上向きに流れる炭化水素流がない、沸騰反応装
置内の触媒床の体積である『落ち込んでいる』床のレベルを越えて10容積%か
ら約35容積%以上まで典型的に膨張する。Stangelandらの米国特許
第5,076,908号に特に記載されているように、実質的な充填床タイプの
反応装置は、触媒の添加または除去がない条件下での通常の使用に際してほとん
どまたは全く動きのない充填された触媒粒子の複数の帯域がある上昇流タイプの
反応装置である。Stangelandらの実質的な充填床タイプの反応装置で
は、通常の触媒交換に際して触媒が反応器から抜き出されるとき、触媒は本質的
なプラグ流下で、あるいは本質的なプラグ流れの形で下向きに流れ、観察下にあ
る触媒層の上方または下方のいずれかに隣接する層にある触媒との混合は最小で
ある。
【0003】 重質油などの水添金属化、水添脱硫、水添脱窒素、水添分解などのために利用
される触媒は、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、あるいはおそらく、結晶
性アルミノシリケートのような基礎物質の担体から一般につくられており、1つ
以上の促進剤または1つ以上の触媒活性金属(または化合物)に加えて痕跡量の
物質を伴う。利用される典型的な触媒活性金属はコバルト、モリブデン、ニッケ
ルおよびタングステンであるが、応用に応じて他の金属または化合物を選定する
ことができるであろう。可能な触媒活性および有用な寿命は、新規な触媒が調製
されそして/あるいは反応器の通常の運転条件に曝されるのに先立って調整され
る方法によってかなり影響されることもまた重質油の等級を向上する技術に熟達
する者に知られている。一層特定的に、新規触媒中に含まれている促進剤または
触媒活性金属は酸化物の状態にある。硫黄を含有する供給物を水添処理するため
に使用する際、金属酸化物は金属硫化物に転化される。この金属硫化物の触媒性
能は、新規触媒中の酸化物が反応器の運転条件に曝される前に、触媒の予備硫化
と称される方法を用いて硫化物に転化されるときに一般に改善される。固定床タ
イプの反応装置の新規触媒装入物をそれぞれの運転開始時にその場合で予備硫化
するための特定的な方式が、当該産業の関係者によって時とともに開発されてき
た。この方式には通常、反応槽内の触媒のガス加熱および触媒乾燥の方式が関与
し、これに、スタートアップオイルでの触媒の濡らし/浸漬が続き、引き続いて
スパイクされていない供給原料(天然にある硫黄化合物を含有する供給原料)お
よび硫黄がスパイクされている供給原料(硫黄化合物が添加されている供給原料
)のいずれかを使用する硫化段階に進む。硫化(予備硫化)段階は気相硫化のた
めにH2/H2Sをやはり用いてよい。この技術そしてまた他のいくつかの方法が
、1982年5月のアムステルダムでの触媒シンポジウムにおいてHarman
Hallieの技術論文に示されまた論じられており、またOil and
Gas Journalの1982年12月20日号中に印刷されており、また
1989年のNPRAの年会でWilliam J.Tuzynskiniより
提出されまたProperties and Application of
Commercial Presulfiding Agentsと題する別な
論文に示されている。
【0004】 一般に、スパイクされていない供給原料を予備硫化する技術は、選定した出発
炭化水素供給物中に天然に存在する硫黄化合物を、約300℃(572°F)〜
約350℃(662°F)の範囲の反応器温度条件でH2Sに分解することを含
む。スパイクされている供給原料を予備硫化する技術は、注入される硫黄含有有
機物が、スタートアップ油供給原料中に存在する天然にある硫黄化合物を分解す
るのに必要な温度より低い温度でH2Sへと分解するように、硫黄含有有機化合
物を選定した出発炭化水素供給物中に注入することにより実施される。現在工業
的に好まれるスパイク剤は、約250〜275℃の範囲の温度で硫化手順が典型
的に実施されることができるジメチルサルファイド(DMS)およびジメチルジ
サルファイド(DMDS)である。気相予備硫化は制御が困難であり、また一般
に、分散が劣悪でまた硫化が不均等であること、発熱反応の熱吸収部が劣悪なこ
とを含むいくつかの理由のため、商業的応用で最適な結果はあげられていない。
【0005】 いわゆるその場以外での予備硫化のために、反応器に装入される前に硫黄化合
物(例えば多硫化物)での含浸によって触媒が予備処理される技術が開発されて
いるが、それでもなお触媒は乾燥され、湿潤化されそして、スタートアップ手順
に際して反応器内で金属酸化物の状態から金属硫化物の状態までその場で転化さ
れねばならない。この場合、主張されている主な利点はスタートアップ時間が減
少し、また活性が改善される可能性があることである。米国特許第4,576,
710号は、沸騰床反応器で使用するための再生された触媒を予備硫化すること
を示唆しているが、このような予備硫化段階を機能的にするための機械的な詳細
および運転要領に関する開示はない。
【0006】 触媒活性をともに低下する炭素の付着または金属の焼結のいずれかを生じる、
触媒ペレットの内部に有害な温度条件を、硫化および水素化反応が生まないよう
に、スタートアップ油供給物の品質および反応器の温度条件を維持するように、
慣用の予備硫化およびスタートアップ手順が特別誂えされる。簡単に述べると、
触媒の初期調整および硫化の期間に際しての水素化反応の苛酷度は、硫化反応が
消滅しあるいは本質的に停止するまで、スタートアップ油の品質(例えば硫黄含
有率)および反応器の温度条件によって制限される。今日の最新技術は、その場
での予備硫化が、約200℃(392°F)より低い温度で開始されそして温度
が約300℃(572°F)より高りなる前に完了することを可能にする。Oi
l and Gas Journalの1982年12月20日号中のHarm
an Hallieの技術論文は、硫化がより高い温度条件で実施されるならば
触媒活性の差異または減少7〜約33%が認められることを示している。このよ
うな活性低下は、酸化物の状態にある促進剤金属を有する新規なまたは再生され
た触媒のバッチが、300℃を越える温度で運転されている通油中の反応器に突
然装入される時に起きるであろう。従って、必要でありまた本発明者によって発
明されているものは、高い温度および水素圧力で運転されている通油中の反応器
に加えられるべき触媒の新規なバッチを予備硫化する、実用可能で、合理的に達
成できそして経済的な方法である。促進剤金属酸化物の主要な部分が高い温度お
よび水素圧力で運転されている通油中の反応器に装入される前に、これを金属硫
化物に転化するために新規なまたは再生された触媒を予備的に調整することから
かなりの利益を得ることができる。
【0007】 本発明は、触媒粒状物が入った少なくとも1つの反応帯を包含する移動床反応
器中で使用するための炭化水素転化触媒を予備硫化する方法に関する。移動床反
応器には、製油所流を水添転化するために選定した温度および圧力に反応帯を維
持しつつ、反応帯から触媒粒状物を除去するための手段および反応帯に触媒粒状
物を加えるための手段が含まれる。水添転化工程に際しては、窒素、硫黄、芳香
族および金属の1つ以上を含む、製油所流からの汚染物を除去するために、添加
される水素ガスと一緒になった製油所流が反応帯内の触媒粒状物を覆って接触さ
れる。従って、反応帯からの流出物は、反応帯への供給原料と比べて1つ以上の
汚染物が減少している。
【0008】 水添転化に際して触媒粒状物の少なくとも一部分が除去されることができ、ま
た水添処理に際して別な触媒粒状物が反応帯に加えられることができることは、
移動床反応器の特徴である。反応工程を停止する必要なしに触媒粒状物を加えま
た除去できることは、触媒を交換するために反応器を完全に停止する重荷を負う
ことなく、所望の製品計画(slate)または触媒活性を達成するために運転
者が触媒粒状物の床を迅速に適合させることを可能にする。移動床反応器は、さ
もなくば触媒を急速に失活させるであろう、金属を含有する流れのような製油所
流を運転者が転化することも可能にする。金属で汚染された触媒を除去するため
の頻繁な運転停止は、慣用的な固定床水添転化プロセスを操業する者にとって大
きな出費である。
【0009】 最も広い局面で本発明は、水添転化反応帯を通過して上方に流れる炭化水素供
給物流を水添処理する方法に関し、この方法は、 粒状の水添処理触媒が入っている水添転化反応帯に、反応圧力の水素の存在で
炭化水素供給物流を導入して、この触媒を通過するこの供給物流の上昇流を開始
しそしてこの触媒から反応流出物を回収し、 ある体積の水添処理触媒を処理帯内で硫化して、硫化された触媒を生成し、そ
して 反応帯を反応圧力に維持しつつ、硫化された触媒の少なくとも一部を水添転化
反応帯に加える ことを包含する。
【0010】 触媒を硫化する装置にとって好ましい処理帯は、反応槽内に含まれる水添転化
反応帯とは別個な1つ以上の処理槽を含む。典型的な硫化温度は90〜370℃
の範囲にある。触媒粒状物を硫化するための好ましい温度は125〜325℃の
範囲にある。好ましい圧力は200KPa(15psig)から反応帯の圧力ま
であるいはそれをわずかに越える圧力まで(例えば450KPaより低くまたは
50psigを越える)である。
【0011】 本発明の重要な局面は、移動床反応装置内で予備硫化された触媒を調製しそし
て使用する方法である。慣用の固定床プロセスでは、反応のために製油所流を導
