JP2003514528A - ペントラキシンiおよびペントラキシン受容体、前記タンパク質の阻害剤および前記化合物を含有する医薬組成物 - Google Patents

ペントラキシンiおよびペントラキシン受容体、前記タンパク質の阻害剤および前記化合物を含有する医薬組成物

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JP2003514528A JP2001538505A JP2001538505A JP2003514528A JP 2003514528 A JP2003514528 A JP 2003514528A JP 2001538505 A JP2001538505 A JP 2001538505A JP 2001538505 A JP2001538505 A JP 2001538505A JP 2003514528 A JP2003514528 A JP 2003514528A
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ペイポーシュ、 ラモン メッセグエル
ヴィヴエス、 エリザベト ロッセル
エスコーラ、 ジョセフ、 マ マルティネス
グベラン、 ブランカ ロデス
プラーナ、 ジョウム アダン
カルボ、 ヌリア プユイグ
ローサ、 アナ カルセイエール
アルヴァレス、 マルク マーサ
サンコ、 ジョウム ピウラト
ダース、 イツァーク デン
オリヴァ、 ラモン トゥルヤス
グレゴリオ−ロウ−カソラーノ バルバニー、 ヌーリア デ
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Abstract

(57)【要約】 ヒト・ペントラキシン受容体および関連するタンパク質をコードする核酸配列、ならびに、(a)ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体、(b)(a)のタンパク質の非機能的な変異体、(c)(a)または(b)のタンパク質に対する抗体、(d)(a)または(b)のタンパク質をコードする核酸配列、(e)ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体のmRNAに対して相補的であり、かつ前記mRNAに選択的に結合でき、当該配列は、ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体の合成の阻害が可能であることを特徴とするアンチセンスRNA配列、あるいは(f)ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体のmRNAに対して相補的であり、かつ前記mRNAに選択的に結合して、切断でき、したがって、ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体の合成を阻害することができることを特徴とするリボザイム、これらの治療的に有効量を含んでなる医薬組成物が記載される。さらにまた、ニューロン異常の処置、あるいは神経保護作用を提供するための、上記化合物の用途が記載される。上記化合物はまた、上記タンパク質の脱調節された発現、あるいは、全く無いかまたは少なくとも低下してい生物学的活性を有するペントラキシンI/ヒト・ペントラキシン受容体の存在に基づく、ニューロン異常に付随する疾患の検出にも有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ヒト・ペントラキシン受容体および関連するタンパク質をコードす
る核酸配列、(a)ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体、(b
)(a)のタンパク質の非機能的な変異体、(c)(a)または(b)のタンパ
ク質に対する抗体、(d)(a)または(b)のタンパク質をコードする核酸配
列、(e)ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体のmRNAに対
して相補的であり、かつ前記mRNAに選択的に結合でき、当該配列は、ペント
ラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体の合成の阻害が可能であることを
特徴とするアンチセンスRNA配列、あるいは(f)ペントラキシンIまたはヒ
ト・ペントラキシン受容体のmRNAに対して相補的であり、かつ前記mRNA
に選択的に結合し、切断でき、したがって、ペントラキシンIまたはヒト・ペン
トラキシン受容体の合成を阻害することができることを特徴とするリボザイム、
それらの治療的に有効量を含んでなる医薬組成物に関する。さらにまた、本発明
は、ニューロン異常の治療、または神経保護作用の提供のための、上記化合物の
用途に関する。最後に、上記化合物は、上記タンパク質の脱調節された発現、あ
るいは、全く無いかまたは少なくとも低下している生物学的活性を有するペント
ラキシンI/ヒト・ペントラキシン受容体の存在に基づく、ニューロン異常に付
随する疾患の検出に対しても有用である。
【0002】 ペントラキシン類は、ニューロンのペントラキシンI(Ptx I)、ニュー
ロンのペントラキシンII(Ptx II)およびニューロンのペントラキシン
受容体(Ptx R)、ならびに感染または外傷の発生後にその血中濃度が増大
する、免疫応答に関与しているサイトカイン誘導性の急性期タンパク質である、
血清アミロイドPタンパク質(SAP)、C反応性タンパク質(CRP)および
ペントラキシンIIIなどの他の非ニューロン性メンバーが含まれる、タンパク
質のファミリーである。ペントラキシン・ファミリーのタンパク質は、それらの
五量体複合体の形成能によって特徴付けられ、そして、細菌、トキシンおよび細
胞外破片のカルシウム依存型の取込みを媒介していることが提案されている。
【0003】 ペントラキシンIは、ヘビ毒液トキシンのタイポキシンに対する結合タンパク
質として同定されていた。ラットおよびヒトのペントラキシンIのmRNAは、
大きなサイズ(5.07kb)を有し、神経系に局在化し、細胞外への輸送用の
シグナルペプチドを含んでいる。ペントラキシンIは、シナプス破片の除去また
はニューロン形成性において役割を果たしていることが示唆された。ラットのニ
ューロン・ペントラキシン受容体は、ヘビ・トキシンのタイポキシンおよび他の
ニューロン・ペントラキシンに対するその結合によって同定された。ラットのペ
ントラキシン受容体は、仮想的なN末端の膜貫通ドメインを含有しており、この
ファミリーの異なるメンバーに対する受容体として作用し得ることを示唆してい
る。ラットのペントラキシンIIは、NARP(Neural Activit
y−Regulated Penetraxin)とも称され、シナプス活性後
の海馬および皮質のニューロンにおいて迅速に誘導される即時初期の遺伝子とし
て記載されていた。ペントラキシンIIは、長期間の神経形成性に関連する細胞
性質を制限することにおいて役割を果たしていることが考えられる。残念ながら
、ペントラキシン・ファミリーのメンバーの正確な生理学的役割は、現在のとこ
ろ解明されていない。一方、今までのところ、発作、急性頭部外傷、多発性硬化
症および脊髄損傷などのニューロン疾患の治療、あるいは神経保護作用の提供の
ために、有用な化合物の知識は、かなり限られている。
【0004】 したがって、本発明の基礎をなす技術的課題は、ニューロン異常に付随する疾
患の治療用、または神経保護作用の提供用の手段を提供することである。
【0005】 上記の技術的課題に対する解決が、請求項において特徴付けられる実施態様を
提供することによって達成された。ペントラキシンIおよびペントラキシン受容
体は、神経毒性において極めて重要な役割を果たしていること、そしてペントラ
キシンIおよびペントラキシン受容体の発現の抑制が、それぞれ、神経保護作用
を有することが解明される。
【0006】 したがって、1つの形態において、本発明は、ヒト・ペントラキシン受容体ま
たは該ヒト・ペントラキシン受容体の生物学的性質を示すタンパク質をコードし
、かつ (a)図19に示されるヌクレオチド配列のコード領域を含んでなる核酸配列
、 (b)(a)に明記される核酸配列にハイブリダイゼーションする核酸配列、 (c)(a)および(b)に明記される核酸配列から、遺伝暗号の縮重性に起
因して変異している核酸配列、ならびに (d)(a)〜(c)に明記される核酸配列のフラグメント、誘導体または対
立遺伝子型変異体を表す核酸配列 からなる群から選択される核酸配列に関する。
【0007】 本明細書中で使用される際には、ヒト・ペントラキシン受容体の生物学的性質
を示すタンパク質は、下記の実施例に例示されているように、ヒト・ペントラキ
シン受容体の活性の少なくとも1つを有するタンパク質であると理解される。
【0008】 第1の実施態様において、本発明は、図19に示されるヌクレオチド配列のコ
ード領域を含んでなる、ヒト・ペントラキシン受容体をコードする核酸配列を提
供する。
【0009】 本発明は、図19に示される核酸配列だけでなく、ヒト・ペントラキシン受容
体のcDNAを含むプラスミドDNAの一例をも提供する。寄託されたクローン
のヌクレオチド配列は、既知の方法に従って、寄託クローンの配列を決定するこ
とによって、容易に決定できる。その後、予想されるアミノ酸配列は、かかる寄
託物から確認することができる。さらに、寄託されたクローンによってコードさ
れるタンパク質のアミノ酸配列はまた、ペプチドの配列決定によって、あるいは
、寄託されたヒト・ペントラキシン受容体をコードするcDNAを含む好適な宿
主細胞において、該タンパク質を発現させ、タンパク質を回収して、その配列を
決定することによって、直接的に決定することができる。
【0010】 本発明の核酸配列は、DNA分子およびRNA分子の両方で有り得る。適合す
るDNA分子は、例えば、ゲノムまたはcDNA分子である。それらがヒト・ペ
ントラキシン受容体の活性を具えるポリペプチドをコードする限り、ヒト・ペン
トラキシン受容体の全体または一部をコードしている、全ての核酸分子もまた、
含まれることが理解される。本発明の核酸配列は、天然の供給源から単離するこ
とができ、または既知の方法に従って合成することができる。
【0011】 本発明はまた、上記の核酸配列に対してハイブリダイゼーションする核酸配列
をも提供する。本明細書中で使用される際、用語「ハイブリダイゼーションする
」は、通常のハイブリダイゼーション条件下で、好ましくは、例えば、Samb
rook 他、 Molecular Cloning、 A Laborat
ory Manual(第2版(1989年)、 Cold Spring H
arbor Laboratory Press、 Cold Spring
Harbor、 NYの中に記載されるように、厳格な条件下で、ハイブリダイ
ゼーションするという意味を有する。また、より低い厳格なハイブリダイゼーシ
ョン条件において、ヒト・ペントラキシン受容体の核酸配列とハイブリダイゼー
ションする核酸配列も包含される。ハイブリダイゼーションおよびシグナル検出
の厳格さの変化は、ホルムアミド濃度(より低いパーセントのホルムアミドは、
より低下した厳格さがもたす);塩状態、あるいは温度の操作を介して、主とし
て達成される。例えば、より低い厳格さの条件には、6× SSPE(20×
SSPE= 3M NaCl; 0.2M NaH2PO4; 0.02M ED
TA、pH7.4)、0.5% SDS、30% ホルムアミド、100mg/
mlのサケ精子ブロッキングDNAを含む溶液中における37℃での一晩のイン
キュベーション、それに続く、1× SSPE、0.1% SDSを用いた50
℃での数回の洗浄、が含まれる。また、さらにより低い厳格さを達成するために
、厳格なハイブリダイゼーションの後で行われる洗浄を、より大きな塩濃度(例
えば、5× SSC)で行うことができる。上記条件の様々な変化は、ハイブリ
ダイゼーション実験において、バックグラウンドを抑えるために使用される、代
わりのブロッキング試薬を含ませる、および/または置き換えることによって達
成してもよい。特異的なブロッキング試薬の含有は、適合性に関する問題のため
に、上記に記載されるハイブリダイゼーション条件の変更を要することもある。
【0012】 本発明の核酸配列に対してハイブリダイゼーションする核酸配列は、例えば、
ラットまたはヒトの細胞系または組織から作製された、ゲノム・ライブラリーま
たはcDNAライブラリーから単離することができる。かかる核酸分子を同定お
よび単離するために、本発明の分子またはこれらの分子の一部、あるいはこれら
分子の逆方向の相補体を、例えば、従来の方法に従って、ハイブリダイゼーショ
ンによって使用することができる(例えば、Sambrook他(上記)を参照
のこと)。ハイブリダイゼーション・プローブとして、例えば、図19に示され
るヌクレオチド配列またはこれらの配列の一部を、正確にあるいは基本的に有す
る核酸分子を使用することができる。ハイブリダイゼーション・プローブとして
使用されるフラグメントは、通常の合成方法で作製され、また、その配列は、基
本的には、本発明の核酸分子の配列に対応している、合成フラグメントであり得
