JP2003512580A - 乗り物ディスクブレーキ用のブレーキディスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 乗り物ディスクブレーキ用のブレーキディスクであって、該ブレーキディスクは、車輪ハブに回転しないように連結するための半径方向内側のハブ部分（１ａ）と、互いに反対向きの摩擦面を有する、まわりの半径方向外側ディスク部分とから成る。前記外側ディスク部分は、前記ハブ部分に連結される二つのディスク要素（４）によって形成され、該要素は、冷却空気通路を定めるスペーサー（７ａ〜７ｄ）によって分離されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、乗り物ディスクブレーキ用のブレーキディスクであって、 車輪ハブに回転しないように連結するための半径方向内側のハブ部分と、 互いに反対向きの摩擦面を有する、まわりの半径方向外側ディスク部分と、 前記外側ディスク部分内に配置された通路と、 を有し、 前記通路が前記摩擦面間のディスク材料内に冷却空気を通すように配置されて
いる、ブレーキディスクに関する。

【０００２】 ブレーキング時に発生する熱を運び去ることによって周囲空気の冷却効果を高
めるために製造されるいわゆる通気ブレーキディスクは、二つの基本タイプに分
けられる。一つのタイプは、ハブの内側周縁からまわりのディスク部分の外側周
縁までディスク内を半径方向に延びる導路を有する。したがって、この導路は、
内側周縁の入口開口と外側周縁の出口開口とを有する。ディスクが回転すると、
前記導路内を前記入口から出口まで案内される空気流が発生する。もう一つのタ
イプの通気ブレーキディスクは二つのディスク要素から成り、これらの要素は、
ハブに固定され、また互いに側面同士が連結され、このとき柱の形の複数のスペ
ーサーによって中間スペースが形成される。

【０００３】 ディスクに通気することにより、ディスクの平均温度が低下する。ディスクと
パッドとの摩耗は温度に強く依存するので、温度の低下はこの摩耗に対して良い
影響をもたらす。さらに、大部分の運転スタイルの場合に、ディスクの最高温度
が低下するので、ブレーキの機能低下および割れ発生の危険が減少する。しかし
、ハブの内側周縁に導路を開口させることの一つの欠点は、応力が最大で、ブレ
ーキング力と温度差も同様であるブレーキディスク部分において、材料の質量が
減少する、ということである。ハブ内の穴に伴う大きな応力は割れ発生の危険を
増大させる。

【０００４】 本発明の目的は、冒頭に述べたタイプのブレーキディスクであって、ディスク
のハブにおける強度を犠牲にすることなく、十分な冷却を実現しうるように構成
されるブレーキディスクを実現することである。

【０００５】 前記目的は、本発明により、前記通路が、半径方向外側ディスク部分の周縁に
、またはその近辺に、冷却空気のための入口と出口とを有し、また前記通路が、
前記ハブ部分内に貫入しない、ようにすることによって達成される。

【０００６】 本発明は、一つの実施態様において、ブレーキディスクの前記柱構造にもとづ
くものであるが、空気がディスクの内側周縁から外側周縁までディスク全体を通
って循環しうるように、ハブ部分に柱を配置する代りに、ディスクを、空気通路
が貫入することのないハブ部分を有するように作る。ここで示されたことによれ
ば、乗り物車輪ハウジングのある種の構造と組合わせることにより、冷却空気導
路をハブを貫通させることなく、十分な冷却を実現することができる。

【０００７】 以下、添付の図面に示す実施形態により、本発明をさらに詳しく説明する。

【０００８】 図１と図２に示すブレーキディスク１は、半径方向内側ハブ部分１ａを有し、
該ハブ部分の内側周縁面には、車輪ハブ（図示せず）の対応するスプラインとか
み合わせるためのスプライン２、３が形成されている。ブレーキディスクの穴あ
き取りつけフランジを車輪ハブのフランジに強固にねじ止めする、従来から行わ
れている取りつけに代るものとしての、ブレーキディスク１のこのような回転不
可能取りつけの例は、ＳＥ−Ａ−５０２ １８９号明細書に示され、説明されて
いる。ハブ部分１ａは、中間間隔を有するように配置された一対のディスク要素
４と一体鋳造される。互いに反対方向を向いているディスク要素面５が、ブレー
キング時にブレーキパッド（図示せず）が押しつけられるブレーキディスク摩擦
面を形成している。ディスク要素４の間の中間スペース７には、スぺーサー要素
７ａ、７ｂ、７ｃ、および７ｄが配置されている。スぺーサー要素７ａ〜７ｄは
、これらの間に通路８および９を定め、ブレーキディスクが回転すると、前記通
路内を空気が流れる。

【０００９】 図３と図４に示すブレーキディスク実施形態１は、フランジ１４を車輪ハブの
フランジに強固にねじ止めするための穴１３を備えたフランジ１４を有する従来
からのハブ部分１ｂを有しているという点だけが前記実施形態と異なる。

【００１０】 本発明によれば、ハブ部分内に貫入する導路なしで、ブレーキディスクの冷却
が実現される。これは、ハブ部分を貫通する半径方向導路を有する公知の構造に
比して、小さな応力を生じる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明によるブレーキディスクの第一の実施形態の端面図である。

【図２】 図１の線II−IIに沿う断面図である。

【図３】 本発明のブレーキディスクの第二の実施形態の、図４の線III−IIIに沿 う縦断面図である。

【図４】 図３の線IV−IVに沿う断面図である。

【符号の説明】

１ ブレーキディスク １ａ ハブ部分 １ｂ ハブ部分 ２、３ スプライン ４ ディスク要素 ５ ディスク要素面 ７ 中間スペース ７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｄ スペーサー要素 ８、９ 通路 １３ 穴 １４ フランジ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗り物ディスクブレーキ用のブレーキディスクであって、 車輪ハブに回転しないように連結するための半径方向内側のハブ部分（１ａ）
   と、 互いに反対向きの摩擦面（５）を有する、まわりの半径方向外側ディスク部分
   （４）と、 前記外側ディスク部分内に配置された通路（８、９）と、 を有し、 前記通路が前記摩擦面間のディスク材料内に冷却空気を通すように配置されて
   いる、 ブレーキディスクにおいて、 通路（８、９）が、半径方向外側ディスク部分の周縁に、またはその近辺に、
   冷却空気のための入口と出口とを有し、また通路（８、９）が、前記ハブ部分内
   に貫入していない、 ことを特徴とするブレーキディスク。
2. 【請求項２】 通路（８、９）の入口と出口が、前記半径方向外側ディスク
   部分の周縁側面に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のブレーキデ
   ィスク。
3. 【請求項３】 前記外側ディスク部分が、前記ハブ部分に連結されていてス
   ペーサー要素（７ａ〜７ｄ）によって分離されている二つのディスク要素（４）
   から成り、前記スぺーサー要素が、前記通路（８、９）を定めることを特徴とす
   る請求項１または２に記載のブレーキディスク。
4. 【請求項４】 前記ハブ部分（１ａ）が内側周縁を有し、該周縁に、スプラ
   イン（２）が作りつけられ、該スプラインが車輪ハブの対応するスプラインとか
   み合うようになっていることを特徴とする請求項１から３の中のいずれか１つに
   記載のブレーキディスク。
5. 【請求項５】 ハブ部分（１ｂ）にフランジ（１４）が備えられ、該フラン
   ジに、車輪ハブの取りつけフランジに前記フランジ（１４）を強固にねじ止めす
   るための穴（１３）が備えられていることを特徴とする請求項１から３の中のい
   ずれか１つに記載のブレーキディスク。