入するのに先立って新規な触媒粒状物が一般に反応槽内で硫化される。水添処理
に際して触媒を加えることを許容する反応装置では、慣用的に新規触媒は硫化さ
れていない状態で反応帯に加えられ、反応に際して触媒粒状物を通過して流れる
流体中に存在する硫黄化合物によって硫化される。しかしながら、重質の供給物
を処理する際に一層大きな水添転化活性が必要であるため、重質供給物に反応条
件で曝される前に慎重に硫化することから利益を受ける触媒を使用するに至って
いる。本発明によるとき処理帯内の水添処理触媒の体積を硫化する態様は、 新規な水添処理触媒を含むある体積の水添処理触媒を処理帯に加え、 この体積の炭化水素触媒を、それが90〜370℃の範囲の温度を有するまで
加熱し、そして 硫化剤を処理帯に加えて予備硫化された触媒を調製する 段階を包含する。
【0012】 本発明の好ましい方法において、水添処理触媒の体積を処理帯に加える方法は
、 炭化水素液体とある体積の水添処理触媒とを含むスラリーを製造し、 炭化水素液体と水添処理触媒とを含むスラリーを処理帯に加え、そして 炭化水素液体の少なくとも一部を処理帯から除去する 段階を包含し、また処理帯に硫化剤を加える方法は、 水添処理触媒が入っている処理帯を硫化剤によって0.2〜24.2MPaの
範囲の圧力および90〜370℃の範囲の温度で加圧して、少なくとも部分的に
硫化された触媒をつくり、そして 硫化剤の少なくとも一部を処理帯から除去する 段階を包含する。
【0013】 本発明の別な態様では、処理帯内で触媒を硫化する方法は、 新規な水添処理触媒を含むある体積の水添処理触媒を処理帯に加え、 触媒が90〜145℃の範囲の温度を有するまで、加熱された炭化水素液体を
処理帯内の水添処理触媒の体積を通過させて流し、 引き続いて処理帯を0.2〜24.2MPa(15〜3500psig)の範
囲の圧力に加圧し、 触媒が90〜370℃の範囲の温度を有するまで、加熱された炭化水素液体を
処理帯内の触媒に流し続け、 硫化混合物を処理帯内の触媒を通過して流して少なくとも部分的に硫化された
触媒を調製する ことを包含する方法において、処理帯内の触媒を通過して硫化剤を含む流体を流
すことを包含する。
【0014】 触媒粒状物を硫化するための好ましい温度は、125〜325℃の範囲にある
。好ましい圧力は200KPa(15psig)から反応帯の圧力まであるいは
それをわずかに越える圧力まで(例えば450KPaより低くまたは50psi
gを越える)である。
【0015】 プロセスで生成される予備硫化された触媒は、反応帯を好適な反応圧力に維持
しつつ、水添転化反応帯に以下に従って加えられる: 処理帯中の硫化された触媒に炭化水素液体を加え、 炭化水素液体と硫化された触媒の少なくとも一部を含むスラリーをつくり、そ
して 反応帯を反応圧力に維持しつつ、炭化水素液体と硫化された触媒とのスラリー
を水添転化反応帯に加える。
【0016】 一層好ましい態様において、本発明は実質的な触媒充填床を有する移動床反応
帯に関する。実質的な触媒充填床を有する水添転化反応帯を通過して上向きに流
れる炭化水素供給物流を水添処理する方法は、 粒状の水添処理触媒が実質的に充填された床が、充填床状態にあるこの床の縦
軸の実質的な全長を10%より短く越える長さまで膨張するような流量で、この
触媒が実質的に充填された床を通ずる炭化水供給物流の上昇流を開始し、そして
この床から反応流出物を回収するために、水添処理触媒が実質的に充填された床
を有する水添転化反応帯内に炭化水素供給物流を導入し、 上記水添転化反応帯内の水添処理触媒の実質的に充填された床を下方に向かう
本質的なプラグ流れを開始するために、水添転化反応帯から水添処理触媒の第1
の体積を抜き出し、 新規な水添処理触媒を含む粒状の水添処理触媒の第2の体積を処理帯に加え、 第2の体積の水添処理触媒を処理帯内で硫化して、硫化された触媒を調製し、
そして 抜き出した第1の体積の触媒と置き換えるために、硫化された触媒の少なくと
も一部を水添転化反応帯に加える 段階を包含する。
【0017】 本発明は水添処理触媒を水添転化反応帯に加えるのに先立って予備硫化するこ
とに関する。技術上教示されているプロセスでは、水添処理触媒は、硫化されて
いない新規の触媒を通過する硫黄含有反応体を使用して触媒を硫化するために、
硫化されていない新規の触媒を触媒床に加えることにより、水添処理触媒がその
場で硫化される。一般にこの先行技術の硫化プロセスはやはり、本方法で用いる
温度範囲より高い温度範囲で操作される。他の要因もあるが本発明は特に、本方
法に従って予備硫化される触媒は、水添転化のために使用されるときかなり優れ
た性能を示すという驚くべき発見に基づいている。本方法は、重質な供給物の転
化反応特に脱硫反応を接触するのにより優れた性能を有する触媒を調製するため
の低い温度で、水添転化プロセスからの生成物流中に存在する硫黄化合物を使用
して触媒を硫化する方法を提供する。この発見は移動床反応器、また特に、触媒
を加えそして取り出す際にプラグ流条件下にある、実質的な充填床の上昇流反応
器とともに運転される反応器にとって重要である。
【0018】 (発明の詳細な詳述) 本発明の好ましい態様に関する図1、2を参照するとして、反応槽11の触媒
床10と連絡する触媒予備硫化装置がある。触媒硫化装置は、触媒が反応槽11
内に導入される前に、触媒を硫化する(つまり、触媒中の1つ以上の金属酸化物
を1つ以上の金属硫化物に転化する)機能を果たす。本発明では、触媒は処理帯
50内の1つ以上の槽において硫化される(つまり、予備硫化される)。
【0019】 反応槽11内にある反応帯10は上昇流反応装置であるのが好ましく、反応す
る流体は供給物流入管14を通過して反応装置10に流入し、反応帯10の移動
床反応器を通過して上昇流モードで上方に向かい、反応流出物は導管16を通じ
て流出する。触媒の予備硫化過程は、沸騰床反応装置として、または操業中に触
媒を交換する装置(つまり、ほとんど反応圧力で触媒を反応帯にまたそこから移
送するの能力を有する)を有する実質的な充填床タイプの反応装置として操作さ
れる反応帯にとって有効である。反応装置を実質的な充填床タイプの反応装置と
して維持するために、操業中に触媒を交換する装置は、触媒と流体の速度の組み
合わせによって、床の膨張が、充填床状態にあるこの床の縦軸の実質的な全長を
10%より短く越える長さに限定される。床の膨張は、充填床状態にあるこの床
の縦軸の実質的な全長の5%より少なくそして一層好ましくは1%より少なく維
持されるのが一層好ましい。実質的な充填床タイプの好ましい反応装置は、すべ
ての目的から参照によって本記載に加入されている米国特許第5,076,90
8号に教示されている。
【0020】 図1に示されている本発明の態様において、触媒を硫化する装置は、水添処理
触媒を受け入れそして供給する触媒装入ホッパー312と連絡する触媒移送槽3
04を包含する。触媒ホッパー312はそれと連絡しまた高圧の触媒供給槽30
4と連絡する付属の導管314を有し、これはこのホッパー312から触媒供給
槽304に水添処理触媒を導入するためである。付属導管314はそれを通過す
る触媒流を調整するための弁318を備えているのが便利である。触媒は触媒装
入ホッパー312から触媒供給槽304に炭化水素油中のスラリーとして移送さ
れるのが好ましい。
【0021】 本発明の1態様では、触媒移送槽304内で硫化されるべき水添処理触媒は硫
化剤で処理される。『スパイキング』剤または硫化剤は、好適な任意のスパイキ
ング剤または硫化剤(例えばメルカプタン化合物、チオフェン化合物、有機硫化
物など)であってよいが、反応流出物から回収される硫黄に富む循環流であるの
が好ましい。硫化剤の例は、硫化水素(H2S)に富む、好ましくは約5〜約8
0重量%のH2Sを含有する炭化水素ガス(例えばメタン、エタンまたはこれに
類するものなど)である。本方法でH2Sが硫化剤として使用される場合、好ま
しいH2Sは反応流出物16から回収される循環流(図示にはない)から得られ
る。例えば、反応流出物16は沸点によって2つ以上の成分に分離されることが
できる。さらに分離するとH2S流を生成することができ、これは硫化剤として
使用するために導管328を経て循環されることができる。
【0022】 すでに述べたように、触媒は触媒ホッパー312から触媒移送槽304にスラ
リーになって移送されることができ、この場合、スラリーの液体成分はフラッシ
ュ油のようなプロセスからの製品流であってよい。触媒ホッパーから触媒移送槽
への触媒の移送後に触媒移送槽内に残留する油の少なくとも一部分は、弁311
と共働する導管310を通って硫化剤を導入するのに先立って、触媒移送槽から
優先的に抜き出される。図1に示す態様では、硫化剤は弁213と共働する導管
212を通ってあるいは弁330と共働する導管328を通って触媒移送槽導入
されることができる。
【0023】 触媒は、硫化に先立って50〜370℃、一層好ましくは125〜325℃、
さらに一層好ましくは150〜285℃のような高い温度に加熱される。熱は、
水蒸気ジャケットのような外部加熱源を使用して90〜370℃のような高い温
度まで加熱されている触媒移送槽によって供給されることができる。あるいは別
に、触媒はそれを移送槽に加える前に加熱されてよく、あるいは移送槽内の触媒
を通過して流すために加熱された液体を用いることにより加熱されてよい。図1
の態様では、加熱された炭化水素油は、一般に356として示すフラッシュ油の