る。
【0013】 本発明の核酸配列にはまた、遺伝暗号の結果として、縮重している配列を有す
る分子が含まれる。
【0014】 さらなる実施態様において、本発明は、本発明のタンパク質をコードする上記
の核酸配列のフラグメント、誘導体ならびに対立遺伝子変異体を含む核酸配列を
提供する。「フラグメント」は、記載されたタンパク質の1つをコードするのに
十分に長い核酸配列の一部であることが理解される。用語「誘導体」は、この関
係においては、それらの分子の配列は、上記の核酸配列の配列とは、1つまたは
いくつかの位置で異なるものの、これらの配列に対して、高レベルの相同性を有
していることを意味する。相同性は、これにより、少なくとも40%の配列同一
性、特には、少なくとも60%の、好ましくは80%を超える、特に好ましくは
90%を超える同一性を意味する。該核酸配列によってコードされる、これらの
タンパク質は、図19に示される核酸配列によってコードされるアミノ酸配列に
対して、少なくとも80%の、好ましくは85%の、特に好ましくは90%、9
5%、97%そして99%を超える、配列同一性を有している。上に記載される
核酸配列に対する偏移は、欠失、置換、挿入または組換えによって生じさせられ
ていてもよい。
【0015】 上記に記載される配列に対して相同的であり、かつこれらの配列の誘導体を表
している該核酸配列は、通常、同じ生物学的機能を有する様々な改変を表してい
る、これらの配列の変異である。それらは、天然に存在する変動(例えば、他の
生物に由来する配列)、あるいは天然でも起こりえる、または特異的な変異誘発
により導入されている変異であってもよい。さらに、該変異は、合成的に作製さ
れた配列であってもよい。対立遺伝子変異体は、天然に存在する変異体、あるい
は、合成的に作製された変異体または組換えDNA法で作製された変異体のいず
れかであってもよい。
【0016】 一般に、従来の分子生物学的プロセスによって、種々の変異を本発明の核酸配
列に導入することができる(例えば、Sambrook 他(上記)を参照のこ
と)。その結果、ヒト・ペントラキシン受容体タンパク質、またはおそらく改善
された生物学的性質を有する関連するタンパク質が合成される。1つの可能性は
、核酸分子がコードDNA配列の5’末端または3’末端からの連続的な欠失に
よって作製され、そして、従って短縮されているタンパク質の合成につながる、
欠失変異体の作成である。別の可能性は、そこにおける、アミノ酸配列の改変が
、例えば、酵素活性または酵素の調節に影響を及ぼす、位置における個別的点変
異の導入である。この方法により、例えば、変化されたKm値を有する、あるい
は、例えば、アロステリック制御または共有結合的な修飾に関して、細胞内で通
常存在している調節機構にもはや依存しない、ムテインを作成することができる
。かかるムテインはまた、ヒト・ペントラキシン受容体の治療的に有用なアンタ
ゴニストとして、価値があるかもしれない。
【0017】 遺伝子工学によった、原核生物細胞における遺伝子操作のため、本発明の核酸
配列またはこれらの配列の一部は、DNA配列の組換えによる、配列の変異誘発
または改変を可能とするプラスミドに導入することができる。従来の方法(例え
ば、Sambrook 他(上記)を参照のこと)によって、塩基を変換するこ
とができ、また、天然のまたは合成された配列を付加することもできる。DNA
フラグメントを互いに連結するために、アダプターまたはリンカーをフラグメン
トに付加することができる。さらに、適当な切断部位を用意する、あるいは不必
要なDNAまたは切断部位を除く遺伝子操作を行うことができる。挿入、欠失ま
たは置換が可能である際には、インビトロ変異誘発、プライマー修復、制限酵素
切断または連結を行うことができる。分析方法として、通常、配列分析、制限分
析ならびに他の生化学的または分子生物学的方法が使用される。
【0018】 本発明の核酸配列の様々な変異体によってコードされるタンパク質は、酵素活
性、分子量、免疫学的反応性、ないしは立体配座あるいは電気泳動移動度、クロ
マトグラフィー挙動、沈降係数、溶解度、分光学的性質、安定性、至適pHおよ
び至適温度などの物理的性質等の、ある程度の共通した特徴を示す。
【0019】 本発明はさらに、本発明の核酸配列を含むベクターに関する。好ましくは、そ
れらは、遺伝子工学の分野で通常的に使用されている、プラスミド、コスミド、
ウイルス、バクテリオファージならびに他のベクターである。本発明における用
途に適合するベクターには、これらに限定されないものの、細菌における発現用
のT7系発現ベクター、哺乳動物における発現用のpMSXND発現ベクター、
および昆虫細胞における発現用のバキュロウイルス由来ベクターが含まれる。好
ましくは、本発明の核酸配列は、原核生物および/または真核生物細胞中におい
て、翻訳ができるRNAの転写および合成を保証する、本発明の組換えベクター
内の調節エレメントと機能的に連結される。転写すべきヌクレオチド配列は、T
7、メタロチオネインIまたはポリヘドリン・プロモーターのようなプロモータ
ーと機能的に連結することができる。
【0020】 さらなる実施態様において、本発明は、本発明の核酸配列またはベクターを一
時的または安定的に含有している組換え宿主細胞に関する。宿主細胞は、インビ
トロの組換えDNAを取り込む、そして、場合によっては、本発明の核酸分子に
よりコードされるタンパク質を合成することのできる生物であることが理解され
る。好ましくは、これら細胞は、原核生物または真核生物細胞であり、例えば、
哺乳動物細胞、細菌細胞、昆虫細胞または酵母細胞である。本発明の宿主細胞は
、好ましくは、導入された本発明の核酸配列は、形質転換細胞に関して異種であ
る、すなわち、これらの細胞において天然に存在しない、あるいは、ゲノム中で
、対応する天然に存在する配列とは相違している部位に配置されているかのいず
れかという事実によって特徴付けられる。
【0021】 本発明のさらなる実施態様は、ヒト・ペントラキシン受容体、あるいはヒト・
ペントラキシン受容体の生物学的性質を示し、かつ本発明の核酸配列によってコ
ードされているタンパク質、ならびに、例えば、本発明の宿主細胞を、タンパク
質の合成を可能にする条件下で培養し、そして、続いて培養された細胞および/
または培養培地からタンパク質を単離することによる、それらの製造方法に関す
る。組換え的に製造されたタンパク質の単離または精製は、製造用クロマトグラ
フィー、ならびにモノクローナルまたはポリクローナル抗体、例えば、下で、実
施例に記載する抗体を用いるアフィニティー・クロマトグラフィーを包含するア
フィニティーおよび免疫学的分離を含む、常用の手段によって行うことができる
【0022】 本発明のタンパク質には、組換え的に製造されたタンパク質が含まれるだけで
なく、単離された天然産のタンパク質、合成的に作製されたタンパク質、あるい
はこれらの方法を組み合せて製造されたタンパク質も含まれる。かかるタンパク
質を調製する手段は、この分野では十分に知られている。
【0023】 さらなる形態において、本発明は、次の化合物: (a)ペントラキシンIまたは本発明の核酸配列によってコードされているタ
ンパク質; (b)(a)のタンパク質の非機能的な変異体;、 (c)(a)または(b)のタンパク質に対する抗体; (d)(a)または(b)のタンパク質をコードする核酸配列; の少なくとも1つの治療的に有効量を、 場合によっては、薬学的に受容可能なキャリアと組み合せて、 含んでなる医薬組成物に関する。
【0024】 本明細書中で使用する際、用語「ペントラキシンI」は、Perin 他、G
enomics、 36、 1996、 543〜545に記載されるようなヌ
クレオチド配列、GenBankデータベース・アクセション番号U61849
の配列、または図17に示されるヌクレオチド配列によってコードされているタ
ンパク質またはポリペプチドを示し、実質的にその活性に影響を及ぼさない変異
または欠失を含んでいるペントラキシンI変異体をも含まれる。かかる変異には
、特にはそのホモログによる、1つまたは複数のアミノ酸の置換、ならびに、特
にはNまたはC末端における、1つまたは複数のアミノ酸の付加が含まれる。欠
失には、NまたはC末端からの欠失が含まれる。天然に存在する、ならびに合成
されたアミノ酸の双方による置換が可能である。化学的な修飾または酵素的修飾
によって修飾がなされたペントラキシンI変異体もまた、この定義に含まれる。
さらに、ペントラキシンIのフラグメントは、化学的に合成された、または生物
学的な方法で生産された、また、改変されたまたは非改変である、そのいずれで
も、用語「ペントラキシンI」の定義中に包含される。
【0025】 本明細書中で使用する際、用語「(a)のタンパク質の非機能的な変異体」は
、生物学的活性の実質的な喪失または生物学的活性の完全な喪失を示す、ペント
ラキシンI変異体またはヒト・ペントラキシン受容体変異体を指す。かかる変異
体は、ヒト・ペントラキシン受容体に対して、または用語「ペントラキシンI」
の定義に関して、上に記載したような、改変を含んでいてもよいが、ただし、こ
れらの改変は、「非機能的な」ペントラキシンIおよびヒト・ペントラキシン受
容体の創製を起こす。かかる変異体は、天然タンパク質のアンタゴニストとして
、有用となるかのもしれない。
【0026】 本明細書中で使用する際、用語「(a)または(b)のタンパク質に対する抗
体」は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体に関し、好ましくは、種々の
エピトープ特異性を有する、プールされたモノクローナル抗体から本質的になる
抗体、ならびに個別のモノクローナル抗体調製物に関する。モノクローナル抗体
は、ペントラキシンI、ヒト・ペントラキシン受容体または上記するその変異体
のフラグメントを含む抗原から、当業者に周知の方法で作製される(例えば、K
ohlerおよびMilstein、 Nature 2556、 1975、
495〜497を参照のこと)。本明細書中で使用する際、用語「抗体」(A
b)または用語「モノクローナル抗体」(Mab)は、完全な分子、ならびにタ
ンパク質と特異的に結合することができる、(例えば、FabおよびF(ab’
)2フラグメントなどの)抗体フラグメントを含んでいることを意味する。Fa
bおよびF(ab’)2フラグメントは、完全な抗体のFcフラグメントを欠い
ており、血流からより迅速に排除され、そして完全な抗体よりも小さい非特異的
な組織結合性を有してもよい。したがって、これらのフラグメントは、Fabま
たは他の免疫グロブリン発現ライブラリーの産物と同様に好ましい。さらには、
本発明の抗体には、キメラ、単鎖のならびにヒト化抗体が含まれる。
【0027】 本明細書中で使用する際、用語「(a)または(b)のタンパク質をコードす
る核酸配列」は、ペントラキシンIに関しては、Perin 他(上記)により
記載されるヌクレオチド配列、アクセション番号U61849のGenBank
登録の配列、または図20に示されるヌクレオチド配列を、また、ヒト・ペント
ラキシン受容体に関しては、上記の本発明の核酸配列、例えば、図19に示され
る核酸配列を示す。これらの核酸配列は、DNAおよびRNA分子の両方であり
得る。適切なDNA分子は、例えば、ゲノムまたはcDNA分子である。ペント
ラキシンIの全体または一部をコードする核酸配列は、ヒト・ペントラキシン受
容体をコードする核酸配列に対して定義されているような配列、例えば、ハイブ
リダイゼーションする配列、フラグメント、誘導体、対立遺伝子変異体なども、
さらに包含することが理解される。最後に、上記の定義にはまた、非機能的なペ
ントラキシンI変異体あるいは非機能的なヒト・ペントラキシン受容体変異体を
コードする核酸配列が含まれ、これらは、例えば、生物学的に活性な天然タンパ
ク質をコードする遺伝子を「ノック・アウト」するために有用である。
【0028】 さらなる好ましい実施態様において、本発明は、 (a)ペントラキシンIをコードする遺伝子、あるいは、ヒト・ペントラキシン
受容体またはヒト・ペントラキシン受容体の生物学的活性を示すタンパク質をコ
ードする本発明の核酸配列から転写されるmRNA、ないしはそれらの一部に対
して相補的であり、かつ前記mRNAまたはその一部に選択的に結合することが
でき、当該配列は、ペントラキシンI、あるいはヒト・ペントラキシン受容体ま
たはヒト・ペントラキシン受容体の生物学的性質を有するタンパク質の合成を阻
害することができることを特徴とするアンチセンスRNA配列、あるいは、 (b)ペントラキシンIをコードする遺伝子、あるいはヒト・ペントラキシン受
容体またはヒト・ペントラキシン受容体の生物学的性質を示すタンパク質をコー
ドする本発明の核酸配列から転写されるmRNA、ないしはそれらの一部に対し
て相補的であり、かつ前記mRNAまたはその一部に選択的に結合し、切断でき
、したがって、ペントラキシンI、あるいはヒト・ペントラキシン受容体または
ヒト・ペントラキシン受容体の生物学的性質を有するタンパク質の合成を阻害す
ることができることを特徴とするリボザイム を含んでなる医薬組成物に関する。
【0029】 1つのRNA鎖から構成されるリボザイムは、標的RNA、例えば、ペントラ
キシンI遺伝子から転写されたmRNAを分子間的に切断することができる、R
NA酵素、すなわち、触媒活性なRNAである。現在では、文献に記載された戦
略に従って、標的RNAを特異的な部位で切断することが可能なリボザイムを構
築することも可能である(例えば、Tanner他、 Antisense R
esearch and Applications、 CRC Press
Inc.、 1993、 415〜426を参照のこと)。かかるリボザイムに
対する、二つの主要な必要条件は、触媒活性なドメインと、標的RNAに対して
相補的であり、かつ、切断の前提条件となる、その基質にそれらを結合させるこ
とを可能とする領域とである。前記相補的な配列、すなわち、アンチセンスRN
Aまたはリボザイムは、ペントラキシンI発現を抑制し、例えば、神経保護作用
を提供するために、有用である。好ましくは、本発明のアンチセンスRNAおよ
びリボザイムは、ペントラキシンI/ヒト・ペントラキシン受容体のmRNAの
コード領域に対して、例えば、該コード領域の5’部分に対して相補的である。
ペントラキシンI/ヒト・ペントラキシン受容体をコードする核酸配列を提供さ
れた、当業者は、上記のアンチセンスRNAおよびリボザイムを作製し、利用す
ることができる立場となる。それぞれ、ペントラキシンI/ヒト・ペントラキシ
ン受容体のmRNAに対して相補性を示す、アンチセンスRNAおよびリボザイ
ムの領域は、好ましくは、少なくとも、特には、少なくとも25塩基長を有し、
そして、特に好ましいのは、少なくとも50塩基長さである。
【0030】 さらにまた、さらなる実施態様において、本発明は、上記のアンチセンスRN
Aまたはリボザイムと類似する目的、すなわち、生物学的に活性なペントラキシ
ンI分子またはヒト・ペントラキシン受容体分子の低下または除去を実現する、
阻害剤に関する。かかる阻害剤は、例えば、アンタゴニストとして作用する天然
タンパク質の構造的アナログであってもよい。加えて、かかる阻害剤には、組換
え的に製造されたペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体を利用し
て、同定された分子が含まれ、例えば、組換え的に製造された該タンパク質は、
例えば、適切な条件下で該タンパク質と結合できる、潜在的な阻害剤の能力を発
掘することによって、阻害剤をスクリーニングし、同定するために使用すること
ができる。該阻害剤は、例えば、ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン
受容体を、本来の立体配座の状態とすることができる、適当な条件下において、
阻害剤候補がペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体とともにイン
キュベーションされる、試験混合物を調製することによって、同定することがで
きる。かかるインビトロの試験系は、この分野で周知の方法に従って確立するこ
とができる。阻害剤は、例えば、組換え的に製造されたタンパク質と結合する、
合成または天然産の分子のいずれかに対する一次スクリーニング、および、その
後、二次ステップにおいて、下で、実施例に記載されているように当該タンパク
質の生物学的活性の少なくとも1つの阻害によって引き起こされるような、ペン
トラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体の阻害について、それら選択さ
れた分子の細胞アッセイにおける試験によって、同定することができる。ペント
ラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体と結合する分子に対する、かかる
スクリーニングは、例えば、合成および/または天然の分子のライブラリーから
候補分子をスクリーニングすることによって、容易に大きなスケールで実施する
ことも可能である。かかる阻害剤は、例えば、合成された有機化学物質、天然の
発酵産物、微生物、植物または動物から抽出された物質、あるいはペプチドであ
る。
【0031】 別の好ましい実施態様において、本発明は、ニューロン異常に付随する疾患の
予防あるいは治療または改善用の、あるいは、神経保護作用を提供するための、
医薬組成物の調製のための、上に開示された化合物のいずれかの使用に関する。
かかる疾患の例は、発作(脳虚血)、急性頭部外傷、多発性硬化症、脊髄損傷お
よびアルツハイマー病である。さらに、上記の化合物は、プロ−アポトーシス・
タンパク質として使用することができる。特には、ペントラキシンIの過剰発現
またはアップレギュレーションにより、脳腫瘍を治療することができる。
【0032】 投与に際し、上記の化合物は、好ましくは、適合する製薬学的キャリアと配合
される。適合する薬学的キャリアの例は、この分野では周知であり、そして、リ
ン酸塩緩衝化生理食塩水、水、オイル/水エマルションなどのエマルション、様
々なタイプの湿潤化剤、無菌溶液などが含まれる。かかるキャリアは、従来の方
法で調剤することができ、そして対象に適正な用量で投与することができる。適
切な組成物の投与は、種々の方法、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局
所または皮内投与によってなすことができる。当然のことではあるが、投与経路
は、疾患の性質および医薬組成物に含有される化合物の種類に依存する。投薬法
は、主治医ならびに他の臨床的要因によって決定される。医学分野では周知であ
るが、患者に対する投薬量は、患者の体格、体表面積、年齢、性別、投与される
特定の化合物、投与時間および経路、全身的な健康状態、ならびに同時に投与さ
れている他の薬物を含む、多くの要因に依存する。
【0033】 上記に核酸配列、すなわち、アンチセンスRNAまたはリボザイムの送達は、
直接的な適用、あるいは、好ましくは、これらの化合物を含んでいるキメラウイ
ルスなどの組換え発現ベクター、またはコロイド分散システムの使用によって、
達成することができる。これらの核酸を所望する標的へ送達することによって、
例えば、ペントラキシンIの細胞内での発現、そして、その結果、ペントラキシ
ンIのレベルを低下させることができ、上で説明したペントラキシンIの好まし
くない作用の阻害がなされる。上記の核酸は、例えば、弾道学的送達によって、
コロイド分散システムとして、あるいは、動脈内の部位にカテーテルによって、
標的部位に直接投与することができる。上記の核酸の送達に使用可能な、コロイ
ド分散システムには、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ
ならびに、水中油型エマルション、(混合型)ミセル、リポソームおよびリポ複
合体を含む脂質系システムが含まれる。好ましいコロイドシステムは、リポソー
ムである。該リポソームの構成は、通常、リン脂質と、ステロイド、特に、コレ
ステロールとの組み合わせである。当業者は、所望する核酸分子の送達に適合す
るように、リポソームを選択することができる。器官特異的な、あるいは細胞特
異的なリポソームを、所望する部位のみへの送達を達成するために利用すること
ができる。リポソームの標的化は、当業者にとって、一般に知られている手法を
適用して、実施することができる。この標的化には、受動的標的化または能動的
標的化(例えば、周知の方法で、リポソームを特異的なリガンド、例えば、抗体
、受容体、糖、糖脂質、タンパク質などに連結することによる)が含まれる。
【0034】 遺伝子治療に有用な、好ましい組換えベクターは、ウイルス・ベクター、例え
ば、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(rAAV)、I型ヘルペス単純ウイ
ルス(HSV I)などのヘルペスウイルス、ワクシニア、あるいは、より好ま
しくは、レトロウイルスなどのRNAウイルスである。さらにより好ましくは、
該レトロウイルス・ベクターは、ネズミまたはトリのレトロウイルスの誘導体で
ある。本発明において利用可能な、かかるレトロウイルス・ベクターの例には、
モロニーネズミ白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーベイネズミ肉腫ウイルス
(HaMuSV)、ネズミ乳腫瘍ウイルス(MuMTV)ならびにラウス肉腫ウ
イルス(RSV)がある。最も好ましくは、ヒト以外の霊長類のレトロウイルス
・ベクター、例えば、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)を使用すると、ネ
ズミベクターと比較してより広範囲の宿主範囲を提供する。組換えレトロウイル
スは不完全であるので、感染性粒子を産生するためには、手助けを要する。かか
る手助けを、例えば、LTR内の調節配列の制御下に、レトロウイルスの構造遺
伝子の全てをコードしているプラスミドを含有しているヘルパー細胞株の使用に
よって、提供することができる。好適なヘルパー細胞株は、当業者には周知であ
る。前記ベクターは、付加的に、形質導入された細胞を同定することができるよ
うな、選択マーカーをコードする遺伝子を含むことができる。さらには、レトロ
ウイルス・ベクターは、標的特異的となるようなやり方で、改変することができ
る。これは、例えば、糖、糖脂質、あるいは、タンパク質、好ましくは、抗体を
コードするポリヌクレオチドを挿入することによって達成できる。当業者ならば
、標的特異的なベクターを創製するための、さらなる手法は判っている。インビ
トロまたはインビボでの遺伝子治療用の、さらなる好適なベクターおよび方法は
、文献に記載されており、また、当業者には公知となっている(例えば、国際特
許出願公開WO94/29469または同WO97/00957を参照のこと)
【0035】 標的の器官においてのみ発現を達成するために、例えば、アンチセンスRNA
またはリボザイムをコードする核酸配列もまた、組織特異的なプロモーターと機
能的に連結し、そして、遺伝子治療のために使用することができる。例えば、上
記の核酸配列、あるいはアンチセンスRNAまたはリボザイムをコードする核酸
配列を、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)プロモーター、ニューロン特異的
エノラーゼ(NSE)プロモーターおよびグリア線維性酸性タンパク質(GFA
P)プロモーターなどの、脳特異的なプロモーターと連結することができる。他
の組織特異的なプロモーターも、当業者には周知である。
【0036】 上に記載された化合物は、発作、急性頭部外傷、ならびに脳腫瘍、例えば、神
経膠芽細胞種などの疾患の予防、治療または改善のために、特に有用である。
【0037】 本発明はまた、ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体の脱調節
された発現、あるいは、全く無いかまたは少なくとも低下している生物学的活性
を有するペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体の存在に基づく、
ニューロン異常に付随する疾患を検出するための方法であって、 ペントラキシンI、ヒト・ペントラキシン受容体、あるいはペントラキシンIま
たはヒト・ペントラキシン受容体をコードする核酸配列を含有することが懸念さ
れる標的サンプルを、ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体ある
いはペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体をコードする核酸配列
と反応する試薬に接触させること、および ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体あるいはペントラキシンI
またはヒト・ペントラキシン受容体をコードする核酸配列の異常な量または異常
な形態を検出すること を含んでなる方法に関する。該標的がmRNAである際には、試薬は、典型的に
は、核酸プローブあるいはPCR用のプライマーである。当業者は、ぞれぞれ、
図20および図19に示されるような、ペントラキシンIおよびヒト・ペントラ
キシン受容体のヌクレオチド配列に関する情報、あるいは、上に開示されている
文献に基づき、好適な核酸プローブを設計することができる。該標的がタンパク
質である際には、試薬は、典型的には抗体プローブである(用語「抗体プローブ
」の定義については、用語「抗体」に対する上記の定義を参照のこと)。検出方
法には、ノーザン・ブロット分析、RNase保護、系内の手法、PCR、LC
R、免疫アッセイ、および当業者に公知の他の検出アッセイが含まれる。プロー
ブは、例えば、放射性同位体、生物発光性化合物、化学発光性化合物、蛍光性化
合物、金属キレートまたは酵素を用いて、検出可能に標識化することができる。
【0038】 組織内での、ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体の発現は、
古典的な免疫組織学的方法を用いて調べることができる。タンパク質の遺伝子発
現を検出するために有用な、抗体を基礎とする他の方法には、酵素結合免疫吸着
アッセイ(ELISA)および放射免疫アッセイ(RIA)などの免疫アッセイ