ドラムから、導管340を通過して供給され、この場合、加熱された油は弁35
6と共働する導管354を経てフラッシュ油ドラムに供給される。
【0024】 加熱された炭化水素および低温度の炭化水素に関係する『炭化水素』(例えば
軽油またはフラッシング油)は、好適な任意の炭化水素であってよいが、沸点が
315℃を越えるまた一層好ましくは沸点が315〜525℃の範囲にある重質
の溜出油留分であるのが好ましい。しかしながら、沸点が上記に規定したものよ
り低い炭化水素油は、高圧の触媒移送槽304中での硫化工程に際して硫化条件
で顕著な程度まで油が蒸発しないかぎり、本発明の好ましい態様で好適であろう
ことは当業者には明らかであろう。
【0025】 好ましいこの態様では、触媒が加えられる触媒移送槽304はH2Sを含有す
る流れによって加圧され、この加えられた触媒から、触媒ホッパー312から触
媒を移送するために使用される液体油の少なくとも一部分が除去される。H2
を含有する流れは、0.2〜24.2MPa(15〜3500psig)のよう
に、周囲圧力から反応槽11内の圧力までの任意の圧力にあってよい。循環流中
に含まれるH2Sは0.2〜3.4MPa(15〜500psig)の圧力を一
般に有するであろう。硫化剤は導管212または導管328のいずれかを通過し
て触媒移送槽に導入され、弁307、311、323、318および386を含
めて、触媒移送槽に至る導管と関連する弁は閉鎖される。弁213は開放したま
まであり、また触媒移送槽は、反応槽の圧力までの所望の圧力に、導管212を
通る水素または水素を含有するガス状混合物を用いて加圧される。硫化に際して
触媒は90〜370℃の範囲、好ましくは125〜325℃の範囲、一層好まし
くは150〜285℃の範囲、さらに一層好ましくは175〜240℃の範囲の
温度に維持される。一般に、触媒を少なくとも部分的に硫化するのに24時間以
内、好ましくは10時間以内、一層好ましくは5時間以内で十分である。予備硫
化工程では、触媒上で利用できる金属酸化物の化学量論的な部位の少なくとも3
5%そして一層好ましくは少なくとも50%が硫化される結果になる。
【0026】 硫化剤を追加的に処理することにより触媒をさらに硫化するのが好ましいであ
ろう。最初の処理を上回る追加的な処理は、最初の処理と本質的に同じ方法で実
施される。従って、最初の処理の終了時に触媒移送槽304が例えば導管212
によって減圧され、そして追加的な硫化剤が移送槽304に加えられる。前と同
様に槽はH2で所望の圧力まで加圧され、そして24時間以内、好ましくは10
時間以内、一層好ましくは5時間以内にそれぞれわたって触媒が圧力下で硫化さ
れる。硫化剤中のH2Sのような活性的な硫黄含有物質の濃度、硫化に際して用
いられる圧力、硫化が起きるのを許容する時間および採用する硫化サイクルの数
の間にはトレードオフがあることは、熟達した実務者にとって明白であろう。硫
黄含有物質の濃度が高いとき、硫化段階での圧力がより高いとき、あるいは硫化
段階がより長い時間にわたって実施されるプロセスについては、より大きな程度
の硫化をが期待することができる。濃度、圧力および時間の選定は、主として局
地的な条件の問題であり、硫化された触媒が硫化プロセスが終了する時にかなり
の量の硫黄を保持するかぎり、特許請求する本発明の範囲内にすべての組み合わ
せが入るように考慮すべきである。
【0027】 触媒移送槽304中で硫化される硫化された触媒は一般に、炭化水素油とのス
ラリーになって反応槽10に移送される。このような油は導管340を通じてフ
ラッシュ油ドラム356から供給される。触媒は例えば125〜325℃の加熱
された状態で反応器に送られ、従って、フラッシュ油ドラム356からの加熱さ
れた油が一般に使用されるのが好ましい。このような油は、反応槽内の圧力に等
しい圧力またはこれより僅かに高い圧力で触媒の少なくとも一部分を浸漬するの
に十分な量が、高温油供給管354を通じて供給されることができる。次に弁3
07が開放されそして触媒が、導管324を経て触媒移送槽304に入れられる
油の流量によって決まる流量で反応槽に送られる。
【0028】 別な態様では、硫化プロセスに際して移送槽304中の触媒を通過して流され
る硫化剤を用いて移送槽304中の触媒が硫化される。ガス状または液体の硫化
剤が使用されることができる。前と同様に、本発明の触媒から好ましくはなる水
添処理触媒を受け入れそして供給するために触媒装入ホッパー312が設けられ
る。触媒ホッパー312はそれと連絡しまた高圧の触媒供給槽304と連絡する
付属の導管314を有し、これはこのホッパー312から触媒供給槽304に水
添処理触媒を導入するためである。付属導管314はそれを通過する触媒流を調
整するための弁318を備えているのが便利である。高圧の触媒供給槽304に
は、それに供給物流を導入するために、弁323を有する高圧の供給物導管32
4が設けられる。
【0029】 高圧供給物導管324は様々な導管から出る様々な供給物流と連絡する。導管
328は『スパイキング』剤または硫化剤を高圧供給物導管324に導入する。
流量制御弁330は硫化装置内の『スパイキング』剤または硫化剤の流量を制御
する。導管340は加熱された炭化水素(例えば高温の軽油)を導きまた高圧の
供給物導管324に供給することができる。管340には、導管328から来る
『スパイキング』剤または硫化剤と供給物導管324中で所望のままに混合する
ために、加熱された炭化水素の流量を制御するための流量制御弁348がある。
導管350は、流量/液位制御弁360を有し、また356によって一般に示さ
れるフラッシュ油ドラムに低温の炭化水素(例えば低温の軽油)を輸送する機能
をもつ。
【0030】 管362には流量制御弁358があり、また、硫化剤/加熱された炭化水素の
混合物の全体の温度を低下し、あるいは触媒が予備硫化された後に高圧の触媒供
給槽304内の触媒床(図示にない)を通じてフラッシュまたは洗浄するように
、『スパイキング』剤または硫化剤を加熱された炭化水素と混合するために、導
管350からの低温の炭化水素を硫化供給物導管324に供給するように、硫化
装置と導管350とを連結する。好ましい態様では、水添処理触媒は、それが9
0〜145℃の範囲の温度を有するまで、処理帯50内の水添処理触媒の体積を
通過して加熱された炭化水素液体を流すことにより加熱される。処理帯は引き続
いて0.2〜24.2MPa(15〜3500psig)の範囲の圧力に加圧さ
れ、また触媒が125〜325℃の範囲の温度を有するまで、加熱された炭化水
素液体が処理帯内の触媒を通過して流し続けられる。導管324によって供給さ
れる硫化混合物は次いで、硫化触媒を調製するための処理帯内の触媒を通過して
流される。
【0031】 高圧の触媒供給槽304は導管384と連絡する網382をもつように設けら
れる。加熱された炭化水素および/または低温の炭化水素と、高圧の触媒供給槽
304から溢流する余剰の(未反応の)『スパイキング』剤または硫化剤との混
合物はすべて、網382を通過し、そしてフラッシュ油分離器376に送りそし
て供給するために導管384に入る。導管384には、それを通過して流れる混
合物を制御しまた高圧の触媒供給槽304内の運転圧力または作業圧力を制御す
るために、流量/圧力制御弁386がある。
【0032】 フラッシュ油分離器376は、加熱された炭化水素および/または低温の炭化
水素と、余剰の(未反応の)『スパイキング』剤または硫化剤との混合物をすべ
て様々な成分に分離する。『スパイキング』剤または硫化剤がH2Sに富む炭化
水素ガスである本発明の好ましい態様においては、フラッシュ油分離器376は
、加熱された炭化水素および/または低温の炭化水素と、H2Sに富む炭化水素
ガスとの1つ以上の混合物を、流量/圧力制御弁398を有する流出導管396
から流出する頂部ガス(例えばメタン、エタン、窒素など、そしてこれらの混合
物)に分離し、また回収された液体炭化水素は、フラッシュ油分離器376から
導管352まで延びる流出導管390を通過してフラッシュ油分離器376から
流出し、導管352において、フラッシュ油ドラム356中に導入するために加
熱された炭化水素および/または低温の炭化水素と、回収された液体炭化水素と
が混合される。流出導管390中の液体/流量制御弁392は、流出導管390
を通過するフラッシュ油分離器376からの回収された液体炭化水素の流量を制
御する。
【0033】 フラッシュ油分離器376から回収された液体炭化水素は、フラッシュ油分離
器376内で分離しない頂部ガスを典型的に含有する。回収された液体炭化水素
と加熱された炭化水素および/または低温の炭化水素との混合物が導管352か
らフラッシュ油ドラム356に導入される典型的な状況では、残余の頂部ガスは
混合物からフラッシュ油ドラム356中で分離しそして導管414を通じて処分
される。導管414は残余の頂部ガスの流量を制御しそしてフラッシュ油ドラム
356内の作業圧力または運転圧力を調整するために流量/圧力制御弁420を
有する。
【0034】 図2に示す本発明の態様においては、触媒硫化装置のための処理帯は、反応槽
内にある水添転化反応帯とは別個な2つの槽、一般に304と示される高圧の触
媒移送槽および一般に302と示される低圧の触媒供給槽を包含し、この触媒供
給槽302は、ここから、少なくとも部分的に硫化された触媒を高圧の触媒移送
槽304に移送するのを制御するための弁308を有する導管306によって高
圧の触媒移送槽304と連絡する。本発明のこの態様では、低圧の触媒供給槽3