が含まれる。好適な抗体アッセイ標識は、この分野では公知であり、そして、グ
ルコースオキシダーゼなどの酵素標識、ならびにヨウ素(125I、121I)、炭素
14C)、イオウ(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112In)および
テクネチウム(99mTc)などの放射性同位体、また、フルオレセインおよびロ
ーダミンなどの蛍光標識、ならびにビオチンが含まれる。生物学的サンプル中の
タンパク質レベルをアッセイすることに加えて、ペントラキシンIおよびヒト・
ペントラキシン受容体はまた、イメージングによって、インビボにおいて検出す
ることもできる。タンパク質のインビボ・イメージング用の抗体標識またはマー
カーには、X線撮影法、NMRまたはESRによって検出可能なものが含まれる
。X線撮影法に対しては、好適な標識には、検出可能な放射線を放出するものの
、被験体に対して顕著には有害でないバリウムまたはセシウムなどの放射性同位
体が含まれる。NMRおよびESRに対して、好適なマーカーには、関連するハ
イブリドーマ用栄養物の標識化によって、抗体内に取り込ませることもできる、
重水素などの、検出可能な特徴的なスピンを有するものが含まれる。適切な検出
可能なイメージング用成分、放射性同位体(例えば、131I、112In、99mTc
)、放射線不透明な物質、または核磁気共鳴によって検出可能な物質などで標識
されている、タンパク質特異的な抗体または抗体フラグメントが、哺乳動物に(
例えば、非経口的、皮下的または腹腔内に)導入される。対象のサイズおよび使
用されるイメージング・システムに依って、診断画像の作成に必要とされるイメ
ージング用成分の量が決定されることは、この分野では理解される。放射性同位
体成分の場合、ヒト被験体に対しては、注射される放射能の量は、通常、約5〜
20ミリキュリーの99mTcの範囲である。標識された抗体は、その後、特定の
タンパク質を含有する細胞の部位に選択的に蓄積する。ペントラキシンI/ヒト
・ペントラキシン受容体、あるいはペントラキシンI/ヒト・ペントラキシン受
容体をコードするmRNAの濃度が正常であるか、または低下しているか、また
は増加しているか、したがって、ニューロン異常に対する示唆を与えているかを
評価するためには、測定された濃度が正常な組織における濃度と比較される。さ
らなる診断方法には、タンパク質またはmRNAのサイズの測定、標準的な配列
決定方法による、ペントラキシンI/ヒト・ペントラキシン受容体の遺伝子のヌ
クレオチド配列の決定など、ならびに、健康な個体から得られた対応するデータ
との比較が含まれる。
【0039】 上で論じた診断研究における用途として、キットもまた本発明により提供され
る。かかるキットは、ペントラキシンIおよび/またはヒト・ペントラキシン受
容体あるいはペントラキシンIおよび/またはヒト・ペントラキシン受容体をコ
ードするmRNAである、標的細胞成分を検出するために有用であり、その際、
タンパク質またはmRNAの低下した濃度または増大した濃度、あるいはタンパ
ク質または対応する核酸の異常な形態(例えば、サイズ、アミノ酸配列などに関
して)は、上に記載される異常のいずれかに対する指標となり、また、前記キッ
トは、ペントラキシンIおよび/またはヒト・ペントラキシン受容体あるいはペ
ントラキシンIおよび/またはヒト・ペントラキシン受容体をコードする核酸配
列(例えば、mRNA)と特異的に結合するプローブ(1つまたは複数)を含ん
でなる。該プローブは、検出可能に標識することができる。かかるプローブは、
タンパク質または対応するmRNAに対して特異的な、抗体またはオリゴヌクレ
オチドであってもよい。好ましい実施態様において、前記キットは、抗ペントラ
キシンI抗体および/または抗ヒト・ペントラキシン受容体抗体を含有して、E
LISAによる前記診断を可能にし、そしてこの分野で公知の手法を使用して、
固体支持体、例えば、ポリスチレン製マイクロ・タイター・ディッシュまたはニ
トロセルロース・ペーパーに対して結合させた抗体を含んでいる。あるいは、前
記キットは、RIAに基づき、そして、放射活性な同位体で標識された前記抗体
を含有する。本発明のキットの好ましい実施態様において、該抗体は、酵素、蛍
光性化合物、発光性化合物、強磁性プローブまたは放射能化合物で標識される。 (表の説明) 表1:ペントラキシンIの系内ハイブリダイゼーション結果のまとめ。 中央中心溝動脈閉塞(MCAO)後の種々の時間における、様々な脳領域におけ
るペントラキシンImRNAの発現:前頭皮質(左半球および右半球)、梨状皮
質(左半球および右半球)、および海馬の左半球。
【0040】
【表1】
【0041】 表2:ペントラキシン受容体の系内ハイブリダイゼーション結果のまとめ。 中央中心溝動脈閉塞(MCAO)後の種々の時間における、様々な脳領域におけ
るペントラキシン受容体mRNAの発現:前頭皮質(左半球および右半球)、梨
状皮質(左半球および右半球)、および海馬(左半球および右半球)。
【0042】
【表2】
【0043】 実施例1:一般的手順(インビトロ モデル) (A)細胞モデル:小脳顆粒細胞培養物 顆粒細胞の一次培養物を7日齢ウイスターラットの子の小脳から調製した。切
離した細胞を、ポリ−L−リシン臭化水素酸塩(10μg/ml、MW>300
,000、Sigma)で予めコーティングされた24ウエルプラスチックプレ
ート(2cm2)または150cm2フラスコに置床し、密度を約4×105細胞
/cm2になるように調節した。細胞を、下記の添加物を含むイーグル基本培地
で培養した:10%熱不活化ウシ胎児血清(FCS)、2mMのL−グルタミン
、0.1mg/mlのゲンタマイシンおよび25mMのKCl。非ニューロン細
胞の複製を、置床した18時間後〜24時間後にシトシンアラビノシド(10μ
M)を加えることによって妨げた。培養物を、水蒸気を飽和させ、5%CO2
含む大気下、37℃でインキュベーションした。8日間培養した後、この細胞を
上記に記載される実験のために使用した。
【0044】 (B)培養物の処置 (I)カリウム欠乏により引き起こされるニューロンの死 最初の8日間、ニューロンを標準的な培地で維持し、その後、この培地を無血
清の標準的な培地と交換した。ニューロンを2回洗浄し、KClが5mMで、無
血清の標準的な培地(低カリウム)で維持した。コントロール培養物を同じよう
に洗浄して、25mMのKClを含有する無血清のK25標準的な培地で維持し
た。RNAを、カリウムを欠乏させた2時間後および4時間後に小脳顆粒細胞コ
ントロールからRNA単離の上記説明に従って単離した(図1)。
【0045】 (II)グルタミン酸により誘導される神経毒性 神経毒性を、8日目に、培養状態で維持された細胞において誘導した。未処理
の培養物に由来する馴化培地をその後の使用のために保存した。培養物を、マグ
ネシウムおよびグルコースを含まない改変ロック緩衝液(154mMのNaCl
、5.6mMのKCl、2.3mMのCaCl2、8.6mMのHEPES、1
0μMのグリシン、pH7.4)で2回洗浄した。40分間のプレインキュベー
ションの後、10μMのグリシンおよび100μMのグルタミン酸を含有する新
しいロック緩衝液を加え、培養物を37℃で1時間インキュベーションした。そ
の後、培養物を1回洗浄した後、馴化培地を再び導入して、細胞をインキュベー
ターに戻した(図2)。培養物を、直ちに(1hサンプル)または3時間後に(
4hサンプル)、RNA抽出のために処理した(RNA単離に対する説明を参照
のこと)。同じ実験のために、他の培養条件をアッセイした:a)ロック緩衝液
におけるグルコース欠乏、グルタミン酸誘導なし、b)グルコースが5mMのロ
ック緩衝液およびグルタミン酸誘導。両方の場合に、RNA抽出を1時間および
4時間において行った。8日目の培養物をコントロールと見なした。
【0046】 (C)アンチセンスアッセイ ラットのペントラキシンIに対するセンス・オリゴヌクレオチドおよびアンチ
センス・オリゴヌクレオチドの作用を小脳顆粒ニューロンにおける低カリウム誘
導の細胞死について調べた。使用されたラット・ペントラキシンI転写物に対す
る21merのアンチセンス・オリゴデオキシリボヌクレオチドおよびセンス・
オリゴデオキシリボヌクレオチドのホスホロチオアートアナログは下記の通りで
あった: PTX1AS GGTGCGGCGCGGCCGGCCA アンチセンス
PTX1S CGGCCGGCCGCGCCGCACG センス (下線部はホスホロチオアート化ヌクレオチドを示す。) 10μMのODNの濃度が「アンチセンス・ノック・ダウン」に最適であるこ
とが見出された。センスODNまたはアンチセンスODNのいずれかを、顆粒細
胞培養物を高カリウム培地から低カリウム培地に切り換えた直後に加えた。生存
するニューロンを、カリウム欠乏の24時間後にフルオレセインジアセタート(
FD)およびプロピジウムヨージド(PI)の2つの蛍光色素で同時に染色する
ことによって定量した。染色された細胞を標準的な上方照明蛍光顕微鏡で調べ、
写真撮影した。ニューロン細胞の死は、下記のようにして得られた%細胞死とし
て表された:PI陽性細胞×100/(PI陽性細胞+FD陽性細胞)。
【0047】 実施例2:一般的手順(インビボ モデル) (A)限局性永続的虚血 限局性の永続的な発作モデルには、Tamura他(J.Cereb Blo
od Flow Metab、1981、53〜60)によって記載され、Be
derson他(Stroke、17、1986、472〜478;Strok
e、17、1986、1304〜1307)に従って改変されるジアテルミー閉
塞を伴う側頭下での方法に従ったラットにおける左中大脳動脈(MCA)の閉塞
を伴う。そのような方法により、MCA領域内に限局性の永続的な梗塞が誘導さ
れる。この梗塞は、主に皮質に限定されるが、線条体のわずかな罹患(梗塞全体
の約5%)を伴う中くらいのサイズの梗塞部(約160mm3の容量)をもたら
す。総頸動脈の同側側の閉塞は、梗塞の再現性を改善するために寄与する。
【0048】 フィッシャー−344ラット(オス、230g〜260g)をナトリウムペン
トバルビトールで麻酔した。梗塞の再現性を改善するために、永続的な左総頸動
脈の閉塞を、細い縫合用絹糸を用いた二重結紮によって行った。皮膚および側頭
筋肉を、顔面神経を傷つけることなくはさみで切った。頭骨を、連続的に生理食
塩水を流しながらドリルで開け、そして遠位の左中大脳動脈を、頬骨を傷つける
ことなく経頭蓋的に露出させた。硬膜を10/0針で破った。MCAを遠位に持
ち上げ、細い双極鉗子(6W)を使用して閉塞させた。支脈もまた閉塞させた。
その後、再開通を避けるために、動脈をミクロはさみで処理した。処理中、体温
を37℃〜38℃で保った。
【0049】 脳を、2時間後、6時間後、8時間後、24時間後、7日後、14日後または
21日後に摘出した。
【0050】 RNAを(B、CおよびDに報告されるアッセイのために)得るために、左半
球および右半球を液体窒素で別々に凍結し、同じことを小脳について行った。脳
は、さらに使用されるまで−80℃で保存された。
【0051】 系内ハイブリダイゼーション(H)のための組織を得るために、動物を0.1
Mリン酸塩緩衝液で灌流し、その後、4%パラホルムアルデヒドを含む0.1M
リン酸塩緩衝液で灌流した。脳を切離して、同じ固定液で後固定した。
【0052】 擬手術動物および無処理動物をコントロールとして含ませた。擬処理ラットに
対する手術処置は、MCAの電気凝固を除いて、手術された動物と同じであった
。脳を24時間後に摘出して、通常通りに処置する。 梗塞容量を測定するために、神経保護アッセイ(Kに報告されるアンチセンスア
ッセイ)の場合、脳をMCA閉塞の48時間後に摘出して、一連の2mmの冠状
面脳切片を作製し、1Mリン酸塩緩衝液(pH7.4)における1%のTTC(
2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム塩化物)で染色した。
【0053】 梗塞領域を画像分析によって定量した。
【0054】 (B)RNA単離、cDNA合成 発作モデルからのRNA単離のために、無傷ラットおよび虚血ラットに由来す
る左半球および右半球ならびに小脳を液体窒素で凍結した。各処置から得られた
3個〜5個のサンプルをプールして、RNAをChomczynsky他(An
alytical Biochemistry、162、1987、156〜1
59)に従って抽出し、CsClグラジエント(Sambrook他、上記)で
精製した。mRNAを、オリゴ−dTカラムを使用して精製した。細胞モデルに
由来するRNAを下記のように抽出した:示された時間で培養培地をフラスコか
ら除き、細胞を、RNaseを含まないPBS緩衝液で2回洗浄した。グアニジ
ニンイソチオシアナート緩衝液をフラスコに直接加えた。穏やかに振とうした後
、そして細胞の単層が破壊されたとき、細胞懸濁物を、細胞スクラッパーで細胞
をはがしながら回収して、15mlの円錐チューブに移し、直ちに20Gの針に
通して破壊した。懸濁物を5.7MのCsCl溶液に重層し、そして20℃にお
いて91,000xgで20時間遠心分離して、RNAを沈澱させた。cDNA
合成を、1μgのmRNAおよび1mMの適切なオリゴヌクレオチドを用いて、
Amersham Pharmacia Biotechから得られる「You
−prime first−Strand Beads」キットを使用して行っ
た。RNAの操作を伴うすべてのステップは、一般的なプロトコル(Sambr
ook他、上記)に従ってDEPC処理した材料および溶液を用いて行った。
【0055】 (C)ディファレンシャル・ディスプレイ 発作モデルに由来するRNA(擬処置、左半球からの2時間および6時間)、
ならびに血清およびカリウムが欠乏したもとでの顆粒細胞に由来するRNA(コ
ントロール、2時間および4時間)を「ディファレンシャル・ディスプレイ」(
DD)実験において使用した。使用した方法は最初に記載されたものであった(
LiangおよびPardee、Science、257、1992、967〜
971)。sscDNA合成のために使用された12個のオリゴヌクレオチドは
(dT)11VN(下流オリゴヌクレオチド)であった。sscDNAの増幅を、
同じ3’オリゴヌクレオチドと別の10merの任意の5’オリゴヌクレオチド
(上流オリゴヌクレオチド)とを用いて行った。PCR増幅産物をGenomy
xのLR装置において変性6%ポリアクリルアミドゲル(Genomyx)で分
析した。ゲルを800Vで16時間泳動した。DNAを銀染色により可視化して
、乾燥した(図3)。示差的に調節されている遺伝子に対応するDNAバンドを
ゲルから切り出した。DNAを、10μlのH2Oに−20℃で2時間浸漬する
ことによってゲルから溶出し、そして同じオリゴヌクレオチド対および同じPC
R条件を使用して再度増幅した。得られたバンドを「pGem−T Easy」
ベクター(Promega)に直接クローン化して、3個の陽性クローンを配列
決定した(Promegaから得られる銀配列システム)、3個のクローンが同
じ配列を有した場合、それらはゲルから選択されたバンドに対応し、1つだけが
存在すると考えられた。配列をゲノムデータベースと比較した。得られたバンド
の確認をリバースノーザンによって最初に行った。陽性バンドをノーザンおよび
/または半定量的PCRおよび定量的PCRによってさらに分析した。
【0056】 (D)リバース・ノーザン・ブロットおよびノーザン・ブロット DDからの選択されたバンドを1.5%アガロースゲルで電気泳動し、ナイロ
ンメンブランに移した(Sambrook他、上記)。メンブランを、シグナル
のコントロールとしてアクチンを使用し、DD実験において使用された各モデル
について、32Pで標識された適切なdscDNAとハイブリダイゼーションさせ
た。各ハイブリダイゼーション実験に由来するバンドをアクチンに対して参照し
、対応するバンドと比較した。ノーザン・ブロットを、発作モデルに由来するm
RNAサンプル(無傷ラットおよび擬処置ラットならびに2時間、6時間、8時
間、24時間、7日間、14日間および21日間の虚血ラットに由来する左半球
および右半球および小脳)、グルタミン酸処置のもとでの細胞培養物に由来する
mRNAサンプル、または血清およびカリウムを欠乏させた細胞に由来するmR
NAサンプルの5μgを用いて行った。ラットのペントラキシンIおよびペント
ラキシン受容体をそれぞれ放射能標識して、プローブとして使用した。サンプル
あたりのmRNAの量を、アクチンを使用して調べた。ヒト組織および切離した
脳に由来するメンブランをClontechから購入した。ハイブリダイゼーシ
ョンを、アクチン、およびヒト・ペントラキシンIのサブクローンを用いて行っ
た。
【0057】 (E)クローニング手順 ペントラキシンI: ヒト・ペントラキシンIを、コード領域に対応する1組の特異的なオリゴヌク
レオチドを使用してPCRによってクローン化した。完全なcDNAは以前に発
表されており(マウスおよびヒトのニューロンのペントラキシンI(Perin
他、上記))、配列はGenBankデータベース(アクセション番号U618
49)において見出された。これにより、PCRクローニング用の特異的なプラ
イマーを設計することができた。Clontechから購入した全脳由来のcD
NAだけでなく、脳皮質、海馬および小脳に由来するヒトRNAサンプルを使用
した。
【0058】 下記のプライマーを使用した: フォワード 139/163 ATCGAATTCATGCCGGCCGGC
CGCGCGCGCACCT EcoRI部位に下線を付す。ATG開始コドンを太字で示す。
【0059】 975/995 AGGCCAACGAGCTGGTCCTCA リバース 1110/1128 TGGGATTCAGCCCAGGCGA 1508/1472 CGATAAGCTTGAGAGAAGAG
ACGCACAAACAGATCATCGCCGCACAAG 1555/1529 TGTGCGTGTGCAGGGCGACG
GCCTCGG mRNAの長さ(約5.5kb)のために、これらのプライマーは、コード領
域(塩基138〜1431)に対してのみ設計された。数個のcDNAクローン
が得られた。これらのクローンの1つが塩基723〜1328のフラグメントを
含む(図20)。
【0060】 ヒト・ペントラキシン受容体: 全長をクローン化するためには、ヒト・ペントラキシン受容体のcDNA配列
を得る必要であった。ヒト・ペントラキシン受容体のcDNA配列を、以前に発
表されたラットのペントラキシン受容体に由来する配列(Dodds他、J.B
iol.Chem.272、1997、21488〜21494)(アクセショ
ン番号:AF005099)を使用してEMBLデータバンクに見出されるゲノ
ム配列(アクセション番号:HS327J16)から推定した。相同性検索を、
公開されているデータバンクで行い、遺伝子(アクセション番号:AL0085
83)のコード領域に対する相同性を示す1つのゲノム配列のフラグメントがい
くつか見出された。仮想的なエキソンに対応するこれらのフラグメントは、ラッ
ト配列のコード領域との85%の類似性を有している。これにより、PCRクロ
ーニング用の特異的なプライマーを設計することができた。ヒト脳組織およびC
lontechから購入した脳cDNAを使用した。
【0061】 下記のプライマーを使用した: フォワード 171/194 ATCGAATTCCTGAAGTTCCTG
GCCGTGCTGCTG EcoRI部位に下線を付す。CTG開始コドンを太字で示す。
【0062】 950/979 CCGGCAGAGGCAGGAAGTGGA
AAAGGAGTT リバース 1048/1025 AAGGCATCTGGAGGACTGTA
GGCT 1755/1730 GCGTGGGCTGGCTGAGGAGG
GAATA 1842/1822 TCGCAGGGCAGGGCATTCTG
G 数個のcDNAクローンが得られた。これらのクローンの1つがコード領域の
全体を含み、図19に表されている。
【0063】 (F)半定量的PCR sscDNAを、(dA)12A、(dT)12Cおよび(dT)12Gの混合物、
発作モデルに由来するmRNAサンプル(無傷ラットおよび擬処置ラットならび
に2時間、8時間および24時間の虚血ラットに由来する左半球および右半球)
およびグルタミン酸処置のもとでの顆粒細胞培養物に由来するmRNAサンプル
の各1μMを使用して合成した。PCR増幅のために、ラット・ペントラキシン
I(フォワード1390/1410:AGGCCAACGAGCTGGTCCT
CA;リバース1795/1777:TGGGATTCAGCCCAGGCGA
)、ラット・ペントラキシン受容体(フォワード950/979:CCGGCA
GAGGCAGGAAGTGGAAAAGGAGTT;リバース1574/15
49:GCCTCTACCAGCTTGTCTTCCCAGGG)、および内部
コントロールとしてのアクチン(フォワード:CGATATCGCTGCGCT
CGTCGT;およびリバース:ATCTCCTTCTGCATCCTGTC)
を使用した。フォワードプライマーをビオチン−UTPで標識した。遺伝子増幅
の指数関数期を決定するために、サンプルを15回〜30回の各サイクルから取
り出した。PCR産物を電気泳動して、ナイロンメンブランに移した。キミオル
ミニセント(quimioluminiscent)検出の後、フィルムを走査
して、バンドの強度を測定した。アクチンとペントラキシンIまたはペントラキ
シン受容体との比率を計算して、異なるサンプルについて同じサイクルの値を比
較した。
【0064】 (G)リアルタイムPCR 発作モデルのサンプルにおけるラットのペントラキシンIおよびペントラキシ
ン受容体の発現レベルを、ABI PRISM(登録商標)7700配列検出シ
ステム(Applied Biosystems)を使用してリアルタイムTa
qMan PCR技術によって調べた。この技術を用いて、cDNAの絶対濃度
を高感度で測定することができる。長さが25bpおよび29bpの特別なプラ
イマーと32merのプローブ(レポーター色素:FAM/クエンチャー色素:
TAMRA)とを市販の説明書に従って設計した。
【0065】 (H)系内ハイブリダイゼーション MCAOが行われたラットを閉塞後の6時間および24時間および7日目に屠
殺し、0.1Mリン酸塩緩衝液で灌流し、その後、4%パラホルムアルデヒドを
含む0.1Mリン酸塩緩衝液で灌流した。脳を切離して、同じ固定液において4
℃で8時間にわたって後固定し、10%スクロース溶液で凍結保護した。20μ
m厚の冠状面切片をクリオスタットで切断し、シラン処理したスライドガラスに
載せ、−40℃で保存した。無傷ラットをコントロールとして使用した。
【0066】 ラット・ペントラキシンIフラグメントまたはラット・ペントラキシン受容体
フラグメントを含有するプラスミドDNAを、選択された制限酵素で線状化し、
フェノール/クロロホルム抽出して、エタノール沈澱した。ペレットを25μl
のH2Oに再懸濁して、濃度をUVで測定した。1μgの精製した線状化プラス
ミドを、Roche Diagnosticsから得られる「Dig RNA標
識」キットとともにT7RNAポリメラーゼ、T3RNAポリメラーゼまたはS
p6RNAポリメラーゼを使用して転写した。標識されたRNAの収率を、同じ
キットに由来する標識されたコントロールRNAをドットブロット法で使用して
見積もった。リボプローブを250ng/ml〜500ng/mlで使用した。
【0067】 ハイブリダイゼーションの前に、切片をPBSで連続的に水和させ、0.2%
のトリトンX−100を含むPBSとともにインキュベーションした。その後、
切片を0.2NのHClで処理(10分)し、そして0.1Mトリエタノールア
ミン、0.25%無水酢酸においてアセチル化(5分)した。その後、切片を4
%パラホルムアルデヒドで後固定(10分)して、PBSで洗浄し、0.025
Mグリシンで洗浄(5分)し、エタノール(50%、70%、90%および10
0%)で順次脱水した。切片を、50%ホルムアミド、20%デキストラン硫酸
、5%デンハルト溶液、2%の0.5M EDTA、2%の1M PIPES、
0.2%SDS、5%の1M DTT、2.5%の10mg/ml ssDNA
、2.5%の10mg/ml酵母tRNAおよび10%の20×SSCを含むハ
イブリダイゼーション緩衝液でプレハイブリダイゼーション(60℃で2時間)
し、続いて、400ng/mlのプローブを含有する同じ緩衝液でハイブリダイ
ゼーション(60℃で一晩)した。ハイブリダイゼーションの後、切片を2×S
SCで2回洗浄して、20μg/mlのRNaseAを含む0.01M Tri
s−HCl(pH7.5)で処理した(1時間、37℃)。その後、連続的なス
トリンジェンシーの洗浄を、2×SSC、1×SSC、0.5×SSC(室温で
各15分)および0.1×SSC(60℃で30分)で行った。
【0068】 続いて、切片を、1%BSAを含むTris緩衝液(pH7.5)でブロッキ
ングし(室温で2時間)、アルカリホスファターゼと結合させたヒツジポリクロ
ーナル抗ジゴキシゲニン抗血清を含むTris緩衝液(pH7.5)とインキュ
ベーションした(4℃で一晩)。その後、切片を洗浄し、BCIP/NBTと数
時間インキュベーションして発色させた。
【0069】 (I)合成ペプチドの設計および結合 合成ペプチドを、ラット・ペントラキシンIおよびラット・ペントラキシン受
容体の配列に基づいて、それぞれ、特異的な抗体を惹起させるために設計した。
設計のために、ペントラキシン・ファミリーのメンバー間の大きな相同性と、ア
ミノ酸残基のアクセス性との2つの基本的な面を考慮した。図4には、ペプチド
の配列が示されている。タンパク質の構造を予測するために従来の方法を使用し
た。
【0070】 合成ペプチドを、SMP(N−スクシンイミジル−3−マレイイミドプロピオ
ナート)およびSPDP(N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ−
プロピオナート))の2つの市販リンカー(ともにPierceから得られる)
を製造者の説明書に従って使用してキャリア(BSAまたはKLH)に連結した
【0071】 (J)抗体の産生 合成ペプチドに対するポリクローナル抗体が、balb/cマウスにおいて、
結合KLH−ペプチドおよびアジュバントとしてのRibiを腹腔内(i.p.