02は、少なくとも部分的に予備硫化された水添処理触媒を導管306を通過し
て低圧触媒供給槽302から高圧触媒移送槽304に移送する前に、この水添処
理触媒を湿潤化し、予熱し、そして少なくとも部分的に予備硫化するための最初
の手段として設けられている。以下の叙述から容易に明らかになるように、高圧
触媒移送槽304には、少なくとも部分的に予備硫化された水添処理触媒を湿潤
化し、予熱しそして、反応槽11内の反応条件に近接するより高い温度および/
または圧力でさらに硫化するのを継続するための手段が設けられている。水添処
理触媒の予備硫化は、予備硫化された触媒を、反応槽11内にあるような水添転
化反応帯中に直接移送するのに必要な温度および圧力より低い温度および圧力で
実施される。低圧触媒移送槽302内の条件は、200KPa(15psig)
より高い、好ましくは200〜7000KPa(15〜1000psig)の圧
力、および90〜370℃の温度を含む。図1に示される本発明の趣意および範
囲には、新規の(硫化されるべき)水添処理触媒を低圧触媒供給槽302と高圧
触媒移送槽304との双方で処理し、そして引き続いて2つの槽302および3
04内にある水添処理触媒の両バッチを同時に硫化することが含まれる。
【0035】 硫化された触媒は高圧触媒移送槽304から導管305を通じて反応槽11に
送られる。導管305にはブロック弁307がある。本発明の触媒を好ましくは
含む水添処理触媒を受け入れそして供給するために触媒装入ホッパー312が設
けられている。触媒装入ホッパー312は、これから触媒供給槽302または3
04に水添処理触媒を導入するために、触媒装入ホッパー312と低圧触媒供給
槽302と、あるいは高圧触媒供給槽304と連絡する付属の導管314を有す
る。付属導管314にはこれを通過する触媒流を調整するために弁318が設け
られるのが好都合である。低圧触媒供給槽302には、これに供給物流を導入す
るために、関連する弁321を有する低圧供給物導管320が設けられている。
高圧供給物導管324は、高圧触媒移送槽304を通過して上向きに流れる供給
物流を供給するためにこの槽と連絡する。
【0036】 低圧供給物導管320および高圧供給物導管324は、様々な導管から出る様
々な供給物流と連絡する。導管328は『スパイキング』剤または硫化剤を管3
29を経て低圧供給物導管320および高圧供給物導管324中に導入する。流
量制御弁330は硫化装置内の『スパイキング』剤または硫化剤の流量を制御す
る。導管340は加熱された炭化水素(例えば高温の軽油)を導き、また管32
9を経て低圧供給物導管320および高圧供給物導管324に供給することがで
きる。管340には、導管328から出る『スパイキング』剤または硫化剤とそ
れぞれ供給物導管320および324において混合するために、加熱された炭化
水素の流量を制御するための流量制御弁348がある。導管350は流量/液位
制御弁360を有し、また一般に356によって示されるフラッシュ油ドラムに
低温の炭化水素(例えば低温の軽油)を移送する機能をもつ。
【0037】 管362には流量制御弁358があり、また、硫化剤/加熱された炭化水素の
混合物の全体の温度を低下し、あるいは触媒が予備硫化された後に低圧触媒供給
物槽302および/または高圧触媒供給物槽304内の触媒床(図示にない)を
通じてフラッシュまたは洗浄するように、硫化剤と加熱された炭化水素とを混合
するために、導管350からの低温の炭化水素を硫化供給物導管329に供給す
るように、硫化装置と導管350とを連結する。
【0038】 図2に示される本発明の別な特徴は、新規な(硫化されるべき)水添処理触媒
は低圧触媒供給槽302および高圧触媒移送槽304の双方中に供給されること
ができそして引き続いて2つの槽302および304内で同時に硫化されてよい
。新規な(硫化されるべき)水添処理触媒をこのように位置させることは、新規
な(硫化されるべき)水添処理触媒のバッチを触媒装入ホッパー312から低圧
触媒供給物槽302に最初に加え、そして引き続いてこのように最初に加えた新
規な水添処理触媒のバッチを高圧触媒移送槽304に導管306を通過して移送
しそして低圧触媒供給槽302を新規な(硫化されるべき)水添処理触媒の別な
バッチによって触媒装入ホッパー312から再び充満するように、好適な任意の
方法で達成することができる。あるいは別に、第2の触媒装入ホッパー(図示に
ない)が設けられ、そして新規な(硫化されるべき)水添処理触媒を低圧触媒供
給槽302を通過させる代わりに高圧触媒移送槽304内に直接に供給するため
に専用されることができる。もし水添処理触媒の2つのバッチを槽302および
304で同時に硫化されるべきなら、管328、340、362それぞれ上の流
量制御弁330、348、358はすべて開放されそして必要に応じて、そして
、当業者が周知なごとく、硫化剤と加熱された炭化水素および/または低温の炭
化水素との混合物が、槽302および304中にすでに位置している新規な(硫
化されるべき)水添処理触媒を通過して上方に同時に流れるように、導管320
および324内に同時に導入されるように調整される。
【0039】 低圧触媒供給槽302は導管372と連絡する網370をもつように設けられ
る。加熱された炭化水素および/または低温の炭化水素と、低圧の触媒供給槽3
02から溢流する余剰の(未反応の)『スパイキング』剤または硫化剤との混合
物はすべて、網370を通過し、そしてフラッシュ油分離器376に送りそして
供給するために導管372に入る。導管372には、それを通過して流れる混合
物を制御しまた低圧の触媒供給槽302内の運転圧力または作業圧力を制御する
ために、流量/圧力制御弁380がある。高圧の触媒移送槽304は網382を
もつように設けられ、これを通過して、加熱された炭化水素および/または低温
の炭化水素と、余剰の(未反応の)『スパイキング』剤または硫化剤との混合物
はすべて、導管374を通過してフラッシュ油分離器376に移送するために導
管384に送られそして供給されてよい。導管384には、高圧の触媒移送槽3
04から導管384を通過して流れる混合物を制御しまた高圧の触媒移送槽30
4内の運転圧力または作業圧力を制御するために、流量/圧力制御弁386があ
る。
【0040】 低圧触媒供給槽302内の硫化プロセス条件には、0.7〜1480KPa(
0.1〜200psig)の範囲の運転圧力および90〜370℃の運転温度、
一層好ましくは200〜1140KPa(15〜150psig)の範囲の運転
圧力および125〜325℃の運転温度が含まれるのが好ましい。高圧触媒移送
槽304内の硫化プロセス条件には、0.7KPa〜24.2MPa(0.1〜
3500psig)の範囲の運転圧力および90〜370℃の運転温度、一層好
ましくは7.0〜24.2MPa(1000〜3500psig)の範囲の運転
圧力および125〜325℃の運転温度が含まれるのが好ましい。
【0041】 本プロセスでは、高圧移送槽304からの予備硫化された触媒は導管305を
通じて水添転化反応帯に加えられてよい。必要ではないが、反応帯10からある
体積の触媒を除去するのが好ましく、この除去される体積は反応帯10に加えら
れる予備硫化された触媒の体積に大体等しい。予備硫化された触媒を加えた後に
少なくとも部分的に消尽した触媒を反応帯から除去するか、あるいは別に、少な
くとも部分的に消尽した触媒粒状物を反応帯から除去した後に予備硫化された触
媒を反応帯に加えるか、あるいは別に、少なくとも部分的に消尽した触媒粒状物
を反応帯から除去しまた同時に予備硫化された触媒粒状物を反応帯に加えるかの
操作順序は、反応帯内の触媒の体積が設計能力を越えないかぎり本発明にとって
重要ではない。本方法で有用である、反応帯にまたそれから触媒を移送する方法
は、すべての目的から開示の全体が参照によって本記載に加入されている米国特
許第5,498,327号に開示されている。
【0042】 水添転化反応帯10から抜き出されるべき少なくとも部分的に消尽した触媒は
、反応槽11から上記に規定したように炭化水素液体中で断続的にまたは半連続
的にまたは連続的に抜き出されそして高圧の触媒回収槽304に移送するために
弁94を経て導管198中に排出される。抜き出された触媒は、典型的に約50
〜約95%消費されており、一層好ましくは約70〜約80%消費されており、
この場合、予備硫化され100%消費されている触媒は完全に汚染され、また水
添転化帯内の反応条件で有用な水添転化活性を本質的にもたない。
【0043】 炭化水素液体中の少なくとも部分的に消尽した触媒は、触媒スラリー1ポンド
あたり粒状触媒約0.2〜約1.0ポンド、一層好ましくは触媒スラリー1ポン
ドあたり(つまり、抜き出された触媒重量に炭化水素液体の重量を加えたもの)
粒状触媒約0.25〜約0.8ポンド、最も好ましくは触媒スラリー1ポンドあ
たり粒状触媒約0.5ポンドの、炭化水素液体に対する大きな触媒濃度を有する
。炭化水素液体は、(より軽質な生成物に)転化されていないあるいは部分的に
転化されている液体炭化水素成分、あるいは部分的に転化されている液体炭化水
素成分と転化されていない液体炭化水素成分との混合物、あるいは水素含有ガス
成分と任意の液体成分との混合物からなってよい。
【0044】 実質的な充填触媒床の好ましい態様では、抜き出される少なくとも部分的に消
尽した触媒は反応槽11の触媒床10からの体積がある触媒層(つまり最下部の
体積がある層)である。抜き出しが始まるにつれ、触媒床10内の粒状触媒はプ
ラグ流となって下方に流れる。すでに指摘したように、抜き出される少なくとも
部分的に消費された触媒は、導管198によって触媒移送槽304中に移送され
る、抜き出される少なくとも部分的に消費された触媒の粒子が不当に摩耗するの
を回避するために、この抜き出される少なくとも部分的に消費された触媒は、層
流で流れる濃縮されて高密度の液体スラリーとして高圧触媒移送槽304に炭化
水素液体(上記に規定した)中で移送される。
【0045】 本方法で有用な触媒は、すべての目的から開示の全体が参照によって本記載に
加入されている米国特許第5,472,928号に記載されている。好ましい触
媒は、ゼオライト、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニアおよびこれらの混
合物のような無機酸化物、あるいはII族、III族またはIV族の元素の無定
形な耐熱性無機酸化物のいずれか、あるいは無機酸化物の組成物を含んでよい無
機支持体を含む。無機支持体は、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、または
結晶性アルミノシリケートのような多孔性の担持物質からなるのが一層好ましい
。1つ以上の金属またはその酸化物のような化合物が、金属無機支持体または多
孔性担持物質の上そして/あるいは中に付着され、この場合、金属は周期律表の
IB族、VB族、VIB族、VIIB族およびVIII族から選択される。これ
らの金属の典型例は鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、モリブデン、クロ
ム、バナジウム、銅、パラジウムおよび白金そしてまたこれらの組み合わせであ
る。モリブデン、タングステン、ニッケル、コバルト、白金およびパラジウムそ
してこれらの組み合わせが好ましい。好ましい種類の触媒の好適な例は、シリカ
、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、トリア、ボリアまたはハフニアからなる
群から選択される多孔性の無機酸化物あるいは、シリカ−アルミナ、シリカ−マ
グネシア、アルミナ−マグネシアなどのような無機酸化物の組成物の上および/
または中に付着されたニッケル−タングステン、ニッケル−モリブデン、コバル
ト−モリブデンまたはニッケル−コバルト−モリブデンがある。
【0046】 本発明の触媒は燐、ホウ素、粘土(ピラード(pillared)粘土を含む
)、リン酸ホウ素または燐光体、および/またはフッ素および塩素のようなハロ
ゲンのごとき添加剤をさらに含有してよい。リン酸ホウ素化合物は、触媒全体(
つまり無機酸化物支持体に1つ以上の金属酸化物を加えたもの)の重量を基準に
して算出するとして約10〜約40重量%、そして一層好ましくは約15〜約3
0重量%の量存在してよいが、ハロゲンおよび燐光体は全触媒の約10重量%よ
り少ない量で使用される。
【0047】 金属成分(つまりコバルト、ニッケル、モリブデンなど)は好適な任意の量で
存在してよいが、本発明の触媒は触媒全体(つまり無機酸化物支持体に金属酸化
物を加えたもの)の重量を基準にして算出するとして、1つ以上の金属成分を約
0.1〜約60重量%、そして一層好ましくは約5〜約50重量%の含有するの
が望ましい。VIII族の金属は一般に約0.1〜約30重量%の範囲の少ない
量が使用され、マタVIB族の金属は一般に約1.25〜約50重量%の範囲の
多い量が使用される。VIII族とVIB族との原子比約0.01〜約15、一
層好ましくは約0.05〜約10、そして最も好ましくは約0.1〜約5の広い
範囲で変化してよい。
【0048】 上記した周期律表の族は、McGrawHill,Inc.により1979年
に版権が取得されているJohn A.Dean編のLangesHandbo
ok of Chemistry(21版)中にまたはLitton Educ
ational Publishing Inc.により1981年に版権が取
得されているGessner G.Hawleyによって改訂されたThe C
ondensed Chemicali Dictionary(10版)中に
公表されている元素周期律表から来ている。
【0049】 触媒の一層好ましい態様において、無機支持体または多孔性の担持物質によっ
て支持または担持されている酸化物の水添処理触媒または金属酸化物成分は酸化
モリブデン(MoO3)またはMoO3と酸化コバルト(CoO)との組み合わせ
、あるいはMoO3と酸化ニッケル(NiO)との組み合わせであってMoO3
より多い量で存在するものである。多孔性の無機支持体はアルミナであるのが一
層好ましい。MoO3は、無機支持体と1つ以上の金属酸化物との合計重量を基
準として約1〜約60重量%、好ましくは約1〜約35重量%、一層好ましくは
約2〜約8重量%の量で、触媒の無機支持体(アルミナ)上に存在する。CoO
(またはNiO)触媒は、無機支持体と1つ以上の金属酸化物との合計重量を基
準として約30重量%まで、好ましくは約0.5〜約20重量%、一層好ましく
は約1〜約6重量%の量であろう。酸化物の水添処理触媒または金属酸化物は、
多孔性の無機支持体物質上に1つ以上の金属酸化物の水溶液を付着しそして完全
に乾燥することにより調製されることができ、あるいはいろいろな触媒供給者か
ら購入されることができる。触媒を調製する技術は一般に慣用的なものでありま
た周知であり、これには、か焼が後続する含浸、混和、共沈などがありうる。
【0050】 本発明の好ましい態様において、触媒は均一な寸法を有し、それは望ましくは
球状であり、正規ガウス分布曲線の平均として約1/64〜約1/4インチ、一
層好ましくは約1/6〜約1/8インチの範囲の直径を有する。均一な寸法の粒
子を維持するために、触媒粒子の少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約
80%、そして一層好ましくは少なくとも約90%が触媒の平均粒子寸法の約2
0%以内、好ましくは約10%以内そして一層好ましくは約5%以内の寸法を有
するのが望ましい。ここで平均粒子寸法は粒子の最も長い寸法を基準とする。
【0051】 本発明の触媒粒子は均一な寸法、形状、および密度を有するが、触媒の化学的
および冶金学的性質は、処理の目的および選定するプロセス条件の応じて変化し
てよいことは上記の議論から明らかであろう。例えば、水添分解を最小にするの
が望ましい脱金属化のために選定される触媒が、最大の水添脱硫および水添分解
が処理の目的である場合に選定される触媒とは性質がかなり異なるであろう。こ
れに従って選定されまた上記した特性を有する種類の触媒は任意の水添転化反応
帯に供給されてよい。炭化水素供給物流は、それを水添処理するために触媒に通
過され、好ましくは触媒を通過して上向きに流れるように通過される。触媒は本
発明の様々な態様とともに用いられるのが一層好ましい。
【0052】 以下の本発明の特定な例によって本発明の方法をさらに説明する。この例の方
法では、沸点が約343℃より高くまた1ppmより多い金属と500ppmよ
り多い硫黄を含有する炭化水素供給物流が、反応圧力に保持されている粒状の水
添処理触媒が入っている水添処理反応帯に導入され、この触媒を通過する上記の
炭化水素供給物流の上昇流が開始されそしてそこから反応流出物が回収される。
反応装置を実質的な充填床タイプの反応装置として維持するために、供給物流の
特性、触媒の特性、そして流量、反応温度および反応圧力を含む反応条件が選定
され、ここで、触媒と流体速度との組み合わせは、充填床状態にあるこの床の縦
軸の実質的な全長を10%より短く越える長さに床の膨張を限定する。床の膨張
は、充填床状態にあるこの床の縦軸の実質的な全長の5%より短くまた一層好ま
しくは1%より短く維持するのが一層好ましい。水添転化反応帯内の好ましい反
応温度は343℃を越えまた一層好ましくは343〜482℃の範囲にある。水
添転化反応帯内の好ましい反応圧力は、7.0MPa(1000psig)より
高くまた一層好ましくは7.0〜24.2MPa(1000〜3500psig
)である。
【0053】 水添処理に際して、硫化触媒を生成するために、処理帯内のある体積の水添処
理触媒が硫化され、また反応帯を反応圧力に維持しつつ、硫化された触媒の少な
くとも一部分が水添転化反応帯に加えられる。
【0054】 硫化されるべき水添処理触媒は新規な水添処理触媒または水添処理触媒と再生
された水添処理触媒との組み合わせのいずれかである。触媒以外の追加的な成分
が水添処理触媒の体積中に含められてよいが、一般には好ましくない。炭化水素
液体と水添処理触媒の体積とからなるスラリーを処理帯に加えそして処理帯から
炭化水素液体の少なくとも一部分を除去するなどによって、ある体積の水添処理
触媒が処理帯に加えられ、そして触媒が90〜370℃の範囲の温度を有するま
でこの体積が加熱される。所望の温度に到達した時、硫化された触媒を調製する
ように処理帯に硫化剤が加えられる。好適な硫化剤には、モル比が10:1〜1
:10のH2SおよびH2がある。
【0055】 処理帯に硫化剤を加える方法の例は、H2Sを含有するガス物質を処理帯に導
入し、水添処理触媒が入っている処理帯を、200〜20,000KPaの範囲
の圧力および90〜370℃の範囲、好ましくは125〜325℃の範囲、一層
好ましくは150〜285℃の範囲の温度のH2含有ガスで加圧することからな