)投与した後に得られた。2回目の用量を最初の用量の21日後に投与し、血清
を31日目に取り出した。50μgのペプチドを用量あたりに使用し、10匹の
動物をペプチドあたりに使用した。血清中における特異的な抗体の存在を、標準
的なELISA法を使用して調べた。交差反応を避けるために、ELISAプレ
ートのコーティングを、SMS−BSAペプチドおよびペプチド−SPDP−B
SAを1μg/mlで使用して行った。モノクローナル抗体の場合、免疫化され
たマウスの脾臓に由来するB細胞を、標準的な方法(KohlerおよびMil
stein、上記)に従ってPEGを使用して、パートナーとしてのFrien
dlyメラノーマ−653(Vertex)細胞と融合した。
【0072】 (K)SDS−PAGEおよび免疫ブロッティング ドデシル硫酸ナトリウム ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)をLaemmliの方法に従って行った。タンパク質をニトロセルロース・
メンブランに移した。細胞抽出物または組織抽出物におけるペントラキシンIお
よびペントラキシン受容体の存在を、ウエスタン・ブロットによって、ポリクロ
ーナル血清(1/2000に希釈)またはハイブリドーマ上清のインキュベーシ
ョンを行い、その後、結合抗体のインキュベーションを行った後に決定した。
【0073】 (L)インビトロでのアンチセンスアッセイ ラットのペントラキシンIに対するセンス・オリゴヌクレオチドおよびアンチ
センス・オリゴヌクレオチドの作用を小脳顆粒ニューロンにおける低カリウム誘
導の細胞死について調べた。使用されたラット・ペントラキシンI転写物に対す
る21merのアンチセンス・オリゴデオキシリボヌクレオチドおよびセンス・
オリゴデオキシリボヌクレオチドのホスホロチオアートアナログは下記の通りで
あった: PTX1AS GGTGCGGCGCGGCCGGCCA アンチセンス
PTX1S CGGCCGGCCGCGCCGCACG センス (下線部はホスホロチオアート化ヌクレオチドを示す。) 10μMのODNの濃度が「アンチセンス・ノック・ダウン」に最適であるこ
とが見出された。センスODNまたはアンチセンスODNのいずれかを、顆粒細
胞培養物を高カリウム培地から低カリウム培地に切り換えた直後に加えた。生存
するニューロンを、カリウム欠乏の24時間後にフルオレセインジアセタート(
FD)およびプロピジウムヨージド(PI)の2つの蛍光色素で同時に染色する
ことによって定量した。染色された細胞を標準的な上方照明蛍光顕微鏡で調べ、
写真撮影した。ニューロン細胞の死は、下記のようにして得られた%細胞死とし
て表された:PI陽性細胞X100/(PI陽性細胞+FD陽性細胞)。
【0074】 (M)インビボモデルに対するアンチセンスアッセイ ラット・ペントラキシンIおよびラット・ペントラキシン受容体に対するアン
チセンス・オリゴヌクレオチドの作用をラット発作モデルで調べた。 使用されたラット・ペントラキシンI転写物およびラット・ペントラキシン受容
体転写物に対する21merのアンチセンス・オリゴデオキシリボヌクレオチド
のホスホロチオアートアナログは下記の通りであった: PTXIAS GGTGCGGCGCGGCCGGCCA ラット・ペント
ラキシンIアンチセンス PTXRAS GTGACGGCACCGAGGAACG ラット・ペント
ラキシン受容体アンチセンス (下線部はホスホロチオアート化ヌクレオチドを示す。) それぞれのアンチセンス・アッセイは2つのコントロール群を有した:ビヒク
ル(生理食塩水溶液)で処置された群およびコントロール・オリゴヌクレオチド
で処置された別の群。
【0075】 使用されたラット・ペントラキシンI転写物およびラット・ペントラキシン受
容体転写物に対する21merのコントロール・オリゴデオキシリボヌクレオチ
ドのホスホロチオアートアナログは下記の通りであった: PTXIS CGGCCGGCCGCGCCGCACG ラット・ペントラ
キシンIセンス PTXRMIS GTTACAGCACTGAGAAACG ラット・ペン
トラキシン受容体ミスマッチ (下線部はホスホロチオアート化ヌクレオチドを示す。) (I)ラット・ペントラキシンIのアンチセンス・アッセイ 処置(ビヒクル、ラット・ペントラキシンIのセンス・オリゴヌクレオチドお
よびアンチセンス・オリゴヌクレオチド)を、梗塞領域の中心部に対応する座標
(AP −1.6、L +5.5、P −1.0)に埋め込まれたカニューレガ
イドを介してラットの左脳皮質に注入することによって適用した。オリゴヌクレ
オチドは、10μMにおいて、0.5μL/分で2分間にわたって投与された。
それぞれの投与におけるオリゴヌクレオチドの最終的な量は10nmolであっ
た。コントロール群の動物には、1μLの生理食塩水溶液が投与された。それぞ
れの動物には下記の4回の投与が行われた:最初の投与がMCA閉塞(MCAO
)の48時間前に行われ、2回目がMCAOの24時間前に行われ、3回目がM
CAOの5分後に行われ、そして最後が損傷の24時間後に行われた。投与され
たオリゴヌクレオチドの最終的な量は動物あたり40nmolであった。
【0076】 脳をMCAOの48時間後に摘出して染色し、梗塞容量を画像分析によって定
量した。
【0077】 (II)ラット・ペントラキシン受容体のアンチセンス・アッセイ 処置(ビヒクル、ラット・ペントラキシン受容体のミスマッチオリゴヌクレオ
チドおよびアンチセンス・オリゴヌクレオチド)を、梗塞領域の中心部に対応す
る座標(AP −1.6、L +5.5、P −1.0)に埋め込まれたアルゼ
ット(alzet)ポンプを介してラットの左脳皮質に注入することによって適
用した。
【0078】 アルゼットポンプを0.83μMのオリゴヌクレオチドで満たした;ポンプは
流速が0.5μL/時であった。したがって、動物には、24時間の期間毎に1
0nmolのオリゴヌクレオチドが投与された。コントロール群の動物には、1
日あたり12μLの生理食塩水溶液が投与された。アルゼットポンプの能力は7
日間の注入期間に対してであった。したがって、ポンプはMCAOの5日前に埋
め込まれ、損傷後の2日目から作動させた。投与されたオリゴヌクレオチドの最
終的な量は動物あたり70nmolであった。
【0079】 脳をMCAOの48時間後に摘出して染色し、梗塞容量を画像分析によって定
量した。
【0080】 実施例3:発作モデルおよびインビトロ アポトーシス・モデルにおけるペン
トラキシンI遺伝子の発現 発作モデルを、その後のDD研究のために、コントロールとしてのβ−アクチ
ンと、MCAO後に誘導される即時初期遺伝子として記載されるヒート・ショッ
クタンパク質70(HSP70)とを用いた、MCAO後の両方の半球(同側側
および反対側)に由来するサンプルのハイブリダイゼーションによって確認した
(図5)。弱いシグナルがMCAOの30分後に左半球に存在し、これは2時間
でその最大値に達し、少なくとも8時間続いた。反対側の半球では発現は見られ
なかった。これらの結果により、擬処置、MCAOの2時間後および6時間後に
由来するサンプルをDD実験のために選択した。
【0081】 インビトロ アポトーシス・モデルを同じ目的で組み立てた。インビトロで8
日目の小脳顆粒細胞の培養条件を、高KCl(25mM)を含有する培地から低
濃度(5mM)を含有する培地に交換することによって、プロピジウムヨージド
の蛍光により測定されるニューロン細胞死の時間依存的な増大がもたらされた(
図1)。カリウム濃度を低下させ、血清を除いた24時間後のニューロンの喪失
は、コントロールにおける15%の死および25mMカリウムの存在下でカリウ
ムを除いた後における20%の死と比較して約60%であった。細胞死の著しい
差は、処置した2時間後および4時間後のこれらの群の間には認められなかった
。これらの時間における各処置群の総RNAを使用して、示差的な遺伝子発現を
調べた。
【0082】 両方の実験モデルにおいて、DD実験からの選択されたバンドは、以前に記載
されたヒトおよびラットのニューロン・ペントラキシンIに対する大きな相同性
を示した。発作モデルに由来するバンドは、塩基1479から塩基1877(塩
基1853で停止)までのラット・ペントラキシンIに対して相同的であり、ア
ポトーシス・モデルに由来するバンドは塩基5127から塩基5339までのラ
ット・ペントラキシンIに対して相同的であった。しかし、ラット発作モデルで
は、時間の経過とともにシグナルが低下するために、このバンドが選択されたが
、インビトロ アポトーシス・モデルでは強度が増大した。ノーザン分析により
、アポトーシス・モデルにおけるこの結果が確認される(図6)。このことは、
血清およびKClを欠乏させた培養物におけるアップレギュレーションを示して
いるが、発作モデルでは、非コード領域に由来する配列がプローブとして使用さ
れた場合でさえ、ペントラキシンIの発現における明瞭な差を認めることはでき
なかった(図7/I)。それにも関わらず、TaqMan技術を使用することに
より、ラット発作モデルにおけるペントラキシンIの発現の著しい増大を明らか
にすることができた(図8、パネルA)。
【0083】 実施例4:発作モデルにおけるペントラキシン受容体遺伝子の発現 発作モデルを、その後のDD研究のために、コントロールとしてのβ−アクチ
ンと、MCAO後に誘導される即時初期遺伝子として記載されるヒート・ショッ
クタンパク質70(HSP70)とを用いた、MCAO後の両方の半球(同側側
および反対側)に由来するサンプルのハイブリダイゼーションによって確認した
(図5)。弱いシグナルがMCAOの30分後に左半球に存在し、これは2時間
でその最大値に達し、少なくとも8時間続いた。反対側の半球では発現は見られ
なかった。これらの結果により、擬処置、MCAOの2時間後および6時間後に
由来するサンプルをDD実験のために選択した。DD実験からの選択されたバン
ドは、以前に記載されたラットのニューロン・ペントラキシン受容体に対する大
きな相同性を示した。このバンドは、塩基2495から塩基3057(塩基16
31で停止)までのラット・ペントラキシン受容体に対して相同的であった。こ
のバンドは、強度が増大したために選択された。ノーザン分析により、ペントラ
キシン受容体の発現における明瞭な差を認めることことはできなかった(図7/
II)。ペントラキシン受容体の過剰な発現が、TaqManなどのより高感度
な技術を使用して確認された(図8、パネルB)。
【0084】 実施例5:ペントラキシンIのmRNAの組織分布 ヒト・ペントラキシンI遺伝子の塩基723〜1048(コード領域)に対応
するフラグメントを用いたノーザン・ドットブロットのハイブリダイゼーション
により、ペントラキシンIが主に脳全体に分布していること、そして弱いシグナ
ルが下垂体および副腎に現れることが示された。脳において、その発現は、大脳
皮質、扁桃、海馬、後頭葉および小脳に見られ、そしてそれらよりも小さい程度
で、被殻に見られた(図9/I)。また、発現をいくつかのヒトおよびラットの
神経膠腫細胞株および神経芽細胞腫細胞株で調べた。大きな発現がPCR増幅に
よってヒト細胞株のT98Gにおいて検出され(図10/I)、そして弱いバン
ドのみがラット神経芽細胞腫細胞株のBE10およびBE10.7において検出
された(図11/I)。
【0085】 ラット・ペントラキシンI遺伝子の塩基1390から塩基1795までのフラ
グメントから作製されたリボプローブを使用する系内ハイブリダイゼーションに
より、ノーザン・ドットブロットと同じシグナル分布が示された(表1)。また
、皮質および海馬において同側側半球および反対側半球の両方でシグナルの増大
を認めることができた。小脳では、この増大はあまり明かではなかった。
【0086】 実施例6:ペントラキシン受容体のmRNAの組織分布 塩基1029〜1755に対応するフラグメントを用いたノーザンドットブロ
ットのハイブリダイゼーションにより、ペントラキシン受容体が主に脳全体に分
布していることが示された。発現が、大脳皮質、扁桃、海馬、後頭葉、前頭葉お
よび側頭葉ならびに小脳において見られ、そしてそれらよりも小さい程度で被殻
において見られた(図9/II、III)。また、発現をいくつかのヒトおよび
ラットの神経膠腫細胞株および神経芽細胞腫細胞株で調べた。大きな発現がPC
R増幅によってヒト細胞株のU186MGおよびU87MGにおいて検出され(
図10/II)、そしてラット神経芽細胞腫細胞株のBE10、BE10.7お
よびBE10.7後期ならびに神経膠腫細胞のC6において検出された(図11
/II)。
【0087】 ラット・ペントラキシン受容体遺伝子の塩基2495から塩基3057までの
フラグメントから作製されたリボプローブを使用する系内ハイブリダイゼーショ
ンにより、ノーザン・ドットブロットと同じシグナル分布が示された(表2)。
また、皮質および海馬において同側側半球および反対側半球の両方でシグナルの
増大を認めることができた。小脳では、この増大はあまり明かではなかった。
【0088】 実施例7:ペントラキシンI遺伝子の発現の調節機構 ペントラキシンI発現の考えられる調節機構を調べるために、小脳顆粒細胞に
おけるグルコースおよび/またはグルタミン酸の転写物レベルに対する影響を調
べた。図2のパネルBに示されているように、細胞死として測定されるグルタミ
ン酸の興奮毒性作用が、グルタミン酸処置の前およびその期間中にグルコースが
欠乏したときに見られる。半定量的PCR研究により、グルコースが欠乏した細
胞(レーン2および3)では、ペントラキシンIのmRNAレベルが最初の4時
間のときに低下していることが示された(図12/I)。グルコースが欠乏し、
かつグルタミン酸で処置された細胞(レーン4および5)では、両方の培養時間
においてmRNAレベルがコントロールまで増大した。この作用はまた、グルタ
ミン酸処置がグルコースの存在下で行われた場合(レーン6および7)にも見ら
れたが、前者よりも遅かった。したがって、グルタミン酸により、細胞生存性に
対する作用に関わらず、ペントラキシンIの発現が誘導され、そしてグルコース
欠乏により、その発現が抑制されると結論することができる。
【0089】 実施例8:ペントラキシン受容体遺伝子の発現の調節機構 ペントラキシン受容体発現の考えられる調節機構を調べるために、小脳顆粒細
胞におけるグルコースおよび/またはグルタミン酸の転写物レベルに対する影響
もまた調べられた。半定量的PCR研究により、グルコースが欠乏した細胞(レ
ーン2および3)では、ペントラキシン受容体のmRNAレベルが最初の2時間
のときに素早く低下していることが示された(図12/II)。4時間後、増大
しているが、レベルは依然としてコントロール・レベルよりも小さい。グルコー
スが欠乏し、かつグルタミン酸で処置された細胞(レーン4および5)では、両
方の培養時間においてmRNAレベルがコントロールまでわずかに増大した。し
かし、グルタミン酸処置がグルコースの存在下で行われた場合(レーン6および
7)、4時間でコントロール・レベルにまで増大した。したがって、グルタミン
酸によりまた、細胞生存性に対する作用に関わらず、ペントラキシン受容体の発
現が誘導され、そしてグルコース欠乏によりその発現が抑制されると結論するこ
とができる。
【0090】 実施例9:アンチセンスRNAの存在下におけるペントラキシンIの発現 ペントラキシンI遺伝子の塩基561〜581に対応するオリゴヌクレオチド
(センスおよびアンチセンス)を、アポトーシス・モデルにおける細胞生存性に
対する影響を見るために使用した。図13/Iに示されているように、アンチセ
ンス処置のみが細胞死の割合の著しい低下を誘導する。このことは、ペントラキ
シンIタンパク質の発現の抑制が神経保護作用を有することを示している。
【0091】 ペントラキシンI遺伝子の塩基630〜650に対応するオリゴヌクレオチド
(センスおよびアンチセンス)を、ラット発作モデルにおける神経保護作用を見
るために使用した。図13/II/Aに示されているように、アンチセンス処置
のみが梗塞容量の著しい低下を誘導する(約26%、p<0.02、ステューデ
ントT検定)。このことは、ペントラキシンIタンパク質の発現の抑制が神経保
護作用を有することを示している。
【0092】 実施例10:アンチセンスRNAの存在下におけるペントラキシン受容体の発
現 ペントラキシン受容体遺伝子の塩基187〜207に対応するオリゴヌクレオ
チド(ミスマッチおよびアンチセンス)を、ラット発作モデルにおける神経保護
作用を見るために使用した。図13/II/Bに示されているように、アンチセ
ンス処置のみが梗塞容量の著しい低下を誘導する(約20%、p<0.02、ス
テューデントT検定)。このことは、ペントラキシン受容体タンパク質の発現の
抑制が神経保護作用を有することを示している。
【0093】 実施例11:特異的な抗ペントラキシンI抗体の作製 ポリクローナル抗体を、ラットのペントラキシンI配列に対して相同的な合成
ペプチドを使用して得た。特異的なペプチドであるペプチド1(図4/I、パネ
ルB)を、免疫化のためにKLHに結合し、そしてスクリーニングのためにBS
Aに結合した(図14/I)。特異的な抗体の存在を、SMPおよびSPDPの
2つの異なるリンカーによるBSAに対するペプチド1結合体をコーティングの
ために使用して検出した。約100kDaの特異的なバンドが、2つのニューロ
ンラット細胞株の抽出物を用いたウエスタン・ブロッティングの後で検出された
(図15/I)。抗ペプチド1抗血清とともにインキュベーションした後のウエ
スタン・ブロットで得られるこの100kDaバンドは、この抗血清がペプチド
1とプレインキュベーションされた場合には消失する(図16)。
【0094】 実施例12:特異的な抗ペントラキシン受容体抗体の作製 ポリクローナル抗体を、ラットのペントラキシン受容体配列に対して相同的な
合成ペプチドを使用して得た。特異的なペプチドであるペプチド1(図4/II
、パネルB)を、免疫化のためにKLHに結合し、そしてスクリーニングのため
にBSAに結合した(図14/II)。特異的な抗体の存在を、SMPおよびS
PDPの2つの異なるリンカーによるBSAに対するペプチド1結合体をコーテ
ィングのために使用して検出した。約45kDaの特異的なバンドが、すべての
ニューロンラット細胞株の抽出物を用いたウエスタン・ブロッティングの後で検
出された(図15/II)。
【0095】 実施例13:発作モデルおよびインビトロ アポトーシス・モデルにおけるペ
ントラキシンIのタンパク質レベル ラット・ペントラキシンIの発現を、市販のモノクローナル抗体および標準的
なウエスタン・ブロット技術を使用して検出した。
【0096】 この計画のために、MCAO発作モデルの後で、ラットの脳を、右半球、非梗
塞の左半球、梗塞した左半球、および小脳で切離した。抽出物(緩衝液(50m
MのTris−HCl、pH7.4;0.1%トリトンX−100;5mMのE
DTA;250mMのNaCl;10μl/mlのPMSF)において)を、レ
ーンあたり20μgを使用して泳動した。ペントラキシンIの特異的な47kD
aの特異的なバンドが検出され(Transduction Laborato
ries、N35130)、チュブリン(ICN、650952)などのハウス
・キーピング遺伝子のシグナルと比較された(図17、パネルI)。バンドのデ
ンシトメトリー分析(図17、パネルII)により、反対側半球および同側側半
球におけるペントラキシンI発現の明らかな増大が示された。発現の増大は閉塞
の2時間後に検出される。この結果は、ペントラキシン類が急性期のタンパク質
として分類されることと一致する。
【0097】 ペントラキシンIレベルの増大はまた、アポトーシス顆粒細胞モデルにおいて
も検出された。カリウム欠乏の後、ペントラキシンIの発現は明らかに増大した
(図18)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カリウム除去後の小脳顆粒細胞培養物における特異的な遺伝子発現。
【図2】 小脳顆粒細胞培養物におけるグルタミン酸誘導の神経毒性。 (a)小脳顆粒細胞培養物におけるグルタミン誘導神経毒性モデルの概要、 (b)小脳顆粒細胞の生存能に対するグルタミン酸の経時的作用、 (c)グルタミン酸処理下での生存能に対するグルコースの作用。
【図3】 ラット発作モデルにおける特異的な遺伝子の表出。 cDNA増幅のために下流プライマー(T)11ATと組み合せて使用された3
つの上流プライマー(D12、D15、D16)が、図の上部に示される。各プ
ライマーの具体的な配列は、図の下部に示される。鏃印は、差異を示すバンドを
示している。
【図4/I】 ラットのペントラキシンI(図4/I)およびペントラキシン受容体(図4/
II)に対する抗原性ペプチドの設計。 (I/A)抗原特異性を決定するためのラットのペントラキシンIおよびペン
トラキシン受容体のアミノ酸配列の比較。抗体用の合成ペプチドは、囲い内に示
す。 (I/B)ラットのペントラキシンI配列の配列に基づく、ペプチド1の設計
。システインを、キャリアとの結合を容易にするためにN末端に含ませた。 (II/A)抗原特異性を決定するためのラットのペントラキシンIおよびペ
ントラキシン受容体のアミノ酸配列の比較。抗体用の合成ペプチドは、囲い内に
示す。 (II/B)ラットのペントラキシン受容体配列の配列に基づく、ペプチド2
の設計。システインを、キャリアとの結合を容易にするためにN末端に含ませた
【図4/II】 ラットのペントラキシンI(図4/I)およびペントラキシン受容体(図4/
II)に対する抗原性ペプチドの設計。 (I/A)抗原特異性を決定するためのラットのペントラキシンIおよびペン
トラキシン受容体のアミノ酸配列の比較。抗体用の合成ペプチドは、囲い内に示
す。 (I/B)ラットのペントラキシンI配列の配列に基づく、ペプチド1の設計
。システインを、キャリアとの結合を容易にするためにN末端に含ませた。 (II/A)抗原特異性を決定するためのラットのペントラキシンIおよびペ
ントラキシン受容体のアミノ酸配列の比較。抗体用の合成ペプチドは、囲い内に
示す。 (II/B)ラットのペントラキシン受容体配列の配列に基づく、ペプチド2
の設計。システインを、キャリアとの結合を容易にするためにN末端に含ませた
【図5】 ラットにおける永続的な大脳虚血下での遺伝子発現。 (a)ラットにおける左中大脳動脈(MCA)のジアルテミー閉塞の拡大写真
。 (b)MCAO(中央中心溝動脈閉塞)後の種々の時間における、損傷した脳
のTTC染色された冠状面切片。梗塞領域は染色されない(白く明るい染色)。 (c)ノーザン分析によるMCAO後の種々の時間における、両半球でのアク
チンおよびHSP−70(ヒート・ショックタンパク質−70)のレベル。
【図6】 血清およびカリウムを欠乏させた後の小脳顆粒細胞培養物におけるラット・ペ
ントラキシンIのノーザン分析。 処置後の種々の時間における、ラット・ペントラキシンIの発現およびコント
ロールとしてのβ−アクチンの評価。 K(+):25mMのカリウム;K(−):5mMのカリウム。
【図7/I】 発作モデルにおけるラットのペントラキシンI(図7/I)およびペントラキ
シン受容体(図7/II)のノーザン分析。 (7/I)MCAO後の種々の時間における、両半球におけるラット・ペント
ラキシンIの発現およびコントロールとするβ−アクチンの評価。 (7/II)MCAO後の種々の時間における、両半球におけるラット・ペン
トラキシン受容体の発現およびコントロールとするβ−アクチンの評価。
【図7/II】 発作モデルにおけるラットのペントラキシンI(図7/I)およびペントラキ
シン受容体(図7/II)のノーザン分析。 (7/I)MCAO後の種々の時間における、両半球におけるラット・ペント
ラキシンIの発現およびコントロールとするβ−アクチンの評価。 (7/II)MCAO後の種々の時間における、両半球におけるラット・ペン
トラキシン受容体の発現およびコントロールとするβ−アクチンの評価。
【図8】 リアルタイムPCR(TaqMan)によって決定されたペントラキシンIお
よびペントラキシン受容体のmRNAレベル。 ペントラキシンI(パネルA)およびペントラキシン受容体(パネルB)のm
RNAレベルを、TaqMan法を使用して決定した。プローブとして使用され
たサンプルは、種々の時間における、MCAO手術ラットの左脳半球(虚血)に
由来した。擬処置動物またはコントロール動物(非手術)から採取された材料を
コントロールとして使用した。ペントラキシンIおよびペントラキシン受容体の
レベルは、β−アクチンのレベルに対して、有意な(*)増大を示した。
【図9/I】 ヒト組織におけるペントラキシンI(図9/I)およびペントラキシン受容体
(図9/II、III)の分布。 ペントラキシンIプローブ(図9/I)、ペントラキシン受容体プローブ(図
9/II、III)、およびコントロールとしてのユビキチン(図9/I、II
)を用いたノーザン・ブロット(多組織ノーザン・ブロット、Clontech
Laboratories Inc、Palo Alto、CA)。
【図9/II】 ヒト組織におけるペントラキシンI(図9/I)およびペントラキシン受容体
(図9/II、III)の分布。 ペントラキシンIプローブ(図9/I)、ペントラキシン受容体プローブ(図
9/II、III)、およびコントロールとしてのユビキチン(図9/I、II
)を用いたノーザン・ブロット(多組織ノーザン・ブロット、Clontech
Laboratories Inc、Palo Alto、CA)。
【図9/III】 ヒト組織におけるペントラキシンI(図9/I)およびペントラキシン受容体
(図9/II、III)の分布。 ペントラキシンIプローブ(図9/I)、ペントラキシン受容体プローブ(図
9/II、III)、およびコントロールとしてのユビキチン(図9/I、II
)を用いたノーザン・ブロット(多組織ノーザン・ブロット、Clontech
Laboratories Inc、Palo Alto、CA)。
【図10/I】 いくつかのヒト細胞株におけるペントラキシンI(図10/I)およびペント
ラキシン受容体(図10/II)のcDNAレベルのPCRによる検出。
【図10/II】 いくつかのヒト細胞株におけるペントラキシンI(図10/I)およびペント
ラキシン受容体(図10/II)のcDNAレベルのPCRによる検出。
【図11/I】 いくつかのラット細胞株におけるペントラキシンI(図11/I)およびいく
つかのラット細胞株におけるペントラキシン受容体(図11/II)のcDNA
レベルのPCRによる検出。
【図11/II】 いくつかのラット細胞株におけるペントラキシンI(図11/I)およびいく
つかのラット細胞株におけるペントラキシン受容体(図11/II)のcDNA
レベルのPCRによる検出。
【図12/I】 ラット小脳顆粒細胞でのグルタミン酸神経毒性モデルにおける、種々の培養条
件での半定量的PCRによるペントラキシンIの発現(図12/I)およびペン
トラキシン受容体の発現(図12/II)。
【図12/II】 ラット小脳顆粒細胞でのグルタミン酸神経毒性モデルにおける、種々の培養条
件での半定量的PCRによるペントラキシンIの発現(図12/I)およびペン
トラキシン受容体の発現(図12/II)。
【図13/I】 小脳顆粒細胞(図13/I)における低カリウム誘導によるニューロン細胞死
、ならびにラット発作モデル(図13/II)における、アンチセンス・オリゴ
ヌクレオチドおよびセンス・オリゴヌクレオチドの作用。
【図13/II】 小脳顆粒細胞(図13/I)における低カリウム誘導によるニューロン細胞死
、ならびにラット発作モデル(図13/II)における、アンチセンス・オリゴ
ヌクレオチドおよびセンス・オリゴヌクレオチドの作用。
【図14/I】 ラットのペントラキシンIおよびペントラキシン受容体に対する抗体を検出す
るためのELISAアッセイ。 アッセイを、リンカーとしてSMPまたはSPDPを使用してBSAと結合さ
せた、ペプチド1(図14/I;ペントラキシンI)またはペプチド2(図14
/II;ペントラキシン受容体)をそれぞれ用いて行った。図14/Iではペプ
チド2(ペントラキシン受容体)およびCT19を陰性コントロールとして使用
し、図14/IIではペプチド1(ペントラキシン1)およびCT19を陰性コ
ントロールとして使用した。
【図14/II】 ラットのペントラキシンIおよびペントラキシン受容体に対する抗体を検出す
るためのELISAアッセイ。 アッセイを、リンカーとしてSMPまたはSPDPを使用してBSAと結合さ