る。処理帯内の触媒は、それを少なくとも部分的に硫化するために、一般に24
時間以内、好ましくは10時間以内、一層好ましくは5時間以内の十分な時間に
わたって硫化剤と接触しつつ所与の圧力に維持される。次に処理帯内の圧力が低
下されそして硫化剤の少なくとも一部分が処理帯から除去される。
【0056】 処理帯に硫化剤を加える別な方法の例は、ある体積の水添処理触媒を処理帯に
加え、この体積は新規な水添処理触媒を含み、触媒が90〜150℃の範囲の温
度をもつまで、加熱された炭化水素液体を処理帯内の水添処理触媒の体積を通過
して流し、引き続いて処理帯を0.2〜24.2MPa(15〜3500psi
g)の範囲の圧力に加圧し、触媒が125〜325℃の範囲の温度をもつまで、
処理帯内の触媒を通うじて加熱された炭化水素液体を流し、硫化された触媒を調
製するために硫化混合物を処理帯内の触媒を通うじて流すことからなる。
【0057】 硫化された水添転化触媒は125℃より高い、好ましくは150℃より高い温
度および水添転化反応帯の反応圧力より低くない圧力で水添転化反応帯に加えら
れる。硫化された水添転化触媒を水添転化反応帯に加える方法は、処理帯内の硫
化された触媒に炭化水素液体を加え、炭化水素液体と硫化された触媒の少なくと
も一部分とからなるスラリーを生成し、そして反応帯を反応圧力に維持しつつ、
炭化水素液体と硫化された触媒とのスラリーを水添転化反応帯に加えることから
なる。
【0058】 反応槽11内にある反応帯10は上昇流反応装置であるのが好ましく、反応す
る流体は供給物流入管14を通過して反応装置10に流入し、反応帯10移動床
反応器を通過して上昇流モードで上方に向かい、反応流出物は導管16を通じて
流出する。触媒の予備硫化過程は、沸騰床反応装置として、または操業中に触媒
を交換する装置(つまり、ほとんど反応圧力で触媒を反応帯にまたそこから移送
するの能力を有する)を有する実質的な充填床タイプの反応装置として操作され
る反応帯にとって有効である。反応装置を実質的な充填床タイプの反応装置とし
て維持するために、操業中に触媒を交換する装置は、触媒と流体の速度の組み合
わせによって、床の膨張が、充填床状態にあるこの床の縦軸の実質的な全長を1
0%より短く越える長さに限定される。床の膨張は、充填床状態にあるこの床の
縦軸の実質的な全長の5%より少なくそして一層好ましくは1%より少なく維持
されるのが一層好ましい。実質的な充填床タイプの好ましい反応装置は、すべて
の目的から参照によって本記載に加入されている米国特許第5,076,908
号に教示されている。
【0059】 図1、2に広範に示される本発明の好ましい態様の方法を実施する際に、全体
として向流的に移動する触媒床(例えば触媒床10)のための供給物の等級を向
上する触媒活性の最低の平均水準が選定される。例えば、脱金属反応装置内の移
動床(例えば触媒床10)については、触媒床に関する等級向上活性の最低の平
均水準は、炭化水素供給物流が脱金属条件で移動床を通過するとき、炭化水素供
給物流から必要な量の金属を除去する水準である。同様に、脱硫反応装置につい
ては、移動触媒床(例えば触媒床10)は、炭化水素供給物流が脱硫条件で移動
床を通過するするとき炭化水素供給物流から必要な量の硫黄を除去する。従って
、当業者にとって明らかであるように、特定の反応装置に関する等級向上活性の
最低の平均水準は、製油業者が重質の油供給物から除去することを望む金属、硫
黄、窒素、アスファルテン類などのような汚染物の所望の程度に依存する。脱金
属または脱硫(あるいはその他)の程度は、経済性および重質の供給物が下流で
受ける処理によって典型的に設定されるであろう。
【0060】 等級向上への本発明の好ましい使用は供給物の脱金属のためである。このよう
な等級向上に関しては、反応帯内の温度および圧力は慣用の脱金属処理にとって
典型的である温度および圧力であってよい。圧力は典型的に、3.45MPa(
500psig)を越える。温度は典型的に315℃より高く、また371℃を
越える。一般に、温度がより高いほど、金属がより急速に除去されるが、温度が
より高いほど脱金属触媒の金属容量を使用する効率は低い。脱金属反応は添加さ
れる水素が存在しなくても実施することができるが、一般に水素が使用され、従
って、供給物から発生するすべてのガスとともに水素が移動床内に完全にそして
等しく分散することを必要とする。炭化水素供給物流を水添処理するための水添
転化反応帯内の一層好ましい水添処理条件には、343〜482℃(650〜9
00°F)の温度範囲内の反応温度および7.0〜24.2MPa(1000〜
3500psig)の圧力範囲が含まれる。
【0061】 本発明は以下の好ましい態様の例によって説明される。水素の存在下の炭化水
素供給物流を、反応圧力に維持される粒状の水添処理触媒が入っている水添転化
反応帯に導入され、この触媒と通過するこの炭化水素供給物流の上昇流が開始さ
れ、そしてそこから反応流出物が回収される。反応圧力は特定のプロセスおよび
所望の反応に対して予め選定され、また3.6MPa(500psig)より高
く、7.0〜24.2MPa(1000〜3500psig)の圧力範囲にある
のが好ましい。炭化水素供給物流を水添処理するのに十分である反応温度は34
3〜482℃(650〜900°F)の範囲にある。このプロセスでは、反応帯
を反応圧力に維持しつつ、水添転化反応帯からの水添処理触媒の第1の体積が抜
き出される。水添転化反応帯に実質的に充填された触媒床があるのが好ましく、
これによって、水添処理触媒の第1の体積が水添転化反応帯から抜き出される時
、この反応帯内で下方に向う本質的なプラグ流が開始される。
【0062】 この好ましいプロセスには、硫化された触媒を生成するために処理帯内で水添
処理触媒の第2の体積を硫化することが含まれる。このプロセスの好ましい1つ
の態様においては、新規な水添処理触媒を含む第2のある体積の水添処理触媒を
処理帯に加え、この第2の体積の炭化水素触媒を、それが90〜370℃、好ま
しくは125〜325℃の範囲の温度を有するまで加熱し、そして硫化剤を処理
帯に加えて予備硫化された触媒を調製することにより硫化された触媒が生成され
る。触媒が例えば炭化水素流中のスラリーとして処理帯に加えられる場合、硫化
に先立って炭化水素流の少なくとも一部分を除去するのが好ましい。硫化剤また
はこれを含有する液体流を触媒を通過して流すことにより、硫化剤が加えられて
よい。あるいは別に、処理帯内に水添処理触媒が入っている槽を硫化剤で加圧す
ることにより硫化剤が加えられてよい。触媒を硫化するのに十分な時間にわたっ
て処理帯内の触媒を硫化剤で加圧することを含む硫化の手順には、処理帯内の圧
力を低下し、そして触媒をさらに硫化するために第2の量の硫化剤で処理帯内の
触媒を再度加圧する段階が含まれてよい。このサイクルは、触媒が所望の用途の
ために十分に硫化されるまで反復される。
【0063】 流動する液体流を使用して触媒を加熱しそして/あるいは硫化するために、本
発明の好ましい1つの態様には、触媒が90〜145℃の範囲の温度を有するま
で処理帯内の水添処理触媒の第2の体積を通過して加熱された炭化水素液体を流
し、引き続いて処理帯を加圧し、触媒が125〜325℃の範囲の温度を有する
まで処理帯内の触媒を通過して加熱された液体を流し続け、引き続いて加熱され
た炭化水素液体中に硫化剤を加え硫化混合物をつくり、処理帯内の触媒を通過し
てこの硫化混合物を流して硫化触媒を調製することが包含される。好ましい硫化
剤には反応流出物から回収される循環流から得られるH2SのようなH2S、ジメ
チルサルファイドおよびジメチルジサルファイドがある。触媒は例えば370℃
より低い温度、好ましくは125〜325℃の温度範囲、一層好ましくは150
〜285℃の温度範囲にある低い温度において、本方法で硫化されることができ
る。触媒は、200KPa(15psig)以上の圧力で処理帯内の低圧槽で、
例えば7.0〜24.2MPa(1000〜3500psig)の範囲の圧力で
処理帯内の高圧槽で、あるいは両方で硫化されてよい。
【0064】 触媒を反応帯に流入させるために、反応圧力より高い圧力で水添処理反応帯に
硫化された触媒が加えられる。触媒は、処理帯内で硫化された触媒に炭化水素液
体を加え、炭化水素液体と硫化された触媒の少なくとも一部分とからなるスラリ
ーをつくりそしてこの炭化水素液体と硫化された触媒とのスラリーを水添転化反
応帯に加えることにより炭化水素流中のスラリーとして反応帯に加えられるのが
好適である。
【0065】 (実施例) 触媒粒状物はアルミナの多孔性担持物質またはアルミナの無機支持体を含んだ
。アルミナの多孔性担持物質の上および/または中にNiOおよび/またはMo
3からなる酸化物の水添処理触媒を付着した。Moはアルミナの多孔性担持物
質と酸化物の1つ以上の水添処理触媒成分との合計重量に基づき約3重量%の量
でアルミナの多孔性担持物質の上および/または中に存在する。Niはアルミナ
の多孔性担持物質と酸化物の1つ以上の水添処理触媒成分との合計重量に基づき
約1重量%の量でアルミナの多孔性担持物質の上および/または中に存在する。
触媒粒状物の表面積は1グラムあたり約120平方メートルであった。 触媒粒状物の大部分はおおむね球状であり、約6〜8タイラーメッシュの範囲の
値をもつ平均直径および約1のアスペクト比を有する。触媒粒状物の平均粉砕強
度は約5ポンドフォースであった。触媒または触媒粒状物の大部分の金属装荷能
力は触媒粒状物のバルク体積1立法センチメートルあたり約0.3グラムであっ
た。
【0066】 触媒の試料を硫化反応器に装入し、205℃に加熱しそして中間サイクル油(
MCO)で横溢した。30分後、中間サイクル油を排出し、そして排出口をさら
に30分開放しつつMCOを触媒上にポンプで送り続けた。MCOの流れを停止
しそして過剰の油を触媒から排出した。触媒が入った硫化反応器を次いで790
KPaまで減圧しそして38℃の冷却した。触媒をヘプタンでフラッシュし残留
するMCOを除去し、乾燥しそして分析のために回収した。表1の操作Aに示す
硫黄の含有率は、標準的な硫化手順でジメチルジサルファイドを用いて316℃
で硫化された触媒上に存在する硫黄の量の百分率である。
【0067】 表1は、記載のままの操作Aの手順を用い(例えば操作B)、操作Aの手順を
用いるが最初にMCOで触媒を横溢しないで(例えば操作C)、操作Aの手順を
用いるが316℃で硫化する(例えば操作D)、または149℃で硫化する(例
えば操作E)、あるいは204℃で1.25時間続いて316℃で1.25時間
硫化する(例えば操作F)ことにより硫化された触媒上の硫黄の含有率も示す。
表1の結果は、触媒が実験条件で単一の接触サイクルを用いて十分に硫化された
ことを示す。硫化の程度は204℃で149℃または316℃のいずれかより高
かった。2つの硫化サイクルは1つのサイクルより僅かに良い結果を与えた。触
媒の硫化の程度でみた最良の結果は、硫化温度が204℃に1.25時間、引き
続いて316℃に1.25時間保たれた(操作F)ときに生じた。
【0068】
【0069】 3つの触媒を試験した。つまり上記の操作Aで調製されたH2Sで予備硫化さ
れた触媒試料(試料G)、標準的なジメチルジサルファイド液体予備硫化処理を
用いて316℃で予備硫化された触媒試料(試料H)、および予備硫化されてい
ない触媒試料(試料I)である。
【0070】 触媒を反応温度の移動床反応器内に落下することを模擬するために、各々の触
媒試料を371℃に加熱されたアラブ重質常圧残渣油(硫黄4.3%、ニッケル
24.6ppm、バナジウム82.4ppmおよびAPI比重11.3)中に落
下した。24時間後に触媒を残渣油か取り出し、溶媒でフラッシュし、乾燥しそ
して残留する硫黄の含有率について分析した。
【0071】 触媒試料 触媒上の硫黄含有率、重量% G 2.83 H 2.79 I 2.68
【0072】 これらの結果は硫黄の全含有率が3つの触媒試料のそれぞれについて本質的に
同じであったことを示唆する。高温油処理に続いて以下の特性を有する常圧残渣
供給原料を用い、脱硫活性について触媒試料G、HおよびIを試験した。
【0073】 比重,°API 8.9 硫黄,重量% 4.51 MCR,重量% 16.6 V,ppm 358 Ni,ppm 70 アスファルテン類,重量% 13.6 100℃での粘度,cSt 285
【0074】 圧力13.9MPa、流速0.75時間-1、1回通過水素流量760リットル
2/kg油で、常圧残渣供給原料を各々の触媒上で水素と接触させた。最初の
250時間にわたって反応温度を378℃に保った。250時間〜750時間の
間、反応温度を402℃に保った。
【0075】 図3は、1.5次の反応力学および活性化エネルギー30kcal/グラムモ
ルを仮定して、ストリッパー底部製品中の製品硫黄含有率を2.2重量%に維持
するのに必要な正規化された反応温度を示す正規化された温度プロットを示す。
図3に示されるようにH2S処理を用いて予備硫化された触媒は硫化されていな
い慣用の触媒に比べて活性が3.9℃(7°F)高かった(つまり、反応温度が
より低い)。費用が一層かかるジメチルジサルファイドでの予備硫化を用いて予
備硫化された触媒は、硫化されていない慣用の触媒に比べて活性が9.4℃(1
7°F)高かった。これらのデータは、触媒が一旦反応帯に加えられると、処理
されつつある供給物の硫黄含有成分によって触媒が急速に硫化されると仮定する
としてさえ、移動床反応装置に触媒を加える前に触媒を予備硫化することの驚く
べき利益を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によって触媒を予備硫化するために、高圧の触媒移送槽だけを用いる本
発明の1態様である。
【図2】 本発明によって触媒を予備硫化するために、低圧の触媒移送槽と高圧の触媒移
送槽とを用いる本発明の1態様である。
【図3】 本発明によって予備硫化された触媒の改善された脱硫性能を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 レイノルズ、ブルース アメリカ合衆国 カリフォルニア、マルテ ィネス、 ジャンヌ サークル 1739 (72)発明者 ジョンソン、デイヴィッド、アール アメリカ合衆国 カリフォルニア、ペタル ーマ、 アザレア コート 7 (72)発明者 バクテル、ロバート アメリカ合衆国 カリフォルニア、エル セリート、 バーレット アヴェニュー 5480 (72)発明者 トリンブル、ハロルド、ジェイ アメリカ合衆国 フロリダ、パナマ シテ ィ、 ピー、オー、ボックス 27493 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA15 BA01B BC59B BC68B CC02 EE01 4H029 CA00 DA00

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの反応帯と、触媒を予備硫化するための前処
    理帯とを有する移動床反応装置内で起きる、重質炭化水素の液体流の水添処理に
    おいて使用される触媒の使用周期を延長する方法であって、処理帯内で少なくと
    も部分的に予備硫化されている触媒が入っている反応帯を通過して重質炭化水素
    流が上昇する延長方法。
  2. 【請求項2】 移動床反応装置が、(i)固定床反応装置、(ii)触媒を
    オンストリームで交換することができる、沸騰および膨張型の反応装置、(ii
    i)オンストリーム触媒交換装置を有する実質的に充填床型である反応装置から
    なる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 重質炭化水素液体流が常圧残渣油である請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 触媒が、 a)新規な水添処理触媒を含むある体積の水添処理触媒を処理帯に加え、 b)触媒が90〜370℃の範囲の温度を有するまでこの体積の水添処理触媒を
    加熱し、そして c)処理帯に予備硫化剤を加えて予備硫化された触媒をつくる 段階によって処理帯内で予備硫化される請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 水添処理触媒が125〜325℃の温度で硫化される請求項
    4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ある体積の水添処理触媒を処理帯に加える段階が、 a)炭化水素液体とある体積の水添処理触媒とを含むスラリーを製造し、 b)炭化水素液体と水添処理触媒とを含むスラリーを処理帯に加え、そして c)炭化水素液体の少なくとも一部を処理帯から除去する ことを包含する請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 処理帯に予備硫化剤を加える段階が、 a)水添処理触媒が入っている処理帯を予備硫化剤によって0.2〜24.2M
    Paの範囲の圧力および90〜370℃の範囲の温度で加圧し、少なくとも部分
    的に予備硫化された触媒をつくり、そして b)予備硫化剤の少なくとも一部を処理帯から除去する ことを包含する請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 予備硫化剤が、H2Sおよび約370℃より低い温度で分解
    する硫黄含有物質からなる群から選択される硫黄含有物質を含む請求項7に記載
    の方法。
  9. 【請求項9】 予備硫化剤がH2Sを含む請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 予備硫化剤が、H2とH2Sとを含有するガス状の循環流を
    含む請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも部分的に予備硫化された触媒が125〜325
    ℃の範囲の温度および5.0〜20MPaの範囲の圧力で生成される請求項7に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも部分的に予備硫化された触媒が150〜285
    ℃の範囲の温度で生成される請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 予備硫化剤を処理帯に加える段階が、 a)新規な水添処理触媒を含有するある体積の水添処理触媒を処理帯に加え、 b)触媒が90〜145℃の範囲の温度を有するまで、加熱された炭化水素液体
    を処理帯内の水添処理触媒の体積を通過させて流し、 c)処理帯を0.2〜24.2MPa(15〜3500psig)の範囲の圧力
    に引き続いて加圧し、 d)触媒が125〜325℃の範囲の温度を有するまで、加熱された炭化水素液
    体を処理帯内の触媒に流し続け、 e)予備硫化混合物を処理帯内の触媒を通過して流して少なくとも部分的に予備