せた、ペプチド1(図14/I;ペントラキシンI)またはペプチド2(図14
/II;ペントラキシン受容体)をそれぞれ用いて行った。図14/Iではペプ
チド2(ペントラキシン受容体)およびCT19を陰性コントロールとして使用
し、図14/IIではペプチド1(ペントラキシン1)およびCT19を陰性コ
ントロールとして使用した。
【図15/I】 ペントラキシンIポリクローナル抗体(図15/I)およびペントラキシン受
容体ポリクローナル抗体(図15/II)をそれぞれ使用した細胞株に関するウ
エスタン・ブロット。 陰性コントロールとして、抗リンカー抗体および抗ペプチド(ペントラキシン
I)抗体または抗ペプチド2(ペントラキシン受容体)抗体を使用した。
【図15/II】 ペントラキシンIポリクローナル抗体(図15/I)およびペントラキシン受
容体ポリクローナル抗体(図15/II)をそれぞれ使用した細胞株に関するウ
エスタン・ブロット。 陰性コントロールとして、抗リンカー抗体および抗ペプチド(ペントラキシン
I)抗体または抗ペプチド2(ペントラキシン受容体)抗体を使用した。
【図16】 ラット・ペントラキシンI抗体に関する競合アッセイ。 ラット細胞株をウエスタン・ブロットした後、フィルターを、抗リンカー抗体
、抗ペプチド1抗体、ならびに、ペプチド1とプレインキュベーションした抗ペ
プチド1抗体とともにインキュベーションした。
【図17】 MCAOラットの脳抽出物に対する、ペントラキシンIモノクローナル抗体を
使用するウエスタン・ブロット。 ペントラキシンIのタンパク質レベルを、市販のモノクローナル抗体(Tra
nsduction Laboratories、N35130)を使用して検
出した。MCAO発作モデルの後、ラットの脳を、右半球、非梗塞の左半球、梗
塞した左半球、および小脳に切離した。サンプルを、さらなる例に示されている
ように調製した。ハウス・キーピング遺伝子のチュブリンをコントロールとして
使用した(ICN、650952)。パネルIには、コントロール(チュブリン
)および特異的なペントラキシンI抗体を使用するウエスタン・ブロットが示さ
れている。 バンドをデンシトメトリーで定量した。パネルIIに示される結果は、コント
ロールを基準とする、正規化された結果のパーセンテージ(ペントラキシンIの
バンド/チュブリンのバンド)に対応する。
【図18】 アポトーシス・モデル(カリウム欠乏)に由来する細胞抽出物に対する、ペン
トラキシンIモノクローナル抗体を使用するウエスタン・ブロット。 チュブリンおよびペントラキシンIが、図17に示される同じ抗体を使用して
検出された。ペントラキシンIの発現がコントロール細胞で弱く検出されたが、
処置された細胞における発現はカリウム欠乏の後に劇的に増大した。
【図19】 開始コドン(CTG)および停止コドンを含むヒト・ペントラキシン受容体の
コード領域。
【図20】 記載された配列(U618489)に対して相同的なヒト・ペントラキシンI
の部分クローン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 35/00 4C085 A61P 25/00 C07K 14/705 4C086 25/28 16/28 4H045 35/00 C12N 1/19 C07K 14/705 1/21 16/28 C12P 21/02 C C12N 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 C12Q 1/68 37/48 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 メッセグエル ペイポーシュ、 ラモン スペイン国 エス−08330 プレミア デ マル ピントール ポウ ロイグ通り 37番 1番2アー (72)発明者 ロッセル ヴィヴエス、 エリザベト スペイン国 エス−08008 バルセローナ エンリク グラナドス通り 43番 3号 (72)発明者 マルティネス エスコーラ、 ジョセフ、 マ スペイン国 エス−08017 バルセローナ ボリ−イ フォンテスタ通り 49番−ア 13号 エイチ (72)発明者 ロデス グベラン、 ブランカ スペイン国 エス−08849 サン クリメ ント デ ヨブレガト ジョウム フォン ト通り 3番 2号 (72)発明者 アダン プラーナ、 ジョウム スペイン国 エス−08301 マタロウ プ ジョウル通り 28番 (72)発明者 プユイグ カルボ、 ヌリア スペイン国 エス−08027 バルセローナ プエルト プリンシペ通り 47番−53号 アテイコ 3アー (72)発明者 カルセイエール ローサ、 アナ スペイン国 エス−08028 バルセローナ タキグラフォウ マルティ通り 6番 2号 2アー (72)発明者 マーサ アルヴァレス、 マルク スペイン国 エス−08020 バルセローナ ジョセフ ミレット通り 21番 2号 3アー (72)発明者 ピウラト サンコ、 ジョウム スペイン国 エス−08030 バルセローナ エム.キンティ マヨフレ通り 2番 6号 (72)発明者 デン ダース、 イツァーク ドイツ連邦共和国 64407 フレンキッシ ュ−クラムバッハ シュイラーシュトラー セ 76 (72)発明者 トゥルヤス オリヴァ、 ラモン スペイン国 エス−08226 テラッサ プ ラト デ ラ リバ通り 169番 デー1 号 (72)発明者 デ グレゴリオ−ロウ−カソラーノ バル バニー、 ヌーリア スペイン国 エス−08921 サンタ コロ ーマ デ グラマネト メストレ ジョセ フ マルトレール 12番 アーティク Fターム(参考) 4B024 AA01 BA41 BA63 CA04 CA09 DA02 DA03 DA05 DA12 EA04 GA11 GA18 GA19 HA03 HA14 4B063 QA01 QA12 QA18 QA19 QQ02 QQ42 QQ53 QR32 QR38 QR55 QR59 QR82 QS25 QS28 QS34 QS39 QX01 4B064 AG20 CA02 CA06 CA10 CA19 CC24 DA01 4B065 AA01X AA72X AA90X AA91X AA91Y AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 4C084 AA02 AA06 AA07 BA02 BA23 CA53 CA56 DC01 NA14 ZA012 ZA022 ZA162 4C085 AA13 AA14 BB11 DD62 DD63 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA01 ZA02 ZA16 ZB21 ZB26 ZC02 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA45 DA50 DA76 DA86 EA21 FA74

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト・ペントラキシン受容体または該ヒト・ペントラキシン
    受容体の生物学的性質を示すタンパク質をコードし、かつ (a)図19に示されるヌクレオチド配列のコード領域を含んでなる核酸配列
    ; (b)(a)に明記される該核酸配列にハイブリダイゼーションする核酸配列
    ; (c)(a)および(b)に明記される該核酸配列から、遺伝暗号の縮重性に
    起因して変異している核酸配列、ならびに (d)(a)〜(c)に明記される核酸配列のフラグメント、誘導体または対
    立遺伝子型変異体を表す核酸配列 からなる群から選択される核酸配列。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される該核酸配列を含む組換えベクター。
  3. 【請求項3】 該核酸配列は、原核生物宿主細胞および/または真核生物宿
    主細胞中において、翻訳可能なRNAの転写および合成を可能とする調節エレメ
    ントと機能的に連結されている、請求項2に記載の組換えベクター。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載される該組換えベクターを含有する組換え宿
    主細胞。
  5. 【請求項5】 哺乳動物細胞、細菌細胞、昆虫細胞または酵母細胞である、
    請求項4に記載の組換え宿主細胞。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載される核酸分子によってコードされている、
    該ヒト・ペントラキシン受容体の生物学的性質を示すタンパク質。
  7. 【請求項7】 該ヒト・ペントラキシン受容体の生物学的性質を示すタンパ
    ク質の製造方法であって、 (a)請求項4または5に記載される該組換え宿主細胞を、前記タンパク質が
    発現されるような条件下で培養すること、および (b)該タンパク質を回収すること を含んでなる方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載される方法によって製造されるタンパク質。
  9. 【請求項9】 請求項6または8に記載される該タンパク質に対する抗体。
  10. 【請求項10】 下記成分: (a)ペントラキシンIまたは請求項1に記載される核酸配列によってコード
    されているタンパク質、 (b)(a)のタンパク質の非機能的な変異体、 (c)(a)または(b)のタンパク質に対する抗体、 (d)(a)または(b)のタンパク質をコードする核酸配列、 (e)ペントラキシンIをコードする遺伝子から転写されるmRNA、請求項
    1に記載される核酸配列から転写されるmRNA、またはそれらの一部に対して
    相補的であり、かつ前記mRNAまたはその一部に選択的に結合することができ
    ることを特徴とし、ペントラキシンI、あるいはヒト・ペントラキシン受容体ま
    たはヒト・ペントラキシン受容体の生物学的性質を有するタンパク質の合成を阻
    害することができるアンチセンスRNA配列、 あるいは (f)ペントラキシンIをコードする遺伝子から転写されるmRNA、請求項
    1に記載される核酸配列から転写されるmRNA、またはそれらの一部に対して
    相補的であり、かつ前記mRNAまたはその一部と選択的に結合して、切断し、
    したがって、ペントラキシンI、あるいはヒト・ペントラキシン受容体またはヒ
    ト・ペントラキシン受容体の生物学的性質を有するタンパク質の合成を阻害する
    ことができることを特徴とするリボザイム の少なくとも1つの治療的に有効量を、 場合によっては、薬学的に受容可能なキャリアと組み合せて、 含んでなる医薬組成物。
  11. 【請求項11】 ニューロン異常に付随する疾患の防止、あるいは治療また
    は改善用の、ないしは神経保護作用の提供用の医薬組成物を製造するための、請
    求項10に規定される化合物の1つの使用。
  12. 【請求項12】 該ニューロン異常は、発作、急性頭部外傷、多発性硬化症
    、脊髄損傷、アルツハイマー病または脳腫瘍である、請求項11に記載の使用。
  13. 【請求項13】 ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体の脱
    調節された発現、あるいは、全く無いか、ないしは少なくとも低下している生物
    学的活性を有するペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体の存在に
    基づく、ニューロン異常に付随する疾患を検出するための方法であって、 ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体、あるいはペントラキシン
    Iまたはヒト・ペントラキシン受容体をコードする核酸配列を含有することが懸
    念される標的サンプルを、ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体
    、あるいはペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体をコードする核
    酸配列と反応する試薬と接触させること、および ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン受容体、あるいはペントラキシン
    Iまたはヒト・ペントラキシン受容体をコードする核酸配列の異常な量または異
    常な形態を検出すること を含んでなる方法。
  14. 【請求項14】 該試薬は、ペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシン
    受容体をコードする核酸配列に対して、特異的にハイブリダイゼーションし得る
    ポリヌクレオチドである、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 該試薬は、抗ペントラキシンI抗体または抗ヒト・ペント
    ラキシン受容体抗体である、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 該試薬は、検出可能に標識化がなされている、請求項13
    〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 ペントラキシンIおよび/またはヒト・ペントラキシン受
    容体、あるいはペントラキシンIおよび/またはヒト・ペントラキシン受容体を
    コードする核酸配列の異常な量または異常な形態を検出するためのプローブ(1
    つまたは複数)を含んでなる診断キット。
  18. 【請求項18】 該プローブは、抗ペントラキシンI抗体または抗ヒト・ペ
    ントラキシン受容体抗体、あるいはペントラキシンIまたはヒト・ペントラキシ
    ン受容体をコードする核酸配列に対して特異的にハイブリダイゼーションし得る
    ポリヌクレオチドである、請求項17に記載のキット。
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