    硫化された触媒を調製する ことを包含する請求項4に記載の方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも部分的に予備硫化された触媒が150〜285
    ℃の範囲の温度で生成される請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 a)粒状の水添処理触媒が入っている水添転化反応帯に、
    反応圧力の水素の存在で炭化水素供給物流を導入して、この触媒を通過するこの
    供給物流の上昇流を開始しそしてこの触媒から反応流出物を回収し、 b)ある体積の水添処理触媒を処理帯内で予備硫化して、予備硫化された触媒を
    生成し、ここで触媒は (1)新規な水添処理触媒を含むある体積の水添処理触媒を処理帯に加え、 (2)この体積の炭化水素触媒を、それが90〜370℃の範囲の温度を有す
    るまで加熱し、そして (3)硫化剤を処理帯に加えて予備硫化された触媒を調製する 段階によって予備硫化され、そして c)反応帯を反応圧力に維持しつつ、硫化された触媒の少なくとも一部を水添転
    化反応帯に加える 段階を包含する、水添転化反応帯を通過して上方に流れる炭化水素供給物流を水
    添処理する方法。
  16. 【請求項16】 予備硫化された触媒の少なくとも一部を水添転化反応帯に
    加える段階が、 a)処理帯中の予備硫化された触媒に炭化水素液体を加え、 b)炭化水素液体と予備硫化された触媒の少なくとも一部とを含むスラリーをつ
    くり、そして c)反応帯を反応圧力に維持しつつ、炭化水素液体と予備硫化された触媒とのス
    ラリーを水添転化反応帯に加える ことを包含する請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 125〜325℃の範囲の温度でスラリーが水添転化反応
    帯に加えられる請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 a)粒状の水添処理触媒が入っている水添転化反応帯に、
    反応圧力の水素の存在で炭化水素供給物流を導入して、この触媒を通過するこの
    供給物流の上昇流を開始しそしてこの触媒から反応流出物を回収し、 b)0.2〜7.0MPaの範囲の圧力および90〜370℃の範囲の温度であ
    る体積の水添処理触媒を処理帯内で予備硫化して、そして c)反応帯を反応圧力に維持しつつ、予備硫化された触媒の少なくとも一部を水
    添転化反応帯に加える 段階を包含する、水添転化反応帯を通過して上方に流れる炭化水素供給物流を水
    添処理する方法。
  19. 【請求項19】 0.2〜3.5MPaの範囲の圧力および125〜325
    ℃の範囲の温度で、水添処理触媒が予備硫化される請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 部分的に予備硫化された触媒を、7.0〜24.2MPa
    の範囲の圧力および90〜370℃の範囲の温度で予備硫化することをさらに包
    含する請求項18に記載の方法。
  21. 【請求項21】 部分的に予備硫化された触媒が、125〜325℃の範囲
    の温度で予備硫化される請求項18に記載の方法。
  22. 【請求項22】 343〜482℃の範囲の反応温度および7.0〜24.
    2MPa(1000〜3500psig)の範囲の反応圧力を含む、炭化水素供
    給物流を水添処理するのに十分な反応圧力および反応温度に水添転化反応帯が維
    持される請求項15に記載の方法。
  23. 【請求項23】 反応帯が粒状の水添処理触媒の実質的に充填された床とし
    て維持される請求項15に記載の方法。
  24. 【請求項24】 炭化水素供給物流を水添転化反応帯に導入する段階が、水
    添処理触媒が実質的に充填された床が、充填床状態にあるこの床の縦軸の実質的
    な全長を10%より短く越える長さまで膨張するような流量で、炭化水素供給物
    流をこの水添処理触媒が実質的に充填された床内で上方に流すことを包含する請
    求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 a)粒状の水添処理触媒が実質的に充填された床が、充填
    床状態にあるこの床の縦軸の実質的な全長を10%より短く越える長さまで膨張
    するような流量で、この触媒が実質的に充填された床を通ずる炭化水供給物流の
    上昇流を開始し、そしてこの床から反応流出物を回収するために、水添処理触媒
    が実質的に充填された床を有する水添転化反応帯内に炭化水素供給物流を導入し
    、 b)上記水添転化反応帯内の水添処理触媒の実質的に充填された床を下方に向か
    う本質的なプラグ流れを開始するために、水添転化反応帯から水添処理触媒の第
    1の体積を抜き出し、 c)新規な水添処理触媒を含む粒状の水添処理触媒の第2の体積を処理帯に加え
    、 d)第2の体積の水添処理触媒を処理帯内で予備硫化して、予備硫化された触媒
    を調製し、そして e)抜き出した第1の体積の触媒と置き換えるために、予備硫化された触媒の少
    なくとも一部を水添転化反応帯に加える 段階を包含する炭化水素供給物流を水添処理するための方法。
  26. 【請求項26】 処理帯内の水添処理触媒の第2の体積を予備硫化する段階
    が、 a)新規な水添処理触媒を含むある体積の水添処理触媒を処理帯に加え、 b)触媒が90〜370℃の範囲の温度を有するまでこの体積の水添処理触媒を
    加熱し、そして c)処理帯に予備硫化剤を加えて硫化された触媒をつくる ことを包含する請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 水添処理触媒が125〜325℃の温度で予備硫化される
    請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 ある体積の水添処理触媒を処理帯に加える段階が、 a)炭化水素液体とある体積の水添処理触媒とを含むスラリーを製造し、 b)炭化水素液体と水添処理触媒とを含むスラリーを処理帯に加え、 c)炭化水素液体の少なくとも一部を処理帯から除去する ことを包含する請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 処理帯に予備硫化剤を加える段階が、 a)水添処理触媒が入っている処理帯を予備硫化剤によって0.2〜24.2M
    Paの範囲の圧力および90〜370℃の範囲の温度で加圧て、少なくとも部分
    的に予備硫化された触媒をつくり、そして b)予備硫化剤の少なくとも一部を処理帯から除去する ことを包含する請求項26に記載の方法。
  30. 【請求項30】 予備硫化剤が、H2Sおよび370℃より低い温度で分解
    る硫黄含有物質からなる群から選択される硫黄含有物質を含む請求項29に記載
    の方法。
  31. 【請求項31】 予備硫化剤がH2Sを含む請求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】 予備硫化剤が、H2とH2Sとを含有するガス状の循環流を
    含む請求項29に記載の方法。
  33. 【請求項33】 少なくとも部分的に予備硫化された触媒が125〜325
    ℃の範囲の温度で生成される請求項29に記載の方法。
  34. 【請求項34】 少なくとも部分的に予備硫化された触媒が150〜285
    ℃の範囲の温度で生成される請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 予備硫化剤を処理帯に加える段階が、 a)新規な水添処理触媒を含有するある体積の水添処理触媒を処理帯に加え、b
    )触媒が90〜145℃の範囲の温度を有するまで、加熱された炭化水素液体を
    処理帯内の水添処理触媒の体積を通過させて流し、 c)処理帯を0.2〜24.2MPa(15〜3500psig)の範囲の圧力
    に引き続いて加圧し、 d)触媒が125〜325℃の範囲の温度を有するまで、加熱された炭化水素液
    体を処理帯内の触媒に流し続け、 e)予備硫化混合物を処理帯内の触媒を通過して流して少なくとも部分的に硫化
    された触媒を調製する ことを包含する請求項4に記載の方法。
  36. 【請求項36】 少なくとも部分的に予備硫化された触媒が150〜285
    ℃の範囲の温度で生成される請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】 少なくとも部分的に予備硫化された触媒を水添転化反応帯
    に加える段階が、 a)処理帯中の硫化された触媒に炭化水素液体を加え、 b)炭化水素液体と予備硫化された触媒の少なくとも一部とを含むスラリーをつ
    くり、そして c)反応帯を反応圧力に維持しつつ、炭化水素液体と予備硫化された触媒とのス
    ラリーを水添転化反応帯に加える ことを包含する請求項29に記載の方法。
  38. 【請求項38】 125〜325℃の範囲の温度でスラリーが水添転化反応
    帯に加えられる請求項37に記載の方法。
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